(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-27
(45)【発行日】2024-10-07
(54)【発明の名称】引込管
(51)【国際特許分類】
H02G 9/04 20060101AFI20240930BHJP
F16L 1/038 20060101ALI20240930BHJP
H02G 1/06 20060101ALI20240930BHJP
【FI】
H02G9/04
F16L1/038
H02G1/06
(21)【出願番号】P 2021023069
(22)【出願日】2021-02-17
【審査請求日】2023-09-27
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 開催日:令和2年7月28日~令和2年7月31日 集会名、開催場所:第6回無電柱化推進展 インテックス大阪(大阪市住之江区南港北1-5-102) 開催日:令和2年11月20日~令和3年2月17日 集会名、開催場所:中津川市デジタル産業企画展 中津川市子ども科学館(岐阜県中津川市駒場1657-1) 発行日:令和2年7月28日 刊行物:NSPアルミ製小型BOXカタログ、株式会社エヌ・エス・ピー発行 ウェブサイト掲載日:令和2年11月4日 ウェブサイトアドレス:http://www.finenews-today.com/release_256892_1.htmlなど多数(詳細は証明書参照) 発行日:令和2年12月14日 刊行物:日経コンストラクション、2020年12月14日発行、73頁、日経BP社
(73)【特許権者】
【識別番号】506125720
【氏名又は名称】株式会社NSP KS
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 捷也
【審査官】小林 秀和
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-028171(JP,A)
【文献】特開2020-178397(JP,A)
【文献】特開2008-306834(JP,A)
【文献】特開2003-174708(JP,A)
【文献】特開平05-209416(JP,A)
【文献】特開平09-086712(JP,A)
【文献】特開平06-257525(JP,A)
【文献】特開平08-013565(JP,A)
【文献】特開2020-159529(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02G 9/04
F16L 1/038
H02G 1/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーブルを道路に埋設するためのケーブル埋設体から配管内に前記ケーブルを引き込むための引込管であって、
本体部を備え、
前記本体部は、前記ケーブル埋設体に固定するための固定部と、前記配管を接続可能な本体部側接続部と、
前記本体部に連結されるアタッチメントと、を備え、
前記アタッチメントは、前記本体部側接続部に連結される連結部と、前記配管を接続可能で且つ前記本体部側接続部とは異なる外径を有するアタッチメント側接続部と、を備え、
前記本体部側接続部に前記連結部が連結されたときに前記本体部に対する前記アタッチメントの回転を防止するために、前記本体部側接続部又は前記連結部の一方には凸部が設けられ、前記本体部側接続部又は前記連結部の他方には前記凸部が挿入される凹部が設けられ、
前記凹部は前記凸部よりも多く設けられており、前記本体部側接続部に前記連結部を接着剤によって固定するときに、前記凸部が挿入されない前記凹部は、余分な前記接着剤が前記本体部側接続部から又は前記連結部からはみ出ないようにするための逃がし部として機能する、
引込管。
【請求項2】
前記本体部側接続部には、継手を使用して前記配管が接続可能である、
請求項1に記載の引込管。
【請求項3】
前記アタッチメント側接続部には、継手を使用して前記配管が接続可能である、
請求項1に記載の引込管。
【請求項4】
前記本体部は、樹脂製、鋳物製、又は、繊維強化プラスチック製である、
請求項1から3のいずれか1項に記載の引込管。
【請求項5】
前記本体部は、一体成形品である、
請求項1から3のいずれか1項に記載の引込管。
【請求項6】
前記アタッチメントは、樹脂製、鋳物製、又は、繊維強化プラスチック製である、
請求項1から3のいずれか1項に記載の引込管。
【請求項7】
前記アタッチメントは、一体成形品である、
請求項1から3のいずれか1項又は請求項
6に記載の引込管。
【請求項8】
前記ケーブルの曲げ半径を大きくするために、前記本体部側接続部の中心線は前記ケーブル埋設体の底壁の中心線に対して120°~150°の角度を有する、
請求項1から7のいずれか1項に記載の引込管。
【請求項9】
前記ケーブル埋設体に前記本体部を固定した状態で前記本体部側接続部に鉛直荷重100kg以上かけても破壊しない、
請求項1から8のいずれか1項に記載の引込管。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地中に埋設されたケーブル埋設体から配管内にケーブルを引き込むための引込管に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、道路の地下空間を活用して、道路内に電力線や通信線を配線し、道路から電柱をなくす、いわゆる無電柱化が推進されている。道路内に電力線などを配線するにあたり、電力線などは、道路内に埋設されたケーブル埋設体内に収納される(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ケーブルは、ケーブル埋設体から地中に埋設された配管内を通って建物などに引き込まれる。そのため、ケーブル埋設体内のケーブルを配管に案内するための部材が必要になる。
【0005】
本発明は、ケーブル埋設体内のケーブルを配管に引き込むための引込管を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の引込管は以下の構成を有する。
(項目1)
ケーブルを道路に埋設するためのケーブル埋設体から配管内に前記ケーブルを引き込むための引込管であって、
本体部を備え、
前記本体部は、前記ケーブル埋設体に固定するための固定部と、前記配管を接続可能な本体部側接続部と、を備える、
引込管。
【0007】
(項目2)
前記本体部側接続部には、継手を使用して前記配管が接続可能である、
項目1に記載の引込管。
【0008】
(項目3)
前記本体部に連結されるアタッチメントをさらに備え、
前記アタッチメントは、前記本体部側接続部に連結される連結部と、前記配管を接続可能で且つ前記本体部側接続部とは異なる外径を有するアタッチメント側接続部と、を備える、
項目1又は2に記載の引込管。
【0009】
(項目4)
前記アタッチメント側接続部には、継手を使用して前記配管が接続可能である、
項目3に記載の引込管。
【0010】
(項目5)
前記本体部側接続部に前記連結部が連結されたときに前記本体部に対する前記アタッチメントの回転を防止するために、前記本体部側接続部又は前記連結部の一方には凸部が設けられ、前記本体部側接続部又は前記連結部の他方には前記凸部が挿入される凹部が設けられている、
項目3又は4に記載の引込管。
【0011】
(項目6)
前記凹部は前記凸部よりも多く設けられており、前記本体部側接続部に前記連結部を接着剤によって固定するときに、前記凸部が挿入されない前記凹部は、余分な前記接着剤が前記本体部側接続部から又は前記連結部からはみ出ないようにするための逃がし部として機能する、
項目5に記載の引込管。
【0012】
(項目7)
前記本体部は、樹脂製、鋳物製、又は、繊維強化プラスチック製である、
項目1から6のいずれか1項に記載の引込管。
【0013】
(項目8)
前記本体部は、一体成形品である、
項目1から7のいずれか1項に記載の引込管。
【0014】
(項目9)
前記アタッチメントは、樹脂製、鋳物製、又は、繊維強化プラスチック製である、
項目3から6のいずれか1項に記載の引込管。
【0015】
(項目10)
前記アタッチメントは、一体成形品である、
項目3から6のいずれか1項又は項目9に記載の引込管。
【0016】
(項目11)
前記ケーブルの曲げ半径を大きくするために、前記本体部側接続部の中心線は前記ケーブル埋設体の底壁の中心線に対して120°~150°の角度を有する、
項目1から10のいずれか1項に記載の引込管。
【0017】
(項目12)
前記ケーブル埋設体に前記本体部を固定した状態で前記本体部側接続部に鉛直荷重100kg以上かけても破壊しない、
項目1から11のいずれか1項に記載の引込管。
【発明の効果】
【0018】
本発明の引込管を使用することにより、ケーブル埋設体内のケーブルを配管内に引き込むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1から
図3は、第一実施形態の引込管に関する図であり、
図4から
図9は第二実施形態の引込管に関する図である。
【0020】
【
図1】(a)引込管の斜視図、(b)(a)のIb-Ib線断面図である。
【
図2】(a)引込管をケーブル埋設体に取り付けた状態の斜視図、(b)引込管をケーブル埋設体に取り付けた状態の平面図である。
【
図3】(a)引込管の使用状態の斜視図、(b)引込管の使用状態の平面図である。
【
図4】(a)引込管の斜視図、(b)(a)のIVb-IVb線断面図である。
【
図5】(a)本体部の斜視図、(b)(a)のVb-Vb線断面図である。
【
図7】引込管をケーブル埋設体に取り付けた状態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の引込管100A、100Bを説明する前に、
図10を参照して、引込管100A、100Bが取り付けられるケーブル埋設体1000について簡単に説明する。
図10は、ケーブル埋設体1000の斜視図である。
【0022】
ケーブル埋設体1000は、ケーブルCを地中に埋設するために使用される。ケーブル埋設体1000は、底壁1001と、底壁1001の両端からそれぞれ立ち上がる二つの側壁1002と、蓋(不図示)と、を備える。底壁1001上にはケーブルCが配置される(
図3(b)及び
図8参照)。少なくとも一方の側壁1002には、引込管100A、100Bを挿入するための開口部1002aが設けられている。蓋は、底壁1001上にケーブルCを配置した後、側壁1002の上部に被せられる。なお、ケーブル埋設体1000は、その長手方向端部に別のケーブル埋設体1000を連結させることが可能である。したがって、複数のケーブル埋設体1000が連結された連結体を作製し、この連結体内にケーブルCを配置するようにしてもよい。
【0023】
次に、本発明の引込管100A、100Bについて図面を参照しながら説明する。
図3(a)は、第一実施形態の引込管100Aの使用状態の斜視図であり、
図3(b)は、第一実施形態の引込管100Aの使用状態の平面図である。
図8は、第二実施形態の引込管100Bの使用状態の平面図である。
【0024】
引込管100A、100Bは、地中に埋設されるケーブル埋設体1000に取り付けられ、ケーブル埋設体1000内のケーブルCを配管P内に引き込むために使用される。引込管100A、100Bを通ってケーブル埋設体1000外に出されたケーブルCは、配管P内を通って、引込箇所に引き込まれる。なお、ケーブルCとは、電力線や通信線など、無電柱化により地中に埋設されることになるケーブルを意味する。また、引込箇所とは、住宅やビルといった建物など、ケーブルCの設置が必要な場所のことである。以下、引込管100A、100Bの詳細について説明する。
【0025】
<A 第一実施形態>
[A-1 引込管の構造]
図1から
図3を参照して、第一実施形態の引込管100Aについて説明する。
図1(a)は引込管100Aの斜視図であり、
図1(b)は
図1(a)のIb-Ib線断面図である。
図2(a)は引込管100Aをケーブル埋設体1000に取り付けた状態の斜視図であり、
図2(b)は引込管100Aをケーブル埋設体1000に取り付けた状態の平面図である。
【0026】
図1に示すように、引込管100Aは、本体部1を備える。本体部1は、固定部11と、中間部12と、接続部13と、を備える。中間部12は、固定部11と接続部13との間の部分である。
図2に示すように、引込管100Aは、ケーブル埋設体1000の側壁1002に取り付けられる。固定部11は側壁1002の内面に固定され、中間部12及び接続部13は開口部1002aを通ってケーブル埋設体1000外に配置される。
【0027】
本体部1は、例えば、樹脂製、繊維強化プラスチック製、または金属製である。樹脂としては、例えば、ABS樹脂を使用できる。繊維強化プラスチックとしては、例えば、炭素繊維強化プラスチックを使用できる。金属としては、例えばアルミニウム合金を使用できる。本体部1は、一体成形品であることが好ましい。本体部1は、例えば、樹脂製の射出成形品、又はアルミダイカストなどの鋳物である。
【0028】
図1及び
図2に示すように、固定部11は、本体部1をケーブル埋設体1000に固定するための部分である。本実施形態において、固定部11は、複数のボルト穴を有するフランジであり、ボルトによってケーブル埋設体1000の側壁1002に固定される。
【0029】
図1及び
図2に示すように、中間部12は、固定部11から突出した形状を有し、且つ内部が空洞になった部分である。本実施形態において、中間部12は、三角柱状である。中間部12は、互いに対向し且つ固定部11と垂直に交わる二つの第一面121と、固定部11に対して90°以下の角度で交わる第二面122及び第三面123と、を有する。本体部1がケーブル埋設体1000の側壁1002に取り付けられたとき、二つの第一面121はそれぞれ三角柱の上面及び下面を構成し、第二面122及び第三面123は三角柱の側面を構成する。
【0030】
図1及び
図3に示すように、接続部13は、配管Pを接続するための部分である。接続部13は、中間部12の第二面122に設けられている。接続部13は配管Pの形状に適合する形状を有し、本実施形態では円筒状である。なお、接続部13の形状は、円筒状に限定されず、配管Pの形状に適合した筒状であればよい。
【0031】
図2(b)に示すように、本体部1がケーブル埋設体1000に取り付けられたとき、接続部13の中心線と、ケーブル埋設体1000の底壁1001の中心線(すなわち、ケーブル埋設体1000内におけるケーブルCの延伸方向)との間の角度αは、120°~150°であることが好ましい。
【0032】
図3に示すように、引込管100Aは、ケーブル埋設体1000の側壁1002に固定される。引込管100Aは、ケーブル埋設体1000の側壁1002に固定された状態で、接続部13に100kg以上の鉛直荷重を掛けても破壊しないことが好ましい。接続部13には、継手Fを介して配管Pが接続される。配管Pは、例えば、長尺な可撓管であり、接続部13と略同じ外径を有する。継手Fは、接続部13と配管Pとを接続可能であれば特に限定されないが、例えば、
図3(b)に示すように、接続部13の一部及び配管Pの一部がそれぞれ内部に挿入可能な筒体F1と、筒体F1の外側から筒体F1と接続部13及び筒体F1と配管Pとをそれぞれ締め付ける二つのバンドF2と、を備える。ケーブルCは、ケーブル埋設体1000から、接続部13内及び配管P内を通って引込箇所に引き込まれる。
【0033】
[A-2 特徴]
本発明の引込管100Aには配管Pが接続可能であるため、ケーブル埋設体1000内のケーブルCを配管P内に引き込むことができる。
【0034】
接続部13の中心線とケーブル埋設体1000の底壁1001の中心線との間の角度αが120°~150°であることにより、ケーブル埋設体1000から接続部13内にケーブルCを通す際に、ケーブルCの曲げ半径を大きくすることができる。ケーブルCの曲げ半径が小さくなるとケーブルCが損傷するおそれがある。また、ケーブルCが太い場合にはケーブルCが曲げ難くなり、曲げ半径を小さくすることが困難な場合がある。ケーブルCの曲げ半径を大きくできることにより、ケーブルCの損傷を防止できる共に、ケーブルCを接続部13内に通す作業が容易になる。
【0035】
<B 第二実施形態>
次に、
図4から
図8を参照して、第二実施形態の引込管100Bについて説明する。なお、以下では、第一実施形態の引込管100Aとの相違点を中心に説明し、引込管100Aと同一の構造又は同一の機能を有する構成要素には引込管100Aで付した符号と同一の符号を付し、その説明を適宜省略する。
【0036】
[B-1 引込管の構造]
図4(a)は、引込管100Bの斜視図であり、
図4(b)は、
図4(a)のIVb-IVb線断面図である。
【0037】
図4に示すように、第二実施形態の引込管100Bは、本体部1と、本体部1の接続部13に連結されるアタッチメント2と、を備える。アタッチメント2は、引込管100Aで使用される配管Pとは異なる外径の配管Pを使用するために、本体部1に連結される。本体部1とアタッチメント2とが連結されたとき、接続部13の中心線と接続部22の中心線とは略同一直線上に位置している。配管Pは、アタッチメント2の接続部22に接続される。後述するように、接続部22の外径は、接続部13の外径とは異なる。したがって、引込管100Bには、引込管100Aで使用される配管Pとは異なる外径の配管Pを接続することが可能になる。
【0038】
図5(a)は、本体部1の斜視図であり、
図5(b)は、
図5(a)のVb-Vb線断面図である。本体部1の接続部13は、第一部分131と、第二部分132と、から構成されている。第二部分132の内径は、第一部分131の内径よりも大きい。したがって、第一部分131の内面と第二部分132の内面との間には、段差が存在する。第一部分131の内径は、後述するアタッチメント2の連結部21(
図6参照)の外径よりも小さい。第二部分132の内径は、後述するアタッチメント2の連結部21の外径よりも大きい。第二部分132の内面には、少なくとも一つの凸部133が設けられている。凸部133は、
図5(a)に示すように、周方向に間隔をあけて複数設けられていることが好ましい。
【0039】
図6は、アタッチメント2の斜視図である。アタッチメント2は、筒状であり、内部をケーブルが通過可能である。アタッチメント2は、例えば、樹脂製、繊維強化プラスチック製、または金属製である。樹脂としては、例えば、ABS樹脂を使用できる。繊維強化プラスチックとしては、例えば、炭素繊維強化プラスチックを使用できる。金属としては、例えばアルミニウム合金を使用できる。アタッチメント2は、一体成形品であることが好ましい。アタッチメント2は、例えば、樹脂製の射出成形品、又はアルミダイカストなどの鋳物である。
【0040】
アタッチメント2は、本体部1の接続部13に連結される連結部21と、配管Pと接続される接続部22と、連結部21と接続部22との間のフランジ部23と、を備える。連結部21は接続部13の形状に適合する形状を有し、本実施形態では円筒状である。連結部21の外面には、凸部133と同数以上の凹部211が設けられている。後述するように、凹部211内には凸部133が挿入される。接続部22は配管Pの形状に適合する形状を有し、本実施形態では円筒状である。フランジ部23の外径は、連結部21の外径よりも大きくなっている。なお、連結部21の形状は、円筒状に限定されず、接続部13の形状に適合した筒状であればよい。また、接続部22の形状は、円筒状に限定されず、配管Pの形状に適合した筒状であればよい。
【0041】
連結部21の外径は、接続部13の第一部分131の内径よりも大きく、接続部13の第二部分132の内径よりも小さい。したがって、
図4(b)に示すように、連結部21を接続部13に挿入するとき、連結部21は、第二部分132のみに挿入される。すなわち、連結部21を接続部13に挿入するとき、連結部21の先端が第一部分131と第二部分132との間の段差に接触し、且つフランジ部23が接続部13の先端に接触することで、連結部21は、第一部分131内に進入することはできず、第二部分132のみに挿入される。
【0042】
また、凹部211内には、第二部分132の凸部133が挿入される。凹部211内に凸部133が挿入されることにより、本体部1に対するアタッチメント2の回転を防止できる。凹部211の数は、凸部133の数よりも多いことが好ましい。凹部211が凸部133よりも多く設けられていることにより、第二部分132と連結部21とを接着剤によって接着する場合、余分な接着剤が、凸部133が挿入されていない凹部211内に進入することができる。すなわち、凸部133が挿入されていない凹部211は、余分な接着剤を逃がすための逃がし部として機能する。
【0043】
接続部22の外径は、接続部13の外径とは異なる大きさである。すなわち、接続部22の外径は、接続部13の外径よりも大きいか又は小さい。本実施形態では、接続部22の外径は、接続部13の外径よりも小さい。したがって、接続部22には、第一実施形態の引込管100Aの接続部13に接続される配管Pよりも外径の小さい配管Pを接続できる。
【0044】
図7は、引込管100Bをケーブル埋設体1000に取り付けた状態の斜視図である。
図7に示すように、本体部1は第一実施形態と同様に、ケーブル埋設体1000の側壁1002に固定され、接続部13にはアタッチメント2が連結される。引込管100Bは、ケーブル埋設体1000の側壁1002に固定された状態で、接続部13に100kg以上の鉛直荷重を掛けても破壊しないことが好ましい。
【0045】
図8に示すように、接続部22には、ケーブルCが通過する配管Pが継手Fを介して接続される。継手Fは、例えば、第一実施形態の引込管100Aで既に説明した継手Fを使用できる。
【0046】
[B-2 特徴]
引込管100Bがアタッチメント2を備えていることにより、配管Pが接続される部分の外径を変更できる。これにより、接続部13の外径よりも大きい又は小さい外径の配管Pを使用することができる。
【0047】
本体部1とアタッチメント2とが連結される際に、凸部133が凹部211内に挿入されることにより、本体部1に対するアタッチメント2の回転を防止できる。
【0048】
凹部211の数が凸部133の数よりも多いことにより、接続部3の第二部分132とアタッチメント2の連結部21とを接着剤により固定する際に、余分な接着剤が、凸部133が挿入されていない凹部211内に進入することができる。これにより、余分な接着剤が、第一部分131側又は接続部22側に、はみ出ることを防止できる。
【0049】
[B-3 変形例]
上記で説明した引込管100Bの実施形態は、好ましい一実施形態を説明するものに過ぎない。本発明の引込管100Bは、上記実施形態に限定されず、例えば以下の変形例に示す構成を採用することもできる。以下に示す変形例は適宜組み合わせ可能である。
【0050】
(1)接続部13の第二部分132の内面に複数の凹部を設け、連結部21の外面にその凹部内に挿入可能な複数の凸部を設けるようにしてもよい。
【0051】
(2)
図9に示すように、接続部13の外径は、連結部21の内径よりも小さく、接続部13が連結部21内に挿入されてもよい。この場合、第一部分131の内径と第二部分132の内径は同一であってもよい(すなわち、接続部13の内面は面一であってもよい)。また、この場合、接続部13の外面に凸部又は凹部の一方が設けられ、連結部21の内面に凸部又は凹部の他方が設けられる。
【符号の説明】
【0052】
100A 引込管
100B 引込管
1 本体部
11 固定部
13 接続部(本体部側接続部)
133 凸部
2 アタッチメント
21 連結部
211 凹部
22 接続部(アタッチメント側接続部)
1000 ケーブル埋設体
1001 底壁
C ケーブル
F 継手
P 配管