(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-26
(45)【発行日】2024-10-04
(54)【発明の名称】工程管理装置
(51)【国際特許分類】
G05B 19/418 20060101AFI20240927BHJP
H05K 13/00 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
G05B19/418 Z
H05K13/00 Z
(21)【出願番号】P 2023534493
(86)(22)【出願日】2021-07-13
(86)【国際出願番号】 JP2021026371
(87)【国際公開番号】W WO2023286178
(87)【国際公開日】2023-01-19
【審査請求日】2024-05-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000237271
【氏名又は名称】株式会社FUJI
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】深尾 和也
【審査官】石田 宏之
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-91223(JP,A)
【文献】特許第6475173(JP,B2)
【文献】特許第6243346(JP,B2)
【文献】特許第7176109(JP,B2)
【文献】特許第7044935(JP,B2)
【文献】国際公開第2021/220519(WO,A1)
【文献】特開平11-232339(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 19/418
H05K 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイと、
実装装置が部品を基板に実装するための実装関連工程であって、複数個の部分工程を含む前記実装関連工程の計画を示す計画画像を前記部分工程毎に前記ディスプレイに表示させる第1の表示制御部と、
前記実装関連工程の計画に基づいて前記実装関連工程が実施されている場合に、前記実装関連工程の進捗を示す進捗画像を前記部分工程毎に前記計画画像と共に前記ディスプレイに表示させる第2の表示制御部と、
前記実装関連工程の計画に基づいて前記実装関連工程が実施されている場合において、前記実装関連工程の計画に対して前記実装関連工程の進捗が遅れているときに、前記実装関連工程の計画に対する前記実装関連工程の進捗の遅れを示す遅延画像を、前記実装関連工程のうち、当該遅れが発生している前記部分工程に対応付けて、前記計画画像と共に前記ディスプレイに表示させる第3の表示制御部と、
を備える、工程管理装置。
【請求項2】
前記第3の表示制御部は、前記遅延画像を、前記遅れが発生している第1の前記部分工程の計画を示す第1の部分計画画像に対応付けて前記ディスプレイに表示させる、請求項1に記載の工程管理装置。
【請求項3】
前記第1の表示制御部は、前記第1の部分計画画像と、前記第1の部分工程の次工程である第2の前記部分工程の計画を示す第2の部分計画画像と、を時間軸に沿って並べて前記ディスプレイに表示させ、
前記第3の表示制御部は、前記遅延画像を、前記第1の部分計画画像と、前記第2の部分計画画像と、の間に配置して前記ディスプレイに表示させ、
前記第1の表示制御部は、前記第2の部分計画画像を、前記遅延画像によって示される時間だけ遅れた位置に配置して前記ディスプレイに表示させる、請求項2に記載の工程管理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示する技術は、実装装置が部品を基板に実装するための実装関連工程を管理するための工程管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の部分工程を備える実装関連工程が計画の通りに実施されているのか否かの進捗を管理するための工程管理装置が知られている。例えば、特許文献1には、鉄鋼業の製鋼プロセスにおいて、現在の操業にて操業計画と操業実績とを比較して、以降の操業にて操業計画から遅れが生じる工程を予測する操業変動予測処理を行う装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
実装関連工程が実施される場合においても、実装関連工程の進捗が計画から遅れる場合がある。例えば、特許文献1の技術を実装関連工程に採用することが想定される。この場合、以降の操業において遅れが生じる部分工程が予測されるに過ぎず、現在の操業中に、どの部分工程で遅れが生じているのかを知らせることができない。
【0005】
本明細書は、計画に基づいて実装関連工程が実施されている場合において、遅れが発生している部分工程を知らせるための技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書が開示する工程管理装置は、ディスプレイと、実装装置が部品を基板に実装するための実装関連工程であって、複数個の部分工程を含む前記実装関連工程の計画を示す計画画像を前記部分工程毎に前記ディスプレイに表示させる第1の表示制御部と、前記実装関連工程の計画に基づいて前記実装関連工程が実施されている場合に、前記実装関連工程の進捗を示す進捗画像を前記部分工程毎に前記計画画像と共に前記ディスプレイに表示させる第2の表示制御部と、前記実装関連工程の計画に基づいて前記実装関連工程が実施されている場合において、前記実装関連工程の計画に対して前記実装関連工程の進捗が遅れているときに、前記実装関連工程の計画に対する前記実装関連工程の進捗の遅れを示す遅延画像を、前記実装関連工程のうち、当該遅れが発生している前記部分工程に対応付けて、前記計画画像と共に前記ディスプレイに表示させる第3の表示制御部と、を備える。
【0007】
このような構成によれば、計画に基づいて実装関連工程が実施されている場合において、実装関連工程の計画を示す計画画像と共に、実装関連工程の計画に対する実装関連工程の進捗の遅れを示す遅延画像が、遅れが発生している部分工程に対応付けて表示される。遅延画像により、遅れが発生している部分工程を知らせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】実装関連工程を管理する処理のシーケンス図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に説明する実施例の主要な特徴を列記しておく。なお、以下に記載する技術要素は、それぞれ独立した技術要素であって、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時の請求項に記載の組合せに限定されるものではない。
【0010】
(特徴1) 前記第3の表示制御部は、前記遅延画像を、前記遅れが発生している第1の前記部分工程の計画を示す第1の部分計画画像に対応付けて前記ディスプレイに表示させてもよい。このような構成によれば、第1の部分計画画像を見たユーザが、第1の部分工程の進捗に遅れが発生していることを知ることができる。
【0011】
(特徴2) 前記第1の表示制御部は、前記第1の部分計画画像と、前記第1の部分工程の次工程である第2の前記部分工程の計画を示す第2の部分計画画像と、を時間軸に沿って並べて前記ディスプレイに表示させ、前記第3の表示制御部は、前記遅延画像を、前記第1の部分計画画像と、前記第2の部分計画画像と、の間に配置して前記ディスプレイに表示させ、前記第1の表示制御部は、前記第2の部分計画画像を、前記遅延画像によって示される時間だけ遅れた位置に配置して前記ディスプレイに表示させてもよい。
【0012】
例えば、第1の部分工程の進捗が遅れる場合には、第2の部分工程の進捗を示す画像(以下では、「第2の部分進捗画像」と記載)が、第1の部分工程の進捗の遅れの分だけ遅れた位置に配置される。例えば、第1の部分工程の進捗が遅れている状況において、第2の部分計画画像が、当初の計画通りの位置に配置される比較例が想定される。この比較例では、第2の部分進捗画像の開始時間が、第2の部分計画画像の開始時間に対して第1の部分工程の進捗の遅れの分だけ遅れて見える。例えば、第1の部分工程の終了時間が遅れたことに起因して第2の部分工程の開始時間が遅れたものの、第2の部分工程が計画通りに進捗している特定の場合を想定する。この場合には、ユーザは、遅れて見える第2の部分進捗画像を見て、第2の部分工程の進捗が計画に対して遅れていると誤って認識する可能性がある。これに対して、上記の構成によれば、第2の部分計画画像が第1の部分工程の進捗の遅れの分だけ遅れた位置に配置される。このため、第2の部分進捗画像の開始時間が、第2の部分計画画像の開始時間と揃って見える。例えば、上記の特定の場合において、ユーザは、第2の部分進捗画像の開始時間と第2の部分計画画像の開始時間とが揃っているので、第2の部分工程の進捗が計画に対して遅れていると誤って認識することを抑制することができる。
【0013】
(第1実施例)
(部品実装システム2;
図1)
図1に示すように、部品実装システム2は、管理端末10と、ピッキング端末100と、段取り端末200と、実装装置300と、を備える。各装置10、100、200、300は、ローカルエリアネットワーク4(以下では「LAN4」と記載)に接続されている。各装置10、100、200、300は、LAN4を介して、互いに通信可能である。管理端末10、ピッキング端末100、及び、段取り端末200は、デスクトップPC、ノートPC、タブレット端末、スマートフォン、ハンディターミナル等の端末装置である。実装装置300は、電子部品を基板に実装する装置である。具体的には、実装装置300は、複数の電子部品を収容する部品フィーダを取り付け可能なカセットと、基板を実装装置300内へと搬送する搬送装置と、部品フィーダから供給された電子部品を搬送装置によって搬送された基板上に実装する実装ユニットと、を備える。
【0014】
ピッキング端末100は、ピッキング作業者によって操作される端末装置である。ピッキング作業者は、基板と部品フィーダの在庫を管理する倉庫から、実装装置300で利用される部品(即ち基板と部品フィーダ)をピッキングする(収集する)。なお、ピッキング作業者によって実施される工程を以下では、「ピッキング工程」と記載する。ピッキング工程は、倉庫内の各部品を識別するコード(例えばバーコード)をピッキング端末100で読み取る作業を含む。なお、変形例では、ピッキング工程は、ピッキング作業者に限らず、ロボットによって実施されてもよい。この場合、ロボットを制御する制御装置が、ピッキング端末として機能してもよい。
【0015】
段取り端末200は、外段取り作業者によって操作される端末装置である。外段取り作業者は、ピッキング工程によってピッキングされた部品を実装装置300の周囲まで搬送して、実装装置300の周囲の所定の位置に配置する外段取りを実施する。なお、外段取り作業者によって実施される工程を以下では、「外段取り工程」と記載する。なお、変形例では、外段取り工程は、外段取り作業者に限らず、ロボットによって実施されてもよい。この場合、ロボットを制御する制御装置が、段取り端末として機能してもよい。
【0016】
管理端末10は、実装装置300が電子部品を基板に実装するための実装関連工程の計画を示す計画データを作成し、さらに、実装関連工程の進捗を管理するための端末装置である。実装関連工程は、上記のピッキング工程と外段取り工程に加えて、内段取り工程と、生産工程と、を含む。内段取り工程は、内段取り作業者が、外段取り工程で所定の位置に配置された部品を実装装置300の搬送装置及びカセットに取り付ける工程である。内段取り工程によって実装装置300に取り付けられたカセット内の部品は、生産工程において、実装装置300によって基板に実装される。なお、変形例では、内段取り工程は、内段取り作業者に限らず、ロボットによって実施されてもよい。この場合、管理端末10が、ロボットを制御する制御装置として機能してもよい。
【0017】
管理端末10は、通信インターフェース12と、ディスプレイ14と、操作部16と、制御部30と、を備える。なお、以下では、「インターフェース」を、「I/F」と省略して記載する。
【0018】
通信I/F12は、LAN4を介した通信を実行するためのI/Fであり、LAN4に接続されている。ディスプレイ14は、様々な情報を表示する。操作部16は、ユーザの指示を受け付ける複数個のキー(例えばキーボード)を含む。なお、ディスプレイ14は、ユーザの指示を受け付けるためのタッチスクリーン(即ち操作部16)として機能してもよい。
【0019】
制御部30は、CPU32と、メモリ34と、を備える。CPU32は、メモリ34に記憶されているプログラム40に従って、様々な処理を実行する。メモリ34は、揮発性メモリ、不揮発性メモリ等によって構成される。プログラム40は、実装関連工程の作成とその進捗の管理とを実行するためのアプリケーションプログラムである。プログラム40は、例えば、実装装置300のベンダによって提供され、管理端末10のユーザによって管理端末10にインストールされる。
【0020】
(実装関連工程を管理する処理;
図2、
図3)
図2の処理は、部品実装システム2によって実現される。なお、以下では、各デバイスの各CPU(例えば管理端末10のCPU32等)が実行する処理について、理解の容易さの観点から、各CPUを主体として記載せずに、各デバイス(例えば管理端末10等)を主体として記載する。また、以下では、管理端末10と他の装置(例えばピッキング端末100)との間では、LAN4及び通信I/F12を介して、通信が実行される。ただし、以下では、特に言及しない限り、「LAN4を介して」及び「通信I/F12を介して」という説明を省略する。
【0021】
ユーザは、管理端末10の操作部16を操作して、プログラム40を起動する。ユーザは、T10において、プログラム40に従って表示されるグラフィカルユーザインターフェースと操作部16とを利用して、計画データを生成する。計画データは、1種類の生産対象(部品が実装された基板(即ち、回路基板))に関連する実装関連工程の計画を示すデータである。計画データは、実装関連工程内の各工程(例えばピッキング工程等)のそれぞれについて、開始時間と終了時間とを含む。なお、変形例では、複数種類の生産対象に関連する実装関連工程の計画を示す計画データが生成されてもよい。
【0022】
T12A~T12Cでは、管理端末10は、ピッキング端末100、段取り端末200、実装装置300のそれぞれに、T10で生成した計画データ(以下では、「対象の計画データ」と記載)を送信する。これにより、各装置100、200、300は、対象の計画データによって示される実装関連工程の計画を示す画面を表示する。
【0023】
本ケースでは、ユーザは、対象の計画データによって示される計画に基づく実装関連工程を開始する。T20では、ユーザは、管理端末10の操作部16を操作して、実装関連工程を管理するための管理画面(例えば
図3のS1)をディスプレイ14に表示させる。詳細は後述するが、管理端末10は、管理画面の表示後に、各装置100、200、300から進捗データを受信して、進捗データによって示される進捗画像を管理画面内に表示する。進捗データは、実装関連工程の進捗を示すデータである。
【0024】
図3の管理画面S1は、実装関連工程が開始された直後における管理画面を示す。管理画面S1は、対象の計画データによって示される実装関連工程の計画を示す計画画像L1と、当該実装関連工程の進捗を示す進捗画像R1と、更新ボタンBTと、を含む。
【0025】
計画画像L1は、4個の部分計画画像を含む。4個の部分計画画像は、ピッキング工程の部分計画画像と、外段取り工程の部分計画画像と、内段取り工程の部分計画画像と、生産工程の部分計画画像と、を含む。4個の部分計画画像は、ピッキング工程、外段取り工程、内段取り工程、及び、生産工程の順序で、時間軸に沿って並べられている。例えば、ピッキング工程を示す部分計画画像は、矩形であり、当該矩形の左端辺が、ピッキング工程の開始時間を示し、当該矩形の右端辺が、ピッキング工程の終了時間を示す。
【0026】
また、管理画面S1が表示されるタイミングでは、最初のピッキング工程が未だ開始されていない。このため、管理画面S1内の進捗画像R1は、空白の画像である。
【0027】
更新ボタンBTは、管理画面内の画像(即ち、計画画像及び進捗画像)を更新するためのボタンである。更新ボタンBTが選択されると、管理端末10は、各装置100、200、300から受信した進捗データに基づいて、管理画面内の画像を更新する。なお、変形例では、管理画面S1は、更新ボタンBTを含まなくてもよい。この場合、管理端末10は、受信済みの進捗データに基づいて、管理画面内の画像を定期的に自動更新してもよい。
【0028】
図2に戻り、説明を続ける。本ケースでは、管理端末10のユーザは、実装関連工程を開始する指示をピッキング作業者に伝える。ピッキング作業者は、T22において、ピッキング端末100を操作して、ピッキング工程の開始を示す情報をピッキング端末100に入力する。
【0029】
ピッキング端末100は、T24において、ピッキング工程の進捗を示すピッキング進捗データを管理端末10に定期的に送信する。ピッキング進捗データは、T22の開始からの経過時間を含む。なお、変形例では、ピッキング端末100は、ピッキング作業者が個々の部品をピッキングする毎に、ピッキング進捗データを管理端末10に送信してもよい。
【0030】
ピッキング作業者は、ピッキング工程が終了すると、T26において、ピッキング端末を操作して、ピッキング工程の終了を示す情報をピッキング端末100に入力する。これにより、ピッキング端末100は、ピッキング工程の終了を示す終了データを管理端末10に送信する。そして、管理端末10は、ピッキング端末100からの終了データの受信後に、外段取り工程の開始予定時間が到来する場合に、外段取り工程の開始を外段取り作業者に伝える。例えば、管理端末10は、外段取り工程の開始を示す通知を段取り端末200に送信する。
【0031】
外段取り作業者は、T32において、段取り端末200を操作して、外段取り工程の開始を示す情報を段取り端末200に入力する。
【0032】
段取り端末200は、T34において、外段取り工程の進捗を示す外段取り進捗データを管理端末10に定期的に送信する。外段取り進捗データは、T32の開始からの経過時間を含む。なお、変形例では、段取り端末200は、外段取り作業者が外段取り工程内の個々の工程を終える毎に、外段取り進捗データを管理端末10に送信してもよい。
【0033】
本ケースでは、管理端末10のユーザは、外段取り工程の実施途中において、管理画面S1内の更新ボタンBTを選択する。これにより、管理端末10は、
図3に示す管理画面S2をディスプレイ14に表示させる。
【0034】
管理画面S2は、管理画面S1内の進捗画像R1から更新された進捗画像R2を含む点を除いて、管理画面S1と同様である。進捗画像R2は、ピッキング工程の進捗を示す部分進捗画像と、外段取り工程の進捗を示す部分進捗画像と、を含む。部分進捗画像は、部分計画画像と同様に、矩形であり、当該矩形の左端辺が、当該部分進捗画像によって示される工程の開始時間を示し、当該矩形の右端辺が、当該工程の進捗状況(即ち開始時間からの経過時間)を示す。
【0035】
本ケースでは、対象の計画データによって示されるピッキング工程の計画に対して、ピッキング工程の進捗に遅れはない。このため、管理画面S2では、ピッキング工程の部分計画画像の開始時間とピッキング工程の部分進捗画像の開始時間とが、時間軸上で揃っている。さらに、管理画面S2では、ピッキング工程の部分計画画像の終了時間とピッキング工程の部分進捗画像の終了時間とが、時間軸上で揃っている。また、本ケースでは、外段取り工程が計画通りに開始される。このため、管理画面S2では、外段取り工程の部分計画画像の開始時間と外段取り工程の部分進捗画像の開始時間とが、時間軸上で揃っている。なお、現時点では、外段取り工程は実施途中なので、管理画面S2内の外段取り工程の部分進捗画像の右端辺は、外段取り工程の部分計画画像の右端辺よりも前の時間を示す。
【0036】
図2に戻り、説明を続ける。本ケースでは、対象の計画データによって示される計画に対して外段取り工程の進捗が遅れる。外段取り作業者による外段取り工程が終了すると、T36において、段取り端末200を操作して、外段取り工程の終了を示す情報を段取り端末200に入力する。これにより、段取り端末200は、外段取り工程の終了を示す終了データを管理端末10に送信する。そして、管理端末10は、段取り端末200からの終了データの受信後に、内段取り工程の開始予定時間が到来する場合に、内段取り工程の開始を内段取り作業者に伝える。例えば、管理端末10は、内段取り工程の開始を示す通知を段取り端末200に送信する。
【0037】
内段取り作業者は、T42において、実装装置300を操作して、内段取り工程の開始を示す情報を実装装置300に入力する。
【0038】
実装装置300は、T44において、内段取り工程の進捗を示す内段取り進捗データを管理端末10に定期的に送信する。内段取り進捗データは、T42の開始からの経過時間を含む。なお、変形例では、実装装置300は、内段取り作業者が内段取り工程内の個々の工程を終える毎に、内段取り進捗データを管理端末10に送信してもよい。
【0039】
内段取り作業者は、内段取り工程が終了すると、T46において、実装装置300を操作して、内段取り工程の終了を示す情報を実装装置300に入力する。
【0040】
本ケースでは、内段取り作業者は、T52において、実装装置300を操作して、生産工程の開始を示す情報を実装装置300に入力する。
【0041】
実装装置300は、T54において、生産工程の進捗を示す生産進捗データを管理端末10に定期的に送信する。生産進捗データは、T52の開始からの経過時間を含む。
【0042】
本ケースでは、管理端末10のユーザは、内段取り工程の実施途中において、管理画面S2内の更新ボタンBTを選択する。これにより、管理端末10は、
図3に示す管理画面S3をディスプレイ14に表示させる。
【0043】
管理画面S3は、管理画面S2内の進捗画像R2から更新された進捗画像R3と、管理画面S2内の計画画像L1から更新された計画画像L3と、を含む点を除いて、管理画面S2と同様である。進捗画像R3は、外段取り工程の部分進捗画像の右端辺が当該段取り工程の終了時間を示す位置まで延びている点と、内段取り工程の部分進捗画像が追加されている点と、を除いて、管理画面S2内の進捗画像R3と同様である。
【0044】
また、計画画像L3は、遅延画像が追加されている点と、内段取り工程の部分計画画像と生産工程の部分計画画像との双方が当該遅延画像によって示される時間だけ遅れた位置に配置されている点と、を除いて、計画画像L1と同様である。ここで、遅延画像は、外段取り工程の計画に対して外段取り工程の進捗が遅れた時間を示す。
図3に示すように、遅延画像は、外段取り工程の部分計画画像と、内段取り工程の部分計画画像と、の間に配置される。遅延画像は、矩形であり、当該矩形の時間軸に沿った幅が、計画に対して進捗が遅れた時間を示す。本ケースでは、遅延画像の左端辺が、外段取り工程の部分計画画像の右端辺であり、遅延画像の右端辺が、遅延した外段取り工程の終了時間を示す。
【0045】
図3に示すように、管理画面S3では、遅延画像の終了時間と外段取り工程の部分進捗画像の終了時間とが、時間軸上で揃っている。また、内段取り工程の開始時間と内段取り工程の部分進捗画像の開始時間とが、時間軸上で揃っている。
【0046】
(本実施例の効果)
本実施例の構成によれば、対象の計画データによって示される計画に基づいて実装関連工程が実施されている場合において、実装関連工程の計画に対する実装関連工程の進捗の遅れを示す遅延画像が、実装関連工程のうち、当該遅れが発生している外段取り工程の部分計画画像に隣接して、ディスプレイ14に表示される(
図3の管理画面S3)。外段取り工程に隣接する遅延画像により、外段取り工程で遅れが発生していることをユーザに知らせることができる。なお、遅れが発生する工程は、外段取り工程に限らず、他の工程(例えばピッキング工程等)であってもよい。
【0047】
また、例えば、外段取り工程の進捗が遅れている状況において、内段取り工程の部分計画画像が、当初の計画通りの位置に配置される比較例が想定される。この比較例では、内段取り工程の部分進捗画像の開始時間が、内段取り工程の部分計画画像の開始時間に対して、外段取り工程の進捗の遅れの分だけ遅れて見える(
図3の管理画面S3内の破線参照)。例えば、外段取り工程の終了時間が遅れたことに起因して内段取り工程の開始時間が遅れたものの、内段取り工程が計画通りに進捗している特定の場合を想定する。この場合には、ユーザは、遅れて見える内段取り工程の部分進捗画像を見て、内段取り工程の進捗が計画に対して遅れていると誤って認識する可能性がある。これに対して、本実施例の構成によれば、内段取り工程の部分計画画像が、外段取り工程の進捗の遅れの分だけ遅れた位置に配置される。このため、内段取り工程の部分進捗画像の開始時間が、内段取り工程の部分計画画像の開始時間と揃って見える。例えば、上記の特定の場合において、内段取り工程の部分進捗画像の開始時間と内段取り工程の部分計画画像の開始時間が揃っているので、ユーザは、内段取り工程の進捗が計画に対して遅れていると誤って認識することを抑制することができる。
【0048】
(対応関係)
管理端末10、ディスプレイ14、実装装置300が、それぞれ、「工程管理装置」、「ディスプレイ」、「実装装置」の一例である。ピッキング工程、外段取り工程、内段取り工程、生産工程が、「複数個の部分工程」の一例である。計画画像L3、進捗画像R3、管理画面S3内の遅延画像が、それぞれ、「計画画像」、「進捗画像」、「遅延画像」の一例である。外段取り工程と、内段取り工程とが、それぞれ、「第1の部分工程」、「第2の部分工程」の一例である。管理画面S3内の外段取り工程の部分計画画像と、管理画面S3内の内段取り工程の部分計画画像とが、それぞれ、「第1の部分計画画像」、「第2の部分計画画像」の一例である。
【0049】
管理画面S3内の計画画像L3をディスプレイ14に表示させる制御部30、管理画面S3内の進捗画像R3をディスプレイ14に表示させる制御部30、管理画面S3内の遅延画像をディスプレイ14に表示させる制御部30が、それぞれ、「第1の表示制御部」、「第2の表示制御部」、「第3の表示制御部」の一例である。
【0050】
(第2実施例)
本実施例では、複数種類の生産対象に関連する実装関連工程が実施される。具体的には、実装関連工程は、第1の生産対象を生産するための第1の部分工程と、第2の生産対象を生産するための第2の部分工程と、第3の生産対象を生産するための第3の部分工程と、を含む。第1~第3の部分工程のそれぞれは、ピッキング工程、外段取り工程、内段取り工程、及び、生産工程を含む。なお、変形例では、第1~第3の部分工程のそれぞれは、少なくとも生産工程を含み、ピッキング工程、外段取り工程及び、内段取り工程のうちのいずれかを含まなくてもよい。
【0051】
図4の管理画面S5は、本実施例で実装関連工程が開始された直後における管理画面を示す。管理画面S5は、第1~第3の部分工程を含む実装関連工程の計画を示す計画画像L5と、当該実装関連工程の進捗を示す進捗画像R5と、更新ボタンBTと、を含む。なお、現時点では、最初の第1の部分工程が未だ開始されていないため、管理画面S5内の進捗画像R5は、空白の画像である。
【0052】
そして、ユーザは、第2の生産対象の第2の部分工程の実施途中において、管理画面S5内の更新ボタンBTを選択する。これにより、管理端末10は、
図4に示す管理画面S6をディスプレイ14に表示させる。
【0053】
管理画面S6は、管理画面S5内の進捗画像R5から更新された進捗画像R6と、管理画面S6内の計画画像L5から更新された計画画像L6と、を含む点を除いて、管理画面S5と同様である。進捗画像R6は、第1の部分工程の部分進捗画像と、第2の部分工程の部分進捗画像と、を含む点を除いて、進捗画像R5と同様である。
【0054】
また、計画画像L6は、遅延画像が追加されている点と、第2の部分工程の部分計画画像と第3の部分計画画像との双方が当該遅延画像によって示される時間だけ遅れた位置に配置されている点と、を除いて、計画画像L5と同様である。ここで、遅延画像は、第1の部分工程の計画に対して第1の部分工程の進捗が遅れた時間を示す。
【0055】
図4に示すように、遅延画像は、第1の部分工程の部分計画画像と、第2の部分工程の部分計画画像と、の間に配置される。管理画面S6では、遅延画像の終了時間と第1の部分工程の部分進捗画像の終了時間とが、時間軸上で揃っている。また、第2の部分工程の開始時間と第2の部分工程の部分進捗画像の開始時間とが、時間軸上で揃っている。
【0056】
本実施例でも、第1の部分工程に隣接する遅延画像により、第1の部分工程で遅れが発生していることをユーザに知らせることができる。さらに、第2の部分工程の部分進捗画像の開始時間と第2の部分工程の部分計画画像の開始時間とが揃っているので、第2の部分工程の進捗が計画に対して遅れていると誤って認識することを抑制することができる。
【0057】
(対応関係)
第1~第3の部分工程が、「複数個の部分工程」の一例である。計画画像L6、進捗画像R6、管理画面S6内の遅延画像が、それぞれ、「計画画像」、「進捗画像」、「遅延画像」の一例である。第1の生産対象の第1の部分工程と、第2の生産対象の第2の部分工程とが、それぞれ、「第1の部分工程」、「第2の部分工程」の一例である。管理画面S6内の第1の部分工程の部分計画画像と、管理画面S6内の第2の部分工程の部分計画画像とが、それぞれ、「第1の部分計画画像」、「第2の部分計画画像」の一例である。
【0058】
実施例で説明した基板製造システムに関する留意点を述べる。上記の第1実施例では、遅延画像は、外段取り工程の部分計画画像に隣接して配置される。これに代えて、遅延画像は、外段取り工程の部分進捗画像に隣接して配置されてもよい。一般的に言えば、「遅延画像」は、遅れが発生している部分工程(即ち、部分計画画像及び部分進捗画像のうちの少なくとも一方)に対応付けて、ディスプレイに表示されていればよい。
【0059】
また、遅延画像は、外段取り工程の部分計画画像と内段取り工程の部分計画画像との間に配置されなくてもよい。例えば、遅延画像は、外段取り工程の部分計画画像の上方に配置されてもよいし、外段取り工程の部分計画画像上に重ねて配置されていてもよい。また、本変形例では、内段取り工程の部分計画画像は、当初の計画通りの位置に配置されてもよい。
【符号の説明】
【0060】
2 :部品実装システム
4 :ローカルエリアネットワーク
10 :管理端末
12 :通信I/F
14 :ディスプレイ
16 :操作部
30 :制御部
32 :CPU
34 :メモリ
40 :プログラム
100 :ピッキング端末
200 :段取り端末
300 :実装装置
S1~S6 :管理画面
L1~L6 :計画画像
R1~R6 :進捗画像
BT :更新ボタン