(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-27
(45)【発行日】2024-10-07
(54)【発明の名称】分配器及び熱交換器ユニット
(51)【国際特許分類】
F25B 41/42 20210101AFI20240930BHJP
F28F 9/02 20060101ALI20240930BHJP
F16L 41/02 20060101ALI20240930BHJP
F16L 55/00 20060101ALI20240930BHJP
【FI】
F25B41/42
F28F9/02 301A
F16L41/02
F16L55/00 H
(21)【出願番号】P 2020085230
(22)【出願日】2020-05-14
【審査請求日】2023-04-24
(73)【特許権者】
【識別番号】390019839
【氏名又は名称】三星電子株式会社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】129,Samsung-ro,Yeongtong-gu,Suwon-si,Gyeonggi-do,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100118108
【氏名又は名称】久保 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100125346
【氏名又は名称】尾形 文雄
(72)【発明者】
【氏名】李 相武
(72)【発明者】
【氏名】高橋 正敏
(72)【発明者】
【氏名】伊野波 亮
(72)【発明者】
【氏名】田島 一繁
【審査官】寺川 ゆりか
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/173256(WO,A1)
【文献】特開2001-304775(JP,A)
【文献】特開昭63-271099(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第01798505(EP,A2)
【文献】米国特許出願公開第2010/0270012(US,A1)
【文献】国際公開第2006/028148(WO,A1)
【文献】特開2020-056511(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25B 41/42
F28F 9/02
F16L 41/02
F16L 55/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状の外管と、
前記外管に接続された複数の枝管と
を備え、
前記複数の枝管のうちの少なくとも2つの枝管は、縮流部の内径及び前記外管への挿入長さの少なくとも何れか一方が異なるように構成され
、
前記外管の内面のうち、前記枝管が接続された部分の内面のみに突起が設けられていることを特徴とする分配器。
【請求項2】
前記外管は、円筒状を有することを特徴とする請求項1に記載の分配器。
【請求項3】
前記外管は、角筒状を有することを特徴とする請求項1に記載の分配器。
【請求項4】
前記突起は、前記枝管の挿入方向における前記外管の内面に設けられていることを特徴とする
請求項1に記載の分配器。
【請求項5】
前記枝管の前記外管に接続された側とは反対側に分岐管が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の分配器。
【請求項6】
前記外管は、長手方向の軸の周りでねじられていることを特徴とする請求項1に記載の分配器。
【請求項7】
筒状の他の外管と、
前記他の外管に接続された複数の他の枝管と
を更に備え、
前記他の外管は、前記軸の周りでねじられており、
前記複数の他の枝管のうちの少なくとも2つの他の枝管は、内径及び前記他の外管への挿入長さの少なくとも何れか一方が異なるように構成されていることを特徴とする
請求項6に記載の分配器。
【請求項8】
筒状の外管と、
前記外管に接続された複数の枝管と
を備え、
前記複数の枝管のうちの少なくとも2つの枝管は、前記外管に挿入された部分の何れかの面に設けられた穴の径が異なるように構成され
、
前記外管の内面のうち、前記枝管が接続された部分の内面のみに突起が設けられていることを特徴とする分配器。
【請求項9】
内部を通過する流体を分配する分配器と、
前記分配器により分配された流体と、空気との間で、熱交換を行う熱交換器と
を含み、
前記分配器は、
筒状の外管と、
前記外管に接続された複数の枝管と
を備え、
前記複数の枝管のうちの少なくとも2つの枝管は、縮流部の内径及び前記外管への挿入長さの少なくとも何れか一方が異なるように構成され
、
前記外管の内面のうち、前記枝管が接続された部分の内面のみに突起が設けられていることを特徴とする熱交換器ユニット。
【請求項10】
内部を通過する流体を分配する分配器と、
前記分配器により分配された流体と、空気との間で、熱交換を行う熱交換器と
を含み、
前記分配器は、
筒状の外管と、
前記外管に接続された複数の枝管と
を備え、
前記複数の枝管のうちの少なくとも2つの枝管は、前記外管に挿入された部分の何れかの面に設けられた穴の径が異なるように構成され
、
前記外管の内面のうち、前記枝管が接続された部分の内面のみに突起が設けられていることを特徴とする熱交換器ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分配器及び熱交換器ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
内部を流体が通過する分配器本体の上流側に主管を設け、さらに下流側に複数の流出管を設けた分配器において、主管は、流体が流入する入口部分に設けられたディストリビュータと、このディストリビュータと連通する内管と、この内管内を流出管と同数の分配通路を形成するための仕切り体と、内管の周囲を囲い内管内の各分配通路とそれぞれ連通する液溜を形成する外管とを有し、各流出管は主管の対応した液溜と連通している分配器は、知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
筒状の外管に複数の枝管を接続して流体を複数の枝管に分配可能な分配器を構成することがある。その際、複数の枝管のうちの少なくとも2つの枝管の縮流部の内径及び外管への挿入長さを同じにしたのでは、複数の枝管への流体分流を調整できる可能性を高めることができない。
【0005】
本発明の目的は、複数の枝管のうちの少なくとも2つの枝管の縮流部の内径及び外管への挿入長さを同じにした場合に比較して、複数の枝管への流体分流を調整できる可能性を高めることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる目的のもと、本発明は、筒状の外管と、外管に接続された複数の枝管とを備え、複数の枝管のうちの少なくとも2つの枝管は、縮流部の内径及び外管への挿入長さの少なくとも何れか一方が異なるように構成されている分配器を提供する。
【0007】
外管は、円筒状を有する、ものであってもよいし、角筒状を有する、ものであってもよい。
【0008】
分配器は、外管の内面に突起が設けられている、ものであってよい。その場合、突起は、枝管の挿入方向における外管の内面に設けられている、ものであってよい。また、枝管が接続された位置における外管の内面に設けられている、ものであってもよい。
【0009】
分配器は、枝管の外管に接続された側とは反対側に分岐管が設けられている、ものであってよい。
【0010】
外管は、長手方向の軸の周りでねじられている、ものであってよい。その場合、分配器は、筒状の他の外管と、他の外管に接続された複数の他の枝管とを更に備え、他の外管は、軸の周りでねじられており、複数の他の枝管のうちの少なくとも2つの他の枝管は、内径及び他の外管への挿入長さの少なくとも何れか一方が異なるように構成されている、ものであってよい。
【0011】
また、本発明は、筒状の外管と、外管に接続された複数の枝管とを備え、複数の枝管のうちの少なくとも2つの枝管は、外管に挿入された部分の何れかの面に設けられた穴の径が異なるように構成されている分配器も提供する。
【0012】
更に、本発明は、内部を通過する流体を分配する分配器と、分配器により分配された流体と、空気との間で、熱交換を行う熱交換器とを含み、分配器は、筒状の外管と、外管に接続された複数の枝管とを備え、複数の枝管のうちの少なくとも2つの枝管は、縮流部の内径及び外管への挿入長さの少なくとも何れか一方が異なるように構成されている熱交換器ユニットも提供する。
【0013】
更にまた、本発明は、内部を通過する流体を分配する分配器と、分配器により分配された流体と、空気との間で、熱交換を行う熱交換器とを含み、分配器は、筒状の外管と、外管に接続された複数の枝管とを備え、複数の枝管のうちの少なくとも2つの枝管は、外管に挿入された部分の何れかの面に設けられた穴の径が異なるように構成されている熱交換器ユニットも提供する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、複数の枝管のうちの少なくとも2つの枝管の縮流部の内径及び外管への挿入長さを同じにした場合に比較して、複数の枝管への流体分流を調整できる可能性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の第1の実施の形態における分配器の全体構成を示した図である。
【
図3-1】
図1における分配器のA-A断面図の変形例を示した図である。
【
図3-2】枝管ごとに、熱交換器におけるその枝管が接続された冷媒管の高さでの風速と、その枝管に流すのが適切な冷媒流量との関係を示した図である。
【
図4】本発明の第2の実施の形態における分配器の全体構成を示した図である。
【
図5】本発明の第3の実施の形態における分配器のA-A断面図である。
【
図6】本発明の第4の実施の形態における分配器のA-A断面図である。
【
図7】本発明の第5の実施の形態における分配器のA-A断面図である。
【
図8】本発明の第5の実施の形態における分配器のA-A断面図の変形例を示した図である。
【
図9】本発明の第6の実施の形態における分配器の全体構成を示した図である。
【
図10】本発明の第7の実施の形態における分配器の斜視図である。
【
図12】本発明の第8の実施の形態における分配器の斜視図である。
【
図14】本発明の第9の実施の形態における分配器と熱交換器とを含む熱交換器ユニットの全体構成を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[第1の実施の形態]
図1は、第1の実施の形態における分配器1の全体構成を示した図である。分配器1は、内部を通過する流体の一例としての冷媒を分配するものである。そして、図示するように、分配器1は、筒状の外管10と、外管10の冷媒上流側端部に例えば溶接結合された冷媒を誘導するためのインレット部20と、外管10の冷媒下流側端部に例えば溶接結合された冷媒の流れを堰き止めるためのキャップ部30とを備える。尚、インレット部20内には、オリフィス板が設けられるが、オリフィス板は外から見えないため、図示は省略している。また、分配器1は、外管10に設けられた複数のチーズ40と、複数のチーズ
40にそれぞれ挿入されることで外管10に接合され、図示しない熱交換器の冷媒管に接続される複数の枝管50とを備える。尚、ここでは、複数のチーズ40は、一本の外管10に設けられることとしたが、これには限らない。複数の外管10を用意し、複数のチーズ40は、複数の外管10、インレット部20、及びキャップ部30のうちの隣り合うものどうしを結合するために設けられてもよい。この場合も、複数のチーズ40で結合された複数の外管10は、一本の「外管」として捉えることができる。
【0017】
図2は、
図1における分配器1のA-A断面図である。図示するように、外管10には、枝管50が差し込まれている。そして、第1の実施の形態では、複数の枝管50(
図1では5本の枝管50)の間で、縮流部51の内径Dが異なるように構成されている。また、第1の実施の形態では、複数の枝管50(
図1では5本の枝管50)の間で、その挿入長さLが異なるように構成されている。尚、ここでは、複数の枝管50の間で、縮流部51の内径D及び枝管50の挿入長さLの両方が異なるように構成したが、この限りではない。複数の枝管50のうちの少なくとも2つの枝管50の間で、縮流部51の内径D及び枝管50の挿入長さLの少なくとも何れか一方が異なるように構成してもよい。
【0018】
図3-1(a),(b)は、
図1における分配器1のA-A断面図の変形例を示した図である。
図2では、枝管50に縮流部51を設け、その先端を冷媒流入口としたが、
図3-1(a),(b)では、枝管50に縮流部51を設けず、枝管50の何れかの面に冷媒流入口を設けている。具体的には、
図3-1(a)では、枝管50の前面に前面穴52を設け、これを冷媒流入口としている。この場合は、複数の枝管50(
図1では5本の枝管50)の間で、前面穴52の径が異なるように構成されている。
図3-1(b)では、枝管50の側面に側面穴53,54を設け、これを冷媒流入口としている。この場合は、複数の枝管50(
図1では5本の枝管50)の間で、側面穴53,54の径が異なるように構成されている。また、この変形例でも、複数の枝管50(
図1では5本の枝管50)の間で、その挿入長さLが異なるように構成されている。尚、ここでは、複数の枝管50の間で、前面穴52や側面穴53,54の径及び枝管50の挿入長さLの両方が異なるように構成したが、この限りではない。複数の枝管50のうちの少なくとも2つの枝管50の間で、前面穴52や側面穴53,54の径及び枝管50の挿入長さLの少なくとも何れか一方が異なるように構成してもよい。
【0019】
このように、第1の実施の形態では、複数の枝管50が、異なる内径D等及び挿入長さLを有するようにした。これにより、冷媒分流を調整することができて、熱交換能力を増大することができるようになった。
【0020】
次に、複数の枝管50の間で、縮流部51の内径D及び枝管50の挿入長さLが異なるように構成する具体例について説明する。
図3-2は、枝管50ごとに、熱交換器におけるその枝管50が接続された冷媒管の高さでの風速と、その枝管50に流すのが適切な冷媒流量との関係を示した図である。図から、この熱交換器では、高さが高くなるほど風速が大きくなるので、冷媒流量を多くするとよいことが分かる。冷媒流量を多くするには、縮流部51の内径Dを大きくし、枝管50の挿入長さLを短くすればよい。
【0021】
ここで、
図3-2は、例えば、42本の枝管50を外管10に接続し、この42本の枝管50に冷媒を流した場合について示したものである。この場合、42本の枝管50について、熱交換器における高さが高い冷媒管に接続される枝管50ほど、縮流部51の内径Dを大きくし、枝管50の挿入長さLを短くするのがよい。
【0022】
即ち、風速が大きい領域は熱交換能力が大きいので冷媒流量を多く供給し、風速が小さい領域では熱交換能力が小さいので冷媒流量を少なく供給することが好ましい。そのために、本実施の形態では、風速分布に応じて、縮流部51の内径D及び枝管50の挿入長さ
Lを異ならせて、複数の枝管50への流体分流を調整できる可能性を高めている。
【0023】
この例では、枝管50が接続された冷媒管を熱交換器の高さ方向に並べたので、熱交換器の高さ方向の位置に応じて、縮流部51の内径D及び枝管50の挿入長さLを異ならせることとしたが、この限りではない。
【0024】
縮流部51の内径Dに着目すると、上記の構成は、少なくとも2つの枝管が、熱交換器の空気の流れが速い部分に分配される流体が通過する枝管の縮流部の内径が、熱交換器の空気の流れが遅い部分に分配される流体が通過する枝管の縮流部の内径よりも大きくなるように構成されたものの一例と捉えることができる。
【0025】
また、枝管50の挿入長さLに着目すると、上記の構成は、少なくとも2つの枝管が、熱交換器の空気の流れが速い部分に分配される流体が通過する枝管の1つの外管への挿入長さが、熱交換器の空気の流れが遅い部分に分配される流体が通過する枝管の1つの外管への挿入長さよりも短くなるように構成されたものの一例と捉えることができる。
【0026】
[第2の実施の形態]
図4は、第2の実施の形態における分配器2の全体構成を示した図である。分配器2も、内部を通過する流体の一例としての冷媒を分配するものである。そして、図示するように、分配器2は、筒状の外管10と、外管10の冷媒上流側端部に例えば溶接結合された冷媒を誘導するためのインレット部20と、外管10の冷媒下流側端部に例えば溶接結合された冷媒の流れを堰き止めるためのキャップ部30とを備える。尚、インレット部20内には、オリフィス板が設けられるが、オリフィス板は外から見えないため、図示は省略している。また、分配器2は、外管10に接合され、図示しない熱交換器の冷媒管に接続される複数の枝管50を備える。
【0027】
図4における分配器2のA-A断面図は、
図2の断面図からチーズ40を取り除いたものである。そして、第2の実施の形態でも、複数の枝管50(
図4では5本の枝管50)の間で、縮流部51の内径Dが異なるように構成されている。また、第2の実施の形態でも、複数の枝管50(
図4では5本の枝管50)の間で、その挿入長さLが異なるように構成されている。
【0028】
或いは、
図4における分配器2のA-A断面図は、
図3-1(a),(b)の断面図からチーズ40を取り除いたものである。この場合は、複数の枝管50(
図4では5本の枝管50)の間で、前面穴52や側面穴53,54の径が異なるように構成されている。また、この場合も、複数の枝管50(
図4では5本の枝管50)の間で、その挿入長さLが異なるように構成されている。
【0029】
このように、第2の実施の形態では、複数の枝管50が、異なる内径D等及び挿入長さLを有するようにした。これにより、冷媒分流を調整することができて、熱交換能力を増大することができるようになった。
【0030】
[第3の実施の形態]
第3の実施の形態における分配器3の全体構成は、
図1又は
図4と同様である。分配器3も、内部を通過する流体の一例としての冷媒を分配するものである。但し、第3の実施の形態では、外管10は円筒状とする。即ち、分配器3は、円筒状の外管10と、外管10の冷媒上流側端部に例えば溶接結合された冷媒を誘導するためのインレット部20と、外管10の冷媒下流側端部に例えば溶接結合された冷媒の流れを堰き止めるためのキャップ部30とを備える。また、分配器3は、外管10に設けられた複数のチーズ40と、複数のチーズ40にそれぞれ挿入されることで外管10に接合され、図示しない熱交換器の
冷媒管に接続される複数の枝管50とを備える。或いは、分配器3は、外管10に接合され、図示しない熱交換器の冷媒管に接続される複数の枝管50を備える。
【0031】
図5は、第3の実施の形態における分配器3のA-A断面図である。ここでは、分配器3の全体構成が
図1である場合のA-A断面図を示している。図示するように、外管10には、枝管50が差し込まれている。そして、第3の実施の形態でも、複数の枝管50(
図1では5本の枝管50)の間で、縮流部51の内径Dが異なるように構成されている。また、第3の実施の形態でも、複数の枝管50(
図1では5本の枝管50)の間で、その挿入長さLが異なるように構成されている。更に、第3の実施の形態では、枝管50の挿入方向における外管10の内面に突起部11が設けられている。ここで、突起部11及び枝管50は、枝管50が突起部11に接触しても枝管50の冷媒流入口が閉塞しない(冷媒の流路が確保されている)構造とするのが望ましい。また、突起部11は、外管10の冷媒上流側端部から冷媒下流側端部までの内面全体に設けられてもよいが、外管10の枝管50が挿入された部分の内面のみに設けられてもよい。
【0032】
図5には、枝管50を
図3-1(a),(b)の形状とした変形例もある。この場合は、複数の枝管50(
図1では5本の枝管50)の間で、前面穴52や側面穴53,54の径が異なるように構成されている。また、この場合も、複数の枝管50(
図1では5本の枝管50)の間で、その挿入長さLが異なるように構成されている。更に、この場合も、枝管50の挿入方向における外管10の内面に突起部11が設けられている。
【0033】
また、分配器3の全体構成が
図4である場合のA-A断面図は、
図5の断面図又はその変形例からチーズ40を取り除いたものである。この場合も、複数の枝管50(
図4では5本の枝管50)の間で、縮流部51の内径Dが異なるように構成されている。或いは、複数の枝管50(
図4では5本の枝管50)の間で、前面穴52や側面穴53,54の径が異なるように構成されている。また、この場合も、複数の枝管50(
図4では5本の枝管50)の間で、その挿入長さLが異なるように構成されている。更に、この場合も、枝管50の挿入方向における外管10の内面に突起部11が設けられている。
【0034】
このように、第3の実施の形態では、複数の枝管50が、異なる内径D等及び挿入長さLを有し、枝管50の挿入方向における内面に突起部11を有するようにした。これにより、冷媒分流を調整することができて、熱交換能力を増大することができるようになった。また、突起部11も抵抗として作用するので、突起部11を設けると、更に流量を小さくできる。
【0035】
[第4の実施の形態]
第4の実施の形態における分配器4の全体構成は、
図1又は
図4と同様である。分配器4も、内部を通過する流体の一例としての冷媒を分配するものである。但し、第4の実施の形態では、外管10は角筒状とする。即ち、分配器4は、角筒状の複数の外管10と、外管10の冷媒上流側端部に例えば溶接結合された冷媒を誘導するためのインレット部20と、外管10の冷媒下流側端部に例えば溶接結合された冷媒の流れを堰き止めるためのキャップ部30とを備える。また、分配器4は、外管10に設けられた複数のチーズ40と、複数のチーズ40にそれぞれ挿入されることで外管10に接合され、図示しない熱交換器の冷媒管に接続される複数の枝管50とを備える。或いは、分配器4は、外管10に接合され、図示しない熱交換器の冷媒管に接続される複数の枝管50を備える。
【0036】
図6は、第4の実施の形態における分配器4のA-A断面図である。ここでは、分配器4の全体構成が
図1であり、外管10が四角筒状である場合のA-A断面図を示している。図示するように、外管10には、枝管50が差し込まれている。そして、第4の実施の形態でも、複数の枝管50(
図1では5本の枝管50)の間で、縮流部51の内径Dが異
なるように構成されている。また、第4の実施の形態でも、複数の枝管50(
図1では5本の枝管50)の間で、その挿入長さLが異なるように構成されている。更に、第4の実施の形態では、枝管50の挿入方向における外管10の内面に突起部12が設けられている。ここで、突起部12及び枝管50は、枝管50が突起部12に接触しても枝管50の冷媒流入口が閉塞しない(冷媒の流路が確保されている)構造とするのが望ましい。また、突起部12は、外管10の冷媒上流側端部から冷媒下流側端部までの内面全体に設けられてもよいが、外管10の枝管50が挿入された部分の内面のみに設けられてもよい。
【0037】
図6には、枝管50を
図3-1(a),(b)の形状とした変形例もある。この場合は、複数の枝管50(
図1では5本の枝管50)の間で、前面穴52や側面穴53,54の径が異なるように構成されている。また、この場合も、複数の枝管50(
図1では5本の枝管50)の間で、その挿入長さLが異なるように構成されている。更に、この場合も、枝管50の挿入方向における外管10の内面に突起部12が設けられている。
【0038】
また、分配器4の全体構成が
図4であり、外管10が四角筒状である場合のA-A断面図は、
図6の断面図又はその変形例からチーズ40を取り除いたものである。この場合も、複数の枝管50(
図4では5本の枝管50)の間で、縮流部51の内径Dが異なるように構成されている。或いは、複数の枝管50(
図4では5本の枝管50)の間で、前面穴52や側面穴53,54の径が異なるように構成されている。また、この場合も、複数の枝管50(
図4では5本の枝管50)の間で、その挿入長さLが異なるように構成されている。更に、この場合も、枝管50の挿入方向における外管10の内面に突起部12が設けられている。
【0039】
このように、第4の実施の形態では、複数の枝管50が、異なる内径D等及び挿入長さLを有し、枝管50の挿入方向における内面に突起部12を有するようにした。これにより、冷媒分流を調整することができて、熱交換能力を増大することができるようになった。また、突起部12も抵抗として作用するので、突起部12を設けると、更に流量を小さくできる。
【0040】
[第5の実施の形態]
第5の実施の形態における分配器5の全体構成は、
図1又は
図4と同様である。分配器5も、内部を通過する流体の一例としての冷媒を分配するものである。そして、分配器5は、筒状の複数の外管10と、外管10の冷媒上流側端部に例えば溶接結合された冷媒を誘導するためのインレット部20と、外管10の冷媒下流側端部に例えば溶接結合された冷媒の流れを堰き止めるためのキャップ部30とを備える。また、分配器5は、外管10に設けられた複数のチーズ40と、複数のチーズ40にそれぞれ挿入されることで外管10に接合され、図示しない熱交換器の冷媒管に接続される複数の枝管50とを備える。或いは、分配器5は、外管10に接合され、図示しない熱交換器の冷媒管に接続される複数の枝管50を備える。
【0041】
図7は、第5の実施の形態における分配器5のA-A断面図である。ここでは、分配器5の全体構成が
図1である場合のA-A断面図を示している。図示するように、外管10には、枝管50が差し込まれている。そして、第5の実施の形態でも、複数の枝管50(
図1では5本の枝管50)の間で、縮流部51の内径Dが異なるように構成されている。また、第5の実施の形態でも、複数の枝管50(
図1では5本の枝管50)の間で、その挿入長さLが異なるように構成されている。更に、第5の実施の形態では、外管10の内面全体に三角形状の突起部13が設けられている。
【0042】
図8は、第5の実施の形態における分配器5のA-A断面図の変形例を示した図である。この場合も、複数の枝管50(
図1では5本の枝管50)の間で、縮流部51の内径D
が異なるように構成されている。また、この場合も、複数の枝管50(
図1では5本の枝管50)の間で、その挿入長さLが異なるように構成されている。更に、
図7では、外管10の内面全体に三角形状の突起部13を設けたが、
図8では、外管10の内面全体に台形状の突起部14を設けている。或いは、図示しないが、外管10の内面全体に突起部14に類似した形状である半円形状の突起部を設けてもよい。
【0043】
図7又は
図8には、枝管50を
図3-1(a),(b)の形状とした変形例もある。この場合は、複数の枝管50(
図1では5本の枝管50)の間で、前面穴52や側面穴53,54の径が異なるように構成されている。また、この場合も、複数の枝管50(
図1では5本の枝管50)の間で、その挿入長さLが異なるように構成されている。更に、この場合も、外管10の内面全体に三角形状の突起部13、台形状の突起部14等の突起部が設けられている。
【0044】
また、分配器5の全体構成が
図4である場合のA-A断面図は、
図7若しくは
図8の断面図又はその変形例からチーズ40を取り除いたものである。この場合も、複数の枝管50(
図4では5本の枝管50)の間で、縮流部51の内径Dが異なるように構成されている。或いは、複数の枝管50(
図4では5本の枝管50)の間で、前面穴52や側面穴53,54の径が異なるように構成されている。また、この場合も、複数の枝管50(
図4では5本の枝管50)の間で、その挿入長さLが異なるように構成されている。更に、この場合も、外管10の内面全体に三角形状の突起部13、台形状の突起部14等の突起部が設けられている。
【0045】
このように、第5の実施の形態では、複数の枝管50が、異なる内径D等及び挿入長さLを有し、内面全体に突起部13、突起部14等の突起部を有するようにした。これにより、冷媒分流を調整することができて、熱交換能力を増大することができるようになった。また、突起部13、突起部14等の突起部も抵抗として作用するので、このような突起部を設けると、更に流量を小さくできる。
【0046】
[第6の実施の形態]
図9は、第6の実施の形態における分配器6の全体構成を示した図である。第6の実施の形態における分配器6の全体構成は、基本的には、
図1と同様である。分配器6も、内部を通過する流体の一例としての冷媒を分配するものである。そして、分配器6は、筒状の外管10と、外管10の冷媒上流側端部に例えば溶接結合された冷媒を誘導するためのインレット部20と、外管10の冷媒下流側端部に例えば溶接結合された冷媒の流れを堰き止めるためのキャップ部30とを備える。また、分配器6は、外管10に設けられた複数のチーズ40と、複数のチーズ40にそれぞれ挿入されることで外管10に接合され、図示しない熱交換器の冷媒管に接続される複数の枝管50とを備える。但し、第6の実施の形態では、枝管50の冷媒下流側、つまり、枝管50の外管10に接続された側とは反対側に分岐管の一例としてのY分岐55が設けられている。
【0047】
或いは、第6の実施の形態における分配器6の全体構成は、基本的には、
図4と同様であってもよい。この場合も、分配器6は、内部を通過する流体の一例としての冷媒を分配するものである。そして、分配器6は、筒状の外管10と、外管10の冷媒上流側端部に例えば溶接結合された冷媒を誘導するためのインレット部20と、外管10の冷媒下流側端部に例えば溶接結合された冷媒の流れを堰き止めるためのキャップ部30とを備える。また、分配器6は、外管10に接合され、図示しない熱交換器の冷媒管に接続される複数の枝管50を備える。但し、第6の実施の形態では、枝管50の冷媒下流側、つまり、枝管50の外管10に接続された側とは反対側に分岐管の一例としてのY分岐55が設けられている。
【0048】
図9における分配器6のA-A断面図は、分配器6の全体構成が
図1である場合、
図2又は
図3-1(a),(b)と同様である。第6の実施の形態でも、複数の枝管50(
図1では5本の枝管50)の間で、縮流部51の内径Dが異なるように構成されている。或いは、複数の枝管50(
図1では5本の枝管50)の間で、前面穴52や側面穴53,54の径が異なるように構成されている。また、第6の実施の形態でも、複数の枝管50(
図1では5本の枝管50)の間で、その挿入長さLが異なるように構成されている。
【0049】
また、
図9における分配器6のA-A断面図は、分配器6の全体構成が
図4である場合、
図2又は
図3-1(a),(b)の断面図からチーズ40を取り除いたものである。この場合も、複数の枝管50(
図4では5本の枝管50)の間で、縮流部51の内径Dが異なるように構成されている。或いは、複数の枝管50(
図4では5本の枝管50)の間で、前面穴52や側面穴53,54の径が異なるように構成されている。また、この場合も、複数の枝管50(
図4では5本の枝管50)の間で、その挿入長さLが異なるように構成されている。
【0050】
このように、第6の実施の形態では、複数の枝管50が、異なる内径D等及び挿入長さLを有し、冷媒下流側にY分岐55を有するようにした。これにより、外管10内の冷媒分流だけでなく、熱交換器の冷媒管への冷媒分流も調整することができて、熱交換能力を増大することができるようになった。
【0051】
[第7の実施の形態]
図10は、第7の実施の形態における分配器7の斜視図である。第7の実施の形態における分配器7の全体構成は、基本的には、
図1と同様である。分配器7も、内部を通過する流体の一例としての冷媒を分配するものである。そして、図示するように、分配器7は、筒状の外管10と、外管10に設けられた複数のチーズ40と、複数のチーズ40にそれぞれ挿入されることで外管10に接合され、図示しない熱交換器の冷媒管に接続される複数の枝管50とを備える。また、分配器7は、図示しないが、外管10の冷媒上流側端部に例えば溶接結合された冷媒を誘導するためのインレット部20と、外管10の冷媒下流側端部に例えば溶接結合された冷媒の流れを堰き止めるためのキャップ部30とを備える。但し、第7の実施の形態では、外管10が、分配器7の長手方向の軸の周りで、例えば螺旋状にねじられている。尚、第7の実施の形態では、ねじられた外管10の長手方向における如何なる位置に枝管50を接続してもよい。
【0052】
或いは、第7の実施の形態における分配器7の全体構成は、基本的には、
図4と同様であってもよい。この場合も、分配器7は、内部を通過する流体の一例としての冷媒を分配するものである。そして、分配器7は、筒状の外管10と、外管10の冷媒上流側端部に例えば溶接結合された冷媒を誘導するためのインレット部20と、外管10の冷媒下流側端部に例えば溶接結合された冷媒の流れを堰き止めるためのキャップ部30とを備える。また、分配器7は、外管10に接合され、図示しない熱交換器の冷媒管に接続される複数の枝管50を備える。但し、第7の実施の形態では、外管10が、分配器7の長手方向の軸の周りで、例えば螺旋状にねじられている。尚、第7の実施の形態では、枝管50を、ねじられた外管10の長手方向における如何なる位置に接続してもよい。
【0053】
図11は、
図10における分配器7の下面図である。外管10が螺旋状にねじられているとすると、図示するように、
図10で最も下のチーズ40
3よりも下側の外管10の部分10
4は手前側に見え、チーズ40
3よりも上側の外管10の部分10
3は奥側に見え、これらは重なって見える。
【0054】
第7の実施の形態における分配器7のA-A断面図は、分配器7の全体構成が
図1に基づくものである場合、
図2又は
図3-1(a),(b)と同様である。第7の実施の形態
でも、複数の枝管50(
図10では3本の枝管50)の間で、縮流部51の内径Dが異なるように構成されている。或いは、複数の枝管50(
図10では3本の枝管50)の間で、前面穴52や側面穴53,54の径が異なるように構成されている。また、第7の実施の形態でも、複数の枝管50(
図10では3本の枝管50)の間で、その挿入長さLが異なるように構成されている。
【0055】
また、第7の実施の形態における分配器7のA-A断面図は、分配器7の全体構成が
図4に基づくものである場合、
図2又は
図3-1(a),(b)の断面図からチーズ40を取り除いたものである。この場合も、複数の枝管50(
図10では3本の枝管50)の間で、縮流部51の内径Dが異なるように構成されている。或いは、複数の枝管50(
図10では3本の枝管50)の間で、前面穴52や側面穴53,54の径が異なるように構成されている。また、この場合も、複数の枝管50(
図10では3本の枝管50)の間で、その挿入長さLが異なるように構成されている。
【0056】
このように、第7の実施の形態では、複数の枝管50が、異なる内径D等及び挿入長さLを有し、ねじられるようにした。これにより、気相冷媒及び液相冷媒のミキシング効率を向上し、冷媒分流を調整することができて、熱交換能力を増大することができるようになった。
【0057】
[第8の実施の形態]
図12は、第8の実施の形態における分配器8の斜視図である。図示するように、第8の実施の形態における分配器8は、第1分配器8a~第7分配器8gを含む。
【0058】
第1分配器8a~第7分配器8gのそれぞれの全体構成は、基本的には、
図1と同様である。例えば、第1分配器8aについて説明すると、第1分配器8aも、内部を通過する流体の一例としての冷媒を分配するものである。そして、図示するように、第1分配器8aは、筒状の外管10aと、外管10aに設けられた複数のチーズ40aと、複数のチーズ40aにそれぞれ挿入されることで外管10に接合され、図示しない熱交換器の冷媒管に接続される複数の枝管50aとを備える。また、第1分配器8aは、図示しないが、外管10aの冷媒上流側端部に例えば溶接結合された冷媒を誘導するためのインレット部20aと、外管10aの冷媒下流側端部に例えば溶接結合された冷媒の流れを堰き止めるためのキャップ部30aとを備える。但し、第8の実施の形態では、外管10aが、分配器8の長手方向の軸の周りで、例えば螺旋状にねじられている。また、第2分配器8b~第7分配器8gについても、同様である。この場合、外管10a~10gのそれぞれが、外管又は他の外管の一例であり、枝管50a~50gのそれぞれが、枝管又は他の枝管の一例である。尚、第8の実施の形態では、ねじられた外管10a~10gの分配器8における同じ側(図では右側)でそれぞれ枝管50a~50gを接続するのが望ましい。言い換えると、ねじられた外管10a~10gの略直線状に並ぶ位置に枝管50a~50gを接続するのが望ましい。枝管50a~50gを同じ方向から接続するためである。
【0059】
或いは、第1分配器8a~第7分配器8gのそれぞれの全体構成は、基本的には、
図4と同様であってもよい。この場合も、例えば、第1分配器8aについて説明すると、第1分配器8aは、内部を通過する流体の一例としての冷媒を分配するものである。そして、第1分配器8aは、筒状の外管10aと、外管10aの冷媒上流側端部に例えば溶接結合された冷媒を誘導するためのインレット部20aと、外管10aの冷媒下流側端部に例えば溶接結合された冷媒の流れを堰き止めるためのキャップ部30aとを備える。また、第1分配器8aは、外管10aに接合され、図示しない熱交換器の冷媒管に接続される複数の枝管50aを備える。但し、第8の実施の形態では、外管10aが、分配器8の長手方向の軸の周りで、例えば螺旋状にねじられている。また、第2分配器8b~第7分配器8gについても、同様である。この場合も、外管10a~10gのそれぞれが、外管又は他
の外管の一例であり、枝管50a~50gのそれぞれが、枝管又は他の枝管の一例である。尚、第8の実施の形態では、ねじられた外管10a~10gの分配器8における同じ側(図では右側)でそれぞれ枝管50a~50gを接続するのが望ましい。言い換えると、ねじられた外管10a~10gの略直線状に並ぶ位置に枝管50a~50gを接続するのが望ましい。枝管50a~50gを同じ方向から接続するためである。
【0060】
図13は、
図12における分配器8の下面図である。外管10a~10gが螺旋状にねじられているとすると、図示するように、
図12で最も下のチーズ40gよりも下側の外管10a~10gの部分は手前側に見えているが、チーズ40gよりも上側の外管10a~10gの部分は奥側でこれらと重なって見えていない。
【0061】
第8の実施の形態における第1分配器8a~第7分配器8gのそれぞれのA-A断面図は、第1分配器8a~第7分配器8gのそれぞれの全体構成が
図1に基づくものである場合、
図2又は
図3-1(a),(b)と同様である。例えば、第1分配器8aについて説明すると、第8の実施の形態でも、複数の枝管50a(
図12では3本の枝管50a)の間で、縮流部51の内径Dが異なるように構成されている。或いは、複数の枝管50a(
図12では3本の枝管50a)の間で、前面穴52や側面穴53,54の径が異なるように構成されている。また、第8の実施の形態でも、複数の枝管50a(
図12では3本の枝管50a)の間で、その挿入長さLが異なるように構成されている。また、第2分配器8b~第7分配器8gについても、同様である。
【0062】
また、第8の実施の形態における第1分配器8a~第7分配器8gのそれぞれのA-A断面図は、第1分配器8a~第7分配器8gの全体構成が
図4に基づくものである場合、
図2又は
図3-1(a),(b)の断面図からチーズ40a~40gを取り除いたものである。例えば、第1分配器8aについて説明すると、この場合も、複数の枝管50a(
図12では3本の枝管50a)の間で、縮流部51の内径Dが異なるように構成されている。或いは、複数の枝管50a(
図12では3本の枝管50a)の間で、前面穴52や側面穴53,54の径が異なるように構成されている。また、この場合も、複数の枝管50a(
図12では3本の枝管50a)の間で、その挿入長さLが異なるように構成されている。また、第2分配器8b~第7分配器8gについても、同様である。
【0063】
このように、第8の実施の形態では、複数の枝管50が、異なる内径D等及び挿入長さLを有し、ねじられるようにした。これにより、気相冷媒及び液相冷媒のミキシング効率を向上し、冷媒分流を調整することができて、熱交換能力を増大することができるようになった。
【0064】
[第9の実施の形態]
図14は、第9の実施の形態における分配器9と熱交換器60とを含む熱交換器ユニットの全体構成を示した図である。
【0065】
第9の実施の形態における熱交換器ユニットに含まれる分配器9の全体構成は、
図1又は
図4と同様である。分配器9も、内部を通過する流体の一例としての冷媒を分配するものである。そして、分配器9は、筒状の外管10と、外管10の冷媒上流側端部に例えば溶接結合された冷媒を誘導するためのインレット部20と、外管10の冷媒下流側端部に例えば溶接結合された冷媒の流れを堰き止めるためのキャップ部30とを備える。また、分配器9は、外管10に設けられた複数のチーズ40と、複数のチーズ40にそれぞれ挿入されることで外管10に接合された複数の枝管50とを備える。或いは、分配器9は、外管10に接合された複数の枝管50を備える。
【0066】
図14における分配器9のA-A断面図は、分配器9の全体構成が
図1である場合、図
2又は
図3-1(a),(b)と同様である。第9の実施の形態でも、複数の枝管50(
図1では5本の枝管50)の間で、縮流部51の内径Dが異なるように構成されている。或いは、複数の枝管50(
図1では5本の枝管50)の間で、前面穴52や側面穴53,54の径が異なるように構成されている。また、第9の実施の形態でも、複数の枝管50(
図1では5本の枝管50)の間で、その挿入長さLが異なるように構成されている。
【0067】
また、
図14における分配器9のA-A断面図は、分配器9の全体構成が
図4である場合、
図2又は
図3-1(a),(b)の断面図からチーズ40を取り除いたものである。この場合も、複数の枝管50(
図4では5本の枝管50)の間で、縮流部51の内径Dが異なるように構成されている。或いは、複数の枝管50(
図4では5本の枝管50)の間で、前面穴52や側面穴53,54の径が異なるように構成されている。また、この場合も、複数の枝管50(
図4では5本の枝管50)の間で、その挿入長さLが異なるように構成されている。
【0068】
一方、第9の実施の形態における熱交換器ユニットに含まれる熱交換器60は、分配器9により分配された流体の一例としての冷媒と、空気との間で、熱交換を行うものである。そして、上下方向に予め定められた間隔で並べられた複数枚のフィン61と、各フィン61の挿通穴に挿通されるように平行に設けられた複数の流体管の一例としての複数の冷媒管62と、複数の冷媒管62を流れてきた冷媒を合流させるヘッダ63と、ヘッダ63から冷媒を熱交換器60外に流出させるための外部接続配管64とを備える。
【0069】
そして、分配器9の複数の枝管50が、熱交換器60の複数の冷媒管62とそれぞれ接続される。
【0070】
このように、第9の実施の形態では、複数の枝管50が、異なる内径D等及び挿入長さLを有するようにした。これにより、冷媒分流を調整することができて、熱交換能力を増大することができるようになった。
【符号の説明】
【0071】
1~9…分配器、10…外管、20…インレット部、30…キャップ部、40…チーズ、50…枝管、60…熱交換器