(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-27
(45)【発行日】2024-10-07
(54)【発明の名称】通知装置および通知方法
(51)【国際特許分類】
G07C 9/30 20200101AFI20240930BHJP
【FI】
G07C9/30
(21)【出願番号】P 2020217600
(22)【出願日】2020-12-25
【審査請求日】2023-09-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000237592
【氏名又は名称】株式会社デンソーテン
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】片岡 智春
(72)【発明者】
【氏名】加茂 麻由
(72)【発明者】
【氏名】▲濱▼上 斉
【審査官】永安 真
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-219913(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07C 9/00 - 9/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗り物の乗降口に設けられたカメラによって撮像された撮像画像を取得
し、
取得された前記撮像画像に前記乗り物の乗客が含まれる場合、当該乗客に対して所定の通知を行う
制御部を備え、
前記
制御部は、
前記所定の通知を行った後、
新たに取得
した前記撮像画像に、前記所定の通知を行った前記乗客と同じ乗客が含まれる場合、当該乗客に対
して態様を変更した通知
を行う、
通知装置。
【請求項2】
前記所定の通知は、画像表示又はメッセージ表示、及び、通知音又は音声による通知であり、
前記態様を変更した通知は、画像表示又はメッセージ表示による通知である、
請求項1に記載の通知装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記撮像画像に乗客が含まれる場合、前記乗客に関する属性情報を検出
し、
前記属性情報に応じた態様で
前記所定の通知を行う
、
請求項1
又は2に記載の通知装置。
【請求項4】
前記
制御部は、
前記乗客が含まれる前記撮像画像に基づいて、前記所定の通知に対する前記乗客の反応を示す反応情報を検出し
、
前記反応情報に基づいて、
前記乗客に対して前記態様を変更した通知を行う、
請求項1
~3のいずれか一つに記載の通知装置。
【請求項5】
前記
制御部は、
前記乗り物の乗車時における前記乗客のマナーに関する通知を前記所定の通知として行う
、
請求項1~
4のいずれか一つに記載の通知装置。
【請求項6】
前記
制御部は、
前記撮像画像に含まれる前記乗客がマスクを着用していない場合、前記マスクの着用を促す通知を前記所定の通知として行う
、
請求項1~
5のいずれか一つに記載の通知装置。
【請求項7】
通知装置が行う通知方法であって、
乗り物の乗降口に設けられたカメラによって撮像された撮像画像を取得
し、
取得された前記撮像画像に前記乗り物の乗客が含まれる場合、当該乗客に対して所定の通知を行
い、
前記所定の通知を行った後、
新たに取得
した前記撮像画像に、前記所定の通知を行った前記乗客と同じ乗客が含まれる場合、当該乗客に対
して態様を変更した通知
を行う、
通知方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通知装置および通知方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えばバスなどの乗り物において、乗降した乗客の人数を算出する技術が種々提案されている(例えば、特許文献1参照)。従来技術にあっては、乗り口および降り口にそれぞれカメラが設置され、かかるカメラによって撮像された乗客の撮像画像を用いて乗客の人数(乗客数)を算出するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記した撮像画像に乗客が含まれる場合に、かかる乗客に対して所定の通知を行う技術がある。しかしながら、従来技術には、乗客に対して適切な通知を行うという点で、改善の余地があった。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、乗客に対して適切な通知を行うことができる通知装置および通知方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、通知装置において、取得部と、通知部とを備える。取得部は、乗り物の乗降口に設けられたカメラによって撮像された撮像画像を取得する。通知部は、前記取得部によって取得された前記撮像画像に前記乗り物の乗客が含まれる場合、当該乗客に対して所定の通知を行う。また、前記通知部は、前記所定の通知を行った後、前記取得部によって取得された前記撮像画像に、前記所定の通知を行った前記乗客と同じ乗客が含まれる場合、当該乗客に対する通知の態様を変更する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、乗客に対して適切な通知を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態に係る通知方法の概要を示す図である。
【
図2】
図2は、バス端末装置を備えた情報処理システムの構成例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、乗り口端末装置の構成例を示すブロック図である。
【
図5】
図5は、通知態様情報の一例を示す図である。
【
図6A】
図6Aは、通知部による通知の態様の一例を示す図である。
【
図6B】
図6Bは、通知部による通知の態様の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、降り口端末装置の構成例を示すブロック図である。
【
図9】
図9は、通知態様情報の一例を示す図である。
【
図10】
図10は、通知部による通知の態様の一例を示す図である。
【
図11】
図11は、実施形態に係るバス端末装置が実行する処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して、本願の開示する通知装置および通知方法の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0010】
<通知装置による通知方法の概要>
以下では先ず、実施形態に係る通知装置による通知方法の概要について
図1を参照して説明する。
図1は、実施形態に係る通知方法の概要を示す図である。
【0011】
実施形態に係る通知方法は、例えば乗り物の乗客に対して通知などを行うことができる。なお、以下では乗り物の一例としてバス1を挙げて説明するが、乗り物の種類はこれに限定されるものではない。すなわち、乗り物は、例えば鉄道車両や航空機、船舶などその他の種類の乗り物であってもよい。
【0012】
図1に示すように、バス1には、バス端末装置10が搭載され、かかるバス端末装置10が通知装置として機能する。具体的に説明すると、バス端末装置10は、乗り口端末装置10aと、降り口端末装置10bとを備える。
【0013】
乗り口端末装置10aは、バス1の乗り口2aに設置される。乗り口端末装置10aは、第1カメラ11aを備える。例えば、第1カメラ11aは、バス1の乗り口2aであって、かつ、バス1の中(バス車内)に設けられ、バス1に乗車する乗客である乗車者の乗車者撮像画像を撮像する。乗り口端末装置10aは、かかる乗車者撮像画像から顔情報が検出されることで、乗車者を検知することができる。
【0014】
降り口端末装置10bは、バス1の降り口2bに設置される。降り口端末装置10bは、第2カメラ11bを備える。例えば、第2カメラ11bは、バス1の降り口2bであって、かつ、バス1の中(バス車内)に設けられ、バス1から降車する乗客である降車者の降車者撮像画像を撮像する。降り口端末装置10bは、かかる降車者撮像画像から顔情報が検出されることで、降車者を検知することができる。
【0015】
ところで、バス端末装置10は、乗客に対して所定の通知を行うことができる。例えば、乗り口端末装置10aは、第1カメラ11aによって撮像された乗車者撮像画像に乗車者(乗客)が含まれる場合に、かかる乗車者に対して所定の通知を行うことができる。なお、所定の通知の内容は、任意に設定可能であるが、ここでは一例として、マスクを着用していない乗客に対してマスクの着用を促す内容であるものとする。
【0016】
ここで、従来技術にあっては、乗客に対する通知を適切に行うことができないおそれがあった。すなわち、従来技術においては、乗車者撮像画像から乗客の顔情報が検出される度に、乗客に対して同じ通知を行うように構成される。そのため、例えば乗客の顔情報が一旦途切れるような場合、通知を適切に行うことができないおそれがあった。
【0017】
具体的には、例えば
図1の上段に示すように、同じ乗車者Pに対して、乗車者撮像画像A1~A3が、乗車者撮像画像A1、A2、A3の順で撮像されたものとする。ここで、乗車者撮像画像A2にあっては、例えば逆光などによって乗車者Pの顔が暗くなって、乗車者撮像画像A2から顔情報が検出できないものとする。
【0018】
このような場合、従来技術にあっては、乗車者撮像画像A1から乗車者Pの顔情報が検出されるため、乗車者Pに対して通知を行う。続いて、乗車者撮像画像A2から顔情報が検出されずに、その後乗車者撮像画像A3から顔情報が検出されると、乗車者Pに対して同じ通知を行う。このように、従来技術にあっては、同じ乗車者Pに対して同じ通知を複数回(ここでは2回)行うこととなる。そのため、例えば、同じ通知を複数回受けた乗車者Pは、通知を煩わしいと感じて通知に対する受容性が低下するなどのおそれがあった。
【0019】
そこで、本実施形態に係るバス端末装置(通知装置)10にあっては、上記した顔情報の検出の途切れが生じるような場合であっても、乗客に対して適切な通知を行うことができるような構成とした。
【0020】
具体的には、バス端末装置10の乗り口端末装置10aは、先ず、第1カメラ11aによって撮像された乗車者撮像画像を取得する(ステップS1)。次いで、乗り口端末装置10aは、取得された乗車者撮像画像にバス1の乗車者(乗客)Pが含まれるか否かを判定し、乗車者Pが含まれる場合、乗車者Pに対して所定の通知を行う(ステップS2)。
【0021】
ここでは、所定の通知の内容は、マスクの着用を促す内容である。そのため、
図1の例では、乗り口端末装置10aは、乗車者撮像画像A1に乗車者Pが含まれ、乗車者Pがマスクを着用していないことが検出された場合に、マスクの着用を促す内容の通知を行う。例えば、乗り口端末装置10aは、マスクの画像を表示部13aに表示させるとともに、通知音をスピーカ14a(後述する
図3参照)から出力させる態様で通知を行う。
【0022】
図1の例では、かかる通知を行った後に、乗車者撮像画像A2において乗車者Pの顔情報の検出が一旦途切れたものとする。なお、このとき、乗り口端末装置10aは、マスクの画像の表示および通知音の出力を停止する。
【0023】
その後、乗り口端末装置10aは、第1カメラ11aによって撮像された乗車者撮像画像を取得する(ステップS3)。
【0024】
そして、乗り口端末装置10aは、取得された乗車者撮像画像A3に、通知を行った乗車者Pと同じ乗車者Pが含まれる場合、当該乗車者Pに対する通知の態様を変更する(ステップS4)。例えば、乗り口端末装置10aは、マスクの画像を表示部13aに表示させる一方、通知音をスピーカ14aから出力させない態様で通知を行う。なお、
図1に示す通知の態様は、あくまでも例示であって限定されるものではない。
【0025】
このように、本実施形態にあっては、撮像画像に、通知を既に行った乗客と同じ乗客が含まれる場合、当該乗客に対する通知の態様を変更することで、同じ乗客に対して同じ通知、詳しくは同じ態様の通知を複数回行わないようにした。これにより、乗客に対して適切な通知を行うことができることから、例えば乗客は、通知を煩わしいと感じにくく、通知に対する受容性が低下することを抑制することができる。
【0026】
<情報処理システムの構成>
次に、実施形態に係るバス端末装置(通知装置)10を備えた情報処理システムの構成について、
図2を用いて説明する。
図2は、バス端末装置10を備えた情報処理システム100の構成例を示すブロック図である。
【0027】
図2に示すように、情報処理システム100は、上記したバス端末装置10と、管理サーバ200と、バス事業者端末装置300と、ユーザ端末装置400とを含み、これらはインターネット網などの通信ネットワークNを介して通信可能に接続される。
【0028】
バス端末装置10は、上記したように、乗り口端末装置10aおよび降り口端末装置10bを備える。乗り口端末装置10aと降り口端末装置10bとは、例えばWi-Fi(登録商標)などの近距離無線通信を介して通信可能に接続されるが、これに限られず、近距離無線通信に加えて、あるいは代えて通信ネットワークNなどを介して通信可能に接続されてもよい。なお、乗り口端末装置10aの詳細な構成については、
図3等を用いて後述する。また、降り口端末装置10bの詳細な構成については、
図7等を用いて後述する。
【0029】
管理サーバ200は、バス端末装置10から送信される乗車者情報や降車者情報、バス1の乗客数の情報を含む乗客情報などを管理するサーバ装置である。管理サーバ200は、乗客情報などをバス事業者端末装置300へ提供することができる。また、管理サーバ200は、バス1の乗客数の情報に基づいてバス1の混雑度を算出し、算出された混雑度を示す混雑度情報をユーザ端末装置400へ提供してもよい。
【0030】
バス事業者端末装置300は、バス1を運行するバス事業者が使用する端末装置である。バス事業者端末装置300としては、例えばPC(Personal Computer)、スマートフォンやタブレット端末などを用いることができるが、これに限定されるものではない。かかるバス事業者端末装置300には、管理サーバ200から乗客情報などが送信されて表示される。これにより、バス事業者は、例えば乗客情報などに応じたバス1の運行計画を立てることが可能になる。
【0031】
ユーザ端末装置400は、バス1を利用するユーザ、正確にはバス1をこれから利用するユーザが使用する端末装置である。なお、ユーザ端末装置400としては、例えばスマートフォンやタブレット端末、PCなどを用いることができるが、これに限定されるものではない。かかるユーザ端末装置400には、管理サーバ200からバス1の混雑度情報が送信されて表示される。これにより、ユーザは、例えばバス1の混雑度を乗車前に確認することが可能になる。なお、
図2では、図示の簡略化のため、ユーザ端末装置400を2つ示したが、これに限られず、1つであっても3つ以上であってもよい。
【0032】
<乗り口端末装置の構成>
次いで、乗り口端末装置10aの構成について
図3等を参照して説明する。
図3は、乗り口端末装置10aの構成例を示すブロック図である。なお、
図3を含む各ブロック図では、本実施形態の特徴を説明するために必要な構成要素のみを機能ブロックで表しており、一般的な構成要素についての記載を省略している。
【0033】
換言すれば、
図3等のブロック図に図示される各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。例えば、各機能ブロックの分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することが可能である。
【0034】
図3に示すように、乗り口端末装置10aは、第1カメラ11aと、測位部12aと、表示部13aと、スピーカ14aと、制御部20aと、記憶部30aとを備える。なお、乗り口端末装置10aとしては、スマートフォンやタブレット端末などを用いることができるが、これに限定されるものではない。
【0035】
第1カメラ11aは、例えばレンズと、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などの撮像素子とを備えるカメラである。第1カメラ11aは、バス1の乗り口2a(
図1参照)であって、かつ、バス1の中(バス車内)に設けられる。詳しくは、第1カメラ11aは、少なくとも乗り口2aから乗車する乗車者(乗客)の顔を含む範囲をバス車内から撮像可能な位置に設けられる。第1カメラ11aは、乗車者の乗車者撮像画像を撮像し、撮像された乗車者撮像画像を制御部20aへ出力する。
【0036】
測位部12aは、バス1の位置情報(例えば、緯度および経度)を取得する。例えば、測位部12aは、GPS(Global Positioning System)衛星から送出される電波を受信し、受信した電波に基づいてバス1の位置情報を取得し、取得された位置情報を制御部20aへ出力する。なお、測位部12aは、バス1が停留所に停止しているときに取得されたバス1の位置情報を、バス1が停止している停留所の位置情報として出力してもよい。
【0037】
表示部13aは、乗り口2aの任意の位置に設置される。例えば、表示部13aは、乗り口2aにおいて、バス1に乗車する乗車者が視認可能な位置に設置されるディスプレイである。表示部13aは、所定の通知の内容を示す通知画像などを表示することができる。かかる通知画像には、例えば文字や図形、記号など種々の表記が含まれてもよい。
【0038】
スピーカ14aは、乗り口2aの任意の位置に設置される。例えば、スピーカ14aは、乗り口2aにおいて、バス1に乗車する乗車者が聴取可能な位置に設置される。スピーカ14aは、所定の通知の内容を示す通知音などを出力することができる。かかる通知音には、例えばブザー音等の警告音や、人の声を模した音(音声)など種々の音が含まれてもよい。
【0039】
制御部20aは、取得部21aと、検出部22aと、登録部23aと、通知部24aと、出力部25aとを備え、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、入出力ポートなどを有するコンピュータや各種の回路を含む。
【0040】
コンピュータのCPUは、例えば、ROMに記憶されたプログラムを読み出して実行することによって、制御部20aの取得部21a、検出部22a、登録部23a、通知部24aおよび出力部25aとして機能する。
【0041】
また、制御部20aの取得部21a、検出部22a、登録部23a、通知部24aおよび出力部25aの少なくともいずれか一部または全部をASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアで構成することもできる。
【0042】
また、記憶部30aは、例えば、不揮発性メモリやデータフラッシュといった記憶デバイスで構成される記憶部である。かかる記憶部30aには、乗車者情報31a、通知態様情報32a、反応情報33aおよび各種プログラムなどが記憶される。
【0043】
乗車者情報31aは、バス1に乗る乗客(乗車者)に関する情報である。乗車者情報31aは、例えば乗車者撮像画像に基づいて検出される情報や、乗車者が乗車時に使用した定期券などのIC(Integrated Circuit)カードに記憶された情報であって図示しないリーダを用いて読み取った情報などであるが、これらに限定されるものではない。
【0044】
ここで、
図4を用いて、乗車者情報31aについて説明する。
図4は、乗車者情報31aの一例を示す図である。
図4に示すように、乗車者情報31aには、「乗車者ID」、「乗車者画像」、「特徴点」、「性別」、「年齢」、「年齢層」、「マスクの有無」、「国籍」、「個人名」および「乗車した停留所」等の項目が含まれ、各項目は互いに関連付けられている。
【0045】
「乗車者ID」は、乗車者を識別する識別情報である。「乗車者画像」は、乗車者撮像画像の情報である。なお、
図4に示す例では、便宜上、「乗車者画像」を「画像E01」といったように抽象的な記載とするが、「画像E01」には具体的な情報が記憶されるものとする。以下、他の情報についても抽象的に記載する場合がある。
【0046】
「特徴点」は、乗車者撮像画像に写った乗車者の顔の特徴点情報であり、顔情報の一例である。特徴点情報には、例えば乗車者撮像画像に写った乗車者の顔における目(目頭、目尻など)、鼻や口などの特徴点の位置などが含まれるが、これに限定されるものではない。
【0047】
「性別」は、乗車者撮像画像に写った乗車者の性別を示す情報である。「年齢」は、乗車者撮像画像に写った乗車者の年齢を示す情報であり、「年齢層」は、かかる乗車者の年齢層を示す情報である。「マスクの有無」は、乗車者撮像画像に写った乗車者がマスクを着用しているか否かを示す情報である。
【0048】
「国籍」は、乗車者撮像画像に写った乗車者の国籍を示す情報である。「個人名」は、乗車者撮像画像に写った乗車者の個人名を示す情報である。なお、上記した性別や年齢、年齢層、マスクの有無、国籍および個人名などの情報は、乗車者の属性情報の一例である。「乗車した停留所」は、乗車者が乗車した停留所を示す情報である。
【0049】
図4に示す例では、乗車者ID「P01」で識別される乗車者のデータは、乗車者画像が「画像E01」、特徴点が「特徴点F01」、性別が「男性」、年齢が「年齢G01」、年齢層が「大人」、マスクの有無が「無し」、国籍が「国籍H01」、個人名が「名前XX」、乗車した停留所が「停留所K01」であることを示している。
【0050】
図3の説明に戻ると、通知態様情報32aは、乗車者に対する通知の態様を示す情報である。上記したように、本実施形態にあっては、乗車者に通知を行った後、乗車者撮像画像に同じ乗車者が含まれる場合、乗車者に対する通知の態様を変更するようにした。通知態様情報32aには、その変更前の通知の態様(例えば1回目の通知の態様)や変更後の通知の態様(例えば2回目以降の通知の態様)を示す情報が含まれる。
【0051】
また、本実施形態にあっては、後述するように、乗車者の属性情報に応じた態様で通知を行う。従って、通知態様情報32aには、属性情報に対応した通知の態様を示す情報が含まれる。
【0052】
なお、通知の態様とは、通知内容および通知方法などを含むが、これらに限定されるものではない。上記した通知内容は、例えば通知画像の内容(種類)や通知音の内容(種類)である。また、通知方法は、例えば通知画像を表示させて通知する方法や、通知音を出力させて通知する方法などである。
【0053】
ここで、
図5を用いて、通知態様情報32aについて説明する。
図5は、通知態様情報32aの一例を示す図である。
図5に示すように、通知態様情報32aには、「通知態様ID」、「属性情報」、「1回目の通知態様」および「2回目以降の通知態様」等の項目が含まれ、各項目は互いに関連付けられている。
【0054】
「通知態様ID」は、通知態様情報を識別する識別情報である。「属性情報」は、乗車者の属性を示す情報である。例えば「属性情報」には、乗車者の性別、年齢、年齢層、マスクの有無、国籍、個人名の一部あるいは全部が含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0055】
「1回目の通知態様」は、乗車者に対して1回目に行う通知の態様を示す情報である。詳しくは「1回目の通知態様」には、乗車者撮像画像に乗車者の顔情報が最初に検出されたときに、かかる乗車者に対して行う通知の形態を示す情報である。
【0056】
「2回目以降の通知態様」は、乗車者に対して2回目以降に行う通知の態様を示す情報である。詳しくは「2回目以降の通知態様」には、乗車者に対して1回目の通知が行われた後、乗車者撮像画像に同じ乗車者の顔情報が検出されたときに、かかる乗車者に対して行う2回目以降の通知の形態を示す情報である。
【0057】
図5に示す例では、通知態様ID「L01」で識別される通知態様のデータは、属性情報の年齢層が「大人」、マスクの着用の有無が「マスク無し」であり、1回目の通知態様が「通知態様M01」、2回目以降の通知態様が「通知態様N01」であることを示している。
【0058】
なお、
図5の例では、通知態様情報32aにおける通知態様を「1回目」と「2回目以降」の2つの通知態様に分けたが、これに限られず、例えば3つ以上の通知態様に分けてもよい。
【0059】
図3の説明に戻ると、反応情報33aは、通知が行われた乗車者の通知に対する反応を示す情報である。反応情報33aには、例えば通知に対する肯定的な反応や、否定的な反応などを示す情報が含まれる。なお、反応情報33aについては、後に詳説する。
【0060】
制御部20aの取得部21aは、第1カメラ11aによって撮像された乗車者撮像画像を取得する。例えば、取得部21aは、バス1が停留所で停止しているときに乗車者撮像画像を取得するが、取得のタイミングはこれに限定されるものではない。取得部21aは、取得された乗車者撮像画像を検出部22aへ出力する。
【0061】
検出部22aは、乗車者撮像画像に乗車者が含まれる場合、乗車者に関する属性情報を含む乗車者情報を検出することができる。
【0062】
例えば、検出部22aは、乗車者撮像画像から乗車者の顔情報(詳しくは顔の特徴点情報)を検出する。例えば、検出部22aは、乗車者撮像画像から、目(目頭、目尻など)、鼻や口、輪郭などの特徴点を抽出し、抽出された特徴点の位置を特徴点情報として検出する。検出部22aは、検出された特徴点情報を乗車者撮像画像とともに、登録部23aへ出力する。
【0063】
検出部22aは、乗車者撮像画像から乗車者の属性情報を検出する。例えば、検出部22aは、乗車者撮像画像における特徴点情報に基づいて性別や年齢、年齢層、マスクの有無、国籍などの属性情報を検出する。そして、検出部22aは、検出された属性情報を登録部23aへ出力する。
【0064】
検出部22aは、乗車者の個人を特定する情報(例えば個人名など)を検出してもよい。例えば、検出部22aは、乗車者がバス1の乗車時に使用した定期券などのICカードに記憶された個人名などの情報を、図示しないリーダを介して取得してもよい。そして、検出部22aは、検出された個人を特定する情報(個人名情報)を、乗車者の属性情報として登録部23aへ出力する。なお、上記した特徴点情報および属性情報の検出手法は、任意に設定可能である。
【0065】
登録部23aは、検出部22aによって検出された特徴点情報および属性情報を乗車者撮像画像とともに、記憶部30aに乗車者情報31a(
図4参照)として登録する(記憶させる)。このとき、登録部23aは、測位部12aのバス1の位置情報に基づいて、乗車者撮像画像が撮像された停留所、すなわち、乗車者が乗車した停留所の情報を乗車者情報31aに付加してもよい。
【0066】
通知部24aは、乗車者情報31aおよび通知態様情報32aなどに基づいて、乗車者に対して所定の通知を行うことができる。
【0067】
なお、ここでは一例として、通知部24aは、マスクの着用を促す通知を所定の通知として行うものとする。通知部24aは、後述するように、乗車者に対して適切な通知を行うことができることから、マスクの着用を効果的に促すことができる。
【0068】
具体的に説明すると、通知部24aは、乗車者撮像画像に乗車者が含まれる場合、かかる乗車者に対応する属性情報を乗車者情報31aから読み込む。そして、通知部24aは、読み込んだ属性情報と通知態様情報32aとに基づいて、乗車者に対して通知を行う。
【0069】
ここで、通知部24aによって行われる通知の態様について、
図6Aおよび
図6Bを参照して説明する。
図6Aおよび
図6Bは、通知部24aによる通知の態様の一例を示す図である。なお、
図6Aおよび
図6Bでは、1回目の通知態様を左側に示し、2回目以降の通知態様を右側に示している。
【0070】
図6Aの左図に示すように、通知部24aは、例えば乗車者の属性情報の年齢層が「大人」であり、マスクの着用の有無が「マスク無し」である場合(
図5の通知態様ID「L01」参照)、マスクの着用を促す通知を行う。
【0071】
具体的には、通知部24aは、マスクを示す通知画像B1やマスクの着用を促すメッセージを示す通知画像B2を表示部13aに表示させる。さらに、通知部24aは、通知音をスピーカ14a(
図3参照)から出力させる。
【0072】
このように、通知部24aは、通知画像B1,B2の表示と通知音の出力とを行うことで、乗車者は通知に気づきやすくなり、よってマスクの着用を効果的に促すことができる。
【0073】
なお、通知部24aは、通知画像B1および通知画像B2のいずれか一方を表示部13aに表示させてもよいし、その他の種類の通知画像を表示させてもよい。また、通知画像B1や通知画像B2は、年齢層が「大人」に対応する通知画像の例である。また、通知音は、警告音であってもよいし、上記した通知画像B2のメッセージの音声であってもよく、任意に設定可能である。
【0074】
ここで、上記した通知が行われた後に、乗車者撮像画像において乗車者の顔情報の検出が一旦途切れるものとする。通知部24aは、新たに取得された乗車者撮像画像に、通知を行った乗車者と同じ乗車者が含まれる場合、当該乗車者に対する通知の態様を変更する。
【0075】
なお、通知部24aは、新たに取得された乗車者撮像画像の乗車者の特徴点情報や属性情報が、顔情報の検出が途切れる前の乗車者の特徴点情報や属性情報と同一または類似する場合、新たに取得された乗車者撮像画像の乗車者は通知を行った乗車者と同じ乗車者であると推定する。
【0076】
通知の態様の変更の一例としては、
図6Aの右図に示すように、通知部24aは、マスクを示す通知画像B1のみを表示部13aに表示させ、通知音を出力させない態様で通知を行う。
【0077】
このように、本実施形態に係る通知部24aは、同じ乗車者(乗客)に対して同じ通知、詳しくは同じ態様の通知を複数回行わないようにした。これにより、乗車者(乗客)に対して適切な通知を行うことができることから、例えば乗車者(乗客)は、通知を煩わしいと感じにくく、通知に対する受容性が低下することを抑制することができる。
【0078】
また、
図6Bの左図に示すように、通知部24aは、例えば乗車者の属性情報の年齢層が「子供」であり、マスクの着用の有無が「マスク有り」である場合(
図5の通知態様ID「L04」参照)、マスクの着用を促す通知を行う必要はないため、バス1の乗車に関連する情報を含む通知などその他の種類の通知を行うことができる。
【0079】
図6Bの例では、通知部24aは、属性情報の年齢層が「子供」であるため、「ようこそ」など平易な表現の乗車に関連する情報を含む通知画像B3や、キャラクタやイラストなどの通知画像B4を表示部13aに表示させる。さらに、通知部24aは、例えば「ポーン」のような警告の印象を与えない単音などの通知音をスピーカ14a(
図3参照)から出力させる。
【0080】
このように、通知部24aは、通知画像B3,B4の表示と通知音の出力とを行うことで、乗車者に対して属性情報に適した通知を行うことができ、乗車者が通知に気づきやすくすることができる。
【0081】
また、通知部24aは、上記した通知が行われた後の2回目以降の通知では、例えば
図6Bの右図に示すように、通知画像B4のみを表示部13aに表示させ、通知音を出力させない態様で通知を行う。これにより、同じ乗車者に対して同じ態様の通知が複数回行われず、乗車者に対して属性情報に適した通知を行うことができる。
【0082】
また、図示は省略するが、通知部24aは、例えば乗車者の属性情報の年齢層が「大人」であり、マスクの着用の有無が「マスク有り」である場合(
図5の通知態様ID「L02」参照)、「ご乗車ありがとうございます」などの表現を含む通知画像や通知音で、乗車に関連する情報を含む通知を行ってもよい。これにより、通知部24aは、乗車者に対して属性情報に適した通知を行うことができる。
【0083】
また、通知部24aは、例えば乗車者の属性情報の国籍が「国籍H01」であり、マスクの着用の有無が「マスク無し」である場合(
図5の通知態様ID「L05」参照)、国籍H01に対応する言語を含む通知画像や通知音で、マスクの着用を促す通知を行ってもよい。これにより、通知部24aは、乗車者に対して属性情報(ここでは国籍情報)に適した通知を行うことができる。
【0084】
また、通知部24aは、例えば乗車者の属性情報の個人名が「個人名XX」であり、マスクの着用の有無が「マスク有り」である場合(
図5の通知態様ID「L07」参照)、例えば「ようこそXX様」など乗車者個人を特定する情報を含む表現の通知画像や通知音で、乗車に関連する情報を含む通知を行ってもよい。これにより、通知部24aは、乗車者に対して属性情報(ここでは個人を特定する情報)に適した通知を行うことができる。
【0085】
このように、本実施形態に係る通知部24aは、属性情報に応じた態様で通知を行うことで、乗車者に対して属性情報に適した通知を行うことができる。
【0086】
また、通知部24aは、乗客が含まれる撮像画像に基づいて、所定の通知に対する乗客の反応を示す反応情報を検出することができる。そして、通知部24aは、検出された反応情報に基づいて、所定の通知の態様を変更してもよい。これにより、通知の態様を、乗客の反応に即した通知の態様に変更することができる。
【0087】
具体的に説明すると、通知部24aは、所定の通知を行った後、かかる乗客が通知に対して肯定的な反応であったか、否定的な反応であったかを判定する。一例としては、通知部24aは、乗車者撮像画像から得られる特徴点情報などを含む乗車者の顔情報を解析して、通知が行われた乗車者の表情を推定する。
【0088】
例えば、通知部24aは、通知が行われた乗車者の表情が笑顔になったと推定される場合、乗車者の通知に対する反応は肯定的であったことを検出する。他方、通知部24aは、通知が行われた乗車者の表情が驚いた顔になったり、怒った顔になったりしたと推定された場合、乗車者の通知に対する反応は否定的であったことを検出する。なお、通知部24aは、乗車者の表情に加えて、あるいは代えて、図示しないマイクで取得される乗車者の発話内容に基づいて、乗客が通知に対して肯定的な反応であったか、否定的な反応であったかを検出してもよい。通知部24aは、検出された反応を示す情報を記憶部30aの反応情報33aとして記憶させる。
【0089】
そして、通知部24aは、反応情報33aに基づき、否定的な反応であった通知については、例えば通知態様を変更することができる。一例としては、通知部24aは、否定的な反応であった通知については、通知の内容を変更したり、通知音の音量を下げたりする。また、通知部24aは、肯定的な反応であった通知については、通知の対象となる乗客を拡大する変更などを行う。
【0090】
このように、通知部24aは、通知に対する乗客の反応を示す反応情報を用いることで、通知の態様を、乗客の反応に即した通知の態様に変更することができる。
【0091】
出力部25aは、記憶部30aにアクセスし、乗車者情報31aを降り口端末装置10bへ出力する。なお、出力部25aは、バス1が停留所を出発して登録部23aでの登録処理等が完了してから次の停留所に到着するまでの間に出力処理を実行するが、出力のタイミングはこれに限定されるものではない。
【0092】
<降り口端末装置の構成>
次いで、降り口端末装置10bの構成について
図7等を参照して説明する。
図7は、降り口端末装置10bの構成例を示すブロック図である。
【0093】
図7に示すように、降り口端末装置10bは、第2カメラ11bと、測位部12bと、表示部13bと、スピーカ14bと、制御部20bと、記憶部30bとを備える。なお、降り口端末装置10bとしては、スマートフォンやタブレット端末などを用いることができるが、これに限定されるものではない。
【0094】
第2カメラ11bは、例えばレンズと、CCDやCMOSなどの撮像素子とを備えるカメラである。第2カメラ11bは、バス1の降り口2b(
図1参照)であって、かつ、バス1の中(バス車内)に設けられる。詳しくは、第2カメラ11bは、少なくとも降り口2bから降車する降車者(乗客)の顔を含む範囲をバス車内から撮像可能な位置に設けられる。第2カメラ11bは、降車者の降車者撮像画像を撮像し、撮像された降車者撮像画像を制御部20bへ出力する。
【0095】
測位部12bは、例えばGPS衛星から送出される電波に基づいてバス1の位置情報を取得し、取得された位置情報を制御部20bへ出力する。なお、測位部12bは、バス1が停留所に停止しているときに取得されたバス1の位置情報を、バス1が停止している停留所の位置情報として出力してもよい。
【0096】
表示部13bは、降り口2bの任意の位置に設置される。例えば、表示部13bは、降り口2bにおいて、バス1を降車する降車者が視認可能な位置に設置されるディスプレイである。表示部13bは、所定の通知の内容を示す通知画像などを表示することができる。
【0097】
スピーカ14bは、降り口2bの任意の位置に設置される。例えば、スピーカ14bは、降り口2bにおいて、バス1を降車する降車者が聴取可能な位置に設置される。スピーカ14bは、所定の通知の内容を示す通知音などを出力することができる。
【0098】
制御部20bは、取得部21bと、検出部22bと、登録部23bと、照合部24bと、通知部25bと、算出部26bと、送信部27bとを備え、例えば、CPU、ROM、RAM、入出力ポートなどを有するコンピュータや各種の回路を含む。
【0099】
コンピュータのCPUは、例えば、ROMに記憶されたプログラムを読み出して実行することによって、制御部20bの取得部21b、検出部22b、登録部23b、照合部24b、通知部25b、算出部26bおよび送信部27bとして機能する。
【0100】
また、制御部20bの取得部21b、検出部22b、登録部23b、照合部24b、通知部25b、算出部26bおよび送信部27bの少なくともいずれか一部または全部をASICやFPGA等のハードウェアで構成することもできる。
【0101】
また、記憶部30bは、例えば、不揮発性メモリやデータフラッシュといった記憶デバイスで構成される記憶部である。かかる記憶部30bには、乗車者情報31b、降車者情報32b、通知態様情報33c、乗降カウンタ34bおよび各種プログラムなどが記憶される。
【0102】
乗車者情報31bは、乗り口端末装置10aから出力された乗車者情報31aと同じ情報であるため、ここでの説明を省略する(
図4参照)。
【0103】
降車者情報32bは、降車者に関する情報である。ここで、
図8を用いて、降車者情報32bについて説明する。
図8は、降車者情報32bの一例を示す図である。
図8に示すように、降車者情報32bには、「降車者ID」、「降車者画像」、「特徴点」、「性別」、「年齢」、「年齢層」、「マスクの有無」、「国籍」、「個人名」、「降車した停留所」および「照合結果」等の項目が含まれ、各項目は互いに関連付けられている。
【0104】
「降車者ID」は、降車者を識別する識別情報である。「降車者画像」は、降車者撮像画像の情報である。「特徴点」は、顔の特徴点情報である。かかる特徴点情報には、例えば降車者撮像画像に写った降車者の顔における目、鼻や口などの特徴点の位置などが含まれるが、これに限定されるものではない。
【0105】
「性別」は、降車者撮像画像に写った降車者の性別を示す情報である。「年齢」は、降車者撮像画像に写った降車者の年齢を示す情報であり、「年齢層」は、かかる降車者の年齢層を示す情報である。「マスクの有無」は、降車者撮像画像に写った降車者がマスクを着用しているか否かを示す情報である。
【0106】
「国籍」は、降車者撮像画像に写った降車者の国籍を示す情報である。「個人名」は、降車者撮像画像に写った降車者の個人名を示す情報である。なお、上記した性別や年齢、年齢層、マスクの有無、国籍および個人名などの情報は、降車者の属性情報の一例である。
【0107】
「降車した停留所」は、降車者が降車した停留所を示す情報である。「照合結果」は、後述する照合部24bによって乗車者情報31bと降車者情報32bとが照合されたときの照合結果を示す情報である。「照合結果」には、例えば降車者情報32bと一致した乗車者情報31bの乗車者IDに関する情報が含まれるが、これに限定されるものではない。
【0108】
図8に示す例では、降車者ID「Q01」で識別される降車者のデータは、降車者画像が「画像E11」、特徴点が「特徴点F01」、性別が「男性」、年齢が「年齢G01」、年齢層が「大人」、マスクの有無が「無し」、国籍が「国籍H01」、個人名が「名前XX」、降車した停留所が「停留所K11」、照合結果が「乗車者ID[P01]と一致」であることを示している。
【0109】
図7の説明に戻ると、通知態様情報33bは、降車者に対する通知の態様を示す情報である。本実施形態にあっては、降車者に対しても、乗車者と同様な通知処理を行う。すなわち、本実施形態にあっては、降車者に通知を行った後、降車者撮像画像に同じ降車者が含まれる場合、降車者に対する通知の態様を変更するようにした。通知態様情報33bには、その変更前の通知の態様(例えば1回目の通知の態様)や変更後の通知の態様(例えば2回目以降の通知の態様)を示す情報が含まれる。
【0110】
また、本実施形態にあっては、後述するように、降車者の属性情報や降車者の属性の変化に応じた態様で通知を行う。従って、通知態様情報33bには、属性情報や属性の変化に対応した通知の態様を示す情報が含まれる。
【0111】
ここで、
図9を用いて、通知態様情報33bについて説明する。
図9は、通知態様情報33bの一例を示す図である。
図9に示すように、通知態様情報33bには、「通知態様ID」、「属性情報および属性の変化」、「1回目の通知態様」および「2回目以降の通知態様」等の項目が含まれ、各項目は互いに関連付けられている。
【0112】
「通知態様ID」は、通知態様情報を識別する識別情報である。「属性情報および属性の変化」は、降車者の属性を示す情報および属性の変化を示す情報である。例えば「属性情報」には、降車者の性別、年齢、年齢層、マスクの有無、国籍、個人名の一部あるいは全部が含まれるが、これらに限定されるものではない。例えば「属性の変化を示す情報」には、属性情報のマスクの着用の有無が「マスク無し」から「マスク有り」に変更したことを示す情報が含まれる。これは、上記したマスクの着用を促す通知に対して、乗客がマスクの着用を行ったことを示す情報である。
【0113】
「1回目の通知態様」は、降車者に対して1回目に行う通知の態様を示す情報である。詳しくは「1回目の通知態様」には、降車者撮像画像に降車者の顔情報が最初に検出されたときに、かかる降車者に対して行う通知の形態を示す情報である。
【0114】
「2回目以降の通知態様」は、降車者に対して2回目以降に行う通知の態様を示す情報である。詳しくは「2回目以降の通知態様」には、降車者に対して1回目の通知が行われた後、降車者撮像画像に同じ降車者の顔情報が検出されたときに、かかる降車者に対して行う2回目以降の通知の形態を示す情報である。
【0115】
図9に示す例では、通知態様ID「L11」で識別される通知態様のデータは、属性情報の変化が「マスクの属性変化」、1回目の通知態様が「通知態様M11」、2回目以降の通知態様が「通知態様N11」であることを示している。
【0116】
なお、
図9の例では、通知態様情報33bにおける通知態様を「1回目」と「2回目以降」の2つの通知態様に分けたが、これに限られず、例えば3つ以上の通知態様に分けてもよい。
【0117】
図7の説明に戻ると、乗降カウンタ34bは、バス1の現在の乗客数をカウントするカウンタである。
【0118】
制御部20bの取得部21bは、第2カメラ11bから、バス1から降車する乗客(降車者)が撮像された降車者撮像画像を取得する。例えば、取得部21bは、バス1が停留所で停止しているときに降車者撮像画像を取得するが、取得のタイミングはこれに限定されるものではない。取得部21bは、取得された降車者撮像画像を検出部22bへ出力する。
【0119】
また、取得部21bは、乗り口端末装置10aから出力された乗車者情報を取得し、記憶部30bに乗車者情報31b(
図4参照)として登録する。
【0120】
検出部22bは、降車者撮像画像から降車者の顔情報(詳しくは顔の特徴点情報)を検出する。例えば、検出部22bは、降車者撮像画像から、目、鼻や口、輪郭などの特徴点を抽出し、抽出された特徴点の位置を特徴点情報として検出する。
【0121】
検出部22bは、降車者撮像画像から降車者の性別や年齢、年齢層、マスクの有無、国籍などの属性情報を検出する。検出部22bは、検出された特徴点情報および属性情報を降車者撮像画像とともに、登録部23bへ出力する。
【0122】
検出部22bは、降車者の個人を特定する情報(例えば個人名など)を検出してもよい。例えば、検出部22bは、降車者がバス1の降車時に使用した定期券などのICカードに記憶された個人名などの情報を、図示しないリーダを介して取得してもよい。そして、検出部22bは、検出された個人を特定する情報(個人名情報)を、降車者の属性情報として登録部23bへ出力する。
【0123】
登録部23bは、降車者撮像画像、特徴点情報および属性情報を含む各種の情報を記憶部30bに降車者情報32b(
図8参照)として登録する。このとき、登録部23bは、測位部12bのバス1の位置情報に基づいて、降車者撮像画像が撮像された停留所、すなわち、降車者が降車した停留所の情報を降車者情報32bに付加してもよい。
【0124】
照合部24bは、乗車者情報31bと降車者情報32bとを照合する。例えば、照合部24bは、記憶部30bの乗車者情報31bと降車者情報32bにアクセスし、降車者の特徴点情報や属性情報が、乗車者の特徴点情報や属性情報と一致あるいは略一致するか否かの照合を行う。照合部24bは、降車者の特徴点情報等が乗車者の特徴点情報等と一致あるいは略一致する場合、かかる照合結果を、降車者情報32b(
図8参照)の「照合結果」に登録する。ここでは、照合部24bは、降車者ID「Q01」の降車者の特徴点情報や属性情報が、乗車者ID「P01」の情報の特徴点情報や属性情報と一致したこと、すなわち同じ乗客であることを示している。
【0125】
通知部25bは、降車者情報32bおよび通知態様情報33bなどに基づいて、降車者に対して所定の通知を行うことができる。
【0126】
例えば、通知部25bは、降車者撮像画像に降車者が含まれる場合、かかる降車者に対応する属性情報を降車者情報32bから読み込む。そして、通知部25bは、読み込んだ属性情報と通知態様情報33bとに基づいて、降車者に対して通知を行う。
【0127】
ここで、通知部25bによって行われる通知の態様について、
図10を参照して説明する。
図10は、通知部25bによる通知の態様の一例を示す図である。なお、
図10では、1回目の通知態様を左側に示し、2回目以降の通知態様を右側に示している。
【0128】
図10の左図に示すように、通知部25bは、例えば降車者の属性の変化を示す情報が「マスクの属性変化」である場合(
図9の通知態様ID「L11」参照)、乗車後のマスク着用に関する通知を行う。
【0129】
具体的には、通知部25bは、「マスク着用にご協力頂き、誠にありがとうございました」など乗車後のマスク着用に関するメッセージを示す通知画像B5を表示部13bに表示させる。さらに、通知部25bは、通知音をスピーカ14b(
図7参照)から出力させる。
【0130】
このように、通知部25bは、通知画像B5の表示と通知音の出力とを行うことで、降車者が通知に気づきやすくすることができる。
【0131】
ここで、上記した通知が行われた後に、降車者撮像画像において降車者の顔情報の検出が一旦途切れるものとする。通知部25bは、新たに取得された降車者撮像画像に、通知を行った降車者と同じ降車者が含まれる場合、当該降車者に対する通知の態様を変更する。
【0132】
通知の態様の変更の一例としては、
図10の右図に示すように、通知部25bは、通知画像B5のみを表示部13bに表示させ、通知音を出力させない態様で通知を行う。
【0133】
このように、本実施形態に係る通知部25bは、同じ降車者(乗客)に対して同じ通知、詳しくは同じ態様の通知を複数回行わないようにした。これにより、降車者(乗客)に対して適切な通知を行うことができることから、例えば降車者(乗客)は、通知を煩わしいと感じにくく、通知に対する受容性が低下することを抑制することができる。
【0134】
また、図示は省略するが、通知部25bは、例えば降車者の属性情報の年齢層が「大人」である場合(
図9の通知態様ID「L12」参照)、「ご乗車ありがとうございました」などの表現を含む通知画像や通知音で、降車に関連する情報を含む通知を行ってもよい。これにより、通知部25bは、降車者に対して属性情報(ここでは年齢層情報)に適した通知を行うことができる。
【0135】
また、通知部25bは、例えば降車者の属性情報の国籍が「国籍H01」である場合(
図9の通知態様ID「L13」参照)、国籍H01に対応する言語を含む通知画像や通知音を用いてもよい。これにより、通知部25bは、降車者に対して属性情報(ここでは国籍情報)に適した通知を行うことができる。
【0136】
このように、本実施形態に係る通知部25bは、属性情報に応じた態様で通知を行うことで、降車者に対して属性情報に適した通知を行うことができる。
【0137】
なお、図示は省略するが、通知部25bは、通知部24aと同様に、乗客(降車者)の反応を示す反応情報を検出し、検出された反応情報に基づいて、所定の通知の態様を変更してもよい。
【0138】
図7の説明に戻ると、算出部26bは、乗車者情報31bと降車者情報32bとに基づいてバス1の乗客数を算出する。例えば、算出部26bは、乗車者情報31bに乗車者の顔情報や属性情報が新たに登録されたときに乗車者の人数を1人加算する、詳しくは乗降カウンタ34bをインクリメントする。
【0139】
また、算出部26bは、降車者情報32bに、乗車者の特徴点情報や属性情報と一致あるいは略一致する降車者の情報が登録された場合に、かかる特徴点情報等の乗客がバス1から降車したと推定し、乗車者の人数から降車者を1人減算して得た値をバス1の現在の乗客数として算出する、詳しくは乗降カウンタ34bをデクリメントする。
【0140】
なお、算出部26bは、バス1が停留所を出発して次の停留所に到着するまでの間に算出処理を実行するが、算出のタイミングはこれに限定されるものではない。
【0141】
送信部27bは、乗車者情報31bや降車者情報32bの一部あるいは全部と、乗降カウンタ34bの値であるバス1の乗客数の情報とを含む乗客情報を、管理サーバ200へ送信する。
【0142】
なお、送信部27bは、バス1が停留所を出発して算出部26bでの算出処理等が完了してから次の停留所に到着するまでの間に送信処理を実行するが、送信のタイミングはこれに限定されるものではない。
【0143】
<実施形態に係るバス端末装置の制御処理>
次に、実施形態に係るバス端末装置10が実行する処理手順について、
図11を用いて説明する。
図11は、実施形態に係るバス端末装置10が実行する処理手順を示すフローチャートである。
【0144】
図11に示すように、バス端末装置10は、バス1の乗降口に設けられたカメラ(第1カメラ11aあるいは第2カメラ11b)によって撮像された撮像画像を取得する(ステップS10)。
【0145】
次いで、バス端末装置10は、取得された撮像画像に乗客が含まれるか否かを判定する(ステップS11)。バス端末装置10は、撮像画像に乗客が含まれないと判定された場合(ステップS11,No)、ステップS10の処理へ戻る。
【0146】
一方、バス端末装置10は、撮像画像に乗客が含まれると判定された場合(ステップS11,Yes)、撮像画像に基づいて乗客の属性情報を検出する(ステップS12)。次いで、バス端末装置10は、属性情報に応じて所定の通知を行う(ステップS13)。なお、ステップS13の処理後に顔情報の検出の途切れが生じるものとする。
【0147】
バス端末装置10は、通知を行った後、カメラ(第1カメラ11aあるいは第2カメラ11b)によって撮像された撮像画像を取得する(ステップS14)。次いで、バス端末装置10は、ステップS14で取得された撮像画像に、通知を行った乗客と同じ乗客が含まれるか否かを判定する(ステップS15)。
【0148】
バス端末装置10は、撮像画像に、通知を行った乗客と同じ乗客が含まれていると判定された場合(ステップS15,Yes)、乗客に対する通知の態様を変更して、通知処理を行う(ステップS16)。
【0149】
一方、バス端末装置10は、撮像画像に、通知を行った乗客と同じ乗客が含まれていないと判定された場合(ステップS15,No)、そのまま処理を終了する。
【0150】
上述してきたように、実施形態に係るバス端末装置10(通知装置の一例)は、取得部21a,21bと、通知部24a,25bとを備える。取得部21a,21bは、バス1の乗降口に設けられたカメラ(第1カメラ11a、第2カメラ11b)によって撮像された撮像画像を取得する。通知部24a,25bは、取得部21a,21bによって取得された撮像画像に乗り物の乗客が含まれる場合、当該乗客に対して所定の通知を行う。また、通知部24a,25bは、所定の通知を行った後、取得部21a,21bによって取得された撮像画像に、所定の通知を行った乗客と同じ乗客が含まれる場合、当該乗客に対する通知の態様を変更する。これにより、乗客に対して適切な通知を行うことができる。
【0151】
なお、上記した乗降口は、乗り物の乗り口2aおよび降り口2bの一方あるいは両方を含むものとする。
【0152】
また、上記では、所定の通知がマスクの着用を促す通知であるものとしたが、これに限定されるものではない。例えば、所定の通知は、乗り物の乗車時における乗客のマナーに関する通知であってもよい。具体的には、所定の通知は、携帯電話についてマナーモードへの設定を促す通知や、携帯電話を操作しながらの乗車をしないことの通知、濡れた傘をたたむことを促す通知などであってもよい。これにより、乗り物の乗車時における乗客のマナーを守ることを効果的に促すことが可能になる。なお、上記では、所定の通知について具体的に示したが、これらはあくまでも例示であって限定されるものではない。
【0153】
なお、上記では、乗り口端末装置10a、降り口端末装置10bおよび管理サーバ200がそれぞれ、各種の処理を行うようにしたが、各種の処理が行われる装置は、上記に限定されるものではない。
【0154】
すなわち、乗り口端末装置10aで行われる処理の一部あるいは全部が、降り口端末装置10bあるいは管理サーバ200で行われるようにしてもよい。また、降り口端末装置10bで行われる処理の一部あるいは全部が、乗り口端末装置10aあるいは管理サーバ200で行われるようにしてもよい。また、管理サーバ200で行われる処理の一部あるいは全部が、乗り口端末装置10aあるいは降り口端末装置10bで行われるようにしてもよい。
【0155】
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0156】
1 バス
10 バス端末装置
10a 乗り口端末装置
10b 降り口端末装置
11a 第1カメラ
11b 第2カメラ
21a 取得部
21b 取得部
24a 通知部
25b 通知部
100 情報処理システム
200 管理サーバ