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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-26
(45)【発行日】2024-10-04
(54)【発明の名称】導体構造、及び電気接続モジュール
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/02 20060101AFI20240927BHJP
   H01R 12/57 20110101ALI20240927BHJP
   H01R 12/73 20110101ALI20240927BHJP
   H01R 12/91 20110101ALI20240927BHJP
【FI】
H01R13/02
H01R12/57
H01R12/73
H01R12/91
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2023524735
(86)(22)【出願日】2021-07-29
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-09
(86)【国際出願番号】 CN2021109246
(87)【国際公開番号】W WO2022252377
(87)【国際公開日】2022-12-08
【審査請求日】2023-04-21
(31)【優先権主張番号】202110747507.3
(32)【優先日】2021-07-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202110603379.5
(32)【優先日】2021-05-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】522108493
【氏名又は名称】上海航天科工電器研究院有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ワン シュイ
(72)【発明者】
【氏名】チェン テンフェイ
(72)【発明者】
【氏名】ワン ジアン
(72)【発明者】
【氏名】ワン ジュン
(72)【発明者】
【氏名】チャン ジミン
【審査官】高橋 裕一
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-129109(JP,A)
【文献】特開2021-022488(JP,A)
【文献】中国実用新案第207442027(CN,U)
【文献】米国特許第10971839(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R12/00-12/91
H01R13/00-13/08
H01R13/15-13/35
H01R24/00-24/86
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
順に接続された溶接脚部(100)と、中間屈曲部(200)と、スライド挿入部(300)と、を備え、
前記溶接脚部(100)は、回路基板と溶接するために用いられ、
前記中間屈曲部(200)には、接続された曲げ戻り構造(400)と屈曲構造(500)とが形成され、前記中間屈曲部(200)の前記溶接脚部(100)に隣接する位置には、ソケット下部ハウジング(700)に密接に接触して前記ソケット下部ハウジング(700)を固定するための第1の干渉領域(209)が設けられ、
前記スライド挿入部(300)は、プラグコネクタのプラグ導体と導通するために用いられ、前記スライド挿入部(300)の前記中間屈曲部(200)に隣接する位置には、ソケット上部ハウジング(800)に密接に接触して前記ソケット上部ハウジング(800)を固定するための第2の干渉領域(309)が設けられ、
前記曲げ戻り構造(400)及び前記屈曲構造(500)は、前記第1の干渉領域(209)が前記ソケット下部ハウジング(700)に密接に接触し、且つ、前記第2の干渉領域(309)が前記ソケット上部ハウジング(800)に密接に接触した際に、前記ソケット下部ハウジング(700)と前記ソケット上部ハウジング(800)との間から浮動して露出するために用いられ
前記曲げ戻り構造(400)の中心線に沿った切断面は、前記屈曲構造(500)の中心線に沿った切断面と平行でない
ことを特徴とする導体構造。
【請求項2】
前記溶接脚部(100)、前記中間屈曲部(200)、及び前記スライド挿入部(300)は、一体成形され、及び/又は、
前記中間屈曲部(200)は、R形状を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の導体構造。
【請求項3】
前記中間屈曲部(200)には、少なくとも1つのブランキング孔(208)が設けられる
ことを特徴とする請求項1に記載の導体構造。
【請求項4】
前記溶接脚部(100)、前記中間屈曲部(200)、及び前記スライド挿入部(300)は、同じ厚さを有する
ことを特徴とする請求項1に記載の導体構造。
【請求項5】
前記中間屈曲部(200)には、第1の直線セグメント(210)、第2の屈曲セグメント(220)、第3の直線セグメント(230)、第4の屈曲セグメント(240)、第5の直線セグメント(250)、第6の屈曲セグメント(260)、第7の直線セグメント(270)、第8の屈曲セグメント(280)、及び第9の直線セグメント(290)が順に設けられ、
前記第1の直線セグメント(210)は、前記溶接脚部(100)に接続され、前記第1の直線セグメント(210)には、前記第1の干渉領域(209)が設けられ、
前記第2の屈曲セグメント(220)、前記第3の直線セグメント(230)、前記第4の屈曲セグメント(240)、前記第5の直線セグメント(250)、及び前記第6の屈曲セグメント(260)は、共に前記曲げ戻り構造(400)を形成し、
前記第7の直線セグメント(270)、前記第8の屈曲セグメント(280)、及び前記第9の直線セグメント(290)は、共に前記屈曲構造(500)を形成し、
前記第9の直線セグメント(290)は、前記スライド挿入部(300)に接続される
ことを特徴とする請求項1に記載の導体構造。
【請求項6】
前記第1の直線セグメント(210)の延在方向は、前記スライド挿入部(300)の延在方向に平行である
ことを特徴とする請求項5に記載の導体構造。
【請求項7】
前記第1の直線セグメント(210)の延在方向と前記溶接脚部(100)の延在方向とは、第1の挟み角αを形成し、
前記第9の直線セグメント(290)の延在方向と前記スライド挿入部(300)の延在方向とは、第2の挟み角βを形成し、
前記第1の直線セグメント(210)の延在方向と前記第3の直線セグメント(230)の延在方向とは、前記第2の屈曲セグメント(220)で第3の挟み角γを形成し、
前記第5の直線セグメント(250)の延在方向と前記第7の直線セグメント(270)の延在方向とは、前記第6の屈曲セグメント(260)で第4の挟み角δを形成し、
前記第7の直線セグメント(270)の延在方向と前記第9の直線セグメント(290)の延在方向とは、前記第8の屈曲セグメント(280)で第5の挟み角εを形成し、
前記第1の挟み角αは、90度以上であり、前記第2の挟み角βは、90度以上であり、前記第3の挟み角γは、90度よりも大きく、前記第4の挟み角δは、90度以上であり、及び/又は、前記第5の挟み角εは、90度以上である
ことを特徴とする請求項5に記載の導体構造。
【請求項8】
前記第1の直線セグメント(210)、前記第3の直線セグメント(230)、前記第5の直線セグメント(250)、前記第7の直線セグメント(270)、及び/又は、前記第9の直線セグメント(290)には、前記第2の屈曲セグメント(220)、前記第4の屈曲セグメント(240)、前記第6の屈曲セグメント(260)、及び/又は、前記第8の屈曲セグメント(280)に対して、少なくとも1つの幅又は厚さの変化調整部位が設けられる
ことを特徴とする請求項5に記載の導体構造。
【請求項9】
前記中間屈曲部(200)は、その直線セグメントと屈曲セグメントとが隣接する位置に、形状変化領域が設けられ、前記形状変化領域は、幅変化領域及び/又は厚さ変化領域を含む
ことを特徴とする請求項5に記載の導体構造。
【請求項10】
前記第1の直線セグメント(210)、前記第2の屈曲セグメント(220)、前記第3の直線セグメント(230)、前記第4の屈曲セグメント(240)、前記第5の直線セグメント(250)、前記第6の屈曲セグメント(260)、前記第7の直線セグメント(270)、前記第8の屈曲セグメント(280)、及び前記第9の直線セグメント(290)は、一体成形され、及び/又は、
前記第1の直線セグメント(210)、前記第2の屈曲セグメント(220)、前記第3の直線セグメント(230)、前記第4の屈曲セグメント(240)、前記第5の直線セグメント(250)、前記第6の屈曲セグメント(260)、前記第7の直線セグメント(270)、前記第8の屈曲セグメント(280)、及び前記第9の直線セグメント(290)は、同じ厚さを有する
ことを特徴とする請求項5に記載の導体構造。
【請求項11】
前記曲げ戻り構造(400)の中心線PQは、前記スライド挿入部(300)の延在方向VWに向かって傾斜している
ことを特徴とする請求項5に記載の導体構造。
【請求項12】
前記曲げ戻り構造(400)は、前記第1の直線セグメント(210)と前記溶接脚部(100)とによって共に形成された平面からオフセットす
ことを特徴とする請求項5に記載の導体構造。
【請求項13】
前記スライド挿入部(300)には、接続された接続セグメント(310)及び挿入セグメント(320)が設けられ、前記接続セグメント(310)は、前記中間屈曲部(200)に接続されるとともに、前記屈曲構造(500)に隣接し、前記接続セグメント(310)には、前記第2の干渉領域(309)が設けられ、前記挿入セグメント(320)は、前記プラグコネクタのプラグ導体と導通するために用いられる
ことを特徴とする請求項1に記載の導体構造。
【請求項14】
前記スライド挿入部(300)の幅は、前記中間屈曲部(200)の最大幅以下であり、前記挿入セグメント(320)は、前記中間屈曲部(200)よりも高い位置に設けられ、前記溶接脚部(100)は、前記接続セグメント(310)及び前記中間屈曲部(200)よりも低い位置に設けられる
ことを特徴とする請求項13に記載の導体構造。
【請求項15】
前記第1の干渉領域(209)及び前記第2の干渉領域(309)の幅は、前記中間屈曲部(200)の最大幅以下である
ことを特徴とする請求項1に記載の導体構造。
【請求項16】
ソケットコネクタを備え、前記ソケットコネクタは、ソケット下部ハウジング(700)と、ソケット上部ハウジング(800)と、請求項1乃至15のいずれか1項に記載の導体構造(600)と、を含む
ことを特徴とする電気接続モジュール。
【請求項17】
前記ソケットコネクタに適合するプラグコネクタを更に備え、前記プラグコネクタは、前記導体構造(600)に接続され、及び/又は、
複数の前記導体構造(600)は、規則的に2組に配列され、各組中の各前記導体構造(600)の第1の干渉領域(209)は、前記ソケット下部ハウジング(700)に密接に接触して、全体に合わせて前記ソケット下部ハウジング(700)を固定し、各組中の各前記導体構造(600)の第2の干渉領域(309)は、前記ソケット上部ハウジング(800)に密接に接触して、全体に合わせて前記ソケット上部ハウジング(800)を固定する
ことを特徴とする請求項16に記載の電気接続モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板対基板接続の技術分野に関し、特に導体構造及び電気接続モジュールに関する。
【0002】
本発明は、2021年5月31日に中国特許庁に提出された出願番号2021106033795の中国特許出願、及び、2021年7月01日に中国特許庁に提出された出願番号2021107475073の中国特許出願に基づき優先権を主張し、これらの特許出願の内容全体を参照により本出願に組み込む。
【背景技術】
【0003】
基板対基板コネクタは、コネクタのピンによってプリント回路基板間の電源と信号を直接接続可能なミニチュア結合プラグとソケットである。電子製品の高速な発展に伴い、基板対基板コネクタは、消費や、産業用制御、自動車、医療、通信などの多くの分野で大量に応用されている。これらの分野の電子デバイスの小型化及び集積化の発展に伴い、ますます多くの機能モジュールが限られた空間に集積されている。そのため、これらのモジュールの応用環境もますます複雑になり、高温、複雑な振動環境、大きな加工誤差の環境などを含む場合が多い。異なる回路基板によって電源又は信号の相互接続を実現する場合、複雑の応用環境では、コネクタの導体がコネクタ材料自体が耐えられる強度及び応力以上を受けることが多いため、コネクタの電気信号の瞬時的な中断又はコネクタ材料自体の性能の減衰や破壊を引き起こす可能性がある。
【0004】
応用シーンの複雑な変化及びマルチモジュールの集積に加えて、電子製品の発展動向は、使用される信号が10Gbps又は更に高い周波数に向けて発展する現象を呈し、これは基板対基板コネクタを使用する接続シーンでのコネクタ伝送速度に対してもより高い要求があり、つまり、基板対基板コネクタの接続シーンでのコネクタ伝送速度も、システムがその機能を実現できるかどうかの重要な要素の1つになっている。
【0005】
従来の基板対基板コネクタは、プラグコネクタとソケットコネクタとの相互挿入面の中心の偏差が±0.2mm以上である場合の安定した電気的接続の能力を備えていない。そのため、従来の基板対基板コネクタを使用して高振動環境で動作する場合、又は接触領域が-20℃以下の低温環境又は85℃以上の高温環境で動作する場合に、データ伝送障害、ひいてはコネクタ破損などの問題が発生することになる。自動車が高速でデコボコ道を走行したり、CTスキャンが急速に稼動されたり、超音波プローブが多層板間で相互接続されたりするなどの応用シーンでは、接触領域の電気的接続が瞬間的に切断されることが極めて起こりやすいため、安全上のリスクが存在し、事故が発生しやすい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明のいくつかの実施例によると、導体構造及び電気接続モジュールを提供する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
導体構造であって、順に接続された溶接脚部と、中間屈曲部と、スライド挿入部と、を備え、前記溶接脚部は、回路基板と溶接するために用いられ、前記中間屈曲部には、接続された曲げ戻り構造と屈曲構造とが形成され、前記中間屈曲部の前記溶接脚部に隣接する位置には、ソケット下部ハウジングに密接に接触して前記ソケット下部ハウジングを固定するための第1の干渉領域が設けられ、前記スライド挿入部は、プラグコネクタのプラグ導体と導通するために用いられ、前記スライド挿入部の前記中間屈曲部に隣接する位置には、ソケット上部ハウジングに密接に接触して前記ソケット上部ハウジングを固定するための第2の干渉領域が設けられ、前記曲げ戻り構造及び前記屈曲構造は、前記第1の干渉領域が前記ソケット下部ハウジングに密接に接触し、且つ、前記第2の干渉領域が前記ソケット上部ハウジングに密接に接触した際に、前記ソケット下部ハウジングと前記ソケット上部ハウジングとの間から浮動して露出するために用いられる。
【0008】
上記導体構造は基板対基板接続に適用される場合、溶接脚部は溶接により固定され、プラグコネクタと相互挿入されてプラグコネクタに着脱可能に相対的に固定され、ソケットコネクタのソケット上部ハウジング及びソケット下部ハウジングは、2つの干渉領域によって導体構造に固定される。これにより、一方では、曲げ戻り構造及び屈曲構造のような2重の振動減衰を巧みに設計して、高振動環境に適しており、他方では、導体構造の材料自体に変形能力を有するため、基板対基板接続の時に中心位置に所定の範囲内のオフセット量が発生しても、導体構造とプラグ導体との効果的な接続及び導通を効果的に確保することができる。更に、構造が簡単であるため、一定の低温環境及び高温環境での動作に適している。
【0009】
一実施例において、前記溶接脚部、前記中間屈曲部、及び前記スライド挿入部は、一体成形され、及び/又は、前記中間屈曲部は、R形状又はR形状の幅伸縮変形を有する。
【0010】
一実施例において、前記中間屈曲部には、少なくとも1つのブランキング孔が設けられる。
【0011】
一実施例において、前記溶接脚部、前記中間屈曲部、及び前記スライド挿入部は、同じ厚さを有する。
【0012】
一実施例において、前記中間屈曲部には、第1の直線セグメント、第2の屈曲セグメント、第3の直線セグメント、第4の屈曲セグメント、第5の直線セグメント、第6の屈曲セグメント、第7の直線セグメント、第8の屈曲セグメント、及び第9の直線セグメントが順に設けられ、前記第1の直線セグメントは、前記溶接脚部に接続され、前記第1の直線セグメントは、前記第1の干渉領域が設けられ、前記第2の屈曲セグメント、前記第3の直線セグメント、前記第4の屈曲セグメント、前記第5の直線セグメント、及び前記第6の屈曲セグメントは、共に前記曲げ戻り構造を形成し、前記第7の直線セグメント、前記第8の屈曲セグメント、及び前記第9の直線セグメントは、共に前記屈曲構造を形成し、前記第9の直線セグメントは、前記スライド挿入部に接続される。
【0013】
一実施例において、前記第1の直線セグメントの延在方向は、前記スライド挿入部の延在方向に平行である。
【0014】
一実施例において、前記第1の直線セグメントの延在方向と前記溶接脚部の延在方向とは、第1の挟み角αを形成し、前記第9の直線セグメントの延在方向と、前記スライド挿入部の延在方向とは、第2の挟み角βを形成し、前記第1の直線セグメントの延在方向と前記第3の直線セグメントの延在方向とは、前記第2の屈曲セグメントで第3の挟み角γを形成し、前記第5の直線セグメントの延在方向と前記第7の直線セグメントの延在方向とは、前記第6の屈曲セグメントで第4の挟み角δを形成し、前記第7の直線セグメントの延在方向と前記第9の直線セグメントの延在方向とは、前記第8の屈曲セグメントで第5の挟み角εを形成し、且つ、前記第1の挟み角αは、90度以上であり、前記第2の挟み角βは、90度以上であり、前記第3の挟み角γは、90度よりも大きく、前記第4の挟み角δは、90度以上であり、及び/又は、前記第5の挟み角εは、90度以上である。
【0015】
一実施例において、前記第1の直線セグメント、前記第3の直線セグメント、前記第5の直線セグメント、前記第7の直線セグメント、及び/又は、前記第9の直線セグメントには、前記第2の屈曲セグメント、前記第4の屈曲セグメント、前記第6の屈曲セグメント、及び/又は、前記第8の屈曲セグメントに対して、少なくとも1つの幅又は厚さの変化調整部位が設けられる。
【0016】
一実施例において、前記中間屈曲部は、その直線セグメントと屈曲セグメントとが隣接する位置に、形状変化領域が設けられ、前記形状変化領域は、幅変化領域及び/又は厚さ変化領域を含む。
【0017】
一実施例において、前記第1の直線セグメント、前記第2の屈曲セグメント、前記第3の直線セグメント、前記第4の屈曲セグメント、前記第5の直線セグメント、前記第6の屈曲セグメント、前記第7の直線セグメント、前記第8の屈曲セグメント、及び前記第9の直線セグメントは、一体成形され、及び/又は、前記第1の直線セグメント、前記第2の屈曲セグメント、前記第3の直線セグメント、前記第4の屈曲セグメント、前記第5の直線セグメント、前記第6の屈曲セグメント、前記第7の直線セグメント、前記第8の屈曲セグメント、及び前記第9の直線セグメントは、同じ厚さを有する。
【0018】
一実施例において、前記曲げ戻り構造の中心線PQは、前記スライド挿入部の延在方向VWに向かって傾斜している。
【0019】
一実施例において、前記曲げ戻り構造と前記屈曲構造とは、異なる平面に位置する。
【0020】
一実施例において、前記曲げ戻り構造は、前記第1の直線セグメントと前記溶接脚部とによって共に形成された平面からオフセットするとともに、前記平面に対してねじれるように設けられる。
【0021】
一実施例において、前記スライド挿入部には、接続された接続セグメントと挿入セグメントとが設けられる。前記接続セグメントは、前記中間屈曲部に接続されるとともに、前記屈曲構造に隣接する。また、前記接続セグメントには、前記第2の干渉領域が設けられる。前記挿入セグメントは、前記プラグコネクタのプラグ導体と導通するために用いられる。
【0022】
一実施例において、前記スライド挿入部の幅は、前記中間屈曲部の最大幅以下である。前記挿入セグメントは、前記中間屈曲部よりも高い位置に設けられる。前記溶接脚部は、前記接続セグメント及び前記中間屈曲部よりも低い位置に設けられる。
【0023】
一実施例において、前記第1の干渉領域及び前記第2の干渉領域の幅は、前記中間屈曲部の最大幅以下である。
【0024】
一実施例において、電気接続モジュールであって、ソケットコネクタを備え、前記ソケットコネクタは、ソケット下部ハウジングと、ソケット上部ハウジングと、上記のいずれかの実施例に記載の導体構造と、を含む。
【0025】
一実施例において、前記電気接続モジュールは、前記ソケットコネクタに適合するプラグコネクタを更に備え、前記プラグコネクタは、前記導体構造に接続され、及び/又は、複数の前記導体構造は、規則的に2組に配列され、各組中の各前記導体構造の第1の干渉領域は、前記ソケット下部ハウジングに密接に接触して、全体に合わせて前記ソケット下部ハウジングを固定し、各組中の各前記導体構造の第2の干渉領域は、前記ソケット上部ハウジングに密接に接触して、全体に合わせて前記ソケット上部ハウジングを固定する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
本発明の実施例又は従来技術の技術解決策をより明確に説明するために、以下、実施例又は従来技術の説明において使用する必要がある図面を簡単に説明する。以下の説明における図面は、本発明のいくつかの実施例に過ぎず、当業者にとっては、創造的な労働を払わずに、これらの図面に基づいて他の図面を得ることもできることが明らかであろう。
図1】本発明の一実施例の導体構造の構造模式図である。
図2図1に示された導体構造の別の方向における模式図である。
図3図1に示された導体構造の別の方向における模式図である。
図4図1に示された導体構造の別の方向における模式図である。
図5図1に示された導体構造の別の方向における模式図である。
図6】本発明の別の一実施例の導体構造の構造模式図である。
図7図6に示された導体構造の別の方向における模式図である。
図8図6に示された導体構造を図2のJ-J方向に切断した断面模式図である。
図9】本発明の別の実施例の導体構造の構造模式図である。
図10図9に示される例の導体構造の別の模式図である。
図11図9に示された導体構造の別の模式図である。
図12図9に示された導体構造の別の方向における模式図である。
図13図12に示された導体構造の別の模式図である。
図14図13に示された導体構造の断面模式図である。
図15図1に示された導体構造の時間領域反射率測定の模式図である。
図16図14に示された導体構造の時間領域反射率測定の模式図である。
図17図14に示された導体構造を本発明の電気接続モジュールに応用する際の配置の模式図である。
図18】本発明の一実施例の電気接続モジュールの構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の上記目的、特徴、及び利点をより明確に理解するために、以下、図面を参照しながら本発明の具体的な実施形態について詳細に説明する。以下の説明において、本発明を十分に理解するために、多くの具体的な細部を説明する。しかしながら、本発明は、ここで説明される実施形態とは異なる多くの他の形態で実施することができ、当業者であれば、本発明の趣旨から逸脱することなく類似な改良を行うことができる。したがって、本発明は以下に開示される具体的な実施例に限定されるものではない。
【0028】
なお、一方の素子が他方の素子に「固定される」又は「設けられる」と呼ばれる場合、他方の素子に直接存在してもよく、又は介在する要素が存在してもよい。一方の素子が他方の素子に「接続される」と考えられる場合、他方の素子に直接接続されてもよく、又は介在する要素が存在してもよい。本発明の明細書で使用される用語「垂直」、「水平」、「上」、「下」、「左」、「右」、及び類似な表現は、説明のみを目的としており、唯一な実施形態を表すものではない。
【0029】
また、用語「第1」、「第2」は説明の目的だけであり、相対重要性を意味又は示唆し、又は説明された技術的特徴の数を示唆すると理解されるものではない。従って、「第1」、「第2」で限定された特徴は、少なくとも1つの該特徴を明示的又は暗黙的に含むことができる。本発明の説明において、特に明示的かつ具体的に制限されない限り、「複数」は少なくとも2つ、例えば2つ、3つなどを意味する。
【0030】
本発明において、特に明確に規定及び限定されない限り、第1の特徴が第2の特徴の「上」又は「下」にあることは、第1及び第2の特徴が直接に接触してもよいし、第1及び第2の特徴が中間媒体を介して間接的に接触してもよい。また、第1の特徴が第2の特徴の「上」、「上方」及び「上面」にあることは、第1の特徴が第2の特徴の真上又は斜め上にあるか、あるいは第1の特徴の水平高さが第2の特徴よりも大きいことを示すだけであってもよい。第1の特徴が第2の特徴の「下」、「下方」及び「下面」にあることは、第1の特徴が第2の特徴の直下又は斜め下にあるか、あるいは第1の特徴の水平高さが第2の特徴よりも小さいことを示すだけであってもよい。
【0031】
特に定義がない限り、本発明の明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、当業者が通常に理解するものと同じ意味である。本発明の明細書で使用される用語は、具体的な実施形態を説明するためだけのものであり、本発明を限定することを目的とするものではない。本発明の明細書で使用される用語「及び/又は」は、1つ又は複数の関連する列挙された項目の任意のおよびすべての組合せを含む。
【0032】
本発明の一実施例において、導体構造は、順に接続された溶接脚部と、中間屈曲部と、スライド挿入部と、を備え、前記溶接脚部は、回路基板と溶接するために用いられ、前記中間屈曲部には、接続された曲げ戻り構造と屈曲構造とが形成される。前記中間屈曲部の前記溶接脚部に隣接する位置には、第1の干渉領域が設けられ、前記第1の干渉領域は、ソケット下部ハウジングに密接に接触して前記ソケット下部ハウジングを固定するために用いられ、前記スライド挿入部は、プラグコネクタのプラグ導体と導通するために用いられ、前記スライド挿入部の前記中間屈曲部に隣接する位置には、第2の干渉領域が設けられ、前記第2の干渉領域は、ソケット上部ハウジングに密接に接触して前記ソケット上部ハウジングを固定するために用いられ、前記曲げ戻り構造及び前記屈曲構造は、前記第1の干渉領域が前記ソケット下部ハウジングに密接に接触し、かつ、前記第2の干渉領域が前記ソケット上部ハウジングに密接に接触した状態で、前記ソケット下部ハウジングと前記ソケット上部ハウジングとの間から浮動して露出するために用いられる。上記導体構造は基板対基板接続に適用される場合、溶接脚部は溶接により固定され、スライド挿入部は、プラグコネクタと相互挿入されてプラグコネクタに着脱可能に相対的に固定される。ソケットコネクタのソケット下部ハウジング及びソケット上部ハウジングは、それぞれ2つの干渉領域によって導体構造に固定される。一方では、曲げ戻り構造及び屈曲構造のような2重の振動減衰を巧みに設計して、高振動環境に適しており、他方では、導体構造の材料自体に変形能力を有するため、基板対基板接続の時に中心位置に所定の範囲内のオフセット量が発生しても、導体構造とプラグ導体との効果的な接続及び導通を効果的に確保することができる。更に、導体構造の構造が簡単であるため、一定の低温環境及び高温環境での動作に適している。
【0033】
一実施例において、導体構造は、以下の実施例の一部の構造又は全部の構造を含み、即ち、前記導体構造は、以下の一部の技術的特徴又は全部の技術的特徴を含む。更に、一実施例において、前記導体構造は、順に接続された溶接脚部と、中間屈曲部と、スライド挿入部と、を備え、前記溶接脚部は、回路基板と溶接するために用いられ、前記中間屈曲部の少なくとも一部は、浮動して配置され、前記スライド挿入部は、プラグコネクタのプラグ導体と導通するために用いられる。このような設計により、中間屈曲部の一部は、浮動して配置されて浮動状態を形成するため、即ち、他の部分とハードコンタクトしていないため、高振動環境におけるクッション性及び衝撃吸収性に有利であり、振動のハードな伝達を回避できる。また、中間屈曲部は導体構造の一部でもあるため、一定の低温環境及び高温環境での高振動状態への適応に有利であり、信号伝送の精度を確保し、大量のデータ伝送でのパケットロスの問題を回避し、高速の信号伝送に特に適している。各実施例において、高振動環境の振動周波数は、2000Hz以下であり、加速度は、150m/s以下である。上記低温環境の温度は、-55℃以上である。上記高温環境の温度は、+125℃以下である。即ち、上記高低温環境は、-55℃~+125℃の応用環境である。
【0034】
ソケットコネクタのソケット下部ハウジングの取り付けを容易にするために、一実施例において、前記中間屈曲部の前記溶接脚部に隣接する位置には、ソケット下部ハウジングに密接に接触して前記ソケット下部ハウジングを固定するための第1の干渉領域が設けられ、前記スライド挿入部の前記中間屈曲部に隣接する位置には、ソケット上部ハウジングに密接に接触して前記ソケット上部ハウジングを固定するための第2の干渉領域が設けられる。理解されるものとしては、上記の固定は、相対的であり、設計上の限界値を超える力を受ける際に、第1の干渉領域は、ソケット下部ハウジングと分離され、第2の干渉領域は、ソケット上部ハウジングと分離される。また、単一の干渉領域は第1の干渉領域及び第2の干渉領域を含み、且つ、その固定の力が限られているため、具体的な応用においては、通常、複数の前記導体構造の規則的な配列を採用して、共に使用する。一実施例において、前記中間屈曲部には、接続された曲げ戻り構造と屈曲構造とが形成される。一実施例において、前記中間屈曲部は、R形状又はR形状の幅伸縮変形を有し、そのうちの1箇所の屈曲を前記曲げ戻り構造とし、もう1箇所の屈曲を前記屈曲構造とする。更に、一実施例において、前記曲げ戻り構造及び前記屈曲構造は、前記第1の干渉領域が前記ソケット下部ハウジングに密接に接触し、且つ、前記第2の干渉領域が前記ソケット上部ハウジングに密接に接触した状態で、前記ソケット下部ハウジングと前記ソケット上部ハウジングとの間から浮動して露出することによって、高振動環境において前記曲げ戻り構造及び/又は前記屈曲構造が前記ソケット下部ハウジング及び前記ソケット上部ハウジングに対して離隔して設けられる。即ち、前記曲げ戻り構造及び前記屈曲構造は、前記第1の干渉領域及び前記第2の干渉領域によって前記ソケット下部ハウジング及び前記ソケット上部ハウジングに間接的に接続され、高振動環境において相対的に独立した4つの振動領域を形成し、4つの振動領域は、それぞれ、前記ソケット下部ハウジング、前記ソケット上部ハウジング、前記曲げ戻り構造、及び前記屈曲構造である。このような設計により、ソケットコネクタのソケット下部ハウジング及び前記ソケット上部ハウジングがそれぞれ前記導体構造に固定されている際に、曲げ戻り構造及び屈曲構造は、2箇所の浮動状態を形成し、前記導体構造の取付位置からの振動は、まず曲げ戻り構造、次に屈曲構造、そしてプラグコネクタに伝達される。逆の場合、前記プラグコネクタからの振動は、まず前記スライド挿入部及び前記ソケット上部ハウジング、次に屈曲構造、次に曲げ戻り構造、そして前記ソケット下部ハウジング及び前記溶接脚部、最後に前記導体構造の取付位置に、伝達される。即ち、2箇所の浮動状態の前記曲げ戻り構造及び前記屈曲構造の衝撃吸収及び複数箇所の分散を経て、振動エネルギーが大幅に減衰されるため、一定の低温環境及び高温環境での高振動状態への適応に有利である。また、導体構造の材料自体に変形能力を有するため、基板対基板接続の時に中心位置に所定の範囲内のオフセット量が発生しても、導体構造とプラグ導体(例えばプラグ信号導体)との効果的な接続及び導通を効果的に確保することができる。各実施例において、前記所定の範囲は、半径が0.5mm~0.8mmである円形空間である。
【0035】
浮動振動減衰効果を向上させるために、一実施例において、前記曲げ戻り構造と前記屈曲構造とは、異なる平面に位置する。一実施例において、前記中間屈曲部には、第1の直線セグメント、第2の屈曲セグメント、第3の直線セグメント、第4の屈曲セグメント、第5の直線セグメント、第6の屈曲セグメント、第7の直線セグメント、第8の屈曲セグメント、及び第9の直線セグメントが順に設けられる。ここで、前記第1の直線セグメントは、前記溶接脚部に接続され、前記第1の直線セグメントには、前記第1の干渉領域が設けられ、前記第2の屈曲セグメント、前記第3の直線セグメント、前記第4の屈曲セグメント、前記第5の直線セグメント、及び前記第6の屈曲セグメントは、共に前記曲げ戻り構造を形成し、前記第7の直線セグメント、前記第8の屈曲セグメント、及び前記第9の直線セグメントは、共に前記屈曲構造を形成し、前記第9の直線セグメントは、前記スライド挿入部に接続される。一実施例において、前記第1の直線セグメントの延在方向は、前記スライド挿入部の延在方向に平行である。このような設計により、一方では、空間的に革新的であり、複数の方向から複数の角度で浮動振動減衰して振動エネルギーを放出することができ、他方では、曲げ戻り構造及び屈曲構造によって全体的に平行な第1の直線セグメント及びスライド挿入部を形成することにより、ソケット上部ハウジング及びソケット下部ハウジングに適応して、標準化された方法で前記導体構造に固定される。
【0036】
浮動振動減衰効果をより良く向上させるために、一実施例において、前記第1の直線セグメントの延在方向と前記溶接脚部の延在方向とは、第1の挟み角αを形成し、前記第9の直線セグメントの延在方向と前記スライド挿入部の延在方向とは、第2の挟み角βを形成し、前記第1の直線セグメントの延在方向と前記第3の直線セグメントの延在方向とは、前記第2の屈曲セグメントで第3の挟み角γを形成し、前記第5の直線セグメントの延在方向と前記第7の直線セグメントの延在方向とは、前記第6の屈曲セグメントで第4の挟み角δを形成し、前記第7の直線セグメントの延在方向と前記第9の直線セグメントの延在方向とは、前記第8の屈曲セグメントで第5の挟み角εを形成し、且つ、前記第1の挟み角αは、90度以上であり、前記第2の挟み角βは、90度以上であり、前記第3の挟み角γは、90度よりも大きく、前記第4の挟み角δは、90度以上であり、及び/又は、前記第5の挟み角εは、90度以上である。更に、一実施例において、前記第4の屈曲セグメントは、半円形又は半楕円形である。このような設計により、前記中間屈曲部の各屈曲形状を標準化して、屈曲して形成された浮動振動減衰構造が前記導体構造の材料降伏強度に適応するように確保し、製品の通常の設計寿命を保証する。
【0037】
理解されるものとしては、プラグコネクタとソケットコネクタとの接続は、大量の前記導体構造を必要とする可能性があり、各前記導体構造はプラグコネクタとソケットコネクタとを接続する際に形成された3次元の環境に存在する。そのため、3次元の環境において浮動振動減衰効果を向上させるために、一実施例において、前記曲げ戻り構造の中心線は、前記スライド挿入部の延在方向に傾斜している。一実施例において、前記曲げ戻り構造の中心線は、前記溶接脚部の延在方向に傾斜して設けられる。一実施例において、前記曲げ戻り構造は、前記溶接脚部に対して一定の長さだけ延在した後、前記溶接脚部に近づく方向に折り曲げられる。一実施例において、前記曲げ戻り構造は、前記第1の直線セグメントと前記溶接脚部によって共に形成された平面からオフセットして設けられ、及び/又には、前記平面に対してねじれるように設けられる。一実施例において、前記第4の屈曲セグメントは、前記平面からオフセットして設けられるか、又は、前記平面に対してねじれるように設けられる。このような設計により、各前記導体構造により3次元の空間(例えば空間直交座標系に対して)で複数の角度の振動減衰方向を形成し、異なる平面で振動力を放出することに有利である。振動が前記導体構造の複数の位置から放出されるため、電気的接触が抜けにくくなるので、基板対基板接続の時に中心位置に所定の範囲内のオフセット量が発生しても、導体構造とプラグ導体との効果的な接続及び導通を効果的に確保することができる。
【0038】
振動エネルギーの放出を容易にする観点から見ると、一実施例において、前記第1の直線セグメント、前記第3の直線セグメント、前記第5の直線セグメント、前記第7の直線セグメント、及び/又は、前記第9の直線セグメントには、前記第2の屈曲セグメント、前記第4の屈曲セグメント、前記第6の屈曲セグメント、及び/又は、前記第8の屈曲セグメントに対して、少なくとも1つの幅又は厚さの変化調整部位が設けられ、及び/又は、前記中間屈曲部は、その直線セグメントと屈曲セグメントとが隣接する位置に、形状変化領域が設けられる。前記形状変化領域は、幅変化領域及び/又は厚さ変化領域を含み、即ち、幅変化又は厚さ変化が発生する。更に、一実施例において、前記変化調整部位は、拡幅化、厚肉化、狭幅化、又は薄型化の構造を有する。このような設計により、各変化調整部位及び各形状変化領域は、いずれも追加的に振動の伝送を遮断し、振動エネルギーの放出に有利である。
【0039】
前記導体構造の製造を容易にするために、一実施例において、前記溶接脚部、前記中間屈曲部、及び前記スライド挿入部は、一体成形される。一実施例において、前記溶接脚部、前記中間屈曲部、及び前記スライド挿入部は、同じ厚さを有する。このような設計により、全体的に打ち抜いてブランクを速く製造してから、折り曲げ成形を行って、工程を減少させ、製造効率を大幅に向上させることに有利であり、コストも削減される。一実施例において、前記溶接脚部、前記中間屈曲部、及び前記スライド挿入部は、一体成形され、前記中間屈曲部は、R形状又はR形状の幅伸縮変形を有する。一実施例において、前記第4の屈曲セグメントの中心線は、前記第1の直線セグメントの延在方向と前記溶接脚部の延在方向とによって共に形成された平面と交差する。一実施例において、前記第4の屈曲セグメントは、対称的構造であり、その中心線は、前記平面と交差し、及び/又は、前記第1の直線セグメント、前記第2の屈曲セグメント、前記第3の直線セグメント、前記第4の屈曲セグメント、前記第5の直線セグメント、前記第6の屈曲セグメント、前記第7の直線セグメント、前記第8の屈曲セグメント、及び前記第9の直線セグメントは、一体成形される。一実施例において、前記第1の直線セグメント、前記第2の屈曲セグメント、前記第3の直線セグメント、前記第4の屈曲セグメント、前記第5の直線セグメント、前記第6の屈曲セグメント、前記第7の直線セグメント、前記第8の屈曲セグメント、及び前記第9の直線セグメントは、同じ厚さを有する。このような設計により、前記導体構造の生産と製造に有利であり、前記導体構造の生産コストの削減にも有利であり、生産効率が向上する。
【0040】
一実施例において、図1に示されるように、導体構造は、順に接続された溶接脚部100と、中間屈曲部200と、スライド挿入部300と、備え、前記溶接脚部100は、回路基板と溶接するために用いられ、前記中間屈曲部200には、接続された曲げ戻り構造400と屈曲構造500とが形成される。前記スライド挿入部300は、プラグコネクタのプラグ導体と導通するために用いられる。前記中間屈曲部200の前記溶接脚部100に隣接する位置には、第1の干渉領域209が設けられ、前記スライド挿入部300の前記中間屈曲部200に隣接する位置には、第2の干渉領域309が設けられる。本実施例において、前記溶接脚部100、前記中間屈曲部200、及び前記スライド挿入部300は、一体成形される。
【0041】
図2を併せて参照すると、第1の干渉領域209は、第1の干渉位置201、第2の干渉位置202、及び第3の干渉位置203を含み、第2の干渉領域309は、第4の干渉位置204、第5の干渉位置205、及び第6の干渉位置206を含む。前記溶接脚部100、前記中間屈曲部200、及び前記スライド挿入部300は、同じ厚さを有し、又は、本実施例において、スライド挿入部300に設けられた遷移領域301は形状変化領域として厚さ変化領域を形成する以外は、他の部分は、同じ厚さを有する。
【0042】
図3を併せて参照すると、中間屈曲部200は、曲げ戻り構造400において第3の変化領域403及び第6の変化領域406が設けられ、屈曲構造500において第7の変化領域407が設けられる。第3の変化領域403、第6の変化領域406、及び第7の変化領域407は、形状変化領域として幅変化領域を形成する。
【0043】
引き続き図3を参照すると、スライド挿入部300には、接続された接続セグメント310と挿入セグメント320とが設けられる。第2の干渉領域309は、接続セグメント310に位置し、挿入セグメント320は、プラグコネクタのプラグ導体と導通するために用いられ、接続セグメント310は、中間屈曲部200に接続されるとともに、屈曲構造500に隣接する。
【0044】
図4及び図5を併せて参照すると、スライド挿入部300の幅は、中間屈曲部200の最大幅以下である。挿入セグメント320は、中間屈曲部200及びその曲げ戻り構造400よりも高い位置に設けられる。溶接脚部100は、接続セグメント310、中間屈曲部200及びその屈曲構造500よりも低い位置に設けられる。第1の干渉領域209及び第2の干渉領域309の幅は、中間屈曲部200の最大幅以下である。
【0045】
一実施例において、前記中間屈曲部には、少なくとも1つのブランキング孔が設けられる。更に、前記ブランキング孔の形状は、楕円形の一部、円形の一部、三角形の一部、及びその組み合わせを含む。導体構造には、少なくとも1つのブランキング孔が存在してもよい。一実施例において、図6に示された導体構造は、図1に示された導体構造との違いは、中間屈曲部200にブランキング孔208が更に設けられる点である。ブランキング孔208の数は、少なくとも1つである。図7を併せて参照すると、本実施例において、ブランキング孔208の数は、2つである。理解されるものとしては、ブランキング孔の形状は、図6及び図7に示された形状に限定されず、楕円形、長方形、円形、正方形、三角形などの多様な形状であってもよい。このブランキング孔の設計は、導体構造が浮動する際に導体構造の各箇所の応力をバランスするのに役立ち、導体構造の浮動限界距離を向上させることができるとともに、ブランキング孔は、更に導体構造自体の容量の向上に有利であり、導体構造の特性インピーダンスを低減することで、前記導体構造に基づくコネクタの高周波伝送性能を改善する。
【0046】
図2に示された実施例の観察方向から見ると、図6及び図7に示された導体構造は、当該方向において図2に示された実施例と同じ形状を有するが、その違いは、図2に示されたJ-J方向から図6及び図7に示された導体構造に対して断面図を作成すると、図8に示された断面図を得る。図8から分かるように、前記導体構造は、第1のブランキング孔2081及び第2のブランキング孔2082の2つのブランキング孔を有する。
【0047】
一実施例において、導体構造は、図9に示されるように、順に接続された溶接脚部100と、中間屈曲部200と、スライド挿入部300と、備え、前記溶接脚部100は、回路基板と溶接するために用いられ、前記中間屈曲部200には、接続された曲げ戻り構造400と屈曲構造500とが形成され、前記スライド挿入部300は、プラグコネクタのプラグ導体と導通するために用いられる。本実施例において、前記溶接脚部100、前記中間屈曲部200、及び前記スライド挿入部300は、一体成形される。
【0048】
前記中間屈曲部200の前記溶接脚部100に隣接する位置には、ソケット下部ハウジングに密接に接触して前記ソケット下部ハウジングを固定するための第1の干渉領域209が設けられ、前記スライド挿入部300の前記中間屈曲部200に隣接する位置には、ソケット上部ハウジングに密接に接触して前記ソケット上部ハウジングを固定するための第2の干渉領域309が設けられる。前記曲げ戻り構造400及び前記屈曲構造500は、前記第1の干渉領域209が前記ソケット下部ハウジングに密接に接触し、且つ、前記第2の干渉領域309が前記ソケット上部ハウジングに密接に接触した状態で、前記ソケット下部ハウジングと前記ソケット上部ハウジングとの間から浮動して露出するために用いられる。
【0049】
引き続き図9を参照すると、前記スライド挿入部300には、接続された接続セグメント310と挿入セグメント320とが設けられる。前記挿入セグメント320は、プラグコネクタのプラグ導体と導通するために用いられ、前記接続セグメント310は、前記中間屈曲部200に接続されるとともに、前記屈曲構造500に隣接し、前記接続セグメント310には、前記第2の干渉領域309が設けられる。更に、一実施例において、前記挿入セグメントは、プラグコネクタのプラグ導体と挿入接続により導通するために用いられる。本実施例において、前記溶接脚部100の延在方向をX方向 (前記溶接脚部100が位置する平面をX軸が位置する平面と呼ぶことができる。)とし、前記中間屈曲部200の第1の直線セグメント210の延在方向をY方向(第1の直線セグメント210が位置する平面をY軸が位置する平面と呼ぶことができる。)とすると、前記溶接脚部100の延在方向と第1の直線セグメント210の延在方向とはXY平面を形成することができる。前記溶接脚部100と前記中間屈曲部200との接続位置には、XY平面に位置する直角が形成され、他の実施例において、鋭角又は鈍角が形成されてもよい。図9及び図13を組み合わせて、前記曲げ戻り構造400の中心線PQは、前記スライド挿入部300の延在方向VWに向かって傾斜している。本実施例において、前記曲げ戻り構造400は、X方向に曲げられるとともに、前記曲げ戻り構造400は、XY平面に垂直なZ軸方向にも偏向されたり、ねじれたりする。即ち、本実施例において、前記曲げ戻り構造400は、前記第1の直線セグメント210と前記溶接脚部100とが共に形成するXY平面からオフセットするとともに、前記XY平面に対してねじれるように設けられる。理解されるものとしては、前記溶接脚部100と前記中間屈曲部200との接続位置にはXY平面に位置する直角が形成される際に、Y方向はX方向に垂直であり、即ち、平面直角座標系が形成される。本実施例において、前記曲げ戻り構造400と前記屈曲構造500とは、異なる平面に位置する。
【0050】
図10を併せて参照すると、前記中間屈曲部200には、第1の直線セグメント210、第2の屈曲セグメント220、第3の直線セグメント230、第4の屈曲セグメント240、第5の直線セグメント250、第6の屈曲セグメント260、第7の直線セグメント270、第8の屈曲セグメント280、及び第9の直線セグメント290が順に設けられる。ここで、前記第1の直線セグメント210は、前記溶接脚部100に接続され、前記第1の直線セグメント210には、前記第1の干渉領域209が設けられ、前記第2の屈曲セグメント220、前記第3の直線セグメント230、前記第4の屈曲セグメント240、前記第5の直線セグメント250、及び前記第6の屈曲セグメント260は共に前記曲げ戻り構造400を形成し、前記第7の直線セグメント270、前記第8の屈曲セグメント280、及び前記第9の直線セグメント290は共に前記屈曲構造500を形成し、前記第9の直線セグメント290は、前記スライド挿入部300に接続される。前記第1の直線セグメント210の前記溶接脚部100に接続される部位は曲げられ、前記第9の直線セグメント290の前記スライド挿入部300に接続される部位は、曲げられる。前記第4の屈曲セグメント240は、前記XY平面からオフセットして設けられるか、又は、前記XY平面に対してねじれるように設けられる。本実施例において、前記第1の直線セグメント210、前記第2の屈曲セグメント220、前記第3の直線セグメント230、前記第4の屈曲セグメント240、前記第5の直線セグメント250、前記第6の屈曲セグメント260、前記第7の直線セグメント270、前記第8の屈曲セグメント280、及び前記第9の直線セグメント290は、一体成形される。
【0051】
図11を組み合わせて参照すると、各直線セグメント(前記第1の直線セグメント210、前記第3の直線セグメント230、前記第5の直線セグメント250、前記第7の直線セグメント270、及び/又は、前記第9の直線セグメント290を含む。)には、各屈曲セグメント(前記第2の屈曲セグメント220、前記第4の屈曲セグメント240、前記第6の屈曲セグメント260、及び/又は、前記第8の屈曲セグメント280を含む。)に対して、少なくとも1つの幅又は厚さの変化調整部位が設けられ、及び/又は、前記中間屈曲部200は、その直線セグメントと屈曲セグメントとが隣接する位置に、形状変化領域が設けられる。更に、一実施例において、前記形状変化領域は、階段状に徐々に変化する。更に、一実施例において、少なくとも1つの前記直線セグメント又は少なくとも1つの前記屈曲セグメントは、それ自体の中央セグメントに、前記形状変化領域が更に設けられる。更に、一実施例において、少なくとも1つの前記形状変化領域は、他の前記形状変化領域とは階段方向における差異を有する。
【0052】
図11及び図14を併せて参照すると、前記第1の直線セグメント210と前記第2の屈曲セグメント220とが隣接する位置には、第1の変化領域401が設けられる。前記第2の屈曲セグメント220と前記第3の直線セグメント230とが隣接する位置には、第2の変化領域402が設けられ、前記第3の直線セグメント230はそれ自体の中央セグメントには、第3の変化領域403が設けられる。前記第3の直線セグメント230と前記第4の屈曲セグメント240とが隣接する位置には、第4の変化領域404が設けられる。前記第4の屈曲セグメント240と前記第5の直線セグメント250とが隣接する位置には、第5の変化領域405が設けられる。前記第5の直線セグメント250と前記第6の屈曲セグメント260とが隣接する位置には、第6の変化領域406が設けられる。前記第6の屈曲セグメント260と前記第7の直線セグメント270とが隣接する位置には、第7の変化領域407が設けられる。前記第7の直線セグメント270と前記第8の屈曲セグメント280とが隣接する位置には、第8の変化領域501が設けられる。前記第8の屈曲セグメント280と前記第9の直線セグメント290とが隣接する位置には、第9の変化領域502が設けられる。前記第9の直線セグメント290はそれ自体の中央セグメントには、第10の変化領域503が設けられる。更に、前記接続セグメント310と前記挿入セグメント320とが隣接する位置には、形状変化領域として遷移領域301が設けられる。
【0053】
各実施例において、干渉領域は、前記第1の干渉領域及び前記第2の干渉領域を含む。各干渉領域は、少なくとも2つの干渉位置を有し、前記干渉位置は、前記中間屈曲部又は前記スライド挿入部に突設され、即ち、前記第1の干渉領域の少なくとも2つの前記干渉位置は、前記中間屈曲部に突設され、前記第2の干渉位置の少なくとも2つの前記干渉位置は、前記スライド挿入部に突設される。図11及び図12を併せて参照すると、本実施例において、前記第1の直線セグメント210には、前記第1の干渉領域209が設けられ、第1の干渉領域209は、第1の干渉位置201、第2の干渉位置202、及び第3の干渉位置203を含む。前記接続セグメント310には、前記第2の干渉領域309が設けられ、前記第2の干渉領域309は、第4の干渉位置204、第5の干渉位置205、及び第6の干渉位置206を含む。このような設計により、ソケットコネクタのソケット下部ハウジングは、第1の干渉領域の複数の干渉位置を介して前記導体構造に固定され、ソケット上部ハウジングは、第2の干渉領域の複数の干渉位置を介して前記導体構造に固定される。これにより、ソケットコネクタとプラグコネクタとを前記導体構造の中間屈曲部中の一部のみによって接続することに有利であり、前記曲げ戻り構造及び前記屈曲構造のような2重の振動減衰作用により、振動エネルギーをより良く放出し、ソケットコネクタ及びプラグコネクタの振動力の伝達を低減し、基板対基板浮動接続の信頼性を保証することができる。
【0054】
図13に示されるように、前記第1の直線セグメント210の延在方向BCは、前記スライド挿入部300の延在方向HKと平行であり、前記第1の直線セグメント210の延在方向BCと前記溶接脚部100の延在方向ABとは、第1の挟み角αを形成し、前記第9の直線セグメント290の延在方向GHと前記スライド挿入部300の延在方向HKとは、第2の挟み角βを形成し、前記第1の直線セグメント210の延在方向BCと前記第3の直線セグメント230の延在方向CDとは、前記第2の屈曲セグメント220で第3の挟み角γを形成し、前記第5の直線セグメント250の延在方向EFと前記第7の直線セグメント270の延在方向FGとは、前記第6の屈曲セグメント260で第4の挟み角δを形成し、前記第7の直線セグメント270の延在方向FGと前記第9の直線セグメント290の延在方向GHとは、前記第8の屈曲セグメント280で第5の挟み角εを形成し、且つ、前記第1の挟み角αは、90度以上であり、前記第2の挟み角βは、90度以上であり、前記第3の挟み角γは、90度よりも大きく、前記第4の挟み角δは、90度以上であり、及び/又は、前記第5の挟み角εは、90度以上である。本実施例において、前記第1の挟み角αは、90度と等しく、前記第2の挟み角βは、90度以上であり、前記第3の挟み角γは、90度よりも大きく、前記第4の挟み角δは、90度よりも大きく、前記第5の挟み角εは、90度よりも大きい。本実施例において、前記中間屈曲部200は、「R」に類似した形状を有し、R形状と呼んでもよいし、R形状の幅伸縮変形として見なしてもよい。図9を組み合わせると、本実施例において、前記第4の屈曲セグメント240は、対称的構造であり、その中心線MNは、前記XY平面と交差する。更に、前記第1の挟み角α乃至前記第5の挟み角εは、直角又は鈍角とされることにより、振動エネルギーを適切に放出する上で、コネクタ材料自体の強度及び応力に対する影響をできるだけ軽減するのに有利であり、製品の使用寿命を確保し、大量のデータの高速伝送の効果を保証することができる。
【0055】
図10図13及び図14を組み合わせると、前記溶接脚部100の前記中間屈曲部200の前記第1の直線セグメント210に隣接する位置には、折り曲げ領域101が設けられる。それは、前記第1の直線セグメント210と前記溶接脚部100とが隣接する位置に、折り曲げ領域101が設けられていると理解されてもよい。前記接続セグメント310には、位置決め孔330及びそれに対応して突出した位置決め凸部331が設けられる。位置決め孔330及び位置決め凸部331は、いずれもプラグコネクタのプラグ導体に合わせて接触するために用いられる。これにより、一方では、導体構造とプラグ導体との効果的な接続及び導通の強化に有利であり、他方では、プラグ導体と導体構造との接触の抜けの防止に有利であり、それにより、高振動環境への適用性を更に向上させるため、基板対基板接続の時に中心位置に所定の範囲内のオフセット量が発生しても、導体構造とプラグ導体との効果的な接続及び導通を効果的に確保することができる。
【0056】
本発明の各実施例に記載の導体構造は、高振動環境で安定した大量のデータ伝送を実現する必要があるため、以下、信号分析と組み合わせて特性インピーダンスに対する導体構造の寸法の影響を説明する。
【0057】
具体的には、振動環境におけるプラグコネクタとソケットコネクタとの接続に係る浮動基板対基板接続において、平行板の容量パラメータと静電容量との関係は、以下のように表すことができる。
【数1】
式中、Cは、静電容量を表し、単位がpFであり、εは、誘電体の誘電率を表し、単位がpF/cmであり、Aは、平行板の面積を表し、単位が平方センチであり、hは、平行板の間隔を表し、単位がセンチである。上記関係式(1)により、導体の間隔が大きいほど、静電容量が小さくなり、導体の重畳面積が大きいほど、静電容量が大きくなることがわかる。
【0058】
無損失伝送線路の特性インピーダンスは、単位長さあたりのインダクタンス(L)と単位長さあたりの静電容量(C)で表すことができ、即ち、理想的な伝送線路の特性インピーダンスの計算式は、以下のように表すことができる。
【数2】
【0059】
理想的な伝送線路の特性インピーダンスの計算式(2)によると、伝送線路の単位長さあたりの静電容量と単位長さあたりのインダクタンスに影響を与える全ての因子は、いずれも伝送線路の特性インピーダンスに影響を与えることになる。伝送線路の特性インピーダンスに影響を与える因子は、差動マイクロストリップ線路の幅、誘電体の厚さ、誘電率、及び差動マイクロストリップ線路の厚さを含む。差動マイクロストリップ線路は、各実施例に記載の導体構造である。
【0060】
以下、引き続き、伝送線路の特性インピーダンスに対する導体の厚さの影響を説明する。伝送線路の導体の厚さが薄くなると、2つの導体構造同士の間の間隔が大きくなり、平行板の静電容量の関係式(1)によると、平行板の間隔が大きくなると、静電容量が小さくなる。伝送線路の特性インピーダンスの計算式(2)によると、静電容量が小さくなると、伝送線路の特性インピーダンスが大きくなる。測定では、導体構造の厚さを0.2mmから0.15mmまでに薄くすると、導体構造の下方の誘電体の厚さは0.2mmから0.25mmに増え、特性インピーダンスが10Ω程度大きくなった。
【0061】
導体構造の寸法変化は、単位長さあたりのインダクタンス(L)に影響を与え、更に特性インピーダンスに影響を与えることになる。矩形断面の導体構造の自己インダクタンスの計算式は、近似的に次のように表すことができる。
【数3】
式中、μは、透磁率であり、lは、マイクロストリップ線路の長さであり、wは、マイクロストリップ線路の幅であり、tは、マイクロストリップ線路の厚さである。計算式(3)によると、lがw+tよりはるかに大きいと、インダクタンスLの大きさは、主に次式によって決定され、線幅が大きいほど、インダクタンスが小さくなる。
【数4】
【0062】
信号の反射は、相互接続線のインピーダンスと密接な関係がある。相互接続線にインピーダンスの不連続な点が存在する限り、領域1のインピーダンスをZ、領域2のインピーダンスをZと表記し、信号は、領域1と領域2とが隣接する箇所で反射され、反射係数Γと不連続インピーダンスとの関係式は、以下のように表す。
【数5】
式中、Vincは、入射電圧であり、Vreflectは、反射電圧であり、両者の和は、伝送電圧である。
【0063】
各実施例において、前記導体構造の前記スライド挿入部は、プラグコネクタのプラグ導体と導通し、信号は導通箇所に反射係数がある。前述のように、厚さの変化は、単位長さあたりのインダクタンスに影響を与える。厚さが厚いほど、電流が分散して、インダクタンスが小さくなり、厚さが薄いほど、電流が集中して、インダクタンスが大きくなる。厚さの変化は、単位長さあたりの容量に影響を与え、厚さが厚いほど、静電容量が大きくなり、厚さが薄いほど、静電容量が小さくなる。そのため、他の因子が変わらない場合、厚さが薄いほど、単位長さあたりのインダクタンスが大きくなり、単位長さあたりの容量が小さくなり、特性インピーダンスが大きくなる。
【0064】
図1に示された、厚さが変わらない導体構造を採用して、TDR(Time domain reflectometry:時間領域反射)測定を行って、結果を図15に示す。図14に示された、第1の変化領域401、第2の変化領域402、第3の変化領域403、第4の変化領域404、第5の変化領域405、第6の変化領域406、第7の変化領域407、第8の変化領域501、第9の変化領域502、及び第10の変化領域503が設けられた別の導体構造を採用して、TDR測定を行って、結果を図16に示す。図15図16を比較すると、厚さが薄いものから厚いものまでの特性インピーダンスの変化は、分析の結論と完全に一致する。また、導体構造の厚さが増大すると、特性インピーダンスが小さくなる。調整後のインピーダンスのピークが104から93程度に減少したことから、図14に示された導体構造は、特性インピーダンスのピークを減少させる利点を有することが分かる。
【0065】
一実施例において、電気接続モジュールは、ソケットコネクタを備え、前記ソケットコネクタは、ソケット下部ハウジングと、ソケット上部ハウジングと、いずれかの実施例に記載の導体構造と、を有する。一実施例において、前記電気接続モジュールは、前記ソケットコネクタに適合するプラグコネクタを更に備える。即ち、前記電気接続モジュールは、ソケットコネクタとして別個に製造され、プラグコネクタと組み合わせて使用されてもよい。又は、前記電気接続モジュールは、ソケットコネクタとプラグコネクタとを含む完全な電気コネクタとして製造されてもよい。一実施例において、前記電気接続モジュール中の前記導体構造は、図17に示されるように、対で使用される。実際の応用において、前記電気接続モジュールには、複数対の前記導体構造が設けられ、複数対の前記導体構造は、2列を形成する。一実施例において、前記電気接続モジュールは、浮動電気的接続のソケットとして使用される。
【0066】
一実施例において、前記電気接続モジュールは、図18に示されるように、複数の前記導体構造600は、規則的に2組に配列され、各組中の各前記導体構造600の第1の干渉領域は、ソケット下部ハウジング700に密接に接触して、全体に合わせて前記ソケット下部ハウジング700を固定するために用いられる。各組中の各前記導体構造600の第2の干渉領域は、前記ソケット上部ハウジング800に密接に接触して、全体に合わせて前記ソケット上部ハウジング800を固定するために用いられる。導体構造600がソケット下部ハウジング700及びソケット上部ハウジング800に接続された状態で、即ち、導体構造600の第1の干渉領域が前記ソケット下部ハウジング700に密接に接触し、且つ、第2の干渉領域が前記ソケット上部ハウジング800に密接に接触した状態で、その曲げ戻り構造及び屈曲構造は前記ソケット下部ハウジング700と前記ソケット上部ハウジング800との間から浮動して露出することで、高振動環境に適する浮動振動減衰構造を形成する。また、導体構造の材料自体に変形能力を有するため、基板対基板接続の時に中心位置に所定の範囲内のオフセット量が発生しても、導体構造とプラグ導体との効果的な接続及び導通を効果的に確保することができる。
【0067】
更に、本実施例において、前記電気接続モジュールは、回路基板900を更に備え、各前記導体構造600の溶接脚部は、回路基板900に溶接して固定される。このような設計により、ソケット上部ハウジング800は、複数の導体構造600のみによってソケット下部ハウジング700に接続され、ソケット上部ハウジング800は、ソケット下部ハウジング700に対して浮動する。曲げ戻り構造及び屈曲構造の振動減衰作用により、ソケット上部ハウジング800に接続されたプラグコネクタによって伝達される振動エネルギーを大幅に減衰することに有利であり、当該振動は、ソケット上部ハウジング800及び/又は回路基板900を破壊しにくく、更に溶接脚部と回路基板との効果的溶接に影響を与えにくい。更に、本実施例において、前記電気接続モジュールの回路基板900には、取付補強バックル910が更に設けられる。前記取付補強バックル910の一端は、回路基板900に固定され、例えば螺合によって回路基板900に固定され、他端は、ソケット上部ハウジング800の変位領域を制限するために、ソケット上部ハウジング800上に延在する。即ち、振動時、例えばソケット上部ハウジング800がプラグコネクタの作用により振動する時、取付補強バックル910によってその最大変位が制限され、振動の強度が大きすぎて溶接脚部と回路基板との効果的溶接に影響を与えることを回避し、これにより、導体構造と回路基板との信号伝送を保護するのに有利である。
【0068】
以下、引き続き、前記導体構造をソケットコネクタの信号導体(即ち、ソケット信号導体又はソケット信号導体構造)としてソケットコネクタの具体的な構造を説明する。なお、前記電気接続モジュールは、機能に応じて定義され、ソケット接地導体、ソケット電源導体、及びソケット上部ハウジングなどの構造を更に含んでもよい。
【0069】
具体的な適用実施例において、電気コネクタは、プラグコネクタとソケットコネクタとが垂直に相互に挿入されて構成される。プラグコネクタは、一定の間隔で規則的に配列された導体を有し、該導体は、プラグ導体とも呼ばれ、プラグ信号導体及びプラグ電源導体を含む。導体の一端は、溶接により回路基板(即ち、プラグ取付回路基板)に接続され、他端は、ソケットコネクタに接触する弾性変形部を有する。導体は、2列に並べて配列される。2列の導体間にはZ方向における位置ずれが存在し、位置ずれは、少なくとも1つのPIN間隔を有する。各列の導体は、接地-信号-信号-接地の信号配列方式によって配列され、そして、プラグ接地導体を用いて、プラグコネクタ内の全ての接地するプラグ信号導体及び全ての接地するプラグ電源導体を少なくとも1回導通させる。プラグハウジングの両端のうちの各端には、電気コネクタの回路基板上の溶接強度を強化するための1つの補強溶接脚、即ちプラグ溶接補強脚がそれぞれ取り付けられる。プラグ導体の各列のプラグ信号導体において、プラグ信号導体同士の間の間隔は、1PINと呼ばれる固定値である。プラグ電源導体とプラグ信号導体との間又はプラグ電源導体同士の間の間隔は、コネクタの電流通過能力及びオスソケット電圧の要求に応じて対応的に調整され、プラグ信号導体同士の間の間隔とは同じか異なっている。
【0070】
ソケットコネクタは、R形状にプレスされたソケット導体を有する。ソケット導体は、ソケット信号導体及びソケット電源導体を含み、又は、回路基板(例えばソケット取付回路基板)に溶接して固定されたソケット信号導体及びソケット電源導体をソケット導体と呼ぶ。ソケット導体は、回路基板に溶接される溶接脚部と、R形状を有する中間屈曲部と、プラグコネクタの導体と導通するスライド挿入部と、を有する。ソケット導体は、一定の間隔で列に配列され、2列に配列される。配列時には、2列のソケット導体のR形状の中間屈曲部は、電気コネクタの中心部位に向かって屈曲される。配列時には、2列のソケット導体のR形状の中間屈曲部は、ソケットコネクタのX軸が位置する平面に近づくように屈曲される。ソケット導体溶接脚部は、回路基板に溶接されて回路基板に固定される。ソケット導体はソケット下部ハウジングに組み立てられるとともに、ソケット導体溶接脚部に近づくように固定されているので、ソケット下部ハウジングはソケット導体溶接脚部に追従して共に回路基板に固定されると同時に、ソケット導体スライド挿入部はソケット上部ハウジングに組み立てられ、ソケット上部ハウジングはR形状の屈曲部によってソケット導体溶接脚部に連結される。導体の材料自体に変形能力があるため、プラグコネクタがソケットコネクタに挿入されると、2つのコネクタの中心位置に制限値内のオフセットが発生しても、プラグハウジングは、そのガイド溝とソケット上部ハウジングのガイド柱との相互ガイド作用により、ソケット上部ハウジングの中心線をその中心線に実質的に重なるように強制的にガイドする。この時、R形状の屈曲部が変形し、上部ハウジングの中心線を原点とする一定の範囲の円周内で、2つのコネクタ間の信頼的な電気的接続を実現する。R形状の屈曲部の線形変形により、プラグ導体、プラグ溶接脚と回路基板との溶接個所、及びソケット溶接脚と回路基板との溶接個所に対する、取付偏差による応力を低減することができる。2列のソケット導体同士の間にも、Z方向における位置ずれが存在し、位置ずれは、少なくとも1つのPIN間隔を有する。理解されるものとしては、電気的接続を実現するために、プラグ信号導体中の各プラグ信号導体構造は、ソケット信号導体の各ソケット信号導体構造に1対1で対応する。ソケット導体スライド挿入部が下向きに1番目の屈曲箇所の直線セグメントの近傍に伸びた後、各列の導体は「接地-信号-信号-接地-信号-信号-接地」の信号配列方式に従って配列され、そして、1つのソケット接地導体を用いて、ソケットコネクタ内の全ての接地導体を導通させる。ソケット導体の配列時の2列のソケット導体のR形状の中間屈曲部は、電気コネクタの中心部位に向かって屈曲される。配列時には、2列のソケット導体のR形状の中間屈曲部は、いずれも、ソケットコネクタのX軸が位置する平面に近づくように屈曲される。プラグハウジングの両端の中の各端には、電気コネクタの回路基板上の溶接強度を強化するための1つの補強溶接脚、即ちソケット溶接補強脚がそれぞれ取り付けられる。
【0071】
ソケット導体の、回路基板と溶接された溶接脚部からソケットコネクタに接触した弾性変形部に至る部分には、ソケット下部ハウジングに組み立てられる少なくとも1つの係合点、即ち取付干渉位置が存在し、当該取付干渉位置は、ソケット信号取付干渉位置及びソケット電源取付干渉位置を含む。また、絶縁されたソケットハウジングの内部に組み立てられる非係合点には、少なくとも1箇所の導体の幅又は厚さの調整部位、即ち変化調整部位が存在する。ソケットコネクタは、R形状にプレスされたソケット導体を有し、下部ソケットハウジングと、上部ソケットハウジングと、長手方向の両端に位置する補強溶接脚と、を更に備える。ソケット導体は、回路基板に溶接される溶接脚部と、R形状を有する中間屈曲部と、プラグコネクタのプラグ導体と導通するスライド挿入部と、を有し、ソケット導体の回路基板に溶接される溶接脚部は、溶接作用により回路基板に完全に固定される。ソケット導体は、溶接脚部の右側に沿って垂直上向きの方向に少なくとも1つの係合点を有する直線セグメントが延在している。当該直線セグメント内には、少なくとも1箇所の幅又は厚さ方向の変化が存在する。当該直線セグメントは、ソケット下部ハウジングと組み立てることによって、ソケット下部ハウジングをソケット溶接脚部の近傍の上方に固定するために用いられ、且つ、ソケット導体は、直線セグメントで引き続き上向きに延在しており、ソケット導体は、ソケット下部ハウジングとソケット導体の係合点とが干渉する専用部位から延出した後、ソケットコネクタのX軸が位置する平面に傾斜して折り曲げられ、折り曲げ角は鈍角である。ソケット導体は、引き続き延在して、R形状の屈曲部を形成する。具体的には、まず、ソケット導体は、プレスにより1箇所の曲げ戻り構造が折り曲げられ、曲げ戻り箇所の中心線は、ソケットコネクタのX軸が位置する平面に傾斜し、次に、曲げ戻り構造は、一定の長さだけ延在した後、再度ソケットコネクタのX軸が位置する平面に近づくように折り曲げて設けられる。ソケット導体は、屈曲箇所で引き続きソケット上部ハウジングの近傍の下方までに延在し、再度ソケットコネクタのX軸が位置する平面に近づくように屈曲してソケット上部ハウジングに近づくように延在し、ソケット上部ハウジングの導体取付孔位置の直下までに延在した際に、ソケット導体は垂直上向きに屈曲することによって、曲げ戻り構造に対して屈曲構造を全体として形成する。垂直上向きに屈曲した後のソケット導体は、引き続き上向きに延在しており、当該延在された部分にソケット上部ハウジングと組み立てて干渉する少なくとも1つの係合点が設けられる。ソケット導体は、引き続き上向きにソケット上部ハウジングの係合点干渉領域から延出した後、プラグ導体とドッキングするスライド挿入領域として延在する。一実施例において、ソケット導体は、回路基板と溶接される溶接脚部からプラグ導体とドッキングするスライド挿入部に至る領域全体において、少なくとも1箇所の幅及び厚さ変化領域が同時に存在する。
【0072】
一実施例において、ソケット導体は、一定の間隔で列に配列され、合計2列に配列される。配列時には、2列のソケット導体のR形状の中間屈曲部は、電気コネクタの中心部位に近づくように屈曲される。配列時には、2列のソケット導体のR形状の中間屈曲部は、ソケットコネクタのX軸が位置する平面に近づくように屈曲される。2列の導体同士の間には、Z方向における位置ずれが存在し、位置ずれは、少なくとも1つのPIN間隔を有する。各列の導体は、接地-信号-信号-接地の信号配列方式によって、ソケット上部ハウジングの下方に配列されてから、ソケット接地導体を用いてソケットコネクタ内の各ソケット信号導体中の全ての接地導体及び各ソケット電源導体中の全ての接地導体を少なくとも1回導通させる。ソケット導体の溶接脚部は、回路基板に溶接されて回路基板に固定される。ソケット導体はソケット下部ハウジングに組み立てられるとともに、ソケット導体の溶接脚部に近づくように固定されているので、ソケット下部ハウジングはソケット導体の溶接脚部に追従して共に回路基板に固定されると同時に、ソケット導体のスライド挿入部はソケット上部ハウジングに組み立てられ、ソケット上部ハウジングはR形状の屈曲部によってソケット導体の溶接脚部に連結される。この時、R形状の屈曲部(即ち、中間屈曲部)は、ソケット上部ハウジングとソケット下部ハウジングとによって取り囲まれた内部空間に浮設される。導体の材料(例えば銅)自体に変形能力があるため、プラグコネクタがソケットコネクタに挿入されると、プラグコネクタとソケットコネクタの中心位置に制限値内のオフセットが発生しても、プラグハウジングのガイド溝とソケット上部ハウジングのガイド柱との相互ガイド作用により、ソケット上部ハウジングの中心線をその中心線に実質的に重なるように強制的にガイドする。この時、R形状の屈曲部(即ち、中間屈曲部)が変形し、上部ハウジングの中心線を原点とする一定の範囲の円周内で、プラグコネクタとソケットコネクタという2つのコネクタ間の信頼的な電気的接続を実現し、R形状の屈曲部の線形変形により、浮設されたプラグ導体、プラグ溶接脚と回路基板との溶接部位、及びソケット溶接脚と回路基板との溶接部位に対する、取付偏差による応力を低減することができ、効果的で信頼的な電気的接続を実現することができる。また、各実施例において、ソケット上部ハウジングとソケット下部ハウジングとの間には、構造上の上限部位が存在し、ソケットコネクタとプラグコネクタとの接続偏差範囲が設定値を超えることを防止する。ソケット上部ハウジングと下部ハウジングとの間の間隙によって、ソケット上部ハウジングは、プラグハウジングのガイドに従って移動する際にある程度移動すると、ソケット下部ハウジングに接触して、ソケット下部ハウジングによって阻止されるので、ソケット導体の材料降伏強度を超えて回復不能な変形又はコネクタの破損が発生することを防止することができる。
【0073】
上記の各実施例において、前記電気接続モジュールは、前記ソケットコネクタの一部又は全部としてもよく、前記電気コネクタとしてもよい。一実施例において、車載電子装置は、いずれかの実施例に記載の電気接続モジュールを備える。車載電子装置は、電気自動車の電子制御集積分野及び自動運転モジュール集積分野に適用される。一実施例において、車載電子装置は、ナビゲーション、サウンドプレーヤー、ビデオプレーヤー、エアコン、及び監視装置などを含む。一実施例において、前記電気接続モジュールは、前記車載電子装置の浮動基板対基板の接続箇所に用いられる。前記電気接続モジュールは、電子制御装置、車両、LEDスクリーン、及び産業機械に更に適用されてもよい。一実施例において、電子制御装置、例えば相互接続された電子メインボードと拡張ファスナーボードとを備える電子制御装置は、いずれかの実施例に記載の電気接続モジュールを含む。一実施例において、車両、例えば電気自動車又は自動運転車両は、いずれかの実施例に記載の電気接続モジュールを備える。一実施例において、LEDスクリーン、例えば表示面積が4平方メートルを超えるLED表示スクリーンは、いずれかの実施例に記載の電気接続モジュールを備える。一実施例において、産業機械、例えば産業機械ロボットは、いずれかの実施例に記載の電気接続モジュールを備える。
【0074】
なお、本発明の他の実施例は、上記の各実施例における技術的特徴を互いに組み合わせて形成された、実施可能な導体構造及び電気接続モジュールを更に含む。
【0075】
上記の実施例の各技術的特徴は、任意に組み合わせることができ、説明を簡潔にするために、上記実施例における各技術的特徴の全ての可能な組み合わせを全て説明していないが、これらの技術的特徴の組み合わせに矛盾がない限り、全て本明細書に記載された範囲内にいると見なすべきである。
【0076】
上記の実施例は、本願のいくつかの実施形態を示しているに過ぎず、その叙述は具体的かつ詳細であるが、本願の発明の範囲を限定するものとして理解されるべきではない。当業者であれば、本願の思想から逸脱することなく、本願の範囲に含まれるいくつかの変形および改善を行うことができることに留意されたい。したがって、本願の特許の範囲は、添付の特許請求の範囲に従うものとする。
【符号の説明】
【0077】
100 溶接脚部;200 屈曲部;300 スライド挿入部;400 曲げ戻り構造;500 屈曲構造;600 導体構造;700 ソケット下部ハウジング;800 ソケット上部ハウジング;900 回路基板;910 取付補強バックル;
101 折り曲げ領域;210 第1の直線セグメント;220 第2の屈曲セグメント;230 第3の直線セグメント;240 第4の屈曲セグメント;250 第5の直線セグメント;260 第6の屈曲セグメント;270 第7の直線セグメント;280 第8の屈曲セグメント;290 第9の直線セグメント;
201 第1の干渉位置;202 第2の干渉位置;203 第3の干渉位置;204 第4の干渉位置;205 第5の干渉位置;206 第6の干渉位置;208 ブランキング孔;209 第1の干渉領域;
310 接続セグメント;320 挿入セグメント;330 位置決め孔;331 位置決め凸部;301 遷移領域;309 第2の干渉領域;
401 第1の変化領域;402 第2の変化領域;403 第3の変化領域;404 第4の変化領域;405 第5の変化領域;406 第6の変化領域;407 第7の変化領域;501 第8の変化領域;502 第9の変化領域;503 第10の変化領域;
α 第1の挟み角;β 第2の挟み角;γ 第3の挟み角;δ 第4の挟み角;ε 第5の挟み角。
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