(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-27
(45)【発行日】2024-10-07
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0601 20230101AFI20240930BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20240930BHJP
G06N 20/00 20190101ALI20240930BHJP
A63B 69/00 20060101ALN20240930BHJP
A63B 69/36 20060101ALN20240930BHJP
A63B 71/06 20060101ALN20240930BHJP
【FI】
G06Q30/0601 330
G06Q50/10
G06N20/00
A63B69/00 A
A63B69/00 C
A63B69/36 541P
A63B69/36 541W
A63B71/06 M
(21)【出願番号】P 2019232395
(22)【出願日】2019-12-24
【審査請求日】2022-11-21
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】592014104
【氏名又は名称】ブリヂストンスポーツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004381
【氏名又は名称】弁理士法人ITOH
(72)【発明者】
【氏名】高木 啓雄
【審査官】加舎 理紅子
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-035452(JP,A)
【文献】特許第6463587(JP,B1)
【文献】特開2013-230241(JP,A)
【文献】特開2014-228725(JP,A)
【文献】特開2018-008068(JP,A)
【文献】特開2019-092648(JP,A)
【文献】特開2014-210182(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
G06N 20/00
A63B 69/00
A63B 69/36
A63B 71/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の入力を受け付ける入力部と、
対象者の動作に関するデータを取得する取得部と、
人の動作に関するデータ、及び人が運動特性に合わせてスポーツを行うための支援情報に関するデータの組み合わせによる複数のデータセットに基づき機械学習が行われた学習済みモデルを用いて、前記取得部により取得されるデータに基づき、前記対象者の動作に合わせた前記支援情報を前記学習済みモデルから直接出力する支援情報出力部と、
前記支援情報出力部から出力される前記支援情報が前記取得部により取得されるデータに対して適切な内容であるか否かを判定する判定部と、
前記判定部により適切な内容でないと判定される場合に、前記入力部で受け付けられる入力に応じて、前記支援情報出力部から出力される前記支援情報、及び前記複数のデータセットのうちの前記取得部により取得されるデータに相対的に近い人の動作に関するデータを含むデータセットの前記支援情報のうちの少なくとも一方を編集する編集部と、を備え
、
前記編集部は、前記判定部により適切な内容でないと判定される場合に、前記複数のデータセットのうちの前記取得部により取得されるデータに相対的に近い人の動作に関するデータを含むデータセットの前記支援情報を編集する、
情報処理装置。
【請求項2】
前記機械学習を行い、前記学習済みモデルを生成する学習部を備え、
前記学習部は、前記編集部により編集される前記支援情報によって更新される前記複数のデータセットに基づき、前記学習済みモデルを更新する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記学習済みモデルを記憶する第1の記憶部を備え、
前記第1の記憶部は、前記学習部による更新前の前記学習済みモデル、及び更新後の前記学習済みモデルを記憶する、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記編集部による前記支援情報の編集履歴を記憶する第2の記憶部を備える、
請求項1乃至3の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記判定部は、前記入力部で受け付けられる入力に応じて、前記支援情報出力部から出力される前記支援情報が前記取得部により取得されるデータに対して適切な内容であるか否かを判定する、
請求項1乃至4の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記判定部は、前記支援情報出力部による前記支援情報の出力前に前記取得部により取得されるデータと、前記支援情報出力部による前記支援情報の出力後に前記取得部により取得されるデータとの比較に基づき、前記支援情報出力部から出力される前記支援情報が前記取得部により取得されるデータに対して適切な内容であるか否かを判定する、
請求項1乃至4の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記動作は、ゴルフのスイング動作である、
請求項1乃至
6の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記動作に関するデータは、クラブ及びスイング動作を行う人の少なくとも一方に取り付けられる慣性センサ、スイング動作及びボールの軌道の少なくとも一方を撮像する撮像装置、スイング動作を行う人の身体部位及びボールの少なくとも一方との距離に関するデータを取得する距離センサ、及びボールの軌道を計測する計測装置の少なくとも一つにより取得される、
請求項
7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記動作に関するデータは、クラブパス、アタック角度、フェース角度、フェースローテーション、タメ、リリースタイミング、バックスイング時のスイングプレーン、ダウンスイング時のスイングプレーンの少なくとも一つに関するデータを含む、
請求項
7又は
8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記動作に関するデータは、スイング動作を行う人の身体部位の位置、速度、加速度、角加速度、足裏の面圧、スイング動作を行う人に作用する床反力、ボールの軌道、並びにスイング動作を行う人及びボールの少なくとも一方の撮像画像、のうちの少なくとも一つに関するデータを含む、
請求項
7乃至
9の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項11】
所定の入力を受け付ける入力部を備える情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
対象者の動作に関するデータを取得する取得ステップと、
人の動作に関するデータ、及び人が運動特性に合わせてスポーツを行うための支援情報に関するデータの組み合わせによる複数のデータセットに基づき機械学習が行われた学習済みモデルを用いて、前記取得ステップで取得されるデータに基づき、前記対象者の動作に合わせた前記支援情報を前記学習済みモデルから直接出力する支援情報出力ステップと、
前記支援情報出力ステップで出力される前記支援情報が前記取得ステップで取得されるデータに対して適切な内容であるか否かを判定する判定ステップと、
前記判定ステップで適切な内容でないと判定される場合に、前記入力部で受け付けられる入力に応じて、前記支援情報出力ステップで出力される前記支援情報、及び前記複数のデータセットのうちの前記取得ステップで取得されるデータに相対的に近い人の動作に関するデータを含むデータセットの前記支援情報のうちの少なくとも一方を編集する編集ステップと、を含
み、
前記編集ステップでは、前記判定ステップで適切な内容でないと判定される場合に、前記複数のデータセットのうちの前記取得ステップで取得されるデータに相対的に近い人の動作に関するデータを含むデータセットの前記支援情報を編集する、
情報処理方法。
【請求項12】
所定の入力を受け付ける入力部を備える情報処理装置に、
対象者の動作に関するデータを取得する取得ステップと、
人の動作に関するデータ、及び人が運動特性に合わせてスポーツを行うための支援情報に関するデータの組み合わせによる複数のデータセットに基づき機械学習が行われた学習済みモデルを用いて、前記取得ステップで取得されるデータに基づき、前記対象者の動作に合わせた前記支援情報を前記学習済みモデルから直接出力する支援情報出力ステップと、
前記支援情報出力ステップで出力される前記支援情報が前記取得ステップで取得されるデータに対して適切な内容であるか否かを判定する判定ステップと、
前記判定ステップで適切な内容でないと判定される場合に、前記入力部で受け付けられる入力に応じて、前記支援情報出力ステップで出力される前記支援情報、及び前記複数のデータセットのうちの前記取得ステップで取得されるデータに相対的に近い人の動作に関するデータを含むデータセットの前記支援情報のうちの少なくとも一方を編集する編集ステップと、を実行させ
、
前記編集ステップでは、前記判定ステップで適切な内容でないと判定される場合に、前記複数のデータセットのうちの前記取得ステップで取得されるデータに相対的に近い人の動作に関するデータを含むデータセットの前記支援情報を編集する、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、入力データと正解データとの組み合わせのデータセット(いわゆる教師データセット)に基づき機械学習を行う技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ゴルフやテニス等のスポーツでは、対象者の運動特性等に合わせて、用具を販売する店舗の店員等がおすすめのクラブやラケット等の用具を提案したり、インストラクタ等が動作の改善を提案したりすることが行われる場合がある。この場合、測定等により取得される人の動作を表すデータと、おすすめの用具や動作の改善の提案等の人がその運動特性に合わせてスポーツを行うための支援情報に関するデータとの組み合わせのデータセット群に基づき機械学習を行うことができる。これにより、動作を表すデータを入力として、対象者の運動特性に合わせてスポーツを行うための支援情報を出力可能な学習済みモデルを生成し、学習済みモデルを利用して、おすすめの用具や動作の改善等の支援情報を容易に提供することができる。
【0005】
しかしながら、顧客が特定の商品を目当てに来店しているような状況では、店員は、その顧客が購入したい商品をそのままおすすめしてしまう可能性がある。また、店員によっては、顧客の運動特性に適合しないような用具を提案してしまったり、顧客の運動特性とは関係なく、何等かの理由で売りたい用具を顧客に提案してしまったりする可能性がある。また、インストラクタの指導の方針によっては、独自の動作の改善の提案が行われる可能性がある。そのため、人の動作に関するデータと、おすすめの用具や動作の改善の提案等の支援情報に関するデータとの組み合わせのデータセットに基づき機械学習が行われても、適切な支援情報を出力することができない可能性がある。
【0006】
そこで、上記課題に鑑み、ユーザの運動特性に合わせてスポーツを行うための支援情報の提供に関する機械学習を行うためのより適切なデータセットを取得することが可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本開示の一実施形態では、
所定の入力を受け付ける入力部と、
対象者の動作に関するデータを取得する取得部と、
人の動作に関するデータ、及び人が運動特性に合わせてスポーツを行うための支援情報に関するデータの組み合わせによる複数のデータセットに基づき機械学習が行われた学習済みモデルを用いて、前記取得部により取得されるデータに基づき、前記対象者の動作に合わせた前記支援情報を前記学習済みモデルから直接出力する支援情報出力部と、
前記支援情報出力部から出力される前記支援情報が前記取得部により取得されるデータに対して適切な内容であるか否かを判定する判定部と、
前記判定部により適切な内容でないと判定される場合に、前記入力部で受け付けられる入力に応じて、前記支援情報出力部から出力される前記支援情報、及び前記複数のデータセットのうちの前記取得部により取得されるデータに相対的に近い人の動作に関するデータを含むデータセットの前記支援情報のうちの少なくとも一方を編集する編集部と、を備え、
前記編集部は、前記判定部により適切な内容でないと判定される場合に、前記複数のデータセットのうちの前記取得部により取得されるデータに相対的に近い人の動作に関するデータを含むデータセットの前記支援情報を編集する、
情報処理装置が提供される。
【0008】
また、本開示の他の実施形態では、
所定の入力を受け付ける入力部を備える情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
対象者の動作に関するデータを取得する取得ステップと、
人の動作に関するデータ、及び人が運動特性に合わせてスポーツを行うための支援情報に関するデータの組み合わせによる複数のデータセットに基づき機械学習が行われた学習済みモデルを用いて、前記取得ステップで取得されるデータに基づき、前記対象者の動作に合わせた前記支援情報を前記学習済みモデルから直接出力する支援情報出力ステップと、
前記支援情報出力ステップで出力される前記支援情報が前記取得ステップで取得されるデータに対して適切な内容であるか否かを判定する判定ステップと、
前記判定ステップで適切な内容でないと判定される場合に、前記入力部で受け付けられる入力に応じて、前記支援情報出力ステップで出力される前記支援情報、及び前記複数のデータセットのうちの前記取得ステップで取得されるデータに相対的に近い人の動作に関するデータを含むデータセットの前記支援情報のうちの少なくとも一方を編集する編集ステップと、を含み、
前記編集ステップでは、前記判定ステップで適切な内容でないと判定される場合に、前記複数のデータセットのうちの前記取得ステップで取得されるデータに相対的に近い人の動作に関するデータを含むデータセットの前記支援情報を編集する、
情報処理方法が提供される。
【0009】
また、本開示の更に他の実施形態では、
所定の入力を受け付ける入力部を備える情報処理装置に、
対象者の動作に関するデータを取得する取得ステップと、
人の動作に関するデータ、及び人が運動特性に合わせてスポーツを行うための支援情報に関するデータの組み合わせによる複数のデータセットに基づき機械学習が行われた学習済みモデルを用いて、前記取得ステップで取得されるデータに基づき、前記対象者の動作に合わせた前記支援情報を前記学習済みモデルから直接出力する支援情報出力ステップと、
前記支援情報出力ステップで出力される前記支援情報が前記取得ステップで取得されるデータに対して適切な内容であるか否かを判定する判定ステップと、
前記判定ステップで適切な内容でないと判定される場合に、前記入力部で受け付けられる入力に応じて、前記支援情報出力ステップで出力される前記支援情報、及び前記複数のデータセットのうちの前記取得ステップで取得されるデータに相対的に近い人の動作に関するデータを含むデータセットの前記支援情報のうちの少なくとも一方を編集する編集ステップと、を実行させ、
前記編集ステップでは、前記判定ステップで適切な内容でないと判定される場合に、前記複数のデータセットのうちの前記取得ステップで取得されるデータに相対的に近い人の動作に関するデータを含むデータセットの前記支援情報を編集する、
プログラムが提供される。
【0010】
上述の実施形態によれば、情報処理装置は、例えば、店舗の店員やインストラクタ等の編集者の入力に応じて、対象者の動作に関するデータに対して不適切な今回の支援情報を編集することができる。そのため、情報処理装置は、今回取得された対象者の動作に関するデータと、編集後の支援情報に関するデータとの組み合わせのデータセットを機械学習用のデータセット群に組み込むことができる。また、情報処理装置は、学習済みモデルから出力された支援情報がユーザの動作に関するデータに対して不適切な場合、編集者の入力に応じて、機械学習用のデータセット群の中の今回取得されたユーザの動作に関するデータに近しいデータを含むデータセットの支援情報を編集することができる。よって、情報処理装置は、支援情報の編集を通じて、より適切な機械学習用のデータセットを取得することができる。
【発明の効果】
【0011】
上述の実施形態によれば、ユーザの運動特性に合わせてスポーツを行うための支援情報の提供に関する機械学習を行うためのより適切なデータセットを取得することが可能な技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図2】情報処理装置のハードウェアの構成の一例を示す図である。
【
図3】情報提供システムの構成の一例を示す機能ブロック図である。
【
図4】有益性選択部による制御処理の一例を概略的に示すフローチャートである。
【
図5】有益性選択部による制御処理の他の例を概略的に示すフローチャートである。
【
図6】支援情報編集部による制御処理の一例を概略的に示すフローチャートである。
【
図7】支援情報編集部による制御処理の他の例を概略的に示すフローチャートである
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して実施形態について説明する。
【0014】
[情報提供システムの概要]
まず、
図1を参照して、本実施形態に係る情報提供システム1の概要について説明する。
【0015】
【0016】
図1に示すように、情報提供システム1は、動作データ取得装置10と、記憶装置20と、情報処理装置30とを含む。動作データ取得装置10、記憶装置20、及び情報処理装置30は、全て同じ場所(例えば、施設)に設置されていてもよいし、その一部が他の一部と異なる遠隔の場所に設置されていてもよい。
【0017】
動作データ取得装置10は、人の動作に関するデータ(以下、「動作データ」)を取得する。動作データ取得装置10は、例えば、人が特定のスポーツを行うときの動作データを取得する。動作データ取得装置10と情報処理装置30とは通信可能に接続され、動作データ取得装置10の動作データは、情報処理装置30に取り込まれる。
【0018】
記憶装置20は、情報処理装置30と通信可能に接続され、情報処理装置30が利用するデータを記憶する。
【0019】
尚、記憶装置20の機能は、情報処理装置30の内部に組み込まれてもよい。
【0020】
情報処理装置30は、記憶装置20のデータを用いて、動作データ取得装置10から入力される対象者の動作データに基づき、対象者の動作の特性(運動特性)に合わせて特定のスポーツを行うための支援情報をユーザに提供する。ユーザには、例えば、対象者に対してスポーツの用具を提案する店舗の店員が含まれる。また、ユーザには、例えば、対象者に対してスポーツの指導を行う指導者(例えば、インストラクタ)が含まれる。また、ユーザには、例えば、動作データに対応する対象者が含まれる。支援情報には、例えば、対象者の動作の特性(運動特性)に合わせて推奨される用具に関する情報(以下、「推奨用具情報」)が含まれる。また、支援情報には、例えば、対象者の動作の特性(運動特性)に合わせた動作の改善に関する情報(以下、「動作改善情報」)が含まれる。
【0021】
このように、情報提供システム1は、情報処理装置30を通じて、動作データ取得装置10で取得される動作データに合わせた支援情報をユーザに提供する。
【0022】
[情報提供システムの構成]
次に、
図1に加えて、
図2、
図3を参照して、情報提供システム1(情報処理装置30)の具体的な構成について説明する。
【0023】
図2は、情報処理装置30のハードウェアの構成の一例を示す図である。
図3は、情報提供システム1の構成の一例を示す機能ブロック図である。
【0024】
情報処理装置30は、その機能が任意のハードウェア、或いは、任意のハードウェア及びソフトウェアの組み合わせ等により実現されてよい。例えば、
図2に示すように、情報処理装置30は、ドライブ装置31と、補助記憶装置32と、メモリ装置33と、CPU34と、インタフェース装置35と、表示装置36と、入力装置37とを含み、それぞれがバスBで接続される。
【0025】
情報処理装置30の各種機能を実現するプログラムは、例えば、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)、或いは、USB(Universal Serial Bus)メモリ等の可搬型の記録媒体31Aによって提供される。プログラムが記録された記録媒体31Aが、ドライブ装置31にセットされると、プログラムが記録媒体31Aからドライブ装置31を介して補助記憶装置32にインストールされる。また、プログラムは、通信ネットワークを介して他のコンピュータからダウンロードされ、補助記憶装置32にインストールされてもよい。
【0026】
補助記憶装置32は、インストールされた各種プログラムを格納すると共に、必要なファイルやデータ等を格納する。
【0027】
メモリ装置33は、プログラムの起動指示があった場合に、補助記憶装置32からプログラムを読み出して格納する。
【0028】
CPU34は、メモリ装置33に格納された各種プログラムを実行し、プログラムに従って情報処理装置30に関する各種機能を実現する。
【0029】
インタフェース装置35は、外部の通信回線(例えば、一対一の通信線や通信ネットワーク等)を通じて外部の機器と接続するためのインタフェースとして用いられる。インタフェース装置35は、外部の機器との通信形態の相違に応じて、複数の種類のインタフェース装置を含んでよい。
【0030】
表示装置36は、例えば、CPU34で実行されるプログラムに従って、GUI(Graphical User Interface)を表示する。表示装置36は、例えば、液晶ディスプレイや有機EL(Electroluminescence)ディスプレイ等である。
【0031】
入力装置37(入力部の一例)は、情報処理装置30に関する様々な指示を情報処理装置30の作業者や管理者等に入力させるために用いられる。入力装置37は、例えば、ユーザの操作入力を受け付ける操作入力装置を含む。操作入力装置は、例えば、キーボード、マウス、表示装置36に実装されるタッチパネル、タッチパッド、ボタン、トグル、レバー、ロータリスイッチ等を含んでよい。また、入力装置37は、例えば、ユーザの音声入力やジェスチャ入力を受け付ける音声入力装置やジェスチャ入力装置を含んでもよい。音声入力装置は、例えば、マイクロフォンを含む。ジェスチャ入力装置は、ユーザのジェスチャの内容(例えば、動画像)を撮像する撮像装置を含む。
【0032】
情報処理装置30は、例えば、補助記憶装置32にインストールされるプログラムをCPU34で実行することにより各種機能を実現する。具体的には、
図3に示すように、情報処理装置30は、機能要素として、動作データ取得部301と、学習部302と、支援情報出力部304と、有益性選択部305と、支援情報編集部306とを含む。また、情報処理装置30は、例えば、補助記憶装置32等の不揮発性の内部メモリに規定される記憶領域としての記憶部303を含む。
【0033】
動作データ取得部301(取得部の一例)は、動作データ取得装置10から入力(受信)される動作データを、受信バッファ等から取得する。
【0034】
学習部302は、記憶装置20に記憶される複数のデータセット(教師データ)に基づき、機械学習を行う。
【0035】
記憶装置20には、過去に取得された人の動作データとその動作データに対応する支援情報に関するデータ(以下、「支援情報データ」)との組み合わせによる複数のデータセット(レコードデータ)でデータベース21が構築されている。データベース21の中のデータセットの動作データは、情報提供システム1の動作データ取得装置10で取得された動作データであってもよいし、他の装置で取得された動作データであってもよい。また、データベース21の中のデータセットに含まれる支援情報データは、例えば、店舗の店員が動作データに基づく実際の接客の過程で顧客に推奨した用具や指導者が動作データに基づく指導の過程で生徒に提案した動作の改善に関する情報のデータである。また、データベース21は、店舗の端末やスポーツの練習施設等の端末から記憶装置20等にアップロードされる動作データ及び動作データに対応する支援情報(例えば、推奨用具情報や動作改善情報)に基づき、適宜更新されてもよい。
【0036】
学習部302は、データベース21に登録される複数のデータセットに基づき、機械学習(いわゆる教師あり学習)を行い、学習済みモデルLMを生成する。
【0037】
また、学習部302は、記憶装置20のデータベース21が更新されると、更新されたデータベース21の学習済みモデルLMを更新する。学習部302は、データベース21の全てのデータセットのうちの更新分のデータセットだけを用いて、既存の学習済みモデルLMに追加学習させることにより、学習済みモデルLMを更新してよい。また、学習部302は、データベース21の全てのデータセットを用いて、新たな学習済みモデルLMを生成することで、学習済みモデルLMを更新してもよい。
【0038】
記憶部303(第1の記憶部の一例)には、学習部302により生成される学習済みモデルLMが記憶される。記憶部303には、最新の学習済みモデルLMが記憶される。また、記憶部303には、更新前の学習済みモデルLMが記憶されていてもよい。これにより、ユーザは、最新の学習済みモデルLMだけでなく、更新前の学習済みモデルLMを含む過去に生成された学習済みモデルLMも利用することができる。そのため、ユーザによって、利用する学習済みモデルLMを選択することが可能になるため、ユーザの利便性が向上する。
【0039】
支援情報出力部304は、学習済みモデルLMを用いて、動作データ取得部301から入力される対象者の動作データに基づき、当該動作データに対応する支援情報、即ち、対象者の動作(運動特性)に合わせた支援情報を生成(出力)する。これにより、情報処理装置30は、表示装置36等を通じて、対象者の動作データに対応する支援情報をユーザ(例えば、対象者本人、店舗の店員、指導者等)に提供することができる。
【0040】
有益性選択部305(判定部の一例)は、支援情報出力部304から入力される支援情報に基づき、当該支援情報が対象者にとって有益であるか否かを選択(判定)する。具体的には、有益性選択部305は、支援情報出力部304により生成される支援情報が対象者の動作データ(即ち、動作特性)に対して適切か否かを判定する。具体的な判定方法については後述する(
図4、
図5参照)。
【0041】
支援情報編集部306(編集部の一例)は、有益性選択部305から入力される選択結果を表す情報(以下、「選択結果情報」)に応じて動作する。選択結果情報は、支援情報出力部304により生成される支援情報の対象者にとっての有益性の有無の選択結果を表し、"有益性あり"及び"有益性なし"の何れか情報が含まれる。支援情報編集部306は、選択結果情報で"有益性なし"が指定される場合に、入力装置37を通じたユーザからの入力に応じて、支援情報を編集する。支援情報編集部306による支援情報の編集履歴に関する情報は、情報処理装置30の内部メモリ(例えば、記憶部303(第2の記憶部の一例))や情報処理装置30と通信可能な外部記憶装置(例えば、記憶装置20)に記録されてよい。具体的な編集方法については後述する(
図6、
図7参照)。
【0042】
尚、情報処理装置30の機能は、複数の情報処理装置等によって分散して実現されてもよい。例えば、動作データ取得部301は、他の情報処理装置(例えば、対象者の携帯端末等)に移管されてもよい。これにより、例えば、情報処理装置30とは離れた遠隔地の対象者は、携帯端末に搭載される動作データ取得装置10(例えば、カメラ)で取得される動作データに相当する撮像画像を動作データ取得部301から遠隔の情報処理装置30に送信させることができる。そして、情報処理装置30は、携帯端末から送信される動作データに基づき、支援情報を出力し、情報処理装置30と同じ場所にいる指導者は、支援情報を利用しながら、ビデオ通話等により、遠隔地から対象者の動作の改善に関する指導を行うことができる。また、例えば、学習部302の機能、記憶部303の機能、及び支援情報出力部304の支援情報を生成する機能は、他の情報処理装置(例えば、機械学習用のクラウドサーバ等)に移管されてもよい。この場合、情報処理装置30は、所定のネットワーク経由で、動作データを機械学習用のクラウドサーバに送信すると共に、このクラウドサーバから動作データに対応する支援情報を受信し、支援情報出力部304は、受信した支援情報を出力してよい。
【0043】
[有益性選択部の制御処理]
次に、
図4、
図5を参照して、有益性選択部305による制御処理について説明する。
【0044】
<有益性選択部の制御処理の一例>
図4は、有益性選択部305による制御処理の一例を概略的に示すフローチャートである。本フローチャートは、例えば、支援情報出力部304から支援情報が出力される場合に開始される。以下、
図5のフローチャートについても同様である。
【0045】
図4に示すように、ステップS102にて、有益性選択部305は、支援情報出力部304から入力される支援情報を取得する。有益性選択部305は、ステップS102の処理が終了すると、ステップS104に進む。
【0046】
ステップS104にて、有益性選択部305は、取得した支援情報を表示装置36に表示させる。有益性選択部305は、ステップS104の処理が完了すると、ステップS106に進む。
【0047】
ステップS106にて、有益性選択部305は、ユーザに対して有益性の有無の選択を要求する内容を表示装置36に表示させる。有益性選択部305は、例えば、支援情報の内容を確認可能な態様で、有益性あり及び有益性なしのそれぞれに対応するボタンアイコンと何れかを選択するように要求する文字情報とを含むポップアップウィンドウを表示装置36に表示させてよい。これにより、ユーザは、表示装置36に表示される支援情報の内容を確認しながら、入力装置37を通じて、支援情報が対象者にとって有益であるか否かの選択入力を行うことができる。有益性選択部305は、ステップS106の処理が完了すると、ステップS108に進む。
【0048】
ステップS108にて、有益性選択部305は、有益性の有無に関する選択入力があったか否かを判定する。有益性選択部305は、選択入力があった場合、ステップS110に進む。一方、有益性選択部305は、所定時間経過しても選択入力がなかった場合、有益性ありの選択入力がなされたとみなして、ステップS114に進む。
【0049】
ステップS110にて、有益性選択部305は、有益性ありの選択入力であるか否かを判定する。有益性選択部305は、有益性ありの選択入力でない場合、ステップS112に進み、有益性ありの選択入力である場合、ステップS114に進む。
【0050】
ステップS112にて、有益性選択部305は、"有益性なし"の内容を含む選択結果情報を出力し、今回の処理を終了する。
【0051】
一方、ステップS114にて、有益性選択部305は、"有益性あり"の内容を含む選択結果情報を出力し、今回の処理を終了する。
【0052】
このように、本例では、有益性選択部305は、例えば、店舗の店員や練習施設の指導者等のユーザに有益性を判断させ、入力装置37を通じて操作入力を行わせる形で、支援情報出力部304により生成される支援情報の有益性の有無を判定することができる。
【0053】
<有益性選択部の制御処理の他の例>
図5は、有益性選択部305による制御処理の他の例を概略的に示すフローチャートである。
【0054】
図5に示すように、ステップS202にて、有益性選択部305は、支援情報出力部304から入力される支援情報を取得する。有益性選択部305は、ステップS202の処理が終了すると、ステップS204に進む。
【0055】
ステップS204にて、有益性選択部305は、支援情報を適用した動作データの取得を要求する内容を表示装置36に表示させる。支援情報を適用した動作データとは、例えば、推奨用具情報で推奨される用具を用いて行われる動作に関する動作データである。また、支援情報を適用した動作データとは、例えば、動作改善情報で提案される動作の改善の内容を対象者が実際に行うときの動作データである。有益性選択部305は、ステップS204の処理を完了すると、ステップS206に進む。
【0056】
ステップS206にて、有益性選択部305は、動作データ取得部301により新たな動作データの取得があったか否かを判定する。有益性選択部305は、動作データ取得部301により新たな動作データの取得があった場合、ステップS208に進む。一方、有益性選択部305は、所定時間経過しても動作データ取得部301により新たな動作データが取得されなかった場合、支援情報に有益性があるとみなして、ステップS214に進む。
【0057】
ステップS208にて、有益性選択部305は、対象者の動作を入力として出力される結果(パフォーマンス)を支援情報の適用前後で比較する。例えば、動作データ取得部301により取得される動作データが後述のゴルフのスイング動作に関するデータである場合、対象者の動作を入力として出力される結果には、ボールの飛距離、ボールの曲がり幅、クラブのヘッドスピード、クラブのフェースアングル、ボールのバックスピン量、ヘッドスピードに対する下半身の貢献度(例えば、エネルギ)等が含まれてよい。有益性選択部305は、ステップS208の処理が完了すると、ステップS210に進む。
【0058】
ステップS210にて、有益性選択部305は、支援情報の適用前後で結果が向上(改善)しているか否かを判定する。有益性選択部305は、支援情報の適用前後で結果が向上(改善)していない場合、ステップS212に進み、向上(改善)している場合、ステップS214に進む。
【0059】
ステップS212,S214の処理は、
図4のステップS112,S114と同じであるため、説明を省略する。
【0060】
このように、本例では、有益性選択部305は、支援情報の適用前後の結果(パフォーマンス)の向上(改善)の有無に基づき、支援情報出力部304により生成される支援情報の有益性の有無を判定することができる。
【0061】
[支援情報編集部の制御処理]
次に、
図6、
図7を参照して、支援情報編集部306の制御処理について説明する。
【0062】
<支援情報編集部の制御処理の一例>
図6は、支援情報編集部306による制御処理の一例を概略的に示すフローチャートである。本フローチャートは、例えば、有益性選択部305から有益性なしの選択結果情報が入力されると開始される。以下、
図7のフローチャートについても同様である。
【0063】
図6に示すように、ステップS302にて、支援情報編集部306は、今回の動作データ及び支援情報をメモリ装置23のバッファ等から取得する(読み込む)。支援情報編集部306は、ステップS302の処理が完了すると、ステップS304に進む。
【0064】
ステップS304にて、支援情報編集部306は、今回の支援情報の編集を促す内容(以下、「編集画面」)を表示装置36に表示させる。編集画面には、例えば、今回の動作データと当該動作データに対応する支援情報とが表示される。また、編集画面には、例えば、支援情報として選択可能な複数の候補が表示される。これにより、ユーザは、複数の候補の中から今回取得された対象者の動作データに適した支援情報を選択することで、支援情報出力部304により生成された支援情報を編集することができる。支援情報編集部306は、ステップS304の処理が完了すると、ステップS306に進む。
【0065】
ステップS306にて、支援情報編集部306は、編集が終了したか否かを判定する。例えば、支援情報編集部306は、入力装置37を通じて、複数の候補の中から一の候補が支援情報として選択され、編集終了を表す入力が受け付けられた場合に、編集が終了したと判定してよい。支援情報編集部306は、編集が終了していない場合、ステップS308に進み、編集が終了した場合、ステップS310に進む。
【0066】
ステップS308にて、支援情報編集部306は、入力装置37による解除入力の受け付け、及び編集画面の表示開始から一定時間の経過の何れかの条件が成立するか否かを判定する。解除入力は、編集画面の表示解除を要求する入力である。支援情報編集部306は、何れかの条件が成立する場合、編集画面の表示を解除して、今回のフローチャートの処理を終了し、何れの条件も成立していない場合、ステップS306に戻る。
【0067】
ステップS310にて、支援情報編集部306は、今回の動作データと、編集済みの支援情報に関するデータとの組み合わせによるデータセット(以下、「編集済みデータセット」)を記憶装置20のデータベース21に登録(記録)する。支援情報編集部306は、ステップS310の処理が完了すると、今回のフローチャートの処理を終了する。
【0068】
このように、本例では、支援情報編集部306は、入力装置37を通じたユーザからの入力に応じて、支援情報出力部304により生成(出力)される支援情報を編集し、編集済みの支援情報に基づき、データベース21を更新することができる。そのため、学習部302は、編集済みの支援情報に関するデータを含むデータセットに基づき機械学習を行い、学習済みモデルLMを更新することができる。よって、情報処理装置30は、編集済みの支援情報に関するデータを含むデータセットの蓄積に応じて、学習済みモデルLMをより適切な支援情報を出力可能な態様に更新していくことができる。
【0069】
また、支援情報編集部306は、データベース21に含まれるデータセットを更新するのに代えて、既にデータベース21に登録されるデータセットと新たに登録するデータセットとを含む新たなデータセットによるデータベースを記憶装置20に構築させてもよい。これにより、既存のデータベース21のデータセットを保持することができる。
【0070】
例えば、対象者を指導する指導者(インストラクタ)ごとに、指導方針が異なるような場合がありうる。この場合、ある指導者には、データベース21のデータセットに基づく学習済みモデルLMで適切な支援情報を提供できるものの、ある指導者には、適切な支援情報を提供できない可能性がある。
【0071】
これに対して、既存のデータベース21を保持しつつ、新たなデータベースを構築させる。これにより、情報処理装置30は、指導者ごとの指導方針に合わせた複数のデータベース(データセット)に沿って、指導者ごとの指導方針に合わせた複数の学習済みモデルLMを準備することができる。そのため、情報処理装置30は、指導者ごとの指導方針に合わせた支援情報(動作改善情報)を提供することができる。
【0072】
<支援情報編集部の制御処理の他の例>
図7は、支援情報編集部306による制御処理の他の例を概略的に示すフローチャートである。
【0073】
図7に示すように、ステップS402の処理は、
図6のステップS302と同じであるため、説明を省略する。
【0074】
ステップS404にて、支援情報編集部306は、動作データ取得部301により取得された今回の動作データに対して相対的に近い動作データを含むデータセットをデータベース21から抽出する。ある動作データが今回の動作データに対して相対的に近いか否かは、例えば、ある動作データと今回の動作データとの相関係数が所定の閾値より大きいか否かにより判断されてよい。また、ある動作データが今回の動作データに対して相対的に近いか否かは、例えば、ある動作データと今回の動作データとの差分が所定の閾値より小さいか否かにより判断されてよい。また、ある動作データが今回の動作データに対して相対的に近いか否かは、例えば、ある動作データと今回の動作データとの間のコサイン類似度が所定の閾値より大きいか否かにより判断されてよい。また、ある動作データが今回の動作データに対して相対的に近いか否かは、例えば、今回の動作データ及びデータベース21の全ての動作データを対象とする所定のクラスタリング処理によって、今回の動作データと同じグループに分類されるか否かにより判断されてよい。また、例えば、動作データの中に複数の種類の動作データが含まれる場合もありうる。この場合、動作データの種類ごとに、上記の何れかの基準により相対的に近いか否かが判定されてよい。そして、全ての種類で相対的に近いと判定される場合や、全ての種類のうちで相対的に近いと判定される種類の比率が相対的に高い場合に、ある動作データと今回の動作データとが相対的に近いと判定されてよい。支援情報編集部306は、ステップS404の処理が完了すると、ステップS406に進む。
【0075】
ステップS406にて、支援情報編集部306は、今回の支援情報、及びデータベース21に登録される今回の動作データに相対的に近い動作データに対応する支援情報の編集を促す編集画面を表示装置36に表示させる。編集画面には、例えば、今回の動作データと今回の動作データに対応する支援情報とが表示される。また、編集画面には、例えば、ステップS404にて、データベース21の中から抽出されたデータセットの動作データ及び支援情報が表示される。また、編集画面には、例えば、それぞれの動作データ及び支援情報の組み合わせに対して、編集後の支援情報として選択可能な複数の候補が表示される。これにより、ユーザは、複数の候補の中からそれぞれの動作データに適した支援情報を選択することができる。支援情報編集部306は、ステップS406の処理が完了すると、ステップS408に進む。
【0076】
ステップS408,S410の処理は、
図6のステップS306,S308と同じであるため、説明を省略する。
【0077】
ステップS412にて、支援情報編集部306は、動作データと、編集済みの支援情報との組み合わせによる編集済みデータセットを記憶装置20のデータベース21に登録(記録)する。具体的には、支援情報編集部306は、
図6のステップS310の場合と同様、今回の動作データと、編集済みの支援情報との組み合わせによるデータセットを記憶装置20のデータベース21に登録(記録)する。また、支援情報編集部306は、データベース21に登録済みのデータセットのうち、ステップS404で抽出されたデータセットの支援情報を、編集済みの支援情報で更新する。支援情報編集部306は、ステップS412の処理が完了すると、今回のフローチャートの処理を終了する。
【0078】
このように、本例では、支援情報編集部306は、入力装置37を通じたユーザからの入力に応じて、データベース21に登録されているデータセットの支援情報に関するデータを動作データに対してより適切な内容に編集し、更新することができる。そのため、学習部302は、編集済みの支援情報に関するデータを含むデータセットに基づき機械学習を行い、学習済みモデルLMを更新することができる。よって、情報処理装置30は、データベース21のデータセットの支援情報データの更新に応じて、学習済みモデルLMをより適切な支援情報を出力可能な態様に更新していくことができる。
【0079】
また、支援情報編集部306は、上述の一例(
図6)の場合と同様、データベース21に含まれるデータセットを更新するのに代えて、新たなデータベースを記憶装置20に構築させてもよい。これにより、既存のデータベース21のデータセットを保持することができる。そのため、情報処理装置30は、指導者ごとの指導方針に合わせた複数のデータベース(データセット)に沿って、指導者ごとの指導方針に合わせた複数の学習済みモデルLMを準備することができる。よって、情報処理装置30は、指導者ごとの指導方針に合わせた支援情報(動作改善情報)を提供することができる。
【0080】
尚、支援情報編集部306は、データベース21に登録済の支援情報の編集だけを行い、支援情報出力部304により生成された今回の支援情報を編集しない態様であってもよい。即ち、データベース21には、今回の動作データと、今回の動作データに対応する編集済みの支援情報が記録されず、データベース21の支援情報だけが編集により更新される態様であってもよい。
【0081】
[情報提供システムの具体的な適用例]
次に、本実施形態に係る情報提供システム1の具体的な適用例について説明する。
【0082】
<情報提供システムの第1の適用例>
本例では、情報提供システム1は、ゴルフのスイング動作の改善に関する支援情報(以下、「スイング動作改善情報」)をユーザに提供する。ユーザは、例えば、スイング動作を行う対象者或いは対象者を指導する指導者(インストラクタ)である。
【0083】
動作データ取得装置10は、対象者のゴルフのスイング動作に関する動作データ(以下、「スイングデータ」)を取得する。例えば、動作データ取得装置10は、対象者のスイング動作中におけるクラブの動きを表すスイングデータを取得する。例えば、スイングデータには、クラブパスに関するデータが含まれる。クラブパスは、スイング時のクラブ(ヘッド)の軌道のうち、ゴルフボールとのインパクトの直前から直後にかけての水平方向でのヘッドの軌道(ヘッドの向き)を表す。また、スイングデータには、例えば、アタック角に関するデータが含まれる。アタック角は、ゴルフボールとのインパクト時の水平面を基準とするゴルフボールに対するクラブ(ヘッド)の入射角度を表す。また、スイングデータには、例えば、フェース角に関するデータが含まれる。フェース角は、ゴルフボールとのインパクト時における水平方向でのフェース面の向きを表す。また、スイングデータには、例えば、フェースローテーションに関するデータが含まれる。フェースローテーションは、スイング動作中のフェースの開閉状態、例えば、シャフト軸回りのフェースの回転角速度を表す。また、スイングデータには、例えば、タメに関するデータが含まれる。タメは、ダウンスイング時における腕の動作とクラブのヘッドの動作とのタイムラグを表す。また、スイングデータには、例えば、リリースタイミングに関するデータが含まれる。リリースタイミングは、ダウンスイング時において、コックした手首を元の状態に戻す(リリースする)タイミングを表す。また、スイングデータには、例えば、バックスイング時のスイングプレーン(以下、「BSスイングプレーン」)に関するデータが含まれる。また、スイングデータには、ダウンスイング時のスイングプレーン(以下、「DSスイングプレーン」)に関するデータが含まれる。BSスイングレーン及びDSスイングプレーンは、それぞれ、バックスイング時及びダウンスイング時のクラブ(ヘッド)の軌道に相当する仮想的な平面である。また、スイングデータには、ヘッドスピードに関するデータが含まれる。ヘッドスピードは、ゴルフボールとのインパクト時のクラブ(ヘッド)の速度を表す。動作データ取得装置10は、例えば、クラブに取り付けられる慣性センサを含む。また、動作データ取得装置10は、例えば、対象者のスイング動作を撮像し、動画情報を取得する撮像装置を含む。
【0084】
また、例えば、動作データ取得装置10は、対象者のスイング動作に対する指導者による評価に関するデータを取得してもよい。指導者による評価には、例えば、ゴルフコースを模擬したシミュレータ上でのラウンド時の対象者の動作、対象者の思考、スイング動作に対する結果等の少なくとも一つに基づくラウンド評価が含まれる。ラウンド評価では、例えば、状況判断、クラブの選択、ルーティーン、ボールの方向性、及び距離感の各項目に対する評価がなされる。また、指導者による評価には、例えば、ユーザの身体部位の柔軟性や可動域に関する動作評価が含まれる。動作評価では、所定の動作(例えば、7つの規定された動作)を正しく行うことができたかどうかの評価がなされる。動作データ取得装置10は、例えば、指導者からの評価に関する入力を受け付ける端末(例えば、練習施設のコンピュータ端末等)を含む。
【0085】
記憶装置20のデータベース21には、過去に取得されたスイングデータとそのスイングデータに対応するスイング動作改善情報に関するデータとの組み合わせによる複数のデータセットが登録されている。
【0086】
動作データ取得部301は、動作データ取得装置10から取り込まれるスイングデータを取得する(読み込む)。
【0087】
学習部302は、記憶装置20のデータベース21に登録される複数のデータセットに基づき、機械学習を行い、学習済みモデルLMを生成(出力)する。学習済みモデルLMは、スイングデータを入力として、スイング動作改善情報を出力することができる。
【0088】
支援情報出力部304は、学習済みモデルLMを用いて、動作データ取得部301から入力されるスイングデータに基づき、対象者のスイング動作に合わせたスイング動作改善情報を生成(出力)する。これにより、情報処理装置30は、表示装置36等を通じて、対象者のスイングデータに対応するスイング動作改善情報をユーザ(例えば、対象者本人や指導者等)に提供することができる。
【0089】
スイング動作改善情報は、例えば、対象者のスイング動作時の軸に関する情報や上半身及び下半身を比較したときの上半身が先行しているのか下半身が先行しているのかに関する情報が含まれる。具体的には、スイング動作改善情報は、"あなたのスイング動作は、右軸且つ下半身先行です。スイング動作を矯正する必要は特にありません。"や"スイング動作は、左軸、且つスウェーが大きく、上半身先行です。正しい体重移動の仕方を覚えましょう。"等のスイング動作の改善に関するコメントを含んでよい。以下、後述の第3の適用例の場合も同様であってよい。
【0090】
有益性選択部305は、支援情報出力部304から入力されるスイング動作改善情報が対象者にとって有益であるか否かを選択(判定)する。有益性選択部305は、例えば、
図4のフローチャートに沿って、スイング動作改善情報が対象者にとって有益であるか否かを選択(判定)してよい。この場合、有益性選択部305は、例えば、ユーザとしての指導者からの入力装置37を通じた入力に応じて、スイング動作改善情報が対象者にとって有益であるか否かを選択(判定)する。
【0091】
支援情報編集部306は、有益性選択部305により今回のスイング動作改善情報が対象者にとって有益性がないと選択(判定)された場合に、ユーザとしての指導者の入力装置37を通じた入力に応じて、スイング動作改善情報を編集する。
【0092】
支援情報編集部306は、上述の
図6のフローチャートに沿って、スイング動作改善情報を編集してよい。これにより、支援情報編集部306は、入力装置37を通じた指導者からの入力に応じて、支援情報出力部304により生成(出力)されるスイング動作改善情報を編集し、編集済みのスイング動作改善情報に基づき、データベース21を更新することができる。そのため、学習部302は、編集済みのスイング動作改善情報に関するデータを含むデータセットに基づき機械学習を行い、学習済みモデルLMを更新することができる。よって、情報処理装置30は、編集済みのスイング動作改善情報に関するデータを含むデータセットの蓄積に応じて、学習済みモデルLMをより適切なスイング動作改善情報を出力可能な態様に更新していくことができる。
【0093】
また、支援情報編集部306は、上述の如く、データベース21に含まれるデータセットを更新するのに代えて、新たなデータベースを記憶装置20に構築させてもよい。これにより、既存のデータベース21のデータセットを保持することができる。そのため、情報処理装置30は、指導者ごとの指導方針に合わせた複数のデータベース(データセット)に沿って、指導者ごとの指導方針に合わせた複数の学習済みモデルLMを準備することができる。よって、情報処理装置30は、指導者ごとの指導方針に合わせたスイング動作改善情報を提供することができる。
【0094】
<情報提供システムの第2の適用例>
本例では、情報提供システム1は、ゴルフのスイング動作に合わせて推奨されるクラブに関する支援情報(以下、「推奨クラブ情報」)をユーザに提供する。ユーザは、例えば、スイング動作を行う対象者或いは対象者を接客する店舗の店員である。
【0095】
動作データ取得装置10は、対象者のゴルフのスイング動作に関する動作データ(スイングデータ)を取得する。例えば、動作データ取得装置10は、対象者のスイング動作中におけるクラブの動きを表すスイングデータを取得する。例えば、スイングデータには、クラブパスに関するデータが含まれる。また、スイングデータには、例えば、アタック角に関するデータが含まれる。また、スイングデータには、例えば、フェース角に関するデータが含まれる。また、スイングデータには、例えば、フェースローテーションに関するデータが含まれる。また、スイングデータには、例えば、タメに関するデータが含まれる。また、スイングデータには、例えば、リリースタイミングに関するデータが含まれる。また、スイングデータには、例えば、BSスイングプレーンに関するデータが含まれる。また、スイングデータには、DSスイングプレーンに関するデータが含まれる。また、スイングデータには、ヘッドスピードに関するデータが含まれる。また、例えば、動作データ取得装置10は、対象者のスイング動作の結果としてのゴルフボールの軌道(弾道)を表すスイングデータを取得する。スイングデータには、例えば、ゴルフボールの飛距離に関するデータが含まれる。また、スイングデータには、左右のブレに関するデータが含まれる。左右のブレは、真正面を表す所定のターゲットに対するゴルフボールの軌道の左右へのずれの状態を表す。動作データ取得装置10は、例えば、クラブに取り付けられる慣性センサを含む。また、動作データ取得装置10は、例えば、対象者のスイング動作及びゴルフボールの軌道の少なくとも一方を撮像し、動画情報を取得する撮像装置を含む。また、動作データ取得装置10は、例えば、ゴルフボールに取り付けられるGPSセンサを含む。また、動作データ取得装置10は、例えば、ゴルフボールとの距離に関するデータを取得する距離センサを含む。距離センサには、例えば、超音波センサ、ミリ波レーダ、LIDAR(Light Detecting and Ranging)、深度センサ等が含まれてよい。また、動作データ取得装置10は、例えば、ゴルフボールの軌道に関するデータを取得する軌道計測装置を含む。
【0096】
また、例えば、動作データ取得装置10は、上述の第1の適用例の場合と同様、対象者のスイング動作に対する指導者による評価に関するデータを取得してもよい。指導者による評価には、例えば、ゴルフコースを模擬したシミュレータ上でのラウンド時の対象者の動作、対象者の思考、スイング動作に対する結果等の少なくとも一つに基づくラウンド評価が含まれる。また、指導者による評価には、例えば、ユーザの身体部位の柔軟性や可動域に関する動作評価が含まれる。動作データ取得装置10は、例えば、指導者からの評価に関する入力を受け付ける端末を含む。
【0097】
記憶装置20のデータベース21には、過去に取得されたスイングデータとそのスイングデータに対応する推奨クラブ情報に関するデータとの組み合わせによる複数のデータセットが登録されている。
【0098】
動作データ取得部301は、動作データ取得装置10から取り込まれるスイングデータを取得する(読み込む)。
【0099】
学習部302は、記憶装置20のデータベース21に登録される複数のデータセットに基づき、機械学習を行い、学習済みモデルLMを生成(出力)する。学習済みモデルLMは、スイングデータを入力として、推奨クラブ情報を出力することができる。
【0100】
情報処理装置30の支援情報出力部304は、学習済みモデルLMを用いて、動作データ取得部301から入力されるスイングデータに基づき、対象者のスイング動作に合わせた推奨クラブ情報を生成(出力)する。これにより、情報処理装置30は、表示装置36等を通じて、対象者のスイングデータに対応する推奨クラブ情報をユーザ(例えば、対象者本人、店員等)に提供することができる。推奨クラブ情報は、例えば、対象者のスイング動作に適合するクラブ(ヘッド)の重心距離に関する情報、重心高さに関する情報、重心角度に関する情報、先調子か手元調子かに関する情報、重量に関する情報等を含む。具体的には、推奨クラブ情報は、"お奨めのクラブの機能は、以下になります。重心距離は短め。重心高さは適正。調子は先調子。重量は重め。"や"お奨めのクラブは、重心距離が長めで、重心高さは低めで、重量は軽めの○○○(商品名)になります。"等のコメントを含んでよい。
【0101】
有益性選択部305は、支援情報出力部304から入力される情報が対象者にとって有益であるか否かを選択(判定)する。有益性選択部305は、例えば、
図5のフローチャートに沿って、推奨クラブ情報が対象者にとって有益であるか否かを選択(判定)してよい。この場合、有益性選択部305は、例えば、推奨クラブ情報の提供前の状態と、推奨クラブ情報で指定されるゴルフクラブを使用した状態との間で、ゴルフボールの飛距離や左右のブレ等を比較する。そして、有益性選択部305は、飛距離の改善(向上)や左右のブレの改善(低減)が図られたか否かに基づき、今回の推奨クラブ情報が対象者にとって有益であるか否かを選択(判定)する。
【0102】
支援情報編集部306は、有益性選択部305により今回の推奨クラブ情報が対象者にとって有益性がないと選択(判定)された場合に、ユーザとしての店員の入力装置37を通じた入力に応じて、推奨クラブ情報を編集する。
【0103】
支援情報編集部306は、上述の
図6のフローチャートに沿って、推奨クラブ情報を編集してよい。これにより、支援情報編集部306は、入力装置37を通じた店員からの入力に応じて、支援情報出力部304により生成(出力)される推奨クラブ情報を編集し、編集済みの推奨クラブ情報に基づき、データベース21を更新することができる。そのため、学習部302は、編集済みの推奨クラブ情報に関するデータを含むデータセットに基づき機械学習を行い、学習済みモデルLMを更新することができる。よって、情報処理装置30は、編集済みの推奨クラブ情報に関するデータを含むデータセットの蓄積に応じて、学習済みモデルLMをより適切な推奨クラブ情報を出力可能な態様に更新していくことができる。
【0104】
また、支援情報編集部306は、例えば、上述の
図7のフローチャートに沿って、推奨クラブ情報を編集してよい。これにより、支援情報編集部306は、入力装置37を通じた店員から入力に応じて、データベース21に登録されているデータセットの推奨クラブ情報を、スイングデータに対して適切な内容に編集し、更新することができる。そのため、学習部302は、編集済みの推奨クラブ情報に関するデータを含むデータセットに基づき機械学習を行い、学習済みモデルLMを更新することができる。よって、情報処理装置30は、データベース21のデータセットの推奨クラブ情報に関するデータの更新に応じて、学習済みモデルLMをより適切な推奨クラブ情報を出力可能な態様に更新していくことができる。
【0105】
<情報提供システムの第3の適用例>
本例では、情報提供システム1は、ゴルフのスイング動作の改善に関する支援情報(スイング動作改善情報)をユーザに提供する。ユーザは、例えば、スイング動作を行う対象者或いは対象者を指導する指導者(インストラクタ)である。
【0106】
動作データ取得装置10は、対象者のゴルフのスイング動作に関する動作データ(スイングデータ)を取得する。例えば、動作データ取得装置10は、スイング動作中の人の各部位の動きを表すスイングデータを取得する。スイングデータには、例えば、スイング動作中の人の体の各部位の位置に関するデータが含まれる。また、スイングデータには、例えば、スイング動作中の人の体の各部の速度に関するデータが含まれる。また、スイングデータには、例えば、スイング動作中の人の体の各部の加速度に関するデータが含まれる。また、スイングデータには、例えば、スイング動作中の人の体の各部位(例えば、関節部)の角度に関するデータが含まれる。また、スイングデータには、例えば、スイング動作中の人の体の各部位(関節部)の角速度に関するデータが含まれる。また、スイングデータには、例えば、スイング動作中の人の体の各部位(関節部)の角加速度に関するデータが含まれる。また、スイングデータには、例えば、スイング動作中の人の足裏の面圧(以下、「足圧」)に関するデータが含まれる。また、スイングデータには、例えば、スイング動作中の人に作用する床反力に関するデータが含まれる。また、スイングデータには、スイング動作中の人の各部位のヘッドスピードに対する貢献度(エネルギ)を表すデータが含まれる。また、例えば、動作データ取得装置10は、対象者のスイング動作の結果としてのゴルフボールの軌道(弾道)を表すスイングデータを取得する。スイングデータには、例えば、ゴルフボールの飛距離に関するデータが含まれる。また、スイングデータには、左右のブレに関するデータが含まれる。動作データ取得装置10は、例えば、対象者の体の各部に取り付けられる慣性センサを含む。また、動作データ取得装置10は、例えば、対象者のスイング動作及びゴルフボールの軌道の少なくとも一方を撮像し、動画情報を取得する撮像装置を含む。また、動作データ取得装置10は、例えば、ゴルフボールに取り付けられるGPSセンサを含む。また、動作データ取得装置10は、例えば、ゴルフボールとの距離に関するデータを取得する距離センサを含む。また、動作データ取得装置10は、例えば、ゴルフボールの軌道に関するデータを取得する軌道計測装置を含む。
【0107】
また、例えば、動作データ取得装置10は、上述の第1の適用例等の場合と同様、対象者のスイング動作に対する指導者による評価に関するデータを取得してもよい。指導者による評価には、例えば、ゴルフコースを模擬したシミュレータ上でのラウンド時の対象者の動作、対象者の思考、スイング動作に対する結果等の少なくとも一つに基づくラウンド評価が含まれる。また、指導者による評価には、例えば、ユーザの身体部位の柔軟性や可動域に関する動作評価が含まれる。動作データ取得装置10は、例えば、指導者からの評価に関する入力を受け付ける端末を含む。
【0108】
記憶装置20のデータベース21には、過去に取得されたスイングデータとそのスイングデータに対応するスイング動作改善情報に関するデータとの組み合わせによる複数のデータセットが登録されている。
【0109】
動作データ取得部301は、動作データ取得装置10から取り込まれるスイングデータを取得する(読み込む)。
【0110】
学習部302は、記憶装置20のデータベース21に登録される複数のデータセットに基づき、機械学習を行い、学習済みモデルLMを生成(出力)する。学習済みモデルLMは、スイングデータを入力として、スイング動作改善情報を出力することができる。
【0111】
支援情報出力部304は、学習済みモデルLMを用いて、動作データ取得部301から入力されるスイングデータに基づき、対象者のスイング動作に合わせたスイング動作改善情報を生成(出力)する。これにより、情報処理装置30は、表示装置36等を通じて、対象者のスイングデータに対応するスイング動作改善情報をユーザ(例えば、対象者本人や指導者等)に提供することができる。
【0112】
有益性選択部305は、支援情報出力部304から入力されるスイング動作改善情報が対象者にとって有益であるか否かを選択(判定)する。有益性選択部305は、例えば、
図5のフローチャートに沿って、スイング動作改善情報が対象者にとって有益であるか否かを選択(判定)してよい。この場合、有益性選択部305は、例えば、スイング動作改善情報の提供前の状態と、スイング動作改善情報の提供後の状態とで、ゴルフボールの飛距離や左右のブレ等を比較する。そして、有益性選択部305は、飛距離の改善(向上)や左右のブレの改善(低減)が図られたか否かに基づき、今回のスイング動作改善情報が対象者にとって有益であるか否かを選択(判定)する。
【0113】
支援情報編集部306は、有益性選択部305により今回のスイング動作改善情報が対象者にとって有益性がないと選択(判定)された場合に、ユーザとしての指導者の入力装置37を通じた入力に応じて、スイング動作改善情報を編集する。
【0114】
また、支援情報編集部306は、例えば、上述の
図7のフローチャートに沿って、スイング動作改善情報を編集してよい。これにより、支援情報編集部306は、入力装置37を通じた指導者から入力に応じて、データベース21に登録されているデータセットのスイング動作改善情報を、スイングデータに対して適切な内容に編集し、更新することができる。そのため、学習部302は、編集済みのスイング動作改善情報に関するデータを含むデータセットに基づき機械学習を行い、学習済みモデルLMを更新することができる。よって、情報処理装置30は、データベース21のデータセットのスイング動作改善情報に関するデータの更新に応じて、学習済みモデルLMをより適切なスイング動作改善情報を出力可能な態様に更新していくことができる。
【0115】
また、支援情報編集部306は、上述の如く、データベース21に含まれるデータセットを更新するのに代えて、新たなデータベースを記憶装置20に構築させてもよい。これにより、既存のデータベース21のデータセットを保持することができる。そのため、情報処理装置30は、指導者ごとの指導方針に合わせた複数のデータベース(データセット)に沿って、指導者ごとの指導方針に合わせた複数の学習済みモデルLMを準備することができる。よって、情報処理装置30は、指導者ごとの指導方針に合わせたスイング動作改善情報を提供することができる。
【0116】
<情報提供システムのその他の適用例>
情報提供システム1は、ゴルフ以外の特定のスポーツの動作の改善に関する支援情報(動作改善情報)や動作に合わせて推奨される用具に関する支援情報(推奨用具情報)をユーザに提供してもよい。
【0117】
例えば、情報提供システム1は、テニスの動作の改善に関する支援情報(動作改善情報)や動作に合わせて推奨されるテニスラケットに関する支援情報(用具支援情報)をユーザに提供してもよい。
【0118】
以上、実施形態について詳述したが、本開示はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された要旨の範囲内において、種々の変形・改良が可能である。
【符号の説明】
【0119】
1 情報提供システム
10 動作データ取得装置
20 記憶装置
21 データベース
30 情報処理装置
37 入力装置(入力部)
301 動作データ取得部(取得部)
302 学習部
303 記憶部
304 支援情報出力部
305 有益性選択部(判定部)
306 支援情報編集部(編集部)
LM 学習済みモデル