(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-27
(45)【発行日】2024-10-07
(54)【発明の名称】オープンセル検出システムおよび方法
(51)【国際特許分類】
H02J 7/02 20160101AFI20240930BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20240930BHJP
H02H 7/18 20060101ALI20240930BHJP
【FI】
H02J7/02 H
H02J7/00 Y
H02H7/18
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020088165
(22)【出願日】2020-05-20
【審査請求日】2023-04-03
(31)【優先権主張番号】201910439990.1
(32)【優先日】2019-05-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】500521843
【氏名又は名称】オーツー マイクロ, インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ヤン・リー
(72)【発明者】
【氏名】ウェイドン・シュエ
【審査官】後澤 瑞征
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-011722(JP,A)
【文献】特開2015-219094(JP,A)
【文献】特開2013-011596(JP,A)
【文献】特開2015-059762(JP,A)
【文献】特開2014-223004(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0025835(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/02
H02J 7/00
H02H 7/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
オープンセル検出システムにおけるバッテリマネジメントシステムであって、
第1のフィルタコンデンサを介して複数のバッテリユニットのうちの第1のバッテリユニットに結合され
、前記第1のフィルタコンデンサは前記第1のバッテリユニットと並列に結合される、平衡ユニットおよび不足電圧比較ユニットと、
第2のフィルタコンデンサを介して前記複数のバッテリユニットのうちの第2のバッテリユニットに結合される、第1の過電圧比較ユニットであって、前記第1のバッテリユニットは前記第2のバッテリユニットに隣接
し、前記第2のフィルタコンデンサは前記第2のバッテリユニットと並列に結合される、第1の過電圧比較ユニットと、
前記平衡ユニット、前記不足電圧比較ユニット、および前記第1の過電圧比較ユニットに結合され、オープンセル検出信号を伝送し、第1の時間期間において前記平衡ユニットを有効化し、次いで第2の時間期間において前記平衡ユニットを無効化し、第3の時間期間において前記不足電圧比較ユニットおよび前記第1の過電圧比較ユニットを有効化するように動作可能である、制御ユニットであって、
前記不足電圧比較ユニットは、
前記第1のフィルタコンデンサから受け取った電圧を第1のオープンセル閾値と比較し、前記第3の時間期間内に第1の比較結果を出力するように動作可能であり、前記第1の過電圧比較ユニットは、
前記第2のフィルタコンデンサから受け取った、電圧を第2のオープンセル閾値と比較し、前記第3の時間期間内に第2の比較結果を出力するように動作可能であり、前記第2のオープンセル閾値は、前記第1のオープンセル閾値よりも大きい、制御ユニットと、
前記制御ユニットに結合され、前記第1の比較結果および前記第2の比較結果に基づき前記第1のバッテリユニットと前記バッテリマネジメントシステムとの間の接続が動作不能であるかどうかを決定するように動作可能である、判定ユニットとを備え
、
前記判定ユニットは、前記第1のフィルタコンデンサから受け取った前記電圧が前記第1のオープンセル閾値よりも小さい場合に前記接続が動作不能であると決定し、前記第2のフィルタコンデンサから受け取った電圧が前記第2のオープンセル閾値よりも大きい場合に前記接続が動作不能であると決定する、
バッテリマネジメントシステム。
【請求項2】
前記第2のバッテリユニットに結合されている保護ユニットをさらに備え、前記保護ユニットは前記第2のバッテリユニットによって供給される電圧をプリセットされた値の範囲内にクランプするように動作可能である、請求項1に記載のバッテリマネジメントシステム。
【請求項3】
前記第2のオープンセル閾値は、前記プリセットされた値および前記第2のバッテリユニットの最高動作電圧に基づいている、請求項2に記載のバッテリマネジメントシステム。
【請求項4】
前記第1のバッテリユニットに結合されている第1のフィルタユニットをさらに備え、前記第1のフィルタユニットは第1の監視抵抗器と
前記第1のフィルタコンデンサとを備えている、請求項1に記載のバッテリマネジメントシステム。
【請求項5】
前記平衡ユニットは、平衡抵抗器と平衡スイッチとを備え、前記オープンセル検出信号に基づき、前記平衡スイッチは前記第1の時間期間においてオンにされ、次いで、前記第2の時間期間においてオフにされる、請求項4に記載のバッテリマネジメントシステム。
【請求項6】
前記第1の時間期間は、時定数の3倍から5倍の間であり、前記時定数は、前記第1のフィルタコンデンサの容量値と前記平衡抵抗器の抵抗値との積である、請求項5に記載のバッテリマネジメントシステム。
【請求項7】
前記第2のバッテリユニットに結合されている第2のフィルタユニットをさらに備え、前記第2のフィルタユニットは第2の監視抵抗器と
前記第2のフィルタコンデンサとを備え、前記第2の時間期間は、時定数の3倍から5倍の間であり、前記時定数は、前記第1のフィルタコンデンサの容量値と、前記第1の監視抵抗器と前記第2の監視抵抗器の抵抗値の和との積である、請求項5に記載のバッテリマネジメントシステム。
【請求項8】
前記第1のオープンセル閾値は、前記第1のバッテリユニットの最低動作電圧に基づいている、請求項1に記載のバッテリマネジメントシステム。
【請求項9】
前記不足電圧比較ユニットは、不足電圧比較器と第1のスイッチとを備え、前記不足電圧比較器の非反転入力端子は前記第1のスイッチに結合され、反転入力端子は前記第1のバッテリユニットに結合され、前記第1のオープンセル閾値は前記第1のスイッチが配置されているブランチ上で設定され、出力端子は前記判定ユニットに結合され、前記第1のスイッチは前記オープンセル検出信号に基づきオンにされ、およびオフにされ、前記第1のスイッチがオンにされたときに、前記不足電圧比較器は前記反転入力端子で受け取った電圧を前記第1のオープンセル閾値と比較し、前記第1の比較結果を出力する、請求項1に記載のバッテリマネジメントシステム。
【請求項10】
前記不足電圧比較ユニットは第2のスイッチをさらに備え、不足電圧閾値は前記第2のスイッチが配置されているブランチ上で設定され、出力端子は前記制御ユニットに結合され、前記第2のスイッチは不足電圧検出信号に基づきオンにされ、およびオフにされ、前記第2のスイッチがオンにされたときに、前記不足電圧比較器は前記反転入力端子で受け取った電圧を前記不足電圧閾値と比較し、第3の比較結果を出力し、前記制御ユニットは前記第3の比較結果に基づき前記第1のバッテリユニットに対して不足電圧保護動作を実行し、前記不足電圧検出信号は、前記第2の時間期間が終了した後に前記制御ユニットによって伝送される、請求項9に記載のバッテリマネジメントシステム。
【請求項11】
前記平衡ユニットに結合されている第2の過電圧比較ユニットをさらに備え、前記第2の過電圧比較ユニットは電圧を過電圧閾値と比較し、過電圧検出信号に基づき第3の比較結果を出力し、前記制御ユニットは前記第3の比較結果に基づき前記第1のバッテリユニットに対して過電圧保護動作を実行し、前記過電圧検出信号は、前記第2の時間期間が終了した後に前記制御ユニットによって伝送される、請求項1に記載のバッテリマネジメントシステム。
【請求項12】
前記第1の過電圧比較ユニットは、過電圧比較器とスイッチとを備え、前記過電圧比較器の反転入力端子は前記スイッチに結合され、非反転入力端子は前記第2のバッテリユニットに結合され、前記第2のオープンセル閾値は前記スイッチが配置されているブランチ上で設定され、出力端子は前記判定ユニットに結合され、前記スイッチは前記オープンセル検出信号に基づきオンにされ、およびオフにされ、前記スイッチがオンにされたときに、前記過電圧比較器は前記非反転入力端子で受け取った電圧を前記第2のオープンセル閾値と比較し、前記第2の比較結果を出力する、請求項1に記載のバッテリマネジメントシステム。
【請求項13】
バッテリマネジメントシステムであって、
第1のフィルタコンデンサを介して複数のバッテリユニットのうちの第1のバッテリユニットに結合され
、前記第1のフィルタコンデンサは前記第1のバッテリユニットと並列に結合される、平衡ユニットおよび不足電圧比較ユニットと、
第2のフィルタコンデンサを介して前記複数のバッテリユニットのうちの第2のバッテリユニットに結合される、第1の過電圧比較ユニットであって、前記第1のバッテリユニットは前記第2のバッテリユニットに隣接
し、前記第2のフィルタコンデンサは前記第2のバッテリユニットと並列に結合される、第1の過電圧比較ユニットと、
前記平衡ユニット、前記不足電圧比較ユニット、および前記第1の過電圧比較ユニットに結合される、制御ユニットと、
前記制御ユニットに結合される、判定ユニットとを備え、
前記バッテリマネジメントシステムはオープンセル検出方法を実行するように動作可能であり、オープンセル検出方法は
前記制御ユニットから、オープンセル検出信号を伝送するステップと、
前記オープンセル検出信号に基づき第1の時間期間において前記平衡ユニットを有効化し、第2の時間期間において前記平衡ユニットを無効化するステップと、
前記第2の時間期間が終了した後に前記オープンセル検出信号に基づき第3の時間期間において前記不足電圧比較ユニットと前記第1の過電圧比較ユニットとを有効化するステップと、
前記不足電圧比較ユニットを使用して、
前記第1のフィルタコンデンサから受け取った電圧を第1のオープンセル閾値と比較し、前記第3の時間期間内に第1の比較結果を出力するステップと、
前記第2のフィルタコンデンサから前記第1の過電圧比較ユニットを使用して、前記第1の過電圧比較ユニットで受け取った電圧を第2のオープンセル閾値と比較し、前記第3の時間期間内に第2の比較結果を出力するステップであって、前記第2のオープンセル閾値は、前記第1のオープンセル閾値よりも大きい、ステップと、
前記判定ユニットを使用して、前記第1の比較結果および前記第2の比較結果に基づき前記第1のバッテリユニットと前記バッテリマネジメントシステムとの間の接続が動作不能であるかどうかを決定
し、前記判定ユニットは、前記第1のフィルタコンデンサから受け取った電圧が前記第1のオープンセル閾値よりも小さい場合に前記接続が動作不能であると決定し、前記判定ユニットは、前記第2のフィルタコンデンサから受け取った電圧が前記第2のオープンセル閾値よりも大きい場合に前記接続が動作不能であると決定するステップとを含む、バッテリマネジメントシステム。
【請求項14】
前記第2のバッテリユニットに結合されている保護ユニットをさらに備え、前記方法は、前記保護ユニットを使用して、前記第2のバッテリユニットによって供給される電圧をプリセットされた値の範囲内にクランプするステップをさらに含む、請求項13に記載のバッテリマネジメントシステム。
【請求項15】
前記第2のオープンセル閾値は、前記プリセットされた値および前記第2のバッテリユニットの最高動作電圧に基づいている、請求項14に記載のバッテリマネジメントシステム。
【請求項16】
前記第1のバッテリユニットに結合されているフィルタユニットをさらに備え、前記フィルタユニットは監視抵抗器と
前記第1のフィルタコンデンサとを備え、前記平衡ユニットは平衡抵抗器と平衡スイッチとを備え、前記第1の時間期間は、時定数の3倍から5倍の間であり、前記時定数は、
前記第1のフィルタコンデンサの容量値と前記平衡抵抗器の抵抗値との積である、請求項13に記載のバッテリマネジメントシステム。
【請求項17】
前記第1のバッテリユニットに結合されている第1のフィルタユニットと、前記第2のバッテリユニットに結合されている第2のフィルタユニットとをさらに備え、前記第1のフィルタユニットは第1の監視抵抗器と
前記第1のフィルタコンデンサとを備え、前記平衡ユニットは平衡抵抗器と平衡スイッチとを備え、前記第2のフィルタユニットは第2の監視抵抗器と
前記第2のフィルタコンデンサとを備え、前記第2の時間期間は、時定数の3倍から5倍の間であり、前記時定数は、前記第1のフィルタコンデンサの容量値と、前記第1の監視抵抗器と前記第2の監視抵抗器の抵抗値の和との積である、請求項13に記載のバッテリマネジメントシステム。
【請求項18】
前記第1のオープンセル閾値は、前記第1のバッテリユニットの最低動作電圧に基づいている、請求項13に記載のバッテリマネジメントシステム。
【請求項19】
前記方法は、
前記制御ユニットを使用して、前記第2の時間期間が終了した後に不足電圧検出信号を伝送するステップと、
前記不足電圧比較ユニット内のスイッチをオンにし、前記不足電圧比較ユニット内の不足電圧比較器を使用して、前記不足電圧比較器で受け取った電圧をプリセットされた不足電圧閾値と比較し、第3の比較結果を出力するステップと、
前記制御ユニットを使用して、前記第3の比較結果に基づき前記第1のバッテリユニットに対して不足電圧保護動作を実行するステップとをさらに含む、請求項13に記載のバッテリマネジメントシステム。
【請求項20】
前記平衡ユニットに結合されている第2の過電圧比較ユニットをさらに備え、前記方法は、
前記制御ユニットを使用して、前記第2の時間期間が終了した後に過電圧検出信号を伝送するステップと、
前記第2の過電圧比較ユニットを使用して、前記第2の過電圧比較ユニットで受け取った電圧をプリセットされた過電圧閾値と比較し、第3の比較結果を出力するステップと、
前記制御ユニットを使用して、前記第3の比較結果に基づき前記第1のバッテリユニットに対して過電圧保護動作を実行するステップとをさらに含む、請求項13に記載のバッテリマネジメントシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2019年5月24日に中華人民共和国知識産権局(CNIPA)に出願された中国特許出願第201910439990.1号、名称「Open Cell Detection Systems and Methods」の優先権を主張するものである。
【背景技術】
【0002】
セル電圧測定の精度は、バッテリ管理システム(BMS)とセルとの間の接続がロバストであるかどうかに依存する。通常、接続にはニッケルストラップまたは電線が使用される。セル側では、ニッケルストラップまたは電線はセルタップにハンダ付けされる。BMS側では、ニッケルストラップはプリント基板(PCB)に直接ハンダ付けされ、電線はコネクタを介してPCBに接続される。しかしながら、ときには、BMSとセルとの間の接続は劣化したり、または断線したりすることがあり、これはオープンセル障害(open cell failure)(Cell Tap Open、CTO)を引き起こし得る。オープンセル障害が発生した後、セル電圧測定は不正確なものとなる。したがって、正確なバッテリマネジメント機能をタイミングよく遂行することは可能でない。たとえば、1つのシナリオにおいて、セルの電圧が過電圧(OV)閾値より大きいときに、BMSはOV保護動作を実行すべきである。しかしながら、BMSにオープンセル障害が発生していることでOVの状況を検出できないと、OV保護動作は実行されない。たとえば、別のシナリオでは、すべてのセル電圧はノーマルであるが、BMSにおけるオープンセル障害のせいで、BMSは、OVまたは不足電圧(UV)保護動作を不適切に、また不必要に実行する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明による実施形態で、オープンセル検出に関連する方法およびシステムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
実施形態において、オープンセル検出システムは、バッテリユニットに結合されたバッテリマネジメントシステムを含む。バッテリマネジメントシステムは、第1のバッテリユニットに結合される、平衡ユニットおよび不足電圧比較ユニットと、第2のバッテリユニットに結合される、過電圧比較ユニットと、オープンセル検出信号を伝送し、第1の時間期間において平衡ユニットを有効化し、次いで第2の時間期間において平衡ユニットを無効化し、第3の時間期間において不足電圧比較ユニットと過電圧比較ユニットとを有効化する、ように動作可能である制御ユニットとを備える。不足電圧比較ユニットは、不足電圧比較ユニットが受け取った電圧と第1のオープンセル閾値とを比較し、第3の時間期間内に第1の比較結果を出力するように動作可能である。過電圧比較ユニットは、過電圧比較ユニットが受け取った電圧と第2のオープンセル閾値とを比較し、第3の時間期間内に第2の比較結果を出力するように動作可能である。第2のオープンセル閾値は、第1のオープンセル閾値よりも大きい。バッテリマネジメントシステムは、第1の比較結果および第2の比較結果に基づき第1のバッテリユニットとバッテリマネジメントシステムとの間の接続が動作不能であるかどうかを決定するように動作可能である判定ユニットも備える。
【0005】
実施形態において、オープンセル検出方法は、バッテリマネジメントシステムの制御ユニットを使用して、オープンセル検出信号を伝送することと、オープンセル検出信号に基づき第1の時間期間において平衡ユニットを有効化し、第2の時間期間において平衡ユニットを無効化することと、第2の時間期間が終了した後にオープンセル検出信号に基づき第3の時間期間において不足電圧比較ユニットと過電圧比較ユニットとを有効化することと、不足電圧比較ユニットを使用して、不足電圧比較ユニットが受け取った電圧と第1のオープンセル閾値とを比較し、第3の時間期間内に第1の比較結果を出力することと、過電圧比較ユニットを使用して、過電圧比較ユニットが受け取った電圧と第2のオープンセル閾値とを比較し、第3の時間期間内に第2の比較結果を出力することと、判定ユニットを使用して、第1の比較結果および第2の比較結果に基づき第1のバッテリユニットとバッテリマネジメントシステムとの間の接続が動作不能であるかどうかを決定することとを含む。
【0006】
本発明の実施形態の特徴および利点は、次の詳細な説明が進むにつれ、また図面を参照することで、明らかになり、類似の番号は類似の部分を示す。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の実施形態による、オープンセル検出システムを例示するブロック図である。
【
図2】本発明の実施形態による、オープンセル検出システムを例示する回路図である。
【
図3】本発明の実施形態による、オープンセル検出システムの動作を例示する図である。
【
図4】本発明の実施形態による、セルに対するオープンセル検出を例示する回路図である。
【
図5A】本発明の実施形態による、バッテリマネジメントシステムにおけるオープンセル検出方法のフローチャートを示す図である。
【
図5B】本発明の実施形態による、バッテリマネジメントシステムにおけるオープンセル検出方法のフローチャートを示す図である。
【
図5C】本発明の実施形態による、バッテリマネジメントシステムにおけるオープンセル検出方法のフローチャートを示す図である。
【
図6】本発明の実施形態による、オープンセル検出方法のフローチャートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
次に、本発明の実施形態を詳細に参照することにする。本発明は、これらの実施形態と組み合わせて説明されるが、本発明をこれらの実施形態に制限することを意図していないことは理解されるであろう。反対に、本発明は、付属の請求項において定義されているように本発明の精神と範囲内に収まり得るような代替的形態、修正形態、および等価形態を対象とすることが意図されている。
【0009】
さらに、本発明の以下の詳細な説明では、本発明を完全に理解できるように、多数の具体的詳細が述べられている。しかし、当業者であれば、これらの具体的詳細がなくても本発明を実施できることを理解するであろう。他の場合には、よく知られている方法、手順、コンポーネント、および回路については、本発明の態様をいたずらにわかりにくくしないために、細部にわたって説明することはしていない。
【0010】
以下の詳細な説明のいくつかの部分は、コンピュータメモリ内のデータビットに対する演算のプロシージャ、論理ブロック、処理、および他の記号表現に関して提示されている。これらの説明および表現は、作業の内容を当業者に最も効果的に伝えるためにデータ処理の技術者によって使用される手段である。本出願では、プロシージャ、論理ブロック、プロセス、または同様のものは、所望の結果をもたらすステップまたは命令の首尾一貫したシーケンスであることが企図されている。これらのステップは、物理的量の物理的操作を利用するステップである。通常、必ずというわけではないが、これらの量は、コンピューティングシステムに記憶され、転送され、組み合わされ、比較され、および他の何らかの方法で操作されることが可能な電気的および磁気的信号の形態をとる。主に共通使用上の理由から、これらの信号をトランザクション、ビット、値、要素、記号、文字、サンプル、ピクセル、または同様のものとして参照することがときには都合がよいことが実証されている。
【0011】
しかしながら、これらおよび類似の語のすべては、適切な物理的量と関連付けられるべきであり、これらの量に付けられた都合のよいラベルにすぎないことを覚えておくべきである。以下の説明から明らかなように特に断りのない限り、本開示全体を通して、「計算する」、「記録する」、「読み取る」、「取得する」、「選択する」、「決定する」、「伝送する」、「有効化する」、「比較する」、「実行する」、「オンにする」、もしくは「オフにする」、または同様の言い回しを利用する説明は、コンピューティングシステムまたは類似の電子コンピューティングデバイスもしくはプロセッサのアクションおよびプロセスを指すことは理解される。コンピューティングシステムまたは類似の電子コンピューティングデバイスは、コンピューティングシステムのメモリ、レジスタ、または他のそのような情報記憶、伝送、もしくは表示デバイス内の物理的(電子的)量として表現されるデータを操作し、変換する。
【0012】
図1は、本発明の実施形態による、オープンセル検出システム100を例示するブロック図を示している。オープンセル検出システム100は、複数のバッテリユニット110に結合されているバッテリマネジメントシステム120を含む。
【0013】
バッテリユニット110は、バッテリユニット110とバッテリマネジメントシステム120との間の接続が動作不能である(たとえば、断線しているかまたは劣化しているかまたは満足に動作していない)かどうかを検出するために電圧をバッテリマネジメントシステム120に供給するように動作可能である。バッテリユニット110は、第1のバッテリユニット110_1、第2のバッテリユニット110_2、...、第Nのバッテリユニット110_Nを備える。第1のバッテリユニット110_1、第2のバッテリユニット110_2、...、第Nのバッテリユニット110_Nは直列に接続される。第nのバッテリユニット110_n(n=1、2、...、N)の2つの端子は、各々、バッテリマネジメントシステム120に結合される。第nのバッテリユニット110_nの2つの端子が適切に(たとえば、動作可能に)バッテリマネジメントシステム120に接続されている場合、第nのバッテリユニット110_nとバッテリマネジメントシステム120との間の接続は、本明細書ではノーマル接続と称される。第nのバッテリユニット110_nの2つの端子が適切にバッテリマネジメントシステム120に接続されていない場合、第nのバッテリユニット110_nとバッテリマネジメントシステム120との間の接続は、本明細書ではオープンセル障害(Cell Tap Open、CTO)と称される。
【0014】
バッテリマネジメントシステム120は、複数のフィルタユニット121と、複数の平衡ユニット122と、複数の保護ユニット123と、複数の不足電圧比較ユニット124と、複数の過電圧比較ユニット125とを備える。バッテリユニット110_nは、たとえば、それぞれのフィルタユニット121_n、平衡ユニット122_n、保護ユニット123_n、不足電圧比較ユニット124_n、および過電圧比較ユニット125_nに対応する。バッテリマネジメントシステム120は、判定ユニット126と制御ユニット127とをさらに備える。不足電圧比較ユニット124の各々および過電圧比較ユニット125の各々の出力端子は、判定ユニット126に結合される。
【0015】
以下でさらに説明されるように、制御ユニット127は、バッテリユニット110の各々でオープンセル検出を実行するためのオープンセル検出信号ENを伝送するように動作可能である。制御ユニット127は、バッテリユニット110の各々で不足電圧検出を実行するための不足電圧検出信号ENAを伝送するように動作可能でもある。制御ユニット127は、バッテリユニット110の各々で過電圧検出を実行するための過電圧検出信号ENBを伝送するように動作可能でもある。また、制御ユニット127は、不足電圧比較ユニット124の各々および過電圧比較ユニット125の各々によって出力される比較結果に従って不足電圧/過電圧保護動作を実行する。
【0016】
フィルタユニット121は、第1のフィルタユニット121_1、第2のフィルタユニット121_2、...、第Nのフィルタユニット121_Nを含む。フィルタユニット121は、バッテリユニット110と並列に結合される。フィルタユニット121の各々は、バッテリユニット110のうちのそれぞれのバッテリユニットによって供給される電圧の高周波成分をフィルタリングして、望ましくない雑音成分を除去するように動作可能である。たとえば、第nのフィルタユニット121_nは、第nのバッテリユニット110_n、n=1、2、...、Nによって供給される電圧の高周波成分をフィルタリングするように動作可能である。
【0017】
平衡ユニット122は、第1の平衡ユニット122_1、第2の平衡ユニット122_2、...、第Nの平衡ユニット122_Nを含む。平衡ユニット122は、フィルタユニット121と並列に結合される。第nの平衡ユニット122_n(n=1、2、...、N)は、制御ユニット127によって伝送されたオープンセル検出信号ENに従って、第1の時間期間T1において有効化され、次いで、第2の時間期間T2において無効化される。有効化/無効化プロシージャは、以下でさらに詳しく説明される。
【0018】
保護ユニット123は、第1の保護ユニット123_1、第2の保護ユニット123_2、...、第Nの保護ユニット123_Nを含む。保護ユニット123は、平衡ユニット122と並列に結合される。保護ユニット123の各々は、バッテリユニット110のうちのそれぞれのバッテリユニットによって供給される電圧をクランプするように動作可能である。たとえば、第nの保護ユニット123_nは、バッテリマネジメントシステム120のバーンアウトを回避するために、第nのバッテリユニット110_n、n=1、2、...、Nによって供給される電圧をプリセット値VSETの範囲内にクランプするように動作可能である。
【0019】
不足電圧比較ユニット124は、第1の不足電圧比較ユニット124_1、第2の不足電圧比較ユニット124_2、...、第Nの不足電圧比較ユニット124_Nを含む。不足電圧比較ユニット124は、保護ユニット123に結合される。第2の時間期間T2の終わりに、第nの不足電圧比較ユニット124_n(n=1、2、...、N)は、制御ユニット127によって伝送されるオープンセル検出信号ENに従って、第3の時間期間T3において有効化される。第3の時間期間T3において、第nの不足電圧比較ユニット124_nは、受け取った電圧を第1のオープンセル閾値VCTO1と比較し、第1の比較結果を出力する。この手順は、以下でさらに詳しく説明される。
【0020】
また、第3の時間期間T3の終わりに、第nの不足電圧比較ユニット124_n(n=1、2、...、N)は、制御ユニット127によって伝送される不足電圧検出信号ENAに従って、第4の時間期間T4において有効化される。第4の時間期間T4において、第nの不足電圧比較ユニット124_nは、受け取った電圧を不足電圧閾値Vuvと比較し、比較結果を出力する。制御ユニット127は、比較結果に従って第nのバッテリユニット110_n(n=1、2、...、N)上で不足電圧保護動作を実行する。この手順は、以下でさらに詳しく説明される。
【0021】
過電圧比較ユニット125は、第1の過電圧比較ユニット125_1、第2の過電圧比較ユニット125_2、...、第Nの過電圧比較ユニット125_Nを含む。過電圧比較ユニット125は、不足電圧比較ユニット124に結合される。第2の時間期間T2の終わりに、第mの過電圧比較ユニット125_m(m=2、3、...、N)は、制御ユニット127によって伝送されるオープンセル検出信号ENに従って、第3の時間期間T3において有効化される。第3の時間期間T3において、第mの過電圧比較ユニット125_mは、受け取った電圧を第2のオープンセル閾値VCTO2と比較し、第2の比較結果を出力する。この手順は、以下でさらに詳しく説明される。
【0022】
また、第4の時間期間T4の終わりに、第nの過電圧比較ユニット125_n(n=1、2、...、N)は、制御ユニット127によって伝送される過電圧検出信号ENBに従って、第5の時間期間T5において有効化される。第5の時間期間T5において、第nの過電圧比較ユニット125_nは、受け取った電圧を過電圧閾値VOVと比較し、比較結果を出力する。制御ユニット127は、比較結果に基づき第nのバッテリユニット110_n(n=1、2、...、N)上で過電圧保護動作を実行する。この手順は、以下でさらに詳しく説明される。
【0023】
判定ユニット126は、不足電圧比較ユニット124の出力端子に結合され、過電圧比較ユニット125_1を除く過電圧比較ユニット125の出力端子にも結合される。判定ユニット126は、以下で説明されているように、第1の比較結果および第2の比較結果に従って第nのバッテリユニット110_n(n=1、2、...、N)とバッテリマネジメントシステム120との間の接続が動作しているか動作不能であるかを決定するように動作可能である。
【0024】
一実施形態において、判定ユニット126は、不足電圧比較ユニット124のすべてによって出力される第1の比較結果および第1の過電圧比較ユニット125_1を除く過電圧比較ユニット125のすべてによって出力される第2の比較結果に対してOR演算を実行し、演算結果を出力する。演算結果は、バッテリユニット110とバッテリマネジメントシステム120との間の接続のどれかが断線しているか、または他の何らかの形で動作不能であるかを決定するために使用され得る。
【0025】
別の実施形態において、判定ユニット126は、第1の不足電圧比較ユニット124_1によって出力される第1の比較結果および第2の過電圧比較ユニット125_2によって出力される第2の比較結果に対してOR演算を実行し、演算結果を出力する。その演算結果は、第1のバッテリユニット110_1とバッテリマネジメントシステム120との間の接続が断線しているか、または他の何らかの形で動作不能であるかを決定するために使用され得る。次に、判定ユニット126は、第2の不足電圧比較ユニット124_2によって出力される第1の比較結果および第3の過電圧比較ユニット125_3によって出力される第2の比較結果に対してOR演算を実行し、演算結果を出力し、これは、第2のバッテリユニット110_2とバッテリマネジメントシステム120との間の接続が断線しているか、または他の何らかの形で動作不能であるかを決定するために使用できる。試験は、この方式で、判定ユニット126が各不足電圧比較ユニット124_(n-1)および過電圧比較ユニット125_n(n=2、...、N)によって出力される第1の比較結果に対してOR演算を実行し、演算結果を出力するまで、続く。この方式で試験することによって、バッテリユニット110のうちのどのバッテリユニットがバッテリマネジメントシステム120から切断されているか、または適切に接続されていないを決定することができ、これはオープンセル障害を迅速に識別し、取り除くか、または是正することを円滑にする。
【0026】
図2は、本発明の実施形態による、オープンセル検出システム200を例示する回路図を示している。
図2は、
図1と併せて説明されている。一実施形態において、各バッテリユニット110_nは単一のセルCELLn(n=1、2、...、N)を含む。セルCELL1、セルCELL2、...、セルCELLnは直列に結合されている。セルCELLnの正および負の電極は、各々、バッテリマネジメントシステム120に接続されている。セルCELLnの正および負の電極が適切に(たとえば、動作可能に)バッテリマネジメントシステム120に接続されている場合、セルCELLnとバッテリマネジメントシステム120との間の接続は、本明細書ではノーマル接続と称される。セルCELLnの正および負の電極がバッテリマネジメントシステム120から切断されているか、または適切に接続されていない場合、セルCELLnとバッテリマネジメントシステム120との間の接続は、本明細書ではオープンセル障害(Cell Tap Open、CTO)と称される。他の実施形態では、各バッテリユニット110_nは複数の個別のセルを含む。
【0027】
一実施形態において、セルCELLnによって供給される電圧は1.8Vから4.6Vの間である。セルCELLnの寿命および安全性を保護するために、そのセルの動作電圧VCELLnは2V~4.2Vの間に設定される。充電器または負荷(図には示されていない)は、セルCELL1の負電極とセルCELLNの正電極との間に結合される。
【0028】
第nのフィルタユニット121_nは、監視抵抗器RFnとフィルタコンデンサCFn(n=1、2、...、N)とを備える。監視抵抗器RFnはフィルタコンデンサCFnと直列に結合され、セルCELLnはフィルタコンデンサCFnと並列に結合される。監視抵抗器RFnは、セルCELLnによって供給される電流を制限し、高ピーク電流がバッテリマネジメントシステム120をバーンアウトするのを防ぐ働きをする。フィルタコンデンサCFnは充電または放電する。監視抵抗器RFnおよびフィルタコンデンサCFnは両方とも、対応するセルCELLnによって提供される電圧内の高周波成分をフィルタリングするように動作可能であり、それにより、望ましくない雑音成分を除去する。
【0029】
一実施形態において、監視抵抗器RFnの抵抗値は100Ω~10kΩの間であり、フィルタコンデンサCFnの容量値は10nF~1μFの間である。監視抵抗器RFnの抵抗値は、セルCELLnの動作電圧VCELLnと負荷の条件(たとえば、サイズ)の両方に依存する。雑音の量が多く、高信頼性が必要な場合、監視抵抗器RFnの抵抗値は、セルCELLnによって生成されるピーク電流を制限するように10kΩとして選択することができ、したがってバッテリマネジメントシステム120は損傷しない。
【0030】
第nの平衡ユニット122_nは、平衡スイッチSWnと平衡抵抗器RBn(n=1、2、...、N)とを備える。平衡スイッチSWnは、平衡抵抗器RBnと直列に結合され、フィルタコンデンサCFnは平衡抵抗器RBnと並列に結合される。2つの隣接するセルの間の電圧差がプリセットされた平衡値を超えたときに、制御ユニット127は平衡信号を伝送する。平衡信号に従って、平衡スイッチSWnがオンまたはオフにされ、これにより2つの隣接するセルの間の電圧差を平衡させ、電圧差がプリセットされた平衡値を超えなくなるようにする。一実施形態において、平衡抵抗器RBnは10kΩである。
【0031】
たとえば、セルCELL1の動作電圧VCELL1が2.2Vであり、セルCELL2の動作電圧VCELL2が3.8Vであり、プリセットされた平衡値が0.4Vである場合、セルCELL1とセルCELL2との間の電圧差は1.6Vであり、これはプリセットされた平衡値を超えている。その結果、セルCELL1の動作電圧はセルCELL2の動作電圧と平衡しない。したがって、制御ユニット127は平衡動作を実行する。すなわち、制御ユニット127の制御の下で、平衡スイッチSW1はオフにされ、平衡スイッチSW2はオンにされる。また、制御ユニット127は、セルCELL1とセルCELL2との間の電圧差がプリセットされた平衡値の範囲内になるまで平衡抵抗器RB2を通してセルCELL1およびセルCELL2の動作電圧を調整し、それにより電圧平衡を達成する。
【0032】
第nの保護ユニット123_nはツェナーダイオードDn(n=1、2、...、N)を備える。平衡スイッチSWnは、平衡抵抗器RBnと直列に結合され、ツェナーダイオードDnは平衡抵抗器RBn(n=1、2、...、N)と並列に結合される。ツェナーダイオードDnは、対応するセルCELLnによって供給される電圧をプリセットされた値VSET(たとえば、6V)の範囲内にクランプし、バッテリマネジメントシステム120を保護する。特に、バッテリマネジメントシステム120は、一般的に、コストパフォーマンス比が高い低電圧プロセス(たとえば、5V~6Vの低電圧プロセス)を採用する。セルCELLnによって供給される電圧は、一般的に4.5V以下であるけれども、セルCELLnによって供給される電圧にはいくつかの高ピーク電圧(7Vなど)があり得る。ツェナーダイオードDnは、任意の高ピーク電圧をプリセットされた値VSET(たとえば、6V)の範囲内にクランプし、バッテリマネジメントシステム120を保護する働きをする。
【0033】
第nの不足電圧比較ユニット124_nは、不足電圧比較器UVnと第1のスイッチKn(n=1、2、...、N)とを備える。不足電圧比較器UVnの非反転入力端子「+」は第1のスイッチKnと直列に結合され、反転入力端子「-」はツェナーダイオードDnの負電極に結合され、出力端子は判定ユニット126に結合され、第1のオープンセル閾値VCTO1は第1のスイッチKnが配置されているブランチ上で設定される。第1のスイッチKnは、オープンセル検出信号ENに従ってオンにされるか、またはオフにされる。不足電圧比較器UVnは、反転入力端子「-」で受け取った電圧VTn(VTn=VBATn-VBAT(n-1))を第1のオープンセル閾値VCTO1と比較し、比較結果を判定ユニット126に出力する。BATnは平衡スイッチSWnと監視抵抗器RFnとの間のノードを表し、VBATnはグランドに関するノードBATnの電圧値を表す。BAT(n-1)は平衡スイッチSW(n-1)と監視抵抗器RF(n-1)との間のノードを表し、VBAT(n-1)はグランドに関するノードBAT(n-1)の電圧値を表す(n=2、...、N)。n=1であるときに、不足電圧比較器UVnの反転入力端子「-」は電圧VT1=VBAT1を受け取り、ここで、VBAT1はグランドに関するノードBAT1の電圧値を表す。
【0034】
また、第nの不足電圧比較ユニット124_nは第2のスイッチKRnを備える。第2のスイッチKRnは第1のスイッチKnと並列に結合される。不足電圧閾値VUVは、第2のスイッチKRnが配置されているブランチ上で設定され、出力端子は、制御ユニット127に結合される。第2の時間期間T2が終了した後、第2のスイッチKRnは、制御ユニット127によって伝送された不足電圧検出信号ENAに従ってオンにされるか、またはオフにされる。不足電圧比較器UVnは、反転入力端子「-」で受け取った電圧VTnを不足電圧閾値VUVと比較し、比較結果を出力する。
【0035】
バッテリマネジメントシステム120はORゲートOR3を備える。ORゲートOR3は、すべての不足電圧比較器UVn(n=1、2、...、N)の出力端子に結合される。ORゲートOR3は、各不足電圧比較器によって出力される比較結果に対してOR演算を実行し、演算結果を制御ユニット127に出力する。制御ユニット127は、演算結果に従って不足電圧保護動作を実行する。
【0036】
一実施形態において、すべての不足電圧比較器の反転入力端子「-」で受け取った電圧VTn(n=1、2、...、N)がすべて不足電圧閾値VUVより大きいときに、すべての不足電圧比較器は低レベル「0」をORゲートOR3に出力する。ORゲートOR3はOR演算を実行して、低レベル「0」を出力し、この場合、制御ユニット127は、各セルの動作電圧がノーマル状態にあると決定し、上で説明されている演算のうちのどれも実行しない。すなわち、バッテリユニット110と負荷との間の接続は動作している。不足電圧比較器のうちのどれかの反転入力端子「-」で受け取った電圧VTnが不足電圧閾値VUV以下であるときに、不足電圧比較器は、高レベル「1」をORゲートOR3に出力する。ORゲートOR3はOR演算を実行して、高レベル「1」を出力し、この場合、制御ユニット127は、セルの動作電圧が低すぎると決定し、不足電圧保護動作を実行する。すなわち、過電圧保護動作では、バッテリユニット110と負荷との間の接続を動作不能にする。
【0037】
別の実施形態では、ORゲートOR3は、不足電圧比較器UV1によって出力された比較結果に対してOR演算を実行し、セルCELL1の動作電圧VCELL1が不足電圧かどうかを決定する。次に、ORゲートOR3は、不足電圧比較器UV2によって出力された比較結果に対してOR演算を実行し、セルCELL2の動作電圧VCELL2が不足電圧かどうかを決定する。このプロセスは、ORゲートOR3が、不足電圧比較器UVn(n=1、2、...、N)の各々によって出力された比較結果に対してOR演算を実行し、任意のセルCELLnの動作電圧VCELLnが不足電圧かどうかを決定する。この方式で、どのセルの動作電圧(もしあれば)が不足電圧かを決定することがき、これは不足電圧障害の発生源を迅速に識別し、取り除くか、または是正することを可能にする。任意のセルの動作電圧が不足電圧でない場合、制御ユニット127は、上で説明されている動作のうちのどれも実行しない。すなわち、バッテリユニット110と負荷との間の接続は動作している。セルの動作電圧が不足電圧である場合、バッテリユニット110と負荷との間の接続は動作不能であり、したがって制御ユニット127は不足電圧保護動作を実行する。
【0038】
第mの過電圧ユニット125_mは、過電圧比較器OVmと第3のスイッチSm(m=2、3、...、N)とを備える。過電圧比較器OVmの反転入力端子「-」は第3のスイッチSmと直列に結合され、非反転入力端子「+」はセルCELLm(m=2、3、...、N)の正電極に結合され、出力端子は判定ユニット126に結合され、第2のオープンセル閾値VCTO2は第3のスイッチSmが配置されているブランチ上で設定される。第3のスイッチSmは、オープンセル検出信号ENに従ってオンにされるか、またはオフにされる。過電圧比較器OVmは、非反転入力端子「+」で受け取った電圧VTmを第2のオープンセル閾値VCTO2と比較し、比較結果を判定ユニット126に出力する。
【0039】
それに加えて、第mの過電圧比較ユニット125_mは、第4のスイッチSRm(m=2、3、...、N)を備える。第4のスイッチSRmは第3のスイッチSmと並列に結合され、過電圧閾値VOVは、第4のスイッチSRmが配置されているブランチ上で設定され、出力端子は制御ユニット127に結合される。第1の過電圧比較ユニット125_1は過電圧比較器OV1を備える。過電圧比較器OV1、および過電圧比較器OVm内の第4のスイッチSRm(m=2、3、...、N)は、制御ユニット127によって伝送される過電圧検出信号ENBに従ってオンにされるか、またはオフにされる。過電圧比較器OVnは、非反転入力端子「+」で受け取った電圧VTn(n=1、2、...、N)を過電圧閾値VOVと比較し、比較結果を出力する。
【0040】
バッテリマネジメントシステム120はORゲートOR4を備える。ORゲートOR4は、過電圧比較器OVnのうちのすべての過電圧比較器の出力端子に結合される。ORゲートOR4は、各過電圧比較器OVnによって出力される比較結果に対してOR演算を実行し、演算結果を制御ユニット127に出力する。制御ユニット127は、演算結果に従って過電圧保護動作を実行する。
【0041】
一実施形態において、すべての過電圧比較器OVnの非反転入力端子「+」で受け取った電圧VTn(n=1、2、...、N)が過電圧閾値VOV以下であるときに、各過電圧比較器は低レベル「0」をORゲートOR4に出力する。ORゲートOR4はOR演算を実行して、低レベル「0」を制御ユニット127に出力する。制御ユニット127は、各セルCELLnの動作電圧がノーマル状態にあると決定し、上で説明されている動作のうちのどれも実行しない。すなわち、バッテリユニット110と充電器との間の接続は動作している。過電圧比較器OVnのうちのどれかの非反転入力端子「+」で受け取った電圧VTnが過電圧閾値VOVより大きいときに、過電圧比較器OVnは、高レベル「1」をORゲートOR4に出力する。ORゲートOR4はOR演算を実行して、高レベル「1」を制御ユニット127に出力し、この場合、制御ユニット127は、セルの動作電圧が高すぎると決定し、過電圧保護動作を実行する。すなわち、過電圧保護動作では、バッテリユニット110と充電器との間の接続を動作不能にする。
【0042】
別の実施形態では、ORゲートOR4は、過電圧比較器OV1によって出力された比較結果に対してOR演算を実行し、セルCELL1の動作電圧VCELL1が過電圧かどうかを決定する。次に、ORゲートOR4は、過電圧比較器OV2によって出力された比較結果に対してOR演算を実行し、セルCELL2の動作電圧VCELL2が過電圧かどうかを決定する。このプロセスは、ORゲートOR4が、過電圧比較器OVn(n=1、2、...、N)の各々によって出力された比較結果に対してOR演算を実行し、任意のセルCELLnの動作電圧VCELLnが過電圧かどうかを決定するまで続く。この方式で、どのセルの動作電圧(もしあれば)が過電圧かを決定することがき、これは過電圧障害の発生源を迅速に識別し、取り除くか、または是正することを可能にする。任意のセルの動作電圧が過電圧でない場合、制御ユニット127は、上で説明されている動作のうちのどれも実行しない。すなわち、バッテリユニット110と充電器との間の接続は動作している。セルCELLnの動作電圧が過電圧である場合、制御ユニット127は、過電圧保護動作を実行する。すなわち、過電圧保護動作では、バッテリユニット110と充電器との間の接続を動作不能にすることを可能にする。
【0043】
判定ユニット126も、1つのORゲートまたは複数のORゲートを備えることができる。実施形態において、判定ユニット126は、ORゲートOR1とORゲートOR2とを備える。ORゲートOR1はORゲートOR2と直列に結合される。不足電圧比較器UVnの出力端子は、ORゲートOR1またはORゲートOR2(n=1、2、...、N)に接続される。過電圧比較器OVmの出力端子は、ORゲートOR1またはORゲートOR2(m=2、3、...、N)に接続される。したがって、不足電圧比較器UVn(n=1、2、...、N)のどれかまたは過電圧比較器OVm(m=2、3、...、N)のどれかのいずれかが高レベル「1」を出力することができる。ORゲートOR1またはORゲートOR2は、次いで、高レベル「1」に対してOR演算を実行し、高レベル「1」を出力する。その結果、バッテリユニット110とバッテリマネジメントシステム120との間の接続は動作不能であると決定することができる。
【0044】
一実施形態において、ORゲートOR1およびORゲートOR2は、すべての不足電圧比較器および過電圧比較器OV1を除くすべての過電圧比較器によって出力された比較結果に対してOR演算を実行し、演算結果を出力する。演算結果が高レベル「1」である場合、バッテリユニット110とバッテリマネジメントシステム120との間の接続は動作不能であると決定することができる。演算結果が低レベル「0」である場合、バッテリユニット110とバッテリマネジメントシステム120との間の接続は動作していると決定することができる。
【0045】
別の実施形態において、ORゲートOR1およびORゲートOR2は、不足電圧比較器UV1および過電圧比較器OV2によって出力された比較結果に対してOR演算を実行し、演算結果を出力する。演算結果が高レベル「1」である場合、セルCELL1とバッテリマネジメントシステム120との間の接続は動作不能であると決定することができる。次に、ORゲートOR1およびORゲートOR2は、不足電圧比較器UV2および過電圧比較器OV3によって出力された比較結果に対してOR演算を実行し、演算結果を出力する。その演算結果が高レベル「1」である場合、セルCELL2とバッテリマネジメントシステム120との間の接続は動作不能であると決定することができる。このプロセスは、ORゲートOR1およびORゲートOR2が、不足電圧比較器UVn(n=1、2、...、N)および過電圧比較器OVn(n=2、...、N)の各々によって出力された比較結果に対してOR演算を実行し、対応する演算結果を出力するまで繰り返される。演算結果が高レベル「1」である場合、セルCELLnとバッテリマネジメントシステム120との間の接続は動作不能であると決定することができる。この方式で、どのセルがバッテリマネジメントシステム120に適切に接続されていないかを決定することができ、これによりオープンセル障害を迅速に検出し是正することができる。
【0046】
オープンセル検出と同様に、本発明の実施形態は、不足電圧検出、過電圧検出、およびより少ないコンポーネントとの平衡を調整する動作も実行し、それによりバッテリマネジメントシステム120のコストを下げることができる。
【0047】
図3は、本発明の実施形態による、オープンセル検出システム200の動作を例示する図である。
図3は、
図2と併せて説明されている。これらの実施形態において、オープンセル検出、不足電圧検出、および過電圧検出は、セルCELL1、セルCELL2、...、セルCELLn(n=1、2、...、N)に対して順に実行される。
【0048】
時刻t1において、制御ユニット127は、オープンセル検出信号ENを伝送する。オープンセル検出信号ENに応答して、平衡スイッチSW1は第1の時間期間T1においてオンにされ、次いで、第2の時間期間T2においてオフにされる。第1のスイッチK1および第3のスイッチS2は両方とも、第3の時間期間T3において同時にオンにされる。第3の時間期間T3において、不足電圧比較器UV1は、受け取った電圧差VT1を第1のオープンセル閾値VCTO1と比較し、比較結果をORゲートOR1またはORゲートOR2に出力する。過電圧比較器OV2は、受け取った電圧差VT2を第2のオープンセル閾値VCTO2と比較し、比較結果をORゲートOR1またはORゲートOR2に出力する。これで、セルCELL1に対するオープンセル検出動作が完了する。
【0049】
第3の時間期間T3が終了した後、制御ユニット127は、不足電圧検出信号ENAを伝送する。不足電圧検出信号ENAに応答して、第2のスイッチKR1は、第4の時間期間T4においてオンにされる。不足電圧比較器UV1は、受け取った電圧差VT1を不足電圧閾値VUVと比較し、比較結果をORゲートOR3に出力する。これで、セルCELL1に対する不足電圧検出動作が完了する。
【0050】
第4の時間期間T4が終了した後、制御ユニット127は、過電圧検出信号ENBを伝送する。過電圧比較器OV1は、過電圧検出信号ENBに応答して第5の時間期間T5においてオンにされる。過電圧比較器OV1は、受け取った電圧差VT1を過電圧閾値VOVと比較し、比較結果をORゲートOR4に出力する。これで、セルCELL1に対する過電圧検出動作が完了する。
【0051】
次に、オープンセル検出信号ENに応答して、平衡スイッチSW2は別の第1の時間期間T1においてオンにされ、次いで、別の第2の時間期間T2においてオフにされる。第1のスイッチK2および第3のスイッチS3は、次いで、別の第3の時間期間T3において同時にオンにされる。不足電圧比較器UV2は、受け取った電圧差VT2を第1のオープンセル閾値VCTO1と比較し、比較結果をORゲートOR1またはORゲートOR2に出力する。過電圧比較器OV3は、受け取った電圧差VT3を第2のオープンセル閾値VCTO2と比較し、比較結果をORゲートOR1またはORゲートOR2に出力する。これで、セルCELL2に対するオープンセル検出動作が完了する。
【0052】
第3の時間期間T3の2回目が終了した後、第2のスイッチKR2は、不足電圧検出信号ENAに応答して別の第4の時間期間T4においてオンにされる。不足電圧比較器UV2は、受け取った電圧差VT2を不足電圧閾値VUVと比較し、比較結果をORゲートOR3に出力する。これで、セルCELL2に対する不足電圧検出動作が完了する。
【0053】
第4の時間期間T4の2回目が終了した後、第4のスイッチSR2は、過電圧検出信号ENBに応答して別の第5の時間期間T5においてオンにされる。過電圧比較器OV2は、受け取った電圧差VT2を過電圧閾値VOVと比較し、比較結果をORゲートOR4に出力する。これで、セルCELL2の過電圧検出動作が完了する。
【0054】
上で説明されている動作は、n=3、n=4などについて、順に、平衡スイッチSWnが、オープンセル検出信号ENに応答して、別の第1の時間期間T1においてオンにされ、次いで、別の第2の時間期間T2においてオフにされるまで続く。第1のスイッチKnは、別の第3の時間期間T3においてオンにされる。現在の第3の時間期間T3の間、不足電圧比較器UVnは、受け取った電圧差VTnを第1のオープンセル閾値VCTO1と比較し、比較結果をORゲートOR1またはORゲートOR2に出力する。これで、セルCELLnに対するオープンセル検出動作が完了する。
【0055】
現在の第3の時間期間T3が終了した後、第2のスイッチKRnは、不足電圧検出信号ENAに応答して別の第4の時間期間T4においてオンにされる。不足電圧比較器UVnは、受け取った電圧差VTnを不足電圧閾値VUVと比較し、比較結果をORゲートOR3に出力する。これで、セルCELLnに対する不足電圧検出動作が完了する。
【0056】
現在の第4の時間期間T4が終了した後、第4のスイッチSRnは、過電圧検出信号ENBに応答して別の第5の時間期間T5においてオンにされる。過電圧比較器OVnは、受け取った電圧差VTnを過電圧閾値VOVと比較し、比較結果をORゲートOR4に出力する。これで、セルCELLnに対する過電圧検出動作が完了する。
【0057】
ORゲートOR1、ORゲートOR2、ORゲートOR3、およびORゲートOR4は、受け取った比較結果に対してOR演算を実行する。一実施形態において、オープンセル検出の優先度は、不足電圧検出および過電圧検出の優先度より高い。言い換えると、一実施形態において、オープンセル検出は、不足電圧検出および過電圧検出の動作が開始する前に完了している。オープンセル検出において、ORゲートOR1およびORゲートOR2の演算結果が高レベル「1」である場合、セルCELLnとバッテリマネジメントシステム120との間の接続は動作不能であると決定することができ、ORゲートOR1およびORゲートOR2の演算結果が低レベル「0」である場合、ORゲートOR3またはORゲートOR4の演算結果は、考慮される。これは、オープンセル障害により不足電圧検出および過電圧検出の動作が潜在的に不正確になることを回避し、したがって、不足電圧保護動作および過電圧保護動作などの動作を不必要に実行することを回避する。
【0058】
図4は、本発明の実施形態による、セルCELLmに対するオープンセル検出を例示する回路
図400であり、CELLmは1つのバッテリユニット110内の1つのセルである(
図1)。
図4は、
図3と併せて説明されている。セルCELLmとバッテリマネジメントシステム120との間の接続を一例として使用して、ノーマル接続およびオープンセル障害(Cell Tap Open、CTO)のケースが詳細に説明される。セルCELLmとバッテリマネジメントシステム120との間の接続が動作している場合、これは本明細書においてノーマル接続と称される。バッテリマネジメントシステム120は、セルCELLmの動作電圧を正確に検出することができる。セルCELLmとバッテリマネジメントシステム120との間の接続が動作不能である場合、これは本明細書においてCTO(
図3において「X」として示されている)と称され、バッテリマネジメントシステム120によって検出されるセルCELLmの動作電圧V
CELLmは不正確である。
【0059】
一実施形態において、第1の時間期間T1の長さは、セルCELLmとバッテリマネジメントシステム120との間の接続が動作不能であるときに、フィルタコンデンサCFmは完全に放電することができ、したがってノードBATmとノードBAT(m-1)との間の電圧差VTmはプリセットされた電圧値(たとえば、0V)まで下がることができる(m=2、3、,...,Nについて)ように十分に長く設定される。特に、抵抗-コンデンサ(RC)の放電回路の特性によれば、コンデンサの放電時間が時定数の3から5倍であるときに、コンデンサの蓄積エネルギーは、完全に放電される。したがって、第1の時間期間T1は、第1の時定数τ1の3から5倍になるように設定される。第1の時定数τ1は、フィルタコンデンサCFmの容量値CCFmと平衡抵抗RBmの抵抗値RRBmとの積である、すなわち、T1=(3~5)τ1=(3~5)(CCFm×RRBm)である。
【0060】
セルCELLmとバッテリマネジメントシステム120との間の接続が、平衡スイッチSWmがオンにされたときに動作不能である場合に、平衡スイッチSWm、平衡抵抗器RBmおよびフィルタコンデンサCFmは放電回路を形成する。第1の時間期間T1が終了した後、ノードBATmとノードBAT(m-1)との間の電圧差VTmは、0Vまで減少するか、または0Vに近づくものとしてよい(m=2、3、...、Nについて)。m=1について、VT1はグランドに関するノードBAT1の電圧値VBAT1を表す。
【0061】
一実施形態において、第2の時間期間T2の長さは、セルCELLmとバッテリマネジメントシステム120との間の接続が動作しているときに、フィルタコンデンサCFmは第2の時間期間T2において完全に充電することができ、したがってノードBATmとノードBAT(m-1)との間の電圧差VTmはセルCELLmの動作電圧VCELLmに戻ることができるように十分に長く設定される。特に、抵抗-コンデンサ(RC)の放電回路の特性によれば、コンデンサの充電時間が時定数の3から5倍であるときに、コンデンサは、完全に充電される。したがって、第2の時間期間T2は、第2の時定数τ2の3から5倍になるように設定される。第2の時定数τ2は、フィルタコンデンサCFmの容量値CCFmと、監視抵抗RFmの抵抗値RRFmと監視抵抗RF(m-1)の抵抗値RRF(m-1)との和との積である。すなわち、T2=(3~5)τ2=(3~5)(CCFm×(RRFm+RRF(m-1)))、ここでm=2、3、...、N、である。
【0062】
セルCELLmとバッテリマネジメントシステム120との間の接続が、平衡スイッチSWmがオフにされたときに動作している場合に、セルCELLm、フィルタコンデンサCFm、監視抵抗器RFm、および監視抵抗器RF(m-1)は充電回路を形成する。セルCELLmは、フィルタコンデンサCFmを充電する。第2の時間期間T2が終了した後、ノードBATmとノードBAT(m-1)との間の電圧差VTmは、セルCELLmの動作電圧VCELLmに回復することができる(m=2、3、...、Nについて)。
【0063】
m=1のときに、セルCELL1とバッテリマネジメントシステム120との間の接続が、平衡スイッチSW1がオフにされたときに動作している場合、セルCELL1、フィルタコンデンサCF1、および監視抵抗器RF1は充電回路を形成する。セルCELL1は、フィルタコンデンサCF1を充電する。第2の時間期間T2が終了した後、ノードBAT1とグランドとの間の電圧差VT1は、セルCELL1の動作電圧VCELL1に回復することができる。
【0064】
セルCELLmとバッテリマネジメントシステム120との間の接続が動作不能である場合、セルCELLmおよびフィルタコンデンサCFmは、充電回路を形成し得ない。したがって、ノードBATmとノードBAT(m-1)との間の電圧差VTmは、第1の時間期間T1の終わりに、プリセットされた電圧値(たとえば、0V)に維持することができる。
【0065】
第1のオープンセル閾値VCTO1は、各バッテリユニットの最低動作電圧に従って設定される。上で説明されているように、セルCELLmとバッテリマネジメントシステム120との間の接続が、第2の時間期間T2の終わりに動作不能である場合、ノードBATmとノードBAT(m-1)との間の電圧差VTmはプリセットされた電圧値(たとえば、0V)であるか、またはそれに近い。セルCELLmとバッテリマネジメントシステム120との間の接続が、第2の時間期間T2の終わりに動作している場合、ノードBATmとノードBAT(m-1)との間の電圧差VTmはセルCELLmの動作電圧VCELLmである。したがって、セルCELLmとバッテリマネジメントシステム120との間の接続が、第3の時間期間T3において動作不能であるかどうかを正確に決定するために、第1のオープンセル閾値VCTO1は、プリセットされた電圧値より高く、セルCELLmの動作電圧VCELLmより低く設定される。正確さを確実にするために、セルCELLmの動作電圧VCELLmは、セルの最低動作電圧である。すなわち、第1のオープンセル閾値VCTO1は、それがプリセットされた電圧値とセルCELLmの最低動作電圧との間(たとえば、0Vと2Vとの間)であるように選択される。一実施形態において、第1のオープンセル閾値VCTO1は1Vである。
【0066】
第2のオープンセル閾値VCTO2は、セルCELL(m+1)の最高動作電圧およびツェナーダイオードD(m+1)によってクランプされるプリセットされた値VSETに従って設定される。セルCELL(m+1)とバッテリマネジメントシステム120との間の接続が、第2の時間期間T2の終わりに動作している場合、ノードBAT(m+1)とノードBATmとの間の電圧差VT(m+1)はセルCELL(m+1)の動作電圧VCELL(m+1)である。すなわち、VT(m+1)=VCELL(m+1)である。VCELL(m+1)<VSETなので、ツェナーダイオードD(m+1)は降伏しない。セルCELLmとバッテリマネジメントシステム120との間の接続が、第2の時間期間T2の終わりに動作不能である場合、ノードBAT(m+1)とノードBATmとの間の電圧差VT(m+1)はVCELLm+VCELL(m+1)に変化する。VCELLm+VCELL(m+1)はプリセットされた値VSETより大きい場合があるので、ツェナーダイオードD(m+1)は降伏し得る。ツェナーダイオードD(m+1)が降伏した場合、VT(m+1)=VSETである。ツェナーダイオードD(m+1)が降伏しない場合、VT(m+1)=V
CELLm
+V
CELL(m+1)
Vである。したがって、セルCELLmとバッテリマネジメントシステム120との間の接続が動作不能であるかどうかを正確に決定するために、ツェナーダイオードD(m+1)が降伏しているかどうかを決定する必要がある。第2のオープンセル閾値VCTO2は、セルCELL(m+1)の動作電圧VCELL(m+1)とツェナーダイオードD(m+1)によってクランプされるプリセットされた値VSETとの間に設定される。正確さを確実にするために、セルCELL(m+1)の動作電圧VCELL(m+1)は、セルの最高動作電圧である。すなわち、第2のオープンセル閾値VCTO2は、それがプリセットされた値VSETとセルCELL(m+1)の最高動作電圧との間(たとえば、4.2Vと6Vとの間)であるように選択される。一実施形態において、第2のオープンセル閾値VCTO2は4.8Vである。
【0067】
それに加えて、上で説明されているように、第1のオープンセル閾値VCTO1の最大値は、セルCELLmの最低動作電圧とすることができ、第2のオープンセル閾値VCTO2の最小値は、セルCELL(m+1)の最高動作電圧とすることができる。セルCELLmの動作電圧はセルCELL(m+1)の動作電圧に等しいので、第2のオープンセル閾値VCTO2は第1のオープンセル閾値VCTO1より大きい。
【0068】
引き続き
図4を参照し、次に、セルCELLmとバッテリマネジメントシステム120との間の接続が動作しているときの動作を説明することにするが、この場合には、ノードBATmとノードBAT(m-1)との間の電圧差V
Tmは、制御ユニット127がオープンセル検出信号ENを伝送する前のセルCELLmの動作電圧V
CELLmに近い。
【0069】
平衡スイッチSWmは、制御ユニット127によって伝送されるオープンセル検出信号ENに従ってオンにされ、平衡スイッチSWm、平衡抵抗器RBm、およびフィルタコンデンサCFmは、放電回路を形成する。フィルタコンデンサCFmは放電を開始し、ノードBATmとノードBAT(m-1)との間の電圧差VTmはVCELLmの値から徐々に減少して行く。平衡スイッチSWmが、第1の時間期間T1においてオンにされた後、フィルタコンデンサCFmはもはや放電せず、安定状態に入る。すなわち、電圧差VTmが特定の値(たとえば、RRBm×VCELLm/(RRF(m-1)+RRFm+RRBm))まで減少するときに、これは変化しないままである。RRBmは、平衡抵抗器RBmの抵抗値を表し、VCELLmはセルCELLmの動作電圧を表し、RRF(m-1)は監視抵抗器RF(m-1)の抵抗値を表し、RRFmは監視抵抗器RFm、m=2、3、...、Nの抵抗値を表す。m=1の場合、電圧差VT1がVT1=RRB1×VCELL1/(RRF1+RRB1)に減少しても、変化しないままである。RRB1は、平衡抵抗器RB1の抵抗値を表し、VCELL1はセルCELL1の動作電圧を表し、RRF1は監視抵抗器RF1の抵抗値を表す。
【0070】
第1の時間期間T1の終わりに、平衡スイッチSWmはオフにされる。この例では、セルCELLmとバッテリマネジメントシステム120との間の接続は動作しており、したがってセルCELLm、フィルタコンデンサCFm、監視抵抗器RFm、および監視抵抗器RF(m-1)は充電回路を形成する。セルCELLmは、フィルタコンデンサCFmの充電を開始し、電圧差VTmが徐々に増大する。平衡スイッチSWmが、第2の時間期間T2においてオフにされた後、電圧差VTmは、セルCELLmの動作電圧VCELLmに戻る。
【0071】
第2の時間期間T2の終わりに、第1のスイッチKmおよび第3のスイッチS(m+1)は、同時にオンにされる。不足電圧比較器UVmは、受け取った電圧差VTmを第1のオープンセル閾値VCTO1と比較する。VTm=VCELLmであるので、VTm>VCTO1であり、不足電圧比較器UVmは低レベル「0」を出力する。その一方で、過電圧比較器OV(m+1)は、受け取った電圧差VT(m+1)を第2のオープンセル閾値VCTO2と比較する。セルCELLmとバッテリマネジメントシステム120との間の接続は動作しているので、VT(m+1)=VCELL(m+1)である。しかしながら、VCELL(m+1)<VCTO2であり、したがって、過電圧比較器OV(m+1)は低レベル「0」を出力する。ORゲートOR1およびORゲートOR2は、不足電圧比較器UVmおよび過電圧比較器OV(m+1)によって出力された低レベル「0」を受け取り、またOR演算の後に低レベル「0」を出力する。すなわち、セルCELLmとバッテリマネジメントシステム120との間の接続は、動作していると決定される。
【0072】
セルCELLmとバッテリマネジメントシステム120との間の接続が動作不能であるときの動作を説明することにするが、ノードBATmとノードBAT(m-1)との間の電圧差VTmは、制御ユニット127がオープンセル検出信号ENを伝送する前のセルCELLmの動作電圧VCELLmであると仮定する。
【0073】
平衡スイッチSWmは、制御ユニット127によって伝送されるオープンセル検出信号ENに従ってオンにされ、平衡スイッチSWm、平衡抵抗器RBm、およびフィルタコンデンサCFmは、放電回路を形成する。フィルタコンデンサCFmは放電を開始し、ノードBATmとノードBAT(m-1)との間の電圧差VTmはVCELLmの値から徐々に減少して行く。平衡スイッチSWmが、第1の時間期間T1においてオンにされた後、電圧差VTmはプリセットされた電圧値(たとえば、0V)に減少する。
【0074】
第1の時間期間T1の終わりに、平衡スイッチSWmはオフにされる。セルCELLmとバッテリマネジメントシステム120との間の接続が動作不能であるので、セルCELLmはフィルタコンデンサCFmを充電せず、電圧差VTmは0Vから増大し得ない。平衡スイッチSWmが、第2の時間期間T2においてオフにされた後、電圧差VTmは、こうして、プリセットされた電圧値(たとえば、0V)にとどまる。
【0075】
第2の時間期間T2の終わりに、第1のスイッチKmはオンにされる。不足電圧比較器UVmは、受け取った電圧差VTmを第1のオープンセル閾値VCTO1と比較する。電圧差VTmはプリセットされた電圧値(たとえば、0V)であるので、VTm<VCTO1であり、不足電圧比較器UVmは高レベル「1」を出力する。
【0076】
セルCELLmとバッテリマネジメントシステム120との間の接続は動作不能であるので、ノードBAT(m+1)とノードBATmとの間の電圧差VT(m+1)はVCELLm+VCELL(m+1)に変化する。VCELLm+VCELL(m+1)はプリセットされた値VSETより大きい場合があるので、ツェナーダイオードD(m+1)は降伏し得る。ツェナーダイオードD(m+1)が降伏する場合、VT(m+1)=VSETであり、電流がツェナーダイオードD(m+1)の負電極からツェナーダイオードD(m+1)の正電極に流れ、次いでノードBATmに流れ、これはノードBATmにおける電圧VBATmをプルアップする。VTm=VBATm-VBAT(m-1)なので、電圧差VTmもプルアップされる。第2の時間期間T2の終わりに、電圧差VTmは第1のオープンセル閾値VCTO1より大きくなる可能性があり、これにより、セルCELLmとバッテリマネジメントシステム120との間の接続のステータスを間違って決定することが生じ得る。
【0077】
それを回避するために、第3のスイッチS(m+1)および第1のスイッチKmは、同時にオンにされる。過電圧比較器OV(m+1)は、受け取った電圧差VT(m+1)を第2のオープンセル閾値VCTO2と比較する。ツェナーダイオードD(m+1)が降伏しない場合、電圧差VT(m+1)はV
CELLm
+V
CELL(m+1)
V(CTO)またはVCELL(m+1)(ノーマル接続)である。V
CELL(m+1)
は第2のオープンセル閾値VCTO2より低いので、過電圧比較器OV(m+1)はノーマル接続状態で低レベル「0」を出力する。ツェナーダイオードD(m+1)が降伏する場合、電圧差VT(m+1)=VSET>VCTO2であり、過電圧比較器OV(m+1)はCTO状態で高レベル「1」を出力する。すなわち、ノードBATmにおける電圧VBATmはプルアップされ、電圧差VTmもプルアップされる。本発明では、ツェナーダイオードD(m+1)の降伏によって誤差が生じる潜在的可能性をなくす。すなわち、ツェナーダイオードD(m+1)が、セルCELLmとバッテリマネジメントシステム120との間の接続が動作不能であるときに降伏する場合であっても、電圧差VTmはプルアップされる。プルアップされた後の電圧差VTmは、第1のオープンセル閾値VCTO1より大きい場合があり、考慮されなければ不足電圧比較器UVmから間違った出力が得られる可能性がある。それを回避するために、過電圧比較器OV(m+1)の比較の後に、過電圧比較器OV(m+1)は、高レベル「1」を判定ユニット126に出力する。判定ユニット126は、また、OR演算の後に高レベル「1」を出力する。したがって、セルCELLmとバッテリマネジメントシステム120との間の接続が動作不能であると正しく決定することができる。
【0078】
上の例において、ORゲートOR1およびORゲートOR2は両方とも、不足電圧比較器UVmによって出力されたレベルおよび過電圧比較器OV(m+1)によって出力された高レベル「1」に対してOR演算を実行し、高レベル「1」を出力する。したがって、セルCELLmとバッテリマネジメントシステム120との間の接続が動作不能であると正しく決定することができる。
【0079】
第1の時間期間T1、第2の時間期間T2、第1のオープンセル閾値VCTO1、および第2のオープンセル閾値VCTO2に対する値は十分であり、これはセルCELL1を例として使用して示すことができる。CELL1に対して、RRF1=10kΩ、CCF1=0.1μF、RRB1=100Ω、VOV=4.2V、VUV=2V、VSET=6V、VCTO1=1V、およびVCTO2=4.8Vである。RRF1は監視抵抗器の抵抗値RRF1を表し、CCF1はフィルタコンデンサの容量値CCF1を表し、RRB1は平衡抵抗器の抵抗値RRB1を表し、VOVは過電圧閾値を表し、VUVは不足電圧閾値を表し、VSETはプリセットされた値を表し、VCTO1は第1のオープンセル閾値を表し、VCTO2は第2のオープンセル閾値を表す。
【0080】
第1の時間期間T1=(3~5)τ1=(3~5)(CCF1×RRB1)である。その式に上記の値を代入することで、第1の時間期間T1は30μsから50μsの間であると決定される。一実施形態において、第1の時間期間T1は、50μsとなるように選択される。第1の時間期間T1は、フィルタコンデンサCF1が十分な放電時間を有することを確実にする。また、セルCELL1とバッテリマネジメントシステム120との間の接続が動作不能である場合、ノードBAT1とグランドとの間の電圧差VT1は、第1の時間期間T1の終わりに0Vである。
【0081】
第2の時間期間T2=(3~5)τ2=(3~5)(CCF1×RRF1)である。その式に上記の値を代入することで、第2の時間期間T2は6msから10msの間であると決定される。一実施形態において、第2の時間期間T2は、10msとなるように選択される。第2の時間期間T2は、フィルタコンデンサCF1が十分な充電時間を有することを確実にする。また、セルCELL1とバッテリマネジメントシステム120との間の接続が動作している場合、ノードBAT1とグランドとの間の電圧差VT1は、第2の時間期間T2の終わりにセルCELL1の動作電圧VCELL1である。
【0082】
一実施形態において、セルCELL1の動作電圧VCELL1は2V(セルCELL1の最低動作電圧)である。セルCELL1とバッテリマネジメントシステム120との間の接続が動作不能である場合、VCELL1+VCELL2=4V<VSETであり、ツェナーダイオードD2は降伏しない。第2の時間期間T2の終わりに、VT1=0V、およびVT2=4Vである。したがって、VT1=0V<VCTO1=1V、およびVT2=4V<VCTO2=4.8Vである。不足電圧比較器UV1は高レベル「1」を判定ユニット126に出力し、過電圧比較器OV2は低レベル「0」を判定ユニット126に出力する。判定ユニット126はOR演算を実行し、高レベル「1」を出力する。したがって、セルCELL1とバッテリマネジメントシステム120との間の接続が動作不能であると決定することができる。
【0083】
セルCELL1とバッテリマネジメントシステム120との間の接続が動作している場合、第2の時間期間T2の終わりに、VT1=2V、およびVT2=2Vである。したがって、VT1=2V>VCTO1=1V、およびVT2=2V<VCTO2=4.8Vである。したがって、不足電圧比較器UV1および過電圧比較器OV2は両方とも、低レベル「0」を判定ユニット126に出力する。判定ユニット126はOR演算を実行し、低レベル「0」を出力する。したがって、セルCELL1とバッテリマネジメントシステム120との間の接続が動作していると決定することができる。
【0084】
一実施形態において、セルCELL1の動作電圧VCELL1は4.2V(セルCELL1の最高動作電圧)である。セルCELL1とバッテリマネジメントシステム120との間の接続が動作不能である場合、VCELL1+VCELL2=8.4V>VSETであり、ツェナーダイオードD2は降伏し得る。ツェナーダイオードD2が降伏する場合、第2の時間期間T2の終わりに、VT1=4.2V+4.2V-6V=2.4V、およびVT2=6Vである。したがって、VT1=2.4V>VCTO1=1V、およびVT2=6V>VCTO2=4.8Vである。不足電圧比較器UV1は低レベル「0」を判定ユニット126に出力し、過電圧比較器OV2は高レベル「1」を判定ユニット126に出力する。判定ユニット126はOR演算を実行し、高レベル「1」を出力する。したがって、セルCELL1とバッテリマネジメントシステム120との間の接続が動作不能であると決定することができる。他方で、ツェナーダイオードD2が降伏しない場合、第2の時間期間T2の終わりに、VT1=0V、およびVT2=8.4Vである。したがって、VT1=0V<VCTO1=1V、およびVT2=8.4V>V
CTO2
=4.8Vである。不足電圧比較器UV1は高レベル「1」を判定ユニット126に出力し、過電圧比較器OV2は高レベル「1」を判定ユニット126に出力する。判定ユニット126はOR演算を実行し、高レベル「1」を出力する。したがって、セルCELL1とバッテリマネジメントシステム120との間の接続が動作不能であると決定することができる。
【0085】
セルCELL1とバッテリマネジメントシステム120との間の接続が動作している場合、第2の時間期間T2の終わりに、VT1=4.2V、およびVT2=4.2Vである。したがって、VT1=4.2V>VCTO1、およびVT2=4.2V<VCTO2である。したがって、不足電圧比較器UV1および過電圧比較器OV2は両方とも、低レベル「0」を判定ユニット126に出力する。判定ユニット126はOR演算を実行し、低レベル「0」を出力する。したがって、セルCELL1とバッテリマネジメントシステム120との間の接続が動作していると決定することができる。
【0086】
【0087】
一実施形態において、オープンセル検出、不足電圧検出、および過電圧検出の動作の第1のサイクルが、セルCELL1、セルCELL2、...、セルCELLNに対してこの順序で次々に実行される。プリセットされたアイドル時間期間TIDLEの後に、オープンセル検出、不足電圧検出、および過電圧検出の動作の第2のサイクルか開始される。その一方で、制御ユニット127は検出信号を伝送して、アイドル時間期間TIDLEにおいてプリセットされた時間間隔毎に不足電圧検出および過電圧検出の動作を実行する。したがって、制御ユニット127は、アイドル時間期間TIDLEにおいて複数回の不足電圧または過電圧検出動作を実行することができる。各不足電圧または過電圧検出動作は、不足電圧または過電圧障害が生じているかどうかを決定することができる。不足電圧障害の数NUVまたは過電圧障害の数NOVがプリセットされた数NSETより大きい場合、オープンセル検出、不足電圧検出、および過電圧検出の動作は再び実行され、それにより、オープンセル障害(Cell Tap Open、CTO)によって引き起こされる不正確な不足電圧(UV)および過電圧(OV)結果を回避することができる。別の実施形態において、オープンセル検出動作は、第3の時間期間T3内に実行されてよく、過電圧検出動作は、第4の時間期間T4内に実行されてよく、不足電圧検出動作は、第5の時間期間T5内に実行されてよい。
【0088】
ステップ501において、バッテリマネジメントシステム120が起動される。
【0089】
ステップ502において、時刻t1で、制御ユニット127は、オープンセル検出信号ENを伝送する。オープンセル検出信号ENは、オープンセル検出動作を実行する順序を示す。一実施形態において、オープンセル検出は、セルCELL1、セルCELL2、...、セルCELLNの順序で実行される。
【0090】
ステップ503において、オープンセル検出信号ENによって指定された順序に従って、平衡スイッチSWmは第1の時間期間T1においてオンにされ、次いで、第2の時間期間T2においてオフにされる。
【0091】
ステップ504において、第2の時間期間T2の終わりに、第1のスイッチKmおよび第3のスイッチS(m+1)は、オープンセル検出信号ENによって示される順序に従って同時にオンにされる。
【0092】
ステップ505において、不足電圧比較器UVmの反転入力端子「-」は、ノードBATmとノードBAT(m-1)との間の電圧差VTmを受け取る。不足電圧比較器UVmは、電圧差VTmを第1のオープンセル閾値VCTO1と比較し、第3の時間期間T3内に比較結果を出力する。電圧差VTmが第1のオープンセル閾値VCTO1以上であるときに、不足電圧比較器UVmは低レベル「0」を出力し、ステップ505の後にステップ506が続く。そうでなければ、ステップ505の後にステップ507が続く。
【0093】
ステップ506において、過電圧比較器OV(m+1)の非反転入力端子「+」は、ノードBAT(m+1)とノードBATmとの間の電圧差VT(m+1)を受け取る。過電圧比較器OV(m+1)は、電圧差VT(m+1)を第2のオープンセル閾値VCTO2と比較し、第3の時間期間T3内に比較結果を出力する。電圧差VT(m+1)が第2のオープンセル閾値VCTO2より大きいときに、過電圧比較器OV(m+1)は高レベル「1」を出力し、ステップ506の後にステップ507が続く。そうでなければ、ステップ506の後にステップ508が続く。
【0094】
ステップ507において、判定ユニット126(たとえば、ORゲートOR1およびORゲートOR2)は、不足電圧比較器UVmによって出力された高レベル「1」に対してOR演算を実行し、高レベル「1」を出力する。代替的に、判定ユニット126は、不足電圧比較器UVmによって出力された低レベル「0」および過電圧比較器OV(m+1)によって出力された高レベル「1」に対してOR演算を実行し、高レベル「1」を出力する。判定ユニット126によって出力された高レベル「1」は、セルCELLmとバッテリマネジメントシステム120との間の接続が動作不能であることを示す。すなわち、CTOがセルCELLm内にある。次いで、ステップ507の後にステップ509が続く。
【0095】
ステップ508において、判定ユニット126(たとえば、ORゲートOR1およびORゲートOR2)は、第3の時間期間T3内に不足電圧比較器UVmによって出力された低レベル「0」および第3の時間期間T3内に過電圧比較器OV(m+1)によって出力された低レベル「0」に対してOR演算を実行し、低レベル「0」を出力する。判定ユニット126によって出力された低レベル「0」は、セルCELLmとバッテリマネジメントシステム120との間の接続が動作していることを示す。次いで、ステップ508の後にステップ509が続く。
【0096】
ステップ509において、第1のスイッチKmおよび第3のスイッチS(m+1)のターンオン時間の長さTON1が第3の時間期間T3より長くなった後、制御ユニット127は不足電圧検出信号ENAを伝送する。不足電圧検出信号ENAによって示される順序に従って不足電圧検出動作中にセルのすべてがチェックされる。
【0097】
ステップ510において、第2のスイッチKRmは不足電圧検出信号ENAに応答してオンにされる。
【0098】
ステップ511において、不足電圧比較器UVmの反転入力端子「-」は、ノードBATmとノードBAT(m-1)との間の電圧差VTmを受け取る。不足電圧比較器UVmは、電圧差VTmを不足電圧閾値VUVと比較し、第4の時間期間T4内に比較結果を出力する。電圧差VTmが不足電圧閾値VUV以上であるときに、不足電圧比較器UVmは低レベル「0」を出力し、ステップ511の後にステップ512が続く。そうでなければ、ステップ511の後にステップ513が続く。
【0099】
ステップ512において、ORゲートOR3は第4の時間期間T4内に不足電圧比較器UVmから出力された低レベル「0」を受け取る。これは、セルCELLmの動作電圧がノーマル状態にあることを示す。次いで、ステップ512は、ステップ514に進む。
【0100】
ステップ513において、ORゲートOR3は第4の時間期間T4内に不足電圧比較器UVmから出力された高レベル「1」を受け取る。これは、セルCELLmの動作電圧が不足電圧状態にあることを示す。すなわち、不足電圧障害がセルCELLm内に発生している。次いで、ステップ513は、ステップ514に進む。
【0101】
ステップ514において、第2のスイッチKRmのターンオン時間の長さTON2が第4の時間期間T4より長くなった後、制御ユニット127は過電圧検出信号ENBを伝送する。過電圧検出信号ENBによって示される順序に従って過電圧検出動作中にセルのすべてがチェックされる。
【0102】
ステップ515において、過電圧比較器OVmは、過電圧検出信号ENBに応答して有効化される。
【0103】
ステップ516において、過電圧比較器OVmの反転入力端子「-」は、ノードBATmとノードBAT(m-1)との間の電圧差VTmを受け取る。過電圧比較器OVmは電圧差VTmを過電圧閾値VOVと比較し、比較結果を出力する。電圧差VTmが過電圧閾値VOV以下であるときに、過電圧比較器OVmは低レベル「0」を出力し、ステップ516の後にステップ517が続く。そうでなければ、ステップ516の後にステップ518が続く。
【0104】
ステップ517において、ORゲートOR4は第5の時間期間T5内に過電圧比較器OVmから出力された低レベル「0」を受け取る。これは、セルCELLmの動作電圧がノーマル状態にあることを示す。次いで、ステップ517は、ステップ519に進む。
【0105】
ステップ518において、ORゲートOR4は第5の時間期間T5内に過電圧比較器OVmから出力された高レベル「1」を受け取る。これは、セルCELLmの動作電圧が過電圧状態にあることを示す。すなわち、過電圧障害がセルCELLm内に発生している。次いで、ステップ518は、ステップ519に進む。
【0106】
ステップ519において、mがNに等しいかどうかを決定するための演算が実行される。等しくない場合、ステップ519の後にステップ520が続く。そうでなければ、ステップ519の後にステップ521が続く。
【0107】
ステップ520において、次のセルが選択され、この方法はステップ503に戻る。
【0108】
ステップ521において、オープンセル検出の優先度は、不足電圧検出および過電圧検出の優先度より高いので、判定ユニット126(ORゲートOR1およびORゲートOR2)は、第3の時間期間T3内に不足電圧比較器UVm(m=1,2,...,N)および過電圧比較器OVm(m=2,3,...,N)によって出力される信号(高レベル「1」または低レベル「0」)に対してOR演算を実行する。演算結果が高レベル「1」である場合、これは、セルとバッテリマネジメントシステム120との間の接続が動作不能であることを示す。すなわち、CTOがセルに生じている。次いで、ステップ521は、ステップ522に進む。演算結果が低レベル「0」である場合、これは、バッテリユニット110内のセルとバッテリマネジメントシステム120との間の接続が動作していることを示し、次いでステップ521はステップ523に進む。
【0109】
ステップ522において、制御ユニット127は高レベル「1」を受け取り、オープンセルアラームを伝送する。それと同時に、制御ユニット127はセルを負荷および充電器から切断する。次いで、ステップ522はステップ528に進む。
【0110】
ステップ523において、制御ユニット127は低レベル「0」を受け取るが、これはバッテリユニット110内のセルとバッテリマネジメントシステム120との間の接続が動作していることを示す。それと同時に、ORゲートOR3は、第4の時間期間T4内に不足電圧比較器UVmから受け取った信号(高レベル「1」または低レベル「0」)に対してOR演算を実行する。演算結果が高レベル「1」である場合、これは、セルの動作電圧が不足電圧状態にあることを示す。すなわち、不足電圧障害がバッテリユニット110内のセルに発生している。次いで、ステップ523は、ステップ524に進む。演算結果が低レベル「0」である場合、これは、バッテリユニット110内のセルの動作電圧がノーマル状態にあることを示し、ステップ523はステップ525に進む。
【0111】
ステップ524において、制御ユニット127は高レベル「1」を受け取り、不足電圧アラームを伝送する。それと同時に、制御ユニット127は、不足電圧保護動作を実行する。すなわち、制御ユニット127は、バッテリユニット110内のセルを負荷から切断する。次いで、ステップ524はステップ528に進む。
【0112】
ステップ525において、ORゲートOR4は、第5の時間期間T5内に過電圧比較器OVmから受け取った信号(高レベル「1」または低レベル「0」)に対してOR演算を実行する。演算結果が高レベル「1」である場合、これは、バッテリユニット110内のセルの動作電圧が過電圧状態にあることを示す。すなわち、過電圧障害がセル内に発生している。次いで、ステップ525は、ステップ526に進む。演算結果が低レベル「0」である場合、これは、バッテリユニット110内のセルの動作電圧がノーマル状態にあることを示し、ステップ525はステップ527に進む。
【0113】
ステップ526において、制御ユニット127は高レベル「1」を受け取り、過電圧アラームを伝送する。それと同時に、制御ユニット127は、過電圧保護動作を実行する。すなわち、制御ユニット127は、バッテリユニット110内のセルを充電器から切断する。次いで、ステップ526はステップ528に進む。
【0114】
ステップ527において、判定ユニット126(ORゲートOR1およびORゲートOR2)、ORゲートOR3およびORゲートOR4の演算結果は、高レベル「1」である。制御ユニット127は、バッテリユニット110内のセルの動作電圧がノーマル状態にあると決定する。すなわち、バッテリユニット110内のセルとバッテリマネジメントシステム120との間の接続は動作しており、セルの動作電圧はノーマル状態にある。次いで、ステップ527は、ステップ528に進む。
【0115】
ステップ528において、オープンセル検出、不足電圧検出、および過電圧検出の第1のサイクルが完了した後、プリセットされたアイドル時間期間TIDLEに入る。制御ユニット126は、アイドル時間期間TIDLE内のプリセットされた時間間隔(たとえば、256ms)毎に不足電圧検出信号ENAを伝送する。
【0116】
ステップ529において、第2のスイッチKRmは各不足電圧検出信号ENAに応答してオンにされる。
【0117】
ステップ530において、不足電圧比較器UVmの反転入力端子「-」は、ノードBATmとノードBAT(m-1)との間の電圧差V
Tmを受け取る。不足電圧比較器UVmは、電圧差V
Tmを不足電圧閾値V
UVと比較し、第6の時間期間T6内に比較結果を出力する(
図3には示されていない。第6の時間期間T6は電圧差V
Tmと不足電圧閾値V
UVとの間の比較を完了し、比較結果を出力するように各不足電圧比較器UVmを有効化するための期間である)。電圧差V
Tmが不足電圧閾値V
UV以上であるときに、不足電圧比較器UVmは低レベル「0」を出力し、ステップ530の後にステップ531が続く。そうでなければ、ステップ530の後にステップ532が続く。
【0118】
ステップ531において、ORゲートOR3は第6の時間期間T6内に不足電圧比較器UVmによって出力された低レベル「0」を受け取る。これは、セルCELLmの動作電圧VCELLmがノーマル状態にあることを示す。次いで、ステップ531は、ステップ533に進む。
【0119】
ステップ532において、ORゲートOR3は第6の時間期間T6内に不足電圧比較器UVmによって出力された高レベル「1」を受け取る。これは、セルCELLmの動作電圧VCELLmが不足電圧状態にあることを示す。すなわち、不足電圧障害がセルCELLm内に発生している。次いで、ステップ532は、ステップ533に進む。
【0120】
ステップ533において、第2のスイッチKRmのターンオン時間の長さTON3が第6の時間期間T6より長くなった後、制御ユニット127は過電圧検出信号ENBを伝送する。過電圧検出信号ENBによって示される順序に従って過電圧検出動作中にセルのすべてがチェックされる。
【0121】
ステップ534において、過電圧比較器OVmは、過電圧検出信号ENBに応答して有効化される。
【0122】
ステップ535において、過電圧比較器OVm(m=2,3,...,N)の反転入力端子「-」は、ノードBATmとノードBAT(m-1)との間の電圧差V
Tmを受け取る。第7の時間期間T7において、過電圧比較器OVmは電圧差V
Tmを過電圧閾値V
OVと比較し、比較結果を出力する。第7の時間期間T7(
図3には示されていない)は電圧差V
Tmと過電圧閾値V
OVとの間の比較を完了し、比較結果を出力するように各過電圧比較器OVm(m=1,2,...,N)を有効化するための期間である。電圧差V
Tmが過電圧閾値V
OV以下であるときに、過電圧比較器OVmは低レベル「0」を出力し、ステップ535の後にステップ536が続く。そうでなければ、ステップ535の後にステップ537が続く。
【0123】
ステップ536において、ORゲートOR4は第7の時間期間T7内に過電圧比較器OVmから出力された低レベル「0」を受け取る。これは、セルCELLmの動作電圧VCELLmがノーマル状態にあることを示す。次いで、ステップ536は、ステップ538に進む。
【0124】
ステップ537において、ORゲートOR4は第7の時間期間T7内に過電圧比較器OVmから出力された高レベル「1」を受け取る。これは、セルCELLmの動作電圧VCELLmが過電圧状態にあることを示す。すなわち、過電圧障害がセルCELLm内に発生している。次いで、ステップ537は、ステップ538に進む。
【0125】
ステップ538において、mがNに等しいかどうかを決定するための演算が実行される。等しくなければ、ステップ538は、ステップ539に進む。そうでなければ、ステップ538はステップ540に進む。
【0126】
ステップ539において、バッテリユニット110内の次のセルが選択され、方法500はステップ529に戻る。
【0127】
ステップ540において、ORゲートOR3は第6の時間期間T6内に不足電圧比較器のすべてによって出力された信号(高レベル「1」または低レベル「0」)を受け取り、OR演算を実行する。演算結果が高レベル「1」である場合、これは、バッテリユニット110内のセルの動作電圧が不足電圧状態にあることを示す。すなわち、不足電圧障害がバッテリユニット110内のセルに発生している。次いで、ステップ540は、ステップ541に進む。演算結果が低レベル「0」である場合、これは、バッテリユニット110内のセルの動作電圧がノーマル状態にあることを示し、ステップ540はステップ542に進む。
【0128】
ステップ541において、不足電圧障害の数NUVは1つ増やされ、不足電圧障害の更新された数NUV’が得られる。次いで、ステップ541は、ステップ545に進む。
【0129】
ステップ542において、ORゲートOR4は第7の時間期間T7内に過電圧比較器のすべてから出力された信号(高レベル「1」または低レベル「0」)を受け取り、OR演算を実行する。演算結果が高レベル「1」である場合、これは、バッテリユニット110内のセルの動作電圧が過電圧状態にあることを示す。すなわち、過電圧障害がバッテリユニット110内のセルに発生している。次いで、ステップ542は、ステップ543に進む。演算結果が低レベル「0」である場合、これは、バッテリユニット110内のセルの動作電圧がノーマル状態にあることを示し、ステップ542はステップ544に進む。
【0130】
ステップ543において、過電圧障害の数NOVは1つ増やされ、過電圧障害の更新された数NOV’が得られる。次いで、ステップ543は、ステップ545に進む。
【0131】
ステップ544において、ORゲートOR3およびORゲートOR4の演算結果は、低レベル「0」である。これは、バッテリユニット110内のセルの動作電圧がノーマル状態にあることを示す。次いで、ステップ544は、ステップ545に進む。
【0132】
ステップ545において、アイドル時間期間TIDLEに入ってからの時間の長さTON4はアイドル時間期間TIDLEより長いかどうかが決定される。そうであれば、ステップ545の後にステップ547が続く。そうでなければ、ステップ545の後にステップ546が続く。
【0133】
ステップ546において、不足電圧障害の数NUV’または過電圧障害の数NOV’がプリセットされた数NSETより大きいかどうかを決定するための演算が実行される。大きければ、ステップ546の後にステップ547が続く。そうでなければ、ステップ546の後にステップ548が続く。
【0134】
ステップ547において、方法500はステップ502に戻り、オープンセル検出、不足電圧検出、および過電圧検出の次のサイクルが開始する。
【0135】
ステップ548において、最後の不足電圧検出信号ENAが伝送された後の時間の長さがプリセットされた時間間隔を超えているかどうかが決定される。そうであれば、ステップ548の後にステップ549が続く。そうでなければ、プリセットされた時間間隔(256ms)を超えるまで時間は測定され続け、記録される。
【0136】
ステップ549において、方法500はステップ528に戻る。すなわち、不足電圧検出および過電圧検出の次のサイクルが開始する。
【0137】
図6は、本発明の実施形態による、オープンセル検出方法600のフローチャートを示す。
図6は、
図1と併せて説明されている。
【0138】
ステップ601において、制御ユニット127は、オープンセル検出信号ENを伝送する。
【0139】
ステップ602において、オープンセル検出信号ENに従って第1の平衡ユニット122_1が第1の時間期間T1において有効化され、次いで、第2の時間期間T2において無効化される。
【0140】
ステップ603において、第2の時間期間T2の終わりに、第1の不足電圧比較ユニット124_1および第2の過電圧比較ユニット125_2は、オープンセル検出信号ENに従って第3の時間期間T3において同時に有効化される。
【0141】
ステップ604において、第3の時間期間T3に、第1の不足電圧比較ユニット124_1は、受け取った電圧を第1のオープンセル閾値VCTO1と比較し、第1の比較結果を出力する。
【0142】
ステップ605において、第3の時間期間T3に、第2の過電圧比較ユニット125_2は、受け取った電圧を第2のオープンセル閾値VCTO2と比較し、第2の比較結果を出力する。第2のオープンセル閾値VCTO2は、第1のオープンセル閾値VCTO1よりも大きい。
【0143】
ステップ606において、判定ユニット126は、第1の比較結果および第2の比較結果に基づき第1のバッテリユニット110_1とバッテリマネジメントシステム120との間の接続が動作不能であるかどうかを決定する。
【0144】
前記の説明および図面は、本発明の実施形態を表しているが、付属の請求項において定められているような本発明の原理の精神および範囲から逸脱することなく様々な追加、修正、および置換を行えることは理解されるであろう。当業者であれば、本発明は、本発明の原理から逸脱することなく特定の環境および動作要件に特に適合される、本発明を実施する際に使用される形態、構造、配置構成、割合、材料、要素、およびコンポーネントの多くの修正、および他のものとともに使用され得ることを理解するであろう。したがって、本発明で開示されている実施形態は、すべての点において例示的および非制限的であると考えるべきであり、本発明の範囲は付属の請求項およびそれ法的に同等であるものにより示され、前記の説明に限定されない。
【符号の説明】
【0145】
100 オープンセル検出システム
110 バッテリユニット
110_n 第nのバッテリユニット
110_1 第1のバッテリユニット
110_2 第2のバッテリユニット
110_N 第Nのバッテリユニット
120 バッテリマネジメントシステム
121 フィルタユニット
121_1 第1のフィルタユニット
121_2 第2のフィルタユニット
121_N 第Nのフィルタユニット
121_n フィルタユニット
122 平衡ユニット
122_1 第1の平衡ユニット
122_2 第2の平衡ユニット
122_N 第Nの平衡ユニット
122_n 平衡ユニット
123 保護ユニット
123_1 保護ユニット
123_2 保護ユニット
123_N 保護ユニット
123_n 保護ユニット
124 不足電圧比較ユニット
124_1 第1の不足電圧比較ユニット
124_2 第2の不足電圧比較ユニット
124_N 第Nの不足電圧比較ユニット
124_n 不足電圧比較ユニット
125 過電圧比較ユニット
125_m 第mの過電圧比較ユニット
125_n 過電圧比較ユニット
126 判定ユニット
127 制御ユニット
4 オープンセル検出システム
400 回路図
500 オープンセル検出方法
600 オープンセル検出方法