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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-26
(45)【発行日】2024-10-04
(54)【発明の名称】冷凍サイクル装置の室外機
(51)【国際特許分類】
   F24F 1/22 20110101AFI20240927BHJP
   F24F 1/24 20110101ALI20240927BHJP
【FI】
F24F1/22
F24F1/24
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2023531313
(86)(22)【出願日】2021-07-02
(86)【国際出願番号】 JP2021025081
(87)【国際公開番号】W WO2023276134
(87)【国際公開日】2023-01-05
【審査請求日】2023-11-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001461
【氏名又は名称】弁理士法人きさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】澤田 憲成
(72)【発明者】
【氏名】内野 進一
(72)【発明者】
【氏名】長岐 健太郎
【審査官】佐藤 正浩
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-038514(JP,A)
【文献】特開平04-126932(JP,A)
【文献】特開昭61-119082(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 1/22
F24F 1/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外郭を構成する筐体と、
前記筐体の内部に収容され、空気流を生成する送風機と、
前記筐体の内部に収容され、前記送風機の上方に配置され、制御用部品が載置される底板を有する電気品箱と、を備え、
前記電気品箱の前記底板は、
前記空気流の上流側端部が、前記空気流の下流側端部よりも上方に位置するように傾斜し、前記制御用部品のうちの第1部品が固定される傾斜部と、
前記空気流の上流側端部が、前記傾斜部の前記空気流の下流側端部に接続され、前記空気流における下流側に向かって水平に延びており、前記制御用部品のうちの第2部品が固定される水平部と、を有する
冷凍サイクル装置の室外機。
【請求項2】
前記第1部品は、制御基板であり、
前記第2部品は、電気部品、又は、電装基板の少なくともいずれか一方である
請求項1に記載の冷凍サイクル装置の室外機。
【請求項3】
前記傾斜部には、底面開口が形成されており、
前記底面開口から、前記第1部品を冷却するためのヒートシンクが有する複数のフィンが突出している
請求項2に記載の冷凍サイクル装置の室外機。
【請求項4】
前記複数のフィンは、前記空気流と直交する方向に並列されている
請求項3に記載の冷凍サイクル装置の室外機。
【請求項5】
前記制御基板が保持されている基板ケースを更に有し、
前記基板ケースは、前記電気品箱の前記底板の前記傾斜部に、前記電気品箱の前記底板の前記傾斜部を前記電気品箱の外側から貫通している基板ケース用ネジにより固定されており、
前記基板ケースには、前記制御基板と接している前記ヒートシンクのベース板が固定されており、
前記基板ケース用ネジと、前記傾斜部との間には、第1シール材が挟持されており、
前記基板ケースと、前記傾斜部との間には、第2シール材が挟持されており、
前記基板ケースと、前記ベース板との間には、第3シール材が挟持されている
請求項3又は4に記載の冷凍サイクル装置の室外機。
【請求項6】
前記筐体の内部の前記空気流の上流側に配置された熱交換器を更に有し、
前記電気品箱と、前記熱交換器との間に、上面視において、前記空気流を阻害しない距離の間隔が形成されている
請求項1~5のいずれか一項に記載の冷凍サイクル装置の室外機。
【請求項7】
前記電気品箱の前記底板の内面には、
前記第2部品が台座用ネジにより固定される台座部品が固定され、
前記台座部品は、
前記台座用ネジが貫通する平坦な台座板と、
前記台座板の端部から前記底板に向かって延出する取付板と、を有し、
前記取付板の下端が前記底板に溶接固定されている
請求項1~6のいずれか一項に記載の冷凍サイクル装置の室外機。
【請求項8】
前記取付板は、
前記台座板から前記水平部に向かって延び、前記水平部に固定される第1取付板と、
前記第1取付板よりも前記空気流の上流側に位置し、前記傾斜部に固定される第2取付板と、を含み、
前記台座板は、
前記水平部から前記傾斜部に跨って固定されているか、もしくは前記水平部に固定されており、
前記水平部に平行に配置されている
請求項7に記載の冷凍サイクル装置の室外機。
【請求項9】
前記第2部品を固定する前記台座用ネジの先端が、前記台座板、及び、前記底板の間の空間に収容されている
請求項7又は8に記載の冷凍サイクル装置の室外機。
【請求項10】
前記電気品箱の前記傾斜部の内面には、接続部品が固定されており、
前記接続部品には、前記第1部品に他方の端部が接続されるアース線の一方の端部に取り付けられているアース端子が固定され、
前記接続部品は、前記アース端子が固定される平坦な接続板と、
前記接続板の端部から、前記底板に向かって延出する脚部と、を有し、
前記脚部の先端が、前記傾斜部に溶接により固定されている。
請求項1~6のいずれか一項に記載の冷凍サイクル装置の室外機。
【請求項11】
前記第2部品は、
前記接続部品に形成された固定穴に挿入された樹脂製の固定部材により固定されている
請求項10に記載の冷凍サイクル装置の室外機。
【請求項12】
前記電気品箱は、前記底板に接続し、前記電気品箱の外周壁を構成する前面板、前記前面板に対向している背面板、前記前面板及び前記背面板と交差する方向に配置された第1側面板、及び、前記第1側面板に対向している第2側面板を更に有し、
前記第1側面板は、前記底板の前記傾斜部と接する部分よりも下方に突出するはみだし領域を有する長方形状であり、
前記第1側面板の下端が、前記筐体の底面から上方に延びる仕切り板の上端に接し、
前記筐体の内部が、前記第1側面板と前記仕切り板と、により、前記電気品箱が設置されている送風機室と圧縮機が設置されている機械室とに区画されている
請求項1~11のいずれか一項に記載の冷凍サイクル装置の室外機。
【請求項13】
前記第1側面板には、前記電気品箱の内部から前記機械室の内部へ導かれる電線を通過させるための電線通過口が設けられる
請求項12に記載の冷凍サイクル装置の室外機。
【請求項14】
前記電線通過口には、弾性変形して電線以外の領域を封止する封止部材が設けられている
請求項13に記載の冷凍サイクル装置の室外機。
【請求項15】
前記電気品箱を上方から覆う蓋部を更に有し、
前記蓋部は、
前記底板に対向する蓋板を有し、
前記蓋板と、前記電気品箱の上端に形成されたシール材受け面との間に、蓋用シール材が挟持されている
請求項1~14のいずれか一項に記載の冷凍サイクル装置の室外機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電気品箱を有する冷凍サイクル装置の室外機に関する。
【背景技術】
【0002】
室外機は、筐体内部に、前面側から背面側にかけて吹出口、送風機、及び、熱交換器が、順に配置された送風機室を有する。また、特許文献1の室外機では、内部に制御基板、又は、電気部品が収納された電気品箱が、送風機室内の送風機と天面パネルとの間であって、送風機の上方の空間に配置された構成が開示されている。
【0003】
特許文献1の電気品箱は、送風ファンの回転軸に対し、吹き出し口側が下方、熱交換器側が上方となるように傾いており、外部に突出する放熱フィンを有するヒートシンクが取り付けられた構成である。つまり、特許文献1の電気品箱は、空気流れの上流側が、空気流れの下流側よりも上方となるように電気品箱が傾斜されて配置されている。そのため、熱交換器を通過してヒートシンクを通過した空気流が吹き出し口へ円滑に導かれ、ヒートシンクの冷却に十分な風速の空気流が得られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2015-215149号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1は、直方体の電気品箱そのものが傾斜した構成であるため、電気品箱の左右方向の幅を増大させずに、制御基板又は電気部品が配置される領域の面積を増大させるためには、直方体の電気品箱の各辺の長さを増大させなければならない。しかし、各辺の長さが増大された直方体の電気品箱を、空気流れの上流側が、下流側よりも上方に位置するように傾斜させて配置した場合、空気流れと直交する面に電気品箱を投影した場合の投影面積における電気品箱の上下方向の幅、言い換えれば、電気品箱の高さも増大する。そのため、電気品箱が送風機の上方の空間に収まりきらない。なお、ここで、空気流れと直交する面に電気品箱を投影した場合の投影面積とは、電気品箱を室外機の正面から見た場合の投影面積のことである。
【0006】
本開示は、上記課題を解決するためになされたものであり、電気品箱の上下方向の幅を増大させずに、制御用部品を設置できる面積を増加させた電気品箱を送風機の上方に配置することができる冷凍サイクル装置の室外機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係る冷凍サイクル装置の室外機は、外郭を構成する筐体と、前記筐体の内部に収容され、空気流を生成する送風機と、前記筐体の内部に収容され、前記送風機の上方に配置され、制御用部品が載置される底板を有する電気品箱と、を備え、前記電気品箱の前記底板は、前記空気流の上流側端部が、前記空気流の下流側端部よりも上方に位置するように傾斜し、前記制御用部品のうちの第1部品が固定される傾斜部と、前記空気流の上流側端部が、前記傾斜部の前記空気流の下流側端部に接続され、前記空気流における下流側に向かって水平に延びており、前記制御用部品のうちの第2部品が固定される水平部と、を有する。
【発明の効果】
【0008】
本開示に係る冷凍サイクル装置の室外機によれば、電気品箱の底板は、空気流れの上流側が、空気流れの下流側よりも上方に位置している傾斜部と、傾斜部から水平に延びる水平部とにより構成されている。これにより、電気品箱の上下方向の幅を増大させずに、制御用部品を設置できる面積が増大した電気品箱を送風機の上方に配置することができる冷凍サイクル装置の室外機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施の形態に係る冷凍サイクル装置の室外機の外観の上面図である。
図2】実施の形態に係る冷凍サイクル装置の室外機の外観の正面図である。
図3】実施の形態に係る冷凍サイクル装置の室外機の外観の右側面図である。
図4】実施の形態に係る冷凍サイクル装置の室外機の外観の左側面図である。
図5】実施の形態に係る冷凍サイクル装置の室外機の内部構成の上面図である。
図6】実施の形態に係る冷凍サイクル装置の室外機の内部構成の正面図である。
図7】実施の形態に係る冷凍サイクル装置の室外機の内部構成の側面図である。
図8】実施の形態に係る冷凍サイクル装置の室外機の内部構成の背面図である。
図9】実施の形態に係る冷凍サイクル装置の室外機の内部構成を示す斜視図である。
図10】実施の形態に係る冷凍サイクル装置の室外機の電気品箱の斜視図である。
図11】実施の形態に係る冷凍サイクル装置の室外機の電気品箱の内部構成を示す図である。
図12】実施の形態に係る冷凍サイクル装置の室外機の電気品箱の右前方を上から見た外観斜視図である。
図13】実施の形態に係る冷凍サイクル装置の室外機の電気品箱の左前方を上から見た外観斜視図である。
図14】実施の形態に係る冷凍サイクル装置の室外機の電気品箱の左後方を下から見た外観斜視図である。
図15】実施の形態に係る冷凍サイクル装置の室外機の電気品箱である。
図16】実施の形態に係る冷凍サイクル装置の室外機の電気品箱に用いられる台座部品の斜視図である。
図17】実施の形態に係る冷凍サイクル装置の室外機の電気品箱に用いられる台座部品の側面図である。
図18】実施の形態に係る冷凍サイクル装置の室外機の変形例1に係る台座部品の模式図である。
図19】実施の形態に係る冷凍サイクル装置の室外機の変形例2に係る台座部品の模式図である。
図20】実施の形態に係る冷凍サイクル装置の室外機の電気品箱である。
図21】実施の形態に係る冷凍サイクル装置の室外機の電気品箱に用いられる接続部品の斜視図である。
図22】接続部品の側面図である。
図23】接続部品に電気部品が搭載された状態を示す斜視図である。
図24】接続部品に電気部品が搭載された状態を示す上面図である。
図25】接続部品に電気部品が搭載された状態を示す側面図である。
図26】実施の形態に係る冷凍サイクル装置の室外機の接続部品に電気部品が搭載された状態を示す模式図である。
図27】実施の形態に係る冷凍サイクル装置の室外機の固定用部材の拡大図である。
図28】実施の形態に係る冷凍サイクル装置の室外機の電気品箱である。
図29】実施の形態に係る冷凍サイクル装置の室外機の制御基板の取り付け構成を説明する分解斜視図である。
図30】実施の形態に係る冷凍サイクル装置の室外機の電気品箱の分解断面模式図である。
図31】実施の形態に係る冷凍サイクル装置の室外機の電気品箱の組立過程を左前方の上方から見た斜視図である。
図32】実施の形態に係る冷凍サイクル装置の室外機の電気品箱の組立過程を右前方の上方から見た斜視図である。
図33】実施の形態に係る冷凍サイクル装置の室外機の電気品箱の組立過程を左後方の下方から見た斜視図である。
図34】実施の形態に係る冷凍サイクル装置の室外機の電気品箱の展開図である。
図35】実施の形態に係る冷凍サイクル装置の室外機の電気品箱の第1側面板を、電気品箱の外側から見た斜視図である。
図36】第1側面板の側面図である。
図37】実施の形態に係る冷凍サイクル装置の室外機の電気品箱の第1側面板を示す側面図である。
図38】第1側面板に形成されている電線通過口の拡大図である。
図39】実施の形態に係る冷凍サイクル装置の室外機の電気品箱の分解斜視図である。
図40】実施の形態に係る冷凍サイクル装置の室外機の電気品箱の蓋部を斜め上方から見た斜視図である。
図41】実施の形態に係る冷凍サイクル装置の室外機の電気品箱の蓋部を斜め下方から見た斜視図である。
図42】実施の形態に係る冷凍サイクル装置の室外機の電気品箱の蓋部の分解斜視図である。
図43】実施の形態に係る冷凍サイクル装置の室外機の電気品箱を固定する構成について説明する側面模式図である。
図44】電気品箱の前面側の固定について説明する側面模式図である。
図45】電気品箱の背面側の固定について説明する側面模式図である。
図46】実施の形態に係る冷凍サイクル装置の室外機の天面パネルの平面図である。
図47】天面パネルを内面側から見ている斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施の形態に係る冷凍サイクル装置の室外機100について図面を参照しながら説明する。なお、以下の図面では、各構成部材の相対的な寸法の関係及び形状等が実際のものとは異なる場合がある。また、以下の図面において、同一の符号を付したものは、同一、又は、これに相当するものであり、このことは明細書の全文において共通することとする。また、図中の符号における数字の後のアルファベットは説明の中で省略する場合がある。また、理解を容易にするために方向を表す、例えば、「上」、「下」、「右」、「左」、「前」、又は、「後」の用語を適宜用いる。ただし、方向を表す用語は、説明の便宜上の記載であって、装置、又は、部品の配置、及び、向きを限定するものではない。また、以下の説明において、矢印Xは、左から右の方向を示しており、矢印Yは、前から後ろの方向を示しており、矢印Zは、下から上の方向を示している。
【0011】
<室外機の構成>
図1は、実施の形態に係る冷凍サイクル装置の室外機100の外観の上面図である。図2は、実施の形態に係る冷凍サイクル装置の室外機100の外観の正面図である。図3は、実施の形態に係る冷凍サイクル装置の室外機100の外観の右側面図である。図4は、実施の形態に係る冷凍サイクル装置の室外機100の外観の左側面図である。冷凍サイクル装置は、例えば、空気調和装置である。
【0012】
図1図2図3、及び、図4に示すように、冷凍サイクル装置の室外機100は、外郭を構成する筐体100aを有する。筐体100aは、前面パネル104と、左側面パネル105と、右側面パネル106と、背面パネル107と、天面パネル108と、底面パネル109と、により構成されている。前面パネル104は、室外機100の前面を構成している。前面パネル104には、吹き出し口104aが形成されている。吹き出し口104aには、送風機2が臨んでいる。前面パネル104には、吹き出し口104aを外側から覆うファンガード104bが取り付けられている。
【0013】
左側面パネル105は、室外機100の左側面を構成している。左側面パネル105には、筐体100aの内部に外気を取り込むための吸い込み口105aが形成されている。背面パネル107は、室外機100の背面の右寄りの一部と、右側面の背面寄りの一部と、を構成している。つまり、背面パネル107は、上面視でL字形状である。右側面パネル106は、室外機100の右側面の前面寄りを構成している。右側面パネル106は、例えば、下部が取り外し可能なサービスパネルになっていてもよい。また、左側面パネル105及び右側面パネル106には、例えば、室外機100を持ち運ぶ際に手を掛けるための持ち手が設けられていてもよい。
【0014】
天面パネル108は、前面パネル104、左側面パネル105、右側面パネル106、及び、背面パネル107の上部に載置されている。底面パネル109は、天面パネル108に対向し、天面パネル108と平行に配置されている。底面パネル109には、前面パネル104、左側面パネル105、右側面パネル106、及び、背面パネル107が固定されている。
【0015】
<室外機の内部>
図5は、実施の形態に係る冷凍サイクル装置の室外機100の内部構成の上面図である。図6は、実施の形態に係る冷凍サイクル装置の室外機100の内部構成の正面図であって、室外機100の内部を示す模式図である。図7は、実施の形態に係る冷凍サイクル装置の室外機100の内部構成の側面図であって、図5のBB線に沿った面を矢印の方向から見た室外機100の内部を示す模式図である。図8は、実施の形態に係る冷凍サイクル装置の室外機100の内部構成の背面図であって、図5のAA線に沿った面を矢印の方向から見た室外機100の内部を示す模式図である。図9は、実施の形態に係る冷凍サイクル装置の室外機100の内部構成を示す斜視図である。
【0016】
図5図9に示すように、室外機100の筐体100aは、機械室101と、送風機室102とに、左右方向に区画されている。機械室101には、圧縮機1が設置されている。送風機室102には、送風機2、熱交換器3、及び、電気品箱4が設置されている。筐体100aの内部は、底面パネル109の上面に配置された仕切り板103と、仕切り板103の上方に位置する電気品箱4の機械室101側の側面を構成している第1側面板43とにより、機械室101と送風機室102とに区画されている。なお、第1側面板43については後段にて詳述する。
【0017】
機械室101に収容されている圧縮機1は、例えば、インバーター制御駆動により容量制御が可能な圧縮機で構成され、吸入した冷媒を圧縮して高温高圧ガス冷媒の状態にして吐出するものである。機械室101には、冷凍サイクルを構成する冷媒配管、及び、膨張弁なども収容されているが、ここでは図示を省略している。
【0018】
送風機室102に収容されている送風機2は、プロペラファン2a及びモータ2bで構成されている。送風機2のモータ2bは、底面パネル109から上方に延び、送風機2の背面側に位置しているモータ支持部材2cに固定されている。送風機2は、熱交換を効率的に行うため、空気流Fを生成する。送風機2は、軸が筐体100aの前後方向に沿った方向に配置されている。送風機2は、外部の空気(外気)を送風機室102に導入し、室外機100の前側に向かって送風する。送風機2により送風された空気は、前面パネル104のベルマウス104cを通過し、吹き出し口104aから筐体100aの外部へ排出される。
【0019】
熱交換器3は、外気と冷媒との熱交換を行うものであって、暖房運転時には蒸発器として機能し、冷房運転時には凝縮器として機能する。熱交換器3は、例えば、冷媒を通過させる図示せぬ伝熱管と、伝熱管を流れる冷媒と外気との間の伝熱面積を増大させるための図示せぬ放熱フィンとを備えている。熱交換器3は、例えば、長辺部と短辺部とを有する平板領域と長辺部と短辺部とを接続する曲面領域とを備えた上面視でL字形状である。熱交換器3は、平板領域の長辺部が送風機室102の背面側に配置され、平板領域の短辺部が送風機室102の、機械室101と反対側となる側面側に配置されている。熱交換器3は、筐体100aの背面の一部を構成している。また、熱交換器3は、筐体100aの左側面を構成していてもよい。この場合、筐体100aが、左側面パネル105を有さなくてもよい。
【0020】
熱交換器3は、L字形状の場合について例示しているが、熱交換器3は、平板領域の長辺部のみを有する上面視でI字形状に形成されたものでもよく、曲面領域を2つ備える上面視でU字形状に形成されたものでもよい。送風機2が駆動すると、外気が室外機100の送風機室102内に導入され、その際に熱交換器3を通過する。
【0021】
電気品箱4は、送風機2の上方に配置されている。電気品箱4は、送風機2と、天面パネル108との間に配置されている。ここで、送風機2の上方とは、送風機2と天面パネル108との間の空間のことであり、より詳しくはプロペラファン2aと天面パネル108との間の空間のことである。また、電気品箱4は、熱交換器3の上部と水平方向において対向するように配置されている。電気品箱4からは、ヒートシンク430が突出している。送風機2の駆動により室外機100内に導入された空気がヒートシンク430を通過する。ヒートシンク430は、送風機室102内に導入された空気に放熱するものである。
【0022】
図5に示すように、電気品箱4と、熱交換器3の上部とは、上面視において、空気流Fを阻害しない一定の距離D1の間隔が形成されている。電気品箱4と、熱交換器3の上部とは、上面視において、一定の距離D1の間隔が形成されている。一定の距離D1は、例えば、熱交換器3の厚みよりも大きい距離である。一定の距離D1は、例えば、熱交換器3の厚みが40mmである場合、例えば、50mmである。なお、電気品箱4は、熱交換器3の長辺部及び短辺部をつなぐ曲面領域においても、空気流Fを阻害しない一定の距離D1以上の間隔で配置されている。これにより、電気品箱4と対向する熱交換器3の上部を空気流Fが通過しないという事態が生じず、電気品箱4による熱交換能力の低下が抑制できる。
【0023】
電気品箱4は、圧縮機1又は送風機2の動作を含む室外機100の動作を制御するための制御用部品を収容している。制御用部品は、発熱部品を含む。制御用部品は、例えば、室外機100の動作を制御する機能を実現する回路デバイスなどのハードウェア、又はマイコン若しくは中央演算処理装置などの演算装置上で実行されるソフトウェアあるいはそれらの組み合わせで構成された制御装置である。電気品箱4には、電線通過口43e(図9参照)が形成されており、電線通過口43eを通過した電線4bにより、電気品箱4の制御用部品が機械室101に収容された圧縮機1などの構成要素に接続されている。
【0024】
電気品箱4には、着火源となり得る制御用部品が収容されているため、冷凍サイクル装置の冷媒として可燃性冷媒を用いている場合には、冷媒ガスが漏洩したときに、漏洩した冷媒ガスが電気品箱4内に流入する可能性を排除することが望ましい。
【0025】
冷媒の漏洩は、送風機室102よりも、冷媒配管の接続部が複数存在している機械室101で生じる可能性がある。しかし、この室外機100では、電気品箱4は、送風機室102に配置されており、仕切り板103により機械室101から隔てられている。また、冷媒ガスは、空気よりも比重が大きいため、機械室101で漏洩した冷媒ガスは機械室101の下部へと流れるが、電気品箱4が送風機室102の上方に配置されている。このため、漏洩した冷媒ガスが電気品箱4に流入する可能性を低減することができる。
【0026】
<室外機100の動作>
実施の形態に係る冷凍サイクル装置では、冷媒として、不燃性冷媒又は可燃性冷媒が用いられる。可燃性冷媒としては、R290(プロパン)を用いることができる。冷凍サイクル装置である空気調和装置は、制御装置の制御により、暖房運転及び冷房運転を行う。
【0027】
冷房運転時には、冷媒が、室外機100に収容された圧縮機1により高温及び高圧のガス冷媒に圧縮されて吐出される。圧縮機1から吐出された冷媒は、凝縮器として機能している熱交換器3に流入し、熱交換器3を通過する空気と熱交換し、高圧の液冷媒となって熱交換器3から流出する。熱交換器3から流出した高圧の液冷媒は、図示せぬ膨張弁により減圧されて低圧の気液二相冷媒となって室外機100から図示せぬ室内機に流入する。気液二相冷媒は、室内機の熱交換器において室内空気から吸熱して蒸発し、ガス冷媒となって、再び室外機100の圧縮機1に吸入される。
【0028】
暖房運転時には、冷媒が圧縮機1により高温及び高圧のガス冷媒に圧縮されて吐出される。冷媒は、室外機100から図示せぬ室内機に流入し、室内機の熱交換器において室内空気に放熱して、高圧の液冷媒となる。高圧の液冷媒は、室外機100の図示せぬ膨張弁により減圧されて低圧の気液二相の冷媒となり、蒸発器として機能している熱交換器3において外気と熱交換し、低温及び低圧のガス冷媒となって再び圧縮機1に吸入される。
【0029】
<電気品箱4の構成>
図10は、実施の形態に係る冷凍サイクル装置の室外機100の電気品箱4の斜視図である。図10に示すように、電気品箱4は、底板40と、前面板41と、背面板42と、第1側面板43と、第2側面板44とにより構成されている。底板40は、傾斜部410と、水平部420とにより構成されている。電気品箱4は、右側面、すなわち、第2側面板44の形状が5角形になっている。電気品箱4は、板金部品により構成されている。
【0030】
傾斜部410は、電気品箱4が室外機100に取り付けられた状態において、空気流F(図7参照)における上流側端部410aが、空気流Fにおける下流側端部410bよりも上方に位置するように傾いている。底板40が傾斜部410を有することで、空気流Fにおいて、電気品箱4の上流側に配置された熱交換器3を通過した空気流Fが、電気品箱4の下流側に配置された吹き出し口104aへ円滑に導かれる。
【0031】
水平部420は、電気品箱4が室外機100に取り付けられた状態において、空気流Fにおける上流側端部420aが、傾斜部410の下流側端部410bに接続されており、下流側に向かって下流側端部420bまで水平に延びている。水平部420は、電気品箱4が室外機100に取り付けられた状態において、空気流Fの上流側端部420aと、空気流Fの下流側端部420bとの高さ位置が水平になるように配置されている。水平部420は、室外機100の底面パネル109と平行である。なお、水平部420は、厳密に水平である必要はなく、水平部420と、室外機100の底面パネル109とは、厳密に平行である必要はない。
【0032】
傾斜部410には、ヒートシンク430が配置されている。ヒートシンク430は、電気品箱4に収容されている制御装置などの制御用部品を冷却するためのものである。ヒートシンク430は、ベース板403と、ベース板403から空気流Fに沿って延びる複数のフィン404と、を有する。ヒートシンク430は、複数のフィン404が、傾斜部410に形成された後述の底面開口411から電気品箱4の外部へ突出している。傾斜部410にヒートシンク430が配置されていることで、熱交換器3を通過した空気流Fが風速を低下させることなくヒートシンク430の並列する複数のフィン404間を通過する。このため、ヒートシンク430による制御用部品の冷却効果が向上する。
【0033】
電気品箱4は、底板40に傾斜部410及び水平部420が形成されており、第2側面板44である右側面の形状が5角形になっているため、従来の直方体の電気品箱を傾斜させた場合に比べ、電気品箱4の上下方向の幅を維持しながら、電気品箱4の底板40の表面積を増大させることができる。このため、この電気品箱4は、直方体の電気品箱を傾斜させた場合に比べて、制御用部品を設置できる面積が増加する。
【0034】
<電気品箱4の内部構成>
図11は、実施の形態に係る冷凍サイクル装置の室外機100の電気品箱4の内部構成を示す図である。図11に示すように、電気品箱4に収容される制御用部品は、例えば、制御基板441、電気部品442、及び、制御基板441と異なる電装基板443である。傾斜部410には、制御基板441が配置されている。傾斜部410には、電気部品442又は電装基板443が配置されていてもよい。傾斜部410には、複数のアース端子405が接続されていてもよい。制御基板441は、第1部品の一例である。
【0035】
水平部420には、電気部品442、又は、制御基板441とは異なる電装基板443が配置されている。水平部420には、例えば、電気部品442としてキャパシタなどを搭載することができる。水平部420には、傾いた状態での使用が制限される電気部品442を配置することができる。電気部品442、及び、電装基板443は、台座部品444及び接続部品445(図15参照)に載置されている。電気部品442、又は、制御基板441とは異なる電装基板443は、第2部品の一例である。
【0036】
底板40が水平部420を有することで、上下方向の幅を抑えて、電装基板443、又は、電気部品442を配置する領域の面積が増加する。また、電気部品442のうち、傾いた状態での使用が制限されるものを配置することができる。
【0037】
<電気品箱4の外郭>
図12は、実施の形態に係る冷凍サイクル装置の室外機100の電気品箱4の右前方を上から見た外観斜視図である。図13は、実施の形態に係る冷凍サイクル装置の室外機100の電気品箱4の左前方を上から見た外観斜視図である。図14は、実施の形態に係る冷凍サイクル装置の室外機100の電気品箱4の左後方を下から見た外観斜視図である。
【0038】
図12図13、及び、図14に示すように、電気品箱4の外郭は、底板40、前面板41、背面板42、第1側面板43、及び、第2側面板44により構成されている。前面板41と背面板42とは平行であり、それぞれ、第1側面板43、及び、第2側面板44と直交するように配置されている。底板40は、傾斜部410と水平部420を有している。
【0039】
前面板41は、底板40の水平部420の下流側端部420bに連続している板である。前面板41は、水平部420の下流側端部410bから連続している下方の端部41bから上方の端部41aまで上方に延びている。前面板41は、正面視において、前面パネル104の吹き出し口104aより上方に位置している。このため、筐体100aの内部の空気流Fが阻害されない。
【0040】
前面板41の上部には、前面板41から前方に延びる前面側支持板41gが固定されている。前面側支持板41gには、複数の蓋用ネジ穴45aが形成されている。前面側支持板41gには、後述の蓋部45が取り付けられる。
【0041】
背面板42は、底板40の傾斜部410の上流側端部410aに連続している板である。背面板42は、前面板41と平行に配置されている。背面板42は、傾斜部410の上流側端部410aから連続している下方の端部42bから上方の端部42aまで上方に延びている。背面板42の上部には、背面板42から後方に延びる背面側支持板42cが固定されている。背面側支持板42cには、複数の蓋用ネジ穴45aが形成されている。背面側支持板42cには、後述する蓋部45が取り付けられる。なお、前段の距離D1は、背面側支持板42cを含まず、熱交換器3と背面板42との最短距離である。
【0042】
第1側面板43は、電気品箱4の機械室101側の側面を構成する板である。図12に示すように、第1側面板43は、下方の端部43bから、上方の端部43aまで、上方に延びる長方形状を有する。第1側面板43は、背面板42と前面板41とにそれぞれ接している。
【0043】
図12および図14に示すように、第1側面板43には、底板40の傾斜部410の右側端部410c、及び、底板40の水平部420の右側端部420cが、接合線Lにおいて接続している。第1側面板43は、第1側面板43と底板40との接合線Lにより、本体領域431とはみ出し領域432とに区分けされている。はみ出し領域432は、第1側面板43において、底板40の傾斜部410の右側端部410cが接している部分を境に、傾斜部410よりも下方にはみ出している領域である。
【0044】
第1側面板43は、下方の端部43bが、仕切り板103の上端に接するように取り付けられる。第1側面板43は、仕切り板103とともに、機械室101と送風機室102とを仕切る機能を有する。図13に示すように、第1側面板43の下方の端部43bは、折り曲げられて水平面部43gが形成されている。第1側面板43は、下方の端部43bの水平面部43gが、仕切り板103の上端に形成された水平面と重なり、固定されている。第1側面板43の下方の端部43bは、仕切り板103の上端に接するように取り付けられており、第1側面板43と仕切り板103とが上下方向に並んで配置されていて、左右に並んでは配置されていない。このため、仕切り板103だけで機械室101と送風機室102とを仕切り、送風機室102内にその仕切板と左右に並んで第1側面板43を配置する構成に比べて、板材の無駄が省かれる。第1側面板43は、例えば、仕切り板103にネジにて接合される。なお、第1側面板43と、仕切り板103とが、左右方向に並ぶように配置される構成とすることもできる。
【0045】
図13および図14に示すように、第2側面板44は、第1側面板43と対向している板である。第2側面板44は、第1側面板43と平行に配置されている。第2側面板44は、下方の端部44bが、底板40から連続している。下方の端部44bは、底板40の傾斜部410から連続している傾斜端部44eと、底板40の水平部420から連続している水平端部44fと、を含む。傾斜端部44eは、傾斜部410と同じ勾配で傾斜している。水平端部44fは、水平部420と同じ高さ位置で水平に延びている。第2側面板44は、下方の端部44bから、上方の端部44aまで、上方に延びている。第2側面板44は、上流側端部44cが、背面板42から連続し、下流側端部44dが、前面板41から連続している。
【0046】
<台座部品の構成>
図15は、実施の形態に係る冷凍サイクル装置の室外機100の電気品箱4であって、図11のCC線に沿った面を、プラスX方向に見た場合の電気品箱4の内部を示す模式図である。図15に示すように、電気部品442は、台座部品444に載って水平部420に固定されている。
【0047】
図16は、実施の形態に係る冷凍サイクル装置の室外機100の電気品箱4に用いられる台座部品444の斜視図である。図17は、実施の形態に係る冷凍サイクル装置の室外機100の電気品箱4に用いられる台座部品444の側面図である。
【0048】
図16、及び、図17に示すように、台座部品444は、水平部420と平行な方向に延びる台座板444aと、台座板444aから延びて底板40に固定されている第1取付板444b及び第2取付板444cと、により構成されている。第1取付板444b及び第2取付板444cは、取付板の一例である。台座部品444は、板金製である。
【0049】
台座部品444は、例えば、スポット溶接により、電気品箱4の底板40に固定されている。台座部品444は、例えば、傾斜部410と水平部420とに跨がって配置される。つまり、第1取付板444bは、台座板444aの空気流Fの下流側の縁部から、底板40の水平部420に向かって延びている。
【0050】
第1取付板444bは、側面視でL字型を有し、下端が固定板部444dになっている。第1取付板444bは、例えば、直角に折れ曲がっている。第1取付板444bは、固定部として機能する固定板部444dにおいて、溶接により水平部420の内面に固定されている。第2取付板444cは、台座板444aの空気流Fの上流側の縁部から、傾斜部410に沿って延びている。第2取付板444cは、固定部として機能し、傾斜部410の内面に溶接により固定されている。台座部品444が底板40に固定された状態において、台座板444aは、水平部420と平行である。
【0051】
台座部品444が、傾斜部410と水平部420とに跨がって固定されることで、水平部420の前後幅よりも前後方向に長い水平部分を確保することができる。これにより、電気部品442が、水平部420の前後方向の幅よりも大きな寸法を有する場合であっても、水平部420に平行な平面である台座板444aに電気部品442を設置することができる。なお本開示では、傾斜部410と水平部420とに跨がって固定された台座部品444に固定された電気部品442は、水平部420に配置された電気部品442に含まれる。
【0052】
台座板444aには、台座板用ネジ穴444fが形成されていて、電気部品442が台座用ネジ444eにより固定されている。台座用ネジ444eは、電気品箱4の底板40に向かって台座板444aに形成された台座板用ネジ穴444fを貫通している。台座用ネジ444eの先端は、電気部品442が固定される台座板444aと、電気品箱4の底板40との間の空間に収容されている。
【0053】
電気部品442が直接電気品箱4の底板40にネジで固定された場合、ネジが電気品箱4の底板40を貫通し、シールされていない部分が生じて漏洩冷媒ガスの流入箇所となる。また、電気品箱4の底板40を貫通して電気品箱4の外部に突出したネジは、電気品箱4の取付作業の際の安全性を損なう。台座部品444が第1取付板444b及び第2取付板444cを有することで、電気部品442が固定される台座板444aと、電気品箱4の底板40との間に空間が形成される。これにより、台座板444aを貫通する台座用ネジ444eが、電気品箱4の底板40を貫通して外部に突出することが防止され、シールされていない部分から漏洩冷媒ガスが流入すること、及び、電気品箱4の取付作業の際の安全性が損なわれることを抑制できる。
【0054】
(台座部品の変形例1)
図18は、実施の形態に係る冷凍サイクル装置の室外機100の変形例1に係る台座部品444の模式図である。図18に示すように、変形例1に係る台座部品444は、第2取付板444cが、底板40の傾斜部410に沿って延びておらず、第1取付板444bと同様、底板40の傾斜部410に向かって延びていてもよい。この場合、第2取付板444cは、先端が折れ曲がった固定板部444dになっているが、直角ではなく、鋭角に折れ曲がっている。第2取付板444cの長さによって、台座部品444の高さ(上下方向の寸法)を調整することができる。すなわち、台座板444aと電気品箱4の底板40との間の空間の高さが調整可能となる。
【0055】
(台座部品の変形例2)
図19は、実施の形態に係る冷凍サイクル装置の室外機100の変形例2に係る台座部品444の模式図である。図19に示すように、変形例2に係る台座部品444は、第1取付板444b及び第2取付板444cのいずれもが、水平部420に配置されている。つまり、第2取付板444cは、底板40の傾斜部410に沿って延びておらず、第1取付板444bと同様、底板40の傾斜部410に向かって延びている。また、第2取付板444cの先端は、第1取付板444bと同様、直角に折れ曲がった固定板部444dになっている。
【0056】
なお、第1取付板444b及び第2取付板444cは、台座板444aの空気流Fの上流側の縁部と下流側の縁部とに設けられた構成であるが、空気流Fと交差する方向である左右方向の縁部に設けられた構成であってもよい。また、第1取付板444b及び第2取付板444cは、台座板444aの四方、つまり、上流側、下流側、及び、左右方向の縁部に設けられていてもよい。
【0057】
<接続部品の構成>
図20は、実施の形態に係る冷凍サイクル装置の室外機100の電気品箱4であって、図11のDD線に沿った面を、マイナスX方向に見た電気品箱4の内部を示す模式図である。
【0058】
図20に示すように、電装基板443は、接続部品445に載って傾斜部410に固定されている。接続部品445は、電気品箱4の傾斜部410内面から電気品箱4の内方へ出っ張るように、底板40に固定されている。接続部品445は、板金製である。接続部品445は、台座部品444と同様の構成である。
【0059】
図21は、実施の形態に係る冷凍サイクル装置の室外機100の電気品箱4に用いられる接続部品445の斜視図であり、図22は、接続部品445の側面図である。図23は、接続部品445に電装基板443が搭載された状態を示す斜視図である。図24は、接続部品445に電装基板443が搭載された状態を示す上面図であり、図25は、接続部品445に電装基板443が搭載された状態を示す側面図である。図26は、実施の形態に係る冷凍サイクル装置の室外機100の接続部品445に電装基板443が搭載された状態を示す模式図で、図24に示すEE線に沿った断面図である。図27は、実施の形態に係る冷凍サイクル装置の室外機100の固定部材446の拡大図である。
【0060】
図21図27に示すように、接続部品445は、底板40と平行な方向に延びる接続板445aと、第1脚部445b及び第2脚部445cと、により構成されている。第1脚部445b及び第2脚部445cは、接続板445aから延びて底板40に固定されている。接続部品445は、傾斜部410に配置されている。接続部品445は、例えば、スポット溶接により、電気品箱4の底板40に固定されている。第1脚部445bは、空気流Fの下流側に設けられ、第2脚部445cは、空気流Fの上流側に設けられている。接続部品445には、例えば、電装基板443、及び、アース端子405(図11参照)が固定されている。アース端子405は、アース線の一端に接続されている端子である。アース線の他端は、制御基板441に接続されている。
【0061】
第1脚部445bは、接続板445aの空気流Fの下流側の縁部から底板40の傾斜部410に向かって延びており、先端が、直角に折れ曲がった固定板部445dになっている。第2脚部445cは、接続板445aの空気流Fの上流側の縁部から、第1脚部445bと同様、底板40の傾斜部410に向かって延びており、先端が、直角に折れ曲がった固定板部445dになっている。第1脚部445b及び第2脚部445cのそれぞれの固定板部445dが傾斜部410の内面に溶接により固定されている。
【0062】
接続板445aには、複数の固定穴445eが形成されている。接続板445aには、電装基板443が固定されている。電装基板443を貫通する固定部材446が固定穴445eに挿入されることにより電装基板443は接続板445aに固定される。接続板445aには、固定部材446によりアース端子405が固定されてもよい。
【0063】
接続部品445が、接続板445a、第1脚部445b、及び、第2脚部445cを有するため、接続部品445に電装基板443が固定される穴は、電気品箱4の底板40に形成されない。このため、電気品箱4の底板40にシールされていない部分が生じない。これにより、漏洩した冷媒ガスの電気品箱4への流入を防止できる。
【0064】
固定部材446は、樹脂により構成されている。図27に示すように、固定部材446は、一端に形成される基部446aと、他端に形成される固定部446bと、基部446aと固定部446bとの間に設けられたスペーサ446cと、により構成されている。スペーサ446cは、固定部446bの方向に裾広がりになった形状の裾部446fを有する。基部446aとスペーサ446cとの間には、第1くびれ部446dが形成されている。スペーサ446cと固定部446bとの間には、第2くびれ部446eが形成されている。第1くびれ部446dは、基部446a及びスペーサ446cよりも細くなった部分である。第2くびれ部446eは、スペーサ446c及び固定部446bよりも細くなった部分である。
【0065】
固定部材446は、電装基板443の貫通穴に押し込まれ、更に、接続板445aの固定穴445eに押し込まれる。このとき、接続板445aは、スペーサ446cの裾部446fの下端と固定部446bとの間に挟まれ、電装基板443は、基部446aとスペーサ446cの間に挟まれる。これにより、電装基板443が、接続板445aに対して、スペーサ446cの距離だけ離間した状態で、接続部品445に固定される。絶縁性を有する樹脂にて成形された固定部材446が介在した状態で電装基板443が接続部品445に支持されることにより、電装基板443は、板金製の接続部品445から、ひいては板金製の電気品箱4から絶縁された状態に保たれる。固定部材446の他端の固定部446bは、接続板445aと電気品箱4の傾斜部410との間の空間に収納される。
【0066】
なお、アース端子405は、台座部品444に固定されていてもよい。台座部品444に固定されるアース端子405は、台座部品444に固定される電気部品442と同様、台座用ネジ444eにより固定すればよい。また、アース端子405は、台座部品444の台座板444aに固定されていてもよく、台座部品444の第1取付板444b又は第2取付板444cに固定されていてもよい。この場合にも、台座板444aと、電気品箱4の底板40との間に空間が形成されるため、アース端子405を固定するネジによりシールされていない部分から漏洩冷媒ガスが流入すること、及び、電気品箱4の取付作業の際の安全性が損なわれることが抑制できる。台座用ネジ444eは、アース端子用ネジの一例である。
【0067】
<制御基板441の取り付け構成>
図28は、実施の形態に係る冷凍サイクル装置の室外機100の電気品箱4であって、図11のJJ線に沿った面を、プラスX方向に見た模式図である。図29は、実施の形態に係る冷凍サイクル装置の室外機100の制御基板441の取り付け構成を説明する分解斜視図である。図30は、実施の形態に係る冷凍サイクル装置の室外機100の電気品箱4の分解断面模式図である。
【0068】
図28図29、及び、図30に示すように、制御基板441は、基板ケース463に保持されて傾斜部410に配置されている。基板ケース463は、樹脂ケース463aと、枠状の樹脂ホルダー463bとにより構成されている。制御基板441は、樹脂ケース463aに嵌め込まれた状態で、樹脂ケース463aと樹脂ホルダー463bとの間に挟持されている。樹脂ホルダー463bは、第1ネジ463cにより基板ケース463に固定されている。
【0069】
基板ケース463は、電気品箱4の傾斜部410に第2ネジ463dにより電気品箱4の傾斜部410の内面側に固定されている。第2ネジ463dは、電気品箱4の外側から電気品箱4の内側に向かって取付けられており、傾斜部410のネジ通し穴を通って樹脂ケース463aに螺入している。
【0070】
基板ケース463には、ヒートシンク430のベース板403の第1面403aが、制御基板441の発熱部品に接するように、第3ネジ463eにより基板ケース463に取り付けられている。ベース板403の第1面403aは、複数のフィン404が突出している面の裏面である。ヒートシンク430のベース板403は、基板ケース463が電気品箱4の傾斜部410に固定された状態において、傾斜部410に形成された底面開口411を、電気品箱4の内側から塞いでいる。また、ヒートシンク430の複数のフィン404は、基板ケース463が電気品箱4の傾斜部410に固定された状態において、底面開口411から突出した状態になっている。傾斜部410にヒートシンク430が固定されていることで、空気流Fが阻害されず、ヒートシンク430が空気流Fにより効率よく冷却される。
【0071】
ここで、電気品箱4に収容された電気部品442などは着火原となり得るため、仮に冷媒ガスが漏洩したとしても、漏洩した冷媒ガスが電気品箱4に流入しない構造であることが重要である。そのため、第2ネジ463dと、電気品箱4の底板40の傾斜部410との間には、第1シール材402aが挟持されている。第2ネジ463dは、基板ケース用ネジの一例である。また、電気品箱4の底板40の傾斜部410と、基板ケース463の樹脂ケース463aとの間には、第2シール材402bが挟持されている。第1シール材402a及び第2シール材402bにより、傾斜部410に基板ケース463を固定している第2ネジ463dが貫通しているネジ通し穴から、漏洩した冷媒ガスが電気品箱4の内部に流入することが防止される。
【0072】
更に、基板ケース463と、ヒートシンク430との間には、第3シール材402cが挟持されている。第3シール材402cにより、漏洩した冷媒ガスが、ヒートシンク430が突出している底面開口411から流入することが防止される。
【0073】
電気品箱4には、着火源となり得る制御基板441、及び、電気部品442が収容されているため、可燃性の冷媒ガスを用いている場合には、冷媒ガスが漏洩した場合に、電気品箱4内に漏洩した冷媒ガスが流入する可能性を排除することが重要である。電気品箱4は、第1シール材402a、第2シール材402b、及び、第3シール材402cにより、底面開口411、又は、第2ネジ463dが通過する傾斜部410のネジ通し穴から、漏洩した冷媒ガスが電気品箱4に流入する可能性を排除することができる。
【0074】
<電気品箱4の組立構成>
図31は、実施の形態に係る冷凍サイクル装置の室外機100の電気品箱4の組立過程を左前方の上方から見た斜視図である。図32は、実施の形態に係る冷凍サイクル装置の室外機100の電気品箱4の組立過程を右前方の上方から見た斜視図である。図33は、実施の形態に係る冷凍サイクル装置の室外機100の電気品箱4の組立過程を左後方の下方から見た斜視図である。図34は、実施の形態に係る冷凍サイクル装置の室外機100の電気品箱4の展開図である。
【0075】
図31図34に示すように、電気品箱4は、底板40、前面板41、背面板42、及び、第2側面板44を構成する板金部品4aが箱状になった部材に、第1側面板43が接合されることで作成されている。
【0076】
電気品箱4の作製において、まず、底板40、前面板41、背面板42、及び、第2側面板44を含む所定の形状の金属板が切断される。また、底面開口411が打ち抜き加工により開口される。図34は、所定の形状に切断された金属板を示している。切断された金属板は、適当な位置で折り曲げられ、合わせ目が溶接されて、箱状の板金部品4aとなる。
【0077】
具体的には、背面板42の下方の端部42bと、底板40の傾斜部410の上流側端部410aとが折り曲げ位置となって、背面板42と底板40の傾斜部410とのなす角度θ1が鈍角になるように折り曲げられている。背面板42と底板40の傾斜部410とのなす角度θ1は、例えば、120°である。
【0078】
底板40の傾斜部410の下流側端部410bと、底板40の水平部420の上流側端部420aとは接続しており、ここが折り曲げ位置となって、水平部420と傾斜部410とのなす角度θ2が鈍角になるように折り曲げられている。水平部420と傾斜部410とのなす角度θ2は、例えば、150°である。
【0079】
底板40の水平部420の下流側端部420bと、前面板41の下方の端部43bとは接続しており、ここが折り曲げ位置となって底板40の水平部420と、前面板41とが、直角になるように折り曲げられている。
【0080】
第2側面板44の下方の傾斜端部44eは、傾斜部410に接続しており、その接続位置が折り曲げ位置となって第2側面板44と傾斜部410とが、直角になるように折り曲げられている。
【0081】
第2側面板44の水平端部44fは、底板40の水平部420に全長に渡って溶接される。第2側面板44の上流側端部44cは、背面板42に全長に渡って溶接される。第2側面板44の下流側端部44dは、前面板41に全長に渡って溶接される。これにより、箱状の板金部品4aが形成される。
【0082】
電気品箱4は、底板40、前面板41、背面板42、及び、第2側面板44を含む板金部品4aに、第1側面板43が溶接されて形成される構成である。第1側面板43は、前面板41と底板40と背面板42とに、それらの全長に渡って連続的に溶接される。電気品箱4の多くの角部を板金の折り曲げによって構成して、溶接箇所を少なくすることにより、溶接に不備があった場合に、溶接不良箇所から電気品箱4内に漏洩冷媒ガスが流入してしまうリスクを低減させている。
【0083】
なお、第2側面板44も、第1側面板43と同様に別部材としてもよい。この場合、第2側面板44の傾斜端部44eは傾斜部410に接続されておらず、傾斜端部44eも傾斜部410に全長に渡って溶接される。
【0084】
図35は、実施の形態に係る冷凍サイクル装置の室外機100の電気品箱4の第1側面板43を、電気品箱4の外側から見た斜視図であり、図36は、第1側面板43の側面図である。
【0085】
第1側面板43は板金製である。図35、及び、図36に示すように、第1側面板43は、本体領域431とはみ出し領域432とにより構成された長方形状である。図35において、本体領域431は接合線Lよりも上方の領域であり、はみ出し領域432は接合線Lよりも下方の領域である。そして、第1側面板43には、複数の電線通過口43eが形成されている。
【0086】
第1側面板43の下方の端部43bには、水平方向に折り曲げられた水平面部43gが形成されている。水平面部43gは、仕切り板103の上端に形成された水平面と重なる部分である。
【0087】
第1側面板43は、板金部品4aに取り付けられ、電気品箱4が作製される。具体的には、第1側面板43は、接合線Lに沿って、底板40の傾斜部410の右側端部410c、及び、底板40の水平部420の右側端部420cにそれぞれ全長に渡って溶接される。また、第1側面板43は、空気流Fの上流側で背面板42に、空気流Fの下流側で前面板41に、それぞれの全長に渡って溶接される。
【0088】
板金製の電気品箱4の外面には脂コーティングが施されていることが望ましい。このとき、電気品箱4は、溶接箇所を覆うように樹脂コーティングが施される。電気品箱4は、内面にも樹脂コーティングが施されていてもよいが、少なくとも外面に樹脂コーティングされていればよい。
【0089】
冷凍サイクル装置の運転中、送風機室102の内部には、熱交換器3を通過した空気が、電気品箱4の傾斜部410の外面に沿って流れるため、海沿いの地域等では、送風機室102の内部に位置する板金製の電気品箱4は塩害を受けやすい環境になっている。送風機室102の上部に配置される電気品箱4に表面処理として樹脂コーティングを施すことで、電気品箱4の塩害による腐食を防止することができる。塩害が生じる可能性が高い海沿いの地域では、電気品箱4の外面に樹脂コーティングを施すことが有効である。
【0090】
<電線通過口43eの構成>
図37は、実施の形態に係る冷凍サイクル装置の室外機100の電気品箱4の第1側面板43を示す側面図である。図38は、第1側面板43に形成されている電線通過口43eの拡大図である。
【0091】
図37、及び、図38に示すように、第1側面板43には、電線通過口43eが形成されており、電線通過口43eが封止部材43fにより埋められている。電線通過口43eは、電気品箱4内部の電気部品442、制御基板441、又は、電装基板443から機械室101へと延びる電線4bを通過させるための穴である。封止部材43fは、弾性変形する部材であり、弾性変形して電線4b以外の領域を封止する。封止部材43fは、例えば、ゴム製である。
【0092】
電線4bは、例えば、圧縮機1、又は、図示せぬ膨張弁などに接続される電線である。電線通過口43eの電線4b以外の領域を封止部材43fが封止しており、機械室101で仮に冷媒ガスが漏洩しても、漏洩した冷媒ガスが電線通過口43eを通過して電気品箱4に流入することが防止される。
【0093】
なお、第1側面板43は、仕切り板103の機能も有している場合、電線通過口43eは、第1側面板43にのみ設ければよく、電気品箱4と、仕切り板103との双方に設ける必要がない。このため、配線の作業性が向上する。
【0094】
<蓋部の構成>
図39は、実施の形態に係る冷凍サイクル装置の室外機100の電気品箱4の分解斜視図である。図40は、実施の形態に係る冷凍サイクル装置の室外機100の電気品箱4の蓋部45を斜め上方から見た斜視図である。図41は、実施の形態に係る冷凍サイクル装置の室外機100の電気品箱4の蓋部45を斜め下方から見た斜視図である。図42は、実施の形態に係る冷凍サイクル装置の室外機100の電気品箱4の蓋部45の分解斜視図である。
【0095】
図39図42に示すように、電気品箱4は、上方が蓋部45により覆われて密閉されている。蓋部45は、電気品箱4の内部空間を上方から覆う長方形状の部材である。蓋部45は、蓋板451と、枠板452とにより構成されている。
【0096】
蓋板451は、底板40の水平部420と平行に配置される。蓋板451は、電気品箱4の外周壁を構成している前面板41、背面板42、第1側面板43、及び、第2側面板44により形成される長方形状よりも大きい長方形状を有する。蓋板451は、電気品箱4の外周壁の上端との間に、蓋用シール材451aを挟持している。
【0097】
蓋用シール材451aは、電気品箱4の外周壁を構成している前面板41、背面板42、第1側面板43、及び、第2側面板44の上端により形成される長方形状と同じ形状に形成されている。蓋用シール材451aは、電気品箱4の前面板41、背面板42、第1側面板43、及び、第2側面板44の上端に形成されたシール受け面4cに載置された状態で、蓋板451により挟持されている。シール受け面4cは、前面板41、背面板42、第1側面板43、及び、第2側面板44の上端が、電気品箱4の内側に折り曲げられて形成された面である。このため、電気品箱4の四方すべてにおいて、蓋用シール材451aが蓋板451の下面とシール受け面4cとの間で挟持され、全周に渡って、蓋部45と電気品箱4の外周壁とがシールされる。
【0098】
枠板452は、蓋板451の外周から、蓋板451と直角をなして下方に延び、電気品箱4の外周壁の上部を覆う様に配置されている。枠板452は、前面板41、背面板42、第1側面板43、及び、第2側面板44のそれぞれの上部に対向するように配置される。枠板452は、前面板41、背面板42、第1側面板43、及び、第2側面板44のそれぞれの上部を囲っている。このため蓋部45の水平方向の移動が規制される。
【0099】
図40および図41に示すように、枠板452のうち、前面板41と対向する前面枠板452aには、前面枠板452aの下端から直角に折れ曲がり、前面板41から離れる方向に延びている前面側固定板452bが形成されている。枠板452のうち、背面板42と対向する背面枠板452cには、背面枠板452cの下端から直角に折れ曲がって背面板42から離れる方向に延びている背面側固定板452dが形成されている。
【0100】
前面側固定板452b及び背面側固定板452dには、各々の長手方向に沿って、複数の蓋部ネジ通し穴452eが形成されている。蓋部ネジ通し穴452eは、例えば、複数等間隔に配置されている。前面側固定板452bの蓋部ネジ通し穴452eは、電気品箱4の前面側支持板41gに形成された蓋用ネジ穴45aに対応する位置に形成されている。また、背面側固定板452dの蓋部ネジ通し穴452eは、電気品箱4の背面側支持板42cに形成された蓋用ネジ穴45aに対応する位置に形成されている。
【0101】
蓋部45の前面側固定板452bは、電気品箱4の前面側支持板41gに重なった状態に配置される。前面側固定板452bは、前面側固定板452bの蓋部ネジ通し穴452eを通過した蓋部ネジ453fが、前面側支持板41gに形成された蓋用ネジ穴45aにねじ込まれて、前面側支持板41gに固定される。
【0102】
同様に、蓋部45の背面側固定板452dは、蓋部ネジ453fが、背面側支持板42cに形成された蓋用ネジ穴45aにねじ込まれて、背面側支持板42cに固定される。
【0103】
ここで、前面側固定板452bは、前面板41から延びる前面側支持板41gと結合できる程度の幅を有していればよい。同様に、背面側固定板452dは、背面板42から延びる背面側支持板42cと結合できる程度の幅を有していればよい。蓋部45の前面側固定板452bが前面側支持板41gに、背面側固定板452dが背面側支持板42cに重なった状態で配置され、蓋部ネジ453fによって固定されることで、蓋部45が、電気品箱4に固定される。
【0104】
蓋部45を固定している蓋部ネジ453fとしては、例えば、タッピンネジが用いられる。タッピンネジとは、めねじ加工が施された相手材ではなく、下穴が形成された相手材に締結されるネジである。タッピンネジは、タッピンネジ自身が、相手材に形成された穴を塑性変形させることでめねじ山を形成して締結される。相手材に形成される穴は、バーリング穴であればよく、相手材の板厚が厚い場合は、単に貫通穴であってもよい。前面側支持板41gおよび背面側支持板42cに形成されている蓋用ネジ穴45aはバーリング穴であり、タッピンネジである蓋部ネジ453fがねじ込まれることで、めねじ加工が施される。
【0105】
なお、筐体100aの天面パネル108を、電気品箱4の内部空間を上方から覆う蓋として利用する構成であってもよい。この場合、蓋部45を省くことができるため、部品点数を削減できる。
【0106】
<電気品箱4の固定>
図43は、実施の形態に係る冷凍サイクル装置の室外機100の電気品箱4を固定する構成について説明する側面模式図である。図44は、電気品箱4の前面側の固定について説明する側面模式図であって、図43の点線円Gを拡大した図である。図45は、電気品箱4の背面側の固定について説明する側面模式図であって、図43の点線円Hを拡大した図である。
【0107】
図43図44、及び、図45に示すように、電気品箱4は、前面板41の前面側支持板41gが前面パネル104に取り付けられ、背面板42の背面側支持板42cがモータ支持部材2cに取り付けられて、送風機室102内のプロペラファン2aと天面パネル108との間の空間に固定されている。蓋部45の前面側固定板452bが固定される前面側支持板41gの一部には、前方に突出した前面固定片41hが形成されている。前面固定片41hの先端は、上方に折れ曲がった前面固定部41iになっており、前面固定部41iには固定ネジ穴が形成されている。前面固定片41hは、前面側支持板41gの長手方向における一部に形成されていて、ここでは電気品箱4の左右方向における中央部分に形成されている。
【0108】
電気品箱4は、前面固定部41iが前面パネル104の内面に沿うように配置され、前面パネル104に形成されたネジ通し穴を通ったパネル固定ネジ104dが前面固定部41iの固定ネジ穴に螺入することで、電気品箱4が前面パネル104に固定される。パネル固定ネジ104dの頭は、前面パネル104の外面側に位置するが、天面パネル108の外周縁に形成されている折り返し片がパネル固定ネジ104dの頭の外側に位置して、パネル固定ネジ104dの頭を露出させない。
【0109】
また、蓋部45の背面側固定板452dが固定される背面側支持板42cの一部が、蓋部45の背面側固定板452dと、モータ支持部材2cの上端との間に挟まれている。この部分では、蓋部ネジ453fによって、蓋部45の背面側固定板452dと背面側支持板42cとが、モータ支持部材2cの上端に共締めされることで、電気品箱4がモータ支持部材2cに固定される。
【0110】
背面側支持板42cには、複数の蓋用ネジ穴45aが形成されている。一方、背面側支持板42cにおいて、背面側固定板452dとモータ支持部材2cの上端との間に挟まれる部位では、蓋用ネジ穴45aに代わって、蓋用ネジ穴45aよりも内径が大きく、背面側支持板42cを貫通するだけのネジ通し穴が形成されている。
【0111】
<天板パネルの構成>
図46は、実施の形態に係る冷凍サイクル装置の室外機100の天面パネル108の平面図である。図47は、天面パネル108を内面側から見ている斜視図である。
【0112】
図46、及び、図47に示すように、天面パネル108の内面には、緩衝材108aが張り付けられている。緩衝材108aは、電気品箱4の蓋部45の外面に張り付けられていてもよい。緩衝材108aは、板金製である天面パネル108と、板金製である電気品箱4の蓋部45との間に介在し、天面パネル108と蓋部45との接触を防止するとともに、天面パネル108と蓋部45との隙間を塞いで、熱交換器3を通過した空気が天面パネル108と蓋部45との間を流れることを防止する。
【0113】
帯状に形成された複数の緩衝材108aが、長方形状の天面パネル108の長辺に沿って設けられ、1つ以上の緩衝材108aが蓋部45を左右方向に跨いで蓋部45と接するようにするとよい。緩衝材108aが蓋部45の空気流Fにおける上流側の端部に接していることが好ましい。また、緩衝材108aは、帯状に形成され、平面視で矩形状に蓋部45の四方の縁に沿うように配置されていてもよい。緩衝材108aは、天面パネル108と電気品箱4の蓋部45との隙間を塞ぐためのものである。
【0114】
天面パネル108と電気品箱4の蓋部45との隙間を緩衝材108aで塞ぐことで、送風機室102の内部に吸い込まれ熱交換器3を通過した空気が、当該隙間を流れることがなくなる。このため、電気品箱4の傾斜部410に沿って流れる空気の風量が増加し、ヒートシンク430及び底板40の冷却効果が向上する。
【0115】
以上説明した、実施の形態に係る冷凍サイクル装置の室外機100によれば、電気品箱4の底板40が、空気流Fの上流側が下流側よりも上方に位置している傾斜部410と傾斜部410の下流側から水平方向に延びる水平部420とにより構成されている。そのため、空気流Fと直交する面における電気品箱4の投影面積における上下方向の高さを増大させずに、収納される制御用部品の設置面積を増加させた電気品箱4を送風機2の上方に配置することができる。
【0116】
また、傾斜部410に形成された底面開口411からヒートシンク430の複数のフィン404が突出しているため、ヒートシンク430の冷却に十分な空気量が得られる。
【0117】
また、複数のフィン404は、空気流Fに直交する方向であって、筐体100aの左右方向と平行な方向に並列されているため、ヒートシンク430による冷却効率が向上する。
【0118】
また、基板ケース463を貫通している第2ネジ463dと、底板40との間に第1シール材402aが挟持されており、基板ケース463と底板40との間に第2シール材402bが挟持されている。また、基板ケース463とヒートシンク430のベース板403との間に第3シール材402cが挟持されている。このため、仮に冷媒が漏洩し、漏洩冷媒が送風機室102に流入したとしても、ヒートシンク430が突出する底面開口411から電気品箱4内への漏洩冷媒ガスの流入が防止されるとともに、底板40を通過し、基板ケース463を固定する第2ネジ463dのネジ通し穴からの漏洩冷媒ガスの流入が防止される。
【0119】
また、電気品箱4が、熱交換器3に対して、上面視において距離D1以上隔てて配置されている。そのため、電気品箱4が、電気品箱4と対向する熱交換器3上部の空気流Fの通過を阻害せず、熱交換器3上部も空気が通過する。送風機室102の上部に配置された電気品箱4によって熱交換器3の熱交換能力が低下することがない。
【0120】
また、電気品箱4の底板40には、台座板444aと、台座板444aから延びて底板
40に固定される第1取付板444b及び第2取付板444cにより構成される台座部品444が固定されていて、台座板444aと底板40との間に空間が形成される。そのため、台座板444a上に電気部品442が台座用ネジ444eで固定される場合にも、台座用ネジ444eの先端が電気品箱4の底板40から外部に突出することがない。このため、漏洩冷媒ガスの流入箇所となり得る、突出するネジによって生じるシールされていない部分が形成されることがなく、さらに電気品箱4の取付作業の際の安全性が保たれる。
【0121】
また、台座部品444は、傾斜部410と、水平部420とに跨がって固定されている。このため、水平部420の前後幅よりも前後方向に長い平面部分を確保することができ、前後方向の寸法が水平部420の前後幅よりも大きい電気部品442であっても水平部420に平行な台座板444aに設置することができる。
【0122】
また、台座部品444が水平部420に固定されており、電気部品442を固定する台座用ネジ444eの先端が台座板444aと水平部420との間に収まる。このため、電気部品442もしくはアース端子405を固定する台座用ネジ444eの先端が電気品箱4の底板40から外部に突出してしまうことがない。
【0123】
また、電気品箱4の傾斜部410は接続部品445が固定され、その接続部品445にアース端子405がネジで固定されているので、ネジの先端が電気品箱4の底板40から外部に突出しない。そのため、漏洩冷媒ガスの流入箇所となり得る、突出するネジによって生じるシールされていない部分が形成されることがなく、さらに電気品箱4の取付作業の際の安全性が保たれる。
【0124】
また、接続部品445が、接続板445aと、接続板445aから延びる第1脚部445b、及び、第2脚部445cを有するため、接続板445aと、底板40との間に空間が形成される。このため、電気部品442、電装基板443、又は、アース端子405をネジで接続部品445に固定する場合に、そのネジの先端が電気品箱4の底板40から外部に突出してしまうことがない。
【0125】
また、電装基板443を固定する固定部材446の先端が接続板445aと電気品箱4の底板40との間の空間に収められるので、固定部材446を接続部品445の固定穴445eに挿入して、樹脂製の固定部材446で電装基板443を接続部品445の接続板445a上に固定することができる。そのため、電装基板443を板金製の接続部品445および電気品箱4から絶縁された状態に保つことができる。
【0126】
また、電気品箱4の機械室側に位置する側壁であり長方形状をなす第1側面板43の下端が、仕切り板103の上端に接しており、第1側面板43が機械室101の上部と送風機室102の上部とを区画する役目を担うことができる。このため、仕切り板103だけで機械室101と送風機室102とを区画して仕切り板103と第1側面板43とが左右に並ぶ形態に比べて板材の使用量を削減でき、省資源化が図れる。
【0127】
また、第1側面板43には、機械室101に配置される機器と、電気品箱4内の制御基板441、電装基板443、若しくは、電気部品442とを接続する電線4bが通過する電線通過口43eが設けられている。第1側面板43が機械室101の上部と送風機室102の上部とを区画しているため、電線4bは第1側面板43の電線通過口43eを通過するだけでよく、さらに仕切り板103を通過する必要がなくなる。このため、作業者の配線作業性が向上する。
【0128】
また、電線通過口43eには封止部材43fが設けられているため、仮に機械室101で冷媒が漏洩したとしても、漏洩した冷媒ガスが、電線通過口43eから電気品箱4に流入することが防止される。
【0129】
また、蓋部45の蓋板451の下面と電気品箱4の外周壁の上端に設けられたシール受け面4cとの間には蓋用シール材451aが挟持されているので、蓋部45と電気品箱4の外周壁とが全周に渡ってシールされる。
【符号の説明】
【0130】
1 圧縮機、2 送風機、2a プロペラファン、2b モータ、2c モータ支持部材、3 熱交換器、4 電気品箱、4a 板金部品、4b 電線、4c シール受け面、40 底板、41 前面板、41a 上方の端部、41b 下方の端部、41g 前面側支持板、41h 前面固定片、41i 前面固定部、42 背面板、42a 上方の端部、42b 下方の端部、42c 背面側支持板、43 第1側面板、43a 上方の端部、43b 下方の端部、43c 上流側端部、43d 下流側端部、43e 電線通過口、43f 封止部材、43g 水平面部、44 第2側面板、44a 上方の端部、44b 下方の端部、44c 上流側端部、44d 下流側端部、44e 傾斜端部、44f 水平端部、45 蓋部、45a 蓋用ネジ穴、100 室外機、100a 筐体、101 機械室、102 送風機室、103 仕切り板、104 前面パネル、104a 吹き出し口、104b ファンガード、104c ベルマウス、104d パネル固定ネジ、105 左側面パネル、105a 吸い込み口、106 右側面パネル、107 背面パネル、108 天面パネル、108a 緩衝材、109 底面パネル、402a 第1シール材、402b 第2シール材、402c 第3シール材、403 ベース板、403a 第1面、404 フィン、405 アース端子、410 傾斜部、410a 上流側端部、410b 下流側端部、410c 右側端部、411 底面開口、420 水平部、420a 上流側端部、420b 下流側端部、420c 右側端部、430 ヒートシンク、431 本体領域、432 はみ出し領域、441 制御基板、442 電気部品、443 電装基板、444 台座部品、444a 台座板、444b 第1取付板、444c 第2取付板、444d 固定板部、444e 台座用ネジ、444f 台座板用ネジ穴、445 接続部品、445a 接続板、445b 第1脚部、445c 第2脚部、445d 固定板部、445e 固定穴、446 固定部材、446a 基部、446b 固定部、446c スペーサ、446d 第1くびれ部、446e 第2くびれ部、446f 裾部、451 蓋板、451a 蓋用シール材、452 枠板、452a 前面枠板、452b 前面側固定板、452c 背面枠板、452d 背面側固定板、452e 蓋部ネジ通し穴、453f 蓋部ネジ、463 基板ケース、463a 樹脂ケース、463b 樹脂ホルダー、463c 第1ネジ、463d 第2ネジ、463e 第3ネジ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37
図38
図39
図40
図41
図42
図43
図44
図45
図46
図47