(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-27
(45)【発行日】2024-10-07
(54)【発明の名称】クッション材
(51)【国際特許分類】
A47C 27/12 20060101AFI20240930BHJP
B60N 2/90 20180101ALI20240930BHJP
B32B 5/24 20060101ALI20240930BHJP
【FI】
A47C27/12 B
B60N2/90
B32B5/24 101
(21)【出願番号】P 2021532330
(86)(22)【出願日】2021-03-01
(86)【国際出願番号】 JP2021007700
(87)【国際公開番号】W WO2021177226
(87)【国際公開日】2021-09-10
【審査請求日】2024-01-31
(31)【優先権主張番号】202010138893.1
(32)【優先日】2020-03-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】300054206
【氏名又は名称】株式会社シーエンジ
(74)【代理人】
【識別番号】100103207
【氏名又は名称】尾崎 隆弘
(72)【発明者】
【氏名】高岡 佳久
(72)【発明者】
【氏名】小林 慎吾
【審査官】二階堂 恭弘
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-260278(JP,A)
【文献】特開2018-193042(JP,A)
【文献】国際公開第2007/114229(WO,A1)
【文献】特開2006-223707(JP,A)
【文献】特開2002-408(JP,A)
【文献】特開2008-221953(JP,A)
【文献】特開2017-169998(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47C 27/12
B60N 2/90
B32B 5/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用座席に用いられるクッション材であって、
第1クッション体と、
前記第1クッション体の上方に配置され、少なくとも前記第1クッション体の上面を覆う第2クッション体と、を備え、
前記第1クッション体は、熱可塑性樹脂の連続線条が不規則に部分的に溶着することによりループを形成した三次元網状構造体を含み、
前記第2クッション体は、繊維が厚み方向に配向した縦型不織布から成
り、
前記縦型不織布は、アコーディオン式の折り畳み構造を備え、前記車両用座席の前方領域に内部よりも嵩密度の高い高密度部を備えることを特徴とする、
クッション材。
【請求項2】
車両用座席に用いられるクッション材であって、
第1クッション体と、
前記第1クッション体の上方に配置され、少なくとも前記第1クッション体の上面を覆う第2クッション体と、を備え、
前記第1クッション体は、熱可塑性樹脂の連続線条が不規則に部分的に溶着することによりループを形成した三次元網状構造体を含み、
前記第2クッション体は、繊維が厚み方向に配向した縦型不織布から成り、
前記第1クッション体は、前記第2クッション体の下面に設けられた溝部に嵌合することにより一体化され、
前記第2クッション体において、前記第1クッション体の前面より前領域は、それ以外の領域よりも嵩密度の高い高密度部であることを特徴とする、
クッション材。
【請求項3】
車両用座席に用いられるクッション材であって、
第1クッション体と、
前記第1クッション体の上方に配置され、少なくとも前記第1クッション体の上面を覆う第2クッション体と、
前記第1クッション体および前記第2クッション体の下方
に配置されるバネ受け材
とを備え、
前記第1クッション体は、熱可塑性樹脂の連続線条が不規則に部分的に溶着することによりループを形成した三次元網状構造体を含み、
前記第2クッション体は、繊維が厚み方向に配向した縦型不織布から成り、
前記バネ受け材は、熱可塑性樹脂の連続線条が不規則に部分的に溶着することによりループを形成した嵩密度が0.5~0.01g/cm
3
、厚みが0.5~25mmの三次元網状構造体から成り、
前記バネ受け材を構成する三次元網状構造体の嵩密度は、前記第1クッション体に含まれる三次元網状構造体の嵩密度よりも高いことを特徴とする、
クッション材。
【請求項4】
車両用座席に用いられるクッション材であって、
第1クッション体と、
前記第1クッション体の上方に配置され、少なくとも前記第1クッション体の上面を覆う第2クッション体と、を備え、
前記第1クッション体は、熱可塑性樹脂の連続線条が不規則に部分的に溶着することによりループを形成した三次元網状構造体を含み、
前記第2クッション体は、繊維が厚み方向に配向した縦型不織布から成り、
前記第1クッション体に含まれる三次元網状構造体は、車両用座席の幅方向に延びる疎部と密部とを前後方向に繰り返し設ける疎密構造を有し、車両用座席の前後方向の中間部に前記密部を備えることを特徴とする、
クッション材。
【請求項5】
車両用座席に用いられるクッション材であって、
第1クッション体と、
前記第1クッション体の上方に配置され、少なくとも前記第1クッション体の上面を覆う第2クッション体と、を備え、
前記第1クッション体は、熱可塑性樹脂の連続線条が不規則に部分的に溶着することによりループを形成した三次元網状構造体を含み、
前記第2クッション体は、繊維が厚み方向に配向した第1縦型不織布から成り、
前記第1クッション体は、複層から成り、上層として三次元網状構造体、上層より下方に位置する層として第2縦型不織布を含み、前記第2縦型不織布は、前記第2クッション体を構成する前記
第1縦型不織布よりも嵩密度が高いことを特徴とする
、
クッション材。
【請求項6】
第1クッション体と、
前記第1クッション体の上方に配置され、少なくとも前記第1クッション体の上面を覆う第2クッション体と、を備え、
前記第1クッション体は、熱可塑性樹脂の連続線条が不規則に部分的に溶着することによりループを形成した三次元網状構造体を含み、
前記第2クッション体は、繊維が厚み方向に配向した縦型不織布から成り、
前記第1クッション体は、複層から成り、上層として三次元網状構造体、上層より下方に位置する層として繊維が横方向に配向した不織布を含む
、
クッション材。
【請求項7】
第1クッション体と、
前記第1クッション体の上方に配置され、少なくとも前記第1クッション体の上面を覆う第2クッション体と、を備え、
前記第1クッション体は、熱可塑性樹脂の連続線条が不規則に部分的に溶着することによりループを形成した三次元網状構造体を含み、
前記第2クッション体は、繊維が厚み方向に配向した縦型不織布から成り、
前記第1クッション体は、複層から成り、上層として三次元網状構造体、上層より下方に位置する層としてウレタン発泡体を含む
、
クッション材。
【請求項8】
マットレスに用いられるクッション材であって、
第1クッション体と、
前記第1クッション体の上方に配置され、少なくとも前記第1クッション体の上面を覆う第2クッション体と、を備え、
前記第1クッション体は、熱可塑性樹脂の連続線条が不規則に部分的に溶着することによりループを形成した三次元網状構造体を含み、
前記第2クッション体は、繊維が厚み方向に配向した縦型不織布から成り、
前記第2クッション体には幅方向に延びる疎部と密部とを前記マットレスの長さ方向に繰り返し設ける疎密構造を有し、前記マットレスの中間部に前記密部を備えることを特徴とする
、
クッション材。
【請求項9】
マットレスに用いられるクッション材であって、
第1クッション体と、
前記第1クッション体の上方に配置され、少なくとも前記第1クッション体の上面を覆う第2クッション体と、を備え、
前記第1クッション体は、熱可塑性樹脂の連続線条が不規則に部分的に溶着することによりループを形成した三次元網状構造体を含み、
前記第2クッション体は、繊維が厚み方向に配向した縦型不織布から成り、
前記第1クッション体は、表面層、上層、ベース層を含み、前記表面層の嵩密度は、前記上層および前記ベース層よりも高く、前記ベース層の嵩密度は前記上層よりも高いことを特徴とする
、
クッション材。
【請求項10】
第1クッション体と、
前記第1クッション体の上方に配置され、少なくとも前記第1クッション体の上面を覆う第2クッション体と、を備え、
前記第1クッション体は、熱可塑性樹脂の連続線条が不規則に部分的に溶着することによりループを形成した三次元網状構造体を含み、
前記第2クッション体は、繊維が厚み方向に配向した縦型不織布から成り、
前記第2クッション体は、
前記第1クッション体の少なくとも上面を覆うカバーシート内に含まれることを特徴とする、
クッション材。
【請求項11】
前記縦型不織布は、前記三次元網状構造体よりも25%圧縮硬さが小さいことを特徴とする、請求項1
~4、6~10のいずれかに記載のクッション材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用、鉄道用、航空機用等の車両用座席や、マットレス等として用いられるクッション材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ほとんどの車両用座席には、クッション材として軽量であり、量産しやすく、安価であるウレタン製のものが採用されている。しかし、近年、ウレタンを燃焼させる際のガスが有毒であることが問題視され、世界中でウレタン使用を減らそうという動きがでている。具体的には、2020年度から、EP規格のEN45545の運用が始まることもあり、早急にウレタンに代わる、耐久性、軽量、環境性能の高い車両用座席を開発する必要がある。
【0003】
また、ウレタン製のクッション材は、耐久性は優れるものの透水性に劣り蒸れやすいという問題がある。
【0004】
そのため、ウレタンに代わる材料を用いる車両用座席が検討されてきた。特許文献1は、側地、クッション層、裏面深絞り形状部より形成された背部と座部よりなる座席であり、クッション層が繊度が100000デニ-ル以下の連続した線条を曲がりくねらせ互いに接触させて該接触部の大部分が融着した3次元立体構造体を形成した熱可塑性弾性樹脂からなる見掛け密度が0.01g/cm3から0.2g/cm3の網状体で構成され、該樹脂成形体と該網状体が一体接合されていることを特徴とする座席が開示されている。
【0005】
特許文献2は、脱着交換可能なパッドと当該パッドと同形状の凹部を有する車両用座席を開示している。脱着交換可能なパットは、繊維構造体を繊維シートで被覆されたものであり、繊維構造体を構成する繊維の縦方向/横方向比(T/W比)が1.5以上である。そのようなパッドが、凹部を有するウレタン製の車両用座席に脱着可能に設置されることが開示されている。
【0006】
特許文献3は、座席座部が(i)熱可塑性弾性樹脂からなる線条がループを形成して互いの接触部の大部分が接合した三次元網状構造体と(ii)熱可塑性樹脂からなる繊維が接合した不織布との積層構造を有するクッション層を含み、(ii)不織布が着座面側にある車両用座席において、(i)三次元網状構造体の少なくとも厚み方向に相対する二面の切断端が圧縮接合された構造を有することを特徴とする車両用座席を開示している。また、該不織布が、熱接着繊維と熱可塑性非弾性樹脂からなる短繊維を混合開繊して三次元構造化し、接触部の大部分を熱接着成分で接合一体化して製造されることが開示されている。
【0007】
特許文献4は、非弾性ポリエステル系捲縮短繊維集合体からなるマトリックス繊維中に、該短繊維を構成するポリエステルポリマーの融点より40℃以上低い融点を有する熱可塑性エラストマーと、非弾性ポリエステルとからなり、前者が少なくとも繊維表面に露出した弾性複合繊維が接着成分として分散・混入されたウェブであって、その長さ方向に向いている繊維の総数をA、横方向に向いている総数をBとしたとき、A>3B/2の条件を満足するウェブがその長さ方向に沿って林立状態で順次折りたたまれ、その際該ウェブ中には(a)該弾性複合繊維同志が交叉した状態でお互いに熱融着により形成された可撓性熱固着点、および(b)該弾性複合繊維と該非弾性ポリエステル系短繊維とが交叉した状態で熱融着により形成された可撓性熱固着点とが散在するクッション性詰物を備える車両用座席を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特開平8-10470号公報
【文献】特開2018-193042号公報
【文献】特開2003-260278号公報
【文献】特開平8-318066号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1の座席は三次元網状構造体のみで構成されているため、凹凸の触感を感じる問題がある。また、へたりが大きく耐久性が不十分である。また、特許文献2の座席は、特に使用者が座った時に大腿部の下に位置するシート前端部の領域がウレタン製であるため、通気性が不十分であり、ウレタン削減量も少ないという問題がある。特許文献3の座席は、不織布と網状構造体の積層体であるが、上層として用いられる不織布が、熱接着繊維と熱可塑性樹脂からなる短繊維を混合解繊して三次元構造化されたものであり、抗へたり性、耐久性が不十分である。また、上層の不織布と下層の網状構造体の切断端を圧縮接合するため、製品形状が限られてしまうという問題もある。特許文献4の座席は、厚み方向に配向した繊維からなる繊維構造体のみで構成されているため、クッション性や、臀部等のサポート力が不十分である。また、特に荷重がかかるシート前方領域の形状保持性が低く、耐久性が不十分である。
【0010】
そこで、本発明は、クッション性や座り心地を向上し、へたりにくく、耐久性の高いクッション材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、第1クッション体と、前記第1クッション体の上方に配置され、少なくとも前記第1クッション体の上面を覆う第2クッション体と、を備え、前記第1クッション体は、熱可塑性樹脂の連続線条が不規則に部分的に溶着することによりループを形成した三次元網状構造体を含み、前記第2クッション体は、繊維が厚み方向に配向した縦型不織布から成ることを特徴とする、クッション材である。
【0012】
ここで、「繊維が厚み方向に配列している」とは、不織布の厚さ方向に対して平行に、縦に配列されている繊維の総本数を(X)とし、不織布の厚さ方向に対して垂直に横に配列されている繊維の総本数を(Y)とするとき、Xの方がYよりも多いことを意味する。また、縦型不織布3を構成する繊維の縦方向/横方向比(X/Y比)が1.5以上であることが好ましく、2.0~8.0がさらに好ましい。
【0013】
前記クッション材は車両用座席に用いられ、前記縦型不織布はアコーディオン式の折り畳み構造を備え、車両用座席の前方領域に内部よりも嵩密度の高い高密度部を備えることが好ましい。
【0014】
前記縦型不織布は、前記三次元網状構造体よりも25%圧縮硬さが小さいことが好ましい。
【0015】
前記クッション材は車両用座席に用いられ、前記第1クッション体は、前記第2クッション体の下面に設けられた溝部に嵌合することにより一体化されることが好ましい。
【0016】
前記第2クッション体において、前記第1クッション体の前面より前領域は、それ以外の領域よりも嵩密度の高い高密度部であることが好ましい。これにより、三次元網状構造体のない前方領域のクッション性を保ち、第2クッション体の高密度部の厚みを確保することにより形状保持性も向上することができる。
【0017】
前記クッション材は車両用座席に用いられ、前記第1クッション体および前記第2クッション体の下方にバネ受け材を備えることが好ましい。
【0018】
前記バネ受け材は、熱可塑性樹脂の連続線条が不規則に部分的に溶着することによりループを形成した嵩密度が0.5~0.01g/cm3、厚みが0.5~25mmの三次元網状構造体から成り、前記バネ受け材を構成する三次元網状構造体の嵩密度は、前記第1クッション体に含まれる三次元網状構造体の嵩密度よりも高いことが好ましい。
【0019】
前記クッション材は車両用座席に用いられ、前記第1クッション体に含まれる三次元網状構造体は、車両用座席の幅方向に延びる疎部と密部とを前後方向に繰り返し設ける疎密構造を有し、車両用座席の前後方向の中間部に前記密部を備えることが好ましい。
【0020】
前記第1クッション体は、複層から成り、上層として三次元網状構造体、上層より下方に位置する層として第2縦型不織布を含み、前記第2縦型不織布は、前記第2クッション体を構成する前記縦型不織布よりも嵩密度が高いことが好ましい。
【0021】
前記第1クッション体は、複層から成り、上層として三次元網状構造体、上層より下方に位置する層として繊維が横方向に配向した不織布を含むことが好ましい。
【0022】
前記第1クッション体は、複層から成り、上層として三次元網状構造体、上層より下方に位置する層としてウレタン発泡体を含むことが好ましい。
【0023】
前記クッション材はマットレスに用いられ、前記第2クッション体には幅方向に延びる疎部と密部とを前記マットレスの長さ方向に繰り返し設ける疎密構造を有し、前記マットレスの中間部に前記密部を備えることが好ましい。
【0024】
前記クッション材はマットレスに用いられ、前記第1クッション体は、表面層、上層、ベース層を含み、前記表面層の嵩密度は、前記上層および前記ベース層よりも高く、前記ベース層の嵩密度は前記上層よりも高いことが好ましい。
【0025】
第2クッション体は、第1クッション体の少なくとも上面を覆うカバーシート内に含まれることが好ましい。
【発明の効果】
【0026】
本発明では、クッション材に使用者が座った時に臀部や大腿部側に位置する部分に縦型不織布が配置され、その下方に三次元網状構造体を備えているため、長期間にわたって利用してもシート上面や前方領域のへたりを抑制することができ、シート全体の通気性を高くできる。また、三次元網状構造体本来が持つバネ性により、臀部等のサポート力が高くなり、疲れにくい。また、クッション材を車両用座席に用いた場合、縦型不織布の前方領域に高密度部を形成することにより、形状保持性および耐久性を高め、座り心地も向上できる。さらに、ウレタンの使用量を削減でき、環境への負担も減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】第1実施形態のクッション体(車両用座席)の斜視図である。
【
図2】第1実施形態のクッション体(車両用座席)のX-X断面図である。
【
図3】第2実施形態のクッション体(車両用座席)のX-X断面図である。
【
図4】第3実施形態のクッション体(車両用座席)のX-X断面図である。
【
図5】第4実施形態のクッション体(マットレス)の長さ方向断面図である。
【
図6】第4実施形態のクッション体(マットレス)の変形例の長さ方向断面図である。
【
図7】第4実施形態のクッション体(マットレス)の使用状態を説明する図である。
【
図8】第5実施形態のクッション体(マットレス)の長さ方向断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1~
図2を参照しながら、本発明の第1実施形態の車両用座席1(クッション材)について説明する。車両用座席1は、第1クッション体である三次元網状構造体2、第1クッション体の上方に積層、配置される第2クッション体である縦型不織布3、およびバネ受け材4を備えている。縦型不織布3は、前方領域において厚みが薄くなる形状を有する。縦型不織布3の下面に形成された溝部32に、溝部32と同形状の三次元網状構造体2が嵌合し、三次元網状構造体2および縦型不織布3の下面に当接するようにバネ受け材4が配置され、布帛や不織布等からなるカバーシート(図示略)により全体が被覆されている。
【0029】
三次元網状構造体2は略直方体の形状であり、溝部32はその外形と略同形状の内形を有する。三次元網状構造体2が縦型不織布3の溝部32に嵌合した状態において、三次元網状構造体2の前後側面、左右側面および上面の全面が縦型不織布3に当接し覆われており、三次元網状構造体2および縦型不織布3の下面は面一となっている。縦型不織布3の厚みは5~150mmが好ましく、三次元網状構造体2の厚みは5~140mmが好ましい。
【0030】
縦型不織布3は、短繊維と熱接着性繊維を含み、繊維は縦型不織布3の厚さ方向に縦に配向されている。「繊維が厚さ方向に縦に配列している」とは、不織布の厚さ方向に対して平行に、縦に配列されている繊維の総本数を(X)とし、不織布の厚さ方向に対して垂直に横に配列されている繊維の総本数を(Y)とするとき、Xの方がYよりも多いことを意味する。また、縦型不織布3を構成する繊維の縦方向/横方向比(X/Y比)が1.5以上であることが好ましく、2.0~8.0がさらに好ましい。縦方向の繊維の総本数(X)と横方向の繊維の総本数(Y)の比率は、縦型不織布3を厚さ方向に切断し、その断面において、厚さ方向に対して平行(0°~45°)に配列されている繊維の本数と、厚さ方向に対して垂直(45~90°)に配列されている繊維の本数を顕微鏡で観察し、それらの比率として算出できる。
【0031】
このような縦型不織布3を得るには従来公知の方法を採用すれば良いが、例えば、短繊維と熱接着性短繊維とを混綿し、ローラーカードにより均一なウェブとして紡出した後、公知の熱処理機を用いて、ウェブをアコーディオン状に折りたたみながら、または折畳んだ状態で、加熱処理し、熱融着による固着点を形成させる方法が例示される。通常ウェブを構成する繊維の大部分はウェブの平面方向に配列しているので、これをアコーディオン形に連続的に折畳み積層することによって、大部分の繊維を厚さ方向に配列させることができる。さらに詳細には、縦型不織布3の製造方法として、ストルート機(登録商標、欧州特許出願公開第0350627号明細書に記載 の不織布製造装置)、或いはエアレイ機(例えば、フェーラー社製、V21/R-K12 ,V21/K12)等によりジグザグ状に襞折りした後に、圧縮、熱処理することにより製造できる。縦型不織布3に用いられる短繊維の繊維長は、30~100mmの範囲内であることが好ましい。また、縦型不織布3は、アコーディオン構造の他、短冊状に短繊維を堆積させる工程を繰り返して得られた繊維構造体であってもよい。
【0032】
本実施形態の縦型不織布3は、不織布ウェブをアコーディオン式に折り畳んだ構造を備える構造体であり、折り畳み方向は、車両用座席1の前後方向になっている。
【0033】
縦型不織布3を構成する短繊維としては、綿、ウール等の天然繊維、カーボン繊維等の無機繊維、ポリオレフィン系やポリエステル系等の合成繊維等が使用できる。熱接着性繊維としては、上記短繊維よりも融点が40度以上低い、合成繊維が好ましい。縦型不織布3の嵩密度は0.005~0.50g/cm3が好ましい。
【0034】
縦型不織布3は、前後方向に粗部と密部を有する疎密構造を備える。具体的には、シート前方側の領域にそれ以外の場所よりも嵩密度の高い、高密度部31を備える。高密度部31の嵩密度は0.01~0.50g/cm3が好ましい。本実施形態においては、三次元網状構造体2の前側面より前方の領域を高密度部31とし、三次元網状構造体2の直上には高密度部31を有していない。高密度部31は、車両用座席1の幅方向に延びている。縦型不織布3の密度は、例えば製造時に繊維シートの折り畳み密度を変えることにより変化させることができる。高密度部31を備えることにより、特に荷重がかかりやすく形状が崩れやすい前方領域の形状保持性を向上し、クッション性も向上できる。高密度部31は、前方だけに限られず、縦型不織布3の左右側面部、後ろ側面部にも備えることも、形状保持性の点から好ましい。また、厚み方向、前後方向、左右方向のいずれか又はそれらの組み合わせにおいて、嵩密度の高い密部と嵩密度の低い疎部が繰り返される粗密構造を有してもよい。
【0035】
車両用座席1の着座面の全面が縦型不織布3により構成されることにより、通気性が良好となり、使用者が長時間座っても蒸れる心配がない。また、縦型不織布3は、繊維が横方向に配列した平面型不織布に比べてバネ性があり座り心地が良く、軽い。また、縦型不織布3は、特に上からの荷重による「へたり」に強く、使用者が着座した時に最も荷重のかかる臀部および足の大腿部の裏が当たる部分に位置しても、耐久性を維持できる。さらに、縦型不織布3は、縦方向に配向された繊維が受圧面に対して垂直であるため、使用者が着座し荷重がかかった際に点で変形し、使用者の身体に沿って変形するため、体圧分散性に優れ、長時間座っても疲れにくい。
【0036】
三次元網状構造体2は、線条の線径(直径)が0.3mm~1.5mmの熱可塑性樹脂からなる連続線条が不規則に部分的に溶着することによりループを形成した構造体である。嵩密度(見掛け密度)は柔らかな高反発性を決める重要な要素であり、必要に応じて設計されるものであるが、好ましくは0.025g/cm3~0.2g/cm3、さらに好ましくは0.04g/cm3~0.09g/cm3である。嵩密度が0.025g/cm3より小さいと形状が保てなくなり、0.20g/cm3を越えると車両用座席としては適さなくなる。
【0037】
三次元網状構造体2の原料となる熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン系熱可塑性樹脂、ポリプロピレン系熱可塑樹脂、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリプロピレン系熱可塑性エラストマー、ポリエチレン系熱可塑性樹脂とポリエチレン系熱可塑エラストマーの混合物、PVC、ポリウレタンエラストマー、ナイロン系エラストマー、ポリスチレンエラストマー等を含むことが好ましい。
【0038】
本発明に用いる三次元網状構造体2の詳細な製造方法は日本国特許第4350286号、U.S.Patent No.7,625,629等、特許出願人の公報を参照されたい。
【0039】
三次元網状構造体2は、シートの前後方向に比較的高い嵩密度δ1を有する密部21と低い嵩密度δ2を有する疎部22が交互に繰り返される粗密構造を有している。本実施形態では、シート前後方向の中間部に、幅方向に延びる密部21が形成され、密部21の前方および後方に疎部22が形成されている。特に、密部21の嵩密度は0.03~0.10g/cm3、疎部の嵩密度は0.01~0.08g/cm3が好ましい。特に荷重のかかる領域に密部21を備えることによって、クッション性、耐久性、座り心地を向上している。この粗密構造は、三次元網状構造体2の製造時の押出方向をシート前後方向とし、ローラー又はキャタピラの速度を可変とすることによって形成することができる。
【0040】
変形例として、三次元網状構造体2はさらに厚み方向、左右方向にも、疎密構造を有してもよい。また、例えば4面成形とすることにより、上面、下面、左右側面に内部よりも嵩密度の高い表面層を有してもよい。
【0041】
次にバネ受け材4について説明する。バネ受け材4は、車両用座席1の下方に配置されるシートフレーム内にある棒状のバネが車両用座席1に食い込まないようにする役割を果たす。
【0042】
本実施形態においては、バネ受け材4は、線条の線径(直径)が0.3mm~1.5mmの熱可塑性樹脂の連続線条が不規則に部分的に溶着することによりループを形成した三次元網状構造体であるが、第1クッション材としての三次元網状構造体2の嵩密度δ1、δ2よりも高い嵩密度δ3を有し、比較的硬いクッションである。バネ受け材4は、嵩密度が0.5~0.01g/cm3、厚みが0.5~25mmであることが好ましい。バネ受け材4の硬さは、繊度、嵩密度、原料、構造を変更することによって調整することができる。
【0043】
バネ受け材4の原料となる熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン系熱可塑性樹脂、ポリプロピレン系熱可塑樹脂、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリプロピレン系熱可塑性エラストマー、ポリエチレン系熱可塑性樹脂とポリエチレン系熱可塑エラストマーの混合物、PVC、ポリウレタンエラストマー、ナイロン系エラストマー、ポリスチレンエラストマー等を含むことが好ましい。
【0044】
バネ受け材4は後述する引張試験において、製造時の押出方向における最大荷重(最大耐力)が9.8~294.2N、好ましくは19.6~294.2Nであることが好ましい。引張試験における最大荷重が19.6Nより小さいと、圧縮時に繊維同士の融着がはがれる可能性がある。上記押出方向における最大荷重は繊度、嵩密度、原料、構造に影響される。
【0045】
上記引張試験は、以下のように行われる。
三次元網状構造体の製品から10cm(縦:押出方向)×10cm(幅)に切断したものを試験片とし、試験片上端を固定し、試験片幅方向中央部の下端から4cm上方の位置に直径5mm、R20のフックをかけ、下方へ引っ張ることにより最大荷重を測定する。
【0046】
本発明に用いるバネ受け材4の詳細な製造方法は、基本的には三次元網状構造体2と同様である。
【0047】
三次元網状構造体2の左右の幅cは100~2000mm、奥行きbは200~700mmが好ましい。縦型不織布3の幅aは300~2000mm、奥行きdは300~800mmが好ましい。
【0048】
バネ受け材4は、上述の三次元網状構造体の他、フェルトや不織布なども採用できる。
【0049】
本実施形態においては、車両用座席1は、縦型不織布3の裏面に溝部32が形成されるように成形し、溝部32に、三次元網状構造体2をはめ込み、バネ受け材4を積層しカバーシート(図示略)で覆うことにより、製造される。三次元網状構造体2、縦型不織布3、バネ受け材4は、接着せずに嵌合、積層したままカバーシートで覆ってもよいが、熱による融着、面ファスナー、ホットメルトなどの接着剤等により、それぞれ互いに接合することもできる。
【0050】
三次元網状構造体2、縦型不織布3は、いずれも、限界酸素指数(L.O.I値)が28以上のものが好ましい。また、カバーシートは、難燃繊維からなることが好ましく、電車用の座席に用いる場合は、限界酸素指数(L.O.I値)が28以上のものが好ましい。難燃繊維としては、炭素繊維や耐炎火繊維等、公知のものが採用される。
【0051】
本発明では、縦型不織布3が表面側(人体側)に配置されることにより、抗へたり性、耐久性、触感を向上し、その下面に三次元網状構造体2が配置されることにより、クッション性、座り心地を向上している。
【0052】
三次元網状構造体2の密部21および疎部22の25%圧縮硬さは、縦型不織布3よりも高い。25%圧縮硬さは、JIS K6400-2により測定される。具体的には、三次元網状構造体の密部21の25%圧縮硬さは80~180N、疎部22の25%圧縮硬さは40~130N、縦型不織布3(高密度部31を除く)の25%圧縮硬さは25~100Nが好ましい。縦型不織布3の硬さを100N以下とすることによって、着座した時の柔らかな触感を得ることができ、25N以上とすることによって、沈み込みが大きくなるのを防ぐ。本実施形態では、縦型不織布3および三次元網状構造体2が熱可塑性弾性樹脂で構成されているので、外部から与えられた振動の大部分を熱可塑性弾性樹脂の振動吸収機能で吸収、減衰して振動遮断層として働く。
【0053】
次に、
図3(a)~(c)を参照して本発明の第2実施形態の車両用座席101(クッション材)について説明する。車両用座席101は基本的には車両用座席1と同様の構成を備えるので、共通する説明は第1実施形態の図示及び記載を援用するとともに、相違点を説明する。各要素に付す符号は実施形態1の対応番号を100番台とする。
【0054】
第1実施形態では、第1クッション体は三次元網状構造体の単層により構成されていたが、第2実施形態では、第1クッション体は上層121と下層122の2層で構成されている。上層121は三次元網状構造体から成り、下層122にはとしては、繊維が横方向(平面方向)に配向した不織布、縦型不織布、発泡ウレタン、およびその他のクッション材が使用できる。さらに下層や中間層を設けることによって、3層、4層などの複層とすることもできる。以下に説明する下層122の各例において、厚み方向、前後方向、左右方向に粗密構造を有することも好ましい。
【0055】
図3(a)は、第1クッション体102を構成する上層121は三次元網状構造体から構成され、下層122は繊維が横方向(平面方向)に配向した不織布である。これにより、耐久性を高くすることができる。
【0056】
図3(b)では、第1クッション体102を構成する上層121は三次元網状構造体から構成され、下層122が縦型不織布から構成される。下層122に用いられる縦型不織布は、第2クッション体として用いられる縦型不織布103よりも嵩密度が高く、硬い不織布である。縦型不織布103は、25%圧縮硬度が25~100N、密度25~80g/cm
3が好ましく、下層122は、25%圧縮硬度が40~140N、密度40~100g/cm
3好ましい。これにより、バネ性を高くし、座り心地も良好となる。なお、25%圧縮硬度は、JISK6400-2により測定される。25%圧縮硬度は、不織布を構成する材料、嵩密度、繊度を変更することによって調整できる。
【0057】
図3(c)は、上層121は三次元網状構造体であり、下層122はウレタン発泡体である。ウレタン発泡体を用いることにより、高い耐久性を得られる。
【0058】
次に、
図4を参照して本発明の第3実施形態の車両用座席201について説明する。車両用座席201は基本的には車両用座席1と同様の構成を備えるので、共通する説明は第1実施形態の図示及び記載を援用するとともに、相違点を説明する。各要素に付す符号は実施形態1の対応番号を200番台とする。
【0059】
第1実施形態の車両用座席では、第1クッション体である三次元網状構造体2が、第2クッション体である縦型不織布3の裏面の溝部32に嵌合されていたが、第2実施形態の車両用座席では、三次元網状構造体202の上に、下面が略平面形状の縦型不織布203が積層され、バネ受け材204とともにカバーシート(図示略)に覆われた構成である。縦型不織布203の前方領域であり厚みが薄くなる部分には高密度部231が形成され、三次元網状構造体202には、前後方向に疎部222と密部221を有する粗密構造が形成され、中間部に密部221が形成されている。
【0060】
次に、
図5~7を参照して本発明の第4実施形態のクッション材としてのマットレス301について説明する。
第1~3実施形態においては、クッション材は車両用座席として用いられたが、本実施形態においては、マットレスとして用いられる。マットレス301は基本的には車両用座席1と同様の構成を備えるので、共通する説明は第1実施形態の図示及び記載を援用するとともに、相違点を説明する。各要素に付す符号は実施形態1の対応番号を300番台とする。
【0061】
マットレス301は、
図7に示すように、例えばトラック8の運転室内の後部に設置してあるベッドに用いられるマットレスである。マットレス301には、公知のように、運転手等が車中で仮眠をとったり、座席81の間の後方で運転助手が座ることができる。
【0062】
図5は、マットレス301の長さ方向の断面図である。マットレス301は、三次元網状構造体302から成る第1クッション体と、三次元網状構造体302の上面を覆う縦型不織布303から成る第2クッション体を備える。第2クッション体としての縦型不織布303は、全体として嵩密度が0.005~0.50g/cm
3であり、長さ方向に幅方向に延びる疎部と密部とを前後方向に繰り返し設ける粗密構造を備え、中央部が高密度部331となり、その両側に中密度部333を有する。
【0063】
第1クッション体としての三次元網状構造体302も、長さ方向に幅方向に延びる疎部と密部とを前後方向に繰り返し設ける粗密構造を備える。中央部が密部321となり、その両側が疎部322となる。第1クッション体は全体として嵩密度は0.03~0.80g/cm3である。高密度部331の下面に当接するよう密部321が存在する。上述のように、マットレス301の中央には、運転助手が座ることがあるが、長さ方向の中央部に高密度部331を有するため、耐久性が高くなる。また、運転手等の睡眠時には寝心地がよいという利点がある。三次元網状構造体302と縦型不織布303の積層体は、布帛や不織布等からなるカバーシート(図示略)により全体、または上面および側面が被覆されている。三次元網状構造体302と縦型不織布303の積層体は、互いに接着せずに積層したままカバーシートで覆ってもよいし、熱による融着、面ファスナー、ホットメルトなどの接着剤等により、それぞれ互いに接合してもよい。
【0064】
図6は、マットレス301の変形例を示す、長さ方向の断面図である。マットレス301は、三次元網状構造体302から成る第1クッション体と、縦型不織布303から成る第2クッション体を備え、三次元網状構造体302は、表面から、表面層323、上層324、ベース層325を備える。表面層323は約2mmの薄い高密度層であり、嵩密度は0.045~0.80g/cm
3である。ベース層325は表面層323よりも嵩密度が低く、嵩密度は0.040~0.70g/cm
3である。上層324は、表面層323およびベース層325よりも嵩密度が低く、嵩密度0.040~0.70g/cm
3である。
【0065】
次に、
図8を参照して本発明の第5実施形態のクッション材としてのマットレス401について説明する。マットレス401は基本的にはマットレス301と同様の構成を備えるので、共通する説明は第4実施形態の図示及び記載を援用するとともに、相違点を説明する。各要素に付す符号は実施形態4の対応番号を400番台とする。第4実施形態では、三次元網状構造体302と縦型不織布303の積層体がカバーシートにより覆われているのに対し、本実施形態では、三次元網状構造体402を覆うカバーシート405内に、縦型不織布403が含まれている。縦型不織布403は、三次元網状構造体402よりも薄い。カバーシート405内に縦型不織布403を入れ、キルティング加工により、固定されることが好ましい。
【0066】
本実施形態では、縦型不織布403および三次元網状構造体402は全体として均一な嵩密度であるが、第4実施形態と同様に、長さ方向の中央部に高密度部を有したり、三次元網状構造体402が厚み方向においてそれぞれ嵩密度が異なる、表面層、上層、ベース層を有することも好ましい。本実施形態によれば、三次元網状構造体402にカバーシートを取り付けるだけでよいため、製造が容易になる等のメリットがある。また、第1~3実施形態の車両用座席においても、本実施形態のようにカバーシート内に縦型不織布を固定することも好ましい。
【符号の説明】
【0067】
1、101、201・・・車両用座席
301、401・・・マットレス
2、202、302、402・・・三次元網状構造体(第1クッション体)
102・・・第1クッション体
21、221、321・・密部
22、222、322・・疎部
3、103、203、303、403・・・縦型不織布(第2クッション体)
31、231、331・・・高密度部
333・・・中密度部
323・・・表面層
324・・・上層
325・・・ベース層
32・・・溝部
4、104、204・・・バネ受け材
121・・・第1クッション体の上層
122・・・第1クッション体の下層
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