(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-27
(45)【発行日】2024-10-07
(54)【発明の名称】タッチ表示装置
(51)【国際特許分類】
G06F 3/041 20060101AFI20240930BHJP
G06F 3/044 20060101ALI20240930BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20240930BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20240930BHJP
【FI】
G06F3/041 412
G06F3/044 120
G06F3/041 512
G09F9/00 366A
G09F9/30 330
G09F9/30 365
G09F9/30 309
(21)【出願番号】P 2020172731
(22)【出願日】2020-10-13
【審査請求日】2023-03-14
(73)【特許権者】
【識別番号】501426046
【氏名又は名称】エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 貴之
(72)【発明者】
【氏名】三代川 智慎
(72)【発明者】
【氏名】市川 勉
(72)【発明者】
【氏名】イェ, ジェホン
(72)【発明者】
【氏名】高杉 親知
【審査官】田川 泰宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-140190(JP,A)
【文献】特開2007-286704(JP,A)
【文献】特開2015-028712(JP,A)
【文献】特開2019-101427(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第111240523(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0065590(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0074623(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/041-3/044
G09F 9/00
G09F 9/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチ表示装置であって、
表示パネルの内側で
互いに対向して設けられ、静電容量を形成する第1電極および第2電極と、
前記表示パネルの内側に設けられて、前記
第1電極および前記第2電極に接続された第1コイルと、
第2コイルであって、前記表示パネルの内側に設けられ
、前記第1コイルとの相互誘導を有し、前記相互誘導により該第2コイルに電流を生じさせる第2コイルと、を備え、
タッチが行われたときの前記静電容量の変化により生じた電流に基づいて前記第1コイルから磁界が生じ、前記第1コイルからの前記磁界によって生じた前記第2コイルに流れる電流によりタッチの検出を行う
、タッチ表示装置。
【請求項2】
前記第1電極と前記第2電極は、前記表示パネルの表示素子に含まれる電極である請求項1に記載のタッチ表示装置。
【請求項3】
前記第1コイルと前記第2コイルは1つのコイルにより形成されている請求項1に記載のタッチ表示装置。
【請求項4】
前記表示パネルが、OLED表示パネルである請求項1に記載のタッチ表示装置。
【請求項5】
前記表示パネルが、液晶表示パネルである請求項1に記載のタッチ表示装置。
【請求項6】
前記表示パネルが、ボトムエミッション型
表示パネルである請求項4又は請求項5に記載のタッチ表示装置。
【請求項7】
前記第1コイル及び前記第2コイルが、前記表示パネルに含まれる封止層上に形成されている請求項3に記載のタッチ表示装置。
【請求項8】
前記第1コイル及び前記第2コイルが、前記表示パネルに含まれる封止層に接着層を介して貼付されている請求項3に記載のタッチ表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチ表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、情報化社会の発展に伴い、映像を表示するための表示装置への要求が様々な形で増加しており、様々な表示装置が活用されている。
このような表示装置として、液晶表示装置、プラズマ表示装置及び有機発光表示装置を例示することができる。
【0003】
また、このような表示装置の一つとして、表示画面上をユーザがタッチすることで情報が入力されるタッチ表示装置がある。
タッチ表示装置は、ボタン、キーボード及びマウス等の通常の入力方式から脱却し、ユーザが手軽に情報又は命令を直観的に、且つ便利に入力可能な入力方式を提供する。
タッチ表示装置は、様々なタッチセンシング方式によって、ユーザのタッチの有無を検出し、タッチ位置(座標)を正確に検出することが要求される。
タッチ表示装置の様々なタッチセンシング方式のうち、タッチパネルに設けられた多数のタッチ電極によって形成される容量の静電容量の変化に基づいて、タッチの有無及びタッチ位置(座標)等を検出するタッチセンシング方式が広く利用されている。
【0004】
従来のタッチ表示装置のタッチパネルには、複数のタッチ電極が複雑な形で細かく配置されるため、作製工程における異物の混入等によって、タッチ電極間に電気的な短絡が発生するおそれがある。
このような電気的な短絡が生じると、タッチ感度が著しく落ち、タッチセンシング自体ができなくなることもある。
【0005】
ところで、タッチ表示装置は、表示パネルにタッチパネルを取り付けた外付け型タッチ表示装置と、表示パネルとタッチパネルとが一体である内蔵型タッチ表示装置と、に大別される。
内蔵型タッチ表示装置は、タッチパネル機能部をTFT(Thin Film Transistor)セル内に内蔵したインセル型タッチ表示装置と、表示パネルのガラス基板上にタッチパネル機能部を載せたオンセル型タッチ表示装置と、に分類され、このうちインセル型タッチ表示装置が特に注目されている。
インセル型タッチ表示装置では、TFT液晶セル内に形成された容量の静電容量の変化を検出することで、タッチの有無及びタッチ位置(座標)等の検出が可能である。
例えば、特許文献1には、インセル型タッチ表示装置の構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、従来とは異なる新たな方式によって、タッチ表示装置におけるタッチの有無及びタッチ位置を検出可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の目的を達成する本発明は、表示パネル内に多数のタッチ電極が配置されたタッチ表示装置であって、前記表示パネルの内側に設けられた、前記多数のタッチ電極と、前記表示パネルの内側に設けられて前記多数のタッチ電極と相互誘導のため電流を流す第1コイルと、前記表示パネルの内側に設けられて前記多数のタッチ電極と相互誘導により電流が流れる第2コイルと、を備え、前記第2コイルに流れる電流によりタッチの検出を行うタッチ表示装置である。
【0009】
上記構成のタッチ表示装置において、前記多数のタッチ電極は、前記表示パネルの表示素子に含まれる電極とすることができる。
【0010】
上記構成のタッチ表示装置において、前記第1コイルと前記第2コイルは1つのコイルにより形成されていてもよい。
【0011】
上記構成のタッチ表示装置において、前記表示パネルはOLED表示パネルとすることができる。
【0012】
上記構成のタッチ表示装置において、前記表示パネルは液晶表示パネルとすることができる。
【0013】
上記構成のタッチ表示装置において、前記表示パネルがOLED表示パネル又は液晶表示パネルである場合に、前記表示パネルはボトムエミッション型とすることができる。
【0014】
上記構成の前記第1コイルと前記第2コイルが1つのコイルにより形成されたタッチ表示装置において、前記第1コイル及び前記第2コイルは、前記表示パネルに含まれる封止層上に形成されていてもよい。
【0015】
上記構成の前記第1コイルと前記第2コイルが1つのコイルにより形成されたタッチ表示装置において、前記第1コイル及び前記第2コイルは、前記表示パネルに含まれる封止層に接着層を介して貼付されていてもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、従来とは異なる新たな方式によって、タッチ表示装置におけるタッチの有無及びタッチ位置を検出可能な技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1は、実施形態に係るタッチ表示装置の全体構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2(A)は、実施形態に係るタッチ表示装置の概念を示す図であり、
図2(B)は、
図2(A)の断面及び回路を示す図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係るタッチ表示装置の読み出し回路を示す回路図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係るタッチ表示装置の断面を示す図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係るタッチ表示装置の封止基板上に形成されたリードアウトコイルの断面を示す図である。
【
図7】
図7は、実施形態に係るタッチ表示装置の封止基板上に貼付されたリードアウトコイルの断面を示す図である。
【
図8】
図8は、実施形態に係るタッチ表示装置のタッチ領域におけるリードアウトコイルの形態を示す図である。
【
図9】
図9は、実施形態に係るタッチ表示装置のタッチ領域からパッド領域におけるリードアウトコイルの形態を示す図である。
【
図10】
図10は、
図6に示したリードアウトコイルを適用した例におけるパッド部を含む断面を示す図である。
【
図11】
図11は、
図7に示したリードアウトコイルを適用した例におけるパッド部を含む断面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態について説明する。
ただし、本発明は、以下の実施形態の記載によって限定解釈されるものではない。
【0019】
<実施形態>
図1は、本実施形態に係るタッチ表示装置1の全体構成を示すブロック図である。
図1に示すタッチ表示装置1は、データライン(DL)2及びゲートライン(GL)3が配置されて映像を表示する表示パネル(DISP)4と、表示パネル4を駆動するディスプレイ駆動回路5と、を含む。
ディスプレイ駆動回路5は、データライン2を駆動するデータ駆動回路(DDC)6と、ゲートライン3を駆動するゲート駆動回路(GDC)7と、データ駆動回路6及びゲート駆動回路7を制御する表示制御部(D-CTR)8と、を含む。
また、
図1に示すタッチ表示装置1は、表示パネル4内に配置された表示素子に含まれる多数のタッチ電極のタッチ駆動及びセンシング処理を実行するタッチセンシング回路(TSC)10を含む。
タッチセンシング回路10は、タッチ電極に駆動信号を供給し、タッチ電極からのセンシング信号を検出し、このセンシング信号に基づいてタッチの有無及びタッチ位置をセンシングする。
タッチセンシング回路10は、タッチ電極に駆動信号を供給してセンシング信号を受信するタッチ駆動回路(TDC)11と、タッチの有無及びタッチ位置を算出するタッチ制御部(T-CTR)12と、を含む。
タッチセンシング回路10は、一又は二以上の部品(例えば、集積回路)によりディスプレイ駆動回路5とは別に実装されていてもよい。
又は、タッチセンシング回路10の全部又は一部が、ディスプレイ駆動回路5又はその内部回路のいずれかと統合されて実装されていてもよい。
例えば、タッチセンシング回路10のタッチ駆動回路11は、ディスプレイ駆動回路5のデータ駆動回路6と共に集積回路に実装されていてもよい。
【0020】
図1に示すタッチ表示装置1は、タッチ電極に形成される容量に基づいて、タッチの有無及びタッチ位置を検出する。
タッチ表示装置1は、タッチセンシング方式として、相互容量方式を採用してもよいし、自己容量方式を採用してもよい。
タッチ表示装置1は、上述の構成により、映像を表示するための映像表示機能と、ユーザのタッチをセンシングするタッチセンシング機能と、を実現する。
なお、タッチ表示装置1においては、表示パネル4内の電極がタッチ電極として機能するため、表示期間とタッチ期間とが分割される。
【0021】
図2(A)は、本実施形態に係るタッチ表示装置1の概念を示す図であり、
図2(B)は、
図2(A)の断面及び回路を示す図である。
図2(A),(B)には、タッチ電極である電極21と、電極21と対向して電極21と容量20を形成する電極22と、電極22に接続されてインダクタンスLsの第1コイル23Lを形成する配線23と、配線23により形成される第1コイル23Lと相互誘導(誘導結合)する第2コイルを形成する配線24と、が示されている。
【0022】
図3は、
図2の等価回路図である。
図3には、容量20と、第1コイル23Lと、抵抗23Rと、第2コイル24Lと、が示されている。
抵抗23Rは、配線23の配線抵抗である。
容量20及び第1コイル23Lは、LCセンサを形成している。
第1コイル23Lと相互誘導する第2コイル24Lは、リードアウトコイルである。
【0023】
ユーザのタッチにより、電極21と電極22とにより形成される容量20の静電容量がCsからCfに変化すると、第1コイル23Lに電流isが流れる。
第1コイル23Lには、第1コイル23LのインダクタンスLs及び電流isに基づいて磁場が形成される。
第2コイル24Lには、第1コイル23Lとの相互誘導により、第2コイル24LのインダクタンスLroに基づいて電流iroが流れる。
なお、第1コイル23Lと第2コイル24Lとの相互誘導の結合係数をkとする。
【0024】
図4は、本実施形態に係るタッチ表示装置1の読み出し回路を示す回路図である。
図4には、LCセンサと、リードアウトコイルと、スイッチと、補償回路と、リードアウト増幅器と、周波数分析器と、が示されている。
図4に示すLCセンサ及びリードアウトコイルは、
図3に示したものと同様である。
図4に示す読み出し回路において、リードアウトコイルに流れる電流に基づいた周波数分析器による周波数分析により読み出しが行われる。
【0025】
図5は、本実施形態に係るタッチ表示装置1の断面を示す図である。
図5には、タッチ面100を含む基板101と、TFT102と、アノード103と、OLED層104と、カソード105と、封止基板106と、リードアウトコイル107と、が示されている。
【0026】
基板101は、ガラス基板又は樹脂基板等である。
TFT102は、基板101上に形成されており、例えばボトムゲート構造のTFTである。
アノード103は、TFT102に接続される透光性材料により形成された電極であり、カソード105は、共通電位となる共通電極である。
OLED層104は、アノード103とカソード105との間に配される有機発光層である。
封止基板106は、OLED層104に水分等が侵入しないようにOLED層104を封止するための基板である。
リードアウトコイル107は、第2コイル24Lを形成する配線層及び絶縁層を含む。
なお、
図5に示すタッチ表示装置1は、基板101側から発光が取り出されるボトムエミッション構造である。
【0027】
図6は、本実施形態に係るタッチ表示装置1の封止基板106上に形成されたリードアウトコイル107の断面を示す図である。
図6には、封止基板106と、リードアウトコイル107と、が示されている。
リードアウトコイル107は、第1のリードアウトコイル層1071と、第1の絶縁層1072と、第2のリードアウトコイル層1073と、第2の絶縁層1074と、を備える。
【0028】
第1のリードアウトコイル1071及び第2のリードアウトコイル1073は、配線層により形成されたコイルである。
第1のリードアウトコイル1071は、封止基板106上に形成されている。
第1の絶縁層1072は、第1のリードアウトコイル1071を覆って形成されている。
第1の絶縁層1072上には第2のリードアウトコイル1073が形成されている。
第2の絶縁層1074は、第2のリードアウトコイル1073を覆って形成されている。
【0029】
図7は、本実施形態に係るタッチ表示装置1の封止基板106上に貼付されたリードアウトコイル107Aの断面を示す図である。
図7には、封止基板106と、接着層108を介して封止基板106に貼付されたリードアウトコイル107Aと、が示されている。
リードアウトコイル107Aは、リードアウトコイル基板1070上にリードアウトコイル107が形成されたものであり、その他の構成はリードアウトコイル107と同じである。
なお、
図7では、リードアウトコイル基板1070側を表面としたときの裏面側が接着層108を介して封止基板106に貼付されている。
【0030】
図8は、本実施形態に係るタッチ表示装置1のタッチ領域におけるリードアウトコイル107の形態を示す図である。
リードアウトコイル107において、第1のリードアウトコイル1071は、タッチ領域のY方向に延在することでスキャン信号線(Rx)として機能する。
第2のリードアウトコイル1073は、タッチ領域のX方向に延在することでセンシング信号線(Tx)として機能する。
タッチ駆動時には、第1のリードアウトコイル1071にスキャン信号が入力されるとともに、第2のリードアウトコイル1073にセンシング信号が出力される。
第1のリードアウトコイル1071と第2のリードアウトコイル1073とが重畳する部分のいずれかがスキャン信号で選択されて、センシング信号によりセンシングされる。
【0031】
図9は、本実施形態に係るタッチ表示装置1のタッチ領域からパッド領域におけるリードアウトコイル107の形態を示す図である。
図9に示すように、スキャン信号線である第1のリードアウトコイル1071の各々はタッチ領域からパッド領域まで引き回されて第1の端子1071pに各々接続され、センシング信号線である第2のリードアウトコイル1073の各々はタッチ領域からパッド領域まで引き回されて第2の端子1073pに各々接続される。
図9には、タッチ領域からパッド領域まで引き回された第1のリードアウトコイル1071及び第2のリードアウトコイル1073が示されているが、第1のリードアウトコイル1071及び第2のリードアウトコイル1073の引き回しは、
図9に示す形態に限定されるものではない。
【0032】
図10は、
図6に示したリードアウトコイル107を適用した例におけるパッド部を含む断面を示す図である。
図10には、第1の基板101と、絶縁層に覆われてアノードに接続されたTFT102と、図示しないアノード及びカソードとOLED層104とを含むディスプレイ層と、封止基板106と、第1のリードアウトコイル層1071と第1の絶縁層1072と図示しない第2のリードアウトコイル層と第2の絶縁層1074とを含むリードアウトコイルと、IP(Intellectual Property)コア109と、が示されている。
IPコア109は、TFT102と第1のリードアウトコイル層1071とを接続するが、TFT102と第1のリードアウトコイル層1071との接続はこれに限定されるものではない。
なお、図示しない第2のリードアウトコイル層もTFT102に接続される。
【0033】
図11は、
図7に示したリードアウトコイル107Aを適用した例におけるパッド部を含む断面を示す図である。
図11には、第1の基板101と、絶縁層に覆われてアノードに接続されたTFT102と、図示しないアノード及びカソードとOLED層104とを含むディスプレイ層と、封止基板106と、リードアウトコイル基板1070上に設けられ、第1のリードアウトコイル層1071と第1の絶縁層1072と図示しない第2のリードアウトコイル層と第2の絶縁層1074とを含むリードアウトコイルと、IPコア109と、FPC(Flexible Printed Circuits)110と、が示されている。
IPコア109は、TFT102とFPC110とを接続するが、TFT102とFPC110との接続はこれに限定されるものではない。
FPC110は、第1のリードアウトコイル層1071に接続される。
なお、図示しない第2のリードアウトコイル層もFPC110に接続される。
【0034】
以上説明したように、本実施形態によれば、従来とは異なる新たな方式によって、タッチ表示装置におけるタッチの有無及びタッチ位置を検出可能な技術を提供することができる。
具体的には、表示パネル内部の容量変化を表示パネル内部に接続されない第2コイルにより検出することが可能となる。
【0035】
表示パネル内部には電界を遮蔽する共通電極が設けられているため、表示パネル内部の検出を電界によって行うことは、従来は困難であった。
本実施形態によれば、表示パネル内部の容量変化を第1コイルと第2コイルとの相互誘導によって検出するため、共通電極が設けられていても表示パネル内部の容量変化を検出することができる。
【0036】
また、本実施形態によれば、表示パネル内部の容量変化を検出可能な構成が、作製工程を複雑化させることなく、少ない工程数で実現可能である。
【0037】
なお、本実施形態によれば、表示パネルの透過率及び画質を低下させることなく、表示パネル内部の容量変化を検出可能な構成を実現することができる。
【0038】
なお、本実施形態においては、インセル型タッチ表示装置を例示して説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、オンセル型タッチ表示装置にも適用可能であり、外付け型タッチ表示装置にも適用可能である。
【0039】
また、本実施形態においては、表示パネルとしてOLED表示パネルを例示して説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、表示パネルとして液晶表示パネルを適用してもよいし、液晶表示パネル又はOLED表示パネル以外の表示パネルを適用してもよい。
【0040】
なお、本実施形態においては、マルチタッチを検出するタッチ表示装置を例示して説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、シングルタッチを検出するタッチ表示装置に本発明を適用してもよい。
マルチタッチを検出するタッチ表示装置では、上述のように、第1コイルに電流が流れ、表示パネルの表示素子の電極から第2コイルまで相互誘導が形成され、第2コイルに電流が流れることで、タッチした指等が表示パネルの表示素子の電極の容量を変化させ、その変化量により相互誘導の第2コイルの電流量が変化する。
マルチタッチを検出するタッチ表示装置では、第1コイルから電流が流れ、表示パネルの表示素子の電極との相互誘導で第1コイルに再び流れる電流の変化によりタッチ検出を行ってもよい。
すなわち、第1コイルと第2コイルとが1つのコイルにより形成されていてもよい。
【0041】
なお、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、上述の構成に対して、構成要素の付加、削除又は転換を行った様々な変形例も含むものとする。
【符号の説明】
【0042】
1 タッチ表示装置
2 データライン
3 ゲートライン
4 表示パネル
5 ディスプレイ駆動回路
6 データ駆動回路
7 ゲート駆動回路
8 表示制御部
10 タッチセンシング回路
11 タッチ駆動回路
12 タッチ制御部
20 容量
21,22 電極
23 配線
23L 第1コイル
23R 抵抗
24 配線
24L 第2コイル
100 タッチ面
101 基板
102 TFT
103 アノード
104 OLED層
105 カソード
106 封止基板
107,107A リードアウトコイル
1070 リードアウトコイル基板
1071 第1のリードアウトコイル層
1071p 第1の端子
1072 第1の絶縁層
1073 第2のリードアウトコイル層
1073p 第2の端子
1074 第2の絶縁層
108 接着層
109 IPコア
110 FPC