(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-27
(45)【発行日】2024-10-07
(54)【発明の名称】基板作業機
(51)【国際特許分類】
H02P 5/46 20060101AFI20240930BHJP
H05K 3/34 20060101ALI20240930BHJP
【FI】
H02P5/46 A
H05K3/34 505D
(21)【出願番号】P 2020049906
(22)【出願日】2020-03-19
【審査請求日】2023-02-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000237271
【氏名又は名称】株式会社FUJI
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】水越 剛
【審査官】谿花 正由輝
(56)【参考文献】
【文献】特開平06-233580(JP,A)
【文献】特開平07-123766(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02P 5/46
H05K 3/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マスクに形成された開口を介して基板に対して所定の作業としてはんだを印刷する印刷装置であって、
前記基板の上面及び前記マスクの下面を撮像するカメラを水平面内の第1方向に移動させるために、前記カメラを駆動する第1のモータと、
前記基板を上下方向に移動させる昇降機構を駆動し、前記所定の作業中に前記第1のモータとは同時に駆動されない第2のモータと、
水平面内で前記第1方向に直交する第2方向に前記カメラを移動させるために、前記カメラを駆動する第3のモータと、
前記第1のモータに接続されている第1の駆動回路と、
前記第2のモータに接続されている第2の駆動回路と、
前記第3のモータに接続されている第3の駆動回路と、
前記第1のモータ及び前記第2のモータの駆動を制御するための第1の制御信号を、前記第1の駆動回路及び前記第2の駆動回路に出力する第1の制御装置と、
前記
第3の駆動回路に、前記第3のモータの駆動を制御するための第2の制御信号を出力する第2の制御装置と、
を備えており、
前記第1の駆動回路は、前記第1の制御信号に基づいて前記第1のモータを駆動させる第1の駆動信号を生成し、
前記第2の駆動回路は、前記第1の制御信号に基づいて前記第2のモータを駆動させる第2の駆動信号を生成し、
前記第3の駆動回路は、前記第2の制御信号に基づいて前記第3のモータを駆動させる第3の駆動信号を生成し、
前記第1の駆動回路は、前記第2の駆動回路が前記第2の駆動信号を生成しているときは前記第1の駆動信号を生成不能に構成される一方で、前記第2の駆動回路が前記第2の駆動信号を生成していないときに前記第1の駆動信号を生成可能に構成されており、
前記第2の駆動回路は、前記第1の駆動回路が前記第1の駆動信号を生成しているときは前記第2の駆動信号を生成不能に構成される一方で、前記第1の駆動回路が前記第1の駆動信号を生成していないときに前記第2の駆動信号を生成可能に構成されており、
前記第1のモータにより動作する前記カメラの前記第1方向の移動範囲の少なくとも一部は、前記第2のモータにより動作する前記昇降機構の移動範囲の少なくとも一部と重複し、
前記第1の制御信号は、前記第1の駆動回路及び前記第2の駆動回路のそれぞれに同時に入力し、
前記第1の制御装置は、入力された前記第1の制御信号が有効であることを示す第1の信号を前記第1の駆動回路に出力するとともに、前記第1の信号を出力する期間とは異なる期間に、前記第1の信号とは異なる第2の信号であって、入力された前記第1の制御信号が有効であることを示す前記第2の信号を前記第2の駆動回路に出力し、
前記第1の駆動回路は、前記第1の信号が入力される場合に前記第1の駆動信号を生成し、
前記第2の駆動回路は、前記第2の信号が入力される場合に前記第2の駆動信号を生成し、
前記第1の駆動回路は、前記第2の駆動回路が前記第2の駆動信号を生成する前に、前記カメラを前記昇降機構と干渉しない位置に退避させる、
印刷装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示する技術は、基板作業機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、モータの駆動を制御する回路が開示されている。この回路は、2つのモータと、各モータのそれぞれを駆動する2つのドライバと、各ドライバに励磁パターンを出力する2つの励磁パターン発生器と、各モータを制御する信号を出力するCPUを備えている。この回路では、CPUが出力する信号に応じて、いずれかの励磁パターン発生器が選択され、選択された励磁パターン発生器に対応するモータが対応するドライバにより駆動される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
基板作業機の分野では、複数のモータを駆動して各部の動作を制御することにより、基板に対して様々な作業が実行される。複数のモータのそれぞれの駆動を制御しなければならないため、そのための制御構成が複雑になり易いという問題を有していた。本明細書では、複数のモータを備える基板作業機において、複数のモータの駆動の制御を簡易な制御構成で行うことができる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書に開示する基板作業機は、基板に対して所定の作業を実行する。前記基板作業機は、第1のモータと、前記所定の作業中に前記第1のモータとは同時に駆動されない第2のモータと、前記第1のモータに接続されている第1の駆動回路と、前記第2のモータに接続されている第2の駆動回路と、前記第1のモータ及び前記第2のモータの駆動を制御するための第1の制御信号を、前記第1の駆動回路及び前記第2の駆動回路に出力する第1の制御装置と、を備えている。前記第1の駆動回路は、前記第1の制御信号に基づいて前記第1のモータを駆動させる第1の駆動信号を生成する。前記第2の駆動回路は、前記第1の制御信号に基づいて前記第2のモータを駆動させる第2の駆動信号を生成する。前記第1の駆動回路は、前記第2の駆動回路が前記第2の駆動信号を生成しているときは前記第1の駆動信号を生成不能に構成される一方で、前記第2の駆動回路が前記第2の駆動信号を生成していないときに前記第1の駆動信号を生成可能に構成されている。前記第2の駆動回路は、前記第1の駆動回路が前記第1の駆動信号を生成しているときは前記第2の駆動信号を生成不能に構成される一方で、前記第1の駆動回路が前記第1の駆動信号を生成していないときに前記第2の駆動信号を生成可能に構成されている。
【0006】
上記の基板作業機では、制御装置が、第1の駆動回路及び第2の駆動回路の双方に、第1のモータ及び第2のモータの駆動を制御するための第1の制御信号を出力する。第1の駆動回路は、第2の駆動回路が第2の駆動信号を生成しているときは第1の駆動信号を生成不能に構成される一方で、第2の駆動回路が第2の駆動信号を生成していないときに第1の駆動信号を生成可能に構成されている。また、第2の駆動回路は、第1の駆動回路が第1の駆動信号を生成しているときは第2の駆動信号を生成不能に構成される一方で、第1の駆動回路が第1の駆動信号を生成していないときに第2の駆動信号を生成可能に構成されている。ここで、上記の基板作業機では、第1のモータと第2のモータとが、所定の作業中に同時に駆動されない。すなわち、この基板作業機では、所定の作業において、一方のモータが駆動されている間は、他方のモータが駆動されることがない。このため、いずれかの駆動信号のみが生成可能に構成されても(すなわち、2つのモータを同時に駆動させることが不能な構成であっても)基板に対する作業が滞ることがない。このように、上記の基板作業機では、所定の作業中に同時には駆動されない2つのモータの駆動を、単一の制御装置により制御する。したがって、この基板作業機によれば、2つのモータのそれぞれに対して専用の制御装置を設けることを要さず、簡易な制御構成とすることができる。また、複数のモータで制御装置を兼用できるため、省スペースを実現することができるとともに、コストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図2】基板作業機10の制御系の構成を部分的に示す図。
【
図3】サーボモータ58a、58bを駆動するときの各値の変化を示すグラフ。
【
図4】サーボモータ27a、27b、47を駆動するときの各値の変化を示すグラフ。
【
図5】変形例の基板作業機の制御系の構成を部分的に示す図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本技術の一実施形態では、第3のモータと、前記第3のモータに接続されている第3の駆動回路と、前記第3の駆動回路に、前記第3のモータの駆動を制御するための第2の制御信号を出力する第2の制御装置と、をさらに備えてもよい。前記第3の駆動回路は、前記第2の制御信号に基づいて前記第3のモータを駆動させる第3の駆動信号を生成してもよい。
【0009】
このような構成では、第1の駆動信号と第3の駆動信号、又は、第2の駆動信号と第3の駆動信号とを、同じタイミングで出力することが可能となる。すなわち、この構成では、第3のモータを、第1のモータ又は第2のモータと同時に駆動することが可能となる。
【0010】
本技術の一実施形態では、前記第1のモータにより動作する第1の稼働部と、前記第2のモータにより動作する第2の稼働部と、をさらに備えてもよい。前記第1の稼働部の稼働範囲の少なくとも一部が、前記第2の稼働部の稼働範囲の少なくとも一部と重複してもよい。
【0011】
この構成では、第1の稼働部と第2の稼働部とが同時に稼働した場合、両者が干渉し得る位置関係に配置されている。すなわち、第1のモータと第2のモータのそれぞれを同時に駆動すると、両者が干渉してしまう可能性がある。このような場合に、例えば、第1の稼働部と第2の稼働部の一方を他方と干渉しない位置に退避させ、他方の稼働部のみを稼働すれば、2つの稼働部が干渉することを確実に回避することができる。したがって、第1のモータの駆動と第2のモータの駆動とを単一の制御装置により同時に駆動しないように制御することで、2つの稼働部が干渉することを容易に実現しながら、省スペースかつ低コストを実現することができる。
【0012】
本技術の一実施形態では、前記所定の作業は、前記基板を処理位置まで搬入する搬入作業、前記基板に対して処理を実行する処理作業、又は、前記基板を処理位置から搬出する搬出作業であってもよい。
【0013】
これらの作業は、同時に行われることはなく、搬入作業が行われてから処理作業が行われ、処理作業が行われてから搬出作業が行われる。また、これらの作業を行う稼働部は、処理位置に位置する基板にアクセスする必要がある。すなわち、これらの作業を行う稼働部は、相互に干渉する可能性がある。このため、これらの作業を実行する各稼働部を動作させるモータの駆動を、本技術によって好適に制御することができる。
【0014】
本技術の一実施形態では、前記第1の制御信号は、前記第1の駆動回路及び前記第2の駆動回路のそれぞれに同時に入力してもよい。前記第1の制御装置は、第1の信号を前記第1の駆動回路に出力するとともに、前記第1の信号を出力する期間とは異なる期間に第2の信号を前記第2の駆動回路に出力してもよい。前記第1の駆動回路は、前記第1の信号が入力される場合に前記第1の駆動信号を生成してもよく、前記第2の駆動回路は、前記第2の信号が入力される場合に前記第2の駆動信号を生成してもよい。
【0015】
この構成では、第1の制御信号が第1の駆動回路及び第2の駆動回路に同時に入力される一方、第1の駆動回路及び第2の駆動回路は、第1の信号及び第2の信号の入力に応じて各駆動信号を生成する。すなわち、第1の制御装置は、第1の駆動回路及び第2の駆動回路に別々に制御信号を出力するのではなく、各駆動回路に同時に第1の制御信号を出力する一方で、各駆動回路に各駆動信号を生成すべき期間を指示する第1の信号及び第2の信号を出力する。ここで、第1の信号及び第2の信号は、駆動信号を生成すべき期間を指示するだけであるため簡易に生成することができる。このように、上記の構成では、各駆動回路に異なる制御信号を出力する必要がないため、簡易な処理によって第1のモータ及び第2のモータの駆動を制御することができる。
【0016】
(実施例)
以下、図面を参照して、実施例の基板作業機10について説明する。基板作業機10は、回路基板Cに、はんだを印刷する印刷装置である。通常、印刷装置は、電子部品実装機等と共に併設されて実装ラインを構成する。印刷装置がはんだを印刷した回路基板Cは、電子部品実装機に送り出される。電子部品実装機は、はんだが印刷された回路基板Cに、複数の電子部品を実装する。
【0017】
図1に示すように、基板作業機10は、メインコントローラ20と、インターフェース装置22と、回路基板位置決め装置24と、撮像装置26と、マスク28と、スキージ装置30を備えている。以下の説明では、基板作業機10において、回路基板Cの搬送方向をX方向とし、水平面内でX方向に直交する方向をY方向とし、X方向及びY方向に直交する方向をZ方向とする。
【0018】
メインコントローラ20は、プログラム等を記憶する記憶装置と、記憶装置に記憶されたプログラムを実行するプロセッサと、実装ラインの全体の動作を管理する生産管理コンピュータ(不図示)と通信する通信装置を備えている。メインコントローラ20は、生産管理コンピュータからの指示に従って、基板作業機10の全体の動作を制御する。また、メインコントローラ20は、基板作業機10におけるはんだ印刷処理の状態を示すデータを生産管理コンピュータへ送信する。
【0019】
インターフェース装置22は、モニタ等を介して作業者に対して基板作業機10の設定状態や作業状態を表示すると共に、スイッチ等を介して作業者からの各種の入力を受け付ける。
【0020】
回路基板位置決め装置24は、Y方向移動機構40と、X方向移動機構42と、回転機構44と、昇降機構46と、搬送機構48と、クランプ機構50と、サポート機構52を備えている。
【0021】
Y方向移動機構40は、基板作業機10の基台に支持されている。Y方向移動機構40は、基板作業機10の基台に対してY方向に相対移動可能に構成されている。X方向移動機構42は、Y方向移動機構40に支持されている。X方向移動機構42は、Y方向移動機構40に対してX方向に相対移動可能に構成されている。回転機構44は、X方向移動機構42に支持されている。回転機構44は、X方向移動機構42に対してZ軸周りに相対回転可能に構成されている。昇降機構46は、回転機構44に支持されている。昇降機構46は、サーボモータ47(
図2参照)により駆動され、回転機構44に対してZ方向に相対移動可能に構成されている。
【0022】
搬送機構48、クランプ機構50、及び、サポート機構52は、昇降機構46に支持されている。搬送機構48は、X方向に沿って配置されている一対のコンベアベルト54を備えている。搬送機構48は、それぞれのコンベアベルト54を駆動するサーボモータ58a(
図2参照)を備えている。回路基板CのY方向の両端を一対のコンベアベルト54の上に載置し、サーボモータ58aを駆動することで、回路基板CがX方向に搬送される。また、搬送機構48は、一対のコンベアベルト54の間隔を調整するためのサーボモータ58b(
図2参照)を備えている。サーボモータ58bを駆動することにより、一対のコンベアベルト54が、回路基板Cのサイズに応じた間隔に調整される。
【0023】
クランプ機構50は、回路基板CをY方向の両端から挟持して、所望の幅で回路基板Cを保持することができる。サポート機構52は、クランプ機構50によって保持された回路基板Cの下面に複数のサポートピン56の先端を当接させて、回路基板Cを下面側から支持することができる。
【0024】
マスク28は、矩形状に形成された金属製の板状部材であって、基板作業機10の基台に対して位置を固定されたマスク支持枠69によって4辺を支持されている。マスク28の中央部には、回路基板Cに印刷するはんだのパターンに対応して開口部が形成されている。以下では、マスク28に形成された開口を印刷パターンともいう。
【0025】
撮像装置26は、回路基板位置決め装置24の側方に配置されている。撮像装置26は、カメラ26aと、カメラ26aをX方向に駆動するサーボモータ27a(
図2参照)と、カメラ26aをY方向に駆動するサーボモータ27b(
図2参照)を備えている。サーボモータ27a、27bを駆動することで、カメラ26aがXY平面を移動して、クランプ機構50及びサポート機構52によって保持された回路基板Cの上面、及び、マスク28の下面を撮像する。カメラ26aによって撮像された回路基板C及びマスク28の画像は、両者を正確に位置決めするために利用される。
【0026】
スキージ装置30は、Y方向移動機構70と、スキージヘッド74a、74bと、スキージ76a、76bを備えている。
【0027】
Y方向移動機構70は、基板作業機10の基台に支持されている。Y方向移動機構70は、基台に対してY方向に相対移動可能に構成されている。スキージヘッド74a、74bは、Y方向移動機構70に支持されている。スキージヘッド74a、74bは、Y方向移動機構70に対してZ方向に相対移動可能に構成されている。
【0028】
スキージ76a、76bは、スキージヘッド74a、74bにそれぞれ支持されている。スキージ76a、76bは、スキージヘッド74a、74bに対して傾動可能に構成されている。スキージ76a、76bは、はんだ供給装置(不図示)からマスク28の上面に供給されるはんだを印刷パターン上でスキージングする。
【0029】
基板作業機10はさらに、図示しない搬入装置と搬出装置を備えている。搬入装置は、実装ラインの上流側から基板作業機10に送られてくる回路基板Cを受け取り、受け取った回路基板Cを回路基板位置決め装置24の搬送機構48に送り出す。搬出装置は、回路基板位置決め装置24の搬送機構48から送り出される回路基板Cを受け取り、実装ラインの下流側に送り出す。
【0030】
次に、基板作業機10の動作について説明する。実装ラインの上流側から回路基板Cが送られてくると、メインコントローラ20は、搬入装置を駆動して回路基板Cを受け取る。そして、搬送機構48が搬入装置から回路基板Cを受け取ることが可能な位置となるように、メインコントローラ20は、Y方向移動機構40、X方向移動機構42、回転機構44、及び、昇降機構46を駆動する。そして、メインコントローラ20は、搬入装置と搬送機構48を駆動して、搬入装置から搬送機構48へ回路基板Cを受け渡す。
【0031】
回路基板Cが搬送機構48に受け渡されると、メインコントローラ20は、搬送機構48を駆動して、マスク28の印刷パターンに対応するX方向位置まで回路基板Cを搬入する。次いで、メインコントローラ20は、クランプ機構50とサポート機構52を駆動して回路基板Cを保持する。そして、メインコントローラ20は、カメラ26aを用いて、回路基板Cの上面及びマスク28の下面の撮像を行う。メインコントローラ20は、カメラ26aによって撮像した画像データを処理して、回路基板Cとマスク28の間の位置ずれを検出する。位置ずれが検出されると、メインコントローラ20は、Y方向移動機構40、X方向移動機構42、回転機構44を駆動して、回路基板Cの位置の微調整を行う。そして、メインコントローラ20は、昇降機構46を駆動して回路基板Cを上昇させて、回路基板Cをマスク28の下面に当接させる。
【0032】
上記のような、回路基板Cの位置決めと並行して、メインコントローラ20は、はんだ供給装置によりはんだをマスク28の上面に供給する。回路基板Cがマスク28の下面に当接し、マスク28の上面へはんだが供給されると、メインコントローラ20は、一方のスキージヘッド(例えばスキージヘッド74a)を駆動して、一方のスキージ(例えばスキージ76a)をマスク28の上面に当接させた後、Y方向移動機構70を駆動して、マスク28の印刷パターンに対するスキージングを行う。これによって、マスク28の下面に当接して保持されている回路基板Cに、印刷パターンに応じたパターンで、はんだが印刷される。
【0033】
回路基板Cへのはんだ印刷が完了すると、メインコントローラ20は、スキージヘッド74a、74b、及び、Y方向移動機構70を駆動して、スキージ装置30を待機位置へ復帰させる。また、メインコントローラ20は、昇降機構46、クランプ機構50、サポート機構52を駆動して、回路基板Cを再び搬送機構48に受け渡す。さらに、メインコントローラ20は、搬送機構48が搬出装置へ回路基板Cを受け渡すことが可能な位置となるように、Y方向移動機構40、X方向移動機構42、回転機構44を駆動する。
【0034】
次いで、メインコントローラ20は、搬送機構48と搬出装置を駆動して、搬送機構48から搬出装置へ回路基板Cを受け渡す。その後、メインコントローラ20は、搬出装置を駆動して、実装ラインの下流側へ回路基板Cを送り出す。
【0035】
次に、
図2を参照して、基板作業機10の制御系の構成について説明する。
図2は、基板作業機10の制御系の構成を部分的に示すブロック図である。したがって、基板作業機10の実際の制御系の構成には、図示されていない1又は複数の要素(例えば、インターフェース装置22、スキージ装置30等)が存在する。
図2に示すように、基板作業機10は、上述したメインコントローラ20、サーボモータ27a、27b、47、58a、58bに加え、モータコントローラ60a~60c、及び、モータ駆動回路62a~62eを備えている。
【0036】
図2に示すように、サーボモータ58aは、モータ駆動回路62aを介してモータコントローラ60aに接続されている。サーボモータ58bは、モータ駆動回路62bを介してモータコントローラ60aに接続されている。すなわち、コンベアベルト54を駆動する2つのサーボモータ58a、58bは、モータコントローラ60aに対して並列に接続されている。
【0037】
また、サーボモータ27aは、モータ駆動回路62cを介してモータコントローラ60bに接続されている。サーボモータ27bは、モータ駆動回路62dを介してモータコントローラ60cに接続されている。サーボモータ47は、モータ駆動回路62eを介してモータコントローラ60cに接続されている。すなわち、カメラ26aを駆動する2つのサーボモータ27a、27bは、別々のモータコントローラ60b、60cにそれぞれ接続されている。一方、昇降機構46を駆動するサーボモータ47は、モータコントローラ60cに対してサーボモータ27bと並列に接続されている。
【0038】
各モータコントローラ60a~60cは、メインコントローラ20に接続されている。各モータコントローラ60a~60cには、メインコントローラ20から、各サーボモータの移動量、速度、加速度等の指令値を示す信号Sa、Sb、Scがそれぞれ入力される。モータコントローラ60aは、入力された信号Saに基づいて、サーボモータ58a、58bの駆動を制御するためのパルス信号Paを生成する。パルス信号Paは、信号Saの指令値に等しくなるように、エンコーダ(不図示)の出力信号に基づいて、サーボモータ58a、58bに流れる電流を制御する信号である。モータコントローラ60aは、生成したパルス信号Paをモータ駆動回路62a、62bに出力する。すなわち、モータ駆動回路62a、62bには、同一のパルス信号Paが同時に入力される。モータコントローラ60bは、入力された信号Sbに基づいて、サーボモータ27aの駆動を制御するためのパルス信号Pbを生成する。モータコントローラ60bは、生成したパルス信号Pbをモータ駆動回路62cに出力する。モータコントローラ60cは、入力された信号Scに基づいて、サーボモータ27b、47の駆動を制御するためのパルス信号Pcを生成する。モータコントローラ60cは、生成したパルス信号Pcをモータ駆動回路62d、62eに出力する。すなわち、モータ駆動回路62d、62eには、同一のパルス信号Pcが同時に入力される。
【0039】
また、モータコントローラ60aは、イネーブル信号Ea、Ebを、モータ駆動回路62a、62bのそれぞれに出力する。イネーブル信号Ea、Ebは、入力されたパルス信号Paが有効であることを示すHIGHと、入力されたパルス信号Paが無効であることを示すLOWとの間で変化する信号である。イネーブル信号EaがHIGHである期間は、イネーブル信号EbはLOWに制御される。イネーブル信号EbがHIGHである期間は、イネーブル信号EaはLOWに制御される。モータコントローラ60aは、同時にHIGHとなる期間がないようにイネーブル信号Ea、Ebを制御する。また、モータコントローラ60cは、モータコントローラ60aと同様に、イネーブル信号Ed、Eeを、モータ駆動回路62d、62eのそれぞれに出力する。
【0040】
モータ駆動回路62aは、イネーブル信号EaがHIGHである場合に、入力されたパルス信号Paが有効であると判断し、当該パルス信号Paに基づいて、サーボモータ58aを駆動するための駆動信号Daを生成する。そして、生成した駆動信号Daに基づいてサーボモータ58aを駆動する。モータ駆動回路62b、62d、62eについても同様である。一方、モータ駆動回路62cには、イネーブル信号が入力されない。モータ駆動回路62cは、パルス信号Pbが入力されると、当該パルス信号Pbに基づいて、サーボモータ27aを駆動するための駆動信号Dcを生成する。そして、生成した駆動信号Dcに基づいてサーボモータ27aを駆動する。
【0041】
図3は、モータコントローラ60aが、メインコントローラ20から入力された信号Saに基づいてサーボモータ58a、58bを駆動するときの各値の変化を示している。すなわち、一対のコンベアベルト54の間隔を調整するためのサーボモータ58bと、コンベアベルト54上に載置された回路基板Cを搬送するためのサーボモータ58aとを駆動させる状況を想定している。
【0042】
上述したように、パルス信号Paは、モータ駆動回路62a、62bの双方に入力される。モータコントローラ60aは、入力された信号Saに基づいて、パルス信号Paを、期間T1においてサーボモータ58bを駆動させるための値に制御し、期間T2においてサーボモータ58aを駆動させるための値に制御する。
【0043】
モータコントローラ60aは、パルス信号Paが高電位と低電位の間で周期的に変化する期間T1が到来するよりもわずかに早いタイミングt1で、イネーブル信号EbをLOWからHIGHに変化させる。期間T1では、モータ駆動回路62bに入力されるイネーブル信号EbがHIGHに制御されている。このため、モータ駆動回路62bは、入力されたパルス信号Paが有効であると判断し、駆動信号Dbを生成する。したがって、期間T1の開始タイミングt2において、サーボモータ58bに流れる電流Ibが上昇し始める。すなわち、サーボモータ58bが駆動され、一対のコンベアベルト54の間隔が変化し始める。一方、期間T1では、モータ駆動回路62aに入力されるイネーブル信号EaがLOWに制御されている。このため、モータ駆動回路62aは、入力されたパルス信号Paが無効であると判断し、駆動信号Daを生成しない。このため、サーボモータ58aに流れる電流Iaがゼロに維持される。その後、期間T1が終了するタイミングt3において、サーボモータ58bに流れる電流Ibが減少し始める。また、タイミングt3からわずかに遅いタイミングt4において、モータコントローラ60aは、イネーブル信号EbをHIGHからLOWに変化させる。
【0044】
その後、モータコントローラ60aは、タイミングt4から所定の時間を空けたタイミングt5において、イネーブル信号EaをLOWからHIGHに変化させる。モータコントローラ60aは、期間T2が到来するタイミングt6よりもわずかに早いタイミングt5でイネーブル信号Eaを変化させる。タイミングt4からタイミングt5までの間に、回路基板Cがコンベアベルト54上に載置される。
【0045】
期間T2では、モータ駆動回路62aに入力されるイネーブル信号EaがHIGHに制御されている。このため、モータ駆動回路62aは、入力されたパルス信号Paが有効であると判断し、駆動信号Daを生成する。したがって、期間T2の開始タイミングt6において、サーボモータ58aに流れる電流Iaが上昇し始める。すなわち、サーボモータ58aが駆動され、コンベアベルト54が回転し始め、回路基板Cが搬送される。一方、期間T2では、モータ駆動回路62bに入力されるイネーブル信号EbがLOWに制御されている。このため、モータ駆動回路62bは、入力されたパルス信号Paが無効であると判断し、駆動信号Dbを生成しない。このため、サーボモータ58bに流れる電流Ibがゼロに維持される。その後、期間T2が終了するタイミングt7において、サーボモータ58aに流れる電流Iaが減少し始める。また、タイミングt7からわずかに遅いタイミングt8において、モータコントローラ60aは、イネーブル信号EaをHIGHからLOWに変化させる。
【0046】
以上に説明したように、本実施例では、一対のコンベアベルト54の幅変えを行うためのサーボモータ58bの駆動と、コンベアベルト54により回路基板Cを搬送するためのサーボモータ58aの駆動とが、単一のモータコントローラ60aにより制御される。コンベアベルト54の幅変えと、コンベアベルト54による回路基板Cの搬送とは、同時に実行されない。すなわち、サーボモータ58a、58bは、同時に駆動されることがない。本実施例では、このような関係にある2つのサーボモータ58a、58bを駆動するモータ駆動回路62a、62bに対して、単一のモータコントローラ60aが同一のパルス信号Paを出力する。そして、当該モータコントローラ60aがイネーブル信号Ea、Ebをモータ駆動回路62a、62bのそれぞれに出力することにより、実際に駆動させるサーボモータを選択する。このように、本実施例では、同時に駆動することがないサーボモータ58a、58bを単一のモータコントローラ60aにより制御するため、サーボモータ58a、58bのそれぞれに対して専用のモータコントローラを設ける必要がない。したがって、制御構成を簡易にでき、かつ、省スペースを実現することができるとともに、コストを低減することができる。
【0047】
また、本実施例では、モータコントローラ60aは、同一のパルス信号Paを同時に各モータ駆動回路62a、62bに出力する。このため、各モータ駆動回路62a、62bに異なるパルス信号を出力する必要がないため、簡易な処理によって各サーボモータ58a、58bの駆動を制御することができる。
【0048】
また、モータコントローラ60aは、サーボモータ58bを駆動すべき期間である期間T1よりも長い期間(すなわち、タイミングt1からタイミングt4までの期間)に亘ってイネーブル信号EbをHIGHに制御し、サーボモータ58aを駆動すべき期間である期間T2よりも長い期間(すなわち、タイミングt5からタイミングt8までの期間)に亘ってイネーブル信号EaをHIGHに制御する。このように、イネーブル信号Ea、Ebに、パルス信号Paに対するマージンを設けることによって、パルス信号Paに応じた正確な動作を実行させることができる。
【0049】
(対応関係)
なお、上記の説明において、サーボモータ58a、サーボモータ58bが、それぞれ「第1のモータ」、「第2のモータ」の一例である。モータ駆動回路62a、モータ駆動回路62bが、それぞれ「第1の駆動回路」、「第2の駆動回路」の一例である。モータコントローラ60aが、「第1の制御装置」の一例である。パルス信号Paが、「第1の制御信号」の一例である。駆動信号Da、駆動信号Dbが、それぞれ「第1の駆動信号」、「第2の駆動信号」の一例である。HIGHに制御されたイネーブル信号Ea、HIGHに制御されたイネーブル信号Ebが、それぞれ「第1の信号」、「第2の信号」の一例である。
【0050】
続いて、実施例の基板作業機10において、モータコントローラ60bが、入力された信号Sbに基づいてサーボモータ27aを駆動し、モータコントローラ60cが、入力された信号Scに基づいてサーボモータ27b、47を駆動する場合について説明する。すなわち、カメラ26aを駆動するためのサーボモータ27a、27bと、昇降機構46を駆動するためのサーボモータ47を駆動させる状況を想定している。
図4は、この場合の各値の変化を示している。上述したように、パルス信号Pcは、モータ駆動回路62d、62eの双方に入力される。
【0051】
モータコントローラ60bは、入力された信号Sbに基づいて、パルス信号Pbを、期間T3においてサーボモータ27aを駆動させるための値に制御する。また、モータコントローラ60cは、入力された信号Scに基づいて、パルス信号Pcを、期間T3においてサーボモータ27bを駆動させるための値に制御し、期間T4においてサーボモータ47を駆動させるための値に制御する。
【0052】
モータコントローラ60cは、パルス信号Pcが高電位と低電位の間で周期的に変化する期間T3が到来するよりもわずかに早いタイミングt11で、イネーブル信号EdをLOWからHIGHに変化させる。期間T3では、モータ駆動回路62dに入力されるイネーブル信号EdがHIGHに制御されている。このため、モータ駆動回路62dは、入力されたパルス信号Pcが有効であると判断し、駆動信号Ddを生成する。したがって、期間T3の開始タイミングt12において、サーボモータ27bに流れる電流Idが上昇し始める。すなわち、サーボモータ27bが駆動され、カメラ26aがY方向に駆動される。
【0053】
また、期間T3では、モータ駆動回路62cに入力されるパルス信号Pbが高電位と低電位の間で周期的に変化している。このため、モータ駆動回路62cは、駆動信号Dcを生成する。したがって、期間T3の開始タイミングt12において、サーボモータ27aに流れる電流Icも上昇し始める。すなわち、サーボモータ27aが駆動され、カメラ26aがX方向に駆動される。このように、期間T3では、カメラ26aがX方向及びY方向に同時に駆動されることで、XY平面を予め定められた位置(すなわち、回路基板Cの上方)まで移動する。
【0054】
一方、期間T3では、モータ駆動回路62eに入力されるイネーブル信号EeがLOWに制御されている。このため、モータ駆動回路62eは、入力されたパルス信号Pcが無効であると判断し、駆動信号Deを生成しない。このため、サーボモータ47に流れる電流Ieがゼロに維持される。その後、期間T3が終了するタイミングt13において、サーボモータ27a、27bに流れる電流Ic、Idが減少し始める。また、タイミングt13からわずかに遅いタイミングt14において、モータコントローラ60cは、イネーブル信号EdをHIGHからLOWに変化させる。
【0055】
その後、モータコントローラ60cは、タイミングt14から所定の時間を空けたタイミングt15において、イネーブル信号EeをLOWからHIGHに変化させる。モータコントローラ60cは、期間T4が到来するタイミングt16よりもわずかに早いタイミングt15でイネーブル信号Eeを変化させる。なお、
図4には図示していないが、タイミングt14からタイミングt15までの間に、カメラ26aが待機位置まで移動する。
【0056】
期間T4では、モータ駆動回路62eに入力されるイネーブル信号EeがHIGHに制御されている。このため、モータ駆動回路62eは、入力されたパルス信号Pcが有効であると判断し、駆動信号Deを生成する。したがって、期間T4の開始タイミングt16において、サーボモータ47に流れる電流Ieが上昇し始める。すなわち、サーボモータ47が駆動され、昇降機構46が上昇し始め、回路基板Cがマスク28の下面に当接される。一方、期間T4では、モータ駆動回路62dに入力されるイネーブル信号EdがLOWに制御されている。このため、モータ駆動回路62dは、入力されたパルス信号Pcが無効であると判断し、駆動信号Ddを生成しない。このため、サーボモータ27bに流れる電流Idがゼロに維持される。また、期間T4では、パルス信号Pbが低電位に維持される。このため、モータ駆動回路62cは駆動信号Dcを生成せず、サーボモータ27aに流れる電流Icはゼロに維持される。その後、期間T4が終了するタイミングt17において、サーボモータ47に流れる電流Ieが減少し始める。また、タイミングt17からわずかに遅いタイミングt18において、モータコントローラ60cは、イネーブル信号EeをHIGHからLOWに変化させる。
【0057】
以上に説明したように、本実施例では、カメラ26aをY方向へ移動させるためのサーボモータ27bの駆動と、昇降機構46を昇降させるためのサーボモータ47の駆動とが、単一のモータコントローラ60cにより制御される。すなわち、上述した例と同様に、同時に稼働されないカメラ26aと昇降機構46とを駆動するサーボモータ27b、47については、単一のモータコントローラ60cにより制御する。
【0058】
一方で、カメラ26aをX方向へ移動させるためのサーボモータ27aの駆動は、サーボモータ27bの駆動の制御とは異なるモータコントローラ60bにより制御される。カメラ26aは、X方向及びY方向に同時に移動させることにより、X方向の移動とY方向の移動とを別々に実行する場合と比較して移動距離が短くなる。このように、本実施例では、同時に駆動させることにより作業効率が向上するモータ(サーボモータ27a、27b)については、別々のモータコントローラ60b、60cにより制御することで、作業時間を短縮することができる。
【0059】
なお、
図1に示すように、カメラ26aは、X方向の移動においては他の構成要素と干渉することがない一方、Y方向の移動においては、他の構成要素と干渉し得る。例えば、カメラ26aをY方向に移動して昇降機構46の上方に位置させた場合、昇降機構46が上昇すると、カメラ26aと昇降機構46とが干渉する。すなわち、カメラ26aの稼働範囲の一部と、昇降機構46の稼働範囲の一部とが重複している。本実施例では、このような位置関係にある稼働部(すなわち、カメラ26aと昇降機構46)の駆動を単一のモータコントローラ60cにより制御する。このような位置関係にある稼働部は、例えば、カメラ26aを昇降機構46と干渉しない位置に退避させた状態で昇降機構46のみを稼働させる等、同時に稼働しないようにすることで両者の干渉を容易に回避することができる。また、それぞれの稼働部に対してモータコントローラを設けた場合、両者が干渉しないようにプログラムを生成する必要があり、制御が複雑になるため、本明細書に開示の技術が有用である。
【0060】
(対応関係)
なお、上記の説明において、サーボモータ27b、サーボモータ47、サーボモータ27aが、それぞれ「第1のモータ」、「第2のモータ」、「第3のモータ」の一例である。モータ駆動回路62d、モータ駆動回路62e、モータ駆動回路62cが、それぞれ「第1の駆動回路」、「第2の駆動回路」、「第3の駆動回路」の一例である。モータコントローラ60c、モータコントローラ60bが、それぞれ「第1の制御装置」、「第2の制御装置」の一例である。パルス信号Pc、パルス信号Pbが、それぞれ「第1の制御信号」、「第2の制御信号」の一例である。駆動信号Dd、駆動信号De、駆動信号Dcが、それぞれ「第1の駆動信号」、「第2の駆動信号」、「第3の駆動信号」の一例である。HIGHに制御されたイネーブル信号Ed、HIGHに制御されたイネーブル信号Eeが、それぞれ「第1の信号」、「第2の信号」の一例である。カメラ26a、昇降機構46が、それぞれ「第1の稼働部」、「第2の稼働部」の一例である。
【0061】
上述した実施例では、駆動すべきサーボモータをイネーブル信号の値によって選択する構成であった。しかしながら、例えば、
図5に示すように、モータコントローラ60aとモータ駆動回路62a、62bとを接続する配線のそれぞれにスイッチング素子110a、110bを介装して、スイッチング素子110a、110bを交互にスイッチングさせることによりパルス信号Paをモータ駆動回路62a、62bの一方に選択的に入力するように構成してもよい。
【0062】
また、上述した実施例では、各モータコントローラ60a~60cがパルス信号Pa~Pcを出力したが、各モータコントローラ60a~60cが出力する信号は、例えば、アナログ信号であってもよい。この場合、各モータ駆動回路62a~62eには、各モータコントローラ60a~60cから入力されたアナログ信号をデジタル信号に変換するAD変換回路が設けられてよい。また、モータ駆動回路62aは、AD変換器により変換されたデジタル信号に基づくサーボモータ58aの移動量をモータコントローラ60aにフィードバックしてもよい。モータコントローラ60aは、当該フィードバックに基づき、アナログ信号を生成してもよい。モータ駆動回路62b~62eについても同様である。
【0063】
また、上述した実施例では、サーボモータ58a、58bの駆動を制御するモータコントローラ60aと、サーボモータ27aの駆動を制御するモータコントローラ60bとが別体で構成されていた。しかしながら、サーボモータ58a、58b、27aの駆動は、単一のモータコントローラにより制御してもよい。サーボモータ58a、58b、27b、47についても同様である。すなわち、同時に駆動しない複数のサーボモータの駆動については、特に数を限定することなく単一のモータコントローラにより制御してもよい。
【0064】
また、上述した実施例では、基板作業機10が、回路基板Cにはんだを印刷する印刷装置である場合について説明した。しかしながら、基板作業機10は、基板に対して電子部品を実装する電子部品実装機等、基板に対して所定の作業を実行する装置であればよい。
【0065】
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0066】
10:基板作業機
20:メインコントローラ
22:インターフェース装置
24:回路基板位置決め装置
26:撮像装置
26a:カメラ
27a、27b:サーボモータ
28:マスク
30:スキージ装置
40:Y方向移動機構
42:X方向移動機構
44:回転機構
46:昇降機構
47:サーボモータ
48:搬送機構
50:クランプ機構
52:サポート機構
54:コンベアベルト
58a、58b:サーボモータ
60a、60b、60c:モータコントローラ
62a~62e:モータ駆動回路