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特許7562204電池モジュールおよびこれを含む電池パック
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-27
(45)【発行日】2024-10-07
(54)【発明の名称】電池モジュールおよびこれを含む電池パック
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/211 20210101AFI20240930BHJP
   H01M 10/613 20140101ALI20240930BHJP
   H01M 10/6551 20140101ALI20240930BHJP
   H01M 50/204 20210101ALI20240930BHJP
   H01M 50/227 20210101ALI20240930BHJP
   H01M 50/242 20210101ALI20240930BHJP
   H01M 50/262 20210101ALI20240930BHJP
   H01M 50/293 20210101ALI20240930BHJP
   H01M 10/625 20140101ALN20240930BHJP
   H01M 10/647 20140101ALN20240930BHJP
【FI】
H01M50/211
H01M10/613
H01M10/6551
H01M50/204 401H
H01M50/227
H01M50/242
H01M50/262 M
H01M50/262 P
H01M50/293
H01M10/625
H01M10/647
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2022542753
(86)(22)【出願日】2021-11-04
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-15
(86)【国際出願番号】 KR2021015948
(87)【国際公開番号】W WO2022124584
(87)【国際公開日】2022-06-16
【審査請求日】2022-07-12
(31)【優先権主張番号】10-2020-0170442
(32)【優先日】2020-12-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】スビン・パク
(72)【発明者】
【氏名】ジュンヨブ・ソン
(72)【発明者】
【氏名】ウォン・キョン・パク
(72)【発明者】
【氏名】ホング・ハン
【審査官】山下 裕久
(56)【参考文献】
【文献】特表2020-513666(JP,A)
【文献】特開2013-012441(JP,A)
【文献】実開平02-014666(JP,U)
【文献】国際公開第2020/055219(WO,A1)
【文献】特開2018-163732(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/20-298
H01M 10/6551
H01M 10/613
H01M 10/625
H01M 10/647
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に沿って積層された複数の電池セルを含む電池セル積層体と、
前記電池セル積層体の下面の中心部が開放されかつ、前記電池セル積層体の外面を囲む外装部材とを含み、
前記外装部材の一端部は、前記電池セル積層体の下面の一側部に付着しており、
前記外装部材の他端部は、前記電池セル積層体の下面の他側部に付着しており、
前記外装部材は、弾性素材からなり、
前記外装部材は、前記第1方向における前記電池セル積層体の両側面のうちの一の側面から他の側面まで延在し、
前記電池セル積層体の前記下面の開放された前記中心部が、直接冷却され、
前記外装部材は、前記電池セル積層体を前記第1方向に加圧する、電池モジュール。
【請求項2】
前記電池モジュールの前記外装部材の外面が外部に露出しており、
前記外装部材の一端部と前記外装部材の他端部との間に位置する前記電池セル積層体の下面の中心部が外部に露出している、請求項1に記載の電池モジュール。
【請求項3】
前記外装部材は、前記弾性素材のフィルムが前記電池セル積層体の下面の一側部から前記電池セル積層体の外面をラッピングしかつ、前記電池セル積層体の下面の他側部までラッピングして形成される、請求項1に記載の電池モジュール。
【請求項4】
前記電池セル積層体の前記両側面に位置する圧縮パッドを含み、
前記外装部材と前記電池セル積層体の外側面との間に前記圧縮パッドが位置する、請求項1~3のいずれか一項に記載の電池モジュール。
【請求項5】
前記外装部材は、前記電池セル積層体の上面を第2方向に加圧し、
前記第2方向は、前記第1方向に垂直である、請求項4に記載の電池モジュール。
【請求項6】
前記第2方向は、前記複数の電池セルの幅方向である、請求項5に記載の電池モジュール。
【請求項7】
前記圧縮パッドは、前記電池セル積層体の側面に沿って延びている、請求項4~6のいずれか一項に記載の電池モジュール。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか一項に記載の電池モジュールを含む電池パック。
【請求項9】
前記電池パックは、
少なくとも2つの前記電池モジュールが装着される下部パックフレームと、
前記少なくとも2つの電池モジュールの上部を覆う上部パックフレームと、
前記下部パックフレーム上に形成されている熱伝導性樹脂層とを含み、
前記電池セル積層体の下面の中心部と前記熱伝導性樹脂層とが接触する、請求項8に記載の電池パック。
【請求項10】
前記下部パックフレームは、複数のモジュール領域を含み、
前記モジュール領域に前記電池モジュールが装着される、請求項9に記載の電池パック。
【請求項11】
前記熱伝導性樹脂層は、前記モジュール領域上にそれぞれ形成されている、請求項10に記載の電池パック。
【請求項12】
前記熱伝導性樹脂層は、前記電池セル積層体の下面の中心部と同一の大きさを有する、請求項11に記載の電池パック。
【請求項13】
前記外装部材の一端部の側面と前記熱伝導性樹脂層の一側面とが接し、
前記外装部材の他端部の側面と前記熱伝導性樹脂層の他側面と接する、請求項12に記載の電池パック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願との相互参照]
本出願は、2020年12月8日付の韓国特許出願第10-2020-0170442号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示されたすべての内容は本明細書の一部として含まれる。
【0002】
本発明は、電池モジュールおよびこれを含む電池パックに関し、より具体的には、電池セルのスウェリング現象を改善しながらも、冷却性能が向上した電池モジュールおよびこれを含む電池パックに関する。
【背景技術】
【0003】
モバイル機器に対する技術開発と需要の増加に伴い、エネルギー源として二次電池の需要が急激に増加している。特に、二次電池は、携帯電話、デジタルカメラ、ノートパソコン、ウェアラブルデバイスなどのモバイル機器だけでなく、電気自転車、電気自動車、ハイブリッド電気自動車などの動力装置に対するエネルギー源としても多くの関心がもたれている。
【0004】
小型モバイル機器には、デバイス1台あたり1個または2、3、4個の電池セルが用いられるのに対し、自動車などのような中大型デバイスには高出力大容量が必要である。したがって、多数の電池セルを電気的に連結した中大型電池モジュールが用いられる。
【0005】
中大型電池モジュールは、できるだけ小さい大きさと重量で製造されることが好ましいので、高い集積度で積層可能であり、容量対比重量の小さい角型電池、パウチ型電池などが中大型電池モジュールの電池セルとして主に用いられている。一方、電池モジュールは、電池セル積層体を外部衝撃、熱または振動から保護するために、前面と後面が開放されて電池セル積層体を内部空間に収納するモジュールフレームを含むことができる。
【0006】
図1は、従来の電池モジュールの斜視図である。図2は、図1の電池モジュールの分解斜視図である。図3は、図1の切断線A-Aに沿った断面の一部を示す図である。
【0007】
図1および図2を参照すれば、従来の電池モジュール10は、複数の電池セル11が一方向に積層されている電池セル積層体12と、電池セル積層体12を収容する外装部材30とを含む。ここで、外装部材30は、前後面が開放されていて、外装部材30に収容された電池セル積層体12の前後面が開放されている。
【0008】
ここで、電池モジュール10は、パックフレーム部材(図示せず)に形成されている熱伝導性樹脂層14上に装着される。これによって、従来の電池モジュール10は、電池セル積層体12と熱伝導性樹脂層14との間に外装部材30が位置する。
【0009】
図3を参照すれば、電池セル積層体12と外装部材30との間に圧縮パッド50が位置するが、一般に、圧縮パッド50は、電池モジュール10の幅方向の変形を吸収するには制限的であるという問題がある。
【0010】
図3を参照すれば、従来の電池モジュール10は、熱伝導性樹脂層14を介して電池セル積層体12の下部を間接的に冷却する構造で、電池セル11で発生した熱は外装部材30を経て熱伝導性樹脂層14に流れる構造である。ここで、従来の電池モジュール10は、外装部材30と電池セル積層体12との間あるいは外装部材30と熱伝導性樹脂層14との間に形成される空気層によって熱伝達が阻害される問題がある。電池セル11の温度は、バッテリの出力を制限する要因の一つであるという点を考慮する時、電池セル11内で発生する局部的な温度上昇はバッテリの出力を早期に制限する可能性が高く、これを改善する必要性がある。これとともに、最近、電池モジュール10の大型化に伴い、モジュール内に積層される電池セル11の個数が増加して、電池セル11間の冷却偏差がさらに深刻化している。
【0011】
これによって、電池セル積層体12内のスウェリング現象を防止しながらも、電池セル積層体12内で発生する熱に対する冷却性能を向上させる電池モジュールおよびこれを含む電池パックを開発する必要性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の解決しようとする課題は、電池セルのスウェリング現象を改善しながらも、冷却性能が向上した電池モジュールおよびこれを含む電池パックを提供することである。
【0013】
本発明が解決しようとする課題が上述した課題に制限されるものではなく、言及されていない課題は本明細書および添付した図面から本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者に明確に理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の一実施例による電池モジュールは、第1方向に沿って積層された複数の電池セルを含む電池セル積層体と、前記電池セル積層体の下面の中心部が開放されかつ、前記電池セル積層体の外面を囲む外装部材とを含み、前記外装部材の一端部は、前記電池セル積層体の下面の一側部に付着しており、前記外装部材の他端部は、前記電池セル積層体の下面の他側部に付着している。
【0015】
前記電池モジュールの前記外装部材の外面が外部に露出しており、前記外装部材の一端部と前記外装部材の他端部との間に位置する前記電池セル積層体の下面の中心部が外部に露出していてよい。
【0016】
前記外装部材は、弾性素材からなる。
【0017】
前記外装部材は、前記弾性素材のフィルムが前記電池セル積層体の下面の一側部から前記電池セル積層体の外面をラッピングしかつ、前記電池セル積層体の下面の他側部までラッピングして形成される。
【0018】
前記電池セル積層体の両側面に位置する圧縮パッドを含み、前記外装部材と前記電池セル積層体の外側面との間に前記圧縮パッドが位置し、前記外装部材は、電池セル積層体を前記第1方向に加圧することができる。
【0019】
前記外装部材は、前記電池セル積層体の上面を第2方向に加圧し、前記第2方向は、前記第1方向に垂直であってもよい。
【0020】
前記第2方向は、前記複数の電池セルの幅方向であってもよい。
【0021】
前記圧縮パッドは、前記電池セル積層体の側面に沿って延びていてもよい。
【0022】
本発明の他の実施例による電池パックは、前記で説明した電池モジュールを含む。
【0023】
前記電池パックは、少なくとも2つの前記電池モジュールが装着される下部パックフレームと、前記少なくとも2つの電池モジュールの上部を覆う上部パックフレームと、前記下部パックフレーム上に形成されている熱伝導性樹脂層とを含み、前記電池セル積層体の下面の中心部と前記熱伝導性樹脂層とが接触することができる。
【0024】
前記下部パックフレームは、複数のモジュール領域を含み、前記モジュール領域に前記電池モジュールが装着される。
【0025】
前記熱伝導性樹脂層は、前記モジュール領域上にそれぞれ形成されている。
【0026】
前記熱伝導性樹脂層は、前記電池セル積層体の下面の中心部と同一の大きさを有することができる。
【0027】
前記外装部材の一端部の側面と前記熱伝導性樹脂層の一側面とが接し、前記外装部材の他端部の側面と前記熱伝導性樹脂層の他側面と接することができる。
【発明の効果】
【0028】
実施例によれば、本発明は、電池セル積層体の外面を囲みかつ、電池セル積層体の下面の中心部が開放されている外装部材を含むことで、電池セルのスウェリング現象を改善しながらも、冷却性能が向上した電池モジュールおよびこれを含む電池パックを提供することができる。
【0029】
本発明の効果が上述した効果に制限されるものではなく、言及されていない効果は本明細書および添付した図面から本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者に明確に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】従来の電池モジュールの斜視図である。
図2図1の電池モジュールの分解斜視図である。
図3図1の切断線A-Aに沿った断面の一部を示す図である。
図4】本発明の一実施例による電池モジュールの斜視図である。
図5図4の電池モジュールの分解斜視図である。
図6図4の切断線B-Bに沿った断面図である。
図7図4の電池モジュールに含まれている電池セル積層体の分解斜視図である。
図8】本発明の一実施例による電池パックの斜視図である。
図9図8の電池パックの分解斜視図である。
図10図8の切断線C-Cに沿った断面図である。
図11図10の断面図の一部を拡大して示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、添付した図面を参照して、本発明の様々な実施例について、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。本発明は種々の異なる形態で実現可能であり、ここで説明する実施例に限定されない。
【0032】
本発明を明確に説明するために説明上不必要な部分は省略し、明細書全体にわたって同一または類似の構成要素については同一の参照符号を付す。
【0033】
また、図面に示された各構成の大きさおよび厚さは説明の便宜のために任意に示したので、本発明が必ずしも図示のところに限定されない。図面において様々な層および領域を明確に表現するために厚さを拡大して示した。そして、図面において、説明の便宜のために、一部の層および領域の厚さを誇張して示した。
【0034】
また、明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」とする時、これは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除くのではなく、他の構成要素をさらに包含できることを意味する。
【0035】
さらに、明細書全体において、「平面上」とする時、これは対象部分を上から見た時を意味し、「断面上」とする時、これは対象部分を垂直に切断した断面を横から見た時を意味する。
【0036】
以下、本発明の実施例による電池モジュールについて説明する。ただし、ここで、電池モジュールの前後面のうち前面を基準に説明されるが、必ずしもこれに限定されるものではなく、後面の場合にも同一または類似の内容で説明される。
【0037】
図4は、本発明の一実施例による電池モジュールの斜視図である。図5は、図4の電池モジュールの分解斜視図である。
【0038】
図4および図5を参照すれば、電池モジュール100は、複数の電池セル110が第1方向に積層されている電池セル積層体120と、電池セル積層体120を囲む外装部材300と、電池セル積層体の前後面をカバーするセンシング部材(図示せず)とが含まれる。
【0039】
外装部材300に囲まれている電池セル積層体120は、複数の電池セル110が積層されており、電池セル110は、パウチ型電池セルであることが好ましい。電池セル110は、電極組立体を樹脂層と金属層とを含むラミネートシートのパウチケースに収納した後、前記パウチケースのシーリング部を熱融着して製造される。このような電池セル110は複数構成され、複数の電池セル110は、相互電気的に連結できるように積層された電池セル積層体120を形成する。
【0040】
以下、外装部材300についてより具体的に説明する。
【0041】
図6は、図4の切断線B-Bに沿った断面図である。
【0042】
図4図6を参照すれば、外装部材300は、電池セル積層体120の外面を囲むことができる。外装部材300は、電池セル積層体120の下面の中心部が開放されかつ、電池セル積層体120の外面を囲むことができる。つまり、外装部材300は、電池セル積層体120の両側面および上面を囲み、電池セル積層体120の前後面が開放されており、下面の中心部が開放されていてもよい。
【0043】
より具体的には、本実施例の電池モジュール100において、外装部材300の一端部300aは、電池セル積層体120の下面の一側部に付着しており、外装部材300の他端部300bは、電池セル積層体120の下面の他側部に付着している。つまり、外装部材は、外装部材300の一端部300aから外装部材300の他端部300bまで延びて、電池セル積層体120の両側面、上面、および下面の両側部を囲むことができる。
【0044】
また、外装部材300は、電池セル積層体120を囲んだ状態で、外装部材300の外面が露出していてよい。つまり、後述の工程で電池モジュール100が電池パックの下部パックフレーム1200に装着される場合、外装部材300が下部パックフレーム1200と接することができる。さらに、外装部材300は、外装部材300の一端部300aと外装部材300の他端部300bとの間に位置する電池セル積層体120の下面の中心部が外部に露出していてよい。つまり、後述の工程で電池モジュール100が電池パックの下部パックフレーム1200に装着される場合、外装部材300が下部パックフレーム1200上に形成された熱伝導性樹脂層1400と直接接することができる。
【0045】
これによって、本実施例において、外装部材300は、電池セル積層体120の下面の中心部が外部に開放されており、後述の熱伝導性樹脂層1400が電池セル積層体120の下面の中心部と直接接して、電池セル積層体120内で発生する熱を直接的に冷却させることができる。つまり、本実施例による外装部材300は、冷却性能がより向上できる。
【0046】
また、外装部材300の両側面および上下面は、それぞれ電池セル積層体の外面の大きさに対応する大きさを有することができる。一例として、外装部材300の両側面は、電池セル積層体120の側面と同一の大きさを有するか、それより小さい大きさを有することができる。さらに、外装部材300の上面は、電池セル積層体120の上面と同一の大きさを有するか、それより小さい大きさを有することができる。また、外装部材300の一端部300aおよび他端部300bは、電池セル積層体120の下面の長手方向に沿って延びており、電池セル積層体120の下面の長さと同一の長さを有するか、それより小さい長さを有することができる。
【0047】
これによって、本実施例において、外装部材300は、電池セル積層体120を一定の方向に加圧し、電池セル積層体120を囲むことができる。つまり、外装部材300は、電池セル積層体120に含まれている電池セル110を一定の方向に加圧して、電池セルのスウェリング現象を防止し、電池モジュールの寸法安定性を向上させることができる。また、電池セル積層体120が外装部材300に囲まれる工程により、電池セル積層体120が同時に加圧されて、別途に電池セル積層体120を加圧する工程を必要とせず、工程および生産ラインが簡易になり得る。
【0048】
一例として、外装部材300は、弾性素材からなる。前記弾性素材は、ポリエチレン(PE、Polyethylene)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE、Polytetrafluoroethylene)のような物質の少なくともいずれか1つからなる。ここで、外装部材300は、前記弾性素材のフィルムあるいは熱収縮チューブが電池セル積層体120の下面の一側部から電池セル積層体120の外面をラッピングしかつ、電池セル積層体120の下面の他側部までラッピングして形成される。一例として、外装部材300は、前記弾性素材のフィルムあるいは熱収縮チューブを電池セル積層体120の外面の上下面および両側面をラッピングした後、電池セル積層体120の下面を覆う前記弾性素材のフィルムあるいは熱収縮チューブの一部を除去して形成される。ただし、これに限定されるものではなく、外部衝撃を効果的に吸収しながらも、電池セル積層体120に含まれている電池セル110を十分に加圧できる弾性を有する物質であれば制限なく適用可能である。
【0049】
これによって、本実施例において、外装部材300は、電池セルのスウェリング現象を防止し、電池モジュールの寸法安定性を向上させることができる。これとともに、外装部材300は自ら弾性をもっていて、電池セル110の体積変化によって変形されることが最小化できるという利点がある。
【0050】
また、外装部材300の内面に電池セル積層体120の外面がそれぞれ付着している。ここで、外装部材300に含まれている弾性素材が自ら接着力を有することができる。さらに、外装部材300と電池セル積層体120は、外装部材300の内面と電池セル積層体120の外面との間の摩擦力により固定されていてもよい。また、外装部材300と電池セル積層体120との間に別途の接着層が形成されていてもよい。
【0051】
一例として、前記接着層は、それぞれテープからなるか、接着性バインダーがコーティングされて形成される。より好ましくは、前記接着層は、接着性バインダーでコーティングされるか、両面テープからなって、電池セル積層体120と外装部材300が容易に固定される。ただし、これに限定されるものではなく、電池セル110間あるいは電池セル110と外装部材300との間を互いに固定させることができる接着性能を有する物質であれば制限なく適用可能である。
【0052】
これによって、電池セル積層体120は、外装部材300内に安定的に収容されている。
【0053】
また、図6を参照すれば、外装部材300は、電池セル積層体120を前記第1方向に加圧する。より具体的には、前記第1方向は、電池モジュール100の幅方向であってもよく、これは、電池セル積層体120において複数の電池セル110の積層方向と同一であってもよい。
【0054】
これによって、外装部材300は、電池モジュール100の幅方向あるいは電池セル110の積層方向と同一の方向に電池セル積層体120を加圧して、電池モジュールのスウェリング現象を効果的に防止することができる。これとともに、外装部材300と電池セル積層体120との間に圧縮パッド500が位置して、電池モジュール100の幅方向に発生する変形を効果的に吸収することができる。また、電池モジュール100の寿命も改善できる。
【0055】
また、外装部材300は、電池セル積層体の上下面を第2方向に加圧し、前記第2方向は、前記第1方向に垂直であってもよい。より具体的には、前記第2方向は、複数の電池セル110の幅方向であってもよい。
【0056】
これによって、外装部材300は、電池モジュール100の幅方向と垂直な電池セル110の幅方向に対しても、所定の圧力で加圧可能で、電池セル110の幅方向に対してもスウェリング現象を効果的に防止することができる。また、電池モジュール100の寿命もさらに改善できる。
【0057】
図7は、図4の電池モジュールに含まれている電池セル積層体の分解斜視図である。
【0058】
図6および図7を参照すれば、本実施例による電池モジュール100は、外装部材300と電池セル積層体120の外側面との間に圧縮パッド500が位置することができる。ここで、圧縮パッド500は、電池セル積層体120の外側面に沿って延びていてもよい。また、圧縮パッド500は、電池セル積層体120の外側面に比べて同一であるか、小さい大きさを有することができる。また、圧縮パッド500の両端部は、外装部材300と接するか、外装部材300によって囲まれていてもよい。
【0059】
また、図6および図7を参照すれば、本発明の他の実施例によれば、電池セル積層体120は、第1電池セル積層体および第2電池セル積層体を含み、前記第1電池セル積層体および前記第2電池セル積層体の間に圧縮パッド500が位置することができる。さらに、圧縮パッド500は、前記第1電池セル積層体および前記第2電池セル積層体の側面に沿って延びていてもよい。
【0060】
一例として、圧縮パッド500は、ポリウレタン素材のパッドであってもよい。ただし、これに限定されるものではなく、電池セル110の膨張時、体積変化を吸収できる程度の素材であれば適用可能である。
【0061】
これによって、圧縮パッド500は、電池セル積層体120に含まれている電池セル110で発生する膨張を容易に吸収して、外装部材300が電池セル積層体120の外面を加圧することを補助することができる。
【0062】
図8は、本発明の一実施例による電池パックの斜視図である。図9は、図8の電池パックの分解斜視図である。
【0063】
図8および図9を参照すれば、本発明の他の実施例による電池パック1000は、前記で説明した電池モジュール100を含む。一方、電池モジュール100は、1つまたはそれ以上がパックケース1200、1300内にパッケージングされて、電池パック1000を形成することができる。
【0064】
より具体的には、本実施例の電池パック1000は、少なくとも2つの電池モジュール100が装着される下部パックフレーム1200と、少なくとも2つの電池モジュール100の上部を覆う上部パックフレーム1300と、下部パックフレーム1200の下面に形成されている熱伝導性樹脂層1400とを含む。ここで、少なくとも2つの電池モジュール100は、一方向に並べられて電池モジュール配列体1100を形成する。また、下部パックフレーム1200は、複数のモジュール領域を含み、前記モジュール領域に電池モジュール100が装着される。ここで、前記モジュール領域に電池モジュール100が装着されることによって、電池セル積層体120の下面の中心部と熱伝導性樹脂層1400とが接触することができる。
【0065】
これによって、電池セル110で発生する熱は、電池セル積層体120の下面の中心部と直接接する熱伝導性樹脂層1400に伝達されて、電池モジュール100の冷却性能が向上し、電池セル110間の冷却偏差も減少できる。また、電池モジュール100の寿命もさらに改善できる。
【0066】
一例として、熱伝導性樹脂層1400は、電池モジュール100が下部パックフレーム1200のモジュール領域上に装着される前に、下部パックフレーム1200の各モジュール領域上に熱伝導性樹脂が塗布される。以後、熱伝導性樹脂が硬化することによって、熱伝導性樹脂層1400が形成される。
【0067】
これによって、熱伝導性樹脂が硬化することによって、電池モジュール100の下面は、熱伝導性樹脂層1400に安定的に固定される。
【0068】
図10は、図8の切断線C-Cに沿った断面図である。図11は、図10の断面図の一部を拡大して示す図である。
【0069】
より具体的には、図10および図11を参照すれば、熱伝導性樹脂層1400は、下部パックフレーム1200に形成された前記モジュール領域にそれぞれ形成されている。また、熱伝導性樹脂層1400は、電池セル積層体120の下面の中心部と同一の大きさを有することができる。
【0070】
これによって、下部パックフレーム1200に装着されているそれぞれの電池モジュール100において、電池セル110で発生する熱が電池セル積層体120の下面の中心部と直接接する熱伝導性樹脂層1400にそれぞれ伝達される。つまり、電池モジュール100間の熱伝播が発生することなく、それぞれの電池モジュール100の冷却性能が向上し、それぞれの電池モジュール100内の電池セル110間の冷却偏差も減少できる。また、電池モジュール100の寿命もさらに改善できる。
【0071】
また、外装部材300の一端部300aの側面と熱伝導性樹脂層1400の一側面とが接し、外装部材300の他端部300bの側面と熱伝導性樹脂層1400の他側面と接することができる。
【0072】
これによって、熱伝導性樹脂が硬化することによって、電池モジュール100の下面に位置する外装部材300の一端部300aおよび他端部300bが熱伝導性樹脂層1400に安定的に固定される。
【0073】
上述した電池モジュールおよびこれを含む電池パックは、多様なデバイスに適用可能である。このようなデバイスには、電気自転車、電気自動車、ハイブリッド自動車などの運送手段に適用できるが、本発明はこれに制限されず、電池モジュールおよびこれを含む電池パックを使用できる多様なデバイスに適用可能であり、これも本発明の権利範囲に属する。
【0074】
以上、本発明の好ましい実施例について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されるものではなく、以下の特許請求の範囲で定義している本発明の基本概念を利用した当業者の様々な変形および改良形態も本発明の権利範囲に属する。
【符号の説明】
【0075】
100:電池モジュール
110:電池セル
120:電池セル積層体
300:外装部材
500:圧縮パッド
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11