(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-27
(45)【発行日】2024-10-07
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 21/18 20060101AFI20240930BHJP
G03G 21/16 20060101ALI20240930BHJP
G03G 15/01 20060101ALI20240930BHJP
【FI】
G03G21/18 185
G03G21/16 133
G03G21/16 120
G03G15/01
(21)【出願番号】P 2020098379
(22)【出願日】2020-06-05
【審査請求日】2023-05-24
(31)【優先権主張番号】P 2019139129
(32)【優先日】2019-07-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2019172221
(32)【優先日】2019-09-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2019135189
(32)【優先日】2019-07-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2019132086
(32)【優先日】2019-07-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】深澤 悠
(72)【発明者】
【氏名】阿部 大輔
(72)【発明者】
【氏名】酒井 謙吾
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 充広
(72)【発明者】
【氏名】久保 行生
(72)【発明者】
【氏名】末次 将大
【審査官】早川 貴之
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-116826(JP,A)
【文献】特開2016-008977(JP,A)
【文献】特開2003-280491(JP,A)
【文献】特開2009-003174(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 13/00
15/00
21/16-21/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置であって、
本体と、
現像剤が収納される現像カートリッジであって、
筐体と、
前記筐体に設けられ、前記現像カートリッジに関する情報を記憶するメモリ媒体と、前記メモリ媒体を支持するメモリ媒体ユニットと、
前記現像剤を担持する現像剤担持体と、
前記現像剤担持体の長手方向と交差する前記筐体の一部から前記長手方向に沿って突出する突出部と、
を有する現像カートリッジと、
前記本体に収容された収容位置と、前記本体から引き出された引き出し位置との間で移動可能なトレイであって、
前記現像カートリッジを装着可能な枠体と、
前記枠体に前記現像カートリッジが装着されたときに前記現像剤担持体と対向するように設けられており、静電潜像が形成され、前記静電潜像への前記現像剤担持体からの前記現像剤の供給を受ける、像担持体と、
前記枠体に前記現像カートリッジが装着されたときに前記現像カートリッジの長手方向の一端部に対応する位置に設けられており、前記突出部をガイドする、ガイド部材と、前記枠体に前記現像カートリッジが装着されたときに前記メモリ媒体と当接して電気的に接続される電気接点部と、
前記枠体に前記現像カートリッジが装着されたときに前記メモリ媒体ユニットを支持するメモリユニット支持部と、
を有するトレイと、
を備えており、
前記ガイド部材は、前記枠体に前記現像カートリッジが装着されたときに前記メモリ媒体ユニットを支持する前記メモリユニット支持部として機能する部分と、前記現像カートリッジの装着方向において前記メモリユニット支持部よりも下流に位置
し、かつ前記突出部と当接可能な当接面を含む下流部を含み、
前記メモリユニット支持部は、前記枠体に前記現像カートリッジを装着しているとき
であって前記現像剤担持体が前記像担持体と離れた位置にあるときに、
前記突出部と当接可能
であり、前記下流部の
前記当接面に向けて、前記突出部を案内する、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記ガイド部材の前記下流部は、前記現像カートリッジを位置決めするためのガイド側位置決め部と、前記ガイド側位置決め部に向けて前記現像カートリッジを案内するカートリッジガイド部と、を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記現像カートリッジが前記トレイに装着されるときに、前記現像カートリッジに設けられたカートリッジ側位置決め部が、前記メモリユニット支持部に当接しながら前記装着方向に案内されることにより、前記現像カートリッジが前記下流部に到達する
ことを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記現像カートリッジの前記カートリッジ側位置決め部と、前記ガイド部材の前記ガイド側位置決め部が当接することにより、前記現像カートリッジが位置決め固定される
ことを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記メモリユニット支持部は、前記枠体への前記現像カートリッジの装着中は、前記現像カートリッジの前記カートリッジ側位置決め部を前記下流部へ案内し、前記枠体に前記現像カートリッジが装着されたときは、前記メモリ媒体ユニットを位置決め固定する
ことを特徴とする請求項3または4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記ガイド部材の、前記長手方向と直交する方向における断面は、互いに対向する一方の側部と他方の側部を含む略U字形状である
ことを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記メモリユニット支持部は前記一方の側部に設けられており、前記電気接点部は前記他方の側部に設けられている
ことを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記断面において、前記メモリユニット支持部は、前記ガイド部材の前記下流部と分離されている
ことを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記メモリ媒体ユニットは、前記メモリ媒体を前記長手方向と直交する方向に押圧する押圧部材を備えており、
前記現像カートリッジが前記トレイに装着されたときに、前記メモリユニット支持部が前記メモリ媒体ユニットをバックアップすることにより、前記押圧部材が、前記メモリ媒体を前記電気接点部に当接させる
ことを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記電気接点部は、前記トレイに設けられたメモリユニット支持凹部に設けられており、前記押圧部材が前記メモリ媒体を押圧しているときに、前記メモリ媒体ユニットは、前記メモリユニット支持部と前記メモリユニット支持凹部により固定されている
ことを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記ガイド部材は、前記枠体において前記長手方向に直交する方向に延びる側壁に設けられており、前記ガイド部材の前記長手方向における幅は、前記側壁の幅に収まる
ことを特徴とする請求項1~10のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記トレイは、第一の現像カートリッジを装着するための第一のガイド部材と、第二の現像カートリッジを前記第一の現像カートリッジと長手方向が揃うように装着するための、前記第一のガイド部材と隣接する第二のガイド部材を備えており、
前記第一のガイド部材と前記第二のガイド部材にはそれぞれ、前記長手方向に延びる軸を中心として回転することにより前記第一の現像カートリッジと前記第二の現像カートリッジを加圧して固定する加圧部材が設けられており、第一の加圧部材が回転したときでも、当該第一の加圧部材は前記第二のガイド部材と接触しない
ことを特徴とする請求項1~11のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記本体に設けられ、前記現像カートリッジが装着された状態の前記トレイが前記収容位置にあるときに前記メモリ媒体と電気的に接続される、本体側金属端子と、
前記電気接点部および前記本体側金属端子を介して、前記メモリ媒体との間で前記情報の読み出しまたは書き込みを行う制御部と、
をさらに備えることを特徴とする請求項1~12のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項14】
前記トレイは、前記収容位置に収容されたときに前記本体側金属端子と当接するトレイ側金属端子と、前記電気接点部と前記トレイ側金属端子の間に設けられた電気的配線とを有する
ことを特徴とする請求項13に記載の画像形成装置。
【請求項15】
前記長手方向について、前記当接面の位置と、前記メモリユニット支持部の位置とは、少なくとも部分的に重なる
ことを特徴とする請求項1~14のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項16】
前記ガイド部材は凹部が形成されたガイド面を有し、前記電気接点部は前記凹部に配置されており、
前記枠体に前記現像カートリッジを装着しているときであって前記現像剤担持体が前記像担持体と離れた位置にあるときに、前記ガイド面は前記突出部と当接可能である
ことを特徴とする請求項1~15のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項17】
前記突出部は、前記現像剤担持体と同軸である
ことを特徴とする請求項1~16のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置および現像カートリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、レーザプリンタ、LEDプリンタ等の電子写真方式の画像形成装置が知られている。それらの画像形成装置において、現像剤を収容する容器を備えた現像カートリッジを装置本体に着脱する方式が知られている。さらに、現像カートリッジ方式の画像形成装置に、現像カートリッジを取り付けるためのカートリッジトレイを設ける場合がある。これにより、ユーザがカートリッジトレイを画像形成装置本体から引き出して、現像カートリッジを容易に交換できるようになる。カートリッジトレイには、現像カートリッジが有する現像ローラと対向する位置に、感光体ドラムが設けられている。現像ローラは、現像剤を感光体に供給して潜像を現像する。帯電後に選択的な露光により静電潜像が形成された感光体ドラムに、現像ローラを介して現像カートリッジ内のトナーを供給することで、画像が形成される。例えば特許文献1には、現像カートリッジを着脱可能なカートリッジトレイを有する画像形成装置が記載されている。
【0003】
現像カートリッジに、その現像カートリッジに関する情報を記憶したメモリ媒体を設ける場合がある。現像カートリッジに関する情報としては、印刷可能枚数などのイールド情報や、現像剤の残量を示す情報などがある。これらの情報は、画像形成装置本体の制御部により、装置の制御や現像カートリッジの寿命管理のために用いられる。メモリ媒体として例えば接触式ICチップなどのメモリチップが用いられる場合、メモリ媒体が有する電気的な接点部と、カートリッジトレイまたは装置本体が有する電気的な接点部とを接触させることで、メモリ媒体と画像形成装置本体の制御部の間でカートリッジに関する情報を通信する。例えば特許文献2には、カートリッジに関する情報を記憶するメモリ媒体についての記載がある。
特許文献2には、画像形成装置において、このような現像カートリッジに関する情報を、カートリッジのサイドフォルダに設けられたメモリ手段に保存して制御に用いる技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2016-008977号公報
【文献】特開2015-062053号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
現像カートリッジがメモリ媒体を有し、カートリッジトレイに設けた接点部を介してメモリ媒体の情報を読み出す場合、カートリッジトレイに、現像カートリッジのメモリ媒体との係合部および接点部を設ける。さらにカートリッジトレイには、画像形成装置本体と通信するトレイ通信部を設ける必要がある。また、装置本体にも、トレイ側金属端子と通信する本体側金属端子を設ける必要がある。
そのため、カートリッジトレイや現像カートリッジに、情報通信用の部品を配置するためのスペースが必要となり、画像形成装置のサイズが大型化するおそれがある。または、装置サイズを大きくする代わりに、カートリッジトレイや現像カートリッジのサイズを小さくして部品配置スペースを確保する必要がある。しかし、例えば現像カートリッジのサイズを小さくして部品配置スペースを確保した場合、現像カートリッジ内に収容できる現像剤の量が減少するなどの問題が生じるおそれがある。
【0006】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、メモリ媒体が設けられた現像カートリッジをカートリッジトレイに装着する画像形成装置において、画像形成装置のサイズ大型化を抑止する、あるいは現像カートリッジ内の現像剤容量をより確保できる技術を提供することにある。
【0007】
上記課題に鑑みた本発明のさらなる目的は、メモリ媒体ユニットの小型化を可能とする技術を提供することにある。
【0008】
ところで、現像ローラは使用状態において現像カートリッジの外側に露出する部材であるため、輸送中の破損を防ぐために、現像ローラを保護部材で覆って保護する場合がある。また、メモリチップの電気接点部も現像カートリッジの外側に露出する位置にあるため、輸送中の破損を防ぐために保護部材によって覆う場合がある。しかし、現像ローラ及び電気接点部をそれぞれ保護する保護部材を複数設けると、複数の保護部材を取外す手間の分、交換作業に手間がかかることになってユーザビリティの低下を招く。また、一方の保護部材を外し忘れることや、一方の保護部材を外した後に他方の保護部材を取外す過程でユーザが電気接点部に接触してしまうこと等の懸念があった。
【0009】
上記課題に鑑みて本発明は、ユーザビリティを向上可能な現像カートリッジを提供することを目的とする。
【0010】
また、かかる画像形成装置においては、現像カートリッジにメモリ手段を取り付けておき、画像形成装置の本体側に設けられた制御部が、メモリ手段からの情報読み出しやメモリ手段への情報書き込みを行う。メモリ手段としては、性能やコストの観点から接触式ICチップが好適である。そして、制御部と電気的に接続された本体側のメモリ接続手段の電気接点部と、メモリ手段と電気的に接続されたカートリッジ側の電気接点部とが接触することにより、制御部とメモリ手段との通信が可能になる。
しかしながら、このような、現像カートリッジ側に取り付けたメモリ手段と、画像形成装置本体側に取り付けたメモリ接続手段とが電気接点部で接触する構成では、画像形成装置本体と現像カートリッジの相対位置が変化したときに、メモリ手段とメモリ接続手段の間で擦れが発生するおそれがある。かかる相対位置の変化は、例えば、本体側に配置された感光体ドラムと現像カートリッジ側に配置された現像ローラを離す離間動作時に発生する。
【0011】
上記課題に鑑みて本発明は、現像カートリッジに関する情報を保存するメモリ手段の擦れを低減する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、以下の構成を採用する。すなわち、
画像形成装置であって、
本体と、
現像剤が収納される現像カートリッジであって、
筐体と、
前記筐体に設けられ、前記現像カートリッジに関する情報を記憶するメモリ媒体と、前記メモリ媒体を支持するメモリ媒体ユニットと、
前記現像剤を担持する現像剤担持体と、
前記現像剤担持体の長手方向と交差する前記筐体の一部から前記長手方向に沿って突出する突出部と、
を有する現像カートリッジと、
前記本体に収容された収容位置と、前記本体から引き出された引き出し位置との間で移動可能なトレイであって、
前記現像カートリッジを装着可能な枠体と、
前記枠体に前記現像カートリッジが装着されたときに前記現像剤担持体と対向するように設けられており、静電潜像が形成され、前記静電潜像への前記現像剤担持体からの前記現像剤の供給を受ける、像担持体と、
前記枠体に前記現像カートリッジが装着されたときに前記現像カートリッジの長手方向の一端部に対応する位置に設けられており、前記突出部をガイドする、ガイド部材と、前記枠体に前記現像カートリッジが装着されたときに前記メモリ媒体と当接して電気的に接続される電気接点部と、
前記枠体に前記現像カートリッジが装着されたときに前記メモリ媒体ユニットを支持するメモリユニット支持部と、
を有するトレイと、
を備えており、
前記ガイド部材は、前記枠体に前記現像カートリッジが装着されたときに前記メモリ媒体ユニットを支持する前記メモリユニット支持部として機能する部分と、前記現像カートリッジの装着方向において前記メモリユニット支持部よりも下流に位置し、かつ前記突出部と当接可能な当接面を含む下流部を含み、
前記メモリユニット支持部は、前記枠体に前記現像カートリッジを装着しているときであって前記現像剤担持体が前記像担持体と離れた位置にあるときに、前記突出部と当接可能であり、前記下流部の前記当接面に向けて、前記突出部を案内する、
ことを特徴とする画像形成装置である。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、メモリ媒体が設けられた現像カートリッジをカートリッジトレイに装着する画像形成装置において、画像形成装置のサイズ大型化を抑止する、あるいは現像カートリッジ内の現像剤容量をより確保できる技術を提供することができる。
【0018】
さらに本発明によれば、メモリ媒体ユニットの小型化を可能とする技術を提供することができる。
【0019】
さらに本発明によれば、ユーザビリティを向上可能な現像カートリッジを提供することができる。
【0020】
さらに本発明によれば、現像カートリッジに関する情報を保存するメモリ手段の擦れを低減する技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図3】カートリッジトレイへの現像カートリッジ装着を説明する斜視図
【
図4】カートリッジトレイと現像カートリッジの断面概略図
【
図5】カートリッジトレイにおけるガイド部とメモリユニット支持部を示す斜視図
【
図6】カートリッジトレイの構成を示す上面図および断面概略図
【
図8】現像カートリッジ駆動側から見た斜視図および構成図
【
図9】現像カートリッジが備えるメモリタグユニットの構成図
【
図10A】現像カートリッジの装着前の様子を示す断面概略図
【
図10B】現像カートリッジの装着中の様子を示す断面概略図
【
図10C】現像カートリッジの装着完了状態を示す断面概略図
【
図10D】現像カートリッジの離間状態を示す断面概略図
【
図11】カートリッジトレイが備えるガイド部材の変形例を示す断面概略図
【
図12】カートリッジトレイが備えるガイド部材の構成例を示す別の断面概略図
【
図13】カートリッジトレイが備えるガイド部材の構成例を示す別の断面概略図
【
図14】実施形態2の現像カートリッジの、現像ローラカバーが取付けられた状態を表す斜視図(a)及び現像ローラカバーの斜視図(b)
【
図15】実施形態2の現像ローラカバーの駆動側における形状を表す斜視図
【
図16】実施形態2の現像ローラカバーの取外しについて説明するための図(a~c)
【
図17】実施形態2のメモリタグユニットと現像ローラカバーのメモリタグ保護部との位置関係の例を示す図(a~c)
【
図18】実施形態3のカートリッジトレイ、現像カートリッジの斜視図
【
図19】実施形態3のカートリッジガイド部とメモリガイド部とメモリユニット支持部の位置関係を示す図
【
図20】実施形態3のカートリッジトレイの構成図および断面概略図
【
図21】実施形態3の現像カートリッジ非駆動側から見た斜視図
【
図22】実施形態3の現像カートリッジ駆動側から見た斜視図および構成図
【
図23】実施形態3の現像カートリッジのメモリタグユニットの構成図
【
図24A】実施形態3の現像カートリッジの装着前の様子を示す断面概略図
【
図24B】実施形態3の現像カートリッジの装着中の様子を示す断面概略図
【
図24C】実施形態3の現像カートリッジの装着完了状態を示す断面概略図
【
図24D】実施形態3の現像カートリッジの離間状態を示す断面概略図
【
図25】実施形態4に係る画像形成装置および現像カートリッジを説明する図
【
図26】実施形態4に係るカートリッジトレイおよび現像カートリッジの斜視図
【
図27】実施形態4に係る現像カートリッジの斜視図
【
図28】実施形態4に係る現像カートリッジの別の斜視図
【
図29】実施形態4に係るカートリッジトレイへの現像カートリッジ挿入時の挙動図
【
図30】実施形態4に係るカートリッジトレイへの現像カートリッジ挿入時の別の挙動図
【
図31】実施形態4に係るカートリッジトレイに装着された現像カートリッジの挙動図
【
図32】実施形態4に係るメモリタグコネクタユニットの挙動図
【
図33】実施形態4に係る離間動作を実行したときの挙動図
【
図34】実施形態4に係るメモリタグコネクタユニットの構成図
【
図35】実施形態4に係るメモリタグコネクタユニットの離間動作時の挙動図
【
図36】実施形態5に係るメモリタグユニットの構成図
【
図37】実施形態5に係るメモリタグコネクタユニットの構成図
【
図38】実施形態5に係るメモリタグコネクタユニットの離間動作時の挙動図
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下の説明では、図面および実施形態を参照して、この発明を実施するための形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施形態に記載されている構成部品の機能、材質、形状、その相対配置などは、特定の記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。また、以下の説明で一度説明した部材についての機能、材質、形状などは、特に改めて記載しない限りは初めの説明と同様のものである。
【0023】
また、以下の説明では、カートリッジトレイが有する感光体ドラムのドラム軸線上(回転軸線上)に延びる方向を「第1方向、長手方向、または、長手」と称する。また、第1方向に対して交差する方向(本実施形態では、カートリッジトレイに対する現像カートリッジの挿入方向)を「第2方向」や「現像カートリッジの装着方向」と称する。また、カートリッジトレイが画像形成装置本体内に挿入される方向を「第3方向」や「カートリッジトレイの装着方向」と称する。また、現像カートリッジを構成する部材の形状や部材同士の配置関係等について説明の必要がある場合、現像カートリッジの筐体がカートリッジトレイに装着された状態と同じ姿勢にあるものとして、これらの方向を用いて説明する。
第1方向と第2方向とは、互いに交差、好ましくは直交する。第2方向と第3方向とは、互いに交差、好ましくは直交する。第3方向と第1方向とは、互いに交差、好ましくは直交する。ある実施形態に関連する図面では、第1の方向はY方向に、第2の方向はZ方向に、第3の方向はX方向に対応するが、この例には限定されない。
【0024】
また、以下の説明では、画像形成装置に関して、前ドアを設けた側を正面(前面)、正面と反対側の面を背面(後面)とする。また、画像形成装置を正面から見て左側を駆動側、右側を非駆動側と称する。
【0025】
[実施形態1]
本発明に係る画像形成装置1、および、画像形成装置1に用いられる現像カートリッジ8とカートリッジトレイ3の実施形態について、図を用いて説明する。
【0026】
≪画像形成装置の構成≫
画像形成装置の構成について説明する。
図1は、画像形成装置1の断面概略図である。
図2は、画像形成装置1の斜視図である。
図3は、カートリッジトレイ3および現像カートリッジ8の斜視図である。
【0027】
画像形成装置1は、装置本体2と、現像カートリッジ8が装着されるカートリッジトレイ3を有する。
図1に示すように、画像形成装置1は、電子写真画像形成プロセスを用いた4色フルカラーレーザプリンタであり、記録媒体Sにカラー画像形成を行う。
【0028】
カートリッジトレイ3は、4つの現像カートリッジ8(8Y、8M、8C、8K)を保持可能なトレイである。画像形成装置1は、現像カートリッジ8(8Y、8M、8C、8K)から供給される現像剤(例えば、トナー)により、記録媒体S(例えば、印刷用紙)に画像を形成する。カートリッジトレイ3は、装置本体2から取り外し可能である。カートリッジトレイ3は、装置本体2に収容された収容位置と、装置本体2から引き出された引き出し位置の間で移動可能であり、引き出し位置にあるときに、カートリッジトレイ3に現像カートリッジ8を装着可能である。
【0029】
本実施形態では、1つのカートリッジトレイ3に、互いに異なる色(例えば、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラック)の現像剤を収納する、4つの現像カートリッジ8を装着可能である。ただし、カートリッジトレイ3に装着される現像カートリッジ8の数は4つに限定されず、1~3つでもよく、5つ以上でもよい。また、色の種類もこれに限定されない。また、色の配置順番も
図1の例に限定されない。例えば、
図1中で、左側からYMCKの順に現像カートリッジを配置しても良い。
【0030】
図1、
図2、
図3に示すように、画像形成装置1は、露光手段としてのレーザスキャナユニットLBと、転写手段としての転写ベルトユニット11と、給送手段としての給紙ユニット18と、定着手段としての定着ユニット21と、排出手段としての排出ユニット22とを有する。
【0031】
レーザスキャナユニットLBは、現像カートリッジ8(8Y、8M、8C、8K)と、カートリッジトレイ3の上方に設けられている。レーザスキャナユニットLBは、画像情報に対応してレーザー光Zを出力する。レーザー光Zは、露光窓部10を通過して、感光体ドラム4(4Y、4M、4C、4K)の表面を走査露光する。
【0032】
転写ベルトユニット11は、現像カートリッジ8(8Y、8M、8C、8K)とカートリッジトレイ3の下方に設けられている。転写ベルトユニット11は、駆動ローラ13、テンションローラ14、15を有し、これらのローラに可塑性を有する転写ベルト12が掛け渡されている。感光体ドラム4(4Y、4M、4C、4K)は、転写ベルト12の上面に接している。この接触部が転写部である。転写ベルト内側には、感光体ドラム4(4Y、4M、4C、4K)に対向するように、転写ローラ16が設けられている。転写ローラ16には、転写時に所定のバイアスが印加されて、電荷が転写ベルト12を介して記録媒体Sに印加される。このとき生じた電界により、感光体ドラム4に接触中の記録媒体Sに、感光体ドラム4上の現像剤像が転写される。
【0033】
転写ベルトユニット11の下方には、給紙ユニット18が設けられている。給紙ユニット18は、記録媒体Sを積載して収納した給紙トレイ19と、給紙ローラ20を有する。装置本体2の上方には、定着ユニット21と排出ユニット22が設けられている。現像剤像を転写された記録媒体Sは、定着ユニット21で定着され、排出ユニット22を介して排出トレイ23へ排出される。
【0034】
図1に示すように、装置本体2には前ドア40が設けられている。ユーザは、前ドア40を開けた後、トレイ引出しレール41に沿ってカートリッジトレイ3を取り出すことができる。
図3に示すように、ユーザは、現像カートリッジ8(8Y、8M、8C、8K)各々を個別に取り出して交換できる。本実施形態のカートリッジトレイ3には、現像カートリッジ8(8Y、8M、8C、8K)各々に対応する4つのスロットが、長手方向と直交する方向に配列されている。各スロットは、4つの現像カートリッジ8を、長手方向が揃うように装着可能である。
【0035】
図1に示すように、カートリッジトレイ3の各スロットには、現像カートリッジ8(8Y、8M、8C、8K)各々に対応した、像担持体としての感光体ドラム4(4Y、4M、4C、4K)が設けられている。各スロットにはさらに、感光体ドラム4(4Y、4M、4C、4K)に作用するプロセス手段として、帯電手段である帯電ローラ5とクリーニング手段であるクリーニングブレード7が設けられている。
【0036】
図4に示すように、現像カートリッジ8(8Y、8M、8C、8K)は、感光体ドラム4(4Y、4M、4C、4K)上に現像剤を供給する現像剤担持体としての現像ローラ6を備えている。現像カートリッジ8はさらに、
図3等に示すように、メモリタグユニット80を備えている。メモリタグユニット80には、情報を記憶するメモリ媒体であるメモリタグ81が取り付けられている。メモリタグ81は、例えば、電気接点部を有する接触式ICチップである。メモリタグ81の電気接点部が、カートリッジトレイ3に設けられた電気接点部であるトレイ側接点部32(
図5参照)と接触することで、画像形成装置1の制御部43とメモリ媒体が通信可能となり、情報の読み出しや書き込みが可能になる。これにより例えば、現像剤の残量など現像カートリッジに関する情報をユーザに通知できる。
【0037】
図1、
図3に示すように、カートリッジトレイ3はトレイ側金属端子49を有する。トレイ側金属端子49は、各スロットのトレイ側接点部32と不図示の電気的配線によって接続されており、それぞれのトレイ側接点部32がメモリタグ81から読み出した情報を本体側金属端子9に中継する。図ではカートリッジトレイ3に1つのトレイ側金属端子49が設けられているが、スロットごとにトレイ側金属端子を設けても良い。その場合、本体側金属端子9もスロットごとに設ける。カートリッジトレイ3は、装置本体外の引き出し位置で現像カートリッジ8を装着された後、装置本体内の収容位置へと収容および位置決めされる。そして、カートリッジトレイ3のトレイ側金属端子49と、装置本体2の本体側金属端子9が接触して電気的に接続される。これにより、制御部43がメモリタグ81と通信可能になる。本体側金属端子9は、カートリッジトレイ3が装置本体2に装着された場合に、カートリッジトレイ3に設けられたトレイ側金属端子49と電気的に接続され、トレイ側金属端子49との間で信号を送受信する。本体側金属端子9は、装置本体通信部である。
【0038】
画像形成装置1が備える制御部43は、CPU等のプロセッサおよび各種のメモリなどの演算資源を有する。制御部43は、例えば回路基板により構成され、プログラムに従ってプロセッサが動作することにより、画像形成装置1における様々な処理を実行する。上述したように、制御部43は、本体側金属端子9とトレイ側金属端子49とトレイ側接点部32を介してメモリタグ81と通信し、情報の読み出しまたは書き込みが可能である。また、画像形成装置1が備える表示部42は、画像形成装置1のユーザーインタフェースであり、液晶パネル等の表示装置を有し、文字又は画像の形でユーザに情報を提示することができる。表示部42は制御部43の制御によりユーザに情報を表示する。例えば、制御部43がメモリタグ81から読み出した現像カートリッジ8における各色の現像剤残量を表示できる。
【0039】
≪画像形成動作≫
図1、
図2、
図3、
図4を用いて画像形成動作について説明する。
図4は、カートリッジトレイ3および現像カートリッジ8の断面概略図である。
【0040】
フルカラー画像を形成するための動作は次のとおりである。現像カートリッジ8(8Y、8M、8C、8K)が装着されたカートリッジトレイ3が収容位置にある状態で前ドア40が閉じられる。これで現像カートリッジ8及びカートリッジトレイ3の装着が完了する。このとき、画像形成装置1の装置本体2に設けられたドラム駆動カップリング52(
図2(b)の52Y、52M、52C、52K)が、カートリッジトレイ3に設けられた感光体ドラム4(4Y、4M、4C、4K)に接続されているドラム駆動入力カップリング54(
図3の54Y、54M、54C、54K)と係合する。また、装置本体2に設けられた現像駆動カップリング51が、カートリッジトレイ3に装着されている各現像カートリッジ8の駆動入力ギア62(
図3)の係合カップリング部と係合する。
画像形成装置1の不図示の駆動出力モーターおよびギアを介して、ドラム駆動ギア53(53Y、53M、53C、53K)が回転駆動される。ドラム駆動ギアを介して、感光体ドラム4(4Y、4M、4C、4K)が所定の速度で回転駆動される(
図1、
図4の矢印D方向)。
【0041】
また、現像駆動カップリング51及び駆動入力ギア62を介して各現像カートリッジ8が駆動される。転写ベルト12も、感光体ドラム4(4Y、4M、4C、4K)の速度に対応した速度で回転駆動される(
図1の矢印C方向)。また、レーザスキャナユニットLBも駆動される。レーザスキャナユニットLBの駆動に同期して、帯電ローラ5によって感光体ドラム4(4Y、4M、4C、4K)の表面が所定の極性・電位に一様に帯電される。そして、レーザスキャナユニットLBは感光体ドラム4(4Y、4M、4C、4K)の表面を各色の画像信号に応じてレーザー光Zで走査露光する。これにより、感光体ドラム4(4Y、4M、4C、4K)の表面に、対応色の画像信号に応じた静電潜像が形成される。この静電潜像は、所定の速度で回転駆動(
図4の矢印E方向)される現像ローラ6により現像され、現像剤像(トナー像)となる。
【0042】
このような電子写真画像形成プロセスが行われることにより、感光体ドラム4Yにはフルカラー画像のイエロー成分に対応するイエロー色の現像剤像が形成される。同様に感光体ドラム4M、4C、4Kにはそれぞれ、フルカラー画像のマゼンタ色、シアン色、ブラック色に対応する現像剤像が形成される。
【0043】
一方、所定の制御タイミングで、記録媒体Sが1枚ずつ分離されて給送される。また、感光体ドラム4周面上の現像剤像の先端が、転写ベルト12との対向点である転写部に移動する。そこで、記録媒体Sが転写部に搬送されるタイミングと感光体ドラム4の回転を同期させ、その転写部において印字開始位置が一致するように、所定の制御タイミングで転写ベルト12へ搬送される。転写ベルト12に静電吸着されて搬送される記録媒体Sには、各感光体ドラム4と転写ローラ16との間に形成される電界によって、各感光体ドラム4の現像剤像が順次転写される。4色の現像剤像を転写された記録媒体Sは、定着ユニ
ット21で定着され、排出ユニット22を介して排出トレイ23へ排出される。
【0044】
≪カートリッジトレイの構成≫
図4、
図5、
図6、
図7、
図8を用いて、カートリッジトレイ3の詳細な構成について説明する。
図5は、カートリッジガイド部33、メモリガイド部31、メモリユニット支持部34aの位置関係を示す斜視図であり、一部を丸枠で囲って拡大表示してある。
図6は、本実施形態に係るカートリッジトレイ3を示す。
図6(a)が上面図であり、
図6(b)が断面概略図である。
図7は、本実施形態に係る現像カートリッジ8を非駆動側から
見た斜視図である。
図8は、本実施形態に係る現像カートリッジ8の駆動側を示し、
図8(a)が斜視図、
図8(b)が分解構成図である。
図1、
図5、
図6に示すように、感光体ドラム4は、カートリッジトレイ3に設けられたカートリッジトレイ枠体30に、第1方向に延びる回転軸について回転可能に取り付けられている(矢印D方向)。
【0045】
(画像形成に関する機構)
感光体ドラム4の駆動側には、感光体ドラム4に駆動力を伝達するためのドラム駆動入力カップリング54が設けられている。ドラム駆動入力カップリング54が、画像形成装置1のドラム駆動カップリング52(
図2(b)参照)と係合することで、画像形成装置1からの駆動力が感光体ドラム4に伝達される。
【0046】
帯電ローラ5は、第1方向に延びる回転軸について回転可能である。帯電ローラ5は、感光体ドラム4に対し接触して従動回転できるように、カートリッジトレイ枠体30に支持されている。また、帯電ローラ5は画像形成装置1と電気的に導通されており、これによって感光体ドラム4の表面が所定の極性・電位に一様に帯電される。ただし、感光体ドラム4への帯電手段はこれに限定されるものではない。
【0047】
さらに、カートリッジトレイ枠体30には、クリーニング手段としてのクリーニングブレード7とクリーニング枠体27が設けられる。クリーニングブレード7は、感光体ドラム4と接触した位置に固定され、画像形成時に転写ができずに残った感光体ドラム4表面の廃現像剤を除去する。クリーニング枠体27は、除去された廃現像剤を回収する。なお、クリーニング手段を設けずに、現像カートリッジ8や定着ユニット21などに廃現像剤を回収する構成でも良い。
【0048】
(ガイドと固定に関する機構)
カートリッジトレイ枠体30には、メモリタグユニット80を備える現像カートリッジ8を、装着位置で装着状態になるまで案内するためのガイド部材が設けられている。ガイド部材には、現像カートリッジ8が備えるメモリタグユニット80やカートリッジ側位置決め部と当接し、装着を補助するためのガイド部として機能する部分が含まれる。ガイド部材にはまた、メモリタグユニット80やカートリッジ側位置決め部を位置決めして固定するための固定部(ガイド側位置決め部)として機能する部分が含まれる。カートリッジトレイ3はまた、回転止め等として機能する現像加圧部材91を有している。なお、ガイド部材のある部分が、ガイド機能と位置決め機能の両方を有する場合もある。
【0049】
ガイド部材は、カートリッジトレイ枠体30の側壁のうち、現像カートリッジ8の長手方向の両端部夫々に配置される。当該両端部は、カートリッジトレイ枠体30の2つの側壁に対応する。ガイド部材は、
図5、
図6(b)、
図10A~
図13等に示すように、断面形状が、互いに対向する一方の側部と他方の側部を含む略U字形状をなしている。詳しくは後述するが、装着状態においては一方の側部と他方の側部の間にメモリ媒体ユニットが支持される。
【0050】
各ガイド部としては、現像カートリッジ8の現像ローラカバー位置決め部68a及び現像ローラ軸受位置決め部71aをガイドするための第1ガイド部材や、メモリタグユニット80をガイドするための第2ガイド部材を含む。
【0051】
現像ローラカバー位置決め部68a及び現像ローラ軸受位置決め部71aは、
図7及び
図8に図示される様に、カートリッジの側壁より第1方向(長手方向)に突出する突出部となっている。なお、
図7、8中では円柱形状の突出部となっているが、ガイド部により案内可能で安定して位置決めされる形状であれば多角柱形状など他の形状を採用することができる。
第1ガイド部材は、
図6(b)を参照すると、受け部材ガイド部39、メモリユニット支持部34a、カートリッジガイド部33、駆動入力位置決め部37、駆動入力ガイド部38、メモリ第2ガイド部34c、メモリガイド部31の全て或いは一部を含む。第2ガイド部材は、メモリガイド部31、メモリ第2ガイド部34cを含む。即ち、第2ガイド部材は、第1ガイド部材としての機能も兼ね備える。
どのガイド部が、現像カートリッジ8やメモリタグユニット80のどの部分をガイドするかは、ユーザが現像カートリッジを挿入するときの角度や軌跡に応じて異なる。そのため、ガイド部と被ガイド部の関係は固定関係に限定されない。例えばメモリガイド部31がメモリタグユニット80以外の部位と当接する場合もある。
【0052】
また、各ガイド側位置決め部としては、現像カートリッジ8を位置決め固定するための部材(現像ローラ位置決め部35、駆動入力位置決め部37)や、メモリタグユニットを位置決め固定するための部材(メモリユニット支持部34a、メモリユニット支持凹部34b)がある。なお、駆動入力位置決め部37は、現像カートリッジ8装着時に現像ローラカバー位置決め部68aと当接して現像ローラ位置決め部35にガイドするためのガイド部でもある
【0053】
詳しくは後述するが、実施形態のガイド部材において、現像カートリッジ8の装着をガイドするためのガイド部と、メモリタグユニットを位置決めして支持するためのガイド側位置決め部は、長手方向において略同一位置に設けられている。ここで、ガイド部とガイド側位置決め部が長手方向において略同一位置にある状態とは、長手方向においてガイド部とガイド側位置決め部の幅が略同一であり、かつ両者が略重なっている状態をいう。ただし、ガイド部とガイド側位置決め部が、長手方向に直交する方向において少なくとも一部が重なるように設けられていれば、効果は得られる。また、実施形態において、カートリッジトレイ枠体30の側壁に設けられた各ガイド部および各ガイド側位置決め部は、長手方向における側壁の幅に収まるような長手方向サイズである。
【0054】
現像ローラ位置決め部35の面が、装着状態の現像カートリッジ8に当接して固定、位置決めする。実施形態では、現像ローラ位置決め部35がカートリッジトレイ3の駆動側と非駆動側の両側に設けられている。少なくとも一端部には、ガイド側位置決め部を設ける必要がある。
図6(b)では駆動側の現像ローラ位置決め部35を表しているが、非駆動側も対称位置に設けられる(不図示)。実施形態ではメモリタグユニット80を固定するメモリユニット支持部も駆動側に設けられているが、非駆動側に設けられても良い。
【0055】
現像カートリッジ8が挿入されると、現像カートリッジ8の現像ローラ6の同軸上に配置されたカートリッジ側位置決め部(現像ローラカバー位置決め部68a、現像ローラ軸受位置決め部71a)が、現像ローラ位置決め部35に突き当たる。これにより、現像カートリッジ8が位置決めされる。
図7に示す現像カートリッジ8の現像ローラ6の同軸上に配置された現像ローラカバー位置決め部68a及び現像ローラ軸受位置決め部71aは、現像カートリッジ8の装着完了時に現像ローラ位置決め部35及び駆動入力位置決め部37(
図6)に当接して突き当たる。これにより、現像カートリッジ8の装着方向(第2方向)である上下方向に関する現像カートリッジ8の位置決めがなされる。つまり、これら現像ローラカバー位置決め部68aと現像ローラ軸受位置決め部71aは、現像カートリッジの装着を行う場合に、画像形成装置の装置本体に直接又は間接に支持される部材に当接して現像カートリッジの位置決めを行うための位置決め手段として機能する。本実施形態における「画像形成装置の装置本体に直接又は間接に支持される部材」とは、現像ローラ位置決め部35及び駆動入力位置決め部37である。
【0056】
加圧部材である現像加圧部材91は、現像カートリッジ8の装着完了時に回転止めとし
て機能する。現像加圧部材91は、カートリッジトレイ3の駆動側と非駆動側の両側に設けられる。
図6(b)では駆動側の現像加圧部材91を表しており、非駆動側も対称位置に設けられる(
図6(a)の現像加圧部材95)。現像加圧部材91は、カートリッジトレイ枠体30に、長手方向の軸を中心として回転可能に支持されている。現像カートリッジ8が未装着の場合、現像加圧部材91は、現像加圧バネ90によって矢印H方向に引っ張られて、カートリッジトレイ枠体30と当接し固定されている。
【0057】
現像加圧部材91は、回転止めボス誘い込み部91bを有している。回転止めボス誘い込み部91bは、現像カートリッジ8を装着する際、現像カートリッジ8に設けられた現像回転止めボス28a、28bを誘い込んで装着ガイドする。また、現像加圧部材91は、現像カートリッジ8装着完了時に、現像ローラカバー位置決め部68aと現像ローラ軸受位置決め部71aを現像ローラ位置決め部35に安定的に位置決めするための、カートリッジ加圧部91cを有する。
【0058】
ここで、例えば現像カートリッジ8Cを第一の現像カートリッジとしたときに、第一の現像カートリッジと対応するガイド部材を第一のガイド部材とする。また、それと隣接する現像カートリッジ8Kを第二の現像カートリッジとしたときに、第二の現像カートリッジと対応するガイド部材を第二のガイド部材とする。そして、現像加圧部材91Cを第一の加圧部材、現像加圧部材91Kを第二の加圧部材とする。このとき、本実施形態の構成であれば、現像加圧部材91Cが矢印K方向または矢印H方向に回転した場合にも、カートリッジトレイ枠体30に設けられた空間内で回転するために、現像加圧部材91Cが第二のガイド部材と接触することはない。
【0059】
なお、実施形態では、現像カートリッジ8の非駆動側にはメモリタグユニット80および駆動入力カバー位置決め部68bが存在しない。そのため、非駆動側のカートリッジトレイ枠体30のガイド部は、現像ローラ軸受位置決め部71aを現像ローラ位置決め部35に位置決めするだけで良いため、駆動側とは異なる形状でも良い。
【0060】
カートリッジトレイ枠体30は、カートリッジガイド部33、現像ローラ位置決めガイド部36、メモリガイド部31、メモリユニット支持部34a、駆動入力位置決め部37、駆動入力ガイド部38、受け部材ガイド部39を有する。これらのガイド部は、現像カートリッジ8の装着時に、現像ローラカバー位置決め部68aと現像ローラ軸受位置決め部71aを現像ローラ位置決め部35に装着するまで補助しガイドするためのガイド部として機能する。ここで、
図7と
図8に示すように、現像カートリッジ8の非駆動側にはメモリタグユニット80及び駆動入力カバー部68bなどの部品や形状が設けられていない。そのため、非駆動側のカートリッジトレイ枠体30の装着補助ガイド形状は、後述するメモリタグユニットなどのガイドは必ずしも必要ではない。即ち、現像ローラ軸受位置決め部71aを現像ローラ位置決め部35に位置決めできれば良いため、駆動側と対称形状でも良いし、専用の形状でも良い。ここでは対称形状として主に駆動側のみの説明を後述する。
図5と
図6に示すカートリッジガイド部33(33Y、33M、33C、33K)と現像ローラ位置決めガイド部36は、現像カートリッジ8装着時に現像ローラカバー位置決め部68aと当接して現像ローラ位置決め部35に案内するガイド部である。
【0061】
駆動入力位置決め部37は、現像カートリッジ8装着時に、現像ローラカバー位置決め部68aと当接して現像ローラ位置決め部35にガイドするための装着ガイドである。さらに、装着完了時には、駆動入力カバー位置決め部68bと当接して位置決めする。すなわち駆動入力位置決め部37は、ガイド部としての機能と、がいど側位置決め部としての機能を有する。
【0062】
装着状態において、現像ローラカバー位置決め部68aは、現像加圧部材91によって、現像ローラ位置決め部35に加圧され固定されている。同様に、駆動入力カバー位置決め部68bは、駆動入力位置決め部37に固定される。これにより現像カートリッジ8は、ガイド側位置決め部としての現像ローラ位置決め部35および駆動入力位置決め部37と、現像加圧部材91によって安定的に位置決めされる。
【0063】
駆動入力ガイド部38は、現像カートリッジ8装着時に現像ローラカバー位置決め部68aと当接して、現像ローラ位置決め部35にガイドするための装着ガイドである。駆動入力ガイド部38はまた、駆動入力カバー位置決め部68bと当接して、駆動入力位置決め部37にガイドするための装着ガイドである。
【0064】
メモリガイド部31、メモリユニット支持部34a、受け部材ガイド部39は、現像カートリッジ8装着時において、現像ローラカバー位置決め部68aと当接して、現像ローラ位置決め部35にガイドする。また、駆動入力カバー位置決め部68bと当接して、駆動入力位置決め部37にガイドするための装着ガイドである。従ってこれらの部材は、メモリガイド部やメモリ位置決め部であると同時に、現像カートリッジ8それ自体のガイド部としても機能する。装着時に、現像カートリッジ8の各部分が、各ガイド部や各ガイド側位置決め部のどこと当接するかは、装着時の現像カートリッジ8の姿勢にも依存する。しかし実施形態の構成によれば、現像カートリッジ8はガイド部材のいずれかの部分に当接しながら、装着方向の下流部へと案内されて行き、最終的には適切な面に位置決めされる。
【0065】
さらに、メモリユニット支持部34aは、メモリタグユニット80が備えるメモリタグ81の電気接点部を、トレイ側接点部32に対して安定的に位置決めする。すなわち、メモリユニット支持部34aがバックアップ部として機能することで、メモリタグ押圧バネ83のバネ力がメモリタグ81を押圧する。
メモリガイド部31と受け部材ガイド部39は、メモリタグユニット80をメモリユニット支持部34aに誘い込むための装着ガイドである。
【0066】
かかる構成により、現像カートリッジ8の装着時に、カートリッジトレイ3に設けられたガイド部であるメモリガイド部31と受け部材ガイド部39によって、メモリタグユニット部分がガイドされる。そして、メモリタグ81の電気接点部が、トレイ側接点部32と接触可能な位置へと誘い込まれる。そして、メモリタグユニット80がメモリユニット支持部34aにて位置決めされることで、安定した電気的接続がなされる。
【0067】
≪現像カートリッジの構成≫
図4、
図7~
図9を用いて、現像カートリッジ8について説明する。現像カートリッジ8は、概略、現像剤収納枠体28と、現像ローラ6と、端部封止部材25と、撹拌ローラ26と、現像剤規制ブレード29と、カートリッジ軸受(駆動側)70と、カートリッジ軸受(非駆動側)71と、カートリッジサイドカバー68と、現像ローラギア61と、駆動入力カップリングギア62と、撹拌ローラギア63と、メモリタグユニット80で構成される。
【0068】
(現像と駆動に関する構成)
現像剤収納枠体28は、現像剤を収容可能な筐体であり、現像ローラ6に現像剤を供給する。撹拌ローラ26は、現像剤収納枠体28の現像剤を撹拌すると共に、現像ローラ6に現像剤を塗布する機能を有する。端部封止部材25は、長手方向の両側に設けられた駆動側封止部材25a及び非駆動側封止部材25bからなり(
図7)、現像ローラ6の両端部から現像剤が現像剤収納枠体28の外部に漏れることを規制する。現像ローラ6と撹拌ローラ26は、第1方向に延びる回転軸について回転可能なローラであり、ローラ本体と
ローラ軸を備えている。ローラ本体の材料には、例えば、弾性を有するゴムやスポンジ部材が用いられる。ローラ軸の材料には、金属または導電性を有する樹脂が用いられる。
【0069】
図7、
図8(a)に示すように、現像ローラ6および撹拌ローラ26は、カートリッジ軸受(駆動側)70とカートリッジ軸受(非駆動側)71によって、回転可能に支持される。カートリッジ軸受(駆動側)70は、現像剤収納枠体28にカートリッジサイドカバー68と共締めでビス99a、99cで固定される。カートリッジ軸受(非駆動側)71は、現像剤収納枠体28にビス99dで固定される。
図8(b)に示すように、現像ローラ6および撹拌ローラ26のローラ軸は、カートリッジ軸受(駆動側)70を貫通し、各ローラ軸は、現像ローラギア61と撹拌ローラギア63に連結されている。現像ローラギア61は、本体から駆動入力ギア62を介して入力される駆動力を現像ローラ6に伝え、撹拌ローラギア63は、駆動入力ギア62を介して入力される駆動力を撹拌ローラ26に伝える。
【0070】
駆動入力部としての駆動入力カップリングギア62は、カートリッジ軸受(駆動側)70とカートリッジサイドカバー68に回転可能に支持されるギアである。駆動入力カップリングギア62は、本体からの駆動力を受けるための係合カップリング部を有し、本体からの駆動力を現像ローラギア61と撹拌ローラギア63に伝える。係合カップリングの形状としては、駆動力を伝えられれば任意の形状で良い。実施形態では、現像カートリッジ側は三角形の凹形状の穴を有している。一方の本体側の係合カップリング部の形状は、三角凹形状に対応した凸形状の三角リブを有している。
【0071】
現像剤規制ブレード29(
図5、
図7)は、現像ローラ6と当接し、現像ローラ6に担持される現像剤の厚みを規制するブレードである。現像剤規制ブレード29は、現像剤収納枠体28にビス等によって固定され、現像ローラ6との当接角度や侵入量を管理することで、現像ローラ上の現像剤の厚みを一定に規制する。現像剤規制ブレード29の材料としては、一般的にSUS等のステンレスの板やゴム材が用いられる。カートリッジサイドカバー68は、現像ローラギア61と駆動入力カップリングギア62の一端を回転可能に支持している。
【0072】
(ガイドと固定に関する構成)
さらに、カートリッジサイドカバー68は、現像カートリッジ8をカートリッジトレイ3に装着する際、カートリッジトレイ3に設けられたガイド部および固定部と摺動当接する、カートリッジ側位置決め部(現像ローラカバー位置決め部68aおよび駆動入力カバー位置決め部68b)を有する。現像ローラカバー位置決め部68aは、現像ローラ6および現像ローラギア61と同軸であり円柱外形である。駆動入力カバー位置決め部68bは、駆動入力カップリングギア62と同軸であり円柱外形である。
図8からも読み取れるように、第1方向(長手方向)における、カートリッジサイドカバー68の端部(最外殻部)は、突出部である現像ローラカバー位置決め部68aよりも外側に位置する。言い換えれば、メモリタグユニット80を、現像ローラカバー位置決め部68aよりも長手方向内側に配置する場合よりも、現像カートリッジ8をより大型化させることができる効果を得ることができる。
前述したように、現像ローラカバー位置決め部68a、駆動入力カバー位置決め部68b、および現像剤収納枠体28に設けられた現像回転止めボス(駆動側)28aによって、現像カートリッジ8はカートリッジトレイ3に装着後、位置決め固定される。
【0073】
図7に示すように、現像カートリッジ8は、非駆動側においては、カートリッジ軸受(非駆動側)71と、現像剤収納枠体28の現像回転止めボス(非駆動側)28bによって、カートリッジトレイ3に設けられたカートリッジガイドと摺動当接し、装着される。駆動側と同様に、それぞれのボスを円柱形状にすることで滑らかにガイドされる。現像ロー
ラ軸受位置決め部71aは、現像ローラ6軸上であり、駆動側の現像ローラギア61およびに現像ローラカバー位置決め部68aと同軸に配置される。現像回転止めボス(非駆動側)28bは、現像回転止めボス(駆動側)28aと同軸である。
【0074】
(メモリに関する構成)
図9は、本実施形態に係る現像カートリッジ8のメモリタグユニット80の構成図である。
図9(a)の分解図に示すように、メモリタグユニット80は、メモリタグ81と、押圧部材であるメモリタグ押圧部材82と、メモリタグ押圧バネ83、押圧バネ受け部材84で構成される。メモリタグ押圧部材82は、メモリタグ81を設置固定するためのメモリ設置溝87を有する。メモリタグ81は、接着や両面テープや熱かしめ等の任意の方法により固定される。メモリタグ81の表面には金属端子等からなる電気接点部が設けられており、メモリタグ81がメモリ設置溝87に固定された状態において電気接点部が露出する。
図9(b)に示すように、メモリタグ押圧部材82と、メモリタグ押圧バネ83と、押圧バネ受け部材84は、一体的なユニットとして構成される。
【0075】
付勢手段としてのメモリタグ押圧バネ83は、圧縮バネであり、メモリタグ押圧部材82のバネ受け面(不図示)と押圧バネ受け部材84のバネ受け面(不図示)にそれぞれ当接し、バネの自然状態から圧縮された状態となる。メモリタグ押圧バネ83は、メモリタグ押圧部材82を常時所定方向(本実施形態では後方側)に付勢している。また、メモリタグ押圧部材82は、押圧バネ受け部材84に設けられた突起状のバネ受け部材被規制部84aが、メモリタグ押圧部材82に設けられた前方規制部82aと後方規制部82bとの間で移動する限りにおいて、押圧バネ受け部材84に対して前後方向に移動可能である。バネ受け部材84のバネ受け部材被規制部84aは、前方規制部82aに対向する第1被規制面84cと、後方規制部82bに対向する第2被規制面84bとを有する。以下、本実施形態では押圧バネ受け部材84が現像カートリッジ8の筐体である現像剤収納枠体28に対して移動可能であるものとして説明するが、押圧バネ受け部材84をネジ止め等の任意の方法で現像剤収納枠体28に固定された部材とすることも可能である。
メモリタグ押圧バネ83のバネ力により、メモリタグ押圧部材82の前方規制部82aと押圧バネ受け部材84のバネ受け部材被規制部84aとが当接し、メモリタグユニットは一体的なユニットとして保持される。
また、メモリタグユニット80は、
図9(b)よりもさらにメモリタグ押圧バネ83の圧縮方向へ伸縮可能である。すなわち、メモリタグ押圧部材82の後方規制部82bと押圧バネ受け部材84の第2被規制面84bとが当接する位置まで圧縮可能である。即ち、メモリタグユニット80が単独で存在する場合には、
図9(b)に示すように、メモリタグ押圧バネ83のバネ力により押圧バネ受け部材84のバネ受け部材被規制部84aに設けられた第1被規制面84cがメモリタグ押圧部材82の前方規制部82aと当接した伸張状態となる。この状態において、メモリタグ押圧バネ83の伸縮方向である前後方向(第2方向)に測定したメモリタグユニット80の長さをメモリタグユニット80の自然長hmとする。ここで現像カートリッジ8の装着に伴ってメモリタグ81が押圧されると、メモリタグ押圧バネ83のバネ力に抗してメモリタグ押圧部材82が相対的に前方に移動し、メモリタグユニット80は圧縮状態となる。メモリタグユニット80の長さは、バネ受け部材84のバネ受け部材被規制部84aの第2被規制面84bがメモリタグ押圧部材82の後方規制部82bと当接するまでは、自然長hmよりも短くすることが可能である。
【0076】
メモリタグ押圧部材82は、姿勢規制ボス85(85a、85b、85c)を有している。
図8に示すように現像カートリッジ8にメモリタグユニット80を組み付ける際、カートリッジ軸受(駆動側)70とカートリッジサイドカバー68に長手方向において挟み込まれるように組まれ、長手方向である第1方向の移動が規制される。この時、姿勢規制ボス85a、85bは、カートリッジサイドカバー68の姿勢規制穴86a、86bには
まり込み、姿勢規制ボス85cは、カートリッジ軸受(駆動側)70の姿勢規制穴86cにはまり込む。
【0077】
ここでは、姿勢規制ボス85のボス径よりも姿勢規制穴86の穴径の方が大きい関係に設定している。例えば、円柱のボス径をφ3mmとし、各姿勢規制穴の穴径をφ8mmとすると、概ね5mmの遊び(クリアランス)の範囲で、姿勢規制ボスがその軸線に垂直な面内方向に移動できることになる。これにより、メモリタグユニット80は、姿勢規制ボス85(85a、85b、85c)および姿勢規制穴86(86a、86b、86c)よって規制される範囲内で、第2方向および第3方向の移動を許容される。
【0078】
ここでは、メモリタグ81はメモリタグ押圧部材82に固定されているため、カートリッジトレイ3との位置決め時に部品公差が有利になるように、姿勢規制ボス85をメモリタグ押圧部材82に設けている。しかし、姿勢規制ボス85を押圧バネ受け部材84に設けても良い。また、メモリタグユニット80の動きを規制する第1、第2、第3方向の隙間の取り方や姿勢規制ボス85と姿勢規制穴86の関係は、後述するカートリッジトレイ3とメモリタグユニット80の係合がスムーズに動作できるように調整すれば良く、姿勢規制ボス85と姿勢規制穴86の形状も真円形状である必要は無い。
【0079】
また、本実施形態では、メモリタグユニット80は、カートリッジ軸受(駆動側)70とカートリッジサイドカバー68によって第1、第2、第3方向の位置に一定の範囲で移動可能な状態で保持される構成になっている。ただし、現像カートリッジ8に組み込まれた状態において、メモリタグユニット80を少なくとも一つの任意の方向に移動できれば、本実施形態の構成には限らない。また、本実施形態ではメモリタグユニット80を現像カートリッジ8の駆動側に構成しているが、非駆動側に構成しても良い。
【0080】
≪現像カートリッジ装着動作≫
カートリッジトレイ3に現像カートリッジ8を装着する動作を説明する。
図10A~Dは、本実施形態のカートリッジトレイ3に対する現像カートリッジ8装着時の挙動を説明する図であり、現像カートリッジ8の駆動側の側面と、それに対応するカートリッジトレイ3の断面概略図である。
【0081】
図10Aは、現像カートリッジ8をカートリッジトレイ3の任意のスロットに挿入する直前の断面概略図である。このときのカートリッジトレイ3は、現像カートリッジ8が未装着である。現像加圧部材91は、現像加圧バネ90に引っ張られカートリッジトレイ3によって位置が規制されている状態である。また、現像カートリッジ8は、
図7、
図8(a)と同じ状態である。このとき、メモリタグユニット80は現像カートリッジ8の姿勢規制穴86(86a、86b、86c)と、メモリタグユニット80の姿勢規制ボス85(85a、85b、85c)の遊びの範囲内で位置が規制されている。
【0082】
図10Bは、カートリッジトレイ3に現像カートリッジ8を装着する途中の状態である。
図8は、現像カートリッジ8が装着方向において、ガイド部材の下流部へと進む様子を示している。ここでは、現像カートリッジ8の現像ローラカバー位置決め部68aがカートリッジトレイ3のカートリッジガイド部33と当接し、メモリタグユニット80のメモリタグ押圧部材82と押圧バネ受け部材84が、それぞれカートリッジトレイ3のメモリガイド部31と受け部材ガイド部39と当接している。
【0083】
図10Aの状態から
図10Bの装着中の状態に移行するときに、現像カートリッジ8の現像ローラカバー位置決め部68aは、ガイド部材のメモリユニット支持部34a等によって、下流に位置するガイド側位置決め部である現像ローラ位置決め部35に向かって案内される。これにより、現像カートリッジ8の現像ローラカバー位置決め部68aは、現
像カートリッジ8が装着されたときに当接するべき面に向けて滑らかに案内される。さらに、カートリッジガイド部33が存在することにより、現像ローラカバー位置決め部68aがより安定的に案内される。
【0084】
なお、現像カートリッジ8の装着姿勢や挿入軌跡は、各ユーザの現像カートリッジ8の把持角度や挿入動作の違いに応じて異なる。したがって、カートリッジトレイ3のガイド部材の各部分(メモリガイド部31、受け部材ガイド部39、メモリユニット支持部34a、カートリッジガイド部33、現像ローラ位置決めガイド部36、駆動入力ガイド部38)はいずれも、現像ローラカバー位置決め部68aを現像ローラ位置決め部35にガイドし得る。またこれらの各部分は、駆動入力カバー位置決め部68bを駆動入力位置決め部37にガイドし得る。しかし、装着姿勢などを問わず、各ガイド部に接触することによって現像カートリッジ8の姿勢や軌跡が規制され、装着完了位置まで滑らかにガイドされる。
【0085】
さらに、メモリタグユニット80についても、メモリガイド部31と受け部材ガイド部39に、メモリタグ押圧部材82と押圧バネ受け部材84が当接することにより、メモリタグユニット80が圧縮しながら
図10Cの状態までガイドされる。ここでは、メモリタグユニット80は、姿勢規制ボスおよび姿勢規制穴によって位置を規制されてガイドされる。
【0086】
図10Cは、現像カートリッジ8のカートリッジトレイ3への装着完了時の断面概略図である。このとき、カートリッジトレイ3の現像ローラ位置決め部35と駆動入力位置決め部37に、現像カートリッジ8の現像ローラカバー位置決め部68aと駆動入力カバー位置決め部68bがそれぞれ当接している。このように、メモリユニット支持部34a等によって現像カートリッジ8が備えるカートリッジ側位置決め部が、ガイド側位置決め部の当接面に滑らかに案内される。また、メモリユニット支持部34aが、現像カートリッジ8のガイド部と、メモリタグユニット80用の位置決め部とを兼ねていることにより、別々に設ける場合と比べて省スペース化が可能になる。
【0087】
なお、現像カートリッジ8が装着されるときに、現像回転止めボス28aは、まず、カートリッジトレイ3の現像加圧部材91に設けられた回転止めボス誘い込み部91bの円弧面に当接する。続いて、現像カートリッジ8の装着が進むに伴って、現像回転止めボス28aは、現像加圧部材91を矢印K方向に回転させて、カートリッジ加圧部91cと当接して、
図10Cの装着状態となる。装着状態において、現像加圧バネ90のバネ力により、現像回転止めボス28aは矢印H方向へ加圧される。これにより現像カートリッジ8が矢印H方向へ押し付けられるため、現像ローラカバー位置決め部68aと駆動入力カバー位置決め部68bが、ガイド部材の現像ローラ位置決め部35と駆動入力位置決め部37に安定的に位置決めされる。その結果、現像ローラ6と感光体ドラム4が当接し、画像形成が可能となる。なお、
図10Cの状態において、現像回転止めボス28aは、離間部材92とは当接せず隙間を持った状態である。
【0088】
また、
図10Cの装着状態では、メモリタグユニット80の押圧バネ受け部材84とメモリユニット支持部34aが当接することで、メモリユニット支持部34aがバックアップ部として機能する。その結果、メモリタグ押圧バネ83のバネ力によってメモリタグ81がトレイ側接点部32方向へ押圧される。これにより電気的接点間の接続が安定する。また、トレイ側接点部32を含むように設けられたメモリユニット支持凹部34bによって、メモリタグ81を固定しているメモリタグ押圧部材82の位置が規制される。
【0089】
つまり、メモリタグユニット80は、現像カートリッジ8に対して遊びとなる隙間を有していたが、メモリユニット支持部34aとメモリユニット支持凹部34bの間にメモリ
タグユニット80が嵌合して、第2方向、第3方向での移動が規制される。なお、第1方向である長手方向においても、メモリユニット支持凹部34bにメモリタグ押圧部材82が嵌合しているので、メモリタグユニット80の移動が規制される。以上の構成により、メモリタグ81の電気接点部がトレイ側接点部32に接触、固定される。メモリタグ81の接点部の接触圧は、安定的に位置決めされる圧力であれば良く、トレイ側接点部32に設けられた凹部形状またはメモリタグ押圧部材82の形状によって決めれば良い。なお、メモリタグ押圧部材82を凹部に突き当てる構成では無く、メモリタグ81とトレイ側接点部32の接触により位置を決める構成でも良い。
【0090】
図10Dは、現像カートリッジ8の現像ローラ6と、カートリッジトレイ3の感光体ドラム4とを離間状態にしたときの断面概略図である。本実施形態では、現像ローラ6と感光体ドラム4の部品寿命を延ばす等の目的で、かかる離間状態を可能にしている。
図6に示すように、現像カートリッジ8を離間するため、カートリッジトレイ3の駆動側、非駆動側に離間部材92、93が設けられている。
図6(b)に示すように、駆動側の離間部材92は、離間部材回転中心92aを中心に回転可能に取り付けられている。非駆動側の離間部材93も対称の位置に回転中心を持つ構成であり同一の動作のため説明を省略する。離間部材92は、画像形成装置1の不図示の離間部材押圧により、離間部材押圧力Fを受ける。これより矢印J方向に回転が可能となる。
【0091】
図10Dは、
図10Cの状態から、離間部材92が離間部材押圧力Fを受けて矢印J方向に回転した状態を示している。ここで、現像カートリッジ8の現像回転止めボス(駆動側)28aは、現像加圧部材91を矢印K方向に回転させ、離間部材92の回転に合わせて移動し持ち上げられる。これにより現像ローラ6は感光体ドラム4より離間する。
【0092】
なお、離間状態となったときでも、
図10Dに示すように、メモリタグユニット80はカートリッジガイド部33に位置決めされており、現像カートリッジ8に対しては遊びとなる隙間を持っている。そのため、離間状態でも電気接点部間の接触は維持されている。これは、メモリタグユニット80の姿勢規制ボス85(85a、85b、85c)は現像カートリッジ8の姿勢規制穴86(86a、86b、86c)に当接しておらず、メモリタグユニット80の位置は
図10C状態のままのためである。
【0093】
≪メモリタグユニットおよびカートリッジガイドの位置関係≫
図5、
図6、
図10A~Dを用いて、カートリッジトレイ3のメモリタグユニット部とカートリッジガイド部の長手方向における位置関係について説明する。
前述したように、現像カートリッジ8をカートリッジトレイ3に装着する際、現像カートリッジ8側の位置決め部である現像ローラカバー位置決め部68aと駆動入力カバー位置決め部68bが、カートリッジトレイ3のメモリガイド部31、受け部材ガイド部39、メモリユニット支持部34a、メモリユニット支持凹部34bを、通過、または、当接しながら通過する。その後、現像カートリッジ8側の位置決め部は、カートリッジガイド部33または、駆動入力ガイド部38に当接しながら、装着完了位置まで移動する。
【0094】
例えば
図10A~Bの例では、現像カートリッジ8がカートリッジトレイ3に挿入されると、挿入時の現像カートリッジ8の角度によっては、現像ローラカバー位置決め部68aが最初にメモリユニット支持部34aに当接してガイドされて、カートリッジガイド部33に到達する場合もある。また、現像ローラカバー位置決め部68aが駆動入力ガイド部38と当接してガイドされてから下方に移動する場合もある。しかし、いずれの場合も、現像ローラカバー位置決め部68aがカートリッジガイド部33等に当接しながら下方にガイドされ、現像ローラ位置決め部35に収まる。
【0095】
本実施形態では、
図6に示すように、長手方向においてカートリッジガイド部33と略
同一位置にメモリガイド部31、受け部材ガイド部39、メモリユニット支持部34a、メモリユニット支持凹部34bを設けている。すなわち、現像カートリッジ8の各位置決め部とカートリッジトレイ3との位置関係を規定するための部材と、現像カートリッジ8のメモリタグユニット80とカートリッジトレイ3との位置関係を規定する部材が、長手方向において略同一位置に設けられている。このような配置にすることで、現像カートリッジ8がどのような角度で挿入されても、現像ローラカバー位置決め部68aと駆動入力カバー位置決め部68bが、メモリガイド部31やメモリユニット支持部34a等に当接してガイドされる。その結果、ユーザが著しく挿入位置を間違えることを防止できる。
【0096】
さらに、カートリッジトレイ3のカートリッジガイド部33や現像ローラ位置決め部35や現像ローラ位置決めガイド部36などのガイド部と、メモリタグユニット80を固定するためのメモリユニット支持部34aおよびメモリユニット支持凹部34bなどの固定部と、メモリタグ81とのトレイ側接点部32が、長手方向において略同一位置に設けられている。これにより、現像カートリッジ装着時には、カートリッジガイド部33などとメモリタグユニット80が、長手方向において略同一の位置に配置される。このような構成により、メモリタグユニット80の長手位置決め精度が向上する。長手位置決め精度が良くなることで、メモリタグユニット80の係合動作を安定的に行えるので、カートリッジトレイ3のトレイ側接点部32と、現像カートリッジ8のメモリタグ81の電気接点部の位置合わせの精度が向上する。これによりメモリタグ接点同士の大きさを小型化することができる。また、電気的な接続の安定性が向上する。
【0097】
さらに、カートリッジトレイ3のガイド部と、メモリタグユニット80の固定部や接点部を、カートリッジガイド部33と長手方向の略同一位置に配置すると、固定部や接点部を長手方向でガイド部よりも内側や外側に配置した場合に比べたときに、下記のような好ましい効果がある。
【0098】
まず、カートリッジトレイ3において、メモリの固定部や電気的な接点部を、カートリッジガイド部33よりも長手方向外側に配置した場合について考える。この場合、メモリタグユニット80もカートリッジトレイ3の長手方向外側に配置することになり、そのためのスペースを確保する必要がある。その結果としてカートリッジトレイ3のサイズが増大する。また、装置本体2にも対応するスペースが必要になる。これにより、本体サイズが大きくなってしまう。一方、長手方向の略同一位置に配置すれば、カートリッジトレイ3のサイズや装置本体2のサイズの増大を抑えて、装置を小型化することができる。
【0099】
次に、カートリッジトレイ3において、メモリの固定部や電気的な接点部を、カートリッジガイド部33よりも長手方向内側に配置した場合について考える。この場合、メモリタグユニット80も、現像カートリッジ8の長手方向内側に配置することになり、メモリタグユニット80と現像剤収納枠体28が、長手方向と直交する方向において重なる。その結果、スペースを確保するために、現像剤収納枠体28を長手方向において短くしたり、現像剤収納枠体28のサイズを小さくしたりする必要が生じる。その結果、収納可能な現像剤容量が減ってしまう。一方、長手方向の略同一位置に配置すれば、現像剤収納枠体28のサイズを小さくする必要がないため、現像剤容量を確保できる。
【0100】
なお、上の記載では、カートリッジガイド部33などのガイド部と、メモリタグユニット80の固定部や接点部を、長手方向において略同一位置に配置するものとしていた。しかし、長手方向に直交する方向において、ガイド部と、メモリの固定部や接点部とが、少なくとも一部が重なるように配置されていれば、装置サイズ増大の防止や現像剤容量の減少防止などの効果は得られる。
【0101】
さらに、カートリッジガイド部33やメモリの固定部や接点部が、カートリッジトレイ
枠体30の一つの側壁の長手方向の幅に収まるようにすることにより、装置サイズの増大を防ぐことができる。ここで、
図6(a)に示すように、カートリッジトレイ枠体30が備える辺のうち、長手方向に直交する方向に延びる二つの側壁それぞれを、第一の側壁30a、第二の側壁30bとする。第一の側壁30aは、メモリの固定部や接点部が配置される側壁であり、現像カートリッジ装着時にメモリタグユニット80に対応する側壁である。この場合、長手方向におけるカートリッジガイド部33や、メモリの固定部や接点部を、第一の側壁30aの幅に収まるように構成することにより、装置サイズの増大を防ぐことができる。
【0102】
このように本実施形態では、長手方向に直交する方向において、カートリッジトレイ3のガイド部と、メモリタグユニット80の固定部や接点部とが、少なくとも一部が重なるように設けられており、より好ましくは長手方向において略同一位置に設けられている。かかる構成により、メモリ媒体であるメモリタグ81が設けられた現像カートリッジ8をカートリッジトレイ3に着脱可能とする画像形成装置1において、画像形成装置1のサイズの増大や現像剤容量の減少を防止できる。また、メモリ媒体を安定的に接続できるようになる。
【0103】
実施形態では、現像カートリッジ8の駆動側の一端部にメモリタグユニット80が配置されていたため、駆動側のガイド部と、メモリの固定部や接点部が、長手方向において略同一位置に設けられていた。しかし本発明は、現像カートリッジ8の駆動側とは異なる他端部にメモリタグユニット80が配置されている場合にも適用できる。その場合、他端部のガイド部と、メモリの固定部や接点部を、長手方向において略同一位置に設ければよい。あるいは、少なくとも、他端部のガイド部と、メモリの固定部や接点部を、長手方向と直交する方向において少なくとも一部が重なるように設ければよい。
【0104】
[変形例]
続いて、実施形態1における画像形成装置の異なる構成例について、図面を参照しながら説明する。上記では、長手方向に直交する方向での断面で見たときに、ガイド部材が連続的に設けられていた。一方、
図11~
図12に示すカートリッジトレイ3のガイド部材の断面図では、ガイド部材が連続していない。しかし、このような断面形状も、メモリユニット支持部34aの面やカートリッジガイド部33の面から延びる仮想面を含めることで、略U字形状断面をなすと考えられる。
【0105】
図11(a)は、第1の変形例におけるガイド部材の断面構造である。本変形例の断面においては、図示したように、メモリユニット支持部34aとカートリッジガイド部33が連続していない。この構成において現像カートリッジ8を装着すると、現像ローラカバー位置決め部68aは、受け部材ガイド部39を経て、メモリユニット支持部34aを延長した仮想面に沿って装着方向の下流部に進み、カートリッジガイド部33の面に到達する。そして、カートリッジガイド部33に案内されて位置決め固定される。このように、ガイド部材が断面において複数の部材に分かれており、メモリタグユニット80をバックアップする部材が独立している場合であっても、現像カートリッジ8を下流部へ案内して固定することが可能である。
【0106】
図11(b)は、第2の変形例におけるガイド部材の断面構造である。本変形例の断面においてもメモリユニット支持部34aとカートリッジガイド部33は連続していない。また本変形例では、メモリユニット支持部34aの面を延長した仮想面が、カートリッジガイド部33の面と略連続している。この構成において現像カートリッジ8が装着されると、現像ローラカバー位置決め部68aは、受け部材ガイド部39を経てメモリユニット支持部34aとカートリッジガイド部33により連続的に案内され、位置決め固定される。
【0107】
図12(a)は、第3の変形例におけるガイド部材の断面構造である。本変形例の断面においてもメモリユニット支持部34aとカートリッジガイド部33は連続していない。また本変形例では、現像カートリッジ8装着時に、現像ローラカバー位置決め部68aが、受け部材ガイド部39に当接して案内され、装着方向の下流に向けて移動し、カートリッジガイド部33の面を経て位置決め固定される。
【0108】
図12(b)は、第4の変形例におけるガイド部材の断面構造である。本変形例の断面においてもメモリユニット支持部34aとカートリッジガイド部33は連続しておらず、また、カートリッジガイド部33は、さらに複数の部材(上流側カートリッジガイド部33a、下流側カートリッジガイド部33b)を含んでいる。この構成において現像カートリッジ8が装着されると、現像ローラカバー位置決め部68aは、受け部材ガイド部39、上流側カートリッジガイド部33a、下流側カートリッジガイド部33bを経て、カートリッジガイド部33により案内され、位置決め固定される。
【0109】
図13は、第5の変形例におけるガイド部材の断面構造である。実施形態1では、メモリユニット支持部34aの支持面とカートリッジガイド部33のガイド面が、断面において異なる角度であった。一方、本変形例の断面においては、図示したように、メモリユニット支持部34aの面とカートリッジガイド部33の面とが、連続した略同一面をなしている。この場合、略U字形状の一方の側部が含む略平面のうち、上流側がメモリタグユニット80のバックアップとして機能する。この構成において現像カートリッジ8を装着すると、現像ローラカバー位置決め部68aは、受け部材ガイド部39を経て、同一面に案内されて位置決め固定される。
以上のように、種々の形状を持つガイド部材を用いた場合でも、現像カートリッジ8を適切に案内して位置決めすることができる。
【0110】
[実施形態2]
続いて、第2の実施形態にについて図を用いて説明する。上記実施形態と重複する部分については説明を簡略化する場合がある。
【0111】
基本的に、本実施形態の画像形成装置1の構成や画像形成動作、カートリッジトレイ3および現像カートリッジ8の構成等は、
図1~
図9等を用いて上記で説明したものと同様である。また、メモリ媒体(記憶手段)であるメモリタグ81が取付けられたメモリタグユニット80の構成も、上記説明と同様である。また、現像カートリッジ8の装着動作も、
図10A~
図10Dを用いて行われた上記説明と同様である。
【0112】
<現像ローラカバー>
次に、本実施形態に係る現像カートリッジ8に装着されるカバー部材としての現像ローラカバー100について説明する。
【0113】
図12(a)は、本実施形態に係る現像ローラカバー100が取付けられた状態の現像カートリッジ8を非駆動側から見た様子を示す斜視図である。
図13は、本実施形態に係る現像ローラカバー100が取付けられた状態の現像カートリッジ8を駆動側から見た様子を示す斜視図である。また
図12(b)は、現像ローラカバー100だけを取り出した、
図12(a)と同じ方向から見た斜視図である。
【0114】
図12及び
図13に示すように、現像ローラカバー100は、現像ローラ保護部101と、メモリタグユニット保護部102と、駆動側嵌合部103と、非駆動側嵌合部104と、把手部105と、を備えている。現像ローラ保護部101は現像ローラ6の露出部の少なくとも一部を覆う第1被覆部である。本実施形態では、長手方向に垂直な第2方向及
び第3方向のいずれから見ても、現像ローラ保護部101が現像ローラ6の露出部の全体を覆っている。
図12(b)に示すように、本実施形態のメモリタグユニット保護部102には上方に開いた開口が設けられている。つまり、現像ローラカバー100を下方(現像ローラカバー100が現像ローラ6から離れる方向)に移動させた際に、メモリタグユニット保護部102がメモリタグユニット80と干渉しないようになっている。また、メモリタグユニット保護部102は、上方から見た場合に長手方向における非駆動側に向かって開いており、内側にメモリタグユニット80を収容するコ字状の凹部として形成されている(
図15(a)参照)。
【0115】
現像ローラ保護部101は、現像剤収納枠体28と駆動側位置決め部68aに当接することで現像ローラ6に対する位置が規制される。これによって、現像ローラ6と現像ローラカバー100との間に隙間が形成され、輸送時や交換作業における取扱い時の現像ローラ6への衝撃を防止する。
【0116】
メモリタグユニット保護部102は、現像カートリッジ8の駆動側にあるメモリタグユニット80のメモリタグ81の露出部(特に電気接点部(金属端子))の少なくとも一部を覆う第2被覆部である。本実施形態では、少なくとも第2方向から見たメモリタグ81の電気接点部(金属端子)の全体が、メモリタグユニット保護部102によって覆われる。本実施形態では、例えば樹脂材料の射出成型等の製造方法により、メモリタグユニット保護部102と現像ローラ保護部101とが互いに接続された一体の部材として現像ローラカバー100が構成されている。
【0117】
本実施形態の第1係合部である非駆動側嵌合部104は、現像ローラ保護部101に対して長手方向において一方側(本実施形態は非駆動側)に接続されている。非駆動側嵌合部104は、本実施形態の第1位置決め部である現像ローラ軸受位置決め部71aの外周と嵌合することで現像ローラカバー100が現像カートリッジ8から外れないように規制する。本実施形態の第2係合部である駆動側嵌合部103は、現像ローラ保護部101に対して長手方向において他方側(本実施形態は駆動側)に接続されている。駆動側嵌合部103は、本実施形態の第2位置決め部である駆動側位置決め部68aの外周と嵌合することで現像ローラカバー100が現像カートリッジ8から外れないように規制する。
【0118】
把手部105は、非駆動側嵌合部104に対し、非駆動側嵌合部104が現像ローラ保護部101と接続されている側とは反対側に接続されている。把手部105は、現像カートリッジ8の長手方向の側面を構成するカートリッジ軸受71から長手方向へ突出している。ユーザは、把手部105を把持して現像ローラカバー100を弾性変形させ、非駆動側嵌合部104を現像ローラ軸受位置決め部71aから長手方向に離脱させることで、現像ローラカバー100のロックを解除することができる。非駆動側嵌合部104は、把手部105と、現像ローラ保護部101を連結する連結部としても機能し、先に説明したように、この連結部としての非駆動側嵌合部104は、弾性変形し易い形状である必要がある。即ち、現像ローラ軸受位置決め部71aを挟み、把手部と逆側に空間が形成されるよう、2本の柱形状部材で、把手部105と現像ローラ保護部101は接続されている。そして、以下で説明するように、把手部105の操作により、ユーザは現像ローラカバー100を現像カートリッジ8から取外すことが可能である。
【0119】
このように、本実施形態に係る現像ローラカバー100は、現像ローラ保護部101、メモリタグユニット保護部102、駆動側嵌合部103、非駆動側嵌合部104及び把手部105が、互いに接続された一体の部材として構成されている。
【0120】
<現像カートリッジから現像ローラカバーの取外し方>
図14(a)~
図14(c)を用いて、現像カートリッジ8から現像ローラカバー10
0を取外す方法について説明する。
【0121】
図14(a)は、現像ローラカバー100を取外す前の現像カートリッジ8を表している。この状態では、現像ローラカバー100の駆動側嵌合部103が駆動側位置決め部68aと嵌合し、非駆動側嵌合部104が現像ローラ軸受位置決め部71aと嵌合している。
【0122】
図14(b)は、
図14(a)の状態から把手部105を把持して長手方向における非駆動側へ引っ張る操作により、現像ローラカバー100を変形させた状態を示している。このとき、非駆動側嵌合部104と現像ローラ軸受位置決め部71aとの嵌合が外れる。
【0123】
図14(c)は、
図14(b)の状態から把手部105を把持したまま略下方(第2方向)へ引っ張った様子を表している。このとき、現像ローラカバー100は駆動側嵌合部103と駆動側位置決め部68aとの嵌合部を回転軸として第2方向へ回転し、現像ローラ保護部101が現像ローラ6から離間する。この状態で、現像ローラカバー100を例えば長手方向における駆動側にスライドさせることで、ユーザは現像ローラカバー100を現像カートリッジ8の現像剤収納枠体28から取外することができる。このとき、メモリタグユニット保護部102が長手方向における非駆動側に向かって開いた凹形状であることから、メモリタグユニット保護部102がメモリタグユニット80と干渉することが避けられる。
【0124】
なお、
図14(c)に示す状態から現像ローラカバー100を取外す動作は、上記のものに限らない。例えば、現像ローラカバー100を
図14(c)の状態からさらに第2方向へ回動させることで、駆動側嵌合部103が駆動側位置決め部68aから離脱するようにしてもよい。この場合、
図13に示す駆動側嵌合部103と駆動側位置決め部68aとの掛かり量は、現像ローラカバー100の所定角度の回動によって駆動側嵌合部103及び駆動側位置決め部68aの嵌合が解除されるように設定される。この場合も、メモリタグユニット保護部102が上方に開いた開口を有していることから、メモリタグユニット保護部102がメモリタグユニット80と干渉することが避けられる。
【0125】
<メモリタグユニットとメモリタグユニット保護部の位置関係>
メモリタグユニット80とメモリタグユニット保護部102の位置関係について説明する。
図15(a)~
図15(c)は、メモリタグユニット80とメモリタグユニット保護部102a,102b,102cの位置関係が異なる3つの構成例を表している。
図15(a)~(c)は、いずれも現像ローラカバー100が取外されていない状態の現像カートリッジ8の駆動側の端部を上方から見た様子を表している。
【0126】
図15(a)に表される第1の例は、メモリタグユニット80のバネ受け部材84の被規制部であるバネ受け部材被規制部84aが前方規制部82aと当接した状態(
図9(b)参照)となる構成である。即ち、この例では、メモリタグユニット保護部102aに保護されているメモリタグユニット80は伸張状態にある。メモリタグユニット80の伸縮方向(第2方向)に関して、メモリタグ押圧部材82とメモリタグユニット保護部102aとの間には隙間ha1が確保され、バネ受け部材84とメモリタグユニット保護部102aとの間には隙間ha2が確保されている。この隙間ha1、ha2は、メモリタグユニット80が伸張状態をとるために充分な距離をとっている。即ち、姿勢規制ボス85a、85b、85cが姿勢規制穴86a、86b、86cの内側で動いたとしても、メモリタグユニット保護部102aとメモリタグユニット80が当接することは無い。そのため、輸送時の衝撃等によってメモリタグ押圧部材82とバネ受け部材84が当接して傷つくことを避けることができる。
【0127】
図15(b)に表される第2の例は、第1の例と同様に、メモリタグユニット保護部102aに保護されている状態において、メモリタグユニット80が伸張状態をとる。ただし、第1の例に比べてメモリタグ押圧部材82とメモリタグユニット保護部102bとの間の隙間hb1及びバネ受け部材84とメモリタグユニット保護部102bとの間の隙間hb2が狭く設定されている(hb1<ha1、hb2<ha2)。この隙間hb1、hb2は、姿勢規制ボス85a、85b、85cが姿勢規制穴86a、86b、86cの内側で動いたときに、メモリタグ押圧部材82又はバネ受け部材84とメモリタグユニット保護部102bとが当接し得る大きさである。しかし、メモリタグ押圧部材82とバネ受け部材84が同時にメモリタグユニット保護部102bへ当接することは無く、どちらか一方のみしか当接しない。この構成にすることで、第1の例よりもメモリタグ押圧部材82とバネ受け部材84の移動が制限される。このように構成すれば、メモリタグユニット80が衝撃を受けた際に動く移動量が減り、メモリタグユニット80の破損を防ぐことが可能になる。
【0128】
図15(c)に表される第3の例は、メモリタグ押圧部材82及びバネ受け部材84がメモリタグユニット保護部102cと常時当接した状態となる構成を示している。この構成では、メモリタグユニット80の位置が現像ローラカバー100によって固定されている。メモリタグユニット保護部102cの内側幅hcは
図9(b)に示すメモリタグユニットの自然長hmと比較して、同じ、もしくは狭く設定される。これにより、メモリタグ押圧バネ83の付勢力によってメモリタグ押圧部材82及びバネ受け部材84がメモリタグユニット保護部102cに押し当てられ、メモリタグ押圧部材82及びバネ受け部材84の位置が決まる。なお、バネ受け部材被規制部84aと、メモリタグ押圧部材82の前方規制部82a又は後方規制部82bとが当接するような内側幅hcとしてもよく、バネ受け部材被規制部84aが前方規制部82a及び後方規制部82bのいずれからも離間するようにしてもよい。本実施形態では、メモリタグユニット保護部102cに保護された状態においてメモリタグユニット80が固定され、輸送中の衝撃等が掛かっても動くことが無くなり、メモリタグユニット80を破損から守ることができる。
【0129】
(変形例)
以上説明した各実施形態および以下に説明する各実施形態では、1つのカートリッジトレイに対して4つの現像カートリッジが装着されるフルカラーの画像形成装置について説明されている。しかしながら、本技術は画像形成装置の装置本体に対して直接着脱される現像カートリッジ(例えばモノクロプリンタにおける現像カートリッジ)にも適用可能である。
【0130】
また、本実施形態に説明した技術は、現像カートリッジ以外のカートリッジの構成部材を保護するカバー部材にも適用可能である。例えば、感光体ドラム及びメモリタグを有する感光体カートリッジに取付けられるカバー部材において、感光体ドラムの露出部を覆う第1被覆部とメモリタグの電気接点部(金属端子)を覆う第2被覆部とを一体に形成することが考えられる。
【0131】
[実施形態3]
本発明に係る画像形成装置1、および画像形成装置1に用いられる現像カートリッジ8とカートリッジトレイ3の実施例について図を用いて説明する。上記実施形態と重複する部分については説明を簡略化する場合がある。
【0132】
≪画像形成装置の構成≫
画像形成装置の構成について説明する。
図1は、画像形成装置1の断面概略図である。
図2は、画像形成装置1の斜視図である。
図18は、カートリッジトレイ3および現像カートリッジ8の斜視図である。
図1および
図2に示す画像形成装置1の概略や、
図4に示
すカートリッジトレイ及び現像カートリッジの断面概略図は、上記各実施形態と共通しているため説明を省略する。また、
図18に示すカートリッジトレイ及び現像カートリッジの斜視図は、上記の
図3と比較したときにメモリタグユニット80の位置が異なり、
図18ではトレイ挿入方向において
図3と逆側にあるため図示されていない。その他の部材の配置、機能及び符号は共通であるため、説明を省略する。
【0133】
≪画像形成動作≫
画像形成動作についても、本実施形態での一連の動作は、実施形態1で
図1~
図4を用いて説明した動作と共通する。
【0134】
≪カートリッジトレイの構成≫
図4、
図19、
図20、
図21、
図22を用いて、カートリッジトレイ3の詳細な構成について説明する。
図19は、カートリッジガイド部33、メモリガイド部31、メモリユニット支持部34の位置関係を示す斜視図であり、一部を丸枠で囲って拡大表示してある。
図20は、本実施形態に係るカートリッジトレイ3を示す。
図20(a)が上面図であり、
図20(b)が断面概略図である。
図21は、本実施形態に係る現像カートリッジ8の斜視図であり、
図21(a)が非駆動側、
図21(b)が駆動側から見た斜視図である。
図22は、本実施形態に係る現像カートリッジ8の駆動側を示し、
図22(a)が斜視図、
図22(b)が分解構成図である。
図4、
図19、
図20に示すように、感光体ドラム4は、カートリッジトレイ3に設けられたカートリッジトレイ枠体30に、第1方向に延びる回転軸について回転可能に取り付けられている(矢印D方向)。
【0135】
(画像形成に関する機構)
感光体ドラム4の駆動側には、感光体ドラム4に駆動力を伝達するためのドラム駆動入力カップリング54が設けられている。ドラム駆動入力カップリング54が、画像形成装置1のドラム駆動カップリング52(
図2(b)参照)と係合することで、画像形成装置1からの駆動力が感光体ドラム4に伝達される。
【0136】
帯電ローラ5は、第1方向に延びる回転軸について回転可能である。帯電ローラ5は、感光体ドラム4に対し接触して従動回転できるように、カートリッジトレイ枠体30に支持されている。帯電ローラ5は画像形成装置1と電気的に導通されており、これによって感光体ドラム4の表面が所定の極性・電位に一様に帯電される。ただし、感光体ドラム4への帯電手段はこれに限定されるものではない。
【0137】
さらに、カートリッジトレイ枠体30には、クリーニング手段としてのクリーニングブレード7とクリーニング枠体27が設けられる。クリーニングブレード7は、感光体ドラム4と接触した位置に固定され、画像形成時に転写ができずに残った感光体ドラム4表面の廃現像剤を除去する。クリーニング枠体27は、除去された廃現像剤を回収する。
【0138】
(ガイドと固定に関する機構)
カートリッジトレイ枠体30には、メモリタグユニット80を備える現像カートリッジ8を、装着位置で装着状態になるまで案内するためのガイド部材が設けられている。ガイド部材には、現像カートリッジ8が備えるメモリタグユニット80やカートリッジ側位置決め部と当接し、装着を補助するためのガイド部として機能する部分が含まれる。ガイド部材にはまた、メモリタグユニット80やカートリッジ側位置決め部を位置決めして固定するための固定部(ガイド側位置決め部)として機能する部分が含まれる。カートリッジトレイ3はまた、回転止め等として機能する現像加圧部材91を有している。なお、ガイド部材のある部分が、ガイド機能と位置決め機能の両方を有する場合もある。
【0139】
ガイド部材は、カートリッジトレイ枠体30の辺のうち、現像カートリッジ8の長手方
向の両端部夫々に配置される。ガイド部材は、
図24A~
図24D、
図19、
図20等に示すように、断面形状が、互いに対向する一方の側部と他方の側部を含む略U字形状をなしている。詳しくは後述するが、装着状態においては一方の側部と他方の側部の間にメモリタグユニット80が支持される。
【0140】
各ガイド部としては、現像カートリッジ8の現像ローラカバー位置決め部68a及び現像ローラ軸受位置決め部71aをガイドするための部材(カートリッジガイド部33、現像ローラ位置決めガイド部36、駆動入力ガイド部38)や、メモリタグユニット80をガイドするための第2ガイド部材(メモリガイド部31)がある。現像ローラカバー位置決め部68a及び現像ローラ軸受位置決め部71aは、
図21及び
図22に図示される様に、カートリッジの側壁より第1方向(長手方向)に突出する突出部となっている。なお、
図21、
図22中では円柱形状の突出部となっているが、ガイド部により案内可能で安定して位置決めされる形状であれば多角柱形状など他の形状を採用することができる。
ただし、どのガイド部が、現像カートリッジ8やメモリタグユニット80のどの部分をガイドするかは、ユーザが現像カートリッジを挿入するときの角度や軌跡に応じて異なる。そのため、ガイド部と被ガイド部の関係は固定関係に限定されない。例えばメモリガイド部31がメモリタグユニット80以外の部位と当接する場合もある。
【0141】
また、各ガイド側位置決め部としては、現像カートリッジ8を位置決め固定するための部材(現像ローラ位置決め部35、駆動入力位置決め部37)や、メモリタグユニット80を位置決め固定するための部材(メモリユニット支持部34)がある。なお、駆動入力位置決め部37は、現像カートリッジ8装着時に現像ローラカバー位置決め部68aと当接して現像ローラ位置決め部35にガイドするためのガイド部でもある。
【0142】
詳しくは後述するが、実施形態のガイド部材において、現像カートリッジ8の装着をガイドするためのガイド部と、メモリタグユニットを位置決めして支持するためのガイド側位置決め部は、長手方向において略同一位置に設けられている。ここで、ガイド部とガイド側位置決め部が長手方向において略同一位置にある状態とは、長手方向においてガイド部とガイド側位置決め部の幅が略同一であり、かつ両者が略重なっている状態をいう。ただし、ガイド部とガイド側位置決め部が、長手方向に直交する方向において少なくとも一部が重なるように設けられていれば、効果は得られる。また、実施形態において、カートリッジトレイ枠体30の辺に設けられた各ガイド部および各ガイド側位置決め部は、長手方向における辺の幅に収まるような長手方向サイズである。
【0143】
現像ローラ位置決め部35の面が、装着状態の現像カートリッジ8に当接して固定、位置決めする。実施形態では、現像ローラ位置決め部35がカートリッジトレイ3の駆動側と非駆動側の両側に設けられている。少なくとも一端部には、ガイド側位置決め部を設ける必要がある。
図20のW-W断面では、駆動側の現像ローラ位置決め部35を表してい
るが、非駆動側も対称位置に設けられる(不図示)。
【0144】
カートリッジトレイ3に現像カートリッジ8が挿入される。すると、
図21と
図22に示す現像カートリッジ8の現像ローラ6の同軸上に配置された現像ローラカバー位置決め部68aと現像ローラ軸受位置決め部71aは、現像ローラ位置決め部35に当接して突き当たる。これにより、現像カートリッジ8は位置決めされる。
【0145】
加圧部材である現像加圧部材91は、現像カートリッジ8の装着完了時に回転決めとして機能する。現像加圧部材91は、カートリッジトレイ3の駆動側、非駆動側の両側に設けられる。
図20のW-W断面では、駆動側の現像加圧部材91を表しており、非駆動側も
対称位置に設けられる。現像加圧部材91は、カートリッジトレイ枠体30に、長手方向の軸となる加圧部材回転中心91aを中心として回転可能に支持されている。現像カート
リッジ8が未装着の場合、現像加圧部材91は、現像加圧バネ90によって矢印Hの方向に引っ張られてカートリッジトレイ枠体30と当接し固定されている。現像加圧バネ90は、現像ローラ6の長手方向外側に突出したボスに係合する係合部を両端に備え、両端の係合部分で突出ボスを内側に引っ張り、図中、現像加圧部材91に反時計回りの回転力を付与している。
【0146】
現像加圧部材91は、回転止めボス誘い込み部91bを有している。回転止めボス誘い込み部91bは、現像カートリッジ8を装着する際、現像カートリッジ8に設けられた現像回転止めボス28a、28bを誘い込み装着ガイドする。また、現像加圧部材91は、現像カートリッジ8装着完了時に、現像ローラカバー位置決め部68aと現像ローラ軸受位置決め部71aを現像ローラ位置決め部35に安定的に位置決めするためのカートリッジ加圧部91cを有する。
【0147】
ここで、例えば現像カートリッジ8Cを第一の現像カートリッジとしたときに、第一の現像カートリッジと対応するガイド部材を第一のガイド部材とする。また、それと隣接する現像カートリッジ8Kを第二の現像カートリッジとしたときに、第二の現像カートリッジと対応するガイド部材を第二のガイド部材とする。そして、現像加圧部材91Cを第一の加圧部材、現像加圧部材91Kを第二の加圧部材とする。このとき、本実施形態例の構成であれば、現像加圧部材91Cが矢印K方向または矢印H方向に回転した場合にも、カートリッジトレイ枠体30に設けられた空間内で回転するために、現像加圧部材91Cが第二のガイド部材と接触することはない。
【0148】
なお、実施形態では、
図21と
図22に示すように現像カートリッジ8の非駆動側にはメモリタグユニット80および駆動入力カバー位置決め部68bなどが存在しない。そのため、非駆動側のカートリッジトレイ枠体30のガイド部は、現像ローラ軸受位置決め部71aを現像ローラ位置決め部35に位置決めするだけで良いため、駆動側と異なる形状でも良い。
【0149】
図19と
図20に示すカートリッジガイド部33(33Y、33M、33C、33K)と現像ローラ位置決めガイド部36は、現像カートリッジ8装着時に現像ローラカバー位置決め部68aと当接して現像ローラ位置決め部35にガイドするガイド部である。
【0150】
駆動入力位置決め部37は、現像カートリッジ8装着時に、現像ローラカバー位置決め部68aと当接して現像ローラ位置決め部35にガイドするための装着ガイドである。さらに、装着完了時には、駆動入力カバー位置決め部68bと当接して位置決めする。すなわち、駆動入力位置決め部37は、ガイド部としての機能と、ガイド側位置決め部としての機能を有する。
【0151】
装着状態において、現像ローラカバー位置決め部68aは、現像加圧部材91によって、現像ローラ位置決め部35に加圧され固定されている。同様に、駆動入力カバー位置決め部68bは、駆動入力位置決め部37に固定される。これにより現像カートリッジ8は、ガイド側位置決め部としての現像ローラ位置決め部35および駆動入力位置決め部37と、現像加圧部材91によって安定的に位置決めされる。
【0152】
駆動入力ガイド部38は、現像カートリッジ8装着時に現像ローラカバー位置決め部68aと当接して、現像ローラ位置決め部35にガイドするための装着ガイドである。駆動入力ガイド部38はまた、駆動入力カバー位置決め部68bと当接して、駆動入力位置決め部37にガイドするための装着ガイドである。
【0153】
メモリガイド部31、メモリユニット支持部34は、現像カートリッジ8装着時におい
て、現像ローラカバー位置決め部68aと当接して、現像ローラ位置決め部35にガイドする。また、駆動入力カバー位置決め部68bと当接して、駆動入力位置決め部37にガイドするための装着ガイドである。従ってこれらの部材は、メモリガイド部やメモリ位置決め部であると同時に、現像カートリッジ8それ自体のガイド部としても機能する。装着時に、現像カートリッジ8の各部分が、各ガイド部や各ガイド側位置決め部のどこと当接するかは、装着時の現像カートリッジ8の姿勢にも依存する。しかし実施形態の構成によれば、現像カートリッジ8はガイド部材のいずれかの部分に当接しながら、装着方向の下流部へと案内されて行き、最終的には適切な面に位置決めされる。
【0154】
さらに、メモリユニット支持部34は、メモリタグユニット80が備えるメモリタグ81の電気接点部を、トレイ側接点部32に対して安定的に位置決めする。さらにメモリガイド部31は、メモリタグユニット80をメモリユニット支持部34に誘い込むための装着ガイドである。
【0155】
かかる構成により、現像カートリッジ8の装着時に、カートリッジトレイ3に設けられたガイド部であるメモリガイド部31によって、メモリタグユニット80がガイドされる。そして、メモリタグ81の電気接点部が、トレイ側接点部32と接触可能な位置へと誘い込まれる。そして、メモリタグユニット80がメモリユニット支持部34にて位置決めされることで、安定した電気的接続がなされる。
【0156】
≪現像カートリッジの構成≫
図4、
図21、
図22、
図23を用いて、現像カートリッジ8について説明する。現像カートリッジ8は、概略、現像剤収納枠体28と、現像ローラ6と、端部封止部材25と、撹拌ローラ26と、現像剤規制ブレード29と、カートリッジ軸受(駆動側)70と、カートリッジ軸受(非駆動側)71と、カートリッジサイドカバー68と、現像ローラギア61と、駆動入力カップリングギア62と、撹拌ローラギア63と、メモリタグユニット80で構成される。
【0157】
(現像と駆動に関する構成)
現像剤収納枠体28は、現像剤を収容可能な筐体であり、現像ローラ6に現像剤を供給する。撹拌ローラ26は、現像剤収納枠体28の現像剤を撹拌すると共に、現像ローラ6に現像剤を塗布する機能を有する。現像ローラ6と撹拌ローラ26は、第1方向に延びる回転軸について回転可能なローラであり、ローラ本体とローラ軸を備えている。ローラ本体の材料には、例えば、弾性を有するゴムやスポンジ部材が用いられる。ローラ軸の材料には、金属または導電性を有する樹脂が用いられる。
【0158】
図21、
図22(a)に示すように、現像ローラ6および撹拌ローラ26は、カートリッジ軸受(駆動側)70とカートリッジ軸受(非駆動側)71によって、回転可能に支持される。カートリッジ軸受(駆動側)70は、現像剤収納枠体28にカートリッジサイドカバー68と共締めでビス99a、99cで固定される。
カートリッジ軸受(非駆動側)71は、現像剤収納枠体28にビス99dで固定される。
図22(b)に示すように、現像ローラ6および撹拌ローラ26のローラ軸は、カートリッジ軸受(駆動側)70を貫通し、各ローラ軸は、現像ローラギア61と撹拌ローラギア63に連結されている。現像ローラギア61は、本体からの駆動力を現像ローラ6に伝え、撹拌ローラギア63は、本体からの駆動力を撹拌ローラ26に伝える。
【0159】
駆動入力部としての駆動入力カップリングギア62は、カートリッジ軸受(駆動側)70とカートリッジサイドカバー68に回転可能に支持されるギアである。駆動入力カップリングギア62は、本体からの駆動力を受けるための係合カップリング部を有し、本体からの駆動力を現像ローラギア61と撹拌ローラギア63に伝える。係合カップリングの形
状としては、駆動力を伝えられれば任意の形状で良い。ここでは、現像カートリッジ側は三角形の凹形状の穴を有している。一方の本体側の係合カップリング部の形状は、三角凹形状に対応した凸形状の三角リブを有している。
【0160】
現像剤規制ブレード29は、現像ローラ6と当接し、現像ローラ6に担持される現像剤の厚みを規制するブレードである。現像剤規制ブレード29は、現像剤収納枠体28にビス等によって固定され、現像ローラ6との当接角度や侵入量を管理することで、現像ローラ上の現像剤の厚みを一定に規制する。現像剤規制ブレード29の材料としては、一般的にSUS板やゴム材が用いられる。カートリッジサイドカバー68は、現像ローラギア61と駆動入力カップリングギア62の一端を回転可能に支持している。
【0161】
(ガイドと固定に関する構成)
さらに、カートリッジサイドカバー68は、、カートリッジ側位置決め部(現像ローラカバー位置決め部68aと、駆動入力カバー位置決め部68b)を有する。カートリッジ側位置決め部(現像ローラカバー位置決め部68aと、駆動入力カバー位置決め部68b)は、現像カートリッジ8をカートリッジトレイ3に装着する際、カートリッジトレイ3に設けられたガイド部(メモリガイド部31、カートリッジガイド部33、現像ローラ位置決めガイド部36、駆動入力ガイド部38)および固定部(メモリユニット支持部34、現像ローラ位置決め部35、駆動入力位置決め部37)と摺動当接する。現像ローラカバー位置決め部68aは、現像ローラ6および現像ローラギア61と同軸であり円柱形状である。駆動入力カバー位置決め部68bは、駆動入力カップリングギア62と同軸であり円柱形状である。
図22からも読み取れるように、第1方向(長手方向)における、押圧バネ受け部材84の端部(最外殻部)は、突出部である現像ローラカバー位置決め部68aよりも外側に位置する。言い換えれば、メモリタグユニット80を、現像ローラカバー位置決め部68aよりも長手方向内側に配置する場合よりも、現像カートリッジ8をより大型化させることができる効果を得ることができる。即ち、現像剤収納枠体28により多くのトナーを収納する空間を形成できるようになる。
前述したように、現像ローラカバー位置決め部68aと駆動入力カバー位置決め部68bと現像剤収納枠体28に設けられた現像回転止めボス(駆動側)28aによって、現像カートリッジ8はカートリッジトレイ3に装着後、位置決め固定される。
【0162】
図21に示すように、現像カートリッジ8は、非駆動側においては、カートリッジ軸受(非駆動側)71と、現像剤収納枠体28の現像回転止めボス(非駆動側)28bによって、カートリッジトレイ3に設けられたカートリッジガイド部と摺動当接し、装着完了される。駆動側と同様にそれぞれのボス形状を、円柱形状にすることで滑らかにガイドされる。現像ローラ軸受位置決め部71aは、現像ローラ6と同軸上であり、駆動側の現像ローラギア61およびに現像ローラカバー位置決め部68aと同軸に配置される。現像回転止めボス(非駆動側)28bは、現像回転止めボス(駆動側)28aと同軸である。
【0163】
(メモリに関する構成)
図23は、本実施形態に係る現像カートリッジ8のメモリタグユニット80の構成図である。メモリタグユニット80は、メモリタグ81と、メモリタグ押圧部材82と、メモリタグ押圧バネ83、押圧バネ受け部材84で構成される。メモリタグ押圧部材82は、メモリタグ81を保持するメモリ保持部材として機能する。押圧バネ受け部材84は、メモリタグ押圧部材82(メモリ保持部材)に対して相対的に移動可能となり移動部材として機能する。押圧バネ受け部材84(移動部材)は、メモリタグ81がトレイ側接点部32に対して押圧される押圧方向と略平行な方向の移動を所定の範囲で許容されている。メモリタグ押圧部材82は、メモリタグ81を設置固定するためのメモリ設置溝87を有する。メモリタグ81は、接着や両面テープや熱かしめ等の任意の方法により固定される。
図23に示すように、メモリタグ押圧部材82と、メモリタグ押圧バネ83と、押圧バネ
受け部材84は一体的なユニットとして構成される。またメモリタグ押圧部材82と、メモリタグ押圧バネ83は、相対的に略第3方向に移動可能である。
【0164】
メモリタグ押圧バネ83は、弾性部材としての圧縮バネである。メモリタグ押圧バネ83は、メモリタグ押圧部材82のバネ受け面(不図示)と押圧バネ受け部材84のバネ受け面(不図示)にそれぞれ当接し、バネの自然状態から圧縮された状態となっている。そのため、メモリタグ押圧バネ83は、メモリタグ押圧部材82と押圧バネ受け部材84に対して、それぞれ圧縮が解放される方向に付勢力を発生させている。メモリタグ押圧バネ83のバネ力により、メモリタグ押圧部材82の前方規制部82a(バネ受け部材規制部)と押圧バネ受け部材84のバネ受け部材被規制部84aとが当接し、メモリタグユニットは一体的なユニットとして保持される。また、メモリタグユニット80は、
図23の組み立てた状態よりも更にメモリタグ押圧バネ83の圧縮方向へ伸縮可能である。すなわち、メモリタグ押圧部材82の後方規制部82b(バネ受け部材規制部)と押圧バネ受け部材84のバネ受け部材被規制部84dとが当接する位置まで圧縮可能である。但し、圧縮バネの形状次第では後方規制部82bとバネ受け部材被規制部84dとが当接する位置まで圧縮可能でない場合もある。また、後方規制部82bとバネ受け部材被規制部84dの間、つまり、メモリタグ押圧部材82が押圧バネ受け部材84に対して移動可能な所定の範囲を隙間Tとする。特に、前方規制部82aとバネ受け部材被規制部84aが当接している時の後方規制部82bとバネ受け部材被規制部84dの間を隙間Taと呼ぶ。つまり隙間Tは、Ta≧T≧0の間の値を取ることが可能である。
【0165】
押圧バネ受け部材84は、姿勢規制ボス85(85a、85b、85c)を有している。
図22に示すように現像カートリッジ8にメモリタグユニット80を組み付ける際、カートリッジ軸受(駆動側)70とカートリッジサイドカバー68に長手方向において挟み込まれるように組まれ、長手方向である第1方向の移動が規制される。この時、姿勢規制ボス85a、85bは、カートリッジサイドカバー68の姿勢規制穴86a、86bにはまり込み、姿勢規制ボス85cは、カートリッジ軸受(駆動側)70の姿勢規制穴86cにはまり込む。
【0166】
ここで、姿勢規制ボス85のボス径よりも姿勢規制穴86の穴径の方が大きい関係に設定している。例えば、ボス径φ3mmの円柱であり、穴径がφ8mmの穴であると、φ5mmの隙間ガタを持ち、円柱ボスが可動できることとなる。これにより、メモリタグユニット80は、姿勢規制ボス85(85a、85b、85c)および姿勢規制穴86(86a、86b、86c)よって第2方向および第3方向の移動を、ある程度の隙間ガタを持って規制される。
【0167】
また、メモリタグユニット80の動きを規制する第1、第2、第3方向の隙間の取り方や姿勢規制ボス85と姿勢規制穴86の関係は、後述するカートリッジトレイ3とメモリタグユニット80の係合がスムーズに動作できるように調整すれば良い。メモリタグユニット80の動きを規制する第3方向の隙間の取り方や姿勢規制ボス85と姿勢規制穴86の関係については後述する。
【0168】
また、ここでは、メモリタグユニット80は、カートリッジ軸受(駆動側)70とカートリッジサイドカバー68によって第1、第2、第3方向の位置をある程度の隙間ガタを持って規制する構成になっている。ただし、現像カートリッジ状態において、メモリタグユニットを任意の方向に移動できれば良いので、本実施形態の構成には限らない。また、本実施形態ではメモリタグユニット80を現像カートリッジ8の駆動側に構成しているが、非駆動側に構成しても良い。
【0169】
≪現像カートリッジ装着動作≫
カートリッジトレイ3に現像カートリッジ8を装着する動作を説明する。
図24A~
図24Dは、本実施形態に係るカートリッジトレイ3に対する現像カートリッジ8装着時の挙動を示す断面概略図であり、現像カートリッジ8の駆動側の側面とそれに対応するカートリッジトレイ3の断面概略図である。
【0170】
図24Aは、現像カートリッジ8をカートリッジトレイ3の任意のスロットに挿入する直前の断面概略図である。このときのカートリッジトレイ3は、現像カートリッジ8が無い状態(
図20のW-W断面図参照)と同じである。現像加圧部材91は、現像加圧バネ90に引っ張られカートリッジトレイ3によって位置が規制されている状態である。また、現像カートリッジ8は
図21、
図22(a)と同じである。このとき、メモリタグユニット80は現像カートリッジ8の姿勢規制穴86(86a、86b、86c)と、メモリタグユニット80の姿勢規制ボス85(85a、85b、85c)の隙間ガタの範囲内で位置が規制されている。
【0171】
図24Bは、現像カートリッジ8をカートリッジトレイ3に装着し、カートリッジトレイ3に対して挿入位置にいる現像カートリッジ8の断面概略図である。
図24Aから
図24Bの装着中の状態になる際に、現像カートリッジ8の駆動入力カバー位置決め部68bは、カートリッジトレイ3の駆動入力位置決め部37にガイドされる。その際には、カートリッジトレイ3の各ガイド部(メモリガイド部31、カートリッジガイド部33、駆動入力ガイド部38)が、カートリッジトレイ3の駆動入力位置決め部37までのガイド部として機能する。この時、カートリッジトレイ3の現像回転決めボス(駆動側)28aが現像加圧部材91の回転止めボス誘い込み部91bに当接し、位置が決まる。
【0172】
なお、現像カートリッジ8の装着姿勢や挿入軌跡は、各ユーザの現像カートリッジ8の把持角度や挿入動作の違いに応じて異なる。したがって、カートリッジトレイ3のガイド部材の各部分(メモリガイド部31、カートリッジガイド部33、駆動入力ガイド部38)はいずれも、現像ローラカバー位置決め部68aを現像ローラ位置決め部35にガイドし得る。またこれらの各部分は、駆動入力カバー位置決め部68bを駆動入力位置決め部37にガイドし得る。しかし、装着姿勢などを問わず、各ガイド部によって現像カートリッジ8が滑らかにガイドされる。
【0173】
図24Cは、現像カートリッジ8がカートリッジトレイ3に装着されて現像ローラ6が感光体ドラムと当接する第1装着位置にある状態、すなわち現像カートリッジ8のカートリッジトレイ3への装着完了時の断面概略図である。このとき、カートリッジトレイ3の現像ローラ位置決め部35と駆動入力位置決め部37に、現像カートリッジ8の現像ローラカバー位置決め部68aと駆動入力カバー位置決め部68bがそれぞれ当接している。このように、現像カートリッジ8が備えるカートリッジ側位置決め部が、ガイド側位置決め部の当接面に滑らかに案内される。また、前述のように、メモリガイド部31、メモリユニット支持部34が、現像カートリッジ8のガイド部と、メモリタグユニット80用の位置決め部を兼ねていることにより、別々に設ける場合と比べて省スペース化が可能になる。
【0174】
なお、現像カートリッジ8が装着されるときに、現像回転止めボス28aは、まず、カートリッジトレイ3の現像加圧部材91に設けられた回転止めボス誘い込み部91bに当接する。続いて、現像カートリッジ8を現像カートリッジ装着方向である矢印Mの方向へ動かす。現像カートリッジ8の装着が進むに伴って、現像回転止めボス28aは、現像加圧部材91を、加圧部材回転中心91aを中心として矢印Kの方向に回転させて、カートリッジ加圧部91cと当接して、
図24Cの装着状態となる。装着状態において、現像加圧バネ90のバネ力により、現像回転止めボス28aは矢印H方向へ加圧される。これにより現像カートリッジ8が矢印H方向へ押し付けられるため、現像ローラカバー位置決め
部68aと駆動入力カバー位置決め部68bが、ガイド部材の現像ローラ位置決め部35と駆動入力位置決め部37に安定的に位置決めされる。その結果、現像ローラ6と感光体ドラム4は当接し、画像形成が可能となる。なお、
図24Cの状態において、現像回転止めボス28aは、離間部材92とは当接せず隙間を持った状態である。
【0175】
また、
図24Cの状態において、現像カートリッジ8を矢印Mの方向へ動かす。これにより、押圧バネ受け部材84の姿勢規制ボス85と、カートリッジサイドカバー68の姿勢規制穴86は当接し、メモリタグ押圧バネ83のバネ力によってメモリタグ81はトレイ側接点部32へ向けて押圧される(
図24C参照)。さらに、カートリッジガイド部3のトレイ側接点部32に設けられたメモリユニット支持部34によって、メモリタグ81を固定しているメモリタグ押圧部材82の位置が規制される。
【0176】
つまり、メモリタグユニット80は、現像カートリッジ8に対して隙間ガタを有していたが、メモリユニット支持部34とメモリタグ押圧部材82が当接し、姿勢規制ボス85と姿勢規制穴86が当接する。これにより、メモリタグユニット80がメモリユニット支持部34に、嵌合し、メモリタグ押圧バネ83が圧縮されると共に、後方規制部82bとバネ受け部材被規制部84dの間は隙間Tc(Ta>Tc)となる。それによって、メモリタグユニット80は第2方向、第3方向の移動が規制される。なお、第1方向である長手方向においても、メモリユニット支持部34にメモリタグ押圧部材82が嵌合しているので、メモリタグユニット80の移動が規制させる。以上の構成により、メモリタグ81の電気接点部がとトレイ側接点部32に接触、固定される。メモリタグ81の接点部の接触圧は、安定的に位置決めされる圧力であれば良く、トレイ側接点部32に設けられたメモリユニット支持部34またはメモリタグ押圧部材82の形状によって決めれば良い。
【0177】
図24Dは、現像カートリッジ8の現像ローラ6を、カートリッジトレイ3の感光体ドラム4から離間し、カートリッジトレイ3に対して離間位置(第2装着位置)にいる現像カートリッジ8の断面概略図である。本実施形態では、現像ローラ6と感光体ドラム4の部品寿命を延ばす等の目的で、かかる離間状態を可能にしている。そのため、現像ローラ6が感光体ドラム4から離間状態にあっても、メモリタグ81とトレイ側接点部の電気的接続状態は維持する必要がある。
図20に示すように、現像カートリッジ8を離間するため、カートリッジトレイ3の駆動側、非駆動側に離間部材92、93が構成されている。
図20のW-W断面において示すように、駆動側の離間部材92は、離間部材回転中心9
2aを中心に回転可能に取り付けられている。非駆動側の離間部材93も対称の位置に回転中心を持つ構成であり同一の動作のため説明を省略する。離間部材92は、画像形成装置1の不図示の離間部材押圧により、離間部材押圧力Fを受ける。これより矢印Jの方向に回転が可能となる。
【0178】
図24Dは、
図24Cの状態から、離間部材92が離間部材押圧力Fを受けて矢印Jの方向に回転した状態を示した図である。ここで、現像カートリッジ8の現像回転止めボス(駆動側)28aは、現像加圧部材91を、加圧部材回転中心91aを回転中心として矢印Kの方向に回転させ、離間部材92(
図20参照)の回転に合わせて移動し持ち上げられる。これにより現像ローラ6は、前述の第1装着位置から第2装着位置に移動し、感光体ドラム4より離間する。
【0179】
この時、カートリッジサイドカバー68の姿勢規制穴86a、86b(
図22参照)も同様に矢印Kの方向の回転に合わせて移動し持ち上げられる。また、メモリタグ81がトレイ側接点部32を押圧する方向は、カートリッジサイドカバー68が持ち上げられた際の重力方向に垂直な水平方向と略同方向である。さらに、メモリタグユニット80のメモリタグ押圧部材82とメモリユニット支持部34は既に嵌合する関係になっており、第1方向、第2方向、第3方向において相対的な位置関係は変わらない。そのため、メモリタ
グ押圧部材82に対して第3方向に可動可能である押圧バネ受け部材84は、姿勢規制ボス85が姿勢規制穴86に、押されることで、第3方向に移動する。その結果、メモリタグ押圧バネ83は
図24Cの状態からさらに圧縮されると共に、後方規制部82bとバネ受け部材被規制部84dの間は隙間Td(Ta>Tc>Td)となり、さらに狭くなる。すなわち、
図24C、
図24Dに示すように、現像ローラ6が、感光体ドラム4に対する当接位置(第1装着位置)から離間位置(第2装着位置)へと移動する。その場合、移動部材としての押圧バネ受け部材84がメモリ保持部材であるメモリタグ押圧部材82により近づき、メモリタグ押圧バネ83を更に圧縮する。これにより、メモリタグ81のトレイ側接点部32への電気的及び機械的接触が維持される。
【0180】
≪メモリタグおよびカートリッジガイド長手関係≫
図24A~
図24D、
図19、
図20を用いてカートリッジトレイ3のメモリタグユニット部とカートリッジガイド部の長手関係について説明する。
前述したように、現像カートリッジ8をカートリッジトレイ3に装着する際、現像カートリッジ8の位置決め部である現像ローラカバー位置決め部68aと駆動入力カバー位置決め部68bが、カートリッジトレイ3のメモリガイド部31、メモリユニット支持部34を通過または、当接しながら通過する。その後、現像カートリッジ8側の位置決め部は、カートリッジガイド部33または、駆動入力ガイド部38に当接しながら、装着完了位置まで移動する。
【0181】
例えば
図24A、
図24Bの例では、現像カートリッジ8がカートリッジトレイ3に挿入されると、挿入時の現像カートリッジ8の角度によっては、次のような場合も考えられる。すなわち、現像ローラカバー位置決め部68aが、最初にメモリガイド部31や、メモリユニット支持部34が設けられている側とは反対側に当接しガイドされる場合である。また、現像ローラカバー位置決め部68aが駆動入力ガイド部38と当接してからガイドされてから下方に移動する場合も考えられる。しかし、いずれの場合も、現像ローラカバー位置決め部68aがカートリッジガイド部33等に当接しながら下方にガイドされ、現像ローラ位置決め部35に収まる。
【0182】
本実施形態では、
図20に示すように長手方向においてカートリッジガイド部33と略同一位置にメモリガイド部31、メモリユニット支持部34を設けている。すなわち、現像カートリッジ8の各位置決め部とカートリッジトレイ3との位置関係を規定するための部材と、現像カートリッジ8のメモリタグユニット80とカートリッジトレイ3との位置関係を規定する部材が、長手方向において略同一位置に設けられている。このような配置にすることで、現像カートリッジ8がどのような角度で挿入されても、現像ローラカバー位置決め部68aと駆動入力カバー位置決め部68bが、メモリガイド部31やメモリユニット支持部34等に当接してガイドされる。その結果、ユーザが著しく挿入位置を間違えることを防止できる。
【0183】
さらに、カートリッジトレイ3のカートリッジガイド部33や現像ローラ位置決め部35や現像ローラ位置決めガイド部36などのガイド部と、メモリタグユニット80を固定するためのメモリユニット支持部34などの固定部と、メモリタグ81とのトレイ側接点部32が、長手方向において略同一位置設けられている。これにより、現像カートリッジ装着時には、カートリッジガイド部33などとメモリタグユニット80が、長手方向において略同一の位置に配置される。このような構成により、メモリタグユニット80の長手位置決め精度が向上する。長手位置決め精度が良くなることで、メモリタグユニット80の係合動作を安定的に行えるので、カートリッジトレイ3のトレイ側接点部32と、現像カートリッジ8のメモリタグ81の電気接点部の位置合わせの精度が向上する。
これによりメモリタグ接点同士の大きさを小型化することができる。また、電気的な接続の安定性が向上する。
【0184】
さらに、カートリッジトレイ3のガイド部と、メモリタグユニット80の固定部や接点部を、カートリッジガイド部33と長手方向の略同一位置に配置にすると、固定部や接点部を長手方向でガイド部よりも内側や外側に配置した場合に比べたときに、下記のような好ましい効果がある。
【0185】
まず、カートリッジトレイ3において、メモリタグ81の固定部や電気的な接点部を、カートリッジガイド部33よりも長手方向外側に配置した場合について考える。この場合、メモリタグユニット80もカートリッジトレイ3の長手方向外側に配置することになり、そのためのスペースを確保する必要がある。その結果としてカートリッジトレイ3のサイズが増大する。また、装置本体2にも対応するスペースが必要になる。これにより、本体サイズが大きくなってしまう。一方、長手方向の略同一位置に配置すれば、カートリッジトレイ3のサイズや装置本体2のサイズの増大を抑えて、装置を小型化することができる。
【0186】
次に、カートリッジトレイ3において、メモリタグ81の固定部や電気的な接点部を、カートリッジガイド部33よりも長手方向内側に配置した場合を考える。この場合、メモリタグユニット80も、現像カートリッジ8の長手方向内側に配置することになり、メモリタグユニット80と現像剤収納枠体28が、長手方向と直交する方向において重なる。その結果、スペースを確保するために、現像剤収納枠体28を長手方向において短くしたり、現像剤収納枠体28のサイズを小さくしたりする必要が生じる。その結果、収納可能な現像剤容量が減ってしまう。一方、長手方向の略同一位置に配置すれば、現像剤収納枠体28のサイズを小さくする必要がないため、現像剤容量を確保できる。
【0187】
なお、上の記載では、カートリッジガイド部33などのガイド部と、メモリタグユニット80の固定部や接点部を、長手方向において略同一位置に配置するものとしていた。しかし、長手方向に直交する方向において、ガイド部と、メモリの固定部や接点部とが、少なくとも一部が重なるように配置されていれば、装置サイズ増大の防止や現像剤容量の減少防止などの効果は得られる。
【0188】
さらに、カートリッジガイド部33やメモリの固定部や接点部が、カートリッジトレイ枠体30の一辺の幅に収まるようにすることにより、装置サイズの増大を防ぐことができる。ここで、
図20(a)に示すように、カートリッジトレイ枠体30が備える側壁のうち、長手方向に直交する方向に延びる二辺それぞれに対応する側壁を、第一の側壁30a、第二の側壁30bとする。第一の側壁30aは、メモリの固定部や接点部が配置される辺であり、現像カートリッジ装着時にメモリタグユニット80に対応する辺である。この場合、長手方向におけるカートリッジガイド部33や、メモリの固定部や接点部を、第一の側壁30aの幅に収まるように構成することにより、装置サイズの増大を防ぐことができる。
【0189】
このように実施形態では、長手方向に直交する方向において、カートリッジトレイ3のガイド部と、メモリタグユニット80の固定部や接点部とが、少なくとも一部が重なるように設けられており、より好ましくは長手方向において略同一位置に設けられている。かかる構成により、メモリ媒体であるメモリタグ81が設けられた現像カートリッジ8をカートリッジトレイ3に着脱可能とする画像形成装置1において、画像形成装置1のサイズの増大や現像剤容量の減少を防止できる。また、メモリ媒体であるメモリタグ81を安定的に接続できるようになる。
【0190】
さらに、本実施形態では、押圧バネ受け部材84は、姿勢規制ボス85が姿勢規制穴86に押されることで第3方向に移動可能となっている。また、メモリタグ81がトレイ側
接点部32に向けて押圧される方向が、現像ローラ6が感光体ドラム4から離間する際に、現像カートリッジ8がカートリッジトレイ3に対して移動しようとする方向と略同方向となっている。例えば、メモリタグ81がトレイ側接点部32を押圧する方向が、現像カートリッジ8がカートリッジトレイ3に対して移動しようとする方向と逆方向を向いていたとする。すると、メモリタグ81とトレイ側接点部32との電気的接続状態を維持しながら、移動させるため、後方規制部82bとバネ受け部材被規制部84dの間の隙間を広く確保する必要がある。すると、押圧バネ受け部材84に対してのメモリタグ押圧部材82の可動域が大きくなり、メモリタグユニット80やメモリタグ押圧バネ83を小さくすることができない。しかしながら、前述のように構成し、メモリタグ81とトレイ側接点部32の位置を、挿入位置から当接位置、当接位置から離間位置になるにつれて近づくように配置する。このようにすることで押圧バネ受け部材84に対してのメモリタグ押圧部材82の可動域を小さくすることができる。押圧バネ受け部材84に対してのメモリタグ押圧部材82の可動域を小さくすることでメモリタグユニット80を小型化できる。さらにメモリタグ押圧バネ83を小さくし、メモリユニット支持部34とメモリタグ押圧部材82を嵌合させるための保持力を低減させることができるため、メモリタグ81とトレイ側接点部32に掛かる負荷を減らすことができる。
【0191】
[実施形態4]
≪画像形成装置の構成≫
本発明の一実施例に係る画像形成装置501、および画像形成装置501に用いられる現像カートリッジ502について説明する。
図25(a)は、画像形成装置501の断面を示す概念図である。
図25(b)は、現像カートリッジ502の斜視図である。
図25(c)は現像カートリッジ502の一部を拡大した図であり、
図25(b)の円で囲った部分に対応する。
図25(d)は
図25(a)を断面DDから見たときの概念図である。
【0192】
画像形成装置501は、レーザプリンタやLEDプリンタなどの、電子写真方式のプリンタである。画像形成装置501は、主要な構成要素として、画像形成装置本体504(単に「本体」とも呼ぶ)、現像カートリッジ502、および、カートリッジトレイ503を備える。本実施例では現像カートリッジ502の数は2A~2Dの4つであり、カートリッジトレイ503は、当該4つの現像カートリッジ502を全て保持可能なフレームを備える。画像形成装置501は、現像カートリッジ502から供給される現像剤521(例えば、トナー)により、印刷用紙の記録面に画像を形成する。さらに詳細な構成については後述する。なお、特に区別する必要がない場合は、単に現像カートリッジ502と記載する。
【0193】
図26は、カートリッジトレイ503および現像カートリッジ502の斜視図である。4つの現像カートリッジ502A~2Dは、カートリッジトレイ503に設けられた4つのスロット531にそれぞれ配置される。各現像カートリッジ502は個別に交換可能であり、その交換時には、画像形成装置501の前面からカートリッジトレイ503が引き出された後、スロット531に取り付けられた現像カートリッジ502の取り外しと、新しい現像カートリッジ502の取り付けが行われる。4つのスロット531の各々の底部付近には、像担持体としての感光体ドラム532が設けられる。
【0194】
本実施例での4つの現像カートリッジ502は、互いに異なる色(例えば、シアン、マゼンタ、イエロー、およびブラックの各色)の現像剤521を収容する。ただし、カートリッジトレイ503に装着される現像カートリッジ502の数は4つに限定されず、3つ以下であってもよく、5つ以上であってもよい。
【0195】
図25(c)に示すように、4つの現像カートリッジ502は、それぞれ、メモリタグ
ユニット522を有する。メモリタグユニット522は、メモリタグ221と、メモリタグ保持部222で構成される。メモリタグ221は、更に電気接点416と物理的に接触する電気接点面及び電気接点面に電気的に接続された記憶素子を含む。即ち、メモリタグ221は、情報の読み出しおよび書き込みが可能であり、情報を保存可能なICチップである。ここで、メモリタグ221には、現像カートリッジに関する情報が記憶されている。現像カートリッジに関する情報としては例えば、現像剤521の残量情報、累積消費現像剤量情報、現像ローラ525の累積回転数や、使用開始年月日情報を挙げることができる。むろん、これら情報に限定されない。これら複数の現像カートリッジ502は、スロット内に同じ向きに揃うように並んでいる。そのため、複数のメモリタグ221は、カートリッジトレイ503の挿入方向に直列に並んでおり、後述するメモリタグコネクタユニット541の複数のコネクタ部411も、メモリタグ221と対向するように直列に並ぶ。
また、
図25(a)~
図25(d)に示すように、画像形成装置本体504は、電気制御ユニット540と、メモリ接続手段としてのメモリタグコネクタユニット541と、制御部542、光学ユニット543、ディスプレイ544とを含む。
【0196】
制御部542は、メモリタグコネクタユニット541と電気的に接続されており、CPU等のプロセッサおよび各種のメモリを有する。制御部542は、例えば、回路基板により構成される。制御部542のプロセッサが、メモリ等に格納されたプログラムやユーザからの指示入力に従って動作することにより、画像形成装置501における各種の処理を実行する。電気制御ユニット540は、駆動用の関係の電気系統を司る制御ユニットであり、コンデンサ等の要素が配置された回路等で構成され、モータードライバ等として機能する。制御部542が電気制御ユニットの機能を実行しても良い。
【0197】
4つの現像カートリッジ502が装着されたカートリッジトレイ503の第2方向における上方に(紙面ではZ方向の上側に)、光学ユニット543が配置される。光学ユニット543は、帯電した感光体ドラム532に画像情報に応じたレーザ光を照射することで、感光体ドラムの表面に静電潜像を形成する。
【0198】
メモリタグコネクタユニット541は、
図25(d)に示すように、装置本体側に、光学ユニット543の第1方向に隣接して設けられる。従来の画像形成装置においては、カートリッジトレイ503等を支持する側板548、49間のうち、光学ユニット543に隣接する領域547は空きスペースであった。そこで本実施例では、光学ユニット543に隣接する領域547を活用することにより、画像形成装置501のサイズを大きくすることなく、メモリタグコネクタユニット541を配置することができる。
【0199】
本実施例では、現像カートリッジ502の第2方向における上方にメモリタグコネクタユニット541が設けられている。メモリタグコネクタユニット541は、現像カートリッジ502がスロット531に収納された状態のカートリッジトレイ503が本体に挿入されたときに、メモリ手段と対向するように配置されている。そして、メモリタグコネクタユニット541は、画像形成装置本体504が有する前ドア545を閉める動作などに連動して移動し、各現像カートリッジ502のメモリタグユニット522に係合する。その結果、制御部542と各メモリタグ221が電気的に接続される。メモリタグコネクタユニット541の挙動に関しては後に詳述する。
【0200】
ディスプレイ544は、制御部542からの指令に従って、画像形成装置501の動作に関する種々の情報を画面上に表示する。ディスプレイ上の情報は、例えばユーザの指示入力のために利用できる。なお、カートリッジトレイ503に挿入された4つの現像カートリッジ502はそれぞれ同様の構成であり、同様の動作を行う。そこで以下の記載では、1つのスロット531を代表として説明する。
【0201】
≪現像カートリッジの構成≫
図27および
図28は、現像カートリッジ502をそれぞれ別の方向から見た斜視図である。また、現像カートリッジ502と感光体ドラム532の位置関係を示すために、カートリッジトレイ503に設置された感光体ドラム532を抜き出して示している。本実施例の現像カートリッジ502は、主要な構成要素として、メモリタグユニット522、現像容器523、ギア部524、および現像ローラ525を有する。メモリタグユニット522は、現像カートリッジ502の上面に配置されている。ここでの上面は、現像カートリッジ502の挿入方向下流側の部分を構成する面である。
【0202】
現像容器523は、現像剤521を収容可能な筐体である。樹脂フレームなどにより筐体は構成される。現像容器523の内部には、現像剤521を収容するための収容室235が設けられる。現像容器523は、第1方向の一方向側の端部に設けられる第1面231と、第1方向における第1面231と反対側の端部に設けられる第2面232とを有する。現像容器523は、第2方向における上面部である第3面233を有する。また、第3面233から第1方向の延長上に位置する庇部234を有する。ギア部524は、第1面231に位置する。現像容器523は、第3面233に位置する把持部237を有する。把持部237は、第2方向に突出する突出部239を有する。
【0203】
また本実施例では、メモリタグユニット522は、庇部234と第3面233に跨るように位置する。カートリッジトレイ503のうち少なくとも一方向は、本体側に開けている必要がある。これにより、現像カートリッジ502をカートリッジトレイ内に収容できると共に、現像カートリッジ収容時にもカートリッジトレイ503によってメモリ手段が覆われないようになるため、収容後の現像カートリッジ502の第3面233が本体側のメモリ接続手段と対向可能になる。ただし、メモリタグユニット522は第3面233の第1方向端部、もしくは庇部234に位置していても良い。これにより、現像剤521が収容される収容室235のスペースを損なうことなく、または損なうスペースを最小限に抑えることができるため、収容室235に現像剤521を効率よく収容できる。
【0204】
現像容器523は、現像剤担持体としての現像ローラ525と、現像ローラ525に現像剤521を供給するための開口部236を有する。開口部236は、収容室235を挟んで、第3面233と反対側の面に位置する。現像ローラ525は、第1方向に延びる回転軸を中心として回転可能なローラである。現像ローラ525は、現像容器523の開口部236に対向して配置される。つまり、第3面233は、収容室235を挟んで、現像ローラ525と反対側に位置する面である。本実施例の現像ローラ525は、現像ローラ本体251と現像ローラ軸252とを有する。現像ローラ本体251は、第1方向に延びる円筒状の部材である。現像ローラ本体251の材料には、例えば、弾性を有するゴムが用いられる。
【0205】
現像ローラ軸252は、現像ローラ本体251を第1方向に貫通する円柱状の部材である。現像ローラ軸252の材料には、金属または導電性を有する樹脂が用いられる。現像ローラ本体251は、現像ローラ軸252に対して、相対回転不能に固定される。現像ローラ軸252の第1方向の一方の端部は、後述する現像ローラギア241に対して、相対回転不能に固定される。したがって、現像ローラギア241が回転すると、現像ローラ軸252も回転し、現像ローラ軸252と共に現像ローラ本体251も回転する。なお、現像ローラ軸252は、現像ローラ本体251を第1方向に貫通していなくてもよい。例えば、一対の現像ローラ軸252が、現像ローラ本体251の第1方向の両端から、第1方向にそれぞれ延びていてもよい。
【0206】
また、
図25(a)に示すように、現像カートリッジ502は供給ローラ246を有す
る。供給ローラ246は、現像ローラ525と収容室235との間に位置する。供給ローラ246は、第1方向に延びる回転軸について回転可能である。現像カートリッジ502が駆動力を受けると、現像容器523内の収容室235から、供給ローラ246を介して、現像ローラ本体251の外周面に現像剤521が供給される。その際、供給ローラ246と現像ローラ525との間において、現像剤521が摩擦帯電される。一方、現像ローラ525の現像ローラ軸252には、バイアス電圧がかけられている。このため、現像ローラ軸252と現像剤521との間の静電気力によって、現像ローラ本体251の外周面に現像剤521が引き付けられる。
【0207】
また、現像カートリッジ502は、現像ブレード526を有する。現像ブレード526は、現像ローラ本体251の外周面に供給された現像剤521を一定の厚みに成形する。その後、現像ローラ本体251の外周面の現像剤521は、引出しトレイ3に設けられた感光体ドラム532へ供給される。このとき、現像剤521は、感光体ドラム532の外周面に形成された静電潜像に応じて、現像ローラ本体251から感光体ドラム532へ移動する。これにより、感光体ドラム532の外周面において、静電潜像が可視像化される。
【0208】
ギア部524は、現像容器523の第1面231に位置する。ギア部524は、現像ローラギア241、カップリング242、および、側面カバー244を有する。なお、
図27と
図28では、各ギアの複数のギア歯の図示が省略されている。カップリング242は、画像形成装置501から供給される駆動力を最初に受けるギアである。カップリング242は、第1方向に延びる回転軸周りに回転することが可能である。カップリング242には、第1方向に凹む締結穴243が設けられている。また、カップリング242の外周部には、全周に亘って等間隔に複数のギア歯(不図示)が設けられている。
【0209】
現像カートリッジ502が装着されたカートリッジトレイ503が画像形成装置本体504内に収納されると、画像形成装置本体504の駆動シャフト(不図示)が、カップリング242の締結穴243に挿入される。これにより、駆動シャフトとカップリング242とが相対回転不能に連結される。したがって、駆動シャフトが回転するとカップリング242が回転する。現像ローラギア241は、現像ローラ525を回転させるためのギアである。現像ローラギア241は、第1方向に延びる回転軸周りに回転可能である。現像ローラギア241の外周部には、全周にわたって等間隔に複数のギア歯(不図示)が設けられている。カップリング242の複数のギア歯の一部と、現像ローラギア241の複数のギア歯の一部とは、互いに噛み合っている。また、現像ローラギア241は、現像ローラ525の現像ローラ軸252の第1方向の端部に、相対回転不能に装着されている。このため、カップリング242が回転すると現像ローラギア241が回転し、現像ローラギア241と共に現像ローラ525も回転する。
【0210】
≪カートリッジトレイへの現像カートリッジの挿入動作≫
続いて、カートリッジトレイ503に対する現像カートリッジ502の挿入動作について説明する。
図29、
図30は、カートリッジトレイ503に対して現像カートリッジ502を挿入するときの挙動を示した図である。
図26、
図29および
図30に示すように、カートリッジトレイ503は、第1ガイドプレート533および第2ガイドプレート534、両端部に設けられた一対の加圧部材535(35A、35B)、ならびに、離間部材536を有する。
図26に示すように、加圧部材535A、35Bは、カートリッジトレイ503にある4つのスロット531の各々の第1方向の端部に配置される。加圧部材535Aは、カートリッジトレイ503の第1方向の端部の内、メモリタグユニット522が位置する側に配置される。加圧部材535Bは、カートリッジトレイ503の第1方向の端部のうち、メモリタグユニット522が位置しない側に配置される。
【0211】
カートリッジトレイ503が備える加圧部材535は、不図示の加圧弾性体を有する。加圧弾性体は例えばコイルばね等で構成される。
図29に示すように、加圧部材535は矢印a方向に付勢されている。離間部材536は、カートリッジトレイ503にある4つのスロット531の各々に、カートリッジトレイ503の第1方向における両端部にそれぞれ設けられる。また、カートリッジトレイ503が備える離間部材536は、不図示の離間弾性体を有し、
図29の矢印b方向に付勢されている。離間弾性体も、例えばコイルばね等で構成できる。
【0212】
一方、現像カートリッジ502が備える現像容器523は、突起部材としての現像突起238を有する。現像突起238は、現像容器523の第1面231から第1方向に延びる、柱形状の部材である。なお、現像突起238は、側面カバー244に覆われることなく、外部に露出する。
【0213】
第1ガイドプレート533と第2ガイドプレート534は、カートリッジトレイ503の第1方向のそれぞれの端部に設けられた、現像カートリッジ502をそれぞれのスロット531に導入するための部材である。第1ガイドプレート533と第2ガイドプレート534は、第3方向に間隔をあけて対向している。
【0214】
カートリッジトレイ503への現像カートリッジ502の装着時には、まず、
図29のように、現像カートリッジ502の現像ローラギア241や側面カバー244の一部等が第1ガイドプレート533と第2ガイドプレート534の間に来るように、現像カートリッジ502をガイドする。ガイドされた現像カートリッジ502は、カートリッジトレイ503に対して第2方向(下方向)に挿入される(第1位置)。この時、現像容器523の現像突起238は、加圧部材535の側面351と、離間部材536の上面361に接触する。この時点では、まだ感光体ドラム532と現像ローラ525は当接していない。
【0215】
続いて、
図30を参照して、カートリッジトレイ503へ現像カートリッジ502を挿入した後の、現像容器523の回動動作について説明する。カートリッジトレイ503に現像カートリッジ502を挿入した後、現像容器523は、カートリッジトレイ503に対して、カップリング242の中心245を中心に回動する。具体的には、カップリング242の中心245を回転中心として、現像カートリッジ502がカートリッジトレイ503に対して、矢印c方向に傾けられる。この回動時の力により、現像容器523の現像突起238は、加圧部材535の加圧力に逆らって、加圧部材535の下面352に接触する位置まで移動する(第2位置)。ユーザは、回動動作の際には、第1ガイドプレート533と第2ガイドプレート534の間に現像カートリッジを滑らせるようにしながら、現像カートリッジ502を押し込むと良い。
【0216】
第2位置は、画像形成可能な位置であり、カートリッジトレイ503の中での現像カートリッジ502の所定の位置である。また第2位置では、現像突起238と離間部材536とは接触しない位置関係となる。第2位置においても、加圧部材535は、現像突起238を矢印a方向に加圧する。これにより、現像ローラ525が感光体ドラム532に押し付けられる。なお、ユーザがカートリッジトレイ503に現像カートリッジ502を挿入した際、第1位置と第2位置の内、どちらか一方の位置にいる。つまり、ユーザは現像カートリッジ502を第1位置のままにしてもよいし、第2位置まで押し込んでも良い。
【0217】
ここで、現像ローラ525は感光体ドラム532に対して均一な力で押し付けられるのが望ましい。そのため本実施例では、加圧部材535Aと加圧部材535Bが有する加圧力をそれぞれ加圧力A、加圧力Bとしたときに、後述するメモリタグコネクタユニット541がメモリタグユニット522に係合する係合力を考慮し、加圧力B>加圧力Aとしている。ただし、その他の要素の影響等を考慮し、適切な加圧力A、Bを設定してよい。こ
れにより、現像ローラ525の感光体ドラム532への当接圧を最適に保ち、良好な画像を形成できる。
【0218】
≪画像形成装置へのカートリッジトレイへの挿入動作≫
図31を参照して、カートリッジトレイ503の本体への挿入時における現像カートリッジ502の挙動を説明する。
図31は、画像形成装置本体504の前ドア545が開いた状態で、カートリッジトレイ503が挿入される様子を示している。前ドア545は本体に備えられるドア部であり、カートリッジトレイ503の挿入口に設けられた、ユーザが開閉可能なドア部である。画像形成装置本体504は、上方から下方に向かって突出する部材である、当接突起546を有する。
図31(a)は、現像カートリッジ502を装着したカートリッジトレイ503が画像形成装置本体504から引き出された状態を示す断面図である。
図31(b)は、現像カートリッジ502を装着したカートリッジトレイ503が画像形成装置本体504内に挿入された状態を示す断面図である。
【0219】
図31(a)の時点においては、前述した通り、現像カートリッジ502とカートリッジトレイ503の相対位置は、奥まで押し込まれる前の第1位置と、押し込まれた後の第2位置のどちらでも良い。しかし、第1位置にある現像カートリッジ502は、カートリッジトレイ503が画像形成装置本体504に第3方向に挿入される過程で、第2位置に移動する。具体的には、現像カートリッジ502の把持部237が画像形成装置本体504の当接突起546と干渉することにより、把持部237が矢印d方向に力を受ける。その結果、現像カートリッジ502がカップリング242の中心245を中心として回動して、第2位置に移動する。その結果、
図31(b)に示すように、カートリッジトレイ503が画像形成装置本体504内にあるときは、現像カートリッジ502は第2位置でカートリッジトレイ503に装着されている。なお、
図31(a)の時点で第2位置にある現像カートリッジ502の把持部237は、カートリッジトレイ503が画像形成装置本体504に第3方向に挿入される過程でも当接突起546と干渉しないため、現像カートリッジ502は第2位置を維持する。なお、当接突起546と干渉する現像カートリッジ502の部位は把持部237に限定されない。
【0220】
図32に、画像形成装置本体504のメモリタグコネクタユニット541の挙動を示す。メモリタグコネクタユニット541は、主な構成要素として、コネクタ部411、コネクタ保持部412、弾性部材415を有する。コネクタ部411は、電気接点416、被コネクタガイド部414、加圧受面418を有する。保持手段としてのコネクタ保持部412は、一対のコネクタガイド部413、加圧受面417を有する。
【0221】
図32(a)は、カートリッジトレイ503が画像形成装置本体504に挿入され、かつ、前ドア545が開いた状態での、第1方向に直交する断面図である。
図32(b)は、前ドア545を閉める動作に連動して、メモリタグコネクタユニット541が
図32(a)中の矢印e方向に移動し、メモリタグユニット522と係合した時の、第1方向に直交する断面図である。前ドア545が開いているときは、メモリタグコネクタユニット541は上方の退避位置にあり、カートリッジトレイ503を本体に挿入または引き出しても、メモリタグ保持部222と当接することはない。すなわち、前ドア545が開いていれば、カートリッジトレイ503が本体に格納された第1のトレイ位置にあっても、本体から引き出された第2のトレイ位置にあっても、メモリタグの擦れは発生しない。そして前ドア545が閉じると、メモリタグコネクタユニット541が退避位置から下方に移動して、メモリタグと接続できるような接続可能位置に配置される。
【0222】
この移動動作によって、メモリタグコネクタユニット541が、第2位置にある現像カートリッジ502のメモリタグ保持部222と係合する。これにより、メモリタグコネクタユニット541とメモリタグ保持部222が位置決めされると共に、メモリタグ221
と電気接点416が所定の圧力で接している状態となる。その結果、メモリタグコネクタユニット541とメモリタグユニット522が位置決めされる。また、制御部542とメモリタグ221が電気的に接続される。
【0223】
≪離間動作≫
現像カートリッジ502が配置されたカートリッジトレイ503の画像形成装置本体504への挿入が完了した時点で、現像カートリッジ502は回動済みの第2位置にあり、感光体ドラム532と現像ローラ525は当接する当接位置にある。この状態において、画像形成装置本体504は、所定のタイミングで、現像ローラ525を感光体ドラム532から引き離す離間動作を行うことができる。
図33は、離間動作の様子を示した図である。
【0224】
画像形成装置501は、離間レバーを有する。離間レバーは例えば、カートリッジトレイ503の側板付近に設けられる。そして、画像形成装置501からの駆動力によって、離間レバーがカートリッジトレイ503の離間部材536を押すことにより、離間部材536が、加圧部材535へ向けて、
図33中の矢印f方向に移動する。これにより、離間部材536が現像突起238に接触し、加圧部材535の圧力に逆らって、現像突起238を感光体ドラム532から離れる方向へ押圧する(
図33(a)の状態)。その結果、現像カートリッジ502の現像容器523と現像ローラ525が、
図33の矢印f方向(離間方向)に移動する(第3位置、
図33(b)の状態)。これにより、現像ローラ525と感光体ドラム532とが離間状態となる。この一連の動作を離間動作と呼び、離間状態における現像ローラ525と感光体ドラム532の位置関係を離間位置と呼ぶ。離間方向(矢印f方向)は、第1方向と交差する方向である。
【0225】
≪メモリタグコネクタユニットの構成≫
本実施例では、当接位置と離間位置の間で位置関係が変化した場合でも、メモリタグコネクタユニット541のコネクタ部411と、メモリタグユニット522のメモリタグ保持部222の係合は維持される。そのため、いずれの位置関係でも制御部542とメモリ手段としてのメモリタグの電気的な接続は維持される。このような、コネクタ部411とメモリタグ保持部222との係合状態の維持は、後述するようなコネクタ部411の構成に由来して可能になる。
【0226】
図34を参照して、メモリタグコネクタユニット541のコネクタ部411が、現像カートリッジ502の離間動作に追従して動くような構成について説明する。
図34(a)はメモリタグコネクタユニット541とカートリッジトレイ503の位置関係を示す斜視図である。
図34(b)は、
図34(a)の円で囲んだ部分の拡大図である。
図34(c)は、メモリタグユニット522とメモリタグコネクタユニット541の接続時に掛かる力を示す図である。
【0227】
前述した通り、メモリタグコネクタユニット541は、主な構成要素として、コネクタ部411、板状のコネクタ保持部412、および弾性部材415を有する。コネクタ保持部412は、離間方向(矢印f方向)に沿って伸びる一対のコネクタガイド部413と、加圧受面417を有する。コネクタ部411は、
図34(c)に示すように、突出部410、電気接点416、一対のコネクタガイド部413に相対する被コネクタガイド部414と、加圧受面418を有する。なお、現像ローラ長手方向に直行する断面中で、コネクタガイド部413が伸びる方向は、離間方向(矢印f方向)と完全一致する場合のみに限定されない。コネクタガイド部413が伸びる方向は、被コネクタガイド部414が移動可能であれば、略離間方向(矢印f方向)と完全に同じ必要はない。例えば、コネクタガイド部413の案内面(内側面)と、被コネクタガイド部414の被案内面の間に隙間があれば、コネクタガイド部413の伸びる方向が、離間方向(矢印f方向)と完全一致す
る必要はない。また、突出部410が、被コネクタガイド部414に対して揺動可能/移動可能である場合でも、コネクタガイド部413の伸びる方向が、離間方向(矢印f方向)と完全一致する必要はない。
【0228】
一対のコネクタガイド部413は、コネクタ保持部412に形成された溝状部の両側面であり、当該溝状部に弾性部材415が配置される。被コネクタガイド部414は、コネクタ部411のうちメモリタグユニット522に当接する部分、すなわちコネクタ保持部412の下方から突出している突出部410と一体に、矢印g方向および矢印f方向に移動可能である。矢印g方向と矢印f方向は、現像カートリッジ502のカートリッジトレイ503に対する位置が離間位置と当接位置の間で変化するときの、メモリタグユニット522が移動する方向に対応する。
【0229】
被コネクタガイド部414は、一対のコネクタガイド部413(ガイド部)にガイドされている。そのため、被コネクタガイド部414は、離間方向(矢印f方向)に伸びる一対のコネクタガイド部413に沿って、一対のコネクタガイド部413に対して相対的に離間方向(矢印f方向)に移動可能になっている。つまり、コネクタ部411はコネクタ保持部412に対して、離間方向(矢印f方向)に移動可能になっている。付勢手段としての弾性部材415はコネクタ部411の加圧受面418とコネクタ保持部412の加圧受面417の間に介在し、常に、コネクタ部411をコネクタ保持部412に対して離間方向の逆方向である当接方向(矢印g方向)に付勢している。そのため、コネクタ部411は、一対のコネクタガイド部413の可動範囲内で、コネクタ保持部412に対して当接方向(矢印g方向)に付勢されている。なお、コネクタガイド部413が存在することにより、コネクタ部411の離間方向または当接方向である移動方向以外への移動は規制されている。
【0230】
≪離間動作時のメモリタグコネクタユニットの挙動≫
図35に、離間動作時のメモリタグコネクタユニット541の挙動を示す。
図35(a)は、前ドア545を開いた状態の画像形成装置501の一部を、第1方向に直交する方向から見た図である。
図35(a)の現像カートリッジ502は第2位置にある。
図35(b)は、前ドア545を閉じた状態の画像形成装置501の一部を、第1方向に直交する方向から見た図である。
図35(b)のときも、現像カートリッジ502は第2位置にある。
図35(c)は、メモリタグユニット522と係合状態にあるメモリタグコネクタユニット541を、第1方向に直交する方向から見た図である。このときの現像カートリッジ502は、第3位置にある。
【0231】
図35(a)を参照して、前ドア545を閉める前の、メモリタグユニット522とメモリタグコネクタユニット541の位置について説明する。現像カートリッジ502は第2位置にいるため、メモリタグユニット522の位置は定まる。また、メモリタグコネクタユニット541は現像カートリッジ502の第2方向における上方に位置し、前述の通り、コネクタ部411は弾性部材415から離間方向の逆方向(矢印g方向)の付勢力を受け、可動範囲内で離間方向の逆方向(矢印g方向)に付勢されている。よって、メモリタグコネクタユニット541の位置は定まる。
【0232】
続いて、
図35(b)を参照して、前ドア545が閉められてメモリタグコネクタユニット541が矢印e方向に移動した様子を説明する。メモリタグコネクタユニット541の紙面で下方への移動により、コネクタ部411の突出部410がメモリタグ保持部222に係合する。
【0233】
続いて、
図35(c)を参照して、離間動作に伴う状態変化について説明する。コネクタ部411は離間方向(矢印f方向)に移動可能に保持され、離間方向の逆方向(矢印g
方向)に付勢されているため、離間動作に伴う現像カートリッジ502の位置の変化に追従して移動する。そのため、コネクタ部411の突出部410とメモリタグ保持部222の係合状態が維持される。かかる構成により、離間動作が合った場合でも、メモリタグ221が電気接点416と擦れることがなく、メモリタグ221や電気接点416の摩耗を軽減できる。
【0234】
以上に説明したように、本実施例の画像形成装置501では、従来、スペースを有していた光学ユニット543の第1方向における近傍位置に、メモリタグコネクタユニット541が配置されている。そして、カートリッジトレイ503が本体内部に挿入された状態で前ドア545を閉じることにより、メモリと制御部が電気的に接続される。このように本実施例によれば、画像形成装置501のサイズを大きくすることなくメモリ手段を有する画像形成装置501を提供できる。
【0235】
また、メモリタグコネクタユニット541(メモリ接続手段)がメモリタグユニット522に係合する係合力を考慮し、加圧力B>加圧力Aとすることで、現像ローラ525の感光体ドラム532への当接圧を最適に保つことができ、良好な画像を出力することができる。
また、メモリタグユニット522は庇部234と第3面233のそれぞれに跨るように位置することで、収容室235のスペースの減少を最小限に抑えることができるので、収容室235に現像剤521を効率よく収容できる。
また、メモリタグコネクタユニット541が弾性部材415を備えることで、現像カートリッジ502と感光体ドラム532の離間動作への追従が可能になる。したがって、メモリタグ221と電気接点416と擦れを抑制し、摩耗のリスクを低減できる。
【0236】
また、メモリタグユニット572を、カートリッジトレイ503に現像カートリッジ502が収容されたときにカートリッジトレイ503に覆われない面、即ち、現像カートリッジ筐体の上面(第3面233)に設けている。現像カートリッジ側面(第1面231や第2面232)や、現像カートリッジ502の第3方向に直行する面にメモリタグユニット572を設ける場合に比べ、カートリッジトレイ503の構成の制約を受けにくい状況下で、メモリタグコネクタユニット541を本体に組み込める。例えば、現像カートリッジ側面にメモリタグユニット572を設けると、メモリタグコネクタユニット541をメモリタグユニット572に接続しようにも、カートリッジトレイ503の側壁が邪魔になる。また、現像カートリッジ502の第3方向に直行する面、又はメモリタグユニット572の電気接点面が第3方向と交わるようにメモリタグユニット572を設けると、メモリタグコネクタユニット541をカートリッジトレイ503に内部に配置する必要があり配置の制約を受ける。上記実施例によれば、このような問題を解消することができる。
【0237】
[実施形態5]
本発明の別の一実施形態に係る画像形成装置506、および画像形成装置506に用いられる現像カートリッジ507について説明する。以下の記載では、上記実施例1と異なる部分を中心に説明を行う。本実施形態の画像形成装置506は、概略、メモリタグユニット572およびメモリタグコネクタユニット591の構成が、実施形態4と異なる。
【0238】
≪メモリタグユニットおよびメモリタグコネクタユニットの構成≫
図36に、現像カートリッジ507に配置されるメモリタグユニット572の構成を示す。
図36(a)と
図36(b)は、現像カートリッジ507をそれぞれ別の方向から見た斜視図であり、感光体ドラム532との位置関係も示している。
図36(c)は、
図36(b)の円で囲った部分に対応する拡大図であり、メモリ手段の詳細な構成を示している。
【0239】
図示したように、本実施例のメモリタグユニット572は、メモリタグ721、メモリタグ721を保持するメモリ保持手段としてのメモリタグ保持部722、メモリタグ保持部722をガイドするメモリガイド手段としてのメモリタグガイド部723、および、メモリタグ保持部722に矢印i方向への付勢力を付与する第1弾性部材724を有する。この構成により、メモリタグ721が移動可能に保持され、その移動方向は、カートリッジトレイ503が挿入される第3方向に規制される。
【0240】
現像容器573は、現像剤571を収容可能な筐体である。現像容器573の内部には、現像剤571を収容するための収容室735が設けられる。現像容器573は、第1方向の一方向側の端部に設けられる第1面731と、第1方向における第1面731と反対側の端部に設けられる第2面732とを有する。現像容器573は、第2方向における上面部である第3面733を有する。また、第3面733から第1方向の延長上に位置する庇部734を有する。本実施例では、メモリタグユニット572は庇部734と、第3面733のそれぞれに跨るように位置する。ただし、メモリタグユニット572は第3面733の第1方向端部、もしくは庇部734に位置していても良い。これにより、現像剤571が収容される収容室735のスペースを損なうことなく、または損なうスペースを最小限に抑えることができ、収容室735のスペースに現像剤571を効率よく収容できる。
【0241】
前述の通り、メモリタグガイド部723は、現像容器573の第3面733と庇部734に跨るように設けられ、第1方向に対向する一対のガイド面725(一方のガイド面は不図示)を有している。ガイド面725は、矢印h方向に伸びている。メモリタグ保持部722は、ガイド面725にガイドされるための、不図示の被ガイド面を有している。したがって、メモリタグ保持部722は、不図示の被ガイド面をガイド面725によってガイドされることにより、ガイド面725に沿って、現像カートリッジ507に対して、矢印h方向に移動可能に支持されている。また、第1弾性部材724は、メモリタグ保持部722に矢印i方向(矢印h方向とは逆方向)に付勢力を付与している。
【0242】
図37に、本実施例のメモリタグコネクタユニット591の構成を示す。
図37(a)は、メモリタグコネクタユニット591の構成とカートリッジトレイ503との位置関係を示す。
図37(b)は、
図37(a)の円で囲った部分の拡大図である。
図37(c)は、メモリタグユニット572とメモリタグコネクタユニット591の接続時に掛かる力を示す図である。
【0243】
図37に示すように、メモリタグコネクタユニット591は、主な構成要素として、コネクタ部911、コネクタ保持部912、および、第2弾性部材915を有する。コネクタ保持部912は、矢印j方向に伸びる一対のコネクタガイド部913と、加圧受面917を有する。コネクタ部911は、突出部910と、電気接点916と、一対のコネクタガイド部913に相対する被コネクタガイド部914と、加圧受面918を有する。
【0244】
被コネクタガイド部914は、一対のコネクタガイド部913にガイドされている。そのため、被コネクタガイド部914は、矢印j方向に伸びる一対のコネクタガイド部913に沿って、一対のコネクタガイド部913に対して相対的に、矢印j方向に移動可能になっている。つまり、コネクタ部911はコネクタ保持部912に対して、矢印j方向に移動可能になっている。第2弾性部材915はコネクタ部911の加圧受面918とコネクタ保持部912の加圧受面917の間に介在し、常に、コネクタ部911をコネクタ保持部912に対して矢印k方向に付勢している。そのため、コネクタ部911は、一対のコネクタガイド部913の可動範囲内で、コネクタ保持部912に対して矢印k方向に付勢されている。
【0245】
なお、本図では、コネクタガイド部913が、コネクタ部911の移動方向を、第3方向に略垂直な上下方向に規制していた。しかし、コネクタ部911の移動方向はこれに限定されず、メモリタグガイド部723の上でのメモリタグ保持部722の移動距離との関係に応じて決定すれば良い。すなわち、メモリタグ保持部722の移動およびコネクタ部911の移動により、離間動作に基づくメモリタグ721および電気接点916の接続位置の変化を吸収できれば良い。
【0246】
≪離間動作時のメモリタグユニットおよびメモリタグコネクタユニットの挙動≫
図38に、離間動作時のメモリタグユニット572およびメモリタグコネクタユニット591の挙動を示す。
図38(a)は、前ドア545が開いた状態の画像形成装置506の一部を、第1方向に直交する方向から見た図である。
図38(a)の現像カートリッジ507は第2位置にある。
図38(b)は、前ドア545を閉じた状態の画像形成装置506の一部を、第1方向に直交する方向から見た図である。
図38(b)のときも、現像カートリッジ507は第2位置にある。
図38(c)は、メモリタグユニット572と係合状態にあるメモリタグコネクタユニット591を、第1方向に直交する方向から見た図である。このときの現像カートリッジ507は、第3位置にある。
【0247】
図38(a)を参照して、ここで、前ドア545を閉める前の、メモリタグユニット572とメモリタグコネクタユニット591の位置関係について説明する。このとき現像カートリッジ507は、第2位置に位置している。また、メモリタグ保持部722は、第1弾性部材724によって、矢印i方向に付勢されている。そのためメモリタグユニット572の位置は定まる。また、メモリタグコネクタユニット591は現像カートリッジ507の第2方向における上方に位置し、前述の通り、コネクタ部911は第2弾性部材915から矢印k方向の付勢力を受けて、可動範囲内で矢印k方向に付勢されている。よって、メモリタグコネクタユニット591の位置は定まる。
【0248】
続いて、
図38(b)を参照して、前ドア545が閉められてメモリタグコネクタユニット591が矢印m方向に移動した様子を説明する。メモリタグコネクタユニット591が矢印m方向へと移動する過程で、コネクタ部911の突出部910がメモリタグ保持部722に係合する。
【0249】
続いて、
図38(c)を参照して、離間動作に伴う状態変化について説明する。コネクタ部911は矢印j方向に移動可能に保持され、また、メモリタグ保持部722は矢印h方向に移動可能に保持される。ここで、コネクタ部移動方向(矢印j方向)と、離間方向(矢印n方向)は異なる。従って、現像カートリッジ507が離間方向(矢印n方向)に離間する際、メモリタグ保持部722とコネクタ部911の間には、相対的に矢印h方向に位置がずれるような力が働く。
【0250】
しかしながら、上述したように、メモリタグ保持部722は現像カートリッジ507に対して、相対的に矢印h方向に移動可能である。そのため、現像カートリッジ507が、第2位置から第3位置に移動する過程でも、現像カートリッジ507が第3位置にあるときにも、メモリタグ保持部722とコネクタ部911は相対的に移動することはない。
【0251】
従って、現像カートリッジ507の離間動作に追従して、コネクタ部911の突出部910とメモリタグ保持部722は係合状態が維持される。すなわち、離間方向と、メモリタグ保持部722の移動方向と、コネクタ部911の移動方向はそれぞれ異なっているが、離間方向における現像カートリッジ502の移動の影響は、メモリタグ保持部722の移動方向とコネクタ部911の移動方向に分かれて吸収される。これにより、離間動作があっても、メモリタグ721は電気接点916と擦れることがないため、メモリタグ721が電気接点916と擦れて摩耗するリスクを低減することができる。
【0252】
以上、説明したように、現像カートリッジ507の離間方向とコネクタ部の移動方向が異なる場合であっても、メモリタグ保持部722が、現像カートリッジ507に相対的に移動可能であるため、メモリタグ721は、離間動作によって、電気接点916と擦れることがなく、メモリタグ721が電気接点916と擦れて、摩耗するリスクを軽減することができる。
【0253】
<変形例>
また、上記の実施形態4、実施形態5は、それぞれカートリッジトレイ503,8に装着可能な現像カートリッジ502,7を用いて説明されていた。しかしながら、現像カートリッジ502,7は、ドラムカートリッジに装着可能であってもよい。ドラムカートリッジは、1つの感光体ドラムを有するカートリッジである。また、現像カートリッジ502,7は、感光体ドラムを有するプロセスカートリッジであってもよい。プロセスカートリッジは、現像ローラと感光体ドラムとを含む1つのカートリッジである。また、現像カートリッジ502,7の代わりに、トナーカートリッジが用いられてもよい。トナーカートリッジは、トナーを収容可能であり、かつ、現像ローラを有さないカートリッジである。
【0254】
すなわち、本発明は、本体と、取付部と、取付部に取り付けられるカートリッジ部材とを備える画像形成装置に適用できる。現像カートリッジをドラムカートリッジに装着する場合、ドラムカートリッジが取付部に当たる。また例えば、プロセスカートリッジをカートリッジトレイに収容する場合、プロセスカートリッジがカートリッジ部材であり、カートリッジトレイが取付部に当たる。またトナーカートリッジを用いる場合、該トナーカートリッジがカートリッジ部材に当たる。
これらの場合においても、取付部とカートリッジ部材との、離間位置と当接位置の間の位置関係の変化に追従して、カートリッジ部材側のメモリ手段に接続された本体側のメモリ接続手段が移動することにより、両者の電気的な接続が維持される。
【符号の説明】
【0255】
1:画像形成装置、2:装置本体、3:カートリッジトレイ、4:感光体ドラム、5:帯電ローラ、6:現像ローラ、8:現像カートリッジ、9:本体側金属端子、28:現像剤収納枠体(筐体)、30:カートリッジトレイ枠体、33:カートリッジガイド、34a:メモリユニット支持部、43:制御部、80:メモリタグユニット(記憶手段、メモリ媒体ユニット)、81a:電気接点部、68a:第2位置決め部(駆動側位置決め部)、71a:第1位置決め部(現像ローラ軸受位置決め部)、100:カバー部材(現像ローラカバー)、101:第1被覆部(現像ローラ保護部)、102:第2被覆部(メモリタグユニット保護部)、103:第2係合部(駆動側嵌合部)、104:第1係合部(非駆動側嵌合部)、105:把手部
501:画像形成装置、502:現像カートリッジ、521:現像剤、522:メモリタグユニット、221:メモリタグ、525:現像ローラ、503:カートリッジトレイ、532:感光体ドラム、504:画像形成装置本体、541:メモリタグコネクタユニット、411:コネクタ部、542:制御部