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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-27
(45)【発行日】2024-10-07
(54)【発明の名称】磁気ミキサ
(51)【国際特許分類】
   H02K 21/24 20060101AFI20240930BHJP
   H02K 7/14 20060101ALI20240930BHJP
【FI】
H02K21/24 M
H02K7/14 C
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2018550547
(86)(22)【出願日】2017-03-08
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-05-23
(86)【国際出願番号】 US2017021412
(87)【国際公開番号】W WO2017172316
(87)【国際公開日】2017-10-05
【審査請求日】2020-02-10
【審判番号】
【審判請求日】2022-11-24
(31)【優先権主張番号】15/087,712
(32)【優先日】2016-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/087,656
(32)【優先日】2016-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/166,397
(32)【優先日】2016-05-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】598041463
【氏名又は名称】グローバル・ライフ・サイエンシズ・ソリューションズ・ユーエスエー・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100154922
【弁理士】
【氏名又は名称】崔 允辰
(74)【代理人】
【識別番号】100207158
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 研二
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンダー,ジェームズ・ペレグリーノ
(72)【発明者】
【氏名】ギバウアー,クラウス
(72)【発明者】
【氏名】トレイ,デヴィッド・アラン
(72)【発明者】
【氏名】アタラ,アシュラフ・サイード
(72)【発明者】
【氏名】ディーダリ,シマ
(72)【発明者】
【氏名】ダムレン,リチャード・リー
【合議体】
【審判長】柿崎 拓
【審判官】長馬 望
【審判官】米倉 秀明
(56)【参考文献】
【文献】特開昭61-212275(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第105327639(CN,A)
【文献】特開2012-050312(JP,A)
【文献】特表2007-522801(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 21/24
H02K 7/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バイオリアクタ内の磁気インペラ(1002)を駆動するための軸方向磁束固定子(110;111;120;160;605;705)であって、軸方向に磁束を生成するための複数の導電部材(164;764)と、前記導電部材(164;764)を取り付けるためのコア(121;170;175)であって、前記コア(121;170;175)が複数の固定セグメント(123;163;176;763)を含み、各セグメントがその間に変調スロット(122;165)を伴う高さおよび幅を有し、前記セグメント(123;163;176;763)が、中央が中空となるように形成されたプレート上に一体化される、コア(121;170;175)と、を備えており、
前記複数の固定セグメント(123;163;176;763)が固定子歯(163;176;763)であり、前記導電部材(164;764)が前記固定子歯(163;176;763)の周りに巻かれた導電性巻線(164;764)であり、
前記固定子歯(163;176;763)は、前記軸方向に垂直に延在する平面において、3つの辺を含むパイ形状の断面を有する歯であり、3つの前記辺のうち、2つの辺が前記軸方向磁束固定子の中央に向けて鋭角を形成し、1つの辺が前記2つの辺に対して半径方向外側に配置されかつ弧形状を有しており、かつ前記導電部材(164;764)の高さ以上の高さを有しており、
前記軸方向磁束固定子は、前記磁気インペラ(1002)を備える可撓性バッグバイオリアクタ(1001)を受け取るよう構成された剛性支持容器の外側に前記軸方向磁束固定子が配置されるように、前記剛性支持容器の側壁(1009)に取り付けられ、
前記磁気インペラ(1002)は、前記剛性支持容器の内側に前記磁気インペラ(1002)が配置されるように、前記剛性支持容器内にある前記可撓性バッグバイオリアクタ(1001)内に取り付けられており、
前記軸方向磁束固定子の前記固定子歯(163;176;763)と、前記磁気インペラ(1002)に設けられた複数の磁石(404;414;418;603;810)と、の間で磁路が形成される、軸方向磁束固定子(110;111;120;160;605;705)。
【請求項2】
前記コア(121;170;175)が磁性である、請求項1に記載の軸方向磁束固定子(110;111;120;160;605;705)。
【請求項3】
前記導電性巻線が複数の相に分割され、前記巻線への電流の印加により、磁束が一方の歯の垂直上方に、他方の歯の垂直下方に生成されるように、前記個々の巻線の各相が交互になる、請求項1に記載の軸方向磁束固定子。
【請求項4】
軸方向に磁束を生成するための複数の導電部材(164;764)を備える固定子(110;111;120;160;605;705)と、
前記軸方向磁束固定子(110;111;120;160;605;705)の軸の周りを回転可能なインペラ(1002)と、
を備え、
前記磁束が前記インペラ(1002)を駆動し、
前記固定子(110;111;120;160;605;705)が、前記導電部材(164;764)を取り付けるためのコア(121;170;175)を有する軸方向磁束固定子(110;111;120;160;605;705)であり、前記コア(121;170;175)が固定子歯(163;176;763)を含み、
前記固定子歯(163;176;763)は、前記軸方向に垂直に延在する平面において3つの辺を含むパイ形状の断面を有する歯を1つ以上含み、3つの前記辺のうち、2つの辺が前記軸方向磁束固定子の中央に向けて鋭角を形成し、1つの辺が前記2つの辺に対して半径方向外側に配置されかつ弧形状を有しており、かつ前記導電部材(164;764)の高さ以上の高さを有しており
前記軸方向磁束固定子は、前記インペラ(1002)を備える可撓性バッグバイオリアクタ(1001)を受け取るよう構成された剛性支持容器の外側に前記軸方向磁束固定子が配置されるように、前記剛性支持容器の側壁(1009)に取り付けられ、
前記インペラ(1002)は、前記剛性支持容器の内側に前記インペラ(1002)が配置されるように、前記剛性支持容器内にある前記可撓性バッグバイオリアクタ(1001)内に取り付けられており、
前記軸方向磁束固定子の前記固定子歯(163;176;763)と、前記インペラ(1002)に設けられた複数の磁石(404;414;418;603;810)と、の間で磁路が形成される、混合システム。
【請求項5】
前記インペラ(1002)に設けられた複数の磁石(404;414;418;603;810)がハルバッハアレイを形成し、かつ前記インペラ(1002)が、磁気結合を強化するためのバックプレート(405)をさらに備える、請求項に記載の混合システム。
【請求項6】
前記歯が、前記ンペラ(1002)の回転軸の周りの構成内にある、請求項乃至のいずれか1項に記載の混合システム。
【請求項7】
前記複数の導電部材(164;764)の少なくとも1つが前記軸方向に垂直に延在する平面において3つの辺を含むパイ形状の断面を有するように、前記複数の導電部材(164;764)の少なくとも1つは前記歯の周りに巻かれており、かつ、
前記インペラ(1002)に設けられた複数の磁石(404;414;418;603;810)が、前記軸方向に垂直に延在する平面において3つの辺を含むパイ形状の断面を有するように、前記ンペラ(1002)の回転軸の周りに配置されており、
前記複数の導電部材(164;764)の3つの前記辺および複数の磁石(404;414;418;603;810)の3つの前記辺のうち、2つの辺が前記軸方向磁束固定子の中央に向けて鋭角を形成し、1つの辺が前記2つの辺に対して半径方向外側に配置されかつ弧形状を有する、請求項に記載の混合システム。
【請求項8】
a)前記固定子(110;111;120;160;605;705)内の前記複数の導電部材(164;764)が、インペラ速度、インペラトルク、およびインペラ動力のうちのいずれか1つを、単独または組み合わせて制御し、
b)前記固定子(110;111;120;160;605;705)内の前記導電部材(164;764)を通る電流の流れが、前記固定子(110;111;120;160;605;705)と前記インペラ(1002)との間のエアギャップを介して前記固定子歯(163;176;763)を通って流れて戻る磁場を形成し、
c)前記固定子(110;111;120;160;605;705)は、請求項1乃至のいずれか1項に記載の前記軸方向磁束固定子(110;111;120;160;605;705)であり、および、
d)前記固定子(110;111;120;160;605;705)が、剛性支持容器(1004)の壁(1008,1009,1010)に取り付けられ、前記インペラ(1002)が、前記剛性支持容器(1004)で受け取られるよう適合される可撓性バイオリアクタバッグ(1001)に配置される、請求項4乃至7のいずれか1項に記載の混合システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施形態は、一般的に、バイオリアクタの分野に関し、より詳細には、バイオリアクタのための磁気ミキサ駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ミキサおよびポンプには、バイオリアクタを含む幅広い用途がある。ロータリミキサ100(図1A)の主な要素は、インペラ端部11の駆動装置14(駆動機構を含む)およびインペラ12(混合ブレードを含む)である。2つの要素は、異なるトポロジによって整列および結合される。一態様では、磁気的結合は、インペラ12が、駆動端部13に結合された磁石10のセットを保持する。これは、別個のモータによって回転される駆動端部の磁石のセットによって確立される。既存の技術は、全ての非磁性要素である空気、固定要素、および混合バッグ壁を主な構成要素とする特定の「磁気」ギャップ16によって分離された各端部に円筒磁石14のセット(図1B参照)を含む。既存の技術は、これらに限定するものではないが、(1)より高価でより大きな磁石(例えば、ネオジム磁石)を使用することを必要とする磁石間の弱い結合、(2)不十分な容積の使用、(3)インペラのコストを上昇させ、環境問題を引き起こす一回使用の要素であるインペラ内の希土類磁石の使用、および(4)別の電気モータによって駆動される大きな結合磁石のセットを構成するような大きな駆動サイズ、を含む多くの障害がある。
【0003】
混合システムは、しばしば、容器の頂部の開口を通って流体中に降ろされた駆動シャフトに機械的に接続された攪拌器またはインペラを含む。駆動シャフトは、容器の外側に配置された電気モータに接続される。密閉された容器では、容器から流体が漏れることを防ぐために、駆動シャフトと容器の壁との間に流体シールが設けられる。他の混合システムは、容器の外側の回転磁気駆動ヘッドと、容器内の攪拌要素としての回転磁気インペラとを含む。磁気駆動ヘッドの移動は、トルク伝達を可能にし、したがって、磁気インペラの回転を可能にし、インペラが容器内の流体を混合し、攪拌することを可能にする。密閉容器内には、駆動シャフトがインペラを機械的に回転させるために容器壁を貫通する必要がないので、磁気結合システムは、駆動シャフトと容器との間に流体シールを有する必要性を排除することができる。容器内のインペラと駆動システムまたは容器外のモータとの磁気的結合は、汚染の問題を排除し、完全に封入されたシステムを可能にし、漏れを防止することができる。
【0004】
バイオ医薬品業界では、一回使用または使い捨ての入れ物または容器が、典型的には約1~2000リットルの範囲の密閉型システムとして使用されることが多くなっている。容器は、例えば、実質的に円筒形のタンク型支持体とすることができ、例えば、一回使用のバイオリアクタに使用される種類の可撓性バッグまたは入れ物を十分に支持するために、ステンレス鋼などの剛性材料で作られる。殺菌された使い捨てバッグの使用は、容器の洗浄のために時間を浪費する工程を排除し、汚染の可能性を低減する。可撓性の入れ物またはバッグは、例えば、異なるパイプラインまたはチューブ、ミキサおよびセンサがバッグに適切かつ正確に接続されるように、容器の中に正確に配置される。
【0005】
一回使用のバッグまたは使い捨てバッグを磁気攪拌器システムと組み合わせることにより、生物医薬品製造に利用される滅菌環境が確立される。液体の混合および操作、ならびに/もしくは生化学的および/または生物学的プロセスの実施のための様々な容器、装置、構成要素、およびユニット操作が利用可能である。例えば、哺乳動物、植物または昆虫細胞、ならびに微生物培養物を含む生物学的材料は、一回使用の処理バッグを含むバイオリアクタを使用して処理することができる。タンパク質、モノクローナル抗体などの複雑な生物学的産物の製造は、多くの場合、発酵または細胞培養(細菌、酵母、昆虫、真菌など)から一次回収および精製までの複数の処理工程を必要とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】中国公開特許第105327639号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
より環境に優しい安価な要素を利用することによって、上記のような必要性に対処することが望ましい。本発明の態様は、はるかに小さいインペラを作動させ、バッグを駆動装置からより容易に分離させることができるように低減された磁力を有する。さらに、駆動装置(ユーザ)側の可動部品は、より安全な機構を提供するために対処される。
【0008】
磁気駆動ヘッドの移動は、トルク伝達を可能にし、したがって、磁気インペラの回転を可能にし、容器内部のインペラが、シールされたシャフトを提供することなく、容器内の流体を混合し、攪拌することを可能にする。磁気混合の原理は、完全に閉じた容器を使用する場合、または内部容積および混合される流体の無菌性を維持するのに必要な入れ物を利用する場合に特に有利である。
【0009】
一回使用の処理技術では、バイオ医薬品の製造に使用されるように、典型的には(例えば、ガンマ線照射によって)予め滅菌されたプラスチックの入れ物およびバッグが使用され、無菌接続を用いて隣接する流体処理装置およびラインに接続された完全閉鎖システムとして使用される。一回使用の混合容器およびバイオリアクタのこれらの用途では、磁気混合技術の使用は、プロセスの安全性、単純さ、および回転軸周りの複雑な密封構成を省略することによる低コストの理由から好ましい。
【0010】
今日では、軸によるインペラと外部駆動装置との直接的で恒久的な機械的接続が欠如している磁気混合技術を採用するプロセスには、ある種の課題が課されている。これらの欠点には、インペラの実際の速度が分からないことが含まれ、直接的な機械的結合と比較して、トルクおよび動力の入力を評価することはより困難である。さらに、磁気結合によって伝達される動力は、機械的な軸に比べて一般的に制限されるので、磁気ミキサは、通常、より低い動力入力で動作し、そのような測定における摩擦力、外乱、およびノイズがある場合での動力入力およびトルクを評価することを困難にする。したがって、磁気混合および磁気ミキサ結合の評価、測定、および制御を改善する必要がある。
【0011】
より詳細には、現在の磁気ミキサの課題には、(1)式またはルックアップテーブルのユーザインターフェース操作で行われるような、流体に供給される動力の間接的(リアルタイムではない)判定、(2)混合プロセスの正確な制御なしに、混合プロセスが行われる場合の流体密度および/または粘度の変化、(3)混合プロセスの異常を特定できないこと、が含まれる。これまでに使用されているバイオリアクタでの特徴または直接プロセスでは、そのような問題を検出したり、フラグを付けたりすることはできない。
【0012】
さらに、既存の解決策は、混合中に流体に供給される動力を直接測定するものではない。従来の方法は、流体に供給される動力を計算するためにルックアップテーブルに依存していた。さらに、先に示唆されたように、ルックアップテーブルなしで、流体の粘度および密度を連続的に監視したり、混合プロセスの異常を検出したりすることができる装置または方法はなかった。
【0013】
バイオリアクタおよび/またはミキサに追加の機能性を提供することにより、上記の必要性に対処することが望ましい。混合中に流体に供給される動力を正確に監視することができ、ユーザによるより正確な制御が可能になる。容積気体対液体比の割合が閾値を超える場合に、例えば、インペラの「溢れ」の状況のような、混合の異常の場合には、流体特性の連続的な更新、および好ましくはアラームを可能にすることも有益であろう。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明のシステムおよび方法は、磁気結合を強化してより高いトルクを提供し、駆動端磁石および駆動モータを交換するバイオリアクタミキサまたはポンプ用の磁気駆動装置に関する。本明細書で開示される実施形態は、両端に地鉄を使用して、磁気結合を強化し、パイ型磁石(「パイ」は、くさび形の形状および形式)(すなわち、三角形/台形がより広い外縁部もしくはより小さい内寸を有するか、または円形または環状セクタとして形成される)を使用して、容量利用を高め、したがって、より高いトルクをもたらし、安価な材料(例えば、フェライト)の使用を可能にする。別の実施形態では、回転子側は、地鉄片を追加する必要なしにトルクを高めるハルバッハアレイで構成される。別の実施形態は、駆動端磁石および駆動モータを交換するために軸方向磁束固定子を実装する。
【0015】
一実施形態では、システムは、バイオリアクタミキサとして使用されると記載され、本システムは、回転駆動装置、中心(回転)軸の周りを回転することができるインペラ、および1つまたは複数のアレイ形式で配置された複数の磁石を備え、第1のアレイ形式での磁石の第1のセットが回転駆動装置に隣接する駆動端部に配置され、第2のアレイ形式での磁石の第2のセットがインペラに配置され、回転駆動装置が駆動固定子である。
【0016】
一態様では、システムは、軸方向磁束固定子である駆動固定子を有する。別の態様において、軸方向磁束固定子は、複数の磁石の下側に配置される。軸方向磁束固定子は、固定子に供給される電圧および電流を個々にまたは組み合わせて制御するための制御回路を含む。軸方向磁束固定子は、回転のトルクおよび回転速度を測定する制御回路を備える。軸方向磁束固定子は、軸方向磁束固定子およびインペラ磁石によって生成される磁束および磁束密度を測定する制御回路を備える。軸方向磁束固定子は、軸方向に磁束を生成してインペラを駆動するための複数の導電部材を備える。
【0017】
本明細書に記載の実施形態における軸方向磁束固定子は、導電部材を固定するためのコア、または導電部材を取り付けるためのコアを備える。したがって、開示される実施形態の態様は、コアが磁性または非磁性であることを可能にする。
【0018】
別の実施形態は、軸方向に磁束を生成するための複数の導電部材を備える固定子と、軸方向磁束固定子の軸の周りを回転可能なインペラと、を備える混合システムであり、磁束がインペラを駆動する。固定子は、導電部材を取り付けるためのコアを有する軸方向磁束固定子であり、コアは固定子歯を含む。コアは一態様では磁性であり、非磁性であってもよい。
【0019】
様々な実施形態は、複数の磁石を備えるインペラ、磁気的結合を強化するためのバックプレート、複数の導電部材、1つまたは複数の混合ブレード、ならびに/もしくはインペラを位置ずれから支持するための固定を、単独でまたは組み合わせて含む。
【0020】
システムの一実施形態は、バイオリアクタミキサとして利用され、本システムは、回転駆動装置と、中央(回転)軸の周りを回転可能なインペラと、1つまたは複数のアレイ形式に配置される複数の磁石と、回転駆動装置に隣接する駆動端部に配置される第1のアレイ形式の磁石の第1のセットおよびインペラに配置される第2のアレイ形式の磁石の第2のセットと、磁石の第1のセットが同心幾何学形状に配置されて、同心幾何学形状の中心に向かって狭くなる幅の広い外形寸法を有して個々に形成されるように磁石の第1のセットを含む少なくとも1つのプレートと、を備え、磁石の第2のセットが、互いに隣接して配置されて、第2のアレイの一方の側の磁場を増大させ、一方で、第2のアレイの反対側で磁場をゼロにして、空間的に回転する磁化パターンを実現する。一態様では、システムは、バイオリアクタミキサの少なくとも一部が配置される外部容器をさらに備える。
【0021】
別の実施形態において、システムは、バイオリアクタミキサとして利用され、本システムは、回転駆動装置と、中央(回転)軸の周りを回転可能なインペラと、1つまたは複数のアレイ形式で配置される複数の磁石と、回転駆動装置に隣接する駆動端部に配置される第1のアレイ形式の磁石の第1のセットおよびインペラに配置される第2のアレイ形式の磁石の第2のセットと、磁石の第1のセットを含む少なくとも第1のプレートと、を備え、磁石の第2のセットが、空気の透磁率よりも大きい透磁率を有して磁石の第1のセットとインペラとの間に挟まれた材料を備える第2のプレートと共に配置され、磁場勾配が磁石の第1のセットの第1のアレイ形式と磁石の第2のセットの第2のアレイ形式との間に形成される。
【0022】
一態様では、第1のプレートは、空気の透磁率よりも大きい透磁率を有する材料を備える。磁石の第1のセットは、同心円状の中心に向かって狭くなる、より広い外形寸法を有する幾何学的形状のアレイ形式で配置することができる。磁石の第2のセットは、同心円状の中心に向かって狭くなる、より広い外形寸法を有する幾何学的形状のアレイ形式で配置することができる。
【0023】
本発明の実施形態は、トルクセンサと、そのセンサと関連した測定トルクとを利用して、混合プロセスにおける様々な流体および混合特性、条件、および異常を検出するシステムおよび方法を開示する。混合プロセスで生成されるトルクは、粘度および密度などの様々な流体特性に関する。また、障害の存在やガス散布による変化もしくは問題など、様々な混合条件にも関する。さらに、トルク測定値は、経験的インペラ動力数および速度のみを使用するのとは対照的に、実際の測定によって流体に伝達される動力の判定を可能にし、実際の物質移動判定(すなわち、ガス移動計算)を可能にする。
【0024】
開示される実施形態は、トルクセンサ(例えば、トランスデューサ)と、測定されたトルクを使用して異なる流体および混合特性、条件、および異常を検出する方法とに関する。
【0025】
一実施形態では、磁気混合システムは、流体混合装置内の条件を特徴づけ、本システムは、流体を備える容器と、磁場を生成する駆動装置と、駆動装置を操作するコントローラと、磁場または磁束を検出するためにシステムと共に配置された1つまたは複数のセンサと、センサから情報を受け取って流体に与えられる動力、インペラのトルクおよび速度のうちの1つまたは複数を計算するプロセッサと、を備える。磁気混合システムは、容器内にインペラをさらに備え、駆動装置は、インペラを回転させる磁場を生成し、センサは、インペラに供給される磁場または磁束を測定する。1つまたは複数のセンサは、駆動装置、インペラ、またはインペラと駆動装置との間に配置される。センサは、駆動装置に供給される電流および電圧をさらに検出することができる。
【0026】
一態様では、固定子としての駆動装置、すなわち駆動装置は、モータと組み合わせて永久磁石のセットを含むことができる。別の態様では、駆動装置は、固定子、モータ、または磁気結合であり、センサは、それぞれ単独または組み合わせて配置されたトランスデューサである。
【0027】
本出願の実施形態は、流体の混合におけるトルクおよび速度に対応するので、インペラのトルクおよび速度を利用する。プロセッサは、動力、トルクまたは速度を、単独または組み合わせて、1つまたは複数の流体特性と共に使用して、リアルタイムの混合条件および混合特性を評価する。さらに、プロセッサは、流体特性、混合条件、または混合特性の変化を個別にまたは組み合わせて検出する。別の実施形態では、プロセッサは、学習されたパターンまたは所定の閾値によって判定される流体特性、混合条件、または混合特性の異常を検出する。流体特性は、とりわけ、流体の密度および粘度を含む任意の数の特徴的な組成物を含む。プロセッサは、単独または組み合わせて、動力、トルク、または速度で、流体の密度または粘度の異常を検出する。さらに、プロセッサは、流体中の詰まり、ガス分散、または1つもしくは複数の汚染物質を単独または組み合わせて検出することができる。
【0028】
本明細書で開示される実施形態は、フィードバックループ内でコントローラに方向を与えるための分析装置であるプロセッサを提供する。分析装置は、駆動装置に動力を供給して攪拌を増減させ、流体特性を調整し、欠点または異常を個々にまたは組み合わせて補正する。
【0029】
したがって記載された一実施形態は、流体混合駆動装置における条件を制御する方法を開示し、本方法は、流体を備える容器、磁場を生成する駆動装置、駆動装置を操作するコントローラ、1つまたは複数のセンサ、およびプロセッサを有する流体混合駆動装置を提供するステップと、1つまたは複数のセンサを用いて、磁場、磁束、流体に供給される動力、トルク、速度、電流、または電圧のうちの少なくとも1つを検出するステップと、事前に検出されない場合、インペラの動力、トルク、および速度を計算するステップと、プロセッサを用いて、動力、トルク、および速度を使用して、流体の1つまたは複数の流体特性、リアルタイム混合条件、および混合特性を判定するために分析するステップと、を備える。一態様では、混合システムは、インペラをさらに備え、検出するステップは、インペラの位置を検出するステップを含む。分析するステップは、流体特性の変化を検出するステップを含む。
【0030】
さらに、動力、トルク、速度、電流、電圧、流体特性、混合条件、および混合特性が、単独または組み合わせて、ユーザインターフェースに表示される。動力、トルク、および速度は、ユーザ操作なしで直接的に判定される。
【0031】
開示される実施形態の態様は、センサを介してプロセッサに提供される流体組成、密度、および粘度を単独または組み合わせて備える流体特性を含む。本方法は、流体混合駆動装置、流体特性、混合条件、および混合特性の異常を識別するステップをさらに備える。プロセッサは、コントローラにフィードバックを提供して駆動装置に供給される動力、トルク、および速度を自動的に制御する分析装置とすることができる。一態様では、プロセッサは、流体の所定の組成、粘度、および密度を、単独または組み合わせて提供する。別の態様では、プロセッサは、流体特性の変化に基づいて最適組成、粘度および密度を判定するコントローラに情報を提供する。
【0032】
さらなる態様は、センサが、流体特性を判定するために流体混合駆動装置の動作中に駆動装置とインペラとの間の角度を検出することを含むが、これに限定されない、任意の数の属性または特性などを検出することを可能にする。
【0033】
したがって、実施形態は、バイオリアクタまたはミキサのユーザに追加の機能性を提供する。ミキシング中に流体に供給される動力を正確に監視することが可能となり、これにより、リアルタイムで流体の特性に関する継続的な更新および調整が可能となる。別の態様では、混合プロセスにおける異常の場合には、必要に応じてアラームが実施される。
【0034】
様々な実施形態の詳細な説明を以下に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1A】(先行技術)バイオリアクタミキサ用の磁気駆動装置を示す図である。
図1B】(先行技術)インペラが駆動端部に結合される磁石のセットを保持し、駆動端部の磁石のセットが別個のモータによって回転される磁気結合を示す図である。
図2】(先行技術)先行技術のシステムにおける磁場結合の断面図である。
図3】本明細書の実施形態で開示されるような個々の磁石の形状および構成を使用する場合の磁場結合の断面図である。
図4A】両端に地鉄を含む本発明の実施形態を示す図である。
図4B】個々に配置され、角度をつけられ、中心軸の周りに磁気装置で離間されたパイ型磁石を含む実施形態を示す図である。
図4C】別の実施形態においてハルバッハアレイで構成されたロータ側を示す図であり、個々の磁石は、同心の磁気装置を形成するために間隔を空けずに互いに隣接する。
図5】パイ型磁石および地鉄を使用する場合の本明細書に開示される実施形態における磁気結合を示す断面図である。
図6】本発明の実施形態において利用される磁石の比較を提供する図である。
図7】一実施形態において異なる材料を使用する円筒型磁石の最大トルクの比較を示す図である。
図8】地鉄を伴う円筒型磁石の最大トルクの比較を示す図である。
図9】パイ型磁石とハルバッハアレイとの最大トルクの比較を示す図である。
図10】一実施形態における軸方向磁束固定子のトルク対電流密度の関係を示すグラフである。
図11】本発明の一実施形態を示す斜視側面図である。
図12】本発明の一実施形態を示す斜視側面図である。
図13(a)】固定子の長さを変化させた場合の分析結果を示す図である。
図13(b)】固定子の長さを変化させた場合の分析結果を示す図である。
図13(c)】固定子の長さを変化させた場合の分析結果を示す図である。
図14(a)】電流密度を変化させた場合の分析結果を示す図である。
図14(b)】電流密度を変化させた場合の分析結果を示す図である。
図14(c)】電流密度を変化させた場合の分析結果を示す図である。
図15(a)】スロットピッチおよび得られるトルクの変化の分析を明示する図である。
図15(b)】スロットピッチおよび得られるトルクの変化の分析を明示する図である。
図15(c)】スロットピッチおよび得られるトルクの変化の分析を明示する図である。
図16A】歯巻軸方向磁束固定子の一実施形態の斜視図である。
図16B図16Aの軸方向磁束固定子の斜視上面図である。
図16C図16Aの軸方向磁束固定子の斜視側面図である。
図16D図16Aの軸方向磁束固定子の歯の高さの透視側面図である。
図16E】本明細書に記載の固定子コアの一実施形態を示す図である。
図17】レイノルズ数が減少するにつれて、利用されたインペラのタイプに依存して、動力数が急激に増加し始める点に到達することを実証する図である。
図18】動力番号、N、対、レイノルズ数、Nreのチャートである。
図19】流体1、2、3、および水の回転速度の関数としてインペラトルクの変化を示す図である。
図20】流体1、2、3、および水によって示されるように、異なる粘度に対するトルク-速度勾配(dT/dn)の変化を示す図である。
図21A】流体4、5、6、および水の回転速度の関数としてインペラトルクの変化を示す図であり、それによって、粘度は一定に保たれ、密度はそれぞれ1.1X、1.3X、および1.5Xに変化する。
図21B】一実施形態における様々な流体密度に対するトルク-速度勾配の変化を示す図である。
図22A】逆起電力(EMF)をピックアップするための磁石配列の間に組み込まれたプリント回路基板(PCB)巻線の一実施形態の斜視図である。
図22B】一実施形態におけるトルク対負荷角度のグラフ図である。
図22C】磁束情報を取得してトルクを推定するために利用される磁束センサ、ここではプリント回路基板(PCB)巻線の一実施形態を示す図である。
図23】磁気装置を備え、インペラ部分と共に組み立てられた軸方向磁束固定子の一実施形態の斜視図である。
図24】磁束または磁場密度センサが配置される、それぞれに12個の磁石を備えるバイオリアクタ駆動装置およびインペラの一実施形態を示す図である。
図25A】異なるインペラ位置で磁気センサを用いて駆動磁石の頂部で測定した場合の軸方向および横方向の磁場密度の変化を示す図である。
図25B】異なるインペラ位置で磁気センサを用いて駆動磁石の頂部から0.125インチ(3.2mm)測定した場合の軸方向および横方向の磁場密度の変化を示す図である。
図25C】PCB巻線またはピックアップコイルを使用して、異なるインペラの位置で、磁石の頂部円周上に配置されたループによって測定された場合の磁束の変化を示す図である。
図26】混合システムを有する1つまたは複数のセンサの実装態様を画定する概略図における混合プロセスの一実施形態を示す図である。
図27】磁気駆動装置を有する剛性支持容器内に取り付けられた、回転する磁気インペラを有する可撓性バイオリアクタバッグを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
種々の実施形態は、添付の図面と併せて読めばより良く理解されよう。様々な実施形態は、図面に示す配置および手段に限定されないことを理解されたい。
【0037】
開示される実施形態のシステムおよび方法は、磁気結合を強化してより高いトルクを提供し、必要に応じて、駆動端磁石および/または駆動モータを交換するバイオリアクタミキサまたはポンプ用の磁気駆動装置に関する。実施形態は、磁気形状および配置も含み、パイ型磁石(「パイ」は、くさび形の形状およびくさび形の形式)(すなわち、三角形/台形がより広い外縁部およびより小さい内寸を有するか、または円形または環状セクタとして形成される)を含み、くさびは共に適合し、容量利用を高め、したがって、より高いトルクをもたらし、さらに安価な材料(例えば、フェライト)の使用を可能にする。一実施形態では、回転子側は、トルクを高めるハルバッハアレイで構成される。開示される実施形態は、磁気結合を強化するために一方または両方の端部に地鉄を使用することができる。ハルバッハアレイでは、地鉄片なしでトルクが上がる。別の実施形態は、駆動端磁石および駆動モータを交換するために軸方向磁束固定子を実装する。実施形態を以下に開示する。
【0038】
使い捨てバイオリアクタ
開示される全ての実施形態は、図27に示されるような使い捨てバイオリアクタ1000に適用可能である。バイオリアクタは、バイオリアクタ容器として可撓性バッグ1001を備え、バッグの内部容積1003に磁気インペラ1002を有することができる。このバッグは、インペラ用の磁気駆動装置1005を備える剛性支持容器1004に取り付けられるように適切に構成され、インペラは、磁気駆動装置によって駆動されて、バイオリアクタの内容物を攪拌するのに適した速度で回転の中心軸1011の周りを回転する。バッグは、インペラを受け取り、インペラを磁気駆動装置と(好適には軸1011に沿って)整列させるための受容器構造1006を備えることができ、受容器構造は、例えば、回転するインペラシャフトの端部または回転インペラの一部を受け取ることができる固定シャフトまたはキャビティを備えることができる。バッグの内部容積は、例えば、50~2000リットルなどの20~5000リットルとすることができる。このバッグは、例えば、細胞培養培地、細胞接種物、細胞培養試料、栄養素、気体、および/または排ガスなどの材料の導入および除去のための1つまたは複数のポート1007を有することができる。適切には、インペラを含むバッグは、例えば、ガンマ線による滅菌処理によって、予め滅菌された状態で供給される。磁気駆動装置はここでは支持容器の底壁1008に取り付けられるものとして示されているが、支持容器の側壁1009または上壁1010に取り付けてもよい。インペラおよび任意の受容器構造は、その場合、バッグ壁の対応する位置に配置されるべきである。
【0039】
インペラ
論じられる全ての混合/ミキサシステム、可撓性バイオリアクタバッグ、および方法実施形態において、インペラは、磁気駆動装置によって駆動される回転磁気インペラとすることができる。インペラは、駆動装置の軸線と適切に整列した回転中心軸の周りを適切に回転することができる。インペラは、システムに含まれる固定シャフトの周りを回転することができるが、シャフトがインペラと共回転するように、インペラに固定されたシャフト(または、インペラと一体であるシャフト)を同様に備えることもできる。そのようなシャフトは、システムに含まれるキャビティまたはベアリング内で回転することができ、典型的には、インペラ受容器構造の一部を形成する。インペラは、例えば、図17に示されているような1つまたは複数の混合ブレードを備えることができる。
【0040】
パイ形磁石構成
比較のために、図2は、駆動端磁石204とインペラ端磁石202との間の先行技術のシステムにおける磁場結合201の断面図を示し、磁場密度203は、その間に表される領域である。本明細書に開示された一実施形態は図3に示されており、パイ型磁石がミキサ300内で利用される。断面図は、磁場結合301の大きな増加、駆動端磁石304とインペラ端磁石302との間の増加した磁場密度303を示す。
【0041】
図4Aは、一実施形態におけるハルバッハアレイ402を有するミキサ400のロータ側を示す。個々の磁石403は、中心(回転)軸407の周りにハルバッハアレイ402の同心磁気配置を形成するために間隔を空けずに互いに隣接している。パイ型駆動端磁石404は、磁気プレート(バックプレート)405上に離間して配置される。磁気プレートは、空気よりも大きい透磁率の任意の材料を含むが、これに限定されない、地鉄、任意の磁性材料とすることができる。一態様では、磁気プレートは、コバルト、鉄、または他の磁性材料を備える合金などの高透磁性合金とすることができる。磁場密度401は、ハルバッハアレイ402の個々の磁石403が駆動端磁石404の上を浮揚する残りの空間によって生成される。
【0042】
インペラおよび駆動端部での地鉄
図4Bは、駆動端部413にくさび型(パイ型)磁石412を、インペラ端部411にくさび型(パイ型)磁石414を含む磁気駆動装置410の一実施形態を示し、各磁石412、414は、中心(回転)軸415を中心とした磁気配置で個別に位置決めされ、整列され、離間されている。インペラ端部411には磁気プレート405が配置され、第2の磁気プレート406は駆動端部413に配置される。磁気プレート405、406は、一実施形態では、地鉄であり、空気よりも大きい透磁率の任意の材料を含むが、これに限定されない、任意の磁性材料とすることができる。駆動端磁石414とインペラ端磁石412との間に磁場密度417が形成され、したがって、磁気結合が増加する。別の態様では、磁気プレートは、コバルト、鉄、または他の磁性材料を含むがこれに限定されない材料を含む高透磁性である。
【0043】
一実施形態では、図4Cに示すように、磁気駆動装置420は、インペラ端地鉄406と駆動装置端地鉄405とを含む。円筒型磁石418は、中心(回転)軸419の周りに間隔をおいて配置され、その間に磁場密度421が形成されるように各端部に配置される。地鉄は、磁気駆動装置の磁気結合を強化し、それによってトルクを増加させる。
【0044】
図4Cに示すように、地鉄は、インペラ端磁石の上方の、および駆動端磁石の下方の駆動装置に配置される。地鉄は、駆動端磁石とインペラ端磁石との間の空気中の全体の磁路、すなわち磁場密度421を低減する。その結果、2つの端部を結合する磁場密度が増加する。
【0045】
図5は、図4Bに示すように、パイ型磁石および地鉄を使用する場合の、本明細書に開示される実施形態における磁気結合501を示す混合システム500の断面図を示す。
【0046】
磁石についての比較を図6に示す。ベースライントルクは、図4Cに示されるような円筒型磁石を用いる場合に約5.8Nmである。
【0047】
【表1】
図6は、非希土類磁石材料、例えば、Alnico9およびC8B/AC12(セラミック)がより安価であり、記載された所望の磁気組成、特性、および構成と並ぶ有益な特性を有することを示す。非希土類磁石は、ここで、以下において、希土類元素を5重量%未満、例えば1重量%未満の希土類元素を含む磁石と定義することができる。希土類元素は、スカンジウムおよびイットリウムと同様に、ランタニド系列の元素(すなわち、原子番号57~71の元素)を含む。
【0048】
図7は、円筒型磁石(φ=0.75×0.75)の最大トルクの比較である。ネオジム(焼結NdFeB)磁石を交換し、他の非希土類磁石を使用することにより、円筒型形状および配置を維持しながら、トルクの発生を大幅に低減する。
【0049】
一態様では、インペラ端部または駆動装置端の一方に地鉄を追加することができる。図8に示すように、インペラおよび駆動端部に追加された地鉄は、トルク発生を改善する。具体的には、図8は、図4Cに示されているように、地鉄による円筒型磁石の最大トルクの比較を示す。図8は、磁石の幾何学的形状の関数として、異なるタイプの磁石(例えば、N 38/15、SmCo 28/7など)によって生成される最大トルクを示す。フェライト磁石グレードFB12Hは、希土類磁石の使用を排除しながら、地鉄なしで生成されるトルクの2倍の量をもたらす。磁石グレードのうちの3つは、希土類磁石のベースライントルクを生成することができない。
【0050】
本発明の実施形態は、磁石の形状を円筒型構成からパイ型構成に変更する。図9に示すように、改善されたインペラ駆動装置設計は、高価なネオジム磁石を必要とせずに2.5倍のトルクをもたらす。フェライト磁石グレードのFB12Hは、バックプレートと磁石パイ形状がない場合に生成されるトルク量の2.5倍をもたらす。図4Bに示され、図9で参照されるように、パイ型磁石の最大トルクの比較が示される。
【0051】
ハルバッハ磁石アレイ
図9に示すように、図4Aのハルバッハインペラ駆動装置設計の一実施形態は、高価なネオジム磁石を必要とせずに所望のトルクをもたらす。ハルバッハアレイとパイ型磁石のこの配置は、ベースライントルクを供給する3倍にトルクを増加させる。
【0052】
軸方向磁束固定子
本発明の実施形態は、駆動装置端サイズを減少させると共に構成要素の数を減少させ、その信頼性を高めるために、軸方向磁束固定子を提供する。図11は、先行技術で利用されていたシャフトおよびベアリングが無い、レバー機構が無い、軸方向磁束固定子110の一実施形態を示す。駆動固定子111は、インペラ端部114の磁石112の下側に配置され、回転中心軸172に沿って整列され、制御回路113を有する。
【0053】
軸方向磁束固定子110の電気的および機械的構成要素は、修正された設計における課題に対処するように調整される。軸方向磁束固定子の実施形態では、電気的構成要素は、高電流密度(冷却)、極当たりのスロット数を多くするためのより多くの数のスロット、したがって(高調波を抑制するための)様々なコイルスパンを選択する機能を備え、スロットが長くなると、漏れインダクタンスが大きくなって力率が低下し、より高い電流により磁束がより高くなり、したがって、飽和を避けるためのより大きな固定子歯に対応する。
【0054】
軸方向磁束固定子120の構造は、図12に軸方向型磁気ギアとして示されている。ここでは、磁気コア121が、高速ロータ125(高周波数の固定子)と低速ロータ126との間に配置されて示されている。磁気コア121は、インペラの磁石および巻線の配置に応じていくつかのスロット122を有する。磁気コアは、必要に応じて、ラミネート、粉末タイプ、またはテープコアとすることができる。巻線のセットが、図12に、固定スチールセグメント123または固定子歯として、変調スロット122と共に示されている。巻線のセットは、歯巻線、分布巻線、または部分巻線であってもよい。巻線は、単層または多層、波またはラップ巻線、完全または短ピッチ巻線とすることもできる。固定スチールセグメントは、単段または多段のギアを有する磁気ギア(例えば、バーニアタイプの機械)を収容するための追加のスロットを有することができる。バーニアタイプの機械を使用する場合、固定子は追加の磁石を有することもできる。
【0055】
分布巻線(例えば、18スロットの例)を有する軸方向磁束固定子の分析は、固定子の長さを増加させることにより、より大きな電流経路がスロット毎に生じることを実証し、歯の飽和が生じ、高調波が増加する(図13参照)。固定子電流密度を増加させると、より高いトルクが得られ、この場合も、歯の飽和が生じ、高調波が増加する(図14参照)。そして、固定子スロットピッチを増加させることにより、より高いトルクが得られ、一方、最内側の歯の幅に機械的制約が課される(図15参照)。
【0056】
図16Aは、9つのスロット165(図16C参照)を有する歯巻軸方向磁束固定子160の一実施形態を示すものであり、例示のためのものであって、限定するものではない。図16B図16C、および図16Dは、軸方向磁束固定子160の詳細をより明確に示すための斜視図を示す。固定子コアは、固定子地鉄162から垂直に延びるパイ型磁気固定子歯163を備える。固定子コア170は、焼結粉末鉄、フェライトから形成することができるか、または磁性鋼のコイルから機械加工することができる。固定子歯163には、導電性巻線(導電部材)164が巻かれている。導電性巻線は相に分割される。各相巻線内では、個々のコイルの磁場方向が交互になるので、相巻線への相電流の印加は、一方の歯の垂直上向きと他方の歯の垂直下向きの磁場を生成する。導電性巻線を通る電流の流れは、固定子歯を通って、固定子160と中心軸172の周りを回転可能なロータ161との間のエアギャップを横切って流れ、ロータ上の磁石166と相互作用し、ロータ161を通って、磁気極性が逆のロータ磁石を通って戻り、固定子とロータとの間のエアギャップを横切り、反対に励磁された固定子歯を通り、固定子地鉄162を通って閉じる、磁場を形成する。
【0057】
図16Bに示すように、例示的な固定子は、約0.470インチ(1.2cm)の幅の9つのスロット165を有し、固定子コア170の内径(中心軸172を有する中空コア171)は約1.575インチ(4.0cm)であり、固定子コアの外径は約3.250インチ(8.25cm)である。スロットの幅、コアの内径、およびコアの外径は、モータの性能を決定するパラメータである。図16Cは、固定子歯163を含む磁気固定子コア170をベース地鉄162と組み合わせて示しており、固定子コアが約2.750インチ(7.0cm)の高さであることを示しているが、特定のミキサ用に必要に応じて、サイズ、形状、および寸法を変えることができる。図16Dは、パイ型磁気固定子歯163の高さを示し、その高さはここでは約2.500インチ(6.35cm)であると示されている。固定子歯の高さおよび固定子地鉄の厚さは、固定子の設計中に決定される付加的なパラメータであり、したがって、形状および寸法を変更することができる。
【0058】
一実施形態では、図16Eに示すように、固定子コア175は円錐歯176で画成され、地鉄177を含む。このように、固定子コアは、ミキサの動作効率をもたらすように変更および設計することができる。
【0059】
図10は、固定子とロータとの間の約0.32インチ(0.81cm)と約0.265インチ(0.67cm)のギャップに対する軸方向磁束固定子160のトルク対電流密度を比較する。より小さいギャップを有する所与の電流密度に対して、より多くのトルクが生成される。電流がより小さいので、より小さいギャップに対して効率がわずかに大きい。
【0060】
実証されるように、このように記載された実施形態は、当技術分野で提示される問題に対処する。記載されたより安価なインペラは、磁場密度を増加させることによって改善される磁気結合を備える。より高いトルク密度は、材料、形状、および地鉄を個々にまたは組み合わせてインペラ磁石を最適化することによって生成される。例えば、希土類磁石は、アルニコおよびフェライトなどの、より安価で環境に優しい非希土類材料で置き換えることができる。さらに、これまで使用されていた大型のオーバーサイズな駆動アセンブリは、より小さなインペラを作動させることができる。さらに、ユーザに近い駆動側の可動部分は、より安全な駆動装置を全体的に提供するように再配置されている。
【0061】
さらなる技術的および商業的利点は、軸方向磁束固定子を含むより信頼性の高いシステムを提供し、軸方向磁束固定子は、駆動装置が小さく、可動部品がなく、バッグの設置中に磁力が低下する。磁石のコストおよび可用性は、磁石の形状および材料を改善する利点であるが、トルクを増加させる磁気結合の効率は、バイオリアクタ、様々な混合システムおよび全体の効率のさらなる強化にとって非常に有用である。
【0062】
使用時には、例えば、微生物発酵は、反応器壁での十分な混合、ガス物質移動、および熱伝達のためにより多くの攪拌を利用する。軸方向磁束固定子を含む本発明の改良された装置は、設計をより単純にすることによりユーザ体験を改善する。設計は、永久磁石を備えた駆動装置よりもコンパクトであるばかりでなく、克服しなければならない永久磁力がないので、バッグの取り付けおよび取り外しが改善される。機械指令要求に影響を与える部品の移動が避けられ、封入および侵入保護により、レバー機構を使用して駆動装置をインペラから分離してバッグを反応器低端片から引き出すことができる従来の標準設計を避ける。
【0063】
種々の実施形態は、添付の図面と併せて読めばより良く理解されよう。様々な実施形態は、図面に示す配置および手段に限定されないことを理解されたい。
【0064】
混合プロセスで生成されるトルクは、粘度および密度などの様々な流体特性に関する。また、トルクは、障害の存在やガス散布による変化もしくは問題など、様々な混合条件にも関する。例えば、空気の領域による液体またはスパージャ液体の連続性の破壊は、大きな泡またはチャネル、典型的にはミキサの[ガス]フラッディングと呼ばれる挙動を示し、これは動力入力の劇的な減少をもたらす。ミキサのフラッディングポイントに近いかまたはフラッディングポイントでの条件下でのトルク測定(すなわち、リアルタイムでの連続測定)は、プロセスステップの能力および機能の向上を含む、より良好なプロセス制御およびより高い混合動力の利用を可能にする。例えば、バイオリアクタは、より高い物質移動、したがってより高い生産性を持って作動することができる。さらに、速度と共に、トルク測定値は、経験的インペラ動力数および速度のみを使用するのとは対照的に、実際の測定によって流体に伝達される動力の判定を可能にし、したがって、実際の物質移動判定(すなわち、ガス移動計算)を可能にする。本明細書で説明するように、実施形態は、トランスデューサなどのトルクおよび速度センサに関し、測定されたトルクおよび速度を使用して異なる流体および混合特性、条件、および異常を検出する方法に関する。
【0065】
混合動力
開示される本発明の実施形態は、回転インペラによって消費される動力をプロセス流体中で容易に測定することを可能にする。単位はこの動力を‘馬力’(HP)で表す。ミキサの性能は馬力に関係するが、しかしながら、この傾向には問題がある。一般に、流体への動力(P)入力は、以下のように典型的なミキサ(乱流)用途用に計算できる。
【0066】
【数1】
ρ=比重
=インペラの動力数
N=インペラ速度
D=インペラ直径
=寸法定数
粘度効果
粘度が増加するにつれて、インペラの動力数は増加し始める可能性がある。これは、HP計算では重要になり、なぜなら、動力数が上がり始めると、ミキサを駆動するために利用される馬力も上がり始めるためである。入力[馬力]を単に増加させることが答えである可能性があるが、この変更は、ミキサ駆動装置のサービス要因を減少させるため、「より大きな」ミキサが必要になる可能性がある。粘度増加は、水と比較して流体の流動特性にも影響を及ぼす。
【0067】
レイノルズ数
レイノルズ数は、次のように導出できる無次元数である。
【0068】
【数2】
ρ=流体密度
μ=粘度
動力数(N)は、レイノルズ数が十分に高い限り、各インペラタイプに対して一定である。動力数はレイノルズ数(Nre)の関数である。
【0069】
図17の図は、各インペラの動力数がレイノルズ数の変化と共にどのように変化するかを示している。レイノルズ数が減少すると、動力数が急激に増加し始めるポイントに達する。このポイントは、使用中のインペラのタイプによって異なる。1000と2000との間のレイノルズ数、すなわち、Nreは、一般に「遷移中」と考えられる。
【0070】
レイノルズ数は、ミキサが作動する混合流体のタイプの指標である。レイノルズ数が2000を超える場合、出力数は一定であり、計算されたレイノルズ数が1000未満(すなわち、層流)である場合、レイノルズ数が減少するにつれて動力数が増加する。したがって、計算されたシャフト馬力は補正された動力数に基づく。この場合、図18に示すように、インペラの製造業者または実験により、動力数(N)対レイノルズ数(Nre)曲線が得られる。
【0071】
本発明の実施形態では、所与の速度で流体を混合するために使用される動力は、これらに限定するものではないが、(i)インペラ直径、(ii)インペラブレード設計、(iii)流体特性(すなわち、粘度および密度)を含む、複数のパラメータに基づいて変えることができる。哺乳動物細胞ミキサなどのいくつかの用途では、流体に供給される動力を制御することは、混合プロセスの要素である。混合動力は駆動システムによって駆動されるので、その側から測定および制御することができる。駆動システムは、インペラを回転させる固定子の形態、またはインペラ磁石に結合されて別個のモータによって駆動される磁石のセットの形態とすることができる。これらの実施形態では、駆動装置をインペラに結合する磁場は、インペラに供給される動力(およびトルク)に依存する。磁場または磁束を測定することにより、インペラに供給されるトルク、速度、および動力を計算し、それによって制御することができる。さらに、駆動システムへの電流および電圧の入力は、システムに供給される動力に関連する。これらの値は、インペラに供給される動力を計算するためにも使用できる。
【0072】
流体の特徴づけ
密度ρおよび粘度μの流体特性は、これらの特性がレイノルズ数計算および比出力方程式で表されるので、所望の混合動力およびトルクを指定する役割を果たす。このようなパラメータを推定する場合、限定ではなく例示目的で、図17の曲線4を図18に示す。
【0073】
次に、7つの異なる流体、すなわち、水と、水よりも密度、動粘度、またはその両方の組み合わせが異なる他の6つの流体について、トルク-速度曲線をプロットする。表1に各流体の一般的な特性(25℃)を示し、表2にインペラとタンクの特性を示す。
【0074】
【表2】
【0075】
【表3】
トルク-速度特性の計算は、方程式1(式1)および方程式2(式2)を使用して行われる。図19は、流体1、2、3、および水の回転速度の関数としてインペラトルクの変化を示す。粘度は、この計算における可変パラメータである。流体1は、水からは検出可能な変化を示さないが、流体2および流体3は、粘度の増加(流体2では100倍、流体3では1000倍)による差異を示す。
【0076】
図20は、異なる粘度に対するトルク-速度勾配の変化を示す。勾配の変化は粘度を変化させると最小になり、y軸の交点の変化は微分される。この場合も、流体1、2、3、および水がプロットされ、流体1は、水から検出可能な変動を示さない。
【0077】
図21Aは、水と比較して流体4、5、および6の回転速度の関数としてのインペラトルクの変化を示す。粘度は一定に保たれ、密度は(水の密度に対して)1.1X、1.3X、および1.5Xにそれぞれ変化する。密度の変化は、流体について検出可能である。
【0078】
図21Bは、水と比較して流体4、5、および6の異なる流体密度に対するトルク-速度勾配の変化を示す。粘度による勾配の変化は最小限であるが、密度は勾配に影響を与え、最小限にはy軸に影響を及ぼす。
【0079】
したがって、上述の関係に従い、流体中の粘度の変化は、様々な速度でインペラトルクを測定することによって検出することができる。さらに、密度の変化は様々なレベルで検出可能である。トルク-速度勾配を研究することによって、流体特性の変化を粘度または密度の変化の間で区別することができる。
【0080】
以下の実施形態は、バイオリアクタおよび様々なタイプのミキサのトルクを測定する方法を説明する。
【0081】
インペラのトルクおよび速度を測定するために、トランスデューサをシャフト、インペラと駆動装置との間の空間、インペラ磁石、または駆動磁石もしくはコアに追加構成要素として取り付けることができる。
【0082】
方法1:磁石-磁石結合に関連するトルクおよび速度の測定
本発明の実施形態は、バッグ内の電気配線ができない、バッグまたは容器の外側、閉鎖システムの外側に配置されるセンサを含む。一態様では、センサは駆動ヘッドと一体化されている。図22Aは、軸方向磁束固定子605の磁石603、604の配列を組み込んだプリント回路基板(PCB)巻線602を有するシステム600を示す。システム600は、インペラ端部607(中心軸608の周りを回転可能)に磁石の第1のセット603を含み、インペラ端部が容器601内に配置され、磁石の第2のセット604が駆動端部605に配置される。PCB巻線602は、図22Cにより詳細に示されるような単一のコイルまたはコイルのセットであり、磁気勾配がある領域606内の磁石603、604のセットの間に配置される。図22Bは、同期トルクが、ロータと固定子との間の角度(すなわち、ロータ磁極(または磁石)と固定子磁極(または磁石)との間の角度)が流動するように、負荷角に依存することを示している。固定子605とロータ607との間にプリント回路基板(PCB)巻線602などの単一のコイルまたはコイルのセットを配置することにより、駆動装置とインペラとの間の空間または領域606(部分的または完全に空気で満たされている)内の磁束を検出することができ、生成されたトルクに関連することができる。一態様では、単一コイルまたはコイルのセットが回路基板上に印刷され、単一層または複数層に配列および配置することができる。
【0083】
一実施形態では、PCB巻線602(図22Cに示す)などの磁束センサが、磁束情報を取得してトルクを推定するために、バイオリアクタまたはミキサシステムの既存の磁石-磁石結合に取り付けられる。磁束センサは、測定された電圧を回転速度に関連付けることによって速度を取得するように機能する。時間と共に変化する電圧は、様々な場合に測定される。図22Cにおいて、図は、逆起電力(EMF)をピックアップするPCB巻線602を示している。
【0084】
一実施形態では、図24に示される磁場密度センサ808(例えば、1つまたは複数の3Dホール効果ベースセンサ、異方性磁気抵抗(AMR)、シングル磁気記録(SMR)、巨大磁気抵抗(GMR)センサ)が駆動装置とインペラとの間の空間に設置される。この空間における磁場密度は、インペラによって生成されたトルクが変化すると変化する。図24は、システムが使用されている場合に変化する粘度および変化する密度を測定するために統合センサ808を使用する磁石-磁石結合バイオリアクタシステム800を示す。インペラ端部802のインペラ磁石810は第1の部分を形成し、駆動端磁石806はベース鋼板804と組み合わされて第2の部分を形成する。図示のように、磁場密度センサを含むセンサ808は、駆動磁石806と一体化されている。しかしながら、センサは、システム800の任意の領域内に組み込まれ、一体化され、および/または配置され得る。具体的には、示されるセンサは、インペラ端磁石と駆動端磁石との間の領域811内に一体化される。生成されるトルクは、流体特性(例えば、重量、体積、粘度、密度)に関係する。速度n→dT/dnにおいて、Tは、流体粘度、密度、および異なる動作条件を識別するために使用される。
【0085】
方法2:軸方向磁束(AF)固定子に関連するトルクおよび速度の測定
図23に示すように、軸方向磁束固定子では、固定子電圧および電流が取得され、直角および直交軸成分に分解され、センサを必要とせずに逆EMFおよびトルクが計算される。図23は、容器701内に配置された第1のロータ部分707と第2の固定子部分705とを有する装置700の一実施形態を示し、第2の固定子部分は、固定子地鉄762から垂直方向に延在するパイ型磁気固定子歯763を備える歯巻軸方向磁束固定子705である。固定子コアは、焼結粉末鉄、フェライトから形成することができるか、または磁性鋼のコイルから機械加工することができる。固定子歯763には、導電性巻線(導電部材)764が巻かれている。導電性巻線は相に分割される。各相巻線内では、個々のコイルの磁場方向が交互になるので、相巻線への相電流の印加は、一方の歯の垂直上向きと他方の歯の垂直下向きの磁場(B)を生成する。導電性巻線を通る電流の流れは、固定子歯を通って、固定子705とロータ761との間のエアギャップ、すなわち、領域706を横切って流れ、ロータ上の磁石703と相互作用し、ロータ761を通って、磁気極性が逆のロータ磁石703を通って戻り、固定子とロータとの間のエアギャップを横切り、反対に励磁された固定子歯を通り、固定子地鉄762を通って閉じる、磁場を形成する。
【0086】
方法1は、磁石-磁石結合システム800に関して説明され、駆動装置およびインペラのいくつかの異なる配置に適用することができるが、方法2は、図23に示す巻線固定子駆動システム700に特有である。磁石-磁石結合システムは、磁場密度および/または磁束の変化を利用して、インペラの位置、したがって、生成されたトルクおよび/または速度に関する情報を生成する。固定子駆動システムは、巻線固定子への入力電流および電圧を取得し、そのような情報を生成されたトルクおよび/または速度に関連付ける。
【0087】
図25Aは、様々なインペラ位置に対する1つの駆動磁石806(図24参照)の上面898の中心点899で得られる磁場密度の比較を示す。インペラ位置は、インペラ磁石810の中心線と駆動磁石806の対応する中心線との間の角度差として記録される。磁場の密度は、軸方向と横方向の両方向に記録され、インペラ駆動角が変化すると、大きな差異を示す。これらの値は、生成されたトルクに直接関連し、生成されたトルクを推定するために使用される。
【0088】
図25Bは、図25Aの図と同様であるが、測定点が異なる。ここで、測定点897は、インペラに向かって軸方向に1/8インチ(3.2mm)シフトされ、計算点は、駆動磁石806の中心899より0.125インチ(3.2mm)上である。この場合も、磁場密度の変化は、インペラ磁石810の位置の変化に関連する。センサの位置は、駆動装置とインペラとの間、または駆動装置の底面もしくはインペラの上面のどこでも可能である。
【0089】
図25Cは、様々なインペラ位置に対する磁束の変化を示す。磁束は、インペラ位置、したがって、発生トルクを検出するためにも使用できることは明らかである。磁束はインペラの相対位置によって変化するので、駆動装置に対して突然のインペラの位置の変化を検出するためにも使用できる。これはファラデーの法則を使って説明できる。
【0090】
【数3】
ここで、eはループ内の生成電圧であり、磁束をピックアップするために使用され、Nはループの巻数であり、φはループ896を通る磁束である。インペラの相対位置の変化は、(電圧が磁束の時間変化に関係するので)ループ電圧の突然の変化を引き起こし、したがって、電圧のこの変化は、インペラの相対位置の変化に関連し得る。ある時間(t)にわたってインペラ速度が増加する場合、この期間の電圧を用いて新しいインペラ相対位置および速度を計算することができる。異常状態のためにインペラが相対位置を突然変化させると、電圧波形は、時間的に非常に短くなり(パルスにより似ている)、したがって、異常動作が検出されてその後の動作がトリガされ得る。
【0091】
図26は、ミキサシステム900の概略図である。一態様では、ミキサシステムはポンプである。別の態様では、ミキサシステムはバイオリアクタシステムである。ミキサ900は、コントローラ902を含み、駆動装置904は、他の構成要素間で、固定子、モータ、磁気結合を含み、インペラ906は、他の構成要素間で、1つまたは複数のブレードを含む。コントローラ902は、ミキサおよび/またはポンプ駆動装置904を制御する。駆動装置は、固定子、モータ、磁気結合のうちのいずれか1つを単独でまたは組み合わせて含むことができる。センサ装置907は、トルク速度センサ908、電流/電圧/磁束センサ910を単独または組み合わせて含む。センサ907は、トルクおよび速度計算を分析し、流体に供給される動力、流体特性(例えば、密度、粘度など)、混合特性(例えば、流体特性の変化、混合の異常、閉塞、ガス分散など)を分析し、および選択された他の分析を行う、プロセッサ912に情報をリレーする。次に、プロセッサは、フィードバックループ内でコントローラ902に指示を与える。このように、プロセッサは、攪拌を増減させ、システムに動力を供給し、流体の特性を調整し、任意の欠陥または異常などを修正するために、ミキサの正確な制御をもたらす分析装置である。
【0092】
本明細書の態様は、混合動作中の駆動装置とインペラとの間の角度の評価を含む。これにより、トルク、粘度、および他の流体特性の判定が可能になる。これは、専用センサ(図22C、センサ602参照)と軸方向磁束固定子を用いた間接測定との間の共通の特徴を提供する。
【0093】
一実施形態では、駆動装置とインペラとの間の角度は、光検出システムによってインペラ上のマーカが読み取られるような光学的方法によって判定される。このような実施形態では、ファイバからの光を反射することによって、インペラがバッグの底部に近くなり、透明な窓がバッグに嵌合することができるので、検出が容易になる。他の位置決め指標も可能である。
【0094】
一実施形態では、離散的ホールセンサが利用される。信号は、回転駆動装置または磁束固定子のいずれかで、駆動装置の位置に対して処理および比較することができる。液体やその他の状態のないゼロトルク(オフセット)の場合の較正も設定することができる。したがって、直接的または間接的な磁場センサの使用により、ユーザによって所望されるように、サイズ、形状、および寸法が修正および変更され得る。
【0095】
本明細書で開示される実施形態は、現在の本分野のシステムに取って代わるいくつかの利点を有する。そのような利点には、ミキサ内の流体に送達される、流体粘度および密度、ならびに動力およびトルクの検出が含まれる。例えば、マイクロキャリア、セル、またはミキサの底部にある溶解していない粉末の沈殿物を含む障害物が、始動中に検出される。トルク測定値は、式1)による経験的インペラ動力数および速度のみを使用するのとは対照的に、実際の測定によって流体に伝達される動力の判定を可能にし、それにより、実際の物質移動判定(例えば、ガス移動計算)を可能にする。さらに、多相系(例えば、ガススパージドバイオリアクタ)におけるインペラのフラッディングを検出することができる。ガススパージングの変更および問題を検出することができる。使い捨てユニットおよびそのインペラの正しい位置を確認することができる。異なる特性の測定および監視は、プロセス分析ツール(PAT)にも使用できる。
【0096】
実施形態は、本分野で生じる課題および問題にさらに対処する。流体に供給される動力の判定は、現在、式またはルックアップテーブルを用いて行われ、直接的には測定されない。混合プロセスが行われるにつれて流体密度および/または粘度が変化するので、更新された値が混合プロセスの正確な制御を提供する。
【0097】
閉塞、障害、ガススパージングを伴う問題などの混合プロセスの異常も、混合プロセスの品質を保証するために判定することができる。これらの機能は、このような問題を検出してフラグを立て、場合によってはアラームを提供して、混合プロセスを修正することができる。
【0098】
本明細書で開示される実施形態は、要望に応じて、バイオリアクタまたはミキサのユーザにさらなる機能を提供する。様々な実施形態は、混合中に流体に送達される動力を正確に監視することを可能にし、混合に異常がある場合のアラームを含む流体特性の連続的な更新を可能にする。そのような実施形態は、温度、圧力、および他の測定可能な条件などの特徴および構成要素を包含するように変更することができる。本明細書に開示される実施形態および態様は、任意のサイズ、形状、および寸法の容器、バッグ、または混合容器などで組み込むことができる。
【0099】
上記の説明は例示するものであって、限定することを意図したものではないことを理解すべきである。例えば、上記の実施形態(および/またはその態様)は、互いに組み合わせて用いることができる。さらに、本発明の範囲を逸脱せずに特定の状況または材料を本発明の教示に適応させるために、多くの修正を行うことができる。本明細書に記載した様々な構成要素の寸法、材料の種類、方向、ならびに数および位置は、特定の実施形態のパラメータを規定するためのものであって、決して限定するものではなく、単に例示的な実施形態にすぎない。特許請求の範囲の趣旨および範囲に含まれる多くの他の実施形態および修正は、上記の説明を精査すれば、当業者にとって明らかであろう。したがって、本発明の範囲は、添付した特許請求の範囲に与えられる均等物の完全な範囲と共に、添付した特許請求の範囲によって決定されなければならない。添付した特許請求の範囲において、「含む(including)」および「そこにおいて(in which)」という用語は、それぞれ「含む(comprising)」および「そこにおいて(wherein)」という用語の平易な英語に相当するものとして用いられる。さらに、以下の特許請求の範囲において、「第1の」、「第2の」、および「第3の」などの用語は、単にラベルとして用いており、それらの対象物に対して数の要件を課すことを意図するものではない。
【0100】
本明細書は、様々な実施形態を開示するために実施例を用いており、また、当業者が様々な実施形態を実施することができるように実施例を用いており、任意のデバイスまたはシステムを製作し使用し、任意の組み込まれた方法を実行することを含んでいる。様々な実施形態の特許可能な範囲は、特許請求の範囲によって定義され、当業者が想到する他の実施例を含むことができる。このような他の実施例は、特許請求の範囲の文言との差がない構造要素を有する場合、または特許請求の範囲の文言との実質的な差がない等価の構造要素を含む場合には、特許請求の範囲内にある。
[実施態様1]
バイオリアクタ内の磁気インペラ(1002)を駆動するための軸方向磁束固定子(110;111;120;160;605;705)であって、軸方向に磁束を生成するための複数の導電部材(164;764)と、前記導電部材(164;764)を取り付けるためのコア(121;170;175)であって、前記コア(121;170;175)が複数の固定セグメント(123;163;176;763)を含み、各セグメントがその間に変調スロット(122;165)を伴う高さおよび幅を有し、前記セグメント(123;163;176;763)が中央中空軸を有するプレート上に一体化される、コア(121;170;175)と、を備える、軸方向磁束固定子(110;111;120;160;605;705)。
[実施態様2]
前記コア(121;170;175)が磁性である、実施態様1に記載の軸方向磁束固定子(110;111;120;160;605;705)。
[実施態様3]
前記複数の固定セグメント(123;163;176;763)が固定子歯(163;176;763)であり、前記導電部材(164;764)が前記固定子歯(163;176;763)の周りに巻かれた導電性巻線(164;764)である、実施態様1または2に記載の軸方向磁束固定子(110;111;120;160;605;705)。
[実施態様4]
前記導電性巻線(164;764)が、複数の相に分割されている、実施態様3に記載の軸方向磁束固定子(110;111;120;160;605;705)。
[実施態様5]
前記巻線(164;764)への電流の印加により、磁場が一方の歯の垂直上方に、他方の歯の垂直下方に生成されるように、前記個々の巻線(164;764)の各相が交互になる、実施態様4に記載の軸方向磁束固定子(110;111;120;160;605;705)。
[実施態様6]
前記固定子歯(163;176;763)が円錐形の歯である、実施態様3乃至5のいずれか1項に記載の軸方向磁束固定子(110;111;120;160;605;705)。
[実施態様7]
前記複数の導電部材(164;764)が、インペラ速度、インペラトルク、およびインペラ動力のうちのいずれか1つを、単独または組み合わせて制御する、実施態様1乃至6のいずれか1項に記載の軸方向磁束固定子(110;111;120;160;605;705)。
[実施態様8]
実施態様1乃至7のいずれか1項に記載の前記軸方向磁束固定子(110;111;120;160;605;705)を備える剛性支持容器(1004)であって、前記剛性支持容器(1004)が、磁気インペラ(1002)を備える可撓性バッグバイオリアクタ(1001)を受け取るよう構成される、剛性支持容器(1004)。
[実施態様9]
前記軸方向磁束固定子(110;111;120;160;605;705)が、前記剛性支持容器(1004)の底壁(1008)に取り付けられる、実施態様8に記載の剛性支持容器(1004)。
[実施態様10]
前記剛性支持容器の側壁(1009)に取り付けられる前記軸方向磁束固定子(110;111;120;160;605;705)を備える、実施態様8または9に記載の剛性支持容器(1004)。
[実施態様11]
軸方向に磁束を生成するための複数の導電部材(164;764)を備える固定子(110;111;120;160;605;705)と、
前記軸方向磁束固定子(110;111;120;160;605;705)の軸の周りを回転可能なインペラ(1002)と、
を備え、
前記磁束が前記インペラ(1002)を駆動する、
混合システム。
[実施態様12]
前記固定子(110;111;120;160;605;705)が、前記導電部材(164;764)を取り付けるためのコア(121;170;175)を有する軸方向磁束固定子(110;111;120;160;605;705)であり、前記コア(121;170;175)が固定子歯(163;176;763)を含む、実施態様11に記載の混合システム。
[実施態様13]
前記コア(121;170;175)が磁性である、実施態様12に記載の混合システム。
[実施態様14]
前記インペラ(1002)が、複数の磁石(404;414;418;603;810)と、1つまたは複数の混合ブレードと、前記インペラ(1002)を位置ずれから支持するための固定具とを、単独でまたは組み合わせて備える、実施態様11乃至13のいずれか1項に記載の混合システム。
[実施態様15]
前記複数の磁石(404;414;418;603;810)がハルバッハアレイを形成する、実施態様14に記載の混合システム。
[実施態様16]
前記インペラ(1002)が、前記磁気結合を強化するためのバックプレート(405)をさらに備える、実施態様14または15に記載の混合システム。
[実施態様17]
前記固定子歯(163;176;763)が、1つまたは複数の円錐形の歯を含む、実施態様12乃至16のいずれか1項に記載の混合システム。
[実施態様18]
前記円錐形の歯が、前記回転軸の周りの構成内にある、実施態様17に記載の混合システム。
[実施態様19]
前記複数の導電部材(164;764)の少なくとも1つが、前記円錐形の歯の周りに円錐構成を有する、実施態様17または18に記載の混合システム。
[実施態様20]
前記複数の磁石(404;414;418;603;810)が、前記回転軸の周りに円錐状に構成されている、実施態様14乃至19のいずれか1項に記載の混合システム。
[実施態様21]
前記固定子(110;111;120;160;605;705)内の前記複数の導電部材(164;764)が、インペラ速度、インペラトルク、およびインペラ動力のうちのいずれか1つを、単独または組み合わせて制御する、実施態様11乃至20のいずれか1項に記載の混合システム。
[実施態様22]
前記固定子(110;111;120;160;605;705)内の前記導電部材(164;764)を通る電流の流れが、前記固定子(110;111;120;160;605;705)と前記インペラ(1002)との間のエアギャップを介して前記固定子歯(163;176;763)を通って流れて戻る磁場を形成する、実施態様12乃至20のいずれか1項に記載の混合システム。
[実施態様23]
前記固定子(110;111;120;160;605;705)は、実施態様1乃至7のいずれか1項に記載の前記軸方向磁束固定子(110;111;120;160;605;705)である、実施態様11乃至22のいずれか1項に記載の混合システム。
[実施態様24]
前記固定子(110;111;120;160;605;705)が、剛性支持容器(1004)の壁(1008,1009,1010)に取り付けられ、前記インペラ(1002)が、前記剛性支持容器(1004)で受け取られるよう適合される可撓性バイオリアクタバッグ(1001)に配置される、実施態様11乃至23のいずれか1項に記載の混合システム。
[実施態様25]
前記可撓性バイオリアクタバッグ(1001)が、前記インペラ(1002)を受け取って前記インペラ(1002)を前記固定子(110;111;120;160;605;705)と整列させるよう適合されるインペラ受容器構造(1006)を備える、実施態様24に記載の混合システム。
[実施態様26]
バイオリアクタミキサとして使用されるシステムであって、前記システムは、
回転駆動装置(110;111;120;160;410;420;605;705)と、
中心軸(172;407;415;419;608;1011)の周りを回転することができるインペラと、
1つまたは複数のアレイ形式で配置された複数の磁石であって、第1のアレイ形式での磁石(402;123;163;176;763)の第1のセットが前記回転駆動装置に隣接する駆動端部に配置され、第2のアレイ形式での磁石(404;414;418;603;810)の第2のセットが前記インペラ(1002)に配置される、複数の磁石と、
を備え、
前記回転駆動装置(110;111;120;160;410;420;605;705)が駆動固定子である、
システム。
[実施態様27]
磁石(404;414;418;603;810)の前記第2のセットがハルバッハアレイを形成する、実施態様26に記載のシステム。
[実施態様28]
シャフトをさらに備える、実施態様26または27に記載のシステム。
[実施態様29]
前記シャフトが固定シャフトであり、前記インペラ(1002)が前記固定シャフトの周りを回転可能である、実施態様28に記載のシステム。
[実施態様30]
前記シャフトが前記インペラ(1002)に固定され、前記インペラ(1002)と共に前記中心軸の周りを回転可能である、実施態様28に記載のシステム。
[実施態様31]
前記駆動固定子が、前記複数の磁石(404;414;418;603;810)の下側に配置される軸方向磁束固定子(110;111;120;160;605;705)である、実施態様26乃至30のいずれか1項に記載のシステム。
[実施態様32]
前記軸方向磁束固定子(110;111;120;160;605;705)が、前記固定子(110;111;120;160;605;705)に供給される電圧および電流を個々にまたは組み合わせて制御するための制御回路(113)を備える、実施態様31に記載のシステム。
[実施態様33]
前記軸方向磁束固定子(110;111;120;160;605;705)が、回転のトルクおよび回転速度を測定する制御回路(113)を備える、実施態様31または32に記載のシステム。
[実施態様34]
前記軸方向磁束固定子(110;111;120;160;605;705)が、前記軸方向磁束固定子(110;111;120;160;605;705)およびインペラ磁石によって生成される磁束および磁束密度を測定する制御回路(113;902)を備える、実施態様31乃至33のいずれか1項に記載のシステム。
[実施態様35]
前記軸方向磁束固定子(110;111;120;160;605;705)が、軸方向に磁束を生成して前記インペラ(1002)を駆動するための複数の導電部材(164;764)を備える、実施態様31乃至34のいずれか1項に記載のシステム。
[実施態様36]
前記軸方向磁束固定子(110;111;120;160;605;705)が、前記導電部材(164;764)を固定するためのコア(121;170;175)を備える、実施態様31乃至35のいずれか1項に記載のシステム。
[実施態様37]
前記コア(121;170;175)が磁性または非磁性である、実施態様36に記載のシステム。
[実施態様38]
前記駆動固定子が、実施態様1から7のいずれか1項に記載の前記軸方向磁束固定子(110;111;120;160;605;705)である、実施態様31乃至37のいずれか1項に記載のシステム。
[実施態様39]
前記固定子(110;111;120;160;605;705)が、剛性支持容器の壁(1008,1009,1010)に取り付けられ、前記インペラ(1002)およびシャフトが、前記剛性支持容器(1004)で受け取られるよう適合される可撓性バイオリアクタバッグ(1001)に配置される、実施態様26乃至38のいずれか1項に記載の混合システム。
[実施態様40]
前記可撓性バイオリアクタバッグ(1001)が、前記インペラ(1002)およびシャフトを受け取って前記インペラ(1002)およびシャフトを前記固定子(110;111;120;160;605;705)と整列させるよう適合されるインペラ受容器構造(1006)を備える、実施態様39に記載の混合システム。
[実施態様41]
バイオリアクタミキサとして利用されるシステムであって、前記システムは、
回転駆動装置(110;111;120;160;410;420;605;705)と、
中央軸(172;407;415;419;608;1011)の周りを回転可能なインペラ(1002)と、
1つまたは複数のアレイ形式に配置される複数の磁石であって、第1のアレイ形式の磁石(402;123;163;176;763)の第1のセットが前記回転駆動装置に隣接する駆動端部に配置され、第2のアレイ形式の磁石(404;414;418;603;810)の第2のセットが前記インペラ(1002)に配置される、複数の磁石と、
そこに配置される磁石(402;123;163;176;763)の前記第1のセットを含む少なくとも1つのプレート(162;177;406;762)であって、磁石(402;123;163;176;763)の前記第1のセットが同心幾何学形状に配置されて、前記同心幾何学形状の中心に向かって狭くなる幅の広い外形寸法を有して個々に形成される、少なくとも1つのプレート(162;177;406;762)と、
を備え、
磁石(404;414;418;603;810)の前記第2のセットが、互いに隣接して配置されて、前記第2のアレイの一方の側の磁場を増大させ、一方で、前記第2のアレイの反対側で磁場をゼロにして、空間的に回転する磁化パターンを実現する、
システム。
[実施態様42]
磁石(404;414;418;603;810)の前記第2のセットがハルバッハアレイを形成する、実施態様41に記載のシステム。
[実施態様43]
シャフトをさらに備える、実施態様41または42に記載のシステム。
[実施態様44]
前記シャフトが固定シャフトであり、前記インペラ(1002)が前記固定シャフトの周りを回転可能である、実施態様43に記載のシステム。
[実施態様45]
前記シャフトが前記インペラ(1002)に固定され、前記インペラ(1002)と共に前記中心軸の周りを回転可能である、実施態様43に記載のシステム。
[実施態様46]
前記バイオリアクタミキサの少なくとも一部が配置される外部容器(1004)をさらに備える、実施態様41乃至45のいずれか1項に記載のシステム。
[実施態様47]
前記外部容器が、前記駆動端部および前記回転駆動装置(1005)を備える剛性支持容器(1004)であり、前記インペラ(1002)およびオプションのシャフトが、前記剛性支持容器(1004)に受け取られるよう適合される可撓性バイオリアクタバッグ(1001)内に位置する、実施態様46に記載のシステム。
[実施態様48]
前記可撓性バイオリアクタバッグ(1001)が、前記インペラ(1002)およびオプションのシャフトを受け取って前記インペラ(1002)およびオプションのシャフトを前記駆動端部および回転駆動装置(1005)と整列させるよう適合されるインペラ受容器構造(1006)を備える、実施態様47に記載のシステム。
[実施態様49]
磁石(402;123;163;176;763)の前記第1のセットが、前記アレイ形式の各個々の磁石の間に形成されるスロット(122;165)を有し、前記スロットがスロットピッチを有する、実施態様41乃至48のいずれか1項に記載のシステム。
[実施態様50]
磁石(402;123;163;176;763)の前記第1のセットの前記第1のアレイ形式が、スロット幅と磁石高さとの均一性を有する、実施態様41乃至49のいずれか1項に記載のシステム。
[実施態様51]
前記複数の磁石(404;414;418;603;810)が希土類材料を備える、実施態様41乃至50のいずれか1項に記載のシステム。
[実施態様52]
前記希土類材料が、ネオジムおよび/またはサマリウム-コバルトを個々にまたは組み合わせて含む、実施態様51に記載のシステム。
[実施態様53]
前記複数の磁石(404;414;418;603;810)が非希土類材料を備える、実施態様41乃至52のいずれか1項に記載のシステム。
[実施態様54]
前記非希土類物質が、アルニコおよび/またはフェライトを単独または組み合わせて含む、実施態様53に記載のシステム。
[実施態様55]
前記複数の磁石(404;414;418;603;810)が、5重量%未満の希土類元素を備える、実施態様53または54に記載のシステム。
[実施態様56]
磁石(402;123;163;176;763)の前記第1のセットおよび磁石(404;414;418;603;810)の前記第2のセットが、より大きなトルクを提供するために大きな容量を利用する、実施態様41乃至55のいずれか1項に記載のシステム。
[実施態様57]
バイオリアクタミキサとして利用されるシステムであって、前記システムは、
回転駆動装置(110;111;120;160;410;420;605;705)と、
中央軸(172;407;415;419;608;1011)の周りを回転可能なインペラ(1002)と、
1つまたは複数のアレイ形式で配置される複数の磁石であって、第1のアレイ形式の磁石(402;123;163;176;763)の第1のセットが前記回転駆動装置(110;111;120;160;410;420;605;705)に隣接する駆動端部に配置され、第2のアレイ形式の磁石(404;414;418;603;810)の第2のセットが前記インペラ(1002)に配置される、複数の磁石と、
そこに配置される磁石(402;123;163;176;763)の前記第1のセットを含む少なくとも第1のプレート(162;177;406;762)と、
を備え、
磁石(404;414;418;603;810)の前記第2のセットが、空気の透磁率よりも大きい透磁率を有して磁石(402;123;163;176;763)の前記第1のセットと前記インペラ(1002)との間に挟まれた材料を備える第2のプレート(405)と共に配置され、磁場勾配が磁石(402;123;163;176;763)の前記第1のセットの前記第1のアレイ形式と磁石(404;414;418;603;810)の前記第2のセットの前記第2のアレイ形式との間に形成される、
システム。
[実施態様58]
磁石(404;414;418;603;810)の前記第2のセットがハルバッハアレイを形成する、実施態様57に記載のシステム。
[実施態様59]
シャフトをさらに備える、実施態様57または58に記載のシステム。
[実施態様60]
前記シャフトが固定シャフトであり、前記インペラ(1002)が前記固定シャフトの周りを回転可能である、実施態様59に記載のシステム。
[実施態様61]
前記シャフトが前記インペラ(1002)に固定され、前記インペラ(1002)と共に前記中心軸の周りを回転可能である、実施態様59に記載のシステム。
[実施態様62]
前記第1のプレートが、空気の透磁率よりも大きい透磁率を有する材料を備える、実施態様57乃至61のいずれか1項に記載のシステム。
[実施態様63]
磁石(402;123;163;176;763)の前記第1のセットが、同心円状の中心に向かって狭くなる、より広い外形寸法を有する幾何学的形状のアレイ形式で配置される、実施態様57乃至62のいずれか1項に記載のシステム。
[実施態様64]
磁石(404;414;418;603;810)の前記第2のセットが、同心円状の中心に向かって狭くなる、より広い外形寸法を有する幾何学的形状のアレイ形式で配置される、実施態様57乃至63のいずれか1項に記載のシステム。
[実施態様65]
磁石(402;123;163;176;763)の前記第1のセットが、前記アレイ形式の各個々の磁石の間に形成されるスロットを有し、前記スロット(122;165)がスロットピッチを有する、実施態様57乃至67のいずれか1項に記載のシステム。
[実施態様66]
磁石(402;123;163;176;763)の前記第1のセットの前記第1のアレイ形式が、スロット幅と磁石高さとの均一性を有する、実施態様65に記載のシステム。
[実施態様67]
磁石(404;414;418;603;810)の前記第2のセットが、各個々の磁石の間に形成されるスロットを有し、磁石(404;414;418;603;810)の前記第2のセットの前記第2のアレイ形式が、磁石(402;123;163;176;763)の前記第1のセットの前記第1のアレイ形式よりも小さい寸法を有する、実施態様57乃至66のいずれか1項に記載のシステム。
[実施態様68]
前記複数の磁石(404;414;418;603;810)が希土類材料を備える、実施態様57乃至67のいずれか1項に記載のシステム。
[実施態様69]
前記希土類材料が、ネオジムおよび/またはサマリウム-コバルトを個々にまたは組み合わせて含む、実施態様68に記載のシステム。
[実施態様70]
前記複数の磁石(404;414;418;603;810)が非希土類材料を備える、実施態様57乃至69のいずれか1項に記載のシステム。
[実施態様71]
前記非希土類物質が、アルニコおよび/またはフェライトを単独または組み合わせて含む、実施態様70に記載のシステム。
[実施態様72]
前記複数の磁石(404;414;418;603;810)が、5重量%未満の希土類元素を備える、実施態様70または71に記載のシステム。
[実施態様73]
磁石(402;123;163;176;763)の前記第1のセットおよび磁石(404;414;418;603;810)の前記第2のセットが、より高いトルクを提供するために大きな容量を利用する、実施態様57乃至72のいずれか1項に記載のシステム。
[実施態様74]
前記バイオリアクタミキサの少なくとも一部が配置される外部容器(1004)をさらに備える、実施態様57乃至73のいずれか1項に記載のシステム。
[実施態様75]
前記外部容器が、前記駆動端部および前記回転駆動装置(1005)を備える剛性支持容器(1004)であり、前記インペラ(1002)およびシャフトが、前記剛性支持容器に受け取られるよう適合される可撓性バイオリアクタバッグ(1001)内に位置する、実施態様74に記載のシステム。
[実施態様76]
前記可撓性バイオリアクタバッグ(1001)が、前記インペラ(1002)およびシャフトを受け取って前記インペラ(1002)およびシャフトを前記駆動端部および回転駆動装置(1005)と整列させるよう適合されるインペラ受容器構造(1006)を備える、実施態様75に記載のシステム。
[実施態様77]
磁気インペラ(1002)を有する可撓性バイオリアクタバッグ(1001)を受け取るよう構成される剛性支持容器(1004)であって、前記剛性支持容器(1004)が、前記磁気インペラ(1002)を駆動するよう構成される回転駆動装置(1005)と、前記回転駆動装置(1005)に隣接する駆動端部に配置される第1のアレイ形式の磁石の第1のセットと、磁石(402;123;163;176;763)の前記第1のセットが同心幾何学的構成で配置されて前記同心幾何学的構成の中心に向かって狭くなるより広い外側寸法を有して個別に形成されるように磁石(402;123;163;176;763)の前記第1のセットを含む第1のプレートとを備える、剛性支持容器(1004)。
[実施態様78]
前記第1のプレートが、空気の透磁率よりも大きい透磁率を有する材料を備える、実施態様77に記載の剛性支持容器(1004)。
[実施態様79]
磁石(402;123;163;176;763)の前記第1のセットが、同心円状の中心に向かって狭くなる、より広い外形寸法を有する幾何学的形状のアレイ形式で配置される、実施態様77または78に記載の剛性支持容器(1004)。
[実施態様80]
磁石(402;123;163;176;763)の前記第1のセットが、前記アレイ形式の各個々の磁石の間に形成されるスロットを有し、前記スロットがスロットピッチを有する、実施態様77乃至79のいずれか1項に記載の剛性支持容器(1004)。
[実施態様81]
磁石(402;123;163;176;763)の前記第1のセットの前記第1のアレイ形式が、スロット幅と磁石高さとの均一性を有する、実施態様80に記載の剛性支持容器(1004)。
[実施態様82]
磁石(402;123;163;176;763)の前記第1のセットが希土類材料を備える、実施態様77乃至81のいずれか1項に記載の剛性支持容器(1004)。
[実施態様83]
前記希土類材料が、ネオジムおよび/またはサマリウム-コバルトを含む、実施態様82に記載の剛性支持容器(1004)。
[実施態様84]
磁石(402;123;163;176;763)の前記第1のセットが非希土類材料を備える、実施態様77乃至83のいずれか1項に記載の剛性支持容器(1004)。
[実施態様85]
前記非希土類物質が、アルニコおよび/またはフェライトを含む、実施態様84に記載の剛性支持容器(1004)。
[実施態様86]
前記複数の磁石(404;414;418;603;810)が、5重量%未満の希土類元素を備える、実施態様84または85に記載の剛性支持容器(1004)。
[実施態様87]
磁気駆動装置(1005)を備える剛性支持容器(1004)に受け取られるよう適合される可撓性バイオリアクタバッグ(1001)であって、前記可撓性バイオリアクタバッグ(1001)が、中心軸(172;407;415;419;608;1011)の周りを回転可能なインペラ(1002)と、前記インペラ(1002)に配置される第2のアレイ形式の磁石(404;414;418;603;810)の第2のセットとを備え、磁石(404;414;418;603;810)の前記第2のセットが互いに隣接して配置され、前記第2のアレイの一方の側の磁場を増大させ、磁化の空間的回転パターンを実現するために前記第2のアレイの反対側で前記磁場をゼロに打ち消す、可撓性バイオリアクタバッグ(1001)。
[実施態様88]
前記インペラ(1002)を受け取るよう適合されるインペラ受容器構造(1006)をさらに備える、実施態様87に記載の可撓性バイオリアクタバッグ(1001)。
[実施態様89]
シャフトをさらに備える、実施態様87または88に記載の可撓性バイオリアクタバッグ(1001)。
[実施態様90]
前記シャフトが固定シャフトであり、前記シャフトが前記インペラ受容器構造(1006)に固定され、前記インペラ(1002)が前記固定シャフトの周りを回転可能である、実施態様89に記載の可撓性バイオリアクタバッグ(1001)。
[実施態様91]
前記シャフトが前記インペラ(1002)に固定され、前記インペラ(1002)と共に前記中心軸の周りを回転可能である、実施態様89に記載の可撓性バイオリアクタバッグ(1001)。
[実施態様92]
実施態様8から10および実施態様77から86のいずれか1項に記載の前記剛性支持容器(1004)に受け取られるよう適合される、実施態様87乃至91のいずれか1項に記載の可撓性バイオリアクタバッグ(1001)。
[実施態様93]
磁石(404;414;418;603;810)の前記第2のセットがハルバッハアレイを形成する、実施態様87乃至92のいずれか1項に記載の可撓性バイオリアクタバッグ(1001)。
[実施態様94]
磁石(404;414;418;603;810)の前記第2のセットが、空気の透磁率よりも高い透磁率を有する材料を備える第2のプレートと共に配置され、前記可撓性バイオリアクタバッグ(1001)が実施態様77から86のいずれか1項に記載の前記剛性支持容器(1004)に受け取られる場合、前記第2のプレートが磁石(402;123;163;176;763)の前記第1のセットと前記インペラ(1002)との間に挟まれ、磁場勾配が磁石(402;123;163;176;763)の前記第1のセットの前記第1のアレイ形式と磁石(404;414;418;603;810)の前記第2のセットの前記第2のアレイ形式との間に生成される、実施態様87乃至93のいずれか1項に記載の可撓性バイオリアクタバッグ(1001)。
[実施態様95]
磁石(404;414;418;603;810)の前記第2のセットが希土類材料を備える、実施態様87乃至94のいずれか1項に記載の可撓性バイオリアクタバッグ(1001)。
[実施態様96]
前記希土類材料が、ネオジムおよび/またはサマリウム-コバルトを含む、実施態様95に記載の可撓性バイオリアクタバッグ(1001)。
[実施態様97]
磁石(404;414;418;603;810)の前記第2のセットが非希土類材料を備える、実施態様87乃至96のいずれか1項に記載の可撓性バイオリアクタバッグ(1001)。
[実施態様98]
前記非希土類物質が、アルニコおよび/またはフェライトを含む、実施態様97に記載の可撓性バイオリアクタバッグ(1001)。
[実施態様99]
前記複数の磁石(404;414;418;603;810)が、5重量%未満の希土類元素を備える、実施態様97または98に記載の可撓性バイオリアクタバッグ(1001)。
[実施態様100]
磁石(404;414;418;603;810)の前記第2のセットが、同心円状の中心に向かって狭くなる、より広い外形寸法を有する幾何学的形状のアレイ形式で配置される、実施態様87乃至99のいずれか1項に記載の可撓性バイオリアクタバッグ(1001)。
[実施態様101]
磁石(404;414;418;603;810)の前記第2のセットが、各個別の磁石の間に形成されるスロットを有する、実施態様87乃至100のいずれか1項に記載の可撓性バイオリアクタバッグ(1001)。
[実施態様102]
流体混合装置内の条件を特徴づける磁気混合システムであって、前記システムは、
流体を備える容器(601;701;1001)と、
磁場を生成する駆動装置(110;111;120;160;410;420;605;705;1005)と、
前記駆動装置(110;111;120;160;410;420;605;705;1005)を操作するコントローラ(113;902)と、
前記磁場または磁束を検出するために前記システムと共に配置される1つまたは複数のセンサ(808;907,908,910)と、
前記センサ(808;907,908,910)から情報を受け取って前記流体に与えられる動力、前記インペラ(1002)のトルクおよび速度のうちの1つまたは複数を計算するプロセッサ(912)と、
を備える、磁気混合システム。
[実施態様103]
前記容器内にインペラ(1002)をさらに備え、前記駆動装置(110;111;120;160;410;420;605;705;1005)が、前記インペラ(1002)を回転させる前記磁場を生成し、前記センサ(808;907,908,910)が、前記インペラ(1002)に供給される前記磁場または前記磁束を測定する、実施態様102に記載の磁気混合システム。
[実施態様104]
前記1つまたは複数のセンサ(808;907,908,910)が、前記駆動装置(110;111;120;160;410;420;605;705;1005)、前記インペラ(1002)、または前記インペラ(1002)と前記駆動装置(110;111;120;160;410;420;605;705;1005)との間に配置される、実施態様102または103に記載の磁気混合システム。
[実施態様105]
前記センサ(808;907,908,910)が、前記駆動装置(110;111;120;160;410;420;605;705;1005)に供給される電流および電圧をさらに検出する、実施態様102乃至104のいずれか1項に記載の磁気混合システム。
[実施態様106]
前記駆動装置(110;111;120;160;410;420;605;705;1005)が、固定子(110;111;120;160;605;705)である、実施態様102乃至105のいずれか1項に記載の磁気混合システム。
[実施態様107]
前記駆動装置(110;111;120;160;410;420;605;705;1005)が、モータと組み合わせた永久磁石のセットを含む、実施態様102乃至106のいずれか1項に記載の磁気混合システム。
[実施態様108]
前記駆動装置(110;111;120;160;410;420;605;705;1005)が、固定子(110;111;120;160;605;705)、モータ、または磁気結合であり、前記センサ(808;907,908,910)が、それぞれ単独または組み合わせて配置されたトランスデューサである、実施態様102乃至107のいずれか1項に記載の磁気混合システム。
[実施態様109]
前記インペラ(1002)の前記トルクおよび前記速度が、前記流体の混合におけるトルクおよび速度に対応する、実施態様102乃至108のいずれか1項に記載の磁気混合システム。
[実施態様110]
前記プロセッサ(912)が、前記動力、トルクまたは速度を、単独または組み合わせて、1つまたは複数の流体特性と共に使用して、リアルタイムの混合条件および混合特性を評価する、実施態様102乃至109のいずれか1項に記載の磁気混合システム。
[実施態様111]
前記プロセッサ(912)が、前記流体特性、前記混合条件、または前記混合特性の変化を個別にまたは組み合わせて検出する、実施態様110に記載の磁気混合システム。
[実施態様112]
前記プロセッサ(912)が、学習されたパターンまたは所定の閾値によって判定される前記流体特性、前記混合条件、または前記混合特性の異常を検出する、実施態様102乃至111のいずれか1項に記載の磁気混合システム。
[実施態様113]
前記流体特性が、とりわけ前記流体の密度および粘度を含む、実施態様102乃至112のいずれか1項に記載の磁気混合システム。
[実施態様114]
前記プロセッサ(912)が、単独または組み合わせて、前記動力、前記トルク、または前記速度で、前記流体の前記密度または前記粘度の異常を検出する、実施態様113に記載の磁気混合システム。
[実施態様115]
前記プロセッサ(912)が、前記流体中の詰まり、ガス分散、または1つもしくは複数の汚染物質を単独または組み合わせて検出する、実施態様102乃至114に記載の磁気混合システム。
[実施態様116]
前記プロセッサ(912)が、フィードバックループ内で前記コントローラ(113;902)に方向を提供する分析装置である、実施態様102乃至115のいずれか1項に記載の磁気混合システム。
[実施態様117]
前記分析装置が、前記駆動装置(110;111;120;160;410;420;605;705;1005)に動力を供給して攪拌を増減させ、流体特性を調整し、欠点または異常を個々にまたは組み合わせて補正する、実施態様116に記載の磁気混合システム。
[実施態様118]
前記駆動装置(110;111;120;160;410;420;605;705;1005)が、実施態様1から7のいずれか1項に記載の前記軸方向磁束固定子(110;111;120;160;605;705)を備える、実施態様102乃至106または実施態様108乃至117のいずれか1項に記載の磁気混合システム。
[実施態様119]
磁気混合システムであって、
流体を備える容器(601;701;1001)と、
磁場を生成する1つまたは複数の駆動磁石を含む駆動装置(110;111;120;160;410;420;605;705;1005)であって、前記駆動装置(110;111;120;160;410;420;605;705;1005)が前記容器内のインペラ(1002)を駆動する、駆動装置(110;111;120;160;410;420;605;705;1005)と、
前記駆動装置(110;111;120;160;410;420;605;705;1005)を操作するコントローラ(113;902)と、
前記駆動装置(110;111;120;160;410;420;605;705;1005)の少なくとも一部、前記インペラ(1002)の少なくとも一部、または前記インペラ(1002)および前記駆動装置(110;111;120;160;410;420;605;705;1005)の間の空間に単独または組み合わせて配置されて前記磁場または磁束を検出する1つまたは複数のセンサ(808;907,908,910)と、
前記センサ(808;907,908,910)から情報を受信して前記流体に供給される動力、前記インペラ(1002)のトルクおよび速度の1つまたは複数を計算するプロセッサ(912)と、
を備え、
前記プロセッサ(912)が、前記動力、トルク、または速度を単独または組み合わせて,1つまたは複数の流体特性と共に使用して、リアルタイムで混合条件および混合特性を評価する、
磁気混合システム。
[実施態様120]
前記センサ(808;907,908,910)が、前記磁場の前記流体特性および整列を個々にまたは組み合わせて検出する、実施態様119に記載の磁気混合システム。
[実施態様121]
前記駆動装置(110;111;120;160;410;420;605;705;1005)が、実施態様1から7のいずれか1項に記載の前記軸方向磁束固定子(110;111;120;160;605;705)を備える、実施態様119乃至120のいずれか1項に記載の磁気混合システム。
[実施態様122]
前記駆動装置(110;111;120;160;410;420;605;705;1005)が、モータと組み合わせた永久磁石のセットを含む、実施態様119から120のいずれか1項に記載の磁気混合システム。
[実施態様123]
流体混合装置内の条件を制御する方法であって、前記方法は、
流体を備える容器(601;701;1001)と、磁場を生成する駆動装置(110;111;120;160;410;420;605;705;1005)と、前記駆動装置(110;111;120;160;410;420;605;705;1005)によって駆動されるインペラ(1002)と、前記駆動装置(110;111;120;160;410;420;605;705;1005)を操作するコントローラ(113;902)と、1つまたは複数のセンサ(808;907,908,910)と、プロセッサ(912)とを有する前記流体混合装置を提供するステップと、
前記1つまたは複数のセンサ(808;907,908,910)を用いて、磁場、磁束、前記流体に供給される動力、トルク、速度、電流、または電圧のうちの少なくとも1つを検出するステップと、
事前に検出されない場合、前記インペラ(1002)の動力、トルク、および速度を計算するステップと、
前記プロセッサ(912)を用いて、前記動力、トルク、および速度を使用して、前記流体の1つまたは複数の流体特性、リアルタイム混合条件、および混合特性を判定するために分析するステップと、
を備える、方法。
[実施態様124]
検出する前記ステップが、前記インペラ(1002)の位置を検出するステップを含む、実施態様123に記載の方法。
[実施態様125]
分析する前記ステップが、前記流体特性の変化を検出するステップを含む、実施態様123または124に記載の方法。
[実施態様126]
前記動力、トルク、速度、電流、電圧、流体特性、混合条件、および混合特性が、単独または組み合わせて、ユーザインターフェースに表示される、実施態様123乃至125のいずれか1項に記載の方法。
[実施態様127]
前記動力、トルク、および速度が、ユーザ操作なしで直接的に判定される、実施態様126に記載の方法。
[実施態様128]
前記流体特性が、前記センサ(808;907,908,910)を介して前記プロセッサ(912)に提供される流体組成、密度、および粘度を単独または組み合わせて備える、実施態様125乃至127のいずれか1項に記載の方法。
[実施態様129]
前記流体混合駆動装置、前記流体特性、前記混合条件、および前記混合特性の異常を識別するステップをさらに備える、実施態様123乃至128のいずれか1項に記載の方法。
[実施態様130]
前記プロセッサ(912)が、前記コントローラ(113;902)にフィードバックを提供して前記駆動装置(110;111;120;160;410;420;605;705;1005)に供給される前記動力、トルク、および速度を自動的に制御する分析装置である、実施態様123乃至129のいずれか1項に記載の方法。
[実施態様131]
前記プロセッサ(912)が、前記流体の所定の組成、粘度、および密度を、単独または組み合わせて提供する、実施態様130に記載の方法。
[実施態様132]
前記プロセッサ(912)が、前記流体特性の変化に基づいて最適組成、粘度、および密度を判定する前記コントローラ(113;902)に情報を提供する、実施態様130または131に記載の方法。
[実施態様133]
前記センサ(808;907,908,910)が、前記流体特性を判定するために前記流体混合装置の動作中に前記駆動装置(110;111;120;160;410;420;605;705;1005)と前記インペラ(1002)との間の角度を検出する、実施態様123乃至132のいずれか1項に記載の方法。
[実施態様134]
前記駆動装置(110;111;120;160;410;420;605;705;1005)が、実施態様1から7のいずれか1項に記載の前記軸方向磁束固定子(110;111;120;160;605;705)を備える、実施態様123乃至133のいずれか1項に記載の方法。
[実施態様135]
前記駆動装置(110;111;120;160;410;420;605;705;1005)が、モータと組み合わせた永久磁石のセットを含む、実施態様123乃至133のいずれか1項に記載の方法。
【符号の説明】
【0101】
1 流体
2 流体
3 流体
4 流体、曲線
5 流体
6 流体
10 磁石
11 インペラ端部
12 インペラ
13 駆動端部
14 円筒磁石、駆動装置
16 磁気ギャップ
100 ロータリミキサ
110 軸方向磁束固定子
111 駆動固定子
112 磁石
113 制御回路
114 インペラ端部
120 軸方向磁束固定子
121 磁気コア
122 変調スロット
123 固定スチールセグメント
125 高速ロータ
126 低速ロータ
160 歯巻軸方向磁束固定子
161 ロータ
162 固定子地鉄、ベース地鉄
163 パイ型磁気固定子歯
164 導電性巻線
165 スロット
166 磁石
170 磁気固定子コア
171 中空コア
172 回転中心軸
175 固定子コア
176 円錐歯
177 地鉄
201 磁場結合
202 インペラ端磁石
203 磁場密度
204 駆動端磁石
300 ミキサ
301 磁場結合
302 インペラ端磁石
303 磁場密度
304 駆動端磁石
400 ミキサ
401 磁場密度
402 ハルバッハアレイ
403 磁石
404 パイ型駆動端磁石
405 磁気プレート、駆動装置端地鉄
406 インペラ端地鉄、磁気プレート
407 中心(回転)軸
410 磁気駆動装置
411 インペラ端部
412 くさび型(パイ型)磁石、インペラ端磁石
413 駆動端部
414 駆動端磁石、くさび型(パイ型)磁石
415 中心(回転)軸
417 磁場密度
418 円筒型磁石
419 中心(回転)軸
420 磁気駆動装置
421 磁場密度
500 混合システム
501 磁気結合
600 システム
601 容器
602 センサ、回路基板(PCB)巻線
603 磁石の第1のセット、磁石
604 磁石の第2のセット、磁石
605 軸方向磁束固定子、駆動端部
606 領域
607 インペラ端部、ロータ
608 中心軸
700 巻線固定子駆動システム
701 容器
703 ロータ磁石
705 第2の固定子部分、歯巻軸方向磁束固定子
706 領域
707 第1のロータ部分
761 ロータ
762 固定子地鉄
763 パイ型磁気固定子歯
764 導電性巻線
800 磁石-磁石結合バイオリアクタシステム
802 インペラ端部
804 ベース鋼板
806 駆動磁石、駆動端磁石
808 統合センサ、磁場密度センサ
810 インペラ磁石
811 領域
896 ループ
897 測定点
898 上面
899 中心点
900 ミキサシステム
902 コントローラ
904 ポンプ駆動装置
906 インペラ
907 センサ装置
908 トルク速度センサ
910 電流/電圧/磁束センサ
912 プロセッサ
1000 使い捨てバイオリアクタ
1001 可撓性バッグ
1002 磁気インペラ
1003 内部容積
1004 剛性支持容器
1005 磁気駆動装置
1006 受容器構造
1007 ポート
1008 底壁
1009 側壁
1010 上壁
1011 中心軸
図1A
図1B
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13(a)】
図13(b)】
図13(c)】
図14(a)】
図14(b)】
図14(c)】
図15(a)】
図15(b)】
図15(c)】
図16A
図16B
図16C
図16D
図16E
図17
図18
図19
図20
図21A
図21B
図22A
図22B
図22C
図23
図24
図25A
図25B
図25C
図26
図27