IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ チンダオ ハイアール レフリジレーター カンパニー リミテッドの特許一覧 ▶ ハイアール スマート ホーム カンパニー リミテッドの特許一覧

<>
  • 特許-冷蔵冷凍装置 図1
  • 特許-冷蔵冷凍装置 図2
  • 特許-冷蔵冷凍装置 図3
  • 特許-冷蔵冷凍装置 図4
  • 特許-冷蔵冷凍装置 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-27
(45)【発行日】2024-10-07
(54)【発明の名称】冷蔵冷凍装置
(51)【国際特許分類】
   F25D 17/08 20060101AFI20240930BHJP
   A23B 4/06 20060101ALI20240930BHJP
   A23L 3/36 20060101ALI20240930BHJP
   F25D 23/12 20060101ALI20240930BHJP
   A23L 13/00 20160101ALN20240930BHJP
【FI】
F25D17/08 302
A23B4/06 501K
A23B4/06 501L
A23B4/06 501Z
A23L3/36 Z
F25D23/12 Z
A23L13/00 Z
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2023574823
(86)(22)【出願日】2021-12-20
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-21
(86)【国際出願番号】 CN2021139646
(87)【国際公開番号】W WO2022257415
(87)【国際公開日】2022-12-15
【審査請求日】2023-12-05
(31)【優先権主張番号】202121263513.3
(32)【優先日】2021-06-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】522029969
【氏名又は名称】青島海爾電氷箱有限公司
【氏名又は名称原語表記】QINGDAO HAIER REFRIGERATOR CO., LTD
【住所又は居所原語表記】Haier Industrial Park No. 1 Haier Road, Laoshan District Qingdao, Shandong 266101, China
(73)【特許権者】
【識別番号】521161200
【氏名又は名称】海爾智家股分有限公司
【住所又は居所原語表記】Haier Industrial Park, No.1 Haier Road, Laoshan District, Qingdao, Shandong 266101, China
(74)【代理人】
【識別番号】100104226
【弁理士】
【氏名又は名称】須原 誠
(72)【発明者】
【氏名】崔 展鵬
(72)【発明者】
【氏名】陳 建全
(72)【発明者】
【氏名】陳 童
(72)【発明者】
【氏名】姫 立勝
【審査官】笹木 俊男
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第6457402(US,B1)
【文献】特開2015-31499(JP,A)
【文献】特開2020-184532(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第107036361(CN,A)
【文献】中国実用新案第206771843(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25D 1/00 ~ 31/00
A23B 4/06 ~ 4/09
A23L 3/36 ~ 3/375
A23L 13/00 ~ 13/77
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷蔵冷凍装置であって、
筐体を備え、前記筐体内には、熟成すべき物をその内部で熟成させるための熟成装置が配置され、
前記熟成装置は、アウターケースと前記アウターケース内に配置されたインナーケースとを含み、前記インナーケースの内部には、熟成すべき物を収容するための熟成室が画定され、前記インナーケースの幅方向両側と前記アウターケースの幅方向両側とがそれぞれ間隔を空けて形成されていることにより、長手方向に延在する2つの送風通路が形成され、前記送風通路は、前記インナーケースの2つの幅方向側板に開設された送風口を介して前記熟成室に連通し、
前記熟成装置は、2つの前記送風通路内の気流が前記送風口を経由して前記熟成室へ流れるようにするための循環ファンを更に備えることを特徴とする冷蔵冷凍装置。
【請求項2】
前記送風口の数は、複数であり、
複数の前記送風口の数及び/又は大きさは、前記熟成室の各所に送られた気流量が均一となるように設けられていることを特徴とする請求項1に記載の冷蔵冷凍装置。
【請求項3】
各前記送風口の大きさは、同じであり、
各前記幅方向側板上の複数の前記送風口の、前記インナーケースの高さ方向における配置密度は、何れも均一であることを特徴とする請求項2に記載の冷蔵冷凍装置。
【請求項4】
各前記送風口の大きさは、同じであり、
各前記幅方向側板上の複数の前記送風口の、前記送風通路内の気流流動方向における配置密度は、段階的に又は連続的に増加していることを特徴とする請求項2に記載の冷蔵冷凍装置。
【請求項5】
前記インナーケースの、2つの幅方向側板の間に配置されてこれらに接続された端板には、前記熟成室内の気流が前記インナーケースの外部へ流れるための還気口が開設され、
前記循環ファンは、前記アウターケースと前記インナーケースとの間に配置され、且つ前記循環ファンの気流入口は、前記還気口に連通し、前記循環ファンの気流出口は、2つの前記送風通路に連通していることを特徴とする請求項1に記載の冷蔵冷凍装置。
【請求項6】
前記還気口は、前記インナーケースの前記筐体の後側に位置する後端板に開設され、前記循環ファンは、前記後端板の外側に固定されていることを特徴とする請求項5に記載の冷蔵冷凍装置。
【請求項7】
前記循環ファンは、単方向吸気且つ双方向排風の遠心ファンであることを特徴とする請求項1に記載の冷蔵冷凍装置。
【請求項8】
前記アウターケースは、前側開口を有する筒体であり、
前記インナーケースは、頂部が開放された引き出しであり、且つ前記アウターケース内に押し引き可能に収容されていることを特徴とする請求項1に記載の冷蔵冷凍装置。
【請求項9】
前記インナーケース内には、熟成すべき物を載せるための物置網棚が設けられ、前記物置網棚は、複数の孔が形成されたメッシュ構造を有し、
前記物置網棚は、前記インナーケースの底板と間隔を空けて配置されていることを特徴とする請求項1に記載の冷蔵冷凍装置。
【請求項10】
前記筐体内には、物品を格納するための冷蔵室が画定され、前記熟成装置は、前記冷蔵室内に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の冷蔵冷凍装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷蔵冷凍技術に関し、特に冷蔵冷凍装置に関する。
【背景技術】
【0002】
肉類等の食品の熟成は、温度と湿度だけでなく、表面風速にも一定の要求がある。従来の熟成装置は、一般的に独立的なものであり、専用の温度制御装置及び湿度制御装置を設計する必要があるとともに、一定の温湿度の条件で食品表面の急速な風乾ができるように、気流が食品表面を循環流動するように駆動するファンも必要である。しかし、食品の体積が大きい場合、特に肉類食品の体積は一般的に大きく、食品表面の送風ムラを引き起こしやすく、熟成効果に影響を与える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の1つの目的は、従来技術の少なくとも1つの欠陥を克服して熟成機能を有し且つ熟成効果が良い冷蔵冷凍装置を提供することにある。
本発明の1つの更なる目的は、熟成室内の各所での送風均一性を向上させることにある。
本発明のもう1つの更なる目的は、熟成すべき物を出し入れすることを容易にすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を果たすべく、本発明は、冷蔵冷凍装置を提供する。当該冷蔵冷凍装置は、筐体を備え、前記筐体内には、熟成すべき物をその内部で熟成させるための熟成装置が配置され、
前記熟成装置は、アウターケースと前記アウターケース内に配置されたインナーケースとを含み、前記インナーケースの内部には、熟成すべき物を収容するための熟成室が画定され、前記インナーケースの幅方向両側と前記アウターケースの幅方向両側とがそれぞれ間隔を空けて形成されていることにより、長手方向に延在する2つの送風通路が形成され、前記送風通路は、前記インナーケースの2つの幅方向側板に開設された送風口を介して前記熟成室に連通し、
前記熟成装置は、2つの前記送風通路内の気流が前記送風口を経由して前記熟成室へ流れるようにするための循環ファンを更に備える。
【0005】
好ましくは、前記送風口の数は、複数であり、
複数の前記送風口の数及び/又は大きさは、前記熟成室の各所に送られた気流量が均一となるように設けられている。
【0006】
好ましくは、各前記送風口の大きさは、同じであり、
各前記幅方向側板上の複数の前記送風口の、前記インナーケースの高さ方向における配置密度は、何れも均一である。
【0007】
好ましくは、各前記送風口の大きさは、同じであり、
各前記幅方向側板上の複数の前記送風口の、前記送風通路内の気流流動方向における配置密度は、段階的に又は一定値ずつ増加している。
【0008】
好ましくは、前記インナーケースの、2つの幅方向側板の間に配置されてこれらに接続された端板には、前記熟成室内の気流が前記インナーケースの外部へ流れるようにするための還気口が開設され、
前記循環ファンは、前記アウターケースと前記インナーケースとの間に配置され、且つ前記循環ファンの気流入口は、前記還気口に連通し、前記循環ファンの気流出口は、2つの前記送風通路に連通している。
【0009】
好ましくは、前記還気口は、前記インナーケースの前記筐体の後側に位置する後端板に開設され、前記循環ファンは、前記後端板の外側に固定されている。
【0010】
好ましくは、前記循環ファンは、単方向吸気且つ双方向排風の遠心ファンである。
【0011】
好ましくは、前記アウターケースは、前側開口を有する筒体であり、
前記インナーケースは、頂部が開放された引き出しであり、且つ前記アウターケース内に押し引き可能に収容されている。
【0012】
好ましくは、前記インナーケース内には、熟成すべき物を載せるための物置網棚が設けられ、前記物置網棚は、複数の孔が形成されたメッシュ構造を有し、
前記物置網棚は、前記インナーケースの底板と間隔を空けて形成されている。
【0013】
好ましくは、前記筐体内には、物品を格納するための冷蔵室が画定され、前記熟成装置は、前記冷蔵室内に配置されている。
【発明の効果】
【0014】
本発明の冷蔵冷凍装置では、専らその筐体に熟成装置が配置され、筐体内の低温高湿環境を有効に利用して熟成装置内の熟成すべき物の熟成を促進可能であり、専用の降温装置及び加湿装置を設置する必要がなくなり、コストが低減され、冷蔵冷凍装置の機能を豊富にする。また、本発明の熟成装置は、インナーケースとアウターケースとの2層構造を有し、インナーケース内に熟成室が画定され、インナーケースの幅方向両側とアウターケースの幅方向両側とがそれぞれ間隔を空けて形成されていることにより、2つの送風通路が形成され、循環ファンの駆動により、2つの送風通路内の気流がそれぞれインナーケースの2つの幅方向側板に開設された送風口を経由して熟成室に送られる。つまり、気流が熟成室の2つの幅方向側部から熟成室に同時に流れ込んで、気流の熟成室幅方向での送風の均一性を向上させ、それによって熟成すべき物の熟成効果を高める。
【0015】
更に、本発明では、送風口の大きさ及び/又は数の設計によって熟成室の各所での送風均一性を向上させる。具体的に、送風口の大きさが同じであるとき、各幅方向側板上の複数の送風口の、インナーケースの高さ方向における配置密度が何れも均一であるため、熟成室の高さ方向における各所での送風均一性を向上させることが可能であり、それによって熟成すべき物の上面と下面とに均一な気流吹き付け効果が与えられることを確保する。送風口の大きさが同じであるとき、各幅方向側板上の複数の送風口の、送風風路内の気流流動方向における配置密度が増加しているため、送風口の配置密度が増加していくことによって送風風路内の気流流速が気流流動方向において減少していくという欠陥を補うことができ、熟成室の長手方向における各所での送風均一性を向上させ、熟成すべき物に対して長手方向における表面の各領域においても均一な気流吹き付け効果が与えられることを確保する。これにより、熟成すべき物に対して幅方向、高さ方向及び長手方向の何れにおいても均一な気流吹き付け効果を与えることができ、熟成すべき物の熟成効果を高める。
【0016】
更に、熟成装置のアウターケースが筒体形態であり、インナーケースが引き出し形態であり、インナーケースがアウターケース内に押し引き可能に収容されていることにより、インナーケース内の熟成室へ熟成すべき物を入れたり熟成室から熟成すべき物を取り出したりすることが容易になり、ユーザ操作の利便性を向上させる。
【0017】
以下に図面を参照しながら本発明の具体的な実施例の詳細な記述に基づいて、当業者は、本発明の上記及びその目的、メリット及び特徴をより明瞭に理解できる。
【0018】
以下では、本発明の幾つかの具体的な実施例について、図面を参照して、制限的ではなく、例示的で詳細に説明する。図面における同じ符号は、同じ又は類似する部品又は部分を示す。当業者であれば理解できるように、これらの図面が必ずしも縮尺通りに描かれるとは、限らない。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の1つの実施例に係る冷蔵冷凍装置の模式的な構造図である。
図2】本発明の1つの実施例に係る熟成装置の鉛直切断面に沿って切断した模式的な断面図である。
図3】本発明の1つの実施例に係る熟成装置を異なる方位の鉛直切断面に沿って切断した模式的な断面図である。
図4】本発明の1つの実施例に係る熟成装置を水平切断面に沿って切断した模式的な断面図である。
図5】本発明の1つの実施例に係る熟成装置内の気流流動経路の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明は、冷蔵冷凍装置を提供する。図1は、本発明の1つの実施例に係る冷蔵冷凍装置の模式的な構造図である。本発明の冷蔵冷凍装置1は、筐体10を備え、筐体10内には、熟成すべき物をその内部で熟成させるための熟成装置20が配置されている。これにより、筐体10内の低温高湿環境を有効に利用して熟成装置20内の熟成すべき物の熟成を促進可能であり、専用の降温装置及び加湿装置を設置する必要がなくなり、コストが低減される。熟成装置20が統合された冷蔵冷凍装置1は、従来の低温環境での収納保鮮機能を有するだけでなく、熟成機能も有し、冷蔵冷凍装置1の機能を豊富にする。
【0021】
図2図3は、本発明の1つの実施例に係る熟成装置を異なる方位の鉛直切断面に沿って切断した模式的な断面図であり、図4は、本発明の1つの実施例に係る熟成装置を水平切断面に沿って切断した模式的な断面図であり、図5は、本発明の1つの実施例に係る熟成装置内の気流流動経路の模式図である。図2図5を参照すると、熟成装置20は、アウターケース21と、アウターケース21内に配置されたインナーケース22とを備え、インナーケース22の内部には、熟成すべき物を収容するための熟成室23が画定されている。インナーケース22の幅方向両側とアウターケース21の幅方向両側とがそれぞれ間隔を空けて形成されていることにより、長手方向に沿って延在する2つの送風通路24が形成され、各送風通路24は、何れもインナーケース22の幅方向外側に位置し、且つアウターケース21の幅方向内側に位置する。ここでの長手方向とは、インナーケース22とアウターケース21の長手方向を指し、且つその幅方向に垂直である。
【0022】
つまり、インナーケース22の一方側の幅方向側板221とアウターケース21の当該側に位置する幅方向側壁とが間隔を空けて形成されていることにより、その中の1つの送風通路24が形成されている。インナーケース22の他方側の幅方向側板221とアウターケース21の当該側に位置する幅方向側壁とが間隔を空けて形成されていることにより、もう1つの送風通路24が形成されている。2つの送風通路24は、それぞれインナーケース22の2つの幅方向外側に位置し、且つそれぞれアウターケース21の2つの幅方向内側に位置し、2つの送風通路24は、何れもインナーケース22の長手方向に沿って延在している。
【0023】
更に、送風通路24は、インナーケース22の2つの幅方向側板221に開設された送風口222を介して熟成室23に連通している。熟成装置20は、2つの送風通路24内の気流が送風口222を経由して熟成室23へ流れるようにするための循環ファン25を更に備える。
【0024】
本発明の熟成装置20は、インナーケース22とアウターケース21との2層構造を有し、インナーケース22内には、熟成室23が画定され、インナーケース22の幅方向両側とアウターケース21の幅方向両側とがそれぞれ間隔を空けて形成されていることにより、2つの送風通路24が形成されている。循環ファン25の駆動により、2つの送風通路24内の気流は、それぞれインナーケース22の2つの幅方向側板221に開設された送風口222を経由して熟成室23に送られる。つまり、気流が熟成室23の2つの幅方向側部から熟成室23に同時に流れ込み、気流の熟成室23の幅方向での送風均一性を向上させ、それによって熟成すべき物の熟成効果を高める。
【0025】
幾つかの実施例において、送風口222の数は、複数であり、複数の送風口222の数及び/又は大きさは、熟成室23の各所に送られた気流量が均一となるように設けられており、更に熟成すべき物の熟成効果を高める。
【0026】
具体的に、インナーケース22の各幅方向側板221上の送風口222の数は、何れも複数である。2つの幅方向側板221上の複数の送風口222は、対称に配置されてもよい。
【0027】
更に、各送風口222の大きさは、同じであり、且つ各幅方向側板221上の複数の送風口222の、インナーケース22の高さ方向における配置密度は、何れも均一である。2つの幅方向側板221上の複数の送風口222の、インナーケース22の高さ方向における配置密度は、同じである。これにより、熟成室23の高さ方向における各所での送風均一性を向上させることが可能であるため、熟成すべき物の上面と下面に均一な気流吹き付け効果が与えられることを確保し、熟成すべき物の熟成効果を高める。
【0028】
具体的に、同一の幅方向側板221に位置する複数の送風口222は、複数行複数列の方式で配置されてもよく、高さ方向における任意の2つの隣接する送風口222の間の穴ピッチは、同じである。
【0029】
出願人は、1つの循環ファン25を使用して、2つの送風風路24内の気流を熟成室23へ流れさせるように、2つの送風風路24を同時に作動させる場合には、循環ファン25が必然的に2つの送風風路24の上流に位置することを見出しした。したがって、送風風路24内の気流流動方向(即ち、インナーケース22の長手方向)において、気流の流速は、徐々に小さくなる。そこで、各送風口222の大きさが同じであるとき、各幅方向側板221上の複数の送風口222の、送風通路24内の気流流動方向における配置密度は、長手方向の2以上の送風口222の集合ごとに(段階的に)又は長手方向の1つの送風口222ごとに(連続的に)増加している。
【0030】
このように、送風口222の配置密度が増加することによって送風風路24内の気流流速が気流流動方向において減少していくという欠陥を補うことができ、熟成室23の長手方向における各所での送風均一性を向上させ、熟成すべき物に対して長手方向における表面の各領域においても均一な気流吹き付け効果が与えられることを確保し、熟成すべき物の熟成効果を高める。
【0031】
一実施例において、幅方向側板221上の複数の送風口222の、送風通路24内の気流流動方向における配置密度は、段階的に増加している。つまり、幅方向側板221は、長手方向において幾つかのセグメントに分割されてもよく、各セグメント内の送風口222の気流流動方向における配置密度は、何れも同じであり、気流流動方向に沿って順に配列された幾つかのセグメントの送風口222の配置密度は、徐々に大きくなる。具体的に、同一の幅方向側板221上の複数の送風口222は、複数行複数列の方式で配置されてもよく、同一セグメント内では、気流流動方向における任意の何れか2つ隣接する送風口222の間の穴ピッチが何れも同じである。気流流動方向に沿って順に配列された幾つかのセグメントの、インナーケース長手方向において隣接する2つの送風口222の間の穴ピッチは、徐々に減少する。
【0032】
別の実施例において、幅方向側板221上の複数の送風口222の、送風通路24内の気流流動方向における配置密度は、連続的に増加する。つまり、気流流動方向において、隣り合った2つの送風口222の配置密度の増加度合いは、均一である。具体的に、同一の幅方向側板221上の複数の送風口222は、複数行複数列の方式で配置されてもよく、気流流動方向において隣接する2つの送風口222の間の穴ピッチは、等距離ずつ減少する。
【0033】
これにより、本願では、送風通路24、送風口222に対する特別な設計により、熟成すべき物に対して幅方向、高さ方向及び長手方向の何れにおいても均一な気流吹き付け効果を与えることができ、熟成すべき物の熟成効果が良くなる。
【0034】
幾つかの実施例において、インナーケース22のその2つの幅方向側板221の間に配置されてこれらと接続された端板223には、熟成室23内の気流がインナーケース22の外部へ流れるための還気口224が開設されている。循環ファン25は、アウターケース21とインナーケース22の間に配置され、且つ循環ファン25の気流入口は、還気口224に連通し、循環ファン25の気流出口は、2つの送風通路24に連通している。
【0035】
これにより、熟成室23内に流れ込んだ気流は、熟成室23内で長い経路を経由した後で還気口224から流れ出ることができ、気流の熟成すべき物の表面に対する吹き付け時間が長くなり、気流の熟成すべき物への風乾作用を十分に発揮させることができる。
【0036】
幾つかの実施例において、還気口224は、インナーケース22の筐体10後側に位置する後端板に開設され、循環ファン25は、後端板の外側に固定されている。つまり、熟成装置20が筐体10に置かれた後、循環ファン25が筐体10の後側に位置し、ユーザが循環ファン25の運転時に発生したノイズを感じにくくなる。
【0037】
幾つかの実施例において、循環ファン25は、単方向吸気且つ双方向排風の遠心ファンである。したがって、還気口224の気流を互いに反対向きの2つの方向に沿って2つの送風通路24に同時にそれぞれ吹き付けることができるだけでなく、循環ファン25の占用する空間を減少させ、熟成装置20の構造をよりコンパクトにし、体積をより小さくし、それによって筐体10内の過多な空間の占用を回避する。
【0038】
幾つかの実施例において、アウターケース21は、前側開口を有する筒体である。インナーケース22は、頂部が開放された引き出しであり、且つインナーケース22は、アウターケース21内に押し引き可能に収容されている。
【0039】
つまり、熟成装置20のアウターケース21が筒体形態であり、インナーケース22が引き出し形態であり、インナーケース22がアウターケース21内に押し引き可能に収容されていることにより、インナーケース22内の熟成室23へ熟成すべき物を入れたり熟成室23から熟成すべき物を取り出したりすることが容易になり、ユーザ操作の利便性を向上させる。
【0040】
幾つかの実施例において、インナーケース22内には、熟成すべき物を載せるための物置網棚26が設けられ、物置網棚26は、複数の孔が形成されたメッシュ構造を有し、且つ物置網棚26は、インナーケース22の底板と間隔を空けて配置さている。
【0041】
つまり、物置網棚26の上方と下方が何れも一定の空間を有し、且つ物置網棚26がメッシュ構造を有しているため、物置網棚26上に乗せられた熟成すべき物の上下面に同時に気流を吹き付けることが容易になり、熟成すべき物の上面と下面が何れもできるだけ早く風乾効果に達することは、確保される。
【0042】
また、メッシュ構造を有する物置網棚26は、更に、熟成すべき物と物置網棚26との間の接触面積を減少させ、熟成すべき物の一部の表面が気流に接触できないことによって腐敗変質することを回避する。
【0043】
幾つかの実施例において、筐体10内には、物品を格納するための冷蔵室11が画定され、熟成装置20は、冷蔵室11内に配置されている。冷蔵室11の貯蔵温度範囲は、通常0~8℃であり、熟成すべき物の熟成温度に対する要求に比較的に合致する。また、冷蔵室11内の貯蔵湿度は、通常、室内環境の湿度よりも高く、熟成すべき物の熟成湿度に対する要求に比較的に合致する。熟成装置20内の湿度が合致しない場合にも、冷蔵室11内の気流によって容易に調整することができる。したがって、熟成装置20を冷蔵室11に設けることにより、冷蔵室11自身の温湿度条件を十分に利用してコストを最大限に削減することができる。
【0044】
更に、筐体10には、冷凍室及び/又は変温室が更に画定されてもよい。冷蔵室11、冷凍室と変温室は、それぞれ筐体10の前側に回動可能に設けられた扉体によって選択的に開閉される。
【0045】
当業者であれば理解できるように、本発明の冷蔵冷凍装置1は、十字型の観音開き式冷蔵庫であってもよく、熟成装置20は、上部にある一方の冷蔵室内に配置されている。
【0046】
他の幾つかの実施例において、冷蔵冷凍装置1は、図1に示す冷蔵庫構造に限定されなくてもよく、両開き扉式冷蔵庫であってもよく、その場合、熟成装置20は、上部にある冷蔵室内に配置される。
【0047】
他の幾つかの実施例において、冷蔵冷凍装置1は、図1に示す冷蔵庫構造に限定されなくてもよく、3ドア冷蔵庫であってもよく、その場合、熟成装置20は、上部にある冷蔵室に配置される。
【0048】
他の幾つかの実施例において、冷蔵冷凍装置1は、図1に示す冷蔵庫構造に限定されなくてもよく、観音開き式冷蔵庫であってもよく、その場合、熟成装置20は、冷蔵収納環境を有するコンパートメント内に配置される。
【0049】
他の幾つかの実施例において、冷蔵冷凍装置1は、図1に示す冷蔵庫構造に限定されなくてもよく、冷凍庫、横型冷凍庫又は他の各種の異なる形状の冷蔵冷凍装置であってもよく、その場合、熟成装置20は、冷蔵収納環境を有する空間に配置される。
【0050】
当業者であれば理解できるように、本発明の実施例で呼ばれる「上」、「下」、「前」、「後」、「頂」、「底」等の方位又は位置関係を表す用語は、冷蔵冷凍装置1の実際使用状態を基準としたものであり、これらの用語は、単に本発明の技術案に対する説明及び理解を容易にするために用いられ、係る装置又は素子が必ずしも特定の方位を有して特定の方位で構成や操作されることを指示或いはヒントすることではないため、本発明に対する制限として理解され得ない。
【0051】
これまでに、当業者であれば認識できるように、本明細書に本発明の複数の例示的な実施例が詳細に示して記述されたが、本発明の要旨及び範囲から逸脱しない場合に、依然として本発明に開示された内容に基づいて本発明の原理に合致する他の多くの変形又は変更を直接特定したり導き出したりすることができる。したがって、本発明の範囲は、これらの他の変形又は変更を全部カバーすると理解し認定されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5