(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-27
(45)【発行日】2024-10-07
(54)【発明の名称】保持部移動装置、及び、荷役装置
(51)【国際特許分類】
B66F 7/02 20060101AFI20240930BHJP
【FI】
B66F7/02 E
(21)【出願番号】P 2020148980
(22)【出願日】2020-09-04
【審査請求日】2023-06-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】堀内 晴彦
(72)【発明者】
【氏名】栗田 嘉紀
(72)【発明者】
【氏名】二瓶 康之
(72)【発明者】
【氏名】矢部 洋祐
【審査官】須山 直紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-104789(JP,A)
【文献】特開2016-206620(JP,A)
【文献】実開昭51-113990(JP,U)
【文献】特開2008-189396(JP,A)
【文献】実開昭61-041194(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2007/0017746(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基部と、前記基部に対して上下方向に移動する付勢アームと、前記付勢アームに設けられ、前記付勢アームに対して前記上下方向に移動し、対象物を保持する保持部を支持する被駆動部と、を備える昇降アームと、
前記付勢アームを上方に移動可能な付勢力で付勢する付勢部と、
前記被駆動部に固定され、前記被駆動部を吊るワイヤと、
前記ワイヤを介して前記被駆動部を昇降させる駆動装置と、
を備え
、
前記昇降アームは、前記基部に設けられ、前記基部に対して前記上下方向に移動する中間アームを備え、
前記付勢アームは、前記中間アームに設けられて前記中間アームに対して前記上下方向に移動し、
前記基部は、前記中間アームの移動範囲の上限位置及び下限位置を設定する基部用ストッパを備え、
前記中間アームは、前記基部用ストッパと接触する第1の中間アーム用ストッパと、前記付勢アームの移動範囲の上限位置及び下限位置を設定する第2の中間アーム用ストッパと、を備え、
前記付勢アームは、前記第2の中間アーム用ストッパと接触する第1の付勢アーム用ストッパと、前記被駆動部の移動範囲の下限位置を設定する第2の付勢アーム用ストッパと、を備える、
保持部移動装置。
【請求項2】
前記付勢部の前記付勢力は、前記中間アームの重量及び前記付勢アームの重量の和より大きく、かつ、前記保持部の重量、前記被駆動部の重量、及び、前記付勢アームの重量の和より小さい、
請求項1に記載の保持部移動装置。
【請求項3】
前記中間アームの前記上下方向の長さは、前記中間アームが前記上限位置まで移動した状態で、前記中間アームの上端が前記基部の上端と同高さ位置または低い高さ位置に配置され、かつ、前記中間アームの下端が前記基部の下端と同高さ位置または高い位置に配置される寸法を有し、
前記付勢アームの前記上下方向の長さは、前記付勢アームが前記上限位置まで移動した状態で、前記付勢アームの上端が前記中間アームの上端と同高さ位置または低い高さ位置に配置され、かつ、前記付勢アームの下端が前記中間アームの下端と同高さ位置または高い高さ位置に配置される寸法を有する、
請求項1または請求項2に記載の保持部移動装置。
【請求項4】
前記中間アームは、複数設けられる、
請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の保持部移動装置。
【請求項5】
前記ワイヤの延びる方向を前記上下方向に交差する一方向に変換するプーリを備え、
前記駆動装置は、前記ワイヤを前記一方向に変位させる、
請求項1乃至
請求項4のいずれか1項に記載の保持部移動装置。
【請求項6】
前記駆動装置は、
モータと、
前記モータにより駆動される駆動スプロケットと、
従動スプロケットと、
前記駆動スプロケット及び前記従動スプロケットに回しかけられるチェーンと、
前記チェーンに固定されるブロックと、
前記ブロックの前記一方向の移動を案内するレールと、
を備える
請求項5に記載の保持部移動装置。
【請求項7】
前記チェーン、前記駆動スプロケット、及び前記従動スプロケットは、複数設けられる、
請求項6に記載の保持部移動装置。
【請求項8】
請求項1乃至
請求項7のいずれか1項に記載の保持部移動装置と、
前記昇降アームを支持し、前記昇降アームを前記上下方向に対して交差する方向に移動させる昇降アーム移動装置と、
前記保持部移動装置、及び、前記昇降アーム移動装置を支持し、走行する走行装置と、
を備える荷役装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、保持部移動装置、及び、荷役装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従前から、コンテナに対する荷物の荷役に、コンベヤが用いられている。コンベヤは、荷役作業を行うときに、コンテナ内及びコンテナ外に亘って設置される。作業者は、コンテナ外からコンベヤによりコンテナ内に搬送された荷物を、手作業によりコンテナ内に積む。また、作業者は、コンテナ内に積まれた荷物を、手作業によりコンベヤに移動し、コンベヤにより荷物をコンテナ内からコンテナ外へ移動する。
【0003】
また、コンテナやトラックの荷台での荷役作業を行う荷役装置も考えられる。この種の荷役装置では、コンテナやトラックの荷台等の作業スペースが狭い場所であっても、作業できることが求められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、対象物を保持する保持部の近傍に配置される構成をコンパクトにできる保持部移動装置、及び、荷役装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態によれば、保持部移動装置は、昇降アームと、付勢部と、ワイヤと、駆動装置と、を備える。前記昇降アームは、基部と、前記基部に対して上下方向に移動する付勢アームと、前記付勢アームに設けられ、前記付勢アームに対して前記上下方向に移動し、対象物を保持する保持部を支持する被駆動部と、を備える。前記付勢部は、前記付勢アームを上方に移動可能な付勢力で付勢する。前記ワイヤは、前記被駆動部に固定され、前記被駆動部を吊る。前記駆動装置は、前記ワイヤを介して前記被駆動部を昇降させる。前記昇降アームは、前記基部に設けられ、前記基部に対して前記上下方向に移動する中間アームを備える。前記付勢アームは、前記中間アームに設けられて前記中間アームに対して前記上下方向に移動する。前記基部は、前記中間アームの移動範囲の上限位置及び下限位置を設定する基部用ストッパを備える。前記中間アームは、前記基部用ストッパと接触する第1の中間アーム用ストッパと、前記付勢アームの移動範囲の上限位置及び下限位置を設定する第2の中間アーム用ストッパと、を備える。前記付勢アームは、前記第2の中間アーム用ストッパと接触する第1の付勢アーム用ストッパと、前記被駆動部の移動範囲の下限位置を設定する第2の付勢アーム用ストッパと、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】一実施形態に係る荷役装置の構成を模式的に示す説明図。
【
図2】同荷役装置の装置本体に用いられる支持部移動装置及び第1の保持部移動装置の動作を示す説明図。
【
図3】同装置本体に用いられる第2の保持部移動装置の動作を模式的に示す説明図。
【
図4】同第1の保持部移動装置の構成を示す断面図。
【
図5】同第1の保持部移動装置の昇降アーム及び保持部の構成を示す斜視図。
【
図6】同昇降アーム及び同保持部の構成を示す斜視図。
【
図7】同昇降アーム及び同保持部の構成を示す側面図。
【
図8】同昇降アーム及び同保持部の構成を示す断面図。
【
図9】同昇降アーム及び同保持部の構成を示す側面図。
【
図10】同昇降アームの構成を模式的に示す説明図。
【
図11】同第1の保持部移動装置のワイヤ及び駆動装置の構成を模式的に示す説明図。
【
図12】同ワイヤ及び同駆動装置の構成を模式的に示す説明図。
【
図13】同装置本体に用いられる位置決め装置の構成を示す斜視図。
【
図14】同荷役装置により収容部に荷物を積む動作の一例を示す説明図。
【
図15】同荷役装置により同収容部に荷物を積む動作の一例を示す説明図。
【
図22】同昇降アームの変形例の構成を示す説明図。
【
図23】同昇降アームの変形例の構成を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
一実施形態に係る荷役装置10を、
図1乃至
図20を用いて説明する。
図1は、荷役装置10の構成を模式的に示す説明図である。
【0009】
図2は、荷役装置10の装置本体20に用いられる支持部移動装置71及び第1の保持部移動装置73の動作を示す説明図であり、装置本体20を側方から見た状態を示している。なお、支持部移動装置71によって移動された構成、及び、第1の保持部移動装置73によって移動された構成は、2点鎖線で示されている。
【0010】
図3は、装置本体20に用いられる第2の保持部移動装置60の動作を模式的に示す説明図である。
図4は、第1の保持部移動装置73の構成を示す断面図である。
図5は、第1の保持部移動装置73の昇降アーム200及び保持部40の構成を示す斜視図である。
図6は、昇降アーム200及び保持部40の構成を示す斜視図であり、これらを
図5とは異なる角度から見た状態を示している。
図7は、昇降アーム200及び保持部40の構成を示す側面図であり、中間アーム230、付勢アーム240、及び、被駆動部220が第2の状態P2にある状態を示している。
図8は、昇降アーム200及び保持部40の構成を示す断面図であり、中間アーム230、付勢アーム240、及び、被駆動部220が第2の状態P2にある状態を示している。なお、
図8中では、後述する吸着部42は切断されていない。
【0011】
図9は、昇降アーム200及び保持部40の構成を示す側面図であり、中間アーム230、付勢アーム240、及び、被駆動部220が第1の状態P1にある状態を示している。
図10は、昇降アーム200の構成を模式的に示す説明図であり、中間アーム230、付勢アーム240、及び、被駆動部220が第1の状態P1にある状態を示している。
図11は、第1の保持部移動装置73のワイヤ270及び駆動装置260の構成を模式的に示す説明図である。
図12は、ワイヤ270及び駆動装置260の構成を模式的に示す説明図である。
図13は、装置本体20に用いられる位置決め装置110の構成を示す斜視図である。
【0012】
図1に示すように、荷役装置10は、荷物5を収容する収容部6内に荷物を搬送し、または収容部6内の荷物5を収容部6の外に搬送する装置本体20と、収容部6の外側及び装置本体20の間で荷物5を搬送する外部搬送部125と、を備える。
【0013】
荷物5は、荷役装置10により荷役される対象物の一例である。収容部6は、例えばトラック7により搬送されるコンテナである。荷役装置10は、例えば、物流倉庫等の出荷バース1で用いられる。なお、収容部6は、コンテナに限定されない。収容部6は、例えば、トラックの荷台、または、工場の一画に設けられた荷物5の保管スペースであってもよい。また、収容部6に収容するとは、保管スペース等に荷物5を載置することも含む概念である。収容部6は、例えば、荷物5が載置される床面、2つの側面、天井面、及び前面を有する。なお、収容部6の他の例としては、荷物5が載置される床面、2つの側面、及び前面を有する構成であってもよい。
【0014】
荷役装置10は、外部搬送部125により収容部6の外側から装置本体20に荷物5を搬送し、装置本体20により荷物5を収容部6内の目標位置に搬送する。荷役装置10は、荷役の一例として、目標位置への荷積みを行う。また、荷役装置10は、収容部6内の荷物5を装置本体20により外部搬送部125に移動する。そして、外部搬送部125は、荷物の集積所等の目標位置に荷物5を搬送する。荷役装置10は、荷役の一例として、荷降ろしを行う。すなわち、荷役装置10は、一例として、収容部6に対してバンニング及びデバンニングを行う。
【0015】
また、荷役装置10は、外部搬送部125により搬送された荷物5を、別のコンベヤ等の装置に移動することも可能である。荷役装置10による搬送先となる目標位置は、適宜設定可能である。
【0016】
集積所等では、外部搬送部125に対して荷物5の荷役が行われる。外部搬送部125に対する荷役には、例えばロボットアーム2が用いられる。また、このロボットアーム2により、例えば外部搬送部125とパレット3との間で荷物5が移動される。パレット3は、例えばフォークリフト4により搬送される。パレット3は、複数の荷物5が載置される。
【0017】
ここで、方向の一例を定義する。略水平方向は、水平方向と、水平方向に対して若干傾斜する方向と、を含む。また、略鉛直方向は、鉛直方向と、鉛直方向に対して若干傾斜する方向と、を含む。
【0018】
また、荷役装置10に、第1の方向X、第2の方向Y、及び第3の方向Zを設定する。第1の方向X、第2の方向Y、及び第3の方向Zのそれぞれは、互いに直交する一軸方向である。荷役装置10が、鉛直方向に直交する水平面に載置されたときに、第1の方向X及び第2の方向Yは、それぞれ、略水平方向に平行となり、第3の方向Zは略鉛直方向に平行となる。ここで言う一軸方向とは、一方向及びこの一方向に対して反対の方向を含む。
【0019】
装置本体20は、例えば、自走可能に構成される走行装置30と、荷物5を保持する保持部40と、搬送面50aを有してこの搬送面50aに載置された荷物5を外部搬送部125及び保持部40の間で搬送する搬送部50と、を備える。
【0020】
また、装置本体20は、保持部40を移動する保持部移動装置70と、保持部移動装置を支持する支持部80と、支持部80を走行装置30に支持して、支持部80を走行装置30に対して移動する支持部移動装置71と、を備える。
【0021】
また、装置本体20は、収容部6内の様子を検出する検出部90と、収容部6に載置された荷物5の高さ位置を検出する高さ検出部91と、搬送部50上の荷物5を検出する荷物検出部100と、荷物5を搬送部50の搬送面50aの所定位置に位置決める位置決め装置110と、制御部120と、を備える。
【0022】
装置本体20は、走行装置30により移動し、荷物5を保持部40で保持し、保持部移動装置70及び支持部移動装置71により保持部40を移動させることで、荷物5を移動させる。
【0023】
走行装置30は、装置本体20を、収容部6外から収容部6内へ移動可能に、かつ、収容部6内から収容部6外へ移動可能に構成される。走行装置30は、走行装置用基部31と、走行装置用基部31に設けられる走行部32と、を備える。
【0024】
走行装置用基部31は、例えば、一方向に長い形状に構成される。走行装置用基部31には、支持部移動装置71が設けられる。
【0025】
走行部32は、駆動することで装置本体20を走行可能に構成される。また、走行部32は、例えば、装置本体20を互いに直交する2方向に走行可能に構成される。走行部32は、例えば複数のホイール32aを備える。ホイール32aは、例えば、メカナムホイール、またはオムニホイールである。または、走行部32は、ホイール32aに代えて、ゴムクローラが用いられてもよい。この場合、ゴムクローラは、1つまたは複数が用いられる。また、他の例では、走行部32は、旋回装置付きタイヤであってもよい。ここで旋回装置付きタイヤは、走行装置30の進行方向を変更可能に構成されたタイヤである。
【0026】
このように構成される走行装置30は、走行部32が駆動することで、自走する。
また、走行部32の大きさ、及び、走行装置用基部31の長手方向の長さは、走行装置用基部31が収容部6の内側及び収容部6の外側に亘って配置された状態において、収容部6の床面及び収容部6の外側の床面の間の高低差によっても、収容部6の床面及び収容部6の外側の床面の間の段差部が走行装置用基部31の下面に接触しない寸法に設定される。なお、ここで言う高低差は、例えば、収容部6に積まれた荷物5の重さにより収容部6の床面が下がることで変化する場合がある。
【0027】
保持部40は、荷物5を保持可能に構成される。保持部40は、例えば、荷物5を吸着することで荷物5を保持可能に構成される。保持部40は、例えば、保持部用基部41と、保持部用基部41に設けられる吸着部42と、を備える。保持部40は、例えば、荷物5の大きさや形状に応じて複数種類が準備されており、荷物5に応じて取り換えて使用することが可能である。保持部40は、本実施形態では、一例として、直方体状の荷物5の保持に適した構成を有している。
【0028】
なお、保持部40は、吸着により荷物5を保持する構成に限定されない。保持部40は、例えば、荷物5を挟持することで荷物5を保持する構成であってもよい。
【0029】
保持部用基部41は、例えば板状に構成され、一方の主面に吸着部42が固定される。
吸着部42は、例えば下端が開口する形状に形成される。吸着部42は、例えば、複数用いられる。複数の吸着部42のそれぞれは、真空ポンプPに流体的に接続される。吸着部42は、荷物5に密着された状態で真空ポンプにより真空引きされることで、内部が負圧となり荷物5を吸着する。吸着部42は、例えば蛇腹状の管状に構成される。
【0030】
図4及び
図8に示すように、吸着部42は、例えば、保持部用基部41に対して移動可能に構成されている。ここで言う、保持部用基部41に対する吸着部42移動の一例は、吸着部42の荷物5の上面の吸着位置を調整可能に、荷物5の上面の面方向に沿って吸着部42が保持部用基部41に対して移動できることである。
【0031】
例えば、保持部40は、複数の吸着部42のそれぞれの相対位置を調整可能な調整機構400を備えている。調整機構400は、モータ等の駆動装置により駆動されることで、複数の吸着部42を、荷物5の上面の面方向で移動させることで、複数の吸着部42の位置を調整する。調整機構400は、駆動装置からの駆動力が入力されると、当該駆動力を吸着部の移動に変換する構成として、例えばは複数の歯車401を備えている。なお、調整機構400は、駆動装置により駆動される構成であることに限定されない。他の例では、作業者によって操作されることで、複数の吸着部42の位置を調整可能に構成されてもよい。
【0032】
搬送部50は、搬送面50aに載置された荷物5を、搬送可能に構成される。搬送部50は、例えば、搬送面50aに載置された荷物5を第1の方向Xに搬送する。搬送面50aは、例えば、平面に構成される。搬送面50aは、装置本体20が水平面に載置されると、水平な平面となる。
【0033】
また、搬送部50は、第1の搬送部51と、第2の搬送部52と、第3の搬送部53と、を備える。搬送部50は、荷物5を収容部6外から収容部6内に搬送する荷積みの場合は、外部搬送部125から搬送された荷物5を、第3の搬送部53、第2の搬送部52、第1の搬送部51の順番で搬送する。搬送部50は、荷物5を収容部6から収容部6外へ搬送する荷降ろしの場合は、収容部6から荷物5を、第1の搬送部51、第2の搬送部52、第3の搬送部53の順番で搬送する。
【0034】
第1の搬送部51は、保持部40により荷物5の保持若しくは載置が可能な位置に荷物5を搬送する。第1の搬送部51は、第1の方向Xに荷物5を搬送可能に構成される。なお、ここで言う載置とは、保持部40により保持された荷物5を第1の搬送部51に載置することである。
【0035】
第1の搬送部51の荷物5の搬送面51aは、装置本体20が水平面に載置されると水平方向に平行となる面に構成される。搬送面51aは、搬送面50aの一部を構成する。第1の搬送部51は、例えば、複数のローラにより構成されるローラコンベヤである。なお、第1の搬送部51は、ローラコンベヤに限定されない。第1の搬送部51は、他の例ではベルトコンベヤであってもよい。
【0036】
図1に示すように、第1の搬送部51は、独立して駆動可能な複数の搬送部を有している。これら複数の搬送部は、第1の方向Xに並んでいる。各搬送部は、例えば、第1の方向Xに、少なくとも1つの荷物5を収容可能な長さを有している。
【0037】
第1の搬送部51は、例えば、3つの搬送部を有している。具体的には、第1の搬送部51は、第4の搬送部54と、第5の搬送部55と、第6の搬送部56と、を備える。第4の搬送部54の搬送面54a、第5の搬送部55の搬送面55a、及び第6の搬送部56の搬送面56aは、同一平面に構成される。第4の搬送部54は、第5の搬送部55及び第6の搬送部56の間に配置される。第5の搬送部55は、保持部40により荷物5の保持若しくは載置がなされる搬送部である。第6の搬送部56は、第2の搬送部52と隣接する。
【0038】
第4の搬送部54、第5の搬送部55、及び第6の搬送部56は、それぞれ独立して、第1の方向Xに荷物5を搬送可能に構成される。すなわち、第6の搬送部56から第5の搬送部55へ向かう方向、及び第5の搬送部55から第6の搬送部56へ向かう方向に荷物5を搬送可能に構成される。さらに換言すると、保持部40側に荷物5を搬送する方向、及び外部搬送部125側に荷物5を搬送する方向である。第4の搬送部54、第5の搬送部55、及び第6の搬送部56は、それぞれ、例えば、ローラコンベヤであるが、他の例では、ベルトコンベヤであってもよい。第5の搬送部55には、例えば位置決め装置110が設けられる。
【0039】
このように構成される第1の搬送部51は、支持部移動装置71により、第3の方向Zに略平行な方向に移動可能に走行装置用基部31に支持される。ここで、略平行とは、第3の方向Z、及び、第3の方向Zに対して若干傾斜する方向を含む。
【0040】
第2の搬送部52は、第1の搬送部51の一端に隣接配置される。第2の搬送部52は、第1の搬送部51との間で、荷物5を搬送可能に構成される。第2の搬送部52は、第1の方向X、及び、第3の方向Zに荷物5を移動可能に構成される。
【0041】
第2の搬送部52は、具体的には、搬送部本体52aと、昇降装置52bと、を備える。
【0042】
搬送部本体52aは、荷物5が載置される搬送面52a1を有する。搬送面52a1は、搬送面50aの一部を構成する。搬送面52a1は、装置本体20が水平面に載置されると水平方向に平行となる平面に構成される。
【0043】
搬送部本体52aは、搬送面52a1に載置された荷物5を、第1の方向Xに搬送可能に構成される。搬送部本体52aは、例えば、複数のローラにより構成されるローラコンベヤである。搬送部本体52aは、他の例ではベルトコンベヤであってもよい。搬送部本体52aは、第1の搬送部51に隣接配置される。
【0044】
昇降装置52bは、搬送部本体52aを、搬送面51aに対して接離する方向の一例である搬送面51aに交差する方向に沿って移動可能に構成される。本実施形態では、昇降装置52bは、第3の方向Zに搬送部本体52aを移動可能に構成される。昇降装置52bは、例えば走行装置用基部31上に固定される。
【0045】
第3の搬送部53は、第2の搬送部52及び外部搬送部125の間に配置される。第3の搬送部53は、第2の搬送部52との間で荷物5を搬送可能に構成される。また、第3の搬送部53は、外部搬送部125との間で荷物5を搬送可能に構成される。第3の搬送部53は、例えば、荷物5が載置される搬送面53aを有する。搬送面53aは、搬送面50aの一部を構成する。搬送面53aは、装置本体20が水平面に載置されると水平方向に平行となる平面に構成される。第3の搬送部53は、搬送面53aに載置された荷物5を、第1の方向Xに移動可能に構成される。搬送面53aの高さは、例えば、外部搬送部125の搬送面125aと同じ高さに設定される。
【0046】
第3の搬送部53は、例えば、複数のローラにより構成されるローラコンベヤである。第3の搬送部53は、他の例ではベルトコンベヤであってもよい。第3の搬送部53は、第2の搬送部52及び外部搬送部125の間に配置される。
【0047】
このように構成される第3の搬送部53は、例えば、走行装置30に連結部材53bにより、走行装置30と一体に移動可能に連結される。第3の搬送部53は、例えば、複数の車輪53cを有している。第3の搬送部53は、車輪53cを介して、床面等に設置される。
【0048】
保持部移動装置70は、第1の保持部移動装置73と、第2の保持部移動装置60と、を備える。保持部移動装置70は、保持部40を支持する。また、保持部移動装置70は、支持部80に支持される。
【0049】
第1の保持部移動装置73は、保持部40を支持する。第1の保持部移動装置73は、第2の保持部移動装置60を介して支持部80に支持される。
【0050】
第1の保持部移動装置73は、保持部40を、第1の搬送部51の搬送面51aに対して接離する方向に移動させる。搬送面51aに対して接離する方向は、搬送面51aに対して交差する方向である。搬送面51aに対して接離する方向は、例えば、搬送面51aに直交する方向である。第1の保持部移動装置73は、一例として、保持部40及び荷物5を第3の方向Zに移動する。
【0051】
また、第1の保持部移動装置73は、保持部40を、第1の高さ位置及び第2の高さ位置の間で移動する。
【0052】
第1の高さ位置は、保持部40に保持された荷物5が搬送面55aよりも低くなる高さ位置である。なお、ここで言う低くなる高さ位置とは、荷物5の下端が搬送面55aよりも低くなる高さ位置である。すなわち、第1の保持部移動装置73は、荷物5を搬送面55aよりも下方に移動可能に構成される。
【0053】
第1の保持部移動装置73は、保持部40に保持された荷物5を搬送面55aよりも下方に移動する構成の一例として、保持部40を、搬送面55aより下方に移動可能に構成される。また、第1の保持部移動装置73は、第1の搬送部51が最低高さ位置にあるときに、保持部40に保持された荷物5を、収容部6の床面に載置可能に構成される。
【0054】
第2の高さ位置は、搬送面55aに載置された荷物5を保持する位置よりも高い位置であって、保持部40によって保持された荷物5が、第5の搬送部55に設けられた位置決め装置110に干渉しない高さ位置である。第2の高さ位置は、例えば、支持部80の高さ位置である。なお、ここで言う支持部80の高さ位置とは、荷物5の下端が支持部80の下面と同じ高さ位置となる位置である。
【0055】
第1の保持部移動装置73は、
図4乃至
図12に示すように、保持部40を上下方向に沿って昇降する昇降アーム200と、付勢部300と、ワイヤ270と、ワイヤ270を介して昇降アーム200を駆動する駆動装置260と、を備える。ここで、上下方向は、高い位置及び低い位置の間を結ぶ方向であり、略鉛直方向を含む。本実施形態では、第1の保持部移動装置73は、上下方向の一例として、略鉛直方向、すなわち第3の方向Zに沿って保持部40を昇降する。
第1の保持部移動装置73は、駆動装置260によって昇降アーム200を第3の方向Zに沿って伸縮することで、保持部40を第3の方向Zに沿って昇降する。
【0056】
昇降アーム200は、
図5乃至
図10に示すように、基部210と、被駆動部220と、中間アーム230と、付勢アーム240と、を備える。
【0057】
基部210は、後述する第2の保持部移動装置60に支持される。基部210は、一例として、第2の保持部移動装置60の第1の水平方向移動装置61のスライド部61aに支持される。
【0058】
基部210は、中間アーム230を第3の方向Zに移動可能に支持する。基部210は、例えば、基部本体211と、基部用レール212と、基部用ストッパ213と、を備える。
基部本体211は、例えば、第3の方向Zに長い形状に構成される。基部本体211は、
図4に示すように、例えば、スライド部61aの先端に固定される。
【0059】
図5乃至
図10に示すように、基部用レール212は、基部本体211に設けられる。基部用レール212は、中間アーム230の第3の方向Zに沿う移動を案内する。基部用レール212は、例えば、基部本体211の前面に設けられる。基部用レール212は、例えば、基部本体211の上端から下端まで延びている。
【0060】
図8に示すように、基部用ストッパ213は、基部本体211に対する中間アーム230の移動範囲を設定可能に構成される。基部用ストッパ213は、例えば、基部本体211に対する中間アーム230の移動範囲の上限位置を設定する第1の上限位置用ストッパ214と、基部本体211に対する中間アーム230の移動範囲の下限位置を設定する第1の下限位置用ストッパ215と、を備える。
【0061】
第1の上限位置用ストッパ214は、中間アーム230に当接することで、中間アーム230の上方への移動を停止する。第1の上限位置用ストッパ214は、例えば基部本体211の前面の上部に設けられる。第1の上限位置用ストッパ214は、例えば、基部本体211から突出する突部状に形成される。
【0062】
第1の下限位置用ストッパ215は、中間アーム230に当接することで、中間アーム230の下方への移動を停止する。第1の下限位置用ストッパ215は、例えば、基部本体211の前面の下部に設けられる。第1の下限位置用ストッパ215は、例えば、基部本体211から突出する突部状に形成される。
【0063】
図5乃至
図8に示すように、中間アーム230は、基部210及び付勢アーム240の間に配置され、付勢アーム240の昇降に合わせて昇降するアームである。中間アーム230は、基部210に設けられる。中間アーム230は、1つまたは複数用いられる。中間アーム230は、本実施形態では、一例として、1つ用いられる。
【0064】
中間アーム230は、中間アーム本体232と、中間アーム用支持部233と、中間アーム用レール234と、第1の中間アーム用ストッパ235と、第2の中間アーム用ストッパ236と、を備える。
【0065】
中間アーム本体232は、第3の方向Zに長い形状に構成される。中間アーム用支持部233は、中間アーム本体232に設けられる。中間アーム用支持部233は、基部用レール212に移動可能支持される。
【0066】
中間アーム用レール234は、中間アーム本体232に設けられる。中間アーム用レール234は、付勢アーム240の第3の方向Zの移動を案内可能に構成される。中間アーム用レール234は、例えば、中間アーム本体232の上端から下端まで延びている。
【0067】
図8乃至
図10に示すように、第1の中間アーム用ストッパ235は、中間アーム本体232に形成される。第1の中間アーム用ストッパ235は、基部用ストッパ213と当接可能に構成される。第1の中間アーム用ストッパ235は、中間アーム230が基部210に対する移動範囲の上限位置まで移動すると、第1の上限位置用ストッパ214に当接することで、中間アーム230の上方への移動を停止し、中間アーム230が基部210に対する移動範囲の下限位置まで移動すると、第1の下限位置用ストッパ215に当接することで、中間アーム230の下方への移動を停止する。第1の中間アーム用ストッパ235は、例えば、中間アーム本体232の後面に設けられる。第1の中間アーム用ストッパ235は、例えば、中間アーム本体232から突出する突部状に形成される。
【0068】
第2の中間アーム用ストッパ236は、中間アーム230に対する、付勢アーム240の移動範囲の上限位置及び下限位置を設定可能に構成される。第2の中間アーム用ストッパ236は、中間アーム本体232に形成される。
【0069】
第2の中間アーム用ストッパ236は、例えば、付勢アーム240の移動範囲の上限位置を設定する第2の上限位置用ストッパ237と、付勢アーム240の移動範囲の下限位置を設定する第2の下限位置用ストッパ238と、を備える。
【0070】
第2の上限位置用ストッパ237は、例えば、中間アーム本体232の前面の上部に形成される。第2の上限位置用ストッパ237は、例えば、中間アーム本体232から突出する形状に形成される。
第2の下限位置用ストッパ238は、例えば、中間アーム本体232の前面の下部に設けられる。第2の下限位置用ストッパ238は、例えば、中間アーム本体232から突出する突部状に形成される。
【0071】
図9及び
図10に示すように、このように構成される中間アーム230では、中間アーム本体232の第3の方向Zに沿う長さは、中間アーム230が基部210に対する移動範囲の上限位置まで移動した状態で、中間アーム本体232の上端の高さ位置が、基部本体211の上端の高さ位置と同位置、または、基部本体211の高さ位置よりも低位置となり、かつ、中間アーム本体232の下端の高さ位置が、基部本体211の下端の高さ位置と同高さ位置、または、基部本体211の下端の高さ位置より高い高さ位置に配置される寸法を有する。
【0072】
本実施形態では、一例として、中間アーム本体232の第3の方向Zに沿う長さは、基部本体211の第3の方向Zに沿う長さと同長さを有する。そして、中間アーム230が基部210に対する移動範囲の上限位置まで移動した状態で、中間アーム本体232の上端は、基部本体211の上端と同高さ位置に配置され、中間アーム本体232の下端は、基部本体211の下端と同高さ位置に配置される。
【0073】
図5乃至
図10に示すように、付勢アーム240は、駆動装置260の後述する付勢部300によって、中間アーム230に対する移動範囲の上限位置に向かって付勢されるアームである。
【0074】
付勢アーム240は、付勢アーム本体241と、付勢アーム用支持部242と、付勢アーム用レール243と、第1の付勢アーム用ストッパ244と、第2の付勢アーム用ストッパ245と、を備える。
【0075】
付勢アーム本体241は、第3の方向Zに長い形状に構成される。
付勢アーム用支持部242は、付勢アーム本体241に設けられる。付勢アーム用支持部242は、中間アーム230の中間アーム用レール234に移動可能支持される。
【0076】
付勢アーム用レール243は、付勢アーム本体241に設けられる。付勢アーム用レール243は、被駆動部220の第3の方向Zの移動を案内可能に構成される。付勢アーム用レール243は、保持部40において荷物5を保持する部位の下端、すなわち本実施形態では吸着部42の下端が付勢アーム本体241の下端よりも下方まで移動可能となる長さを有する。
【0077】
さらに、
図19に示すように、付勢アーム用レール243は、例えば、保持部40の上端及び被駆動部220の上端のうち上端の高さ位置が高い方が、付勢アーム本体241の上端の高さ位置と同一となる位置まで移動可能な長さを有する。本実施形態では、被駆動部220の上端の高さ位置は、一例として保持部40の上端の高さ位置よりも高いので、付勢アーム用レール243は、被駆動部220の上端が付勢アーム本体241の上端と同位置となる高さ位置まで被駆動部220を移動可能な長さを有する。付勢アーム用レール243は、例えば、付勢アーム本体241の上端から下端まで延びている。
【0078】
第1の付勢アーム用ストッパ244は、付勢アーム本体241に形成される。第1の付勢アーム用ストッパ244は、付勢アーム240が中間アーム230に対する移動範囲の上限位置まで移動すると、第2の中間アーム用ストッパ236の第2の上限位置用ストッパ237に当接して、付勢アーム240の上方への移動を停止する。また、第1の付勢アーム用ストッパ244は、付勢アーム240が中間アーム230に対する移動範囲の下限位置まで移動すると、第2の中間アーム用ストッパ236の第2の下限位置用ストッパ238に当接して、付勢アーム240の下方への移動を停止する。第1の付勢アーム用ストッパ244は、中間アーム本体232の例えば後面に設けられる。第1の付勢アーム用ストッパ244は、例えば、中間アーム本体232から突出する突部状に形成される。
【0079】
第2の付勢アーム用ストッパ245は、付勢アーム本体241に対する被駆動部220の移動範囲の上限位置及び下限位置を設定可能に構成される。第2の付勢アーム用ストッパ245は、第3の上限位置用ストッパ245a、及び、第3の下限位置用ストッパ245bを備える。
【0080】
第3の上限位置用ストッパ245aは、付勢アーム本体241に対する被駆動部220の移動範囲の上限位置を設定する。第3の上限位置用ストッパ245aは、例えば、付勢アーム本体241の前面の上部に設けられる。第3の上限位置用ストッパ245aは、例えば、付勢アーム本体241から突出する突部状に構成される。
【0081】
第3の下限位置用ストッパ245bは、付勢アーム本体241に対する被駆動部220の移動範囲の下限位置を設定する。第3の下限位置用ストッパ245bは、保持部40において荷物5を保持する部位の下端位置、すなわち吸着部42の下端が付勢アーム本体241の下端よりも下方に移動可能な位置に設けられる。第3の下限位置用ストッパ245bは、例えば、付勢アーム本体241の前面の下部に設けられる。第3の下限位置用ストッパ245bは、例えば、付勢アーム本体241から突出する突部状に構成される。
【0082】
また、付勢アーム240は、駆動装置260の後述する付勢部300が連結される連結部246を備えている。連結部246は、例えば、付勢アーム本体241の後面の下端部に設けられている。連結部246は、第3の方向Zで、基部本体211に固定される付勢部300と対向する位置まで延びている。
【0083】
図9及び
図10に示すように、このように構成される付勢アーム240では、付勢アーム本体241の第3の方向Zに沿う長さは、付勢アーム240が中間アーム230に対する移動範囲の上限位置まで移動した状態で、付勢アーム本体241の上端の高さ位置が、中間アーム本体232の上端の高さ位置と同高さ位置、または、中間アーム本体232の上端の高さ位置よりも低い高さ位置となり、かつ、付勢アーム本体241の下端の高さ位置が、中間アーム本体232の下端の高さ位置と同高さ位置、または、中間アーム本体232の下端の高さ位置より高い高さ位置に配置される寸法を有する。
【0084】
本実施形態では、一例として、付勢アーム本体241の第3の方向Zに沿う長さは、中間アーム本体232の第3の方向Zに沿う長さと同長さを有する。そして、付勢アーム240が中間アーム230に対する移動範囲の上限位置まで移動した状態で、付勢アーム本体241の上端は、中間アーム本体232の上端と同高さ位置に配置され、付勢アーム本体241の下端は、中間アーム本体232の下端と同高さ位置に配置される。
【0085】
被駆動部220は、ワイヤ270によって吊られている。また、被駆動部220は、ワイヤ270によって上方に移動可能に構成されるとともに、ワイヤ270が送り出されることで被駆動部220及び保持部40の双方の重さによって、付勢アーム240及び中間アーム230とともに、下方に移動可能に構成される。被駆動部220は、例えば、被駆動部本体221と、被駆動部用支持部222と、を備える。
【0086】
被駆動部本体221は、保持部40を支持可能に構成される。本実施形態では、被駆動部本体221は、保持部用基部41が固定される。例えば被駆動部本体221は、付勢アーム240に対する移動範囲の下限位置まで移動すると、第3の下限位置用ストッパ245bに当接して下方への移動を停止可能に構成される。また、例えば被駆動部本体221は、付勢アーム240に対する移動範囲の上限位置まで移動すると、第3の上限位置用ストッパ245aに当接して上方への移動を停止可能に構成される。なお、被駆動部本体221は、付勢アーム240の第2の付勢アーム用ストッパ245に当接するストッパを備える構成であってもよい。
【0087】
被駆動部用支持部222は、被駆動部本体221に設けられる。被駆動部用支持部222は、付勢アーム用レール243に移動可能に支持される。
【0088】
このように構成される被駆動部220は、第3の方向Zに沿う長さが、付勢アーム240の第3の方向Zに沿う長さよりも短い寸法を有する。すなわち、被駆動部220は、第3の方向Zで、付勢アーム本体241の上端及び下端の範囲内で、移動可能に構成される。
【0089】
図4に示すように、このように構成される昇降アーム200は、ワイヤ270の基部210及び駆動装置260の間の部位を、第3の方向Zに交差する方向に変換する変換部271を備える。変換部271は、一例として、基部210及び駆動装置260の間の部位を、第3の方向Zに直交する方向、本実施形態では一例として第1の方向Xに平行な姿勢する。
【0090】
変換部271は、例えば、基部本体211の上端に設けられる、回転自由なプーリである。変換部271の回転軸は、第2の方向Yに平行に構成される。また、昇降アーム200には、ワイヤ270を移動可能に支持する為の構成として、例えば、プーリ272,273が設けられている。
【0091】
プーリ272は、付勢アーム本体241の下部に設けられている。プーリ272の回転軸は、第2の方向Yに平行である。プーリ273は、付勢アーム本体241の上部に設けられている。プーリ273の回転軸は、第2の方向Yに平行である。
【0092】
付勢部300は、付勢アーム240を上方に移動可能な付勢力で、本実施形態では一例として第3の方向Zに沿って基部210に向かって移動可能な付勢力で、付勢アーム240を付勢する。付勢部300は、例えば、基部210及び付勢アーム240の間に設けられる。本実施形態では、付勢部300は、付勢アーム240を、基部210に向かって引き揚げ可能に構成される。
図9及び
図10に示すように、付勢部300による付勢力は、中間アーム230及び付勢アーム240を、一体に、それぞれの移動範囲の上限位置まで移動可能であり、かつ、被駆動部220及び保持部40の重さによって、中間アーム230及び付勢アーム240を、それぞれの移動範囲の下限位置まで移動可能な付勢力に設定される。
【0093】
付勢部300は、例えば、定荷重ばね301が用いられる。また、定荷重ばね301は、1つまたは複数が用いられ、本実施形態では一例として2つの定荷重ばね301が用いられる。定荷重ばね301は、所定の一定荷重で付勢アーム240を基部210に向かって付勢可能に構成される。定荷重ばね301は、例えば、ドラム302と、ドラム302に巻回される一方向に長いばね部材303と、を備える。ばね部材303は、例えば、ぜんまいばね等の定荷重巻ばねである。
【0094】
定荷重ばね301を備える付勢部300による付勢力、換言すると引き上げ力Fは、(Mb+Mc)×g+fとなる。ここで、Mbは、中間アーム230の重量である。Mcは、付勢アーム240(プーリ272,273を含む)の重量である。gは、重力加速度である。fは、付加力である。fは、(Md-Mb)×gよりも小さい。また、fは、(Mb+Mc)×gより大きい。ここで、Mdは、被駆動部220及び保持部40のそれぞれの重量の和である。
【0095】
2つの定荷重ばね301のそれぞれのドラム302は、基部本体211の例えば後面に固定される。2つの定荷重ばね301のそれぞれのばね部材303は、付勢アーム240の連結部246に連結される。
【0096】
ワイヤ270は、被駆動部220及び駆動装置260に連結されている。また、ワイヤ270は、昇降アーム200に支持されている。ワイヤ270は、具体的には、一端が被駆動部220に連結されている。そして、ワイヤ270の、一端及び駆動装置260の間の部位は、付勢アーム本体241の上部、付勢アーム本体241の下部、及び、基部本体211の上部のそれぞれに、移動可能に支持されている。
【0097】
より具体的に説明すると、ワイヤ270の、被駆動部220に連結される一端より他端側の第1の部位が、付勢アーム本体241の上部に移動可能に支持される。本実施形態では、第1の部位は一例としてプーリ273に支持される。ワイヤ270の第1の部位よりも他端側の第2の部位が、付勢アーム本体241の下部に移動可能に支持される。本実施形態では、第2の部位は一例としてプーリ272に支持される。ワイヤ270の第2の部位よりも他端側の第3の部位が、基部本体211の上部に移動可能に支持される。本実施形態では、第3の部位は一例として変換部271に支持される。第1の部位、第2の部位、及び、第3の部位は、昇降アーム200の第3の方向Zの長さに応じて変化する。
【0098】
図11及び
図12に示すように、駆動装置260は、ワイヤ270を介して被駆動部220を第3の方向Zに移動可能に構成される。また、駆動装置260は、最小長さに対して伸びた状態にある昇降アーム200を、ワイヤ270、及び、各ストッパを介して、縮めることを可能に構成される。
【0099】
また、駆動装置260は、昇降アーム200及び駆動装置260の間の部位を、第1の方向Xに沿って移動可能に構成される。駆動装置260は、例えば、モータ280と、伝達機構290と、を備えている。
【0100】
モータ280は、伝達機構290を介してワイヤ270に連結されている。
伝達機構290は、モータ280及びワイヤ270に連結される。伝達機構290は、モータ280が生じる駆動力を、ワイヤ270の第1の方向Xに沿う変位に変換可能に構成される。ここで、ワイヤ270の変位とは、被駆動部220を上方に移動させる為の変位、及び、被駆動部220を下方に移動させる為の変位である。
【0101】
伝達機構290は、例えば、ワイヤ270が連結されるスライドブロック291と、スライドブロック291を第1の方向Xに移動可能に案内するスライドレール292と、スライドブロック291に連結される無端状の複数の第1のチェーン293と、第1のチェーン293を回転する第1の駆動スプロケット294と、第1のチェーン293を支持する従動スプロケット295と、モータ280により駆動される第2の駆動スプロケット296と、を備える。
【0102】
スライドレール292は、荷役装置10のいずれかの部位に固定される。本実施形態では、一例として、スライドレール292は、
図4に示すように、第2の保持部移動装置60第1の水平方向移動装置61のスライド部61aの上壁部61a1の下面61a3に固定される。
【0103】
第1のチェーン293は、例えば、2つ用いられる。第1の駆動スプロケット294は、第1のチェーン293の数と同数設けられる。2つの第1の駆動スプロケット294は、同軸上に一体に回転可能に設けられる。第1の駆動スプロケット294は、例えば、スライド部61aに回転可能に支持される。従動スプロケット295は、第1のチェーン293と同数設けられる。従動スプロケット295は、例えばスライド部61aに回転可能に支持される。
【0104】
第2の駆動スプロケット296は、第1の駆動スプロケット294と同軸上に設けられ、第1の駆動スプロケット294と一体に回転可能に設けられる。第2の駆動スプロケット296は、例えば第2のチェーン297によって、モータ280の回転軸に設けられるプーリ281に連結される。
【0105】
このように構成される伝達機構290は、モータ280が回転すると、当該回転が、第2のチェーン297により第2の駆動スプロケット296に伝達される。第2の駆動スプロケット296に伝達された回転は、複数の第1の駆動スプロケット294に伝達され、第1のチェーン293を介して、スライドブロック291を、第1の方向Xに移動する。スライドブロック291が第1の方向Xに移動されることで、ワイヤ270が、被駆動部220を上方に移動する方向、または、被駆動部220を下方に移動する方向に変位される。
【0106】
このように構成される第1の保持部移動装置73では、被駆動部220及び保持部40の重量が付勢アーム240に作用していない状態では、中間アーム230及び付勢アーム240のそれぞれは、
図9及び
図10に示すように、付勢部300の付勢力により、上限位置まで移動した第1の状態P1となる。
【0107】
具体的には、付勢部300の引き上げ力Fにより、付勢アーム240が上方に付勢されることで、付勢アーム240が、中間アーム230に対する移動範囲の上限位置まで移動される。そして、中間アーム230は、付勢アーム240を介して付勢部300に引き上げられることで、基部210に対する移動範囲の上限位置まで移動される。
【0108】
なお、第1の状態P1において、被駆動部220の位置が、保持部40の荷物5を保持する部位の下端すなわち本実施形態では吸着部42の下端が、基部本体211の下端、中間アーム本体232の下端、及び、付勢アーム本体241のそれぞれの下端の高さ位置と同位置にある状態を、昇降アーム200がホームポジションにある状態とする。
【0109】
ホームポジションは、荷物5が搬送面55aに搬送されるのを待機している際に、保持部40が搬送面55aに搬送される荷物5に干渉せず、かつ、保持部40から荷物5の上面までの距離を短くできるポジションである。
【0110】
また、昇降アーム200は、
図8に示すように、駆動装置260によってワイヤ270が変位されて、被駆動部220及び保持部40の双方の重量が付勢アーム240に作用することで、最大長となる第2の状態P2となる。
【0111】
具体的には、駆動装置260による被駆動部220の支持が解除されることで被駆動部220及び保持部40が自重により下方に移動すると、被駆動部220は、付勢アーム240の第3の下限位置用ストッパ245bに当接する。そして、被駆動部220及び保持部40の重量が、付勢アーム240に作用する。被駆動部220及び保持部40のそれぞれの重量が付勢アーム240に作用することで、付勢アーム240及び中間アーム230は、それぞれの移動範囲の下限位置まで移動する。結果、昇降アーム200の長さは、最大長となる。
【0112】
第2の保持部移動装置60は、第1の保持部移動装置73を、第1の保持部移動装置73による保持部40の移動方向に対して交差する方向に移動する。なお、第1の保持部移動装置73による保持部40の移動方向は、保持部40を搬送面50aに対して接離する方向の一例である。第2の保持部移動装置60は、本実施形態では、保持部40を、例えば搬送面55aと略平行な方向に移動する。
【0113】
この為、第2の保持部移動装置60は、保持部40及び荷物5を、第3の方向Zに略直交する方向に移動可能に構成される。
【0114】
また、第2の保持部移動装置60は、
図1及び
図3に示すように、例えば、互いに交差する2軸方向のそれぞれに保持部40を移動する2つの装置を備え、これら2つの装置により、保持部40を移動可能に構成される。
【0115】
第2の保持部移動装置60は、具体例として、保持部40を支持し、第1の方向Xに保持部40を移動可能に構成される第1の水平方向移動装置61と、支持部80の上面に固定され、第1の水平方向移動装置61を第2の方向Yに移動可能に支持する第2の水平方向移動装置62と、を備える。
【0116】
第1の水平方向移動装置61は、例えば、第1の方向Xに伸縮可能に構成される。第1の方向Xは、搬送面50aに対して保持部40を接離する方向に交差する方向の一例である。第1の水平方向移動装置61は、直接または間接的に保持部40を支持する。第1の水平方向移動装置61は、一例として、その先端に、第1の保持部移動装置73が支持される。
【0117】
第1の水平方向移動装置61は、保持部40を、少なくとも、第1の搬送部51の第5の搬送部55と第3の方向Zに対向する位置、及びこの位置よりも第4の搬送部54から第5の搬送部55へ向かう方向に沿って第1の搬送部51よりも外側の位置まで移動可能に構成される。
【0118】
第1の水平方向移動装置61は、例えば、スライド部61aと、スライド部61aを移動可能に支持するレール61bと、駆動部61cと、を備える。スライド部61aは、例えば、一方向に長い形状に形成される。スライド部61aは、例えば、下方に開口する凹状に形成されており、具体例としては、上壁部61a1と、一対の側壁部61a2と、を備える。駆動部61cは、スライド部61aを駆動する。駆動部61cは、制御部120により制御される。
【0119】
第2の水平方向移動装置62による移動方向である第2の方向Yは、第1の水平方向移動装置61による移動方向である第1の方向Xに交差する方向の一例である。第2の水平方向移動装置62は、他の例では、第1の搬送部51による荷物5の搬送方向に交差する方向として、第1の搬送部51による荷物5の搬送方向に対して60度交差する方向や、または、45度交差する方向に保持部40を移動する構成でもよい。
【0120】
第2の水平方向移動装置62は、第2の方向Yで、第1の搬送部51の外側の位置または支持部80の外側の位置まで保持部40を移動可能に構成される。
【0121】
本実施形態では、第1の搬送部51の第2の方向Yの寸法は、支持部80の第2の方向Yに沿う寸法よりも小さい。そして、第1の搬送部51は、第2の方向Yで支持部80の内側に配置される。
【0122】
そして、第2の水平方向移動装置62は、一例として、
図3に2点鎖線で示すように、第2の方向Yで支持部80を挟んで両外側の位置まで保持部40を移動可能に構成される。この為、第2の水平方向移動装置62は、支持部80及び第1の搬送部51の両方に対して第2の方向Yで両外側に保持部40を移動可能に構成される。なお、
図3中では、保持部40を2点鎖線で示している。
【0123】
第2の水平方向移動装置62は、例えば、レール63及びこのレール63に沿って移動可能なスライド部64を備えるレール装置65を複数備える多段レール装置である。第2の水平方向移動装置62は、例えば2つのレール装置65を備える。ここで、一方のレール装置65を第1のレール装置65Aと称し、他方のレール装置65を第2のレール装置65Bと称する。
【0124】
第1のレール装置65Aは、支持部80の上部に、レール63の延びる方向が第2の方向Yとなる姿勢で固定される。第1のレール装置65Aは、例えば、スライド部64が支持部80の上面に固定される。第1のレール装置65Aのレール63は、例えば、第2の方向Yで支持部80の一端の近傍の位置から他端の近傍の位置まで延びる長さを有する。さらに、第1のレール装置65Aのレール63は、スライド部64に対して第2の方向Yに移動することで、その第2の方向Yの両端のそれぞれが、
図3に実線及び2点鎖線で示すように、支持部80の第2の方向Yの両端に対して第2の方向Yで外側まで移動する。
【0125】
また、第1のレール装置65Aの長手方向の長さは、例えば、支持部80の第2の方向Yに沿う長さよりも長い長さに設定される。なお、他の例では、第1のレール装置65Aの長手方向の長さは、支持部80の長さと同じ長さであってもよい。
【0126】
第2のレール装置65Bは、第1のレール装置65Aのレール63に、第2のレール装置65Bのレール63の延びる方向が第2の方向Yとなる姿勢で固定される。第2のレール装置65Bのレール63は、第1のレール装置65Aのレール63に固定される。第2のレール装置65Bのレール63の長手方向の両端は、例えば、第1のレール装置65Aのレール63の長手方向の両端に配置される。
【0127】
図3に示すように、これら複数のレール装置65のそれぞれのレール63の長さは、保持部40を、第2の方向Yで支持部80の外側の位置まで移動可能な長さに設定される。なお、
図3中では、一例として、保持部40を支持部80に対して第2の方向Yで一方の外側に移動した第2のレール装置65を実線で示し、保持部40を他方の外側に移動した第2のレール装置65を2点鎖線で示している。
【0128】
支持部移動装置71は、走行装置用基部31の例えば上面に固定される。支持部移動装置71に支持部80が固定される。支持部移動装置71により支持部80を、保持部40を搬送面50aに対して接離する方向に移動させることで、第1の搬送部51、第2の保持部移動装置60、保持部40、及び支持部80が一体に、当該接離する方向に移動される。支持部移動装置71は、例えば、
図10、
図8、及び
図9に示すように、第3の方向Zに伸縮可能なリンク機構71aと、リンク機構71aを駆動する被駆動部71bと、を備える。
【0129】
リンク機構71a及び被駆動部71bのそれぞれは、例えば2つ設けられる。2つのリンク機構71a及び2つの被駆動部71bは、例えば、第1の搬送部51に対して第2の方向Yで両外側に配置される。
【0130】
支持部80は、第1の搬送部51の第5の搬送部55以外の部位の少なくとも一部の上方に配置される。支持部80は、例えば、第4の搬送部54及び第6の搬送部56の上方に配置される。
【0131】
また、支持部80は、第2の水平方向移動装置62を支持可能に構成される。この一例として、支持部80は、第4の搬送部54及び第6の搬送部56を覆う板形状に構成される。支持部80は、例えば、板状に構成される。
【0132】
支持部80は、支持部移動装置71に固定される。支持部80は、支持部移動装置71によって移動される。支持部80の上面には、例えば第2の保持部移動装置60が支持される。
【0133】
また、支持部80には、例えば固定具83を用いて、第1の搬送部51が固定される。支持部80に第1の搬送部51が固定されることから、支持部80の下面82a及び第1の搬送部51の搬送面51aの間の第3の方向Zでの距離は、一定の距離に固定される。換言すると、搬送面51a及び支持部80により構成される搬送路の高さである、搬送面51aから支持部80までの高さは、不変である。
【0134】
固定具83は、例えば、第1の搬送部51を支持部80から吊り下げる構成を有する。固定具83は、例えば、第1の搬送部51を下面82aから吊り下げて固定するワイヤやフレームを含む。
【0135】
ここで言う所定の一定距離は、搬送面51a及び支持部80の間に、荷物5を通過可能な隙間を構成する距離である。荷役装置10が複数種類の荷物5を搬送する場合は、下面82a及び搬送面51aの間距離は、高さ寸法が最も大きい荷物5に応じて、決定される。
【0136】
検出部90は、収容部6の内部を検出可能に構成される。検出部90は、例えば、収容部6の床面に積まれた荷物5、保持部40に保持された荷物5、及び搬送部50の第5の搬送部55に配置される荷物5を検出可能に構成される。検出部90は、例えば、第4の搬送部54から第5の搬送部55に向かう方向に沿って装置本体20の前方の範囲、及び第5の搬送部55を撮影可能なカメラである。検出部90は、例えば、支持部80に固定される。検出部90は、撮影した情報を制御部120に送信する。
【0137】
高さ検出部91は、収容部6内に配置された荷物5の高さを検出可能に構成される。高さ検出部91は、例えばレーザレンジファインダである。高さ検出部91は、
図2に示すように、例えば、第1の搬送部51の先端部の下端に設けられている。高さ検出部91は、例えば、第4の搬送部54から第5の搬送部55に向かう方向に沿って装置本体20の前方にレーザを照射する。
【0138】
荷物検出部100は、
図1に示すように、例えば、第1の搬送部51、第2の搬送部52、及び第3の搬送部53のそれぞれに荷物5が配置されていることを検出可能に構成される。荷物検出部100は、具体的には、第1の搬送部51上の荷物5を検出する第1の検出部101と、第2の搬送部52の搬送部本体52a上の荷物5を検出する第2の検出部102と、第3の搬送部53上の荷物5を検出する第3の検出部103と、を備える。
【0139】
第1の検出部101は、例えば複数設けられる。複数の第1の検出部101は、第1の搬送部51の搬送方向に沿って配置される。具体的には、第1の検出部101は、第4の搬送部54上の荷物5検出する第4の検出部104と、第5の搬送部55上の荷物5を検出する第5の検出部105と、第6の搬送部56上の荷物5を検出する第6の検出部106と、を備える。
【0140】
第1乃至第6の検出部101、102、103、104、105は、例えば、各搬送部の第2の方向Yで一端に配置される照射部と、各搬送部の第2の方向Yで他端に配置される受光部と、を備える。これら検出部は、照射部から例えばレーザを照射して、受光部で受光する。各検出部は、制御部120に接続される。
【0141】
各検出部の受光部は、照射部から照射されたレーザの受光に応じて信号を制御部120に送信する。受光部は、例えば、照射部からのレーザを受光すると、所定の信号を送信する。また、受光部は、レーザの受光をしない状態では、信号を送信しない、または、受光したときに送信する信号とは異なる信号を送信する。または、受光部は、レーザを受光すると信号の送信を停止し、レーザを受光しない状態となると信号を送信する構成であってもよい。
【0142】
なお、第5の検出部105は、第5の搬送部55の、第1の方向Xで例えば中心に設けられる。また、第5の検出部105の照射部及び受光部は、位置決め装置110よりも上方に配置される。第5の検出部105の照射部及び受光部は、例えば、位置決め装置110の上端よりわずかに高い位置に配置される。
【0143】
位置決め装置110は、第5の搬送部55に設けられる。位置決め装置110は、例えば、第5の搬送部55の搬送面55aに載置された荷物5を、搬送面55aの所定位置に位置決め可能に構成される。ここでいう所定位置は、保持部40により荷物5を保持する位置である。所定位置は、例えば、荷物5の中心と搬送面55aの中心とが一致する位置である。
【0144】
位置決め装置110は、例えば、押圧部111と、被駆動部112と、を備える。
押圧部111は、荷物5の周面の複数個所を搬送面55aの中心に向かって押圧することで、荷物5を搬送面55aの中心に移動可能に構成される。押圧部111は、例えば、第5の搬送部55の第2の方向Yで両端にそれぞれ設けられる。押圧部111は、2つの腕部113を備える。2つの腕部113のそれぞれの一端の近傍は、第3の方向Zに沿う回転軸113a回りに回転可能に、第5の搬送部55に支持される。
【0145】
被駆動部112は、2つの腕部113を回転軸113a回りに回転する。
このように構成される位置決め装置110は、第5の搬送部55の搬送面55aに載置された荷物5を、2つの押圧部111のそれぞれの2つの腕部113により、荷物5の周方向から搬送面55aの中心に向かって押圧することで、搬送面55aの所定位置に荷物5を位置決めする。
【0146】
制御部120は、
図1に示すように、走行装置30、保持部40、搬送部50、第1の保持部移動装置73、第2の保持部移動装置60、支持部移動装置71、位置決め装置110、を制御する。制御部120は、例えば装置本体20の支持部80に固定される。
【0147】
制御部120は、例えば、検出部90、高さ検出部91及び荷物検出部100の検出結果や予め記憶されたプログラムに基づいて、走行装置30、保持部40、搬送部50、第1の保持部移動装置73、第2の保持部移動装置60、支持部移動装置71、及び、位置決め装置110を自動で制御する。
【0148】
また、制御部120は、昇降アーム200の変位量に関するモータ280の回転数の情報を有している。本実施形態では、モータ280は、回転すると、その回転に応じて、スライドブロック291が変位してワイヤ270が変位する。このように、モータ280の回転とワイヤ270の変位量が対応する。制御部120は、保持部40を移動する為に昇降アーム200の長さを変位する場合は、昇降アーム200の変位量に応じてモータ280を回転する。
【0149】
なお、制御部120は、他の例として、作業者により操作される操作部からの指令に従って、走行装置30、保持部40、搬送部50、第1の保持部移動装置73、第2の保持部移動装置60、支持部移動装置71、及び、位置決め装置110を制御してもよい。
【0150】
このような制御部120は、1つの制御端末で構成されていてもよく、または複数の制御端末を組み合わせて構成されてもよい。例えば、制御部120を構成するコンピュータは、ASICやCPUなどのプロセッサ及び、読み込み専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)等のデータベースを備える。
【0151】
外部搬送部125は、例えば収容部6外の荷物5の集積所、及び搬送部50の第3の搬送部53の間で荷物を搬送する。外部搬送部125は、搬送方向に伸縮可能に構成されるコンベヤである。
【0152】
次に、第1の保持部移動装置73の動作の一例として、
図10、
図17、
図18、
図19、及び、
図8に示すように、第1の動作、第2の動作、及び、第3の動作を説明する。
【0153】
第1の動作は、昇降アーム200がホームポジションにある状態から、第2の状態P2になる動作である。第1の動作では、まず、
図10に示すように、昇降アーム200がホームポジションにある状態で、駆動装置260のモータ280が駆動されることで、ワイヤ270が、被駆動部220を下降させる方向に変位される。
【0154】
具体的には、モータ280が回転されると、モータ280の回転が伝達機構290に伝達され、スライドブロック291が、被駆動部220を下降させる方向に変位される。スライドブロック291が変位されることで、ワイヤ270が送り出され、自重により被駆動部220及び保持部40が下降する。
【0155】
図17に示すように、被駆動部220は、下降すると、付勢アーム240の第3の下限位置用ストッパ245bに当接する。被駆動部220が第2の付勢アーム用ストッパ245に当接することで、付勢アーム240に、被駆動部220及び保持部40の双方の重量が作用する。付勢アーム240は、被駆動部220及び保持部40の双方の重量が作用すると、付勢部300の引き上げ力に抗って、下降する。このとき、中間アーム230も一体に下降する。
【0156】
図18に示すように、被駆動部220、付勢アーム240、及び、中間アーム230がさらに下降すると、中間アーム230の第1の中間アーム用ストッパ235が基部210の第1の下限位置用ストッパ215に当接する。中間アーム230が第1の下限位置用ストッパ215に当接すると、その後は、保持部40、被駆動部220、及び、付勢アーム240が一体に下降する。
【0157】
図8に示すように、付勢アーム240は、第1の付勢アーム用ストッパ244が中間アーム230の第2の下限位置用ストッパ238に当接するまで下降する。第1の付勢アーム用ストッパ244が第2の下限位置用ストッパ238に当接すると、昇降アーム200が第2の状態P2となり、第1の動作が完了する。
【0158】
第2の動作は、第2の状態P2からホームポジションに戻す動作である。第2の動作では、まず、昇降アーム200が第2の状態P2ある状態で、駆動装置260のモータ280が動作されることで、ワイヤ270が被駆動部220を引き上げる方向に変位される。
【0159】
具体的には、モータ280が回転されると、モータ280の回転が伝達機構290に伝達され、スライドブロック291が、被駆動部220を引き上げる方向に変位される。スライドブロック291が変位されることで、ワイヤ270が引き込まれて被駆動部220及び保持部40が一体に引き上げられる。
【0160】
被駆動部220及び付勢アーム240が引き上げられることで、付勢アーム240が、付勢部300の引き上げ力により、上昇する。
図17に示すように、さらに被駆動部220が引き上げられることで、付勢アーム240の第1の付勢アーム用ストッパ244が、中間アーム230の第2の上限位置用ストッパ237に当接する。第1の付勢アーム用ストッパ244が第2の上限位置用ストッパ237に当接することで、付勢アーム240及び中間アーム230が一体に上昇する。
【0161】
モータ280は、例えば、保持部40及び被駆動部220が、付勢アーム240及び中間アーム230と一体に上昇するよう、駆動される。具体的には、モータ280は、被駆動部220及び保持部40の上昇加速度Adが、(Mb×g+F)/Mcと同じまたは(Mb×g+F)/Mcより小さくなるように、駆動される。上昇加速度Adが、(Mb×g+F)/Mcと同じまたは(Mb×g+F)/Mcより小さいことで、保持部40、被駆動部220、中間アーム230、及び、付勢アーム240は、一体に上昇する。
【0162】
図16に示すように、さらに被駆動部220が引き上げられると、中間アーム230の第1の中間アーム用ストッパ235が、第1の上限位置用ストッパ214に当接する。第1の中間アーム用ストッパ235が第1の上限位置用ストッパ214に当接することで、付勢アーム240及び中間アーム230は、第1の状態P1となる。
【0163】
図9及び
図10に示すように、さらに被駆動部220が引き上げられ、吸着部42の下端の高さ位置が、付勢アーム240、中間アーム230、及び、基部210のそれぞれの下端の高さ位置と同位置となると、昇降アーム200がホームポジションとなり、第2の動作が完了する。
【0164】
なお、制御部120は、昇降アーム200がいずれの長さ状態であっても、その長さ状態から、昇降アーム200をホームポジションに移動する為のモータ280の回転数の情報を有しており、この情報に基づいて、昇降アーム200をホームポジションに移動することが可能である。または、昇降アーム200は、ホームポジションになったことを検出するセンサを備える構成であってもよい。この構成の場合、制御部120は、このセンサの検出結果に基づいて、昇降アーム200をホームポジションまで変位させる。
【0165】
第3の動作は、
図19及び
図20に示すように、ホームポジションから保持部40及び被駆動部220を上昇させる動作である。第3の動作では、ホームポジションから目標位置まで上昇するに必要な被駆動部220の変位量に応じて、モータ280が駆動される。なお、
図19及び
図20では、一例として、被駆動部220が付勢アーム240に対する移動範囲の上限位置まで上昇した状態、換言すると、第2の付勢アーム用ストッパ245の第3の上限位置用ストッパ245aに当接する位置まで上昇した状態を示している。
【0166】
なお、第1の保持部移動装置73は、第1乃至第3の動作以外にも、昇降アーム200の変位量に応じてモータ280を駆動することで、保持部40を所望の量、下降する動作、及び、保持部40を所望の量、上昇する動作を行うことが可能である。すなわち、荷物5を所定高さ位置から所望の高さ位置まで移動する場合に、この動作に必要な荷物5の上下方向の移動量に応じてモータ280を駆動することで、荷物5を移動することが可能である。
【0167】
次に、荷役装置10の動作の一例として、収容部6の床面に荷物5を1段積む荷役装置10の動作の一例を、
図14を用いて説明する。荷役装置10は、例えば、水平面に構成される収容部6の床に載置された状態で使用される。この為、搬送部50は、略水平方向に荷物5を搬送し、第1の保持部移動装置73は、保持部40及び荷物5を略鉛直方向に移動する。また、第1の水平方向移動装置61及び第2の水平方向移動装置62のそれぞれは、略水平方向に第1の保持部移動装置73を移動する。
【0168】
制御部120は、まず、検出部90により撮影された映像に基づいて走行装置30により装置本体20を走行させて装置本体20を収容部6内に移動する。なお、保持部40、及び、昇降アーム200は、ホームポジションにある状態で移動される。
【0169】
制御部120は、装置本体20が収容部6内の所定位置への移動が完了すると、走行部32の駆動を停止する。ここで言う収容部6の所定位置は、保持部40が収容部6の床面の目標位置に荷物5を搬送することが可能な位置である。
【0170】
次に、制御部120は、昇降装置52bを制御して、第2の搬送部52の搬送部本体52aを昇降することで、搬送部本体52aの高さ位置を第3の搬送部53の高さ位置に合わせる。
【0171】
次に、制御部120は、第1の搬送部51の高さ位置を、荷物5を載置する目標位置となる収容部6の床面の高さ位置に応じて調整する。この動作例では、目標位置が床面であることから、第1の搬送部51の高さ位置を最低高さ位置に移動する。なお、装置本体20の初期状態では第1の搬送部51の高さ位置が一例として最低高さ位置であることから、この動作例では、制御部120は、第1の搬送部51の高さ位置を変更しない。
【0172】
作業者は、装置本体20が収容部6内の所定位置に移動されると、
図1に示すように、外部搬送部125を第3の搬送部53に隣接する位置に配置する。次に、作業者は、外部搬送部125により装置本体20に荷物5を搬送する。
【0173】
装置本体20に到達した荷物5は、第3の搬送部53を通って第2の搬送部52に侵入する。
【0174】
図14の(A)に示すように、第3の搬送部53から退出した荷物5は、第2の搬送部52に侵入する。制御部120は、第2の検出部102からの信号に基づいて第2の搬送部52への荷物5の侵入を検出すると、搬送部本体52aの駆動を停止する。搬送部本体52aの駆動が停止されることで、荷物5が搬送部本体52a上に保持される。
【0175】
次に、制御部120は、第4の搬送部54、第5の搬送部55、及び第6の搬送部56を駆動する。次に、
図14の(B)に示すように、制御部120は、昇降装置52bを駆動して、搬送部本体52aを第6の搬送部56の高さ位置に移動する。
【0176】
荷物5は、第6の搬送部56、第4の搬送部54、第5の搬送部55の順番に移動する。制御部120は、各検出部104,105,106からの信号に基づいて、第6の搬送部56からの荷物5の退出、第4の搬送部54に対する荷物5の侵入及び退出、並びに、第5の搬送部55への荷物5の侵入を検出する。
【0177】
制御部120は、
図14の(B)に示すように、第5の検出部105からの信号により、荷物5が第5の搬送部55に侵入したことを検出すると、第5の搬送部55の駆動を停止する。
【0178】
次に、制御部120は、
図13に示すように位置決め装置110を駆動して、荷物5を第5の搬送部55の搬送面55aの所定位置に位置決める。制御部120は、位置決め装置110による荷物5の位置決めが完了すると、位置決め装置110を初期位置に戻す。例えば、制御部120は、位置決め装置110の駆動を開始してから、予め設定された所定の時間が経過すると、荷物5の位置決め動作が完了したとして、位置決め装置110を初期位置に戻す。
【0179】
次に、制御部120は、
図14の(C)に示すように、第2の保持部移動装置60を駆動して保持部40を第5の搬送部55の所定位置の直上に移動することで吸着部42を荷物5に上面と対向する位置に移動する。
【0180】
次に、制御部120は、第1の保持部移動装置73を駆動することで、保持部40を下降させて吸着部42を荷物5の上面に当接させるとともに、真空ポンプを駆動することで吸着部42により荷物5を吸着する。吸着部42により荷物5が吸着されることで、荷物5が保持部40に保持される。
【0181】
制御部120は、具体的には、ホームポジションにある保持部40の吸着部42から荷物5の上面までの距離に応じてモータ280を駆動することで、保持部40を下降させる。
【0182】
制御部120は、吸着部42が荷物5の上面に当接されると、真空ポンプを駆動することで吸着部42により荷物5を吸着する。
【0183】
次に、制御部120は、
図14の(D)に示すように第1の水平方向移動装置61、第2の水平方向移動装置62、及び第1の保持部移動装置73を駆動して、保持部40及び保持部40に保持された荷物5を収容部6の目標位置となる床面に搬送する。
【0184】
第5の搬送部55から収容部6の目標位置へ荷物5を搬送する動作の一例を説明する。まず、制御部120は、第1の保持部移動装置73を駆動して、保持部40及び荷物5を、位置決め装置110を上方に超える位置まで上方に移動する。
【0185】
制御部120は、荷物5を、第5の検出部105を上方に超える位置まで移動する。制御部120は、第5の検出部105の受光部が照射部により照射されるレーザを受光したことを検出すると、モータ280の駆動を停止する。
【0186】
すなわち、第5の搬送部55の搬送面55aに荷物5が載置されることで、照射部から照射されるレーザが荷物5により遮られて受光部に到達しないが、位置決め装置110の上端の高さ位置よりも第5の検出部105による検出位置が高いことから、第1の保持部移動装置73により荷物5が上方に移動されることで受光部が照射部から照射されたレーザを受光すると、荷物5が第5の検出部105を上方に越える位置まで移動したこととなる。
【0187】
次に、制御部120は、第5の搬送部55の搬送面55aの収容部6の床面からの高さ位置、及び搬送面55aからの荷物5の下端の高さ位置に基づいて、床面からの荷物5の下端の高さ位置を検出する。
【0188】
制御部120は、例えば、支持部移動装置71の駆動情報、及び、第1の保持部移動装置73の駆動情報に基づいて、第5の搬送部55の搬送面55aの収容部6の床面からの高さ位置、及び搬送面55aからの荷物5の下端の高さ位置を得ることが可能である。
【0189】
次に、制御部120は、目標位置に応じて第2の水平方向移動装置62を駆動することで、保持部40を第2の方向Yに移動する。
【0190】
次に、制御部120は、第1の水平方向移動装置61を駆動することで、保持部40及び荷物5を、荷物5を目標位置となる床面の直上に搬送する。
【0191】
次に、制御部120は、床面からの荷物5の下端の高さ位置に基づいて第1の保持部移動装置73を駆動して、荷物5を目標位置となる床面に載置する。
【0192】
制御部120は、荷物5が目標位置となる床面に搬送されると、吸着部42の真空破壊を行うことで、荷物5の保持を解除する。吸着部42の真空破壊は、真空ポンプと吸着部42を繋ぐ流路のバルブを操作することで行われる。
【0193】
荷役装置10のこれらの動作により、荷物5の収容部6への搬送が完了する。制御部120は、荷物5の収容部6への搬送が完了すると、まず、第1の水平方向移動装置61を駆動して保持部40を第1の搬送部51の搬送方向に沿って移動してから、第2の水平方向移動装置62を駆動し、保持部40を第4の搬送部54側に移動する。
【0194】
図15に示すように、荷物5を1段以上積む場合では、制御部120は、高さ検出部91により、荷物5を移動する目標位置となる、収容部6に配置されている荷物5の上端の高さ位置を検出する。収容部6に配置されている荷物5の上面の高さの検出する際には、例えば、支持部移動装置71が駆動されてもよい。支持部移動装置71が駆動される場合、高さ検出部91は、荷物5を移動する目標位置となる収容部6に配置されている荷物5を検出できなくなる位置まで上昇される。
【0195】
そして、
図14の(D)で説明された動作と同様に、第1の水平方向移動装置61、第2の水平方向移動装置62、及び第1の保持部移動装置73が駆動されて、保持部40及び保持部40に保持された荷物5が収容部6の目標位置となる荷物5上に搬送される。
【0196】
また、ホームポジションにある保持部40よりも高い位置に荷物5を積む場合では、制御部120は、第1の保持部移動装置73に第3の動作をさせることで、荷物5をホームポジションよりも上方に移動する。そして、保持部40に保持された荷物5は、第1の水平方向移動装置61、第2の水平方向移動装置62、及び第1の保持部移動装置73が駆動されて、保持部40及び保持部40に保持された荷物5を収容部6の目標位置となる荷物5上に搬送する。
【0197】
荷役装置10は、収容部6から荷物5を収容部6の外へ搬送する場合は、例えば、上述の、荷物5を収容部6に搬送する動作の逆の動作を行う。
【0198】
このように構成される荷役装置10では、第1の保持部移動装置73は、昇降アーム200、ワイヤ270、付勢部300、及び駆動装置260を備える。そして、昇降アーム200は、付勢部300及びワイヤ270により、伸縮する構成である。このように、ワイヤ270を用いる構成であることで、駆動装置260を、昇降アーム200から離れた位置に設けることが可能である。結果、保持部40から駆動装置260を離して配置できるので、第1の保持部移動装置73において保持部40の周囲に配置される構成をコンパクトにすることが可能となる。この為、コンテナ等の作業スペースに制約が生じる収容部6でも、荷役動作の効率を向上できる。
【0199】
さらに、保持部40を昇降する装置として、伸縮可能な昇降アーム200を用いることで、荷役装置10の移動時に昇降アーム200をホームポジションにすることで第1の保持部移動装置73をコンパクトにすることが可能となる。
【0200】
さらに、昇降アーム200は、付勢アーム240を介して上方に移動される中間アーム230を備えることで、昇降アーム200の最大伸長時の長さを長くできる。
【0201】
さらに、中間アーム230、及び、付勢アーム240の第3の方向Zの長さは、第1の状態P1にあるときに、中間アーム230及び付勢アーム240の上端が、基部210の上端の高さ位置と同位置、または、基部210の上端よりも低い位置に配置され、かつ、中間アーム230及び付勢アームの下端が、基部210の下端の高さ位置と同位置、または、基部210の下端よりも高い位置に配置される寸法を有する。この為、昇降アーム200の最小長にある状態を、コンパクトにすることが可能となる。
【0202】
さらに、昇降アーム200は、ワイヤ270の基部210及び駆動装置260の間の部位を、第3の方向Zに交差する方向に平行な姿勢にする変換部271を備える。この為、第1の保持部移動装置73の第3の方向Zの寸法をコンパクトにすることが可能となる。さらに、変換部271は、ワイヤ270の基部210及び駆動装置260の間の部位を第3の方向Zに直交する方向に平行な姿勢にするので、第1の保持部移動装置73の第3の方向Zの寸法をより一層コンパクトにすることが可能となる。さらに、変換部271は、ワイヤ270の基部210及び駆動装置260の間の部位を第1の方向Xに平行な姿勢にする。この為、ワイヤ270の基部210及び駆動装置260の間の部位を第2の保持部移動装置60の第1の水平方向移動装置61のスライド部61a内に配置することが可能となるので、荷役装置10をコンパクトに構成することが可能となる。
【0203】
さらに、駆動装置260は、モータ280の回転を、伝達機構290を用いてワイヤ270の第1の方向Xの変位に変換する構成を有する。この為、モータ280の駆動量とワイヤ270の変位量とが一致するので、保持部40の昇降動作を制御しやすくなる。
【0204】
さらに、伝達機構290は、第1のチェーン293、第1の駆動スプロケット294、及び、従動スプロケット295のそれぞれを複数備える。この為、スライドブロック291を安定して移動させることが可能となる。
【0205】
さらに、昇降アーム200は、搬送面55aよりも下方に荷物5を搬送可能に構成される。この為、例えば、
図14で説明したように、収容部6の床面に対して荷役することが可能となる。
【0206】
さらに、昇降アーム200は、ホームポジションとなることで、搬送面55a荷物が搬送されるまでの待機状態において、保持部40が荷物5と干渉することを防止できる。
【0207】
さらに、荷役装置10は、保持部40の保持部用基部41及び被駆動部220の双方の第3の方向Zの長さが、付勢アーム240の第3の方向Zの長さよりも小さい。この為、保持部40及び被駆動部220は、付勢アーム240の範囲で、第3の方向に移動可能となる。すなわち、第3の動作が可能となる。この為、第1の保持部移動装置73は、ホームポジションよりも高い位置に対して、荷物5を荷役することが可能となる。
【0208】
以上説明したように、本実施形態によれば、第1の保持部移動装置73はワイヤ270を用いる構成であることで、保持部40から駆動装置260を離して配置できるので、第1の保持部移動装置73において保持部40の周囲に配置される構成をコンパクトにすることが可能となる。
【0209】
なお、上述の例では、第2の保持部移動装置60は、第1の水平方向移動装置61、及び第2の水平方向移動装置62を備える構成が、一例として説明されたが、これに限定されない。他の例では、第2の保持部移動装置60は、第1の水平方向移動装置61または第2の水平方向移動装置62の一方を備える構成であってもよい。
【0210】
また、上述の例では、荷役装置10は、直方体状の荷物5を荷役する構成が一例として説明されたが、荷役装置10が荷役する荷物5の形状は、直方体状に限定されない。荷役装置10は、例えば、タイヤ、筒状の荷物、米俵等の円柱状の荷物、セメント袋や麻袋等の袋状の不定形の荷物を荷役する構成であってもよい。保持部40は、荷役する荷物を保持するに適した構成が用いられる。
【0211】
例えば、荷役装置10がタイヤを荷役する構成の場合は、保持部40は、
図21に示すように、フレーム130と、フレーム130に対して回動可能に支持される複数のアーム131と、複数のアーム131を駆動する駆動装置132と、を備える構成であってもよい。なお、
図21では、保持部40は、上下を反転した状態を示している。
【0212】
この構成の場合、フレーム130が、第1の保持部移動装置73の被駆動部220に固定される。
【0213】
フレーム130は、例えば板状に構成される。複数のアーム131のそれぞれは、長手方向の一端部が、フレーム130の下面133に、第3の方向Zに平行な回動軸回りに回動可能に支持される。複数のアーム131の一端部は、等間隔離間して配置される。複数のアーム131は、例えば3つのアームである。
【0214】
複数のアーム131のそれぞれの他端部には、爪部134が設けられる。爪部134は、タイヤのビード部に下方から当接することでビード部に引っ掛かることが可能に構成される。爪部134は、例えば、支持部135と、フランジ部136と、を備える。
【0215】
支持部135は、アーム131から下方に延びる形状に構成される。フランジ部136は、支持部135の下端に形成される。
【0216】
駆動装置132は、アクチュエータ137と、連結機構138と、を備える。連結機構138は、アクチュエータ137、及び複数のアーム131のそれぞれを連結し、アクチュエータ137による駆動力を複数のアーム131のそれぞれに伝達する。連結機構138は、例えば、複数の歯車を含む。連結機構138は、複数のアーム131を、同時に回動する。また、連結機構138は、複数のアーム131を、複数のアーム131のそれぞれの爪部134が
図12に示すように互いに離れる位置と、爪部134が互いに近づく一との間で回動可能に構成される。
【0217】
このように構成される保持部40は、アクチュエータ137により複数のアーム131のそれぞれが、フレーム130に対して回動される。そして、フランジ部136がタイヤのビード部に下方から当接することでタイヤを引っ掛けて、タイヤを保持する。
【0218】
また、荷役装置10が例えば麻袋を荷役する構成の場合は、保持部40は、針により麻袋を穿刺することで麻袋を保持するニードルグリッパであってもよい。このように、保持部40は、対象物に応じた保持を可能に構成される。
【0219】
保持部40が
図21に示す構成である場合、第1の保持部移動装置73は、好ましくは、保持部40の下端となるフランジ部136を、第5の搬送部55の搬送面55aよりも下方に移動可能に構成される。
【0220】
また、上述の例では、昇降アーム200は、中間アーム230を1つ備える構成が一例として説明されたが、これに限定されない。他の例では、
図22に示す変形例のように、昇降アーム200は、複数の中間アーム230を備えてもよい。
図22では、一例として、2つの中間アーム230を備える構成が示されている。
【0221】
また、上述の例では、昇降アーム200は、中間アーム230を備える構成が一例として説明されたが、これに限定されない。他の例では、昇降アーム200は、中間アーム230を備えない構成であってもよい。この構成の場合、付勢アーム240が、基部210に、中間アーム230と同様に移動可能に支持される。
【0222】
また、上述の例では、昇降アーム200の被駆動部220は、保持部40の保持部用基部41と別体に構成されて、一体に固定される構成が一例として説明されたが、これに限定されない。他の例では、保持部用基部41は、被駆動部220と一体に形成される構成であってもよい。この場合、保持部用基部41は、昇降アーム200の構成となる。または、保持部40は、被駆動部220一体に構成されてもよい。
【0223】
また、上述の例では、基部用ストッパ213は、第1の上限位置用ストッパ214及び第1の下限位置用ストッパ215を備え、中間アーム230に1つの第1の中間アーム用ストッパ235が設けられる構成が一例として説明されたが、これに限定されない。他の例では、
図23に示すように、基部210に1つの基部用ストッパ213が設けられ、第1の中間アーム用ストッパ235が、第4の上限位置用ストッパ235a、及び、第4の下限位置用ストッパ235bを備える構成であってもよい。
【0224】
この変形例では、基部用ストッパ213は、例えば、基部210の前面の下部に形成される。第4の上限位置用ストッパ235aは、中間アーム230が基部210に対する移動範囲の上限位置に到達すると、基部用ストッパ213に当接することで、中間アーム230の上方への移動を停止する。第4の上限位置用ストッパ235aは、例えば、中間アーム230の後面の下部に形成される。第4の下限位置用ストッパ235bは、中間アーム230が基部210に対する移動範囲の下限位置に到達すると、基部用ストッパ213に当接することで、中間アームの下方への移動を停止する。第4の下限位置用ストッパ235bは、例えば、中間アーム230の後面の上部に形成される。
【0225】
また、上述の例では、第2の中間アーム用ストッパ236は、第2の上限位置用ストッパ237、及び、第2の下限位置用ストッパ238を備え、付勢アーム240に1つの第1の付勢アーム用ストッパ244が形成される構成が一例として説明されたが、これに限定されない。他の例では、
図23に示す変形例のように、中間アーム230に1つの第2の中間アーム用ストッパ236が形成され、第1の付勢アーム用ストッパ244が第5の上限位置用ストッパ244a及び第5の下限位置用ストッパ244bを備える構成であってもよい。
【0226】
この変形例では、第2の中間アーム用ストッパ236は、例えば中間アーム230の前面の下部に形成される。第5の上限位置用ストッパ244aは、付勢アーム240が中間アーム230に対する移動範囲の上限位置に到達すると、第2の中間アーム用ストッパ236に当接することで、付勢アーム240の上方への移動を停止する。第5の上限位置用ストッパ244aは、例えば、付勢アーム240の後面の下部に形成される。第5の下限位置用ストッパ244bは、付勢アーム240が中間アーム230に対する移動範囲の下限位置に到達すると、第2の中間アーム用ストッパ236に当接することで、付勢アーム240の下方への移動を停止する。第5の下限位置用ストッパ244bは、例えば、付勢アーム240の後面の上部に形成される。
【0227】
また、上述の例では、付勢アーム240の第2の付勢アーム用ストッパ245は、被駆動部220の付勢アーム240に対する移動範囲の上限位置を設定する第3の上限位置用ストッパ245aを備える構成が一例として説明されたが、これに限定されない。
【0228】
例えば、駆動装置260によるワイヤ270の、被駆動部220を上方に移動する方向の移動量を制限することにより、付勢アーム240に対する被駆動部220の移動範囲の上限位置が設定される構成の場合では、第2の付勢アーム用ストッパ245は、第3の上限位置用ストッパ245aを備えない構成あってもよい。すなわち、モータ280の回転数により、被駆動部220の位置を得る構成である場合には、モータ280を制御することで、被駆動部220が付勢アーム240に対する移動範囲の上限位置を越えて上方に移動することを防止できる。そして、この構成の場合には、第2の付勢アーム用ストッパ245は、第3の上限位置用ストッパ245aを備えなくてもよい。
【0229】
このように、昇降アーム200は、付勢アーム240に対する被駆動部220の移動範囲の上限位置をこえて上方への移動を規制する手段の一例として、第3の上限位置用ストッパ245a、及び、駆動装置260によるワイヤ270の移動量を制限する構成の少なくとも一方を備えてもよい。
【0230】
以上述べた少なくともひとつの実施形態によれば、第1の保持部移動装置73はワイヤ270を用いる構成であることで、保持部40から駆動装置260を離して配置できるので、第1の保持部移動装置73において保持部40の周囲に配置される構成をコンパクトにすることが可能となる。
【0231】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
以下、この出願の出願時の特許請求の範囲を付記する。
[付記1]
基部と、前記基部に対して上下方向に移動する付勢アームと、前記付勢アームに設けられ、前記付勢アームに対して前記上下方向に移動し、対象物を保持する保持部を支持する被駆動部と、を備える昇降アームと、
前記付勢アームを上方に移動可能な付勢力で付勢する付勢部と、
前記被駆動部に固定され、前記被駆動部を吊るワイヤと、
前記ワイヤを介して前記被駆動部を昇降させる駆動装置と、
を備える保持部移動装置。
[付記2]
前記昇降アームは、前記基部に設けられ、前記基部に対して前記上下方向に移動する中間アームを備え、
前記付勢アームは、前記中間アームに設けられて前記中間アームに対して前記上下方向に移動し、
前記基部は、前記中間アームの移動範囲の上限位置及び下限位置を設定する基部用ストッパを備え、
前記中間アームは、前記基部用ストッパと接触する第1の中間アーム用ストッパと、前記付勢アームの移動範囲の上限位置及び下限位置を設定する第2の中間アーム用ストッパと、を備え、
前記付勢アームは、前記第2の中間アーム用ストッパと接触する第1の付勢アーム用ストッパと、前記被駆動部の移動範囲の下限位置を設定する第2の付勢アーム用ストッパと、を備える、
付記1に記載の保持部移動装置。
[付記3]
前記付勢部の前記付勢力は、前記中間アームの重量及び前記付勢アームの重量の和より大きく、かつ、前記保持部の重量、前記被駆動部の重量、及び、前記付勢アームの重量の和より小さい、付記2に記載の保持部移動装置。
[付記4]
前記中間アームの前記上下方向の長さは、前記中間アームが前記上限位置まで移動した状態で、前記中間アームの上端が前記基部の上端と同高さ位置または低い高さ位置に配置され、かつ、前記中間アームの下端が前記基部の下端と同高さ位置または高い位置に配置される寸法を有し、
前記付勢アームの前記上下方向の長さは、前記付勢アームが前記上限位置まで移動した状態で、前記付勢アームの上端が前記中間アームの上端と同高さ位置または低い高さ位置に配置され、かつ、前記付勢アームの下端が前記中間アームの下端と同高さ位置または高い高さ位置に配置される寸法を有する、付記2または付記3に記載の保持部移動装置。
[付記5]
前記中間アームは、複数設けられる、付記2乃至付記4のいずれか1に記載の保持部移動装置。
[付記6]
前記ワイヤの延びる方向を前記上下方向に交差する一方向に変換するプーリを備え、
前記駆動装置は、前記ワイヤを前記一方向に変位させる、
付記1乃至付記5のいずれか1に記載の保持部移動装置。
[付記7]
前記駆動装置は、
モータと、
前記モータにより駆動される駆動スプロケットと、
従動スプロケットと、
前記駆動スプロケット及び前記従動スプロケットに回しかけられるチェーンと、
前記チェーンに固定されるブロックと、
前記ブロックの前記一方向の移動を案内するレールと、
を備える付記6に記載の保持部移動装置。
[付記8]
前記チェーン、前記駆動スプロケット、及び前記従動スプロケットは、複数設けられる、付記7に記載の保持部移動装置。
[付記9]
付記1乃至付記8のいずれか1に記載の保持部移動装置と、
前記昇降アームを支持し、前記昇降アームを前記上下方向に対して交差する方向に移動させる昇降アーム移動装置と、
前記保持部移動装置、及び、前記昇降アーム移動装置を支持し、走行する走行装置と、
を備える荷役装置。
【符号の説明】
【0232】
5…荷物、6…収容部、10…荷役装置、20…装置本体、30…走行装置、31…走行装置用基部、32…走行部、40…保持部、41…保持部用基部、42…吸着部、50…搬送部、62…第2の水平方向移動装置、70…保持部移動装置、71…支持部移動装置、73…第1の保持部移動装置、120…制御部、200…昇降アーム、210…基部、211…基部本体、212…基部用レール、213…基部用ストッパ、214…第1の上限位置用ストッパ、215…第1の下限位置用ストッパ、220…被駆動部、221…被駆動部本体、222…被駆動部用支持部、230…中間アーム、232…中間アーム本体、233…中間アーム用支持部、234…中間アーム用レール、235…第1の中間アーム用ストッパ、236…第2の中間アーム用ストッパ、237…第2の上限位置用ストッパ、238…第2の下限位置用ストッパ、240…付勢アーム、241…付勢アーム本体、242…付勢アーム用支持部、243…付勢アーム用レール、244…第1の付勢アーム用ストッパ、245…第2の付勢アーム用ストッパ、246…連結部、260…駆動装置、270…ワイヤ、271…変換部、272…プーリ、273…プーリ、280…モータ、281…プーリ、290…伝達機構、291…スライドブロック、292…スライドレール、293…第1のチェーン、294…第1の駆動スプロケット、295…従動スプロケット、296…第2の駆動スプロケット、297…第2のチェーン、300…付勢部、301…定荷重ばね、302…ドラム、303…ばね部材、P1…第1の状態、P2…第2の状態、X…第1の方向、Y…第2の方向、Z…第3の方向。