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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-27
(45)【発行日】2024-10-07
(54)【発明の名称】水浄化装置及び濾過器
(51)【国際特許分類】
   B01D 29/13 20060101AFI20240930BHJP
   B01D 29/11 20060101ALI20240930BHJP
   C02F 1/461 20230101ALN20240930BHJP
【FI】
B01D29/14 B
B01D29/10 520Z
B01D29/10 501C
B01D29/10 530A
B01D29/10 510Z
C02F1/461 Z
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2023192644
(22)【出願日】2023-11-11
(62)【分割の表示】P 2019220547の分割
【原出願日】2019-12-05
(65)【公開番号】P2023184764
(43)【公開日】2023-12-28
【審査請求日】2023-11-11
(73)【特許権者】
【識別番号】514257000
【氏名又は名称】三洋展創工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126675
【弁理士】
【氏名又は名称】福本 将彦
(72)【発明者】
【氏名】吉岡 義紘
【審査官】中村 泰三
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-073962(JP,A)
【文献】実公昭47-012211(JP,Y1)
【文献】実公昭36-022670(JP,Y1)
【文献】実開平04-017804(JP,U)
【文献】実開昭52-114375(JP,U)
【文献】実開昭63-025107(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 29/00-96
B01D 35/00-34
C02F 1/46-469
C02F 5/00
F16L 55/24
F22B 37/48-56
F28C 1/00-16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液を濾過する濾過器であって、
側壁に多孔構造を有する筒状芯材と、
一端が閉じた筒状であり、かつ少なくとも側面が柔軟な網状であり、前記筒状芯材の一端から側壁を覆うように、前記筒状芯材を内側に受け入れ、他端付近が、前記筒状芯材の他端から内側に折り返された筒状フィルタと、
前記液が流出する出液口を有し、かつ一端が開口し、前記筒状芯材及び前記筒状フィルタを収納する、筒状の濾過容器と、
前記濾過容器の開口する前記一端を着脱可能に覆う蓋部と、
前記蓋部の前記濾過容器側の面に連結し、前記濾過容器内に延びる筒状体と、を備え、
前記筒状体は、折り返された前記筒状フィルタの部分を自身と前記筒状芯材との間に挟み込むように、前記筒状芯材の前記他端付近の内側に着脱可能に挿入されることにより、前記筒状芯材と前記筒状フィルタとを支持し、
前記蓋部は、前記筒状体の内側領域に前記液が流入する入液口を有し、
前記筒状フィルタは、前記筒状芯材の側面に沿って皺が形成されるようにルーズに前記筒状芯材を覆い、
前記濾過器は、前記筒状フィルタの側面を囲み、当該側面を弾性的に押圧して前記筒状フィルタへの汚れの付着を促進する1以上の環状体を、さらに備える、濾過器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気分解を利用した水(みず)浄化装置、及び当該水浄化装置への利用に好適な濾過器に関する。
【背景技術】
【0002】
工場、オフィスビル等のクーリングタワー、チラー、ボイラー等に用いられる水道水、地下水、工業用水等の循環水に含まれるカルシウム、マグネシウム等のスケール(水垢)原因物質により、配管等にスケールが付着・堆積し、配管の詰まり、腐食、マシントラブル等が引き起こされることが知られている。かかるスケールの付着・堆積を防止するために、循環水に浸漬される電極に電流を通じることによって循環水を電気分解し、それによりスケール原因物質を除去する水浄化技術が、古くから知られている。この電気分解法による水浄化技術は、薬品の使用を要せず環境に優しい技術であることもあって、近年になって再評価されつつあり、技術の改良も進められている。特許文献1に開示される技術は、その最新の例である。
【0003】
しかし、特許文献1に開示される水浄化装置では、電気分解が行われる電解槽と、その下方にあってスケールが蓄積されるスケール槽とが、横方向にスペースを要する直方体形状の水槽に一体化されていた。しかも電極と、蓄積されるスケールとの距離が短いという問題点があった。Ca(カルシウム),Mg(マグネシウム)等のイオンが電気化学反応により、炭酸化することによりスケールとなって、電極から剥がれ落ち、水槽底部に溜まった後にも、絶えず、その一部は再溶解により再イオン化する。再イオン化したCa,Mg等が電極まで達すると、再度、電気化学反応により、炭酸化することとなり、電極の負荷が増えることになる。このため、スケールが蓄積されるスケール槽は、電解槽の下方に深く設定することが望ましい。
【0004】
しかし、電解槽とスケール槽とが直方体形状の水槽に一体化されている特許文献1の水浄化装置では、スケール槽を深くしようとすると、水槽が横方向に広いまま縦に長くなる。すなわち、水浄化装置の設置に要する空間が大きくなる、という問題点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許第6243822号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたもので、スケール槽を深く設定しても、過大な設置面積を要しない水浄化装置を提供することを目的とし、さらに、当該水浄化装置への利用に好適な濾過器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明のうち第1の態様によるものは、浄化対象水を浄化する水浄化装置であって、電解槽と、スケール槽と、を備えている。電解槽は、縦の姿勢で使用される第1の管状容器を有している。スケール槽は、縦の姿勢で使用される第2の管状容器を有し、当該第2の管状容器の内部空間が前記第1の管状容器の内部空間と連通するように、前記第1の管状容器の下端に前記第2の管状容器の上端が連結されている。前記電解槽は、複数の電極体と、複数の導電体と、第1の入水口と、をさらに有している。複数の電極体は、前記第1の管状容器の前記内部空間に、互いに離間して配置される。複数の導電体は、前記複数の電極体を支持するとともに、使用時において前記第1の管状容器の外部から前記複数の電極体に電圧を印加するためのものである。第1の入水口は、前記第1の管状容器の前記内部空間に連通し、前記浄化対象水が流入する。また、前記電解槽と前記スケール槽とのうちの少なくとも一方は、前記第1又は第2の管状容器の前記内部空間に連通し、前記浄化対象水が流出する第1の出水口を有している。前記スケール槽は、スケール排出用の排出口と、スケール排出用の排出バルブと、をさらに備える。スケール排出用の排出口は、前記第2の管状容器の前記内部空間に連通し、前記第2の管状容器の下端に開口する。スケール排出用の排出バルブは、前記排水口に連通する流路を開閉する。
【0008】
この構成によれば、浄化対象水を第1の入水口から水浄化装置に供給し、供給量と同じ量で第1の出水口から浄化対象水を取り出すことにより、第1及び第2の管状容器の内部空間に、一定量の浄化対象水を維持することができる。複数の導電体に電源を接続して複数の電極体に電圧を印加することにより、第1の管状容器内の浄化対象水に電気分解を引き起こし、浄化対象水中のスケール原因物質を、負電極となった電極体に吸着し、蓄積することができる。印加する電圧の極性を反転させることにより、正極に反転した元の負電極体から、蓄積されたスケールを剥ぎ落とし、新たに負電極となった電極体には、スケール原因物質を吸着し、蓄積することができる。このようにして、浄化対象水が電解槽により浄化され、浄化された浄化対象水を第1の出水口から取り出すことができる。
【0009】
剥ぎ落とされたスケールは、水中を降下して排出口が形成される第2の管状容器の下端に溜まる。スケールがある程度溜まると、排出バルブを開くことにより、第1及び第2の管状容器内の浄化対象水と共に、スケールを水浄化装置の外部に排出することができる。
【0010】
また、電解槽及びスケール槽は、縦に直列に配置される第1及び第2の管状容器に浄化対象水を保持するので、これらの管状容器を縦方向すなわち鉛直方向に、必要に応じて長く設定することにより、浄化対象水を保持するのに要する容積を確保することができる。すなわち、水浄化装置を設置するのに、横方向すなわち床面あるいは地面に平行な方向に、過大な面積を要することなく、浄化対象水を保持する容積を確保することができる。特に、第2の管状容器を縦方向に長く設定することにより、装置の設置に過大な面積を要することなく、スケール槽に蓄積されるスケールを、電極体から下方に遠い位置に保持することができる。
【0011】
本構成は、例えば、冷却塔の貯水槽に貯めて循環的に冷却に使用される冷却水を浄化対象水として、電解槽に供給し、浄化された水を、貯水槽に戻すというように、浄化対象水を循環させつつ浄化する用途に、使用可能である。なお、本開示においては、浄化対象水が浄化された後の水も、便宜上、同じく「浄化対象水」と記載する。
【0012】
本発明のうち第2の態様によるものは、第1の態様による水浄化装置であって、前記第1の管状容器と前記第2の管状容器は、着脱可能に連結される。
この構成によれば、第2の管状容器に蓄積されるスケールが、排出口を通過できない大きさのものを含んでいる場合に、第1の管状容器と第2の管状容器とを切り離し、第2の管状容器の上端から例えば棒等で、溜まっているスケールを突くことにより、小片に破砕した上で、スケールを排出することが可能である。
【0013】
本発明のうち第3の態様によるものは、第1又は第2の態様による水浄化装置であって、前記第1の入水口は、前記第1の管状容器の側壁に開口している。そして、前記電解槽は、前記第1の管状容器の上端を覆う蓋体をさらに有している。また、前記複数の導電体は、当該蓋体を貫通し、かつ当該蓋体に支持される。
この構成によれば、複数の電極体に電圧を印加する電源を、蓋体の上に設置することができ、それにより、電源と複数の導電体とを電気的に接続する複数の電線を、短くすることができる。
【0014】
本発明のうち第4の態様によるものは、第1又は第2の態様による水浄化装置であって、前記第1の入水口は、前記第1の管状容器の上端に開口している。そして、前記複数の導電体は、前記第1の管状容器の側壁を貫通し、かつ当該第1の管状容器の側壁に支持される。
この構成によれば、複数の電極体を第1の管状容器の内部空間に配置されるように支持する構成でありながら、浄化対象水を第1の管状容器の上端から水浄化装置に供給することができる。
【0015】
本発明のうち第5の態様によるものは、第1から第4のいずれかの態様による水浄化装置であって、前記第1の入水口に供給される前記浄化対象水を濾過する濾過槽を、さらに備えている。そして、前記濾過槽は、縦の姿勢で使用される第3の管状容器と、前記第3の管状容器の内部空間に配置されるフィルタと、前記フィルタを支持するフィルタ支持体と、前記第3の管状容器の前記内部空間に連通し、前記浄化対象水が流入する第2の入水口と、前記第3の管状容器の前記内部空間に連通し、前記浄化対象水が流出する第2の出水口と、を有している。前記フィルタは、前記第2の入水口から流入した前記浄化対象水が前記フィルタを通過し、当該フィルタを通過した前記浄化対象水が前記第2の出水口へ流出するように、支持される。さらに、前記水浄化装置は、前記第3の管状容器と前記第1の管状容器とに連結され、前記第2の出水口と前記第1の入水口とを連通させる流路を成す流路部材を、さらに備えている。
【0016】
この構成によれば、浄化対象水は、第2の入水口を通じて水浄化装置に供給される。供給された浄化対象水は、濾過槽の第3の管状容器の内部空間に流入し、フィルタを通過した上で、第2の出水口へ流出する。第2の出水口へ流出した浄化対象水は、流路部材の流路及び第1の入水口を通じて、第1の管状容器の内部空間に流入する。それにより、電気分解によっては除去されない浄化対象水内の微小生物、ヘドロ、埃などの汚染物質が、浄化対象水が電解槽に進入する前に、フィルタによって除去される。また、フィルタを収容する第3の管状容器が、第1及び第2の管状容器と同様に、縦の姿勢で使用に供されるので、濾過槽の設置のために、横方向に過大な面積を要しない。
【0017】
本発明のうち第6の態様によるものは、第4の態様による水浄化装置であって、前記第1の入水口に供給される前記浄化対象水を濾過する濾過槽を、さらに備えている。そして、前記濾過槽は、縦の姿勢で使用される第3の管状容器と、前記第3の管状容器の内部空間に配置されるフィルタと、前記フィルタを支持するフィルタ支持体と、前記第3の管状容器の前記内部空間に連通し、前記浄化対象水が流入する第2の入水口と、前記第3の管状容器の前記内部空間に連通し、前記浄化対象水が流出する第2の出水口と、を有している。前記フィルタは、前記第2の入水口から流入した前記浄化対象水が前記フィルタを通過し、当該フィルタを通過した前記浄化対象水が前記第2の出水口へ流出するように、支持される。さらに、前記第2の出水口は、前記第3の管状容器の下端に開口している。また、前記第3の管状容器は、前記第1の管状容器の前記上端に下端が連結され、それにより前記第2の出水口は、前記第1の入水口に連通している。
【0018】
この構成によれば、浄化対象水は、第2の入水口を通じて水浄化装置に供給される。供給された浄化対象水は、濾過槽の第3の管状容器の内部空間に流入し、フィルタを通過した上で、第2の出水口へ流出する。第2の出水口へ流出した浄化対象水は、第1の入水口を通じて、第1の管状容器の内部空間に流入する。それにより、電気分解によっては除去されない浄化対象水内の微小生物、ヘドロ、埃などの汚染物質が、浄化対象水が電解槽に進入する前に、フィルタによって除去される。また、フィルタを収容する第3の管状容器が、第1及び第2の管状容器とともに、縦に直列に並んだ姿勢で使用に供されるので、フィルタ槽の設置のために要する横方向の面積が節減される。
【0019】
本発明のうち第7の態様によるものは、第6の態様による水浄化装置であって、前記第1の出水口は、前記第1の管状容器の前記上端に開口し、前記第1の入水口とともに、共通の開口部を成している。そして、前記濾過槽は、前記第3の管状容器の前記内部空間に連通し、前記浄化対象水が流出する第3の出水口を有している。
【0020】
この構成によれば、フィルタを通過した上で、第1の入水口を通じて、第1の管状容器の内部空間に流入した浄化対象水は、電気分解により浄化された上で、第1の入水口と共通の開口部を成す第1の出水口を通じて、第3の管状容器の内部空間に戻る。第3の管状容器の内部空間に戻った浄化対象水は、第3の出水口を通じて、水浄化装置の外部に流出する。このようにして、浄化された浄化対象水を第3の出水口から取り出すことができる。
【0021】
本発明のうち第8の態様によるものは、第6の態様による水浄化装置であって、前記第1の出水口は、前記第2の管状容器の側壁に開口している。
【0022】
この構成によれば、フィルタを通過した上で、第1の入水口を通じて、第1の管状容器の内部空間に流入した浄化対象水は、電気分解により浄化された上で、第2の管状容器の内部空間に流入する。第2の管状容器の内部空間に流入した浄化対象水は、第1の出水口を通じて、水浄化装置の外部に流出する。このようにして、浄化された浄化対象水を第1の出水口から取り出すことができる。
【0023】
本発明のうち第9の態様によるものは、第6から第8のいずれかの態様による水浄化装置であって、前記第1の管状容器と前記第3の管状容器は、着脱可能に連結される。
この構成によれば、第1の管状容器から第3の管状容器を切り離すことにより、第1の管状容器の内部空間に配置される複数の電極体の点検、交換などの保守作業が、容易に行い得る。
【0024】
本発明のうち第10の態様によるものは、第5から第9のいずれかの態様による水浄化装置であって、前記フィルタは、側壁に多孔構造を有する筒状芯材と、一端が閉じた筒状であり、かつ少なくとも側面が柔軟な網状であり、前記筒状芯材の一端から側壁を覆うように、前記筒状芯材を内側に受け入れ、他端付近が、前記筒状芯材の他端から内側に折り返された筒状フィルタと、を有している。そして、前記フィルタ支持体は、前記第3の管状容器の上端を着脱可能に覆う蓋部を有している。また、前記第2の入水口は、前記蓋部に開口している。さらに、前記フィルタ支持体は、前記第2の入水口を囲むように、前記蓋部の前記第3の管状容器の側の面に連結し、前記第3の管状容器の前記内部空間に延びる筒状体を、さらに有している。そして、前記筒状体は、折り返された前記筒状フィルタの部分を自身と前記筒状芯材との間に挟み込むように、前記筒状芯材の前記他端付近の内側に着脱可能に挿入されることにより、前記筒状芯材と前記筒状フィルタとを支持する。前記筒状フィルタは、前記筒状芯材の側面に沿って皺( しわ) が形成されるようにルーズに前記筒状芯材を覆う。
【0025】
この構成によれば、筒状芯材及び筒状フィルタを筒状体により支持する蓋部を、第3の管状容器の上端を覆うように、第3の管状容器に取り付けることにより、筒状芯材とこれを包囲する筒状フィルタとを、第3の管状容器の内部空間に配置することができる。蓋部に開口する第2の入水口を通じて、筒状芯材の内側に浄化対象水を供給することができ、供給された浄化対象水が、筒状芯材の多孔構造を通り抜け、筒状フィルタを内側から外側へ通過するときに、浄化対象水に含まれる汚染物質を筒状フィルタにより除去することができる。汚染物質が除去された浄化対象水は、第2の出水口から第1の入水口を通じて、電解槽の第1の管状容器の内部空間へ供給される。
【0026】
蓋部を第3の管状容器から取り外し、筒状芯材を蓋部に連結する筒状体から取り外し、筒状フィルタを筒状芯材から取り外すことにより、筒状フィルタを洗浄することができ、洗浄後に再度装着することができる。筒状フィルタは、少なくとも側面が柔軟な網状であるので、洗浄が容易である。さらに、筒状フィルタは、筒状芯材の側面に沿って皺が形成されるようにルーズに筒状芯材を覆うので、筒状フィルタの表面積を大きくすることができ、その結果、筒状フィルタの洗浄の時間間隔を長くすることができる。
【0027】
本発明のうち第11の態様によるものは、第10の態様による水浄化装置であって、前記濾過槽は、前記筒状フィルタの側面を外側から囲むように、前記筒状芯材に装着され、当該筒状芯材を弾性的に押圧する1以上の環状体を、さらに有している。
【0028】
この構成によれば、1以上の環状体により、筒状フィルタへのアメーバ状の汚れの付着が促進される。1以上の環状体は、継ぎ目のない環状体であってもよく、継ぎ目がある環状体であってもよく、さらに、継ぎ目に間隙のある環状体であってもよい。
【0029】
本発明のうち第12の態様によるものは、第5から第11のいずれかの態様による水浄化装置であって、前記第3の管状容器の少なくとも一部は、内部を透視可能な材料により形成されている。
【0030】
この構成によれば、筒状フィルタの汚れ、目詰まりの状況を、外部から目視により確認することができ、目視の結果に基づいて、筒状フィルタを洗浄すべき時期を判断することができる。「内部を透視可能な材料」とは、かかる目的を達成し得るほどに、透視可能であれば足り、例えば透明プラスチック、色つき透明プラスチックなどを含む。
【0031】
本発明のうち第13の態様によるものは、第1から第12のいずれかの態様による水浄化装置であって、前記第1の管状容器の少なくとも一部は、内部を透視可能な材料により形成されている。
【0032】
この構成によれば、電極体に蓄積されたスケールの量を、外部から目視することができる。目視の結果に基づいて、印加する直流電圧の極性の反転の時期などを判断することができる。「内部を透視可能な材料」とは、かかる目的を達成し得るほどに、透視可能であれば足り、例えば透明プラスチック、色つき透明プラスチックなどを含む。
【0033】
本発明のうち第14の態様によるものは、第1から第13のいずれかの態様による水浄化装置であって、前記第2の管状容器の少なくとも一部は、内部を透視可能な材料により形成されている。
【0034】
この構成によれば、第2の管状容器の下端部に溜まっているスケールの状態を、外部から目視することができる。目視の結果に基づいて、排出口からスケールを排出する時期などを判断することができる。「内部を透視可能な材料」とは、かかる目的を達成し得るほどに、透視可能であれば足り、例えば透明プラスチック、色つき透明プラスチックなどを含む。
【0035】
本発明のうち第15の態様によるものは、液を濾過する濾過器であって、筒状芯材と、筒状フィルタと、筒状の濾過容器と、蓋部と、筒状体と、を備えている。筒状芯材は、側壁に多孔構造を有している。筒状フィルタは、一端が閉じた筒状であり、かつ少なくとも側面が柔軟な網状であり、前記筒状芯材の一端から側壁を覆うように、前記筒状芯材を内側に受け入れ、他端付近が、前記筒状芯材の他端から内側に折り返される。筒状の濾過容器は、前記液が流出する出液口を有し、かつ一端が開口し、前記筒状芯材及び前記筒状フィルタを収納する。蓋部は、前記濾過容器の開口する前記一端を着脱可能に覆う。筒状体は、前記蓋部の前記濾過容器側の面に連結し、前記濾過容器内に延びる。そして、前記筒状体は、折り返された前記筒状フィルタの部分を自身と前記筒状芯材との間に挟み込むように、前記筒状芯材の前記他端付近の内側に着脱可能に挿入されることにより、前記筒状芯材と前記筒状フィルタとを支持する。また、前記蓋部は、前記筒状体の内側領域に前記液が流入する入液口を有している。さらに、前記筒状フィルタは、前記筒状芯材の側面に沿って皺(しわ)が形成されるようにルーズに前記筒状芯材を覆う。そして、前記濾過器は、前記筒状フィルタの側面を囲み、当該側面を弾性的に押圧する1以上の環状体を、さらに備えている。
【0036】
この構成によれば、筒状芯材及び筒状フィルタを筒状体により支持する蓋部を、濾過容器の開口端に取り付けることにより、筒状芯材とこれを包囲する筒状フィルタとを、濾過容器内に配置することができる。蓋部が有する入液口を通じて、筒状芯材の内側に浄化対象液を供給することができ、供給された浄化対象液が筒状芯材の多孔構造を通り抜け、筒状フィルタを内側から外側へ通過するときに、浄化対象液に含まれる汚染物質を筒状フィルタにより除去することができる。汚染物質が除去された浄化対象液は、濾過容器の出液口を通じて、外部へ取り出される。
【0037】
蓋部を濾過容器から取り外し、筒状芯材を蓋部に連結する筒状体から取り外し、筒状フィルタを筒状芯材から取り外すことにより、筒状フィルタを洗浄することができ、洗浄後に再度装着することができる。筒状フィルタは、少なくとも側面が柔軟な網状であるので、洗浄が容易である。さらに、筒状フィルタは、筒状芯材の側面に沿って皺が形成されるようにルーズに筒状芯材を覆うので、筒状フィルタの表面積を大きくすることができ、その結果、筒状フィルタの洗浄の時間間隔を長くすることができる。
【0038】
さらに、1以上の環状体により、筒状フィルタへのアメーバ状の汚れの付着が促進される。1以上の環状体は、継ぎ目のない環状体であってもよく、継ぎ目がある環状体であってもよく、さらに、継ぎ目に間隙のある環状体であってもよい。
【発明の効果】
【0039】
以上のように本発明によれば、スケール槽を深く設定しても、過大な設置面積を要しない水浄化装置が実現する。また、当該水浄化装置への利用に好適な濾過器が実現する。
【図面の簡単な説明】
【0040】
図1】本発明の一実施の形態による水浄化装置の構成を例示する斜視図である。
図2図1の水浄化装置を構成する管状容器の接続部を例示する図であり、(a)は接続治具の写真による斜視図、(b)は管状容器の接続部の斜視図、(c)は2つの管状容器の接続部の縦断面図である。
図3図1の水浄化装置を構成する電解槽とスケール槽の正面断面図である。
図4図1の水浄化装置を構成する濾過槽として利用可能な濾過器の分解斜視図である
図5図4の濾過器の正面断面図である。
図6図4の濾過器に設置される環状体の構成を例示する部分斜視図である。
図7】本発明の別の実施の形態による水浄化装置の構成を例示する正面断面図である。
図8】本発明のさらに別の実施の形態による水浄化装置の構成を例示する正面断面図である。
図9】本発明のさらに別の実施の形態による水浄化装置の構成を例示する正面断面図である。
図10】本発明のさらに別の実施の形態による水浄化装置の構成の一部を例示する正面断面図である。
図11】本発明の水浄化装置の試作例を示す写真である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
図1は、本発明の一実施の形態による水浄化装置の構成を例示する斜視図である。この水浄化装置101は、電解槽1、スケール槽3、及び濾過槽5を有している。電解槽1は、浄化対象水を電気分解することにより、浄化対象水に溶け込んでいるスケール原因物質をスケールとして固化し、それによりスケール原因物質を浄化対象水から除去する。スケール槽3は、電解槽1から落下するスケールを受け入れ、溜めておく。濾過槽5は、電解槽1に供給される浄化対象水を濾過する。
【0042】
電解槽1は、管状容器7、蓋体8、複数の電極体9、複数の導電体11、入水口13、及び出水口15を有している。管状容器7は、図示例の通り縦の姿勢で使用に供される。蓋体8は、管状容器7の上端を覆うものである。複数の電極体9は、浄化対象水を電気分解するための部材であり、管状容器7の内部空間に、互いに間隔を置いて配置される。複数の導電体11は、蓋体8を貫通した状態で、蓋体8に支持される。複数の導電体11は、複数の電極体9に個別に電気的に接続され、かつこれらの電極体9を支持する役割を果たす。
【0043】
蓋体8の上には、電源17が載置される。電源17は、電線12を通じて導電体11に接続され、導電体11を通じて電極体9に電圧を印加する。電源17は、例えば、印加する電圧の極性を転換可能な直流電源である。図示の例では、つまみ18を操作することにより、手動で極性を転換することが可能である。また、図示の例では、複数の電極体9は一対の電極体9であり、複数の導電体11は、一対の導電体11である。電源17を導電体11の近くに設置できるので、電源17と導電体11とを電気的に接続する電線12を、短くすることができる。
【0044】
入水口13は、管状容器7の内部空間に連通しており、この入水口13を通じて、浄化対象水が管状容器7の内部空間に流入する。出水口15も、管状容器7の内部空間に連通しており、この出水口15を通じて、浄化対象水が管状容器7の内部空間から流出する。図示の例では、入水口13及び出水口15は、ともに、管状容器7の側壁に開口している。
【0045】
スケール槽3は、管状容器19、排出口21、及び排出バルブ23を有している。管状容器19は、管状容器7と同様に、図示例の通り縦の姿勢で使用に供される。管状容器19は、その内部空間が管状容器7の内部空間と連通するように、上端が管状容器7の下端に連結されている。排出口21は、管状容器19の下端に開口している。排出口21は、管状容器19の下端部に蓄積されるスケール43を排出するためのものであり、図示の例では、管状容器19の下端を覆う底壁75に開口している。排出バルブ23は底壁75に連結され、排出口21に連通するスケール排出用の流路を開閉する。図示の例では、排出バルブ23は底壁75と一体に連結している。
【0046】
濾過槽5は、管状容器25、フィルタ27、フィルタ支持体29、入水口31、及び出水口33を有している。管状容器25は、管状容器7,19と同様に、図示例の通り縦の姿勢で使用に供される。フィルタ27は、管状容器25の内部空間に配置され、浄化対象水を通過させることにより、浄化対象水を濾過する部材である。フィルタ支持体29は、フィルタ27を支持する部材である。フィルタ支持体29は、管状容器25の上端を覆う蓋部35を有している。
【0047】
入水口31は、管状容器25の内部空間に連通しており、この入水口31を通じて、浄化対象水が管状容器25の内部空間に流入する。出水口33も、管状容器25の内部空間に連通しており、この出水口33を通じて、浄化対象水が管状容器25の内部空間から流出する。図示の例では、入水口31は蓋部35に開口しており、出水口33は管状容器25の側壁に開口している。
【0048】
図示の例では、濾過槽5は、入水バルブ37、排出口38、及び排出バルブ39を、さらに有している。入水バルブ37は、蓋部35に連結され、入水口31に連通する浄化対象水の流路を開閉する。排出口38は、管状容器25に溜まる汚濁物質を浄化対象水とともに排出するためのものであり、管状容器25の下端に開口している。図示の例では、排出口38は、管状容器19の下端を覆う底壁40に開口している。排出バルブ39は底壁40に連結され、排出口38に連通する汚濁物質排出用の流路を開閉する。図示の例では、電解槽1の入水口13は、配管41を通じて濾過槽5の出水口33に連通している。配管41は、本発明の「流路部材」の一具体例に相当する。
【0049】
濾過槽5の入水口31から管状容器25の内部空間に流入した浄化対象水は、フィルタ27により濾過され、出水口33、配管41、及び入水口13を通じて、電解槽1の管状容器7の内部空間に流入する。すなわち、電気分解によっては除去されない浄化対象水内の微小生物、ヘドロ、埃などの汚染物質が、浄化対象水が電解槽1に流入する前に、フィルタ27によって除去される。流入した浄化対象水は、管状容器7の内部空間において、電極体9による電気分解により、カルシウム、マグネシウム等のスケール原因物質が除去され、出水口15を通じて、水浄化装置101の外部に流出する。一例として、冷却塔の貯水槽に貯めて循環的に冷却に使用される冷却水の循環流路の上流に入水口31が連通し、下流に出水口15が連通するように、この循環経路に水浄化装置101を介在させることができる。このように水浄化装置101は、一例として、冷却水などを循環させつつ浄化する用途に、使用可能である。
【0050】
電気分解による浄化の過程をより詳細に述べると、電源17により電極体9に電圧が印加されることにより、管状容器7の内部空間にある浄化対象水に含まれるスケール原因物質が、負電極となった電極体9に吸着し、スケールとして蓄積される。例えばつまみ18を操作することにより、印加する電圧の極性を反転させることができ、それにより、負極から正極に反転した電極体9から、蓄積されたスケールを剥ぎ落とすことができる。新たに負電極となった電極体9は、スケール原因物質を吸着し、蓄積することができる。このようにして、浄化対象水を電解槽1により浄化し、浄化された浄化対象水を出水口15から、水浄化装置101の外部に取り出すことができる。図示の例では、出水口15から流出する浄化対象水を外部に導く配管45が、管状容器19の側壁に連結されている。
【0051】
電極体9から剥がれ落ちたスケール43は、水中を降下して排出口21が形成される管状容器19の底部に溜まる。スケール43がある程度溜まると、排出バルブ23を開くことにより、管状容器7及び管状容器19の中の浄化対象水と共に、スケール43を水浄化装置101の外部に排出することができる。
【0052】
水浄化装置101においては、電解槽1及びスケール槽3が、縦に直列に配置される管状容器7,19に浄化対象水を保持するので、これらの管状容器7,19を縦方向すなわち鉛直方向に、必要に応じて長く設定することにより、浄化対象水を保持するのに要する容積を確保することができる。すなわち、水浄化装置101の設置のために、横方向すなわち床面あるいは地面に平行な方向に、過大な面積を要することなく、浄化対象水を保持する容積を確保することができる。特に、管状容器19を縦方向に長く設定することにより、水浄化装置101の設置のために横方向に過大な面積を要することなく、スケール槽3に蓄積されるスケール43を、電極体9から下方に遠い位置に保持することができる。また、濾過槽5を構成する管状容器25が、管状容器7,19と同様に、縦の姿勢で使用に供されるので、濾過槽5の設置のために、横方向に過大な面積を要しない。
【0053】
図2は、水浄化装置101を構成する2つの管状容器7,19の接続部を例示する図であり、(a)は接続治具の写真による斜視図、(b)は管状容器7又は管状容器19の接続部の斜視図、(c)は2つの管状容器7,19の接続部の縦断面図である。図2(a)は、「株式会社フジトク」ブランドの製品の広告写真を、ウェブサイト(https://www.monotaro.com/p/3943/3326/)から引用したものである。管状容器7は、管状体47と、その両端部に嵌め込まれた「へルール」と通称されるフランジ部材49とを有している。同様に、管状容器19も、管状体70と、その両端部に嵌め込まれた同様のフランジ部材71とを有している。管状容器7の下端部にあるフランジ部材49と、管状容器19の上端部にあるフランジ部材71との、それぞれの拡径部(すなわち鍔部)が、互いに付き合わされ、「サニタリージョイント」と通称される図2(a)に例示する接続治具73によって、解除可能に締結されている。それにより、2つの管状容器7,19が、互いに着脱可能に連結されている。接続治具73は、ネジ74を手操作により締めることにより、図2(c)に例示するように、2つのフランジ部材49,71を容易に締結することができ、ネジを緩めることにより、締結を容易に解除することができる。2つの管状容器7,19を、互いに切り離すことにより、管状容器7,19の各々の保守、清掃等の作業を容易に行うことができる。例えば、管状容器7から切り離された管状容器19の上端から棒等により、溜まっているスケール43(図1参照)を突くことにより、小片に破砕した上で、スケール43を排出口21から排出することが可能となる。
【0054】
図3は、互いに連結された電解槽1とスケール槽3の正面断面図である。図示の例では、管状容器7の下端部にあるフランジ部材49と、管状容器19の上端部にあるフランジ部材71とが、接続治具73によって着脱可能に締結されているだけでなく、管状容器7の上端部にあるフランジ部材49と、管状容器7の上端を覆う蓋体8とが、同じく接続治具73によって、着脱可能に締結されている。さらに、管状容器19の下端を覆い、排出口21を有する底壁75と、管状容器19の下端部にあるフランジ部材71とが、同じく接続治具73によって、着脱可能に締結されている。
【0055】
図1に戻って、図示の例では、濾過槽5の管状容器25は、スケール43の管状容器19と同様に構成される。すなわち、管状容器25も、管状体77と、その両端部に嵌め込まれた同様のフランジ部材79とを有している。管状容器25の下端にあるフランジ部材79と、底壁40とは、接続治具73により着脱可能に締結されている。同様に、管状容器25の上端にあるフランジ部材79と蓋部35とは、接続治具73により着脱可能に締結されている。なお、図1においては、接続治具73は図示を略している。管状容器7,19同士、及び管状容器7,19,25と他の部材とを、着脱可能に連結するのに、着脱接続治具73に代えて、ボルト、あるいはボルトとナットの組などのネジ部材、さらには他の締結部材を用いることも可能である。
【0056】
管状体47,70,77、フランジ部材49,71,79、蓋体8、蓋部35、及び底壁40,75は、例えば、プラスチック製である。フランジ部材49,71,79、蓋体8、蓋部35、及び底壁40,75は、管状体47,70,77の嵌め込み、あるいは接続治具73による締結を容易にするために、ある程度の弾性を有することが望ましく、例えば塩化ビニール製である。なお、嵌め込み部分には、溶接を施すことも可能であり、接着剤を適用することも可能である。いずれも、水漏れの防止にもなる。塩化ビニールは、溶接がし易く、電気分解にも耐えるという利点がある。なお、市販のへルールは、ステンレス鋼などの金属製であり、へルール状のフランジ部材49,71,79を塩化ビニールで作成することは、本願発明者が着想したものである。
【0057】
管状容器7は、少なくとも一部が、内部を透視可能な材料により形成されていることが望ましい。例えば、管状体47が、塩化ビニール、アクリル樹脂、ABS樹脂などの透明プラスチック製であることが望ましい。それにより、電極体9に蓄積されたスケールの量を、外部から目視することができる。目視の結果に基づいて、印加する直流電圧の極性の反転の時期などを判断することができる。また、管状容器19も、少なくとも一部が、内部を透視可能な材料により形成されていることが望ましい。例えば、管状体70が、塩化ビニールなどの透明プラスチック製であることが望ましい。それにより、管状容器19の下端部に溜まっているスケール43の状態を、外部から目視することができる。目視の結果に基づいて、排出口21からスケール43を排出する時期などを判断することができる。さらに、管状容器25も、少なくとも一部が、内部を透視可能な材料により形成されていることが望ましい。例えば、管状体77が、塩化ビニールなどの透明プラスチック製であることが望ましい。それにより、管状容器25の中に配置されるフィルタ27の汚れ具合を、外部から目視することができる。目視の結果に基づいて、フィルタ27を清掃する時期などを判断することができる。
【0058】
配管41は、電解槽1と濾過槽5とを、個別に設置したり、除去したりすることが可能なように、着脱可能な継ぎ手(図示略)を有するか、あるいは、ゴム管などの柔軟な管状部材を一部に有するのが望ましい。同様に、濾過槽5の入水バルブ37(図1参照)、及び電解槽1に連結される配管45は、着脱可能な継ぎ手、あるいは柔軟な管状部材を介して、冷却水の循環流路などを形成する浄化対象水の配管に連結されるのが望ましい。
【0059】
図3に戻って、電極体9には、例えば白金メッキされたチタン板が用いられる。電極体9を支持する導電体11には、例えば、銅に比べても耐食性の高いチタン棒またはチタン板が用いられる。電極体9の上端部が、導電体11の下端部に、例えばチタン製のネジ81により締結される。図示の例では、チタン製のネジ81は、ボルトとナットの組である。導電体11及びネジ81は、白金メッキされないので、仮に冠水しても、白金メッキされた電極体9ほどには、電極反応を引き起こさない。
【0060】
図4は、濾過槽5として利用可能な濾過器の構造を例示する分解斜視図である。また、図5は、図4に例示する濾過器の正面断面図である。この濾過器51は、濾過容器151、蓋部160、筒状芯材57、及び筒状フィルタ58を有している。
【0061】
濾過容器151は、上端が開口する筒状の容器であり、その筒状の側壁には透明塩化ビニール製の管状体152が使用されている。濾過容器151の開口する上端には、環状のフランジ部159が形成されており、側壁をなす管状体152には出水口153が形成されている。出水口153には、配管66(図1の配管41に対応する)が接続されている。濾過容器151は、その底部には、底壁と下部側壁とをなす底部材155を有している。濾過容器151のうち、フランジ部159及び管状体152は、図1に例示する管状容器25と同様に、本発明の濾過槽が有する管状容器の一具体例に相当する。管状体152は上端部がフランジ部159に固着され、下端部が底部材155に固着されている。フランジ部159及び底部材155は、例えば塩化ビニール製である。底部材155の底壁中央には、排水口157が形成されている。排水口157には排水バルブ55が連結されている。
【0062】
蓋部160は、濾過容器151の開口する上端を着脱可能に覆うものである。蓋部160は、フランジ161、筒状体165、及び入水バルブ53を有している。フランジ161は、円盤状であり、濾過容器151のフランジ部159に締結されることにより、濾過容器151の開口する上端を覆う。締結には、ボルト等のネジを用いても良く、他の締結部材を用いても良い。締結部材として接続治具73(図2参照)は、簡単な手操作で着脱が可能であり、ユーザによる濾過容器151の保守に便宜である。フランジ161の中央部には、入水口163が形成されている。入水口163には、入水バルブ53が連結されている。筒状体165は、フランジ161の下面に一体的に連結し、下方に延びている。筒状体165は、入水口163を囲むように形成されている。筒状体165の外径は、筒状芯材57の内径におおよそ同等に設定されている。フランジ161及び筒状体165は、例えば塩化ビニール製である。
【0063】
筒状芯材57は、上端が開口し、一例として下端も開口した、多孔構造の筒状体である。筒状芯材57は、例えば、プラスチック製の格子状であり、ある程度の剛性を有するように、格子はある程度太く形成されている。筒状フィルタ58は、上端が開口し、下端が閉塞する筒状体であり、布と同様に、折り返したり、皺(しわ)を作ったり延ばしたりすることが自在である柔軟な網状に形成されている。網の目がフィルタとして機能する。汚染物質を除去するために、網の目の大きさは、300μmから700μmの範囲であることが望ましい。筒状フィルタ58は、例えば網状のプラスチック製であり、例えばポリエチレン又はナイロン製である。筒状フィルタ58は、筒状芯材57の外周に密着する程度の径を有し、筒状芯材57を内側に収蔵し、かつ上端部が余りあるほどの長さを有している。図5に示すように、筒状フィルタ58は、筒状芯材57の外周に皺を形成するほどに、ルーズな状態で筒状芯材57を覆い、かつ上端部を筒状芯材57の上端から内側に折り返した状態で使用に供される。図5は、筒状フィルタ58の皺の形状を、模式的に幾何学的な波形で表現している。
【0064】
蓋部160の筒状体165が筒状芯材57の上端から、筒状フィルタ58の折り返し部59を挟み込みつつ、筒状芯材57の上端付近の内側に挿入される。その摩擦力によって、筒状芯材57は筒状体165に固定される。筒状体165の外径は、このように、筒状フィルタ58を挟んで筒状芯材57に押し込み可能で、摩擦力により抜け止めが可能となるように、設定される。筒状フィルタ58に包囲された筒状芯材57を筒状体165に固定した後に、蓋部160のフランジ161が、濾過容器151のフランジ部159に着脱可能に締結される。
【0065】
入水バルブ53を通じて供給される浄化対象水は、入水口163から筒状体165の内側を通過し、さらに筒状芯材57の格子の隙間を通過し、その外周を包囲する筒状フィルタ58の網の目を通過する。浄化対象水に含まれる汚染物質は、主として筒状フィルタ58によって濾(こ)し取られる。汚染物質が除去された浄化対象水は、濾過容器151に溜まり、出水口153から配管66を通じて電解槽1(図1参照)へ送られる。
【0066】
濾し取られた汚染物質は、筒状フィルタ58の内側表面に、汚れとして蓄積される。蓄積がある程度進行すると、筒状フィルタ58は、いわゆる目詰まりを生じることとなり、フィルタとしての機能が低下することとなる。管状体152は例えば透明であり、ユーザは、透明な管状体152を通して、外部から筒状フィルタ58を透視することができる。ユーザは、筒状フィルタ58の汚れが相当程度に達したことを確認すると、入水バルブ53を閉塞し、蓋部160を濾過容器151から引き上げ、筒状体165から筒状芯材57を外し、さらに筒状フィルタ58を筒状芯材57から取り外すことができる。取り外された筒状フィルタ58は、容易に洗浄することができる。また、筒状芯材57も必要であれば、洗浄することができる。筒状フィルタ58は、皺を形成するほどに、全長を長く設定されるので、表面積が広く確保される。その結果、筒状フィルタ58の洗浄の時間間隔を長く、すなわち洗浄の頻度を低くすることが可能である。
【0067】
さらに、底部材155に連結する排水バルブ55を開くことにより、濾過容器151内に貯留する浄化対象水を排出し、濾過容器151内を洗浄することも可能である。濾過容器151の汚れ具合も、透明な管状体152を通して視認することができる。洗浄が完了すると、逆の順序を経ることにより、濾過器51を再び組み立てることができる。このように、管状体152が透視可能であることにより、ユーザによる濾過器51の保守が容易に行われ得る。
【0068】
濾過器51の筒状フィルタ58は、全体が柔軟な網状である例を示したが、実質的部分が柔軟な網状であってもよい。例えば、底が網状ではなかったり、側面の小部分が網状でなかったりしてもよい。
【0069】
図4(e)、(f)に例示する環状体83を、図5に例示するように、筒状フィルタ58の側面を囲むように配置することにより、筒状フィルタ58へのアメーバ状の汚れの付着が促進される。この効果は、本願発明者が、装置を試作する過程で発見したものである。アメーバ状の汚れは、水中に含まれるぬめりの源となる水垢を指し、細菌、動植物を含んでいる。配置する環状体83の個数は、筒状フィルタ58の長さに応じて選択することができる。環状体83は、弾性を有しており、筒状フィルタ58の側面を弾性的に押圧する。環状体83は、図4(e)に例示するように継ぎ目が無くてもよく、図4(f)に例示するように、継ぎ目があってもよい。さらに図4(f)に例示するように、継ぎ目に間隙があってもよい。筒状フィルタ58のみでは、アメーバ状の汚れは、筒状フィルタ58の全体にわたって、薄く付着するのみであるが、環状体83をはめると、筒状フィルタ58のうち環状体83をはめた周辺に、アメーバ状の汚れが付着し易くなり、捕集の効率が向上する。アメーバ状の汚れの中には、カビ、レジオネラ菌、糸状菌が含まれ易い。周知の分厚いフィルタでは、これらの菌は捕集し難い、という欠点があった。
【0070】
図6は、環状体83の構成を例示する部分斜視図である。図6(a)に例示する環状体83では、管状の布又は不織布の中空部に、管状のスポンジが挿入されている。図6(b)に例示する環状体83では、網状の筒の中空部にポリエチレン製の蛇腹が挿入されている。網状の筒の材料は、例えば、プラスチック網又は金属網である。蛇腹を挿入することなく、網状の筒のみで環状体83を構成しても良い。図6(c)に例示する環状体83では、管状のスポンジの中空部に、多数の針金が差し込まれたポリエチレンの糸が挿入されている。いずれも、線状に伸びた形状のものを先に準備し、その後に、その両端を互いに結合することにより環状体83を完成することができる。例えば、図6(a)の環状体83では、外側の布または不織布の両端を、互いに縫い合わせることができる。図6(b)の環状体83では、外側の網状の筒の両端を、互いに結合することができる。図6(c)の環状体83では、内側のポリエチレンの糸の両端を、互いに結合することができる。図6(a)~(c)に例示した環状体83は、いずれも、適度な弾性を有するとともに、浄化対象水が小さい抵抗で通過し易いように構成されている。
【0071】
図7は、本発明の別の実施の形態による水浄化装置の構成を例示する正面断面図である。この水浄化装置102は、濾過槽5が電解槽1の上に配置されている点において、水浄化装置101(図1参照)とは異なっている。濾過槽5の管状容器25は、電解槽1の管状容器7の上端に下端が連結されている。図示の例では、管状容器25と管状容器7とは、接続治具73により着脱可能に連結されている。濾過槽5を構成する管状容器25が、管状容器7,19と共に、縦に直列に並んだ姿勢で使用に供されるので、濾過槽5の設置のために要する横方向の面積が節減される。また、管状容器25と管状容器7とは、着脱可能に連結されるので、管状容器7から管状容器25を切り離すことにより、管状容器7の内部空間に配置される電極体9の点検、交換などの保守作業が、容易に行い得る。
【0072】
上記のように構成される水浄化装置102では、濾過槽5の管状容器25から電解槽1へ浄化対象水が流出する出水口33は、管状容器25の下端に開口する。また、電解槽1の管状容器7に浄化対象水が流入する入水口13は、管状容器7の上端に開口している。これらの出水口33と入水口13とは、互いに連通している。また、管状容器7から浄化対象水が流出する出水口15は、管状容器7の上端に開口し、入水口13と共通の開口部を形成している。濾過槽5の管状容器25の側壁には、浄化対象水を水浄化装置102の外部に導く出水口95が開口している。出水口95から流出する浄化対象水を外部に導く配管45が、管状容器25の側壁に連結されている。
【0073】
すなわち、濾過槽5の入水口31から管状容器25の内部空間に流入する浄化対象水は、フィルタ27によって濾過され、管状容器25の下端の開口部から、電解槽1の管状容器7の内部空間に流入する。電解槽1によりスケール原因物質が除去された浄化対象水は、管状容器25の下端の開口部から管状容器25の内部空間に戻り、さらに、出水口95を通じて管状容器25の内部空間から流出する。流出した浄化対象水は、配管45によって水浄化装置102の外部に導かれる。
【0074】
フィルタ27によって濾過された浄化対象水の一部は、管状容器25の下端の開口部から、電解槽1の管状容器7の内部空間に流入することなく、出水口95を通じて管状容器25の内部空間から流出する。しかし、フィルタ27によって濾過された浄化対象水の一定の割合が、電解槽1の管状容器7の内部空間に流入するので、浄化対象水が循環する流路に水浄化装置102を設置するのであれば、浄化対象水が循環を繰り返すうちに、スケール原因物質を除去することが可能である。
【0075】
管状容器7の上端が開放しているので、電極体9は、管状容器7の側壁に支持される導電体85,87によって、支持されている。導電体85には、導電体11(図1図3)と同様に、例えばチタン棒またはチタン板が用いられる。電極体9の上端部が、導電体85の下端部に、例えばチタン製のネジ81により締結される。図示の例においても、チタン製のネジ81は、ボルトとナットの組である。導電体85の上端部は、別の導電体87の基端部に接続されている。
【0076】
導電体87は、管状容器7の上端部にあるフランジ部材49の側壁を貫通し、この側壁に支持されている。導電体87は、例えばチタン製のネジ棒であり、基端部に拡径した頭部を有し、先端部に雄ネジを有している。導電体87は、フランジ部材49の外側に露出する雄ネジに螺合するナット88により、フランジ部材49に固定される。導電体87は、フランジ部材49を貫通する部分のうち大半部分において、雄ねじが無く、丸棒の形状を成している。フランジ部材49には、例えば塩化ビニールのように適度な弾性を有する材料が用いられ、フランジ部材49の貫通孔の径は、導電体87の丸棒部分の径よりも幾分小さく設定される。それにより、導電体87とフランジ部材49とが良好に密着し、それらの間から、浄化対象水が漏れ出ることを防ぐことができる。
【0077】
図示の例では、導電体87の位置を定めるためのスペーサ91、93が、フランジ部材49の内側と外側とに配置されている。導電体85は、内側のスペーサ91と導電体87の頭部とに挟まれることにより、導電体87との電気的接続が確保される。電線12の端子89は、外側のスペーサ93とナット88とに挟まれることにより、導電体87との電気的接続が確保される。スペーサは、例えば、いずれもプラスチックである。
【0078】
図8は、本発明のさらに別の実施の形態による水浄化装置の構成を例示する正面断面図である。この水浄化装置103は、浄化対象水を水浄化装置103の外部に導く出水口95が、スケール槽3の管状容器19の側壁に開口している点で、水浄化装置102と異なっている。出水口95から流出する浄化対象水を外部に導く配管45が、管状容器19の側壁に連結されている。
【0079】
すなわち、濾過槽5の入水口31から管状容器25の内部空間に流入する浄化対象水は、フィルタ27によって濾過され、管状容器25の下端の開口部から、電解槽1の管状容器7の内部空間に流入する。電解槽1によりスケール原因物質が除去された浄化対象水は、管状容器7の下端の開口部からスケール槽3の管状容器19の内部空間に流入し、さらに、出水口95を通じて管状容器19の内部空間から流出する。流出した浄化対象水は、配管45によって水浄化装置103の外部に導かれる。水浄化装置102とは異なり、フィルタ27によって濾過された浄化対象水の全てが、管状容器25の下端の開口部から、電解槽1の管状容器7の内部空間に流入するので、電気分解による浄化対象水の浄化の効率が、水浄化装置102と比べて高い。
【0080】
図9は、本発明のさらに別の実施の形態による水浄化装置の構成を例示する正面断面図である。この水浄化装置104では、水浄化装置103と同様に、電解槽1に供給される浄化対象水が、管状容器7の上端に開口する入水口13を通じて、管状容器7の内部空間に流入するとともに、水浄化装置101と同様に、濾過槽5は、電解槽1から横方向に外れた位置に設置される。濾過槽5のフィルタ27により濾過された浄化対象水は、管状容器25の側壁に開口する出水口33を通じて、管状容器25の内部空間から流出する。流出した浄化対象水は、配管41及び水導入槽121を通じて、電解槽1に導かれる。水導入槽121は、電解槽1の上に設置されている。水導入槽121は配管41とともに、本発明の「流路部材」の一具体例に相当し、浄化対象水を濾過槽5から電解槽1に導く流路を形成する部材として機能する。
【0081】
より具体的には、水導入槽121は、管状容器123、蓋体125、及び入水口127を有している。管状容器123は、電解槽1の管状容器7の上端に、下端が連結され、管状容器7,19と同様に、縦の姿勢で使用に供される。蓋体125は、管状容器123の上端を覆うものである。入水口127は、管状容器123の側壁に開口している。濾過槽5から流出する浄化対象水は、入水口127を通じて管状容器123の内部空間に流入する。図示の例では、管状容器123は、管状体129と、その両端部に嵌め込まれたフランジ部材131と有している。図示の例では、管状容器123の下端部にあるフランジ部材131と、管状容器7の上端部にあるフランジ部材49とが、接続治具73により着脱可能に締結されており、それによって、管状容器123と管状容器7とが着脱可能に連結されている。同様に、管状容器123の上端部にあるフランジ部材131と、蓋体125とが、接続治具73により着脱可能に締結されており、それによって、管状容器123と蓋体125は着脱可能に連結されている。配管41は、濾過槽5の出水口33と水導入槽121の入水口127とを連通させるように、濾過槽5の管状容器7の側壁と水導入槽121の管状容器123の側壁とに連結されている。
【0082】
濾過槽5の管状容器25の内部空間から流出した浄化対象水は、配管41を通過し、水導入槽121の管状容器123の内部空間に流入し、さらに、管状容器123の下端の開口部から電解槽1の管状容器7の内部空間に流入する。電解槽1によりスケール原因物質が除去された浄化対象水は、管状容器7の下端の開口部からスケール槽3の管状容器19の内部空間に流入し、さらに、出水口95を通じて管状容器19の内部空間から流出する。流出した浄化対象水は、配管45によって水浄化装置104の外部に導かれる。
【0083】
水浄化装置104において、水導入槽121を構成する管状容器123は、管状容器7,19と共に、縦に直列に並んだ姿勢で使用に供されるので、水導入槽121の設置のために、横方向に余分の面積を要しない。また、管状容器123と管状容器7とは、着脱可能に連結されるので、管状容器7から管状容器123を切り離すことにより、管状容器7の内部空間に配置される電極体9の点検、交換などの保守作業が、容易に行い得る。
【0084】
図10は、本発明のさらに別の実施の形態による水浄化装置の構成の一部を例示する正面断面図である。この水浄化装置105は、スケール槽3を構成する管状容器19が、縦に直列に連結された2本の管状容器133、139に分割されている点において、水浄化装置104とは異なっている。管状容器133は、管状体135と、その両端部に嵌め込まれたフランジ部材137と有している。図示の例では、管状容器133の上端部にあるフランジ部材137と、電解槽1の管状容器7の下端部にあるフランジ部材49とが、接続治具73により着脱可能に締結されており、それによって、管状容器133と管状容器7とが着脱可能に連結されている。管状容器139は、管状体141と、その上端部に嵌め込まれたフランジ部材143とを有している。管状体141の下端部には、底壁145が嵌め込まれている。図示の例では、管状容器139の上端部にあるフランジ部材143と、管状容器133の下端部にあるフランジ部材137とが、接続治具73により着脱可能に締結されており、それによって、管状容器133と管状容器139とが着脱可能に連結されている。図示の例では、出水口95は、管状容器133の側壁に開口している。
【0085】
水浄化装置105では、管状容器133、139それら自身は短くても、それらを連結することにより、スケール槽3の管状容器19を長く設定することが可能である。管状容器133、139は互いに着脱可能であるので、必要に応じて、管状容器133と管状容器139との間、あるいは管状容器133と電解槽1の管状容器7との間に、別の管状容器を連結することにより、管状容器9をさらに長くすることも可能である。スケール槽3の管状容器19だけでなく、電解槽1の管状容器7、濾過槽5の管状容器25、水導入槽121の管状容器123も同様に、互いに連結する複数段の管状容器に分割されていてもよい。
【0086】
図11は、本発明の水浄化装置の試作例を示す写真である。図示の試作例は、水浄化装置104(図9参照)に、水浄化装置105のスケール槽3(図10参照)を適用した装置の一具体例に相当する。この試作例では、管状容器7、19,25、配管41、45,蓋部35、蓋体125、底壁40,75は、すべて塩化ビニール製である。
【符号の説明】
【0087】
1 電解槽、 3 スケール槽、 5 濾過槽、 7 管状容器、 8 蓋体、 9 電極体、 11 導電体、 12 電線、 13 入水口、 15 出水口、 17 電源、 18 つまみ、 19 管状容器、 21 排出口、 23 排出バルブ、 25 管状容器、 27 フィルタ、 29 フィルタ支持体、 31 入水口、 33 出水口、 35 蓋部、 37 入水バルブ、 38 排出口、 39 排出バルブ、 40 底壁、 41 配管(流路部材)、 43 スケール、 45 配管、 47 管状体、 49 フランジ部材、 51 濾過器、 53 入水バルブ、 55 排水バルブ、 57 筒状芯材、 58 筒状フィルタ、 59 折り返し部、 66 配管、 70 管状体、 71 フランジ部材、 73 接続治具、 74 ネジ、 75 底壁、 77 管状体、 79 フランジ部材、 81 ネジ、 83 環状体、 85,87 導電体、 88 ナット、 89 端子、 91,93 スペーサ、 95 出水口、 101,102、103,104,105 水浄化装置、 121 水導入槽(流路部材)、 123 管状容器、 125 蓋体、 127 入水口、 129 管状体、 131 フランジ部材、 133 管状容器、 135 管状体、 137 フランジ部材、 139 管状容器、 141 管状体、 143 フランジ部材、 145 底壁、 151 濾過容器、 152 管状体、 153 出水口、 155 底部材、 157 排水口、 159 フランジ部、 160 蓋部、 161 フランジ、 163 入水口、 筒状体 165。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11