IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツングの特許一覧

<>
  • 特許-電子モジュール 図1
  • 特許-電子モジュール 図2
  • 特許-電子モジュール 図3
  • 特許-電子モジュール 図4
  • 特許-電子モジュール 図5
  • 特許-電子モジュール 図6
  • 特許-電子モジュール 図7
  • 特許-電子モジュール 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-27
(45)【発行日】2024-10-07
(54)【発明の名称】電子モジュール
(51)【国際特許分類】
   H01H 59/00 20060101AFI20240930BHJP
   B81B 3/00 20060101ALI20240930BHJP
   B81B 7/02 20060101ALI20240930BHJP
【FI】
H01H59/00
B81B3/00
B81B7/02
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2022578748
(86)(22)【出願日】2021-05-19
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-01
(86)【国際出願番号】 EP2021063309
(87)【国際公開番号】W WO2022002479
(87)【国際公開日】2022-01-06
【審査請求日】2023-02-22
(31)【優先権主張番号】102020208054.2
(32)【優先日】2020-06-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】20193548.3
(32)【優先日】2020-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】591245473
【氏名又は名称】ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】110003317
【氏名又は名称】弁理士法人山口・竹本知的財産事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100075166
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 巖
(74)【代理人】
【識別番号】100133167
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100169627
【弁理士】
【氏名又は名称】竹本 美奈
(72)【発明者】
【氏名】ラーブ,オリバー
(72)【発明者】
【氏名】シュヴァルツ,マルクス
(72)【発明者】
【氏名】キーフル,シュテファン
【審査官】荒木 崇志
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-144261(JP,A)
【文献】特開2010-221372(JP,A)
【文献】特開2009-010027(JP,A)
【文献】特開2009-095225(JP,A)
【文献】特開2008-252880(JP,A)
【文献】特許第4495466(JP,B2)
【文献】特許第4799735(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 1/00 - 1/04
H01H 9/54 - 11/06
H01H 59/00
B81B 1/00 - 7/04
B81C 1/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板(120)と共に少なくとも1つのMEMSスイッチ(110)を有し、複数の半導体部品(270)を有する電子モジュールであって、前記複数の半導体部品(270)が、前記基板と共に形成されて、前記少なくとも1つのMEMSスイッチ(110)と共に接続されており、
前記複数の半導体部品(270)が、複数のダイオードの直列配置であるか、または複数のダイオードの直列配置を含み、
前記基板が、SOIウェハおよび/またはSOI基板から形成されているか、またはSOIウェハおよび/またはSOI基板と共に形成されており、
前記複数のダイオードが、前記SOIウェハおよび/またはSOI基板の表面に堆積された表面メタライゼーション(320)を介して互いに電気的に接続される、
電子モジュール。
【請求項2】
前記複数の半導体部品(270)が、前記基板(120)のドープ処理によって形成されている、請求項1記載の電子モジュール。
【請求項3】
前記ダイオードが、pnダイオードおよび/またはショットキーダイオードまたはPINダイオードである、請求項1または2記載の電子モジュール。
【請求項4】
前記複数の半導体部品(270)が、ダイオードの並列配置であるか、またはダイオードの並列配置を有する、請求項1からのいずれか1項に記載の電子モジュール。
【請求項5】
前記複数の半導体部品(270)が、前記少なくとも1つのMEMSスイッチ(110)のソース端子(210)およびドレイン端子(220)を接続する、請求項1からのいずれか1項に記載の電子モジュール。
【請求項6】
前記複数の半導体部品(270)が、前記少なくとも1つのMEMSスイッチ(110)のゲート端子(250,260)を互いに接続する、請求項1からのいずれか1項に記載の電子モジュール。
【請求項7】
前記複数の半導体部品(270)が、前記少なくとも1つのMEMSスイッチのソース端子(210)および/またはドレイン端子(220)および/またはゲート端子(250,260)へのリード部の一部である、請求項1からのいずれか1項に記載の電子モジュール。
【請求項8】
前記少なくとも1つのMEMSスイッチ(110)が屈曲要素(150)を有する、請求項1からのいずれか1項に記載の電子モジュール。
【請求項9】
前記屈曲要素(150)が屈曲梁である、請求項に記載の電子モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
電子モジュールにおいて、MEMSスイッチ(MEMS(英語)=“Micro-Electro Mechanical Systems”)によって電子モジュールのスイッチングをすることは公知である。このタイプのMEMSスイッチは、好適には、電気的に、特に静電的に作動させることができる微小機械的に製造された可動スイッチング素子を有する。
【0003】
そのようなMEMSスイッチの例が、特許文献1に記載されている。
【0004】
MEMSスイッチは、多くの用途に対して、十分な機能性を確保するために、より大きな回路に組み込まなければならない。しかし、これらのMEMSスイッチは、構造上の制約から、通常、個別の基板上に構築され、これらの基板はウェハとも呼ばれ、MEMSスイッチの開閉接点を担持する。これらのMEMSスイッチを全体回路に組み込むことは、しばしば高コストとなり、占有スペ-スが大きくなる。さらに、MEMSスイッチの回路の残りの部分への電気的接続は、たびたび、寄生のインダクタンス、キャパシタンスおよび配線抵抗をもたらし、MEMSスイッチの効率的な動作を困難にする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】独国特許出願公開第102017215236号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、この背景に対して、本発明の課題は、特に、コストおよび/またはスペースを節減して構成することができ、かつ好ましくは効率的に動作させることができる、改良された電子モジュールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のこの課題は、請求項1記載の特徴事項を有する電子モジュールによって解決される。好ましい発展形態は、関連する従属請求項、以下の説明及び図面に明記されている。
【0008】
本発明による電子モジュールは、基板と共に少なくとも1つのMEMSスイッチを有し、この電子モジュールは、少なくとも1つの半導体部品を有し、前記少なくとも1つの半導体部品は、前記基板と共に形成されて、前記少なくとも1つのMEMSスイッチと共に接続されている。
【0009】
このようにして、本発明による電子モジュールは、少なくとも1つのMEMSスイッチのウェハが、同時に、少なくとも1つの半導体部品を提供するために使用されるので、よりコンパクトにコスト効率よく構成することができる。しかも、少なくとも1つのMEMSスイッチと少なくとも1つの半導体部品との間の相互の接続が、それ自体公知の方法で、基板の表面メタライゼーションによって容易に実現できるので、少なくとも1つのMEMSスイッチと少なくとも1つの半導体部品との複雑な相互接続は必要でない。その結果、外部の半導体部品に接続する必要がなくなり、したがって、寄生のインダクタンス、キャパシタンスおよび配線抵抗を容易に回避することができる。本発明による電子モジュールでは、前記少なくとも1つのMEMSスイッチは、好ましくは、前記基板の少なくとも1つのメタライゼーションによって、前記少なくとも1つの半導体部品と共に形成される。
【0010】
有利には、本発明による電子モジュールよれば、MEMSスイッチによって簡単なスイッチング機能を提供することができるだけでなく、少なくとも1つの半導体部品によって追加の機能を容易に可能にすることができる。特に、このような付加的な機能は、特に過渡過電圧に対する保護機能、またはコンバータ用途におけるフリーホイール機能であり得る。
【0011】
それと違って、公知の電子モジュールの場合、MEMSスイッチは、単純なスイッチング機能のみを有し、一方、付加的機能は、通常、外部の部品を使用して実現されなければならない。
【0012】
本発明による電子モジュールにおいて、前記少なくとも1つの半導体部品は、前記基板にドープ処理をすることによって形成されていることが好ましい。
【0013】
本発明による電子モジュールは、この発展形態において、有利に簡単に製造することができる。したがって、前記少なくとも1つの半導体部品は、本来のMEMSスイッチの製造前に、基板上に、次によって形成ことができる。すなわち、基板内に必要なドーピングゾーン(すなわち、特に以下ではpドーピング領域およびnドーピング領域と呼ぶpゾーンおよびnゾーン)を、それ自体公知の方法で、ドーピングすることによって、形成することができる。そのために、前記基板は、シリコンウェハとして、特にバルクシリコンを用いたシリコンウェハまたはバルクシリコンからなるシリコンウェハとして、またはSOIウェハ(SOI=“Silicon-on-Insulator”)として実現することができる。ウェハは、基本的には、非ドープおよび/またはpドープおよび/またはnドープの処理をして製造に使用することができる。
【0014】
ドープゾーンは、それ自体公知の方法で、例えばCMOS技術において慣例的な方法を用いて、特に酸化および/またはフォトリソグラフィおよび/またはイオン注入および/または拡散によって、基板に導入することができる。前記少なくとも1つの半導体部品のタイプおよびパラメータは、ドーパント濃度および/またはドーピングプロファイルおよび/またはドーピング濃度によって容易に調整することができる。前記少なくとも1つの半導体部品の接触は、ウェハのメタライゼーション、特に半導体メタライゼーションによって存在することが好ましく、基本的には、ドープ処理後、特にMEMSスイッチの製造中に形成されるとよい。
【0015】
本発明による電子モジュールにおいて、ウェハは、特にシリコンを有する1つ以上の半導体からまたは1つ以上の半導体を用いて形成されていること、および/またはSOI(シリコン・オン・インスレータ)基板からまたはSOI基板を用いて形成されていることが好ましい。
【0016】
本発明による電子モジュールにおいて、前記少なくとも1つの半導体部品は、好適には、ダイオード、またはショットキーダイオードやPINダイオードまたはそのようなダイオードなどのダイオード類似部品を有する。
【0017】
ダイオードは、過電圧保護配置としてMEMSスイッチに接続されていることが有利であり、また、特に交流電圧用途においても、電圧パルスから保護するために異なる端子間に設けられていることが好ましい。
【0018】
本発明による電子モジュールでは、前記少なくとも1つの半導体部品は、ダイオードの直列配置であるか、またはそのような直列配置を有することが適切である。
【0019】
ダイオードの直列配置、すなわちダイオードの直列回路は、ダイオードの耐圧を増大させることができる。
【0020】
これに代えてまたはこれに加えて、また、同様に有利に、本発明による電子モジュールでは、前記少なくとも1つの半導体部品は、ダイオードの並列配置であるか、またはそのような並列配置を有する。
【0021】
ダイオードの並列配置、すなわちダイオードの並列回路は、有利に、ダイオードの電流容量を有利に増大させることができる。
【0022】
本発明による電子モジュールでは、前記少なくとも1つの半導体部品は、MEMSスイッチのソース端子およびドレイン端子を互いに接続する。
【0023】
前記半導体部品は、特にドレイン端子およびソース端子に並列または逆並列に接続されているダイオードであることが特に好ましい。本発明のこの発展形態において、前記半導体部品は、過電圧保護装置として、特にフリーホイールダイオードの形態で、有利に働くことができる。
【0024】
これに代えてまたはこれに加えて、また、同様に有利に、本発明による電子モジュールでは、前記少なくとも1つの半導体部品は、MEMSスイッチのゲート端子を互いに接続する。
【0025】
これに代えてまたはこれに加えて、また、同様に有利に、本発明による電子モジュールでは、前記少なくとも1つの半導体部品は、ソース端子および/またはドレイン端子および/またはゲート端子へのリード部の一部である。
【0026】
本発明のこの発展形態において、前記半導体部品は、好適にはまたダイオードであり、したがって、本発明による電子モジュールを用いて有利にステップアップコンバータまたは1つのコンバータの他のコンバータ/部分が実現可能である。
【0027】
本発明による電子モジュールでは、前記半導体部品はダイオードであり、MEMSモジュールのゲート端子とソース端子とを接続すること、および/またはMEMSモジュールのゲート端子とドレイン端子とを接続することが好ましい。
【0028】
本発明による電子モジュールでは、MEMSスイッチは、屈曲要素を有することが好ましい。
【0029】
本発明による電子モジュールにおいて、前記屈曲要素は屈曲梁であることが好ましい。
【0030】
以下において、図面に示された実施例に基づいて本発明をさらに詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1図1は、MEMSスイッチと半導体部品とを有する本発明による電子モジュールを概略的に平面図で示す。
図2図2は、図1による電子モジュールの等価回路図を概略的に原理図で示す。
図3図3は、MEMSスイッチと負荷側における直列の半導体部品とを有する本発明による電子モジュールの他の実施例を概略的に平面図で示す。
図4図4は、図3による電子モジュールの等価回路図を概略的に原理図で示す。
図5図5は、MEMSスイッチと、該MEMSスイッチの制御側における半導体部品とを有する本発明による電子モジュールの他の実施例を概略的に平面図で示す。
図6図6は、図5による電子モジュールの等価回路図を概略的に原理図で示す。
図7図7は、MEMSスイッチと半導体部品とを有する本発明による電子モジュールの他の実施例を概略平面図で示す。
図8図8は、図7による電子モジュールの等価回路図を概略的に原理図で示す。
【発明を実施するための形態】
【0032】
図1に示すMEMSスイッチ110は、それ自体公知の方法で、シリコンウェハを用いて、図示の実施例では、シリコン・オン・インシュレータ・ウェハ(SOIウェハ)120を用いて形成されている。特には示されていない他の実施例では、MEMSスイッチ110は、代わりに、全体がシリコンで形成されたウェハを用いて形成することもできる。
【0033】
MEMSスイッチ110は、表面メタライゼーションの形態の2つの開閉接点130,140を有し、これらの接点は、それ自体公知の方法で、SOIウェハの表面に配置されている。両開閉接点130,140は、互いに離間されており、1つの可動開閉接点により互いに導電接続可能であり、すなわち相互接続可能である。可動開閉接点は、MEMSスイッチ110の屈曲要素に、図示の実施例では、屈曲梁150に配置されている。前記可動開閉接点は、SOIウェハ120の残りの部分に固定された屈曲梁150の固定端から屈曲梁150の長手方向に延びている屈曲梁150の自由端160に配置されている。前記可動開閉接点は、屈曲梁150の自由端のたわみの結果として可動である。
【0034】
屈曲梁150は、基本的には、特許文献1に記載されているようにSOI基板から減算製造法により製造されている。
【0035】
SOIウェハ120に配置された開閉接点130,140は、それぞれリード部170,180に導電結合されおり、これらのリード部は、互いに屈曲梁150の長手方向延長線に対して垂直な方向に続き、それぞれ、接続領域190,200において、端子で終端し、すなわちソース端子210およびドレイン端子220で終端する。リード部170,180は、開閉接点130,140と前記端子との間で、それぞれ顕微鏡的寸法、すなわち10から50マイクロメータの間の寸法から、前記顕微鏡的寸法の何倍もある肉眼的に管理可能な寸法まで広がる。前記端子は、MEMSスイッチ110のソース端子210およびドレイン端子220を形成する。
【0036】
MEMSスイッチ110は、静電的に制御され、すなわち、切り替えられる。この目的のために、MEMSスイッチ110は、MEMSスイッチ150の屈曲梁150上に制御接点を有し、この制御接点は、SOIウェハ120の残りの部分において他の制御接点と向かい合っている。反対極の制御接点に電圧が印加されると、MEMSスイッチ110の屈曲梁150が、SOIウェハ120の残りの部分に引き付けられ、したがって、MEMSスイッチ110の閉位置に制御される。制御接点230、240が同じ極性で通電されると、MEMSスイッチ110が開かれる。
【0037】
制御接点230,240は、それぞれ肉眼的に管理可能な寸法を有するリード部244,246において、MEMSスイッチ110のゲート端子250,260を形成する端子と導電接続されている。ゲート端子250,260は、同様に接続領域190,200内にある。したがって、この配置によって、MEMSスイッチ110により、ゲート端子250,260を用いた制御によって、ソース端子210とドレイン端子220との間の電流の流れを制御することができる。
【0038】
MEMSスイッチ110は、ダイオード270の形態の半導体部品と相互に接続されている。そのために、リード部170,180にダイオード端子280,290が形成されており、これらのダイオード端子280,290は、それぞれSOIウェハ120の表面メタリゼーションを形成し、かつ屈曲梁150の長手方向延長線の方向においてこれから離れる方向に延びている。
【0039】
ダイオード端子280,290は、ダイオード270を形成するSOIウェハ120のドープ領域300,310に繋がっている。その際に、ダイオード端子280は、リード部170とSOIウェハ120のnドープ領域300とに電気的に接触する。ダイオード端子290は、リード部180とSOIウェハ120のpドープ領域310とに接触し、そのpドープ領域310は、該SOIウェハのnドープ領域300を取り囲み、すなわちnドープ領域300は、SOIウェハ120の表面の二次元方向において、pドープ領域310によって完全に取り囲まれている。さらに、pドープ領域310は、SOIウェハ120の深さ方向において、pドープ領域310がnドープ領域300とSOIウェハ310の残りの部分との間にあることによって、nドープ領域300をSOIウェハ120の残りの部分から完全に区切る。
【0040】
その結果、pドープ領域310とnドープ領域300の間にpn接合が形成され、これがダイオード270の形態の電流バルブを形成する。図1に示された実施例において、ダイオード270は、ソース端子210とドレイン端子220とを互いに接続する。
【0041】
同じSOIウェハ120上に形成されたMEMSスイッチ110およびダイオード270の装置は、本発明による電子モジュールを形成し、図2に等価回路図で示されている。
【0042】
図3および図4に示す本発明による電子モジュールの第2の実施例は、基本的には、図1および図2に示す第1の実施例と同様に構成されている。
【0043】
第2の実施例の違いは、図3に示されているように、単一のダイオード270の代わりに、直列に接続された4つのダイオード270が存在していることである。ダイオード270は、ダイオード端子280,290の間において屈曲梁150の方向に開いたU字形内に配置されており、それらのダイオード端子に接触している。ダイオード270は、それ自体公知の方法でSOIウェハ120の表面に形成されている表面メタライゼーション320を介して、互いに電気的に接続されている。4つのダイオード270の直列配置は、単一のダイオード270と比較して耐電圧を増加させる。
【0044】
図4は、図3に示す配置に対する等価回路図を示す。
【0045】
さらに、基本的にはこれまでに説明した実施例に対応する本発明による電子モジュールの第3の実施例では、ダイオード270が、ソース端子210およびドレイン端子220を互いに接続するのではなくて、むしろゲート端子250,260を接続する。そのために、ダイオード端子280,290は、リード部170,180から形成されているのではなくて、むしろダイオード端子280,290は、ゲート端子250,260のリード部244,246の一部を形成し、屈曲梁150から屈曲梁150の長手方向延長線の方向にこれから離れる方向に延びている。ダイオード270は、図示の実施例では、これまでに説明した実施例におけるダイオード270のように構成されている。
【0046】
この構成のための等価回路図が第5図に示されている。
【0047】
図7に示す第4の実施例において、ダイオード270は、上述の実施例とは異なり、ドレイン端子220のリード部170の一部である。そのために、上述の実施例のダイオード270と同一に構成されているダイオード270が、表面メタライゼーション320によって、ドレイン端子220およびリード部170の残りの部分とに接続されている。
【0048】
この配置のための等価回路図が第8図に示されている。
【0049】
基本的には、ダイオード270は、特には示されていない他の実施例においては、過電圧保護として、MEMSスイッチの1つのゲート端子250,260を、MEMSスイッチ110のソース端子210に、またはMEMSスイッチ110のドレイン端子220に接続することができる。
【符号の説明】
【0050】
110 MEMSスイッチ
120 SOIウェハ(基板)
130 開閉接点
140 開閉接点
150 屈曲梁
170 リード部
180 リード部
190 接続端子領域
200 接続端子領域
210 ソース端子
220 ドレイン端子
244 リード部
246 リード部
250 ゲート端子
260 ゲート端子
270 半導体部品(ダイオード)
280 ダイオード端子
290 ダイオード端子
300 nドープ領域
310 pドープ領域
320 表面メタリゼーション


図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8