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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-26
(45)【発行日】2024-10-04
(54)【発明の名称】高靭性の低合金高強度棒鋼の圧延方法
(51)【国際特許分類】
   C21D 8/06 20060101AFI20240927BHJP
   C22C 38/00 20060101ALI20240927BHJP
   C22C 38/38 20060101ALI20240927BHJP
   B21B 3/00 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
C21D8/06 A
C22C38/00 301Y
C22C38/38
B21B3/00 D
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2023569599
(86)(22)【出願日】2022-05-11
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-01
(86)【国際出願番号】 CN2022092306
(87)【国際公開番号】W WO2022214107
(87)【国際公開日】2022-10-13
【審査請求日】2023-11-09
(31)【優先権主張番号】202110519204.6
(32)【優先日】2021-05-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522275980
【氏名又は名称】大冶特殊鋼有限公司
【氏名又は名称原語表記】DAYE SPECIAL STEEL CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.316 Huangshi Avenue Huangshi, Hubei 435001, China
(74)【代理人】
【識別番号】100111257
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 栄二
(74)【代理人】
【識別番号】100110504
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 智裕
(72)【発明者】
【氏名】李 小▲龍▼
(72)【発明者】
【氏名】▲時▼ 涛
(72)【発明者】
【氏名】周 敦世
【審査官】田口 裕健
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第108906884(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第106216391(CN,A)
【文献】特開昭62-050411(JP,A)
【文献】特開平09-125143(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C21D 8/00- 8/10
C22C 38/00-38/60
B21B 1/00- 3/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱ステップ、リン除去ステップ、粗圧延ステップ、連続圧延ステップ、第1回通水冷却ステップ、仕上圧延ステップ、第2回通水冷却ステップ、及び冷床冷却ステップを順次に含み、
転炉連続鋳造ビレットを原料とし、質量%で、前記連続鋳造ビレット中の各化学成分と含有量は、C≦0.20、Si≦0.60、Mn1.37~1.70、Cr≦0.30(0%を含まず)、P≦0.020、S≦0.020、V0.07~0.10、Al≦0.03、N0.008~0.025であり、残りはFeと避けられない不純物であり、
前記加熱ステップは、順次に、予備加熱段階、加熱第1段階、加熱第2段階、均熱段階という4段に分けられ、
前記予備加熱段の温度は、750℃以下であり、
前記加熱1段の温度は、900~1050℃であり、
前記加熱2段の温度は、1050~1150℃であり、
前記均熱段の温度は、1150~1210℃であり、
前記加熱ステップの総加熱時間は、3~5hであり、前記均熱段の均熱時間は30~80minであり、
前記リン除去ステップにおいて、酸化鉄皮を除去することを目的とする高圧水リン除去を採用し、前記高圧水の水圧は15~20MPaであり、
前記粗圧延ステップにおいて、粗圧延の入口温度は、950~1050℃であり、粗圧延のパスは5~7パスであり、
前記連続圧延ステップは、中圧延と予備仕上圧延を含み、
前記中圧延の入口温度は、900~1000℃であり、中圧延のパスは5~7パスであり、
前記予備仕上圧延の出口温度は、850~950℃であり、予備仕上圧延のパスは3~5パスであり、
前記第1回通水冷却は、連続圧延ステップ後の原料を第1回通水冷却し、その中、水冷速度が25~50℃/sであり、水圧が0.2~0.6MPaであり、前記第1回通水冷却後の温度は、765~800℃であり、
前記仕上圧延ステップにおいて、仕上圧延の入口圧延温度は、832~850℃であり、
前記第2回通水冷却は、前記仕上圧延ステップ後の鋼材に対して前記第2回通水冷却を行う温度が600℃~700℃であり、その中、水冷速度が25~100℃/sであり、水圧が0.2~0.6MPaであり、
前記冷床冷却は、第2回通水冷却後に得られた鋼材を冷床で空冷することであ
得られる鋼材は、金相組織が微細フェライトとパーライトであり、引張強度が630MPaより大きく、降伏強度が500MPaより大きく、結晶粒度が9.0級以上であることを特徴とする高靭性の低合金高強度鋼の圧延方法。
【請求項2】
前記加熱ステップは、4段ステッピング加熱炉内で行われる、
ことを特徴とする請求項に記載の高靭性の低合金高強度鋼の圧延方法。
【請求項3】
前記粗圧延ステップにおいて、粗圧延機の数を6台に設置し、前記粗圧延のパスは6パスである、
ことを特徴とする請求項に記載の高靭性の低合金高強度鋼の圧延方法。
【請求項4】
前記中圧延において、中圧延機の数を6台に設置し、前記中圧延のパスは6パスである、
ことを特徴とする請求項に記載の高靭性の低合金高強度鋼の圧延方法。
【請求項5】
前記予備仕上圧延において、予備仕上圧延機の数を4台に設置し、前記予備仕上圧延のパスは4パスである、
ことを特徴とする請求項に記載の高靭性の低合金高強度鋼の圧延方法。
【請求項6】
RSミルを用いて仕上圧延を行う、
ことを特徴とする請求項に記載の高靭性の低合金高強度鋼の圧延方法。
【請求項7】
前記RSミルは3-ロールRSミルである、
ことを特徴とする請求項に記載の高靭性の低合金高強度鋼の圧延方法。
【請求項8】
前記高圧水の水圧は17~20MPaである、
ことを特徴とする請求項に記載の高靭性の低合金高強度鋼の圧延方法。
【請求項9】
前記圧延方法により高靭性の低合金高強度鋼棒材を得る、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の高靭性の低合金高強度鋼の圧延方法。
【請求項10】
前記鋼棒材の規格はφ60~120mmである、
ことを特徴とする請求項に記載の高靭性の低合金高強度鋼の圧延方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鋼材圧延分野に関し、具体的には、高靭性の低合金高強度鋼の圧延方法に関する。
【背景技術】
【0002】
社会の経済発展と科学技術の進歩に伴い、鉄鋼材料はすでに各分野に広く応用されており、その中で低合金高強度鋼は、高い強度、良好な塑性と靭性を持っているため、航空宇宙、船舶などのハイエンド分野、特に石油パイプライン、橋梁、大型建築物などのインフラ施設、車両、容器及び機械、化学工業、医療、軽工業設備などの工事分野にも広く応用されている。低合金高強度鋼は強度が高く、成形性が優れ、総合性能が安定しているため、機械設備、車両、製管などの分野に広く応用されている。
【0003】
現在、鉄鋼材料の強度を高める方法は固溶強化、転位強化、細結晶強化、及び第二相粒子の析出強化などがあり、その中で細結晶強化効果が最も顕著で、細結晶強化後の鋼材は比較的に良い強度と靭性を持っている。結晶粒の微細化、クラック拡張抵抗の向上に伴い、鋼の疲労強度が増加し、靭性が向上し、脆性転換点の温度が低下する。細粒鋼は良好な強度と靭性の配合を有し、自動車、船舶、橋梁及び工事機械などの分野で広く応用されている。
【0004】
従来技術では低合金高強度鋼の強度と靭性を兼ねることができず、従来技術では鋼板と板帯の圧延方法だけに関連し、棒材円鋼圧延方法に関連しておらず、また圧延過程でオフライン焼きならしステップが必要であり、生産コストが高く、省エネコスト削減とグリーン製造に不利である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来技術の不足に対して、本発明の目的は高靭性の低合金高強度鋼の圧延方法を提供し、マイクロアロイ元素及び圧延制御並びに冷却制御プロセス技術を通じて、合理的な生産プロセス制御を制定し、高靭性の低合金高強度鋼を生産する圧延方法の開発に成功し、製品の製造過程において、オフライン焼きならしのステップを除去し、プロセス製造フローを減少し、製造コストを節約する。このプロセスと方法を用いて製造された低合金高強度鋼は、金相組織が微細フェライトとパーライトであり、引張強度が630MPaより大きく、降伏強度が500MPaより大きく、圧延後の結晶粒度が微細で均一であり、結晶粒度が9.0級以上に達し、総合力学性能は通常の圧延プロセスをはるかに超えている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、以下の技術案を提供する。
高靭性の低合金高強度鋼の圧延方法であって、前記圧延方法は、加熱ステップ、リン除去ステップ、粗圧延ステップ、連続圧延ステップ、第1回通水冷却ステップ、仕上圧延ステップ、第2回通水冷却ステップ、及び冷床冷却ステップを順次に含む。
転炉連続鋳造ビレットを原料とし、質量%で、前記高靭性の低合金高強度鋼の連続鋳造ビレット中の各化学成分と含有量は、C ≦0.20、Si ≦0.60、Mn 1.00~1.70、Cr ≦0.30、P ≦0.020、S ≦0.020、V 0.05~0.10、Al ≦0.03、N ≦0.025であり、残りはFeと避けられない不純物である。
上記高靭性の低合金高強度鋼の圧延方法は、好ましい実施形態として、前記加熱ステップは、順次に、予備加熱段、加熱1段、加熱2段、及び均熱段という4段に分けられる。
上記高靭性の低合金高強度鋼の圧延方法は、好ましい実施形態として、前記予備加熱段の温度は750℃以下である。
上記高靭性の低合金高強度鋼の圧延方法は、好ましい実施形態として、前記加熱1段の温度は900~1050℃である。
上記高靭性の低合金高強度鋼の圧延方法は、好ましい実施形態として、前記加熱2段の温度は1050~1150℃である。
上記高靭性の低合金高強度鋼の圧延方法は、好ましい実施形態として、前記均熱段の温度は1150~1210℃である。
上記高靭性の低合金高強度鋼の圧延方法は、好ましい実施形態として、前記加熱ステップの総加熱時間は3~5hである。
上記高靭性の低合金高強度鋼の圧延方法は、好ましい実施形態として、前記均熱段の均熱時間は30~80minである。
上記高靭性の低合金高強度鋼の圧延方法は、好ましい実施形態として、前記加熱ステップは4段ステッピング加熱炉内で行われる。
上記高靭性の低合金高強度鋼の圧延方法は、好ましい実施形態として、前記粗圧延ステップにおいて、粗圧延の入口温度は、950~1050℃であり、粗圧延のパスは5~7パスであり、好ましくは、前記粗圧延ステップにおいて、粗圧延機の数を6台に設置する。
上記高靭性の低合金高強度鋼の圧延方法は、好ましい実施形態として、前記連続圧延ステップは中圧延と予備仕上圧延を含む。
上記高靭性の低合金高強度鋼の圧延方法は、好ましい実施形態として、前記中圧延の入口温度は、900~1000℃である。
上記高靭性の低合金高強度鋼の圧延方法は、好ましい実施形態として、前記中圧延において中圧延機の数を6台に設置し、中圧延のパスは5~7パスであり、好ましくは、前記中圧延のパスは6パスである。
上記高靭性の低合金高強度鋼の圧延方法は、好ましい実施形態として、前記予備仕上圧延の出口温度は、850~950℃である。
上記高靭性の低合金高強度鋼の圧延方法は、好ましい実施形態として、前記予備仕上圧延において、予備仕上圧延機の数を4台に設置し、予備仕上圧延のパスは3~5パスであり、好ましくは、前記予備仕上圧延のパスは4パスである。
上記高靭性の低合金高強度鋼の圧延方法は、好ましい実施形態として、前記第1回通水冷却において、連続圧延ステップ後の原料を第1回通水冷却し、その中、水冷速度が25~50℃/sであり、水圧が0.2~0.6MPaである。
上記高靭性の低合金高強度鋼の圧延方法は、好ましい実施形態として、前記仕上圧延ステップにおいて、仕上圧延の入口圧延温度は、800~850℃である。
上記高靭性の低合金高強度鋼の圧延方法は、好ましい実施形態として、RSミル(Reducingsizingmill)を用いて仕上圧延を行う。
上記高靭性の低合金高強度鋼の圧延方法は、好ましい実施形態として、前記RSミルは3-ロールRSミルである。
上記高靭性の低合金高強度鋼の圧延方法は、好ましい実施形態として、前記第2回通水冷却ステップにおいて、仕上圧延ステップ後の鋼材を第2回通水冷却し、その中、水冷速度が25~100℃/sであり、水圧が0.2~0.6MPaである。
上記高靭性の低合金高強度鋼の圧延方法は、好ましい実施形態として、前記リン除去ステップにおいて、酸化鉄皮を除去することを目的とする高圧水リン除去を採用し、前記高圧水の水圧は15~20MPaである。
さらに好ましくは、前記高圧水の水圧が17~20MPaである。
上記高靭性の低合金高強度鋼の圧延方法は、好ましい実施形態として、この圧延方法により高靭性の低合金高強度鋼棒材を得て、前記鋼棒材の規格はφ60~120mmである。
上記高靭性の低合金高強度鋼の圧延方法は、好ましい実施形態として、前記冷床冷却とは第2回通水冷却後に得られた鋼材を冷床で空冷することをいう。
【0007】
従来技術と比較して、本発明の有益な効果は以下のようになる。
(1)連続鋳造ビレットの化学成分に、マイクロアロイ元素バナジウムVを添加することにより、鋼の焼入れ性を高め、鋼材の変形を減少し、クラックの発生を回避し、さらに衝撃靭性を高める。マイクロアロイ元素バナジウムVは900℃以下のみで再結晶に対して遅延作用があるため、オーステナイト転移後、マイクロアロイ元素バナジウムVはほぼ完全に溶解するとともに、マイクロアロイ元素Nはマイクロアロイ元素の衝撃靭性をさらに強化し、マイクロアロイ元素バナジウムV、窒素Nの沈殿強化作用を十分に利用し、マイクロアロイ元素Vの含有量を添加することにより衝撃靭性を高めるとともに、マイクロアロイ元素バナジウムVをフェライトに溶解することは強化作用があり、安定した炭化物を形成し、結晶粒を微細化する。
同時にオンラインTMCPプロセスを採用し、窒化物の析出過程を制御し、フェライトとパーライト組織を形成し、比較的低い最終圧延温度と冷却速度を採用することにより、再び結晶粒を微細化し、結晶粒を微細化する過程で鋼の強度を高めるとともに、その塑性と衝撃靭性を改善でき、力学性能の高強度制御を実現する。
この圧延方法を用いて低合金高強度鋼の実際の結晶粒度を微細化することができ、得られた低合金高強度鋼の総合性能は優れており、金相組織は微細フェライトとパーライトであり、引張強度は630MPaより大きく、降伏強度は500MPaより大きく、圧延後の結晶粒度は微細で均一であり、結晶粒度は9.0級以上に達し、-20°C衝撃エネルギーは100Jより大きく、-40°C衝撃エネルギーは80Jより大きく、その総合力学性能は通常の圧延プロセスをはるかに超えている。
(2)圧延過程にオフライン焼きならし処理を行わず、力学性能も使用要求を満たすことができ、これにより加工時間を節約できるだけでなく、コストを下げ、効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】比較例2の圧延φ80mm規格で取得した金相組織である。
図2】比較例2の圧延φ80mm規格で取得した結晶粒度(7.5級)である。
図3】本発明の実施例2の圧延φ80mm規格で取得した金相組織である。
図4】本発明の実施例2の圧延φ80mm規格で取得した結晶粒度(9.0級)である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施例における技術案について、本発明の実施例における図面を参照して明確に完全に説明するが、明らかに、説明された実施例は本発明の一部の実施例にすぎず、すべての実施例ではない。当業者は、本発明における実施例に基づいて、創造的な労働を行うことなく取得した他のすべての実施例は、本発明の保護の範囲に属する。
【0010】
本発明に開示された圧延方法は連続圧延プロセスパラメータに基づいて設計され、圧延原理の固体相転移と塑性変形を結合することにより、4段ステッピング加熱炉加熱プロセス制度と圧延圧下制度で塑性製材し、粗圧延、中圧延、仕上圧延変形の制度を通じて製材し、最後に冷却制御プロセスを通じて金属固体相転移を制御し、必要な製品の良質な組織形態と優れた組織力学性能を得る。
【0011】
以下、図面を参照して、本発明の技術案を実例によりさらに詳細に説明する。
【0012】
高靭性の低合金高強度鋼の圧延方法であって、前記圧延方法は、加熱ステップ、リン除去ステップ、粗圧延ステップ、連続圧延ステップ、第1回通水冷却ステップ、仕上圧延ステップ、第2回通水冷却ステップ、及び冷床冷却ステップを順次に含み、転炉連続鋳造ビレットを原料とし、質量%で、連続鋳造ビレット中の各化学成分と含有量は、C ≦0.20、Si ≦0.60、Mn 1.00~1.70、Cr ≦0.30、P ≦0.020、S ≦0.020、V 0.05~0.10、Al ≦0.03、N ≦0.025であり、残りはFeと避けられない不純物である。
【0013】
連続鋳造ビレットの化学成分に、マイクロアロイ元素バナジウムVを添加することにより、鋼の焼入れ性を高め、鋼の変形とクラックの発生を減少し、さらに衝撃靭性を高める。マイクロアロイ元素バナジウムVは900℃以下のみで再結晶に対して遅延作用があるため、オーステナイト転移後、マイクロアロイ元素バナジウムVはほぼ完全に溶解したとともに、マイクロアロイ元素Nはマイクロアロイ元素バナジウムVの衝撃靭性をさらに強化し、マイクロアロイ元素バナジウムV、窒素Nの沈殿強化作用を十分に利用した。
【0014】
結晶粒の微細化が塑性及び靭性を改善できる理由は、微細な結晶粒が塑性変形の発生及び拡張により良い条件を提供することにある。オーステナイトのフェライトへの転移温度Ar3を低下させる要素はすべて結晶粒が微細化する傾向がある。マイクロアロイ元素Vの含有量を添加することにより衝撃靭性を高めるとともに、マイクロアロイ元素バナジウムVがフェライトに溶解することにより強化作用があり、安定した炭化物を形成し、結晶粒を微細化する。
【0015】
圧延方法は、以下のステップを順次に含む。
(1)加熱
加熱ステップは、4段ステッピング加熱炉内で行われ、加熱ステップは、順次に、予備加熱段、加熱1段、加熱2段、均熱段という4段に分けられる。
予備加熱段の温度は750℃以下(例えば、600℃、650℃、665℃、700℃、750℃、及びそのうちいずれか2つの温度の間の区間帯又は区間点)であり、即ち、炉温温度が750℃を超えると、ビレットの熱伝導率が速すぎて、ビレットと加熱炉の温度差が大きすぎるため、さらに鋳造ビレットまたは最終圧延材の表面にクラックが発生するおそれがある。
加熱1段の温度は、900~1050℃(例えば900℃、950℃、980℃、1000℃、1010℃、1050℃、及びそのうちいずれか2つの温度の間の区間帯又は区間点)である。加熱2段の温度は、1050~1150℃(例えば1050℃、1080℃、1100℃、1110℃、1130℃、1150℃、及びそのうちいずれか2つの温度の間の区間帯又は区間点)である。加熱1段と加熱2段の主な作用は、エネルギー消費を減らし、ビレットの酸化焼損を減らすことである。
均熱段の温度は、1150~1210℃(例えば1150℃、1160℃、1165℃、1170℃、1185℃、1190℃、1205℃、1210℃、及びそのうちいずれか2つの温度の間の区間帯又は区間点)である。均熱段の主な作用は、エネルギー消費を減少し、ビレットの酸化焼損を減少するとともに、ビレットの脱炭素を減少することである。
加熱ステップの総加熱時間は、3~5h(例えば3.5h、4h、4.5h、4.8h、及びそのうちいずれか2つの時間帯の間の時点)であり、前記均熱段の均熱時間は、30~80min(例えば30min、35min、40min、45min、50min、55min、60min、70min、75min、80min及びそのうちいずれか2つの時間帯の間の時点)である。
加熱ステップは次の4つの目標を実現する。第一に、オフライン焼きならしステップを省略することはエネルギー消費を減少し、コストを節約することができ、第二に、4段加熱工程はビレットの酸化焼損を減少させ、第三に、ビレットの脱炭素を減らし、第四に、加熱時間が長すぎることによる最終圧延材の表面クラックを低減する。
【0016】
(2)リン除去
加熱後のビレットに対して、酸化鉄皮を除去するために高圧水リン除去を採用し、高圧水の圧力は15~20MPa(例えば15MPa、16.5MPa、17MPa、18MPa、20MPa、及びそのうちいずれか2つの圧力値間の圧力値)であり、高圧水の圧力値は17~20MPaであることが好ましい。高圧水を利用して鋼材表面の酸化鉄皮を除去し、圧力が15MPaより低いと表面酸化鉄皮の清掃が不潔で不徹底であり、鋼材圧延効果に影響を与える。
【0017】
(3)粗圧延
粗圧延ステップは6台の粗圧延機を設置することが好ましく、その中粗圧延の入口温度は、950~1050℃(例えば950℃、980℃、1000℃、1020℃、1035℃、1050℃、及びそのうちいずれか2つの温度の間の区間帯又は区間点)であり、粗圧延のパスは5~7パスであり、粗圧延のパスは6パスが好ましい。粗圧延ステップは連続圧延の圧延方法を採用し、主に塑性変形によりビレットのブランク表面の大きさを変更し、孔型設計は箱型孔設計を採用し、大きな圧下プロセスでブランク断面形状を変更及び減少させる。
【0018】
(4)連続圧延
連続圧延ステップは中圧延と予備仕上圧延を含み、中圧延の入口温度は、900~1000℃(例えば905℃、920℃、940℃、950℃、970℃、1000℃、及びそのうちいずれか2つの温度の間の区間帯又は区間点)であり、中圧延ステップにおいて6台の中圧延機を設置することが好ましく、中圧延のパスは5~7パスであり、中圧延のパスは6パスが好ましい。孔型設計は主に楕円と円形孔型設計を採用し、圧延プロセスを通じて、ブランク断面形状を完成品形状に近づけさせる。
予備仕上圧延の出口温度は、850~950℃(例えば855℃、870℃、890℃、900℃、910℃、920℃、930℃、940℃、950℃、及びそのうちいずれか2つの温度の間の区間帯又は区間点)であり、予備仕上圧延ステップにおいて4台の予備仕上圧延機を設置することが好ましく、予備仕上圧延のパスは3~5パスであり、予備仕上圧延のパスは4パスが好ましい。孔型設計は主に楕円と円形孔型設計を採用し、圧延プロセスを通じて、ブランク断面形状を完成品形状に近づけさせる。
【0019】
(5)第1回通水冷却
連続圧延ステップ後の原料を第1回通水冷却し、第1回通水冷却ステップ後の温度は、750~800℃(例えば750℃、765℃、780℃、795℃、798℃、800℃、及びそのうちいずれか2つの温度の間の区間帯又は区間点)であり、その中、第1回通水冷却の水冷速度は25~50℃/sであり、水圧は0.2~0.6MPaである。第1回通水冷却の温度及び水冷速度を制御することにより、仕上圧延前の鋼材温度を制御し、仕上圧延に必要な目標温度を得る。
【0020】
(6)仕上圧延
ステップ(5)で得られた圧延材をRS仕上圧延ミルに入れて圧延し、RS仕上圧延ミルは、好ましくは3-ロールRSミル、即ちKOCKS RS仕上圧延ミルであり、入口圧延温度は、800~850℃(例えば800℃、810℃、820℃、824℃、832℃、850℃、及びそのうちいずれか2つの温度の間の区間帯又は区間点)である。3-ロールRSミルを用いた仕上圧延は、低温圧延をより良く実施することができ、それによって非調質鋼の結晶粒度、総合力学性能を高め、非調質鋼の生産にその優れた性能を提供する。
【0021】
(7)第2回通水冷却
仕上圧延後の鋼材を第2回通水冷却し、仕上圧延ステップ後の鋼材を第2回通水冷却する温度は、600~700℃(例えば600℃、625℃、640℃、662℃、683℃、700℃、及びそのうちいずれか2つの温度の間の区間帯又は区間点)であり、その中、水冷速度は25~100℃/sであり、水圧は0.2~0.6MPaである。仕上圧延後に第2回通水冷却するとともに、第2回通水冷却の温度及び水冷速度を制御し、鋼材温度を制御することにより、鋼材の最終的に必要な金相組織と力学性能を得る。
【0022】
(8)冷床冷却、即ち冷床空冷
第2回通水冷却後に得られた鋼材を冷床で空冷し、最終的に完成品鋼材を得た。
【0023】
ステップ(1)からステップ(8)に記載の制御圧延と制御冷却技術は、高炭素鋼鋼種の結晶粒度を微細化する主要なステップであり、加熱温度、変形程度、及び冷却速度を総合的に制御することによって、実際の結晶粒度を微細化し、鋼材の剛性と靭性を高める目的を達成する。
【0024】
同時にオンラインTMCPプロセス(即ち、熱機械制御プロセス)を採用し、窒化物の析出過程を制御し、均一なフェライトとパーライト組織を形成し、比較的低い最終圧延温度と冷却速度を採用することにより、再び結晶粒を微細化し、結晶粒を微細化する過程で鋼の強度を高めるとともに、その塑性と衝撃靭性を改善でき、力学性能の高強度制御を実現する。
【0025】
本発明の前記高靭性の低合金高強度鋼の圧延方法であって、その方法は独特で、マイクロアロイ元素と熱機械制御プロセスの圧延冷却制御技術の共同作用を用いてオンライン制御を実現し、このプロセス方法を用いて高靭性の低合金高強度鋼の実際の結晶粒度を微細化することができ、前記高靭性の低合金高強度鋼は総合性能が優れ、金相組織は微細フェライトとパーライトであり、引張強度は630MPaより大きく、降伏強度は500MPaより大きく、圧延後の結晶粒度は微細で均一であり、結晶粒度は9.0級以上に達し、-20°CシャルピーV型衝撃エネルギーは100Jより大きく、-40°CシャルピーV型衝撃エネルギーは80Jより大きく、その総合力学性能は通常の圧延方法をはるかに超えている。
【0026】
高靭性の低合金高強度鋼は、製造過程にオフライン焼きならし処理を行わず、力学性能も使用要求を満たすことができ、このように加工時間を節約できるだけでなく、コストを下げ、効率を高めることができる。
【0027】
実施例1
実施例1は、高靭性の低合金高強度鋼の圧延方法を提供し、必要とする完成品規格はφ65mmであり、300×400mm断面連続鋳造ビレットを選択し、その中、連続鋳造ビレット中の各化学成分は、質量%で、表2に示されており、質量分率は合計100%であり、前記高靭性の低合金高強度鋼の圧延方法は次のステップを含む。
(1)加熱:断面連続鋳造ビレットを切断した後、冷送方式を用いて4段ステッピング加熱炉に入れて加熱し、予備加熱段の温度は685℃であり、加熱1段の温度は1005℃であり、加熱2段の温度は1086℃であり、均熱段の温度は1175℃であり、この加熱ステップの総加熱時間は3.8hであり、均熱段の均熱時間は43minである。
(2)リン除去:加熱後のビレットに対して、酸化鉄皮を除去するために高圧水リン除去を採用し、高圧水の圧力は18.0MPaである。
(3)粗圧延:リン除去後のビレットを高剛度粗圧延機(6台)に入れて粗圧延し、粗圧延ビレットを得て、粗圧延入口温度は、1015℃であり、粗圧延のパスは6パスである。
(4)連続圧延:ステップ(3)で得られた粗圧延ビレットを連続圧延ユニットに入れて、中圧延入口温度は、925℃であり、中圧延のパスは6パスであり、予備仕上圧延ビレットの出口温度は、910℃であり、予備仕上圧延ビレットのパスは4パスである。
(5)第1回通水冷却:予備仕上圧延後の圧延材を第1回通水冷却し、温度を790℃に冷却し、水冷速度は40℃/sであり、水圧は0.5MPaである。
(6)仕上圧延:予備仕上圧延後に得られた規格φ80mmの圧延材をKOCKS RSミルにより圧延し、前記RSミルの圧延時の圧延材の入口温度は、845℃であり、規格がφ65mmである鋼棒材を得る。
(7)第2回通水冷却:仕上圧延後の圧延材を第2回通水冷却し、温度を685℃に冷却し、水冷速度は75℃/sであり、水圧は0.6MPaである。
(8)冷床冷却(冷床空冷):ステップ(7)で得られた規格がφ65mmである鋼棒材を冷床で空冷し、最終的に完成品鋼棒材を得る。
【0028】
実施例1で得られた高靭性の低合金高強度鋼の熱間圧延状態の組織は均一なフェライトとパーライトであり、実際の結晶粒度は9.0級であり、その鋼材製品の力学性能は表3に示す。実施例1で得られた高靭性の低合金高強度鋼の熱間圧延状態の組織は均一なフェライトとパーライトであり、実際の結晶粒度は9.0級であり、表3から分かるように、その鋼材製品の力学性能は優れている。
【0029】
実施例2
実施例2は、高靭性の低合金高強度鋼の圧延方法を提供し、必要とする完成品規格はφ80mmであり、300×400mm断面連続鋳造ビレットを選択し、その中、連続鋳造ビレット中の各化学成分は、質量%で、表2に示されており、質量分率は合計100%であり、前記圧延方法は、(1)加熱、(2)リン除去、(3)粗圧延、(4)連続圧延、(5)第1回通水冷却、(6)仕上圧延、(7)第2回通水冷却、及び(8)冷床冷却(冷床空冷)というステップを順次に含み、実施例2の加工ステップは実施例1と同じであり、その具体的なステップの加工パラメータは、表1を参照し、その鋼材製品力学性能は表3に示す。
【0030】
実施例2で得られた高靭性の低合金高強度鋼の熱間圧延状態の組織は、図3に示すように、均一なフェライトとパーライトであり、実際の結晶粒度は、図4に示すように、9.0級である。表3から分かるように、その鋼材製品は力学性能が優れている。
【0031】
実施例3
実施例3は、高靭性の低合金高強度鋼の圧延方法を提供し、必要とする完成品規格はφ100mmであり、300×400mm断面連続鋳造ビレットを選択し、その中、連続鋳造ビレット中の各化学成分は、質量%で、表2に示されており、質量分率は合計100%であり、前記圧延方法は、(1)加熱、(2)リン除去、(3)粗圧延、(4)連続圧延、(5)第1回通水冷却、(6)仕上圧延、(7)第2回通水冷却、及び(8)冷床冷却(冷床空冷)というステップを順次に含み、実施例3の加工ステップは実施例1と同じであり、その具体的なステップの加工パラメータは、表1を参照し、その鋼材製品力学性能は表3に示す。
【0032】
実施例3で得られた高靭性の低合金高強度鋼の熱間圧延状態の組織は、均一なフェライトとパーライトであり、実際の結晶粒度は9.0級であり、表3から分かるように、その鋼材製品は力学性能が優れている。
【0033】
実施例1~3の具体的な加工ステップのパラメータは表1に示す。
【0034】
【表1】
【0035】
実施例1~3で選択された連続鋳造ビレット化学成分は表2に示す。
【0036】
【表2】
【0037】
実施例1~3で得られた高靭性の低合金高強度鋼の各項性能は表3に示す。
【0038】
【表3】
【0039】
実施例4~7
実施例4~7は高靭性の低合金高強度鋼の圧延方法を提供し、前記圧延方法は、(1)加熱、(2)リン除去、(3)粗圧延、(4)連続圧延、(5)第1回通水冷却、(6)仕上圧延、(7)第2回通水冷却、及び(8)冷床冷却(冷床空冷)というステップを順次に含み、実施例4~7の加工ステップ及び機械パラメータは実施例1と同じであり、実施例4~7が用いる連続鋳造ビレット中の各化学成分の含有量は、質量%で、表4に示されており、質量分率は合計100%である。
【0040】
【表4】
【0041】
実施例4~7で得られた高靭性の低合金高強度鋼の各項性能は、表5に示す。
【0042】
【表5】
【0043】
表5から分かるように、実施例4~7で得られた高靭性の低合金高強度鋼の熱間圧延状態の組織は、均一なフェライトとパーライトであり、実際の結晶粒度は9.0級であり、その鋼材製品は力学性能が優れている。
【0044】
比較例1
必要とする完成品規格はφ65mmであり、300×400mm断面連続鋳造ビレットを選択し、連続鋳造ビレット中の各化学成分と含有量は、C0.45、Si0.28、Mn1.46、Cr0.16、V0.06、N0.010、Al0.020、P≦0.020、S≦0.020であり、残りはFeと避けられない不純物である。合金鋼材加工ステップ及びパラメータは、表7に示す。
【0045】
表6に示すように、連続鋳造ビレットの化学成分中のC含有量は0.45%、即ちC>0.20であるため、表8に示すように、圧延する鋼材の伸び率は18%であり、-20℃シャルピーV型衝撃エネルギーは32Jであり、-40℃シャルピーV型衝撃エネルギーは17Jである。
【0046】
比較例2
必要とする完成品規格はφ80mmであり、300×400mm断面連続鋳造ビレットを選択し、連続鋳造ビレット中の各化学成分と含有量は、C0.16、Si0.30、Mn0.8、Cr0.15、V0.07、N0.012、Al0.020、P≦0.020、S≦0.020であり、残りはFeと避けられない不純物である。合金鋼材加工ステップ及びパラメータは表7に示す。
【0047】
表6に示すように、連続鋳造ビレットの化学成分のマンガンMn含有量は0.8、即ちMn<1.0であるため、表8に示すように、圧延する鋼材の伸び率は26%であり、-20℃シャルピーV型衝撃エネルギーは54Jであり、-40℃シャルピーV型衝撃エネルギーは25Jである。
【0048】
比較例3
必要とする完成品規格はφ100mmであり、300×400mm断面連続鋳造ビレットを選択し、連続鋳造ビレット中の各化学成分と含有量は、C0.16、Si0.30、Mn1.40、Cr0.15、N0.011、Al0.022、P≦0.020、S≦0.020であり、残りはFeと避けられない不純物である。合金鋼材加工ステップ及びパラメータは表7に示す。
【0049】
表6に示すように、連続鋳造ビレットの化学成分にバナジウムVが添加されていないため、表8に示すように、圧延する鋼材の伸び率は25%であり、-20℃シャルピーV型衝撃エネルギーは35Jであり、-40℃シャルピーV型衝撃エネルギーは19Jである。
【0050】
比較例4
必要とする完成品規格はφ90mmであり、300×400mm断面連続鋳造ビレットを選択し、連続鋳造ビレット中の各化学成分と含有量は、C0.16、Si0.32、Mn1.47、Cr0.15、V0.06、N0.040、Al0.020、P≦0.020、S≦0.020であり、残りはFeと避けられない不純物である。合金鋼材加工ステップ及びパラメータは表7に示す。
【0051】
表6に示すように、連続鋳造ビレットの化学成分中の窒素Nの含有量は0.040、即ちN>0.025であるため、表8に示すように、圧延する鋼材の伸び率は27%であり、-20℃シャルピーV型衝撃エネルギーは62Jであり、-40℃シャルピーV型衝撃エネルギーは37Jである。
【0052】
表8から分かるように、本願に開示された圧延方法に対して、比較例1~4の圧延方法で得られた鋼材の力学性能において、-20℃シャルピーV型衝撃エネルギーはいずれも100Jより小さく、-40℃シャルピーV型衝撃エネルギーはいずれも80Jより小さく、圧延後の合金鋼材の結晶粒度は9.0級以上に達しなかった。
【0053】
【表6】
【0054】
比較例1~4の合金鋼材加工ステップ及びパラメータは、表7に示す。
【0055】
【表7】
【0056】
比較例1~4で得られた合金鋼材の各項性能は表8に示す。
【0057】
【表8】
【0058】
本発明の好適な実施例について説明したが、当業者はこれらの実施例に別の変更及び補正を行うことができる。したがって、添付の特許請求の範囲は、好ましい実施例および本発明の範囲に含まれるすべての変更および補正を含むと解釈されるべきである。
【0059】
上述したのは本発明の好適な実施例のみであり、本発明を限定するためには使用されず、当業者にとっては、本発明は種々の変更及び変化が可能である。本発明の精神と原則の中で行ったいかなる補正、等価置換、改良などは、本発明の保護範囲に含まれるべきである。
図1
図2
図3
図4