(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-27
(45)【発行日】2024-10-07
(54)【発明の名称】検出装置、検出システム、および検出方法
(51)【国際特許分類】
G06F 3/041 20060101AFI20240930BHJP
G06F 3/044 20060101ALI20240930BHJP
【FI】
G06F3/041 580
G06F3/041 522
G06F3/044 120
G06F3/041 512
(21)【出願番号】P 2023508441
(86)(22)【出願日】2021-09-29
(86)【国際出願番号】 JP2021035883
(87)【国際公開番号】W WO2022201599
(87)【国際公開日】2022-09-29
【審査請求日】2024-01-16
(31)【優先権主張番号】P 2021048249
(32)【優先日】2021-03-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】322003857
【氏名又は名称】パナソニックオートモーティブシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123102
【氏名又は名称】宗田 悟志
(72)【発明者】
【氏名】森岡 裕介
(72)【発明者】
【氏名】加藤 祐司
【審査官】岩橋 龍太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-101532(JP,A)
【文献】特開2010-015262(JP,A)
【文献】特開2015-018424(JP,A)
【文献】特開2014-238867(JP,A)
【文献】特開2018-060327(JP,A)
【文献】特開2015-046085(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/03
G06F 3/041-3/047
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の検出期間のそれぞれで異なる周波数の駆動信号を第1センサ電極に供給する駆動回路と、
前記複数の検出期間のそれぞれにおいて前記第1センサ電極の周辺に配置された第2センサ電極から受信した検出信号に基づいて、物体の近接を検出する検出回路と、
を備え
、
前記検出回路は、
前記第2センサ電極から受信した検出信号に基づいて前記複数の検出期間のそれぞれにおいて物体の近接の有無を仮判定し、
前記複数の検出期間のうち所定数以上の検出期間で物体の近接があると仮判定された場合、物体の近接があると本判定する、
ことを特徴とする検出装置。
【請求項2】
前記複数の検出期間のそれぞれに供給される前記駆動信号の周波数は、互いに自然数倍とは異なる、
ことを特徴とする請求項1に記載の検出装置。
【請求項3】
複数の検出期間のそれぞれで異なる周波数の駆動信号を第1センサ電極に供給する駆動回路と、
前記複数の検出期間のそれぞれにおいて前記第1センサ電極の周辺に配置された第2センサ電極から受信した検出信号に基づいて、物体の近接を検出する検出回路と、
を備え、
前記検出回路は、前記第2センサ電極から受信した検出信号に基づいて前記複数の検出期間のそれぞれにおいて物体の近接の有無を仮判定し、
前記検出回路において、前記複数の検出期間のうち所定の第1の数以上、かつ、所定の第2の数未満の検出期間で物体の近接があると仮判定された場合、前記駆動回路は、物体の近接がないと仮判定された検出期間の駆動信号の周波数で、次回の複数の検出期間のそれぞれで駆動信号を前記第1センサ電極に供給し、
前記検出回路は、前記次回の複数の検出期間のそれぞれにおいて前記第2センサ電極から受信した検出信号に基づいて、物体の近接を検出する、
ことを特徴とす
る検出装置。
【請求項4】
複数の検出期間のそれぞれで異なる周波数の駆動信号を第1センサ電極に供給する駆動回路と、
前記複数の検出期間のそれぞれにおいて前記第1センサ電極の周辺に配置された第2センサ電極から受信した検出信号に基づいて、物体の近接を検出する検出回路と、
を備え、
前記検出回路は、前記第2センサ電極から受信した検出信号に基づいて前記複数の検出期間のそれぞれにおいて物体の近接の有無を仮判定し、
前記検出回路において、前記複数の検出期間のうち所定の第1の数以上、かつ、所定の第2の数未満の検出期間で物体の近接があると仮判定された場合、前記駆動回路は、前記複数の検出期間の駆動信号の複数の周波数とは異なる周波数であって、次回の複数の検出期間のそれぞれで異なる周波数の駆動信号を前記第1センサ電極に供給し、
前記検出回路は、前記次回の複数の検出期間のそれぞれにおいて前記第2センサ電極から受信した検出信号に基づいて、物体の近接を検出する、
ことを特徴とす
る検出装置。
【請求項5】
前記検出回路において、前記複数の検出期間のうち前記第1の数未満の検出期間で物体の近接があると仮判定された場合、前記駆動回路は、前記複数の検出期間の駆動信号の複数の周波数と同じ複数の周波数であって、前記次回の複数の検出期間のそれぞれで異なる周波数の駆動信号を前記第1センサ電極に供給する、
ことを特徴とする請求項
3または
4に記載の検出装置。
【請求項6】
前記検出回路は、前記複数の検出期間のうち前記第2の数以上の検出期間で物体の近接があると仮判定された場合、物体の近接があると本判定する、
ことを特徴とする請求項
3から
5のいずれかに記載の検出装置。
【請求項7】
前記検出回路は、前記複数の検出期間のうち前記所定数以上の検出期間で物体の近接があると仮判定されない場合、物体の近接がないと本判定する、
ことを特徴とする請求項
1または2に記載の検出装置。
【請求項8】
前記検出回路は、物体の近接があると本判定されるまで、一連の仮判定と本判定を繰り返し実行する、
ことを特徴とする請求項
1,2または7に記載の検出装置。
【請求項9】
前記第2センサ電極は、複数の第3電極を有し、
前記検出回路は、前記複数の第3電極の中から物体が近接した第3電極を検出する、
ことを特徴とする請求項1から
8のいずれかに記載の検出装置。
【請求項10】
前記第1センサ電極は、第1方向に延びる複数の第1電極と、前記第1方向に交差する第2方向に延びる複数の第2電極とを有し、
前記複数の第1電極と前記複数の第2電極は、交差し、
前記駆動回路は、第1モードにおいて、前記複数の第2電極に駆動信号を供給し、
前記検出回路は、前記第1モードにおいて、前記複数の第1電極から受信した検出信号に基づいて、物体のタッチを検出し、
前記駆動回路は、第2モードにおいて、前記複数の検出期間のそれぞれで異なる周波数の駆動信号を前記複数の第1電極および前記複数の第2電極に供給し、
前記検出回路は、前記第2モードにおいて、前記複数の検出期間のそれぞれにおいて前記第2センサ電極から受信した検出信号に基づいて、物体の近接を検出する、
ことを特徴とする請求項1から
9のいずれかに記載の検出装置。
【請求項11】
前記第1センサ電極は、表示装置の表示領域に重ねて配置され、
前記表示装置に画像が表示されないスタンバイ状態において前記第2モードが選択され、
前記第2モードにおいて、前記検出回路が物体の近接を検出した場合、前記第1モードが選択され、かつ、前記表示装置は、画像表示を開始する、
ことを特徴とする請求項
10に記載の検出装置。
【請求項12】
前記第2モードにおいて、前記検出期間とタッチ検出期間とが交互に並び、
前記駆動回路は、前記タッチ検出期間において、前記複数の第2電極に駆動信号を供給し、
前記検出回路は、前記タッチ検出期間において、前記複数の第1電極から受信した検出信号に基づいて、物体のタッチを検出する、
ことを特徴とする請求項
10に記載の検出装置。
【請求項13】
前記第1センサ電極は、表示装置の表示領域に重ねて配置され、
前記表示装置に画像が表示されないスタンバイ状態において前記第2モードが選択され、
前記第2モードにおいて、前記検出回路が物体の近接またはタッチを検出した場合、前記第1モードが選択され、かつ、前記表示装置は、画像表示を開始する、
ことを特徴とする請求項
12に記載の検出装置。
【請求項14】
前記タッチ検出期間は、前記検出期間より短い、
ことを特徴とする請求項
12または
13に記載の検出装置。
【請求項15】
第1センサ電極、および、前記第1センサ電極の周辺に配置された第2センサ電極を有するセンサと、
複数の検出期間のそれぞれで異なる周波数の駆動信号を前記第1センサ電極に供給する駆動回路と、
前記複数の検出期間のそれぞれにおいて前記第2センサ電極から受信した検出信号に基づいて、物体の近接を検出する検出回路と、
を備え
、
前記検出回路は、
前記第2センサ電極から受信した検出信号に基づいて前記複数の検出期間のそれぞれにおいて物体の近接の有無を仮判定し、
前記複数の検出期間のうち所定数以上の検出期間で物体の近接があると仮判定された場合、物体の近接があると本判定する、
ことを特徴とする検出システム。
【請求項16】
前記第1センサ電極は、表示装置の表示領域に重ねて配置され、
前記第2センサ電極は、前記表示領域に重ならない、
ことを特徴とする請求項
15に記載の検出システム。
【請求項17】
前記第2センサ電極は、前記第1センサ電極を囲うように配置される、
ことを特徴とする請求項
15または
16に記載の検出システム。
【請求項18】
前記第1センサ電極の総面積は、前記第2センサ電極の総面積より大きい、
ことを特徴とする請求項
15から
17のいずれかに記載の検出システム。
【請求項19】
複数の検出期間のそれぞれで異なる周波数の駆動信号を第1センサ電極に供給するステップと、
前記複数の検出期間のそれぞれにおいて前記第1センサ電極の周辺に配置された第2センサ電極から受信した検出信号に基づいて、物体の近接を検出する
検出ステップと、
を備え
、
前記検出ステップにおいて、
前記第2センサ電極から受信した検出信号に基づいて前記複数の検出期間のそれぞれにおいて物体の近接の有無を仮判定し、
前記複数の検出期間のうち所定数以上の検出期間で物体の近接があると仮判定された場合、物体の近接があると本判定する、
ことを特徴とする検出方法。
【請求項20】
第1センサ電極、および、前記第1センサ電極の周辺に配置された第2センサ電極を有するセンサと、
複数の検出期間のそれぞれで異なる周波数の駆動信号を前記第1センサ電極に供給する駆動回路と、
前記複数の検出期間のそれぞれにおいて前記第2センサ電極から受信した検出信号に基づいて、物体の近接を検出する検出回路と、
を備え、
前記検出回路は、前記第2センサ電極から受信した検出信号に基づいて前記複数の検出期間のそれぞれにおいて物体の近接の有無を仮判定し、
前記検出回路において、前記複数の検出期間のうち所定の第1の数以上、かつ、所定の第2の数未満の検出期間で物体の近接があると仮判定された場合、前記駆動回路は、物体の近接がないと仮判定された検出期間の駆動信号の周波数で、次回の複数の検出期間のそれぞれで駆動信号を前記第1センサ電極に供給し、
前記検出回路は、前記次回の複数の検出期間のそれぞれにおいて前記第2センサ電極から受信した検出信号に基づいて、物体の近接を検出する、
ことを特徴とする検出システム。
【請求項21】
第1センサ電極、および、前記第1センサ電極の周辺に配置された第2センサ電極を有するセンサと、
複数の検出期間のそれぞれで異なる周波数の駆動信号を前記第1センサ電極に供給する駆動回路と、
前記複数の検出期間のそれぞれにおいて前記第2センサ電極から受信した検出信号に基づいて、物体の近接を検出する検出回路と、
を備え、
前記検出回路は、前記第2センサ電極から受信した検出信号に基づいて前記複数の検出期間のそれぞれにおいて物体の近接の有無を仮判定し、
前記検出回路において、前記複数の検出期間のうち所定の第1の数以上、かつ、所定の第2の数未満の検出期間で物体の近接があると仮判定された場合、前記駆動回路は、前記複数の検出期間の駆動信号の複数の周波数とは異なる周波数であって、次回の複数の検出期間のそれぞれで異なる周波数の駆動信号を前記第1センサ電極に供給し、
前記検出回路は、前記次回の複数の検出期間のそれぞれにおいて前記第2センサ電極から受信した検出信号に基づいて、物体の近接を検出する、
ことを特徴とする検出システム。
【請求項22】
複数の検出期間のそれぞれで異なる周波数の駆動信号を第1センサ電極に供給するステップと、
前記複数の検出期間のそれぞれにおいて前記第1センサ電極の周辺に配置された第2センサ電極から受信した検出信号に基づいて、物体の近接を検出する検出ステップと、
を備え、
前記検出ステップにおいて、
前記第2センサ電極から受信した検出信号に基づいて前記複数の検出期間のそれぞれにおいて物体の近接の有無を仮判定し、
前記複数の検出期間のうち所定の第1の数以上、かつ、所定の第2の数未満の検出期間で物体の近接があると仮判定された場合、物体の近接がないと仮判定された検出期間の駆動信号の周波数で、次回の複数の検出期間のそれぞれで駆動信号を前記第1センサ電極に供給し、
前記次回の複数の検出期間のそれぞれにおいて前記第2センサ電極から受信した検出信号に基づいて、物体の近接を検出する、
ことを特徴とする検出方法。
【請求項23】
複数の検出期間のそれぞれで異なる周波数の駆動信号を第1センサ電極に供給するステップと、
前記複数の検出期間のそれぞれにおいて前記第1センサ電極の周辺に配置された第2センサ電極から受信した検出信号に基づいて、物体の近接を検出する検出ステップと、
を備え、
前記検出ステップにおいて、
前記第2センサ電極から受信した検出信号に基づいて前記複数の検出期間のそれぞれにおいて物体の近接の有無を仮判定し、
前記複数の検出期間のうち所定の第1の数以上、かつ、所定の第2の数未満の検出期間で物体の近接があると仮判定された場合、前記複数の検出期間の駆動信号の複数の周波数とは異なる周波数であって、次回の複数の検出期間のそれぞれで異なる周波数の駆動信号を前記第1センサ電極に供給し、
前記次回の複数の検出期間のそれぞれにおいて前記第2センサ電極から受信した検出信号に基づいて、物体の近接を検出する、
ことを特徴とする検出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、近接検出機能を有する検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
検出対象のタッチと近接を検出するための近接センサおよび表示パネルを備えた表示装置が知られている(たとえば特許文献1参照)。この表示装置では、表示パネルの表示領域にタッチ検出用の電極が配置され、表示領域の外側に近接検出用の電極が配置されている。近接検出を行う場合、タッチ検出用の電極に信号を入力し、近接検出用の電極から出力される信号をもとに検出対象の近接の有無を判定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近接検出技術において、更なる改善が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本開示のある態様の検出装置は、複数の検出期間のそれぞれで異なる周波数の駆動信号を第1センサ電極に供給する駆動回路と、複数の検出期間のそれぞれにおいて第1センサ電極の周辺に配置された第2センサ電極から受信した検出信号に基づいて、物体の近接を検出する検出回路と、を備える。
【発明の効果】
【0006】
上記の態様により、更なる改善を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】実施の形態の検出システムのブロック図である。
【
図2】表示装置上に配置された
図1のセンサを概略的に示す平面図である。
【
図3】
図1のセンサの第2モードの動作を説明する図である。
【
図4】
図1の検出システムの第2モードの複数の検出期間を説明する図である。
【
図5】比較例の検出システムの第2モードの複数の検出期間を説明する図である。
【
図6】
図1の検出システムの検出処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(本開示の基礎となった知見)
実施の形態を具体的に説明する前に、基礎となった知見を説明する。既述のように、相互容量方式を利用したタッチディスプレイで近接検出も行うために、画像の表示領域に配置されたタッチ検出用の複数の電極に信号を加えてディスプレイの前面の空間に電界を発生させる技術が知られている。そして、表示領域の外側に配置された電極の受信信号を読み取ることで、ユーザの手などのディスプレイへの近接による電界変化を検出する。
【0009】
このような近接検出技術では、検出範囲、即ち検出距離を長くしようとすると、ノイズに対しても高感度になりやすい。そこで、ノイズによる誤検出を抑制するため、検出した信号が手の近接によるものであるか、ノイズであるかを切り分ける必要がある。
【0010】
本発明者が認識する比較例の技術では、時間軸上での手の近接とノイズとのそれぞれの特性に着目し、継続的に検出される手の近接に対し、散発的に検出される信号をノイズとして扱い近接検出結果から除外することでノイズ対策としている。この場合、手の近接であることを正しく判定するためには、ある程度の時間をかける必要があり、反応速度が遅くなるという課題を本発明者は発見した。また、ノイズが継続的に存在する場合には誤検出の確率が高くなるという課題も本発明者は発見した。この課題を解決するために、本開示に係る検出システムは以下のように構成される。
【0011】
以下、各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、工程には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、各図面における部材の寸法は、理解を容易にするために適宜拡大、縮小して示される。
【0012】
図1は、実施の形態の検出システム1のブロック図である。検出システム1は、自動車などの車両に搭載された車載の表示装置と組み合わされて、表示装置に対する物体のタッチと近接を検出する一例について説明するが、用途は特に限定されない。検出システム1は、携帯機器などの表示装置に対するタッチ等を検出してもよいし、表示装置と組み合わせずにタッチ等を検出してもよい。
【0013】
検出システム1は、ホスト10、検出装置20およびセンサ22を備える。ホスト10は、検出装置20を制御する。ホスト10は、制御装置12を備える。
【0014】
制御装置12は、たとえばCPUであり、ホストCPUとも呼ばれる。制御装置12は、検出システム1の動作モードを選択する選択部90を有する。選択部90は、タッチの検出が行われる第1モード、または、近接の検出が行われる第2モードを選択する。第1モードは、タッチ検出モードと呼ぶこともでき、第2モードは、近接検出モードと呼ぶこともできる。
【0015】
選択部90は、例えば、表示装置に画像表示がなされないスタンバイ状態において物体の近接が検出されるまでは第2モードを選択し、第2モードで近接が検出された場合、第1モードを選択する。この場合、表示装置は、スタンバイ状態が解除されて画像表示を開始する。選択部90は、第1モードでスタンバイ状態への移行条件が満たされた場合、第2モードを選択してよい。選択部90が第1モードまたは第2モードを選択する条件は、検出システム1の用途に応じて適宜定めることができる。第1モードと第2モードの詳細については後述する。
【0016】
制御装置12は、動作モードの情報を含む制御データCDを検出装置20に供給し、このデータをもとに検出装置20を制御する。
【0017】
センサ22は、表示装置の表示面への物体のタッチまたは近接を検出するセンサである。センサ22は、第1センサ電極24および第2センサ電極26を有する。
【0018】
図2は、表示装置40上に配置された
図1のセンサ22を概略的に示す平面図である。
図2は、観察者側から表示装置40を見た図である。表示装置40は、表示領域42に画像を表示する。表示装置40は、例えば、アウトセル型の表示装置である。
【0019】
センサ22の第1センサ電極24は、表示装置40の表示領域42に重ねて配置される。第1センサ電極24は、垂直方向に延びる複数の第1電極30と、水平方向に延びる複数の第2電極32とを有する。複数の第1電極30は、水平方向に略均等間隔で並ぶ。複数の第2電極32は、垂直方向に略均等間隔で並ぶ。複数の第1電極30と複数の第2電極32は交差する。第1センサ電極24として、公知のタッチセンサの電極構成を採用できる。
【0020】
第2センサ電極26は、第1センサ電極24の周辺に配置され、
図2の例では第1センサ電極24の下側に配置される。第2センサ電極26は、表示領域42に重ならない。第2センサ電極26は、水平方向に並ぶ複数の第3電極34を有する。第2センサ電極26は、第1センサ電極24の上側、左側または右側に配置されてもよいし、第1センサ電極24を囲うように配置されてもよい。
【0021】
図1に戻る。検出装置20は、たとえばICとして構成され、ホスト10からの制御データCDにしたがって、センサ22を用いてタッチ検出と近接検出を実行する。検出装置20は、制御回路70、駆動回路74および検出回路76を備える。
【0022】
制御回路70は、たとえばマイコンで構成され、駆動回路74の信号生成タイミング、検出回路76のタッチまたは近接の検出タイミングなどを制御する。
【0023】
制御回路70は、第1モードにおいて、相互容量方式によりタッチ検出が実行されるよう、駆動回路74と検出回路76を制御する。タッチ検出には公知の技術を利用できる。
【0024】
駆動回路74は、制御回路70の制御にしたがい、第1モードでは、第1駆動信号TX1を生成する。第1駆動信号TX1は、タッチ駆動信号とも呼べる。第1駆動信号TX1は、矩形波でもよいし、正弦波でもよい。駆動回路74は、第1モードでは、第1駆動信号TX1を第1センサ電極24の複数の第2電極32のそれぞれに時系列で順番に供給する。駆動回路74は、第1モードにおいて、第1電極30と第3電極34に第1駆動信号TX1を供給しない。
【0025】
検出回路76は、第1モードでは表示装置40への物体のタッチを検出する。検出回路76は、第1モードでは、制御回路70の制御にしたがい、第2電極32に第1駆動信号TX1が供給されたときの第1電極30から受信した第1検出信号RX1に基づいて、物体のタッチを検出する。検出回路76は、検出したタッチ位置の情報を制御回路70に出力する。
【0026】
制御回路70は、第2モードにおいて、相互容量方式により近接検出が実行されるよう、駆動回路74と検出回路76を制御する。
【0027】
駆動回路74は、制御回路70の制御にしたがい、第2モードでは、第2駆動信号TX2を生成し、第2駆動信号TX2を第1センサ電極24、即ち複数の第1電極30と複数の第2電極32のそれぞれに供給する。駆動回路74は、第2モードにおいて、第2センサ電極26には第2駆動信号TX2を供給しない。第2駆動信号TX2の波形、振幅は、所望の近接検出性能が得られるように実験やシミュレーションにより適宜定めることができ、第1駆動信号TX1の波形等と同じでもよいし、異なってもよい。
【0028】
検出回路76は、第2モードでは表示装置40への物体の近接を検出する。検出回路76は、第2モードでは、制御回路70の制御にしたがい、第1センサ電極24に第2駆動信号TX2が供給されたときの第2センサ電極26、即ち複数の第3電極34から受信した第2検出信号RX2に基づいて、何れかの第3電極34に対応する位置への物体の近接を検出する。検出回路76は、検出した近接位置の情報を制御回路70に出力する。なお、検出回路76は、近接位置を検出しなくてもよく、物体の近接の有無を判定し、近接が検出されたことを示す情報を制御回路70に出力してもよい。
【0029】
制御回路70は、第1モードでは、検出回路76からのタッチ位置の情報にもとづいてタッチ位置の座標データTDを導出し、その座標データTDをホスト10の制御装置12に出力する。制御回路70は、第2モードでは、検出回路76からの近接位置の情報にもとづいて近接位置の座標データTDを導出し、その座標データTDをホスト10の制御装置12に出力する。制御装置12は、座標データTDに応じて各種処理を実行する。
【0030】
制御装置12、制御回路70の構成は、ハードウェア資源とソフトウェア資源の協働、またはハードウェア資源のみにより実現できる。ハードウェア資源としてアナログ素子、マイクロコンピュータ、DSP、ROM、RAM、FPGA、その他のLSIを利用できる。ソフトウェア資源としてファームウェア等のプログラムを利用できる。
【0031】
次に、第2モードの動作を詳しく説明する。
図3は、
図1のセンサ22の第2モードの動作を説明する図である。
図3では、第2駆動信号TX2が供給される第1センサ電極24の第1電極30と第2電極32に「TX」と表記し、第2検出信号RX2を出力する第2センサ電極26の第3電極34に「RX」と表記する。
【0032】
第2駆動信号TX2が供給されることにより、第1センサ電極24と第2センサ電極26との間に電界が発生する。
図3では概略的な電界を矢印で表記する。第1センサ電極24の総面積が第2センサ電極26の総面積より大きいため、相対的に広い領域に電界を発生させることができ、表示装置40の表示面の法線方向に離れた位置、即ち表示装置40の前面側の空間に電界を発生させることができる。よって、表示面に近接した物体は、表示面に接触していなくとも、電界に影響を及ぼす。
【0033】
表示面に近接した物体が存在することで電界に影響を及ぼしている場合、その物体が存在しない場合と比較して、第2検出信号RX2が変化する。検出回路76は、その変化を検出することで、物体の近接を検出する。第1モードでも、表示面に物体が触れず、検出可能な寄生容量の増加を生じさせる程度に表示面に物体が近づいた場合にもタッチ有りと検出されうるが、第2モードでは、第1モードで検出可能な表示面と物体の間の距離よりも長い距離の近接を検出できる。第2検出信号RX2を用いた近接の検出には、公知の技術を利用できる。
【0034】
検出回路76は、それぞれの第3電極34から受信される第2検出信号RX2を区別可能である。そのため、検出回路76は、第2モードにおいて、複数の第3電極34の中から物体が近接した第3電極34を検出できる。これにより、物体の近接の有無に加え、物体が近接した概略的な位置を特定できる。
【0035】
ここで、駆動回路74は、第2モードでは、複数の検出期間のそれぞれで異なる周波数の第2駆動信号TX2を第1センサ電極24に供給する。つまり、駆動回路74は、検出期間ごとに第2駆動信号TX2の周波数を変更する。複数の検出期間をまとめて、物体の近接の有無を検出するための近接検出期間と呼べる。
【0036】
図4は、
図1の検出システム1の第2モードの複数の検出期間を説明する図である。この例では、第1検出期間P1、第1タッチ検出期間P101、第2検出期間P2、第2タッチ検出期間P102、第3検出期間P3、第3タッチ検出期間P103、第4検出期間P4、第4タッチ検出期間P104、第5検出期間P5、第5タッチ検出期間P105の順に時系列に並ぶ。
【0037】
第1タッチ検出期間P101から第5タッチ検出期間P105は、近接検出が停止され、第1モードと同様にタッチ検出が実行される期間であり、第2モードにおいて物体が近接しても何らかの原因により検出されない場合であっても物体が表示面にタッチすればタッチが検出される。タッチが検出された場合、第1モードのタッチ検出が継続的に実行される。第1タッチ検出期間P101から第5タッチ検出期間P105は設けられなくてもよく、その場合、第1検出期間P1から第5検出期間P5が連続して並ぶ。検出期間の数は「5」に限定されず、実験やシミュレーションにより適宜定めることができる。
【0038】
複数の検出期間のそれぞれに供給される第2駆動信号TX2の周波数は、互いに自然数倍とは異なることが好ましい。
図4の例では、第2駆動信号TX2の周波数は、第1検出期間P1では20kHz、第2検出期間P2では37kHz、第3検出期間P3では63kHz、第4検出期間P4では77kHz、第5検出期間P5では103kHzである。
【0039】
検出回路76は、第2モードでは、複数の検出期間のそれぞれにおいて第2センサ電極26から受信した第2検出信号RX2に基づいて、物体の近接を検出する。具体的には、検出回路76は、第2センサ電極26から受信した第2検出信号RX2に基づいて複数の検出期間のそれぞれにおいて物体の近接の有無を仮判定し、複数の検出期間のうち所定数以上の検出期間で物体の近接があると仮判定された場合、物体の近接があると本判定する。検出回路76は、複数の検出期間のうち所定数以上の検出期間で物体の近接があると仮判定されない場合、物体の近接がないと本判定する。第2駆動信号TX2の周波数と所定数は、検出システム1が利用される環境のノイズなどに応じて、ノイズが誤検出され難いように実験やシミュレーションにより適宜定めることができる。
【0040】
1つの近接検出期間の複数の検出期間で検出回路76により物体の近接がないと本判定された場合、次回の近接検出期間の複数の検出期間において、駆動回路74が第2駆動信号TX2を供給する処理と、検出回路76が近接を検出する処理とが再度実行される。つまり、第2モードにおいて、物体の近接があると本判定されるまで、一連の仮判定と本判定が繰り返し実行される。
【0041】
図4の例では、検出回路76は、第1検出期間P1から第5検出期間P5の5つの検出期間に受信した第2検出信号RX2を用いて、第5検出期間P5が終了すると近接の有無を本判定する。例えば、各検出期間を10ms、各タッチ検出期間を2msとすると、約60msで1回の近接の有無の本判定が完了する。例えば、所定数は「5」であり、5つの検出期間のそれぞれで近接ありと仮判定された場合、近接ありと本判定される。
図4では、近接があると本判定された後、第1モードのタッチ検出が継続的に実行されている。
【0042】
ここで、比較例の検出システムについて説明する。比較例の検出システムの基本的な構成は、実施の形態の検出システム1と同じであり、近接の有無を検出するための近接検出期間に含まれる検出期間の数と、各検出期間の第2駆動信号TX2の周波数が実施の形態と異なる。
【0043】
図5は、比較例の検出システムの第2モードの複数の検出期間を説明する図である。この例では、第1検出期間P1、第1タッチ検出期間P101、第2検出期間P2、第2タッチ検出期間P102、第3検出期間P3、第3タッチ検出期間P103、・・・、第39検出期間P39、第39タッチ検出期間P139、第40検出期間P40、第40タッチ検出期間P140の順に時系列に並ぶ。検出期間の数は「40」である。
【0044】
第2駆動信号TX2の周波数は、それぞれの検出期間で同一であり、例えば100kHzである。
図4と同様に各検出期間を10ms、各タッチ検出期間を2msとすると、約480msで1回の近接の有無の本判定が完了する。
【0045】
例えば、40の検出期間のうち32以上の検出期間で物体の近接があると仮判定された場合、物体の近接があると本判定し、40の検出期間のうち32未満の検出期間で物体の近接があると仮判定された場合、物体の近接がないと本判定する。
【0046】
手などの物体が近接している場合、480msの間、継続して近接していることが想定でき、40の検出期間で近接ありと仮判定されうる。そのため、物体の近接を検出できる。一方、物体が近接しておらず、第2駆動信号TX2の周波数と同じ100kHz付近の周波数成分を含むノイズが存在する場合、ノイズの強度によってはいくつかの検出期間で近接ありと仮判定されうる。しかし、そのようなノイズは継続的に存在せず、離散的に存在する確率が相対的に高いため、近接ありと仮判定される検出期間の数が物体の近接の場合よりも少なくなりやすい。そのため、検出期間の数を増やすことで、ノイズを誤って検出し難くできる。しかし、100kHz付近の周波数成分を含むノイズが継続的に存在する可能性もあり、その場合には近接ありと誤検出されてしまう。また、物体の近接があることを本判定するために480ms程度の時間を要するため、ユーザが手を近づけた後、近接が検出されるまでに、ユーザが遅いと感じる可能性がある。
【0047】
この比較例に対して、実施の形態では、それぞれの検出期間で第2駆動信号TX2の周波数が異なるため、特定の周波数特性を持つノイズが継続的に存在する場合であっても、物体の近接があると仮判定される検出期間の数が少なくなりやすい。例えば、103kHz付近の周波数成分を含み、77kHz、63kHz、37kHzおよび20kHz付近の周波数成分を実質的に含まないノイズが継続的に存在する場合、第1検出期間P1から第4検出期間P4では近接なしと仮判定され、第5検出期間P5のみで近接ありと仮判定されうる。また、第2駆動信号TX2の周波数がノイズの周波数の1/2、1/4などであると仮定すると、それらの周波数の第2駆動信号TX2が供給される複数の検出期間でも近接ありと仮判定されやすいが、実施の形態では、第2駆動信号TX2の複数の周波数は互いに自然数倍とは異なるため、ノイズによって複数の検出期間で近接ありと仮判定され難い。
【0048】
一方、接地されているユーザの手などの物体が近接する場合、電界に対してグランドとしての作用を及ぼすため、第2駆動信号TX2の周波数に依存せずに検出される。つまり、物体が近接した場合、第1検出期間P1から第5検出期間P5のそれぞれで近接ありと仮判定されやすい。よって、ノイズによる誤検出を抑制しながら、1つの近接検出期間に含まれる検出期間の数、即ち1回の本判定のために必要な検出期間の数を比較例より減らすことができる。そのため、より短時間でより高精度に物体の近接を検出できる。
【0049】
次に、以上の構成による検出システム1の全体的な動作を説明する。
図6は、
図1の検出システム1の検出処理を示すフローチャートである。
図6の処理は、第2モードの選択条件が満たされた場合に開始される。選択部90は、第2モードを選択し(S10)、駆動回路74は、各検出期間で異なる周波数の第2駆動信号TX2を第1センサ電極24に供給し、検出回路76は、各検出期間で近接の有無を仮判定する(S12)。所定数以上の検出期間で近接ありと仮判定されない場合(S14のN)、S12に戻る。所定数以上の検出期間で近接ありと仮判定された場合(S14のY)、検出回路76は、近接ありと本判定し(S16)、選択部90は、第1モードを選択する(S18)。
【0050】
なお、所定の第1の数以上、かつ、所定の第2の数未満の検出期間で近接ありと仮判定された場合、それまでの5種類の周波数とは異なる周波数の第2駆動信号TX2を用いて次回の近接の有無の検出を実行してもよい。例えば、検出期間の数が「5」の場合、第1の数は「4」であり、第2の数は「5」であってよい。第1の数と第2の数は、実験やシミュレーションにより適宜定めることができる。
【0051】
例えば、検出回路76において、複数の検出期間のうち第1の数以上、かつ、第2の数未満の検出期間で物体の近接があると仮判定された場合、駆動回路74は、当該複数の検出期間の第2駆動信号TX2の複数の周波数とは異なる周波数であって、次回の複数の検出期間のそれぞれで異なる周波数の第2駆動信号TX2を第1センサ電極24に供給してもよい。つまり、仮判定を実施済みの周波数とは異なる周波数を用いて、再度、近接の有無を判定する。検出回路76において、複数の検出期間のうち第1の数未満の検出期間で物体の近接があると仮判定された場合、駆動回路74は、当該複数の検出期間と同じ複数の周波数であって、次回の複数の検出期間のそれぞれで異なる周波数の第2駆動信号TX2を第1センサ電極24に供給してもよい。検出回路76は、次回の複数の検出期間のそれぞれにおいて第2センサ電極26から受信した第2検出信号RX2に基づいて、物体の近接を検出する。検出回路76は、複数の検出期間のうち第2の数以上の検出期間で物体の近接があると仮判定された場合、物体の近接があると本判定する。
【0052】
例えば、
図4の例で、第2検出期間P2にて近接がないと仮判定され、他の4つの検出期間で近接があると仮判定された場合、それら4つの検出期間でノイズを検出していれば、もう一度同じ5つの周波数の第2駆動信号TX2を用いても、同じ仮判定結果が得られる確率が高く、ノイズを検出しているか否か判定し難い。そこで、別の5つの周波数の第2駆動信号TX2を用いることで、ノイズであれば物体の近接があると仮判定される回数が4回未満になりやすく、物体の近接ではないことをより確実に判定しやすい。
【0053】
あるいは、検出回路76において、複数の検出期間のうち第1の数以上、かつ、第2の数未満の検出期間で物体の近接があると仮判定された場合、駆動回路74は、物体の近接がないと仮判定された検出期間の第2駆動信号TX2の周波数で、次回の複数の検出期間のそれぞれで第2駆動信号TX2を第1センサ電極24に供給してもよい。例えば、
図4の例で第2検出期間P2にて近接がないと仮判定され、他の4つの検出期間で近接があると仮判定された場合、第2検出期間P2で供給された37kHzの第2駆動信号TX2が次回の5つの検出期間で供給される。これにより、ノイズであれば次回の5つの検出期間で物体の近接がないと仮判定される確率が高く、物体の近接ではないことをより確実に判定しやすい。
【0054】
本実施の形態によれば、より短時間でより高精度に近接を検出できる。また、複数の検出期間のそれぞれに供給される第2駆動信号TX2の周波数は、互いに自然数倍とは異なるため、第2駆動信号TX2の周波数成分を含むノイズが存在する場合、複数の検出期間で近接ありと仮判定され難い。そのため、ノイズによる誤検出をより確実に抑制できる。
【0055】
以上、本開示について、実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素あるいは各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、また、そうした変形例も本開示の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0056】
たとえば、実施の形態では、第1モードにて相互容量方式でタッチ検出する例を説明したが、自己容量方式でタッチ検出してもよい。また、実施の形態ではアウトセル型の表示装置の例を説明したが、インセル型の表示装置であってもよい。また、検出装置20はホスト10に含まれてもよい。これらの変形例では、検出システム1の構成の自由度を向上できる。
【0057】
本開示の一態様に係る検出装置は、
複数の検出期間のそれぞれで異なる周波数の駆動信号を第1センサ電極に供給する駆動回路と、
前記複数の検出期間のそれぞれにおいて前記第1センサ電極の周辺に配置された第2センサ電極から受信した検出信号に基づいて、物体の近接を検出する検出回路と、
を備える。
この態様によると、より短時間でより高精度に物体の近接を検出できる。
【0058】
本開示の一態様に係る検出装置において、例えば、
前記複数の検出期間のそれぞれに供給される前記駆動信号の周波数は、互いに自然数倍とは異なってもよい。
この場合、駆動信号の周波数成分を含むノイズによる誤検出をより確実に抑制できる。
【0059】
本開示の一態様に係る検出装置において、例えば、
前記検出回路は、
前記第2センサ電極から受信した検出信号に基づいて前記複数の検出期間のそれぞれにおいて物体の近接の有無を仮判定し、
前記複数の検出期間のうち所定数以上の検出期間で物体の近接があると仮判定された場合、物体の近接があると本判定してもよい。
この場合、駆動信号の周波数成分を含むノイズにより近接ありと仮判定される検出期間の数が少なくなりやすいため、誤検出を抑制できる。
【0060】
本開示の一態様に係る検出装置において、例えば、
前記検出回路は、前記第2センサ電極から受信した検出信号に基づいて前記複数の検出期間のそれぞれにおいて物体の近接の有無を仮判定し、
前記検出回路において、前記複数の検出期間のうち所定の第1の数以上、かつ、所定の第2の数未満の検出期間で物体の近接があると仮判定された場合、前記駆動回路は、物体の近接がないと仮判定された検出期間の駆動信号の周波数で、次回の複数の検出期間のそれぞれで駆動信号を前記第1センサ電極に供給し、
前記検出回路は、前記次回の複数の検出期間のそれぞれにおいて前記第2センサ電極から受信した検出信号に基づいて、物体の近接を検出してもよい。
この場合、ノイズが存在する場合、物体の近接ではないことをより確実に判定しやすい。
【0061】
本開示の一態様に係る検出装置において、例えば、
前記検出回路は、前記第2センサ電極から受信した検出信号に基づいて前記複数の検出期間のそれぞれにおいて物体の近接の有無を仮判定し、
前記検出回路において、前記複数の検出期間のうち所定の第1の数以上、かつ、所定の第2の数未満の検出期間で物体の近接があると仮判定された場合、前記駆動回路は、前記複数の検出期間の駆動信号の複数の周波数とは異なる周波数であって、次回の複数の検出期間のそれぞれで異なる周波数の駆動信号を前記第1センサ電極に供給し、
前記検出回路は、前記次回の複数の検出期間のそれぞれにおいて前記第2センサ電極から受信した検出信号に基づいて、物体の近接を検出してもよい。
この場合、ノイズが存在する場合、物体の近接ではないことをより確実に判定しやすい。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本開示は、近接検出機能を有する検出装置に利用できる。
【符号の説明】
【0063】
1…検出システム、20…検出装置、22…センサ、24…第1センサ電極、26…第2センサ電極、30…第1電極、32…第2電極、34…第3電極、74…駆動回路、76…検出回路。