(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-27
(45)【発行日】2024-10-07
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 21/18 20060101AFI20240930BHJP
G03G 21/16 20060101ALI20240930BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20240930BHJP
G03G 15/20 20060101ALI20240930BHJP
【FI】
G03G21/18 178
G03G21/16 161
G03G21/00 502
G03G21/16 104
G03G15/20 505
(21)【出願番号】P 2020102724
(22)【出願日】2020-06-12
【審査請求日】2023-06-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小國 敦
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 哲司
(72)【発明者】
【氏名】上杉 拓志
【審査官】河内 悠
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-345939(JP,A)
【文献】特開2004-029500(JP,A)
【文献】特開平08-119534(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/00-21/18
G03G 15/00
G03G 15/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録材にトナー画像を形成するための画像形成装置であって、
当接部を有するカートリッジと、
前記カートリッジが着脱可能な装着部が設けられた装置本体であって、前記カートリッジの前記装着部への装着の有無を検知する検知機構と、前記トナー画像が形成された記録材を定着ニップ部で搬送しつつ加熱することによって前記トナー画像を記録材に定着するための定着部と、を有する装置本体と、
を備え、
前記検知機構は、
センサと、
前記センサに作用するように構成された作用部であって、前記カートリッジが前記装着部に装着されていない未装着状態において第1位置にあり且つ前記カートリッジが前記装着部に装着されている装着状態において前記センサが前記第1位置にある時と異なる信号を出力する第2位置にあるように、前記第1位置と前記第2位置の間を移動可能な作用部と、
を有し、
前記定着部は、前記未装着状態において前記定着ニップ部の入り口を塞ぐ閉鎖位置にあり且つ前記装着状態において前記入り口を開放する開放位置にあるように、前記閉鎖位置と前記開放位置の間を移動可能であるシャッタを備え、
前記装置本体は、前記カートリッジを前記装着部に装着する際に前記カートリッジの前記当接部と当接するように構成された被当接部が設けられ且つ前記シャッタとは別部材であるインタフェース部材を有し、
前記インタフェース部材の前記被当接部と前記カートリッジの前記当接部の当接によって前記インタフェース部材が移動させられることによって、前記作用部は前記第1位置から前記第2位置へ移動させられ、前記シャッタは前記閉鎖位置から前記開放位置へ移動させられるように構成されている、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記装置本体は、前記インタフェース部材を前記カートリッジの前記装着部への装着方
向と反対方向に付勢する付勢部材を有し、
前記インタフェース部材は、前記被当接部が前記カートリッジの当接部に当接させられることによって、前記付勢部材の付勢力に抗して前記装着方向に直線移動するように構成されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記作用部は、前記インタフェース部材とは別部材であり、
前記シャッタは、前記閉鎖位置と、前記開放位置と、の間を第1回転軸線を中心に回転するように構成され、
前記作用部は、前記第1位置と、前記第2位置と、の間を第2回転軸線を中心に回転するように構成されている、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記シャッタの前記閉鎖位置から前記開放位置への回転方向は、前記作用部の前記第1位置から前記第2位置への回転方向と反対方向である、
ことを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記第2回転軸線は、前記第1回転軸線と同じ方向に延びており、
前記第1回転軸線の方向にみたときに、重力方向において前記第1回転軸線は、前記第2回転軸線よりも上方にあり、
前記センサは、重力方向において前記第1回転軸線と前記第2回転軸線の間にある、
ことを特徴とする請求項3又は4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記装置本体は、
記録材を前記定着ニップ部へ向けて搬送する搬送部材と、
前記搬送部材によって搬送されている記録材と接触して前記第2回転軸線を中心に回転するように構成された接触部を有し、
前記作用部は、前記接触部が記録材に回転させられることによって前記第2回転軸線を中心に前記第2位置から第3位置に回転させられるように構成され、
前記センサは、前記第3位置にあるときに前記第2位置にあるときとは異なる信号を出力する、
ことを特徴とする請求項3乃至5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記第3位置は、前記作用部が前記第1位置から前記第2位置へ向かう回転方向に前記作用部が前記第2位置から回転した位置である、
ことを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記接触部は、所定幅以上の幅を有する記録材と接触し、前記所定幅より狭い幅を有する記録材とは接触しない位置に設けられている、
こと特徴とする請求項6又は7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記インタフェース部材は、前記装着方向に向かうほど下方に向かうように傾斜した傾斜面を有し、
前記装置本体は、前記カートリッジが前記装着方向に移動させられる際に前記インタフェース部材の前記傾斜面と当接して上方に押し上げられることによって前記シャッタを前記閉鎖位置から開放位置へ回転させるための中間部材を有する、
ことを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記カートリッジは感光ドラムを有し、
前記カートリッジの当接部は、前記カートリッジが前記装着部への装着のために移動さ
せられる装着方向において前記感光ドラムよりも下流側であり且つ前記感光ドラムの回転軸線の方向において前記カートリッジの端部に設けられている、
ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記作用部は、前記インタフェース部材に一体的に形成されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記カートリッジは感光ドラムを有し、
前記感光ドラムと当接して転写ニップを形成する転写ローラを更に有し、
前記定着部は前記感光ドラムよりも上方に設けられ、
前記転写ニップから前記定着ニップ部の間において記録材は上方に向けて搬送されることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記センサは、光を発する発光素子と、前記発光素子から発光された光を受光する受光素子と、を有し、前記作用部が前記第1位置にある時と前記第2位置にある時とで前記受光素子の受光状態が異なる、
ことを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項14】
前記センサは、光を発する発光部と、前記発光部から発光された光を受光する受光部と、を有し、前記作用部が前記第1位置にある時と前記第2位置にある時とで前記受光部の受光状態が異なり、前記作用部が前記第1位置にある時と前記第3位置にあるときは前記受光状態が同じである、
ことを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項15】
前記インタフェース部材の前記被当接部は、前記第1回転軸線の方向において、前記センサよりも外側に設けられている、
ことを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式により記録材に画像を形成する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真画像形成装置(以下、単に「画像形成装置」と呼ぶ。)では、一般に、トナー補給や各種のプロセス手段のメンテナンスを必要とする。このトナー補給やメンテナンスを容易にするために、感光体ドラム、帯電手段、現像手段、クリーニング手段などを枠体内にまとめてカートリッジ化し、画像形成装置の装置本体に着脱可能に構成したものが実用化されている。このようなカートリッジ方式の画像形成装置は、プロセスカートリッジ等のカートリッジが挿入されていることを検知するための検知機構を有している。これはカートリッジを挿入せずにプリント動作をさせたときに不要なジャムを発生させないためのものである。この機構をカートリッジ有無検知機構と呼ぶ。すなわち、カートリッジ有無検知機構が「カートリッジ無し」を検知しているときには画像形成装置は動作せず、「カートリッジ有り」を検知したときには画像形成装置は動作可能となる。
【0003】
また、上述した画像形成装置では、特許文献1に記載されているように、定着装置の入口にシャッタ部材を設けることがある。これはユーザ保護を目的としており、ジャム処理時等において、ユーザが発熱部に触れることを防止するためである。以降、このシャッタ部材を定着入口シャッタと呼ぶ。定着入口シャッタを駆動する機構としては、特許文献1に記載されているようにドアの開閉に連動するものや、特許文献2に記載されているように、カートリッジの挿抜に連動するものが知られている。これらは、装置本体の構成やカートリッジの構成によって、適宜選択されている。
【0004】
そして従来、定着入口シャッタの駆動機構とカートリッジ有無検知機構は、それぞれ目的が異なるため、互いに独立した機構として、個別に配置されていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2002-323822号公報
【文献】特開2019-95643号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述のように、従来はカートリッジ有無検知機構と定着入口シャッタを動作させる機構はそれぞれ別個に配置していた。また、それぞれの機構には、それぞれの連動動作のトリガーとなる部分として、ドアの開閉動作やカートリッジの挿抜動作の影響を直接的に受けて動作するインタフェース部分をそれぞれ必要としていた。そのため、大きなスペースを必要とし、本体が大型化してしまう、という課題があった。また、それぞれの機構を構成する部品数が増え、コストが増えてしまう、という課題があった。
【0007】
本発明は、画像形成装置におけるシャッタ駆動機構とカートリッジ有無検知機構とを、省スペース、低コストで連動させることができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明の画像形成装置は、
記録材にトナー画像を形成するための画像形成装置であって、
当接部を有するカートリッジと、
前記カートリッジが着脱可能な装着部が設けられた装置本体であって、前記カートリッジの前記装着部への装着の有無を検知する検知機構と、前記トナー画像が形成された記録材を定着ニップ部で搬送しつつ加熱することによって前記トナー画像を記録材に定着するための定着部と、を有する装置本体と、
を備え、
前記検知機構は、
センサと、
前記センサに作用するように構成された作用部であって、前記カートリッジが前記装着部に装着されていない未装着状態において第1位置にあり且つ前記カートリッジが前記装着部に装着されている装着状態において前記センサが前記第1位置にある時と異なる信号を出力する第2位置にあるように、前記第1位置と前記第2位置の間を移動可能な作用部と、
を有し、
前記定着部は、前記未装着状態において前記定着ニップ部の入り口を塞ぐ閉鎖位置にあり且つ前記装着状態において前記入り口を開放する開放位置にあるように、前記閉鎖位置と前記開放位置の間を移動可能であるシャッタを備え、
前記装置本体は、前記カートリッジを前記装着部に装着する際に前記カートリッジの前記当接部と当接するように構成された被当接部が設けられ且つ前記シャッタとは別部材であるインタフェース部材を有し、
前記インタフェース部材の前記被当接部と前記カートリッジの前記当接部の当接によって前記インタフェース部材が移動させられることによって、前記作用部は前記第1位置から前記第2位置へ移動させられ、前記シャッタは前記閉鎖位置から前記開放位置へ移動させられるように構成されている、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、画像形成装置におけるシャッタ駆動機構とカートリッジ有無検知機構とを、省スペース、低コストで連動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図2】実施例1の画像形成装置本体の開閉扉が開いた状態の説明図
【
図3】実施例1の画像形成装置本体の開閉扉が開いた状態の模式的断面図
【
図5】実施例1の画像形成装置本体の駆動伝達部及び位置決め部の説明図
【
図6】実施例1の画像形成装置本体の開閉扉が閉じた状態の模式的断面図
【
図8】実施例1のカートリッジ有無検知レバーの説明図
【
図12】実施例1のインタフェース部材の本体内配置の説明図
【
図13A】実施例1のカートリッジが挿入されていない状態の説明図
【
図13B】実施例1のカートリッジが挿入されていない状態の説明図
【
図14A】実施例1のカートリッジが挿入さている状態の説明図
【
図14B】実施例1のカートリッジが挿入さている状態の説明図
【
図15A】実施例1のカートリッジ有無検知機構と紙幅検知機構の説明図
【
図15B】実施例1のカートリッジ有無検知機構と紙幅検知機構の説明図
【
図15C】実施例1のカートリッジ有無検知機構と紙幅検知機構の説明図
【
図16A】実施例1の定着入口シャッタ動作の説明図
【
図16B】実施例1の定着入口シャッタ動作の説明図
【
図16C】実施例1の定着入口シャッタ動作の説明図
【
図18A】実施例2のカートリッジが挿入されていない状態の説明図
【
図18B】実施例2のカートリッジが挿入されていない状態の説明図
【
図19A】実施例2のカートリッジが挿入さている状態の説明図
【
図19B】実施例2のカートリッジが挿入さている状態の説明図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に図面を参照して、この発明を実施するための形態を、実施例に基づいて例示的に詳しく説明する。ただし、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状それらの相対配置などは、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものである。すなわち、この発明の範囲を以下の実施例に限定する趣旨のものではない。
【0012】
<実施例1>
本発明の実施例1について説明する。本発明が適用される電子写真画像形成装置(以下
、画像形成装置)の例としては、電子写真複写機、電子写真プリンタ(LEDプリンタ、レーザービームプリンタ等)、ファクシミリ装置及びワードプロセッサ等が含まれる。本実施例に係る画像形成装置により画像が形成される記録材には、例えば、記録用紙、プラスチックシートなどが含まれる。
【0013】
以下の説明では、電子写真感光体ドラムの回転軸線方向を長手方向とし、各構成との位置関係等を規定している。また、長手方向において、画像形成装置本体から電子写真感光体ドラムが駆動力を受ける側を駆動側とし、その反対側を非駆動側とする。また、
図1等の画像形成装置の模式的断面は、通常想定される装置設置床面として水平面上に画像形成装置が載置された状態と示す。また、
図1等の模式的断面図において、ユーザが、非駆動側が左側、駆動側が右側となるように画像形成装置に正対した状態を基準として、装置手前側と装置奥側が規定される方向をx軸とする。また、非駆動側と駆動側とが規定される方向をy軸とし、装置設置面に垂直な方向(上下方向)をz軸とする。
【0014】
図1は、本発明の実施例1の画像形成装置の装置本体A及びプロセスカートリッジB(以下、カートリッジBと記載する)の断面図である。ここで、装置本体Aとは、電子写真画像形成装置からカートリッジBを除いた部分である。
【0015】
<電子写真画像形成装置全体構成>
図1に示す画像形成装置は、カートリッジBを装置本体Aに着脱自在とした電子写真技術を利用したレーザービームプリンタである。カートリッジBが装置本体Aに装着されたとき、カートリッジBの像担持体としての電子写真感光体ドラム62に潜像を形成するための露光装置3(レーザースキャナユニット)が配置される。また、カートリッジBの下側に画像形成対象となる記録材(以下、シートPAと記載する)を収納したシートトレイ4が配置されている。電子写真感光体ドラム62は、電子写真画像形成用に用いられる感光体(電子写真感光体)である。
【0016】
更に、装置本体Aには、シートPAの搬送方向Dに沿って、ピックアップローラ5a、給送ローラ対5b、搬送ローラ対5c、転写ローラ7、定着装置9、排出ローラ対10、排出トレイ11等が順次配置されている。
【0017】
<画像形成プロセス>
次に、画像形成プロセスの概略を説明する。プリントスタート信号に基づいて、電子写真感光体ドラム62(以下、単に感光体ドラム62と記載する)は、矢印R方向に所定の周速度(プロセススピード)をもって回転駆動される。バイアス電圧が印加された帯電ローラ(帯電部材)66は、感光体ドラム62の外周面に接触し、感光体ドラム62の外周面を一様均一に帯電する。露光装置3は、画像情報に応じたレーザー光Lを出力する。そのレーザー光Lは、カートリッジBのレーザー開口を通り、感光体ドラム62の外周面を走査露光する。これにより、感光体ドラム62の外周面には画像情報に対応した静電潜像が形成される。一方、カートリッジB内のトナーは、現像ローラ32に担持され、静電潜像に応じて感光体ドラム62へ供給され、潜像を現像する。これにより、潜像はトナー像(現像剤像)として可視像化される。
【0018】
また、
図1に示すように、レーザー光Lの出力タイミングとあわせて、ピックアップローラ5a、給送ローラ対5b、搬送ローラ対5cによって、装置本体Aの下部に収納されたシートPAがシートトレイ4から送り出される。そして、そのシートPAがドラム62と転写ローラ7との間の転写位置へ搬送される。この転写位置において、トナー像は感光体ドラム62からシートPAに順次転写されていく。
【0019】
トナー像が転写されたシートPAは、感光体ドラム62から分離されて定着装置9に搬
送される。そしてシートPAは、定着装置9を構成するニップ部で加圧・加熱定着処理が行われてトナー像はシートPAに定着される。トナー像の定着処理を受けたシートPAは、排出ローラ対10まで搬送され、排出トレイ11に排出される。
【0020】
<カートリッジ装着>
次にカートリッジの装着について、
図2~
図6を用いて具体的に説明する。
図2は、開閉扉が開いた状態の画像形成装置の説明図であり、
図3は、開閉扉が開いた状態の画像形成装置の断面図である。
図4は、カートリッジBの説明図である。
図5は、画像形成装置本体の駆動伝達部及び位置決め部の説明図である。
図6は、開閉扉が閉じた状態の画像形成装置の断面図である。
【0021】
まず、装置本体Aの開閉扉13が開いた状態を説明する。
図2、
図3に示すように、装置本体Aには、開閉扉13と、上カバー14とが設けられており、開閉扉13には、カートリッジ押圧部材1、2と、カートリッジ押圧バネ19、21とが設けられている。開閉扉13は、上カバー14に回動可能に取付けられている。着脱可能なカートリッジBを装置本体Aに装着する場合は、
図2、
図3に示すように、開閉扉13を本体上方向に回動してカートリッジ挿入口17を開放する。
【0022】
次に、カートリッジBの装着の説明をする。
図2に示すように、装置本体Aには、駆動側側板15と、非駆動側側板16と、搬送ガイド91とが設けられている。駆動側側板15は、ガイドとしてのガイドレール15gを有している。非駆動側板16は、ガイドレール上16dと、ガイドレール16eとを有している。搬送ガイド91は、転写ローラ7や、搬送ローラ対5cや、搬送ガイド(不図示)を有している(
図3参照)。
【0023】
また、
図4に示すように、カートリッジBは、駆動側に被回転止め部73cを有しており、非駆動側に被位置決め部71dと被回転止め部71gとを有している。
【0024】
なお、カートリッジBの装置本体Aに対する装着方向は、感光体ドラム62の軸線と実質的に直交する方向である。また、装着方向の上流もしくは下流といった場合、装置本体Aへの装着が完了する直前のカートリッジBの移動方向において、上流と下流を定義する。
【0025】
カートリッジBを装置本体Aのカートリッジ挿入口17から装着すると、カートリッジBの駆動側は、カートリッジBの被回転止め部73cが、装置本体Aのガイドレール上15gにガイドされる。カートリッジBの非駆動側は、カートリッジBの被位置決め部71dと被回転止め部71gとが、装置本体Aのガイドレール16dとガイドレール16eにガイドされる。これによって、カートリッジBは装置本体Aに装着される。
【0026】
また、
図5に示すように装置本体Aの搬送ガイド91は、カートリッジBの長手方向における位置決め部である嵌合部101を有する。また、
図4に示すように、カートリッジBの駆動側には装置本体Aの嵌合部101と嵌合可能な被位置決め部としての被嵌合部121が設けられている。上述の装着する過程で、カートリッジBの被嵌合部121が、装置本体Aの嵌合部101と嵌合することにより(カートリッジBの長手方向(軸線方向)と直交する方向に凹状の被嵌合部121に凸状の嵌合部101が嵌合することにより)、カートリッジBの長手方向(軸線方向)の位置が決まる。
【0027】
次に、開閉扉13を閉じた状態を説明する。
図2、
図3、
図5に示すように、装置本体Aの搬送ガイド91は、駆動側に位置決めとしての位置決め部上91aと位置決め部下91bを有しており、非駆動側に位置決め部91cを有している。装置本体Aの駆動側側板15は、回転止め部15c(ガイドレール上15gの装着方向終端に設けられている。図
6参照)を有しており、非駆動側側板16は、回転止め部16cを有している。
図4(a)で示すように、カートリッジBは、駆動側に被位置決め部上73dと被位置決め部下73fとを有している。
【0028】
また、カートリッジ押圧部材1、2は、開閉扉13の長手方向両端に設けられている。カートリッジ押圧バネ19、21は、カートリッジ押圧部材1、2に取り付けられている。カートリッジBは、駆動側にて付勢力受け部としての被押圧部73eを有し、非駆動側にて被押圧部71oを有する。開閉扉13を閉じることにより、カートリッジBの被押圧部73e、71oが、装置本体Aのカートリッジ押圧バネ19、21によって付勢されたカートリッジ押圧部材1、2によって押圧される(
図6参照)。
【0029】
これによって、駆動側においては、カートリッジBの被位置決め部上73dと被位置決め部下73fと回転止め部73cとが、それぞれ装置本体Aの位置決め部上91aと位置決め部下91bと回転止め部15cとに当接する。この結果、カートリッジBや感光体ドラム62が駆動側で位置決めされる。また、非駆動側において、カートリッジBの被位置決め部71dと被回転止め部71gとが、それぞれ装置本体Aの位置決め部91cと回転止め部16cとに当接する。これによって、非駆動側にてカートリッジBや感光体ドラム62が位置決めされる。
【0030】
<カートリッジ有無検知機構と定着入口シャッタ機構の構成>
次に、カートリッジ有無検知機構と定着入口シャッタ機構の構成について、
図4、
図7~
図13Bを用いて説明する。
図7~
図11は、本実施例における単部品の説明図である。
図12は、装置本体A内でのインタフェース部材120の配置を示した図で、
図2(b)の内部を拡大した図である。また、
図13A、
図13Bは、カートリッジBが挿入されていない状態を示しており、
図13Aは、装置本体Aの左側(非駆動側)から見た図であり、
図13Bは、装置本体Aの右斜め後ろ(駆動側かつ奥側)から見た図である。なお、
図13A、
図13Bは、本発明に関する部分を可視化するため、搬送ガイド91や紙幅を検知する機構(以下、紙幅検知機構と呼ぶ)等の本発明に関わらない部品は表示していない。
【0031】
本実施例におけるカートリッジBは、非駆動側に感光体ドラム62よりもカートリッジBの挿入方向側に突出したカートリッジ側突出部102を有している。
【0032】
なお、本実施例におけるカートリッジ側突出部102は、カートリッジBを装置本体A外に取り出した後、床面にカートリッジBを置いたときに、床面と当接することで感光体ドラム62が接触することによる汚れや傷を防止する保護部材(当接部)を兼ねている。
【0033】
装置本体Aの搬送ガイド91は、カートリッジBの挿入方向に対して略直動可能なインタフェース部材120を有している。インタフェース部材120は、カートリッジ側当突出部102と当接するための本体側当接部122を有している(
図4(b)、
図12)。インタフェース部材120は、カートリッジ有無検知機構と定着入口シャッタ機構のそれぞれにおいて共通のインタフェース部材である。すなわち、カートリッジ有無検知機構と定着入口シャッタ機構の夫々の連動動作のトリガーとなる部材が、単一の部材として、両機構に共有された構成となっている。つまり、一つのインタフェース部材の動作によって複数の機構が連動して動作する。
【0034】
また、搬送ガイド91は、回動可能なカートリッジ有無検知レバー130と、カートリッジ有無検知レバー130と連動するセンサリンク部材131とを有している。センサリンク部材131は、遮光部材としての遮光部132を有している。センサリンク部材131の姿勢変化に伴って遮光部132の位置が変化し、遮光部132の位置変化に伴って、
発光部から受光部への検知光の受光状態が透過状態と遮光状態のいずれかに切り替えられる光学センサとしてのフォトインタラプタ133を有している。この部分をカートリッジ有無検知機構と呼ぶ。
【0035】
なお、本実施例におけるカートリッジ有無検知機構は、搬送されたシートPAの横幅が、ある一定のサイズよりも大きいか小さいかを検知する機能を兼ねている。すなわち、センサリンク部材131は、
図13A、
図13Bにおいては不図示の紙幅検知機構と連動している。詳しくは後述するが、上述した遮光部132とフォトインタラプタ133からなる光学検知部は、カートリッジ有無検知機構と後述する紙幅検知機構のそれぞれに用いられる共通の光学検知手段である。すなわち、本実施例に係る画像形成装置は、一つの光学検知部を用いて複数の検知機構の検知動作が実現される構成となっている。
【0036】
また、搬送ガイド91は、定着装置9へシートPAが搬送される定着入口部141に、記録材搬送路における定着装置9への入口である定着入口部141を開閉する定着入口シャッタ140と、シャッタリンク部材142を有する。定着入口シャッタ140は、y軸方向に延びるシャッタ回動中心146を中心にy軸回りに回動可能に設けられている。シャッタリンク部材142は、インタフェース部材120と連動して定着入口シャッタ140の開閉動作を行う。シャッタリンク部材142は、
図13Aにおける上下方向(z軸方向)のみに直動可能に備えられている。これらを定着入口シャッタ機構と呼ぶ。
【0037】
インタフェース部材120は、カートリッジ有無検知レバー130と連動するための係合溝123を有し、カートリッジ有無検知レバー130の係合ボス134が係合溝123に係合することで、カートリッジ有無検知レバー130と連結されている。また、インタフェース部材120は、シャッタリンク部材142と連動するための斜面部を含むスライド面124を有している。シャッタリンク部材142は、スライド面124と当接するスライド面当接部143を有している。
【0038】
また、インタフェース部材120は、スプリング等の付勢手段125により、カートリッジBが挿入される方向と逆方向に常に付勢されている。また、定着入口シャッタ140は、不図示の付勢部材によって、常に矢印R1方向に付勢されている。
【0039】
<カートリッジ有無検知機構と定着入口シャッタ機構の連動>
カートリッジ有無検知機構と定着入口シャッタ機構の連動について、
図4、
図13A、
図13B、
図14A、
図14Bで詳細に説明する。
【0040】
図13A、
図13Bを用いて、はじめにカートリッジBが装置本体Aに挿入されていない状態を説明する。
【0041】
カートリッジ有無検知機構について説明する。インタフェース部材120は、付勢手段125によってカートリッジBの挿入方向と逆方向に付勢され、本体側当接部122がカートリッジBの装着スペース内に突出した位置となっている。このとき、カートリッジ有無検知レバー130の姿勢は、係合溝123と係合ボス134との係合によって一義的に決まっている。カートリッジ有無検知レバー130は、レバー側当接部135を有し、センサリンク部材131は、センサリンク側当接部136を有している。センサリンク部材131は、不図示の付勢手段によってy軸回りに矢印R2方向に付勢されている。ここで、センサリンク部材131を付勢する不図示の付勢手段の付勢力は、インタフェース部材120を付勢する付勢手段125の付勢力よりも小さい。よって、一義的に位置が決められたレバー側当接部135に対してセンサリンク側当接部136が追従するように当接状態となっている。これにより、センサリンク部材131はカートリッジ有無検知レバー130と連動し、カートリッジ有無検知レバー130の姿勢が決まることにより、センサリ
ンク部材131の姿勢が決まる。
【0042】
前述のとおり、センサリンク部材131は、フォトインタラプタ133の光軸(不図示)の透過、遮光を切り替えるための遮光部132を有している。本実施例において、カートリッジBが挿入されていない
図13A、
図13Bの状態では、遮光部132は、光軸が透過状態になる位置になっている。
【0043】
次に、定着入口シャッタ機構について説明する。
図13A、
図13Bの状態では、シャッタリンク部材142のスライド面当接部143は、インタフェース部材120のスライド面124の内、斜面下側に位置している。シャッタリンク部材142は、スライド面当接部143と逆側(
図13A、
図13Bの上側)にシャッタ押上げ部144を有している。また、定着入口シャッタ140は、シャッタ押上げ部144と当接する位置にシャッタ側当接部145を有している。すなわち、定着入口シャッタ140は、シャッタリンク部材142から回転力が付与されるシャッタ側当接部145を一体に備える回転部材である。また、本実施例の定着入口シャッタ140は、シャッタ回転中心146を中心に回動可能であり、前述のとおり、付勢手段(不図示)により、矢印R1方向に常に付勢されている。すなわち、シャッタ押上げ部144とシャッタ側当接部145が当接している状態となっている。また、破線矢印SPはシート搬送路(記録材搬送路)を示している。すなわち、カートリッジBが挿入されていない状態では、定着入口シャッタ140は、搬送路を塞ぐ姿勢となっている。
【0044】
次に、カートリッジBが装置本体Aに挿入された状態を、
図4、
図14A、
図14B、
図15A、
図15B、
図15Cを用いて説明する。
図14Aは、装置本体Aの左側(非駆動側)から見た図であり、
図14Bは、装置本体Aの右斜め後ろ(駆動側かつ奥側)から見た図である。なお、
図14A、
図14Bは、本発明に関する部分を可視化するため、搬送ガイド91や紙幅を検知する機構等の本発明に関わらない部品は表示していない。
【0045】
カートリッジ有無検知機構について説明する。カートリッジBが装置本体Aに挿入された状態では、前述のとおり、位置決め部、回転止め部、押圧部(71d、71g、71o、73c、73d、73f、73E)、押圧部材(1、2)によって、カートリッジ側突出部102の位置が一義的に決まる。よって、カートリッジ側突出部102が本体側当接部122を押し込み、インタフェース部材120がカートリッジB挿入方向に移動した状態となる。
【0046】
前述のとおり、カートリッジ有無検知レバー130の係合ボス134とインタフェース部材130の係合溝123が係合することによってインタフェース部材120とカートリッジ有無検知レバー120が連結されている。ここで、インタフェース部材120は略直動であり、カートリッジ有無検知レバー130は回動である。両者を連動させるために、本実施例の係合溝123は、カートリッジBの挿入方向(装着方向)と略垂直方向に隙間を有している。すなわち、カートリッジ有無検知レバー130が回動するときに係合ボス134は
図14A、
図14Bの上下方向に変位するが、係合溝123は上下方向に隙間を設けているため、変位しても係合可能である(係合状態を維持できる)。
【0047】
前述の係合のため、インタフェース部材120がカートリッジBの挿入方向に移動すると、カートリッジ有無検知レバー130は、矢印R3方向にレバー回転中心137を中心として回動する。これに伴い、レバー側当接部135も矢印R3方向に回動する。ここで、センサリンク部材131は、不図示の付勢手段によって、矢印R2方向に付勢されている。すなわち、レバー側当接部135とセンサリンク側当接部136が当接状態を保ちながら、センサリンク部材131が矢印R2方向に回動する。これに伴って、遮光部132も回動し、フォトインタラプタ133の光軸(不図示)に対して、本実施例においては遮
光状態となる。
【0048】
ここで、本実施例におけるセンサリンク部材131は、先に述べたように不図示の紙幅検知機構と連動している。センサリンク部材131は、R2方向への回動は一定量回動した後は、不図示の紙幅検知機構に当接することで回動が止まる。このとき、センサリンク部材131は、遮光部132がフォトインタラプタ133の光軸(不図示)を遮光した状態を維持する。本実施例では、カートリッジBが完全に挿入された状態では、カートリッジ有無検知レバー130は更に回動した状態であるため、
図4に示すように、レバー側当接部135はセンサリンク側当接部136から離れる位置となっている。
【0049】
ここで、
図15A、
図15B、
図15Cを用いて、第2の検知機構としての紙幅検知機構との連動について詳細に説明する。
図15A、
図15B、
図15Cは、装置本体Aを左斜め後ろ(非駆動側かつ奥側)から見た図である。
図15Aは、カートリッジBが挿入されていない状態であり、
図15Bは、カートリッジBが挿入された状態であり、
図15Cは、
図15Bの状態からシートPAが紙幅検知機構に到達し、シートPA幅を検知した状態を示している。なお、搬送ガイド91は説明のため不図示としている。
【0050】
図15Aにて、カートリッジBが挿入される前の状態を説明する。本実施例における紙幅検知レバー150(
図13A、
図13B、
図14A、
図14Bでは不図示)は、シートPAの搬送方向と直交する方向に左右1対配置されており、それぞれ付勢力が同一な不図示の付勢手段によって、y軸回りに矢印R4方向に付勢されている。なお、本実施例においては、左右同じ動作であるため、片方の構成のみ説明する。また、搬送ガイド91の不図示の当接部と紙幅検知レバー150の突き当て部151が接触して停止している。またこのとき、本実施例においては、センサリンク部材131のセンサリンク側当接部136と紙幅検知レバー側当接部152との間には隙間が生じている。また、センサリンク部材131の遮光部132は、フォトインタラプタ133の光軸(不図示)が透過状態になる位置となっている。
【0051】
図15Bにて、カートリッジBが挿入された状態を説明する。前述のようにカートリッジBが挿入されると、センサリンク部材131は矢印R2方向に回転する。ここで、センサリンク部材131を付勢する付勢手段の付勢力は、紙幅検知レバー150を付勢する付勢手段(不図示)の付勢力の合計に対して小さく設定している。すなわち、カートリッジ有無検知レバー130と連動して回動するセンサリンク部材131は、センサリンク側当接部136と紙幅検知レバー側当接部152が当接して停止する。このため、レバー側当接部135とセンサリンク側当接部136との間には隙間が生じている。またこのとき、センサリンク部材131の遮光部132は、フォトインタラプタ133の光軸(不図示)が遮光状態になる位置となっている。また、接触部材としての紙幅検知部153は、シートPAの搬送路側に突出した位置となっている。
【0052】
図15Cにて、搬送されたシートPAの横幅が、ある一定のサイズよりも大きいことを検知した状態(第2の連動機構の動作)を説明する。シートPAの先端が紙幅検知部153に当接すると、紙幅検知部153はシートPAに押されるため、紙幅検知レバー150が回動する。紙幅検知レバー150の回動によって、紙幅検知レバー側当接部152が回動する。ここで、センサリンク部材131は、不図示の付勢手段により、矢印R2方向に付勢されているため、紙幅検知レバー側当接部152とセンサリンク側当接部136は当接状態を維持する。これによりセンサリンク部材131が回動し、シートPAによる紙幅検知レバー150の回動がある一定量を超えたとき、センサリンク部材131の遮光部132は光軸(不図示)が透過状態になる位置となる。これにより、シートPAがある一定のサイズよりも大きいことを検知することができる。
【0053】
その後、シートPAの後端が紙幅検知部153を抜けると、紙幅検知レバー150は
図15Bの状態に戻る。また、シートPAがある一定のサイズよりも小さい場合は、紙幅検知部153とシートPAが当接することは無い。よって、紙幅検知レバー150は回動せず、フォトインタラプタ133の光軸(不図示)は遮光状態を維持する。
【0054】
以上述べた紙幅検知機構によるシートPAのサイズ検知結果を元に、不図示のエンジンコントローラは、例えば、ある一定のサイズよりも小さいと検知された場合は定着温調を下げる、等の制御を行っている。
【0055】
なお、本実施例では、カートリッジ有無検知機構において遮光部132がフォトインタラプタ133を透光状態とさせる回転位相と、紙幅検知機構において遮光部132がフォトインタラプタ133を透光状態とさせる回転位相とが異なっている。すなわち、カートリッジ有無検知機構において、フォトインタラプタ133が遮光状態から透光状態に変化する際(カートリッジBが取り外されるとき)の遮光部132の回転方向は、一方の回転方向となる。紙幅検知機構において、フォトインタラプタ133が遮光状態から透光状態に変化する際(記録材の通過を検知するとき)の遮光部132の回転方向は、上記一方の回転方向とは逆の他方の回転方向となる。見方を変えると、カートリッジBが装置本体Aに装着され、記録材の搬送の幅が検知されるまでの一連の流れにおいて、遮光部132がフォトインタラプタ133に対して回転する方向は、一つの方向(他方の回転方向)となる。同様に、記録材の通過が検知されなくなり、カートリッジBが装置本体Aから取り外されるまでの一連の流れにおいても、遮光部132がフォトインタラプタ133に対して回転する方向は、一つの方向(一方の回転方向)となる。
【0056】
次に、定着入口シャッタ機構について説明する。前述のとおり、インタフェース部材120は、斜面を含むスライド面124を有している。すなわち、インタフェース部材120がカートリッジB挿入方向に移動すると、スライド面124もカートリッジB挿入方向に移動する。シャッタリンク部材142のスライド面当接部143は常にスライド面124と当接状態であり、かつ、
図14Aにおける上下方向(z軸方向)のみに直動可能であるため、スライド面124の移動に伴って、スライド面当接部143が上方向に移動する。すなわち、スライド面124の斜面は、カム面として機能している。これによりシャッタ押上げ部144も上方向に移動する。
【0057】
ここで、本実施例におけるカートリッジBの挿入に伴う、インタフェース部材120とシャッタリンク部材142、定着入口シャッタの動作を
図16A、
図16B、
図16Cに示す。
図16A、
図16B、
図16Cは、装置本体Aを左側(非駆動側)から見た図であり、また、本発明に関する部分を可視化するため搬送ガイド91等の本発明に関わらない部品は表示していない。
【0058】
図16Aは、カートリッジBのカートリッジ側突出部102と本体側当接部122が接触した瞬間の状態を示している。カートリッジBの挿入に伴い、インタフェース部材120は、カートリッジBの挿入方向に移動する。
図16Bは、カートリッジBの挿入を更に進めた瞬間の図である。本実施例においては、
図16Bに示すように、インタフェース部材120の移動途中で、シャッタ押上げ部144とシャッタ側当接部145の接触を先端部から根元部へと切り替えている。すなわち、定着入口シャッタ140は、シャッタ押上げ部144が当接するの被当接部としてのシャッタ側当接部145の回転軸中心からの距離が、回転に伴い変化する構成となっており、閉状態から開状態への移動では回転に伴い短くなる。これは、インタフェース部材120の移動量、シャッタリンク部材142の移動量を減らすことで、装置本体Aの更なる小型化を図るためである。例えば、シャッタ側当接部145の回転軸中心からの距離が一定の場合には、インタフィール部材12の移動量を本実施例よりも長くしなければならなくなる。
図16Cは、カートリッジBが完全に
挿入された状態を示している。この状態において、シャッタリンク部材142のスライド面当接部143は、インタフェース部材120のスライド面124の最上部である平面部に到達している。すなわち、シャッタ押上げ部144は最も上部にあり、シャッタ側当接部145の根元側が最も持ち上げられている状態である。このとき、定着入口シャッタ140は完全に開いた開放状態となる。
【0059】
前述したとおり、本実施例におけるシャッタ押上げ部144とシャッタ側当接部145の接触の切り替えは、装置本体Aの更なる小型化を目的としている。よって、インタフェース部材120やシャッタリンク部材142の動作に十分な空間がある場合、すなわち、シャッタリンク部材142のシャッタ押上げ部144が、
図16Cにおける定着入口シャッタ140のシャッタ側当接部145の先端側と接触する位置まで上昇させることができる場合は、接触の切り替え無しでも構成可能である。
【0060】
以上説明したように、カートリッジ有無検知機構と定着入口シャッタ機構を一つのインタフェース部材で連動させることで、省スペース、部品点数削減によるコストダウンを達成することができる。
【0061】
また、本実施例ではインタフェース部材120を直動とし、カートリッジ有無検知機構を係合溝を用いた直動と回動のリンク機構、定着入口シャッタ機構をスライド面を用いたカム機構とした。しかし、一つのインタフェース部材を介した連動機構については、本実施例で示した構成に限定されるものではない。また、カートリッジBが装着状態から取り外される際の各機構の動作は、上述した説明と逆の順序で動作することになる。かかる動作の説明は省略する。
【0062】
<実施例2>
以下、本発明の実施例2を図面に基づいて詳細に説明する。実施例2は、不図示の紙幅検知機構との連動が不要である場合を示している。なお、画像形成装置本体A、カートリッジBに関する構成や画像形成プロセス、カートリッジBの挿抜の動作等は実施例1と同様であるため、再度の説明を省略する。実施例2において特に説明しない事項は実施例1と同様である。
【0063】
<カートリッジ有無検知機構と定着入口シャッタ機構の構成>
カートリッジ有無検知機構の構成について、
図17、
図18Bを用いて説明する。
図17は、本発明の実施例2におけるインタフェース部材220の単部品の説明図である。
図18A、
図18Bは、カートリッジBが挿入されていない状態を示しており、
図18Aは、装置本体Aの左側から見た図であり、
図18Bは、装置本体Aの右斜め後ろから見た図である。なお、
図18A、
図18Bは、本発明に関する部分を可視化するため、搬送ガイド91等の本発明に関わらない部品は表示していない。
【0064】
装置本体Aの搬送ガイド91は、カートリッジBの挿入方向に対して略直動可能なインタフェース部材220を有している。インタフェース部材220は、カートリッジ側当突出部102と当接するための本体側当接部222を有している。
【0065】
インタフェース部材220は、遮光部223を有している。また装置本体Aには、遮光部223によって光軸(不図示)が透過または遮光に状態が切り替えられるフォトインタラプタ233が備えられている。この部分が本実施例におけるカートリッジ有無検知機構である。
【0066】
また、搬送ガイド91は、定着装置9へシートPAが搬送される定着入口部141に、定着入口シャッタ機構を有している。定着入口シャッタ機構は、インタフェース部材22
0に備えているスライド面224を含めて、実施例1で説明したものと同様であるため説明を省略する。
【0067】
また、実施例1での説明と同様に、本実施例におけるインタフェース部材220は、スプリング等の付勢手段125により、カートリッジBが挿入される方向と逆方向に常に付勢されている。
【0068】
また、実施例1での説明と同様に、本実施例における定着入口シャッタ140は、不図示の付勢部材によって、常に矢印R1方向に付勢されている。
【0069】
<カートリッジ有無検知機構と定着入口シャッタ機構の連動>
カートリッジ有無検知機構と定着入口シャッタ機構の連動について
図18A、
図18B、19で詳細に説明する。
【0070】
はじめにカートリッジBが装置本体Aに挿入されていない状態を、
図18A、
図18Bを用いて説明する。インタフェース部材220は付勢手段125によって本体側当接部222がカートリッジBの挿入方向と逆方向に付勢されて突出した位置となっている。この時、遮光部223はフォトインタラプタ233の光軸(不図示)が透過状態となる位置になっている。また、破線矢印SPはシート搬送路を示している。すなわち、カートリッジBが挿入されていない状態では、定着入口シャッタ140は搬送路を塞ぐ姿勢となっている。定着入口シャッタ機構に関しては実施例1で説明したものと同様であるため、説明は省略する。
【0071】
次に、カートリッジBが装置本体Aに挿入された状態を、
図19A、
図19Bを用いて説明する。
図19Aは、装置本体Aの左側から見た図であり、
図19Bは、装置本体Aの右斜め後ろから見た図である。なお、
図19A、
図19Bは本発明に関する部分を可視化するため、搬送ガイド91等の本発明に関わらない部品は表示していない。
【0072】
カートリッジBが装置本体Aに挿入された状態では、実施例1での説明と同様に、カートリッジ側突出部102が本体側当接部222を押し込み、インタフェース部材220がカートリッジB挿入方向に移動した状態となる。
【0073】
前述のとおり、インタフェース部材220には遮光部223が備えられており、カートリッジBの挿入に伴い、遮光部223も移動する。そして、カートリッジBが完全に挿入された状態(
図19A、
図19B)では、フォトインタラプタ233の光軸(不図示)が遮光状態となる位置に移動する。
【0074】
前述のとおり、定着入口シャッタ機構に関しては、インタフェース部材220のスライド面224を含めて、実施例1と同様である。すなわち、実施例1での説明のように、カートリッジBが挿入されると、定着入口シャッタ140が回転し、定着入口部141が完全に開いた状態になる。
【0075】
以上説明したように、本実施例によれば、紙幅検知機構との連動が不要である場合でも、カートリッジ有無検知機構と定着入口シャッタ機構を一つのインタフェース部材で連動させることで、省スペース、部品点数削減によるコストダウンを達成することができる。
【0076】
また、本実施例ではインタフェース部材220を直動とし、定着入口シャッタ機構をスライド面を用いたカム機構とした。しかし、一つのインタフェース部材を介した連動機構については、本実施例で示した構成に限定されるものではない。
【0077】
また、本実施例ではインタフェース部材220に遮光部223を設けたが、シャッタリンク部材142や定着入口シャッタ140に遮光部を設けても良い。
【符号の説明】
【0078】
9…定着装置、62…電子写真感光体ドラム、102…カートリッジ側突出部、120…インタフェース部材、123…係合溝、124…スライド面、130…カートリッジ有無検知レバー、131…センサリンク部材、132…遮光部、133…フォトインタラプタ(検出部)、134…係合ボス、135…レバー側当接部、136…センサリンク側当接部、140…定着入口シャッタ、141…定着入口部、142…シャッタリンク部材、143…スライド面当接部、144…シャッタ押上げ部、145…シャッタ側当接部、146…シャッタ回転中心、150…紙幅検知レバー、151…突き当て部、152…紙幅検知レバー側当接部、153…紙幅検知部