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特許7562098グリッピング機構を有するロボットシステム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-27
(45)【発行日】2024-10-07
(54)【発明の名称】グリッピング機構を有するロボットシステム
(51)【国際特許分類】
   B25J 13/08 20060101AFI20240930BHJP
   B25J 15/06 20060101ALI20240930BHJP
【FI】
B25J13/08 Z
B25J15/06 M
【請求項の数】 17
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021006133
(22)【出願日】2021-01-19
(62)【分割の表示】P 2020134325の分割
【原出願日】2020-08-07
(65)【公開番号】P2021130189
(43)【公開日】2021-09-09
【審査請求日】2023-08-03
(31)【優先権主張番号】62/979,413
(32)【優先日】2020-02-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/945,370
(32)【優先日】2020-07-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515182347
【氏名又は名称】株式会社Mujin
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134371
【弁理士】
【氏名又は名称】中塚 隆志
(72)【発明者】
【氏名】溝口 弘悟
【審査官】尾形 元
(56)【参考文献】
【文献】特開平6-255772(JP,A)
【文献】特開平8-31017(JP,A)
【文献】特許第6611297(JP,B1)
【文献】特開2005-262325(JP,A)
【文献】特開2010-188483(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25J 1/00-21/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体を把持するように構成されたエンドエフェクタと、
コントローラと、を備え、
前記エンドエフェクタは、
前記物体に接触するように構成された2以上の変位可能な吸着カップを有する吸着カップアセンブリと、
前記2以上の変位可能な吸着カップのうちの少なくとも1つの変位可能な吸着カップの変位に基づいて、変位情報を送信するンサと、を備え、
前記コントローラは、前記変位情報に基づいて、前記物体に向かう前記エンドエフェクタの移動を制限するように構成され、
前記センサは、
前記2以上の変位可能な吸着カップにおける第1の吸着カップの第1の変位距離に基づいて、前記変位情報を送信すると共に、
前記2以上の変位可能な吸着カップにおける第2の吸着カップの第2の変位距離に基づいて、前記変位情報を送信するように構成され、
前記第1の変位距離は、前記第2の変位距離とは異なる、ロボットシステム。
【請求項2】
前記第1の変位距離は、前記第2変位距離よりも小さい、請求項1に記載のロボットシステム。
【請求項3】
前記第1の吸着カップは、前記第2の吸着カップのサイズよりも小さいサイズを有する、請求項2に記載のロボットシステム。
【請求項4】
前記第1の吸着カップは、前記第2の吸着カップよりも先に、接触リミット位置に到達するように構成されている、請求項2又は3に記載のロボットシステム。
【請求項5】
前記第1変位距離が前記第2変位距離よりも小さくなるように構成されたオフセット段差部を有するハウジングをさらに備える、請求項2から4のいずれか一項に記載のロボットシステム。
【請求項6】
前記吸着カップアセンブリは、
ハウジングと、
前記ハウジングを通って延びている2以上の吸着シャフトと、
2以上の吸着シャフトインタフェースと、をさらに含み、
前記2以上の変位可能な吸着カップは、それぞれ、前記吸着シャフト及び前記吸着シャフトインタフェースを介して真空圧源に連通しており、
前記吸着シャフトは、前記ハウジングに対して移動可能である、請求項1から3のいずれか一項に記載のロボットシステム。
【請求項7】
前記2以上の吸着シャフトインタフェースは、前記ハウジングよりも上に位置し、
前記2以上の変位可能な吸着カップは、前記ハウジングよりも下に位置する、請求項6に記載のロボットシステム。
【請求項8】
前記2以上の吸着シャフトインタフェース及び前記2以上の変位可能な吸着カップは、それぞれ、前記2以上の吸着シャフトを介して前記ハウジングに対して相対的に移動可能である、請求項7に記載のロボットシステム。
【請求項9】
前記吸着カップアセンブリは、前記ハウジングに対して前記吸着シャフトを初期位置へ付勢するように構成された変位復帰機構をさらに含む、請求項6から8のいずれか一項に記載のロボットシステム。
【請求項10】
前記エンドエフェクタによって加えられる力を測定するように構成された力トルクセンサをさらに備える、請求項1から9のいずれか一項に記載のロボットシステム。
【請求項11】
物体操縦システムのためのグリッパアタッチメントであって、
物体を把持するように構成されたエンドエフェクタを備え、
前記エンドエフェクタは、
前記物体に接触するように構成された2以上の変位可能な吸着カップを有する吸着カップアセンブリと、
前記2以上の変位可能な吸着カップのうちの少なくとも1つの変位可能な吸着カップの変位に基づいて、変位情報を送信するンサと、を備え、
前記送信された変位情報により、前記物体に向かう前記エンドエフェクタの移動が制限されるように構成され、
前記センサは、
前記2以上の変位可能な吸着カップにおける第1の吸着カップの第1の変位距離に基づいて、前記変位情報を送信すると共に、
前記2以上の変位可能な吸着カップにおける第2の吸着カップの第2の変位距離に基づいて、前記変位情報を送信するように構成され、
前記第1の変位距離は、前記第2の変位距離とは異なる、グリッパアタッチメント。
【請求項12】
前記第1の変位距離は、前記第2変位距離よりも小さい、請求項11に記載のグリッパアタッチメント。
【請求項13】
前記第1の吸着カップは、前記第2の吸着カップのサイズよりも小さいサイズを有する、請求項12に記載のグリッパアタッチメント。
【請求項14】
前記第1変位距離が前記第2変位距離よりも小さくなるように構成されたオフセット段差部を有するハウジングをさらに備える、請求項12又は13に記載のグリッパアタッチメント。
【請求項15】
前記第1の吸着カップは、前記第2の吸着カップよりも前に、接触リミット位置に到達するように構成されている、請求項12から14のいずれか一項に記載のグリッパアタッチメント。
【請求項16】
請求項11から15のいずれか一項に記載のグリッパアタッチメントを有するロボットアーム。
【請求項17】
前記グリッパアタッチメントを当該ロボットアームに接続するオフセットブラケットをさらに有する、請求項16に記載のロボットアーム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年2月20日に提出された米国特許仮出願第62/979,413号による優先権の利益を主張し、その内容は、参照により本明細書に組み込まれている。
【0002】
本件は、全般的には、ロボットシステムに関し、より具体的には、グリッピング機構を有するシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
多くのロボット(例えば、物理的な動作を自動的/自律的に実行するように構成されたマシン)が、絶えず性能を向上させ、かつ絶えずコストを低下させながら、今や多くの分野において広く使用されている。例えば、ロボットを使用して、製造及び/又は組立て、パッキング及び/又はパッケージング、運搬及び/又は出荷などにおいて様々なタスクを実行する(例えば、空中において物体を操作又は移送する)ことができる。タスクを実行する際、ロボットは、人間の動作を再現することができ、それによって、もしそうでなければ危険なタスク又は反復的なタスクを実行するために必要とされる人間の介入を置き換え、又は減らすことができる。
【0004】
しかしながら、技術の進歩にも関わらず、ロボットは、より大規模かつ/又は複雑なタスクを実行するために必要とされる人間らしい相互作用を再現するために必要な精巧さを欠いている場合が多い。例えば、従来技術のシステムは、グリッパ又はマニピュレータによって加えられる力が、物体を損傷することなく安全に物体をグリップ及び/又はピックアップすることに関連するしきい値に近づいているか又はしきい値を超えているかどうかを検出する能力を有しない。このような状況では、ロボットは、グリッパの力が安全性のしきい値を超えたことを認識せずに、繊細な物品を損傷する場合がある。したがって、ロボットと操作されている物体との間の動作及び/又は相互作用を管理するための改良された技術及びシステムの必要性が依然として存在している。
【発明の概要】
【0005】
本発明の態様は、ロボットシステムを含み得る。ロボットシステムは、物体を把持するように構成されたエンドエフェクタと、接触リミットセンサから受信された接触情報を監視しているセンサユニットと、センサユニットに連結されたコントローラと、を備え得る。エンドエフェクタは、物体に係合するように構成された吸着カップアセンブリと、吸着カップアセンブリと物体との間の係合に関連する圧力を検出するように構成された、接触リミットセンサであって、接触リミットセンサは、接触リミットセンサが、圧力が、接触しきい値を超えていることを検出すると、接触情報を送信する、接触リミットセンサと、を含み得る。コントローラは、受信された接触情報に基づいて、物体に向かうエンドエフェクタの移動を制限して、物体への損傷を防止するように、エンドエフェクタを制御するための動作を実行するように構成され得る。
【0006】
本発明のさらなる態様は、ロボットアームと、物体を把持するように構成されたエンドエフェクタと、を備える、物体操縦ユニットを含み得る。エンドエフェクタは、物体に係合するように構成された吸着カップアセンブリと、吸着カップアセンブリと物体との間の係合に関連する圧力を検出するように構成された、接触リミットセンサであって、接触リミットセンサは、接触リミットセンサが、圧力が、接触しきい値を超えていることを検出すると、接触情報を送信する、接触リミットセンサと、を含み得、送信された接触情報は、物体に向かうエンドエフェクタの移動を制限して、物体への損傷を防止する。
【0007】
本発明のさらなる態様は、物体を把持するように構成されたエンドエフェクタを備える、物体操縦システムのためのグリッパアタッチメントを含み得る。エンドエフェクタは、物体に係合するように構成された吸着カップアセンブリと、接触リミットセンサと、を含み得る。吸着カップアセンブリは、ハウジングと、真空圧源に連結するように構成された、第1の吸着カップであって、第1の吸着カップは、ハウジングに対して変位可能である、第1の吸着カップと、真空圧源に連結された第2の吸着カップであって、第2の吸着カップは、ハウジングに対して変位可能であり、かつ第1の吸着カップから独立している、第2の吸着カップと、を含み得る。接触リミットセンサは、ハウジングに対する第1の吸着カップ及び第2の吸着カップの変位に基づいて、吸着カップアセンブリと物体との間の係合に関連する圧力を検出するように構成されており、接触リミットセンサは、接触リミットセンサが、圧力が、接触しきい値を超えていることを検出すると、接触情報を送信し、送信された接触情報により、物体に向かうエンドエフェクタの移動が制限されて、物体への損傷を防止する。
【0008】
本発明の特定の実施形態は、上述したものに加えて、又は上述したものの代わりに、他のステップ又は要素を有する。これらのステップ又は要素は、添付の図面を参照して以下の詳細な説明を読むことにより、当業者に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明の例示的な実施形態は、以下の図に基づいて詳細に説明される。
図1】本発明の例示的な実施形態によるロボットシステムにおける例示的な環境を示す図である。
図2】本発明の例示的な実施形態によるロボットシステムを示すブロック図である。
図3A】本発明の例示的な実施によるロボットアームを示す図である。
図3B】本発明の例示的な実施によるロボットアームを示す図である。
図4A】本発明の例示的な実施によるロボットアームのエンドエフェクタの図である。
図4B】本発明の例示的な実施によるロボットアームのエンドエフェクタの図である。
図4C】本発明の例示的な実施によるロボットアームのエンドエフェクタの図である。
図4D】本発明の例示的な実施によるロボットアームのエンドエフェクタの図である。
図4E】本発明の例示的な実施によるロボットアームのエンドエフェクタの図である。
図5図4Aのエンドエフェクタの、V?V´線に沿った断面図である。
図6A】本発明の例示的な実施によるエンドエフェクタの斜視図である。
図6B】本発明の例示的な実施によるエンドエフェクタの斜視図である。
図6C】本発明の例示的な実施によるエンドエフェクタの斜視図である。
図6D】本発明の例示的な実施によるエンドエフェクタの斜視図である。
図6E】本発明の例示的な実施によるエンドエフェクタの斜視図である。
図6F】本発明の例示的な実施によるエンドエフェクタの斜視図である。
図7】本発明の例示的な実施によるロボットアームの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下の説明では、多くの特定の詳細は、本開示の技術の深い理解をもたらすように記載されている。他の実施形態では、本明細書で導入される技術は、これらの特定の詳細を伴わずに実施することができる。他の例では、本開示を不要に不明瞭にすることを避けるために、特定の機能又はルーチンなどのよく知られている特徴は、詳細には説明されない。本説明における、「実施形態」、「一実施形態」又は同様のものへの言及は、説明されている特定の特徴、構造、材料又は特性が、本開示の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。このように、本明細書におけるかかる語句の出現は、必ずしもすべてが同じ実施形態を指すわけではない。その一方で、かかる言及が必ずしも相互に排他的であるというわけでもない。さらに、特定の特徴、構造、材料、又は特性は、1つ又は複数の実施形態において任意の好適な様式で組み合わされてもよい。
【0011】
図に示される様々な実施形態は、単に例示的な表現であることを理解されたい。さらに、本システムの実施形態を示す図面は、半図式的(semi-diagrammatic)であり、縮尺どおりではなく、特に、寸法の一部は、表現を分かりやすくするためのものであり、図面において誇張して示されている。同様に、説明を容易にするために、図面の表示は、概ね同様の向きを示しているが、図中のこのような描写は、ほとんどの部分に関して恣意的である。概して、本発明は、任意の向きで動作させられることができる。
【0012】
周知であり、かつロボットシステム及びロボットサブシステムに関連付けられる場合が多いが、開示される技術のいくつかの重要な態様を不要に不明瞭にする場合がある構造又はプロセスを説明するいくつかの詳細は、分かりやすくするために以下の説明には記載されない。さらに、以下の開示は、本技術の異なる態様のいくつかの実施形態を説明しているが、いくつかの他の実施形態は、本セクションで説明されるものとは異なる構成又は異なる構成要素を有してもよい。したがって、開示される技術は、追加の要素を伴うか、又は以下で説明される要素のうちのいくつかを伴わない他の実施形態を有してもよい。
【0013】
以下で説明する本開示の多くの実施形態又は態様は、プログラム可能なコンピュータ又はコントローラによって実行されるルーチンを含む、コンピュータ実行可能命令又はコントローラ実行可能命令の形式であってもよい。当業者は、開示される技術が、以下で示され、説明されるもの以外のコンピュータシステム又はコントローラシステム上で実施され得ることを理解するであろう。本明細書で説明する技術は、以下で説明するコンピュータ実行可能命令のうちの1つ又は複数を実行するように特にプログラム、構成、又は構築された専用のコンピュータ又はデータプロセッサにおいて具現化され得る。したがって、本明細書で大略的に使用される際、「コンピュータ」及び「コントローラ」という用語は、任意のデータプロセッサを指し、パームトップコンピュータ、ウェアラブルコンピュータ、セルラ式電話又は携帯電話、マルチプロセッサシステム、プロセッサベースの又はプログラム可能な家電、ネットワークコンピュータ、ミニコンピュータ及び同様のものを含むインターネット機器及びハンドヘルドデバイスを含むことができる。これらのコンピュータ及びコントローラが扱う情報は、液晶ディスプレイ(LCD)を含む任意の好適なディスプレイ媒体に表示され得る。コンピュータ実行可能なタスク又はコントローラ実行可能なタスクを実行するための命令は、ハードウェア、ファームウェア、又はハードウェアとファームウェアの組み合わせを含む任意の好適なコンピュータ読み取り可能媒体中に又はコンピュータ読み取り可能媒体上に格納され得る。命令は、例えば、フラッシュドライブ、USBデバイス、及び/又はその他の好適な媒体を含む任意の好適なメモリデバイスに含まれ得る。
【0014】
「連結され」及び「接続され」という用語は、これらの派生語とともに、部品間の構造的関係を説明するために本明細書で使用することができる。これらの用語は、互いの同義語として意図されていないことが理解されるべきである。むしろ、特定の実施形態では、「接続され」は、2つ以上の要素が、互いに直接接触していることを示すために使用することができる。文脈上で別途明示されない限り、「連結され」という用語は、2つ以上の要素が、互いに、直接的に若しくは間接的に(当該要素の間に他の介在要素を伴って)のいずれか一方で接触していること、あるいは2つ以上の要素が、(例えば、信号の送信/受信のため若しくは関数呼び出しのためなどの因果関係として)互いと協働若しくは相互作用していること、又はその両方を示すために使用することができる。
【0015】
以下の実施形態は、当業者が、本発明を実施及び使用することができるように十分詳細に説明されている。本開示に基づいて、他の実施形態が明らかとなると考えられ、本発明の実施形態の範囲から逸脱することなく、システム、プロセス、又は機械的な変更がなされ得ることが理解されるべきである。
【0016】
ここで図1を参照すると、物体操縦機構を有するロボットシステム100が動作することができる例示的な環境が示されている。ロボットシステム100の動作環境は、1つ又は複数のタスクを実行するように構成された、ロボット又はロボットデバイスなどの、1つ又は複数の構造体を備えることができる。本明細書に示されている物体操縦機構の態様は、様々な構造体によって実行又は実施されることができる。
【0017】
図1に示される例において、ロボットシステム100は、荷降しユニット102、移送ユニット104、運搬ユニット106、荷積みユニット108又はこれらの組み合わせを、倉庫、物流センタ又は出荷ハブ内において備えることができる。ロボットシステム100におけるユニットのそれぞれは、1つ又は複数のタスクを実行するように構成され得る。タスクは、例えば、倉庫内での保管のためにトラック、トレーラ、バン若しくは列車などの輸送手段から物体を荷降しすること、又は保管場所から物体を荷降しし、物体を出荷のために輸送手段へと荷積みすることなどの目標を達成する動作を実行するために順に組み合わされることができる。別の例では、タスクは、コンテナ、貯蔵容器、ケージ、バスケット、棚、プラットフォーム、パレット又はコンベヤベルトなどの1つの場所から別の場所へ物体を移動させることを含むことができる。ユニットのそれぞれは、タスクを実行するために、ユニットの中の1つ又は複数の部品を動作させることなどの一連の動作を実行するように構成され得る。
【0018】
いくつかの実施形態では、タスクは、物体の操作、物体を移動させること、物体の向きを変えること、又はこれらの組み合わせなどのターゲット物体112との相互作用を含むことができる。ターゲット物体112は、ロボットシステム100によって操縦されることとなる物体である。より具体的には、ターゲット物体112は、ロボットシステム100による動作又はタスクのターゲットである多くの物体の中でも特定の物体であり得る。例えば、ターゲット物体112は、ロボットシステム100が選択した物体か、現在、操縦されているか、操作されているか、移動されているか、向きを変えられているか、又はこれらの組み合わせがされている物体であり得る。ターゲット物体112としては、例として、ボックス、ケース、チューブ、パッケージ、束、個別の物品の取り合わせ、又はロボットシステム100によって操縦されることができる任意の他の物体を挙げることができる。
【0019】
一例として、タスクは、ターゲット物体112を物体供給源114からタスク場所116へ移送することを含むことができる。物体供給源114は、物体の保管のための容器である。物体供給源114は、多数の構成及び形態を含むことができる。例えば、物体供給源114は、壁を有するか又は壁を有しない、パレット、棚、又はコンベヤベルトなどのプラットフォームであってもよく、当該プラットフォーム上に物体が配置又は積み重ねられ得る。別の例として、物体供給源114は、貯蔵容器、ケージ、又はバスケットなどの、内部に物体が配置され得る壁又は蓋を有する部分的に又は完全に囲まれた容器であってもよい。いくつかの実施形態では、部分的に又は完全に囲まれていてもよい物体供給源114の壁は、透明であってもよく、あるいは内部に収容されている物体の一部が、壁を通って可視であり得るか若しくは部分的に可視であり得るような様々なサイズの開口部又は間隙を含んでもよい。
【0020】
図1は、ターゲット物体112を操縦する際に、ロボットシステム100の様々なユニットによって実行され得る可能な機能及び動作の例を示しており、環境及び条件は、以下で説明されるものとは異なる場合があることを理解されたい。例えば、荷降しユニット102は、ターゲット物体112を、トラックなどのキャリア内のある場所から、コンベヤベルト上のある場所へ移送するように構成された輸送手段荷降しロボットであってもよい。また、パレタイジングロボットなどの移送ユニット104は、ターゲット物体112を運搬ユニット106上のパレットに荷積みなどするために、ターゲット物体112を、コンベヤベルト上のある場所から運搬ユニット106上のある場所へ移送するように構成されてもよい。別の例では、移送ユニット104は、ターゲット物体112をあるコンテナから別のコンテナに移送するように構成されたピースピッキングロボットであってもよい。動作を完了する際、運搬ユニット106は、ターゲット物体112を、移送ユニット104に関連付けられた領域から、荷積みユニット108に関連付けられた領域に移送することができ、荷積みユニット108は、ターゲット物体112を運んでいるパレットを移動させることなどによって、ターゲット物体112を、移送ユニット104から棚上のある場所などの保管場所に移送することができる。タスク及び関連する動作に関する詳細が以下で説明される。
【0021】
例示の目的のために、ロボットシステム100は、出荷センタの文脈で説明される。しかしながら、ロボットシステム100は、他の環境で、又は製造、組立て、パッケージング、ヘルスケア、若しくは他のタイプの自動化などの他の目的のためにタスクを実行するように構成され得ることを理解されたい。ロボットシステム100は、図1に示されていないマニピュレータ、サービスロボット、又はモジュール式ロボットなどの他のユニットを備えることができることもまた理解されたい。例えば、いくつかの実施形態では、ロボットシステム100は、物体をケージ、カート、若しくはパレットからコンベヤ若しくは他のパレットに移送するためのデパレタイジングユニット、物体を1つのコンテナから別のコンテナに移送するためのコンテナスイッチングユニット、物体を包装するためのパッケージングユニット、物体を1つ若しくは複数の特性に従ってグループ化するためのソートユニット、物体を1つ若しくは複数の特性に従って、ソート、グループ化、及び/若しくは移送など様々に操作するためのピースピッキングユニット、又はこれらの組み合わせを含むことができる。
【0022】
ここで、図2を参照すると、本発明の1つ又は複数の実施形態によるロボットシステム100を示すブロック図が示されている。いくつかの実施形態では、例えば、ロボットシステム100は、互いに連結され、上記の図1に記載されているユニット若しくはロボットのうちの1つ若しくは複数と統合若しくは連結され、又はこれらの組み合わせである、制御ユニット202、ストレージユニット204、通信ユニット206、システムインターフェース208、1つ若しくは複数の作動デバイス212、1つ若しくは複数の運搬モータ214、1つ若しくは複数のセンサユニット216、又はこれらの組み合わせなどの電子デバイス、電気デバイス、又はこれらの組み合わせを含むことができる。
【0023】
制御ユニット202は、いくつかの様々な方法で実装されてもよい。例えば、制御ユニット202は、プロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、組み込みプロセッサ、マイクロプロセッサ、ハードウェア制御ロジック、ハードウェア有限状態機械(FSM)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、又はこれらの組み合わせであってもよい。制御ユニット202は、ソフトウェア210を実行して、ロボットシステム100の知能を提供することができる。
【0024】
制御ユニット202は、制御インターフェース240を含むことができる。制御インターフェース240は、制御ユニット202とロボットシステム100の他の機能ユニットとの間の通信に使用されることができる。制御インターフェース240は、ロボットシステム100の外部の通信にも使用されることができる。制御インターフェース240は、他の機能ユニット若しくは外部の送信元から情報を受信することができ、又は他の機能ユニット若しくは外部の送信先に情報を送信することができる。外部の送信元及び外部の送信先とは、ロボットシステム100の外部の送信元及び送信先を指すものである。
【0025】
制御インターフェース240は、様々な方法で実装されてもよく、どの機能ユニット又は外部ユニットが制御インターフェース240とインターフェースされているかに応じて異なる実装を含むことができる。例えば、制御インターフェース240は、圧力センサ、慣性センサ、微小電気機械システム(MEMS)、光回路、導波管、無線回路、有線回路、アプリケーションプログラミングインターフェース、又はこれらの組み合わせによって実装されてもよい。
【0026】
ストレージユニット204は、ソフトウェア210、マスタデータ246、又はこれらの組み合わせを記憶することができる。例示の目的のために、ストレージユニット204は、単一の要素として示されているが、ストレージユニット204は、ストレージ要素の分布であってもよいことを理解されたい。また例示の目的のために、ロボットシステム100は、単一階層ストレージシステムとしてのストレージユニット204とともに示されているが、ロボットシステム100は、異なる構成のストレージユニット204を有することができることを理解されたい。例えば、ストレージユニット204は、キャッシング、メインメモリ、回転媒体、又はオフラインストレージのそれぞれ異なるレベルを含むメモリ階層システムを形成する様々なストレージ技術を用いて形成されてもよい。
【0027】
ストレージユニット204は、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、内部メモリ、外部メモリ、又はこれらの組み合わせであり得る。例えば、ストレージユニット204は、不揮発性ランダムアクセスメモリ(NVRAM)、フラッシュメモリ、ディスクストレージなどの不揮発性ストレージ、又はスタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)などの揮発性ストレージであってもよい。さらなる例として、ストレージユニット204は、ハードディスクドライブ、NVRAM、ソリッドステートストレージデバイス(SSD)、コンパクトディスク(CD)、デジタルビデオディスク(DVD)、又はユニバーサルシリアルバス(USB)フラッシュメモリデバイスなどの不揮発性メモリを含む、非一時的なコンピュータ媒体であってもよい。ソフトウェア210は、制御ユニット202によって実行される非一時的なコンピュータ読み取り可能媒体に記憶されてもよい。
【0028】
ストレージユニット204は、制御インターフェース240を含むことができる。制御インターフェース240は、ストレージユニット204とロボットシステム100の他の機能ユニットとの間の通信に使用されることができる。制御インターフェース240は、ロボットシステム100の外部の通信にも使用されることができる。制御インターフェース240は、他の機能ユニット若しくは外部の送信元から情報を受信することができ、又は他の機能ユニット若しくは外部の送信先に情報を送信することができる。外部の送信元及び外部の送信先とは、ロボットシステム100の外部の送信元及び送信先を指すものである。
【0029】
制御インターフェース240は、どの機能ユニット又は外部ユニットがストレージユニット204とインターフェースされているかに応じて異なる実装を含むことができる。制御インターフェース240は、制御インターフェース240の実装と類似の技術及び手法で実装され得る。
【0030】
一実施形態では、ストレージユニット204を使用して、処理結果、所定のデータ、しきい値、又はこれらの組み合わせをさらに記憶しかつこれらにアクセスすることができる。例えば、ストレージユニット204は、例えば、ボックス、ボックスタイプ、ケース、ケースタイプ、製品、又はこれらの組み合わせである1つ又は複数のターゲット物体104の記述を含むマスタデータ246を記憶することができる。一実施形態では、マスタデータ246は、ロボットシステム100によって操作されると予想される1つ又は複数のターゲット物体104に関する、寸法、形状、例えば、可能性のある姿勢のテンプレート、若しくはそれぞれ異なる姿勢の1つ若しくは複数のターゲット物体104を認識するためのコンピュータ生成モデル、カラースキーム、イメージ、識別情報、例えば、バーコード、クイックレスポンス(QR)コード(登録商標)、ロゴ、予想される場所、予想される重量、又はこれらの組み合わせを含むことができる。
【0031】
一実施形態では、マスタデータ246は、ロボットシステム100が直面又は操縦することができる1つ又は複数の物体に関する操作関連情報をさらに含むことができる。例えば、物体に関する操作関連情報としては、物体のそれぞれの重心位置、例えば、1つ若しくは複数の動作、機動又はこれらの組み合わせに対応する力、トルク、圧力又は接触測定に関するセンサ測定予測値を挙げることができる。
【0032】
通信ユニット206は、ロボットシステム100に対する外部通信、及びロボットシステム100からの外部通信を可能にすることができる。例えば、通信ユニット206は、ロボットシステム100が、有線ネットワーク又は無線ネットワークなどの通信経路218を介して、他のロボットシステム若しくはユニット、外部コンピュータ、外部データベース、外部マシン、外部周辺デバイスなどの外部デバイス、又はこれらの組み合わせと通信することを可能にすることができる。
【0033】
通信経路218は、様々なネットワークに及び、かつ様々なネットワークトポロジを表現することができる。例えば、通信経路218としては、無線通信、有線通信、光通信、超音波通信、又はこれらの組み合わせを挙げることができる。例えば、衛星通信、セルラ通信、Bluetooth、赤外線通信協会規格(lrDA)、ワイヤレスフィデリティ(WiFi)、及び全世界相互運用マイクロ波アクセス(WiMaX)は、通信経路218に含められることができる無線通信の例である。ケーブル、イーサネット、デジタル加入者回線(DSL)、光ファイバ回線、ファイバトゥザホーム(FTTH)、及び普通の旧型電話サービス(POTS)は、通信経路218に含められることができる有線通信の例である。さらに、通信経路218は、いくつかのネットワークトポロジ及びネットワーク距離をトラバースすることができる。例えば、通信経路218は、直接接続、パーソナルエリアネットワーク(PAN)、ローカルエリアネットワーク(LAN)、メトロポリタンエリアネットワーク(MAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、又はこれらの組み合わせを含むことができる。ロボットシステム100は、通信経路218を介して、様々なユニット間で情報を送信することができる。例えば、情報は、制御ユニット202、ストレージユニット204、通信ユニット206、システムインターフェース208、作動デバイス212、運搬モータ214、センサユニット216、又はこれらの組み合わせの間で送信されることができる。
【0034】
通信ユニット206は、ロボットシステム100が通信経路218の一部として機能することを可能にし、かつ、通信経路218に対するエンドポイント又は端末ユニットであると限定されない通信ハブとして機能することもできる。通信ユニット206は、通信経路218との相互作用のための、マイクロエレクトロニクス又はアンテナなどの能動部品及び受動部品を含むことができる。
【0035】
通信ユニット206は、通信インターフェース248を含むことができる。通信インターフェース248は、通信ユニット206とロボットシステム100の他の機能ユニットとの間の通信に使用されることができる。通信インターフェース248は、他の機能ユニット若しくは外部の送信元から情報を受信することができ、又は他の機能ユニット若しくは外部の送信先に情報を送信することができる。外部の送信元及び外部の送信先とは、ロボットシステム100の外部の送信元及び送信先を指すものである。
【0036】
通信インターフェース248は、どの機能ユニットが通信ユニット206とインターフェースされているかに応じて異なる実装を含むことができる。通信インターフェース248は、制御インターフェース240の実装と類似の技術及び手法で実装されることができる。
【0037】
I/Oデバイス208は、入力デバイス及び出力デバイスを含むことができる。I/Oデバイス208の入力デバイスの例としては、キーパッド、タッチパッド、ソフトキー、キーボード、マイクロフォン、リモート信号を受信するためのセンサ、モーションコマンドを受信するためのカメラ、又はデータ及び通信入力を提供するためのこれらの任意の組み合わせを挙げることができる。出力デバイスの例としては、ディスプレイインターフェース210を挙げることができる。ディスプレイインターフェース210は、ディスプレイ、プロジェクタ、ビデオスクリーン、又はこれらの任意の組み合わせなどの任意のグラフィカルユーザインターフェースであることができる。
【0038】
制御ユニット202は、ロボットシステム100によって生成された情報を提示又は受信するために、I/Oデバイス208を動作させることができる。制御ユニット202は、ロボットシステム100によって生成された情報を提示するために、ユーザインターフェース216を動作させることができる。制御ユニット202はまた、ロボットシステム100の他の機能のためのソフトウェア210を実行することもできる。制御ユニット202は、通信ユニット206を介して通信経路218と相互作用するためのソフトウェア210をさらに実行することができる。
【0039】
ロボットシステム100は、回転変位、並進変位、又はこれらの組み合わせなどの運動のために接合部に接続されているロボット型マニピュレータアームなどの物理的又は構造的部材を含むことができる。構造的部材及び接合部は、ロボットシステム100の使用又は動作に応じて、グリッパなどのエンドエフェクタを操作してグリッピング、スピニング又は溶接などの1つ又は複数のタスクを実行するように構成された運動連鎖を形成することができる。ロボットシステム100は、対応する接合部の周りの構造部材、又は対応する接合部における構造部材を駆動、操作、変位、再配向、又はこれらを組み合わせたものを行うように構成された、モータ、アクチュエータ、ワイヤ、人工筋肉、電気活性ポリマー、又はこれらの組み合わせなどの作動デバイス212を含むことができる。いくつかの実施形態では、ロボットシステム100は、対応するユニットをあちらこちらへ運搬するように構成された運搬モータ214を含むことができる。
【0040】
ロボットシステム100は、構造的部材を操作するため、又はロボットユニットを運搬するためなどで、タスク及び動作を実行するために使用される情報を取得するように構成されたセンサユニット216を含むことができる。センサユニット216は、状態、条件、1つ若しくは複数の構造的部材若しくは接合部の位置、物体若しくは周囲環境に関する情報、又はこれらの組み合わせなどのロボットシステム100の1つ若しくは複数の物理的特性を検出又は測定するように構成されたデバイスを含むことができる。一例として、センサユニット216は、撮像デバイス222、システムセンサ224、接触センサ226、又はこれらの組み合わせを含むことができる。
【0041】
いくつかの実施形態では、センサユニット216は、1つ又は複数の撮像デバイス222を含むことができる。撮像デバイス222は、周囲環境を検出するように構成されたデバイスである。例えば、撮像デバイス222は、2次元カメラ、3次元カメラを含むことができ、それらの両方は、視覚機能及び赤外線機能、ライダ、レーダ、その他の距離測定デバイス、及びその他の撮像デバイスの組み合わせを含むことができる。撮像デバイス222は、自動検査、ロボット誘導又はその他のロボットアプリケーションのためのマシン/コンピュータビジョンを実施するために使用される、デジタルイメージ又は点群などの検出された環境を表現することができる。以下でさらに詳細に説明するように、ロボットシステム100は、図1のターゲット物体112、ターゲット物体112の姿勢、又はこれらの組み合わせを識別するために、制御ユニット202を介して、デジタルイメージ、点群、又はこれらの組み合わせを処理することができる。ターゲット物体112を操作するために、ロボットシステム100は、トラックの内側、コンテナの内側、又はコンベヤベルト上の物体のピックアップ場所などの指定された領域を撮像し、当該領域の画像を分析して、ロボットシステム100の図1のターゲット物体112及び物体供給源114を特定することができる。同様に、ロボットシステム100は、コンベヤベルト上に物体を配置するための落下場所、コンテナの内側に物体を配置するための場所、又は積み重ねのためのパレット上の場所などの、別の指定された領域を撮像し、当該領域の画像を分析して、図1のタスク場所116を特定することができる。
【0042】
いくつかの実施形態では、センサユニット216は、システムセンサ224を含むことができる。システムセンサ224は、ロボットユニットを監視するためのデバイスである。例えば、システムセンサ224は、ロボットアーム及びエンドエフェクタ、ロボットユニットの対応する接合部、又はこれらの組み合わせなどの構造的部材の位置を検出及び監視するためのユニット又はデバイスを含むことができる。さらなる例として、ロボットシステム100は、タスクの実行中に構造的部材及び接合部の場所、向き、又はこれらの組み合わせを追跡するためのシステムセンサ224を使用することができる。システムセンサ224の例としては、加速度計、ジャイロスコープ、又は位置エンコーダを挙げることができる。
【0043】
いくつかの実施形態では、センサユニット216は、複数の物理的構造又は複数の物理的表面の間の直接接触に関連する特性を測定するように構成された、圧力センサ、力覚センサ、ひずみゲージ、ピエゾ抵抗式センサ/圧電センサ、静電容量センサ、エラスト抵抗センサ、トルクセンサ、直線力センサ、又はその他の触覚センサなどの接触センサ226を含むことができる。例えば、接触センサ226は、エンドエフェクタによるターゲット物体112のグリップに対応する特性を測定するか又はターゲット物体112の重量を測定することができる。したがって、接触センサ226は、グリッパとターゲット物体112との間の接触又は付着の程度に対応する、測定された力又はトルクなどの定量化された測定値を表す接触測定値を出力することができる。例えば、接触測定値は、エンドエフェクタによってターゲット物体112に加えられる力に関連する1つ又は複数の力又はトルクの読み取り値を含むことができる。
【0044】
図3A及び図3Bは、本発明の例示的な実施による、エンドエフェクタ332を含むグリッパアタッチメント328を有するロボットアーム330を示す。例示的な実施では、ロボットアーム330は、コンテナから物体をピッキングし、又はコンベヤ若しくは別のコンテナなどの行き先に物体を配置するなど、物体を操作するように構成され得る。図1及び図2のロボットシステム100は、エンドエフェクタ332を含むグリッパアタッチメント328を有するロボットアーム330を備えることができる。エンドエフェクタ332は、物体に接触し、物体を操作し、物体を保持し、若しくは物体を把持し、又はこれらを任意に組み合わせたものを行うように構成された部品を含むロボットアーム330の一部である。エンドエフェクタ332の、物体に接触する部分は、グリッパヘッドと呼ばれる場合がある。
【0045】
グリッパアタッチメント328は、グリッパアタッチメント328をロボットアーム330に接続するオフセットブラケット338を含む。オフセットブラケット338は、グリッパアタッチメント328とロボットアーム330との間の機械的な連結を提供することができる。いくつかの例示的な実施では、オフセットブラケット338はまた、ロボットアーム330とグリッパアタッチメント328との間で電気信号が交換されることを可能にするように電気的に連結されてもよい。例えば、電気信号は、ロボットアーム330と、グリッパアタッチメント328上に位置するセンサ及びその他のコンポーネントとの間で交換されてもよい。
【0046】
ロボットアーム330は、図2に示される作動デバイス212などの1つ又は複数の作動デバイスを使用して、オフセットブラケット338を回転及び作動させてもよい。作動デバイス212は、回転作動、捩り作動、線形作動、又は当業者に明らかであると考えられる任意の他のタイプの作動をもたらすことができる。
【0047】
オフセットブラケット338は、ロボットアーム330とエンドエフェクタ332との間の横方向のオフセットを提供するオフセットプレート334に接続していてもよい。言い換えると、オフセットプレート334は、ロボットアーム330の軸3と、オフセットプレート334に取り付けられたエンドエフェクタ332の軸4との間の横方向のオフセットを提供する。オフセットプレート334は、エンドエフェクタ332の構造的な支持を提供するように選択された材料で形成されていてもよい。いくつかの例示的な実施では、オフセットプレート334は、合金鋼、アルミニウム合金、又は当業者に明らかであると考えられる任意の他の合金などの金属で形成されてもよい。他の例示的な実施では、オフセットプレート344は、エンドエフェクタ332の意図される用途又は意図される使用に応じて、ポリマー材料、複合材料、又はセラミック材料から形成されてもよい。
【0048】
エンドエフェクタ332は、力トルクセンサ336を含むことができる力トルクブラケット340によってオフセットプレート334に接続されている。力トルクセンサ336は、保持又は操作されている物体の重量を感知するために、エンドエフェクタ332に加えられている力を測定することができるとともに、動作中にエンドエフェクタ332が遭遇する抵抗又は障害によって引き起こされる、あらゆる力を感知することができる。オフセットプレート334及びオフセットブラケット338並びに力トルクブラケット340は、チューブ/ガスチャネル、及びロボットアーム330とエンドエフェクタ332との間の電気的接続を可能にするためのワイヤのための引き回し経路を提供するように内部で接続していてもよい。
【0049】
いくつかの例示的な実施では、力トルクブラケット340はまた、図2に示す作動デバイス212などの1つ又は複数の作動デバイスを使用して、オフセットブラケット338に対してエンドエフェクタ332を回転及び作動させてもよい。作動デバイス212は、回転作動、捩り作動、線形作動、又は当業者に明らかであると考えられる任意の他のタイプの作動をもたらすことができる。
【0050】
力トルクブラケット340は、エンドエフェクタ332の吸着カップブロックアセンブリ346を支持しているヘッド延伸部344に接続しているヘッドコネクタ342に接続していてもよい。ヘッド延伸部344は、力トルクブラケット340から延びていて、ロボットアーム330の端部と吸着カップブロックアセンブリ346との間の長さを増加させている構造的部材であり得る。ヘッド延伸部344は、ロボットアーム330が、コンテナ又はコンテナに隣接する物体と衝突することなく機動するための隙間を与えながら、エンドエフェクタ332が、コンテナ内の物体にアクセスするように吸着カップブロックアセンブリ346を位置決めすることを可能にすることができる。
【0051】
ヘッドコネクタ342及びヘッド延伸部344は、エンドエフェクタ332の構造的な支持を提供するように選択された材料で形成されていてもよい。いくつかの例示的な実施では、ヘッドコネクタ342及びヘッド延伸部344は、合金鋼、アルミニウム合金、又は当業者に明らかであると考えられる任意の他の合金などの金属で形成されてもよい。他の例示的な実施では、ヘッドコネクタ342及びヘッド延伸部344は、エンドエフェクタ332の意図される用途又は意図される使用に応じて、ポリマー材料、複合材料、又はセラミック材料から形成されてもよい。
【0052】
オフセットプレート334はまた、ロボットアーム330から供給されるエアと接続しており、吸着カップブロックアセンブリ346にエアを分配するためにチューブコネクタ350を提供するチューブブラケット348を含む。チューブコネクタ350は、エンドエフェクタアセンブリ346の吸着カップブロックアセンブリ346に関連付けられている接触リミットセンサ装置352を通って延びている吸着シャフトインターフェース354に連結されたエア供給チューブ356に接続していてもよい。より具体的には、一例として、吸着カップブロックアセンブリ346は、接触リミットセンサ装置352を含むことができる。チューブブラケット348は、エア供給チューブ356のクリンピング又はつぶれを防止するために、ロボットアーム330の動作中にエア供給チューブ356を拘束し、かつ位置付けていてもよい。接触リミットセンサ装置352は、エンドエフェクタ332が、潜在的に接触により物体を損傷し得る接触圧力を加えることを防止し得るセンサであってもよい。接触リミットセンサ装置352に関する詳細は以下で説明される。
【0053】
いくつかの例示的な実施では、チューブコネクタ350は、エンドエフェクタ332の吸着カップブロックアセンブリ346のセクションシャフトインターフェース354に吸着力を与えるように、1つ又は複数の真空源(図示せず)に接続していてもよい。例えば、チューブコネクタ350は、圧縮エアを使用して真空圧を生成する1つ又は複数の真空エジェクタに接続されていてもよい。例えば、真空エジェクタは、圧縮エアが、吸着カップブロックアセンブリ346に真空圧を提供する低圧ゾーンを作り出すように形作られたノズルを通過することを可能にすることができる。
【0054】
生成された真空圧は、チューブコネクタ350からエア供給チューブ356を通って、吸着シャフトインターフェース354に提供されてもよい。吸着シャフトインターフェース354に提供された真空圧は、吸着カップブロックアセンブリ346に提供されて、物体をグリップ及び解放し、あるいは、エンドエフェクタ332に物体を固定及び固着させ、エンドエフェクタ332から物体を解放するための吸着力を提供することができる。吸着カップブロックアセンブリ346の動作は、以下でより詳細に説明される。
【0055】
エンドエフェクタ332は、ロボットアーム330の構造的部材、ロボットアーム330の接合部、及びブラケット(例えば、オフセットブラケット338、力トルクブラケット336)、又はこれらの組み合わせに接続された、図2の作動デバイス212などの、作動デバイスを動作させることによって操作されることができる。エンドエフェクタ332は、エンドエフェクタ332の1つ又は複数の部分に関連付けられるか、又は取り付けられた作動デバイス212のうちの1つ又は複数を動作させることによって、物体をつかみ又は解放するように動作させられることができる。エンドエフェクタ332は、吸着カップブロックアセンブリ346に提供される真空圧を使用して物体をグリップ及び解放することができ、それにより、エンドエフェクタ332に物体を固定若しくは固着させ、又はエンドエフェクタ332から物体を解放することができる。
【0056】
図4A図4Eは、本発明の例示的な実施によるロボットアーム330のエンドエフェクタ332の様々な図を示す。様々な図の中で、図4Aは、エンドエフェクタ332の正面図を示し、図4Bは、エンドエフェクタ332の上面図を示す。さらに、図4Cは、エンドエフェクタ332の底面図を示し、図4Dは、エンドエフェクタ332の側面図を示す。図4Eは、図4Aのエンドエフェクタ332の、IVE?IVE´線に沿った断面図を示す。
【0057】
図示されるように、チューブブラケット348は、オフセットプレート334の、力トルクブラケット340及び力トルクセンサ336とは反対の側に位置付けられていてもよい。図3A及び図3Bのエア供給チューブ356は、チューブコネクタ350及び吸着シャフトインターフェース354がより良好に見えるように、図4A図4Eにおいて省略されている。図示されるように、チューブコネクタ350は、チューブブラケット348から前方に延びている。
【0058】
力トルクブラケット340は、ヘッド延伸部344から力トルクセンサ336へあらゆる力又はトルクを移すために、ヘッドコネクタ342に機械的に連結されていてもよい。いくつかの例示的な実施では、力トルクセンサ336は、図2の接触センサ226のような一種の接触センサであってもよい。
【0059】
図示されるように、ヘッド延伸部344は、クランプ金具によってヘッドコネクタ342に連結されていてもよい。しかしながら、他の例示的な実施では、ヘッド延伸部344は、圧入、ねじ嵌入、溶接、接着剤、又は当業者に明らかであると考えられる任意の他の機械的な連結機構によってヘッドコネクタ342に連結されていてもよい。
【0060】
ヘッド延伸部344は、エンドエフェクタ332の吸着カップブロックアセンブリ346から、力トルクセンサ336へ、あらゆる力又はトルクを移すために、エンドエフェクタ332に機械的に連結されていてもよい。図示されるように、ヘッド延伸部344は、取付けねじ370によって吸着カップブロックアセンブリ346に連結されていてもよい。しかしながら、他の例示的な実施では、ヘッド延伸部344は、圧入、クランプ金具、溶接、接着剤、又は当業者に明らかであると考えられる任意の他の機械的な連結機構によって吸着カップブロックアセンブリ346に連結されていてもよい。したがって、吸着カップブロックアセンブリ346が受けるあらゆる力又はトルクは、力トルクブラケット340、ヘッドコネクタ342、及びヘッド延伸部344によって、力トルクセンサ336に移される。
【0061】
力トルクブラケット340、ヘッドコネクタ342及び/又はヘッド延伸部344による力トルクセンサ336を含み得る構造は、吸着カップブロックアセンブリ346への衝撃又は衝突が、力トルクセンサ336に移されて、ロボットアーム330にフィードバックを提供することを可能にし得る。力トルクセンサ336はまた、吸着カップブロックアセンブリ346によって把持又は保持されている物体(例えば、図1のターゲット物体112)の重量を測定してもよく、さらには吸着カップブロックアセンブリ346が移動又は位置付けられているときの物体内の重量移動を測定してもよい。
【0062】
さらに、いくつかの例示的な実施では、エンドエフェクタ332は、1つ又は複数の追加のセンサユニットを含んでもよい。例えば、図2の接触センサ226のうちの1つ又は複数は、エンドエフェクタ332に取り付けられてもよく、又はエンドエフェクタ332内に一体化されてもよい。いくつかの例示的な実施では、接触センサ226は、オフセットプレート334の、オフセットブラケット338の反対側の端部に取り付けられた力トルクセンサ336に加えて、エンドエフェクタ332に取り付けられ又はエンドエフェクタ332と一体化された力センサ、圧力センサ、トルクセンサ、及び/又はその他の触覚センサであってもよい。別の例示的な実施では、接触センサ226は、吸着カップブロックアセンブリ346によって保持又は支持されている物体(例えば、図1のターゲット物体112)の重量を測定するように構成された別個の直線力センサを含むことができる。センサユニットのさらなる例(例えば、図6の接触リミットセンサ366)は、以下で説明される。
【0063】
吸着カップアセンブリ346は、接触リミットセンサ装置352から上方に延びている複数の吸着シャフトインターフェース354を含んでもよい。吸着シャフトインターフェース354のそれぞれは、吸着カップ358又は吸着カップ360のいずれか一方に連通して連結されている。いくつかの例示的な実施では、吸着カップ358は、吸着カップ360よりも相対的に大きい直径を有してもよい。異なる2つのサイズの吸着カップ358及び360を有することにより、吸着カップアセンブリ346によって物体をグリップ又は把持する際の柔軟性を可能にすることができる。例えば、より相対的に小さいサイズの吸着カップ360は、より小さいサイズのおかげで、より小さいか又は不規則な形状の物体をより良好にグリップすることができる。さらに、グリップ力は、真空圧と吸着カップの表面積との積であるので、より相対的に大きいサイズの吸着カップ358は、より大きな物体をグリップ及び操作するためのより高いグリップ強度を成し得る。
【0064】
図示されている実施では、吸着カップアセンブリ346は、異なる2つの相対的なサイズを有する合計4つの吸着カップ(358及び360)とともに示されている。しかしながら、本発明の例示的な実施は、合計5つ以上の吸着カップ、又は合計3つ以下の吸着カップを含んでもよい。同様に、いくつかの例示的な実施では、3つ以上の異なる相対的なサイズの吸着カップが設けられてよい。あるいは、単一のサイズの吸着カップが設けられてもよい。
【0065】
図5は、図4Aのエンドエフェクタ332の、V?V´線に沿った断面図を示す。図示されるように、エンドエフェクタ332は、吸着カップブロックアセンブリ346をオフセットプレート334に接続しているヘッド延伸部344を含む。上記で説明したように、吸着カップブロックアセンブリ346は、接触リミットセンサ装置352から上方に延びている複数の吸着シャフトインターフェース354を含み、吸着シャフトインターフェース354のそれぞれは、吸着カップ358又は吸着カップ360のいずれか一方に連通して連結されている。いくつかの例示的な実施では、吸着カップ358は、吸着カップ360よりも相対的に大きい直径を有してもよい。
【0066】
図5に示されるように、吸着カップブロックアセンブリ346はまた、吸着シャフトインターフェース354に、吸着カップ358及び360のうちの一方に連通して連結している吸着シャフト362を含む。吸着シャフトインターフェース354は、エア供給チューブ356によって真空圧源に接続されているから、エア供給チューブ356からの真空圧は、吸着シャフト362を通過し物体をピックアップするのに十分な吸着力を生成する吸着カップ358及び360へ届けられる。いくつかの例示的な実施では、吸着シャフト362、吸着カップ358/360、及び吸着シャフトインターフェース354は、接触リミットセンサ装置352に対して移動可能であってもよい。例えば、接触リミットセンサ装置352は、ハウジング368を含んでもよい。ここで、吸着シャフト362は、ハウジング368を通って垂直方向にスライドすることができて、ハウジング368より下に位置する吸着カップ(358/360)と、ハウジング368より上に位置する吸着シャフトインターフェース354とが、矢印370で示されるように当該ハウジングに対して相対的に移動することを可能にする。
【0067】
さらに、吸着カップブロックアセンブリ346はまた、吸着カップ358及び360、吸着シャフト362、並びに吸着シャフトインターフェース354を、吸着カップアセンブリブロック346のハウジング368に対する変位の後、初期位置に復元するための付勢力を提供する変位復帰機構364も含んでもよい。いくつかの例示的な実施では、変位復帰機構364は、圧縮ばね、竹の子ばね、ガスばね、又は当業者に明らかであると考えられるその他の付勢機構などのばねであってもよい。変位復帰機構364は、吸着シャフト362の外側カバー372(例えば、外部チューブ)の内側に位置付けられてもよく、又は収容されていてもよい。このようにして、変位復帰機構364は、吸着カップ358/360が動作中に物体又は障害物への接触により変位された後で、初期位置に戻ることを可能にし得る。
【0068】
吸着シャフト362及び/又は変位復帰機構364のそれぞれは、接触リミットセンサ装置352を通って配置されてもよい。いくつかの実施形態では、吸着シャフト362が接触リミットセンサ装置352を通って配置されることによって、互いに対する吸着シャフト362及び吸着カップ385/360の水平位置を固定することができる。
【0069】
図6A図6Fは、本発明の例示的な実施によるエンドエフェクタ332の吸着カップ358/360の変位を示す、エンドエフェクタ332の斜視図である。図6Aは、初期位置から上方に変位された、吸着カップのうちの1つ(吸着カップ360A)を示す。図6Bは、初期位置から変位された、吸着カップのうちの2つ(吸着カップ360A及び360B)を示す。図6Cは、すべて初期位置から変位された、吸着カップの4つすべて(吸着カップ360A、360B、358A及び358B)を示す。図6Dは、接触リミットセンサ装置352の変位を示す。図6Eは、図6Bのエンドエフェクタ332の裏側の図であり、初期位置から変位された、吸着カップのうちの2つ(吸着カップ360A及び360B)を示す。図6Fは、図6Eのエンドエフェクタ332であり、接触リミットセンサ装置352が、透明なものとして示されている。
【0070】
図示されるように、エンドエフェクタ332は、初期位置において吸着カップ358/360を含んでもよい。吸着カップ358/360のそれぞれについての初期位置は、共通の水平面を共有していてもよい。上記で説明したように、エンドエフェクタ332は、吸着カップ358/360のそれぞれが、初期位置から、接触リミットセンサ装置352に対して互いに独立して変位されることを可能にするように構成されていてもよい。例えば、各吸着カップ358/360は、吸着カップ358/360のうちの1つ又は複数が物体に接触すると、吸着カップ358/360への圧力又は力により変位されてもよい。吸着カップ358/360のそれぞれは、他の吸着カップ358/360から独立して変位され得る。図6Aは、他の吸着カップ358/360に対して独立して変位された吸着カップ360Aを示す。図6Bは、吸着カップ358に対して独立して変位された吸着カップ360A及び360Bを示す。図6Cは、すべて変位された4つすべての吸着カップ(360A、360B、358A及び358C)を示す。変位の方向は、吸着シャフト362の(例えば、吸着カップ358/360の端部/シャフトのシリンダの基部に対して垂直な)軸374に沿い得る。図6Eは、反対側から見た、図6Bの2つの吸着カップ(吸着カップ360A及び360B)の変位を示す。図6Fは、図6Bの2つの吸着カップ(吸着カップ360A及び360B)の同一の変位を示し、接触リミットセンサ装置352が透明なものとして示されている。
【0071】
言い換えると、吸着カップ(すなわち、図6Cの360A、360B、358A、及び358C)のそれぞれについての独立した変位により、吸着カップ358/360のそれぞれが互いに異なる相対的な位置にあることが可能になり得る。独立した変位により、エンドエフェクタ332が、バッグ及びその他の柔軟性のあるコンテナなどの多様な表面の輪郭(すなわち、不均一/不規則な表面)を有する物体に適応又は適合することが可能になり得る。
【0072】
いくつかの例示的な実施では、接触リミットセンサ装置352もまた変位されてもよい。例えば、接触リミットセンサ装置352は、図6A図6Cに示される初期位置から図6Dに示される接触リミット位置へと変位されてもよい。いくつかの実施形態では、接触リミットセンサ装置352の、図6A図6Cの最初の位置又は初期位置から、図6Dの接触リミット位置への変位は、吸着カップ358/360のうちの1つ又は複数の変位によって引き起こされてもよい。いくつかの例示的な実施では、吸着カップ358/360のうちの1つ又は複数による変位の結果としての、接触リミットセンサ装置352の接触リミット位置への変位は、吸着カップ358/360が、接触しきい値(接触リミットとも呼ばれる)を超えて、物体を潜在的に損傷する可能性のある圧力を物体に加えることに対応してもよい。
【0073】
接触リミットセンサ装置352の変位の量は、接触しきい値に達したときに、エンドエフェクタ332によって物体にさらに圧力が加わることを防止するために、図2の制御ユニット202に信号(例えば、接触情報)を送信する接触リミットセンサ366によって記録されることができる。接触リミットセンサ366が、接触しきい値(例えば、接触リミット)に達したことを検出した場合、エンドエフェクタ332は、物体に向かってさらに移動することを防止されてもよい。エンドエフェクタ332に接触リミットセンサ装置352を設けることにより、吸着カップ358/360のうちのいずれか1つの変位により、接触リミットセンサ装置352が、接触リミット位置に変位されることにより、エンドエフェクタ332が物体への接触リミットを超えたかどうかをただ1つだけの信号センサが判定することができるという利点を得ることができる。
【0074】
いくつかの例示的な実施では、図6a~図6fに示すように、より相対的に小さいサイズを有する吸着カップ360(例えば、前部の吸着カップの対)は、より小さい物体又は容易に損傷される可能性のある物体(例えば、繊細な物体)をグリップするために使用され得る一方、より相対的に大きいサイズを有する吸着カップ358(例えば、後部の吸着カップの対)は、より大きい物体又は損傷されにくい物体をグリップするために使用され得る。
【0075】
さらに、いくつかの例示的な実施では、接触リミットセンサ装置352のハウジング368は、より相対的に小さいサイズの吸着カップ360(より小さいカップとも呼ばれる)に対する変位距離よりも、より相対的に大きいサイズの吸着カップ358(より大きいカップとも呼ばれる)に対する変位距離が大きくなるようにするオフセット段差部376を含んでもよい。例えば、より小さいカップは、繊細な物体のために使用されることができるので、接触リミットに達する前に加えられる力又は圧力は、損傷を防ぐようにより小さくなければならない。それ故に、より小さいカップは、より大きいカップより前に、接触リミット位置に到達することができ、これは、接触リミットセンサ装置352のオフセット/段差部372によって達成され得る。
【0076】
図7は、本発明の例示的な実施によるロボットアーム330の斜視図を示す。図示されるように、ロボットアーム330は、グリッパアタッチメント328のエンドエフェクタ332に連結された圧縮エア供給源705を含む。具体的には、圧縮エア供給源705は、流体供給チューブ710によってチューブブラケット348に接続され得る。圧縮エア供給源705を使用して、真空圧を吸着カップブロックアセンブリ346の吸着カップ358/360に提供するチューブブラケット348に真空圧を提供することができる。
【0077】
図示されるように、グリッパアセンブリ328のオフセットブラケット338は、水平面内での回転によってグリッパアセンブリ328の作動を可能にするアクチュエータ715によってロボットアーム330に取り付けられていてもよい。アクチュエータ715は、垂直面内での回転によってグリッパアセンブリ328の作動を可能にする第2のアクチュエータ720に連結されていてもよい。第3のアクチュエータ725は、グリッパアセンブリ328のさらなる作動を可能にするように第2のアクチュエータ720に連結されていてもよい。全体として、アクチュエータ715、720、及び725は、物体730をピックアップ、再配置又は移動することができるように、ロボットアーム330がグリッパアタッチメント328のエンドエフェクタ332を機動させて物体730を把持することを可能にし得る。
【0078】
結果としてもたらされる本発明の方法、プロセス、装置、デバイス、製品、及び/又はシステムは、費用対効果が高く、非常に用途が広く、正確で、感度が良く、効果的であり、かつ既知の部品を、迅速で、効率が良く、かつ経済的な製造、用途、及び利用に対して適合させることによって実施されることができる。本発明の実施形態の別の重要な態様は、実施形態が、コストを削減し、システムを簡素化し、かつパフォーマンスを向上させるという歴史的傾向を有用に支持し、かつこれに応えるということである。
【0079】
本発明の実施形態のこれらの有用な態様及びその他の有用な態様は、結果として、技術の状態を少なくとも次の水準へと前進させる。
【0080】
いくつかの例示的な実施形態を示して説明してきたが、これらの例示的な実施形態は、本明細書で説明される主題を、この分野に精通している人々に伝達するために提供される。本明細書で説明される主題は、説明される例示的な実施形態に限定されることなく、様々な形式で実施され得ることを理解されたい。本明細書で説明される主題は、具体的に定義若しくは説明されている主題の事項を伴わずに、又は説明されていない他の若しくは異なる要素若しくは事項を伴って実施されてもよい。本明細書で説明される主題から逸脱することなく、添付の特許請求の範囲及び特許請求の範囲の均等物で定義されるように、これらの例示的な実施形態に変更がなされ得ることが、この分野に精通している人によって理解されるであろう。
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図5
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図6F
図7