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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-26
(45)【発行日】2024-10-04
(54)【発明の名称】冷却装置およびシステム
(51)【国際特許分類】
   G06F 1/20 20060101AFI20240927BHJP
   H05K 7/20 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
G06F1/20 C
G06F1/20 D
H05K7/20 Q
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2023512695
(86)(22)【出願日】2021-08-10
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-07
(86)【国際出願番号】 EP2021072211
(87)【国際公開番号】W WO2022037991
(87)【国際公開日】2022-02-24
【審査請求日】2023-03-20
(31)【優先権主張番号】20191745.7
(32)【優先日】2020-08-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】522448702
【氏名又は名称】アクセルシウス エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】ACCELSIUS,LLC
【住所又は居所原語表記】7800 Shoal Creek Blvd. Suite 120W Austin,TX78757,US
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ラファエレ・ルカ・アマルフィ
(72)【発明者】
【氏名】ライアン・エンライト
(72)【発明者】
【氏名】ヴァシレイオス・カファンタリス
【審査官】田中 秀樹
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0085277(US,A1)
【文献】特開2013-065227(JP,A)
【文献】特開2005-188813(JP,A)
【文献】特開2000-315114(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 1/20
H05K 7/20
F25D 1/00-9/00
F25D 11/00-16/00;27/00-31/00
F25D 17/00-17/02
F25B 1/00-7/00
F25B 31/00-31/02;39/00-41/48
F28D 15/00-15/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つまたは複数の熱サイフォンループと複数のセンサを備える装置であって、
複数の電子機器を冷却するための1つまたは複数の前記熱サイフォンループのそれぞれは、少なくとも1つのエバポレーターと、少なくとも1つのコンデンサーとを備え、
前記熱サイフォンループ内の複数の前記センサは、少なくとも1つの前記エバポレーターの入口および出口内の蒸気品質、少なくとも1つの前記熱サイフォンループの下降管における液体レベルのうち1つまたは複数を測定するように構成される、装置。
【請求項2】
前記装置は、熱サイフォンループを備え、前記熱サイフォンループは、複数の前記エバポレーターを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記装置は、複数の前記熱サイフォンループを備え、各前記熱サイフォンループは、少なくとも1つの前記エバポレーターを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記センサは、少なくとも1つの前記熱サイフォンループの下降管におけるアキュムレータ内の液面レベルを測定するように構成される、請求項1~3のいずれかに記載の装置。
【請求項5】
複数の前記エバポレーターは、熱サイフォンループ内に直列に配置され、蒸気品質を測定できるように構成される前記センサは、直列のエバポレーターのうち最後のエバポレーターの出口に設けられる、請求項1~4のいずれかに記載の装置。
【請求項6】
複数の前記エバポレーターは、熱サイフォンループ内に並列に配置され、前記センサは、複数のエバポレーターの出口における蒸気品質を測定できるように構成される、請求項1~4のいずれかに記載の装置。
【請求項7】
前記装置は、前記熱サイフォンループ内の質量流量を測定するように構成される少なくとも1つの質量流量センサ、及び/または少なくとも1つの前記熱サイフォンループ内の作動流体の圧力を測定するように構成される少なくとも1つの圧力センサ、及び/または少なくとも1つの前記熱サイフォンループの下降管内の異なる位置に設けられる複数の温度センサを備える、請求項1~6のいずれかに記載の装置。
【請求項8】
前記装置は、少なくとも1つの熱サイフォンループの下降管内に複数の分岐を有し、1つまたは複数のバルブが異なる分岐を通る流れを制御するように構成される、請求項1~7のいずれかに記載の装置。
【請求項9】
拡張可能部は、少なくとも1つの熱サイフォンループの下降管内に設けられる、請求項1~8のいずれかに記載の装置。
【請求項10】
少なくとも1つの熱サイフォンループの前記下降管は、前記下降管の底部頂部より広くなるように、前記下降管の長さに沿って変化する直径を有す、請求項1~9のいずれかに記載の装置。
【請求項11】
前記熱サイフォンループは、二次冷却システムに熱的に結合される、請求項1~10のいずれかに記載の装置。
【請求項12】
前記装置によって冷却される複数の前記電子機器は、サーバ、ルータ、スイッチ、光電機器のうち1つまたは複数で構成される、請求項1~11のいずれかに記載の装置。
【請求項13】
複数の前記電子機器は、データセンター、コンピュータ室、通信機器室、ネットワーク室のうち1つ以上内の1つまたは複数のラックに設けられる、請求項1~12のいずれかに記載の装置。
【請求項14】
前記装置は、コントローラによって制御されるように構成され、前記コントローラが1つまたは複数のセンサからの出力を使用して装置の制御に関する効率を向上させることができ、前記コントローラが、前記装置の部分を制御し、且つ前記熱サイフォンループに伝達された熱と前記熱サイフォンループから伝達された熱とを決定するように構成される、請求項1~13のいずれかに記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願の実施例は、冷却装置およびシステムに関する。一部の実施例は、サーバなどの複数の電子機器を備えるデータセンターを冷却するための装置およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
冷却はデータセンターが機能するには不可欠である。従って、エネルギー消費が少なく、且つ能動的制御を削減する、データセンターを冷却するための効率的な装置およびシステムが有利である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本願の様々な実施例(必ずしも全てではない)によれば、1つまたは複数の熱サイフォンループと複数のセンサを備える装置が提供され、複数の電子機器を冷却するための1つまたは複数の前記熱サイフォンループのそれぞれは、少なくとも1つのエバポレーターと、少なくとも1つのコンデンサーとを備え、前記熱サイフォンループ内の複数の前記センサは、少なくとも1つの前記エバポレーターの入口および出口内の蒸気品質、少なくとも1つの前記エバポレーターの総熱負荷、少なくとも1つの前記熱サイフォンループの下降管における液体レベルのうち1つまたは複数を測定するように構成される。
【0004】
前記装置は、熱サイフォンループを備え、熱サイフォンループは、複数のエバポレーターを備えてもよい。
【0005】
前記装置は、複数の熱サイフォンループを備え、各熱サイフォンループは、少なくとも1つのエバポレーターを備えてもよい。
【0006】
前記センサは、少なくとも1つの熱サイフォンループの下降管におけるアキュムレータ内の液面レベルを測定するように構成されてもよい。
【0007】
複数の前記エバポレーターは、熱サイフォンループ内に直列に配置されてもよい。蒸気品質を測定できるように構成される前記センサは、直列のエバポレーターのうち最後のエバポレーターの出口に設けられてもよい。
【0008】
複数の前記エバポレーターは、熱サイフォンループ内に並列に配置されてもよい。前記センサは、複数のエバポレーターの出口における蒸気品質を測定できるように構成される。
【0009】
前記装置は、熱サイフォンループ内の質量流量を測定するように構成される少なくとも1つの質量流量センサを備えてもよい。
【0010】
前記装置は、少なくとも1つの熱サイフォンループ内の作動流体の圧力を測定するように構成される少なくとも1つの圧力センサを備えてもよい。
【0011】
前記装置は、少なくとも1つの熱サイフォンループの下降管内の異なる位置に設けられる複数の温度センサを備えてもよい。
【0012】
前記装置は、少なくとも1つの熱サイフォンループの下降管内に複数の分岐を有し、1つまたは複数のバルブが異なる分岐を通る流れを制御するように構成されてもよい。
【0013】
異なる前記分岐は、異なる直径を有してもよい。
【0014】
拡張可能部は、少なくとも1つの熱サイフォンループの下降管内に設けられてもよい。
【0015】
少なくとも1つの熱サイフォンループの前記下降管は、前記下降管の頂部が底部より広くなるように、前記下降管の長さに沿って変化する直径を有してもよい。
【0016】
前記装置は、熱サイフォンループの使用中に、1つ以上のエバポレーターを熱サイフォンループから取り外すことができるように構成されてもよい。
【0017】
前記熱サイフォンループは、二次冷却システムに熱的に結合されてもよい。
【0018】
前記装置によって冷却される複数の電子機器は、サーバ、ルータ、スイッチ、光電機器のうち1つまたは複数で構成されてもよい。
【0019】
複数の前記電子機器は、データセンター、コンピュータ室、通信機器室、ネットワーク室のうち1つ以上内の1つまたは複数のラックに設けられてもよい。
【0020】
前記エバポレーターは、ウィック構造、マイクロチャネル、フィンのアレイ、チューブの蛇行配列のうち1つまたは複数から構成されてもよい。
【0021】
本装置は、コントローラによって制御されるように構成されてもよく、コントローラが1つまたは複数のセンサからの出力を使用して装置の効率を向上させることができる。
【0022】
本願の様々な実施例(必ずしも全てではない)は、熱サイフォンループ間に流体経路が提供されないように互いに分離されるように構成される複数の熱サイフォンループを備える冷却システムであって、第1熱サイフォンループが第2熱サイフォンループから独立して電子機器を冷却するために使用されるように、複数の熱サイフォンループが単一の電子機器に熱的に結合される冷却システムを提供することができる。
【0023】
前記冷却システムは、複数の二次冷却システムを有し、第1二次冷却システムが第2二次冷却システムから独立して使用されるように、各熱サイフォンループが複数の二次冷却システムに熱的に結合できるように構成されてもよい。
【0024】
各前記二次冷却システムは、複数の熱サイフォンループに結合されてもよい。
【0025】
前記冷却システムは、前記二次冷却システム間に流体経路が設けられないように、前記二次冷却システムが互いに隔離されるように構成されてもよい。
【0026】
以下では、図面を参照して本願の具体的な実施形態に対して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】熱サイフォンループを概略的に示す図である。
図2】直列に冷却される複数の電子機器からなるラックに適用される装置の一例を示す図である。
図3】並列に冷却される複数の電子機器からなるラックに適用される装置の一例を示す図である。
図4】下降管部に流量の調整用バルブを設ける装置の一例を示す図である。
図5】下降管の断面図である。
図6A】散逸電力の変動に伴う液体ヘッドの変動を管理するように設計されるプロファイルを有する例示的なアキュムレータを示す図である。
図6B】散逸電力の変動に伴う液体ヘッドの変動を管理するように設計されるプロファイルを有する例示的なアキュムレータを示す図である。
図7】データセンター及び/又は電気通信室及び/又はネットワーク/通信室における複数のラックを冷却するための装置の一例を示す図である。
図8】一次ラックレベル冷却システムと二次冷却システムとからなる複数のラックを冷却するための装置の一例を示す図である。
図9】コンデンサーの一例を示す。
図10】直列に冷却される複数の電子機器からなるラックに適用され、オーバーヘッドラックコンデンサーを使用する装置の一例を示す図である。
図11】並列に冷却される複数の電子機器からなるラックに適用され、オーバーヘッドラックコンデンサーを使用する装置の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図に示される前記装置201は、複数の電子機器203を冷却するための1つ以上の熱サイフォンループ101と、熱サイフォンループ101内に設けられる複数のセンサとを備え、1つ以上の前記熱サイフォンループ101のそれぞれが、少なくとも1つのエバポレーター103と少なくとも1つのコンデンサー105から構成され、前記センサが、蒸気品質、総熱負荷、液面レベルのうち1つ以上を測定できるように構成され、前記蒸気品質が少なくとも1つのエバポレーター103の入口および出口内の蒸気品質であり、前記総熱負荷が少なくとも1つのエバポレーターの総熱負荷であり、前記液面レベルが少なくとも1つの熱サイフォンループ101の下降管107の液面レベルである。
【0029】
図1に熱サイフォンループを概略的に示す。熱サイフォンループ101は、受動二相重力駆動冷却システムを備える。熱サイフォンループ101は、エバポレーター103、コンデンサー105、下降管107、上昇管109を備える。作動流体113は、熱サイフォンループ101内に設けられる。熱サイフォンループ101が使用されると、作動流体113は熱サイフォンループ101の部材を循環する。
【0030】
エバポレーター103は、矢印115で示す重力により下降管107に沿ってエバポレーター103に作動流体が流入するように、熱サイフォンループ101の底部に設けられる。下降管107の高さ及び内径は、下降管107内の流体の静的ヘッドがエバポレーター103、上昇管109及びコンデンサー105に流体を流すように選択される。作動流体113は下降管107内にある時、液相117である。
【0031】
エバポレーター103は、熱を熱源111から作動流体113に伝達するための任意の手段を備える。エバポレーター103は熱源111と熱的に結合される。熱界面材料は、エバポレーター103を熱源111に熱結合させるために使用される。熱源111は、使用中に不要な熱を発生する電子機器を備えてもよい。電子機器は光電機器であってもよい。電子機器は、サーバ、ルータ、ネットワークスイッチ、ストレージデバイス、または任意の他の適切なタイプの機器であってもよい。一部の実施例では、熱源は、データセンター、電気通信装置室、またはネットワーク、通信室、コンピュータ室、ネットワーク室、またはその他任意の適切な配置を提供することができる複数の電子装置を含んでもよい。
【0032】
矢印119で示すように、熱源111からエバポレーター103内の作動流体113に熱が伝達される。この熱伝達により、エバポレーター103内で作動流体113が部分的に蒸発し、作動流体113を液相117から液相と気相の混合物に変換する。特に、エバポレーター103は、エバポレーター103の出口から排出される流体が二相混合物であるように、一部の作動流体113を気相121に変換し、一部は液相117に保持する。二相混合物は、熱サイフォンループ101の設計、熱負荷、充填比、および任意の他の適切な要素に応じて、液体または他の流動状態に介在される蒸気液滴を含んでもよい。
【0033】
エバポレーター103は、エバポレーター103から排出された作動流体がエバポレーター103から上昇管109に流入するように上昇管109に連結される。作動流体は、気相121の密度が液相117の密度よりも小さい二相混合物を含む。矢印123で示すように、熱サイフォンループ101内の作動流体113は、浮力(エバポレーター103から流出する二相混合物に関連する)と重力(コンデンサー105から流出する液体に関連する)とのバランスにより上昇管109を通って上昇する。
【0034】
エバポレーター103は、エバポレーター103から作動流体113に効率的に伝達することができる構造を備えてもよい。例えば、エバポレーター103は、芯構造、マイクロチャネル、フィンのアレイ、蛇行管の配置、またはこれらの任意の適切な組み合わせを備えてもよい。
【0035】
コンデンサー105は、熱サイフォンループ101の上部に設けられる。コンデンサー105はエバポレーターの上方に位置し、作動流体113がエバポレーターからコンデンサー105に上向きに流れるようになる。
【0036】
コンデンサー105は、二相混合物(気相121及び液相117)中の作動流体113が上昇管109からコンデンサー105に流入するように上昇管109に接続される。コンデンサー105は、作動流体113を冷却するための任意の手段を含んでもよい。
【0037】
コンデンサー105は、冷却剤125と熱的に結合される。熱界面材料は、コンデンサー105を冷却剤125に熱結合させるために使用される。他の実施例では、冷却剤125は、熱サイフォン作動流体113の流れと冷却剤125の流れとを分離する壁界面を有するコンデンサー105に直接統合される。壁界面は、銅、アルミニウム、黄銅、または他の適切な金属などの高導電性金属または金属合金を含んでもよい。一部の実施例では、壁界面は、窒化アルミニウム(AIN)などの高導電性セラミックス、またはポリマー、例えば充填ポリマー複合材料を含んでもよい。コンデンサー105は、水冷却コンデンサーまたは任意の他の適切なタイプのコンデンサーであってもよい。コンデンサーは、熱を作動流体から効率的に除去することができる任意の適切な幾何学的形状を含んでもよい。
【0038】
矢印127で示すように、コンデンサー105は、熱を作動流体113から冷却剤に伝達することができるようにする。この熱伝達により、作動流体113が液相117に凝縮する。従って、コンデンサー105の出口における作動流体113は液相117である。
【0039】
コンデンサー105は、液相117である作動流体113が重力によって下降管107に下流し、エバポレーター103の入口に戻ることができるように下降管107に接続される。
【0040】
本願の実施例によれば、熱サイフォンループ101(図1に示されるループ)を装置201に使用することができる。
【0041】
図2は、本願の実施例の装置201の一例を示す。装置201は、データセンターまたは任意の他の適切な環境で複数の電子機器203を冷却できるように構成される。装置201は、熱サイフォンループ101と、複数のセンサとを備える。複数のセンサは、熱サイフォンループ101の異なるパラメータが監視されるように、熱サイフォンループ101全体に分布する。
【0042】
図2に示される実施例では、熱サイフォンループ101は、各エバポレーター103が電子機器203に熱結合される複数のエバポレーター103を備える。電子機器203は、サーバ、ルータ、スイッチ、または他の任意の光電機器であってもよい。エバポレーター103は、電子機器203からの熱がエバポレーター103内の作動流体113を蒸発させることができるように、電子機器203に結合される。図2に6つの電子機器203と対応するエバポレーター103が示されるが、本願の他の実施例では他の数の電子機器203またはエバポレーター103を使用することができることを理解すべきである。
【0043】
図2に示される実施例では、エバポレーター103は熱サイフォンループ101内に直列に配置され、第1エバポレーター103から排出された作動流体113を直列内の次のエバポレーター103の入口に供給する。この直列配置では、作動流体113は各エバポレーター103を順次通過する。エバポレーター103を作動流体113が通過すると、蒸発中により多くの熱が吸収されるため、気相121中の作動流体113の量が増加する。
【0044】
図2の装置201の一例は、下降管107内に配置されるアキュムレータ205を備える。アキュムレータ205は、液体アキュムレータまたはレシーバであってもよい。アキュムレータ205は、液相117である作動流体113を貯蔵し、液相117である作動流体113がコンデンサー105に進入するのを防止するのに役立つ。これにより、コンデンサー105のオーバーフローが回避され、熱サイフォンループ101の熱特性が低下する可能性がある。
【0045】
コンデンサー105は、コンパクトな熱交換器を備える。他のタイプのコンデンサー105は、本願の他の実施例で使用することができる。熱サイフォンループ101によって冷却される電子機器203の数により、使用するコンデンサー105の種類は、熱サイフォンループ101から排出される予期される熱量に基づいて選択される。
【0046】
図2に示される実施例では、二次冷却システム207は、熱を熱サイフォンループ101とデータセンター環境から伝達できるようにコンデンサー105に接続される。この実施例では、水は冷却剤であり、矢印211で示すように入口209に供給される。コンデンサー105は、熱を次いで熱サイフォンループ101の作動流体113から二次冷却システム207の水に伝達するように構成される。そして、加熱された水は矢印215で示すように出口213から排出される。
【0047】
装置201は複数のセンサをさらに備える。センサは、熱サイフォンループ101内に設置され、熱サイフォンループ101の1つ以上のパラメータの測定を監視できるように構成される。監視されるパラメータは、熱サイフォンループ101の効率と熱サイフォンループ101によって伝達される熱とに関してもよい。
【0048】
装置201は少なくとも1つのセンサを備え、該センサが少なくとも1つのエバポレーター103の出口内で蒸気品質の測定217を得るように構成される。図2に示される実施例では、複数のエバポレーター103が直列に配置され、蒸気品質の測定217が直列における最後のエバポレーター103の出口に配置される。
【0049】
蒸気品質の測定217は、エバポレーター103の出口内の蒸気品質に関する情報を提供するので、熱サイフォンループ101によって除去された熱の測定を提供する。エネルギーバランスへの顕著かつ潜在的な寄与を考慮して蒸気品質を計算することができる。蒸気品質は次の式で計算できる:
【数1】
式中:cは一定圧力下の作動流体の液相中の比熱(J/kg/k)であり、Tflは作動流体の液相中のケルビン温度であり、Tsatは作動流体のケルビン飽和温度であり、HとHの差は作動流体の蒸発の潜熱(J/kg)を表し、mは質量の流量(kg/s)である。
【0050】
質量の流量センサ219は、熱サイフォンループ101内に配置されてもよい。図2に示される実施例では、質量の流量センサ219は、エバポレーター103のシリーズの第1エバポレーター103の入口に設けられる。質量の流量センサ219は、エバポレーター103の上流の作動流体113の流量を測定するように構成される。本願の他の実施例では、質量の流量センサ219は、熱サイフォンループ101内の他の位置に配置されてもよいを理解されたい。
【0051】
図2に示される実施例では、質量の流量センサ219は、非侵襲的な測定を可能にする超音波センサであってもよい。他のタイプの質量の流量センサ219を本願の他の実施例に用いることができる。使用される質量の流量センサ219のタイプは、熱サイフォンループ101の設計、測定位置、およびその他任意の適切な要素によって決定されてもよい。
【0052】
装置201はさらに圧力センサ221を備え、前記圧力センサ221が熱サイフォンループ101内の作動流体113の圧力を測定するように構成される。図2に示される装置201は、3つの圧力センサ221を備える。本願の他の実施例では、他の数の圧力センサ221を使用してもよい。
【0053】
図2に示される実施例では、第1圧力センサ221はコンデンサー105とアキュムレータ205との間の下降管107に設けられ、第2圧力センサ221はエバポレーター103のシリーズの上流に位置し、第3圧力センサ221はエバポレーター103のシリーズの下流の上昇管109に設けられる。圧力センサ221の他の配置は、本願の他の実施例で使用されてもよいを理解すべきである。
【0054】
圧力センサ221は、熱サイフォンループ101内の作動流体の蒸発の潜熱と作動流体の飽和温度を決定するために使用されるように、熱サイフォンループ101内の圧力を測定する。
【0055】
装置201はさらに温度センサ223を備え、前記温度センサ223が下降管107とアキュムレータ205内の複数の異なる位置に設けられる。図2に示される実施例では、装置201は、下降管107とアキュムレータ205内の異なる位置に設けられる9つの温度センサ223を備える。温度センサ223は、作動流体113の温度を測定することができる。第1エバポレーター103の入口に近い作動流体113の温度は、圧力センサ221の位置における入口蒸気品質を決定するために使用されてもよい。
【0056】
エバポレーター103の出口における蒸気品質の測定217は、圧力センサ221の位置における入口の蒸気品質、光電素子203が散逸した総電力、及び作動流体113の特性から算出される。
【0057】
また、複数の温度センサ223により、熱サイフォンループ101の下降管107内の液位高さを決定することができる。液位の測定は、下降管107内のどの点で作動流体113が気相であるかを示す。電子機器203から伝達する熱が多すぎると、作動流体113の密度がより多くの蒸気を発生するにつれて低下、そして、過剰な液体が下降管の上方の限界にに到達すると、より多くの液体が下降管107に貯蔵される。これにより、コンデンサー105が貯まれ、熱サイフォンループ101の動作を阻止することができ、下降管107内の液位を監視するのに役に立つ。
【0058】
複数の温度センサ223は、下降管107内の作動流体113の温度が作動流体の飽和温度に達する点の指示を与える。具体的には、下降管107内の作動流体113が気相である点を示す。複数の圧力センサ221によって提供される測定値は、熱サイフォンループ101内の作動流体113の飽和温度を決定するために使用されてもよい。
【0059】
これらのセンサの出力は、装置201の制御を支援するために使用されてもよい。一部の実施例では、センサの出力は、熱サイフォンループ101にどれだけの熱が伝達され、熱サイフォンループ101からどれだけの熱が伝達されたかを決定することができるコントローラ装置または他の回路に提供される。
【0060】
一部の実施例では、装置201は、熱サイフォンループ101の自動制御を実現するように構成される。コントローラは、1つまたは複数のセンサからの出力を使用して、熱サイフォンループ101またはシステムの他の任意の部分の効率を高めることができる。例えば、コントローラは、装置201の部分を制御し、且つ熱サイフォンループ101に伝達された熱と熱サイフォンループ101から伝達された熱とを決定するように構成されてもよい。1つまたは複数の電子機器203の機能を制御することによって、熱サイフォンループ101を通る流体の流れを制御することによって、アキュムレータ205内の液位を制御することによって、または任意の他の適切な手段によって熱伝達を制御してもよい。
【0061】
一部の実施例では、コントローラは、装置201を手動で制御できるように構成されてもよい。これにより、ユーザは通知を受信することができ、そして、例えば、バルブをオンにする、あるいは1つまたは複数の電子機器203を制御することにより、システムをどう制御するのかを決定することができる。
【0062】
図3は、本願の装置201の他の一例を示す。装置201はさらに、データセンターまたは任意の他の適切な環境で複数の電子機器203を冷却できるように構成される。電子機器203は、サーバ、ルータ、スイッチ、または他の任意の光電デバイスであってもよい。装置201は熱サイフォンループ101と、図2で説明したような複数のセンサとをさらに備える。しかし、図3に示される実施例では、熱サイフォンループ101の複数のエバポレーター103は直列ではなく並列に配置される。
【0063】
図3の装置201は、7つの電子機器203を冷却するように構成される7つのエバポレーター103を備える。本願の他の実施例では、他の数の電子機器203及びエバポレーター103が使用されてもよいことを理解すべきである。下降管107は、各エバポレーター103に異なる入口を提供する分岐マニホールドを備える。エバポレーター103の各出口は上昇管109に設けられる。作動流体113が熱サイフォンループ101を循環すると、作動流体113はエバポレーター103の1つのみを通過する。
【0064】
図3の装置201の一例は、下降管107内に配置されるアキュムレータ205をさらに備える。アキュムレータ205は、液相117である作動流体113を貯蔵するように構成可能な任意の装置を備えてもよい。アキュムレータ205は、コンデンサー105の出口と第1エバポレーター103の入口との間に位置する。
【0065】
図3に示される実施例のコンデンサー105は、コンパクトな熱交換器をさらに備える。他のタイプのコンデンサー105は、本願の他の実施例で使用されてもよい。二次冷却システム207は、熱を熱サイフォンループ101から伝達できるようにコンデンサー105に接続される。図2に示される実施例のように、水は冷却剤であり、矢印211で示すように、水は入口209に供給される。コンデンサー105は、熱を次いで熱サイフォンループ101の作動流体113から二次冷却システム207の水に伝達するように構成される。次いで、加熱された水は矢印215で示すように出口213から排出される。
【0066】
図3に示される実施例の装置201は、複数のセンサをさらに備える。センサは、熱サイフォンループ101内に設置され、熱サイフォンループ101の1つ以上のパラメータの測定を監視できるように構成される。監視されるパラメータは、熱サイフォンループ101の効率と熱サイフォンループ101によって伝達される熱とに関してもよい。
【0067】
図3の装置201は、複数の蒸気品質の測定217を行うことができる1つまたは複数のセンサをさらに備える。蒸気品質の測定217は、上昇管109に設けられる。エバポレーター103の各出口の後に蒸気品質の測定217が提供される。これにより、エバポレーター103の各出口について蒸気品質を測定することができる。エネルギーバランスへの顕著かつ潜在的な寄与を考慮して蒸気品質を計算することができる。
【0068】
図3の装置201は、複数の質量の流量センサ219を備える。質量の流量センサ219は、各エバポレーター103の入口内に設けられる。質量の流量センサ219は、各エバポレーター103の上流の作動流体113の流量を測定するように構成される。
【0069】
装置201は、熱サイフォンループ101内の作動流体113の圧力を測定するように構成される圧力センサ221をさらに備える。図3に示される装置201は、熱サイフォンループ101内の3つの圧力センサ221を備える。図3に示される実施例では、第1圧力センサ221はコンデンサー105とアキュムレータ205との間の下降管107に設けられ、第2圧力センサ221は下降管107の下部に位置し、第3圧力センサ221はエバポレーター103の下流の上昇管109設けられる。圧力センサ221の他の配置は、本願の他の実施例で使用されてもよいを理解すべきである。
【0070】
図3の装置201では、圧力センサ221も二次冷却システム207内に設けられる。特に、第1圧力センサ221はコンデンサー105の入口209に設けられ、第2圧力センサ221は出口213に設けられる。圧力センサ221の他の数及び配置は、本願の他の実施例で使用されてもよい。
【0071】
図2に示される実施例と同様に、圧力センサ221は、熱サイフォンループ101内の作動流体の蒸発の潜熱と作動流体の飽和温度を決定するために使用されるように、熱サイフォンループ101内の圧力を測定する。
【0072】
装置201は、下降管107と上昇管109内の複数の異なる位置に設けられる複数の温度センサ223をさらに備える。図3の実施例では、装置201は、下降管107とアキュムレータ205内の異なる位置に設けられる11つの温度センサ223を備える。温度センサ223の他の数及び配置は、本願の他の実施例で使用されてもよい。例えば、2つの温度センサ223は、光電機器203によって散逸される総熱を定量化するために、二次冷却システム207の入口及び出口に設けられてもよい。温度センサ223は、作動流体113の温度を測定することができる。温度測定は、入口蒸気の品質及び下降管107内の液位を測定するために使用されてもよい。これらのセンサの出力は、装置201を自動的にまたは手動介入によって制御するのを助けるために使用されてもよい。
【0073】
図4に、本願の装置201の他の一例を示す。分かりやすくするために、図4にはエバポレーター103及び電子機器203は示されていない。図4の実施例では、複数のエバポレーター103は、図2に示されるように直列に配置されてもよいし、図3に示されるように並列に配置されてもよいし、あるいは両者の組み合わせによって配置されていてもよいことを理解されたい。図4にも二次冷却システム207と複数のセンサは示されていない。
【0074】
図4に示される装置201の一例では、熱サイフォンループ101の下降管107は、改善された熱性能と作動流体113の流動安定性を提供するように構成される。下降管107は、複数の分岐401A、401Bを備える。各分岐401A、401Bは、コンデンサー105とエバポレーター103のシリーズとの間に管路または導管を提供する。各分岐401A、401Bは、作動流体113に流路を提供するように構成される。分岐401A、401Bは、液相117である作動流体113に流路を提供するように構成される。
【0075】
図4に示される実施例では、2つの分岐401A、401Bが設けられる。本願の他の実施例では、異なる直径を有する他の数の分岐401A、401Bが設けられてもよいことを理解されたい。
【0076】
第1バルブ403Aは、第1分岐401Aを通る流体の流れを制御するために使用することができるように、第1分岐401Aに設けられる。第2バルブ403Bは、第2分岐401Bを通る流体の流れを制御するために使用することができるように、第2分岐401Bに設けられる。一部の実施例では、バルブ403Aと403Bは、作動流体113第1分岐401Aまたは第2分岐401Bを流れるように制御される。図4に示される実施例では、第1分岐401Aは第2分岐401Bよりも大きな直径を有する。分岐401Aと403Bの中にどれを使用して作動流体113をエバポレーター103に供給するかを制御することにより、下降管107内の液面を調整することができ、これにより熱サイフォンループ101を通る作動流体113の流れを制御できる。
【0077】
一部の実施例では、熱サイフォンループ101は、作動流体113が分岐401Aと403Bの両者を流れるように構成されてもよい。第1構成では、第1分岐401Aのみが使用され、第2構成では、第2分岐401Bのみが使用され、第3構成では、第1分岐401Aと第2分岐401Bが使用される。これにより、3つの異なる構成が、熱サイフォンループ101を通る作動流体113の流れを制御することができる。
【0078】
装置201は、下降管107内に位置する第3バルブ403Cをさらに備える。第3バルブ403Cはアキュムレータ205と分岐点の間に設けられ、該分岐点で下降管107は2つ以上の分岐401に分割される。第3バルブ403Cは、下降管107の分岐部に流入する作動流体113の量を制御するために使用することができる。
【0079】
図4に示される実施例では、装置201は、リザーバ405をさらに備える。リザーバ405は、作動流体113を貯蔵するように構成される任意の装置を備えてもよい。リザーバ405は、液相117である作動流体113を貯蔵するように構成されてもよい。
【0080】
リザーバ405は、作動流体113がリザーバ405からアキュムレータ205までに流れるように、下降管107のアキュムレータ205に接続される。第4バルブ403Dは、リザーバ405とアキュムレータ205との間に設けられ、リザーバ405からアキュムレータ205までの流れが制御される。第4バルブ403Dは、熱サイフォンループ101内に追加の作動流体113が必要ない場合にオフにされることができ、作動流体113が必要する場合にオンにされることができる。
【0081】
装置201の異なる変形例は、異なる分岐401の異なる構成を有してもよいことを理解されたい。例えば、一部の実施例では、2つ以上の分岐401を提供してもよい。且つ分岐401は異なる直径を有してもよい。このような実施例では、作動流体113を1つの分岐401を通過させ、または2つの異なる分岐401を通過させることによって作動流体113の流れを制御してもよい。
【0082】
一部の実施例では、バルブ403は、図2に示されるセンサによる測定に応じて動作することができる。例えば、蒸気品質の測定217は蒸気品質が閾値よりも高いことを示す場合、高熱負荷が作動流体113に伝達されると判断することができる。この場合、下降管107内の高静的ヘッドがコンデンサー105を水没させることが予想される。これを防止するために、第1バルブ403Aと第3バルブ403Cをオンにして、作動流体113が第1分岐401Aを流れることができるようにする。
【0083】
蒸気品質が閾値を下回ると、熱サイフォンループ101内に低熱負荷が存在することが示される。この場合、下降管107内の液位の静的ヘッドが低すぎてエバポレーター103内の間欠的な流れを引き起こす可能性があるため、第2バルブ403Bと第3バルブ403Cがオンにされ、作動流体113が第2分岐401Bを流れることができるようになる。この実施例では、より小さな直径の第2分岐401Bは、低熱負荷の場合に十分な静的ヘッドを提供する。他の実施例では、バルブの他の配置、分岐、分岐の直径、またはその他の要素が使用されてもよい。
【0084】
一部の実施例では、バルブ403A、403B、403C、403Dは、ユーザからの入力なしに自動的に動作することができる。例えば、熱サイフォンループ101内のセンサは、液位及び/または蒸気品質が閾値範囲内にあるかどうかを検出し、且つバルブ403A、403B、403C、403Dに制御信号を供給し、バルブ403A、403B、403C、403Dが必要に応じてオンまたはオフにされる。一部の実施例では、これは手動介入なしに発生してもよい、従って、受動的なシステムを提供することができる。他の実施例では、バルブ403A、403B、403C、403Dの1つ以上は手動で動作してもよい。
【0085】
バルブ403A、403B、403C、403Dは、任意の適切なタイプのバルブ403A、403B、403C、403Dであってもよい。一部の実施例では、バルブ403A、403B、403C、403Dは、印加される電気信号を用いてオンオフにすることができるバネ定数のバルブ403A、403B、403C、403Dを備えてもよい。他のタイプのバルブ403A、403B、403C、403Dは、本願の他の実施例で使用されてもよい。
【0086】
図4に示される実施例では、エバポレーター103の入口407の直径は上昇管109の直径よりも小さい。この実施例は熱サイフォンループ101内に圧力を提供するように構成される。これにより、熱サイフォンループ101内に一方向の流れが提供され、エバポレーター103の入口407に気泡が形成されることが防止される。
【0087】
図5は、装置201の一部の実施例において、開示される下降管107の一部の断面を示す。図5に示される下降管107の一例は、図2図4のいずれかに示される熱サイフォンループ101内に設けられる。矢印501で示すように、コンデンサー105からの作動流体113は、下降管107の頂部に流入する。矢印503で示すように、作動流体113は重力により下降管107に沿って流下し、下降管107から1つまたは複数のエバポレーター103に流れ落ちる。
【0088】
図5に示される実施例では、下降管107は膨張可能部505を備える。膨張可能部505は、液相117である作動流体113を下降管107内に貯蔵できるように分散アキュムレータ205の役割を果たす。
【0089】
下降管107は剛性外部507を備える。剛性外部507は、熱サイフォンループ101の通常の使用中に屈曲または収縮しない。剛性外部507は、膨張可能部505が膨張可能である程度に制約を与える。
【0090】
膨張可能部505は、剛性外部507内に設けられる。膨張可能部505は、下降管107内の作動流体113の体積に応じて膨張または収縮するように構成される弾性壁509を備える。
【0091】
弾性壁は、ゴムまたは任意の他の適切な材料で形成されても良い。図5に示される実施例では、膨張可能部505の底部直径は頂部直径よりも大きい。液相117である作動流体113は、下降管107の膨張可能部505内に提供される。
【0092】
図5に示される実施例では、弾性壁509と剛性外部507との間に設けられる。これにより、弾性壁509が膨張できる空間を提供することができる。図5に示される実施例では、気相121である作動流体113は、弾性壁509と剛性外部507との間に設けられる空間内に設けられてもよい。弾性壁509が該空間に膨張すると、蒸気が圧縮される。
【0093】
下降管107の膨張可能部505は、熱サイフォンループ101内に低熱負荷が存在する場合に静的ヘッドが十分に高いことを確保する。重要なことは、作動流体113内の二相不安定を回避し、エバポレーター103内の間欠的な流れを防止するために、作動流体113の静的ヘッドが十分に高いことである。熱負荷が低い場合、上昇管109内のボイド率は減少し、熱サイフォンループ101内の蒸気は少なくなる。これにより、下降管107の液圧ヘッドが減少する。
【0094】
下降管107の膨張可能部505は、膨張可能部505の直径が熱サイフォンループ101内の圧力条件に応じて調整できるので、静的ヘッドの位置を維持するのに役立つ。膨張可能部505は、熱サイフォンループ101内の圧力ヘッドが減少するにつれて、膨張可能部の直径も減少するように構成される。これにより、より低い熱負荷下でより大きな静的ヘッドを提供することができる。
【0095】
膨張可能部505の直径の変化は、弾性壁509の機械的特性及び応力ひずみによって制御される。これらは、より低い熱負荷のために静的ヘッドが十分に高いことを保証するように選択される。一部の実施例では、異なる機械的特性及び応力ひずみを有する異なるタイプの弾性壁509が下降管107の異なる部分に使用されてもよい。これにより、下降管107内の静的ヘッド位置のより大きな制御を提供することができる。
【0096】
図6Aおよび6Bは、一部の装置201の実施例に提供されるアキュムレータ205の一例を示す。アキュムレータ205は、熱サイフォンループ内に作動流体113を貯蔵するための液体アキュムレータ、受器、または他の適切な装置であってもよい。
【0097】
図6Aは、アキュムレータ205の断面を示す。この実施例では、アキュムレータ205はアキュムレータ205の長さに沿って変化する直径を有する。アキュムレータ205は、アキュムレータが底部よりも頂部に広がるように、底部において頂部D2よりも小さな直径D1を有する。アキュムレータ205は図6Aに断面で示されるが、アキュムレータ205は円錐台を形成することが理解されるべきである。
【0098】
図6Bは、一定の内部容積を維持するために、アキュムレータ205の上部直径が、アキュムレータ205の高さの関数としてどのように変化しなければならないかを示す図である。この実施例では、3000cmの体積が選択される。他の体積は、本願の他の実施例で使用されてもよい、これにすると、より小さな直径D1とより大きな直径D2の異なるになる。
【0099】
図6Bに示されるように、アキュムレータ205の上部直径とアキュムレータ205の高さの間には、体積を一定に維持するための逆相関が存在することを示している。アキュムレータ維持の直径と高さを選択する際には、性能の考慮と空間的制限を考慮しなければならない。
【0100】
図6A及び図6Bで使用されるアキュムレータ205の異なる直径は、エバポレーター103を通過する間欠的な流れを防止するために、低熱負荷下で十分に高い液圧ヘッドを確保する。この形状は、高熱負荷下では、アキュムレータ205が作動流体113を貯蔵するのに十分な容量を有し、コンデンサー105のオーバーフローを防止することをさらに確保する。
【0101】
このタイプのアキュムレータ205は、アクティブ制御なしにアキュムレータ内の液位を制御できるので有利である。
【0102】
図7は、複数のラック703を冷却するためのシステム701を概略的に示す。各ラック703は、複数の電子機器203を備えてもよい。この実施例では、電子機器203はサーバを備える。本願の他の実施例では、他のタイプの電子機器が使用されてもよい。図7に示されるシステム701は、二次冷却システム207に空気冷却コンデンサーを使用し、電子機器203のラック703が5台程度までの小規模なデータセンターに使用されてもよい。
【0103】
この実施例では、複数の電子機器203を備える2つのラック703が示される。本願の他の実施例では、他の数のラック703が使用されてもよいことを理解すべきである。
【0104】
前記システムは、複数の熱サイフォンループ101を備える。図2及び図3に示されるように、熱サイフォンループ101は、各ラック703内の複数の電子機器203を冷却するように構成される複数のエバポレーター103を備えてもよい。複数の熱サイフォンループ101は、熱サイフォンループ101間に流体経路が提供されないように互いに隔離される。図7に示されるように、複数の熱サイフォンループ101は、第1熱サイフォンループ101が第2熱サイフォンループ101とは独立して電子機器を冷却することができるように、単一の電子機器に熱結合することができる。
【0105】
各熱サイフォンループ101は、下降管107と上昇管109とを備える。前記熱サイフォンループ101は互いに独立しており、1つの熱サイフォンループ101を流れる作動流体113が他の熱サイフォンループ101に流入しないようになっている。熱サイフォンループ101間には流体経路が設けられていない。
【0106】
図2及び図3に示されるように、熱サイフォンループ101は、複数のセンサを備えてもよいことを理解されたい。図4~6Bに示されるように、一部の実施例では、熱サイフォンループ101は、分岐および/または可変アキュムレータ205を備えてもよい。
【0107】
図7に示される実施例では、バルブ705は、エバポレーター103の入口及び出口における熱サイフォンループ101内に設けられる。これらのバルブ705は、エバポレーター103に流れる流体をオフにすることができ、これによりエバポレーター103が熱サイフォンループ101から取り外される。エバポレーター103は、維持の目的のために、または他の適切な理由で取り外されてもよい。
【0108】
図7に示される実施例では、各ラック703は、少なくとも2つの独立する熱サイフォンループ101に熱結合される。前記熱サイフォンループ101は、任意の熱サイフォンループ101を介して総熱量(等価の量)を伝達できるように、互いに同じである。これにより、サーバラック703は、利用可能な熱サイフォンループ101を介して効率的に冷却することができる。この構成により、主な熱サイフォンループ101は障害が発生する場合、熱サイフォンループ101の1つが維持のためにオフにすることができる。これにより、電子機器103は、維持及び/または熱サイフォンループ101の1つは障害が発生する場合のために、中断せずに冷却装置701上で連続的に動作させることができる。
【0109】
下降管107及び上昇管109上のバルブ711は、エバポレーター203及び熱サイフォンループ101を制御することができる。これにより、冷却システムが維持されている場合でも、熱サイフォンループ101を電子機器203の動作時に切り替えることができる。
【0110】
図7に示される実施例では、圧力センサ709及びバルブ711は、各熱サイフォンループ101の上昇管109及び下降管107内に設けられる。圧力センサ709は、使用中に上昇管109及び下降管107内の圧力を監視できるように構成される。
【0111】
バルブ711は、熱サイフォンループ101を取り外すことができるように構成されてもよい。一部の実施例では、熱サイフォンループ101は、ラック内の異なる電子機器203に結合するように構成される複数の分岐を備えてもよい。このような実施例では、バルブ711は、他の分岐が機能を維持したまま、1つまたは複数の分岐が切断されることを可能にしてもよい。従って、バルブ711は、分岐の熱サイフォンループ101の一部をオフにすることができる。
【0112】
図7の実施例では、各熱サイフォンループ101は、アキュムレータ205と圧力センサ709とバルブ711との間の下降管107に設けられるバルブ713をさらに備える。バルブ713は、熱サイフォンループ101が使用される時にオンオフバルブである。
【0113】
システム701の一例は、コンデンサー105の各熱サイフォンループ101内の上昇管109及び下降管107内に設けられる圧力センサ715及びバルブ717をさらに備える。圧力センサ715及びバルブ717は、上昇管109及び下降管107の頂部近傍に設けられる。下降管107では、圧力センサ715及びバルブ717がコンデンサー105とアキュムレータ205の間に設けられる。圧力センサ715は、使用中に上昇管109及び下降管107の頂部に接近する圧力を監視できるように構成される。
【0114】
バルブ717は、コンデンサー105を取り外すことができるように構成されてもよい。これにより、コンデンサー105または熱サイフォンループ101の他の任意の部分を維持することができる。従って、バルブ717は、熱サイフォンループ101の全体をオフにすることができる。
【0115】
図7に示される実施例では、システム701は、コンデンサー105を備える。他のタイプのコンデンサー105は、本願の他の実施例で使用されてもよい。例えば、より多くの数のラック703を冷却する場合、コンデンサー105は二次冷却システム207に接続することができる。二次冷却システム207は、図8に示される水冷却システム、または任意の他の適切なタイプの放熱システムであってもよい。
【0116】
図8は、複数のラック703を冷却するための他のシステム801を概略的に示す。各ラック703は、サーバなどの複数の電子機器203を備えてもよい。図8に示されるシステム801は、二次冷却システム207が複数の水冷システム803を使用しており、5つ以上の電子機器203を備えるラック703の大型データセンターで使用することができる。
【0117】
図8に示されるシステム801の一例は、複数の熱サイフォンループ101を備える。前記複数の熱サイフォンループ101は、電子機器203のラック703に熱結合される分岐の熱サイフォンループ101であってもよい。図8のシステム801におけるサーマル熱サイフォンループ101は、図7におけるサーマル熱サイフォンループ101と同様であってもよい。サーマル熱サイフォンループ101は、維持または他の目的のためにサーマル熱サイフォンループ101またはサーマル熱サイフォンループ101の一部をオフにすることができるようにする分岐およびバルブを備えてもよい。
【0118】
図8のシステム801は、図8の熱サイフォンループ101で使用されるコンデンサー105が水冷却コンデンサー105を備える点で図7のシステムと異なる。これにより、より高い熱負荷を熱サイフォンループ101から取り外すことができるので、システム801をより大きなデータセンターを冷却するために使用することができる。
【0119】
図8に示される実施例では、各熱サイフォンループ101は、少なくとも2つの水冷却システム803に接続される。各水冷却システム803は、熱サイフォンループ101に独立する二次冷却システムを提供する。第1水冷却システム803からの水は他の水冷却システム803に流入しないように、水冷却システム803は互いに独立している。図8は、異なる水冷却システム803間に流体の流れがないように、異なる水冷却システム803間に経路分離805を提供することを概略的に示す。
【0120】
図8に示される水冷却システム803の一例では、各水冷却システム803は、熱サイフォンループ101から同じ熱負荷を除去することができる。これは、熱サイフォンループ101から排出できる熱量は、水冷却システム803のいずれが二次冷却に使用されるかに決定されないことを意味する。
【0121】
水冷却システム803内には、1つ以上のバルブ807が設けられてもよい。図8の実施例では、バルブ807は、熱サイフォンループ101のコンデンサー105の入口及び出口に設けられてもよい。前記バルブ807は、コンデンサー105への流れを制御するように構成されてもよい。水冷却システム803の1つが維持を必要とする場合、または障害がある場合、前記バルブ807は、熱サイフォンループ101に接続される水冷却システム803を交換可能にすることができる。
【0122】
各水冷却システム803は、1つ以上のポンプ809をさらに備える。ポンプ809は、水冷却システム803を通じて水をポンプするように構成される任意の装置を備えてもよい。各水冷却システム803は、1つの水冷却システム803内の水の流れが他の水冷却システム803内の水の流れとは独立するように、独自のポンプシステムを有する。
【0123】
水冷却システム803は、二次コンデンサー811をさらに備える。二次コンデンサー811は、空気冷却の乾式冷却器または任意の他の適切なタイプのコンデンサーを備えてもよい。
【0124】
従って、図8のシステムは、各熱サイフォンループ101が複数の二次水冷却システム804に熱結合できるように構成される複数の二次水冷却システム803を備える。
【0125】
図9は、本願の実施例において熱サイフォンループ101内に設けられるコンデンサー105の一例を示す。図9のコンデンサー105の一例では、アキュムレータ205はコンデンサー105内に設置される。図9のコンデンサー105は、上述の装置201及びシステム801の熱サイフォンループ101のいずれかに使用されてもよい。
【0126】
この実施例では、コンデンサー105は水冷却コンデンサーである。水は入口901を流れ、温水は出口903から二次冷却システム207に流入する。コンデンサー105内の流れは図9には示されていないが、熱サイフォンループ101の作動流体113に関して逆流、平行流、または交差流であってもよい。
【0127】
コンデンサー105は、任意の適切なタイプのコンデンサー105であってもよい。例えば、コンデンサー105は、マイクロスケール式熱交換器、プレート式熱交換器、チューブインチューブ式熱交換器、シェルアンドチューブ式熱交換器、または任意の他の適切なタイプの熱交換器を備えてもよい。
【0128】
放散可能な熱量は、コンデンサー105の設計および/または寸法を変更することによって制御されることができる。例えば、プレート式熱交換器におけるプレートの数は、必要とされる放熱量、より大きな熱交換器に対応するための全体の寸法などに応じて選択されてもよい。
【0129】
コンデンサー105の総内部容積は、アキュムレータ205の内部容積の2倍~5倍であってもよい。コンデンサー105とアキュムレータ205の相対体積は、熱サイフォンループ101内の他の部材の体積に決定されることができる。
【0130】
図10は、本願の装置201の一例を示す。この実施例では、熱サイフォンループ101はサーバキャビネット1001内に位置する。図2に示されるように、熱サイフォンループ101は、6つの直列接続されるエバポレーター103を備え、6つの電子機器203を冷却するように構成されてもよい。この実施例では、電子機器203はサーバを備える。熱サイフォンループ101は、図10に示されていない複数のセンサを備えてもよい。
【0131】
この実施例では、コンデンサー105は水冷式コンデンサー105である。水は入口209を流れ、温水は出口213から二次冷却システム207に流出する。データセンターが二次冷却システム207のための部屋段ポンプ駆動回路を備えていない場合、塔頂部凝縮器は空気冷却でもよいことを理解すべきである。
【0132】
図10の実施例では、熱サイフォンループ101内に複数のクイックジョイント1003が設けられている。特に、アキュムレータ205のいずれかの側には、維持やその他の目的のためにアキュムレータを取り外すことができるように、カプラ1003が設けられている。
【0133】
クイックカップリング1003は、コンデンサー105が熱サイフォンループ101から除去できるように、コンデンサー105の両側の降液管107とリフト管109にも設けられている。また、コンデンサー105の入口209及び出口213には、二次冷却システム207のためにクイックカップリング1003が設けられている。これにより、熱サイフォンループ101を二次冷却システム207から切断することができる。さらに、バルブ705は、電子機器203を維持または他の目的のために熱サイフォンループ101に接続するように、図10に図示されていないクイックジョイントであってもよい。
【0134】
図11は、本願の他の実施例による装置201の一例を示す。この実施例では、熱サイフォンループ101はサーバキャビネット1001内に位置している。図3に示されるように、熱サイフォンループ101は、7つの電子機器203を冷却するように、並列に接続される7つのエバポレーター103を備えてもよい。この実施例では、電子機器203はサーバを備える。熱サイフォンループ101は、蒸気品質の測定するように、質量流量センサ219、温度センサ223、圧力センサ221などの複数のセンサをさらに備えてもよい。前記複数のセンサは、図3または他の任意の適切な構成に関して構成されてもよい。
【0135】
図11の実施例では、コンデンサー105は水冷式コンデンサー105である。水は入口209を流れ、温水は出口213から二次冷却システム207に流入する。
【0136】
図11の実施例では、熱サイフォンループ101内に複数の高速結合1003が設けられる。特に、エバポレーター103を維持またはその他の目的のために取り外すことができるように、各エバポレーター103のいずれかの側に高速結合1003が設けられる。
【0137】
従って、本願の実施例は、データセンターまたはサーバなどのデバイスを冷却するために使用できる冷却システムを提供する。熱サイフォンループ101に分布する複数のセンサの使用により、冷却システムの異なるパラメータを監視することができる。これにより、これらのデバイス201およびシステムを受動的に制御することができる。
【0138】
システムとデバイス201の部分が、システムとデバイスの他の部分の機能に影響を与えることなく除去されるように、システムが分割されることもできる。これにより、システムとデバイスは「熱交換可能」になり、これにより、電子機器203とデータセンターは、冷却システムの一部が他の目的で維持されたりオフにされたりするときに動作を継続することができる。
【0139】
上記の説明において、「結合」という用語は、動作上の結合を意味する。一部の実施例では、構成要素は、作動流体などの流体が構成要素間を流れることができるように結合されていてもよい。一部の実施例では、結合は、部品間で熱を伝達できるように熱結合を意味することができる。
【0140】
本願に言及される「備える」とは、排他的な意味ではなく包括的な意味を持つことである。つまり、XにYを備えるすべての参照は、Xが1つまたは複数のYを備えることを意味する。排他的な意味を持つ「備える」を使用しようとする場合、「1つだけを備える…」を参照することにより明確にされ、または「からなる」を使用することで文脈上明示する。
【0141】
本明細書によれば、様々な実施例を参照することができる。実施例に関する特徴または機能の説明は、その実施例にそれらの特徴または機能があることを示す。本願に言及される「実施例」、「例えば」、「…てもよい」、または「…可能」とは、明示的に記載されているか否かにかかわらず、そのような特徴や機能は、例として記載されているか否かにかかわらず、少なくとも記載されている例に存在し、他の例の一部又は全ての例に存在し得るが、必ずしも存在する必要はないことを示す。従って、本願に言及される「実施例」、「例えば」、「…てもよい」、または「…可能」は、例のクラスにおける特定の例を示す。例のプロパティは、該例にのみ属するプロパティ、該クラスのプロパティ、または該クラスのサブクラス(該クラスの一部を含むが、すべての例ではない)のプロパティであってもよい。従って、ある実施例を参照して説明され、他の実施例を参照して説明されない特徴は、可能な限り、作業上の組み合わせの一部としてその他の実施例で使用されることができるが、必ずしもその他の実施例で使用される必要はないことを暗黙的に示す。
【0142】
上記の段落のように、本願の実施形態について詳細に説明したが、本願は上記の実施形態に限られない。本願の思想と原則下でなされた修正、均等な代替、改良などはいずれも本願の保護範囲に含まれることを理解すべきである。
【0143】
上記の説明で説明された特徴は、上記で明示的に説明された組み合わせ以外の組み合わせで使用されてもよい。
【0144】
特定の機能を参照して機能を説明したが、それらの機能は、説明されているか否かにかかわらず、他の機能によって実行可能であってもよい。
【0145】
特定の実施例を参照して特徴を説明したが、それらの特徴は、説明されているか否かにかかわらず、他の実施例にもあってもよい。
【0146】
本願に言及される「a」または「The」とは、排他的な意味ではなく包含的な意味を持つことである。つまり、本願に言及される「XがY/前記Yを備える」は、文脈が明確に反対のことを示さない限り、Xが1つのYのみを備えてもよいし、2つ以上のYを備えてもよいことを示す。排他的な意味を持つ「a」または「the」を使用しようとする場合、文脈上明示する必要がある。場合によっては、「少なくとも1つ」または「1つ以上」を使用して包含的な意味を強調することができるが、これらの用語の欠落を排他的な意味を推定するものと見なすべきではない。
【0147】
請求項における特徴(または特徴の組み合わせ)は、その特徴または(特徴の組み合わせ)自体、および実質的に同じ技術効果を実現できる特徴(等価特徴)である。等価特徴は、例えば、実質的に同じ結果を実質的に同じ方法で実現する変形特徴を含む。等価特徴は、例えば、実質的に同じ結果を実現するために実質的に同じ方法で実質的に同じ機能を実行する特徴を含む。
【0148】
本願の明細書では、実施例の特徴を説明するために形容詞または形容詞的なフレーズを使用して、様々な実施例が参照されることができる。実施例に関するその特性の記載は、その特性が、ある実施例では明確に記載されるとおりにあるし、他の実施例では記載されるとおりに実質的にあることを示す。
【0149】
上記の明細書では、重要な特徴と考えられるものに注意を払うよう努力しているが、出願人は、強調されているかどうかにかかわらず、上記の図面および/または図面に示される任意の特許可能な特徴または特徴の組み合わせを保護するために、特許請求の範囲を通じて保護を求めることができることを理解すべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7
図8
図9
図10
図11