(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-27
(45)【発行日】2024-10-07
(54)【発明の名称】一体成形された3D要素
(51)【国際特許分類】
A43B 13/42 20060101AFI20240930BHJP
A43B 5/06 20220101ALI20240930BHJP
B29D 35/02 20100101ALI20240930BHJP
【FI】
A43B13/42
A43B5/06
B29D35/02
(21)【出願番号】P 2020109615
(22)【出願日】2020-06-25
(62)【分割の表示】P 2015159302の分割
【原出願日】2015-08-12
【審査請求日】2020-07-20
【審判番号】
【審判請求日】2022-10-21
(31)【優先権主張番号】10 2014 216 115.0
(32)【優先日】2014-08-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】510204998
【氏名又は名称】アディダス アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100114409
【氏名又は名称】古橋 伸茂
(74)【代理人】
【識別番号】100147762
【氏名又は名称】藤 拓也
(72)【発明者】
【氏名】スチュアート デイビッド ラインハルト
(72)【発明者】
【氏名】ポール レオナルド マイケル スミス
(72)【発明者】
【氏名】ジェームズ タリアー
(72)【発明者】
【氏名】ロベルト ライマー
(72)【発明者】
【氏名】トゥル フー ミン レ
(72)【発明者】
【氏名】アンガス ワードロー
(72)【発明者】
【氏名】ウォーレン フリーマン
(72)【発明者】
【氏名】ハイコ シュラルプ
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー エドワード ホームズ
(72)【発明者】
【氏名】ジョン ホワイトマン
(72)【発明者】
【氏名】サブリナ カーリング
【合議体】
【審判長】窪田 治彦
【審判官】長馬 望
【審判官】関口 哲生
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-516755(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0034328(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0122472(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2003/0131501(US,A1)
【文献】特表2005-511180(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A43B 13/42
A43B 5/06
B29D 35/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サポート要素を備えるシューズソール
であって、前記サポート要素
は、
前記シューズソールの内部に埋め込まれる第1の部分部材と、
前記シューズソールの内部に埋め込まれる第2の部分部材とを備え、
接続領域において、前記第2の部分部材が前記第1の部分部材と回転可能および/または摺動可能に接続され、
前記第1の部分部材及び複数の第2の部分部材は、骨格状構造を有する前記サポート要素を形成し、前記第1の部分部材は中央要素として機能し、または、前記第2の部分部材及び複数の第1の部分部材は、骨格状構造を有する前記サポート要素を形成し、前記第2の部分部材は中央要素として機能し、および、
複数の前記第1の部分部材及び複数の前記第2の部分部材は、複数の接続領域において、前記
シューズソールの踵部から足の先端に向かう方向に延びる軸に沿って互いに回転可能および/または摺動可能に接続され、チェーン状、骨格状、またはメッシュ状の構造を備えるサポート要素を形成する、
シューズソール。
【請求項2】
前記第1の部分部材は第1のプラスチック材料を備え、前記第2の部分部材は第2のプラスチック材料を備え、前記接続領域が前記2つの材料間の化学的結合を含まないように前記第1及び第2のプラスチック材料が選択される、請求項1に記載の
シューズソール。
【請求項3】
前記第1のプラスチック材料と前記第2のプラスチック材料が化学的に不相溶性である、請求項2に記載の
シューズソール。
【請求項4】
前記第1のプラスチック材料が、前記第2のプラスチック材料の第2の溶融温度よりも高い第1の溶融温度を有する、請求項2または3に記載の
シューズソール。
【請求項5】
前記第1のプラスチック材料と前記第2のプラスチック材料が、前記第1および/または第2のプラスチック材料の一方または両方に含まれる添加剤により化学的結合を形成しない、請求項2から4のいずれか一項に記載の
シューズソール。
【請求項6】
前記第1のプラスチック材料が、ポリアミド;ポリテトラフルオロエチレンの1つまたは複数の材料を含む、請求項2から5のいずれか一項に記載の
シューズソール。
【請求項7】
前記第2のプラスチック材料が、ポリアミド;ポリオキシメチレン;ポリテトラフルオロエチレンの1つまたは複数の材料を含む、請求項2から6のいずれか一項に記載の
シューズソール。
【請求項8】
前記サポート要素が、少なくとも1つのロック方向を備え、前記ロック方向で、前記第2の部分部材に対する前記第1の部分部材の並進が、別の方向よりも強く制限される、請求項1から7のいずれか一項に記載の
シューズソール。
【請求項9】
前記サポート要素が、少なくとも1つのロック軸を備え、前記ロック軸の周りで、前記第1の部分部材の回転が、前記サポート要素の対称軸の周りでの回転よりも強く制限される、請求項1から8のいずれか一項に記載の
シューズソール。
【請求項10】
前記接続領域が玉継手として提供される、請求項1から9のいずれか一項に記載の
シューズソール。
【請求項11】
前記接続領域がピストンとシリンダを備え、前記シリンダは第1の部分部材であり、前記ピストンは第2の部分部材であり、前記シリンダ内に前記ピストンが配置される、請求項1から9のいずれか一項に記載の
シューズソール。
【請求項12】
前記接続領域が、前記第2の部分部材に対する前記第1の部分部材の移動がポンピング作用を生み出すように提供される、請求項1から11のいずれか一項に記載の
シューズソール。
【請求項13】
前記サポート要素が、シューズソールを用いた歩行によって前記移動を生み出すことができるように提供される、請求項12に記載の
シューズソール。
【請求項14】
前記第1の部分部材が第1の平坦部材として提供され、および/または前記第2の部分部材が第2の平坦部材として提供される、請求項1から13のいずれか一項に記載の
シューズソール。
【請求項15】
前記第1の平坦部材と前記第2の平坦部材が互いに対して摺動可能に提供される、請求項14に記載の
シューズソール。
【請求項16】
前記第1の部分部材および/または前記第2の部分部材が、ロッド形状のセクションを備え、前記セクションが、前記接続領域内に延びる、請求項1から13のいずれか一項に記載の
シューズソール。
【請求項17】
前記第1の部分部材および複数の第2の部分部材は、骨格状構造を有するサポート要素を形成し、前記第1の部分部材および前記複数の第2の部分部材は、ロッド形状を少なくも部分的に与えられる、請求項1に記載の
シューズソール。
【請求項18】
前記中央要素は剛性または可撓性である、請求項1から17のいずれか一項に記載の
シューズソール。
【請求項19】
前記サポート要素は、ミッドソール内部の連節要素を有する内部骨格要素として提供され、前記連節要素は、関節で繋がれた複数の要素から成り、前記複数の第1の部分部材および/または前記複数の第2の部分部材である、請求項1から18のいずれか一項に記載の
シューズソール。
【請求項20】
前記サポート要素は、前記サポート要素の前記連節要素の端部に配置された、ミッドソール材料のブロックを備える、請求項19に記載の
シューズソール。
【請求項21】
請求項
1から20のいずれか一項に記載のシューズソールを備えるシューズ。
【請求項22】
請求項1から20のいずれか一項に記載の
シューズソールを製造するための方法であって、前記第1の部分部材と前記第2の部分部材が、射出成形によって、2つの接続領域において、回転可能および/または摺動可能に接続される、製造方法。
【請求項23】
前記第2の部分部材が、前記第1の部分部材が配置されたモールド内で、前記射出成形によって前記接続領域において前記第1の部分部材と回転可能および/または摺動可能に、製造され、同時に接続される、請求項
22に記載の方法。
【請求項24】
射出成形によって前記第1の部分部材も製造される、請求項
23に記載の方法。
【請求項25】
前記第1の部分部材が、前記第2の部分部材が配置されたモールド内で射出成形によって前記接続領域において前記第2の部分部材と回転可能および/または摺動可能に、製造され、同時に接続される、請求項
22に記載の方法。
【請求項26】
前記第2の部分部材も射出成形によって製造される、請求項
25に記載の方法。
【請求項27】
前記第1の部分部材と前記第2の部分部材とが、前記射出成形によって単一の製造ステップで前記接続領域において互いに回転可能および/または摺動可能に、製造され、同時に接続される、請求項
22に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シューズ、特にスポーツシューズのソール用のサポート要素、そのようなサポート要素を備えるソールおよびシューズ、ならびにサポート要素を製造するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
シューズソールの設計は、多くの異なる特性をシューズに提供することを可能にし、これらの特性は、シューズの種類に応じて様々な程度で目立つものとされ得る。主に、シューズソールは、保護機能を果たす。シューズソールは、シューズシャフトに比べて高いそれらの硬度によって、例えば着用者が踏みつけることがある尖った物体によって引き起こされる怪我から足を保護する。さらに、シューズソールは通常、高められた耐耗性によって、過剰な摩耗からシューズを保護する。また、シューズソールは、各地面でのシューズのグリップ性を高めることもある。シューズソールのさらなる機能は、移動の過程に特定の安定性を提供することであり得る。さらに、シューズソールは、地面とのシューズの接触中に生じる力を緩衝するための減衰作用を提供することができる。最後に、シューズソールは、汚れや撥ねた水から足を保護することもでき、または複数のさらなる機能を提供することもできる。
【0003】
上述した例示的な機能から生じるこの複数の要件を満たすために、シューズソールの製造のための様々な多くの材料が従来技術から知られている。これらの様々な材料の例として、エチレン-ビニル-アセテート(EVA)、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、ゴム、ポリプロピレン(PP)、またはポリスチレン(PS)がここで挙げられる。さらに、発泡材、特に発泡熱可塑性ポリウレタン(eTPU)または発泡ポリエーテル-ブロック-アミド(ePEBA)の使用が、シューズソールの製造に関して考えられた。発泡TPUと発泡PEBAは、軽量および良好な弾性および減衰特性によって特徴付けられる。
【0004】
例えば、国際公開第2005/066250 A1号は、発泡熱可塑性ポリウレタンから作製されたソールであって、追加の結合剤なしでシューズシャフトと接続することができるソールを述べている。ドイツ特許出願公開第10 2012 206 094 A1号および欧州特許出願公開第2 649 896 A2号は、eTPUから作製された粒子を含むソールを備えるシューズおよびそれらの製造方法を開示している。
【0005】
ソールの特性に選択的に影響を及ぼすために、例えば補強要素またはサポート要素としての追加の機能要素の使用が従来技術から知られている。そのような補強またはサポート要素は、例えば中足部の中央領域など、選択された領域内でのソールの安定性を高めることができ、例えばランニング中または凹凸地形において、または過回内時に、筋骨格系を弛緩させる働きをすることができる。
【0006】
しかし、従来技術による補強およびサポート要素の欠点は、それらが典型的には単一のベース材料から一体成形または形成されることである。したがって、補強要素の可撓性および変形特性は、補強要素全体にわたって、ベース材料の選択によって大部分は既に決定される。また、そのような補強要素によって行うことができる可能な機能の数が制限される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】国際公開第2005/066250 A1号
【文献】ドイツ特許出願公開第10 2012 206 094 A1号
【文献】欧州特許出願公開第2 649 896 A2号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、本発明の根底にある問題は、ソールの特性に影響を及ぼす可能性をさらに高める、シューズのソール用のサポート要素およびそれらの製造方法を提供することである。ここで、製造は、できるだけ少数の個別の製造ステップ、およびできるだけ低い製造費で行われるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様によれば、この問題は、シューズソール用または緩衝要素用のサポート要素であって、第1の部分部材と第2の部分部材とを備え、射出成形プロセスによって、接続領域において、第2の部分部材が第1の部分部材と回転可能および/または摺動可能に接続される、サポート要素によって少なくとも一部解決される。
【0010】
サポート要素は、例えば、望みに応じてソールの弾性、可撓性、および変形特性に局所的に影響を及ぼすことを可能にすることがある。第1の部分部材と第2の部分部材との回転可能および/または摺動可能な接続により、サポート要素の使用によってソールの特性に影響を及ぼすことができる可能性は、一体成形されたサポート要素に比べて大幅に高めることができる。例えば、ソールの様々な領域で、ソールのねじり剛性とは無関係にソールの可撓性に影響を及ぼすことが可能である。回転可能および/または摺動可能な接続は、特に、ソールのより高い可動性が維持されるべきソールの領域内に配置することができる。回転可能および/または摺動可能な接続は、例えば前足部領域内に配置することができ、前足部領域では、つま先にわたる足の回動を損なわないように、ソールがその長手方向に沿って十分な可撓性を備えるべきである。着用者の怪我を防止するために、中足部領域内またはつま先領域内でソールが比較的剛性に提供されることが有利となり得る。したがって、本発明によるサポート要素は、ソールの可撓性部分によって互いに引き離されることがある比較的剛性であり安定なソールの領域を提供することを可能にすることができる。2つの部分部材の回転可能および/または摺動可能な接続を有さない一体形成されたサポート要素では、これは、不可能ではないにせよ実現が難しいことがある。
【0011】
以下では、本発明によるサポート要素のさらなる設計可能性および任意選択の特徴を述べる。それらは、ソールの特性に対する影響に関してそれぞれの望ましい効果を実現するために、望みに応じて当業者が組み合わせることができる。
【0012】
第1の部分部材が、第1のプラスチック材料を備えることがあり、第2の部分部材が、第2のプラスチック材料を備えることがあり、接続領域が上記2つの材料間の化学的結合を含まないように上記2つのプラスチック材料が選択される。
【0013】
第1および第2のサポート要素のそのような選択によって、単一の射出成形プロセスで、第1の部分部材と第2の部分部材が回転可能および/または摺動可能な接続を有するようにサポート要素を製造することができ、このために、例えば、第1の部分部材と第2の部分部材とのその後の結合、スナップ嵌めなどでの留め、または別の種類の組立てなど、後続の方法ステップは必要ない。これは、回転可能および/または摺動可能な接続の耐久性を大幅に高め、製造を簡略化することができる。また、これは、スナップ嵌め部片で必要とされ得る典型的な公差を考慮する必要をなくすことができることを意味することもある。これは、より一貫した部片および「完全なフィットと機能」をもたらすことができる。
【0014】
ここで、第1のプラスチック材料と第2のプラスチック材料は、化学的に不相溶性でよい。これは、以下では「オプションI」と呼ぶ。
【0015】
そのような不相溶性のプラスチック材料の使用により、2つのプラスチック材料の接着、融合、または別の種類の化学的結合の発生をなくすために製造中に追加の手段を取る必要はない。例えば、第1のプラスチック材料はポリアミドを含み、またはポリアミドからなり、第2のプラスチック材料はポリオキシメチレン(POM)を含む、またはポリオキシメチレン(POM)からなること(またはその逆)が可能である。POMは、ポリアミドの上にオーバーモールドされることがあり、2つの材料の化学的不相溶性により、接続領域内に化学的結合は生じない。
【0016】
第1のプラスチック材料が、第2のプラスチック材料の第2の溶融温度よりもかなり高い第1の溶融温度を有すること(またはその逆)も可能である。これは、以下では「オプションII」と呼ぶ。
【0017】
次いで、第1のプラスチック材料が、第1の溶融温度よりも低い温度で第2のプラスチック材料とオーバーモールドされる。このようにすると、第2の材料とのオーバーモールド中に第1の材料が溶融しないので、接続領域で化学的結合は生成されない。例えば、第1のプラスチック材料が、約260℃の溶融温度を有するポリアミド6.6(PA6.6)を含み、またはポリアミド6.6(PA6.6)からなり、これを、約180℃の溶融温度を有するポリアミド12(PA12)を含む、またはポリアミド12(PA12)からなる第2のプラスチック材料とオーバーモールドさせることが可能である(またはその逆も可能である)。ここで、オーバーモールドは、260℃未満の温度で、しかし好ましくは180℃よりも高い温度で行われる。
【0018】
さらに、第1のプラスチック材料と第2のプラスチック材料が、第1および/または第2のプラスチック材料の一方または両方に含有される添加剤により、接続領域において化学的結合を形成しないようにすることも可能である。これは、以下では「オプションIII」と呼ぶ。
【0019】
これは、第1の部分部材と第2の部分部材の回転可能および/または摺動可能な接続の形成を依然として保証しながら、それぞれ第1または第2のプラスチック材料として使用することができる材料の範囲を広げることを可能にすることがある。第1のプラスチック材料は、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)で変性されたポリアミドなど、潤滑剤で変性されたポリアミドを含むことがあり、第2のプラスチック材料は、修飾されていないポリアミドを含む、または修飾されていないポリアミドからなることがある(またはその逆)。次いで、第2のプラスチック材料を、例えば第1のプラスチック材料の上にオーバーモールドすることができ、第1のプラスチック材料中の添加された潤滑剤により、化学的結合が接続領域で生じない。
【0020】
オプションI、II、およびIIIは、本発明によるサポート要素の所与の実施形態において互いに組み合わせることもできることにここで言及しておく。
【0021】
第1のプラスチック材料は、例えば以下の材料の1つまたは複数を含むことができる:ポリアミド(PA)、特にポリアミド-6.6(PA6.6)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)。
【0022】
第2のプラスチック材料は、例えば以下の材料の1つまたは複数を含むことができる:ポリアミド(PA)、特にポリアミド-12(PA12)、ポリオキシメチレン(POM)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)。
【0023】
これらの材料は、容易に処理され、安価であり、それらの可撓性および弾性特性に関してそのようなサポート要素の典型的な要件を満たすことができるので、サポート要素の製造に良く適している。ここで、第1のプラスチック材料および第2のプラスチック材料の選択は、上述したように射出成形中に接続領域において第1のプラスチック材料と第2のプラスチック材料の化学的結合が形成されないように行うことができる。
【0024】
さらに、シューズ用の緩衝要素またはソール、特にミッドソールまたはミッドソールの一部で使用されるとき(以下参照)、そのようなサポート要素は、緩衝要素またはソール内にロックされることなく、複雑な構造を有することができる。緩衝要素またはソールの材料と接触するサポート要素の材料は、緩衝要素またはソールの材料と不相溶性にすることができ、したがって、サポート要素は、緩衝要素またはソールによって取り囲まれる、または一部取り囲まれるが、緩衝要素またはソールに付着または結合はしない。特に、化学的結合が形成されない。これは、例えば、緩衝要素またはソールの材料と共にサポート要素が移動できるようにするのに有益であり得る。したがって、サポート要素と緩衝要素またはソールとの相互作用を最適化することができる。サポート要素は、緩衝要素またはソールの伸張、ひねり、および圧縮移動に応じることができる。したがって、サポート要素は、緩衝要素またはソールの移動を制御および最適化することができる。
【0025】
いくつかの実施形態では、緩衝要素は、ソールの内部でその位置を変えることができる。例えば、緩衝要素を備えるソールの特性を変えるために、緩衝要素をその水平または垂直方向で側方に移動させることができ、またはひっくり返すこともできる。
【0026】
また、サポート要素は、緩衝要素またはソールの内部に埋め込まれることもあり、緩衝要素またはソールの一面に面する調節デバイスを有することもある。したがって、要素は、着用者によって個別に調節することができる。
【0027】
これに関して、特に、粒子発泡材(以下参照)からなる緩衝要素およびソールは、そのような埋込型のサポート要素に関する別の利益を提供する。サポート要素は、サポート要素を少なくとも一部取り囲む緩衝要素またはソールを作製するためのモールド内に配置することができる(以下も参照)。このプロセスで使用される粒子は、固体発泡性粒子としてモールド内に挿入することができる。次いで、粒子発泡材、したがって緩衝要素またはソールを作製するために、粒子の表面のみを溶融することができる。したがって、製造中にモールド内部に液体材料は存在しない。液体材料は、サポート要素内に流れ、例えばサポート材料の位置をロックする、または可動接続部などを制止することによって、特定の位置での移動を阻止もしくは制限する虞がある。したがって、非常に複雑な構造を有するサポート要素を埋め込むことが可能である。
【0028】
さらに、サポート要素が、少なくとも1つのロック方向を備え、ロック方向で、第2の部分部材に対する第1の部分部材の並進が、別の方向よりも強く制限されることが想定可能である。この他方の方向は、以下では自由方向と呼ぶ。
【0029】
このようにすると、例えば、ロック方向での材料の圧縮、材料の伸び、またはせん断移動が自由方向に比べて減少され、したがってソールが自由方向よりもロック方向でより剛性になる、またはより安定するように、ソールの特性に影響を及ぼすことが可能である。ここで、この自由方向は、例えばロック方向に垂直でよく、またはロック方向に対して傾いていてもよい。特に、ロック方向での並進の下でのせん断性または圧縮性は、最初は第1のより小さな値を有し、特定のしきい値を超える並進に関してのみ第2のより大きな値を有することが想定可能である。このようにすると、例えば足の過剰な不安定性によって引き起こされる怪我を避けるために、ソールの過剰なせん断を回避または制限することができる。
【0030】
サポート要素が、少なくとも1つのロック軸を備え、ロック軸の周りで、第1の部分部材の回転が、別の軸の周りでの回転よりも強く制限されることも可能である。この他方の軸は、以下では自由軸と呼ぶ。
【0031】
これは、ロック軸の周りでのソールのねじり剛性が、自由軸の周りでのねじり剛性よりも大きいという効果を有することがある。ここでも、ロック軸の周りでのひねりに関して、ねじり剛性は、最初は第1のより小さな値を有し、特定のしきい値を超えるひねりに関してのみ第2のより大きな値を有することが可能である。このようにして、ロック軸の周りでのソールの余剰なひねりを回避または制限することができる。そのようなひねりは、怪我をもたらす虞がある。
【0032】
この場合にも、自由軸は、例えばロック軸に垂直でよく、またはロック軸に対して傾いていてもよい。特に、ロック軸は、ソールの踵部から足の先端に向かう方向に向けることができ、それにより、この長手方向軸に関するソールのねじり剛性は、ソールの中央側から側方側への自由並進軸に関するソールのねじり剛性よりも高い。あるいは、逆の状況もありえ、すなわち、ロック軸が中央側-側方側の方向に延びる。
【0033】
自由(並進)軸は、特に、つま先関節の下方で、ソールの中央側からソールの側方側に延びることがあり、一方、ロック軸は、踵から足の先端に向かって延びる。これは、つま先関節の領域で足の自然な回動を可能にするのに十分に高い可撓性を有し、それと同時に、着用者の足首のひねりまたは足の曲がりを防止するために長手方向軸の周りで十分に高いねじり剛性を有するソールを提供することを可能にすることができる。
【0034】
これに関して、例えば、ヒンジ状に提供されるサポート要素であって、その自由ヒンジ軸がつま先関節の下方で中央側から側方側に延びるサポート要素も想定可能であり得る。このヒンジ軸の周りで、ヒンジの回転運動が容易に可能であり、すなわち、ソールは、足の回動を容易にする。別の軸の周り、例えばヒンジ軸に垂直に配置されたロック軸の周り(例えばソールの長手方向軸の周り)でのヒンジの第1および第2の翼の回転は、実質的に可能でない。
【0035】
接続領域は、例えば玉継手として提供することができる。
【0036】
玉継手は、大きな可動性、特に第1の部分部材と第2の部分部材との間の回転移動を可能にする接続領域を提供することを可能にする。したがって、そのような玉継手は、ソールが「可動」である領域内で採用されることがある。しかし、ロック軸と組み合わせて、玉継手として提供された接続領域を用いて、例えば異なる軸の周りでのソールのねじり剛性をそれぞれ独立して制御する、またはねじり剛性に影響を及ぼすことも可能である。
【0037】
また、接続領域は、ピストンとシリンダを備えることもあり、シリンダ内にピストンが配置される。
【0038】
このようにして提供された接続領域は、例えば、そのようなサポート要素を備えるソールの湾曲性をピストンおよびシリンダ軸に沿って減少させることができるという効果を有することがあり、すなわち、ソールがこの軸に沿ってより剛性になり、一方、この軸の周りでのねじれ剛性は実質的に影響を及ぼされない。そのようなシリンダ構成はまた、最初は、ピストンがシリンダの縁部に当たる状況が生じるまでは、シリンダ軸に沿ったソール材料のせん断または圧縮移動に影響が及ぼされないようにすることもできる。
【0039】
さらに、第2の部分部材に対する第1の部分部材の移動がポンピング作用を生み出すように接続領域が提供されることも想定可能である。ここで、サポート要素は、第2の部分部材に対する第1の部分部材の移動がシューズソールによる歩行によって生成されるように提供することができる。
【0040】
そのようなポンピング作用は、特にこの作用がシューズソールによる歩行によって生み出される場合に、シューズの内部に空気を送る、またはシューズから空気を抜き出すために採用することができ、したがって、シューズの内部、ひいては足の通気性を高めることができる。これは、特にシューズをより長時間履いているときの履き心地を高めることができる。しかし、ポンピング作用によって、ソールの内部の異なる領域間で液体が移動されることも可能である。この作用は、例えば、ソールの第1の領域内の第1の液体嚢からソールの別の領域内の第2の液体嚢に液体を輸送する働きをすることができる。
【0041】
サポート要素は、そのようなポンピング作用を能動的に行うために提供されるのではなく、基本的には、そのような液体または空気の流れを調整するために弁として作用するように提供されることもある。
【0042】
また、第1の部分部材および/または第2の部分部材が平坦な部材として提供されることも可能である。
【0043】
ヒンジ状に提供されるサポート要素、およびそのようなサポート要素を使用するための可能性は、既に示した。一般に、平坦部材として提供される部分部材は、ソールの特性、特に(大きな)平坦領域でのその湾曲性/可撓性に影響を及ぼすことを可能にし、これらの平坦領域にわたって比較的一定であり得る特性を有するソールを得ることができるようにする。例えば、好ましい履き心地を実現するために、ソールの可撓性および弾性特性が、つま先の領域、中足部領域、または踵領域内で均一に影響を及ぼされることが望ましいことがある。また、そのような平坦状に提供される部分部材は、例えば前足部または踵の下方で貫入防護として作用することもあり、足の着地または踏み切り中に尖った物体などによって引き起こされる怪我を防止し、安全な履き心地を容易にする。
【0044】
ここでは、第1の平坦部材と第2の平坦部材が互いに対して摺動可能に提供されることがある。
【0045】
特に、第1の平坦部材と第2の平坦部材がそれらの平坦面で互いに面することが可能であり、また、ゲルまたは液体などの材料で充填されることがあるいくらかの隙間が第1の平坦部材と第2の平坦部材の間に存在すること、および平坦部材を平坦面に沿って互いに対して摺動させることができることも可能である。例えばドイツ特許第102 44 433 B4号およびドイツ特許第102 44 435 B4号に述べられているように、そのような構成は、例えば、着地時に着用者の筋骨格系に作用するせん断力を緩和するために踵領域で使用することができる。
【0046】
また、第1の部分部材および/または第2の部分部材は、ロッド形状のセクション(section)を備えることもあり、ロッド形状のセクションは、接続領域内に延びる。
【0047】
そのようなロッド形状のセクションは、ソールの比較的小さい体積を占め、したがって、ソールの減衰特性および減衰機能に顕著には影響を及ぼさないという利点を有することがある。これはまた、異なる様式で提供される部分部材に比べて軽量化を意味することもある。それと同時に、ロッド形状のセクションは、例えば、ロッド形状のセクションの軸に沿ったソールの曲げ剛性を高める働きをすることができる。
【0048】
さらに、射出成形プロセスによって複数の接続領域において第1の部分部材が複数の第2の部分部材と回転可能および/または摺動可能に接続されることも可能である。
【0049】
ここで、第1の部分部材は、中央部分部材として作用することがあり、これは、例えばソールの中央側に配置されて、中足部領域、特に足の土踏まずの領域に望ましい安定性を提供する。第1の部分部材と回転可能および/または摺動可能に接続された第2の部分部材は、例えば、この中央の第1の部分部材から、ソールの縁部、足の先端、またはかかとの方向に延在して、望みに応じてこれらの領域内でのソールの安定性および弾性特性に影響を及ぼす。
【0050】
特に、第1の部分部材と複数の第2の部分部材とが、ソール内部で骨格状の構造を形成することが可能であり、これは、ソールの全体または少なくとも大部分でソールの特性に影響を及ぼすことを可能にする。第1の部分部材と複数の第2の部分部材とがさらに(少なくとも一部)ロッド形状で提供される場合、ソールの重量または減衰特性を大きく損なうことなくこれを行うことができる。
【0051】
射出成形プロセスによって複数の接続領域において第2の部分部材が複数の第1の部分部材と回転可能および/または摺動可能に接続される逆の状況も想定可能である。
【0052】
特に、複数の第1の部分部材と複数の第2の部分部材とが、複数の接続領域において、回転可能および/または摺動可能に互いに交互に接続されることも想定可能である。
【0053】
したがって、チェーン状、骨格状、またはメッシュ状の構造を備えるサポート要素を提供することが可能であり、したがって、ソールの特定の部分で選択的に、またはソール領域全体にわたって、いくつかの方法でソールの特性に影響を及ぼすことが可能である。
【0054】
本発明の別の態様は、本発明によるサポート要素を備える緩衝要素、特にミッドソールまたはミッドソールの一部に関する。ここで、緩衝要素は、発泡材、特に発泡熱可塑性ポリウレタン(eTPU)および/または発泡ポリエーテル-ブロック-アミド(ePEBA)のランダム配向粒子を含むことがある。ランダム配向粒子は、例えば、モールド内部で粒子に熱、蒸気、および/または圧力処理を加えることによって、それらの表面で融合させることができる。
【0055】
本発明のさらなる態様は、本発明によるサポート要素を備えるソール、およびそのようなソールまたは緩衝要素を備えるシューズ、特にランニングシューズに関する。
【0056】
本発明によるソールは、例えば、上述したサポート要素を備える緩衝要素、特にミッドソールを備える、またはそれによって形成されることがある。しかし、サポート要素は、そのような緩衝要素を備えないソールの一部でもよい。
【0057】
分かりやすくするために、以下ではシューズソールに常に言及する。しかし、適用可能であれば、個々の緩衝要素の場合も常に含意される。
【0058】
そのようなソールまたはシューズに関して、本発明によるサポート要素の論じられる設計可能性および任意選択の特徴を本発明の範囲内で任意の順序で組み合わせることが可能であり、また、それぞれのシューズまたはそれぞれのソールに関してなくすことができると思われる場合には特定の態様を除外することもできる。
【0059】
さらに、本発明によるソールまたは本発明によるシューズの実施形態が、さらなる要素、特に3次元に形成された要素を、本発明によるサポート要素に加えて備えることができることに明示的に言及しておく。そのような要素は、例えば、以下のようなものである:安定化要素、サポート要素、特に、側方サイドカット移動中に足にバンキングサポートを提供する要素、呼吸性を改良するための要素、地面でのソール/シューズのグリップ性を改良するための要素、さらなる緩衝または減衰要素、装飾目的の要素、例えばLED、シューズ上部とソールとの接続を容易にする要素、ソール材料の剛性、せん断運動、および変形を制御する要素、流体もしくは気体嚢またはそれらのシステム、ばね状の効果をソールに提供する要素、または従来技術から知られている任意のさらなるソール要素。
【0060】
さらに、本発明のさらなる態様は、第1および第2の部分部材を有するシューズソール用のサポート要素(または緩衝要素、上記参照)を製造するための方法に関し、ここで、第1の部分部材と第2の部分部材は、射出成形によって、接続領域において互いに回転可能および/または摺動可能に接続される。
【0061】
既述のように、これに関して、射出成形中に接続領域において回転可能および/または摺動可能な接続が形成されると特に有利である。したがって、さらなる処理ステップで、例えばスナップ留めもしくはクリップ留めまたは他の組立て手段によって第1の部分部材と第2の部分部材を一体に機械的に接合する必要はない。このようにして、特に長持ちで耐久性があり、材料疲労をほとんど示さない回転可能および/または摺動可能な接続を実現することができ、また、スナップ嵌め部片に関して考慮しなければならない通常の公差を減少する、または完全になくすことができる。
【0062】
特に、本明細書で述べる本発明による方法に関して、オプションI、II、およびIIIとして上述したように、それぞれ第1および第2の部分部材を製造するための材料を選択することができ、方法を適合させることができる。
【0063】
例えば、この方法において、第2の部分部材が、第1の部分部材が配置されたモールド内で、射出成形によって接続領域において第1の部分部材と回転可能および/または摺動可能に、製造され、同時に接続されることがある。ここで、第1の部分部材はまた、射出成形によって、好ましくは同じモールドの内部で、場合によってはモールドの異なる位置で製造することもできる。例えば、オプションIIに従って材料が選択される場合、それぞれ第1および第2の部分部材を製造するための成形温度は適切に調節することができる。
【0064】
例えば、第2の部分部材は、接続領域において第1の部分部材の周りに、または第1の部分部材の中に成形されることがあり、それにより、アンダーカットなどを備える接続領域を製造することができる。第2の部分部材が、接続領域における接続の形成と同時に製造されるので、サポート要素の耐久性および抵抗性をさらに改良することができる。これは、例えばオプションIIに従って材料が選択される場合にはより高い温度で射出成形によって第1の部分部材も作成される場合に、特に当てはまることがある。
【0065】
第1の部分部材が、第2の部分部材が配置されているモールド内で射出成形プロセスによって接続領域において第2の部分部材と回転可能および/または摺動可能に、製造され、同時に接続される逆の場合も可能である。ここで、第2の部分部材はまた、射出成形によって、好ましくは同じモールドの内部で、しかし場合によってはモールドの異なる位置で製造することもできる。
【0066】
さらに、第1の部分部材と第2の部分部材とが、射出成形によって単一の製造ステップで接続領域において互いに回転可能および/または摺動可能に、製造され、同時に接続されることが可能である。これは、特に、材料がオプションIおよび/またはオプションIIIに従って選択される場合に当てはまることがある。
【0067】
したがって、オプションI、II、および/またはIIIに従った不相溶性のプラスチック材料の使用によって、本発明による方法は、1つまたは複数の可動接続領域を有する特に耐久性および抵抗性の高いサポート要素を、特に容易に、非常に少ない製造労力で提供することを可能にすることができる。
【0068】
本発明の現在好ましい実施形態を、以下の図面を参照しながら以下の詳細な説明で述べる。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【
図1a】本発明によるサポート要素の実施形態を示す図である。
【
図1b】本発明によるサポート要素の実施形態を示す図である。
【
図2a】
図1a~bに示される本発明によるサポート要素を有する本発明によるソールの実施形態を示す図である。
【
図2b】
図1a~bに示される本発明によるサポート要素を有する本発明によるソールの実施形態を示す図である。
【
図2c】
図1a~bに示される本発明によるサポート要素を有する本発明によるソールの実施形態を示す図である。
【
図2d】
図1a~bに示される本発明によるサポート要素を有する本発明によるソールの実施形態を示す図である。
【
図2e】
図1a~bに示される本発明によるサポート要素を有する本発明によるソールの実施形態を示す図である。
【
図2f】
図1a~bに示される本発明によるサポート要素を有する本発明によるソールの実施形態を示す図である。
【
図2g】
図1a~bに示される本発明によるサポート要素を有する本発明によるソールの実施形態を示す図である。
【
図3】本発明によるサポート要素の実施形態を示す図である。
【
図4a】ヒンジ状に提供される本発明によるサポート要素の実施形態を示す図である。
【
図4b】ヒンジ状に提供される本発明によるサポート要素の実施形態を示す図である。
【
図4c】ヒンジ状に提供される本発明によるサポート要素の実施形態を示す図である。
【
図5a】そのようなヒンジ状のサポート要素を備える本発明によるソールの実施形態を示す図である。
【
図5b】そのようなヒンジ状のサポート要素を備える本発明によるソールの実施形態を示す図である。
【
図6a】本発明によるサポート要素の実施形態を示す図である。
【
図6b】本発明によるサポート要素の実施形態を示す図である。
【
図6c】本発明によるサポート要素の実施形態を示す図である。
【
図7a】ピストンとシリンダを備える本発明によるサポート要素の実施形態を示す図である。
【
図7b】ピストンとシリンダを備える本発明によるサポート要素の実施形態を示す図である。
【
図7c】ピストンとシリンダを備える本発明によるサポート要素の実施形態を示す図である。
【
図7d】ピストンとシリンダを備える本発明によるサポート要素の実施形態を示す図である。
【
図7e】ピストンとシリンダを備える本発明によるサポート要素の実施形態を示す図である。
【
図7f】ピストンとシリンダを備える本発明によるサポート要素の実施形態を示す図である。
【
図7g】ピストンとシリンダを備える本発明によるサポート要素の実施形態を示す図である。
【
図8a】
図7a~gに示される本発明によるサポート要素を備える本発明によるソールの実施形態を示す図である。
【
図8b】
図7a~gに示される本発明によるサポート要素を備える本発明によるソールの実施形態を示す図である。
【
図9a】玉継手を備える本発明によるサポート要素の実施形態を示す図である。
【
図9b】玉継手を備える本発明によるサポート要素の実施形態を示す図である。
【
図9c】玉継手を備える本発明によるサポート要素の実施形態を示す図である。
【
図10a】玉継手を備える本発明によるサポート要素のさらなる実施形態を示す図である。
【
図10b】玉継手を備える本発明によるサポート要素のさらなる実施形態を示す図である。
【
図11a】平坦な部分部材を備える本発明によるサポート要素の実施形態、およびそのようなサポート要素を備える本発明によるソールの実施形態を示す図である。
【
図11b】平坦な部分部材を備える本発明によるサポート要素の実施形態、およびそのようなサポート要素を備える本発明によるソールの実施形態を示す図である。
【
図12a】複数の第1および/または第2の部分部材を備える本発明によるサポート要素の実施形態を示す図である。
【
図12b】複数の第1および/または第2の部分部材を備える本発明によるサポート要素の実施形態を示す図である。
【
図13a】本発明による製造方法の実施形態を示す図である。
【
図13b】本発明による製造方法の実施形態を示す図である。
【
図13c】本発明による製造方法の実施形態を示す図である。
【
図14a】本発明による製造方法のさらなる実施形態を示す図である。
【
図14b】本発明による製造方法のさらなる実施形態を示す図である。
【
図15a】本発明によるサポート要素の可能な実施形態の概略図である。
【
図15b】本発明によるサポート要素の可能な実施形態の概略図である。
【
図15c】本発明によるサポート要素の可能な実施形態の概略図である。
【
図15d】本発明によるサポート要素の可能な実施形態の概略図である。
【
図15e】本発明によるサポート要素の可能な実施形態の概略図である。
【
図15f】本発明によるサポート要素の可能な実施形態の概略図である。
【
図15g】本発明によるサポート要素の可能な実施形態の概略図である。
【
図15h】本発明によるサポート要素の可能な実施形態の概略図である。
【
図15i】本発明によるサポート要素の可能な実施形態の概略図である。
【
図15j】本発明によるサポート要素の可能な実施形態の概略図である。
【
図15k】本発明によるサポート要素の可能な実施形態の概略図である。
【
図16a】本発明によるサポート要素の可能な実施形態のさらなる概略図である。
【
図16b】本発明によるサポート要素の可能な実施形態のさらなる概略図である。
【
図16c】本発明によるサポート要素の可能な実施形態のさらなる概略図である。
【
図16d】本発明によるサポート要素の可能な実施形態のさらなる概略図である。
【
図16e】本発明によるサポート要素の可能な実施形態のさらなる概略図である。
【
図16f】本発明によるサポート要素の可能な実施形態のさらなる概略図である。
【
図16g】本発明によるサポート要素の可能な実施形態のさらなる概略図である。
【
図16h】本発明によるサポート要素の可能な実施形態のさらなる概略図である。
【
図16i】本発明によるサポート要素の可能な実施形態のさらなる概略図である。
【
図16j】本発明によるサポート要素の可能な実施形態のさらなる概略図である。
【
図16k】本発明によるサポート要素の可能な実施形態のさらなる概略図である。
【
図16l】本発明によるサポート要素の可能な実施形態のさらなる概略図である。
【
図16m】本発明によるサポート要素の可能な実施形態のさらなる概略図である。
【
図16n】本発明によるサポート要素の可能な実施形態のさらなる概略図である。
【
図16o】本発明によるサポート要素の可能な実施形態のさらなる概略図である。
【
図16p】本発明によるサポート要素の可能な実施形態のさらなる概略図である。
【
図16q】本発明によるサポート要素の可能な実施形態のさらなる概略図である。
【
図17a】本発明によるサポート要素の可能な実施形態のさらなる概略図である。
【
図17b】本発明によるサポート要素の可能な実施形態のさらなる概略図である。
【
図17c】本発明によるサポート要素の可能な実施形態のさらなる概略図である。
【
図17d】本発明によるサポート要素の可能な実施形態のさらなる概略図である。
【
図17e】本発明によるサポート要素の可能な実施形態のさらなる概略図である。
【
図18a】本発明によるサポート要素の可能な実施形態のさらなる概略図である。
【
図18b】本発明によるサポート要素の可能な実施形態のさらなる概略図である。
【
図18c】本発明によるサポート要素の可能な実施形態のさらなる概略図である。
【
図18d】本発明によるサポート要素の可能な実施形態のさらなる概略図である。
【
図18e】本発明によるサポート要素の可能な実施形態のさらなる概略図である。
【
図18f】本発明によるサポート要素の可能な実施形態のさらなる概略図である。
【
図18g】本発明によるサポート要素の可能な実施形態のさらなる概略図である。
【
図18h】本発明によるサポート要素の可能な実施形態のさらなる概略図である。
【
図19a】骨格状のサポート要素のさらなる実施形態の概略図である。
【
図19b】骨格状のサポート要素のさらなる実施形態の概略図である。
【
図19c】骨格状のサポート要素のさらなる実施形態の概略図である。
【
図19d】骨格状のサポート要素のさらなる実施形態の概略図である。
【
図20a】シューズのレーシングシステムと共に使用するための本発明によるサポート要素の実施形態の概略図である。
【
図20b】シューズのレーシングシステムと共に使用するための本発明によるサポート要素の実施形態の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0070】
本発明の現在好ましい実施形態を、ランニングシューズのソール用のサポート要素を参照して以下の詳細な説明で述べる。しかし、本発明がこれらの実施形態に限定されないことを強調しておく。本発明は、有利には、他の種類のシューズ用のソール、特に、例えばスポーツシューズ、ハイキングシューズ、レジャーシューズ、ストリートシューズ、作業靴用のソールにも採用することができる。
【0071】
また、以下では、本発明の個別の実施形態のみをより詳細に述べることがあることにも言及しておく。しかし、当業者は、これらの特定の実施形態に関して述べる特徴および設計オプションを、本発明の範囲内で異なる形に修正または複合することもでき、なくすことができると思われる場合には個々の特徴を省くこともできることを理解されよう。冗長にならないように、前述の「発明の概要」における説明を特に参照されたい。それが、以下の詳細な説明にも当てはまる。
【0072】
図1a~bは、本発明によるサポート要素100の一実施形態を示す。サポート要素100は、第1の部分部材110と、2つの第2の部分部材120および125とを備える。第2の部分部材120は、射出成形プロセスで、接続領域130において、回転軸170の周りで回転可能に第1の部分部材110と接続される。また、他方の第2の部分部材125は、射出成形プロセスで、さらなる接続領域135において、回転軸170の周りで回転可能に第1の部分部材110と接続される。
【0073】
2つの第2の部分部材120と125はそれぞれ、2つの平坦化されたアームによって形成されたY形状を有する。
【0074】
図1aは、中立位置でのサポート要素100を示し、この中立位置では、2つの第2の部分部材120、125が一平面内に配置されている。他方、
図1bは、2つの第2の部分部材120と125が互いに対して回転されているサポート要素100の位置を示し、これは、第1の部分部材110への第2の部分部材120と125それぞれの回転可能な接続によって可能にされる。
図1a~bにおいて、特に2つの第2の部分部材120と125にある2つの切欠き180と185によって、2つの第2の部分部材120と125の異なる向きが想定可能であり、切欠き180と185は、
図1a~bでは見やすいように強調されている。
【0075】
第1の部分部材110と両方の第2の部分部材120および125とは、
図1aに示される中立位置でサポート要素100がスナップ固定するように提供することができ、それにより、例えば
図1bに示される位置に比べて、第2の部分部材120と125を第1の部分部材110に対して、したがってまた互いに対して回転させるために大きい力が必要となる。
【0076】
このサポート要素100では、第1の部分部材110に対する第2の部分部材120および125の並進は可能でない。したがって、サポート要素100は、例えば、軸170の周りでのねじり性能に悪影響を及ぼさずにソールの可撓性および湾曲性を制御する働きをすることができる。
【0077】
この場合には、第1の部分部材110は、使用したモールドの第1の位置で、潤滑剤を添加したポリアミド6.6から製造した。一方、第2の部分部材120および125は、より低温で、モールドの第2の位置で、ポリアミド12から製造した。回転モールドを使用したが、他の種類のモールドも可能である。
【0078】
原理的には、他の材料を使用することも可能であり、その際、第1の部分部材110は、第1のプラスチック材料を含むことがあり、第2の部分部材120および125は、第2のプラスチック材料を含むことがある。ここでは、接続領域130および135での射出成形中に2つの材料が化学的結合を生じないように2つのプラスチック材料を選択することが有利である。第1のプラスチック材料は、例えば以下の材料から選択することができる:ポリアミド(PA)、特にポリアミド-6.6(PA6.6)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)。
【0079】
第2のプラスチック材料は、例えば以下の材料から選択することができる:ポリアミド(PA)、特にポリアミド-12(PA12)、ポリオキシメチレン(POM)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)。
【0080】
一般に、サポート要素100の製造に、上述したオプションI、II、およびIIIの任意の組合せを使用することができる。
【0081】
図2a~gは、本発明によるソール200の一実施形態を示す。
図2aは、ソール200の上面を示し、
図2bは、ソール200の横方向側壁を示し、
図2cは、ソール200の底面を示す。
図2dは、曲げ荷重の下でのソール200を示す。
図2eおよび
図2fは、ソール200の上面拡大図を示し、ここで、
図2fは、
図2gに示されるソール200について、ソール200にねじり力が加えられた状態に対応する。
【0082】
ソール200は、ミッドソール250の形態での緩衝要素を備える。ミッドソール250は、発泡材、この場合には発泡熱可塑性ポリウレタン(eTPU)のランダム配向粒子を含み、粒子は、それらの表面で融合される。代替として、ミッドソール250はまた、表面で融合された発泡ポリエーテル-ブロック-アミド(ePEBA)のランダム配向粒子を含んでいてもよい。さらに、ソール200はアウトソール260を備え、アウトソール260は、この場合には格子状またはネット状に提供される。
【0083】
ミッドソール250は、さらにサポート要素100を備える。これは、
図1aおよび
図1bに示されるのと同様のサポート要素100である。サポート要素100の第1の部分部材110の着色のみが、
図1aおよび
図1bに示されるものとは異なるように選択される。第1の部分部材110ならびに2つの接続領域130および135(ここで、2つの第2の部分部材120および125が第1の部分部材110に回転可能に接続される)が、ミッドソールの窓255内に配置され、それにより、サポート要素100のこの領域は外から見え、サポート要素100の可動性は、接続領域130および135の領域内で損なわれない。
【0084】
サポート要素は、両方のY形状の第2の部分部材120および125の平坦化されたアームが、ミッドソール250の(ソールの上面からソールの底面への方向に対して)ほぼ中央を通って延びるように、ミッドソール250の内部に配置される。しかし、異なる構成も想定可能である。
【0085】
図2aから分かるように、
図2aに破線105によって示されるサポート要素100の寸法は、サポート要素がミッドソールの窓255から踵領域内および中足部領域内にある程度延びるように選択される。本発明によるサポート要素100は、前足部領域には延びないか、または少なくとも大して延びない。
【0086】
これは、サポート要素100が延入する領域内でソール200が比較的曲げに強いという効果を有することができ、一方、サポート要素100が延入しない前足部領域では、ソール200はより可撓性であり、
図2dに示されるように、前足部にわたる回動を容易にする。
【0087】
図2eおよび
図2fには、ミッドソール250の窓255と、そこに配置されたサポート要素100の部分との拡大図が示されている。既述のように、
図2eでは、ソール200は、力の加わっていない中立状態で撮影されており、一方、
図2fの拡大図は、
図2gに示される、ソール200にねじり力が加えられている状態でのソール200を示す。サポート要素100の2つの第2の部分部材120および125にある2つの切欠き180および185を見れば、2つの第2の部分部材120と125が互いに対する回転によってソール200のひねりに従うことが明らかに想定可能である。互いに対するこの回転は、2つの第2の部分部材120と125がそれぞれ第1の部分部材110に対して回転可能に接続されることによって可能にされる。
図2dの図示と合わせて、例えば、サポート要素100を使用して、例えば中足部領域および踵領域でのソール200の曲げ剛性を高めることができ、同時に、ソール200のねじり力は実質的に維持されることが当業者には明らかになる。しかし、接続領域130および135の適切な設計によって、ソール200のねじり性能にさらに影響が及ぼされることがある。例えば、第1の部分部材110に対する第2の部分部材120および125の回転中の摩擦が大きければ大きいほど、ソール200のねじり剛性も大きくなり得る。ソール200の特性に影響を及ぼすさらなる可能性は、当業者には明らかである。
【0088】
図3は、本発明によるサポート要素300のさらなる実施形態を示す。サポート要素300は、第1の部分部材310を備える。第1の部分部材310は、骨形状または二重T形状で提供され、円形断面を備える。第1の部分部材310は、モールドの第1の位置で、潤滑剤を添加したポリアミド6.6から射出成形プロセスで製造した。より低温でのさらなる射出成形ステップで、モールドの第2の位置において、第1の部分部材310の周りに第2の円筒形に形成された部分部材320を製造し、同時に、接続領域330において第1の部分部材310と回転可能および摺動可能に接続させた。接続領域330は、この場合、第2の部分部材320の全長に沿って延在する。第2の部分部材320は、ポリアミド12から製造した。しかし、本明細書で述べる他の材料の組合せ、特に上述したオプションI、II、およびIIIの任意の組合せを使用することもできる。
【0089】
第2の部分部材320は、サポート要素300の対称軸370の周りで第1の部分部材310に対して自由に回転可能である。さらに、第2の部分部材320は、この対称軸370に沿ってある程度摺動可能であり、より正確には、第2の部分部材320が、ボーン形状の第1の部分部材310の2つの端部領域315の一方に当たるまで摺動可能である。別の軸の周りでの、または別の軸に沿った回転または並進は、このサポート要素300では実質的に可能でない。したがって、対称軸370は、「自由」軸を成し、その軸に沿って、またはその軸の周りで、並進および回転が(少なくともある範囲内で)可能である。他方、全ての他の軸または方向は、それぞれロック方向またはロック軸であり、並進または回転を可能にしない。
【0090】
図4a~
図4cは、本発明によるサポート要素400のさらなる実施形態を示す。サポート要素400は、ヒンジ状に提供される。
図4aおよび
図4bは、2つのヒンジ翼が一平面内に配置された中立位置でサポート要素400を示し、一方、
図4cは、角度の付いた位置でサポート要素400を示す。
【0091】
サポート要素400は、第1の部分部材410と第2の部分部材420を備え、これらは、射出成形プロセスで、接続領域430において互いに回転可能に接続され、各部分部材410、420が、ヒンジの翼を備える。第1の部分部材410は、潤滑剤を添加したポリアミド6.6から製造し、第2の部分部材420はポリアミド12から製造した。2つの部分部材410と420は、1回の射出成形プロセスで製造および接続することができ、またはこのために複数の射出成形プロセスを使用してもよい。この場合、まず、モールドの第1の位置で第1の部分部材410を成形し、次いで、モールドの第2の位置で、より低温で第2の部分部材420を成形した。しかし、本明細書で述べる他の材料の組合せ、特に上述したオプションI、II、およびIIIの任意の組合せを使用することもできる。
【0092】
図5aおよび
図5bは、本発明によるソール500の一実施形態におけるそのようなヒンジ状のサポート要素400の可能な適用例を示す。ミッドソール550のみが模式的に示されており、ミッドソール550の前足部領域内に、そのようなヒンジ状のサポート要素400が配置される。サポート要素400のヒンジ軸は、特につま先関節の下の領域内に配置することができ、中央側から側方側に延びる。
【0093】
図5aは、ステップサイクルの最終段階の開始時のソール500を示し、
図5bは、ステップサイクルの最後でのつま先領域にわたる踏み切り中のソール500を示す。サポート要素400の選択された配置、特につま先関節よりも下の領域内へのヒンジ軸の配置により、前足部およびつま先領域にわたるこの踏み切りまたは回動は妨げられない。それと同時に、サポート要素400のヒンジの翼は、前足部領域を安定させ、それにより足首をひねるのを防止することができ、また、貫入防護として機能して、例えば着地または踏み切り中に着用者の足を尖った物体などから保護することができる。
【0094】
図15a~kは、例えばヒンジ状で提供されることがある本発明によるサポート要素の可能な実施形態の概略図を示す。これらの概略図は、主に、本発明の適用範囲に関する着想を当業者に提示することを意図されており、必ずしも、実際の実施形態において現れる比率および寸法を表してはいない。同じことが、
図16a~q、17a~e、18a~h、19a~d、および
図20a~bでの概略図にも当てはまる。
【0095】
サポート要素は、例えば、必要とされるパッケージ空間を最小限にするために、押し潰し可能なシューズ構造を提供するために使用することができる(
図15a参照)。
【0096】
また、サポート要素は、例えばバスケットボールシューズにおいて、ダイナミックな運動を等化して、捻挫または足首のひねりを避けるために利用することもできる(
図15bおよび
図15c参照)。
【0097】
また、サポート要素は、ソール材料のせん断移動を制御するために使用することもできる(
図15d参照)。
【0098】
図15eは、特定の方向での曲げを制限もしくはサポートするため、または(ここでは連接の領域内で撓む)可撓領域を画定するためにサポート要素を使用することができる様子を示す。
【0099】
図15fは、ソールの踵領域内に配置されたヒンジ状のサポート要素のさらなる実施形態を示す。ヒンジは、レバーアームを短縮する助けとなることがあり、また、その位置に応じて、冠状面内での角速度(回内もしくは回外速度)または矢状面内での角速度(ソール角速度)を減少させる助けとなることがある。ヒンジは、回転の量を制限するように構成することができ、より良い踵の固定を提供する助けとなり得る。すなわち、踵はソールの底部ユニットと共に移動することができ、したがってソールは足から離れない。
【0100】
図15gは、ミッドソール内部に埋め込まれたヒンジによって接続された2つのプレートを備えるヒンジ状のサポート要素が、例えば側方サイドカット移動中に足にバンキングサポートを提供することができる様子を示す。サポート要素は、足を好ましい位置に案内するために、より可撓性のアームおよびより剛性のアームを有することができる。
【0101】
図15h~jは、サポート要素を、衝撃吸収および/または着用者への改良されたエネルギーリターンを提供するために使用することができる様子を示す。特に、
図15iに示される実施形態は、追加の機械的構成により、さらなるエネルギーリターンを提供することができる。また、この構成は、上述したように、バンキングサポートとして作用することもできる。
図15jに示されるサポート要素は、ラテラルスポーツ(lateral sports)において側方運動時に足をサポートするために所定の角度を備える。
【0102】
最後に、
図15kは、サポート要素を使用して、例えば埋込型の押上げ補助機構を提供するためにソールまたはシューズの踵部分の高さを変えることができる様子を示す。
【0103】
図6a~
図6cは、本発明によるサポート要素600のさらなる実施形態を示す。サポート要素600は、スライド状に提供される。サポート要素600は、スライダとして提供される第1の部分部材610と、フレームとして提供される第2の部分部材620とを備え、フレーム内で第1の部分部材610を摺動させることができる。上述した2つの射出成形プロセスで、第1の部分部材610は、潤滑剤を添加したポリアミド6.6から射出成形し、第2の部分部材620は、ポリアミド12から射出成形した。さらに、第2の射出成形ステップで、2つの接続領域630および635において、第1の部分部材610を第2の部分部材620と摺動可能に接続した。しかし、本明細書で述べる他の材料の組合せ、特に上述したオプションI、II、およびIIIの任意の組合せを使用することもできる。
【0104】
この場合には、接続領域630および635は、第1の部分部材610が両側にそれぞれ溝を備えるように提供され、溝に、第2の部分部材620の対応する突起または稜部が配置され、それにより、第1の部分部材610は、これらの突起または稜部に沿って摺動することができる。突起または稜部に沿った方向とは異なる別の方向では、実質的に(すなわち製造プロセスによる公差を除いては)並進が可能でない。
図6aは、サポート要素600の上縁部での第1の位置でのスライダ610を示し、
図6bは、サポート要素600の底縁部での第2の位置でのスライダ610を示す。
図6cは、サポート要素600の側面図を示す。
【0105】
第1の部分部材610は、円筒形状の突出要素640をさらに備え、突出要素640は、ミッドソール内での第1の部分部材610の固定を容易にすることができる。
【0106】
図16a~qは、本発明によるサポート要素の可能な実施形態、特に可能なスライダ状の実施形態の概略図を示す。
【0107】
スライダ状のサポート要素は、例えば通気スイッチとして使用することができる(
図16a)。スライダを左右に移動させることによって開口が生じたり開口が閉じたりし、それにより、開いたときに換気を可能にする。
【0108】
また、スライダ状のサポート要素は、前足部または踵を特定の角度に調節するために使用することもでき、足または好ましい移動(特定のスポーツまたは地形)に対してシューズをカスタマイズする(
図16b参照)。そのようなサポート要素は、歩行中に移動可能にすることができ、または様々な位置に固定可能にすることもできる。
【0109】
また、シューズの可撓性は、例えばスライダ状のサポート要素によって可撓溝長さを変えることによって調節することもできる(
図16c参照)。
【0110】
複数のスライダ状のサポート要素を、可撓区域を画定するために互いに向けて、または互いに離れるように特定の角度だけ移動させることができる(
図16d参照)。
【0111】
また、スライダ状のサポート要素は、例えばランニング中にキーなど貴重品をしまうために使用することもでき、または電子デバイスのためのハウジングを提供することもできる(
図16e参照)。
【0112】
牽引要素は、スライダ状のサポート要素によって、歩行中に底面から出ることを可能にされることも、制限されることもある(
図16f参照)。
【0113】
シューズの踵部の高さは、2つの要素の単純な調節によって調節することができ、2つの要素の一方は楔形でよく、2つの要素は、互いに向けて、または互いに離れるように摺動させることができる(
図16g参照)。
【0114】
また、サイクリング用のクリートを埋め込むこともでき、好ましくは、踵から前足部の方向で、さらにまた中央側から側方側の方向で、またはミッドソール内部でのその深さ方向に関しても、その位置を摺動可能にすることができる(
図16h参照)。
【0115】
図16iに示されるように、土踏まずサポートは、好みに応じて配置することができ、または歩行もしくはランニング中に足と共に移動することができる。
【0116】
ミッドソールの剛性は、ベッドフレームと同様の要素を摺動させることによって、または、最も剛性であるべき側にそれらの要素を摺動させることによって調節することができる(
図16j参照)。
【0117】
スライダ状のサポート要素によって、例えばUK40~43の範囲の間でシューズのサイズを変えることもでき、または前足部と踵との相対移動を可能にするようにサイズの公差を許すことができる(
図16k参照)。
【0118】
また、スライダ状のサポート要素は、地面との足の衝突中に、踵領域での接触力を軽減する働きをすることもできる(
図16l参照)(この概念は、以下で
図11a~bに関してさらに論じる)。
【0119】
図16mは、ソールの剛性を制御するためにスライダ状のサポート要素を使用することができるさらなる可能性を示す。
【0120】
図16nは、ソールの表面に平行または垂直に位置決めすることができる1対の調節可能なプロングの使用によって、ソールの剛性を制御するためにスライダ状のサポート要素を使用することができるさらなる可能性を示す。
【0121】
図16oは、埋め込まれた要素の内部に摺動要素を備えて、埋め込まれた要素の剛性、向き、または形状を調節することができる様子を示す。
【0122】
図16pは、より耐久性のある要素、例えばより大きく湾曲することができ、より薄いことがある要素を備えるために、剛性バーに対して移動することが可能なより軟性の部品によって覆うことができる剛性バーを有する概念を示す。
【0123】
最後に、
図16qは、ハウジング内部で踵からつま先へ長手方向に移動可能なバーによって、所定の領域内で中央から側部への方向でのソール材料の伸張を制限することができる様子を示す。
【0124】
図7a~7gは、接続領域730を備える本発明によるサポート要素700の一実施形態を示す。この接続領域730において、射出成形プロセスで、第1の部分部材710を第2の部分部材720に摺動可能に接続した。この場合、接続領域730は、シリンダを備える第1の部分部材710と、ピストンを備える第2の部分部材720とによって提供され、ピストンは、第1の部分部材710のシリンダ内に配置される。しかし、逆も可能である。さらに、第1の部分部材710と第2の部分部材720はそれぞれ、シリンダまたはピストンにそれぞれ延びるロッド形状のセクションを備えることができる。
【0125】
例えば上述したオプションI、II、および/またはIIIに従って、第1の部分部材710は、例えば第1のプラスチック材料から射出成形することができ、第2の部分部材720は、第2のプラスチック材料から射出成形することができる。
【0126】
第2の部分部材720、特にそのピストンは、例えば
図7aおよび
図7bに示されるように、第1の部分部材710のシリンダの内部で自由方向770に沿ってある距離だけ摺動することができ、すなわち、第1の部分部材710のシリンダのそれぞれの端部の1つにピストンが当たるまで摺動することができる。自由方向770は、
図7aおよび
図7bに示されるように、シリンダ/ピストン軸である。自由方向770に垂直に延びるロック方向780に沿っては、実質的に(すなわち製造プロセスによる公差を除いては)、シリンダに対するピストン、したがって第1の部分部材710に対する第2の部分部材720の並進は可能でない(いずれにせよ、自由方向770よりも強く制限される)。
【0127】
さらにシリンダおよびピストンが円形断面を設けられる場合、自由軸770の周りでのシリンダに対するピストンの回転も可能である。シリンダおよびピストンが例えば矩形断面を設けられる場合、そのような回転は可能でない。いずれにせよ、自由軸770に垂直なロック軸780の周りでの第2の部分部材720に対する第1の部分部材710の回転770は、実質的に可能でない。
【0128】
図7c、
図7d、および
図7eに示されるように、第1の部分部材710のシリンダ内での第2の部分部材720のピストンのそのような並進(矢印721および722によって示される)は、例えば、ポンピング作用を生み出すために使用することができる。このために、第1の部分部材710のシリンダは、例えば入口750を備えることがあり、入口750を通して、液体および/または気体760をシリンダ内に吸入し(矢印701によって示される)、再びシリンダから押し出す(矢印702によって示される)ことができる。
図7c~
図7eにおける図示は概略図にすぎず、すべての詳細にわたってポンピングメカニズムを示す目的を果たすものではないことは、当業者には明らかである。このポンピングメカニズムは、例えば製造費を考慮に入れて、当業者によって適切に選択される。
【0129】
図7fおよび
図7gは、例えば、そのようなポンピングメカニズムを使用して、互いに接続された嚢751および756のシステム内で液体および/または気体760を行き来させるために使用することができる様子を示す。このために、嚢751および756は、供給ラインによって、第1の部分部材710のシリンダにある対応する入口750および出口755と接続することができ、それにより、第2の部分部材720のピストンの移動によって、液体または気体760を一方の嚢から他方の嚢にポンプすることができる。ここでも、
図7fおよび
図7gの図が概略図にすぎないことに言及しておく。これらは、接続された嚢のそのようなシステムの全ての詳細を示すことはできない。さらに、ここで図示されるサポート要素700のようなサポート要素は、システムを通る液体および/または気体760を能動的にポンプするのではなく、接続された嚢のそのようなシステム内で液体または気体の流れを方向付けて制御する「受動」要素として、例えばある種の弁として作用することもできることに言及しておく。
【0130】
ここでは、
図8aおよび
図8bに示されるように、そのようなサポート要素700が、ソール800によって歩行中にポンピング作用が生み出されるように、本発明によるソール800の一実施形態のミッドソール850内に配置されると特に有利であり得る。例えば、ステップサイクルの最後での足の先端にわたる踏み切り中の踵の持上り(矢印801参照)は、
図8aに示されるようなソール800の「中立」位置に比べて、第1の部分部材710のシリンダが第2の部分部材720に対して移動し(矢印802参照)、したがってポンピング作用を生み出すという効果を有することがある。接続された嚢751および756のシステムはまた、例えば
図7fおよび
図7gに関して論じたように、ミッドソール850内に配置することもできる。
【0131】
図17a~eは、本発明によるサポート要素の可能な実施形態、例えばピストンとシリンダまたはグロメットとリベットを備える実施形態のさらなる概略図を示す。
【0132】
図17aは、ソールの余剰なせん断を防止するためにせん断ポストを使用することができる様子を示す。
【0133】
図17bは、ソールの過剰伸張を防止するために、ピストンとシリンダの構成を使用することができる様子を示す。
【0134】
図17cは、共通の接続部材に沿って連続的に配置された複数のシリンダ/ピストンユニットを有する可能性を示す。
【0135】
図17dは、ソール材料の剛性を増加または減少させるために、2つのねじ留め可能なスリーブを締めるまたは緩めることができる様子を示す。
【0136】
最後に、
図17eは、ソールの底面を通って延在する牽引要素を提供するためにグロメットとリベットの構成を使用することができる様子を示す。
【0137】
図9a~
図9cは、第1の部分部材910と第2の部分部材920とを有する本発明によるサポート要素900のさらなる想定可能な実施形態を示す。第1の部分部材910と第2の部分部材920は、射出成形プロセスで、接続領域930において互いに回転可能に接続された。接続領域930は、玉継手として提供される。そのようなサポート要素900の製造に関する可能性、およびそのための可能な材料に関しては、本文献の他の箇所での対応する説明を参照されたい。
【0138】
特に、第1の部分部材910と第2の部分部材920がそれぞれ、接続領域930内に延びるロッド形状のセクションを備えることを想定可能である。
【0139】
例えば
図9a~
図9cに示されるように、サポート要素900、特に第1の部分部材910および第2の部分部材920のロッド形状セクションを通る長手方向軸によって与えられることがある自由軸970の周りで、任意の回転角度での第1の部分部材910に対する第2の部分部材920の回転が可能になることがある。第1の部分部材910および/または第2の部分部材920にある、これに適した対応するストッパまたは他の要素によって、軸970の周りでの回転を基本的に制限することもできる。
【0140】
他方、自由軸970に垂直なロック軸980に関して、第1の部分部材910に対する第2の部分部材920の回転は、より強く制限される、または阻止されることがある。これは、第1の部分部材910が接続領域930内で設計される様式に依存することがある。
【0141】
例えば
図9aに示されるように、接続領域930において実質的に遊びが存在しない程度に、接続領域930において第1の部分部材910が第2の部分部材920を取り囲む場合、ロック軸980の周りでの第1の部分部材910に対する第2の部分部材920の回転は実質的に可能でない。他方、
図9bおよび
図9cに示されるように、接続領域930が口部935を備える場合、ロック軸980の周りでの第2の部分部材920の回転は、第2の部分部材920が口部935の縁部に当たるまで可能である。ここで、口部935は、対称的に、例えば円形に提供することができ、それにより、第1のロック軸980および自由軸970に垂直な第2のロック軸(図示せず)の周りでの第1の部分部材910に対する第2の部分部材920の回転は、第1のロック軸980の周りでの回転と同程度だけ可能である。しかし、口部935は非対称に設計することもでき、それにより、第1のロック軸980の周りと第2のロック軸の周りでの回転は、異なる度合いで可能にされる、または制限される。
【0142】
図10aおよび
図10bは、本発明によるサポート要素1000のさらなる想定可能な実施形態を示し、ここでは、射出成形プロセスで、接続領域1030において、第1の部分部材1010を第2の部分部材1020に回転可能に接続した。ここで、接続領域1030は、玉継手として提供される。
【0143】
上述した2つの射出成形プロセスで、第1の部分部材1010は、潤滑剤を添加したポリアミド6.6から製造し、第2の部分部材1020は、ポリアミド12から製造した。しかし、本明細書で述べる他の材料の組合せ、特に上述したオプションI、II、およびIIIの任意の組合せを使用することもできる。
【0144】
サポート要素1000の長手方向軸1070の周りで、第2の部分部材1020に対する第1の部分部材1010の回転(または見方によってはその逆)が、任意の回転角度で可能である。既述のように、第1の部分部材1010および/または第2の部分部材1020での対応する要素によって、この自由軸1070の周りでの回転を制限することもできる。自由軸1070に垂直なロック軸1080の周りで、第2の部分部材1020に対する第1の部分部材1010の回転は、
図10bに示されるように、しきい値角度αまでしか可能でない。このしきい値角度αの値は、玉継手1030の口部1035のサイズおよび設計によって決定される。
【0145】
図18a~hは、本発明によるサポート要素の可能な実施形態のさらなる概略図を示す。
【0146】
サポート要素100と同様の実施形態を示す
図18aは、そのようなサポート要素の回転範囲を制御することができる様子を示す。
【0147】
図18bは、それぞれ制限器を備えることがある2つの玉継手を備える実施形態を示し、制限器は、2つの接続領域での回転範囲を制限する。2つの玉継手をつなぐ継手は、回旋させることができる。サポート要素の後部プレートは、外部ヒールカウンタとして延在することもある。
【0148】
図18cは、サポート要素での並進運動を使用して、2組の係合する歯によってサポート要素内部の回転移動を可能にするまたは制限することができる様子を示す。この構成を使用して、サポート要素内部での並進移動により歯が係合するときには、ダイナミックな運動中のねじり剛性を増加させることができ、一方、ソールが地面に平らに位置するときには、歯は係合せず、ソールとサポート要素とのひねりを可能にする。
【0149】
図18dは、ソール内部で生成される埋込型の運動量発生機構を有する着想を示す。
【0150】
図18eは、ロック、ねじ、またはヒンジなど様々な相互作用要素によって、ミッドソールの底面または上面からサポート要素を(例えば高さに関して)調節することができる様子を示す。
【0151】
図18fは、シューズソール内部のクレームベントを開閉するために、回転する内部ディスクを使用することができる様子を示す。
【0152】
図18gは、サポート要素が、射出成形プロセスでオーバーモールドしたスナップ嵌め接続を備えることができる様子を示す。
【0153】
最後に、
図18hは、足の特定の撓み角度でのみ回転を可能にする、または制限することができる実施形態を示す。
【0154】
図11aおよび
図11bは、本発明によるサポート要素1100のさらなる実施形態と、そのようなサポート要素1100を備える本発明のソール1199の実施形態とを示す。
【0155】
サポート要素1100は、第1の部分部材1110と第2の部分部材1120を備え、第1の部分部材1110と第2の部分部材1120は、射出成形プロセスで、接続領域において互いに摺動可能に接続される。第1の部分部材1110と第2の部分部材1120は、平坦部材として提供される。ここで、第1の部分部材1110と第2の部分部材1120は、それぞれの平坦面が互いに面するように互いに対して配置される。したがって、両方の部分部材1110、1120を、それらの平坦面に沿って互いに対して摺動させることができる。第2の部分部材1120は、例えば
図11aに示されるように、その長手方向側部に沿ってプレートとして提供された第1の部分部材1110を取り囲むある種のキャリッジとして提供することができ、それにより、第2の部分部材1120は、第1の部分部材1110の平坦面に沿って長手方向に摺動することができる。
【0156】
図11bに示されるように、そのようなサポート要素1100は、例えばミッドソール1150の踵領域内に配置することができ、それにより、第2の平坦な部分部材1120に対する第1の平坦な部分部材1110の並進移動は、ソール1199の平面内で実質的にソール1199の長手方向に、矢印1101によって示されるように進むことができ、したがって、踵での着地時に、着用者の筋骨格系に作用することがあるせん断力を少なくとも一部吸収または緩和することができる。
【0157】
図12aおよび
図12bは、本発明によるサポート要素1200aおよび1200bのさらなる想定可能な実施形態を示し、各サポート要素1200aおよび1200bが、それぞれの接続領域内でそれぞれに可動に接続された複数の第1の部分部材および/または第2の部分部材を備える。
【0158】
サポート要素1200aは、2つの第1の部分部材1210aおよび1211aと、2つの第2の部分部材1220aおよび1221aとを備える。第1および第2の部分部材1210a、1220a、1211a、1221aは、接続領域1230a、1231a、1232aにおいて互いに交互に可動に接続される。これらの接続は、例えば上述したオプションI、II、および/またはIIIに従って、射出成形プロセスで作製した。ここで示される場合には、接続領域1230a、1231a、および1232aは、第2の部分部材1220a、1221aに対する第1の部分部材1210a、1211aの回転が可能であるように、玉継手として提供される。
【0159】
他方、サポート要素1200bは、中央の第2の部分部材1220bを備える。例えば上述したオプションI、II、および/またはIIIに従って、射出成形プロセスで、複数の第1の部分部材1210b、1211b、1212b、1213b、1214b、および1215bを、複数の接続領域1230b、1231b、1232b、1233b、1234b、および1235bにおいて第2の部分部材1220bと回転可能および/または摺動可能に接続した。接続領域1230b、1231b、1234b、および1235bは、ここに示される場合には玉継手として提供され、一方、接続領域1232bおよび1233bは、ピストンとシリンダを備える。
【0160】
射出成形プロセスで複数の接続領域において第1の部分部材が複数の第2の部分部材と回転可能および/または摺動可能に接続される逆の場合も当然可能である。
【0161】
この点で、
図12aおよび
図12bに示される実施形態1200aおよび1200bは、本発明によるサポート要素を有する本発明によるソールの特性に対する望みに応じた影響に関して、本発明の範囲内で当業者に提示される可能性を例示するにすぎず、したがって実際の実施形態で現れる比率および寸法を必ずしも表さない。
【0162】
図19a~dは、骨格状の本発明によるサポート要素の可能な実施形態のさらなる概略図を示す。
【0163】
そのような骨格状のサポート要素(
図19a参照)において、中央要素は、剛性または可撓性でよい。中央要素に接続された連節要素は、特定の方向でのソールの移動安定性/可撓性を与えるために回転または側方移動することができる。
【0164】
骨格状のサポート要素は、ミッドソール内部の連節要素を有する内部骨格要素として提供することができる(
図19b参照)。
【0165】
あるいは、骨格状のサポート要素は、サポート要素の連節要素の端部に配置されたミッドソール材料のブロックを備える(
図19c参照)。
【0166】
図19dは、そのような骨格状のサポート要素の接続領域のさらなる可能な構成を示す。
【0167】
図13a~
図13cにおいて、本発明による製造方法1300の想定可能な実施形態を概説する。
【0168】
本発明によるサポート要素、例えば本明細書で明示的に論じたサポート要素100、300、400、600、700、900、1000、1100、1200a、または1200bの1つを製造するために、例えば
図13aおよび
図13bに示されるように、矢印1350によって示される射出成形により、接続領域1330において、第1の部分部材1310を第2の部分部材1320に可動に、特に回転可能および/または摺動可能に接続することができる。
【0169】
このために、例えば、第1の部分部材1310をモールド1360内に位置決めすることができ、モールド1360は、例えば、互いに対して可動の2つのモールド部分1361と1362から構成することができる。その後、モールド1360を閉じることができ、射出成形プロセス1350によって、閉じられたモールド1360内で第2の部分部材1320を製造することができ、ここで、モールド1360または2つのモールド部分1361と1362それぞれを、閉じた状態でキャビティ1321を備えるように提供することができる、この状態は、製造すべき第2の部分部材1320の形状に対応し、射出成形プロセス1350中に、製造のために使用される材料によって充填され、したがって、第2の部分部材1320を作製し、同時に第2の部分部材1320を接続領域1330において可動に、特に回転可能および/または摺動可能に第1の部分部材1310と接続する。
【0170】
これに関して、第2の部分部材1320の射出成形1350の前に、
図13cに示されるモールド1360内で、矢印1351によって示される射出成形プロセスで第1の部分部材1310が射出成形されることが特に想定可能である。ここで、モールド1360またはモールド部分1361と1362それぞれが、モールド1360の第2の閉じた状態でさらなるキャビティ1311を備えることがあり、この状態は、第2の部分部材1320が成形されるモールド1360の閉じた状態とは異なることがあり、ここで、キャビティ1311は、製造すべき第1の部分部材1310の形状に対応し、射出成形プロセス1351中に製造に使用される材料によって充填される。
【0171】
それぞれ第1および第2の部分部材の製造に使用される材料の特定の選択により、それぞれ第1および第2の部分部材を射出成形するときに、処理パラメータ、特に成形温度および様々なモールド位置を調節する必要があり得る。これは、特に、第1および第2の部分部材に関する材料が、上述したオプションIIに従って選択される場合に当てはまることがある。
【0172】
代替として、第1の部分部材1310を、異なるモールド内で射出成形し、次いでモールド1360内に挿入することもできる。
【0173】
さらに、第1の部分部材1310ではなく、第2の部分部材1320が最初にモールド1360内に位置決めされ、またはこのモールド内で射出成形され、その後、さらなる射出成形プロセスにおいて、第1の部分部材1310がモールド内で製造され、接続領域1330において第2の部分部材1320と可動に、特に回転可能および/または摺動可能に接続されることも可能である。処理パラメータおよびモールド位置の調節に関して上述したことが、ここでも同様に当てはまる。
【0174】
モールド1350は、例えば回転モールドでよいが、異なる種類のモールドも可能である。
【0175】
図14aおよび
図14bは、本発明によるサポート要素を製造するための本発明による製造方法1400のさらなる実施形態を示す。
【0176】
この実施形態1400では、第1の部分部材1410および第2の部分部材1420は、モールド1460内で製造され、2つの矢印1450によって示される同時の射出成形によって、接続領域1430において可動に、特に回転可能および/または摺動可能に接続される。このために、モールド1460は、互いに対して可動の2つのモールド部分1461と1462を備えることがあり、これらのモールド部分1461と1462は、モールド1460の閉じた状態でそれらがキャビティ1411および1421を備えるように提供されることがあり、キャビティ1411および1421は、それぞれ製造すべき第1の部分部材1410および第2の部分部材1420の形状に対応し、射出成形プロセス1450中に製造に使用される材料で充填され、それにより、第1の部分部材1410および第2の部分部材1420を作製し、同時に接続領域1430においてそれらを可動に、特に回転可能および/または摺動可能に接続する。本発明による方法のこの実施形態は、特に、それぞれ第1および第2の部分部材を製造するための材料が上述したオプションIおよび/またはオプションIIIに従って選択される場合に適用することができる。
【0177】
最後に、
図13a、
図13b、および
図13c、ならびに
図14aおよび
図14bは概略図にすぎず、特に、そこに示されるサポート要素の具体的な設計は、説明する方法1300、1400に対する限定とは解釈されないことがあり、方法1300、1400は、任意の種類の本発明によるサポート要素の製造に関して使用することができることに言及しておく。
【0178】
図20a~bは、シューズのレーシングシステムと共に使用するための本発明によるサポート要素の可能な実施形態の概略図を示す。
【0179】
図20aは、埋込型のレースロックシステムを提供するためにサポート要素を使用することができる様子を示す。摺動可能な靴紐取付け部材は、靴紐を締めたシューズの良好なフィット感を提供するために弾性接続またはばね接続で接続することができる。
【0180】
図20bは、例えばミッドソールの底部または側部で、レースクロージャシステムによって中足部の周りに快適に密着するように靴紐の力を1点に束ねる概念を示す。
本願は、以下の発明を含む。
[発明1]
シューズソール(200;500;800;1199)用、または緩衝要素(250;550;850;1150)用のサポート要素(100;300;400;600;700;900;1000;1100;1200a;1200b)であって、
a.第1の部分部材(110;310;410;610;710;910;1010;1110;1210a;1211a;1210b;1211b;1212b;1213b;1214b;1215b;1310;1410)と、
b.第2の部分部材(120;125;320;420;620;720;920;1020;1120;1220a;1221a;1220b;1320;1420)とを備え、
c.射出成形プロセス(1350;1351;1450)によって、接続領域(130;135;330;430;630;635;730;930;1030;1230a;1231a;1232a;1230b;1231b;1232b;1233b;1234b;1235b;1330;1430)において、前記第2の部分部材(120;125;320;420;620;720;920;1020;1120;1220a;1221a;1220b;1320;1420)が前記第1の部分部材(110;310;410;610;710;910;1010;1110;1210a;1211a;1210b;1211b;1212b;1213b;1214b;1215b;1310;1410)と回転可能および/または摺動可能に接続される、
サポート要素(100;300;400;600;700;900;1000;1100;1200a;1200b)。
[発明2]
前記第1の部分部材(110;310;410;610;710;910;1010;1110;1210a;1211a;1210b;1211b;1212b;1213b;1214b;1215b;1310;1410)が、第1のプラスチック材料を備え、前記第2の部分部材(120;125;320;420;620;720;920;1020;1120;1220a;1221a;1220b;1320;1420)が、第2のプラスチック材料を備え、前記接続領域(130;135;330;430;630;635;730;930;1030;1230a;1231a;1232a;1230b;1231b;1232b;1233b;1234b;1235b;1330;1430)が前記2つの材料間の化学的結合を含まないように前記2つのプラスチック材料が選択される、発明1に記載のサポート要素(100;300;400;600;700;900;1000;1100;1200a;1200b)。
[発明3]
前記第1のプラスチック材料と前記第2のプラスチック材料が化学的に不相溶性である、発明2に記載のサポート要素(100;300;400;600;700;900;1000;1100;1200a;1200b)。
[発明4]
前記第1のプラスチック材料が、前記第2のプラスチック材料の第2の溶融温度よりもかなり高い第1の溶融温度を有する、発明2または3に記載のサポート要素(100;300;400;600;700;900;1000;1100;1200a;1200b)。
[発明5]
前記第1のプラスチック材料と前記第2のプラスチック材料が、前記第1および/または第2のプラスチック材料の一方または両方に含まれる添加剤により化学的結合を形成しない、発明2から4のいずれか一項に記載のサポート要素(100;300;400;600;700;900;1000;1100;1200a;1200b)。
[発明6]
前記第1のプラスチック材料が、ポリアミド(PA);特に、ポリアミド-6.6(PA6.6);ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の1つまたは複数の材料を含む、発明2から5のいずれか一項に記載のサポート要素(100;300;400;600;700;900;1000;1100;1200a;1200b)。
[発明7]
前記第2のプラスチック材料が、ポリアミド(PA);特に、ポリアミド-12(PA12);ポリオキシメチレン(POM);ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の1つまたは複数の材料を含む、発明2から6のいずれか一項に記載のサポート要素(100;300;400;600;700;900;1000;1100;1200a;1200b)。
[発明8]
前記サポート要素(300;600;700;1100;1200b)が、少なくとも1つのロック方向(780)を備え、前記ロック方向で、前記第2の部分部材(320;620;720;1120;1220b)に対する前記第1の部分部材(310;610;710;1110;1212b;1213b)の並進が、別の方向(370;770)よりも強く制限される、発明1から7のいずれか一項に記載のサポート要素(300;600;700;1100;1200b)。
[発明9]
前記サポート要素(100;300;400;700;900;1000;1200a;1200b)が、少なくとも1つのロック軸(780;980;1080)を備え、前記ロック軸の周りで、前記第1の部分部材(110;310;410;710;910;1010;1210a;1211a;1210b;1211b;1212b;1213b;1214b;1215b;1310;1410)の回転が、別の軸(170;370;770;970;1070)の周りでの回転よりも強く制限される、発明1から8のいずれか一項に記載のサポート要素(100;300;400;700;900;1000;1200a;1200b)。
[発明10]
前記接続領域(930;1030;1230a;1231a;1232a;1230b;1231b;1234b;1235b;1330;1430)が玉継手として提供される、発明1から9のいずれか一項に記載のサポート要素(900;1000;1200a;1200b)。
[発明11]
前記接続領域(730;1232b;1233b)がピストンとシリンダを備え、前記シリンダ内に前記ピストンが配置される、発明1から9のいずれか一項に記載のサポート要素(700;1200b)。
[発明12]
前記接続領域(730)が、前記第2の部分部材(720)に対する前記第1の部分部材(710)の移動がポンピング作用を生み出すように提供される、発明1から11のいずれか一項に記載のサポート要素(700)。
[発明13]
前記サポート要素(700)が、シューズソール(800)を用いた歩行によって前記移動を生み出すことができるように提供される、発明12に記載のサポート要素(700)。
[発明14]
前記第1の部分部材(1110)および/または前記第2の部分部材(1120)が平坦部材として提供される、発明1から13のいずれか一項に記載のサポート要素(1100)。
[発明15]
前記第1の平坦部材(1110)と前記第2の平坦部材(1120)が互いに対して摺動可能に提供される、発明14に記載のサポート要素(1100)。
[発明16]
前記第1の部分部材(710;910;1010;1210a;1211a;1210b;1211b;1212b;1213b;1214b;1215b;1310;1410)および/または前記第2の部分部材(720;920;1020;1220a;1221a;1220b;1320;1420)が、ロッド形状のセクションを備え、前記セクションが、前記接続領域(730;930;1030;1230a;1231a;1232a;1230b;1231b;1232b;1233b;1234b、1235b;1330;1430)内に延びる、発明1から13のいずれか一項に記載のサポート要素(700;900;1000;1200a;1200b)。
[発明17]
射出成形プロセスによって、複数の接続領域(130;135;1231a;1232a)において、前記第1の部分部材(110;1211a)が複数の第2の部分部材(120;125;1220a;1221a)と回転可能および/または摺動可能に接続される、発明1から16のいずれか一項に記載のサポート要素(100;1200a)。
[発明18]
射出成形プロセスによって、複数の接続領域(1230a;1231a;1230b;1231b;1232b;1233b;1234b;1235b)において、前記第2の部分部材(1220a;1220b)が複数の第1の部分部材(1210a;1211a;1210b;1211b;1212b;1213b;1214b;1215b)と回転可能および/または摺動可能に接続される、発明1から17のいずれか一項に記載のサポート要素(1200a;1200b)。
[発明19]
複数の第1の部分部材(1210a;1211a)と複数の第2の部分部材(1220a;1221a)とが、複数の接続領域(1230a;1231a;1232a)において、回転可能および/または摺動可能に互いに交互に接続される、発明1から18のいずれか一項に記載のサポート要素(1200a)。
[発明20]
発明1から19のいずれか一項に記載のサポート要素(100;300;400;600;700;900;1000;1100;1200a;1200b)を備える緩衝要素(250;550;850;1150)、特にミッドソール(250;550;850;1150)、またはミッドソール(250;550;850;1150)の一部。
[発明21]
前記緩衝要素(250;550;850;1150)が、発泡材、特に発泡熱可塑性ポリウレタンおよび/または発泡ポリエーテル-ブロック-アミドのランダム配向粒子を含む、発明20に記載の緩衝要素(250;550;850;1150)。
[発明22]
発明1から19のいずれか一項に記載のサポート要素(100;300;400;600;700;900;1000;1100;1200a;1200b)を備えるソール(200;500;800;1199)。
[発明23]
前記ソール(200;500;800;1199)が、発明20または21に記載の緩衝要素(250;550;850;1150)を備える、発明22に記載のソール(200;500;800;1199)。
[発明24]
発明22または23に記載のソール(200;500;800;1199)を備えるシューズ、特にランニングシューズ。
[発明25]
シューズソール(200;500;800;1199)用、または第1の部分部材(1310;1410)および第2の部分部材(1320;1420)を備える緩衝要素(250;550;850;1150)用のサポート要素を製造するための方法(1300;1400)であって、前記第1の部分部材(1310;1410)と前記第2の部分部材(1320;1420)が、射出成形(1350;1450)によって、接続領域(1330;1430)において、回転可能および/または摺動可能に接続される方法(1300;1400)。
[発明26]
前記第2の部分部材(1320)が、前記第1の部分部材(1310)が配置されたモールド(1360)内で、前記射出成形(1350)によって前記接続領域(1330)において前記第1の部分部材(1310)と回転可能および/または摺動可能に、製造され、同時に接続される、発明25に記載の方法(1300)。
[発明27]
射出成形(1351)によって前記第1の部分部材(1310)も製造される、発明26に記載の方法(1300)。
[発明28]
前記第1の部分部材が、前記第2の部分部材が配置されたモールド内で射出成形によって前記接続領域において前記第2の部分部材と回転可能および/または摺動可能に、製造され、同時に接続される、発明25に記載の方法。
[発明29]
前記第2の部分部材も射出成形によって製造される、発明28に記載の方法。
[発明30]
前記第1の部分部材(1410)と前記第2の部分部材(1420)とが、前記射出成形(1450)によって単一の製造ステップで前記接続領域(1430)において互いに回転可能および/または摺動可能に、製造され、同時に接続される、発明25に記載の方法(1400)。
【符号の説明】
【0181】
100 サポート要素
110 第1の部分部材
120 第2の部分部材
125 第2の部分部材
130 接続領域
135 接続領域
170 回転軸
180 切欠き
185 切欠き
200 ソール
250 ミッドソール
255 窓
260 アウトソール