(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-27
(45)【発行日】2024-10-07
(54)【発明の名称】情報処理システム及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
H04L 67/06 20220101AFI20240930BHJP
G06F 16/14 20190101ALI20240930BHJP
【FI】
H04L67/06
G06F16/14 100
(21)【出願番号】P 2020033554
(22)【出願日】2020-02-28
【審査請求日】2023-02-21
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090273
【氏名又は名称】國分 孝悦
(72)【発明者】
【氏名】小田 博敬
【審査官】羽岡 さやか
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-179840(JP,A)
【文献】特開2019-053602(JP,A)
【文献】特開平11-316721(JP,A)
【文献】特開2011-054092(JP,A)
【文献】特開2008-028494(JP,A)
【文献】特開2016-091317(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 13/00
G06F 16/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アップロードされたファイルを保存する第1の情報処理装置と、前記第1の情報処理装置からファイルをダウンロードする第2の情報処理装置とを有する情報処理システムであって、
前記第1の情報処理装置は、
アップロードされたファイルをアップロードの日時に応じたパスに保存する第1の保存手段と、
前記第2の情報処理装置から受け付けたファイル管理情報の要求に応じて、前記第1の保存手段に保存されているファイルのパスの情報を含むファイル管理情報を前記第2の情報処理装置に提供する第1の提供手段と、
前記第2の情報処理装置から受け付けたダウンロードの要求に応じてファイルを前記第2の情報処理装置に提供する第2の提供手段と、を有し、
前記第2の情報処理装置は、
前記第1の情報処理装置に対して行った前回のダウンロードの処理に係るダウンロード情報を保存する第2の保存手段と、
前記ファイル管理情報を前記第1の情報処理装置に要求する第1の要求手段と、
前記第1の情報処理装置から提供された前記ファイル管理情報、及び保存している前記ダウンロード情報に基づいて、前回のダウンロードの処理以降にアップロードされたファイルのダウンロードを前記第1の情報処理装置に要求する第2の要求手段と、を有し、
前記ファイル管理情報の要求は、前記第2の情報処理装置が前回のダウンロードの処理でダウンロードしたファイルの日時の情報を含み、
前記第1の提供手段は、
前記第1の保存手段に保存されるファイルのうち前記ファイル管理情報の要求に含まれる日時に応じたパスに保存されるファイルの情報を、前記ファイル管理情報として前記第2の情報処理装置に提供する、
ことを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
前記第2の保存手段は、前回のダウンロードの処理でダウンロードしたファイルにおいて日時が最近のパスの情報を前記ダウンロード情報として保存することを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記第2の保存手段は、
前記第1の情報処理装置に対して新しいファイルのダウンロードが行われた際に、当該新しいファイルのパスに保存されているファイルの情報を、前記前回のダウンロードの処理に係るダウンロード情報として更新する、
請求項1または2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記更新とは、前記前回のダウンロード処理に係るダウンロード情報を削除し、前記新しいファイルのパスに保存されているファイルの情報に置き換える処理である、
請求項3に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記第2の要求手段は、ファイルが保存されている前記パスの時系列順に従って、ファイルのダウンロードを前記第1の情報処理装置に要求することを特徴とする請求項1~4の何れか1項に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記第2の要求手段は、前記第1の情報処理装置から提供された前記ファイル管理情報と、保存している前記ダウンロード情報とを比較し、ダウンロードしていないファイルのダウンロードを前記第1の情報処理装置に要求することを特徴とする請求項1~5の何れか1項に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記第2の要求手段は、前記第1の情報処理装置から提供された前記ファイル管理情報と保存している前記ダウンロード情報との差分を取得し、取得した差分に基づいてファイルのダウンロードを前記第1の情報処理装置に要求することを特徴とする請求項1~6の何れか1項に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記第2の要求手段は、前記第1の情報処理装置から提供された前記ファイル管理情報に、保存している前記ダウンロード情報に含まれるパスよりも新しいパスが存在する場合、前記新しいパスに保存されているファイルのダウンロードを前記第1の情報処理装置に要求することを特徴とする請求項1~7の何れか1項に記載の情報処理システム。
【請求項9】
アップロードされたファイルを保存する第1の情報処理装置と、前記第1の情報処理装置からファイルをダウンロードする第2の情報処理装置とを有する情報処理システムの情報処理方法であって、
前記第1の情報処理装置が、アップロードされたファイルをアップロードの日時に応じたパスに保存する工程と、
前記第2の情報処理装置が、前記第1の情報処理装置に対して行った前回のダウンロードの処理に係るダウンロード情報を保存する工程と、
前記第2の情報処理装置が、前記第1の情報処理装置に保存されているファイルのパスの情報を含むファイル管理情報を前記第1の情報処理装置に要求する工程と、
前記第1の情報処理装置が、前記第2の情報処理装置から受け付けたファイル管理情報の要求に応じて、前記ファイル管理情報を前記第2の情報処理装置に提供する工程と、
前記第2の情報処理装置が、前記第1の情報処理装置から提供された前記ファイル管理情報、及び保存している前記ダウンロード情報に基づいて、前回のダウンロードの処理以降にアップロードされたファイルのダウンロードを前記第1の情報処理装置に要求する工程と、
前記第1の情報処理装置が、前記第2の情報処理装置から受け付けたダウンロードの要求に応じてファイルを前記第2の情報処理装置に提供する工程とを有し、
前記ファイル管理情報の要求は、前記第2の情報処理装置が前回のダウンロードの処理でダウンロードしたファイルの日時の情報を含み、
前記ファイル管理情報を前記第2の情報処理装置に提供する工程は、前記第1の情報処理装置に保存されるファイルのうち前記ファイル管理情報の要求に含まれる日時に応じたパスに保存されるファイルの情報を、前記ファイル管理情報として前記第2の情報処理装置に提供することを含む、
ことを特徴とする情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
インターネット等のネットワーク環境におけるファイルの共有方法として、あるクライアント端末からネットワーク上のサーバ装置にファイルをアップロードし、別のクライアント端末にそれらをダウンロードするサービスが一般的に提供されている。これらのサービスにおけるクライアント端末において、任意のタイミングでファイルのアップロードやダウンロードを行う状況が発生することが想定される。
【0003】
サーバ装置においては、クライアント端末からアップロードされるファイルを一元的に管理し、その管理情報をもとに提供先のクライアント端末に対して同じファイルがダウンロードされるようにダウンロード情報も管理する必要がある。例えば、サーバ側からダウンロード情報をクライアント端末に提供する方法では、サーバ装置は、ファイルのダウンロードを行うクライアント端末毎にダウンロードを実行した日時等を保持する必要がある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
サーバ側からダウンロード情報をクライアント端末に提供する場合、サーバ側は保存しているファイル情報の管理と、クライアント端末に対応したダウンロード情報の生成をファイルのアップロードに合わせて実施しなければならないという課題があった。一方で、クライアント端末でファイルのダウンロード状況を管理する場合、クライアント端末でダウンロード済みのファイルの情報をすべて保持しなければならないため、データ管理が困難であるという課題がある。
【0006】
すなわち、サーバ装置からクライアント端末にファイルのダウンロード処理を行うシステムにおいて、サーバ側で保存するファイルの管理情報とは別にダウンロード情報を管理すると二重管理となり処理の負担が増える。また、クライアント端末側でダウンロード管理を行う場合、過去にダウンロードしたファイルの情報をすべて保持することは困難である。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、アップロードされたファイルを保存する情報処理装置及びファイルをダウンロードする情報処理装置のそれぞれでのファイルに係る情報管理を容易にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る情報処理システムは、アップロードされたファイルを保存する第1の情報処理装置と、前記第1の情報処理装置からファイルをダウンロードする第2の情報処理装置とを有する情報処理システムであって、前記第1の情報処理装置は、アップロードされたファイルをアップロードの日時に応じたパスに保存する第1の保存手段と、前記第2の情報処理装置から受け付けたファイル管理情報の要求に応じて、前記第1の保存手段に保存されているファイルのパスの情報を含むファイル管理情報を前記第2の情報処理装置に提供する第1の提供手段と、前記第2の情報処理装置から受け付けたダウンロードの要求に応じてファイルを前記第2の情報処理装置に提供する第2の提供手段と、を有し、前記第2の情報処理装置は、前記第1の情報処理装置に対して行った前回のダウンロードの処理に係るダウンロード情報を保存する第2の保存手段と、前記ファイル管理情報を前記第1の情報処理装置に要求する第1の要求手段と、前記第1の情報処理装置から提供された前記ファイル管理情報、及び保存している前記ダウンロード情報に基づいて、前回のダウンロードの処理以降にアップロードされたファイルのダウンロードを前記第1の情報処理装置に要求する第2の要求手段とを有し、前記ファイル管理情報の要求は、前記第2の情報処理装置が前回のダウンロードの処理でダウンロードしたファイルの日時の情報を含み、前記第1の提供手段は、前記第1の保存手段に保存されるファイルのうち前記ファイル管理情報の要求に含まれる日時に応じたパスに保存されるファイルの情報を、前記ファイル管理情報として前記第2の情報処理装置に提供する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、アップロードされたファイルを保存する情報処理装置及びファイルをダウンロードする情報処理装置のそれぞれでのファイルに係る情報管理を容易に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本実施形態における情報処理システムの構成例を示す図である。
【
図2】本実施形態における情報処理装置の構成例を示す図である。
【
図3】本実施形態におけるファイル管理情報の例を示す図である。
【
図4】本実施形態における情報処理装置102の処理例を示すフローチャートである。
【
図5】本実施形態におけるユーザ機器103の処理例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0012】
図1は、本発明の一実施形態における情報処理システムの構成例を示す図である。本実施形態における情報処理システムは、あるユーザ機器からサーバとしての情報処理装置にファイル(コンテンツ)をアップロードし、クライアント端末であるユーザ機器に対してファイル(コンテンツ)をダウンロードするシステムである。
【0013】
図1に示すように、本実施形態における情報処理システムは、ユーザ機器101、情報処理装置(コンテンツ管理)102、及びユーザ機器103を有する。ユーザ機器101、情報処理装置102、及びユーザ機器103は、ネットワーク104を介して通信可能に接続される。
【0014】
ユーザ機器101は、例えば、デジタルカメラ、スマートフォン、タブレット端末等の装置である。ユーザ機器101は、ファイル(コンテンツ)をネットワーク104を介して情報処理装置102にアップロードする(S111)。
【0015】
情報処理装置(コンテンツ管理)102は、ユーザ機器101からアップロードされたファイルを受信する。情報処理装置(コンテンツ管理)102は、アップロードされたファイルを記憶部(ストレージ)に保存し、そのファイルの情報などの管理を行う(S112)。また、情報処理装置102は、クライアント端末であるユーザ機器103からの要求に応じて、保存・管理しているファイルやそのファイルの情報をネットワーク104を介してユーザ機器103に提供する。
【0016】
ユーザ機器103は、例えば、PC(パーソナル・コンピュータ)、スマートフォン、タブレット端末等の情報処理装置である。ユーザ機器103は、情報処理装置102で保存・管理されているファイルを、ネットワーク104を介して情報処理装置102からダウンロードする(S113)。ここでは、ユーザ機器103は、ダウンロードしたファイルをサーバ装置としての情報処理装置102とは異なるローカルの記憶部(ストレージ)に保存する。
【0017】
なお、情報処理装置(コンテンツ管理)102に対して、ファイルのアップロードを行うユーザ機器101、及びファイルのダウンロードを行うユーザ機器103は、各々複数存在することができる。また、ファイルのアップロードを行うユーザ機器101とファイルのダウンロードを行うユーザ機器103が同一のユーザ機器であっても良い。
【0018】
図2は、
図1に示した情報処理装置102やユーザ機器103を実現する情報処理装置の構成例を示す図である。
図2に示すように、情報処理装置は、ディスプレイ201、VRAM202、BMU203、キーボード204、PD205、CPU206、ROM207、及びRAM208を有する。また、情報処理装置は、HDD209、フレキシブルディスクドライブ210、ネットワークI/F211、及びバス212を有する。VRAM202、BMU203、キーボード204、PD205、CPU206、ROM207、RAM208、HDD209、フレキシブルディスクドライブ210、及びネットワークI/F211は、バス212を介して通信可能に接続される。
【0019】
ディスプレイ201は、例えばCRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイや液晶ディスプレイ等の表示装置である。ディスプレイ201には、例えば情報処理装置の管理等を行うためのアイコン、メッセージ、メニューその他のユーザインタフェース情報が表示される。VRAM(ビデオメモリ)202には、ディスプレイ201に表示するための画像が描画される。このVRAM202に生成された画像データは、所定の規定に従ってディスプレイ201に転送され、これによりディスプレイ201に画像が表示される。
【0020】
BMU(ビットムーブユニット)203は、例えば、メモリ間(例えば、VRAM202と他のメモリとの間)のデータ転送や、メモリと各I/Oデバイス(例えば、ネットワークI/F211)との間のデータ転送を制御する。キーボード204は、文字等を入力するための各種キーを有する。PD(ポインティングデバイス)205は、例えば、ディスプレイ201に表示されたアイコン、メニューその他のコンポーネントを指示又はオブジェクトのドラッグドロップのために使用される。なお、ディスプレイ201がタッチパネルディスプレイである場合にはキーボード204やPD205の機能がディスプレイ201において実現されるようにしてもよい。
【0021】
CPU(Central Procceing Unit)206は、ROM207、HDD209、又はフレキシブルディスク210に格納されたOSや各種処理を実行するためのプログラム等の制御プログラムに基づいて、各デバイスを制御する。ROM(Read Only Memory)207は、各種制御プログラムやデータを保存する。RAM208(Random Access Memory)は、CPU206のワーク領域、エラー処理時のデータの退避領域、制御プログラムのロード領域等を有する。
【0022】
情報処理装置102では、CPU206がROM207等に格納されたプログラムを読み出して実行することにより、第1の保存手段、第1の提供手段、第2の提供手段等の機能が実現され、後述する
図4に示す処理等が実現される。また、ユーザ機器103では、CPU206がROM207等に格納されたプログラムを読み出して実行することにより、第2の保存手段、第1の要求手段、第2の要求手段等の機能が実現され、後述する
図5に示す処理等が実現される。
【0023】
HDD(ハードディスクドライブ)209は、情報処理装置内で実行される各制御プログラムやデータ等を格納する。ネットワークI/F(インタフェース)211は、ユーザ機器101、103などの他の装置等とネットワークを介して通信を行うためのインタフェースである。バス212は、アドレスバス、データバス及びコントロールバスを含む。ここで、CPU206に対する制御プログラム等の提供は、ROM207、HDD209、フレキシブルディスク210から行うことが可能であり、ネットワークI/F211を介してネットワーク経由で他の装置等から行うことも可能である。
【0024】
図3は、本実施形態における情報処理装置(コンテンツ管理)102において管理される、ファイル管理情報の一例を示す図である。情報処理装置102は、ユーザ機器101等からアップロードされたファイルを受信し、情報処理装置102のストレージ209に保存する際に、
図3(A)に一例を示すようなファイル管理情報301を生成する。ファイル管理情報は、時系列的なパス構造をもち、例えばファイルがアップロードされた日時情報に基づいて管理される。
【0025】
図3(A)に示す例では、ファイル管理情報をURLを用いて示している。ファイル管理情報301は、ファイルがアップロードされた年月日を示すパス情報302とアップロードされた時刻を示すパス情報303との階層構造の下、ユーザ機器101からアップロードされたファイル情報304を格納している。このような時系列的なパス構造とすることで、最新の日時を示すパスよりも古いパスに対してデータファイルが更新されることはない。なお、ファイル管理情報は、時系列的な区別ができるパス構造であればよく、リンクなど用いてファイルを実際に保管する物理的なフォルダ構成とは構造が同じでなくても良い。
【0026】
図3(B)は、ファイル管理情報リスト310の一例を示している。ファイル管理情報リスト310には、各ファイルのファイル管理情報311~314が含まれている。
図3(B)に示した例では、ファイル管理情報311及びファイル管理情報312は、それぞれの対応するファイルが、同じ年月日及び時刻帯に送付されたデータであることを示しており、アップロード年月日とアップロード時刻が同一のパス上に管理されている。一方、ファイル管理情報313とファイル管理情報314は、ファイルがアップロードされた年月日を示すパス情報302は同一であるが、アップロード時刻を示すパス情報303が異なっている。つまり、ファイル管理情報313及びファイル管理情報314にそれぞれ対応するファイルは、異なる時間帯にアップロードされたため、異なるパスで管理されていることを示す。
【0027】
このファイル管理情報301(ファイル管理情報リスト310)は、ダウンロードを行うユーザ機器103からの要求により、情報処理装置102からダウンロードを行うユーザ機器103に送信される。なお、一例としてファイルがアップロードされた時刻を示すパス情報303を含むパス構成としているが、アップロードされた年月日を示すパス情報302だけであっても良い。本実施形態におけるパス構成は、アップロードされた年月日示すパス情報及びアップロードされた時刻を示すパス情報303の少なくとも一方を含むものであってよい。本明細書等において「日時」とは、日付及び時刻の少なくとも一方を含む時間についての情報を意味するものとする。
【0028】
図4は、本実施形態における情報処理装置(コンテンツ管理)102が、アップロードを行うユーザ機器101等からファイルがアップロードされる際に行う処理の例を示すフローチャートである。
図4に示す処理は、情報処理装置102のCPU206が、ROM207等に格納されたプログラムを読み出して実行することにより実現される。
【0029】
ユーザ機器101等からファイルをアップロードする要求がなされると、ステップS401にて、情報処理装置102は、アップロードされたファイルを受信する。ファイルの受信が完了すると、ステップS402にて、情報処理装置102は、ファイルの受信を完了した日時をアップロード日時として取得する。
【0030】
ステップS403にて、情報処理装置102は、ステップS402において取得したファイルの受信完了の日時情報に基づいて、時系列的なパス構造を有するファイル管理情報301を生成する。ステップS404にて、情報処理装置102は、ステップS401において受信したファイルを、情報処理装置102が管理するストレージ209に保存する。このとき、情報処理装置102は、アップロードされたファイルを、ステップS403において生成したファイル管理情報に基づいて、アップロードの日時に応じたパスに保存する。そして、情報処理装置102は、アップロードされるファイルの保存に係る
図4に示す処理を終了する。
【0031】
この処理において、情報処理装置103が管理するストレージ209上に実際にファイルが保存されるパスと、生成されるファイル管理情報301でのパス構造は一対一で対応し、一意に特定できればよく、構造自体が同一である必要はない。同じく、ステップS401において受信したファイルのファイル名と、ファイル管理情報301で管理されるファイル情報304も一意に特定できればよく、同一である必要はない。
【0032】
図5は、本実施形態におけるユーザ機器103が、情報処理装置102からファイルをダウンロードする際の処理例を示すフローチャートである。
図5に示す処理は、ユーザ機器103を実現する情報処理装置のCPU206が、ROM207等に格納されたプログラムを読み出して実行することにより実現される。
【0033】
ステップS501にて、ダウンロードを行うユーザ機器103は、ユーザ機器103のストレージ209に前回のダウンロードリストを保持しているか否かを確認する。ダウンロードリストは、情報処理装置102に対して前回ダウンロード処理を行った際のダウンロード済みファイルのリストである。
【0034】
ダウンロードを行うユーザ機器103のストレージ209に前回のダウンロードリストが存在しない場合(NO)、ユーザ機器103は、初めて情報処理装置102からダウンロード処理を行おうとしていると判断し、ステップS511に処理を進める。一方、ダウンロードを行うユーザ機器103のストレージ209に前回のダウンロードリストが存在する場合(YES)、ユーザ機器103は、以前にも情報処理装置102からのダウンロード処理を行ったことがあると判断し、ステップS502に処理を進める。
【0035】
ステップS502にて、ユーザ機器103は、前回のダウンロード処理でのステップS510において保存したダウンロードリストから、日時を示すパス情報302、303に該当する情報を取得する。すなわち、ユーザ機器103は、情報処理装置102に対して前回ダウンロード処理を行った際に、ダウンロードしたファイルにおいて時系列順で最近のパスの日時を示すパス情報302、303に該当する情報を取得する。
【0036】
ステップS503にて、ユーザ機器103は、ステップS502において取得した日時を示すパス情報302、303に基づいてダウンロード対象となるパスを求める。つまり、ユーザ機器103は、情報処理装置102に対する前回ダウンロード処理において、ダウンロードしたファイルでの最後の日時に対応するパスをダウンロード対象のパスとして求める。
【0037】
ステップS504にて、ユーザ機器103は、ステップS503において求めたパスに保存されているファイルのファイル管理情報リスト310を、情報処理装置102から取得する。
【0038】
ステップS505にて、ユーザ機器103は、ステップS504において取得したコンテンツ管理情報リスト310と、前回のダウンロードリストとを比較して、差分を求める。この前回のダウンロードリストは、前回のダウンロード処理でのステップS510において保存され、ステップS501において保持していることを確認されたダウンロードリストである。このステップS505において求めた差分は、現在ダウンロードを行うユーザ機器103がダウンロード処理を行っているパスに対して、前回のユーザ機器103によるダウンロード処理以降に新規に追加もしくは削除されたファイルがあることを示している。
【0039】
ステップS506にて、ユーザ機器103は、ステップS505においてコンテンツ管理情報リスト310と前回のダウンロードリストとを比較した結果、リスト間に差分があるか否かを判定する。ユーザ機器103は、リスト間に差分があると判定した場合(YES)にはステップS507に処理を進め、リスト間に差分がないと判定した場合(NO)にはステップS508に処理を進める。
【0040】
ステップS507にて、ユーザ機器103は、差分として新規のファイル、取得したコンテンツ管理情報リスト310には存在するが前回のダウンロードリストには存在しないファイルを情報処理装置102からダウンロードする。これにより、ユーザ機器103は、現在のダウンロード対象のパスに対して、前回のユーザ機器103によるダウンロード処理以降に新規に情報処理装置102に追加されたファイルをダウンロードする。
【0041】
ステップS508にて、ユーザ機器103は、情報処理装置102に対してファイルが保存されているパスを示すパスリスト情報を要求し、情報処理装置102からパスリスト情報を取得する。
【0042】
ステップS509にて、ユーザ機器103は、ステップS508又はステップS511において取得したパスリスト情報に基づいて、処理を行ったパスに対して次の(後の)日時を示すパス情報302、303が存在するか否かを確認する。次の(後の)日時を示すパスが存在すると判定した場合(YES)、ユーザ機器104は、次の(後の)日時に対応するパス情報に基づいてステップS513、S514の処理を行う。ユーザ機器104は、すでにダウンロード処理を行ったパスよりも時系列的に新しい日時を示すパス情報302、303が存在しなくなるまで、ステップS509、S513、S514の処理を繰り返す。
【0043】
ステップS513にて、ユーザ機器103は、情報処理装置102からステップS509又はステップS512で求めたパス内に保存されているファイルのファイル管理情報リスト310を取得する。
ステップS514にて、ユーザ機器103は、ステップS513において情報処理装置102から取得したファイル管理情報リスト310に示されているファイルのすべてを情報処理装置102からダウンロードし、処理をステップS509に戻す。
【0044】
ステップS509において、ユーザ機器103は、次の日時を示すパスが存在しない判定した場合(NO)、すなわちダウンロード処理を行ったパスよりも時系列的に新しい日時を示すパス情報が存在しないと判定した場合、ステップS510に処理を進める。
ステップS510にて、ユーザ機器103は、最後にダウンロード処理対象となったファイルが含まれるパスに関するファイル管理情報301をダウンロードリストとして、ユーザ機器103のストレージ209に保存し処理を終了する。
【0045】
ステップS511にて、ユーザ機器104は、情報処理装置102に対してファイルが保存されているパスを示す現在までのパスリスト情報を要求し、情報処理装置102からパスリスト情報を取得する。
ステップS512にて、ユーザ機器104は、ステップS511において取得したパスリスト情報から最も古い日時を示すパス情報を求めて処理をステップS513へ進める。
【0046】
本実施形態によれば、情報処理装置(コンテンツ管理)102は、自身が保持するファイルの情報のみを管理すれば良く、ユーザ機器103は、ダウンロード済み情報のすべてを管理することなくダウンロード処理を行うことができる。ユーザ機器104は、これまでにダウンロードしたすべてのファイルの情報を記録・管理する必要はなく、最後にダウンロード対象としたパスの情報と、そのパスに保存されているファイルのみを対象に管理すれば良い。したがって、長期間使用してもユーザ機器104において管理するダウンロードに関する管理情報が増大することはない。
【0047】
以上、本発明の実施形態を詳述してきたが、本発明はこれら特定の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。
また、前述の実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムを、記録媒体から直接、或いは有線/無線通信を用いてプログラムを実行可能なコンピュータを有するシステム又は装置に供給し、そのプログラムを実行する場合も本発明に含む。
従って、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、該コンピュータに供給、インストールされるプログラムコード自体も本発明を実現するものである。つまり、本発明の機能処理を実現するためのコンピュータプログラム自体も本発明に含まれる。
その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等、プログラムの形態を問わない。
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、ハードディスク、磁気テープ等の磁気記録媒体、光/光磁気記憶媒体、不揮発性の半導体メモリでもよい。
また、プログラムの供給方法としては、コンピュータネットワーク上のサーバに本発明を形成するコンピュータプログラムを記憶し、接続のあったクライアントコンピュータがコンピュータプログラムをダウンロードして実行するような方法も考えられる。
【符号の説明】
【0048】
101 ユーザ機器
102 情報処理装置(コンテンツ管理)
103 ユーザ機器
104 ネットワーク