(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-27
(45)【発行日】2024-10-07
(54)【発明の名称】情報処理方法、プログラム及び情報処理システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/10 20230101AFI20240930BHJP
【FI】
G06Q10/10
(21)【出願番号】P 2024105247
(22)【出願日】2024-06-28
(62)【分割の表示】P 2024061353の分割
【原出願日】2024-04-05
【審査請求日】2024-06-28
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】524093519
【氏名又は名称】Rendering Consulting株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004174
【氏名又は名称】弁理士法人エピファニー特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】菊地 孝行
【審査官】樋口 龍弥
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2018-0119501(KR,A)
【文献】韓国公開特許第10-2020-0118563(KR,A)
【文献】井上 香緒里,実例で学ぶ! オフィス2010講座,日経PC21,日本,日経BP社,2015年12月24日,第21巻 第2号,p.110-115
【文献】Excelを最強のデータベース入力&帳票出力(差し込み印刷)&データ纏め画面に?!,日本,[online],2015年02月07日,[検索日:2024.05.10]、インターネット:<URL:http://superdbtool.com/blog/archives/698>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータ・ソフトウェアが実行する情報処理方法であって、
第1取得ステップと、特定ステップと、表示ステップと、第2取得ステップとを備え、
前記第1取得ステップでは、確認デー
タを取得し、
前記確認データは、確認事項データ
を有し、
前記確認事項データは、予め定められた事項を回答者に確認する内容を含み、
前記確認データは、回答データを有しておらず、
前記回答データは、前記確認事項データに対する前記回答者の回答を含み、
前記特定ステップでは、前記確認データにおける領域を特定し、
前記領域は、前記確認事項データが入力されており、
前記表示ステップでは、表示部に第1表示画像を表示させ、
前記第1表示画像には、前記特定ステップで特定された前記領域のセルが表示され、
前記第2取得ステッ
プは、
前記第1取得ステップの後に前記第1取得ステップとは独立して実行され、且つ、前記第2取得ステップでは、前記回答データを取得
する、情報処理方法。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理方法であって、
前記第1表示画像には、前記領域であること、を再特定するためのオブジェクトが更に表示される、情報処理方法。
【請求項3】
請求項2に記載の情報処理方法であって、
再特定ステップを更に備え、
前記再特定ステップでは、前記第1表示画像の前記オブジェクトの選択内容に基づいて、前記領域を再特定する、情報処理方法。
【請求項4】
請求項1~請求項3の何れか1つに記載の情報処理方法であって、
前記確認事項データは、前記予め定められた事項の内容に対する回答の入力方法を示した入力方法教示データを有し、
前記入力方法教示データは、有無を回答すること、及び、少なくとも数字を記入すること、のうちの少なくとも1つが含まれる、情報処理方法。
【請求項5】
請求項1~請求項3の何れか1つに記載の情報処理方法であって、
前記確認事項データにおける予め定められた事項を確認する内容は、前記回答者の情報セキュリティに関する内容が含まれる、情報処理方法。
【請求項6】
請求項1~請求項3の何れか1つに記載の情報処理方法であって、
前記情報処理方法は、前記回答者の監査のために用いられる、情報処理方法。
【請求項7】
コンピュータに、請求項1~請求項3の何れか1つに記載の情報処理方法を実行させるプログラム。
【請求項8】
請求項1~請求項3の何れか1つに記載の情報処理方法の各ステップを実行する少なくとも1つの情報処理装置を備える、情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理方法、プログラム及び情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、予め定められたガイドライン文章に基づいてチェックリストを自動的に生成する技術が開示されている。チェックリストには、例えば、例えば、委託元が委託先へ確認するためのセキュリティ等に関連する事項が含まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、チェックリストが監査等で用いられる場合において、確認するべき項目は、企業(委託先)ごとに異なることが想定され得る。管理する企業が増えるごとに、チェックリストの数・種類が増大していき、データ管理が煩雑になる懸念がある。
【0005】
本発明は、データ管理の負担を抑制することができる、情報処理方法、プログラム及び情報処理システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、コンピュータ・ソフトウェアが実行する情報処理方法であって、第1取得ステップと、特定ステップと、表示ステップと、第2取得ステップとを備え、前記第1取得ステップでは、確認データを取得し、前記確認データは、確認事項データのセルを有し、前記確認事項データは、予め定められた事項を回答者に確認する内容を含み、前記特定ステップでは、前記確認データにおける領域を特定し、前記領域は、前記確認事項データが入力されており、前記表示ステップでは、表示部に第1表示画像を表示させ、前記第1表示画像には、前記特定ステップで特定された前記領域のセルが表示され、前記第2取得ステップでは、回答データを取得し、前記回答データは、前記確認事項データに対する前記回答者の回答を含む、情報処理方法が提供される。
【0007】
本発明によれば、確認データを取得して確認事項データに係る領域を特定することができ、当該特定した領域のデータをデータベース化しやすくなり、データ管理の負担を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態に係る情報処理方法を実行する情報処理システム100の概要構成例図である。
【
図2】
図2は、
図1に示す情報処理装置10の機能ブロックの一例を示している。
【
図3】
図3Aは、
図1に示す委託元端末20の機能ブロックの一例を示し、
図3Bは、
図1に示す委託先端末30の機能ブロックの一例を示している。
【
図4】
図4は、
図2に示す情報処理装置10の制御部12の機能ブロックの一例を示している。
【
図5】
図5は、委託先と委託先との間でやりとりされる確認データd1の一例を模式的に示している。
【
図6】
図6は、
図5に示す確認データd1のセルc2に回答データe2が入力されることで得られる回答済確認データd2の一例を模式的に示している。
【
図7】
図7は、
図5に示す確認データd1が情報処理装置10に取り込まれた後に、情報処理装置10でデータ処理された確認データd1の内容をユーザ側(委託元)の表示部に表示するための表示画像ds1の一例を模式的に示している。
【
図8】
図8は、
図7の表示画像ds1にオブジェクトоb1が重畳された表示画像ds2の一例を模式的に示している。
図8は、第1領域Rg1又は第2領域Rg2を再特定するときに表示される表示画像である。
【
図9】
図9は、データベース化された複数の委託先のデータが示された管理画像ds3を模式的に示している。
【
図10】
図10Aは、実施形態に係る情報処理方法における領域特定のフローの一例を示し、
図10Bは、実施形態に係る情報処理方法における管理データを表示するフローの一例を示している。
【
図12】
図12は、実施形態の変形例2に係る表示画像ds1を示している。
【
図13】
図13は、実施形態の変形例3に係る表示画像ds1の一例を示している。
【
図14】
図14は、実施形態の変形例3に係る表示画像ds2の一例を示している。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。また、各特徴事項について独立して発明が成立する。
【0010】
1.実施形態の構成の説明
図1に示すように、実施形態に係る情報処理方法を実行する情報処理システム100は、情報処理装置10と、委託元端末20と、委託先端末30とを備える。なお、情報処理システム100に例示されるシステムは、1つ又はそれ以上の装置又は構成要素からなるものである。したがって、情報処理装置10単体であっても情報処理システム100に例示されるシステムに含まれ得る。
【0011】
委託元端末20は、例えば、委託先へ業務を委託する側の者が使用する端末であり、また、委託先端末30は、例えば、委託元から業務を委託される側の者が使用する端末である。実施形態は、委託元端末20を使用する者と委託先端末30を使用する者とは、例えば、委託関係にある場合に好適である。なお、ここでは、委託関係がある場合に好適であることを説明したが必ずしもこれに限定されるものではなく、実施形態は、もちろん、委託関係が成立する前の状態に適用してもよい。また、実施形態は、委託元端末20と委託先端末30とは、共通の内部ネットワーク(社内ネットワーク)内で通信可能に接続されるのではなく、例えば外部ネットワーク(例えば、インターネット等)を介して通信可能に接続される形態において好適である。
【0012】
図2に示すように、情報処理装置10は、通信部11と、制御部12と、記憶部13と、出力部14と、入力部15とを備え、これらが情報処理装置10の通信バス16を介して電気的に接続されている。また、
図4に示すように、制御部12は、受付部121と、確認データ取得部122と、特定部123と、生成部124と、表示制御部125と、検索部126とを有する。
図3Aに示すように、委託元端末20は、通信部21と、制御部22と、記憶部23と、出力部24と、入力部25とを備え、これらが委託元端末20の通信バス26を介して電気的に接続されている。また、
図3Bに示すように、委託先端末30は、通信部31と、制御部32と、記憶部33と、出力部34と、入力部35とを備え、これらが委託先端末30の通信バス36を介して電気的に接続されている。
【0013】
上記の情報処理装置10、委託元端末20及び委託先端末30の各構成要素は、ソフトウェアによって実現してもよく、ハードウェアによって実現してもよい。ソフトウェアによって実現する場合、CPUがコンピュータプログラムを実行することによって各種機能を実現することができる。プログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体に格納してもよいし、外部サーバーからダウンロード可能に提供されてもよいし、また、外部の記憶部に格納されたプログラムを読み出して機能を実現するいわゆるクラウドコンピューティングにより実現してもよい。ハードウェアによって実現する場合、ASIC、FPGA、又はDRPなどの種々の回路によって実現することができる。実施形態においては、様々な情報やこれを包含する概念を取り扱うが、これらは、0又は1で構成される2進数のビット集合体として信号値の高低又は量子ビットによって表され、上記のソフトウェア又はハードウェアの態様によって通信や演算が実行され得るものである。なお、ソフトウェアは、汎用ОSであってもよいし、専用ОSであってもよい。
【0014】
1-1.情報処理装置10
図2及び
図4を参照して情報処理装置10の各構成要素についてさらに説明する。
情報処理装置10は、委託元端末20と委託先端末30との間でやりとりされるデータ(例えば、
図5に示す確認データd1)を格納可能な、サーバーとしての機能を有する情報処理装置である。
【0015】
通信部11は、USB、IEEE1394、Thunderbolt(登録商標)、有線LANネットワーク通信等といった有線型の通信手段が好ましいものの、無線LANネットワーク通信、3G/LTE/5G等のモバイル通信、Bluetooth(登録商標)通信等を必要に応じて含めてもよい。通信部11は、ここで一例として説明した手段を単数で、又は、これらの複数の手段を複数組み合わせて実施することができる。情報処理装置10は、通信部11及び通信ネットワークを介して、委託元端末20及び委託先端末30に接続される。
【0016】
制御部12は、情報処理装置10に関連する全体動作の処理・制御を行う。制御部12は、例えば不図示の中央処理装置(Central Processing Unit:CPU)である。換言すると、制御部12は、後述する各ステップを実行させるプログラムを実行可能なプロセッサで構成することができる。制御部12は、記憶部13に記憶された予め定められたプログラムを読み出すことによって、情報処理装置10に係る種々の機能を実現する。すなわち、記憶部13に記憶されているソフトウェアによる情報処理が、ハードウェアの一例である制御部12によって具体的に実現されることで、制御部12に含まれる各機能部として実行される。なお、情報処理装置10は、単一の制御部12を有する形態に限定されるものではなく、例えば、機能ごとに複数の制御部12を有するような形態であってもよいし、これらの形態の組合せであってもよい。
【0017】
記憶部13は、様々なデータを記憶するように構成される。例えば、制御部12によって実行される情報処理装置10に係る種々のプログラム等を記憶するソリッドステートドライブ(Solid State Drive:SSD)等のストレージデバイスとして、あるいは、プログラムの演算に係る一時的に必要な情報(引数、配列等)を記憶するランダムアクセスメモリ(Random Access Memory:RAM)等のメモリとして実施され得る。
【0018】
出力部14は、例えば、情報処理装置10の表示部で構成することができる。この表示部は、例えば、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、電子ペーパー、有機ELディスプレイ及びプラズマディスプレイ等の各種のディスプレイを用いることができる。また、出力部14は、点灯可能なライトやプロジェクターといった表示デバイスを採用することもできる。出力部14は、例えば、情報処理装置10の筐体に設けられていてもよいし、外付けされてもよい。出力部14は、ユーザが操作可能なグラフィカルユーザインターフェース(GUI)の画面を表示する。なお、情報処理装置10において、出力部14を備えるか否かは任意である。例えば、情報処理装置10の出力が情報処理装置10の設置された場所とは独立した離れた場所にある表示部に表示されてもよい。また、出力部14は、表示部に限定されるものではなく、音声で出力するデバイス(音声出力部)を有していてもよい。
【0019】
入力部15は、情報処理装置10の筐体に設けられていてもよいし、外付けされるものであってもよい。例えば、入力部15は、情報処理装置10における出力部14(表示部)と一体となってタッチパネルとして実施されてもよい。タッチパネルであれば、ユーザは、タップ操作、スワイプ操作等によってデータを入力することができる。タッチパネルに代えて、スイッチボタン、マウス、QWERTYキーボード等を採用してもよい。すなわち、入力部15がユーザによってなされた操作入力を受け付ける。当該入力が命令信号として、通信バス16を介して制御部12に転送され、制御部12が必要に応じて例えば予め定められた制御及び演算等を実行する。
【0020】
1-2.委託元端末20及び委託先端末30
委託元端末20及び委託先端末30は、情報処理装置であり、実施形態の一例において、情報処理装置10にデータのやりとりが可能なように通信可能に構成されている。
なお、
図1において、情報処理システム100には、委託元端末20が1つあり、この委託元端末20に対して通信可能な複数の委託先端末30(
図1の委託先端末30a,30b,30c・・・)がデータのやりとりをするものとして説明しているが、これに限定されるものではない。委託元端末20は複数あってもよいし、また、1つの委託元端末20に対してデータのやりとりをする委託先端末30は1つであってもよい。
【0021】
図3A及び
図3Bに示す通信部21,31、制御部22,32、記憶部23,33、出力部24,34、入力部25,35の構成(機能)については、上記で説明した通信部11、制御部12、記憶部13、出力部14、入力部15と基本的には同様であるため説明を省略する。
【0022】
2.情報処理装置10の制御部12の機能構成
本実施形態の制御部12の機能構成について、
図4を参照して説明する。情報処理装置10の記憶部13に記憶されているソフトウェアによる情報処理がハードウェアの一例である制御部12によって具体的に実現されることで、制御部12に含まれる各機能部の処理が実行され得る。
【0023】
受付部121は、種々のデータを受け付けるように構成される。受付部121が受け付ける種々のデータは、例えば、情報処理装置10にアクセスする者のID等の基本データや、後述する各種のステップにおける指示データ等が含まれる。受付部121は、例えば、通信部11等を介してデータを受け付け、これを作業メモリに読出可能に構成される。
【0024】
確認データ取得部122は、確認データd1や回答済確認データd2を取得するように構成される。ここで、確認データ取得部122の取得機能は、同様のデータを受けとる機能のみであってもよいし、受け取ったデータから各種の処理をすることで所望のデータを生成する機能のみであってもよいし、これらの両方の機能であってもよい。
【0025】
特定部123は、種々のデータを特定するように構成される。実施形態では、特定部123は、後述する第1領域Rg1のセルの範囲及び第2領域Rg2のセルの範囲を特定するように構成される。
【0026】
生成部124は、通信部11や記憶部13を介して得られるデータに基づいて、種々の表示画像を生成するように構成される。
【0027】
表示制御部125は、生成部124で生成された表示画像(表示画像データ)を種々の端末に表示させるように構成される。
【0028】
検索部126は、記憶部13に格納されているデータを参照し、受付部121で受け付けた検索ワードが記憶部13に格納されているデータと合致する又は類似する場合、そのデータを検索結果として出力するように構成される。
【0029】
3.情報処理方法(情報処理システム100の動作)の説明
本節では、情報処理方法で用いられるデータや情報処理方法のフローについて説明する。
【0030】
3-1.情報処理方法で用いられるデータの概要
(確認データd1)
図5に示すように、確認データd1は、グリッド形式の構成である。グリッド形式のデータは、行方向及び列方向に複数配置されたデータセルを有するデータである。グリッド形式のデータであれば、確認データd1を生成するために用いるアプリケーションは限定されるものではないが、実施形態は、マイクロソフトのエクセルを用いることが好適である。
【0031】
実施形態の一例では、確認データd1は、確認事項データe1のセルc1と、確認事項データe1と対をなす回答データe2(
図6参照)のセルc2とが行方向Ar1(予め定められた方向の一例)に並ぶ構成である。なお、実施形態において、行方向Ar1は、換言すると、左右方向(横方向)である。また、行方向Ar1に直交する方向である列方向Ar2は、換言すると、上下方向(縦方向)である。
実施形態の一例では、確認データd1は、回答が入力されていない状態のデータである。確認データd1が情報処理装置10に予め格納されることで、情報処理装置10によって領域(確認事項や回答事項が入力された領域)の判別処理が適切(より正確に)に実行されることになる。
【0032】
確認事項データe1は、委託元が委託先へ予め定められた事項を確認する内容を含む。確認事項データe1の内容は、委託元が決定することができる。実施形態に係る情報処理方法は、委託先の監査のために用いることができる。具体的には、確認事項データe1の内容は、例えば、委託元に対応する任意の組織又は個人(以下組織等とも称する)が、当該任意の組織等とは別の組織等(委託先)に対する監査をするための内容が含まれている、又は、当該内容のみからなることが好適である。なお、実施形態は、監査に限定されるものではなく、別の組織又は個人(委託先)に対する評価、調査及び確認等といったことにも用いることができる。
【0033】
実施形態の一例において、確認事項データe1における予め定められた事項を確認する内容e11は、委託先の情報セキュリティに関する内容が含まれる、ことが好ましい。これにより、例えば、組織等の監査や評価等に場面において、情報セキュリティに関するデータをデータベース化することが可能である
また、実施形態の一例において、確認事項データe1は、予め定められた事項の内容に対する回答の入力方法を示した入力方法教示データe12を有することが好ましい。入力方法教示データe12は、有無を回答すること、及び、少なくとも数字を記入すること、のうちの少なくとも1つが含まれる。これにより、回答をする者(委託先)は、何を入力するべきかを適切且つすみやかに把握することができ、委託先から委託元へ入力事項の質問等が低減し、また、誤った事項が入力されることも低減し、両者間のやりとりの負担を抑制することが可能である。なお、入力方法教示データe12の種別は、
図5において、「単位」となっているがこれは便宜的な説明であり、この「単位」という文言を用いなければならないというわけではなく、任意に設定することが可能である。
【0034】
なお、確認事項データe1の種別としては、
図5に示すように、ナンバー(No.)、種別、項目、内容(予め定められた事項を確認する内容e11に対応)、及び単位(入力方法教示データe12に対応)が一例として示されているが、これらはあくまで一例である。これらの種別は、適宜、変更することができ、また、省略することもできる。例えば、ナンバー、種別、項目及び単位といった種別は、必ずしも必要ではなく、省略してもよく、委託元が適宜、決定することができる。
【0035】
(回答済確認データd2)
図6に示すように、回答済確認データd2は、確認データd1と同様に、グリッド形式の構成である。回答済確認データd2は、回答データのセルc2に回答(回答データe2)が入力された確認データd1である。つまり、実施形態では、確認データd1と回答済確認データd2との相違は、回答データe2が入力されているか否かである。回答データe2は、確認事項データe1にする委託先の回答を含む。回答データe2の入力例は、
図6に示す通りである。
【0036】
3-2.情報処理のフロー
実施形態に係る情報処理方法について、
図10A及び
図10B等を参照して説明する。
なお、情報処理システム100は、以下で説明する情報処理方法の各ステップが実行する少なくとも1つの情報処理装置(実施形態では情報処理装置10、委託元端末20及び委託先端末30)を備える。また、情報処理システム100は、少なくとも1つのコンピュータに、実施形態に係る情報処理方法を実行させるプログラム、を格納しており、当該プログラムを実行可能である。このプログラムは、例えば、情報処理装置10の記憶部13等に格納することができる。なお、以下の説明において、処理(ステップ)の順番は適宜入れ替えることができ、複数の処理が同時に実行されてもよいし、一部の処理が省略されてもよい。
【0037】
3-2-1.領域特定のフロー
実施形態に係る情報処理方法は、領域特定のフローと、管理データを表示するフローとの2つに分けることができる。まず、
図10Aを参照して領域特定のフローについて説明する。
【0038】
委託元の作業者は、例えば、監査であれば各種省庁等から発行される予め定められたガイドラインに基づいて、委託先に対してチェックが必要な種別やその内容を選定する。そして、実施形態の一例において、委託元の作業者は、
図5に示すような確認データd1を予め作成している。
【0039】
(ステップS001:確認データ送信)
委託元端末20は、情報処理装置10及び委託先端末30へ、確認データd1を送信する。この確認データd1は、回答データe2に係るセルc2が空欄となっている。つまり、確認データd1自体は、委託元のみで作成し得るデータである。
【0040】
(ステップS002:委託先における確認データ取得)
委託先端末30は、確認データd1を取得する(受け付ける)。委託先の作業者は、このデータを取得して、開くことで、確認事項データe1を把握することができ、委託元から回答として求められていることを理解することができる。
【0041】
(ステップS003:情報処理装置における確認データ取得)
情報処理装置10の確認データ取得部122は、確認データd1を取得する(受け付ける)。ここで、確認データ取得部122における取得は、確認データd1そのものを取得する(受け付ける)のみを意味してもよい。また、確認データ取得部122の取得は、確認データd1に対して予め定められた前処理をし、前処理済みの確認データを取得することを意味してもよい。なお、前処理とは、例えば、後述するステップS004において、領域特定がしやすいように、例えばデータを調整(例えば、変更・選別・整理等)する処理である。つまり、確認データd1は、入力されたデータそのものと同じではなく所定の処理を経て取得(生成)されるものであってもよい。
なお、変更は、ある情報を解析して別の内容の情報を得るといった処理を含み得る。
また、選別は、不要な情報を削除し、必要な情報を抽出するといった処理を含み得る。
また、整理は、複数ある情報の順番を変更するといった処理を含み得る。
【0042】
本ステップS003が、第1取得ステップの一例である。
【0043】
(ステップS004:領域特定)
情報処理装置10の特定部123は、ステップS003で取得した確認データd1に基づいて、確認データにおける第1領域Rg1及び第2領域Rg2を特定する。
【0044】
ここで、第1領域Rg1は、確認事項データe1が入力される領域である。第1領域Rg1には、確認事項データe1が入力可能な複数のセルc1を有する。実施形態では、確認事項データe1が複数の種別を有するため、セルc1は、行方向Ar1に複数並ぶように配置されており、また、列方向Ar2にも複数並ぶように配置されている。
第2領域Rg2は、第1領域Rg1に対して行方向Ar1に並ぶ領域である。また、第2領域Rg2は、回答データe2が入力される領域である。つまり、第2領域Rg2には、回答データe2が入力可能な複数のセルc2を有する。複数のセルc2は、列方向Ar2に複数並ぶように配置されている。セルc2は、確認事項データe1のセルc1に対して対応関係にある。1つ(実施形態のように複数の種別が有る場合には1組と称することもできる)の確認事項データe1は、対応する1つの回答データe2に関連付けられる。確認事項データe1は、この関連付けられる回答データe2に対して、行方向Ar1(左側)に隣接して配置される。セルc2の数(列方向Ar2の数)は、セルc1の数(列方向Ar2の数)と同じである。
【0045】
特定部123が、確認データd1において、第1領域Rg1及び第2領域Rg2を特定する方法(アルゴリズム)については種々の方法を用いることが可能である。
第1領域Rg1に関して、特定部123は、例えば、空欄以外の情報が既に記入されている領域を第1領域Rg1と特定することができる。
図5に示すように、実施形態の一例では、行方向Ar1に並ぶセルc1に対し、ナンバー、種別、項目、内容、単位といった各種別についてそれぞれの入力がなされており、加えて、これが列方向Ar2にも同様に入力されている。このように、特定部123は、行方向Ar1及び列方向Ar2に延びる矩形状の領域(矩形範囲の複数のセル)を第1領域Rg1と特定することができる。
【0046】
なお、特定部123は、情報を有するセルを第1領域Rg1から除くように構成されていてもよい。つまり、データが入力されているセルのうち、一番上の列のセルの情報(No.等が入力されるセル等)については、不要である場合には、データが入力されているセルのうち一番上の列のものは第1領域Rg1から除外するようにしてもよい。実施形態の一例では、特定部123はこのような機能も備える。
【0047】
確認データd1の回答データe2のセルc2は、本ステップにおいて第2領域Rg2であることが特定されるように、予め定められたデータとなっている。実施形態では、確認データd1の回答データe2の予め定められたデータは、空欄である。具体的には、第2領域Rg2に関して、特定部123は、任意のセルの左隣のセルに何らかの情報が入力されており、且つ、当該任意のセルが空欄となっている場合、そのセルを第2領域Rg2と特定することができる。
図5に示す一例では、第2領域Rg2のうち一番上のセルc2は、左隣のセルに情報が入力されており(ここでは、入力方法教示データe12の「時間帯」)、そのセルc2自体は、空欄となっているので、この座標のセルは第2領域Rg2として特定されることになる。その他のセルも同様にして第2領域Rg2であるか否かが特定される。
【0048】
また、特定部123は、第1領域Rg1を任意のアルゴリズムに基づいて特定した場合、その右隣のセルが第2領域Rg2であると自動的に特定するようにしてもよい。
【0049】
なお、第1領域Rg1は、分離した(独立した)複数の領域から構成されていてもよい。対応して、第2領域Rg2も、分離した(独立した)複数の領域から構成されていてもよい。
【0050】
本ステップS004が、特定ステップの一例である。
【0051】
(ステップS005:領域等の表示)
情報処理装置10の生成部124は、
図7に示すように、委託元端末20から取得したデータに係る表示画像ds1(第1表示画像の一例)を生成し、情報処理装置10の表示制御部125は、表示画像ds1を委託元端末20の出力部24(表示部)に表示させる。つまり、情報処理装置10では、表示画像ds1(画像)を生成し、当該生成された表示画像ds1(画像)が委託元端末20において表示され、委託元が視認可能になる。この表示画像ds1には、上述したステップS004(特定ステップの一例)で特定された第1領域Rg1及び第2領域Rg2のセルc1,c2が表示される。なお、セルc1には、既に確認事項データe1が入力されているため、その内容も表示される。
【0052】
ここで、本ステップにおいて、第1領域Rg1と第2領域Rg2とが異なる色で表示される、ようにすることができる。なお、この表示は、文字を異なる色で強調することもできるが、セル自体が塗りつぶされるように全体にわたって色付けられることで、矩形状の各領域を把握しやすくなる。
【0053】
ところで、実施形態では、確認データd1として例えばエクセルといった汎用性の高いデータを用いている。このような汎用性の高いデータは、委託元及び委託先にとっても扱いやすく、データ入力を円滑に行うことができるメリットがある。その一方で、汎用性がある分、イレギュラーなデータ入力がなされ、特定部123が正確に第1領域Rg1及び第2領域Rg2を特定できない可能性も想定される。そこで、本ステップにおいて、再特定するか否かの受付の手段が表示される。例えば、
図7に示す表示画像ds1に、後段のステップS006で再特定を受け付けるためのオブジェクトを表示することで実現することができる。オブジェクトについては、ステップS007で説明する。
【0054】
本ステップS005が、表示ステップの一例である。
【0055】
(ステップS006:再特定の指示)
ユーザ(委託元)が、再特定をすることを選択するよう、オブジェクトの選択操作をすると、受付部121がその旨を受け付け、ステップS007に移行する。再特定をすることが選択されなければ、特定部123は、ステップS004で特定した第1領域Rg1及び第2領域Rg2が領域として決定することになる。前ステップでは、第1領域Rg1及び第2領域Rg2をユーザ(委託元)に表示して、第1領域Rg1及び第2領域Rg2が適切に特定されているかをユーザに確認し、もし誤りがあれば、本ステップS006によって、それを受け付け、修正することができるようになっている。
【0056】
(ステップS007:オブジェクト処理)
情報処理装置10の生成部124は、
図8に示すように、表示画像ds2を生成する。表示画像ds2は、
図7に示す表示画像ds1にオブジェクトоb1を追加で表示させた画像である。換言すると、本ステップにおいて、表示画像ds1には、第1領域Rg1であること又は第2領域Rg2であること、を再特定するためのオブジェクトоb1が更に表示される、ことになる。もちろん、表示画像ds2の生成方法は、この限りではない。
【0057】
オブジェクトоb1は、列方向Ar2に並ぶ列ボタンと、行方向Ar1に並ぶ行ボタンとを有する。つまり、実施形態において、オブジェクトоb1は、セルの各行(
図8の例では1行~5行を示している)及び各列(
図8の例ではA列~F列を示している)に対応するように配置された複数のボタン(チェックボックス)として実施されている。オブジェクトоb1のボタンは、ユーザ(委託元)による操作に応じて、選択状態と非選択状態とを切り替え可能に構成されており、行及び列の両方で選択されたセルが第2領域Rg2として再特定されることになる。ユーザ(委託元)による操作とは、例えば、マウス操作やタップ操作等である。
図8では、3行目のオブジェクトоb1及びF列目のオブジェクトоb1が、非選択状態であるため、3行目且つF列目のセルは、第2領域Rg2から除かれることになる。ここでは説明を省略しているが、この処理は、第1領域Rg1についても、同様に実施することができる。なお、逆に、非選択状態となっているセルは、対応するオブジェクトоb1(チェックボックス)が選択状態にされることにより(チェックボックスがオンにされることにより)、第2領域Rg2に含ませることができる
【0058】
(ステップS008:オブジェクト等の表示)
情報処理装置10の表示制御部125は、表示画像ds2を委託元端末20の出力部24(表示部)に表示させる。これにより、ユーザ(委託元)は、オブジェクトоb1を選択して、第1領域Rg1又は第2領域Rg2にするべき(又は領域から除外するべき)セルを選択することが可能になる。
【0059】
(ステップS009:領域再特定)
本ステップでは、表示画像ds1のオブジェクトоb1の選択内容に基づいて、第1領域Rg1又は第2領域Rg2を再特定する。つまり、情報処理装置10の受付部121が、ユーザ(委託元)によるオブジェクトоb1の選択に係るデータ(選択状態と非選択状態を示すデータ)を受け付ける。そして、情報処理装置10の特定部123は、受付部121が受け付けた選択に係るデータに基づいて、第1領域Rg1及び第2領域Rg2を再特定する。
【0060】
本ステップS009が、再特定ステップの一例である。
【0061】
3-2-2.管理画像の表示のフロー
引き続いて、
図10Bを参照して管理画像を表示するフローについて説明する。
【0062】
本フローは、先述したステップS002において、委託先端末30が確認データd1(実施形態の一例では、エクセルのデータ)を取得し、それに対して回答を入力した状態から始まる。つまり、委託先では、回答済確認データd2を作成済みである。また、本フローの一部は、
図10Aに説明するフローと並列的に実施してもよい。
なお、実施形態では、ユーザ(ここでは委託元)が、確認データd1を情報処理装置10へ送信し、情報処理装置10に予め確認データd1を登録している。これにより、情報処理装置10では回答済確認データd2の受け付けが可能になるためである。ここで説明した登録があった後に、確認データd1が各委託先に送信されることが好ましい。
【0063】
(ステップT001:回答済確認データ送信)
委託先端末30は、回答済確認データd2を委託元端末20へ送信する。つまり、委託先は、ステップS002において委託元から確認事項が入力されたデータ(実施形態の一例では、エクセルのデータ)を受け取っているので、それに対し、必要事項を入力したデータを返信するということである。
【0064】
(ステップT002:回答済データ取得)
委託元端末20は、委託先端末30から回答済確認データd2を取得する。
【0065】
(ステップT003:回答済確認データ送信)
委託元端末20は、情報処理装置10へ、回答済確認データd2を送信する。
【0066】
(ステップT004:回答済データ取得)
情報処理装置10の確認データ取得部122は、回答済確認データd2を取得する(受け付ける)。確認データ取得部122は、ステップS003と同様、回答済確認データd2そのものを取得する(受け付ける)のみであってもよいし、また、確認データd1に対して予め定められた前処理をして、前処理済みの回答済確認データd2を取得してもよい。
【0067】
本ステップT004が、第2取得ステップの一例である。
【0068】
(ステップT005:第2領域からデータ抽出)
情報処理装置10の確認データ取得部122は、特定部123で特定された第2領域Rg2の回答を抽出する。これにより、委託元は、委託先の回答データe2をデータベース化することができる。なお、第2領域Rg2としては、例えば、ステップS004で特定された領域を用いることができる。また、第2領域Rg2が、ステップS009で再特定された場合には、その再特定された第2領域Rg2を用いることができる。つまり、第2領域Rg2としては、更新された最新のものを用いることができる。
【0069】
本ステップT005が、抽出ステップの一例である。
【0070】
(ステップT006:管理画像の表示)
情報処理装置10の生成部124は、
図9に示すように、各委託元端末20(
図9では、A社、B社及びC社の3社の端末の例が示されている)から取得したデータ(各確認データd1及び各回答済確認データd2)に基づいて管理データ(管理画像ds3)を生成し、情報処理装置10の表示制御部125は、管理データ(管理画像ds3)を委託元端末20の出力部24(表示部)に表示させる。
図9に示すように、委託元は、管理画像ds3を見ることで、各委託先の回答データを比較しながら俯瞰して状況を把握することができ、委託先の情報管理が行いやすくなる。
【0071】
3-2-3.その他ステップ
上記では説明を割愛したが、情報処理装置10は、委託元端末20及び委託先端末30からデータを受け取る度に、当該データを記憶部13に格納している。また、情報処理装置10は、第1領域Rg1及び第2領域Rg2を特定するといった各種の処理を実施したときにも、これらの領域の情報を記憶部13に格納している。具体的には、ステップS004やステップS009がこれにあたる。このように、情報処理装置10では、各種データ(例えば、第1領域Rg1及び第2領域Rg2が特定された確認データ)をデータベース化して記憶部13に格納するステップ(格納ステップの一例)も有する。
【0072】
また、
図10Aや
図10Bのフローは、複数の委託先がある場合には、委託先ごとに実施することができる。
【0073】
また、情報処理装置10は、上記で説明してきた通り、各委託先についての第1領域Rg1及び第2領域Rg2の情報をデータベースとして有している。このため、受付部121がユーザ(委託元)から予め定められた検索ワードを受け付けると、検索部126は、予め定められたアルゴリズムに基づいて、各委託先についての第1領域Rg1及び第2領域Rg2の中から該当する部分を抽出することが可能である。そして、表示制御部125は、この抽出された部分をユーザ(委託元)に表示させることが可能である。
【0074】
4.実施形態の作用・効果の説明
例えば、監査等の場面では、委託元は委託先に確認事項を入力したデータ等を送付して、その回答をまとめる作業を経て管理されている状況にあった。こういった管理方法では、データが増えてくると、管理負担が著しく増大する。また、何かしらのインシデントが生じた際には、回答事項を検索又は調査することになるが、やりとりするデータが別々のエクセルであると、検索又は調査を行いにくい。また、シートごとに企業の情報を入れていても、シートを跨いだ検索は行いにくいため、不便である。
【0075】
それに対し、実施形態では、情報処理装置10において、確認事項データe1に係る第1領域Rg1及び回答データe2に係る第2領域Rg2が特定された確認データd1をデータベース化している。ここで、確認データd1(確認事項データe1や回答データe2)には、例えばエクセルを用いることができ、汎用性の高いデータを用いながらも、データを検索性の高いデータベースとして保持することができ、データ管理の負担を抑制することができる。
【0076】
5.変形例
以下のような形態を採用してもよい。
【0077】
5-1.変形例1:委託先が確認データd1を送信する形態
実施形態では、委託元端末20と情報処理装置10との間でデータのやりとりがなされる形態であったが、これに限定されるものではない。
図11A及び
図11Bに示すように、委託先端末30と情報処理装置10とが主にデータのやりとりをする形態であってもよい。
【0078】
変形例1については、実施形態(
図10A及び
図10B)との間で相違する部分を中心に説明するものとし、共通する部分については基本的には説明を省略する。
【0079】
図11Aに示すように、ステップS001において、確認データd1(実施形態の一例では、エクセルのデータ)は、委託元端末20から委託先端末30に送信され、その後、ステップS002において、確認データd1は、委託先端末30から情報処理装置10へ送信される。つまり、変形例1では、情報処理装置10の機能を委託先端末30が主に使用することを想定している。
図11Aにおいても、ステップS003以降のフローの内容は、
図10AのステップS003以降のフローと基本的に同じであるが、実施する対象が委託元(委託元端末20)ではなく、委託先(委託先端末30)である点が異なっている。
【0080】
図11Bに示すように、ステップT001において、委託先は、ステップS002で取得した確認データd1に入力して得た回答済確認データd2を、自身で情報処理装置10に送信する。つまり、実施形態では、回答済確認データd2を委託元に戻していたが、変形例1では、自身が情報処理装置10に直に送信する。
図11BにおけるステップT002及びステップT003は、
図11BにおけるステップT004及びステップT005と基本的には同様であるため説明は省略する。
【0081】
図11Bに示すように、変形例1では、委託元が、委託先の入力済みのデータ(回答済確認データd2)を確認できるように、委託元は、データベースとしての情報処理装置10から、当該データを取得することができるようになっている。つまり、ステップT004において、委託元は、管理データを取得する。なお、管理データは、実施形態と同様に画像であってもよいが、例えば、エクセル等のデータとして取得してもよい。
【0082】
なお、ステップT004における委託元のデータの取得は、情報処理装置10が例えば登録済みの委託元に対して委託先の入力が完了すると自動的に実施形態されてもよいし、委託元からの要求に基づいて実施されてもよいし、委託先からの指示に基づいて実施形態されてもよい。
【0083】
5-2.変形例2:回答データe2をセルc2に直に入力する形態
実施形態では、情報処理装置10が、入力が完了しているエクセルのデータとしての回答済確認データd2を取得することで、回答データe2を取得する形態であったが、これに限定されるものではない。
【0084】
例えば、情報処理装置10が、確認データd1を取得して、確認事項データe1や、第1領域Rg1及び第2領域Rg2を取得した後において、
図12に示すように、ユーザ(実施形態の場合には委託元、変形例1の場合には委託先)が第2領域Rg2に自身で情報を入力するような形態であってもよい。本変形例2は変形例1に採用するときにおいて特に好適である。
例えば、
図11Bに示すステップT001及びステップT002の代わりに、
図12に示す表示画像ds1を表示させるステップ(入力受付ステップの一例)を設けることで実施することができる。つまり、このステップでは、ユーザ(ここでは委託先)の出力部34(表示部)に表示画像ds1(第2表示画像の一例)を表示させる。この表示画像ds1には、確認事項データe1が入力された第1領域Rg1のセルc1と、回答データe2が入力を受け付けることが可能な第2領域Rg2のセルc2とが同時に表示される。
【0085】
ここで、委託先でのデータ入力のプロセスには、複数の者(例えば、入力者とその承認者とが異なるケース、回答事項ごとに担当が異なるため入力者が複数に渡るケース等)が介在することも想定される。このため、誰が何をセルc2に入力したかがわかるように、表示画像ds1(第2表示画像の一例)には、回答データe2の入力をした者が区別されるように第2領域Rg2のセルが表示される、ことが好ましい。これにより、委託先の担当者は、データの入力状況を適切に把握することができ、担当者等が混乱することを回避することができる。なお、区別する手段については、特に限定されるものではないが、例えば、
図12に示すように、オブジェクトоb2が表示されるようにして視認できるようにするとよい。また、
図12に示すように、入力者が異なる場合には、回答データe2の色が異なるようにしてもよい。
【0086】
なお、ここでは、委託先が第2領域Rg2へ回答データe2を入力する場合について一例を説明したが、これに限定されるものではなく、委託元が第1領域Rg1へ確認事項データe1を入力するときに用いてもよい。
【0087】
5-3.変形例3:確認事項データと回答データとが列方向に並ぶ構成
実施形態では、確認事項データe1のセルc1と、確認事項データe1と対をなす回答データe2のセルc2とが行方向に並ぶ構成を一例として説明したが、これに限定されるものではない。
図13及び
図14に示すように、確認事項データe1のセルc1と、確認事項データe1と対をなす回答データe2のセルc2とが、列方向(予め定められた方向の一例)に並ぶ構成であってもよい。なお、
図13は、実施形態の
図7に対応する説明図であり、
図14は、実施形態の
図8に対応する説明図である。このように、例えば、確認事項データe1のセルc1(第1領域Rg1)が上側に配置され、回答データe2のセルc2(第2領域Rg2)が下側に配置される構成であってもよい。このような構成であっても、実施形態と同様の作用・効果を得ることができる。
【0088】
5-4.その他形態
実施形態では、確認データd1に回答が記載されていない(セルc2が空欄になっている)ものを一例として説明したがこれに限定されるものではない。例えば、確認データd1のセルc2には、予め定められた第2領域特定情報(例えば、記号、数字、文字、又はこれらの組み合わせ)が入力されており、情報処理装置10がそれらの情報に基づいて第2領域Rg2を特定してもよい。換言すると、実施形態の一例では、第2領域特定情報は、空欄であるが、これに限定されるものではなく、記号等の具体的な情報が入力されたものが採用されてもよい。
【0089】
実施形態では、
図10Aのフローに関して、ステップS005を経てステップS006で再特定の指示を受け付けるものとして説明したがこれに限定されるものではなく、ステップS005及びステップS006は省略可能である。つまり、ステップS004からステップS007へ移行し、その後、ステップS008において、表示画像ds2を表示させてもよい。
【0090】
実施形態の
図10BのステップT004(変形例1では
図11BのステップT002)において、情報処理装置10が回答済確認データd2を取得したときに(取得した後に)、状況に応じて、エラーメッセージが表示されるようになっていてもよい。つまり、ユーザが、回答済確認データd2以外のデータ等といった誤ったデータを情報処理装置10に送信する可能性がある。そこで、確認データ取得部122は、ステップS003で予め取得した確認データd1(確認事項データe1)と、回答済確認データd2の確認事項データe1とを照合して、ユーザが送信したデータが誤っているか否かを判定してもよい。そして、誤っている場合には、表示制御部125は、その旨を端末(実施形態では委託元端末、変形例1では委託先端末)の出力部(表示部)に表示させる。これにより、ユーザに正しいデータを送信させることを促すことができ、また、誤ったデータがデータベースとして格納されてしまうことも回避することが可能である。
【0091】
以下、種々の実施形態を例示する。以下に示す実施形態は互いに組み合わせ可能である。
[付記1]
第1取得ステップと、特定ステップと、格納ステップとを備え、
前記第1取得ステップでは、確認データを取得し、
前記確認データは、グリッド形式の構成であり、且つ、確認事項データのセルと、前記確認事項データと対をなす回答データのセルとが予め定められた方向に並ぶ構成であり、
前記確認事項データは、委託元が委託先へ予め定められた事項を確認する内容を含み、
前記回答データは、前記確認事項データにする前記委託先の回答を含み、
前記予め定められた方向は、行方向又は列方向であり、
前記特定ステップでは、前記確認データにおける第1領域及び第2領域を特定し、
前記第1領域は、前記確認事項データが入力される領域であり、
前記第2領域は、前記第1領域に対して前記予め定められた方向に並ぶ領域であり、且つ、前記回答データが入力される領域であり、
前記格納ステップでは、前記第1領域及び前記第2領域が特定された前記確認データを、データベース化して記憶部に格納している、情報処理方法。
[付記2]
付記1に記載の情報処理方法であって、
前記確認データの前記回答データのセルは、前記特定ステップにおいて前記第2領域であることが特定されるように、予め定められたデータとなっている、情報処理方法。
[付記3]
付記2に記載の情報処理方法であって、
前記確認データの前記回答データの予め定められたデータは、空欄である、情報処理方法。
[付記4]
付記1~付記3の何れか1つに記載の情報処理方法であって、
表示ステップを更に備え、
前記表示ステップでは、表示部に第1表示画像を表示させ、
前記第1表示画像には、前記特定ステップで特定された前記第1領域及び前記第2領域のセルが表示される、情報処理方法。
[付記5]
付記4に記載の情報処理方法であって、
前記第1表示画像には、前記第1領域であること又は前記第2領域であること、を再特定するためのオブジェクトが更に表示される、情報処理方法。
[付記6]
付記5に記載の情報処理方法であって、
再特定ステップを更に備え、
前記再特定ステップでは、前記第1表示画像の前記オブジェクトの選択内容に基づいて、前記第1領域又は前記第2領域を再特定する、情報処理方法。
[付記7]
付記5又は付記6に記載の情報処理方法であって、
前記オブジェクトは、列方向に並ぶ列ボタンと、前記行方向に並ぶ行ボタンとを有する、情報処理方法。
[付記8]
付記4~付記7の何れか1つに記載の情報処理方法であって、
前記表示ステップにおいて、前記第1領域と前記第2領域とが異なる色で表示される、情報処理方法。
[付記9]
付記1~付記8の何れか1つに記載の情報処理方法であって、
入力受付ステップを更に備え、
前記入力受付ステップでは、表示部に第2表示画像を表示させ、
前記第2表示画像には、前記確認事項データが入力された前記第1領域のセルと、前記回答データが入力を受け付けることが可能な前記第2領域のセルとが同時に表示される、情報処理方法。
[付記10]
付記9に記載の情報処理方法であって、
前記第2表示画像には、前記回答データの入力をした者が区別されるように前記第2領域のセルが表示される、情報処理方法。
[付記11]
付記1~付記10の何れか1つに記載の情報処理方法であって、
第2取得ステップと、抽出ステップとを更に備え、
前記第2取得ステップでは、回答済確認データを取得し、
前記回答済確認データは、前記回答データのセルに前記回答が入力された前記確認データであり、
前記抽出ステップでは、前記第2領域の前記回答を抽出する、情報処理方法。
[付記12]
付記1~付記11の何れか1つに記載の情報処理方法であって、
前記確認事項データは、前記予め定められた事項の内容に対する回答の入力方法を示した入力方法教示データを有し、
前記入力方法教示データは、有無を回答すること、及び、少なくとも数字を記入すること、のうちの少なくとも1つが含まれる、情報処理方法。
[付記13]
付記1~付記12の何れか1つに記載の情報処理方法であって、
前記確認事項データにおける予め定められた事項を確認する内容は、前記委託先の情報セキュリティに関する内容が含まれる、情報処理方法。
[付記14]
付記1~付記13の何れか1つに記載の情報処理方法であって、
前記情報処理方法は、前記委託先の監査のために用いられる、情報処理方法。
[付記15]
コンピュータに、付記1~付記14の何れか1つに記載の情報処理方法を実行させるプログラム。
[付記16]
付記1~付記14の何れか1つに記載の情報処理方法の各ステップを実行する少なくとも1つの情報処理装置を備える、情報処理システム。
【符号の説明】
【0092】
100 :情報処理システム
10 :情報処理装置
11 :通信部
12 :制御部
121 :受付部
122 :確認データ取得部
123 :特定部
124 :生成部
125 :表示制御部
13 :記憶部
14 :出力部
15 :入力部
16 :通信バス
20 :委託元端末
21 :通信部
22 :制御部
23 :記憶部
24 :出力部
25 :入力部
26 :通信バス
30 :委託先端末
30a :委託先端末
30b :委託先端末
30c :委託先端末
31 :通信部
32 :制御部
33 :記憶部
34 :出力部
35 :入力部
36 :通信バス
Rg1 :第1領域
Rg2 :第2領域
c1 :セル
c2 :セル
d1 :確認データ
d2 :回答済確認データ
ds1 :表示画像
ds2 :表示画像
ds3 :管理画像
e1 :確認事項データ
e11 :内容
e12 :入力方法教示データ
e2 :回答データ
оb1 :オブジェクト
оb2 :オブジェクト
【要約】 (修正有)
【課題】データ管理の負担を抑制する情報処理方法、プログラム及び情報処理システムを提供する。
【解決手段】コンピュータ・ソフトウェアが実行する情報処理方法であって、第1取得ステップS003と、特定ステップS004と、表示ステップS005と、第2取得ステップT004と、を含み、第1取得ステップでは、確認データを取得する。確認データは、確認事項データのセルを有し、確認事項データは、予め定められた事項を回答者に確認する内容を含む。特定ステップでは、確認データにおける領域を特定する。領域は、確認事項データが入力されいる。表示ステップでは、表示部に第1表示画像を表示させ、第1表示画像には、特定ステップで特定された領域のセルが表示される。第2取得ステップでは、回答データを取得する。回答データは、確認事項データに対する前記回答者の回答を含む。
【選択図】
図10