(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-26
(45)【発行日】2024-10-04
(54)【発明の名称】物品供給装置
(51)【国際特許分類】
G07F 11/00 20060101AFI20240927BHJP
【FI】
G07F11/00 B
(21)【出願番号】P 2023221030
(22)【出願日】2023-12-27
【審査請求日】2024-03-29
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000135748
【氏名又は名称】株式会社バンダイ
(72)【発明者】
【氏名】濱田 尚基
(72)【発明者】
【氏名】久保田 雄作
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 博史
(72)【発明者】
【氏名】水谷 絢哉
【審査官】山本 裕太
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-105832(JP,A)
【文献】特開2022-114969(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07F 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品供給装置であって、
本体部と、
前記本体部に
設けられ、物品を収容可能な収容部と、
前記収容部に設けられ、
前記収容部に収容されている前記物品を送出可能で送出方向の上流側の送出部と下流側の送出部とを含み、前記物品を供給可能な供給部と、
前記供給部による前記物品の供給を制御可能な制御部と、
前記供給部による前記物品の供給に際し、一度に
前記収容部において積層された複数の前記物品のうち、最も下又は最も上に位置している一つの前記物品のみを選別可能な選別部と、
前記供給部により供給され
前記選別部により選別された前記物品を検出可能な第1検出部と、
前記上流側の送出部、及び前記下流側の送出部に動力を付与可能な動力付与部と、を備え、
前記下流側の送出部は、前記上流側の送出部により送出され、前記選別部により選別された前記物品を送出可能に構成され、
前記上流側の送出部、及び前記下流側の送出部は、前記動力付与部からの動力の付与に基づく第1動作、及び動力の付与に基づかない第2動作を可能に構成されている、物品供給装置。
【請求項2】
請求項
1に記載の物品供給装置であって、
前記上流側の送出部、及び前記下流側の送出部は、前記第1動作後に前記第2動作可能に構成されている、物品供給装置。
【請求項3】
請求項
2に記載の物品供給装置であって、
前記第2動作は、送出中の前記物品との摩擦力に基づく動作である、物品供給装置。
【請求項4】
請求項
3に記載の物品供給装置であって、
前記制御部は、前記第1検出部による前記物品の検出後において、前記下流側の送出部を前記第1動作可能に制御する、物品供給装置。
【請求項5】
請求項
4に記載の物品供給装置であって、
前記下流側の送出部は、前記上流側の送出部の前記第2動作開始後において、前記第1動作可能に構成されている、物品供給装置。
【請求項6】
請求項
1~5の何れか一項に記載の物品供給装置であって、
前記収容部は、第1収容部と第2収容部とを含み、
前記第1収容部は、前記第2収容部の直上に位置するように構成されている、物品供給装置。
【請求項7】
請求項
6に記載の物品供給装置であって、
前記上流側の送出部、及び前記下流側の送出部は、各々、回転ローラー部を成し、
前記上流側の送出部は、前記第1収容部に収容されている前記物品を送出可能な第1回転ローラー部と前記第2収容部に収容されている前記物品を送出可能な第2回転ローラー部とを含み、
前記下流側の送出部は、前記第1回転ローラー部により送出された前記物品を更に送出可能な第3回転ローラー部と、前記第2回転ローラー部により送出された前記物品を更に送出可能な第4回転ローラー部とを含んでいる、物品供給装置。
【請求項8】
請求項
7に記載の物品供給装置であって、
前記第1回転ローラー部と前記第3回転ローラー部は、第1方向に回転可能に構成され、
前記第2回転ローラー部と前記第4回転ローラー部は、前記第1方向とは異なる第2方向に回転可能に構成されている、物品供給装置。
【請求項9】
請求項
8に記載の物品供給装置であって、
前記第1回転ローラー部と前記第2回転ローラー部は、その断面が真円ではない形状を成し、
前記第3回転ローラー部と前記第4回転ローラー部は、その断面が真円の形状を成している、物品供給装置。
【請求項10】
請求項
9に記載の物品供給装置であって、
前記第1回転ローラー部と前記第2回転ローラー部は、各々、その周面が第1周面と第2周面とを含み、
前記第1周面は、前記物品と接触可能に構成され、
前記第2周面は、前記物品と接触しないように構成されている、物品供給装置。
【請求項11】
請求項
10に記載の物品供給装置であって、
前記第1収容部、及び前記第2収容部に収容されている前記物品の有無を検出可能な第2検出部を更に備え、
前記第2検出部は、前記第1収容部の下部から前記物品の有無を検出し、前記第2収容部の上部から前記物品の有無を検出可能である、物品供給装置。
【請求項12】
請求項1~
5の何れか一項に記載の物品供給装置であって、
前記制御部は、前記収容部に前記物品が無いことを検出した場合、前記物品を供給不可能に制御する、物品供給装置。
【請求項13】
請求項
1~5の何れか一項に記載の物品供給装置であって、
前記供給部は、代価の支払いを条件として、1つの前記物品を供給可能である、物品供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動販売機としてカード状の物品を供給できる物品供給装置がある。例えば特許文献1においては、カード販売機は、コインを投入してハンドルを操作すると、外部取出口からカード入りパックの先端が、カードカバーに被包された状態で突出する。したがって、カード先端の突出量が整う前ではカード先端はカードカバーにガードされて手指で摘まれて無理に引き出されることが確実に禁止される一方、カードカバーはカード先端の突出量が整うと、カード先端を残して外部取出口内に没入するから、その後は、カード先端を手指で摘んで引き出すことを許容する構成、が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1においては、ハンドル操作を伴うカード状の物品の提供であって、操作が面倒ある。また、特許文献1においては、装置自体の取り扱い性を向上させる構成についての言及もなく、提供できる物品については複数種の物品の提供ができない等、その利便性に課題を有している。
【0005】
本発明は、利便性が向上した物品供給装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様の物品供給装置は、本体部と、本体部に装着可能、且つ物品を収容可能な収容部と、収容部に設けられ、物品を供給可能な供給部と、供給部による物品の供給を制御可能な制御部と、供給部による物品の供給に際し、一度に一つの物品のみを選別可能な選別部と、供給部により供給される物品を検出可能な第1検出部と、を備え、第1検出部は、選別部により選別された物品を検出可能に構成されている、ものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、利用者にとって使い勝手の良い物品供給装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の一態様の物品供給装置及びゲーム実行部の斜視図である。
【
図2】物品供給装置を右側方から見た斜視図である。
【
図3】物品供給装置の内部構造を右側方から見た側面図である。
【
図4】第1送出部及び第2送出部の駆動機構を示す側面図である。
【
図5】第3送出部及び第4送出部の駆動機構を示す側面図である。
【
図6】第1送出部及び第2送出部を示す斜視図である。
【
図8】第2収容部の与圧構造を示す要部断面図である。
【
図9】第2収容部を本体部から取り出した状態を示す斜視図である。
【
図10】第2収容部の載置部が上がった状態のリンク構造を示す斜視図である。
【
図11】第2収容部の載置部が下がった状態のリンク構造を示す斜視図である。
【
図12】第2収容部の操作部の他の形態を示す斜視図である。
【
図13】第1供給部における第1の物品の送出し初期状態を示す動作説明図である。
【
図14】第1供給部における第1の物品の送出し中段状態を示す動作説明図である。
【
図15】第1供給部における第1の物品の送出し終段状態を示す動作説明図である。
【
図16】第1供給部における第1の物品の落下時の状態を示す動作説明図である。
【
図17】第2供給部における第2の物品の送出し初期状態を示す動作説明図である。
【
図18】第2供給部における第2の物品の送出し中段状態を示す動作説明図である。
【
図19】第2供給部における第2の物品の送出し終段状態を示す動作説明図である。
【
図20】第2供給部における第2の物品の落下時の状態を示す動作説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一態様である物品供給装置について、図を参照して説明する。
図1は、物品供給装置1及びゲーム実行部100の斜視図である。
【0010】
物品供給装置1は、ゲームセンターなどに設置されて、例えば、ディスプレイ101やゲーム操作部102等を備えゲーム実行部(ゲーム機)の本体内部に組み込まれている。このゲーム実行部100は、所定の代価の支払いを条件としてゲームを実行可能なものであるが、例えば、ゲーム実行部100におけるゲームの結果に関連させてカード状の物品Pを装置前面側(図においては左前方側)から供給する。また、単に、代価の支投入によって物品Pを供給できるようにも構成されている。
【0011】
図2は、物品供給装置1を右側方から見た斜視図である。
物品供給装置1は、その前面側から物品Pを供給できる供給部10が設けられている。この供給部10は、上側の第1供給口11hを有する第1供給部11Aと、下側の第2供給口12hを有する第2供給部12Aから構成されている。そして、第1供給部11Aからは第1の物品P1が供給され、第2供給部12Aからは第2の物品P2が供給される。また、本体部3には、物品P(第1の物品P1及び第2の物品P2を総称する場合には符号「P」を用いる)の収容部として、第1の物品P1を収容する第1収容部11と第2の物品P2を収容する第2収容部12が設けられている(
図3参照)。この本体部3は、図示のごとく一体となったユニット構造であり、図示の状態で1つのユニットとしてゲーム実行部100の本体から着脱可能に構成されている。なお、物品供給装置1は、本体部3に、水平方向に並べて、又は垂直方向に並べて複数設けても良い。
【0012】
図3は、物品供給装置1の内部構造を右側方から見た側面図である。
図2に示すように、第1の物品P1と第2の物品P2は、その収容数が異なっている。例えば、下側の第2の物品P2は、レア物品として数量の少ないものであり、上側の第1の物品P1の方が多く収容されている。第2の物品P2の供給機会は、第1の物品P1の供給機会よりも少なくなるように設定されているからである。
【0013】
また、本体部3は、第1収容部11が第2収容部12の直上に位置し、両収容部11,12が上下に並んだ構造となっている。第1収容部11は、その上部から第1の物品P1を補充可能なように上方側が解放構造となっている。そして、積層された最上部の第1の物品P1の上には、当該第1の物品P1を下方に与圧可能な上部与圧部11fが設けられている。一方、第2収容部12は、後述するように本体部3から取り外す、例えば、物品Pの排出・供給方向(X1)と本体部3からの引き出し方向とが同一方向となるように構成(前方側から引き出し可能に構成)されている。したがって、第2収容部12は、本体部3から取り外された状態(
図9参照)において、その上部から第2の物品P2を補充することができる。
【0014】
供給部10は、前掲したように、第1供給部11A、及び第2供給部12Aが設けられている。第1供給部11Aは、その上流側に第1送出部21が設けられ下流側に第3送出部23が設けられている。また、第2供給部12Aは、その上流側に第2送出部22が設けられ下流側に第4送出部24が設けられている。第1送出部21は、第1収容部11に収容されている第1の物品P1を選別して送り出しが可能に構成されている。また、第2送出部22は、第2収容部12に収容されている第2の物品P2を選別して送り出しが可能である。また、供給部10は、第1収容部11からの第1の物品P1の供給方向と、第2収容部12からの第2の物品P2の供給方向とが、同一方向(矢印X1方向)となるように構成されている。
【0015】
第1供給部11Aにおいては、第1送出部21を形成する第1回転ローラー部21aと、第3送出部23を形成する第3回転ローラー部23aと、が水平方向に前後(装置内方側と前方側)に並んでいる。すなわち、第1回転ローラー部21aは、送出部の上流側で第1収容部11に収容されている第1の物品P1の直下に設けられ、第3回転ローラー部23aは、送出部の下流側で第1供給口11hを構成するように配置されている。第1送出部21は、第1の物品P1に対して下方側から対面しており、後述するように最下方の第1の物品P1を一枚づつ送り出す選別部として機能する。また、第1送出部21において選別・送り出された第1の物品P1は、第3送出部23を介して第1供給口11hから排出・供給される。
【0016】
一方、第2供給部12Aにおいては、第2送出部22を形成する第2回転ローラー部22aと、第4送出部24を形成する第4回転ローラー部24aと、が水平方向に前後に並んでいる。また、第2回転ローラー部22aは、送出部の上流側で第2収容部12に収容されている第2の物品P2の直上に設けられ、第4回転ローラー部24aは、送出部の下流側で第2供給口12hを構成するように配置されている。また、後述するように、選別部として機能する第2送出部22において選別・送り出された第2の物品P2は、第4送出部24を介して第2供給口12hから排出・供給される。
【0017】
ここで、第1回転ローラー部21aは、第2回転ローラー部22aの直上に設けられ、第3回転ローラー部23aは、第4回転ローラー部24aの直上に設けられている。すなわち、物品Pの供給部10は、第1収容部11と第2収容部12の間に集中的に配置された機構として構成されている。第1の物品P1を送り出すときは、第1回転ローラー部21a、及び第3回転ローラー部23aは、反時計回りの方向である第1方向に回転する。一方、第2回転ローラー部22a、及び第4回転ローラー部24aは、第1方向とは異なる時計回りの方向である第2方向に回転して第2の物品P2を送出・供給する。
【0018】
また、第1供給口11hには、第1の物品P1を検出可能な上側の第1検出部18が設けられ、第2供給口12hには、第2の物品P2を検出可能な下側の第1検出部19が設けられている。この両第1検出部18,19によって、各供給口11h,12hから排出・供給される物品Pを検出する。また、第1収容部11側には、第1の物品P1を下側から検出できる第2検出部31が設けられ、第2収容部12側には、第2の物品P2を上側から検出可能な第2検出部32が設けられており、この上下に配置された第2検出部31,32によって両物品P1,P2の有無を検出できる。
【0019】
上側の第1検出部18と下側の第1検出部19は、上下に並んだ配置となっており、その検出部位を上下反対方向に向けた一対のセンサとして一体構造として本体部3に取り付けられている。また、上下の第2検出部31,32についても、上下に並んだ配置となっており、その検出部位を上下に向けて一体構造として本体部3に取り付けられている。なお、上下の両第1検出部18,19については、特に限定するものではないが、例えば、物品Pに対して非接触の光センサを用いることができる。また、上下の第2検出部31,32は、例えば接触型又は非接触型のセンサを用いることができる。
【0020】
図4は、第1送出部21及び第2送出部22の駆動機構を示す側面図である。
図5は、第3送出部23及び第4送出部24の駆動機構を示す側面図である。
【0021】
回転ローラー部の駆動は、前後に並んだ二つの動力付与部によって行われる。例えば、第1回転ローラー部21aと第2回転ローラー部22aは、モーターの第1動力付与部28mの回転力が右側ギア列28を介して駆動される。一方、第3回転ローラー部23aと第4回転ローラー部24aは、同じくモーターの第2動力付与部29mにより左側ギア列29を介して回転駆動される。右側ギア列28は、本体部3の右側面のギアボックス28c(
図2参照)に収容されて配置され、左側ギア列29は、本体部3の左側面のギアボックス29c(
図2参照)に収容されて配置されている。
【0022】
ここで、第3回転ローラー部23a、第4回転ローラー部24aにおいては、第2動力付与部29mが回転駆動されているときは、第3回転ローラー部23aは、反時計回りの方向(右側面から見たときの方向)に回転され、第4回転ローラー部24aは、時計回りの方向(右側面から見たときの方向)に回転される。また、第3回転ローラー部23a、及び第4回転ローラー部24aは、第2動力付与部29mが駆動したときは、常に同時に回転される。一方、第1回転ローラー部21aと第2回転ローラー部22aは、後述するが同時に回転駆動されることはなく別々に回転される構造となっている。
【0023】
図6は、第1送出部21及び第2送出部22を示す斜視図である。
第1送出部21の第1回転ローラー部21aと、第2送出部22の第2回転ローラー部22aは、右側ギア列28により駆動される。例えば、第1回転ローラー部21aの上側回転軸21bに固定された上側軸端ギア21cと、第2回転ローラー部22aの下側回転軸22bに固定された下側軸端ギア22cは、右側ギア列28の最終ギア28aにより同時に駆動される。これにより、上下両側回転軸21b,22bは、互いに異なる方向に回転される。
【0024】
しかし、上下両側回転軸21b,22bの回転力は、それぞれのローラー外周部21d,22dに対して第1クラッチ機構21g、及び第2クラッチ機構22gを介して伝達される。この第1、第2クラッチ機構21g,22gは、その回転方向により動力伝達ができる場合と伝達されない場合とが自動的に切り替えられる構造となっている。例えば、最終ギア28aが時計回りの方向(図中において矢印A方向)に回転したときは、上側回転軸21bの回転とともに第1回転ローラー部21aは、全体が反時計回りの第1方向R1に回転し、第1の物品P1の下面bsに回転力を伝達できる。このとき、下側回転軸22bが反時計回りの方向に回転するもののローラー外周部22dに駆動力が伝達されず第2回転ローラー部22aはその全体が回転しない。
【0025】
一方、最終ギア28aが反時計回りの方向(図中において矢印B方向)に回転したときは、下側回転軸22bの回転とともに第2回転ローラー部22aは、全体が時計回りの第2方向R2に回転し、第2の物品P2の上面asに回転力を伝達できる。このように第1送出部21と第2送出部22とが別々に動作するように制御される。これにより、第1の物品P1と第2の物品P2は、別々に送り出され同時に送出されることはない。
【0026】
第1回転ローラー部21a、及び第2回転ローラー部22aは、第3、及び第4回転ローラー部23a,24aとは異なりその横断面が共に真円ではない形状を成している。例えば、第1回転ローラー部21a、及び第2回転ローラー部22aは、各々、その周面が円形状の一部をなす第1周面21aa,22aaと、半径が第1周面21aa,22aaよりも小さい非円形の第2周面21ab,22abと、を有する外面構造となっている。して物品Pを送り出すようにでき、第2周面21ab,22abが対面するときには摩擦接触することがなく物品Pを移動させない。
【0027】
したがって、第1回転ローラー部21a、及び第2回転ローラー部22aは、その一回転ごとに積層された物品Pのうち接触する物品Pを選別し、供給方向に送り出すことができる。なお、この接触は、第1の物品P1の場合には、第1回転ローラー部21aが下側から最も下側の第1の物品P1の下面bsに接する。一方、第2回転ローラー部22aは、最も上側の第2の物品P2の上側から上面asに接する。
【0028】
図7は、制御部30を含む制御系のロック図である。
第1送出部21の動作と、第2送出部22の動作の切り替えは、第1動力付与部28mの回転方向を変更する制御により切り替える。例えば、ゲーム実行部100においてゲームを実行しその結果に関連付けて、ゲーム実行部100側から所定の信号が制御部30に送信される。このときの信号が第1の物品P1を送出する場合には、第1回転ローラー部21aが回転するように制御する。また、第1送出部21において選別された第1の物品P1は、第3送出部23に送られる。そして、第2動力付与部29mを駆動する制御は、第1検出部18の検出に基づいて第3送出部23の第3回転ローラー部23aを回転させる。これにより、第1供給口11hから第1の物品P1を排出・供給する。なお、制御部30は、ゲーム実行部100の、例えばゲームに関連する全体的な制御を行い得るように構成されていても良い。
【0029】
また、制御部30は、各収容部11,12に設けられた物品Pの有無を検出する第2検出部(上側の第2検出部31、及び下側の第2検出部32)の信号に基づいて、物品Pの供給を停止したり、更には、物品Pの補充を促す信号を発信するなどの制御を行ったりすることができる。
【0030】
図8は、第2収容部12の与圧構造を示す要部断面図である。
第2収容部12は、第2の物品P2を保持した載置部12aが上下動可能に設けられている。更に、載置部12aは、その下側に設けられた圧縮バネの下部与圧部12fにて上方に向かって付勢されている。例えば、下部与圧部12fは、載置部底板12bと載置面12asとの間に設けられている。なお、載置部底板12bには、下部与圧部12fを収容する円形の凹部12cが設けられている。下部与圧部12fは、例えば左右(送出方向に対して水平方向に直交する方向)に一対設けられた前方側の第1与圧部12ff及び同じく左右一対の後方側の第2与圧部12frによって上方に付勢されている。したがって、第2収容部12が本体部3に装着された第1状態では、載置面12asは、その上に保持された第2の物品P2の最上部のものを第2回転ローラー部22aに当接するように押圧し、当該第2の物品P2の数に応じて高さが調整される。例えば、載置面12asは、収容されている第2の物品P2の数の減少に応じて、載置面12asの高さ位置が高くなるように構成されている。
【0031】
載置部12aは、その載置面12asが載置部底板12bに対して上下移動可能に設けられている。すなわち、第1与圧部12ffにより前方側が与圧され、第2与圧部12frにより後方側が与圧されていることで、載置面12asは、水平面に対して垂直方向に移動可能に状態となっている。また、第1与圧部12ffは、第2送出部22の直下に設けられており、第2回転ローラー部22aに対して与圧を真下側から付与できるように構成されている。
【0032】
図9は、第2収容部12を本体部3から取り出した状態を示す斜視図である。
第2収容部12は、第2の物品P2がなくなって補充する場合には、前述したように、本体部3に対してその手前方向(
図2に示すX1方向)にスライドして引き出すことで本体部3から取り外した第2状態で行う。この取り外した状態の第2収容部12は、
図9に示すように、その上部には、第2の物品P2が載置されていた平面視で長方形の載置面12asを備える載置部12aが位置している。すなわち、この載置部12aは、第2の物品P2が収容されていない状態では、その載置面12asが図示のごとく最上部に位置している。
【0033】
図10は、第2収容部12における載置部12aが上がった状態のリンク機構13を示す斜視図である。
載置部12aは、
図10に示すようなリンク機構13によって上下移動可能に構成されている。このリンク機構13は、例えば、左右一対の前方アーム13aと、左右一対の後方アーム13bと、前方アーム13aの後方端支持部13ad及び後方アーム13bの後方端支持部13bdに軸支された載置部底板12bと、第2収容部12の前面側にて上下に回動可能で前方アーム13aの前方端の歯車部13gに噛み合う噛合歯14gを備える操作部14と、を備えている。
【0034】
図11は、第2収容部12における載置部12aが下がった状態のリンク機構13を示す斜視図である。
操作部14は、
図11に示すように、回動中心軸14cを中心にして手前側下方に開くように回動させることができる。この開くような回動によって、噛合歯14gに噛み合っている歯車部13gが回転する。これにより、前方アーム13aは、回転軸部13acを支点にして時計回りの方向に回転し、後方アーム13bも回転軸部13bcを支点にして同じ方向に回転する。この結果、載置部底板12bが第2収容部12の底部側に移動することで、載置部12aは下方側に移動する。この状態で、第2の物品P2を載置面12as上に載置するようにして、第2収容部12内に収容する。そして、第2収容部12を本体部3内に挿入(
図2における矢印X2方向)する。その後、操作部14を閉じるように上方に回動することで、再び
図9に示すような状態に戻りセットが完了する。
【0035】
図12は、第2収容部12の操作部14の他の形態を示す斜視図である。
第2収容部12において、その操作部14の構成は前述のものに限るものではなく、例えば、
図13に示すような構造であっても良い。
図12に示す構成の場合は、前方アーム13aの前端側には、左右の前方アーム13aを連結する連結軸14aを備えている。更に、連結軸14aの長手方向の中央には把持板14bが設けられている。これにより、前方アーム13aは、把持板14bを把持して回動することができる。また、把持板14bは、それ自体が連結軸14aに対して回転させることができ、この回転移動によって前方アーム13aを所定の位置(図示の状態)にロックすることができる。
【0036】
以下、第1供給部11Aについて、
図13~
図16を参照して物品送り出しの動作説明をする。
第1供給部11Aにおいては、
図13(a)に示すように、第1送出部21の第1回転ローラー部21aの上部には、第1収容部11の底面11bに開口11bhが形成されており、この開口11bhには、積層された第1の物品P1の最下部のものの裏面の一部が露出している。また、積層された第1の物品P1の最上部の上には、重りとしての上部与圧部11fが設けられている。
【0037】
この状態において、第1送出部21が回転駆動される前の状態では、第1回転ローラー部21aは、第1の物品P1に対して非接触状態にある。そして、所定の信号が制御部30に入力されて第1回転ローラー部21aが回転される。この回転によって、第1回転ローラー部21aは、その第1周面21aaが最下部の第1の物品P1に接触した状態で回転する。この接触状態の回転によって、
図13(b)に示すように、第1の物品P1は、最下部のものだけが送出方向(図中左方向)に移動され、その先端部が仕分け部11aに当接する。なお、移動に際して、最下部の第1の物品P1の直上の上側の第1の物品P1も物品同士の摩擦力によって同じ方向に移動させられる場合がある。しかし、最下部の第1の物品P1は、仕分け部11aの下方側の傾斜面11asに当接する一方で、上側の第1の物品P1は、その先端が仕分け部11aの垂直面の部分に対面又は当接する。
【0038】
上記状態で、更に第1回転ローラー部21aが回転を続けることで、
図14(a)に示すように、最下部の第1の物品P1は、その先端が傾斜面11asに案内されて仕分け部11aと下側ガイド42との間を通過し、第3送出部23側送り出される。一方、送り出された最下部の第1の物品P1の上側の第1の物品P1は仕分け部11aによって、係止され送り出されない。なお、上側の第1の物品P1は、最下部のものと一緒に移動しない場合もある。このようにして、第1回転ローラー部21aは、最下部の第1の物品P1のみを選別する選別部として機能し確実に一枚ずつの送出が実施される。
【0039】
第3送出部23側に送り出された第1の物品P1は、
図14(b)に示すように、第3回転ローラー部23aと第3回転ローラー部23aに対面する従動上ローラー23bの間に挿入され、引き続き第1回転ローラー部21aにより移動される。このとき、第3回転ローラー部23aは、回転駆動はされておらず、第3回転ローラー部23a、及び従動上ローラー23bは、移動する第1の物品P1との摩擦によって回転される。すなわち、上流側の第1送出部21は動力付与に基づく第1動作が行われているが、下流側の第3送出部23は動力付与に基づかない摩擦力による第2動作が行われる。
【0040】
第3送出部23に挟まれた状態で移動する第1の物品P1は、
図15(a)に示すように、その先端が上側の第1検出部18のセンシング領域Saに到達する。これによって、上側の第1検出部18は、検出信号を制御部30に送信し、第2動力付与部29mが駆動される。このとき、既に第1回転ローラー部21aは、その動力付与による駆動が行われておらず、第1の物品P1との接触が続いている場合には、当該第1の物品P1との摩擦接触により若干回転され、最終的に第1の物品P1とは非接触の状態になって停止する。ここで、第1送出部21が駆動している間において、第3送出部23の駆動を行うようにしても良いが、両方の駆動が重ならない制御とすることが好ましい。
【0041】
第3送出部23は、
図15(b)に示すように、上側の第1検出部18により第1の物品P1が検出されている状態において回転駆動が連続されていても良いが、物品検出後に一定時間だけ駆動された後に、その駆動が解除され、後は第1の物品P1の移動とともに回転するようにしても良い。このように物品排出が完了する前に第3送出部23の動力付与による駆動を解除することで、第3送出部23は必要最小限の駆動ですむ。
【0042】
第1の物品P1は、
図16(a)に示すように、その後端が第3送出部23の挟持から解除されると、第1供給口11hから外側(図中において左側)に突出状態となっているので、先端が下方に向くように回転し始める。これにより、第1の物品P1は、その下面側の平面部Pdが下側ガイド42の角部分の第2当接部42aに接し、この状態で先端が更に下方に落ちるように回転する。これにより、第1の物品P1の後端の側部Prは、上側ガイド41の第1当接部41aに当接するようにして、
図16(b)に示すように、第2当接部42aからずれ落ちるように落下する。ここで、第1の物品P1の後端がセンシング領域Saから外れたことで、第1の物品P1の供給が完了したことを検出する。なお、前述したように、第1の物品P1の後端がセンシング領域Saから外れたことを検出した段階で第3送出部23の動力付与を停止しても良い。
【0043】
以下、第2供給部12Aについては
図17~
図20を参照して物品送り出しの動作説明をする。
第2供給部12Aにおいては、
図17(a)に示すように、第2回転ローラー部22aの下部には、第2収容部12に上側から対面する上側ガイド43に開口43hが形成されており、この開口43hの下側において、載置面12as上に積層された第2の物品P2の最上部のものの表面の一部が露出している。また、積層された第2の物品P2は、前掲の下部与圧部12fにより上方に押圧されている。
【0044】
この状態において、第2送出部22が回転駆動される前の状態では、第2回転ローラー部22aは、第2の物品P2に対して非接触状態にある。そして、所定の信号が制御部30に入力されて第2回転ローラー部22aが回転される。この回転によって、第2回転ローラー部22aは、その第1周面22aaが最上部の第2の物品P2に接触した状態で回転する。この接触状態の回転によって、
図17(b)に示すように、第2の物品P2は、載置面12asとともに下方に押し下げられ、且つ送出方向(図中左方向)に移動される。そして、第2の物品P2は、その先端部が仕分け部12dに当接する。
【0045】
上記状態で、更に第1回転ローラー部21aが回転を続けることで、
図18(a)に示すように、載置部12aは、前方側(左側)が高くなるように傾く状態となる。これにより、第2の物品P2の先端は、傾斜面12ds上を上方側に移動する。そして、第2の物品P2の先端は、傾斜面12dsを乗り越えて仕分け部12dと上側ガイド43との間を通過し、第4送出部24側に送り出される。このようにして、第2回転ローラー部22aは、仕分け部12dと協働して最上部の第2の物品P2のみを選別する選別部として機能する。
【0046】
第4送出部24に送り出された第2の物品P2は、
図18(b)に示すように、第4回転ローラー部24aと第4回転ローラー部24aに対面する従動下ローラー24bの間に挿入され、引き続き第2回転ローラー部22aにより移動される。このとき、第4回転ローラー部24aは、動力付与による回転駆動はされていない。すなわち、第4回転ローラー部24a、及び従動下ローラー24bは、移動する第2の物品P2との摩擦によって回転されている。これは、上流側の第2送出部22は動力付与に基づく第1動作が行われているときは、下流側の第4送出部24は動力付与によらず物品との摩擦接触による第2動作が行われている。
【0047】
第4送出部24に挟まれた状態で移動する第2の物品P2は、
図19(a)に示すように、その先端が下側の第1検出部19のセンシング領域Saに到達する。これによって、下側の第1検出部19は、検出信号を制御部30に送信する。これにより第2動力付与部29mが駆動される。このとき、既に第2回転ローラー部22aは、動力付与による回転駆動が行われておらず、第2の物品P2との接触が続いている場合には、当該第2の物品P2との摩擦接触により若干回転され、最終的に第2の物品P2とは非接触の状態になって停止する。ここで、第2送出部22が駆動している間において、第4送出部24の駆動を行うようにしても良いが、両方の駆動が重ならない制御とすることが好ましい。
【0048】
第4送出部24は、
図19(b)に示すように、下側の第1検出部19により第2の物品P2が検出されている状態において回転駆動が連続されていても良いが、物品検出後に一定時間だけ駆動された後に、その駆動が解除され、後は第2の物品P2の移動とともに回転するようにしても良い。このように物品の排出が完了する前に第4送出部24の動力付与による駆動を解除することで、第4送出部24は必要最小限の駆動ですむ。
【0049】
第2の物品P2は、
図20(a)に示すように、その後端が第4送出部24の挟持から解除されると、第2供給口12hから外側(図中において左側)に突出状態となっているので、先端が下方に向くように回転し始める。これにより、第2の物品P2は、その下面側の平面部Pdが下側ガイド44の角部分の第4当接部44aに接し、この状態で先端が更に下方に落ちるように回転する。これにより、第2の物品P2の後端の側部Prは、上側ガイド43の第3当接部43aに当接するようにして、
図20(b)に示すように、第4当接部44aからずれ落ちるように落下する。ここで、第2の物品P2の後端がセンシング領域Saから外れたことで、第2の物品P2の供給が完了したことを検出する。なお、前述したように、第2の物品P2の後端がセンシング領域Saから外れたことを検出した段階で第4送出部24の動力付与を停止しても良い。
【0050】
以上述べたように、本態様の物品供給装置1は、物品供給装置1において、第1の物品P1を収容する第1収容部11、及び第2の物品P2を収容する第2収容部12が、上下一体として構成されていることで、両物品を供給するための送出機構を上下の同じ位置に集中して配置することができる。これにより、送出機構の駆動系の共有化がし易い。
【0051】
本態様の物品供給装置1では、第1収容部11、及び第2収容部12は、一つのユニットとして構成されていることで、装着部に対して一体的に着脱可能であり、取り扱い性が良い。
【0052】
本態様の物品供給装置1では、第1収容部11は、第2収容部12の直上に位置していることで、第1の物品P1を上方側から入れるようにできて補充を容易にすることができる。また、第1収容部11は、第2収容部12よりも多くの数の第1の物品P1を収容することができる。また、第2収容部12は、本体部3から取り外された状態において、その上部から第2の物品P2を補充可能に構成されていることで、第1の物品P1の送出機構が第2収容部12の上部に位置している構造でも当該第2の物品P2を容易に補充することができる。
【0053】
本態様の物品供給装置1においては、供給部10は、第1収容部11からの第1の物品P1の供給方向と、第2収容部12からの第2の物品P2の供給方向と、が同一方向となるように構成されていることで、物品の取り出し領域を1つにでき構成を簡素化できる。
【0054】
本態様の物品供給装置1では、供給部10は、第1収容部11に収容されている第1の物品P1を選別可能な第1送出部21と、第2収容部12に収容されている第2の物品P2を選別可能な第2送出部22と、を備えていることで、第1の物品P1と第2の物品P2とを別々に選別・供給することができる。
【0055】
本態様の物品供給装置1は、第1送出部21が第1の物品P1の下面に接して当該第1の物品P1を送出可能に構成され、且つ、第2送出部22が第2の物品P2の上面に接することで当該第2の物品P2を送出可能に構成されている。これにより、第1送出部21及び第2送出部22は、第1収容部11と第2収容部12との間に配置することができ、更に、両物品P1、P2を供給するときに上面を上にして供給することができる。
【0056】
本態様の物品供給装置1においては、第1回転ローラー部21a及び第3回転ローラー部23aが水平に並べられた第1供給部11Aと、第2回転ローラー部22a及び第4回転ローラー部24aが水平に並べられた第2供給部12Aと、によって、第1の物品P1、及び第2の物品P2が共に水平方向に同じ方向へ移動可能に構成されている。これにより、第1の物品P1と第2の物品P2を同じ個所に落下させて排出することができる。
【0057】
本態様の物品供給装置1においては、第1供給部11Aの上流側の第1回転ローラー部21aと、第2供給部12Aの上流側の第2回転ローラー部22aとが上下に並んで配置されているので、第1動力付与部28mによる駆動が容易にできる。また、第1供給部11Aの下流側の第3回転ローラー部23aと、第2供給部12Aの下流側の第4回転ローラー部24aとが上下に並んで配置されているので、第2動力付与部29mによる駆動が容易にできる。
【0058】
本態様の物品供給装置1では、載置部12aは、収容されている第2の物品P2の数が少なるのに伴って、その載置面12asの高さ位置が高くなるように調整可能に構成されているので、第2回転ローラー部22aと最上部の第2の物品P2との安定した接触を可能にし、第2の物品P2の選別・送出を確実に行うことができる。
【0059】
本態様の物品供給装置1においては、与圧部は、第1収容部11においては第1の物品P1を第1回転ローラー部21aに向かって押圧する上部与圧部11fが設けられているので、第1の物品P1が選別されるときの第1回転ローラー部21aとの接触圧が安定し、確実な選別・送り出しを行うことができる。また、第2収容部12においては第2の物品P2を第2回転ローラー部22aに向かって押圧する下部与圧部12fが設けられているので、第2の物品P2を第2回転ローラー部22aに安定して押し付けることができ、確実な選別・送り出しを可能にする。
【0060】
本態様の物品供給装置1によれば、第1供給部11A、及び第2供給部12Aは、第1供給口11h、及び第2供給口12hからの物品Pの排出に際し、物品Pの先端側を下方にして自重により落下するように排出することができるので、最小限の動力により物品Pを供給することができる。また、物品Pが排出されるときにその自重により先端を真下にして落下するようにできるので、例えば、物品Pの表面を前方から見えるようにした状態で且つ立てた状態で排出することが可能になる。
【0061】
また、本態様の物品供給装置1においては、第1検出部18,19が選別部により選別された1つの物品Pの排出を検出できるように構成されているので、第1検出部18,19の検出信号に基づいて、物品Pの供給において1個ずつの排出・供給の完了を確認することができる。
【0062】
本態様の物品供給装置1によれば、供給部10は、上流側の送出部と下流側の送出部の二段階の送り出し機構であるので、下流側の送出部に排出機能を持たせることができる一方で、上流側の送出部に選別部の機能を持たせることができ、確実な選別と確実な排出を安定した状態で行うことができる。
【0063】
本態様の物品供給装置1では、上流側の送出部、及び下流側の送出部は、動力付与部からの動力の付与に基づく第1動作、及び物品との摩擦力に基づく第2動作を可能に構成されていることで、送出部の上下流における物品の受け渡しを円滑に行うことが可能になる。例えば、上流側の第1動作後(駆動動作後)に駆動されない第2動作があることで、第1動力付与部28mによる送出速度と第2動力付与部29mによる送出速度が大きく相違した場合でも同時に異なる駆動速度を物品Pに付与することを回避できる。これにより、上流側の送出部と下流側の送出部の駆動速度を自由に設定することができる。
【0064】
より具体的には、上流側の送出部(第1回転ローラー部21a及び第2回転ローラー部22a)の第2動作開始後において、第1検出部18,19による物品Pの検出後に下流側の送出部を第1動作するように制御することで、下流側の送出部の駆動を、上流側の物品の選別部とは完全に切り離した動作として機能させることができる。
【0065】
本態様の物品供給装置1では、第1回転ローラー部21aと第2回転ローラー部22aは、各々、その周面が物品に当接可能な真円の第1周面21aa,22aaと物品Pに当接しない非真円の第2周面21ab,22abとを有することで、その一回転ごとに物品Pの選別部としての機能を可能にしている。
【0066】
本態様の物品供給装置1では、第1収容部11、及び第2収容部12に収容されている物品Pの有無を検出可能な第2検出部31,32を備えていることで、第1収容部11、及び第2収容部12内の物品Pの有無を検出することができる。また、制御部30は、収容部毎に物品Pが無いことを検出できることで、無い方の物品Pの補充を促す制御を行うことができる。
【0067】
本態様の物品供給装置1においては、与圧部が第2の物品P2の送出方向に沿って前後に並ぶ第1与圧部12ffと第2与圧部12frを備えていることで、第2の物品P2の前後方向において前後で独立した圧力を付与することができる。また、前後において別々の与圧部が配置されていることで、選別動作時において選別用の第2回転ローラー部22aの動きに対応して第2の物品P2を高さ方向に傾斜した状態を形成することができ、物品選別がし易いような補助動作をすることができる。
【0068】
また、第2与圧部12ffが第2送出部22の直下に設けられていることで、第2回転ローラー部22aに対して第2の物品P2を確りと押し付けることができる。
【0069】
本態様の物品供給装置1は、第2収容部12は、本体部3に対して着脱可能に構成されているので、第2の物品P2の補充がし易い。また、操作部14により第2の物品P2の載置部12aの高さを調整できるので、本体部3に装着されていない第2状態において、第2の物品P2の補充を容易にできる。
【0070】
本態様の物品供給装置1においては、第2収容部12は、操作部14によって載置部12aの高さを移動できるので、第2収容部12を本体部3から引き出すときの操作、更には本体部3に装着するときの操作を容易にすることができる。
【0071】
また、第2収容部12は、本体部3からの引き出し方向が供給部10からの物品Pの供給方向と同一方向となるように構成されているので、第2収容部12の引き出し・装着用の開口と物品供給用の開口とを共用することが可能である。
【0072】
本態様の物品供給装置1では、第1動力付与部28mは、第1の物品P1を送出する第1送出部21、及び第2の物品P2を送出する第2送出部22に同時に動力を付与できるように構成されているので、動力伝達機構を一つにすることができ且つその動力源の数を1つにできる。
【0073】
本態様の物品供給装置1では、第1送出部21による第1の物品P1の送出動作をするときは、第2送出部22による第2の物品P2の送出動作をしないように制御され、また、第2送出部22による第2の物品P2の送出動作をするときは、第1送出部21による第1の物品P1の送出動作をしないように制御されることで、第1の物品P1と第2の物品P2とを別々のタイミングで送出することができる。
【0074】
本態様の物品供給装置1によれば、上下に並べて配置された第1送出部21と第2送出部は、それぞれの回転ローラー部(第1回転ローラー部21a、第2回転ローラー部22a)のクラッチ機構によりそれぞれが所定の回転方向(第1方向、第2方向)のみに回転動作するように構成されているので、第1動力付与部28m(モーター)の回転方向方を正逆回転するだけの制御で、第1の物品P1と第2の物品P2の送出の切り替えが可能である。
【0075】
本態様の物品供給装置1によれば、第1送出部21と第2送出部22が上下に並び、第3送出部23と第4送出部24が上下に並んだ接近した構成であるので、それぞれ上下に並んだ者同士を同じ動力付与部(第1動力付与部28m、第2動力付与部29m)によって駆動することが容易にできる。
【0076】
本態様の物品供給装置1によれば、第3送出部23、及び第4送出部24と第2動力付与部29mの間に、動力の伝達を制御するクラッチ機構が設けられていないことで、駆動力伝達構造を簡素化できる。
【0077】
以上、本発明の態様について説明したが、本発明はその技術思想の範囲で適宜変更することができる。例えば、上記態様においては、下部与圧部12fは圧縮ばねを4個設けるように構成したが、この構成に限るものではなく、例えば、前後2個の圧縮ばね、5個以上の圧縮ばねの構成であっても良い。
【0078】
以上説明したように、本明細書には以下の事項が開示されている。
【0079】
(1)
物品供給装置であって、
本体部と、
上記本体部に装着可能、且つ物品を収容可能な収容部と、
上記収容部に設けられ、上記物品を供給可能な供給部と、
上記供給部による上記物品の供給を制御可能な制御部と、
上記供給部による上記物品の供給に際し、一度に一つの上記物品のみを選別可能な選別部と、
上記供給部により供給される上記物品を検出可能な第1検出部と、を備え、
上記第1検出部は、上記選別部により選別された上記物品を検出可能に構成されている、物品供給装置。
【0080】
(2)
(1)に記載の物品供給装置であって、
上記選別部は、上記収容部において積層された複数の上記物品のうち、最も下又は最も上に位置している上記物品のみを選別可能に構成されている、物品供給装置。
【0081】
(3)
(1)又は(2)に記載の物品供給装置であって、
上記供給部は、上記収容部に収容されている上記物品を送出可能で送出方向の上流側の送出部と下流側の送出部とを含み、
上記下流側の送出部は、上記上流側の送出部により送出され、上記選別部により選別された上記物品を送出可能に構成されている、物品供給装置。
【0082】
(4)
(3)に記載の物品供給装置であって、
上記上流側の送出部、及び上記下流側の送出部に動力を付与可能な動力付与部を更に備え、
上記上流側の送出部、及び上記下流側の送出部は、上記動力付与部からの動力の付与に基づく第1動作、及び動力の付与に基づかない第2動作を可能に構成されている、物品供給装置。
【0083】
(5)
(4)に記載の物品供給装置であって、
上記上流側の送出部、及び上記下流側の送出部は、上記第1動作後に上記第2動作可能に構成されている、物品供給装置。
【0084】
(6)
(4)又は(5)に記載の物品供給装置であって、
上記第2動作は、送出中の上記物品との摩擦力に基づく動作である、物品供給装置。
【0085】
(7)
(4)~(6)の何れか1つに記載の物品供給装置であって、
上記制御部は、上記第1検出部による上記物品の検出後において、上記下流側の送出部を上記第1動作可能に制御する、物品供給装置。
【0086】
(8)
(4)~(7)の何れか1つに記載の物品供給装置であって、
上記下流側の送出部は、上記上流側の送出部の上記第2動作開始後において、上記第1動作可能に構成されている、物品供給装置。
【0087】
(9)
(3)~(8)の何れか1つに記載の物品供給装置であって、
上記収容部は、第1収容部と第2収容部とを含み、
上記第1収容部は、上記第2収容部の直上に位置するように構成されている、物品供給装置。
【0088】
(10)
(9)に記載の物品供給装置であって、
上記上流側の送出部、及び上記下流側の送出部は、各々、回転ローラー部を成し、
上記上流側の送出部は、上記第1収容部に収容されている上記物品を送出可能な第1回転ローラー部と上記第2収容部に収容されている上記物品を送出可能な第2回転ローラー部とを含み、
上記下流側の送出部は、上記第1回転ローラー部により送出された上記物品を更に送出可能な第3回転ローラー部と、上記第2回転ローラー部により送出された上記物品を更に送出可能な第4回転ローラー部とを含んでいる、物品供給装置。
【0089】
(11)
(10)に記載の物品供給装置であって、
上記第1回転ローラー部と上記第3回転ローラー部は、第1方向に回転可能に構成され、
上記第2回転ローラー部と上記第4回転ローラー部は、上記第1方向とは異なる第2方向に回転可能に構成されている、物品供給装置。
【0090】
(12)
(10)又は(11)に記載の物品供給装置であって、
上記第1回転ローラー部と上記第2回転ローラー部は、その断面が真円ではない形状を成し、
上記第3回転ローラー部と上記第4回転ローラー部は、その断面が真円の形状を成している、物品供給装置。
【0091】
(13)
(10)~(12)の何れか1つに記載の物品供給装置であって、
上記第1回転ローラー部と上記第2回転ローラー部は、各々、その周面が第1周面と第2周面とを含み、
上記第1周面は、上記物品と接触可能に構成され、
上記第2周面は、上記物品と接触しないように構成されている、物品供給装置。
【0092】
(14)
(9)~(13)の何れか1つに記載の物品供給装置であって、
上記第1収容部、及び上記第2収容部に収容されている上記物品の有無を検出可能な第2検出部を更に備え、
上記第2検出部は、上記第1収容部の下部から上記物品の有無を検出し、上記第2収容部の上部から上記物品の有無を検出可能である、物品供給装置。
【0093】
(15)
(1)~(14)の何れか1つに記載の物品供給装置であって、
上記制御部は、上記収容部に上記物品が無いことを検出した場合、上記物品を供給不可能に制御する、物品供給装置。
【0094】
(16)
(1)~(15)の何れか1つに記載の物品供給装置であって、
ゲーム実行部を更に備え、
上記ゲーム実行部は、代価の支払いを条件として、ゲームを実行可能である、物品供給装置。
【0095】
(17)
(1)~(16)の何れか1つに記載の物品供給装置であって、
上記供給部は、代価の支払いを条件として、1つの上記物品を供給可能である、物品供給装置。
【符号の説明】
【0096】
1 物品供給装置
3 本体部
10 供給部
11 第1収容部
11A 第1供給部
11f 上部与圧部(与圧部)
12 第2収容部
12A 第2供給部
12a 載置部
12as 載置面
12f 下部与圧部(与圧部)
12ff 第1与圧部(与圧部)
12fr 第2与圧部(与圧部)
14 操作部
18,19 第1検出部
21 第1送出部(上流側の送出部)
21a 第1回転ローラー部(回転ローラー部)
21aa 第1周面
21ab 第2周面
21g 第1クラッチ機構
22 第2送出部(上流側の送出部)
22a 第2回転ローラー部(回転ローラー部)
22aa 第1周面
22ab 第2周面
22g 第2クラッチ機構
23 第3送出部(下流側の送出部)
23a 第3回転ローラー部(回転ローラー部)
24 第4送出部(下流側の送出部)
24a 第4回転ローラー部(回転ローラー部)
28m 第1動力付与部(動力付与部)
29m 第2動力付与部(動力付与部)
30 制御部
31、32 第2検出部
41a 第1当接部
42a 第2当接部
43a 第3当接部
44a 第4当接部
P 物品
P1 第1の物品(物品)
P2 第2の物品(物品)
Pr 物品の側部
Pd 物品の平面部
【要約】
【課題】利便性が向上した物品供給装置を提供する。
【解決手段】物品供給装置1であって、本体部3と、本体部3に装着可能、且つ物品Pを収容可能な収容部と、収容部に設けられ、物品Pを供給可能な供給部10と、供給部10による物品Pの供給を制御可能な制御部30と、供給部10による物品Pの供給に際し、一度に一つの物品Pのみを選別可能な選別部と、供給部10により供給される物品Pを検出可能な第1検出部18、19と、を備え、第1検出部18、19は、選別部により選別された物品Pを検出可能に構成されている。
【選択図】
図3