IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 江蘇迪盛智能科技有限公司の特許一覧

特許7562001リソグラフィシステムの走査方法及びリソグラフィシステム
<>
  • 特許-リソグラフィシステムの走査方法及びリソグラフィシステム 図1
  • 特許-リソグラフィシステムの走査方法及びリソグラフィシステム 図2
  • 特許-リソグラフィシステムの走査方法及びリソグラフィシステム 図3
  • 特許-リソグラフィシステムの走査方法及びリソグラフィシステム 図4
  • 特許-リソグラフィシステムの走査方法及びリソグラフィシステム 図5
  • 特許-リソグラフィシステムの走査方法及びリソグラフィシステム 図6
  • 特許-リソグラフィシステムの走査方法及びリソグラフィシステム 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-26
(45)【発行日】2024-10-04
(54)【発明の名称】リソグラフィシステムの走査方法及びリソグラフィシステム
(51)【国際特許分類】
   G03F 7/20 20060101AFI20240927BHJP
【FI】
G03F7/20 501
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2023541514
(86)(22)【出願日】2021-09-06
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-17
(86)【国際出願番号】 CN2021116740
(87)【国際公開番号】W WO2022148037
(87)【国際公開日】2022-07-14
【審査請求日】2023-08-04
(31)【優先権主張番号】202110019610.6
(32)【優先日】2021-01-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202120038045.3
(32)【優先日】2021-01-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】523256384
【氏名又は名称】江蘇迪盛智能科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】GIS TECH INC.
【住所又は居所原語表記】2nd Floor, Building No. 2 Ruijing Building, 868 South Jinshan Road Mudu Town, Wuzhong District Suzhou, Jiangsu 215000, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】陳 国軍
(72)【発明者】
【氏名】呉 景舟
(72)【発明者】
【氏名】馬 迪
【審査官】中尾 太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-233718(JP,A)
【文献】特開2008-102249(JP,A)
【文献】特開2008-203506(JP,A)
【文献】特開2011-107570(JP,A)
【文献】特表2020-502577(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0256817(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2020/0089121(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03F 7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
リソグラフィシステムに適用される走査方法であって、前記リソグラフィシステムは、機台と、ステージと、デジタルマイクロミラーデバイスDMDとを含み、前記DMDは、前記機台上に設置され、前記ステージは、リソグラフィ対象物を設置するためのものであり、前記方法は、
前記DMDと前記リソグラフィ対象物とに第一方向及び第二方向の相対運動が同時に発生するように、前記DMD、前記機台及び前記ステージのうち、少なくとも1つが含まれる運動本体を制御して運動させることを含み、
前記DMDは、複数のマイクロミラーを含み、各々の前記マイクロミラーの形状は矩形であり、前記マイクロミラーの第一辺の長さをmと記し、前記マイクロミラーの第二辺の長さをnと記し、目標長さをpと記し、前記DMDと前記リソグラフィ対象物との間の相対運動方向と、前記第一方向とが成す鋭角の夾角をθと記し、
前記方法は、
m、n及びpに従って、θを確定することを更に含む、リソグラフィシステムの走査方法。
【請求項2】
pとθとの間の関係は、
p=(n×tanθ+m)×cosθを満たす、請求項に記載の方法。
【請求項3】
前記DMDと前記リソグラフィ対象物とは、第一方向の相対速度がVであり、第二方向の相対速度がVであり、
前記方法は、
θに従って、V及びVを確定することを更に含む、請求項に記載の方法。
【請求項4】
/V=tanθである、請求項に記載の方法。
【請求項5】
前記DMDは、前記機台上に固定的に設置され、
前記運動本体を制御して運動させることは、
前記機台を制御して同時に第一方向及び第二方向に運動させるか、又は、
前記ステージを制御して同時に第一方向及び第二方向に運動させるか、又は、
前記機台を制御して第一方向に運動させると同時に、前記ステージを制御して第二方向に運動させるか、又は、
前記機台を制御して第二方向に運動させると同時に、前記ステージを制御して第一方向に運動させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記DMDは、前記機台上に非固定的に設置され、
前記運動本体を制御して運動させることは、
前記機台を制御して第一方向に運動させると同時に、前記DMDを制御して第二方向に運動させるか、又は、
前記機台を制御して第二方向に運動させると同時に、前記DMDを制御して第一方向に運動させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記DMDは、前記機台上に非固定的に設置され、
前記運動本体を制御して運動させることは、
前記ステージを制御して第一方向に運動させると同時に、前記DMDを制御して第二方向に運動させるか、又は、
前記ステージを制御して第二方向に運動させると同時に、前記DMDを制御して第一方向に運動させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
リソグラフィシステムに適用される走査方法であって、前記リソグラフィシステムは、機台と、ステージと、デジタルマイクロミラーデバイスDMDとを含み、前記DMDは、前記機台上に設置され、前記ステージは、リソグラフィ対象物を設置するためのものであり、前記方法は、
前記DMDと前記リソグラフィ対象物とに第一方向及び第二方向の相対運動が同時に発生するように、前記DMD、前記機台及び前記ステージのうち、少なくとも1つが含まれる運動本体を制御して運動させることを含み、
前記DMDの位置する平面と、前記リソグラフィ対象物の位置する平面との間の角度を所定角度γに設置することを更に含む、リソグラフィシステムの走査方法。
【請求項9】
リソグラフィシステムであって、
デジタルマイクロミラーデバイスDMDと、
前記DMDを設置するための機台と、
リソグラフィ対象物を設置するためのステージと、
1つ又は複数のプログラム命令を記憶するためのメモリと、
前記1つ又は複数のプログラム命令をロードして実行することで、請求項1~の何れか一項に記載の方法を実現するプロセッサとを含む、リソグラフィシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2021年1月7日に出願された出願番号が2021100196106、2021200380453である中国特許出願の優先権を主張し、上記中国特許出願は、全文が援用される形で本願に組み込まれる。
本発明は、リソグラフィ技術の分野に関し、特に、リソグラフィシステムの走査方法及びリソグラフィシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
リソグラフィとは、光学的複製方法を利用してパターンを感光性記録材料にプリントし、その後エッチング方法によりパターンをウェハに転写して電子回路を製作する技術を指す。
【0003】
DMD(Digital Micromirror Device、デジタルマイクロミラーデバイス)マスクレスリソグラフィ技術は、従来の投影リソグラフィに比べて、その露光結像方式が基本的に似っており、従来のマスクの代わりにデジタルDMDを使用した点が相違しているため、従来の光学リソグラフィ技術から派生した新しい技術とされており、その主な原理としては、コンピュータを介して必要なリソグラフィパターンをソフトウェアによってDMDチップに入力し、画像内の黒画素及び白画素の分布に応じてDMDチップのマイクロミラーの回転角を変えてコリメート光源でDMDチップ上に照射し、必要なパターンに一致した光画像を形成して基板の表面に投射し、試料台の移動を制御することで大面積の微細構造の作製を実現する。従来のリソグラフィ機器と比較して、DMDマスクレスリソグラフィ機器は、マスクを必要としないため、節約生産コスト及びサイクルを節約した。
【0004】
しかしながら、既存の態様では、DMDの走査解像度を増加させるために、通常、DMD内の各マイクロミラーをずらして設置するが、この態様では、解像度を変更する必要がある場合、異なるパラメータのDMDを交換せざるを得ないため、コストが高い。
【発明の概要】
【0005】
本発明の目的は、リソグラフィシステムの走査方法及びリソグラフィシステムを提供することで、既存の態様において、解像度の変更が必要となる場合、異なるパラメータのDMDへの交換を必要とし、コストが高いという問題を解決することにある。
【0006】
本発明の目的は、以下の技術態様を採用して実現されている。
第一局面では、リソグラフィシステムに適用される走査方法であって、前記リソグラフィシステムは、機台と、ステージと、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)とを含み、前記DMDは、前記機台上に設置され、前記ステージは、リソグラフィ対象物を設置するためのものであり、前記方法は、
前記DMDと前記リソグラフィ対象物とに第一方向及び第二方向の相対運動が同時に発生するように、前記DMD、前記機台及び前記ステージのうち、少なくとも1つが含まれる運動本体を制御して運動させることを含む、リソグラフィシステムの走査方法が提供されている。
【0007】
リソグラフィシステムに適用される走査方法であって、前記DMDと前記リソグラフィ対象物とに第一方向及び第二方向の相対運動が同時に発生するように、前記DMD、前記機台及び前記ステージのうち、少なくとも1つが含まれる運動本体を制御して運動させることを含む走査方法を提供することで、つまり、DMD及びリソグラフィ対象物の傾斜が実現されるように、運動本体を制御して運動させることで、既存の態様において、解像度の変更が必要となる場合、異なるパラメータのDMDへの交換を必要とし、コストが高いという問題が回避され、運動本体の運動速度を調整することで解像度の調整を簡単かつ迅速に実現できるという効果が奏された。
【0008】
いくつかの実施例において、前記DMDは、複数のマイクロミラーを含み、各々の前記マイクロミラーの形状は矩形であり、前記マイクロミラーの第一辺の長さをmと記し、前記マイクロミラーの第二辺の長さをnと記し、目標長さをpと記し、前記DMDと前記リソグラフィ対象物との間の相対運動方向と、前記第一方向とが成す鋭角の夾角をθと記し、前記方法は、m、n及びpに従って、θを確定することを更に含む。
【0009】
いくつかの実施例において、pとθとの間の関係は、p=(n×tanθ+m)×cosθを満たす。
【0010】
θを計算し、さらに運動本体を制御して、計算されたθに従って運動させることで、DMD走査の解像度を正確に制御できるという効果が奏された。
【0011】
いくつかの実施例において、前記DMDと前記リソグラフィ対象物とは、第一方向の相対速度がVであり、第二方向の相対速度がVであり、前記方法は、θに従って、V及びVを確定することを更に含む。
【0012】
いくつかの実施例において、V/V=tanθである。
【0013】
計算されたθに従って、さらに運動本体の第一方向の相対運動速度及び第二方向の相対運動速度を確定することで、運動本体の運動速度を制御する形でDMDの走査解像度の制御を実現し、さらにDMDの走査解像度の調整時のコストを低減するという効果が奏された。
【0014】
いくつかの実施例において、前記DMDは、前記機台上に固定的に設置され、前記運動本体を制御して運動させることは、前記機台を制御して同時に第一方向及び第二方向に運動させるか、又は、前記ステージを制御して同時に第一方向及び第二方向に運動させるか、又は、前記機台を制御して第一方向に運動させると同時に、前記ステージを制御して第二方向に運動させるか、又は、前記機台を制御して第二方向に運動させると同時に、前記ステージを制御して第一方向に運動させることを含む。
【0015】
上記のような複数の制御方式で運動本体の運動制御を実現することで、異なる応用シーンに応じて適切に選択でき、実際の走査の柔軟度を向上させ、応用範囲を拡大するという効果が奏された。
【0016】
いくつかの実施例において、前記DMDは、前記機台上に非固定的に設置され、前記運動本体を制御して運動させることは、前記機台を制御して第一方向に運動させると同時に、前記DMDを制御して第二方向に運動させるか、又は、前記機台を制御して第二方向に運動させると同時に、前記DMDを制御して第一方向に運動させることを含む。
【0017】
上記のような複数の制御方式で運動本体の運動制御を実現することで、異なる応用シーンに応じて適切に選択でき、実際の走査の柔軟度を向上させ、応用範囲を拡大したという効果が奏された。
【0018】
いくつかの実施例において、前記DMDは、前記機台上に非固定的に設置され、前記運動本体を制御して運動させることは、前記ステージを制御して第一方向に運動させると同時に、前記DMDを制御して第二方向に運動させるか、又は、前記ステージを制御して第二方向に運動させると同時に、前記DMDを制御して第一方向に運動させることを含む。
【0019】
上記のような複数の制御方式で運動本体の運動制御を実現することで、異なる応用シーンに応じて適切に選択でき、実際の走査の柔軟度を向上させ、応用範囲を拡大したという効果が奏された。
【0020】
いくつかの実施例において、前記DMDには、高さ方向に重ね合わせて設置されたk個のDMDが含まれ、kは、1よりも大きい整数である。
【0021】
k個のDMDを高さ方向に重ね合わせて設置することで、走査中におけるDMDの走査精度が達成された。
【0022】
いくつかの実施例において、前記方法は、少なくとも2つのリソグラフィ構成態様の評価パラメータであって、ハードウェア構成パラメータ、プロセスコスト及び工数のうち、少なくとも1つが含まれる評価パラメータを取得することと、各々のリソグラフィ構成態様の評価パラメータに従って、リソグラフィ構成を推奨することとを更に含む。
【0023】
複数のリソグラフィ構成態様の評価パラメータを計算し、さらに計算された評価パラメータに従ってリソグラフィ構成態様を推奨することで、ユーザにアドバイスを与え、ユーザが自身の使用ニーズに適した態様を選択するのを助けるという効果が奏された。
【0024】
いくつかの実施例において、前記少なくとも2つのリソグラフィ構成態様の評価パラメータを取得することは、前記少なくとも2つのリソグラフィ構成態様のうち、各々のリソグラフィ構成態様について、前記リソグラフィ構成態様の構成パラメータを目標ニューラルネットワークに入力して、前記目標ニューラルネットワークの出力を前記リソグラフィ構成態様の評価パラメータとすることを含み、前記目標ニューラルネットワークは、サンプルリソグラフィ構成態様の構成パラメータと、各々のサンプルリソグラフィ構成態様の評価パラメータとに従って事前訓練されたネットワークである。
【0025】
訓練済の目標ニューラルネットワークを使用して評価パラメータを取得することで、評価パラメータの取得の正確率及び効率を向上できるという効果が奏された。
【0026】
いくつかの実施例において、前記方法は、前記DMDの位置する平面と、前記リソグラフィ対象物の位置する平面との間の角度を所定角度γに設置することを更に含む。
【0027】
DMDの位置する平面と、リソグラフィ対象物の位置する平面との間の角度を所定角度に設置することで、既存の態様において、解像度の変更が必要となる場合、異なるパラメータのDMDへの交換を必要とし、コストが高いという問題が回避され、DMDの位置する平面と、リソグラフィ対象物の位置する平面との間の角度を調整することで解像度の調整を簡単かつ迅速に実現できるという効果が奏された。
【0028】
第二局面では、リソグラフィシステムであって、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)と、前記DMDを設置するための機台と、リソグラフィ対象物を設置するためのステージと、1つ又は複数のプログラム命令を記憶するためのメモリと、前記1つ又は複数のプログラム命令を読取可能なプロセッサとを含み、前記プロセッサは、前記1つ又は複数のプログラム命令をロードして実行することで、上記のいずれかの方法を実現する、リソグラフィシステムが提供されている。
【0029】
第三局面では、リソグラフィシステムであって、機台と、ステージと、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)とを含み、前記DMDは、前記機台上に設置され、前記ステージは、リソグラフィ対象物を設置するためのものであり、前記DMDの位置する平面と、前記リソグラフィ対象物の位置する平面との間の角度は、所定角度γである、リソグラフィシステムが提供されている。
【0030】
DMDの位置する平面と、リソグラフィ対象物の位置する平面との間の角度を所定角度に設置することで、既存の態様において、解像度の変更が必要となる場合、異なるパラメータのDMDへの交換を必要とし、コストが高いという問題が回避され、DMDの位置する平面と、リソグラフィ対象物の位置する平面との間の角度を調整することで解像度の調整を簡単かつ迅速に実現できるという効果が奏された。
【0031】
いくつかの実施例において、前記DMDは、複数のマイクロミラーを含み、各々の前記マイクロミラーの形状は矩形であり、前記マイクロミラーの第一辺の長さをmと記し、前記マイクロミラーの第二辺の長さをnと記し、目標長さをpと記し、前記所定角度γは、前記m、前記n及び前記pによって確定される。
【0032】
いくつかの実施例において、前記DMDには、高さ方向に重ね合わせて設置されたk個のDMDが含まれ、kは、1よりも大きい整数である。
【0033】
k個のDMDを高さ方向に重ね合わせて設置することで、走査中におけるDMDの走査精度が達成された。
【0034】
いくつかの実施例において、k=2である。
【0035】
いくつかの実施例において、前記DMDと前記リソグラフィ対象物とは、第一方向及び第二方向に相対運動する。
【0036】
DMDとリソグラフィ対象物とが第一方向及び第二方向に相対運動するように制御することで、既存の態様において、解像度の変更が必要となる場合、異なるパラメータのDMDへの交換を必要とし、コストが高いという問題が回避され、運動本体の運動速度を調整することで解像度の調整を簡単かつ迅速に実現できるという効果が奏された。
【0037】
いくつかの実施例において、DMDは、前記機台上に固定的に設置され、前記機台は、同時に前記第一方向及び前記第二方向に運動するか、又は、前記ステージは、同時に前記第一方向及び前記第二方向に運動するか、又は、前記機台は、前記第一方向に運動すると同時に、前記ステージは、前記第二方向に運動するか、又は、前記機台は、前記第二方向に運動すると同時に、前記ステージは、前記第一方向に運動する。
【0038】
上記のような複数の制御方式で、DMDとリソグラフィ対象物との第一方向及び第二方向の相対運動を実現することで、異なる応用シーンに応じて適切に選択でき、実際の走査の柔軟度を向上させ、応用範囲を拡大したという効果が奏された。
【0039】
いくつかの実施例において、前記DMDは、前記機台上に非固定的に設置され、前記機台は、前記第一方向に運動すると同時に、前記DMDは前記第二方向に運動するか、又は、前記機台は、前記第二方向に運動すると同時に、前記DMDは、前記第一方向に運動する。
【0040】
上記のような複数の制御方式で、DMDとリソグラフィ対象物との第一方向及び第二方向の相対運動を実現することで、異なる応用シーンに応じて適切に選択でき、実際の走査の柔軟度を向上させ、応用範囲を拡大したという効果が奏された。
【0041】
いくつかの実施例において、前記DMDは、前記機台上に非固定的に設置され、前記ステージは、前記第一方向に運動すると同時に、前記DMDは、前記第二方向に運動するか、又は、前記ステージは、前記第二方向に運動すると同時に、前記DMDは、前記第一方向に運動する。
【0042】
上記のような複数の制御方式で、DMDとリソグラフィ対象物との第一方向及び第二方向の相対運動を実現することで、異なる応用シーンに応じて適切に選択でき、実際の走査の柔軟度を向上させ、応用範囲を拡大したという効果が奏された。
【0043】
いくつかの実施例において、前記DMDは、複数のマイクロミラーを含み、各々の前記マイクロミラーの形状は矩形であり、前記マイクロミラーの第一辺の長さをmと記し、前記マイクロミラーの第二辺の長さをnと記し、目標長さをpと記し、前記DMDと前記リソグラフィ対象物との間の相対運動方向と、前記第一方向とが成す鋭角の夾角θは、前記m、前記n、前記p及び前記γによって確定される。
【0044】
θを計算し、さらに運動本体を制御して、計算されたθに従って運動させることで、DMD走査の解像度を正確に制御できるという効果が奏された。
【図面の簡単な説明】
【0045】
以下、図面及び実施例と併せて本発明を更に説明する。
図1】本発明の実施例によるリソグラフィシステムのシステム模式図である。
図2】本発明の実施例によるDMDの構造模式図である。
図3】本発明の実施例によるリソグラフィシステムの別の可能な構造模式図である。
図4】本発明の実施例によるリソグラフィシステムの走査方法の方法フローチャートである。
図5】本発明の実施例によるリソグラフィシステムの走査中の走査模式図である。
図6】本発明の実施例によるリソグラフィシステムの走査中の別の走査模式図である。
図7】本発明の実施例による別のリソグラフィシステムのシステム模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
以下、図面及び具体的な実施形態と併せて本発明を更に説明するが、以下に説明される各実施例の間又は各技術的特徴の間は、矛盾しないことを前提として、任意に組み合わせて新しい実施例を形成可能であることを留意されたい。
【0047】
説明を容易にするために、最初に本願に係る実施環境について簡単に紹介しておく。
【0048】
図1又は図7を参照して、本願によるリソグラフィシステムは、機台11と、ステージ12と、DMD13とを含み、前記DMD13は、前記機台11上に設置され、前記ステージ12は、リソグラフィ対象物100を設置するためのものである。機台11及びステージ12は、何れもロボットアームによる制御で運動を実現可能である。そして、機台11を制御して運動させることで、機台11に伴うDMD13の運動を実現可能であり、同様に、ステージ12を制御して運動させることで、それに応じたリソグラフィ対象物100の運動を実現可能である。上記では、機台11及びステージ12を制御して運動させる例だけを挙げて説明したが、実際の実現の際、機台11におけるDMD13は、ロボットアームによって直接制御されることで運動を実現してもよく、同様に、リソグラフィ対象物100についても、ロボットアームに直接接続されて、さらにロボットアームを制御して運動させることでリソグラフィ対象物100の運動を実現してもよい。
【0049】
いくつかの実施例において、図1又は図7に示すように、前記リソグラフィシステムには、例えばDMDコントローラ14、ステージコントローラ15、画像生成器16のような他のデバイスが更に含まれてもよい。そのうち、光源から発された光は、DMD13によって処理された後にリソグラフィ対象物100に送られ、DMDコントローラ14は、DMD13を制御するためのものであり、そして、ここでいうDMD13を制御するとは、DMD13の置かれる機台11を制御するか、又は、DMD13が運動可能な場合、DMDコントローラ14がDMD13の置かれる機台11及びDMD13の両方の制御に使用されることを含み、同様に、ステージコントローラ15は、ステージ12を制御するためのものである。画像生成器16は、DMD13の走査に従って画像を生成するためのものであり、そして、画像を生成した後、処理のために他の機器に送信してもよいが、ここで繰り返して述べない。
【0050】
DMD13は、複数のマイクロミラー131を含み、各々のマイクロミラー131の形状は矩形であり、複数のマイクロミラー131からなるDMD13は、より大きな寸法の矩形となり、例えば、図2を参照して、同図には、DMD13の1つの可能な構造模式図が示されている。実際の実現の際、DMD13におけるマイクロミラー131の個数は、実際のニーズに応じて設置可能であり、例えば、3×5のマイクロミラーマトリックス、又は、5×8のマイクロミラーマトリックス等とされることが可能であるが、本実施例は、これについて限定しない。
【0051】
機台11を制御するロボットアームがドラッグチェーン17である例を挙げて説明し、図3を参照して、同図には、1つの可能なリソグラフィシステムの構造模式図が示されている。
【0052】
図4を参照して、同図には、本願の一実施例によるリソグラフィシステムの走査方法の方法フローチャートが示されており、前記方法は、図1に示すリソグラフィシステムに適用されるものであり、図4に示すように、前記方法は、以下のステップ401を含む。
【0053】
ステップ401は、前記DMD13と前記リソグラフィ対象物100とに第一方向及び第二方向の相対運動が同時に発生するように、前記DMD13、前記機台11及び前記ステージ12のうち、少なくとも1つが含まれる運動本体を制御して運動させることである。
【0054】
実際の実現の際、DMD13のリソグラフィ走査中において、DMD13が第一方向に沿って1ストライプを走査し、その後、DMD13が、第二方向に沿って1つのDMDの寸法分だけステッピングし、続いて、第一方向の逆方向に沿って1ストライプを走査し、次に、第二方向の逆方向に沿って1つのDMDの寸法分だけステッピングした後に走査を続けるといったように、全ての走査が完了するまで繰り返していく。つまり、本実施例において、第一方向は、DMD13の走査の主走査方向であり、第二方向は、DMD13の走査の副走査方向であり、副走査方向は、DMD13のステッピング方向であってもよい。以下、特に断りのない限り、第一方向が主走査方向、第二方向が副走査方向である例を挙げて説明する。
【0055】
いくつかの実施例において、運動本体の運動を正確に制御可能にするために、本ステップの前に、DMD13とリソグラフィ対象物100との間の相対運動方向と、第一方向とが成す夾角θを確定しておき、θは鋭角であり、図5を参照して、同図には、1つの可能な模式図が示されている。そのうち、夾角θを確定するステップは、
m、n及びpに従って、θを確定することを含む。ここで、mは、DMD13におけるマイクロミラー131の第一辺の長さであり、nは、DMD13におけるマイクロミラー131の第二辺の長さであり、pは、目標長さである。
【0056】
いくつかの実施例において、pとθとの間の関係は、p=(n×tanθ+m)×cosθを満たす。
【0057】
θが確定されると、θに従って、運動本体について、その第一方向の運動速度V及び第二方向の相対運動の運動速度Vを確定することが可能となる。確定されたV、Vについては、V/V=tanθである。
【0058】
及びVが確定されると、運動本体を制御して運動させることが可能となり、いくつかの実施例において、本ステップ(即ち、運動本体を制御して運動させること)は、次の可能な実現方式を含み得る。
第一の実現方式として、DMD13が機台11上に固定的に設置される場合、本ステップは、
前記機台11を制御して同時に第一方向及び第二方向に運動させるか、又は、
前記ステージ12を制御して同時に第一方向及び第二方向に運動させるか、又は、
前記機台11を制御して第一方向に運動させると同時に、前記ステージ12を制御して第二方向に運動させるか、又は、
前記機台11を制御して第二方向に運動させると同時に、前記ステージ12を制御して第一方向に運動させることを含む。
【0059】
第二の実現方式として、前記DMD13が前記機台11上に非固定的に設置される場合、本ステップは、
前記機台11を制御して第一方向に運動させると同時に、前記DMD13を制御して第二方向に運動させるか、又は、
前記機台11を制御して第二方向に運動させると同時に、前記DMD13を制御して第一方向に運動させることを含む。
【0060】
第三の実現方式として、前記DMD13が前記機台11上に非固定的に設置される場合、本ステップは、
前記ステージ12を制御して第一方向に運動させると同時に、前記DMD13を制御して第二方向に運動させるか、又は、
前記ステージ12を制御第二方向に運動させると同時に、前記DMD13を制御して第一方向に運動させることを含む。
【0061】
以上では、上記の制御方式で運動本体を制御して運動させる例だけを挙げて説明したが、実際の実現の際、より多くの実現方式が更に含まれ得る。要するに、V/V=tanθを満たせばよく、本実施例は、その具体的な運動方式について限定しない。
【0062】
図6を参照して、同図には、運動本体が運動した後におけるDMD13のリソグラフィ走査の走査模式図が示されている。
【0063】
上記走査方法では、走査の解像度の調整が必要となる場合、θ角を調整することで、つまり、VとVとの比の値を調整することで実現可能であり、本実施例は、ここでこれ以上述べない。
【0064】
表1を参照して、同表には、m=10.8ミクロン、n=6ミクロンの場合、θの変化に伴って、pの値及び(p-m)の値が変化する様子が示されている。
【0065】
【0066】
表2を参照して、同表には、m=10.8ミクロン、n=1ミクロンの場合、θの変化に伴って、pの値及び(p-m)の値が変化する様子が示されている。
【0067】
【0068】
これで分かるように、m、n、θの値が異なると、pとmとの間の大小関係が変化し、pがmよりも大きい場合があれば、pがm以下となる場合もあり得る。即ち、本実施例による方法を採用する場合、その目標長さは、マイクロミラー131の第一辺の長さよりも小さくてもよい。
【0069】
上記をまとめ、リソグラフィシステムに適用される走査方法であって、前記DMD13と前記リソグラフィ対象物100とに第一方向及び第二方向の相対運動が同時に発生するように、前記DMD13、前記機台11及び前記ステージ12のうち、少なくとも1つが含まれる運動本体を制御して運動させることを含む走査方法を提供することで、つまり、DMD13及びリソグラフィ対象物100の傾斜が実現されるように、運動本体を制御して運動させることで、既存の態様において、解像度の変更が必要となる場合、異なるパラメータのDMD13への交換を必要とし、コストが高いという問題が回避され、運動本体の運動速度を調整することで解像度の調整を簡単かつ迅速に実現できるという効果が奏された。
【0070】
上記のような複数の制御方式で運動本体の運動制御を実現することで、異なる応用シーンに応じて適切に選択でき、実際の走査の柔軟度を向上させ、応用範囲を拡大したという効果が奏された。
【0071】
上記実施例において、DMD13が1つとされてもよいし、高さ方向に重ね合わせて設置されたk個のDMD13が含まれてもよく、kは、1よりも大きい整数である。高さ方向とは、リソグラフィ対象物100及びDMD13の設置方向であり、つまり、DMD13は、リソグラフィ対象物100の上方にあり、DMD13がk個含まれる場合、k個のDMD13は、同じ方向で重ね合わせられてもよい。通常の場合、kは2であり、且つ2個のDMD13の重ね合わせ後の重なり部分の幅は、各々のDMD13の幅と、リソグラフィ対象物100の幅とに応じて決定され、そして、異なる応用シーンによっては、重ね合わせられる幅も異なるが、本実施例は、これについて限定しない。
【0072】
k個のDMD13を重ね合わせ、さらに重ね合わせ後のDMD13によって走査することで、DMD13の走査精度が向上された。
【0073】
また、実際の使用の際、同様なリソグラフィ効果を実現するために、リソグラフィシステムは、様々な構成とされてもよく、本実施例において、上記方法は、以下の2つのステップを更に含んでもよい。
第一のステップとしては、少なくとも2つのリソグラフィ構成態様の評価パラメータであって、ハードウェア構成パラメータ、プロセスコスト及び工数のうち、少なくとも1つが含まれる評価パラメータを取得することであり、
いくつかの実施例において、リソグラフィ構成態様には、複数の構成パラメータが含まれてもよく、構成パラメータと評価パラメータとの間の対応関係に従って、各々のリソグラフィ構成態様の評価パラメータを確定してもよい。そのうち、構成パラメータと評価パラメータとの間の対応関係は、ビッグデータに基づいて事前設置された対応関係であってもよい。
【0074】
別の可能な実現方式として、ニューラルネットワークを介して各々のリソグラフィ構成態様の評価パラメータを取得してもよく、この場合、本ステップは、
前記少なくとも2つのリソグラフィ構成態様のうち、各々のリソグラフィ構成態様について、前記リソグラフィ構成態様の構成パラメータを目標ニューラルネットワークに入力して、前記目標ニューラルネットワークの出力を前記リソグラフィ構成態様の評価パラメータとすることを含んでもよく、前記目標ニューラルネットワークは、サンプルリソグラフィ構成態様の構成パラメータと、各々のサンプルリソグラフィ構成態様の評価パラメータとに従って事前訓練されたネットワークである。
【0075】
リソグラフィ構成態様の構成パラメータには、DMD13の個数、DMD13の精度、DMD13の寸法のうち、少なくとも1つが含まれてもよい。
【0076】
第二のステップとしては、各々のリソグラフィ構成態様の評価パラメータに従って、リソグラフィ構成を推奨することである。
【0077】
各々の態様の評価パラメータが取得されると、評価パラメータに従ってリソグラフィ構成を推奨することが可能となる。いくつかの実施例において、ユーザは、リソグラフィシステムを使用する前に、自分の使用ニーズを設置し、リソグラフィシステムは、設置された使用ニーズに応じて推奨するようにされてもよい。例えば、ユーザが最も高い解像度を必要とする場合、各態様の評価パラメータに従って、最も解像度の高いリソグラフィ構成態様を推奨することが可能であり、更に例えば、最も低いコストを必要とする場合、各態様の評価パラメータに従って、最もコストの低いリソグラフィ構成態様を推奨することが可能であるが、ここで繰り返して述べない。
【0078】
図7を参照して、いくつかの実施例において、前記方法は、前記DMD13の位置する平面と、前記リソグラフィ対象物100の位置する平面との間の角度を所定角度γに設置することを更に含んでもよい。
【0079】
DMD13の位置する平面と、リソグラフィ対象物100の位置する平面との間の角度を所定角度に設置することで、既存の態様において、解像度の変更が必要となる場合、異なるパラメータのDMD13への交換を必要とし、コストが高いという問題が回避され、DMD13の位置する平面と、リソグラフィ対象物100の位置する平面との間の角度を調整することで、解像度の調整を簡単かつ迅速に実現できるという効果が達成された。
【0080】
いくつかの実施例において、前記DMD13は、複数のマイクロミラー131を含んでもよく、各々の前記マイクロミラー131の形状は矩形であり、前記マイクロミラー131の第一辺の長さをmと記し、前記マイクロミラー131の第二辺の長さをnと記し、目標長さをpと記し、前記所定角度γは、前記m、前記n及び前記pによって確定される。
【0081】
いくつかの実施例において、前記DMD13には、高さ方向に重ね合わせて設置されたk個のDMD13が含まれてもよく、kは、1よりも大きい整数である。
【0082】
いくつかの実施例において、k=2である。
【0083】
いくつかの実施例において、前記DMD13と前記リソグラフィ対象物100とは、第一方向及び第二方向に相対運動してもよい。
【0084】
いくつかの実施例において、DMD13は、前記機台11上に固定的に設置されてもよく、前記機台11は、同時に前記第一方向及び前記第二方向に運動するか、又は、前記ステージ12は、同時に前記第一方向及び前記第二方向に運動するか、又は、前記機台11は、前記第一方向に運動すると同時に、前記ステージ12は、前記第二方向に運動するか、又は、前記機台11は、前記第二方向に運動すると同時に、前記ステージ12は、前記第一方向に運動する。
【0085】
いくつかの実施例において、前記DMD13は、前記機台11上に非固定的に設置されてもよく、前記機台11は、前記第一方向に運動と同時に、前記DMD13は、前記第二方向に運動するか、又は、前記機台11は、前記第二方向に運動すると同時に、前記DMD13は、前記第一方向に運動する。
【0086】
いくつかの実施例において、前記DMD13は、前記機台11上に非固定的に設置されてもよく、前記ステージ12は、前記第一方向に運動すると同時に、前記DMD13は、前記第二方向に運動するか、又は、前記ステージ12は、前記第二方向に運動すると同時に、前記DMD13は、前記第一方向に運動する。
【0087】
図1又は図7を参照して、本願では、リソグラフィシステムであって、デジタルマイクロミラー131デバイスDMD13と、前記DMD13を設置するための機台11と、リソグラフィ対象物100を設置するためのステージ12と、1つ又は複数のプログラム命令を記憶するためのメモリと、前記1つ又は複数のプログラム命令を読取可能なプロセッサとを含み、前記プロセッサは、前記1つ又は複数のプログラム命令をロードして実行することで、上記のいずれかの方法を実現する、リソグラフィシステムが提供されている。
【0088】
いくつかの実施例において、前記プロセッサは、前記DMD13と前記リソグラフィ対象物100とに第一方向及び第二方向の相対運動が同時に発生するように、前記DMD13、前記機台11及び前記ステージ12のうち、少なくとも1つが含まれる運動本体を制御して運動させるように構成されている。
【0089】
いくつかの実施例において、前記DMD13は、複数のマイクロミラー131を含み、各々の前記マイクロミラー131の形状は矩形であり、前記マイクロミラー131の第一辺の長さをmと記し、前記マイクロミラー131の第二辺の長さをnと記し、目標長さをpと記し、前記DMD13と前記リソグラフィ対象物100との間の相対運動方向と、前記第一方向とが成す鋭角の夾角をθと記し、前記プロセッサは、m、n及びpに従って、θを確定するように更に構成されている。
【0090】
いくつかの実施例において、pとθとの間の関係は、p=(n×tanθ+m)×cosθを満たす。
【0091】
いくつかの実施例において、前記DMD13と前記リソグラフィ対象物100とは、第一方向の相対速度がVであり、第二方向の相対速度がVであり、前記プロセッサは、θに従って、V及びVを確定するように更に構成されている。
【0092】
いくつかの実施例において、V/V=tanθである。
【0093】
いくつかの実施例において、前記DMD13は、前記機台11上に固定的に設置され、前記プロセッサは、前記機台11を制御して同時に第一方向及び第二方向に運動させるか、又は、前記ステージ12を制御して同時に第一方向及び第二方向に運動させるか、又は、前記機台11を制御して第一方向に運動させると同時に、前記ステージ12を制御して第二方向に運動させるか、又は、前記機台11を制御して第二方向に運動させると同時に、前記ステージ12を制御して第一方向に運動させるように更に構成されている。
【0094】
いくつかの実施例において、前記DMD13は、前記機台11上に非固定的に設置され、前記プロセッサは、前記機台11を制御して第一方向に運動させると同時に、前記DMD13を制御して第二方向に運動させるか、又は、前記機台11を制御して第二方向に運動させると同時に、前記DMD13を制御して第一方向に運動させるように更に構成されている。
【0095】
いくつかの実施例において、前記DMD13は、前記機台11上に非固定的に設置され、前記プロセッサは、前記ステージ12を制御して第一方向に運動させると同時に、前記DMD13を制御して第二方向に運動させるか、又は、前記ステージ12を制御第二方向に運動させると同時に、前記DMD13を制御して第一方向に運動させるように更に構成されている。
【0096】
いくつかの実施例において、前記DMD13には、高さ方向に重ね合わせて設置されたk個のDMD13が含まれ、kは、1よりも大きい整数である。
【0097】
いくつかの実施例において、前記プロセッサは、少なくとも2つのリソグラフィ構成態様の評価パラメータであって、ハードウェア構成パラメータ、プロセスコスト及び工数のうち、少なくとも1つが含まれる評価パラメータを取得し、各々のリソグラフィ構成態様の評価パラメータに従って、リソグラフィ構成を推奨するように更に構成されている。
【0098】
いくつかの実施例において、前記プロセッサは、前記少なくとも2つのリソグラフィ構成態様のうち、各々のリソグラフィ構成態様について、前記リソグラフィ構成態様の構成パラメータを目標ニューラルネットワークに入力して、前記目標ニューラルネットワークの出力を前記リソグラフィ構成態様の評価パラメータとするように更に構成されており、前記目標ニューラルネットワークは、サンプルリソグラフィ構成態様の構成パラメータと、各々のサンプルリソグラフィ構成態様の評価パラメータとに従って事前訓練されたネットワークである。
【0099】
いくつかの実施例において、前記プロセッサは、前記DMD13の位置する平面と、前記リソグラフィ対象物100の位置する平面との間の角度を所定角度γに設置するように更に構成されている。
【0100】
いくつかの実施例において、前記DMD13は、複数のマイクロミラー131を含み、各々の前記マイクロミラー131の形状は矩形であり、前記マイクロミラー131の第一辺の長さをmと記し、前記マイクロミラー131の第二辺の長さをnと記し、目標長さをpと記し、前記所定角度γは、前記m、前記n及び前記pによって確定される。
【0101】
いくつかの実施例において、前記DMD13は、複数のマイクロミラー131を含み、各々の前記マイクロミラー131の形状は矩形であり、前記マイクロミラー131の第一辺の長さをmと記し、前記マイクロミラー131の第二辺の長さをnと記し、目標長さをpと記し、前記DMD13と前記リソグラフィ対象物100との間の相対運動方向と、前記第一方向とが成す鋭角の夾角θは、前記m、前記n、前記p及び前記γによって確定される。
【0102】
図7を参照して、本願の実施例では、リソグラフィシステムであって、機台11と、ステージ12と、デジタルマイクロミラーデバイスDMD13とを含み、前記DMD13は、前記機台11上に設置され、前記ステージ12は、リソグラフィ対象物100を設置するためのものであり、前記DMD13の位置する平面と、前記リソグラフィ対象物100の位置する平面との間の角度は、所定角度γである、リソグラフィシステムが更に提供されている。
【0103】
機台11を制御するロボットアームがドラッグチェーン17である例を挙げて説明し、図3を参照して、同図には、1つの可能なリソグラフィシステムの構造模式図が示されている。
【0104】
上記リソグラフィシステムにおいて、DMD13の位置する平面と、リソグラフィ対象物100の位置する平面との間の角度は、所定角度γである。γは、事前設定された角度であり、そして、γは、実際のニーズに応じて、異なる値に設置可能であるが、ここで繰り返して述べない。
【0105】
DMD13は、複数のマイクロミラー131を含み、各々のマイクロミラー131の形状は矩形であり、複数のマイクロミラー131からなるDMD13は、より大きな寸法の矩形となり、例えば、図2を参照して、同図には、DMD13の1つの可能な構造模式図が示されている。実際の実現の際、DMD13におけるマイクロミラー131の個数は、実際のニーズに応じて設置可能であり、例えば、3×5のマイクロミラーマトリックス、又は、5×8のマイクロミラーマトリックス等とされることが可能であるが、本実施例は、これについて限定しない。
【0106】
前記マイクロミラー131の第一辺の長さをmと記し、前記マイクロミラー131の第二辺の長さをnと記し、目標長さをpと記し、前記所定角度γは、前記m、前記n及び前記pによって確定されるが、その具体的な対応関係について、本願は限定しない。
【0107】
DMD13の位置する平面と、リソグラフィ対象物100の位置する平面との間の角度を所定角度に設置した後、実際の応用ニーズに応じて光源の角度及び位置を調整してもよいが、本実施例は、ここで限定しない。
【0108】
上記実施例において、DMD13が1つとされてもよいし、高さ方向に重ね合わせて設置されたk個のDMD13が含まれてもよく、kは、1よりも大きい整数である。高さ方向とは、リソグラフィ対象物100及びDMD13の設置方向であり、つまり、DMD13は、リソグラフィ対象物100の上方にあり、DMD13がk個含まれる場合、k個のDMD13は、同じ方向で重ね合わせられてもよい。通常の場合、kは2であり、且つ2個のDMD13の重ね合わせ後の重なり部分の幅は、各々のDMD13の幅と、リソグラフィ対象物100の幅とに応じて決定され、そして、異なる応用シーンによっては、重ね合わせられる幅も異なるが、本実施例は、これについて限定しない。
【0109】
k個のDMD13を重ね合わせ、さらに重ね合わせ後のDMD13によって走査することで、DMD13の走査精度が向上された。
【0110】
実際の実現の際、DMD13のリソグラフィ走査中において、DMD13が第一方向に沿って1ストライプを走査し、その後、DMD13が第二方向に沿って1つのDMD13の寸法分だけステッピングし、続いて、第一方向の逆方向に沿って1ストライプを走査し、次に、第二方向の逆方向に沿って1つのDMD13の寸法分だけステッピングした後に走査を続けるといったように、全ての走査が完了するまで繰り返していく。つまり、本実施例において、第一方向は、DMD13の走査の主走査方向であり、第二方向は、DMD13の走査の副走査方向であり、副走査方向は、DMD13のステッピング方向であってもよい。以下、特に断りのない限り、第一方向が主走査方向であり、第二方向が副走査方向である例を挙げて説明する。
【0111】
上記実施例において、DMD13とリソグラフィ対象物100とは、第一方向及び第二方向に相対運動し、その相対運動方式は、次のいくつかの可能な実現方式を含み得る。
第一の実現方式として、DMD13が機台11上に固定的に設置される場合、かかる運動方式は、
前記機台11が、同時に前記第一方向及び前記第二方向に運動するか、又は、
前記ステージ12が、同時に前記第一方向及び前記第二方向に運動するか、又は、
前記機台11が、前記第一方向に運動すると同時に、前記ステージ12が、前記第二方向に運動するか、又は、
前記機台11が、前記第二方向に運動すると同時に、前記ステージ12が、前記第一方向に運動することを含む。
【0112】
第二の実現方式として、前記DMD13が前記機台11上に非固定的に設置される場合、かかる相対運動方式は、
前記機台11が、前記第一方向に運動と同時に、前記DMD13が、前記第二方向に運動するか、又は、
前記機台11が、前記第二方向に運動すると同時に、前記DMD13が、前記第一方向に運動することを含む。
【0113】
第三の実現方式として、前記DMD13が前記機台11上に非固定的に設置される場合、かかる相対運動方式は、
前記ステージ12が、前記第一方向に運動すると同時に、前記DMD13が、前記第二方向に運動するか、又は、
前記ステージ12が、前記第二方向に運動すると同時に、前記DMD13が、前記第一方向に運動することを含む。
【0114】
以上では、上記の制御方式で運動本体を制御して運動させる例だけを挙げて説明したが、実際の実現の際、より多くの実現方式が更に含まれ得る。本実施例は、その具体的な運動方式について限定しない。
【0115】
1つの可能の実施形態において、DMD13と前記リソグラフィ対象物100との間の相対運動方向と、前記第一方向とが成す鋭角の夾角θは、前記m、前記n、前記p及び前記γによって確定される。そして、θが確定されると、確定に従って、運動本体について、その第一方向の運動速度V及び第二方向の相対運動の運動速度Vを確定することが可能となり、図5を参照して、同図には、1つの可能なリソグラフィ走査方式が示されている。確定されたV、Vについては、V/V=tanθである。
【0116】
また、図6を参照して、同図には、DMD13とリソグラフィ対象物100との相対運動が発生した後におけるDMD13のリソグラフィ走査の走査模式図が示されている。
【0117】
上記をまとめ、リソグラフィシステムであって、機台11と、ステージ12と、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)13とを含み、前記DMD13は、前記機台11上に設置され、前記ステージ12は、リソグラフィ対象物100を設置するためのものであり、前記DMD13の位置する平面と、前記リソグラフィ対象物100の位置する平面との間の角度は、所定角度γであるリソグラフィシステムを提供することで、既存の態様において、解像度の変更が必要となる場合、異なるパラメータのDMD13への交換を必要とし、コストが高いという問題が回避され、DMD13の位置する平面と、リソグラフィ対象物100の位置する平面との間の角度を調整することで、解像度の調整を簡単かつ迅速に実現できるという効果が達成された。
【0118】
また、実際の使用の際、同様のリソグラフィ効果を実現するために、リソグラフィシステムは、様々な構成とされてもよく、本実施例において、上記リソグラフィシステムは、次の機能を更に実現してもよい。
第一の機能として、少なくとも2つのリソグラフィ構成態様の評価パラメータであって、ハードウェア構成パラメータ、プロセスコスト及び工数のうち、少なくとも1つが含まれる評価パラメータを取得することであり、
選択的に、リソグラフィ構成態様には、複数の構成パラメータが含まれてもよく、構成パラメータと評価パラメータとの間の対応関係に従って、各々のリソグラフィ構成態様の評価パラメータを確定してもよい。そのうち、構成パラメータと評価パラメータとの間の対応関係は、ビッグデータに基づいて事前設置された対応関係であってもよい。
【0119】
別の可能な実現方式として、ニューラルネットワークを介して各々のリソグラフィ構成態様の評価パラメータを取得してもよく、この場合、本ステップは、
前記少なくとも2つのリソグラフィ構成態様のうち、各々のリソグラフィ構成態様について、前記リソグラフィ構成態様の構成パラメータを目標ニューラルネットワークに入力して、前記目標ニューラルネットワークの出力を前記リソグラフィ構成態様の評価パラメータとすることを含んでもよく、前記目標ニューラルネットワークは、サンプルリソグラフィ構成態様の構成パラメータと、各々のサンプルリソグラフィ構成態様の評価パラメータとに従って事前訓練されたネットワークである。
【0120】
リソグラフィ構成態様の構成パラメータには、DMD13の個数、DMD13の精度、DMD13の寸法のうち、少なくとも1つが含まれてもよい。
【0121】
第二の機能として、各々のリソグラフィ構成態様の評価パラメータに従って、リソグラフィ構成を推奨することである。
【0122】
各々の態様の評価パラメータが取得されると、評価パラメータに従ってリソグラフィ構成を推奨することが可能となる。選択的に、ユーザは、リソグラフィシステムを使用する前に、自分の使用ニーズを設置し、リソグラフィシステムは、設置された使用ニーズに応じて推奨するようにされてもよい。例えば、ユーザが最も高い解像度を必要とする場合、各態様の評価パラメータに従って、最も解像度の高いリソグラフィ構成態様を推奨することが可能であり、更に例えば、最も低いコストを必要とする場合、各態様の評価パラメータに従って、最もコストの低いリソグラフィ構成態様を推奨することが可能であるが、ここで繰り返して述べない。
【0123】
本発明は、使用目的、効果、進歩性、新規性等の観点から説明されており、それに持たせている実用的な進歩性は、特許法が重視する機能向上及び使用要件を満たしており、本発明の上記の説明及図面は、あくまでも本発明の好ましい実施例に過ぎず、これによって本発明を制限するものではないため、本発明の構造、装置、特徴等と類似や同一なもの、即ち本発明の特許請求の範囲に準拠してなされた同等の置換や修正等、全て本発明の特許請求の範囲内に含まれるものとする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7