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  • 特許-セラミックス 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-27
(45)【発行日】2024-10-07
(54)【発明の名称】セラミックス
(51)【国際特許分類】
   C04B 35/486 20060101AFI20240930BHJP
   C01G 25/02 20060101ALI20240930BHJP
【FI】
C04B35/486
C01G25/02
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020045329
(22)【出願日】2020-03-16
(65)【公開番号】P2021147245
(43)【公開日】2021-09-27
【審査請求日】2023-01-23
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000004547
【氏名又は名称】日本特殊陶業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000534
【氏名又は名称】弁理士法人真明センチュリー
(72)【発明者】
【氏名】菅 洋平
(72)【発明者】
【氏名】檮木 陵太
(72)【発明者】
【氏名】近藤 俊
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 峻太郎
(72)【発明者】
【氏名】小塚 久司
(72)【発明者】
【氏名】猪飼 良仁
【審査官】神▲崎▼ 賢一
(56)【参考文献】
【文献】特開平04-342461(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0003083(US,A1)
【文献】特開昭63-210063(JP,A)
【文献】特開2006-298711(JP,A)
【文献】特開平01-208367(JP,A)
【文献】特開2019-181210(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C04B 35/486
C01G 25/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の層および第2の層を含むセラミックスであって、
前記第1の層は安定化ジルコニア又は部分安定化ジルコニアを含み、
前記第2の層は単斜晶ジルコニアを含み、
前記第1の層は多孔質であり、前記第1の層の気孔率は20~60%であるセラミックス。
【請求項2】
前記第2の層の厚さは74μm以下である請求項1記載のセラミックス。
【請求項3】
酸化物を含む第3の層をさらに含み、
前記第2の層は、前記第1の層と前記第3の層との間に配置される請求項1又は2に記載のセラミックス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はジルコニアを含むセラミックスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
安定化ジルコニアや部分安定化ジルコニアは機械部品、電気部品など様々な用途で使われる。特許文献1には、Caを含む安定化ジルコニアからなる支持層(第1の層)を備えるセラミックスが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-113714号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら上記技術では、安定化ジルコニアからなる第1の層の強度が低いとセラミックスが破壊し易いという問題点がある。
【0005】
本発明はこの問題点を解決するためになされたものであり、安定化ジルコニア又は部分安定化ジルコニアを含む第1の層を破壊し難くできるセラミックスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的を達成するために本発明のセラミックスは、第1の層および第2の層を含むものであって、第1の層は安定化ジルコニア又は部分安定化ジルコニアを含み、第2の層は単斜晶ジルコニアを含む。
【発明の効果】
【0007】
請求項1記載のセラミックスによれば、単斜晶ジルコニアは安定化ジルコニアや部分安定化ジルコニアに比べて線膨張係数が小さいので、第1の層の線膨張係数と第2の層の線膨張係数との差によって、焼成の工程を経て製造されるセラミックスの第2の層に圧縮応力が残る。圧縮応力下ではセラミックスの破壊強さに破壊靭性が与える影響が小さいので、第2の層の圧縮応力の影響が及ぶ第1の層を破壊し難くできる。
【0008】
請求項2記載のセラミックスによれば、第2の層の厚さは74μm以下なので、第2の層の圧縮荷重が過大にならないようにできる。よって請求項1の効果に加え、第2の層の破損や変形を防止できる。
【0009】
請求項3記載のセラミックスによれば、酸化物を含む第3の層と第1の層との間に第2の層が配置されるので、請求項1又は2の効果に加え、第3の層の機能をセラミックスに付加できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】一実施の形態におけるセラミックスの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の好ましい実施の形態について添付図面を参照して説明する。図1は一実施の形態におけるセラミックス10の中心軸Oを含む断面図である。本実施形態では、セラミックス10は円筒状の管である。図1では、セラミックス10の中心軸Oを境にして片側が図示されており、中心軸Oを境にしたもう片側の図示は省略されている。
【0012】
セラミックス10は、順に、第1の層11、第2の層12及び第3の層13を含む。セラミックス10は、第1の層11、第2の層12及び第3の層13の成形および焼成の工程を経て製造される。本実施形態では、第1の層11の外周に第2の層12が固着しており、第2の層12の外周に第3の層13が固着している。本実施形態では、セラミックス10は厚さ方向に酸素を透過する機能を有する。
【0013】
第1の層11は、安定化ジルコニア又は部分安定化ジルコニアを含む。安定化ジルコニアは、CaO,MgO,Y,Sc,Yb等の酸化物(安定化剤)をZrOに固溶させ、室温において立方晶が安定して存在するようにしたジルコニアである。部分安定ジルコニアは、安定化ジルコニアの安定化剤の量よりも安定化剤の量を減らしたジルコニアであり、室温において立方晶および正方晶が分散して存在する。安定化ジルコニアや部分安定化ジルコニアは酸素イオン伝導体として機能する。
【0014】
第1の層11には、安定化ジルコニアや部分安定化ジルコニアに加え、他の酸素イオン伝導体、電子伝導体、酸素イオン伝導性と電子伝導性の両方の機能を備える酸化物(以下「混合伝導性酸化物」と称す)を含むことができる。
【0015】
他の酸素イオン伝導体としては、例えばセリア系固溶体が挙げられる。セリア系固溶体としては、例えばガドリニウム固溶セリアやサマリウム固溶セリア等のセリウム系複合酸化物が挙げられる。
【0016】
電子伝導体としては、例えばペロブスカイト構造を有する酸化物、スピネル型結晶構造を有する酸化物、及び、貴金属等の金属材料から選択される電子伝導体を用いることができる。ペロブスカイト構造を有する酸化物としては、例えばLaMnO系化合物におけるLaサイトにSrを添加した酸化物、CaTiOやBaTiO等の複合酸化物、La1-XCrO3-Z(但し、MはMgを除くアルカリ土類金属、0≦X≦0.4、Zは金属元素の割合や酸素原子の量が変動することを示す値である)等が挙げられる。
【0017】
混合伝導性酸化物としては、例えば、LaGaO系化合物において、SrをLaサイトに添加すると共に、FeをGaサイトに添加したペロブスカイト構造を有する酸化物、SrCoO系化合物において、BaをSrサイトに添加すると共に、FeをCoサイトに添加したペロブスカイト構造を有する酸化物、層状ペロブスカイト構造を有する酸化物、蛍石型構造を有する酸化物、オキシアパタイト構造を有する酸化物、メリライト構造を有する酸化物等が挙げられる。
【0018】
第1の層11は触媒を含有できる。触媒としては、例えばNi,Co,Cu等の金属やRh,Pt等の貴金属が挙げられる。第1の層11は多孔質であっても良い。第1の層11が多孔質であると、第1の層11が緻密質の場合に比べて第1の層11を軽量化できる。第1の層11が多孔質の場合は、第1の層11が緻密質である場合に比べ、一般に機械的強度が低いので、第2の層12によって第1の層11の機械的強度を高める効果が顕著になる。第1の層11が多孔質である場合の第1の層11の気孔率としては、例えば20~60%、好ましくは30~50%である。
【0019】
第1の層11の気孔率は、セラミックス10の断面の電子顕微鏡(SEM)の画像から求めることができる。気孔率は、SEMの視野内に現出する第1の層11に囲まれた気孔の面積の和を、視野内の第1の層11の面積および気孔の面積の和で除した値の百分率である。
【0020】
第2の層12は単斜晶ジルコニアを含む。第2の層12に含まれる単斜晶ジルコニアはラマン分光法によって定性分析ができる。レーザラマン顕微鏡を用い、セラミックス10の断面のラマン散乱スペクトルを取得し、単斜晶に特有な振動モードが認められる部位が第2の層12である。
【0021】
第2の層12は、単斜晶ジルコニアの他、正方晶ジルコニア及び立方晶ジルコニアの少なくとも1種を含むことができる。正方晶ジルコニアや立方晶ジルコニアもラマン分光法によって定性分析ができる。第3の層13の化合物を構成する元素の少なくとも一部が、第2の層12に含まれても良い。但し室温から1000℃までの間における第2の層12の線膨張係数が、室温から1000℃までの間における第1の層11の線膨張係数よりも小さくなるように、第1の層11や第2の層12の組成が設定される。
【0022】
第2の層12に含まれる単斜晶ジルコニアは、第1の層11に含まれる安定化ジルコニアや部分安定化ジルコニアに比べて線膨張係数が小さいので、第1の層11の線膨張係数と第2の層12の線膨張係数との差によって、成形および焼成の工程を経て製造されるセラミックス10の第2の層12に圧縮応力が残る。圧縮応力下ではセラミックス10の破壊強さに破壊靭性が与える影響が小さいので、第2の層12に固着した第1の層11を破壊し難くできる。
【0023】
第2の層12と第1の層11との間の界面14の付近では、第2の層12において、ラマン散乱スペクトルに現れる単斜晶のバンド強度が界面14に近づくにつれて小さくなるように第2の層12を形成するのが好ましい。ラマン散乱スペクトルに現れるバンド強度は単斜晶ジルコニアの濃度に比例するので、界面14に近づくにつれて単斜晶ジルコニアの濃度を低くすることにより、第1の層11の線膨張係数と第2の層12の線膨張係数との差を界面14付近で緩衝できる。
【0024】
第2の層12の厚さは、第1の層11よりも薄くするのが好ましい。第2の層12に残る圧縮応力によって、第1の層11が変形するのを防ぐためである。第2の層12の厚さは5μm~100μmが好適である。第2の層12の厚さがこの範囲であると、第2の層12の圧縮荷重を適度な大きさにすることができるので、第1の層11の厚さにもよるが、第1の層11や第2の層12の変形や破損を抑制できるからである。なお、第1の層11の厚さは0.5mm~3mmが好適である。第2の層12の圧縮応力の影響が、第1の層11の厚さ方向の広範囲に及ぶようにするためである。
【0025】
第2の層12は触媒を含有できる。触媒としては、例えばNi,Co,Cu等の金属やRh,Pt等の貴金属が挙げられる。第2の層12は多孔質であっても良い。
【0026】
第3の層13は酸化物を含む。第3の層13に含まれる酸化物としては、例えば安定化ジルコニア、部分安定化ジルコニア、セリア系固溶体等の酸素イオン導電体、電子伝導体、混合伝導性酸化物から選ばれる1種以上が挙げられる。第3の層13に含まれるセリア系固溶体、電子伝導体、混合伝導性酸化物は、第1の層11において説明したものと同様である。第3の層13の安定化ジルコニアや部分安定化ジルコニアは、第1の層11に含まれる安定化ジルコニアや部分安定化ジルコニアの安定化剤とは異なる安定化剤が固溶したジルコニアが用いられる。
【0027】
第3の層13は触媒を含有できる。触媒としては、例えばNi,Co,Cu等の金属やRh,Pt等の貴金属が挙げられる。酸化物を含む第3の層13が第2の層12に固着することで、第3の層13の機能をセラミックス10に付加できる。
【0028】
第3の層13の厚さは、第1の層11よりも薄くするのが好ましい。また、第2の層12の厚さに第3の層13の厚さを加えた厚さは、第1の層11の厚さよりも薄くするのが好ましい。第3の層13の存在下において、第2の層12に残る圧縮応力の影響が第1の層11に及ぶようにするためである。
【0029】
セラミックス10は、例えば以下のようにして製造される。まず第1の層11の成形体を準備する。第1の層11の成形体は、所定の酸化物の粉末に、合成樹脂製のビーズや炭素粉末等の造孔剤およびバインダを混合した後、押出成形やプレス成形等によって作られる。第1の層11の気孔率は、造孔剤の粒径や量などにより設定される。
【0030】
次いで、第1の層11の成形体の表面に、第2の層12を構成するペーストを塗布し乾燥させ第2の層12の成形体を形成する。次に、第2の層12の成形体の表面に、第3の層13を構成するペーストを塗布し乾燥させ第3の層13の成形体を形成する。第2の層12を構成するペースト及び第3の層13を構成するペーストは、所定の酸化物の粉末にビヒクルを混合したものである。ペーストの塗布は、印刷法、スプレー法、ディップコーティング法、ドクターブレード法等により行われる。これにより第1の層11、第2の層12及び第3の層13の成形体を一体にする。
【0031】
次に、成形体を焼成する。焼成の工程を経て、第1の層11、第2の層12及び第3の層13が互いに固着したセラミックス10が得られる。焼成の工程において最高温度に到達してから室温になるまでの間に、第1の層11の線膨張係数と第2の層12の線膨張係数との差によって、セラミックス10の第2の層12に圧縮応力が残る。これによりセラミックス10を破壊し難くできる。
【0032】
成形体の製造は押出成形およびペーストの塗布によるものに限られるものではない。公知の他の方法により成形体を製造することは当然可能である。他の方法としては、例えばシート成形およびシート積層法、プレス成形などが挙げられる。
【0033】
成形体は、第1の層11の成形体の表面に第2の層12の成形体が形成され、その表面に第3の層13の成形体が形成されたものに限られない。例えば、第1の層11の成形体の表面に第3の層13の成形体が形成されたものを採用できる。この成形体の焼成の工程において、第1の層11の酸化物を構成する元素と第3の層13の酸化物を構成する元素との拡散により、第1の層11と第3の層13との間に第2の層12を形成できる。
【実施例
【0034】
本発明を実施例によりさらに詳しく説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
【0035】
(試験片の作製)
カルシア安定化ジルコニア、アクリル製の造孔剤、及び、触媒(Pt)の各粉末とバインダとを混合し、押出成形により、厚さ約3mmの板状の成形体(第1の層の成形体)を得た。これとは別に、単斜晶ジルコニア、アクリル製の造孔剤、及び、触媒(Pt)の各粉末とビヒクルとを混合し、第2の層のためのペーストを得た。このペーストを第1の層の成形体の表面の全体に印刷した。ペーストの印刷厚さを成形体ごとに異ならせて、印刷厚さが異なる種々の成形体を得た。この成形体を焼成して(最高温度1500℃)、第1の層と第2の層とが互いに固着したセラミックスを得た。セラミックスを得るときの、第2の層の厚さ以外の因子は同一にした。
【0036】
得られたセラミックスを幅3mm長さ40mmの矩形に切断して、第1の層に第2の層が積層された試験片を作製した。試験片の第1の層のうち第2の層が固着した面の反対側の面を研磨して、各試験片の厚さを2mmに揃えた。試験片の第1の層の気孔率の平均値は40%であった。
【0037】
試験片の長さの中心の位置において、ラマン分光法により、切断面(試験片の側面)の第2の層の表面から厚さ方向に2μm間隔でラマン散乱スペクトルを取得し、単斜晶に特有な振動モードが認められなくなったときの表面からの距離Mを測定した。その距離Mよりも2μmだけ表面に近い位置では単斜晶に特有な振動モードが認められるので、その位置と表面との間の距離N(距離N=距離M-2μm)を、各試験片の第2の層の厚さとした。試験片は、第2の層の厚さごとに5個ずつ選んだ。
【0038】
(曲げ強さの算出)
JIS R1601:2008に準じて、支点間距離が30mmの支持具の支点の上に試験片の第2の層を置き、支点間の第1の層の中央の1点に荷重を加えた。試験片が折れたときの最大曲げ応力(3点曲げ強さ)を算出し、試験片5個の曲げ強さの平均値を求めた。表1は、第2の層の厚さ(μm)と3点曲げ強さ(MPa)の平均値との関係を示す一覧表である。No.1の試験片は、第1の層の成形体(表面にペーストが印刷されていないもの)を焼成して(最高温度1500℃)、寸法を幅3mm、長さ40mm、厚さ2mmにしたものである。
【0039】
【表1】
表1に示すように、厚さが2~74μmの範囲で第2の層が形成されたNo.2からNo.7の試験片は、第2の層が形成されていないNo.1の試験片に比べて、曲げ強さを大きくできることが明らかになった。支持具の支点の上に試験片の第2の層を置き、支点間の第1の層の中央の1点に荷重を加えたので、この曲げ試験のときに第2の層に引張応力がかかる。試験片は第2の層に圧縮応力が残っているので、曲げ強さが大きくなったと推察される。
【0040】
以上、実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
【0041】
実施形態では、セラミックス10が円筒状の管の場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。セラミックス10は、平板、湾曲した板、屈曲した管など任意の形状にできる。
【0042】
実施形態では、セラミックス10が酸素透過膜の機能を有する場合について説明したが、セラミックス10の用途はこれに限られるものではない。セラミックス10は機械部品や電気部品など、用途に制限はない。従って第1の層11に、イオン伝導体や電子伝導体などではなく、アルミナやムライト等の他の酸化物が含まれるようにすることは当然可能である。
【0043】
実施形態では、第1の層11、第2の層12及び第3の層13が順に積層されたセラミックス10について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。第1の層11と第2の層12との間に第4の層を配置したり、第3の層13に第4の層を積層したりすることは当然可能である。第1の層11と第2の層12との間に第4の層を配置する場合に第3の層13は省略できる。第4の層は酸化物を含む。第4の層が含む酸化物は、第3の層13が含む酸化物と同じものが挙げられる。
【0044】
第1の層11と第2の層12との間に第4の層を配置する場合に、第2の層12の厚さに第4の層の厚さを加えた厚さは、第1の層11の厚さよりも薄くするのが好ましい。第4の層の存在下において、第2の層12に残る圧縮応力の影響が第1の層11に及ぶようにするためである。
【0045】
第3の層13に第4の層を積層する場合に、第2の層12及び第3の層13の厚さに第4の層の厚さを加えた厚さは、第1の層11の厚さよりも薄くするのが好ましい。第3の層13及び第4の層の存在下において、第2の層12に残る圧縮応力の影響が第1の層11に及ぶようにするためである。このときの第4の層を、Ni,Co,Cu等の金属やRh,Pt等の貴金属からなる触媒を含む層にすることは当然可能である。
【符号の説明】
【0046】
10 セラミックス
11 第1の層
12 第2の層
13 第3の層
図1