(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-27
(45)【発行日】2024-10-07
(54)【発明の名称】シーケンシング用プライマーオリゴヌクレオチド
(51)【国際特許分類】
C12Q 1/6874 20180101AFI20240930BHJP
C12Q 1/6837 20180101ALI20240930BHJP
C12Q 1/6853 20180101ALI20240930BHJP
C12N 15/11 20060101ALN20240930BHJP
【FI】
C12Q1/6874 Z ZNA
C12Q1/6837 Z
C12Q1/6853 Z
C12N15/11 Z
(21)【出願番号】P 2020572462
(86)(22)【出願日】2019-12-09
(86)【国際出願番号】 EP2019084169
(87)【国際公開番号】W WO2020126595
(87)【国際公開日】2020-06-25
【審査請求日】2022-09-09
(32)【優先日】2018-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502279294
【氏名又は名称】イルミナ ケンブリッジ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100173473
【氏名又は名称】高井良 克己
(72)【発明者】
【氏名】ピエトロ ガッティ ラフランコーニ
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ ボールディング
(72)【発明者】
【氏名】ジョナサン マーク バウテル
【審査官】鈴木 崇之
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-516074(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0197799(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2009/0088327(US,A1)
【文献】特表2014-503207(JP,A)
【文献】特表2018-508235(JP,A)
【文献】特開2002-360247(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12Q 1/00-3/00
C12N 15/00-15/90
G01N 33/48-33/98
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下:
固形物表面、
前記固形物表面に結合し、かつ、前記固形物表面に結合していない3’端を有する、表面オリゴヌクレオチド、および
前記固形物表面に結合し、かつ、前記固形物表面に結合していない3’端を有する、テンプレートポリヌクレオチド
を提供する工程であって、前記テンプレートポリヌクレオチドの前記固形物表面に結合していない前記3’端の少なくとも一部分が、表面オリゴヌクレオチドがテンプレートポリヌクレオチドを鋳型として使用して伸長されることによってコピーポリヌクレオチドが合成され得るように表面オリゴヌクレオチドの少なくとも一部分にハイブリダイゼーションするために構成される、工程;
シーケンシングオリゴヌクレオチドを提供する工程であって、前記シーケンシングオリゴヌクレオチドが、前記表面オリゴヌクレオチドよりも高い親和性を伴って、前記テンプレートポリヌクレオチドの前記固形物表面に結合していない前記3’端の少なくとも一部分にハイブリダイゼーションするように構成され、それによって、テンプレート鎖が、前記シーケンシングオリゴヌクレオチドに優先的にハイブリダイゼーションするようになる、工程;および
テンプレートポリヌクレオチドを鋳型として使用してシーケンシングオリゴヌクレオチドを伸長する工程
を含む、方法であって、
シーケンシングオリゴヌクレオチドには、自然なヌクレオチドに比して、テンプレートポリヌクレオチドのヌクレオチドへの塩基対結合を増強する修飾ヌクレオチドが含
まれ、
かつ、
修飾ヌクレオチドが、ロックヌクレオチドまたはブリッジヌクレオチドである、
方法。
【請求項2】
表面オリゴヌクレオチドのヌクレオチド配列が、シーケンシングオリゴヌクレオチドの少なくとも一部分と同じである、請求項1の方法。
【請求項3】
シーケンシングオリゴヌクレオチドには、自然なヌクレオチドに関して、テンプレートポリヌクレオチドのヌクレオチドへの塩基対結合を増強する複数の修飾ヌクレオチドが含まれる、請求項1の方法。
【請求項4】
シーケンシングオリゴヌクレオチドのヌクレオチドの10%以上が、修飾ヌクレオチドである、請求項
1の方法。
【請求項5】
シーケンシングオリゴヌクレオチドのヌクレオチドの50%以下が、修飾ヌクレオチドである、請求項
1~4のいずれか一項の方法。
【請求項6】
表面オリゴヌクレオチドのヌクレオチド配列が、シーケンシングオリゴヌクレオチドの一部分と同じであり、かつ、修飾ヌクレオチドが、表面ヌクレオチドと同じ配列を有するシーケンシングオリゴヌクレオチドの部分に含まれる、請求項
1~
5のいずれか一項の方法。
【請求項7】
シーケンシングオリゴヌクレオチドを伸長することが、テンプレートポリヌクレオチドの一部分のシーケンシングのためのプロセスにおけるステップである、請求項1~
6のいずれか一項の方法。
【請求項8】
シーケンシングプロセスが、テンプレートポリヌクレオチドの第二のインデックス配列をシーケンスする、請求項
7の方法。
【請求項9】
インデックスプライマーをテンプレートポリヌクレオチドにハイブリダイゼーションする工程、およびテンプレートポリヌクレオチドの第一のインデックス配列をシーケンスするためにテンプレートポリヌクレオチドを鋳型として使用してインデックスプライマーを伸長することをさらに含み、第一のインデックス配列が、第二のインデックス配列とは異なる、請求項
8の方法。
【請求項10】
前記インデックスプライマーをテンプレートポリヌクレオチドにハイブリダイゼーションすること、および第一のインデックス配列をシーケンスするためにインデックスプライマーを伸長することが、第二のインデックス配列のシーケンシングに先立って起こる、請求項
9の方法。
【請求項11】
第一の読取りプライマーをテンプレートポリヌクレオチドにハイブリダイゼーションすること、およびテンプレートポリヌクレオチドの第一の読取り配列をシーケンスするためにテンプレートポリヌクレオチドを鋳型として使用して第一の読取りプライマーを伸長することをさらに含む、請求項1~
10のいずれか一項の方法。
【請求項12】
前記第一の読取りプライマーをテンプレートポリヌクレオチドにハイブリダイゼーションすること、および第一の読取り配列をシーケンスするために第一の読取りプライマーを伸長することが、第一のインデックス配列のシーケンシングの後に起こる、請求項
9に依存する請求項
11の方法。
【請求項13】
前記第一の読取りプライマーをテンプレートポリヌクレオチドにハイブリダイゼーションすること、および第一の読取り配列をシーケンスするために第一の読取りプライマーを伸長することが、第一のインデックス配列および第二のインデックス配列のシーケンシングの後に起こる、請求項
9に依存する請求項
11の方法。
【請求項14】
テンプレートポリヌクレオチドを鋳型として使用して表面オリゴヌクレオチドを伸長することによってコピーポリヌクレオチドを合成することをさらに含む、請求項1~
13のいずれか一項の方法。
【請求項15】
前記表面オリゴヌクレオチドを伸長することによってコピーポリヌクレオチドを合成することが、第一のインデックス配列、第二のインデックス配列、および第一の読取り配列のシーケンシングの後に起こる、請求項
14の方法。
【請求項16】
第二の読取りプライマーをコピーポリヌクレオチドにハイブリダイゼーションすること、およびコピーポリヌクレオチドの第二の読取り配列をシーケンスするためにコピーポリヌクレオチドを鋳型として使用して第二の読取りプライマーを伸長することをさらに含む、請求項
14の方法。
【請求項17】
固形物表面が、実質平坦である、請求項1~
16のいずれか一項の方法。
【請求項18】
固形物表面が、フローセルの表面である、請求項1~
17のいずれか一項の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(分野)
本開示は特に、ポリヌクレオチドのシーケンシングに関する。
【背景技術】
【0002】
(序文)
次世代シーケンシング(NGS)テクノロジーにおける改善はシーケンシング速度およびデータ出力を大幅に向上させ、目下のシーケンシングプラットフォームの大量サンプルスループットがもたらされる。この増加した容量を実現する一つの側面は多重化であり、それはライブラリ準備の間にシーケンスされる各ポリヌクレオチドフラグメントにインデックスと呼ばれる固有の配列を加える。このことは単一のシーケンシングランの間に数多くのライブラリをプールし、および同時にシーケンスすることを可能にする。多重化からのスループットにおける増大は、プールされたライブラリからのシーケンシング読取りが識別され、および最終的なデータ分析の前に逆多重化と呼ばれるプロセスにおいて計算法上ソートする必要があるため、追加された層の複雑さに伴って生じる。
【0003】
ライブラリ特異的インデックス配列は各ライブラリのポリヌクレオチドフラグメントに加えてよく、その結果、シーケンスされた各ポリヌクレオチドフラグメントの起源は適切に識別され得る。いくつかの例では、インデックス配列によって提供される情報の力を増やすために1より多いインデックス配列は与えられるポリヌクレオチドフラグメントに加えられ得る。例えば、第一のインデックス配列はフラグメントが含まれるポリヌクレオチド鎖の5’端に近接して加えてよく、および第二のインデックス配列はフラグメントが含まれるポリヌクレオチド鎖の3’端に近接して加えられ得る。インデックス配列は、例えば、シーケンスされるポリヌクレオチドフラグメントの端部にインデックス配列が含まれるアダプターを連結することによってライブラリのポリヌクレオチドフラグメントに加えられ得る。
【0004】
アダプターはインデックス配列、例えば、ユニバーサル伸長プライマー配列およびユニバーサルシーケンシングプライマー配列等のようなものの他に配列を含み得る。ユニバーサル伸長プライマー配列はとりわけ、固形物表面にカップリングする第一のオリゴヌクレオチドにハイブリダイゼーションし得る。第一のオリゴヌクレオチドは遊離3’端を有し得、それからポリメラーゼは配列がハイブリダイゼーションしたライブラリーポリヌクレオチドを鋳型として使用して伸長されるためにヌクレオチドを付加し得、ライブラリーポリヌクレオチドのリバース鎖が固形物表面にカップリングすることがもたらされる。フォワードおよびリバース鎖の追加のコピーはクラスター増幅を通して固形物表面にカップリングされ得る。クラスター増幅の一例はブリッジ増幅であり、そこでは固形物表面に結合されるあらかじめ増幅されたポリヌクレオチドの3’端は固形物表面に結合する第二のオリゴヌクレオチドにハイブリダイゼーションする。第二のオリゴヌクレオチドは遊離3’端を有し得、それからポリメラーゼは配列がカップリングしたリバース鎖ポリヌクレオチドを鋳型として使用して伸長されるためにヌクレオチドを付加し得、ライブラリーポリヌクレオチドのフォワード鎖が第二のオリゴヌクレオチドを介して固形物表面にカップリングすることがもたらされる。プロセスは固形物表面にカップリングしたフォワードおよびリバース鎖のクラスターを生産するために繰り返され得る。フォワード鎖またはリバース鎖はシーケンシングに先立ち、例えば、切断を介して除去され得る。
【0005】
シーケンシングプライマーは固形物支持体にカップリングするポリヌクレオチド鎖の一部分(「テンプレート鎖」と称される)にハイブリダイゼーションし得る。例えば、シーケンシングプライマーは存在する場合、テンプレート鎖のユニバーサルシーケンシングプライマー配列にハイブリダイゼーションし得る。シーケンシングはシーケンシングプライマーへのヌクレオチドの多様なラウンドの付加を通して起こり得、テンプレート鎖を鋳型として使用し、および付加されたヌクレオチドの同一性が検出される。シーケンシングプライマーのハイブリダイゼーションは、インデックス配列ならびにテンプレート鎖のターゲット配列の配列識別を可能にするためにテンプレート鎖上の位置で起こり得、または別個のシーケンシングプライマーはインデックス配列およびターゲット配列を別々にシーケンスするために採用し得る。したがって、ターゲット配列はターゲット配列に関係するインデックス配列に基づいて特定の起源のライブラリにインデックスを付け得る。
【0006】
いくつかの例では、ターゲット配列は確実に実施し得るシーケンシングのサイクルの数よりも長くてよい。そのような場合、固形物支持体にカップリングするポリヌクレオチド鎖の遊離3’端は遊離3’端を有する表面オリゴヌクレオチドとハイブリダイゼーションし得、表面オリゴヌクレオチドは「ペアードエンドターン」と称されるプロセスにおいてコピー鎖を形成するために固形物支持体にカップリングするポリヌクレオチド鎖を鋳型として使用してヌクレオチドを付加することによって伸長され得る。テンプレート鎖は固形物表面から切断され、および洗い流され、コピー鎖が固形物表面に結合したままになり得る。ターゲット配列の第二のシーケンシング読取りは、第一のシーケンシング読取りに関してターゲット配列の反対側端部から配列情報を取得するためにコピー鎖にて実施され得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
テンプレート鎖にターゲット配列の5’側の第一のインデックス配列およびターゲット配列の3’側の第二のインデックス配列が含まれる場合、第二のインデックス配列は典型的に、ペアードエンドターンにおいて採用される表面プライマーを使用してペアードエンドターン後またはペアードエンドターンに先立ってシーケンスされる。どちらの場合にも欠点がある。例えば、固形物表面に結合するプライマーからの第二のインデックス配列を読み取ることは、遊離プライマーから配列を読み取ることよりもノイズが高くなる傾向がある。ペアードエンドターン後にインデックス配列を読み取ることは、第二の読取りが必要でなく、または望ましくない場合において、効率的な逆多重化が考慮されない。
【0008】
(要旨)
第一のインデックスプライマーをシーケンスするためにペアードエンドターンにおいて使用する表面プライマーと同一の配列が含まれるフリープライマーを使用する試みは不成功に終わった。本明細書に記載するように、そのような遊離プライマーは第二のインデックス配列を確実に決定するのに十分な強度のシグナルをもたらさなかった。理論に拘束されることを意図しないが、表面プライマーは、遊離プライマーを使用する第二のインデックスのシーケンシングの間に得られるシグナルを不十分にするためにテンプレート鎖の3’端のハイブリダイゼーションのための遊離プライマーと十分に競合すると考えられる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示は、とりわけ、表面オリゴヌクレオチドよりも高い親和性を伴ってテンプレートポリヌクレオチド鎖の遊離3’端部分にハイブリダイゼーションするシーケンシングオリゴヌクレオチドを用いるポリヌクレオチドシーケンシング方法を記載する。そのようなシーケンシングオリゴヌクレオチドはシーケンシングオリゴヌクレオチドがテンプレート鎖を鋳型として使用して伸長されることによって第二のインデックス配列の配列を決定するためにプライマーとして使用し得る。そのようなシーケンシングオリゴヌクレオチドを用いるシーケンシングプロセスは第二のインデックス配列の配列に対して決定するために十分に強いシグナルを提供する。
【0010】
シーケンシングオリゴヌクレオチドは遊離プライマー(固形物表面に結合していない)であるため、固形物表面に付着したプライマーからのシーケンシングに関連するノイズの問題に悩まされる傾向はない。加えて、ペアードエンドターンに先立って第二のインデックスの配列は取得され得、第二の読取り(ペアードエンドターン後)が必要ではなくまたは望ましくないとき、より一層効率的なシーケンシングが可能にされる。
【0011】
本明細書に記載のいくつかの実施形態において、方法には、以下:(i)固形物表面、固形物表面に結合し、および遊離の3’端を有する表面オリゴヌクレオチド、および固形物表面に結合し、および遊離の3’端を有するテンプレートポリヌクレオチドを提供する工程であって、テンプレートポリヌクレオチドの遊離3’端の少なくとも一部分は表面オリゴヌクレオチドがテンプレートポリヌクレオチドを鋳型として使用して伸長されることによってコピーポリヌクレオチドが合成され得るように表面オリゴヌクレオチドの少なくとも一部分にハイブリダイゼーションするために構成される、工程;(ii)シーケンシングオリゴヌクレオチドを提供する工程であって、シーケンシングオリゴヌクレオチドは表面オリゴヌクレオチドよりも高い親和性を伴ってテンプレートポリヌクレオチドの遊離3’端の少なくともその部分にハイブリダイゼーションする、工程;および(iii)テンプレートポリヌクレオチドを鋳型として使用してシーケンシングオリゴヌクレオチドを伸長する工程が含まれる。
【0012】
シーケンシングオリゴヌクレオチドを伸長することはテンプレートポリヌクレオチドの一部分のシーケンシングのためのプロセスにおけるステップであり得る。第二のインデックスの配列はシーケンシングプロセスの間に取得し得る。
【0013】
シーケンシングプロセスには、インデックスプライマーをテンプレートポリヌクレオチドにハイブリダイゼーションすること、およびテンプレートポリヌクレオチドの第一のインデックス配列をシーケンスするためにテンプレートポリヌクレオチドを鋳型として使用してインデックスプライマーを伸長することがさらに含まれ得る。第一および第二のインデックス配列はなるべくなら異なる。インデックスプライマーをテンプレートポリヌクレオチドにハイブリダイゼーションすること、および第一のインデックス配列をシーケンスするためにインデックスプライマーを伸長することは第二のインデックス配列のシーケンシングに先立って起こり得る。
【0014】
シーケンシングプロセスには、第一の読取りプライマーをテンプレートポリヌクレオチドにハイブリダイゼーションすること、およびテンプレートポリヌクレオチドの第一の読取り配列をシーケンスするためにテンプレートポリヌクレオチドを鋳型として使用して第一の読取りプライマーを伸長することがさらに含まれ得る。第一の読取りプライマーをテンプレートポリヌクレオチドにハイブリダイゼーションすること、および第一の読取り配列をシーケンスするために第一の読取りプライマーを伸長することは、第一のインデックス配列のシーケンシングの後に起こり得る。第一の読取りプライマーをテンプレートポリヌクレオチドにハイブリダイゼーションすること、および第一の読取り配列をシーケンスするために第一の読取りプライマーを伸長することは、第一のインデックス配列および第二のインデックス配列のシーケンシングの後に起こり得る。
【0015】
シーケンシングプロセスには、テンプレートポリヌクレオチドを鋳型として使用して表面オリゴヌクレオチドを伸長することによってコピーポリヌクレオチドを合成することをさらに含み得る。表面ポリヌクレオチドを伸長することによるコピーポリヌクレオチドの合成は、第一のインデックス配列、第二のインデックス配列、および第一の読取り配列のシーケンシングの後に起こり得る。シーケンシングプロセスには、第二の読取りプライマーをコピーポリヌクレオチドにハイブリダイゼーションすること、およびコピーポリヌクレオチドの第二の読取り配列をシーケンスするためにコピーポリヌクレオチドを鋳型として使用して第二の読取りプライマーを伸長することがさらに含まれ得る。
【0016】
表面オリゴヌクレオチドのヌクレオチド配列はシーケンシングオリゴヌクレオチドの少なくとも一部分と同じであり得る。シーケンシングオリゴヌクレオチドには、自然なヌクレオチドに関して、テンプレートポリヌクレオチドのヌクレオチドへの塩基対結合を増強する修飾ヌクレオチドが含まれ得る。修飾ヌクレオチドはロックヌクレオチドまたはブリッジヌクレオチドであり得る。シーケンシングオリゴヌクレオチドには、自然なヌクレオチドに関して、テンプレートポリヌクレオチドのヌクレオチドへの塩基対結合を増強する複数の修飾ヌクレオチドが含まれ得る。例えば、シーケンシングオリゴヌクレオチドのヌクレオチドの10%以上が修飾ヌクレオチドであり得る。いくつかの実施形態において、シーケンシングオリゴヌクレオチドのヌクレオチドの50%以下は修飾されたヌクレオチドであり得る。修飾ヌクレオチドは表面オリゴヌクレオチドと同じ配列を有するシーケンシングオリゴヌクレオチドのその部分において構成され得る。
【0017】
一以上の実施形態の詳細は添付の図面および以下の説明に記載する。他の特徴、目的、および利益は説明および図面から、および請求の範囲から明らかであろう。
【0018】
前述の包括的な説明および以下の詳細な説明の双方は本開示の主題の実施形態を提示し、および本開示の主題の性質および特質をそれがクレームされるように理解されるための概観または枠組みを提供することを意図するということが理解される。添付する図面は本開示の主題のさらなる理解を提供するために含まれ、およびこの明細中に組み込まれ、およびその一部分を構成する。図面は本開示の主題の様々な実施形態を例示し、および説明と一緒に本開示の主題の原理およびオペレーションを説明するのに役立つ。追加的に、図面および説明は単に例示を意図するものであり、およびいかなる意味でも請求の範囲の視野を制限ことは意図しない。
図面の説明
【0019】
本開示の特定の実施形態の以下の詳細な記載は以下の図面と併せて読むとき最も良好に理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本明細書に記載の方法の実施形態の概要を示す流れ図である。
【
図3】既存のシーケンシングワークフローを例示する概略図である。
【
図5】シーケンシングオリゴヌクレオチドを用いるシーケンシングワークフローの実施形態を例示する概略図である。
【
図6】表面オリゴヌクレオチド、シーケンシングオリゴヌクレオチド、およびテンプレートポリヌクレオチド鎖の3’部分の相互作用を例示する概略図である。
【
図7】AおよびBは表面オリゴヌクレオチド、シーケンシングオリゴヌクレオチド、およびテンプレートポリヌクレオチド鎖の3’部分の相互作用を例示する概略図である。表面オリゴヌクレオチドはAATGATACGGCGACCACCGAGAの配列(配列番号1)を有する。シーケンシングオリゴヌクレオチドはAATGATACGGCGACCACCGAGATCTACACの配列(配列番号2)を有する。示されるテンプレートポリヌクレオチド鎖の部分はNNNNNNNNGTGTAGATCTCGGTGGTCGCCGTATCATTの配列(配列番号3)を有する。
【
図8】テンプレートポリヌクレオチドへの異なるプライマーのハイブリダイゼーション後のシーケンシングのサイクルあたりのシグナル強度のプロットである。R1=読取り1。R2=修飾インデックス2(HP19 v0プライマーを使用)。R3=修飾インデックス2(HP19 v1プライマーを使用)。R4=修飾インデックス2(HP19 v2プライマーを使用)。R5=インデックス1。R6=標準インデックス2。R7=読取り2。ペアードエンドターンはR5およびR6間で実施する。
【
図9】標準的なインデックス2プライマー、および三つの修飾インデックス2プライマー(HP19 v0、バージョン0;HP19 v1;バージョン1;およびHP19 v2、バージョン2)を使用して様々なインデックス配列のシーケンシングによって得られた読取りカウントの棒グラフである。シーケンスされたインデックス配列はAGGATAGG(配列番号4)、TCAGAGCC(配列番号5)、CATCCGGAA(配列番号6)、TTATGAGT(配列番号7)、ACGAATAA(配列番号8)、GATCTGCT(配列番号9)、AGGCTATA(配列番号10)、GCCTCTAT(配列番号11)、CTTCGCTT(配列番号12)であった。
【
図10】標準インデックス2プライマーを使用して得られた読取りカウントを伴う
図9における様々な指標をシーケンスするためにHP19 v1およびHP19 v2プライマーを使用して得られた読取りカウントの相関関係のプロットである。
【
図11】テンプレートポリヌクレオチドへの異なるプライマーのハイブリダイゼーション後のシーケンシングのサイクルあたりのシグナル強度のプロットである。R1=修飾インデックス2(HP19 v1プライマーを使用)。R2=インデックス1。R3=読取り1。R6=標準インデックス2。R7=読取り2。ペアードエンドターンはR3およびR6間で実施する。
【
図12】標準的なインデックス2プライマーおよび修飾インデックス2プライマー(HP19 v1、バージョン1)を使用して様々なインデックス配列のシーケンシングによって得られた読取りカウントの棒グラフである。シーケンスされたインデックス配列はAGGATAGG(配列番号4)、TCAGAGCC(配列番号5)、CATCCGGAA(配列番号6)、TTATGAGT(配列番号7)、ACGAATAA(配列番号8)、GATCTGCT(配列番号9)、AGGCTATA(配列番号10)、GCCTCTAT(配列番号11)、CTTCGCTT(配列番号12)であった。
【発明を実施するための形態】
【0021】
概略図は必ずしも縮尺どおりではない。図において用いる同様の番号は同様の構成要素、ステップおよびその他同種類のもの等に言及する。しかしながら、与えられる図において構成要素に言及するための番号の使用は同じ番号によりラベル化される別の図における構成要素を制限することを意図していないことが理解されるであろう。加えて、構成要素に言及するための異なる番号の使用は異なる番号付けられた構成要素が他の番号付けられた構成要素と同じまたは類似することがないことを指し示すことを意図しない。
【0022】
(詳細な説明)
ここで、本開示の主題の種々の実施形態をより一層詳細に参照し、それらのいくつかの実施形態を添付の図面に例示する。
【0023】
本明細書で使用するすべての科学的および技術的用語は別なふうに明記しない限り、当技術において普通に使用する意味を有する。本明細書に提供する規定は本明細書でしばしば使用される一定の用語の理解を容易にするためのものであり、および本開示の範囲を制限することを意味するものではない。
【0024】
本明細書で使用するように、単数形「a」、「an」および「the」は文脈が明らかに別なふうに示さない限り、複数の参照対象を含む。それゆえに、例えば、「テンプレート(鋳型とも言う)ポリヌクレオチド配列」への言及は文脈が明らかに別なふうに指し示さない限り、2以上のそのような「テンプレートポリヌクレオチド配列」を有する例を含む。
【0025】
この明細および添付の請求の範囲において使用するように、「または」という用語は概して、内容が明確に別なふうに示さない限り、「および/または」を含めてその意味において使用される。「および/または」という用語はリストされた要素の一またはすべて、あるいはリストされた要素の任意の2以上の組合せを意味する。「および/または」のいくつかの場合における使用は他の場合における「または」の使用が「および/または」を意味し得ることを暗示しない。
【0026】
本明細書で使用するように、「have(有する)」、「has(有する)」、「having(有している)」、「include(含む)」、「includes(含む)」、「including(含んでいる)」、「comprise(含む)」、「comprises(含む)」、「comprising(含んでいる)」またはその種の他のもの等はそれらのオープンエンドの包括的意味において使用され、および概して「include, but not limited to(制限されないが、含む)」、「includes, but not limited to(制限されないが、含む)」、または「including, but not limited to(制限されないが、含んでいる)」を意味する。
【0027】
「Optional(任意の)」または「optionally(任意で)」は続いて説明する事象、状況、または構成要素が生じることができ、またはそうできないこと、および説明は、事象、状況、または構成要素が生じる場合およびそれがない場合を含む。
【0028】
「好ましい」および「好ましくは」という言葉は一定の状況下で一定の利益を供給し得る本開示の実施形態に言及する。しかしながら、他の実施形態もまた同じまたは他の状況下で好ましくてよい。さらに、一以上の好ましい実施形態の記述は他の実施形態が有用でないことを意味するものではなく、および創意に富む技術の範囲から他の実施形態を除外することを意図しない。
【0029】
加えて、終点による数値範囲の本明細書での記述には、その範囲内に包摂されるすべての数値が含まれる(例、1~5には、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4、5、等が含まれる)。値の範囲が「より大きい」、「より小さい」、等の特定の値である場合、その値は範囲内に含まれる。
【0030】
別なふうに明記しない限り、本明細書に記載する任意の方法は決してそのステップが特定の順序において実施されることを要求すると解釈されることを意図しない。したがって、方法クレームが実際にそのステップによって続けられる順序を引用しない場合、またはステップが特定の順序に制限されることが請求の範囲または説明において別なふうに具体的に述べられない場合、任意の特定の順序が推測されることは決して意図しない。しかしながら、提示される順序はそれによって方法が遂行され得る順序の一実施形態であることが理解されるであろう。任意の一つのクレームにおける任意の引用された単一または多種の特徴または態様は任意の他のクレームまたは請求の範囲における任意の引用された他の特徴または態様と組み合わせ、または並べ替えてよい。
【0031】
特定の実施形態の種々の特徴、要素またはステップは移行句「comprising(含んでいる)」を使用して開示し得るが、代替の実施形態は、「consisting(からなっている)」または「consisting essentially of(から本質的になっている)」の移行句を使用して説明され得るものを含め、含意されると理解するべきである。それゆえ、例えば、組込みステップ、検出ステップ、脱保護ステップ、および一以上の洗浄ステップを含む方法に対する含蓄された代替実施形態には、方法が列挙されたステップからなる実施形態および方法が列挙されたものから本質的になる実施形態が含まれる。
【0032】
本明細書で使用するように、化合物、組成物、または物品との関連で「providing(提供すること)」は、化合物、組成物、または物品を作成すること、化合物、組成物または物品を購入すること、または化合物、組成物または物品を別なふうに取得することを意味する。
【0033】
本明細書で使用するように、「chain extending enzyme(鎖伸長酵素)」という用語はポリヌクレオチドをテンプレート鎖として使用してポリヌクレオチドのコピー複写物を生産する酵素である。例えば、鎖伸長酵素はポリメラーゼ活性を有する酵素であってよい。典型的に、DNAポリメラーゼはテンプレート鎖に結合し、および次いでテンプレート鎖の下に移動して核酸の増殖性鎖の3’端での遊離ヒドロキシル基にヌクレオチドが逐次的に加えられる。DNAポリメラーゼは典型的にDNAテンプレートから相補的DNA分子を合成し、およびRNAポリメラーゼは典型的にDNAテンプレートからRNA分子を合成する(転写)。ポリメラーゼは鎖成長を開始するために短いRNAまたはDNA鎖で、プライマーと呼ばれるものを使用し得る。いくつかのポリメラーゼは部位の上流のその鎖を置換し得、そこでそれらはチェーンに対して塩基を付加している。そのようなポリメラーゼは鎖置換性であると言われ、それらはポリメラーゼによって読み取られるテンプレート鎖から相補鎖を除去する活性を有することが意味される。鎖置換性活性を有する模範的なポリメラーゼには、制限を伴うことなく、Bst(Bacillus stearothermophilus(バチルス・ステアロサーモフィルス))ポリメラーゼのラージフラグメント、エキソ-KlenowポリメラーゼまたはシーケンシンググレードT7エキソポリメラーゼが含まれる。いくつかのポリメラーゼはそれらの前部においてその鎖を分解し、それが後ろの増殖性チェーンに効果的に置き換えられる(5’エキソヌクレアーゼ活性)。いくつかのポリメラーゼはそれらの後ろのその鎖を分解する活性を有する(3’エキソヌクレアーゼ活性)。いくつかの有用なポリメラーゼは変異によってまたは別なふうに3’および/または5’エキソヌクレアーゼ活性を低下または排除するために修飾された。
【0034】
本明細書で使用するように、「プライマー」およびその誘導体という用語は概して、対象のターゲット配列にハイブリダイゼーションし得る任意のポリヌクレオチドに言及する。典型的には、プライマーは基質として機能し、その上でヌクレオチドがポリメラーゼによって重合され得;いくつかの実施形態では、しかしながら、プライマーは合成されたポリヌクレオチド鎖中に組み込まれることになり得、および合成された核酸分子に対して相補的である新しい鎖の合成を刺激するために別のプライマーがハイブリダイゼーションし得る部位を提供し得る。プライマーはヌクレオチドまたはその類似体の任意の組合せから構成され得る。いくつかの実施形態において、プライマーは一本鎖オリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドである。
【0035】
「ポリヌクレオチド」および「オリゴヌクレオチド」という用語は任意の長さのヌクレオチドのポリマー形態に言及するために互換的に本明細書で使用され、およびリボヌクレオチド、デオキシリボヌクレオチド、それらの類似体、またはそれらの混合物を包含し得る。この用語は分子の一次構造に言及するだけである。それゆえ、その用語には、三本、二本および一本鎖デオキシリボ核酸(「DNA」)、ならびに三本、二本および一本鎖リボ核酸(「RNA」)が含まれる。本明細書で使用するように、「増幅されたターゲット配列」およびその誘導体は概して、標的特異的プライマーおよび本明細書で提供される方法を使用してターゲット配列を増幅することによって生産されるポリヌクレオチド配列に言及する。増幅されたターゲット配列はターゲット配列に関して同じセンス(即ち、正の鎖)またはアンチセンス(即ち、負の鎖)のいずれかでもあり得る。
【0036】
提供される方法において使用するのに適したヌクレオチドには、制限されないが、デオキシヌクレオチド三リン酸、デオキシアデノシン三リン酸(dATP)、デオキシチミジン三リン酸(dTTP)、デオキシシチジン三リン酸(dCTP)、およびデオキシグアノシン三リン酸(dGTP)が含まれる。随意に、提供する方法において使用されるヌクレオチドは、ラベル化または非ラベル化にかかわらず、ブロッキングモイエティ、例えば、鎖伸長を抑制する可逆的ターミネーターモイエティ等のようなものを包含することができる。ラベル化ヌクレオチドでの使用に適するラベルには、制限されないが、ハプテン、放射性ヌクレオチド、酵素、蛍光ラベル、化学発光ラベル、および色素生産性薬剤が含まれる。
【0037】
ポリヌクレオチドは概して、ホスホジエステル結合を含むであろうが、いくつかの例では、核酸類似体は代わりの骨格を有することができ、例えば、ホスホルアミド(Beaucageら、Tetrahedron49(10):1925(1993)およびそこでの参考文献;Letsinger、J. Org. Chem.35:3800(1970);Sprinzlら、Eur. J. Biochem.81:579(1977);Letsingerら、Nucl. Acids Res.14:3487(1986);Sawaiら、Chem. Lett.805(1984)、Letsingerら、J. Am. Chem. Soc.110:4470(1988);およびPauwelsら、Chemica Scripta 26:141 91986))、ホスホロチオアート(Magら、Nucleic Acids Res. 19:1437(1991);および米国特許第5,644,048号)、ホスホロジチオアート(Briuら、J. Am. Chem. Soc. 111:2321(1989)、O-メチルホスホロアミダイト連結(Eckstein、Oligonucleotides and Analogues:A Practical Approach、Oxford University Pressを参照)、およびペプチド核酸骨格および連結(Egholm、J. Am. Chem. Soc. 114:1895(1992);Meierら、Chem. Int. Ed.であり、他のアナログ核酸には、正の骨格(Denpcyら、Proc. Nat. Acad. Sci. USA 92:6097(1995);非イオン性骨格(米国特許第5,386,023号、第5,637,684号、第5,602,240号、第5,216,141号および第4,469,863号;Kiedrowshiら、Angew. Chem. lntl. Ed. English 30:423(1991);Letsingerら、J. Am. Chem. Soc. 110:4470(1988);Letsingerら、Nucleoside&Nucleotide 13:1597(1994);第2および第3章、ASC Symposium Series 580、「Carbohydrate Modifications in Antisense Research」、Ed. Y.S. SanghuiおよびP. Dan Cook;Mesmaekerら、Bioorganic&Medicinal Chem. Lett. 4:395(1994);Jeffs(ジェフス)ら、J. Biomolecule NMR 34:17(1994);Tetrahedron Lett. 37:743(1996))および米国特許第5,235,033号および第5,034,506号、ならびに第6および第7章、ASC Symposium Series 580、「Carbohydrate Modifications in Antisense Research」、Ed. Y.S. SanghuiおよびP. Dan Cookにおいて記載のものを含めて、非リボース骨格を有するものが含まれる。1以上の炭素環糖を含むポリヌクレオチドもまた、ポリヌクレオチドの規定内に含まれる(Jenkinsら、Chem. Soc. Rev.(1995)pp169-176参照)。いくつかのポリヌクレオチド類似体はRawls(ロールズ)、C&E News(C&Eニュース)1997年6月2日第35頁に記載される。これらの参考文献はすべて参照によって本明細書に明示的に組み込まれる。リボース-リン酸骨格のこれらの修飾はラベルの付加を容易にするために、または生理学的環境におけるそのような分子の安定性および半減期を増加させるために行われ得る。
【0038】
ポリヌクレオチドには、概して四つのヌクレオチド塩基:アデニン(A);シトシン(C);グアニン(G);およびチミン(T)の特定の配列が含まれる。ウラシル(U)はまた、例えば、核酸がRNAであるときチミンの自然代替物として存在することができる。ウラシルはまたDNAにおいて使用することができる。ポリヌクレオチドにはまた、自然または非自然の塩基が含まれ得る。このことについて、自然のデオキシリボ核酸ポリヌクレオチドはアデニン、チミン、シトシンまたはグアニンからなる群より選ばれる一以上の塩基を有してよく、およびリボ核酸はウラシル、アデニン、シトシンまたはグアニンからなる群より選ばれる一以上の塩基を有し得る。本明細書に記載の方法または組成物において使用されるデオキシリボ核酸ポリヌクレオチドには、例えば、ウラシル塩基が含まれ得、およびリボ核酸は、例えば、チミン塩基を包含することができると理解されるであろう。核酸において含まれ得る模範的な非自然塩基には、自然骨格または類似体構造を有するかどうかにかかわらず、制限を伴わず、イノシン、キサタニン、ヒポキサタニン、イソシトシン、イソグアニン、2-アミノプリン、5-メチルシトシン、5-ヒドロキシメチルシトシン、2-アミノアデニン、6-メチルアデニン、6-メチルグアニン、2-プロピルグアニン、2-プロピルアデニン、2-チオリラシル、2-チオチミン、2-チオシトシン、15-ハロウラシル、15-ハロシトシン、5-プロピニルウラシル、5-プロピニルシトシン、6-アゾウラシル、6-アゾシトシン、6-アゾチミン、5-ウラシル、4-チオウラシル、8-ハロアデニンまたはグアニン、8-アミノアデニンまたはグアニン、8-チオールアデニンまたはグアニン、8-チオアルキルアデニンまたはグアニン、8-ヒドロキシルアデニンまたはグアニン、5-ハロ置換ウラシルまたはシトシン、7-メチルグアニン、7-メチルアデニン、8-アザグアニン、8-アザアデニン、7-デアザグアニン、7-デアザアデニン、3-デアザグアニン、3-デアザアデニンまたはその種の他のもの等が含まれる。随意に、イソシトシンおよびイソグアニンは米国特許第5,681,702号で、それは参照によってその全体において本明細書に組み込まれるものに概して記載されるように、非特異的ハイブリダイゼーションを低減するために核酸において含まれ得る。
【0039】
ポリヌクレオチドにおいて使用される非自然塩基はそれが他の自然に発生する任意の塩基と塩基対形成する能力があるようにユニバーサル塩基対形成活性を有し得る。ユニバーサル塩基対形成活性を有する模範的な塩基には、3-ニトロピロールおよび5-ニトロインドールが含まれる。使用することができる他の塩基は、自然に発生する塩基、例えば、イノシン等のようなもののサブセットとの塩基対形成活性を有するものを包含し、それはシトシン、アデニンまたはウラシルと塩基対をなす。
【0040】
ヌクレオチドのポリヌクレオチド鎖への組込みはヌクレオチドの5’リン酸基とのホスホジエステル連結の形成を介するヌクレオチドのポリヌクレオチド鎖の遊離3’ヒドロキシル基への接合に言及する。シーケンスされるポリヌクレオチドテンプレートはDNAまたはRNA、あるいはデオキシヌクレオチドおよびリボヌクレオチドの双方を含むハイブリッド分子でさえあることができる。ポリヌクレオチドは自然に発生し、および/または自然に発生しないヌクレオチド、ならびに自然または非自然の骨格連結を包含することができる。
【0041】
とりわけ、本開示は表面オリゴヌクレオチドよりも高い親和性を伴ってテンプレートポリヌクレオチド鎖の遊離3’端部分にハイブリダイゼーションするシーケンシングオリゴヌクレオチドを用いるポリヌクレオチドシーケンシング方法を記載する。そのようなシーケンシングオリゴヌクレオチドはシーケンシングオリゴヌクレオチドがテンプレート鎖を鋳型として使用して伸長されることによって第二のインデックス配列の配列を決定するためにプライマーとして使用し得る。そのようなポリヌクレオチドを用いるシーケンシングプロセスは第二のインデックス配列の配列に対して決定するのに十分に強いシグナルを提供する。
【0042】
シーケンシングオリゴヌクレオチドは遊離プライマーである(固形物表面に結合してない)ため、それは固形物表面に付着したプライマーからのシーケンシングに関連するノイズの問題に悩まされる傾向がない。加えて、ペアードエンドターンに先立って第二のインデックスの配列が取得され得、第二の読取り(ペアードエンドターン後)が必要でなく、または望ましくないとき、より一層効率的なシーケンシングが許容される。
【0043】
図1はシーケンシングオリゴヌクレオチドを用いる方法の実施形態の概観を例示するフローチャートである。本方法には、固形物表面、固形物表面に結合し、および遊離の3’端を有する表面オリゴヌクレオチド、および固形物表面に結合し、および遊離の3’端を有するテンプレートポリヌクレオチドを提供することが含まれる(300)。テンプレートポリヌクレオチドの遊離3’端の少なくとも一部分は表面オリゴヌクレオチドがテンプレートポリヌクレオチドを鋳型として使用して伸長されることによってコピーポリヌクレオチドを合成し得るように表面オリゴヌクレオチドの少なくとも一部分にハイブリダイゼーションするように構成される。本方法には、シーケンシングオリゴヌクレオチド(310)を提供することがさらに含まれる。シーケンシングオリゴヌクレオチドはテンプレートポリヌクレオチドの遊離3’端の少なくともその部分に表面オリゴヌクレオチドよりも高い親和性を伴ってハイブリダイゼーションする。本方法にはまた、テンプレートポリヌクレオチドを鋳型として使用してシーケンシングオリゴヌクレオチドを伸長することがさらに含まれる(320)。シーケンシングオリゴヌクレオチドを伸長すること(320)はテンプレートポリヌクレオチドの一部分、例えば、第二のインデックス配列等のようなもののシーケンシングのためのプロセスにおけるステップであり得る。
【0044】
図2はまた、シーケンシングオリゴヌクレオチドを用いる方法の実施形態の概観を例示するフローチャートである。本方法はシーケンシングオリゴヌクレオチドをテンプレートポリヌクレオチドにハイブリダイゼーションさせることを含み、それは競合する表面オリゴヌクレオチドが結合する固形物支持体の表面に結合する(350)。表面オリゴヌクレオチドおよびシーケンシングオリゴヌクレオチドはテンプレートポリヌクレオチドの同じ配列にハイブリダイゼーションし、およびそれゆえ競合すると考えられる。シーケンシングオリゴヌクレオチドは表面オリゴヌクレオチドよりも高い親和性を伴ってテンプレートポリヌクレオチドにハイブリダイゼーションする。本方法には、テンプレートポリヌクレオチドを鋳型として使用してシーケンシングオリゴヌクレオチドを伸長することがさらに含まれる(360)。シーケンシングオリゴヌクレオチドを伸長すること(360)はテンプレートポリヌクレオチドの一部分、例えば、第二のインデックス配列等のようなもののシーケンシングのためのプロセスにおけるステップであり得る。
【0045】
例示の目的のために、シーケンシングオリゴヌクレオチドを使用して採用し得るシーケンシング方法の態様を
図5に関して以下に説明する。そのような態様を説明するのに先立って、目下採用されるシーケンシングワークフローを
図3~4に提示し、およびそれらに関して
図5に描き、およびそれに関して説明する方法に関連していくつかの利益の関係を提供するために説明する。
【0046】
図3を参照して、目下採用されるシーケンシングワークフローの概観を示す。描写したワークフローでは、テンプレートポリヌクレオチド鎖100は固形物表面200に付着する。テンプレートポリヌクレオチド鎖100は、遊離3’端を包含し、および5’端にて固形物表面200に付着する。テンプレートポリヌクレオチド鎖100はインサート120を含み、それは3’アダプター部分110および5’アダプター部分120間で、未知の配列であり得る。3’および5’アダプター部分110、120の配列は公知である。3’アダプター部分110は固形物表面200に結合した表面オリゴヌクレオチド330の少なくとも一部分にハイブリダイゼーションするように構成された3’端部分70を含む(左から三番目のパネルにおいて示される)。コピーポリヌクレオチド鎖110は、ペアードエンド(PE)ターンプロセスにおいてテンプレートポリヌクレオチド鎖100を鋳型として使用して表面オリゴヌクレオチド330を伸長することによって合成され得る。
【0047】
テンプレートポリヌクレオチド鎖100の3’アダプター部分110は第二のインデックス配列60および第一のプライマーハイブリダイゼーション配列50をさらに含む。5’アダプター部分120は5’端部分10、第一のインデックス配列20、および第二のプライマーハイブリダイゼーション配列30を含む。
【0048】
図3に描写したワークフローでは、第一の読取りプライマー310はテンプレート鎖100の第一のプライマーハイブリダイゼーション配列50にハイブリダイゼーションされ、およびインサート40の少なくとも3’部分の配列が決定され、3’~5’方向におけるテンプレート鎖からの第一の読取りプライマー310としてのリーディングは若干のシーケンシングサイクルにおいて5’から3’方向にて伸長される(伸長は示さない)。
【0049】
伸長された第一の読取りプライマーは変性させることによって除去され、および第一のインデックスプライマー320はテンプレートポリヌクレオチド鎖100の第二のプライマーハイブリダイゼーション配列30にハイブリダイゼーションされる。第一のインデックス配列20の配列は決定され、3’から5’方向におけるテンプレート鎖からの第一のインデックスプライマー320としてのリーディングは若干のシーケンシングサイクルにおいて5’から3’方向にて伸長される(伸長は示さない)。
【0050】
伸長された第一のインデックスプライマーは変性させることによって除去され、およびテンプレート鎖100の3’端部分70は結合した表面オリゴヌクレオチド330にハイブリダイゼーションされる。ハイブリダイゼーションに先立って、ブロッキングモイエティは表面オリゴヌクレオチド330がテンプレート鎖100を鋳型として使用して伸長されることを許容するために表面オリゴヌクレオチド330の3’端から除去し得る。第二のインデックス配列60の配列は表面オリゴヌクレオチド330を伸長することによって決定され、3’から5’方向におけるテンプレート鎖100からの表面オリゴヌクレオチド330としてのリーディングは若干のシーケンシングサイクルにおいて5’から3’方向にて伸長される(伸長は示さない)。
【0051】
表面オリゴヌクレオチドの伸長はテンプレート鎖100の補足物であるコピー鎖110がペアードエンド(PE)ターンプロセスにおいて生産されるまで継続し得る。コピー鎖110はテンプレート鎖100の補足物であるため、テンプレートポリヌクレオチド鎖の配列に対応するコピー鎖110の配列は
図3の右側のパネルにプライム(’)により示される。
【0052】
テンプレート鎖100はテンプレート鎖100を固形物表面200から離すために5’端の近くで切断され得る。離れたテンプレート鎖は洗い流され得、コピー鎖110は固形物表面200に付着したままにされる。第二の読取りプライマー340は第二のプライマーハイブリダイゼーション配列30’の相補体にハイブリダイゼーションされ得、およびインサート40’の相補体の少なくとも3’部分の配列(それはインサート40の5’部分に対応する)が決定され、3’から5’方向におけるコピー鎖110からの第二の読取りプライマー340としてのリーディングは若干のシーケンシングサイクルにおいて5’から3’方向にて伸長される(伸長は示さない)。
【0053】
図3に描き、および上記するワークフローはペアードエンド(PE)ターンの前に第一および第二のインデックス配列20、60の双方を決定するという利益を有する。したがって、第二の読取り(第二の読取りプライマー340からのシーケンシング)が必要でないかまたは望まれない場合、双方のインデックス配列に関する情報が効率的に得られる。しかしながら、
図3において描くワークフローは固形物表面200に付着するプライマー(表面オリゴヌクレオチド330)から第一のインデックス配列20の配列を取得し、それは固形物表面に付着しない遊離プライマーを使用して得られる配列よりも高いノイズおよび低い信頼性をもたらす傾向がある。少なくとも部分的には、より一層高いノイズは、例えば、フローセルの表面上にある過剰なアンブロック化(ブロックされていない)表面プライマーに起因すると考えられる。クラスター鎖にハイブリダイゼーションした表面プライマーへの望ましい組込みに加え、特に高プライマー密度システムにおいて、未使用の表面プライマーへの非特異的組込みが起こる。このことは表面プライマーからシーケンシングするときにノイズの多いシーケンシング読取りに導く。
【0054】
図4を参照して、別の目下のシーケンシングワークフローの概観を示す。描写したワークフローでは、テンプレートポリヌクレオチド鎖100が固形物表面200に付着する。テンプレートポリヌクレオチド鎖100は遊離3’端を包含し、および5’端にて固形物表面200に付着する。テンプレートポリヌクレオチド鎖100はインサート120を含み、それは3’アダプター部分110および5’アダプター部分120間で、未知の配列であり得る。3’および5’アダプター部分110、120の配列は公知である。3’アダプター部分110は、固形物表面200に結合する表面オリゴヌクレオチド(
図2には示さないが
図3での表面オリゴヌクレオチド330に言及する)の少なくとも一部分にハイブリダイゼーションするように構成される3’端部分70を含む。コピーポリヌクレオチド鎖110はペアードエンド(PE)ターンプロセスにおいてテンプレートポリヌクレオチド鎖100を鋳型として使用して表面オリゴヌクレオチドを伸長することによって合成され得る。
【0055】
3’アダプター部分110は第二のインデックス配列60および第一のプライマーハイブリダイゼーション配列50をさらに含む。5’アダプター部分120は5’端部分10、第一のインデックス配列20、および第二のプライマーハイブリダイゼーション配列30を含む。
【0056】
図4において描くワークフローでは、第一の読取りプライマー310はテンプレート鎖100の第一のプライマーハイブリダイゼーション配列50にハイブリダイゼーションされ、およびインサート40の少なくとも3’部分の配列が決定され、3’から5’方向におけるテンプレート鎖からの第一の読取りプライマー310としてのリーディングは若干のシーケンシングサイクルにおいて5’から3’方向にて伸長される(伸長は示さない)。
【0057】
伸長された第一の読取りプライマーは変性されることによって除去され、および第一のインデックスプライマー320はテンプレートポリヌクレオチド鎖100の第二のプライマーハイブリダイゼーション配列30にハイブリダイゼーションされる。第一のインデックス配列20の配列は決定され、3’から5’方向におけるテンプレート鎖からの第一のインデックスプライマー320としてのリーディングは若干のシーケンシングサイクルにおいて5’から3’方向にて伸長される(伸長は示さない)。
【0058】
伸長された第一のインデックスプライマーは変性させることによって除去され、およびテンプレート鎖100の3’端部分70は結合した表面オリゴヌクレオチドにハイブリダイゼーションされる(
図4には示さない)。ハイブリダイゼーションに先立って、ブロッキングモイエティはテンプレート鎖100を鋳型として使用して表面オリゴヌクレオチド330の伸長を許容するために表面オリゴヌクレオチド330の3’端から除去し得る。表面オリゴヌクレオチドの伸長は、コピー鎖110で、テンプレート鎖100の相補体であるものがペアードエンド(PE)ターンプロセスにおいて生成されるまで継続し得る。コピー鎖110はテンプレート鎖100の相補体であるためテンプレート鎖の配列に対応するコピー鎖110の配列は
図4においてプライム(’)により示される。
【0059】
テンプレート鎖100は、テンプレート鎖100を固形物表面200から離すために5’端の近くで切断され得る。離されたテンプレート鎖は洗い流され得、コピー鎖110は固形物表面200に付着したままにされる。第二のインデックスプライマー335は第一のプライマーハイブリダイゼーション配列50’の相補体にハイブリダイゼーションされ、および第二のインデックス配列60’の相補体の配列が決定され、3’から5’方向におけるコピー鎖からの第二のインデックスプライマー335としてのリーディングは若干のシーケンシングサイクルにおいて5’から3’方向にて伸長される(伸長は示さない)。
【0060】
伸長された第二のインデックスプライマーは変性させることによって除去され、および第二の読取りプライマー340は第二のプライマーハイブリダイゼーション配列30’の相補体にハイブリダイゼーションされ得る。インサート40’の相補体の少なくとも3’部分の配列(インサート40の5’部分に対応する)は決定され、3’から5’方向におけるコピー鎖からの第一の読取りプライマー310としてのリーディングは若干のシーケンシングサイクルにおいて5’から3’方向にて伸長される(伸長は示さない)。
【0061】
図4において描き、および上記するワークフローは遊離プライマー(第一のインデックスプライマー310および第二のインデックスプライマー335)から第一および第二のインデックス配列20、60の双方を決定するという利益を有し、それは
図3において描くワークフローに関して上記に指し示すように固形物表面に結合するプライマーからインデックス配列の一つを取得することに関連する問題を回避する。しかしながら、
図4に描くワークフローはペアードエンド(PE)ターン後の第一のインデックス配列を取得する。第二の読取り(第二の読取りプライマー340からのシーケンシング)が必要でないかまたは望まれない状況では、ペアードエンド(PE)ターンは比較的非効率的なプロセスをもたらす第二のインデックスの配列を取得するのに先立って完了しなければならない。
【0062】
図5を参照し、シーケンシングワークフローの概観を示すが、それは
図3および
図4において描くワークフローに関連する問題を克服する。具体的には、
図5において描くシーケンシングワークフローは以下により一層詳細に記載するように修飾された第二のインデックスプライマー337の使用を通して遊離プライマーから、およびペアードエンドターンに先立って第一および第二のインデックス配列の双方を取得する。
【0063】
図3および
図4と同様に、
図5は固形物表面200に付着したテンプレートポリヌクレオチド鎖100を描く。テンプレートポリヌクレオチド鎖100には、遊離の3’端が含まれ、および5’端にて固形物表面200に付着する。テンプレートポリヌクレオチド鎖100はインサート120を含み、それは3’アダプター部分110および5’アダプター部分120間で、未知の配列であり得る。3’および5’アダプター部分110、120の配列は公知である。3’アダプター部分110は固形物表面200に結合した表面オリゴヌクレオチド(
図5には示さないが、
図3において表面オリゴヌクレオチド330に言及する)の少なくとも一部にハイブリダイゼーションするように構成された3’端部分70を含む。コピーポリヌクレオチド鎖110はペアードエンド(PE)ターンプロセスにおいてテンプレートポリヌクレオチド鎖100を鋳型として使用して表面オリゴヌクレオチドを伸長することによって合成され得る。
【0064】
3’アダプター部分110は第二のインデックス配列60および第一のプライマーハイブリダイゼーション配列50をさらに含む。5’アダプター部分120は5’端部分10、第一のインデックス配列20、および第二のプライマーハイブリダイゼーション配列30を含む。
【0065】
図5において描くワークフローでは、第一のインデックスプライマー320はテンプレートポリヌクレオチド鎖100の第二のプライマーハイブリダイゼーション配列30にハイブリダイゼーションされる。第一のインデックス配列20の配列が決定され、3’から5’方向におけるテンプレート鎖100からの第一のインデックスプライマー320としてのリーディングは若干のシーケンシングサイクルにおいて5’から3’方向にて伸長される(伸長は示さない)。
【0066】
伸長された第一のインデックスプライマーは変性させることよって除去され、および修飾された第二のインデックスプライマー337はテンプレート鎖100の3’端部分70にハイブリダイゼーションされ、および第二のインデックス配列60の配列は決定され、3’から5’方向におけるコピー鎖からの修飾された第二のインデックスプライマー337としてのリーディングは若干のシーケンシングサイクルにおいて5’から3’方向にて伸長される(伸長は示さない)。
【0067】
伸長され修飾された第二のインデックスプライマーは変性させることによって除去され、および第一の読取りプライマー310は第一のプライマーハイブリダイゼーション配列50にハイブリダイゼーションされる。インサート40の少なくとも3’部分の配列が決定され、3’から5’方向におけるテンプレート鎖からの第一の読取りプライマー310としてのリーディングは若干のシーケンシングサイクルにおいて5’から3’方向にて伸長される(伸長は示さない)。
【0068】
第一のインデックス配列20、第二のインデックス配列60、および挿入配列40の少なくとも一部分が決定される後、コピー鎖110は、固形物表面200に結合する表面オリゴヌクレオチド(
図5には示さないが、
図3における表面オリゴヌクレオチド330に言及する)にテンプレート鎖100の3’端部分70がハイブリダイゼーションされ、およびペアードエンド(PE)ターンプロセスにおいて鋳型としてテンプレートポリヌクレオチド鎖100を使用して表面オリゴヌクレオチドが伸長されることによって合成され得る。
【0069】
第二の読取りプライマー340はコピー鎖110において第二のプライマーハイブリダイゼーション配列30’の相補体にハイブリダイゼーションし得る。インサート40’の相補体の少なくとも3’部分の配列(それはインサート40の5’部分に対応する)は決定され得、3’から5’方向におけるコピー鎖からの第一の読取りプライマー310としてのリーディングは若干のシーケンシングサイクルにおいて5’から3’方向にて伸長される(伸長は示さない)。
【0070】
図5には示さないが、テンプレート鎖100の3’端部分70への修飾されたインデックスプライマー337のハイブリダイゼーションは、表面オリゴヌクレオチドとのテンプレート鎖100の3’端部分70のハイブリダイゼーションと競合する(
図5には示さない)。本発明者らは表面オリゴヌクレオチドと同じ配列であり、および修飾されない遊離インデックスプライマーが第二のインデックス配列60を得るために効果的に使用されないかもしれないことを見出した。
図5において描き、および上記のワークフロープロセスにおいて第二のインデックス配列60を効果的に取得するために、第二のインデックスプライマー337はテンプレート鎖100の3’端部分70について表面オリゴヌクレオチドよりも高い親和性を有するように修飾される。
【0071】
例えば、および
図6を参照すれば、第二のインデックスプライマー337はテンプレート鎖100の3’端部分70について表面オリゴヌクレオチド330よりも高い親和性を有するように修飾されるとき、テンプレート鎖100の3’端部分70への第二のインデックスプライマー337のハイブリダイゼーションは有利(favored)である。第二のインデックスプライマー337は第二のインデックス配列60の配列を読み取るように伸長され得る。クラスター(示さない)における任意のテンプレート鎖の3’端が表面オリゴヌクレオチド337にハイブリダイゼーションする程度まで、表面オリゴヌクレオチド330の3’端は表面オリゴヌクレオチド330からの伸長を防ぐためにブロックされ得る。
【0072】
図7A-Bは表面オリゴヌクレオチド330、テンプレート鎖の3’端部分70、および遊離シーケンシングオリゴヌクレオチド337の相互作用を例示し、それはインデックスプライマーであり得る。表面オリゴヌクレオチド330の3’端はブロックされる。ブロックはコピー鎖のペアードエンドターン合成に先立って除去し得る。
【0073】
シーケンシングオリゴヌクレオチド337はテンプレート鎖の3’端部分70について表面オリゴヌクレオチド330よりも高い親和性を有する。したがって、シーケンシングオリゴヌクレオチド337がハイブリダイゼーション条件下で存在するとき、テンプレート鎖の3’端部分70はシーケンシングオリゴヌクレオチド337に優先的にハイブリダイゼーションする。テンプレート鎖のシーケンシング、例えば、配列65で、それはインデックス配列であり得るものは、テンプレート鎖を鋳型として使用するシーケンシングのサイクルの間にシーケンシングオリゴヌクレオチド337を3’方向に伸長することによって生じ得る。
【0074】
シーケンシングオリゴヌクレオチド337はテンプレート鎖の3’端部分70について親和性を増加させるために任意の適切なマナーにおいて修飾され得る。例えば、シーケンシングオリゴヌクレオチドは修飾されたヌクレオチドを含み得、それは自然なヌクレオチドと比べてテンプレートポリヌクレオチドのヌクレオチドへの塩基対結合を増強する。そのような修飾ヌクレオチドは公知であり、および例えば、ロックヌクレオチド(LNAs)およびブリッジヌクレオチド(BNAs)が含まれる。
【0075】
LNAsおよびBNAsはオリゴヌクレオチドを化学的に合成することによって、例えば、標準的なホスホアミダイト化学等のようなものを介してオリゴヌクレオチドの望ましい位置にて組み込み得る。LNAsおよびBNAs、ならびにLNAsおよびBNAsを含むオリゴヌクレオチドは商業上入手可能である。
【0076】
BNAsは修飾RNAヌクレオチドであり、それらは拘束され、またはアクセスできないRNA分子と時々称される。BNAモノマーはリボースの2’、4’-位置にて組み込まれる五-、六-員、または七-員の架橋構造を含み得る。BNAsは相補的な塩基へのハイブリダイゼーションのための増加した結合親和性を伴う構造的に剛直なオリゴヌクレオチドである。以下の刊行物はBNAsに関する追加情報を提供する:(1)Obika, S.ら、(1997)、「Synthesis of 2’-O,4’-C-methyleneuridine and -cytidine. Novel bicyclic nucleosides having a fixed C3, -endo sugar puckering」、Tetrahedron Letters。 38(50):8735;(2)Obika, S.ら、(2001)、「3’ amino-2’,4’-BNA: Novel bridged nucleic acids having an N3’-->P5’ phosphoramidate linkage」、Chemical Communications(Cambridge, England)(19):1992-1993;(3)Obika, S.ら、(2001)、「A 2’, 4’-Bridged Nucleic Acid Containing 2-Pyridone as a Nucleobase: Efficient Recognition of a C・G Interruption by Triplex Formation with a Pyrimidine Motif」、Angewandte Chemie International Edition。40(11):2079;(4)Morita, K.ら、(2001)、「2’-O,4’-C-ethylene-bridged nucleic acids (ENA) with nuclease-resistance and high affinity for RNA」、Nucleic Acids Research. Supplement 1(1):241-242;(5)Hari, Y.ら、(2003)、「Selective recognition of CG interruption by 2’,4’-BNA having 1-isoquinolone as a nucleobase in a pyrimidine motif triplex formation」、Tetrahedron 59(27):5123;(6)Rahman, S. M. A.ら、(2007)、「Highly Stable Pyrimidine-Motif Triplex Formation at Physiological pH Values by a Bridged Nucleic Acid Analogue」、Angewandte Chemie International Edition。46(23):4306-4309。
【0077】
LNAsモノマーには、追加のブリッジが含まれ、それは3’-エンドコンフォメーションにおいてリボースを「ロック」に対してリボースモイエティの2’酸素および4’炭素を接続する。
【0078】
なるべくなら、修飾ヌクレオチドは標準的なWatson-Crick塩基対を形成する。例えば、LNA塩基は標準のWatson-Crick塩基対を形成するが、ロックされた構成は塩基対反応の速度および安定性を増加させる(Jepsenら、Oligonucleotides、14、130-146(2004))。これらの特性はLNAsを本明細書で説明する方法について特に役立たせる。
【0079】
修飾ヌクレオチドが含まれるシーケンシングオリゴヌクレオチドは当技術において公知の任意の方法を使用して設計し得;若干のアルゴリズムが知られ、および商業上入可能である(例、インターネット上、例えば、exiqon.com)。例えば、Youら、Nuc. Acids. Res. 34:e60(2006);McTigueら、Biochemistry 43:5388-405(2004);およびLevinら、Nuc. Acids. Res. 34:e142(2006)を参照。例えば、「遺伝子ウォーク」法は、アンチセンスオリゴヌクレオチドを設計するために使用されるものと類似し、修飾ヌクレオチドが含まれるシーケンシングオリゴヌクレオチドの配列を最適化するために使用し得る。いくつかの実施形態では、GC含量は約30-60%間である。LNAsが含まれるオリゴヌクレオチドを設計するための一般的なガイドラインは当技術において公知であり;例えば、LNA配列は他のLNA配列に非常に緊密に結合し、それでLNA内での著しい相補性を回避することが好ましい。四つを超えるLNA残基の連続ランは可能な限り避ける必要がある。いくつかの実施形態では、LNAsはキシロLNAsである。(例、Youら、Nucleic Acids Research、2006、Vol. 34, No. 8(第34巻、第8号)e60参照)。
【0080】
LNAsに関する追加情報については、米国特許第6,268,490号;6,734,291;6,770,748;6,794,499;7,034,133;7,053,207;7,060,809;7,084,125;および7,572,582;および米国付与前公表第20100267018号;20100261175;および20100035968;Koshkinら、Tetrahedron 54、3607-3630(1998); Obikaら、Tetrahedron Lett. 39、5401-5404(1998);Jepsenら、Oligonucleotides 14:130-146(2004);Kauppinenら、Drug Disc. Today 2(3):287-290(2005);Youら、Nucleic Acids Research、2006、Vol. 34, No. 8 e60;Pontingら、Cell 136(4):629-641(2009)、およびそこに引用される参考文献を参照。
【0081】
いくつかの実施形態において、シーケンシングオリゴヌクレオチドには、自然なヌクレオチドに関して、テンプレートポリヌクレオチドのヌクレオチドへの塩基対結合を増強する1より多い修飾ヌクレオチドが含まれる。例えば、シーケンシングオリゴヌクレオチドの塩基の10%以上は修飾された塩基であり得、それは塩基対結合を増強する。いくつかの実施形態において、シーケンシングオリゴヌクレオチドの塩基の20%以上または30%以上は修飾された塩基であり、それは塩基対結合を増強する。いくつかの実施形態において、シーケンシングオリゴヌクレオチドの塩基の50%以下は修飾された塩基であり、それは塩基対結合を増強する。例えば、シーケンシングオリゴヌクレオチドの塩基の約10%から約50%まで、約20%から約50%まで、または約30%から約50%までは修飾された塩基であり、それは塩基対結合を増強する。
【0082】
いくつかの実施形態において、表面オリゴヌクレオチドの配列、または表面オリゴヌクレオチドの一部分はシーケンシングオリゴヌクレオチドの少なくとも一部分と同じである。シーケンシングオリゴヌクレオチドが修飾ヌクレオチドを含む場合、修飾ヌクレオチドは、シーケンシングオリゴヌクレオチドの配列を目的として対応する自然なヌクレオチドに対して同等であると考えられ、それは修飾ヌクレオチドと同じヌクレオチドと塩基対形成をする。それについてその修飾ヌクレオチドは塩基対形成をする。
【0083】
シーケンシングオリゴヌクレオチドは表面オリゴヌクレオチドに関して3’端にて追加のヌクレオチドを包含し得る。追加のヌクレオチドはなるべくなら、テンプレートポリヌクレオチド鎖に相補的であり、およびそれとハイブリダイゼーションする。
【0084】
典型的に、表面オリゴヌクレオチドから実施されるシーケンシングはヌクレオチドの組込みのいくつかのラウンドを伴い、それらについて組み込まれたヌクレオチドの同一性は決定されず、それは表面プライマーがインデックス配列の直前ではないテンプレート鎖の領域にアニーリングするからである。そのような組込みのラウンドは「ダークサイクル」と称され得る。組込みの任意の適切な数のダークサイクルは実施され得る。例えば、2~20のダーク組込みサイクルが実施され得、例えば、3~15、5~10、または6~8の組込みのダークサイクルが実施され得る。テンプレート鎖の配列は、それに対し伸長した表面オリゴヌクレオチドがダークサイクルの間に相補的であり、なるべくなら公知である。一旦適切な数のダークサイクルの組込み(テンプレートオリゴヌクレオチド鎖を鋳型として使用する表面オリゴヌクレオチドの伸長)が実施されると、シーケンシング(後のサイクルにおいて組み込まれるヌクレオチドの同一性を決定すること)が実施され得る。
【0085】
シーケンシングオリゴヌクレオチドは表面オリゴヌクレオチドプライマーに関して、表面オリゴヌクレオチドに関して3’端にて追加のヌクレオチドを含み得、およびインデックス配列の直前にあるテンプレート鎖の領域にアニーリングし得る。したがって、シーケンシングプライマーを使用するとき、ダークサイクルは必要でなくてよく、または減少し得る。
図7Bにおいて描く実施形態では、シーケンシングオリゴヌクレオチド337は表面オリゴヌクレオチド330に関して3’端にて七つの追加のヌクレオチドを含む。
【0086】
全体を通して議論するように、提供されるのはシーケンシングポリヌクレオチド用の向上した方法である。模範的なシーケンシング方法は、例えば、Bentley(ベントリー)ら、Nature 456:53-59(2008)、国際公開第04/018497号;米国特許第7,057,026号明細書;国際公開第91/06678号;国際公開第07/123744号;米国特許第7,329,492号明細書;米国特許第7,211,414号明細書;米国特許第7,315,019号明細書;米国特許第7,405,281号明細書、および米国特許出願公開第2008/0108082号において記載され、それらのそれぞれは参照によって本明細書に組み込まれる。高スループット(高処理量とも言う)または迅速なシーケンシングのための一つの有用な方法はシーケンシングバイシンセシス(sequencing by synthesis)(SBS)である。SBS技術には、制限されないが、Genome Analyzer systems(Illumina Inc.、San Diego, CA)およびTrue Single Molecule Sequencing(tSMS)(商標) systems(Helicos BioSciences Corporation、Cambridge, MA)が含まれる。簡単に言えば、多数のシーケンシングバイシンセシス反応はターゲット配列内の標的位置での複数の塩基の同一性を解明するために使用する。これらの反応はすべて少なくとも二つのドメイン;第一のドメインで、それにシーケンシングプライマーがハイブリダイゼーションするもの、および隣接する第二のドメインで、それについて配列情報が望まれるものを有する標的核酸配列の使用に依存する。アッセイ複合体の形成の際、伸長酵素は、第一のドメインにハイブリダイゼーションするシーケンシングプライマーにデオキシヌクレオチド三リン酸(dNTPs)を加えるために使用され、およびdNTPsの各付加は、加えられたdNTPの同一性を決定するために読み取られる。このことは多くのサイクルについて進行し得る。SBS技術、例えば、Genome Analyzer systems(Illumina Inc.、San Diego、CA)およびTrue Single Molecule Sequencing(tSMS)(商標) systems(Helicos BioSciences Corporation、Cambridge, MA)等のようなものは、標的核酸分子の配列を決定するためにラベル化ヌクレオチドを利用する。標的核酸分子は、プライマーとハイブリダイゼーションし、ならびにポリメラーゼおよびブロッキング基を含むラベル化ヌクレオチドの存在下でインキュベーションすることができる。プライマーはヌクレオチドが組み込まれるように伸長される。ブロッキング基の存在は一つのラウンドの組込み、すなわち、単一ヌクレオチドの組込みだけを可能にする。ラベルの存在は組み込まれたヌクレオチドの識別を可能にする。複数の同種の単一ヌクレオチド塩基は各サイクルの間に加えることができ、例えば、True Single Molecule Sequencing(tSMS)(商標)TM systems(Helicos BioSciences Corporation、Cambridge, MA)において使用する等のようなものであり、または代わりに、四つのヌクレオチド塩基すべては各サイクルの間に同時に加えることができ、例えば、Genome Analyzerシステム(Illumina Inc.、San Diego, CA)において、特に各塩基が識別可能なラベルに関連付けられるときに使用する等のようなものである。組み込まれたヌクレオチドをその対応するラベルによって識別して後、ラベルおよびブロッキング基の双方を除去することができ、それによって、その後の組込みおよび識別のラウンドが可能になる。加えられたヌクレオチド塩基の同一性を決定することには、いくつかの実施形態において、特定のヌクレオチド塩基、即ち、dATP、dCTP、dGTPまたはdTTPの付加により検出可能な放出を誘導することができる光源の新たに加えられたラベル化塩基の反復曝露が含まれる。本明細書に開示する方法および組成物はそのようなSBS技術について特に有用である。加えて、本明細書に記載する方法および組成物は核酸のアレイからのシーケンシングについて特に有用であり得、その場合多様な配列はアレイ上の多様な位置から同時に読み取ることができ、それは各位置での各ヌクレオチドがその識別可能なラベルに基づいて識別することができるからである。模範的な方法はUS 2009/0088327;US 2010/0028885;およびUS 2009/0325172において記載され、それらの各々は参照によって本明細書に組み込む。
【0087】
本明細書に記載するシーケンシング方法は任意の適切な装置を使用して任意の適切なマナーにおいて実施し得る。いくつかの実施形態では、シーケンシング方法は固形物支持体を採用し、その上では多様なテンプレートポリヌクレオチド鎖を固定化する。本明細書で使用する固定化という用語は共有または非共有結合(群)を介する固形物支持体への直接または間接的な付着を包含することを意図する。特定の実施形態において、必要とされるのは、例えば、核酸増幅および/またはシーケンシングを必要とする用途において、支持体を使用することが意図される条件下で、ポリヌクレオチドが支持体に固定化または付着したままであるということだけである。例えば、オリゴヌクレオチドまたはプライマーは3’端が酵素的伸長に利用可能であり、および/または配列の少なくとも一部分が相補的配列にハイブリダイゼーションする能力があるように固定化され得る。固定化は表面に付着したプライマーへのハイブリダイゼーションを介して起こることができ、その場合において固定化プライマーまたはオリゴヌクレオチドは3’-5’配向にあり得る。あるいはまた、固定化は非塩基対形成ハイブリダイゼーション、例えば、共有結合付着等のようなものによって起こり得る。
【0088】
例として、ポリヌクレオチドはプライマーのパッチにおいて一以上のプライマーへのハイブリダイゼーションまたはアニーリングによって表面に付着し得る。ハイブリダイゼーションは、例えば、アダプターをテンプレートポリヌクレオチドの端部に連結することによって達成することができる。アダプターの核酸配列はプライマーの核酸配列に相補的であることができ、それゆえ、アダプターが表面上のプライマーに結合またはハイブリダイゼーションすることが許容される。随意に、ポリヌクレオチドは一本または二本鎖であり得、およびアダプターはポリヌクレオチドの5’および/または3’端に付加され得る。随意に、ポリヌクレオチドは二本鎖であり得、およびアダプターは二本鎖ポリヌクレオチドの3’端上に連結され得る。随意に、ポリヌクレオチドは任意のアダプターを伴わずに使用し得る。いくつかの実施形態において、テンプレートポリヌクレオチドは相補的プライマーへのハイブリダイゼーション以外の相互作用によって表面に付着され得る。例えば、ポリヌクレオチドは化学的連結、例えば、クリックケミストリーまたは受容体-リガンド相互作用、例えば、ストレプトアビジン-ビオチン結合等のようなものから生じるもの等のようなものを使用して表面に共有結合的に付着され得る。
【0089】
プライマーオリゴヌクレオチド、オリゴヌクレオチドプライマーおよびプライマーは全体を通して交換可能に使用され、および増幅またはシーケンスされる一以上のポリヌクレオチドテンプレートに特異的にアニーリングする能力があるポリヌクレオチド配列である。概して、プライマーオリゴヌクレオチドは一本鎖または部分的に一本鎖である。プライマーはまた、非自然の実体がプライマーの機能を妨げない限り、非自然の塩基、非ヌクレオチドの化学的修飾または非自然の骨格連結の混合を含み得る。随意に、固形物支持体の表面上のプライマーのパッチには、一以上の異なる複数のプライマー分子が含まれ得る。例として、パッチには、各複数が異なる配列を有する第一、第二、第三、第四、またはそれより多くの複数のプライマー分子を含み得る。単一のパッチにおいて異なる複数のプライマーを有する実施形態について、異なる複数のプライマーは異なる複数のプライマーの少なくとも一部分の間に配列の違いがある限り、共通の配列を共有し得ることが理解されるであろう。例えば、第一の複数のプライマーは一つの複数におけるプライマーが他の複数のプライマーには見られない異なる配列を有する限り、第二の複数のプライマーと共に配列を共有し得る。
【0090】
テンプレートポリヌクレオチドは固形物支持体の表面にて増幅され得る。ポリヌクレオチド増幅には、テンプレートおよび/またはその相補体の一以上のコピーを生産することによって存在するポリヌクレオチドテンプレートの、および/またはその相補体の数を増幅または増加させるプロセスが含まれる。増幅は、制限されないが、サーモサイクリング増幅または等温増幅が含まれる条件下で、様々な公知の方法によって遂行し得る。例えば、増幅を遂行するための方法は、米国公表番号第2009/0226975号;国際公開第98/44151号;国際公開第00/18957号;国際公開第02/46456号;国際公開第06/064199号;および国際公開第07/010251号に記載され;それらは参照によってそれらの全体において本明細書に組み込まれる。簡単に言えば、提供される方法において、増幅はポリヌクレオチド分子が付着する表面にて起こることができる。このタイプの増幅は固相増幅と称することができ、それはポリヌクレオチドに関して使用されるとき、表面(例、固形物支持体)上でまたはそれに関連して遂行される任意のポリヌクレオチド増幅反応に言及する。典型的に、増幅生産物のすべてまたは一部分は固定化されるプライマーの伸長によって合成される。固相増幅反応は増幅プライマーの少なくとも一が表面(例、固形物支持体)にて固定化されることを除いて標準溶液相増幅に似ている。
【0091】
適切な条件には、ポリヌクレオチドを増幅するための適切な緩衝剤/溶液を提供することが含まれる。そのような溶液には、例えば、ポリメラーゼ活性を有する酵素、ヌクレオチド三リン酸、および、随意に、添加物、例えば、DMSOまたはベタイン等のようなものが含まれる。随意に、増幅は米国特許第7,485,428号で、それが参照によってその全体において本明細書に組み込まれるものに記載されるようにリコンビナーゼ剤の存在下で遂行され、それは熱融解なしに増幅を許容する。簡単に説明すると、リコンビナーゼ剤、例えば、E. coli由来のRecAタンパク質(または他の門由来のRecA同系統のもの)等のようなものは、例えば、ATP、dATP、ddATP、UTP、またはATPγSの存在下で、一本鎖DNAの周りに核タンパク質フィラメントを形成する(例、プライマー)。この複合体が相同配列と接触するとき、リコンビナーゼ剤は鎖浸潤反応およびプライマーと標的DNAの相同鎖との対形成を触媒する。元のペアリング鎖は鎖浸潤によって置き換えられ、その領域において一本鎖DNAのバブルが残り、それが増幅のための鋳型として機能する。
【0092】
固相増幅には、表面に固定化されるオリゴヌクレオチドプライマーの一つの種だけを含むポリヌクレオチド増幅反応が含まれ得る。あるいはまた、表面には、複数の第一および第二の異なる固定化オリゴヌクレオチドプライマー種が含まれ得る。固相核酸増幅反応には概して、二つの異なるタイプの核酸増幅、界面および表面(またはブリッジ)増幅の少なくとも一つが含まれる。例として、界面増幅において、固形物支持体には、固定化オリゴヌクレオチドプライマーへのハイブリダイゼーションによって固形物支持体に間接的に固定化されるテンプレートポリヌクレオチドが含まれ、固定化プライマーは固定化ポリヌクレオチドを生成するためにポリメラーゼ触媒による、テンプレート指向化鎖延長反応(例、プライマー伸長)の過程において伸長され得、それは固形物支持体に付着したままである。伸長相の後、ポリヌクレオチド(例、テンプレートおよびその相補的生産物)はテンプレートポリヌクレオチドが溶液中に放出され、および別の固定化オリゴヌクレオチドプライマーへのハイブリダイゼーションについて利用可能となるように変性される。テンプレートポリヌクレオチドは、1、2、3、4、5以上のラウンドのプライマー伸長において利用可能にされ得、または1、2、3、4、5以上のラウンドのプライマー伸長後に反応から洗い流し得る。
【0093】
表面(またはブリッジ)増幅では、固定化されたポリヌクレオチドが固定化されたオリゴヌクレオチドプライマーにハイブリダイゼーションする。固定化されたポリヌクレオチドの3’端は固定化されたオリゴヌクレオチドプライマーから伸長するポリメラーゼ触媒化、テンプレート指向化鎖延長反応(例、プライマー伸長)のためのテンプレートを提供する。結果として得られる二本鎖生産物は二つのプライマーを「橋渡し」し、および双方の鎖が支持体に共有結合的に付着する。次のサイクルでは、固形物支持体に固定化された一本鎖のペア(固定化されたテンプレートおよび伸長されたプライマー生産物)を産生する変性に続いて、双方の固定化された鎖は新しいプライマー伸長のための鋳型として機能する。
【0094】
増幅は固定化ポリヌクレオチドのコロニーを生産するために使用され得る。例えば、方法はポリヌクレオチドコロニーのクラスター化されたアレイを生産することができ、米国特許第7,115,400号;米国公表番号第2005/0100900号;国際公開第00/18957号;および国際公開第98/44151号に記載されるものと似ており、それらは参照によってそれらの全体において本明細書に組み込まれる。「クラスター」および「コロニー」は交換可能に使用され、および同じ配列および/または表面に付着するその相補体を有するポリヌクレオチドの複数のコピーに言及する。典型的には、クラスターには、同じ配列および/またはその相補体を有するポリヌクレオチドの複数のコピーが含まれ、それらの5’末端を介して表面に付着する。クラスターを構成するコピーポリヌクレオチドは一本または二本鎖の形態であり得る。
【0095】
したがって、複数のテンプレートポリヌクレオチドはクラスターにあってよく、各クラスターは同じ配列のテンプレートポリヌクレオチドを含む。複数のクラスターをシーケンスすることができ、各クラスターには、同じ配列のポリヌクレオチドが含まれる。随意に、第一のクラスターにおけるポリヌクレオチドの配列は第二のクラスターの核酸分子の配列とは異なる。随意に、クラスターは、固形物表面上のプライマーにテンプレートポリヌクレオチドをアニーリングすること、および同じ配列の複数のテンプレートポリヌクレオチドが含まれるクラスターを形成するためにある条件下でテンプレートポリヌクレオチドを増幅することによって形成される。増幅は熱的または等温的であることができる。
【0096】
各コロニーには、同じ配列のポリヌクレオチドが含まれ得る。特定の実施形態では、一つのコロニーのポリヌクレオチドの配列は別のコロニーのポリヌクレオチドの配列とは異なる。それゆえ、各コロニーには、異なる核酸配列を有するポリヌクレオチドが含まれる。コロニーにおける固定化されたすべてのポリヌクレオチドは典型的に、同じポリヌクレオチドの増幅によって生産される。いくつかの実施形態では、固定化されたポリヌクレオチドのコロニーが固定化されたポリヌクレオチドを伴わない一以上のプライマーを含み、それらには異なる配列の別のポリヌクレオチドが遊離または結合してないポリヌクレオチドを含む溶液の追加の適用時に結合し得るかもしれない。しかしながら、コロニーにおいて十分な数の遊離のプライマーがないため、この第二のまたは侵入性ポリヌクレオチドは十分な数に増幅されないことがある。第二のまたは侵入性ポリヌクレオチドは典型的には、単一コロニーにおいてポリヌクレオチドの合計集団の1、0.5、0.25、0.1、0.001または0.0001%よりも少ない。それゆえ、第二のまたは侵入性ポリヌクレオチドは光学的に検出されないかもしれず、または第二のもしくは侵入性ポリヌクレオチドの検出はバックグラウンドノイズと考えられ、またはコロニーにおいて元の、固定化ポリヌクレオチドの検出を妨害しない。そのような実施形態では、コロニーはコロニーを検出するために使用する方法または装置の解像度に従って明らかに均質または均一であろう。
【0097】
クラスターは使用する条件に応じて異なる形状、サイズおよび密度を有し得る。例えば、クラスターは実質円形、多面形、ドーナツ形またはリング形である形状を有し得る。クラスターの直径または最大断面は約0.2μmから約6μmまで、約0.3μm~約4μm、約0.4μm~約3μm、約0.5μm~約2μm、約0.75μm~約1.5μm、または任意の間にある直径であり得る。任意で、クラスターの直径または最大断面は少なくとも約0.5μm、少なくとも約1μm、少なくとも約1.5μm、少なくとも約2μm、少なくとも約2.5μm、少なくとも約3μm、少なくとも約4μm、少なくとも約5μm、または少なくとも約6μmであり得る。クラスターの直径は若干のパラメーターによって影響され得、制限されないが、クラスターを生産する際に実施される増幅サイクルの数、ポリヌクレオチドテンプレートの長さ、ポリヌクレオチドテンプレートのGC含量、パッチの形状でそれらにプライマーが付着するもの、またはクラスターが形成される表面に付着するプライマーの密度が含まれる。しかしながら、前述のように、すべての場合において、クラスターの直径はクラスターが形成されるパッチより大きくなり得ない。例えば、パッチがビーズである場合、クラスターサイズはビーズの表面積ほどの大きさであろう。クラスターの密度は少なくとも約0.1/mm2、少なくとも約1/mm2、少なくとも約10/mm2、少なくとも約100/mm2、少なくとも約1,000/mm2、少なくとも約10,000/mm2~少なくとも約100,000/mm2の範囲にあることができる。随意に、クラスターは例えば、100,000/mm2~1,000,000/mm2または1,000,000/mm2~10,000,000/mm2の密度を有する。本明細書で提供する方法はおおよそ等しいサイズであるコロニーを生産することができる。これは異なる配列のポリヌクレオチドの増幅効率における違いに関係なく発生する。
【0098】
クラスターは、例えば、適切な画像化手段、例えば、共焦点画像化デバイスまたは電荷結合素子(CCD)またはCMOSカメラ等のようなものを使用して検出し得る。模範的な画像化デバイスには、制限されないが、米国特許第7,329,860号;第5,754,291号;および第5,981,956号;ならびに国際公開第2007/123744号において記載されるものが含まれ、それらのそれぞれが参照によってその全体において本明細書に組み込まれる。画像化装置は、あるクラスターにおいてまたは表面上の複数のクラスターにおいて、例えば、一または複数のクラスターの(および/またはそこから発生する検出可能なシグナルの)位置、境界、直径、面積、形状、重なりおよび/または中心等のようなものにおける基準位置を決定するために使用され得る。そのような基準位置は意味のある情報を産生するために、記録され、文書化され、注釈が付けられ、解釈可能なシグナルに変換され、またはその種の他のもの等であり得る。
【0099】
本明細書で使用するように、「支持体」という用語はポリヌクレオチドを付着させるための基材に言及する。支持体はポリヌクレオチドを付着させることができ、またはその上で核酸を合成および/または修飾することができる剛性または半剛性の表面を有する物質である。支持体は、任意の樹脂、ゲル、ビーズ、ウェル、カラム、チップ、フローセル、膜、マトリクス、プレート、フィルタ、ガラス、制御された細孔ガラス(CPG)、ポリマーサポート、メンブレン、紙、プラスチック、プラスチックチューブまたはタブレット、プラスチックビーズ、ガラスビーズ、スライド、セラミック、シリコンチップ、マルチウェルプレート、ナイロンメンブレン、光ファイバー、およびPVDFメンブレンを包含することができる。
【0100】
支持体は任意のフラットウェファ様基材およびウェルを有するフラット基材、例えば、96ウェルプレートを含め、マイクロタイタープレート等のようなものを含み得る。模範的なフラット基材には、多様なマイクロ流体チャネル、例えば、cBotシーケンシングワークステーション(Illumina, Inc.、San Diego, CA)において用いるエイト-チャネルフローセル等のようなものを有するマルチ-レーンフローセルリアクターを含め、チップ、スライド、エッチングされた基材、マイクロタイタープレート、およびフローセルリアクターが含まれる。模範的なフローセルは、国際公開第2007/123744号に記載され、それは参照によってその全体において本明細書に組み込まれる。随意に、フローセルはパターン化されたフローセルである。適切なパターン化されたフローセルには、制限されないが、国際公開第2008/157640号に記載されるフローセルが含まれ、それは参照によってその全体において本明細書に組み込まれる。
【0101】
支持体はまた、磁気ビーズ、中空ビーズ、および固形ビーズを含め、ビーズを含み得る。ビーズはフラット支持体と組み合わせて使用してよく、そのようなフラット支持体はまた随意にウェルも含まれる。ビーズ、またはあるいはミクロスフェアは概して、剛性または半剛性の物質で作られた小さな物体に言及する。物体は例えば、球、楕円形、ミクロスフェア、または規則的または不規則な寸法を有するかどうかにかかわらず他の認識された粒子形状として特徴付けられる形状を有し得る。ビーズのサイズには、特に、制限を伴わずに、直径で約1μm、約2μm、約3μm、約5μm、約10μm、約20μm、約30μm、約40μm、約60μm、約100μm、約150μmまたは約200μmが含まれる。他の粒子はビーズおよびミクロスフェアについて本明細書に記載するものと同様の仕方で使用し得る。
【0102】
支持体の組成は、例えば、フォーマット、化学的性質および/または付着の方法に、および/または核酸合成の方法に応じて変動し得る。本開示に従って使用することができる支持体物質には、制限されないが、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブチレン、ポリウレタン、ナイロン、金属、および他の適切な物質が含まれる。模範的な組成物には、支持体が含まれ、および化学的機能性がそれに付与され、ポリペプチド、ポリヌクレオチドおよび/または有機モイエティ合成において使用される。そのような組成物には、例えば、プラスチック、セラミック、ガラス、ポリスチレン、メラミン、メチルスチレン、アクリルポリマー、常磁性体物質、トリアゾル(thoria sol)、カーボングラファイト、二酸化チタン、ラテックスまたは架橋デキストランで例えばSepharose(商標)等のようなもの、セルロース、ナイロン、架橋ミセルおよびTeflon(商標)、ならびに見出されることができる任意の他の物質でそれらは例えば、Bangs Laboratories、Fishers INからの「Microsphere Detection Guide」であり参照によって本明細書に組み込まれるものに記載されるものが含まれる。支持体粒子は架橋でんぷん、デキストラン、セルロース、タンパク質、ポリスチレンおよびメチルスチレンを包含するスチレンポリマーが含まれる有機ポリマー、ならびに他のスチレンコポリマー、プラスチック、ガラス、セラミック、アクリルポリマー、磁気応答性材料、コロイド、トリアゾール(thoriasol)、カーボングラファイト、二酸化チタン、ナイロン、ラテックス、またはTEFLON(登録商標)で作成され得る。Bangs Laboratories、Fishers, Inc.からの「Micro sphere Detection Guide」は参照によってその全体が本明細書に組み込まれ、有用なガイドである。本開示の範囲内のさらなる模範的な支持体には、例えば、米国特許出願公開番号第02/0102578号および米国特許第6,429,027号に記載されるものが含まれ、それらの双方は参照によってそれらの全体において本明細書に組み込まれる。
【0103】
シーケンスされるテンプレートポリヌクレオチドは、公知の、日常的な方法を使用して任意の生物学的サンプルから取得し得る。適切な生物学的サンプルには、制限されないが、血液サンプル、生検標本、組織外植片、器官培養物、生物学的流体または他の任意の組織または細胞調製物、あるいはそれらの画分または誘導体、またはそれらから分離されたものが含まれる。生物学的サンプルは、初代細胞培養物または培養適応細胞系列であることができ、制限されないが、遺伝子操作された細胞系列が含まれ、それには、染色体に組み込まれた、またはエピソームの組換え核酸配列、不死化または不死化可能な細胞系列、体細胞ハイブリッド細胞系列、分化または分化可能な細胞系列、形質転換細胞系列、幹細胞、生殖細胞(例、精子、卵母細胞)、形質転換細胞系列およびその他同種類のもの等が含まれる。例えば、ポリヌクレオチド分子は初代細胞、細胞系列、新たに分離された細胞または組織、凍結細胞または組織、パラフィン包埋細胞または組織、固定細胞または組織、および/またはレーザー切開された細胞または組織から得られ得る。生物学的サンプルは、例えば、ヒトまたは非ヒト動物を含め、哺乳動物および非哺乳動物、脊椎動物および無脊椎動物が含まれる任意の対象または生物学的供給源から得ることができ、およびまた任意の多細胞有機体または単細胞有機体、例えば、真核生物(植物および藻類が含まれ)または原核生物有機体、古細菌、微生物(例、細菌、古生物、真菌、原生生物、ウイルス)、および水生プランクトン等のようなものであり得る。
【0104】
ポリヌクレオチドが得られたら、提供された方法において使用するための異なる配列の複数のポリヌクレオチド分子は利用可能なおよび公知の様々な標準的な技術を使用して調製し得る。ポリヌクレオチド分子調製の模範的な方法には、制限されないが、Bentleyら、Nature 456:49-51(2008);米国特許第7,115,400号;および米国特許出願公開第2007/0128624号;第2009/0226975号;第2005/0100900号;第2005/0059048号;第2007/0110638号;および第2007/0128624号に記載されているものが含まれ、それらのそれぞれはその全体において参照によって本明細書に組み込まれる。テンプレートポリヌクレオチドには、制限されないが、ユニバーサル配列および公知または未知の配列を含め、様々な配列が含まれ得る。例えば、ポリヌクレオチドには、5’および/または3’端に位置する公知の配列の一以上の領域(例、アダプター)が含まれ得る。そのようなテンプレートポリヌクレオチドは未知の配列のポリヌクレオチドの端部にアダプターを付着させることによって形成し得る。ポリヌクレオチドに5’および3’端上で公知の配列が含まれるとき、公知の配列は同じまたは異なる配列であり得る。随意に、ポリヌクレオチドの5’および/または3’端に位置する公知の配列は表面上に固定化される一以上のプライマーにハイブリダイゼーションする能力がある。例えば、5’の公知配列が含まれるポリヌクレオチドは第一の複数のプライマーにハイブリダイゼーションし得る一方、3’の公知配列は第二の複数のプライマーにハイブリダイゼーションし得る。随意に、ポリヌクレオチドには、一以上の検出可能なラベルが含まれる。一以上の検出可能なラベルは5’端にて、3’端にて、および/またはポリヌクレオチド分子内の任意のヌクレオチド位置にてポリヌクレオチドテンプレートに付着され得る。提供される方法において使用するためのポリヌクレオチドには、増幅および/またはシーケンスされるポリヌクレオチド、および随意に、5’および/または3’端(群)にて短い核酸配列が含まれ得る。
【0105】
ポリヌクレオチドの5’および/または3’端に付加される短い核酸配列はユニバーサル配列であり得る。ユニバーサル配列は2以上のポリヌクレオチドに共通であり、即ち、それらによって共有されるヌクレオチド配列の領域であり、そこで2以上のポリヌクレオチドはまた、配列の違いの領域を有する。複数のポリヌクレオチドの異なるメンバーにおいて存在し得るユニバーサル配列は、ユニバーサル配列に相補的である単一のユニバーサルプライマーを使用して多様な異なる配列の複製または増幅を可能にし得る。同様に、ポリヌクレオチドの収集物の異なるメンバーにおいて存在し得る少なくとも1つ、2つ(例、ペア)以上のユニバーサル配列は、ユニバーサル配列に相補的である少なくとも1つ、2つ(例、ペア)以上の単一ユニバーサルプライマーを使用する多様な異なる配列の複製または増幅を許容し得る。それゆえ、ユニバーサルプライマーには、そのようなユニバーサル配列に特異的にハイブリダイゼーションし得る配列が含まれる。ポリヌクレオチドはユニバーサルアダプター(例、非標的核酸配列)を異なるターゲット配列の一端または両端に付着させるように修飾され得、アダプターはユニバーサルプライマーのハイブリダイゼーションのための部位を提供する。このアプローチには、生成、増幅、シーケンス、および/または別なふうに分析する各ポリヌクレオチドに対して特定ペアのプライマーを設計する必要がないという利益があり;単一ペアのプライマーは各ポリヌクレオチドがその5’および3’端への同じユニバーサルプライマー結合配列の付加によって修飾されるという条件で、異なるポリヌクレオチドの増幅のために使用することができる。
【0106】
ポリヌクレオチドはまた、標準的な、公知の方法を使用して望ましい任意の核酸配列を含むように修飾され得る。そのような追加の配列には、例えば、与えられる核酸配列の増幅生産物の識別を許容するために、制限酵素部位、またはインデックスタグが含まれ得る。
【0107】
本明細書で使用するように、2以上のポリヌクレオチドに関して使用するとき異なるという用語は、2以上のポリヌクレオチドが同じではないヌクレオチド配列を有することを意味する。例えば、二つのポリヌクレオチドは他のポリヌクレオチドと比較して一つのポリヌクレオチドの配列においてヌクレオチドの含量および順序が異なることができる。用語はポリヌクレオチドがコピー、アンプリコン、テンプレート、ターゲット、プライマー、オリゴヌクレオチド、またはその種の他のもの等と称されるかどうかを説明するために使用することができる。
【0108】
開示するのは物質、組成物、および構成要素であり、それらは開示された方法および組成物のために使用することができ、それらと組み合わせて使用することができ、それらのための調製において使用することができ、またはそれらの生産物であるものである。これらのおよび他の物質は本明細書に開示し、およびこれらの物質の組合せ、サブセット、相互作用、グループ等を開示するとき、それは各種々の個々および集合的な組合せおよび並べ替えの特定の参照は明示的に開示されないかもしれないが、それぞれが本明細書で具体的に企図され、および説明されると理解される。例えば、方法が開示および議論され、および方法ステップに行うことができるいくつかの修飾が議論される場合、方法ステップのありとあらゆる組合せおよび並べ替え、ならびに可能な修飾は、特に反対に指示されない限り具体的に企図される。同じく、これらの任意のサブセットまたは組合せも具体的に企図され、および開示される。この概念はこの開示のすべての態様に適用される。それゆえに、実施することができる様々な追加のステップがある場合、これらの各々の追加のステップは開示した方法の任意の特定の方法ステップまたは方法ステップの組合せと共に実施することができること、およびそのような各組合せまたは組合せのサブセットが具体的に企図され、および開示すると考えられるべきであることが理解される。
【0109】
この出願全体を通して、種々の刊行物が参照される。これらの刊行物の開示はそれらの全体においてこの出願への参照によって本明細書に組み込まれる。
【実施例】
【0110】
(1.プライマーの調製)
Illumina, Inc.のTruSight(登録商標) Tumor 170 library preparation kit(TruSight(登録商標) Tumor 170ライブラリ調製キット)を使用するときDNAフラグメントに付加されたアダプターに関連するI5インデックス配列のシーケンシングのために適した修飾インデックス2プライマーを生産するために、開始配列としてIllumina, Inc.のP5表面プライマーを使用して種々の遊離インデックス2プライマーを調製した。種々の遊離インデックス2プライマーはアダプターのP5’配列3’端にハイブリダイゼーションするように構成した。
【0111】
種々の遊離インデックス2プライマーを作成し、およびテストし、ならびにIllumina, Inc.のIndex2プライマー(Illumina, Inc. MiniSeq(登録商標)、High Outputシーケンシングキット)をIllumina, Inc.のMiniSeq(登録商標)シーケンサーにて使用するインデックス2のシーケンシングと比較した。
【0112】
使用するプライマーおよびグラフト化P5オリゴの配列を以下の表1に提示する。
【0113】
【0114】
HP19プライマーはグラフト化されたP5オリゴの配列を開始配列として使用する修飾インデックス2プライマーである。太字でおよびより一層大きいフォントはLNA修飾を指し示す。
【0115】
修飾されたシーケンシングオリゴヌクレオチドプライマーはQiagenから購入した。
【0116】
HP19プライマーの様々なバージョンには、P5オリゴに関して3’端にて七つの追加ヌクレオチドが含まれる。インデックス2配列を読み取るためにP5オリゴを使用するとき、インデックス配列を読み取るのに先立って七ラウンドのヌクレオチドのダーク組込みが実施される。そのようなダークサイクルは遊離プライマー、例えば、HP19の様々なバージョン等のようなものを使用するとき必要ではなく、それは遊離プライマーがインデックス配列のすぐ隣でアニーリングされるからである。したがって、七つの追加のヌクレオチドが付加され、その結果シーケンシングの第一のサイクルがインデックス2配列のリーディングを開始する。
【0117】
(2.プライマーのテスト)
Illumina, Inc.のMiniSeq(登録商標)シーケンサーおよびMiniSeq(登録商標)、High Outputシーケンシングキットを使用し、シーケンシングはIllumina, Inc.のTruSight(登録商標) Tumor 170ライブラリ調製キットを使用して調製されたライブラリにて実施した。シーケンシングは次のワークフローを使用して実施した:R1(読取り1、キット化された読取り1プライマーを使用して36サイクル)/R2(インデックス2、HP19 v0プライマーを使用して9サイクル)/R3(インデックス2、HP19 v1プライマーを使用して9サイクル)/R4(インデックス2、HP19 v2プライマーを使用して9サイクル)/R5(インデックス1、キット化されたインデックス1プライマーを使用して8サイクル)/Paired End Turn/R6(インデックス2、キット化されたインデックス2プライマーを使用して8サイクル)/R7(読取り2、キット化された読取り2プライマーを使用して36サイクル)。各ステップ間に、あらかじめ伸長したプライマーを変性および洗浄によって除去し、および次のプライマーをハイブリダイゼーションさせた。その各サイクルにて生産されたシグナルの強度を測定した。結果を
図8に示す。
【0118】
図8に示すように、HP19 v0プライマーを使用するときシグナル強度はほとんど検出されず、それには、標的ポリヌクレオチド鎖(R2)のP5’配列についてプライマーのハイブリダイゼーション親和性を増強するために修飾ヌクレオチドが含まれなかった。対照的に、HP19 v1(R3)およびHP19 v2(R4)プライマーは、それには、修飾ヌクレオチドが含まれ、読み取られるインデックス2の配列に十分なシグナル強度を生産した。HP19 v1は、修飾塩基の割合が最も高かった(8/26)が、最も高いシグナル強度(R3)を与えた。
【0119】
i5インデックス表示は、R2、R3、R4、およびR6について抽出され、次いで公知のインデックスと比較した。
図9および10において提示したプロットは、HP19 v1およびHP19 v2の双方が標準読取り2インデックス読取りにおいて収集されたものと区別できないインデックス表示分布をどのように与えるかを示す。
図9は読取りカウントの棒グラフであり、および
図10はHP19 v1およびHP19 v2プライマーと標準読取り2インデックスプライマーとの相関のプロットである。
【0120】
(3.双方のインデックス読取りが読取り1の前に遂行されるパフォーマンス)
Illumina, Inc.のMiniSeq(登録商標)シーケンサーおよびMiniSeq(登録商標)、High Outputシーケンシングキットを使用し、シーケンシングはIllumina, Inc.のTruSight(登録商標) Tumor 170ライブラリ調製キットを使用して調製されたライブラリにて実施した。シーケンシングは次のワークフローを使用して実施した:R1(インデックス2、HP19 v1プライマーを使用して8サイクル)/R2(インデックス1、キット化されたインデックス1プライマーを使用して8サイクル)/R3(読取り1、キット化された読取り1プライマーを使用して36サイクル)/Paired End Turn/R4(インデックス2、キット化されたインデックス2プライマーを使用して8サイクル)/R5(読取り2、キット化された読取り2プライマーを使用して36サイクル)。各ステップ間に、あらかじめ伸長したプライマーを変性および洗浄によって除去し、および次のプライマーをハイブリダイゼーションさせた。その各サイクルにて生産されたシグナルの強度を測定した。結果を
図11に示す。
【0121】
インデックス分析は第一の読取り(読取り1)シーケンシングの前に双方のインデックス読取りを実施してもペナルティは発生しないことを示した。i5インデックス表示はR1およびR4(後者は参照と考えられる)について抽出し、およびそれらの間で比較した。
図12は、それが読取りカウントを示す棒グラフであり、HP19 v1が標準読取り2インデックス読取りにおいて収集されるものと区別できないインデックス表示分布をどのように与えたかを例示する。
【0122】
図11に提示する結果を生成するために使用するワークフローは修飾したインデックスプライマー(例、HP12 v1およびHP10 v2)の使用に関連する重要な利益を可能にする。例えば、インサートサイズまたは短いもしくは追加のインサートシーケンシングが必要ではないかまたは望ましくない場合にペアードエンドターンおよび読取り2の実施とは関係なく、複雑なライブラリを逆多重化し得る。追加的に、動的イメージング(例、ライブラリの組成に応じてサイクルおよびタイル数を微調整する能力)は有効にされ得る。
【0123】
読取り2とは無関係に逆多重化する能力はアプリケーションにおいて大幅な時間の節約を履行する可能性を提供し、それについてインデックス表示は重要である。例えば、挿入配列(またはその十分な部分)が二回の短いラン(読取り1および読取り2で、それはペアードエンドターンに続く)よりもむしろ単一のより一層長いラン(読取り1)において取得することができる場合、ペアードエンドターンの時間および読取り2プライマーの調製および再ハイブリダイゼーションにおける時間を節約し得る。
【0124】
若干の実施形態を説明してきた。それにもかかわらず、様々な修飾がなされ得ることが理解されるであろう。したがって、他の実施形態は以下の請求の範囲の視野内にある。