(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-27
(45)【発行日】2024-10-07
(54)【発明の名称】基板処理装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/306 20060101AFI20240930BHJP
H01L 21/304 20060101ALI20240930BHJP
H01L 21/027 20060101ALI20240930BHJP
【FI】
H01L21/306 J
H01L21/304 648F
H01L21/304 648K
H01L21/304 643A
H01L21/30 572B
(21)【出願番号】P 2020130231
(22)【出願日】2020-07-31
【審査請求日】2023-06-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000207551
【氏名又は名称】株式会社SCREENホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】110002310
【氏名又は名称】弁理士法人あい特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】井上 正史
【審査官】小▲高▼ 孔頌
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-147212(JP,A)
【文献】特開2003-234341(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0063754(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0240413(US,A1)
【文献】特開2012-057904(JP,A)
【文献】特開2018-157042(JP,A)
【文献】特開2016-152354(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/306
H01L 21/304
H01L 21/027
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を処理する基板処理ユニットと、
前記基板処理ユニットに供給される処理液を加熱するヒータが配置され、前記処理液が循環する循環流路と、
前記循環流路から分岐され前記基板処理ユニットに前記処理液を流す吐出流路と、
前記吐出流路に配置されたバルブと
を備え、
前記循環流路の一部は、前記吐出流路の一部と平行に延びるとともに、前記吐出流路の一部に沿って
、前記循環流路の一部と前記吐出流路の一部との最短距離が3cm以下となるように近接または接触して配置される、基板処理装置。
【請求項2】
前記循環流路の一部と前記吐出流路の一部とを覆う断熱材をさらに備える、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記バルブは、モーターニードルバルブを含む、請求項1または2に記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記吐出流路に配置された流量計をさらに含む、請求項1から3のいずれかに記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記バルブは、三方弁を含む、請求項1から4のいずれかに記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記循環流路の一部と、前記吐出流路の一部と、前記バルブとを収納する収納部をさらに備える、請求項1から5のいずれかに記載の基板処理装置。
【請求項7】
前記収納部は、上方の開いた箱と、前記箱の上方を覆う蓋とを有する、請求項6に記載の基板処理装置。
【請求項8】
前記基板処理ユニットは、
前記基板を処理するためのチャンバーと、
前記チャンバー内に配置された基板保持部と、
前記チャンバー内に配置されたカップと、
前記基板保持部および前記カップを駆動する駆動部の配置された駆動室と、
前記チャンバーと前記駆動室との間に位置するフレームと
を含み、
前記収納部は、前記フレームの側方に配置される、請求項6または7に記載の基板処理装置。
【請求項9】
前記循環流路は、
主流路と、
前記主流路から分岐され、前記吐出流路と接続する迂回流路と
を有し、
前記迂回流路の一部が、前記吐出流路の一部に沿って配置される、請求項1から8のいずれかに記載の基板処理装置。
【請求項10】
前記吐出流路の一部は、前記循環流路からの分岐点から前記バルブを含む所定範囲の流路である、請求項1から9のいずれかに記載の基板処理装置。
【請求項11】
前記循環流路の一部は、前記循環流路に設けられ、前記基板処理ユニットに向かって水平方向に延びる迂回流路である、請求項10に記載の基板処理装置。
【請求項12】
前記吐出流路は、前記迂回流路の先端から分岐する、請求項11に記載の基板処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
基板を処理する基板処理装置は、半導体装置の製造等に好適に用いられる。基板処理装置では、基板に処理液を供給して基板を処理する。基板を処理する際に高温の処理液を用いる場合、処理液がヒータを循環しながら所定の温度に設定された処理液を基板に吐出することがある(特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1の基板処理装置では、循環しながらヒータによって所定の温度に設定された処理液を基板の処理に用いるとともに、ノズルの待機場所から処理液を排出する際に循環路の内部と基板の周囲との雰囲気を遮断する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の基板処理装置では、循環された処理液が吐出流路を経てノズルから基板に向けて吐出する際に、吐出流路において処理液の温度が低下することがある。特に、基板への処理液の吐出を開始する場合、循環流路において処理液が調製されていても、処理液が吐出流路を流れる際に処理液の温度が低下してしまい、基板の特性が変動してしまうことがある。
【0006】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、循環された処理液が基板に吐出される際の処理液の温度低下を抑制可能な基板処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一局面によれば、基板処理装置は、基板を処理する基板処理ユニットと、前記基板処理ユニットに供給される処理液を加熱するヒータが配置され、前記処理液が循環する循環流路と、前記循環流路から分岐され前記基板処理ユニットに前記処理液を流す吐出流路と、前記吐出流路に配置されたバルブとを備え、前記循環流路の一部は、前記吐出流路の一部と平行に延びるとともに、前記吐出流路の一部に沿って近接または接触して配置される。
ある実施形態において、前記循環流路の一部は、前記吐出流路の一部と平行に延びるとともに、前記吐出流路の一部に沿って、前記循環流路の一部と前記吐出流路の一部との最短距離が3cm以下となるように近接または接触して配置される。
【0010】
ある実施形態において、前記基板処理装置は、前記循環流路の一部と前記吐出流路の一部とを覆う断熱材をさらに備える。
【0011】
ある実施形態において、前記バルブは、モーターニードルバルブを含む。
【0012】
ある実施形態において、前記吐出流路に配置された流量計をさらに含む。
【0013】
ある実施形態において、前記バルブは、三方弁を含む。
【0014】
ある実施形態において、前記基板処理装置は、前記循環流路の一部と、前記吐出流路の一部と、前記バルブとを収納する収納部をさらに備える。
【0015】
ある実施形態において、前記収納部は、上方の開いた箱と、前記箱の上方を覆う蓋とを有する。
【0016】
ある実施形態において、前記基板処理ユニットは、前記基板を処理するためのチャンバーと、前記チャンバー内に配置された基板保持部と、前記チャンバー内に配置されたカップと、前記基板保持部および前記カップを駆動する駆動部の配置された駆動室と、前記チャンバーと前記駆動室との間に位置するフレームとを含み、前記収納部は、前記フレームの側方に配置される。
【0017】
ある実施形態において、前記循環流路は、主流路と、前記主流路から分岐され、前記吐出流路と接続する迂回流路とを有し、前記迂回流路の一部が、前記吐出流路の一部に沿って配置される。
ある実施形態において、前記吐出流路の一部は、前記循環流路からの分岐点から前記バルブを含む所定範囲の流路である。
ある実施形態において、前記循環流路の一部は、前記循環流路に設けられ、前記基板処理ユニットに向かって水平方向に延びる迂回流路である。
ある実施形態において、前記吐出流路は、前記迂回流路の先端から分岐する。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、循環された処理液が基板に吐出される際に処理液の温度が低下することを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本実施形態の基板処理装置の模式的な平面図である。
【
図3】本実施形態の基板処理装置における基板処理ユニットの模式図である。
【
図4】本実施形態の基板処理装置のブロック図である。
【
図5】本実施形態の基板処理装置の模式的な側面図である。
【
図6】本実施形態の基板処理装置の模式的な一部拡大図である。
【
図7】本実施形態の基板処理装置の模式的な一部拡大図である。
【
図8】本実施形態の基板処理装置の模式的な斜視図である。
【
図9】本実施形態の基板処理装置における収納部近傍の模式的な斜視図である。
【
図10】本実施形態の基板処理装置における接続支持部近傍の模式的な斜視図である。
【
図11】本実施形態の基板処理装置における基板処理ユニットの模式図である。
【
図12】本実施形態の基板処理装置の模式的な平面図である。
【
図13】本実施形態の基板処理装置の模式的な平面図である。
【
図14】本実施形態の基板処理装置の模式図である。
【
図15】本実施形態の基板処理装置における基板処理ユニットの模式図である。
【
図16】本実施形態の基板処理装置の模式的な一部拡大図である。
【
図17】本実施形態の基板処理装置の模式的な側面図である。
【
図18】本実施形態の基板処理装置の模式的な斜視図である。
【
図19】本実施形態の基板処理装置における収納部近傍の模式的な一部拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して、本発明による基板処理装置の実施形態を説明する。なお、図中、同一または相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。なお、本願明細書では、発明の理解を容易にするため、互いに直交するX軸、Y軸およびZ軸を記載することがある。典型的には、X軸およびY軸は水平方向に平行であり、Z軸は鉛直方向に平行である。
【0021】
次に、
図1を参照して、本実施形態の基板処理装置10を説明する。
図1は、基板処理装置10の模式的な平面図である。
【0022】
基板処理装置10は、基板Wを処理する。基板処理装置10は、複数の基板処理ユニット100を備える。基板処理ユニット100は、基板Wに対して、エッチング、表面処理、特性付与、処理膜形成、膜の少なくとも一部の除去および洗浄のうちの少なくとも1つを行うように基板Wを処理する。
【0023】
図1に示すように、基板処理装置10は、複数の基板処理ユニット100に加えて、流体キャビネット210と、流体ボックス220と、処理液循環機構300と、複数のロードポートLPと、インデクサーロボットIRと、センターロボットCRと、制御装置20とを備える。制御装置20は、基板処理ユニット100、流体キャビネット210、流体ボックス220、処理液循環機構300、ロードポートLP、インデクサーロボットIRおよびセンターロボットCRを制御する。
【0024】
ロードポートLPの各々は、複数枚の基板Wを積層して収容する。インデクサーロボットIRは、ロードポートLPとセンターロボットCRとの間で基板Wを搬送する。なお、インデクサーロボットIRとセンターロボットCRとの間に、基板Wを一時的に載置する設置台(パス)を設けて、インデクサーロボットIRとセンターロボットCRとの間で設置台を介して間接的に基板Wを受け渡しする装置構成としてもよい。センターロボットCRは、インデクサーロボットIRと基板処理ユニット100との間で基板Wを搬送する。
【0025】
複数の基板処理ユニット100は、平面視においてセンターロボットCRを取り囲むように配置された複数のタワーTW(
図2では4つのタワーTW)を形成している。各タワーTWは、上下に積層された複数の基板処理ユニット100(
図1では3つの基板処理ユニット100)を含む。
【0026】
基板処理ユニット100の各々は、基板Wに処理液を吐出して、基板Wを処理する。処理液は、薬液、リンス液および/または疎水化液を含む。または、処理液は、他の液体を含んでもよい。
【0027】
流体キャビネット210は、処理液を収容する。なお、流体キャビネット210は、気体を収容してもよい。
【0028】
流体ボックス220は、それぞれタワーTWに対応している。流体キャビネット210内の液体は、いずれかの流体ボックス220を介して、流体ボックス220に対応するタワーTWに含まれる全ての基板処理ユニット100に供給される。また、流体キャビネット210内の気体は、いずれかの流体ボックス220を介して、流体ボックス220に対応するタワーTWに含まれる全ての基板処理ユニット100に供給される。
【0029】
処理液循環機構300は、基板処理ユニット100の各々に供給するための処理液を循環させる。典型的には、基板処理ユニット100は、室温よりも温度の高い処理液で基板Wを処理する。このため、処理液循環機構300は、加熱された処理液を循環しながら、基板処理ユニット100の各々に処理液を供給する。
【0030】
処理液循環機構300は、処理液キャビネット310と、複数の処理液ユニット320と、循環流路330とを含む。処理液ユニット320は、それぞれ、複数のタワーTWに対応して配置される。循環流路330は、処理液が処理液キャビネット310および処理液ユニット320を循環するために流れる。循環流路330は、複数の配管によって形成される。処理液キャビネット310内の処理液は、処理液ユニット320を介して、処理液ユニット320に対応するタワーTWに含まれる全ての基板処理ユニット100に供給される。
【0031】
なお、流体キャビネット210から流体ボックス220を介して基板処理ユニット100に供給される液体は、処理液キャビネット310から処理液ユニット320を介して循環流路330を通過して基板処理ユニット100に供給される液体とは異なる。例えば、流体キャビネット210から流体ボックス220を介して基板処理ユニット100に供給される液体は、酸性またはアルカリ性の液体である。典型的には、流体キャビネット210から流れる液体の配管の直径は約20mmであり、基板Wへの供給量は、1L/分~10L/分である。
【0032】
一方、典型的には、処理液キャビネット310から処理液ユニット320を介して循環流路330を通過して基板処理ユニット100に供給される処理液は、引火性液体である。例えば、引火性液体は、IPA(イソプロピルアルコール)を含む。あるいは、引火性液体は、SMT(疎水化液)を含んでもよい。典型的には、処理液キャビネット310から供給される処理液の配管の直径は約10mmであり、基板Wへの供給量は、50cm3/分~300cm3/分である。
【0033】
制御装置20は、基板処理装置10の各種動作を制御する。制御装置20は、制御部22および記憶部24を含む。制御部22は、プロセッサーを有する。制御部22は、例えば、中央処理演算機(Central Processing Unit:CPU)を有する。または、制御部22は、汎用演算機を有してもよい。
【0034】
記憶部24は、データおよびコンピュータプログラムを記憶する。データは、レシピデータを含む。レシピデータは、複数のレシピを示す情報を含む。複数のレシピの各々は、基板Wの処理内容および処理手順を規定する。
【0035】
記憶部24は、主記憶装置と、補助記憶装置とを含む。主記憶装置は、例えば、半導体メモリである。補助記憶装置は、例えば、半導体メモリおよび/またはハードディスクドライブである。記憶部24はリムーバブルメディアを含んでいてもよい。制御部22は、記憶部24の記憶しているコンピュータプログラムを実行して、基板処理動作を実行する。
【0036】
記憶部24には、予め手順の定められたコンピュータプログラムが記憶されている。基板処理ユニット100は、コンピュータプログラムに定められた手順に従って動作する。
【0037】
なお、
図1には、基板処理装置10に対して1つの制御装置20を備えるように示しているが、基板処理ユニット100ごとに制御装置20を備えてもよい。ただし、その場合、基板処理装置10は、複数の基板処理ユニット100および基板処理ユニット100以外の装置を制御する別の制御装置を備えることが好ましい。
【0038】
次に、
図2を参照して基板処理装置10における処理液の循環について説明する。
図2は、基板処理装置10の模式図である。
【0039】
図2に示すように、処理液は、処理液キャビネット310および処理液ユニット320を循環するとともに、必要に応じて処理液ユニット320から基板処理ユニット100に供給される。
【0040】
処理液キャビネット310は、処理液を調製する。典型的には、処理液キャビネット310は、室温よりも加熱した状態に処理液を調製する。また、処理液キャビネット310は、処理液内の不純物を濾過する。
【0041】
処理液キャビネット310は、処理液タンク311と、ポンプ312と、ヒータ313と、流量計314と、フィルター315と、バルブ316とを備える。処理液タンク311は、処理液を貯留する。
【0042】
ポンプ312は、処理液を循環流路330の下流側に送りだす。ポンプ312は、処理液を一旦吸い込んだ後、吸い込んだ処理液を循環流路330の下流に向けて押し出す。ポンプ312の駆動により、処理液タンク311内の処理液は循環流路330を通って循環する。なお、処理液は、必要に応じて基板処理ユニット100に供給される。
【0043】
ヒータ313は、循環流路330を流れる処理液を加熱する。このため、循環流路330は、室温よりも高い所定温度の処理液を循環できる。また、基板処理ユニット100は、室温よりも高い所定温度の処理液で基板Wを処理できる。
【0044】
流量計314は、循環流路330を流れる処理液の流量を測定する。フィルター315は、循環流路330を流れる処理液から不純物または異物を濾過する。
【0045】
バルブ316は、循環流路330を開閉する。また、バルブ316は、循環流路330を流れる流量を変化させてもよい。例えば、バルブ316は、モーターニードルバルブであってもよい。例えば、バルブ316によって制御される処理液の流量は、流量計314の測定結果に基づいて調整されてもよい。
【0046】
循環流路330は、処理液キャビネット310から処理液ユニット320を流れて再び、処理液キャビネット310に戻る。なお、処理液ユニット320には、循環流路330から分岐された吐出流路132が配置される。吐出流路132を介して基板Wに処理液が吐出される。
【0047】
循環流路330は、処理液タンク311から処理液キャビネット310を出るまでの流路331と、処理液キャビネット310を出てから処理液ユニット320に入るまでの流路332と、処理液ユニット320に入ってから折返地点までの流路333と、折返地点から処理液ユニット320を出るまでの流路334と、処理液ユニット320を出てから処理液キャビネット310に入るまでの流路335と、処理液キャビネット310に入ってから処理液タンク311までの流路336とから構成される。
【0048】
流路331は、処理液タンク311からポンプ312およびヒータ313を通過した後、複数に分岐される。分岐された流路331は、流量計314と、フィルター315を通過して流路332につながる。処理液は、処理液タンク311から流路331を鉛直下方に流れ、流路332を水平方向に進む。
【0049】
流路332は、処理液キャビネット310、処理液ユニット320よび基板処理ユニット100の載置されるフロア(床)の下方に配置される。処理液は、流路332を水平方向に進む。
【0050】
流路333は、フロア下から鉛直上方に延びており、処理液は、流路333に沿ってフロア下から鉛直上方に向かって流れる。流路333は、主流路333aと、迂回流路33Uとを有する。主流路333aは、鉛直上方に延びる。迂回流路33Uは、主流路333aから基板処理ユニット100に向かって水平方向に延びる。
【0051】
上述したように、基板処理ユニット100は複数段に積層される。主流路333aは、それぞれ、基板処理ユニット100の段ごとに鉛直上方に延びており、迂回流路33Uは、それぞれ、主流路333aから各基板処理ユニット100に近づくように延びる。
【0052】
詳細は後述するが、基板処理ユニット100は、処理液供給部130を含む。処理液供給部130は、吐出流路132と、ノズル134と、バルブ136とを有する。吐出流路132は、迂回流路33Uと接続する。バルブ136は、吐出流路132に配置される。バルブ136は、処理液の直接的または間接的な制御に用いられる流路機器の一種である。
【0053】
バルブ136を開くことにより、流路333の主流路333a、迂回流路33Uから吐出流路132を通過した処理液が、基板Wに吐出される。このため、処理液は、必要に応じて、流路333の主流路333a、迂回流路33Uから吐出流路132およびノズル134を通過して基板Wに供給される。
【0054】
なお、吐出流路132の一部は、迂回流路33Uの一部に沿って配置される。吐出流路132の一部は、迂回流路33Uの一部と平行であることが好ましい。また、吐出流路132の一部は、迂回流路33Uの一部と近接することが好ましく、吐出流路132の一部は、迂回流路33Uの一部に接触してもよい。
【0055】
迂回流路33Uは、往路333bと、復路333cとを有する。吐出流路132の一部は、往路333bおよび復路333cの一方の一部に沿って配置されてもよい。吐出流路132の一部は、往路333bおよび復路333cの一方の一部と平行であることが好ましい。また、吐出流路132の一部は、往路333bおよび復路333cの一方の一部と近接することが好ましく、吐出流路132の一部は、往路333bおよび復路333cの一方の一部と接触してもよい。
【0056】
流路334は、鉛直上方からフロア下まで延びる。流路334は、複数段の基板処理ユニット100に対応する高さにわたって直線状に鉛直方向に延びる。なお、流路333および流路334は、処理液ユニット320内に配置される。
【0057】
流路335は、流路332と同様に、処理液キャビネット310、処理液ユニット320および基板処理ユニット100の載置されるフロア(床)の下方に配置される。流路335は、水平方向に延びる。
【0058】
また、流路336は、フロア下から鉛直上方に延びる。処理液は、流路336に沿ってフロア下から鉛直上方まで進み、処理液タンク311に戻る。流路336には、バルブ316が配置される。なお、流路331および流路336は、処理液キャビネット310内に配置される。以上のようして、処理液は、循環流路330を循環し、必要に応じて基板Wに供給される。
【0059】
処理液ユニット320を流れる処理液は、迂回流路33Uを通過する。また、バルブ136が開いた場合、処理液は吐出流路132を流れてノズル134から基板Wに吐出される。バルブ136が閉じた状態で処理液は、吐出流路132に沿って位置する迂回流路33Uを流れるため、吐出流路132に処理液が流れなくても、吐出流路132の温度を比較的高く保つことができる。このため、処理液が吐出流路132を流れ始める際の処理液の温度の低下を抑制できる。したがって、処理液を無駄に廃棄することなく基板Wを処理するために有効に利用できる。
【0060】
例えば、処理液としてIPA(イソプロピルアルコール:isopropylalcohol)液を用いてもよい。あるいは、処理液として、SMT(疎水化液)を用いてもよい。
【0061】
なお、
図2では、処理液キャビネット310は、処理液ユニット320および基板処理ユニット100と同様にフロアの上に配置されたが、処理液キャビネット310は、フロアの下に配置されてもよい。
【0062】
次に、
図1~
図3を参照して、本実施形態の基板処理装置10における基板処理ユニット100を説明する。
図3は、基板処理ユニット100の模式図である。
【0063】
基板処理ユニット100は、チャンバー110と、基板保持部120と、処理液供給部130とを備える。チャンバー110は、基板Wを収容する。基板保持部120は、基板Wを保持する。
【0064】
チャンバー110は、内部空間を有する略箱形状である。チャンバー110は、基板Wを収容する。ここでは、基板処理ユニット100は、基板Wを1枚ずつ処理する枚葉型であり、チャンバー110には基板Wが1枚ずつ収容される。基板Wは、チャンバー110内に収容され、チャンバー110内で処理される。チャンバー110には、基板保持部120および処理液供給部130のそれぞれの少なくとも一部が収容される。
【0065】
基板保持部120は、基板Wを保持する。基板保持部120は、基板Wの上面(表面)Waを上方に向け、基板Wの裏面(下面)Wbを鉛直下方に向くように基板Wを水平に保持する。また、基板保持部120は、基板Wを保持した状態で基板Wを回転させる。基板保持部120は、基板Wを保持したまま基板Wを回転させる。
【0066】
例えば、基板保持部120は、基板Wの端部を挟持する挟持式であってもよい。あるいは、基板保持部120は、基板Wを裏面Wbから保持する任意の機構を有してもよい。例えば、基板保持部120は、バキューム式であってもよい。この場合、基板保持部120は、非デバイス形成面である基板Wの裏面Wbの中央部を上面に吸着させることにより基板Wを水平に保持する。あるいは、基板保持部120は、複数のチャックピンを基板Wの周端面に接触させる挟持式とバキューム式とを組み合わせてもよい。
【0067】
例えば、基板保持部120は、スピンベース121と、チャック部材122と、シャフト123と、電動モーター124と、ハウジング125と、モーター駆動部126とを含む。チャック部材122は、スピンベース121に設けられる。チャック部材122は、基板Wをチャックする。典型的には、スピンベース121には、複数のチャック部材122が設けられる。
【0068】
シャフト123は、中空軸である。シャフト123は、回転軸Axに沿って鉛直方向に延びている。シャフト123の上端には、スピンベース121が結合されている。基板Wは、スピンベース121の上方に載置される。
【0069】
スピンベース121は、円板状であり、基板Wを水平に支持する。シャフト123は、スピンベース121の中央部から下方に延びる。電動モーター124は、シャフト123に回転力を与える。電動モーター124は、シャフト123を回転方向に回転させることにより、回転軸Axを中心に基板Wおよびスピンベース121を回転させる。ハウジング125は、シャフト123および電動モーター124を取り囲んでいる。
【0070】
モーター駆動部126は、電動モーター124を駆動する。モーター駆動部126からの駆動により、電動モーター124の回転が制御される。モーター駆動部126は、チャンバー110の外部に配置される。
【0071】
処理液供給部130は、基板Wに処理液を供給する。典型的には、処理液供給部130は、基板Wの上面Waに処理液を供給する。処理液は、例えば、IPA液である。
【0072】
処理液供給部130の少なくとも一部は、チャンバー110内に収容される。処理液供給部130は、基板Wの上面Waに処理液を供給する。
【0073】
上述したように、処理液供給部130は、吐出流路132と、ノズル134と、バルブ136とを含む。吐出流路132には、供給源から処理液が供給され、処理液は吐出流路132を流れる。ノズル134は、吐出流路132の先端に設置される。ノズル134は基板Wの上面Waに処理液を吐出する。バルブ136は、吐出流路132に接続される。バルブ136は、吐出流路132内の流路を開閉する。
【0074】
ここでは、吐出流路132は、チャンバー110の外部からチャンバー110の内部に延び、バルブ136は、チャンバー110の外部に配置される。ノズル134は、基板Wに対して移動可能に構成されていることが好ましい。
【0075】
基板処理ユニット100は、遮蔽部材140を備える。遮蔽部材140は、遮蔽板142と、支軸144と、昇降ユニット146とを含む。遮蔽板142は、基板保持部120の上方に水平に配置される。遮蔽板142は、薄い円形状の板を含む。遮蔽板142は、遮蔽板142の中央部から上方に延びる筒状の支軸144によって水平に支持される。遮蔽板142の中心線は、基板Wの回転軸Ax上に位置する。遮蔽板142には、処理液供給部130のノズル134が取り付けられる。
【0076】
遮蔽板142の下面142Lは、基板Wの上面に対向する。遮蔽板142の下面142Lは、基板Wの上面Waと平行であり、基板Wの直径以上の外径を有する。
【0077】
昇降ユニット146は、鉛直方向に沿って遮蔽板142を昇降させる。昇降ユニット146は、上方位置から下方位置までの任意の位置に遮蔽板142を移動させる。
図3において、遮蔽板142は、上方位置に位置する。
【0078】
基板処理ユニット100は、カップ180をさらに備える。カップ180は、基板Wから飛散した処理液を回収する。
【0079】
カップ180は、カップ本体182と、カップ駆動部184とを有する。カップ駆動部184は、カップ本体182を駆動する。カップ駆動部184からの駆動により、カップ本体182は昇降する。カップ駆動部184は、チャンバー110の外部に配置される。
【0080】
例えば、カップ本体182は、処理液供給部130が基板Wに処理液を供給する期間にわたって基板Wの側方にまで鉛直上方に上昇する。この場合、カップ本体182は、基板Wの回転によって基板Wから飛散する処理液を回収する。また、カップ本体182は、処理液供給部130が基板Wに処理液を供給する期間が終了すると、基板Wの側方から鉛直下方に下降する。
【0081】
上述したように、制御装置20は、制御部22および記憶部24を含む。制御部22は、基板保持部120、処理液供給部130、遮蔽部材140および/またはカップ180を制御する。一例では、制御部22は、モーター駆動部126、バルブ136、昇降ユニット146および/またはカップ駆動部184を制御する。
【0082】
本実施形態の基板処理ユニット100は、半導体層の設けられた半導体装置の作製に好適に用いられる。典型的には、半導体装置において、基材の上に導電層および絶縁層が積層される。基板処理ユニット100は、半導体装置の製造時に、導電層および/または絶縁層の洗浄および/または加工(例えば、エッチング、特性変化等)に好適に用いられる。
【0083】
次に、
図1~
図4を参照して、本実施形態の基板処理装置10を説明する。
図4は、基板処理装置10のブロック図である。
【0084】
図4に示すように、制御装置20は、基板処理装置10の各種動作を制御する。制御装置20は、インデクサーロボットIR、センターロボットCR、基板保持部120、処理液供給部130およびカップ180を制御する。具体的には、制御装置20は、インデクサーロボットIR、センターロボットCR、基板保持部120、処理液供給部130およびカップ180に制御信号を送信することによって、インデクサーロボットIR、センターロボットCR、基板保持部120、処理液供給部130およびカップ180を制御する。
【0085】
具体的には、制御部22は、インデクサーロボットIRを制御して、インデクサーロボットIRによって基板Wを受け渡しする。
【0086】
制御部22は、センターロボットCRを制御して、センターロボットCRによって基板Wを受け渡しする。例えば、センターロボットCRは、未処理の基板Wを受け取って、複数のチャンバー110のうちのいずれかに基板Wを搬入する。また、センターロボットCRは、処理された基板Wをチャンバー110から受け取って、基板Wを搬出する。
【0087】
制御部22は、基板保持部120を制御して、基板Wの回転の開始、回転速度の変更および基板Wの回転の停止を制御する。例えば、制御部22は、基板保持部120を制御して、基板保持部120の回転数を変更することができる。具体的には、制御部22は、基板保持部120の電動モーター124の回転数を変更することによって、基板Wの回転数を変更できる。
【0088】
制御部22は、処理液供給部130のバルブ136を制御して、バルブ136の状態を開状態と閉状態とに切り替えることができる。具体的には、制御部22は、処理液供給部130のバルブ136を制御して、バルブ136を開状態にすることによって、ノズル134に向かって吐出流路132内を流れる処理液を通過させることができる。また、制御部22は、処理液供給部130のバルブ136を制御して、バルブ136を閉状態にすることによって、ノズル134に向かって吐出流路132内を流れる処理液の供給を停止させることができる。
【0089】
制御部22は、カップ駆動部184を制御してカップ本体182の位置を制御する。例えば、制御部22は、処理液供給部130が基板Wに処理液を供給する期間にわたってカップ本体182が基板Wの側方にまで鉛直上方に上昇するようにカップ駆動部184を制御する。また、制御部22は、処理液供給部130が基板Wに処理液を供給する期間が終了すると、カップ本体182が基板Wの側方から鉛直下方に下降するようにカップ駆動部184を制御する。
【0090】
なお、制御部22は、
図3に示した遮蔽部材140を制御してもよい。例えば、制御部22は、昇降ユニット146を制御して基板Wに対して遮蔽板142を昇降させてもよい。
【0091】
次に、
図5を参照して本実施形態の基板処理装置10を説明する。
図5は、基板処理装置10の模式図である。
図5は、基板処理装置10における基板処理ユニット100および処理液ユニット320の側面を示す。
【0092】
図5に示すように、基板処理ユニット100は、複数段積層される。ここでは、基板処理ユニット100は、2列にわたって3段に積層される。また、処理液ユニット320は、基板処理ユニット100の2列の間に、鉛直方向に延びるように配置される。
【0093】
上述したように、処理液ユニット320は、流路333と、流路334とを含む。流路333は、鉛直下方から鉛直上方に延びる。流路334は、鉛直上方から鉛直下方に延びる。処理液は、流路333を通って鉛直下方から鉛直上方に流れ、その後、流路334を通って鉛直上方から鉛直下方に流れる。なお、流路333および流路334は、1つの管内に互いに分離された状態で配置されてもよい。
【0094】
流路333は、複数の主流路333aと、複数の迂回流路33Uとを有する。ここでは、主流路333aは、鉛直下方から鉛直上方に延びる。迂回流路33Uは、ある主流路333aの端部から延びる。典型的には、迂回流路33Uは、主流路333aから水平方向に延びる。迂回流路33Uは、ある主流路333aから延びて、別の主流路333aと接続する。迂回流路33Uは、吐出流路132と接続する。
図2および
図3を参照して上述したように、処理液は、吐出流路132を介してチャンバー110内に進み、ノズル134から基板Wに吐出される。このため、チャンバー110には、主流路333a、迂回流路33Uおよび吐出流路132を流れる処理液が供給される。
【0095】
基板処理ユニット100は、チャンバー110と、駆動室112と、フレーム114とを有する。ここでは、基板処理ユニット100には、鉛直方向に並んだ2つの空間が設けられる。上側の空間がチャンバー110であり、下側の空間が駆動室112である。チャンバー110と駆動室112との間には、フレーム114が配置される。
【0096】
図面が過度に複雑になることを避けるために
図5には図示しないが、
図3に示したように、チャンバー110には、基板保持部120、ノズル134、遮蔽部材140およびカップ本体182等が配置される。一方、駆動室112には、チャンバー110内の素子を駆動する駆動部材が配置される。例えば、駆動室112には、モーター駆動部126および/またはカップ駆動部184が配置される。また、駆動室112には、昇降ユニット146(
図3)を駆動するための駆動源が配置されてもよい。
【0097】
ここでは、フレーム114の側方に、収納部160が配置される。例えば、収納部160は、有蓋または蓋なしの箱形状である。収納部160は、循環流路330の一部および吐出流路132の一部を収納する。詳細には、収納部160は、迂回流路33Uおよび吐出流路132の一部を収納する。なお、収納部160には、吐出流路132に配置されたバルブ136が収納されてもよい。収納部160が、チャンバー110と駆動室112との間に位置するフレーム114の側方に配置されることにより、チャンバー110および駆動室112内の機器を容易にメンテナンスできる。
【0098】
また、
図5では、バルブ136が収納部160に収納されており、バルブ136も迂回流路33Uに沿って配置されるため、バルブ136の温度の低下を抑制できる。バルブ136が閉じた状態から開いた状態に変化する場合に、バルブ136の温度が低いと、バルブ136を通過する処理液の温度が低下するため、バルブ136も迂回流路33Uに沿って配置されることにより、バルブ136が閉じた状態でもバルブ136の温度を比較的高く保つことができる。
【0099】
なお、
図5では、収納部160にバルブ136が収納されたが、本実施形態はこれに限定されない。バルブ136は、チャンバー110内の収納部160に収納されない位置に配置されてもよい。この場合でも、バルブ136が閉じた状態で処理液は、吐出流路132に沿って位置する迂回流路33Uを流れるため、処理液が吐出流路132を流れ始める際の処理液の温度の低下を抑制できる。
【0100】
なお、
図5には、図示しないが、収納部160には、バルブ136として、モーターニードルバルブが配置されてもよい。また、収納部160には、流量計137およびサックバック一体型吐出バルブが配置されてもよい。
【0101】
また、収納部160は、列方向に隣接して配置された基板処理ユニット100の間から水平方向に延びるように配置されており、収納部160に収納される迂回流路333Uは、主流路333aの延びる方向とは直交する方向に延びている。このため、吐出流路132の温度低下の抑制を比較的短い循環流路で実現できる。
【0102】
次に、
図6を参照して本実施形態の基板処理装置10を説明する。
図6は、基板処理装置10の一部拡大図である。
【0103】
図6に示すように、基板処理ユニット100の側方に、循環流路330の流路333が配置される。流路333は、鉛直下方から鉛直上方に延びる。流路333は、主流路333aと、迂回流路33Uとを有する。迂回流路33Uは、主流路333aから延びる。迂回流路33Uは、主流路333aの端部から水平方向に延び、その後、主流路333aに向かって水平方向に戻る。
【0104】
詳細には、流路333のある主流路333aは、鉛直方向下方から鉛直方向上方に向かって延びる。この主流路333aの端部から、水平方向に曲がって、迂回流路33Uとなる。迂回流路33Uは、収納部160の長手方向に沿った一方の端部から他方の端部にまで延び、再び、収納部160の長手方向に沿った一方の端部にまで延びる。迂回流路33Uの端部は、別の主流路333aと連結して、さらに鉛直方向下方から鉛直方向上方に向かって延びる。
【0105】
また、吐出流路132は、迂回流路33Uから分岐される。迂回流路33Uは、途中において、吐出流路132と接続する。ここでは、迂回流路33Uは、長手方向に沿った端部において吐出流路132と接続する。なお、吐出流路132の一部は、迂回流路33Uの一部に隣接して配置される。
【0106】
迂回流路33Uは、往路333bと、復路333cとを有する。往路333bは、主流路333aの端部から主流路333aから離れるように延びる。復路333cは、往路333bの先端から主流路333aに接続するように延びる。
【0107】
また、吐出流路132は、少なくとも一部が迂回流路33Uに沿って配置される。
図6では、吐出流路132は、復路333cと沿うように示されるが、吐出流路132は、往路333bと沿ってもよい。
【0108】
例えば、吐出流路132、往路333bおよび復路333cは、水平方向に一列に並んで配置されてもよい。あるいは、吐出流路132、往路333bおよび復路333cは、鉛直方向に一列に並んで配置されてもよい。
【0109】
上述したように、流路333は、迂回流路33Uを経由しながら、鉛直下方から鉛直上方に延びる。流路334は、流路333に隣接して配置される。詳細には、流路333の主流路333aに隣接して流路334が配置される。流路334は、鉛直上方から鉛直下方に延びる。
【0110】
収納部160は、基板処理ユニット100の側方に配置される。収納部160は、水平方向に延びる。流路333および流路334は、収納部160を貫通する。流路334は、収納部160を鉛直方向に沿って直線状に貫通する。一方、流路333は、隣接する主流路333aの間において、収納部160に収納された水平方向に流れる迂回流路33Uを経由して収納部160を貫通する。
【0111】
上述したように、迂回流路33Uは、往路333bと、復路333cとを有する。往路333bは、主流路333aから離れる方向に延びる。また、復路333cは、往路333bの先端から主流路333a側に延びる。なお、往路333bと復路333cとは、主流路333aから離れた側においてのみ連結しており、主流路333a側では連結していない。
【0112】
吐出流路132と、往路333bと、復路333cとの間隔は、短いことが好ましい。例えば、吐出流路132は、往路333bおよび復路333cの少なくとも一方と接触してもよい。
【0113】
迂回流路33Uを流れる処理液の温度の低下を抑制するために、吐出流路132の一部と、迂回流路33Uの一部とは沿って配置されることが好ましい。例えば、吐出流路132の一部と、迂回流路33Uの一部との間隔は短いことが好ましい。例えば、吐出流路132と迂回流路33Uとの間の最短距離は、3cm以下であってもよく、1cm以下であってもよい。あるいは、吐出流路132の一部は、迂回流路33Uの一部と接触してもよい。
【0114】
また、迂回流路33Uにおいて、往路333bと復路333cとは隣接する。詳細には、往路333bの一部と復路333cの一部との間隔は短いことが好ましい。往路333bの一部は、復路333cの一部と接触することが好ましい。
【0115】
さらに、迂回流路33Uおよび吐出流路132は、断熱材162で囲まれてもよい。断熱材162により、迂回流路33Uおよび吐出流路132を流れる処理液の熱の拡散が低減され、迂回流路33Uおよび吐出流路132を流れる処理液の温度の低下を抑制できる。例えば、断熱材162は、多孔質PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)を含む。
【0116】
また、断熱材162は、バルブ136の少なくとも一部を覆ってもよい。これにより、バルブ136からの熱の拡散を抑制できる。
【0117】
なお、断熱材162を用いる場合、迂回流路33Uおよび吐出流路132を囲んだ状態が維持されるように固定部材164で固定することが好ましい。例えば、固定部材164として、結束バンドを用いてもよい。あるいは、固定部材164として、環状の弾性体を用いてもよい。
【0118】
収納部160は、密閉された中空空間を有してもよい。収納部160が密閉される場合、収納部160には、不活性ガスで充填されることが好ましい。
【0119】
ここでは、基板処理装置10は、不活性ガスを供給する不活性ガス供給部170をさらに備える。不活性ガス供給部170は、収納部160に不活性ガスを供給する。例えば、不活性ガスは、窒素ガスである。
【0120】
不活性ガス供給部170は、流路172と、バルブ174とを含む。流路172には、供給源から不活性ガスが供給され、不活性ガスを流す。バルブ174は、流路172内の流路を開閉する。
【0121】
ここでは、不活性ガス供給部170は、収納部160に不活性ガスを供給するが、不活性ガス供給部170は、チャンバー110に不活性ガスを供給してもよい。
【0122】
なお、流路333および流路334は、1本の外管33Tの内部に配置されてもよい。外管33Tの内径は、流路333を形成する配管の外径と流路334を形成する配管の外径との和よりも大きい。このため、流路333、流路334、外管33Tとから2重配管33Dが形成される。外管33Tの内部には、流路333および流路334が配置され、流路333および流路334以外の空間は空気で満たされてもよい。このように、流路333、流路334を外管33Tの内部に配置した2重配管33Dを構成することにより、流路333および流路334からの熱の拡散を抑制できる。
【0123】
なお、
図6を参照した上述の説明では、吐出流路132に流路機器として1つのバルブ136が配置されたが、本実施形態はこれに限定されない。吐出流路132には、複数の流路機器が配置されてもよい。
【0124】
次に、
図7を参照して本実施形態の基板処理装置10を説明する。
図7は、基板処理装置10の模式図である。
図7の基板処理装置10は、吐出流路132に流路機器として複数種類のバルブ136と流量計137が配置された点を除いて、
図6を参照して上述した基板処理装置10と同様の構成を有しており、冗長を避けるために重複する記載を省略する。
【0125】
図7に示すように、吐出流路132には、バルブ136としてモーターニードルバルブ136aが配置される。モーターニードルバルブ136aにより、吐出流路132を流れる処理液の流量を簡便に制御できる。
【0126】
また、吐出流路132には、バルブ136としてサックバック一体型吐出バルブ136bが配置される。サックバック一体型吐出バルブ136bにより、処理液の流量を高精度に制御できる。
【0127】
また、吐出流路132には、流量計137が配置される。流量計137は、吐出流路132を流れる処理液の流量を測定する。例えば、流量計137は、超音波流量計である。これにより、ノズル134から基板Wに供給される処理液の流量を測定できる。
【0128】
吐出流路132に、モーターニードルバルブ136a、流量計137およびサックバック一体型吐出バルブ136bを配置する場合、上流から下流に向かって、流量計137、モーターニードルバルブ136aおよびサックバック一体型吐出バルブ136bの順番に配置することが好ましい。
【0129】
さらに、吐出流路132には、バルブ136として三方弁(トグルバルブ)136cを配置してもよい。三方弁136cは、吐出流路132と迂回流路33Uとの連結部分とモーターニードルバルブ136aとの間に配置される。この場合、三方弁136cの1つの弁には、不活性ガス供給部が接続されてもよい。三方弁136cの別の弁を閉じた状態で、不活性ガス供給部から不活性ガスを供給することにより、処理液を基板処理ユニット100に向けて押し流すことができ、吐出流路132を容易にメンテナンスできる。なお、ここでは、三方弁136cを用いたが、三方弁136cに代えて2つのバルブを用いて不活性ガス供給部から不活性ガスを供給し、吐出流路132をメンテナンスしてもよい。
【0130】
次に、
図6~
図8を参照して、本実施形態の基板処理装置10を説明する。
図8は、基板処理装置10における基板処理ユニット100および処理液ユニット320の模式的な斜視図である。
【0131】
図8に示すように、基板処理ユニット100は、鉛直方向に3つ並ぶ。また、基板処理ユニット100の側方において、処理液ユニット320は鉛直方向に延びる。処理液ユニット320は、鉛直方向に延びる2重配管33Dと、2重配管33Dに連結された収納部160内に収納された迂回流路33U(
図7)とを含む。上述したように、2重配管33Dには、流路333および流路334が含まれる。収納部160は、基板処理ユニット100ごとに設置される。詳細には、収納部160は、基板処理ユニット100のフレーム114の側方に配置される。
【0132】
処理液ユニット320の下部には、接続支持部322が配置される。接続支持部322は、2重配管33Dを支持するとともに2重配管33D内の流路333および流路334とフロア下の流路332および流路335(
図2)とを接続する。2重配管33Dは、接続支持部322と接続する。
図8には図示しないが、接続支持部322内には、流路333および流路334が通過する。
【0133】
次に、
図7~
図9を参照して、本実施形態の基板処理装置10を説明する。
図9は、基板処理装置10における収納部160およびその近傍の模式的な斜視図である。なお、
図9では、参考のために、収納部160の蓋160aを開いた状態を示す。
【0134】
図9に示すように、収納部160は、蓋160aと、箱160bとを有する。箱160bは、中空形状であり、水平方向に延びる。蓋160aは、箱160bの中空形状に応じた形状を有する。箱160bを蓋160aで覆うことにより、収納部160内を密閉できる。
【0135】
箱160bには、迂回流路33Uおよび吐出流路132が収納される。また、箱160bには、吐出流路132に接続された三方弁136c、流量計137、モーターニードルバルブ136aおよびサックバック一体型吐出バルブ136bが収納される。
【0136】
箱160bには、迂回流路33Uの往路333bと、復路333cと、吐出流路132が収納される。ここでは、往路333bと、復路333cと、吐出流路132は、水平方向に一列に並んで配置される。また、箱160b内において、迂回流路33Uの往路333bと、復路333cと、吐出流路132とは、断熱材162によって覆われる。断熱材162は、三方弁136c、流量計137、モーターニードルバルブ136aおよびサックバック一体型吐出バルブ136bの配置されない領域において、固定部材164で固定される。迂回流路33Uには高温の処理液が循環するため、断熱材162および固定部材164により、吐出流路132の温度の低下を抑制するとともに迂回流路33Uおよび吐出流路132からの熱の拡散を抑制できる。
【0137】
さらに、箱160bを蓋160aで覆うことにより、迂回流路33Uおよび吐出流路132からの熱の拡散を抑制できる。また、箱160bを蓋160aで覆うことにより、迂回流路33Uおよび吐出流路132から処理液が若干漏れたとしても、基板処理装置10全体が汚染されることを抑制できる。
【0138】
また、
図7~
図9から理解されるように、流路333(主流路333a)および流路334は、収納部160の外では2重配管33Dの一部として一体化されるが、収納部160の内部では、流路333および流路334は、分離される。主流路333aの向きは、主流路333aの端部に位置するコネクタによって水平方向に変更され、迂回流路33Uに接続される。なお、
図9では、図面が過度に複雑になることを避けるために、迂回流路33Uおよび吐出流路132を、流路334および主流路333aとは異なる太さで示しているが、これらの流路の口径は一定であってもよいことは言うまでもない。
【0139】
次に、
図6~
図10を参照して、本実施形態の基板処理装置10における接続支持部322を説明する。
図10は、接続支持部322の模式的な斜視図である。
【0140】
図10に示すように、2重配管33Dは、鉛直方向下方に延びて接続支持部322に接続する。
図6および
図7に示したように、2重配管33Dは、流路333と、流路334と、外管33Tとを含む。2重配管33Dは、接続支持部322の外面において接続支持部322と接続する。2重配管33Dの流路333と流路334は、接続支持部322の内部に延びる。流路333と流路334は、接続支持部322において水平方向に延びた後、鉛直下方に延びる。その後、流路333と流路334は、接続支持部322の下方においてコネクタに接続され、フロアの下方に位置する流路332および流路335において、再び2重配管が形成される。
【0141】
なお、
図3を参照して上述した説明では、基板処理ユニット100は、遮蔽部材140を備え、遮蔽部材140から処理液を供給したが、本実施形態はこれに限定されない。基板処理ユニット100は、移動可能なアームに取り付けられたノズルから処理液を供給してもよい。
【0142】
次に、
図11および
図12を参照して、本実施形態の基板処理装置10を説明する。
図11は、基板処理装置10における基板処理ユニット100の模式図である。
図11の基板処理ユニット100は、処理液供給部130のノズル134が遮蔽部材140に代えてアーム138aの先端に取り付けられている点を除いて、
図3に示した基板処理ユニット100と同様であり、冗長を避けるために重複する記載を省略する。
【0143】
図11に示すように、処理液供給部130は、ノズル移動部138をさらに含む。ノズル移動部138は、吐出位置と退避位置との間でノズル134を移動する。ノズル134が吐出位置にある場合、ノズル134は、基板Wの上方に位置する。ノズル134が吐出位置にある場合、ノズル134は、基板Wの上面Waに向けて処理液を吐出する。ノズル134が退避位置にある場合、ノズル134は、基板Wよりも基板Wの径方向外側に位置する。
【0144】
ノズル移動部138は、アーム138aと、回動軸138bと、移動機構138cとを含む。アーム138aは、略水平方向に沿って延びる。アーム138aの先端部にはノズル134が取り付けられる。アーム138aは、回動軸138bに結合される。回動軸138bは、略鉛直方向に沿って延びる。移動機構138cは、回動軸138bを略鉛直方向に沿った回動軸線のまわりに回動させて、アーム138aを略水平面に沿って回動させる。その結果、ノズル134が略水平面に沿って移動する。例えば、移動機構138cは、回動軸138bを回動軸線のまわりに回動させるアーム揺動モーターを含む。アーム揺動モーターは、例えば、サーボモーターである。また、移動機構138cは、回動軸138bを略鉛直方向に沿って昇降させて、アーム138aを昇降させる。その結果、ノズル134は、略鉛直方向に沿って移動する。例えば、移動機構138cは、ボールねじ機構と、ボールねじ機構に駆動力を与えるアーム昇降モーターとを含む。アーム昇降モーターは、例えば、サーボモーターである。
【0145】
図12は、基板処理装置10の模式的な上面図である。
図12に示すように、チャンバー110の内側には、センターロボットCRが配置されており、チャンバー110の外側には収納部160が配置される。なお、
図5~
図9を参照して上述したように、収納部160には、迂回流路33Uおよび吐出流路132が収納されるが、
図12では、図面の複雑さを回避する目的で、迂回流路33Uを1本の線で示していることに留意されたい。
【0146】
処理液供給部130の回動軸138bは、チャンバー110の側壁を介して収納部160と対向する。これにより、チャンバー110内の吐出流路132を短くできるため、チャンバー110内に機器の配置およびメンテナンスを容易にできる。
【0147】
なお、
図2~
図12を参照して上述した説明では、迂回流路33Uは、チャンバー110の外に配置されたが、本実施形態はこれに限定されない。また、
図5~
図12を参照して上述した説明では、収納部160は、チャンバー110の外部に配置されたが、本実施形態はこれに限定されない。迂回流路33Uの一部がチャンバー110の内部に配置されるとともに収納部160がチャンバー110の内部に配置されてもよい。
【0148】
次に、
図13を参照して、本実施形態の基板処理装置10を説明する。
図13は、基板処理装置10の模式図である。なお、
図13の基板処理装置10は、循環流路330の一部がチャンバー110内に配置される点を除いて、
図12に示した基板処理装置10と同様であり、冗長を避けるために重複する記載を省略する。
【0149】
図13に示すように、収納部160は、チャンバー110内に配置される。詳細には、収納部160は、チャンバー110のうちのセンターロボットCR側とは異なる側に配置される。
図5~
図9を参照して上述したように、収納部160には、迂回流路33Uおよび吐出流路132が収納されるが、
図12と同様に、
図13でも、図面の複雑さを回避する目的で、迂回流路33Uを1本の線で示していることに留意されたい。
【0150】
処理液ユニット320は、チャンバー110の外側に配置される。詳細には、処理液ユニット320は、隣接するチャンバー110の間に配置される。
【0151】
また、
図13では、処理液の流路333および流路334が配置された処理液ユニット320は、チャンバー110の外側に配置されたが、本実施形態はこれに限定されない。流路333および流路334は、チャンバー110を鉛直下方から鉛直上方に貫通するように配置されてもよい。
【0152】
なお、
図1~
図13を参照した上述の説明では、処理液循環機構300が循環させる処理液は1つであったが、本実施形態はこれに限定されない。処理液循環機構300は、複数の処理液を循環させてもよい。
【0153】
次に、
図14を参照して本実施形態の基板処理装置10を説明する。
図14は、2つの処理液が循環する基板処理装置10の模式図である。なお、
図14の基板処理装置10は、循環する処理液が2つである点を除いて、
図2を参照して上述した基板処理装置10と同様の構成を有しており、冗長を避ける目的で重複する説明を省略する。
【0154】
図14に示すように、2つの処理液は、それぞれ、処理液キャビネット310および処理液ユニット320を循環するとともに、必要に応じて処理液ユニット320から基板処理ユニット100に供給される。例えば、2つの処理液の一方は、IPA液であり、他方はSMT液である。
【0155】
処理液キャビネット310は、2つの処理液を調製する。典型的には、処理液キャビネット310は、室温よりも加熱した状態に処理液を調製する。また、処理液キャビネット310は、処理液内の不純物を濾過する。本明細書において、2つの処理液のうちの一方の処理液を処理液Aと記載し、他方の処理液を処理液Bと記載することがある。
【0156】
処理液キャビネット310は、処理液タンク311Aと、ポンプ312Aと、ヒータ313Aと、フィルター315Aと、処理液タンク311Bと、ポンプ312Bと、ヒータ313Bと、フィルター315Bとを備える。処理液タンク311Aと、ポンプ312Aと、ヒータ313Aと、フィルター315Aは、処理液Aを調製するために用いられ、処理液タンク311Bと、ポンプ312Bと、ヒータ313Bと、フィルター315Bは、処理液Bを調製するために用いられる。
【0157】
処理液タンク311Aと、ポンプ312Aと、ヒータ313Aと、フィルター315Aは、処理液タンク311Bと、ポンプ312Bと、ヒータ313Bと、フィルター315Bと同じ構成であってもよく、異なる構成であってもよい。例えば、ポンプ312Aおよびポンプ312Bの流量および/またはヒータ313Aおよびヒータ313Bの設定温度は、処理液に応じて異なってもよい。
【0158】
処理液Aは、処理液タンク311Aから処理液キャビネット310を出るまでの流路331Aと、処理液キャビネット310から処理液ユニット320に入るまでの流路332Aと、処理液ユニット320に入ってから折返地点までの流路333Aと、折返地点から処理液ユニット320を出るまでの流路334Aと、処理液ユニット320を出てから処理液キャビネット310に入るまでの流路335Aと、処理液キャビネット310に入ってから処理液タンク311Aまでの流路336Aとを順番に流れる。
【0159】
同様に、処理液Bは、処理液タンク311Bから処理液キャビネット310を出るまでの流路331Bと、処理液キャビネット310から処理液ユニット320に入るまでの流路332Bと、処理液ユニット320に入ってから折返地点までの流路333Bと、折返地点から処理液ユニット320を出るまでの流路334Bと、処理液ユニット320を出てから処理液キャビネット310に入るまでの流路335Bと、処理液キャビネット310に入ってから処理液タンク311Bまでの流路336Bとを順番に流れる。
【0160】
流路333Aは、主流路333Aaと、迂回流路となる往路333Abおよび復路333Acとを含む。また、基板処理ユニット100は、それぞれ、吐出流路132Aと、ノズル134Aと、バルブ136Aとを有する。吐出流路132Aは、復路333Acと接続する。バルブ136Aは、吐出流路132Aに配置される。
【0161】
バルブ136Aを開くことにより、流路333Aの主流路333Aa、復路333Acから吐出流路132Aを通過した処理液が、基板Wに吐出される。このため、処理液Aは、必要に応じて、流路333Aの主流路333Aa、復路333Acから吐出流路132Aおよびノズル134を通過して基板Wに供給される。
【0162】
同様に、流路333Bは、主流路333Baと、迂回流路となる往路333Bbおよび復路333Bcとを含む。また、基板処理ユニット100は、それぞれ、吐出流路132Bと、ノズル134Bと、バルブ136Bとを有する。吐出流路132Bは、復路333Bcと接続する。バルブ136Bは、吐出流路132Bに配置される。
【0163】
バルブ136Bを開くことにより、流路333Bの主流路333Ba、復路333Bcから吐出流路132Bを通過した処理液が、基板Wに吐出される。このため、処理液Bは、必要に応じて、流路333Bの主流路333Ba、復路333Bcから吐出流路132Bおよびノズル134を通過して基板Wに供給される。
【0164】
次に、
図14および
図15を参照して、本実施形態の基板処理装置10における基板処理ユニット100を説明する。
図15は、基板処理ユニット100の模式図である。なお、
図15の基板処理ユニット100は、遮蔽部材140は、第1処理液供給部130Aおよび第2処理液供給部130Bから2つの処理液が供給される点を除いて、
図3を参照して上述した基板処理ユニット100と同様の構成を有しており、冗長を避ける目的で重複する説明を省略する。
【0165】
基板処理ユニット100は、第1処理液供給部130Aと、第2処理液供給部130Bとを有する。第1処理液供給部130Aは、吐出流路132Aと、ノズル134Aと、バルブ136Aとを有する。第2処理液供給部130Bは、吐出流路132Bと、ノズル134Bと、バルブ136Bとを有する。
【0166】
本実施形態の基板処理装置10において、カップ180は、第1カップ本体182Aと、第1カップ駆動部184Aと、第2カップ本体182Bと、第2カップ駆動部184Bとを有する。第1カップ本体182Aおよび第2カップ本体182Bは、基板Wに供給される処理液に応じて切り替えて駆動される。
【0167】
例えば、第1処理液供給部130Aが処理液を基板Wに供給する場合、第1カップ本体182Aが基板Wの側方にまで上昇し、この処理液を回収する。一方、第2処理液供給部130Bが処理液を基板Wに供給する場合、第2カップ本体182Bが基板Wの側方にまで上昇し、この処理液を回収する。
【0168】
次に、
図14~
図16を参照して、2つの処理液を循環および供給するための基板処理装置10を説明する。
図16は、基板処理装置10における基板処理ユニット100および処理液ユニット320の模式図である。
【0169】
図16に示すように、処理液ユニット320は、流路333Aと、流路334Aと、流路333Bと、流路334Bとを含む。流路333Aおよび流路333Bは、鉛直下方から鉛直上方に延びる。流路334Aおよび流路334Bは、鉛直上方から鉛直下方に延びる。処理液A、Bは、流路333A、333Bを通って鉛直下方から鉛直上方にそれぞれ流れ、その後、流路334A、334Bを通って鉛直上方から鉛直下方にそれぞれ流れる。
【0170】
流路333Aは、主流路333Aaと、迂回流路33AUとを有する。ここでは、主流路333Aaは、鉛直下方から鉛直上方に延びる。迂回流路33AUは、ある主流路333aの端部から延びる。典型的には、迂回流路33AUは、主流路333aから水平方向に延びる。迂回流路33AUは、ある主流路333Aaから延びて、別の主流路333Aaと接続する。迂回流路33AUは、吐出流路132Aと接続する。
図14および
図15を参照して上述したように、処理液Aは、吐出流路132Aを介してチャンバー110内に進み、ノズル134Aから基板Wに吐出される。
【0171】
同様に、流路333Bは、複数の主流路333Baと、複数の迂回流路33BUとを有する。ここでは、主流路333Baは、鉛直下方から鉛直上方に延びる。迂回流路33BUは、ある主流路333Baの端部から延びる。典型的には、迂回流路33BUは、主流路333Baから水平方向に延びる。迂回流路33BUは、ある主流路333Baから延びて、別の主流路333Baと接続する。迂回流路33BUは、吐出流路132Bと接続する。
図14および
図15を参照して上述したように、処理液Bは、吐出流路132Bを介してチャンバー110内に進み、ノズル134Bから基板Wに吐出される。
【0172】
収納部160は、処理液Aのための迂回流路33UAと、処理液Aのための吐出流路132Aと、吐出流路132Aに配置されたバルブ136Aと、処理液Bのための迂回流路33UBと、処理液Bのための吐出流路132Bと、吐出流路132Bに配置されたバルブ136Bとを収納する。例えば、迂回流路33UB、吐出流路132Bおよびバルブ136Bは、収納部160の下方に配置されて、迂回流路33UA、吐出流路132Aおよびバルブ136Aは、収納部160の上方に配置されてもよい。一例として、収納部160に、迂回流路33UBおよび迂回流路33UAを重ねて配置し、吐出流路132Bおよび吐出流路132Aを重ねて配置し、バルブ136Bおよびバルブ136Aを重ねて配置してもよい。
【0173】
上述したように、本実施形態の基板処理装置10は、引火性の処理液に対して好適に用いられる。例えば、第1処理液供給部130Aから供給される処理液はIPA液であり、第2処理液供給部130Bから供給される処理液はSMT液であってもよい。なお、基板Wの処理にSMT液を用いる場合、使用されたSMT液は、他の処理液とは別に回収することが好ましい。
【0174】
次に、
図14~
図17を参照して、本実施形態の基板処理装置10における基板処理ユニット100を説明する。
図17は、基板処理装置10の模式図である。なお、
図17の基板処理装置10では、図面が過度に複雑になることを回避するために、処理液ユニット320内の流路を省略していることに留意されたい。
【0175】
図17に示すように、基板処理ユニット100は、排出部118を有する。排出部118は、駆動室112の側方に配置される。排出部118は、チャンバー110の排出管と連結する。典型的には、排出部118は、SMT液で基板Wを処理した後にカップ180によって回収されたSMT液を排出するために用いられる。積層された基板処理ユニット100のそれぞれにおいて、排出部118は、駆動室112の側方に配置されており、階層の異なる排出部118は、排出管119を介して接続される。これにより、複数の基板処理ユニット100から排出される特定の溶液(例えば、SMT液)を別途回収することができる。
【0176】
次に、
図14~
図18を参照して、本実施形態の基板処理装置10を説明する。
図18は、基板処理装置10における基板処理ユニット100および処理液ユニット320の模式的な斜視図である。なお、
図18の基板処理ユニット100は、処理液ユニット320が、2つの処理液を循環させる2重配管33DAおよび2重配管33DBを有する点を除いて、
図8の基板処理装置10と同様の構成を有しており、冗長を避ける目的で重複する説明を省略する。
【0177】
図18に示すように、基板処理ユニット100は、鉛直方向に3つ並ぶ。また、基板処理ユニット100の側方において、処理液ユニット320は鉛直方向に延びる。処理液ユニット320は、鉛直方向に延びる2重配管33DAと、2重配管33DAに連結された収納部160内に収納された迂回流路33AU(
図16)とを含む。2重配管33DAには、
図14および
図16に示した流路333Aおよび流路334Aが含まれる。
【0178】
さらに、処理液ユニット320は、鉛直方向に延びる2重配管33DBと、2重配管33DBに連結された収納部160内に収納された迂回流路33AB(
図16)とを含む。2重配管33DBには、
図14および
図16に示した流路333Bおよび流路334Bが含まれる。
【0179】
ここでも、収納部160は、基板処理ユニット100ごとに設置される。詳細には、収納部160は、基板処理ユニット100のフレーム114の側方に配置される。
【0180】
次に、
図14~
図19を参照して、本実施形態の基板処理装置10を説明する。
図19は、基板処理装置10の模式図である。なお、
図19の基板処理装置10は、処理液ユニット320に2つの処理液が流れる点を除いて、
図9を参照して上述した基板処理装置10と同様の構成を有しており、冗長を避ける目的で重複する説明を省略する。
【0181】
図19に示すように、収納部160には、流路333Aの往路333Abおよび復路333Acとともに吐出流路132Aの一部が収納される。さらに、収納部160には、流路333Bの往路333Bbおよび復路333Bcとともに吐出流路132Bの一部が収納される。
【0182】
図19に示すように、処理液Aの流路333Aおよび流路334Aは、収納部160の外では2重配管33DAの一部として一体化されるが、収納部160の内部では、流路333Aおよび流路334Aは、分離される。流路333Aの向きは、流路333Aの端部に位置するコネクタによって水平方向に変更され、往路333Abおよび復路333Acに接続される。同様に、処理液Bの流路333Bおよび流路334Bは、収納部160の外では2重配管33DBの一部として一体化されるが、収納部160の内部では、流路333Bおよび流路334Bは、分離される。流路333Bの向きは、流路333Bの端部に位置するコネクタによって水平方向に変更され、往路333Bbおよび復路333Bcに接続される。
【0183】
以上、図面を参照して本発明の実施形態を説明した。ただし、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。また、上記の実施形態に開示される複数の構成要素を適宜組み合わせることによって、種々の発明の形成が可能である。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚み、長さ、個数、間隔等は、図面作成の都合上から実際とは異なる場合もある。また、上記の実施形態で示す各構成要素の材質、形状、寸法等は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0184】
本発明は、基板処理装置に好適に用いられる。
【符号の説明】
【0185】
10 基板処理装置
100 基板処理ユニット
110 チャンバー
120 基板保持部
130 処理液供給部
130A 第1処理液供給部
130B 第2処理液供給部
W 基板