(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-27
(45)【発行日】2024-10-07
(54)【発明の名称】Sn粒子の製造方法
(51)【国際特許分類】
B22F 9/22 20060101AFI20240930BHJP
【FI】
B22F9/22 Z
(21)【出願番号】P 2020115248
(22)【出願日】2020-07-02
【審査請求日】2023-05-08
(73)【特許権者】
【識別番号】504139662
【氏名又は名称】国立大学法人東海国立大学機構
(74)【代理人】
【識別番号】110000648
【氏名又は名称】弁理士法人あいち国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100165962
【氏名又は名称】一色 昭則
(74)【代理人】
【識別番号】100206357
【氏名又は名称】角谷 智広
(72)【発明者】
【氏名】堀 勝
(72)【発明者】
【氏名】グエン・ティ・トゥイ・ガー
(72)【発明者】
【氏名】石川 健治
(72)【発明者】
【氏名】堤 隆嘉
【審査官】池田 安希子
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-104857(JP,A)
【文献】特開2005-097684(JP,A)
【文献】特開2000-133794(JP,A)
【文献】特開昭62-070505(JP,A)
【文献】特開2011-249289(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B22F 1/00 - 8/00
B22F 9/00 - 9/30
C22C 1/04 - 1/059
C22C 33/02
JSTPlus(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
球形のSnからなるSn粒子を製造するSn粒子の製造方法であって、
ガラスからなる基板上にSnO
2からなる酸化膜を形成する工程と、
前記酸化膜に水素ラジカルを含むプラズマを照射して前記酸化膜を前記基板から除去し、前記基板上に前記Sn粒子を生成する工程と、
を有することを特徴とするSn粒子の製造方法。
【請求項2】
球形のSnからなるSn粒子を製造するSn粒子の製造方法であって、
ガラスからなる基板上にSnO
2からなる酸化膜を
スパッタまたは蒸着によって形成する工程と、
前記酸化膜に水素ラジカルを含むプラズマを照射して
前記酸化膜を還元するとともにエッチングして前記酸化膜上に半球状のSnを生成し、半球状のSn同士を合体させ、さらに前記酸化膜の還元とエッチングを進めて前記酸化膜を前記基板から除去し、
半球状のSnを前記基板に接触させて表面張力によって半球状のSnを球状に変化させることで前記基板上に前記Sn粒子を生成する工程と、
を有することを特徴とするSn粒子の製造方法。
【請求項3】
プラズマガスは、水素と希ガスの混合ガスである、ことを特徴とする請求項1
または請求項2に記載のSn粒子の製造方法。
【請求項4】
水素の濃度は、0.001~10vol%であることを特徴とする請求項
3に記載のSn粒子の製造方法。
【請求項5】
前記Sn粒子の直径は、前記酸化膜の厚さよりも大きい、ことを特徴とする請求項1から請求項
4までのいずれか1項に記載のSn粒子の製造方法。
【請求項6】
前記Sn粒子の直径は、前記酸化膜の厚さの0.1~10倍である、ことを特徴とする請求項
4に記載のSn粒子の製造方法。
【請求項7】
プラズマの照射時に前記基板を加熱する、ことを特徴とする請求項1から請求項
6までのいずれか1項に記載のSn粒子の製造方法。
【請求項8】
前記基板の温度は100~500℃とする、ことを特徴とする請求項1から請求項
7までのいずれか1項に記載のSn粒子の製造方法。
【請求項9】
減圧して前記プラズマ照射する、ことを特徴とする請求項1から請求項
8までのいずれか1項に記載のSn粒子の製造方法。
【請求項10】
0.001~1atmの圧力で前記プラズマを照射する、ことを特徴とする請求項1から請求項
8までのいずれか1項に記載のSn粒子の製造方法。
【請求項11】
前記プラズマにおける水素ラジカルの密度は、1×10
13~1×10
15cm
-3であることを特徴とする請求項1から請求項
10までのいずれか1項に記載のSn粒子の製造方法。
【請求項12】
フローティングワイヤープラズマ生成装置を用いてプラズマを生成し照射する、ことを特徴とする請求項1から請求項1
1までのいずれか1項に記載のSn粒子の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プラズマを用いたSn粒子の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の金属粒子の製造方法としては、遠心噴霧法、超音波振動や超音波キャビテーションによる分散法などが知られている。特許文献1には、加熱して溶融させた液体状の金属組成物を溶剤の中に供給し、液体状の金属組成物に超音波を照射して液滴を発生させ、溶剤と液滴を別の場所に移し、液滴にさらに超音波を照射して微細な液滴に分裂させ、その後冷却して液滴を固体化させることにより、直径が1~10μmのSn粒子を製造することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来のSn粒子の製造方法は工程が複雑で簡便でなく、特に直径が数μmの球形のSn粒子を効率的に製造することは困難であった。
【0005】
そこで本開示は、簡便にSn粒子を製造する方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、球形のSnからなるSn粒子を製造するSn粒子の製造方法であって、ガラスからなる基板上にSnO2 からなる酸化膜を形成する工程と、酸化膜に水素ラジカルを含むプラズマを照射して前記酸化膜を基板から除去し、基板上にSn粒子を生成する工程と、を有することを特徴とするSn粒子の製造方法である。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、球形のSn粒子を簡便に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施形態のSn粒子の製造方法のフローチャート。
【
図2】Sn粒子が発生するメカニズムを模式的に示した図。
【
図3】フローティングワイヤープラズマ生成装置の構成を示した図。
【
図5】Sn粒子が存在する領域におけるSn粒子の被覆率、およびSn粒子の平均直径について、基板2温度依存性を示したグラフ。
【
図6】Sn粒子が生成した面積の増加速度について基板2の温度依存性を示したグラフ。
【
図7】プラズマ照射時間とSn粒子が生成した面積との関係を示したグラフ。
【
図8】各照射時間におけるSn粒子を撮影した写真。
【
図9】炉内圧力が0.1atm、0.7atmにおける基板2上面を撮影した写真。
【
図10】プラズマの照射に替えて水素とアルゴンの混合ガスを照射した場合の基板2上面を撮影した写真。
【
図11】拭く前と拭いた後の基板2上面を撮影した写真。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、本実施形態のSn粒子の製造方法について、その工程をフローチャートで示した図である。以下、本実施形態のSn粒子の製造方法について
図1を参照に説明する。
【0010】
まず、ガラスからなる基板2上に、SnO
2 からなる酸化膜1を形成する(
図1のステップS1)。酸化膜1は、たとえば、基板2上にスパッタ、蒸着などの方法によって成膜する。
【0011】
本実施形態のSn粒子の製造方法では、酸化膜1の厚さによってSn粒子の直径の制御が可能である。ここでSn粒子の直径は外接球の直径で定義する。Sn粒子の直径は、酸化膜1の厚さの0.1~10倍とすることができ、酸化膜1の厚さよりも大きくすることができる。酸化膜1の厚さは、10nm~10μmとすることが好ましい。この範囲であれば、効率的にSn粒子を生成することができる。たとえば500nmである。より好ましくは50nm~5μm、さらに好ましくは100nm~1μmである。
【0012】
基板2の材料は、ガラスであれば任意の材料でよい。ガラスはSnに対してぬれ性が悪いため、Sn粒子の形状を球形とすることができる。たとえば、石英ガラス、ソーダガラス、ホウケイ酸ガラス、鉛ガラス、などを用いることができる。
【0013】
次に、酸化膜1に水素とアルゴンの混合ガスによるプラズマを照射する(
図1のステップS2)。酸化膜1は水素ラジカルによって還元されてSnとなり、基板2上の酸化膜1がなくなるとSnは表面張力によって球形となり、Sn粒子が生成する。Sn粒子の直径は、酸化膜1の厚さよりも大きくなり、酸化膜1の厚さの2~10倍とすることができる。たとえば、直径0.5~5μmのSn粒子を製造することができる。Sn粒子が球形であるため、基板2との接触面積が非常に小さい。そのため、基板2から容易にSn粒子を剥離させることができる。たとえば、基板2にブラシを当てたり、紙や布などで基板2を拭くなど、基板2に軽く物理的な力を加えることで容易にSn粒子を剥離させることができる。
【0014】
プラズマの生成に用いるガスは、水素ラジカルを含むプラズマを生成できるのであれば任意でよいが、水素と希ガスの混合ガスが好ましい。水素ラジカルの生成が容易となり、効率的にSn粒子を製造することができる。希ガスとしてはアルゴンが好ましい。混合ガスにおける水素の濃度は、0.001~10vol%が好ましい。水素濃度をこの範囲とすることで、効率的に水素ラジカルを生成することができる。より好ましくは0.05~1vol%、さらに好ましくは0.1~0.5vol%である。
【0015】
プラズマの照射時、基板2は加熱してもよい。基板2の温度制御によってSn粒子の直径の制御が可能であり、基板2の温度が高いほどSn粒子の直径を大きくすることができる。また、基板2の温度が高いほど基板2におけるSn粒子の生成範囲を広げることができる。基板2の温度は、100~500℃とすることが好ましい。500℃を超えると、Sn粒子の表面が水素ラジカルによってエッチングされる可能性があるためである。なお、基板2を加熱せずにプラズマを照射した場合、基板2の温度は100~160℃程度まで上昇する。
【0016】
基板2を配置する炉内の圧力は、常圧でもよいが、減圧してもよい。減圧下でプラズマを照射することで、Sn粒子の生成時間を短縮することができ、基板2におけるSn粒子の生成範囲を広げることができる。これは、減圧によって水素ラジカルの平均自由行程が長くなり、水素ラジカルが酸化膜1まで到達しやすくなるためであると考えられる。圧力は、0.001~1atmが好ましく、0.01~0.9atmがより好ましく、0.05~0.1atmがさらに好ましい。
【0017】
プラズマの照射時間は、基板2上の酸化膜1がなくなるよりも長い時間であれば任意である。プラズマの照射時間が長いほどSn粒子が生成される領域が広くなる。ただし、照射時間が長すぎるとSn粒子の表面がエッチングされて表面に凹凸が生じる可能性がある。照射時間は水素ラジカルの密度にも依存し、水素ラジカルの密度が高いほど時間を短縮することができる。照射時間はたとえば2~10分である。
【0018】
効率的にSn粒子を製造するため、プラズマの電子密度、水素ラジカルの密度、ガスの温度は、次の範囲が好ましい。プラズマの電子密度は、1×1014~1×1015cm-3が好ましい。水素ラジカルの密度は、1×1013~1×1015cm-3が好ましい。ガス温度は、300~1000Kが好ましい。
【0019】
Sn粒子が生成する詳細なメカニズムは次の通りである。プラズマ照射初期には、プラズマ中の水素ラジカルによって酸化膜1は還元されてエッチングされ、Snと水が発生する。酸化膜1上には半球状の液体のSn(以下、半球3)が島状に多数生成される(
図2(a)参照)。また、水は蒸発して基板2から取り除かれる。
【0020】
さらにエッチングが進むと、酸化膜1は薄くなり、島状の半球3の個数が増大して隣接する島状の半球3同士が合体し、半球3は次第に大きくなる(
図2(b)参照)。また、半球3の接触角が大きくなっていき、球に近づいていく。
【0021】
酸化膜1が全て還元されて基板2上の酸化膜1がなくなると、島状の半球3は表面張力によって球状の液体のSn粒子4に変化する(
図2(c)参照)。その後、隣接するSn粒子4同士が合体し、より大きなSn粒子4となる(
図2(d)参照)。隣接するSn粒子4の間隔が十分に広くなると、そこで合体は止まり、Sn粒子の直径は一定となる。
【0022】
以上、本実施形態のSn粒子の製造方法によれば、簡便にSn粒子を製造することができる。
【0023】
本実施形態のSn粒子の製造方法に用いるプラズマ生成装置として、フローティングワイヤープラズマ生成装置を用いるとよい。フローティングワイヤープラズマ生成装置は、広範囲に高密度のプラズマを安定的に放射できるためである。
【0024】
図3は、フローティングワイヤープラズマ生成装置の構成を示した図である。
図3のように、フローティングワイヤープラズマ生成装置は、石英管10と、フローティングワイヤ11と、コイル12と、高周波電源13と、によって構成されている。
【0025】
石英管10は、
図3に示すように、石英からなる管であり、一端は開口し、他端は閉じられている。石英管10の開口から管内へとプラズマ生成のためのガスが供給される。ガス供給側とは反対側の端部は2段階に折り曲げられており、ガス供給側の開口から所定長さの主部10Aと、主部10Aの後段に接続され、その主部10Aに対して約45°に折り曲げられた第1折り曲げ部10Bと、その第1折り曲げ部10Bの後段に接続され、約135°折り曲げられた第2折り曲げ部10Cとにより構成されている。第2折り曲げ部10Cは、主部10Aに対して約90°を成している。石英管10の長さは200mmであり、外径は6mmである。
【0026】
第2折り曲げ部10Cは、その第2折り曲げ部10Cの軸方向に延伸するスリット14を有している。このスリット14から石英管10内に発生したプラズマを石英管10の外部に取り出し放射させる。スリット14は、たとえば2×20mmである。
【0027】
フローティングワイヤ11は、石英管10内部に配置され、主部10Aの中央部分から第2折り曲げ部10Cのスリットまで延伸する金属線である。このフローティングワイヤ11により、低電力でプラズマを発生させることが可能となり、さらに主部10Aの中央で発生したプラズマをスリット14まで安定して延伸させることができる。フローティングワイヤ11の材料は、W(タングステン)である。また、フローティングワイヤ11の直径は0.5mm、長さは170mmである。
【0028】
コイル12は、石英管10の主部10Aの中央に、石英管10の外壁に沿って3回巻き付けられたコイルである。コイル12の材料は、たとえばCuである。コイル12は中空の線であり、その管内に水を流すことでコイル12は冷却される。
【0029】
高周波電源13は、整合回路(図示しない)を介してコイル12に接続されている。高周波電源13は、100MHzの高周波電源である。高周波電源13の電力によってプラズマガスの温度、電子密度、水素ラジカルの密度を制御することができる。
【0030】
フローティングワイヤープラズマ生成装置では、石英管10内部に水素とアルゴンの混合ガスを流しながら、コイル12に高周波電圧を印加することにより、石英管10の主部10A中央の管内に誘導結合プラズマを発生させる。そのプラズマはフローティングワイヤ11によってスリット14まで誘導され、スリット14から外部に放射される。このように実施例1のフローティングワイヤープラズマ生成装置によれば、プラズマを広い面積に安定的に照射することができる。
【実施例1】
【0031】
フローティングワイヤープラズマ生成装置を用い、SnO2 からなる酸化膜1が積層された石英ガラスからなる基板2にプラズマを照射してSn粒子を作製した。酸化膜1は500nmとした。また、プラズマの生成に用いるガスは水素とアルゴンの混合ガスとし、水素濃度は0.05vol%とした。ガス流量は6slmとした。また、高周波電源13の電力は150Wとし、プラズマの照射時間は5分とした。炉内の圧力は常圧とした。また、基板2は加熱を行わなかった。
【0032】
図4は、基板2の上面および断面を撮影した写真である。
図4(a)はプラズマを照射する前である。プラズマ照射前には基板2上に酸化膜1が500nmの厚さで形成されており、酸化膜1上にはSn粒子は存在していないことがわかった。
図4(b)はプラズマを照射して酸化膜1が半分ほどエッチングされた段階である。
図4(b)のように、酸化膜1上に半球状のSnが島状に形成されていることがわかった。
図4(c)は酸化膜1が全てエッチングされた段階である。
図4(c)のように、島状のSnはより球形に近くなっていることがわかった。
図4(d)はプラズマを5分照射後である。
図4(d)のように、Snはほぼ球形となり、その直径はおよそ2.3μmであった。このように、プラズマ照射によってSn粒子の生成が可能であることがわかった。
【0033】
次に、プラズマ照射時間を2分とし、基板2の温度を変化させてその影響を調べた。
図5は、Sn粒子が存在する領域におけるSn粒子の被覆率、およびSn粒子の平均直径について、基板2温度依存性を示したグラフである。
図5のように、基板2の温度が高いほどSn粒子の数が少なくなり、直径は大きくなることがわかった。また、
図6は、Sn粒子が生成した面積の増加速度について基板2の温度依存性を示したグラフである。基板2の温度が高いほど酸化膜1を短時間で効率的に還元でき、Sn粒子が生成する面積が広くなることがわかった。
【0034】
次に、プラズマ照射時間を変化させてその影響を調べた。
図7は、プラズマ照射時間とSn粒子が生成した面積との関係を示したグラフである。グラフには各照射時間における基板2上面を撮影した写真も示す。また、
図8は、各照射時間におけるSn粒子を撮影した写真である。
図7の基板2上面の写真において、黒色の曲線で囲われたグレーの領域がSn粒子の生成した領域である。
図7のように、プラズマの照射時間が長いほどSn粒子が生成する面積が広がることがわかった。また、照射時間が長くなると基板2の温度が若干上昇した。また、
図8のように、プラズマの照射時間が2分以上ではSn粒子の直径はあまり変化が見られなかった。
【0035】
次に、炉内圧力を0.1atm、0.7atmとして、Sn粒子の生成領域を比較した。
図9は、基板2上面を撮影した写真である。
図9において、黒色の曲線で囲われたグレーの領域がSn粒子の生成した領域である。
図9のように、同じプラズマ照射時間で比較すると、圧力が低い方がSn粒子の生成領域が広いことがわかった。
【0036】
次に、プラズマの照射に替えて水素とアルゴンの混合ガスを基板2に照射した。基板2の温度は460℃とした。
図10は基板2上面を撮影した写真であり、
図10(a)は照射前、
図10(b)は照射後2分、
図10(c)は照射後20分である。
図10のように、基板2上にはほとんどSn粒子が生成していなかった。この結果、Sn粒子の生成には水素ラジカルが必要であることがわかった。
【0037】
次に、Sn粒子が生成した基板2の表面をウェットティッシュで拭いたところ、基板2上のSn粒子は簡単に除去することができた。
図11(a)は、拭く前の基板2上面の写真、
図11(b)は基板2の半分をウェットティッシュで拭いた後の写真である。
図11のように、拭く前においては、基板2表面は白っぽい金属光沢のあるグレーでありSn粒子が存在していたが、拭いた後においては基板2そのものが露出して透明となり、Sn粒子を除去できたことがわかった。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本開示により製造されるSn粒子は、導電性ペーストなど導電性材料の原料として使用することができる。
【符号の説明】
【0039】
1:酸化膜
2:基板
3:半球
4:Sn粒子
10:石英管
10A:主部
10B:第2折り曲げ部
10C:第2折り曲げ部
10D:スリット
11:フローティングワイヤ
12:コイル
13:高周波電源
14:スリット