(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-26
(45)【発行日】2024-10-04
(54)【発明の名称】発光装置
(51)【国際特許分類】
H01L 33/54 20100101AFI20240927BHJP
H01L 33/50 20100101ALI20240927BHJP
【FI】
H01L33/54
H01L33/50
(21)【出願番号】P 2024541751
(86)(22)【出願日】2024-02-20
(86)【国際出願番号】 JP2024005974
【審査請求日】2024-07-10
(31)【優先権主張番号】P 2023047180
(32)【優先日】2023-03-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000131430
【氏名又は名称】シチズン電子株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000001960
【氏名又は名称】シチズン時計株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100180806
【氏名又は名称】三浦 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100160716
【氏名又は名称】遠藤 力
(72)【発明者】
【氏名】大森 祐治
(72)【発明者】
【氏名】青嶋 克弥
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 伸
【審査官】百瀬 正之
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-225600(JP,A)
【文献】特開2020-030905(JP,A)
【文献】特開2020-136619(JP,A)
【文献】特開2020-129691(JP,A)
【文献】特開2019-016780(JP,A)
【文献】特開2021-125543(JP,A)
【文献】特開2020-205327(JP,A)
【文献】米国特許第06666567(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0034978(US,A1)
【文献】特開2017-085096(JP,A)
【文献】特開2019-096741(JP,A)
【文献】特開2012-054383(JP,A)
【文献】特開2020-119722(JP,A)
【文献】特開2019-121790(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00-33/64
F21K 9/00-9/90
F21S 2/00-45/70
F21V 8/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板の上面に第1方向に沿って延伸する複数の第1発光素子群を形成するように実装された複数の第1発光素子と、
前記複数の第1発光素子のそれぞれの側面の少なくとも一部を覆う
と共に、前記複数の第1発光素子の間を連続的に覆うように配置された第1樹脂と、
前記複数の第1発光素子群に隣接し且つ前記第1樹脂と隔離して実装された複数の第2発光素子と、を有し、
前記複数の第1発光素子のそれぞれの4つの側面のうち、何れか1つの側面の法線方向が前記第1方向となす角度θは、15度以上且つ75度以下である、
ことを特徴とする発光装置。
【請求項2】
前記角度θは、30度以上且つ60度以下である、請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
前記第1樹脂は、第1蛍光体を含有し、前記複数の第1発光素子のそれぞれの上面を更に覆うように配置される、請求項1又は2に記載の発光装置。
【請求項4】
前記複数の第1発光素子、及び前記複数の第2発光素子の周囲に配置されたダム材と、
前記複数の第1発光素子、前記複数の第2発光素子及び前記第1樹脂を覆うように前記ダム材の内側に配置された第2樹脂と、
を更に有する、請求項3に記載の発光装置。
【請求項5】
前記第2樹脂は、前記第1蛍光体と異なる第2蛍光体を含有する、請求項4に記載の発光装置。
【請求項6】
前記第2樹脂は、拡散材を含有する、請求項4又は5に記載の発光装置。
【請求項7】
第3蛍光体を含有し、前記複数の第2発光素子のそれぞれの上面及び側面を覆うように配置される第3樹脂を更に有し、
前記複数の第2発光素子は、前記第1方向に沿って延伸する複数の第2発光素子群を形成するように配置され、
前記複数の第2発光素子のそれぞれ4つの側面のうち、何れか1つの側面の法線方向が前記第1方向となす角度は、15度以上且つ75度以下である、請求項4に記載の発光装置。
【請求項8】
前記複数の第1発光素子群及び前記複数の第2発光素子群のそれぞれの前記第1方向の端部と前記ダム材との間に配置される反射樹脂を更に有する、請求項
7に記載の発光装置。
【請求項9】
前記第1樹脂は、前記複数の第1発光素子群のそれぞれの前記第1方向の端部と前記ダム材との間に更に配置される、請求項4に記載の発光装置。
【請求項10】
前記複数の第2発光素子のそれぞれの4つの側面のうち、何れか1つの側面の法線方向が前記第1方向となす角度は、前記角度θ以下である、請求項1~4の何れか一項に記載の発光装置。
【請求項11】
前記複数の第1発光素子は、正方形状の平面形状を有する、請求項1~8の何れか一項に記載の発光装置。
【請求項12】
前記複数の第1発光素子を相互に接続するボンディングワイヤと、
前記ボンディングワイヤと前記基板の上面との間の少なくとも一部に形成された透明樹脂膜と、
を更に有する、請求項1~11の何れか一項に記載の発光装置。
【請求項13】
平面視したときの前記ボンディングワイヤの延伸方向が前記第1方向となす角度は、前記角度θより小さい、請求項12に記載の発光装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数のLEDダイを縦縞状又はモザイク状にグループ分けして配置して複数の発光素子群を形成し、出射する光の色温度が異なる複数種類の蛍光体層で複数の発光素子群を個別に被覆した発光装置が知られている(例えば、特開2014-45089号号公報(以下、特許文献1と称する)を参照)。特許文献1に記載される発光装置では、複数の発光素子群から出射される複数の異なる光の混色性が高めることができる。
【発明の概要】
【0003】
しかしながら、特許文献1に記載される発光装置では、複数種類の蛍光体層は縦縞状又はモザイク状に複数の発光素子群を被覆する為、複数の発光素子群の間隔が広くなり、小型化が容易ではない。
【0004】
そこで、本開示は、複数の発光素子群の間隔を狭くすることが可能な発光装置を提供することを目的とする。
【0005】
本開示に係る発光装置は、基板と、前記基板の上面に第1方向に沿って延伸する複数の第1発光素子群を形成するように実装された複数の第1発光素子と、複数の第1発光素子のそれぞれの側面の少なくとも一部を覆うように配置された第1樹脂と、複数の第1発光素子群に隣接して実装された複数の第2発光素子とを有し、複数の第1発光素子のそれぞれの4つの側面のうち、いずれか1つの側面の法線方向が第1方向となす角度θは、15度以上且つ75度以下である。
【0006】
また、本開示に係る発光装置では、角度θは、30度以上且つ60度以下であることが好ましい。
【0007】
また、本開示に係る発光装置では、第1樹脂は、第1蛍光体を含有し、複数の第1発光素子のそれぞれの上面を更に覆うように配置されることが好ましい。
【0008】
また、本開示に係る発光装置は、複数の第1発光素子、及び複数の第2発光素子の周囲に配置されたダム材と、複数の第1発光素子、複数の第2発光素子及び第1樹脂を覆うようにダム材の内側に配置された第2樹脂とを更に有することが好ましい。
【0009】
また、本開示に係る発光装置では、第2樹脂は、第1蛍光体と異なる第2蛍光体を含有することが好ましい。
【0010】
また、本開示に係る発光装置では、第2樹脂は、拡散材を含有することが好ましい。
【0011】
また、本開示に係る発光装置は、第3蛍光体を含有し、複数の第2発光素子のそれぞれの上面及び側面を覆うように配置される第3樹脂を更に有し、複数の第2発光素子は、第1方向に沿って延伸する複数の第2発光素子群を形成するように配置され、複数の第2発光素子のそれぞれの4つの側面のうち、いずれか1つの側面の法線方向が第1方向となす角度は、15度以上且つ75度以下であることが好ましい。
【0012】
また、本開示に係る発光装置は、複数の第1発光素子群及び複数の第2発光素子群のそれぞれの第1方向の端部とダム材との間に配置される反射樹脂を更に有することが好ましい。
【0013】
また、本開示に係る発光装置では、第1樹脂は、複数の第1発光素子群のそれぞれの第1方向の端部とダム材との間に更に配置されることが好ましい。
【0014】
また、本開示に係る発光装置では、複数の第2発光素子のそれぞれの4つの側面のうち、いずれか1つの側面の法線方向が第1方向となす角度は、角度θ以下であることが好ましい。
【0015】
また、本開示に係る発光装置では、複数の第1発光素子は、正方形状の平面形状を有することが好ましい。
【0016】
また、本開示に係る発光装置は、複数の第1発光素子を相互に接続するボンディングワイヤと、ボンディングワイヤと基板の上面との間の少なくとも一部に形成された透明樹脂膜とを更に有することが好ましい。
【0017】
また、本開示に係る発光装置では、平面視したときの前記ボンディングワイヤの延伸方向と第1方向となす角度の最小値は、角度θより小さいことが好ましい。
【0018】
本開示に係る発光装置は、複数の発光素子群の間隔を狭くすることが可能な発光装置を提供することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】(a)は第1実施形態に係る発光装置の平面図であり、(b)は(a)に示す発光装置のA-A′断面図である。
【
図2】
図1(a)においてBで示される領域の拡大図である。
【
図3】
図1(a)に示す発光装置の製造工程を示すフローチャートである。
【
図4】
図3に示す第1樹脂配置工程を説明するための図である。
【
図5】(a)は角度θの値が0°であるときの滴下量D及び最大幅Wとの関係を示す図であり、(b)は角度θの値が15°であるときの滴下量D及び最大幅Wとの関係を示す図であり、(c)は角度θの値が30°であるときの滴下量D及び最大幅Wとの関係を示す図であり、(d)は角度θの値が45°であるときの滴下量D及び最大幅Wとの関係を示す図である。
【
図6】(a)は滴下量DがD1であるときの最大幅Wを示す図であり、(b)は滴下量DがD2であるときの最大幅Wを示す図であり、(c)は滴下量DがD3であるときの最大幅Wを示す図である。
【
図7】(a)は第1実施形態の第1変形例に係る発光装置の平面図であり、(b)は(a)に示す発光装置のA-A′断面図である。
【
図8】(a)は第1実施形態の第2変形例に係る発光装置の平面図であり、(b)は(a)に示す発光装置のA-A′断面図である。
【
図9】(a)は第2実施形態に係る発光装置の平面図であり、(b)は(a)に示す発光装置のA-A′断面図である。
【
図10】(a)は第3実施形態に係る発光装置の平面図であり、(b)は(a)に示す発光装置のA-A′線に沿う断面図である。
【
図11】(a)は第4実施形態に係る発光装置の平面図であり、(b)は(a)に示す発光装置のA-A′線に沿う断面図である。
【
図12】ボンディングワイヤと基板の上面との間に形成される透明樹脂膜を示す図である。
【
図13】(a)は第5実施形態に係る発光装置の平面図であり、(b)は(a)に示す発光装置のA-A′線に沿う断面図である。
【
図14】(a)は第6実施形態に係る発光装置の平面図であり、(b)は(a)に示す発光装置のA-A′線に沿う断面図である。
【
図15】
図14(a)に示す発光装置の製造工程を示すフローチャートである。
【
図16】(a)は第6実施形態の第1変形例に係る発光装置の平面図であり、(b)は(a)に示す発光装置のA-A′線に沿う断面図であり、(c)は(a)に示す発光装置のB-B′線に沿う断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照しつつ、本開示の様々な実施形態について説明する。ただし。本開示の技術範囲は、それらの実施形態に限定されず、請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶ点に留意されたい。
【0021】
(第1実施形態に係る発光装置)
図1(a)は第1実施形態に係る発光装置1の平面図であり、
図1(b)は
図1(a)に示す発光装置1のA-A′線に沿う断面図である。
【0022】
発光装置1は、基板10、基板10上に実装された複数の発光素子11A及び11B、第1樹脂12、第2樹脂13、ダム材14、及びボンディングワイヤ15を有する。複数の発光素子11Aは第1発光素子とも称され、複数の発光素子11Bは第2発光素子とも称される。
図1において第2樹脂13は破線で示される。
【0023】
基板10は、ガラスエポキシ等の絶縁性の樹脂又はセラミックス等で形成される平坦な基板である。基板10は、正方形状の平面形状を有し、第1電極対16A及び16B並びに第2電極対17A及び17Bが上面に配置される。基板10は、アルミニウム等の熱伝導率が高い部材で形成される実装基板と、第1電極対16A及び16B並びに第2電極対17A及び17Bを含む配線パターンが形成される絶縁性の回路基板とで形成されてもよい。
【0024】
第1電極対16A及び16B並びに第2電極対17A及び17Bは、基板10の上面に金メッキ等の導電性部材で形成され、外部電源(図示せず)から供給される電力を複数の発光素子11A及び11Bのそれぞれに供給するアノード端子及びカソード端子である。基板10の中心部には、略矩形の平面形状を有し、且つ、複数の発光素子11A及び11Bが実装される実装領域10aが形成される。実装領域10aの平面形状は、矩形に限定されず、例えば、楕円形若しくは多角形等の他の形状であってもよい。
【0025】
発光素子11A及び11Bは、青色の光を出射するLED(Light Emitting Diode)ダイである。実装領域10aに配置される発光素子11A及び11Bの総数は、16個である。発光素子11A及び11Bは、それぞれの上面が平面視で一辺の長さが650μmである正方形の形状を有し、基板10の実装領域10aに実装される。発光素子11A及び11Bの発光色、個数は上記に限定されず、他の種類の発光色、任意の個数を採用することができる。また、発光素子11A及び11Bの上面が平面視での形状は、正方形以外の矩形形状であっても良い。
【0026】
基板10の上面は、第1電極対16A及び16B並びに第2電極対17A及び17Bの一部、及び実装領域10aを除いて、短絡防止等の為に、ソルダーマスク18によって被膜される。
【0027】
第1樹脂12は、シリコーン樹脂等の透明な樹脂に、第1蛍光体とも称される蛍光体を含有する。第1蛍光体は、セリウムで賦活されたガーネット系蛍光体(例えば、YAG(Y3(Al、Ga)5O12:Ce3+)及びLuAG)、ユーロピウムで賦活された窒化物系蛍光体(例えば、CASN及びSCACN((Sr,Ca)AlSiN3:Eu2+))、又はマンガンで賦活されたフッ化物系蛍光体(例えば、KSF)を含有してもよい。第1蛍光体は、主に発光素子11Aが発する青色の光を吸収して、赤色、緑色及び黄等の光を出射する。第1樹脂12は、加熱により固化されることで形成される。第1樹脂12は、複数の発光素子11Aの上面及び側面を覆うように配置される。
【0028】
第2樹脂13は、封止材とも称され、ダム材14の内側で実装領域10a上の空間に充填されるシリコーン樹脂等の透明な樹脂であり、複数の発光素子11A及び11B、並びに第1樹脂12を封止する。第2樹脂13には、第1蛍光体と異なる第2蛍光体とも称される蛍光体、及び拡散材が含有される。第2蛍光体は、例えばYAGであり、発光素子11A及び11Bから出射される青色の光を吸収し、赤色、緑色、黄色等の光を出射する。第2蛍光体から出射される光の色は、第1蛍光体から出射される光の色と異なる。第2樹脂13に含有される第2蛍光体は、第2樹脂13内において、分散されていても良いし、沈降していても良い。拡散材は、発光素子11A及び11B、第1蛍光体、並びに第2蛍光体から出射される光を拡散する。なお、第2樹脂13は、第2蛍光体を含有し、拡散材を含有しなくてもよく、拡散材を含有し、第2蛍光体を含有しなくてもよく、第2蛍光体及び拡散材の双方を含有しなくてもよい。
【0029】
発光装置1は、第1樹脂12に覆われ、且つ、直線状に延伸するように隣接して一列に配置される4個の発光素子11Aにより形成される2列の第1発光素子群21を有する。また、発光装置1は、第1樹脂12に覆われず、且つ、第1発光素子群21に隣接して直線状に延伸するように一列に配置される4個の発光素子11Bにより形成される2列の第2発光素子群22を有する。2列の第2発光素子群22の一方は2列の第1発光素子群21の間に実装される発光素子11Bにより形成され、2列の第2発光素子群22の他方は2列の第1発光素子群21の一方とダム材14との間に実装される発光素子11Bにより形成される。第1発光素子群21では、4個の発光素子11Aは、ボンディングワイヤ15により第1電極対16A及び16B間に直列に接続される。第2発光素子群22では、4個の発光素子11Bは、ボンディングワイヤ15により第2電極対17A及び17B間に直列に接続される。
【0030】
ダム材14は、反射材である白色粒子が混入された不透明なシリコーン樹脂で形成される枠材であり、実装領域10aに充填される第2樹脂13の流出を防止する。また、ダム材14は、発光素子11A、発光素子11B、第1蛍光体、及び第2蛍光体から出射された光を反射する。
【0031】
図2は、
図1(a)においてBで示される領域の拡大図である。
図2では、隣接する2つの発光素子11A、及び2つの発光素子11Aを覆うように配置される第1樹脂12の一部が示される。
図2において、発光素子11Aの一方は第1隣接発光素子11A-1と称され、発光素子11Aの他方は第2隣接発光素子11A-2と称される。
図2において、ボンディングワイヤ15、及び発光素子11Aの上面に配置される第1樹脂12は、省略される。
図2において、第1隣接発光素子11A-1の上面の中心点O1と第2隣接発光素子11A-2の上面の中心点O2を結ぶ方向は第1方向と称され、第1方向と直交する方向は第2方向と称される。
【0032】
図2に示す様に、第1隣接発光素子11A-1は、第1側面31s、第1側面31sの右側に隣接する第2側面32s、第2側面32sの右側に隣接する第3側面33s、第3側面33sの右側に隣接し、第1側面31sの左側に隣接する第4側面34sを有する。第1隣接発光素子11A-1は、第1側辺31v、第2側辺32v、第3側辺33v及び第4側辺34vを更に有する。第1側辺31vは第1側面31sと第2側面32sとの間に配置され、第2側辺32vは第2側面32sと第3側面33sとの間に配置される。第3側辺33vは第3側面33sと第4側面34sとの間に配置され、第4側辺34vは第4側面34sと第1側面31sとの間に配置される。第2隣接発光素子11A-2は、第5側面35s、第5側面35sの右側に隣接する第6側面36s、第6側面36sの右側に隣接する第7側面37s、第7側面37sの右側に隣接し、第5側面35sの左側に隣接する第8側面38sを有する。第2隣接発光素子11A-2は、第5側辺35v、第6側辺36v、第7側辺37v及び第8側辺38vを更に有する。第5側辺35vは第5側面35sと第6側面36sとの間に配置され、第6側辺36vは第6側面36sと第7側面37sとの間に配置される。第7側辺37vは第7側面37sと第8側面38sの間に配置され、及び第8側辺38vは第8側面38sと第5側面35sの間に配置される。
【0033】
第1隣接発光素子11A-1及び第2隣接発光素子11A-2は、平面視において、第1側面31sの法線方向V1が第1方向と成す角度を角度θとしたとき、第5側面35sの法線方向V2が第1方向と成す角度も角度θと同じ値なるように配置される。本実施形態において、角度θは45°であり、点O1と点O2の間隔は、例えば、1060μmである。1060μmは、発光素子実装工程において、一辺が650μmの発光素子を角度θが45°となるように配置するときに、安定的に実装される間隔距離である。
【0034】
第1隣接発光素子11A-1と第2隣接発光素子11A-2との間には、第1側面31s、第2側面32s、第7側面37s、及び第8側面38s、並びに、第3側辺32vと第6側辺36vを対向する2辺とした仮想的な矩形面及び、第4側辺34vと第8側辺38vを対向する2辺とした仮想的な矩形面を側面とし、且つ、基板10の上面を底面とする空間30を有する。
【0035】
固化前の第1樹脂12は、空間30の底面に滴下される。空間30の底面に滴下される固化前の第1樹脂12は、空間30の底面、第1側面31s、第2側面32s、第7側面37s、及び第8側面38sの間に濡れ拡がりながら、空間30に充填される。空間30に充填された固化前の第1樹脂12は、第1側面31s及び第8側面38sの間に生じる毛細管現象、及び第2側面32s及び第7側面37sの間に生じる毛細管現象により、第2方向に徐々に濡れ広がる。空間30に滴下される固化前の第1樹脂12の滴下量が一定量を超えると、平面視において、空間30の外側に、固化前の第1樹脂12が表面張力により保持される凸形状30a及び30bが形成される。加熱等により第1樹脂12が固化されると、第1樹脂12は、凸形状30a及び30bを有する第1樹脂領域30cを形成する。
【0036】
第1樹脂領域30cは、第1隣接発光素子11A-1と第2隣接発光素子11A-2との中間の位置において、第2方向に最大幅Wで突出する。最大幅Wの値は、角度θ及び滴下量Dに応じて変化する。滴下量Dは、空間30の底面に滴下される固化前の第1樹脂12の量である。
【0037】
第1発光素子群21に第2方向に隣接する第2発光素子群22を形成する発光素子11Bは、第1樹脂領域30cから隔離して配置される。発光素子11Bが、第1樹脂領域30cから隔離して配置されることにより、第1樹脂12は、発光素子11Bに接触し難くなり、製造時に第1樹脂領域30cを形成する第1樹脂12の形状が維持される。また、第1発光素子群21に第2方向に隣接する第2発光素子群22を形成する発光素子11Bは、最大幅Wで突出している第1樹脂領域30cの位置から第2方向に隔離して配置されることが好ましい。
【0038】
第1樹脂領域30cの最大幅Wを狭くすることにより、第1発光素子群21を形成する発光素子11Aと第2発光素子群22を形成する発光素子11Bとの間の離隔距離は狭くできる。最大幅Wを狭くすることで、第1発光素子群21と第2発光素子群22との間隔は狭くできる。
【0039】
図3は、発光装置1の製造工程を示すフローチャートである。
【0040】
最初に、基板準備工程において、第1電極対16A及び16B並びに第2電極対17A及び17Bが配置された基板10が準備される(S1)。次に、発光素子実装工程において、複数の発光素子11A及び11Bが基板10の実装領域10aに実装される(S2)。次に、ワイヤボンディング工程において、第1電極対16A及び16Bは複数の発光素子11A及びボンディングワイヤ15を介して接続されると共に、第2電極対17A及び17Bは複数の発光素子11B及びボンディングワイヤ15を介して接続される(S3)。
【0041】
次に、ダム材配置工程において、第1発光素子群21及び第2発光素子群22の周囲にダム材14が配置される(S4)。
【0042】
次に、第1樹脂配置工程において、固化前の第1樹脂12を複数の発光素子11Aを被覆するように、滴下装置(図示せず)のノズルから適量だけ滴下する。その後、第1樹脂12を、所定の加熱処理により固化する(S5)。第1樹脂12は、シリコーン樹脂、散乱材、YAG蛍光体及びSCASN蛍光体、並びに増粘剤を有する。固化前の第1樹脂12の粘度係数は、98Pa・Sである。
【0043】
図4は、第1樹脂配置工程を説明するための図である。
図4に示す「+」マークが付された位置12a~12dは、
図3においてS5で示される第1樹脂配置工程において、
図1(a)においてBで示される領域で、滴下装置(図示せず)のノズルから第1樹脂12を滴下する位置及び順番を示す。具体的には、Bで示される領域では、ノズルは、位置12a、12b、12c及び12dの順で移動し、位置12a、12b、12c及び12dのそれぞれで所定の滴下量の固化前の第1樹脂12を滴下する。
【0044】
最後に、第2樹脂配置工程において、ダム材14の内側に、第1発光素子群21、第2発光素子群22及び第1樹脂12を封止するように固化前の第2樹脂13を配置する。その後、第2樹脂13を、所定の加熱処理 により固化し(S6)、発光装置1が完成する。第2樹脂13に含有される第2蛍光体を、第2樹脂13内において沈降させる場合は、加熱処理の前に沈降時間を設ける。また、第2樹脂13に含有される第2蛍光体を、第2樹脂13内において分散させる場合は、固化前の第2樹脂13を攪拌し、固化前の第2樹脂13内に第2蛍光体を均一に分布させ、沈降時間を設けずに加熱処理により固化させる。
【0045】
図3を参照して説明された製造工程により、色温度が2200Kの暖色の白色光及び色温度が5000Kの寒色の白色光を出射可能な発光装置1が製造される。暖色の白色光は、第1発光素子群21に含まれる発光素子11Aから出射され、第1樹脂12及び第2樹脂13の両方を通過した第1の光である。寒色の白色光は、第2発光素子群22に含まれる発光素子11Bから出射され、第2樹脂13を通過した第2の光である。なお、第1の光及び第2の光の色温度は第1蛍光体及び第2蛍光体の種類及び量を調整することにより決定される。例えば、第1の光の色温度は2700K等の暖色の白色光であっても良いし、第2の光の色温度は6500K等の寒色の白色光であっても良い。
【0046】
図5は発光装置1と同じ発光素子11Aの角度θ及び
図4に示される位置12b及び12cに滴下する滴下量Dを変化させたときの最大幅Wの変化を示す図であり、
図6は滴下量を変化させたときの角度θと最大幅Wの関係を示す図である。
図5(a)は角度θの値が0°であるときの滴下量D及び最大幅Wの関係を示し、
図5(b)は角度θの値が15°であるときの滴下量D及び最大幅Wの関係を示す。
図5(c)は角度θの値が30°であるときの滴下量D及び最大幅Wの関係を示し、
図5(d)は角度θの値が45°であるときの滴下量D及び最大幅Wの関係を示す。
図6(a)は滴下量Dが0.37mg(以下、D1と称する)であるときの最大幅Wを示し、
図6(b)は滴下量Dが0.43mg(以下、D2と称する)であるときの最大幅Wを示し、
図6(c)は滴下量Dが0.61mg(以下、D3と称する)であるときの最大幅Wを示す。
図5(a)~5(d)に示される領域は、
図1(a)においてBで示される領域に対応する。
図6(a)~6(c)において、縦軸は最大幅W(単位は[μm])を示し、横軸は角度θ(単位は[°])を示す。
【0047】
図5(a)において、第1隣接発光素子11A-1及び第2隣接発光素子11A-2は、平面視において、第1側面31sの法線方向V1が第1方向と成す角度、及び第5側面35sの法線方向V2が第1方向と成す角度θの値は、0°である。位置12b及び12cの位置への固化前の第1樹脂12の滴下量がD1であるときの第1樹脂領域30cの外形は12-1で示され、第1樹脂領域30cの最大幅はW-11で示される。位置12b及び12cへの固化前の第1樹脂12の滴下量がD2であるときの第1樹脂領域30cの外形は12-2で示され、第1樹脂領域30cの最大幅はW-12で示される。位置12b及び12cへの固化前の第1樹脂12の滴下量がD3であるときの第1樹脂領域30cの外形は12-3で示され、第1樹脂領域30cの最大幅はW-13で示される。
【0048】
図5(b)~5(d)において、滴下量がD1であるときの第1樹脂領域30cの最大幅はW-21、W-31及びW-41で示され、滴下量がD2であるときの第1樹脂領域30cの最大幅はW-22、W-32及びW-42で示される。また、滴下量がD3であるときの第1樹脂領域30cの最大幅はW-23、W-33及びW-43で示される。
【0049】
角度θの値をθ1とすると、θ1が0°以下のとき、最大幅Wは、角度θの値が|θ1|のときと同じ値になる。
【0050】
角度θの値θ1は、θ1が90°以上180°以下のとき、最大幅Wは、角度θの値が(180°-θ1)のときと同じ値になる。また、θ1が180°以上270°以下のとき、最大幅Wは、角度θの値が(θ1-180°)のときと同じ値になる。また、θ1が270°以上360°以下のとき、最大幅Wは、角度θの値が(360°-θ1)のときと同じ値になる。
【0051】
また、本実施形態においては、第1隣接発光素子113A-1及び第2隣接発光素子113A-2は、平面視において、正方形の形状を有しているので、角度θの値θ1が45°以上90°以下のとき、最大幅Wは、角度θの値が(90°-θ1)のときと同じ値になる。
【0052】
図6(a)~6(c)に示されるように、角度θが15°未満であるとき、最大幅Wは非常に大きい。角度θが15°未満と小さいとき、空間30の容積が小さいため、凸形状30a及び30bが突出して、最大幅Wは増加する。また、角度θが15°以上且つ30°未満であるとき、最大幅Wは低減され、更に、角度θが30°以上且つ45°以下であるとき、最大幅Wは更に低減される。
【0053】
図6(a)~(c)において、角度θの値が45°を超え、60°、75°及び90°であるとき、最大幅Wは、角度θが30°、15°及び0°のときの最大幅Wと同じ値となる。
【0054】
第1樹脂領域30cの最大幅Wを狭くして、第1発光素子群11と隣接する第2発光素子群22との間の間隔を狭くするためには、角度θは、15°以上且つ75°以下であることが好ましく、30°以上且つ60°以下であることが更に好ましい。
【0055】
発光素子11Aが正方形であるとき、角度θが45°のとき最大幅Wは最小となるので、角度θは、45°近傍であることが更に好ましい。ここで、近傍とは、±10°の範囲であり、±5°の範囲が更に好ましい(以下同様に、角度について「近傍」とは、±10°の範囲であり、さらに好ましくは±5°の範囲をいう)。
【0056】
発光素子11Aの平面視での形状は、長方形であってもよい。発光素子11Aの平面視での形状が、短辺の長さがa、長辺の長さがb(≧a)である長方形のとき、4個の発光素子11Aのそれぞれの短辺を一辺とする側面のうち 、何れか1つの側面の法線方向が第1方向と成す角度θが、arctan(b/a)のとき、空間30の容積は最大となり、最大幅Wは最小となるので、角度θは、arctan(b/a)近傍であることが好ましい。
【0057】
また、短辺の長さaに対する長辺の長さbの比率(b/a)は、1.0以上1.4以下であることが好ましく、1.0以上1.1以下が更に好ましい。比率(b/a)が1.4であるとき、角度θは54.5°すなわち45°近傍の範囲において最大幅Wは最小となり、比率(b/a)が1.1であるとき、角度θは47.7°すなわち更に好ましい45°近傍の範囲において最大幅Wは最小となり、比率(b/a)が1.0であるとき、角度θは45°において最大幅Wは最小となる。
【0058】
(第1実施形態の第1変形例に係る発光装置)
図7(a)は第1実施形態の第1変形例に係る発光装置1aの平面図であり、
図7(b)は
図7(a)に示す発光装置のA-A′線に沿う断面図である。発光装置1aにおいて、発光装置1と同様の構成には同じ番号を付して説明を省略する。
【0059】
図7に示す発光装置1aは、第2発光素子群22aにおいて、4個の発光素子11Bの向きが異なることのみが発光装置1と相違する。第2発光素子群22aにおいて、4個の発光素子11Bは、基板10上に一列に第1方向に沿って実装され、4個の発光素子11Bのそれぞれの4つの側面のうち、何れか1つの側面の法線方向が第1方向と成す角度は0°である。
【0060】
図7では、4個の発光素子11Bのそれぞれの4つの側面のうち、何れか1つの側面の法線方向が第1方向と成す角度は0°であるが、4個の発光素子11Aのそれぞれの4つの側面のうち、何れか1つの側面の法線方向が第1方向と成す角度θ未満であれば良い。4個の発光素子11Bのそれぞれの4つの側面のうち、何れか1つの側面の法線方向が第1方向と成す角度を角度θより小さい角度とすることにより、第1発光素子群21と第2発光素子群22aとの間の間隔を更に狭くできる。また、4個の発光素子11Bのそれぞれの4つの側面のうち、何れか1つの側面の法線方向が第1方向と成す角度は0°近傍であることがさらに好ましい。
【0061】
発光素子11Bの平面視での形状は、長方形であってもよい。発光素子11Bの平面視での形状が、短辺と長辺を有する長方形のとき、4個の発光素子11Bのそれぞれの短辺を一辺とする側面のうち、何れか1つの側面の法線方向が第1方向と成す角度が、0°近傍であることが更に好ましい。
【0062】
(第1実施形態の第2変形例に係る発光装置)
図8(a)は第1実施形態の第2変形例に係る発光装置1bの平面図であり、
図8(b)は
図8(a)に示す発光装置のA-A′線に沿う断面図である。発光装置1bにおいて、発光装置1と同様の構成には同じ番号を付して説明を省略する。
【0063】
発光装置1bは、第2発光素子群22を被覆し且つ第3蛍光体を含有する第3樹脂23を有することのみが発光装置1と相違する。第2樹脂13は、第1樹脂12及び第3樹脂23を封止する。
【0064】
第3樹脂23は、シリコーン樹脂等の透明な樹脂に、第3蛍光体とも称される蛍光体を含有し、主に発光素子11Bが発する青色の光を吸収して、赤色、緑色及び黄等の光を出射する。第3蛍光体から出射される光の色は、第1蛍光体及び第2蛍光体から出射される光の色と異なる。第3蛍光体は、YAG及びLuAGを含むセリウムで賦活されたガーネット系蛍光体、CASN及びSCACNを含むユーロピウムで賦活された窒化物系蛍光体、又はKSFを含むマンガンで賦活されたフッ化物系蛍光体を含む。第3樹脂23は、加熱することにより固化される。第1蛍光体、第2蛍光体、及び第3蛍光体を任意に選択することによって、発光装置1bから出射される光を選択する自由度が増加する。また、発光素子11Bのそれぞれの4つの側面のうち、何れか1つの側面の法線方向が第1方向と成す角度を15°以上且つ75°以下とすることにより、第3樹脂23の最大幅を制御して、第2発光素子群22は、第1発光素子群21と近接して配置できる。また、発光素子11Bのそれぞれの4つの側面のうち、何れか1つの側面の法線方向が第1方向と成す角度を30°以上且つ60°以下とすることにより、第3樹脂23の最大幅を制御して、第2発光素子群22は、第1発光素子群21と更に近接して配置できる。また、発光素子11Bの平面視での形状が正方形であるとき、発光素子11Bのそれぞれの4つの側面のうち、何れか1つの側面の法線方向が第1方向となす成す角度は、45°近傍であることが更に好ましい。
【0065】
発光素子11Bの平面視での形状が、短辺の長さがa、長辺の長さがb(≧a)である長方形のとき、発光素子11Bのそれぞれの短辺を有する側面のうち、何れか1つの側面の法線方向が第1方向となす成す角度は、arctan(b/a)近傍であることが好ましい。
【0066】
また、短辺の長さaに対する長辺の長さbの比率(b/a)は、1.0以上1.4以下 であることが好ましく、1.0以上1.1以下が更に好ましい。比率(b/a)が1.4であるとき、角度θは54.5°、すなわち45°近傍の範囲において最大幅Wは最小となり、比率(b/a)が1.1であるとき、角度θは47.7°、すなわち更に好ましい45°近傍の範囲において最大幅Wは最小となり、比率(b/a)が1.0であるとき、角度θは45°において最大幅Wは最小となる。
【0067】
(第2実施形態に係る発光装置)
図9(a)は第2実施形態に係る発光装置2の平面図であり、
図9(b)は
図9(a)に示す発光装置のA-A′線に沿う断面図である。発光装置2において、発光装置1と同様の構成には同じ番号を付して説明を省略する。
【0068】
発光装置2は、第1樹脂12の配置が発光装置1と異なる。発光装置1では、第1樹脂12は、発光素子11Aの隣接する発光素子Aの側面に対向する側面及び上面を覆うように配置されるが、発光素子11Aのダム材14に対向する側面を覆うようには配置されない。発光装置2では、第1樹脂12は、ダム材14に対向する側面を含む発光素子11Aの全ての側面及び上面を覆うように配置される。
【0069】
発光装置2の製造方法は、
図3においてS5で示される第1樹脂配置工程において、固化前の第1樹脂12がダム材14と第1発光素子群21の端部との間に滴下されることが発光装置1の製造方法と異なる。発光装置2の製造方法において、基板準備工程、発光素子実装工程、ワイヤボンディング工程、ダム材配置工程及び第2樹脂配置工程は、発光装置1の製造方法と同様なので、説明を省略する。
【0070】
発光装置1は、ダム材14に隣接する発光素子11Aの上面に配置された第1樹脂12がダム材14に向かって上面から突出するように配置された状態で固化され、発光素子11Aの上面からダム材14に向かって突出する突出部が形成されるおそれがある。第2蛍光体を沈降させる場合、第1樹脂12が発光素子11Aの上面からダム材14に向かって突出する突出部が形成されたとき、第2樹脂13に含有される第2蛍光体は、突出部の上面に沈降し、基板10の上面と突出部の下面との間に沈降しない。第2蛍光体が基板10の上面と突出部の下面との間に沈降しないので、突出部が形成された発光素子11Aの側面からダム材14に向かって出射された光が第2蛍光体に吸収される光量は、突出部が形成されていない発光素子11Aの側面からダム材14に受かって出射された光が第2蛍光体に吸収される光量と異なる。発光装置1は、突出部が形成された発光素子11Aの側面からダム材14に向かって出射された光が第2蛍光体に吸収される光量が、突出部が形成されていない発行素子11Aの側面から出射された光が第2蛍光体に吸収される光量と異なるので、ダム材14の近傍で色むらが発生するおそれがある。発光装置2は、第1樹脂12がダム材14に対向する側面を含む発光素子11Aの全ての側面を覆うように配置されるので、発光素子11Aの上面からダム材14に向かって突出する突出部が形成されず、ダム材14の近傍で色むらが発生するおそれは低い。
【0071】
発光装置2は、発光装置1が有するダム材14と第1発光素子群21との間に第1樹脂12が配置される。しかしながら、発光装置1a及び1bにおいて、発光装置2と同様に、発光素子11Aにより形成される第1発光素子群とダム材との間に第1樹脂12が配置されてもよい。また、発光装置1bにおいて、発光素子11Bにより形成される第2発光素子群22とダム材14との間に第3樹脂23が配置されてもよい。
【0072】
(第3実施形態に係る発光装置)
図10(a)は第3実施形態に係る発光装置3の平面図であり、
図10(b)は
図10(a)に示す発光装置のA-A′線に沿う断面図である。発光装置3において、発光装置1と同様の構成には同じ番号を付して説明を省略する。
【0073】
発光装置3では、ダム材14a、実装領域10b、第1電極対26A及び26B並びに第2電極対27A及び27Bの形状がダム材14、実装領域10a、並びに第1電極対16A及び16B並びに第2電極対17A及び17Bの形状と異なる。実装領域10bは、円環状の平面形状を有するダム材14aの内側の円形状の領域である。また、発光装置3では、第1樹脂12の配置が発光装置1と異なる。また、第1発光素子群21aを形成する発光素子11Aの個数が8個であり、他の第1発光素子群21bを形成する発光素子11Aの個数が4個である。第1発光素子群21a及び21bにおいて、発光素子11Aは、それぞれの4つの側面のうち、何れか1つの側面の法線方向が第1方向と成す角度θが45°となるように配置され、第1樹脂12で被覆される。また、ダム材14aと第1発光素子群21a及び21bとの間に第1樹脂12が配置される。第1発光素子群21aと21bとの間には、第1樹脂12で被覆されず且つ発光素子11Bにより形成される第2発光素子群22cが配置される。第2発光素子群22cにおいて、発光素子11Bは、それぞれの4つの側面のうち、何れか1つの側面の法線方向が第1方向と成す角度が0°となるように配置される。
【0074】
第1発光素子群21aを形成する発光素子11A、及び一対の第1発光素子群21bを形成する発光素子11Aの直列接続される個数は同数の8個であり、それぞれは、第1電極対26A及び26Bの間に直列接続される。第2発光素子群22cを形成する8個の発光素子11Bは、第2電極対27A及び27Bの間に直列接続される。
【0075】
一対の第1発光素子群21bのそれぞれは、第1発光素子群21a及び第2発光素子群22cの外側に分けて配置され、4個の発光素子11Aによって形成される。一対の第1発光素子群21bのそれぞれを形成する発光素子11Aは、ダム14aの下方で直列接続される。一対の第1発光素子群21bのそれぞれが、第1発光素子群21a及び第2発光素子群22cの外側に分けて配置されるので、円形状の実装領域10bにおいて、発光素子11A及び11Bを均等に配置することができる。
【0076】
第1発光素子群21a及び21bを形成する発光素子11A、及び第2発光素子群22cを形成する発光素子11Bは少なくとも1つが外側にシフトして配置されてもよい。第1発光素子群21a及び21bを形成する発光素子11A、及び第2発光素子群22cを形成する発光素子11Bが、外側にシフトして配置されると、円形状の実装領域10bにおいて、発光素子11A及び11Bを均等に配置することができる。
【0077】
発光装置3において、第1発光素子群21a及び21bを形成する発光素子11Aは、それぞれの4つの側面のうち、何れか1つの側面の法線方向が第1方向と成す角度θが15°以上且つ75°以下であるように配置されるので、隣接する第2発光素子群との間の間隔を狭くして配置できる。
【0078】
(第4実施形態に係る発光装置)
図11(a)は第4実施形態に係る発光装置4の平面図であり、
図11(b)は
図11(a)に示す発光装置のA-A′線に沿う断面図である。発光装置4において、発光装置1と同様の構成には同じ番号を付して説明を省略する。
【0079】
発光装置4は、反射樹脂40を有することが発光装置1と異なる。反射樹脂40は、ダム材14と同様に、反射材である白色粒子が混入された不透明なシリコーン樹脂で形成され、ダム材14と第1発光素子群21及び第2発光素子群22との間に配置される。
【0080】
発光装置4の製造方法は、
図3においてS5で示される第1樹脂配置工程と
図3においてS6で示される第2樹脂配置工程の間に反射樹脂配置工程を有することが発光装置1の製造方法と異なる。発光装置4の製造方法において、基板準備工程、発光素子実装工程、ワイヤボンディング工程、ダム材配置工程、第1樹脂配置工程及び第2樹脂配置工程は、発光装置1の製造方法と同様なので、説明を省略する。
【0081】
発光装置4の製造方法における反射樹脂配置工程では、滴下装置(図示せず)のノズルから固化前の反射樹脂40が、第1発光素子群21及び第2発光素子群22の第1方向の端部に配置される発光素子11A及び発光素子11Bのダム材14に対向する側面の近傍に滴下され、側面の張力で保持されながら濡れ広がる。固化前の反射樹脂40の粘度係数は、固化前の第1樹脂12の粘度係数と同程度であり、所定の加熱処理により固化される。
【0082】
発光装置4は、ダム材14と第1発光素子群21及び第2発光素子群22との間に配置される反射樹脂40を有するので、ダム材14と第1発光素子群21及び第2発光素子群22の端部との間の離隔距離にかかわらず、第2樹脂13に含有される第2蛍光体に起因するイエローリングが発生しない。
【0083】
発光装置4は、発光装置1が有するダム材14と第1発光素子群21及び第2発光素子群22との間に反射樹脂40が配置される。しかしながら、発光装置1a及び1bにおいて、発光装置4と同様に、発光素子11A及び11Bにより形成される第1発光素子群及び第2発光素子群とダム材との間に反射樹脂40が配置されてもよい。
【0084】
(上述の発光装置の変形例)
上述の発光装置では、基板10、発光素子11A及び11B、並びにボンディングワイヤ15に第1樹脂12及び第2樹脂13等の合成樹脂が直接配置される。しかしながら、実施形態に係る発光装置では、基板10、発光素子11A及び11B、並びにボンディングワイヤ15と第1樹脂12及び第2樹脂13等の合成樹脂との間に配置される透明樹脂を有してもよい。透明樹脂は、アクリル樹脂、シリコーン樹脂及びフッ化物化合物を含んで構成される透明な合成樹脂から成る膜である。実施形態に係る発光装置は、透明樹脂を有することで、発光素子11A及び11Bの基板10からの剥離、並びにボンディングワイヤ15の欠損を防止することができる。
【0085】
実施形態に係る発光装置が透明樹脂を有するとき、実施形態に係る発光装置の製造工程では、
図3においてS4で示されるダム材配置工程とS5で示される第1樹脂配置工程の間に、透明樹脂配置工程が実施される。透明樹脂配置工程では、固化前の透明樹脂が基板10、発光素子11A及び11B、並びにボンディングワイヤ15の全面に亘って塗布された後、基板10が加熱処理されて透明樹脂が配置される。
【0086】
また、実施形態に係る発光装置は、ボンディングワイヤ15と基板10の上面との間に形成される透明樹脂膜を有してもよい。透明樹脂膜は、基板10、発光素子11A及び11B、並びにボンディングワイヤ15と第1樹脂12及び第2樹脂等の合成樹脂との間に配置される透明樹脂と同一の樹脂で形成される。
【0087】
図12は、ボンディングワイヤ15と基板10の上面との間に形成される透明樹脂膜を示す図である。
図12は、
図1(a)にBで示される領域を側面から見た図に対応する図である。
図12において、基板10、第1隣接発光素子11A―1及び第2隣接発光素子11A-2、ボンディングワイヤ15及び透明樹脂以外の構成要素は、省略される。
【0088】
透明樹脂膜19は、発光素子11Aの間を接続するボンディングワイヤ15、及び発光素子11Bの間を接続するボンディングワイヤ15と基板10との間に全面に亘って形成される。
【0089】
実施形態に係る発光装置は、ボンディングワイヤ15と基板10の上面との間に形成される透明樹脂膜19を有することで、固化前の第1樹脂12が滴下されるときに、ボンディングワイヤ15の近傍に固化前の第1樹脂12が溜まり易くなる。実施形態に係る発光装置は、ボンディングワイヤ15の近傍に固化前の第1樹脂12が溜まり易くなることで、第1樹脂領域30cの最大幅Wを更に低減させることができる。
【0090】
なお、透明樹脂膜19は、発光素子11Aの間を接続するボンディングワイヤ15、及び発光素子11Bの間を接続するボンディングワイヤ15と基板10との間の少なくとも一部に形成されてもよい。透明樹脂膜19は、ボンディングワイヤ15と基板10との間の全面に亘って形成されずに、開口が形成されてもよい。ボンディングワイヤ15と基板10との間に形成される透明樹脂膜19に開口が形成された場合でも、透明樹脂膜19が形成されることで、第1樹脂領域30cの最大幅Wを低減させることができる。
【0091】
(第5実施形態に係る発光装置)
図13(a)は第5実施形態に係る発光装置5の平面図であり、
図13(b)は
図13(a)に示す発光装置のA-A′線に沿う断面図である。発光装置5において、発光装置1と同様の構成には同じ番号を付して説明を省略する。
【0092】
発光装置5は、第1蛍光樹脂41を有することが発光装置1と異なる。また、第1樹脂42を第1樹脂12の代わりに有することが発光装置1と異なる。第1蛍光樹脂41は、第1樹脂12と同様に、第1蛍光体とも称される蛍光体を含有する。第1蛍光樹脂41に含有される蛍光体の種類は、第1樹脂12に含有される蛍光体と同様である。
【0093】
第1蛍光樹脂41は、複数の発光素子11Aの側面の少なくとも一部及び上面を覆うように配置される。第1蛍光樹脂41は、全ての発光素子11Aの上面を覆うように配置されると共に、発光素子11Aのダム材14に対向しない側面を覆うように配置される。第1蛍光樹脂41は、発光素子11Aのダム材14に対向する側面には配置されない。
【0094】
第1樹脂42は、ダム材14と同様に、反射材である白色粒子が混入された不透明なシリコーン樹脂で形成され、発光素子11Aのダム材14に対向する側面を覆うように配置され、発光素子11A及び11Bから出射される光を反射する樹脂である。第1樹脂42は、第1樹脂12と同様に、ダム材14に近づくに従って離隔するように配置される2つの発光素子11Aの一対の側面の間に配置される。また、第1樹脂42は、第1樹脂12と同様に、ダム材14に近づくに従って離隔するように配置される2つの発光素子11Bの一対の側面の間に配置される。また、第1樹脂42は、発光素子11Aによって形成される複数の第1発光素子群及び発光素子11Bによって形成される複数の第2発光素子群のそれぞれの
図2に示す第1方向の端部とダム材14との間に更に配置される。
【0095】
発光装置5の製造方法は、
図3においてS5で示される第1樹脂配置工程の代わりに第1蛍光樹脂配置工程を有することが発光装置1の製造方法と異なる。また、発光装置5の製造方法は、
図3においてS4で示されるダム材配置工程と
図3においてS5で示される第1樹脂配置工程の間に透明樹脂膜配置工程が実施される。透明樹脂膜配置工程では、固化前の透明樹脂が基板10、発光素子11A及び11B、並びにボンディングワイヤ15の全面に亘って塗布された後、基板10が加熱処理され、ボンディングワイヤ15と基板10の上面との間にて透明樹脂膜が配置される。また、発光装置5の製造方法は、
図3においてS5で示される第1樹脂配置工程と
図3においてS6で示される第2樹脂配置工程の間に第1樹脂配置工程を有することが発光装置1の製造方法と異なる。発光装置5の製造方法において、基板準備工程、発光素子実装工程、ワイヤボンディング工程、ダム材配置工程及び第2樹脂配置工程は、発光装置1の製造方法と同様なので、説明を省略する。
【0096】
第1蛍光樹脂配置工程は、
図4に示す位置12bに固化前の第1蛍光樹脂41を滴下せずに、位置12a、12c及び12dの順に固化前の第1蛍光樹脂41を滴下すること以外は、
図3においてS5で示される第1樹脂配置工程と同様である。
【0097】
発光装置5の製造方法における第1樹脂配置工程では、滴下装置(図示せず)のノズルから固化前の第1樹脂42が、発光素子11A及び11Bのダム材14に対向する側面の近傍に滴下される。第1樹脂42は、第1樹脂12と同様に、ダム材14に近づくに従って離隔するように配置される2つの発光素子11A及び11Bの一対の側面の間に滴下され、一対の辺の間の張力で保持されながら濡れ広がる。固化前の第1樹脂42の粘度係数は、固化前の第1樹脂12の粘度係数と同程度であり、所定の加熱処理により固化される。
【0098】
発光装置5は、発光素子11A及び11Bとダム材14との間に配置される反射性の第1樹脂42を有するので、発光素子11A及び11Bから出射された光が発光素子11A及び11Bとダム材14との間で迷光となるおそれはない。発光装置5は、発光素子11A及び11Bから出射された光が発光素子11A及び11Bとダム材14との間で迷光にならないので、迷光による発光効率の低下が生じるおそれはない。
【0099】
実施形態に係る発光装置は、透明樹脂膜19を有するとき、平面視したときの隣接する2つの発光素子11Aを相互に接続するボンディングワイヤ15の延伸方向と第1方向となす角度は、角度θより小さいことが好ましく、0°近傍であることが更に好ましい。平面視したときのボンディングワイヤ15の延伸方向と第1方向となす角度を角度θより小さくすることで、第1樹脂配置工程において、固化前の第1樹脂12を安定して滴下できるようになるため、最大幅Wのばらつきを抑制できる。実施形態に係る発光装置は、最大幅Wのばらつきを抑制することで、複数の発光素子群の間隔を狭くすることができる。
【0100】
実施形態に係る発光装置では、透明樹脂膜19を有するとき、隣接する2つの発光素子11Aを相互に接続するボンディングワイヤ15は、ボンディングワイヤ15によって接続される2つの発光素子11Aの中心の間の中間点を中心として点対称となるように配置されることが好ましい。接続される2つの発光素子11Aの中心の間の中間点を中心として点対称となるようにボンディングワイヤ15を配置することで、第1樹脂配置工程において、固化前の第1樹脂12を安定して滴下できるようになるため、最大幅Wのばらつきを抑制できる。実施形態に係る発光装置は、最大幅Wのばらつきを抑制することで、複数の発光素子群の間隔を狭くすることができる。
【0101】
実施形態に係る発光装置では、透明樹脂膜19を有するとき、隣接する2つの発光素子11Aを相互に接続するボンディングワイヤ15は、ボンディングワイヤ15によって接続される2つの発光素子11Aの中心の間を接続する中心線を軸として線対称となるように配置されることが更に好ましい。例えば、ボンディングワイヤ15は、発光素子11Aの中心の間を接続する中心線に一致するように配置することで、ボンディングワイヤ15によって接続される発光素子11Aの中心の間を接続する中心線を軸として線対称となるように配置される。実施形態に係る発光装置は、発光素子11Aの中心の間を接続する中心線を軸として線対称となるようにボンディングワイヤ15を配置することで、第1樹脂配置工程において、固化前の第1樹脂12を安定して滴下できるようになるため、最大幅Wのばらつきを抑制できる。実施形態に係る発光装置は、最大幅Wのばらつきを抑制することで、複数の発光素子群の間隔を狭くすることができる。
【0102】
また、上述の発光装置では、位置12a、12b、12c及び12dに固化前の第1樹脂を滴下して第1樹脂が形成される。しかしながら、実施形態に係る発光装置では、位置12a及び12dに滴下される樹脂は、位置12b及び12cに滴下される樹脂と異なってもよい。例えば、位置12a及び12dに滴下される樹脂は蛍光体を含有し、位置12b及び12cに滴下される樹脂は反射材を含有してもよい。
【0103】
また、上述の発光装置では、位置12a、12b、12c及び12dに固化前の第1樹脂を滴下して第1樹脂が形成される。しかしながら、実施形態に係る発光装置では、第1発光素子群を形成する発光素子11Aに沿って第1方向に連続的に固化前の第1樹脂を塗布して第1樹脂が形成されてもよい。
【0104】
固化前の第1樹脂を第1方向に連続的に塗布して第1樹脂を形成するとき、固化前の第1樹脂の粘度係数は50Pa・S以上且つ150Pa・S以下であることが好ましい。また、固化前の第1樹脂の空間30への充填量は、0.4mg以上且つ0.6mg以下であることが好ましい。
【0105】
また、上述の発光装置では、発光素子11A及び11Bの周囲にはダム材14が配置されるが、実施形態に係る発光装置では、ダム材14は、省略されてもよい。実施形態に係る発光装置は、ダム材14を有さないとき、第1樹脂は、発光素子の側面の間に生じる毛細管現象により保持される。
【0106】
(第6実施形態に係る発光装置)
図14(a)は第6実施形態に係る発光装置6の平面図であり、
図14(b)は
図14(a)に示す発光装置のA-A′線に沿う断面図である。
【0107】
発光装置6は、基板50、基板50上に実装された複数の発光素子51A及び51B、第1樹脂52、第1蛍光シート53、及び第2蛍光シート54を有する。基板50は、基板10と同様の構成を有し、第1電極対56A及び56B並びに第2電極対57A及び57Bが上面に配置される。
【0108】
第1電極対56A及び56B並びに第2電極対57A及び57Bは、基板50の上面に金メッキ等の導電性部材で形成され、外部電源(図示せず)から供給される電力を複数の発光素子51A及び51Bのそれぞれに供給するアノード端子及びカソード端子である。
【0109】
発光素子51A及び51Bは、青色の光を出射するLEDダイである。基板50に実装される発光素子51A及び51Bの総数は、16個である。発光素子51A及び51Bは、それぞれの上面が平面視で正方形の形状を有し、基板50にフェイスダウン接続されることで実装される。発光素子51A及び51Bの発光色、個数は上記に限定されず、他の種類の発光色、任意の個数を採用することができる。また、発光素子51A及び51Bの上面が平面視での形状は、正方形以外の矩形形状であっても良い。
【0110】
発光素子51A及び51Bは、平面視したときに略正方形となるように、4行4列に配置される。発光素子51A及び51Bは、第1列61及び第3列63に4個の発光素子51Aが配列され、第2列62及び第4列64に4個の発光素子51Bが配列されるように実装される。発光素子51A及び51Bは、第1行65~第4行68のそれぞれにおいて、交互に配列されるように実装される。発光素子51A及び51Bのそれぞれは、平面視したときに、それぞれの側面が発光素子51A及び51Bが配列される行方向及び列方向に対して45°傾斜して配置される。
【0111】
第1列61及び第3列63に配列される4個の発光素子51Aは、第1電極対56A及び56Bの間に直列接続され、第2列62及び第4列64に配列される4個の発光素子51Bは、第2電極対57A及び57Bの間に直列接続される。
【0112】
第1樹脂52は、反射材である白色粒子が混入された不透明なシリコーン樹脂で形成される。第1樹脂52は、発光素子51A及び51Bを封止する封止材として機能すると共に、発光素子51A及び51Bから出射される光を反射する反射材として機能する。第1樹脂52の外縁は、固化前の第1樹脂が発光素子の側面の間に生じる毛細管現象により保持されることで形成される。
【0113】
第1蛍光シート53は、矩形の平面形状を有し、蛍光体を含有するシート材である。第1蛍光シート53は、発光素子11Aの上面を覆うように配置される。第1蛍光シート53に含有される蛍光体の種類は、第1樹脂12に含有される蛍光体と同様である。第1蛍光シート53は、側面が発光素子51Aの側面と平行になるように配置され、平面視したときに、側面が発光素子51Aが配列される行方向及び列方向に対して45°傾斜して配置される。
【0114】
第2蛍光シート54は、矩形の平面形状を有し、蛍光体を含有するシート材である。第2蛍光シート54は、発光素子11Bの上面を覆うように配置される。第2蛍光シート54は、第2樹脂13と同様に、第2蛍光体を含有する。第2蛍光シート54は、側面が発光素子51Bの側面と平行になるように配置され、平面視したときに、側面が発光素子51Bが配列される行方向及び列方向に対して45°傾斜して配置される。
【0115】
図15は、発光装置6の製造方法を示すフローチャートである。
【0116】
最初に、基板準備工程において、第1電極対56A及び56B並びに第2電極対57A及び57Bが配置された基板50が準備される(S11)。次に、発光素子実装工程において、複数の発光素子51A及び51Bが基板10の基板50の上面にフェイスダウン接続されることで実装される(S12)。
【0117】
次に、第1蛍光シート配置工程において、第1蛍光シート53が発光素子51Aの上面に透明な接着剤を介して接着されて配置される(S13)。第1蛍光シート53を発光素子51Aの上面に接着される接着材は、固化されて、発光素子51Aの側面を覆う透明樹脂を形成する。次に、第2蛍光シート配置工程において、第2蛍光シート54が発光素子51Bの上面に透明な接着剤を介して接着されて配置される(S14)。第2蛍光シート54を発光素子51Bの上面に接着される接着材は、固化されて、発光素子51Bの側面を覆う透明樹脂を形成する。
【0118】
最後に、第1樹脂配置工程において、固化前の第1樹脂52を複数の発光素子11A及び11Bを被覆するように、滴下装置(図示せず)のノズルから適量だけ滴下した後に固化することで、発光装置5が形成される(S15)。第1樹脂52は、シリコーン樹脂、反射材、及び増粘剤を有する。固化前の第1樹脂52の粘度係数は、固化前の第1樹脂12の粘度係数と同程度であり、所定の加熱処理により固化される。
【0119】
(第6実施形態の第1変形例に係る発光装置)
図16(a)は第6実施形態の第1変形例に係る発光装置6aの平面図であり、
図16(b)は
図16(a)に示す発光装置のA-A′線に沿う断面図であり、
図16(c)は
図16(a)に示す発光装置のB-B′線に沿う断面図である。発光装置6aにおいて、発光装置6と同様の構成には同じ番号を付して説明を省略する。
【0120】
発光装置6aは、配列される発光素子51A及び51Bの個数、並びに発光素子51A及び51Bの配列形状が発光装置6と異なる。発光装置6aにおいて、基板50に実装される発光素子51A及び51Bの総数は24個であり、発光装置6において基板50に実装される発光素子51A及び51Bの総数の1.5倍である。
【0121】
発光素子51A及び51Bは、第1列71、第3列73及び第5列75に4個の発光素子51Aが配列され、第2行72、第4列74及び第6行76に4個の発光素子51Bが配列されるように実装される。発光素子51A及び51Bのそれぞれは、平面視したときに、それぞれの側面が発光素子51A及び51Bが配列される行方向及び列方向に対して45°傾斜して配置される。
【0122】
第1列71、第3列73及び第5列75に配列される4個の発光素子51Aは、第1電極対56A及び56Bの間に直列接続され、第2列72、第4列74及び第6列76に配列される4個の発光素子51Bは、第2電極対57A及び57Bの間に直列接続される。
【0123】
発光素子51Aの第1行81は、発光素子51Bの第1行82よりも外側に位置するように配置される。発光素子51Bの第1行82は、発光素子51Aの第1行81と発光素子51Aの第2行83との間に配置される。発光素子51Aの第2行83は、発光素子51Bの第1行82と発光素子51Bの第2行84との間に配置される。発光素子51Bの第2行84は、発光素子51Aの第2行83と発光素子51Aの第3行85との間に配置される。発光素子51Aの第3行85は、発光素子51Bの第2行84と発光素子51Bの第3行86との間に配置される。発光素子51Bの第3行86は、発光素子51Aの第3行85と発光素子51Aの第4行87との間に配置される。発光素子51Aの第4行87は、発光素子51Bの第3行86と発光素子51Bの第4行88との間に配置される。発光素子51Bの第4行88は、発光素子51Aの第4行87よりも外側に位置するように配置される。
【0124】
発光装置6aは、発光素子51Aの行方向の配列を、発光素子51Bの行方向の配列とシフトすることで、発光装置6よりも発光素子51A及び51Bを高密度に実装することができる。
【0125】
当業者は、本発明の範囲から外れることなく、様々な変更、置換及び修正をこれに加えることが可能であることを理解されたい。例えば、上述した実施形態及び変形例は、本発明の範囲において、適宜に組み合わせて実施されてもよい。
【要約】
発光装置は、基板と、前記基板の上面に第1方向に沿って延伸する複数の第1発光素子群を形成するように実装された複数の第1発光素子と、前記複数の第1発光素子のそれぞれの側面の少なくとも一部を覆うように配置された第1樹脂と、前記複数の第1発光素子群に隣接して実装された複数の第2発光素子と、を有し、前記複数の第1発光素子のそれぞれの4つの側面のうち、何れか1つの側面の法線方向が前記第1方向となす角度θは15度以上且つ75度以下である。