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特許7562427温度制御可能な試薬カートリッジ及び温度制御システム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-27
(45)【発行日】2024-10-07
(54)【発明の名称】温度制御可能な試薬カートリッジ及び温度制御システム
(51)【国際特許分類】
   G01N 35/00 20060101AFI20240930BHJP
【FI】
G01N35/00 B
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2020573512
(86)(22)【出願日】2019-11-25
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-28
(86)【国際出願番号】 US2019063079
(87)【国際公開番号】W WO2020112678
(87)【国際公開日】2020-06-04
【審査請求日】2022-11-18
(31)【優先権主張番号】62/774,000
(32)【優先日】2018-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500358711
【氏名又は名称】イルミナ インコーポレイテッド
(73)【特許権者】
【識別番号】520512579
【氏名又は名称】イルミナ・シンガポール・プライベイト・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Illumina Singapore Pte Ltd
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【弁理士】
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100221501
【弁理士】
【氏名又は名称】式見 真行
(72)【発明者】
【氏名】アシシュ・クマール
(72)【発明者】
【氏名】ケビン・マイケル・フェスティニ
(72)【発明者】
【氏名】ベンカテシュ・マイソール・ナガラジャ・ラオ
(72)【発明者】
【氏名】エリック・ルイス・ウィリアムソン
【審査官】佐野 浩樹
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第01266691(EP,A1)
【文献】国際公開第2018/071467(WO,A1)
【文献】独国実用新案第202011000592(DE,U1)
【文献】米国特許出願公開第2006/0105433(US,A1)
【文献】特開平06-018531(JP,A)
【文献】特開2013-185980(JP,A)
【文献】特表2013-545435(JP,A)
【文献】米国特許第05508197(US,A)
【文献】国際公開第2018/003009(WO,A1)
【文献】特表2008-508532(JP,A)
【文献】特表2004-500891(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01L 1/00 -99/00 、
G01N35/00 -37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
試薬カートリッジを有して成り、
前記試薬カートリッジは、カートリッジ・ハウジング、試薬リザーバー第1セット、流体入口、及び流体出口を有して成り、
前記カートリッジ・ハウジングは、内部プレナム容積を規定し、分析機器によって受容され、
前記試薬リザーバー第1セットは、前記カートリッジ・ハウジングの前記内部プレナム容積内に、少なくとも部分的に位置づけられ
前記試薬リザーバー第1セットの各試薬リザーバーは、側壁によって、部分的に規定され、対応する試薬を含んで成り、及び
前記試薬リザーバー第1セットの第1試薬リザーバーは、前記第1試薬リザーバーと第2試薬リザーバーとの、対応する側壁間に流体フロー通路を形成するために、前記試薬リザーバー第1セットの第2試薬リザーバーから離隔されており、
前記流体入口は、前記カートリッジ・ハウジングを通り、前記カートリッジ・ハウジングの前記内部プレナム容積と流体連通しており、
前記流体入口は、前記試薬カートリッジが前記分析機器によって受容される際に、前記分析機器の温度制御システムの流体供給ポートを、前記内部プレナム容積と流体接続しており、及び
前記流体出口は、前記カートリッジ・ハウジングを通り、前記カートリッジ・ハウジングの前記内部プレナム容積と流体連通しており、
前記流体出口は、前記試薬カートリッジが前記分析機器によって受容される際に、前記分析機器の前記温度制御システムの流体戻りポートを前記内部プレナム容積と流体接続しており、
前記カートリッジの前記流体入口は、前記第1試薬リザーバー内の前記試薬が第1温度であり、前記第2試薬リザーバー内の前記試薬が前記第1温度とは異なる第2温度であるように、所定の温度で前記分析機器の前記温度制御システムから温度制御流体を受容するためにあり、
温度制御流体が、流体入口を通って内部プレナム容積に流れる際に、試薬リザーバー第1セットの第1試薬リザーバーは、第1の量の加熱または冷却を経験し、試薬リザーバー第1セットの第2試薬リザーバーは、第2の量の加熱または冷却を経験するように、前記流体入口から前記試薬リザーバー第1セットの前記第1試薬リザーバーまでのカートリッジ・ハウジング内の最短フローパスは、前記流体入口から前記試薬リザーバー第1セットの前記第2試薬リザーバーまでのカートリッジ・ハウジング内の最短フローパスよりも短く、
第1の量の加熱または冷却と第2の量の加熱または冷却は異なる、
システム。
【請求項2】
前記第1試薬リザーバーが、トリス(ヒドロキシプロピル)ホスフィン、エタノールアミン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、トリス(ヒドロキシメチル)ホスフィン、並びにトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、酢酸、及びEDTA(エチレンジアミン四酢酸)の混合物、から成る群から選択される1つ以上の試薬を含んで成る、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記流体入口が、前記試薬リザーバー第1セットの最小の囲い周囲の外側に設けられている、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記試薬リザーバー第1セットは、1つ以上の同心円に沿って配置され、及び前記流体入口は、前記1つ以上の同心円の外側に設けられる、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記試薬リザーバー第1セットは、前記カートリッジ・ハウジング内に設けられたロータリー・バルブの周りに集団で配置され、
前記試薬リザーバー第1セット内の前記試薬リザーバーの前記側壁間に複数の流体フロー通路があり、
前記複数の流体フロー通路は、ロータリー・バルブの周りに1つ以上の流体フローパスを提供する、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記試薬カートリッジは、
前記流体入口と前記内部プレナム容積との間を流体接続し、及び前記流体入口と前記内部プレナム容積との間に流体的に介在させた入口通路、及び
前記流体出口と前記内部プレナム容積との間を流体接続し、及び前記流体出口と前記内部プレナム容積との間に流体的に介在させた出口通路をさらに有して成り、
前記入口通路、前記出口通路、及び前記第1試薬リザーバーは、前記試薬リザーバー第1セットにおける前記試薬リザーバーの平均中心点を中心とする基準円の共通象限内に少なくとも部分的に全て設けられている、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記流体入口と前記内部プレナム容積との間を流体接続し、及び前記流体入口と前記内部プレナム容積との間に流体的に介在させた入口通路、及び
前記流体出口と前記内部プレナム容積との間を流体接続し、及び前記流体出口と前記内部プレナム容積との間に流体的に介在させた出口通路をさらに有して成り、
前記入口通路は、前記試薬リザーバー第1セット内の前記試薬リザーバーの平均中心点を中心とする基準円の第1象限内に少なくとも部分的に設けられており、
前記出口通路は、基準円の第2象限内に少なくとも部分的に設けられており、及び
前記第1象限及び前記第2象限は、前記平均中心点を中心として互いに180°位相が異なる、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
試薬リザーバー第2セットをさらに有して成り、
前記試薬リザーバー第2セットの各試薬リザーバーは、対応する側壁によって部分的に規定され、
前記試薬リザーバー第2セットの各試薬リザーバーは、対応する試薬を含んで成り、
前記試薬リザーバー第2セットの試薬リザーバー第1サブセット内の試薬リザーバーの2つは、それらのそれぞれの側壁間に入口通路を形成するために互いに離隔されており、
前記入口通路は、前記流体入口と前記内部プレナム容積との間を流体接続し、かつ前記流体入口と前記内部プレナム容積との間に流体的に介在している、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記試薬リザーバー第2セットの試薬リザーバー第2サブセット内の2つの試薬リザーバーは、それらのそれぞれの側壁間に出口通路を形成するために互いに離隔され、
前記出口通路は、前記流体出口と前記内部プレナム容積との間を流体接続し、かつ前記流体出口と前記内部プレナム容積との間に流体的に介在し、及び
前記試薬リザーバー第2セットにおける、前記試薬リザーバー第1サブセットと前記試薬リザーバー第2サブセットは同一ではない、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記試薬リザーバー第2セットの前記試薬リザーバーは、前記内部プレナム容積の外周の周りに配置され、
前記試薬リザーバー第2セットの前記試薬リザーバーの少なくともいくつかの前記側壁の一部分は、前記内部プレナム容積の前記外周を少なくとも部分的に規定する、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記分析機器をさらに有して成り、
前記分析機器が前記温度制御システムを有して成り、
前記温度制御システムは、再循環プレナム、第1流体ポンプ、及び1つ以上の熱電ヒートポンプを有して成り、
前記再循環プレナムは、プレナム入口及びプレナム出口を有し、
前記第1流体ポンプは、前記再循環プレナムの前記プレナム入口と前記再循環プレナムの前記プレナム出口との間に流体的に介在し、作動時に、前記再循環プレナムの前記プレナム入口から前記再循環プレナムの前記プレナム出口に向かって、前記再循環プレナム内に流体を促すようになっており、及び
前記1つ以上の熱電ヒートポンプにおいて、各熱電ヒートポンプが、前記再循環プレナム内に位置付けられた対応する第1ラジエーター構造と熱伝導接触しており、
前記再循環プレナムの前記プレナム入口は、前記流体戻りポートと流体接続されており、
前記再循環プレナムの前記プレナム出口は、前記流体供給ポートと流体接続されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記温度制御システムが、周囲プレナム及び第2流体ポンプをさらに有して成り、
前記周囲プレナムは、プレナム入口及びプレナム出口を有し、
前記第2流体ポンプは、前記周囲プレナムの前記プレナム入口と前記周囲プレナムの前記プレナム出口との間に流体的に介在し、
作動時に、前記周囲プレナムの前記プレナム入口から前記周囲プレナムの前記プレナム出口に向かって、前記周囲プレナム内に流体を促すようになっており、
各熱電ヒートポンプはまた、前記周囲プレナム内に位置付けられた対応する第2ラジエーター構造と熱伝導接触している、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記再循環プレナムの少なくとも一部分の前記再循環プレナムの断面が、前記周囲プレナムの少なくとも対応する一部分の周囲プレナムの対応する断面内に嵌め込まれている請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
分析機器であって、
カートリッジ容器及び温度制御システムを有して成り、
前記カートリッジ容器は、複数の液体試薬を含んで成る試薬カートリッジを受容するようになっており、
前記温度制御システムは、再循環プレナム、周囲プレナム、第1流体ポンプ、第2流体ポンプ、1つ以上の熱電ヒートポンプ、流体供給ポート、及び流体戻りポートを有し、
前記再循環プレナムは、プレナム入口とプレナム出口を有し、
前記周囲プレナムは、プレナム入口とプレナム出口を有し、
前記第1流体ポンプは、前記再循環プレナムの前記プレナム入口と前記再循環プレナムの前記プレナム出口との間に流体的に介在し、及び作動時に、前記再循環プレナムの前記プレナム入口から前記再循環プレナムの前記プレナム出口に向かって前記再循環プレナム内に流体を促すようになっており、
前記第2流体ポンプは、前記周囲プレナムの前記プレナム入口と前記周囲プレナムの前記プレナム出口との間に流体的に介在し、及び、作動時に、前記周囲プレナムの前記プレナム入口から前記周囲プレナムの前記プレナム出口に向かって前記周囲プレナム内に流体を促すようになっており、
前記1つ以上の熱電ヒートポンプは、各熱電ヒートポンプが前記再循環プレナム内に位置付けられた対応する第1ラジエーター構造と熱伝導接触しており、
前記再循環プレナムの前記プレナム入口は、前記流体戻りポートと流体接続されており、
前記再循環プレナムの前記プレナム出口は、前記流体供給ポートと流体接続されており、
前記温度制御システムは、前記液体試薬の温度を制御し、
前記周囲プレナムは、U字形の断面またはO字形の断面を有し、
前記再循環プレナムは、前記U字形の断面または前記O字形の断面を有する前記周囲プレナムに嵌め込まれており、および
前記熱電ヒートポンプは、前記周囲プレナムと前記再循環プレナムとの間に挟まれている、分析機器。
【請求項15】
前記再循環プレナムの少なくとも一部分の前記再循環プレナムの断面が、前記周囲プレナムの少なくとも対応する一部分の前記周囲プレナムの対応する断面内に嵌め込まれてい
る請求項14に記載の分析機器。
【請求項16】
試薬カートリッジをさらに有して成り、
前記試薬カートリッジは、カートリッジ・ハウジング、試薬リザーバー第1セット、流体入口、及び流体出口を有して成り、
前記カートリッジ・ハウジングは、内部プレナム容積を規定し、前記分析機器の前記カートリッジ容器によって受容され、
前記試薬リザーバー第1セットは、前記カートリッジ・ハウジングの前記内部プレナム容積内に少なくとも部分的に位置づけられ、
前記試薬リザーバー第1セットの各試薬リザーバーは、部分的に側壁によって規定され、対応する試薬を含んで成り、及び
前記試薬リザーバー第1セットの第1試薬リザーバーは、前記第1試薬リザーバーと第2試薬リザーバーとの、対応する側壁間に流体フロー通路を形成するために前記試薬リザーバー第1セットの第2試薬リザーバーから離隔され、
前記流体入口は、前記カートリッジ・ハウジングを通り、前記カートリッジ・ハウジングの前記内部プレナム容積と流体連通しており、前記流体供給ポートを前記内部プレナム容積と流体接続し、
前記流体出口は、前記カートリッジ・ハウジングを通り、前記カートリッジ・ハウジングの前記内部プレナム容積と流体連通しており、前記流体戻りポートを前記内部プレナム容積と流体接続し、
前記カートリッジの前記流体入口は、前記第1試薬リザーバー内の前記試薬が第1温度であり、前記第2試薬リザーバー内の前記試薬が前記第1温度とは異なる第2温度であるように、前記分析機器の前記温度制御システムから所定の温度で流体を受容するためにあり、
特定温度の温度制御流体が、流体入口を通って内部プレナム容積に流れる際に、試薬リザーバー第1セットの第1試薬リザーバーは、第1の量の加熱または冷却を経験し、試薬リザーバー第1セットの第2試薬リザーバーは、第2の量の加熱または冷却を経験するように、前記流体入口から前記試薬リザーバー第1セットの前記第1試薬リザーバーまでのカートリッジ・ハウジング内の最短フローパスは、前記流体入口から前記試薬リザーバー第1セットの前記第2試薬リザーバーまでのカートリッジ・ハウジング内の最短フローパスよりも短く;、
第1の量の加熱または冷却と第2の量の加熱または冷却は異なる、
請求項14に記載の分析機器。
【請求項17】
(a)試薬カートリッジを供すること、
(b)前記試薬カートリッジを分析機器に挿入すること、
(c)前記分析機器の温度制御システムの流体供給ポートをカートリッジ・ハウジングの流体出口に接続すること、
(d)前記分析機器の前記温度制御システムの流体戻りポートをカートリッジ・ハウジングの流体出口に接続すること、
(e)温度制御システムを作動させること
を含み、
前記試薬カートリッジは、
内部プレナム容積を規定するカートリッジ・ハウジング、
前記カートリッジ・ハウジングを通る流体入口、
前記カートリッジ・ハウジングを通る流体出口、及び
前記カートリッジ・ハウジングの前記内部プレナム容積内に少なくとも部分的に位置づけられた試薬リザーバー第1セットを有し、
前記試薬リザーバー第1セットの各試薬リザーバーは、部分的に、側壁によって規定され、対応する試薬を含んで成り、及び
前記試薬リザーバー第1セットの第1試薬リザーバーは、前記第1試薬リザーバーと第2試薬リザーバーとの、対応する側壁間に流体フロー通路を形成するために前記試薬リザーバー第1セットの第2試薬リザーバーから離隔され、
前記流体入口から前記試薬リザーバー第1セットの前記第1試薬リザーバーまでのカートリッジ・ハウジング内の最短フローパスは、前記流体入口から前記試薬リザーバー第1セットの前記第2試薬リザーバーまでのカートリッジ・ハウジング内の最短フローパスよりも短く、
温度制御システムを作動させることが、前記流体供給ポートから前記流体入口へ、前記流体入口から前記カートリッジ内の前記内部プレナム容積へ、前記内部プレナム容積から前記流体出口へ、及び前記流体出口から前記流体戻りポートへ、第1所定温度の流体を流して、前記第1試薬リザーバー内の前記試薬を第1温度とし、前記第2試薬リザーバー内の前記試薬を前記第1温度とは異なる第2温度とするためにある、
方法。
【請求項18】
前記流体入口から2つ以上の試薬リザーバー第1セットの第1試薬リザーバーまでの前記カートリッジ・ハウジング内における最短フローパスは、前記流体入口から前記2つ以上の試薬リザーバー第1セットの前記第2試薬リザーバーまでの前記カートリッジ・ハウジング内における最短フローパスよりも短く、及び
前記(e)の工程の実施によって、前記流体入口から前記第1試薬リザーバー及び前記第2試薬リザーバーの両方までそれぞれ、前記第1試薬リザーバー及び前記第2試薬リザーバーまでのそれぞれの最短フローパスに沿って、前記流体を流す、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記第1所定温度は、約0℃~約20℃以内であり、及び
前記第1試薬リザーバーに含まれる試薬は、トリス(ヒドロキシプロピル)ホスフィン、エタノールアミン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、トリス(ヒドロキシメチル)ホスフィン、並びにトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、酢酸、及びEDTA(エチレンジアミン四酢酸)の混合物から成る群から選択される1つ以上を含んで成る、請求項17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、2018年11月30日に出願された「温度制御可能な試薬カートリッジ及び温度制御システム」と題された米国仮出願第62/774,000の利益を主張し、その開示はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
ゲノム配列決定システム等の様々な分析機器は、様々な分析操作中に試薬の仕分け(又は品揃え;assortment)を利用し得る。そのような機器は、様々な消耗要素が1つ以上の取り外し可能なカートリッジ、例えば、フローセルカートリッジ、試薬カートリッジ、及び/又は洗浄カートリッジで提供されるカートリッジベースのフレームワークを利用し得る。
【0003】
そのような機器は、例えば、様々な分析操作をサポートするためにフローセル(又は流れセル;flow cell)内の様々なチャネル及びフローパス(又は流れ路、又は流路;flow path)を通して、少量の異なる試薬を流し得る。各試薬投与量、タイミング、及び取り扱いは、実行される分析及び分析の段階によって異なり得る。
【発明の概要】
【0004】
試薬を利用するいくつかの分析機器では、試薬のいくつか又は全ては、分析操作の間、1つ以上の対応する指定された温度以下に保たれ得る。他の試薬は、室温等の異なる温度で使用でき得る。そのようなシステムでは、試薬を有して成るカートリッジは、分析機器内の温度制御された環境、例えば、冷蔵チャンバー又は熱電冷却器が試薬カートリッジのすぐ近くに置かれてカートリッジの外部を冷却するチャンバーに保持され得る。そのようなシステムは、対応する指定温度より低く維持される試薬、及び対応する指定温度より高く維持できる他の試薬、又は対応する指定温度より低く冷却する必要のない機器の他の構成要素を冷却し得る。
【0005】
本開示において、カートリッジ内の内部フローパスが、温度制御された流体(すなわち、空気等のガス、又は液体)をカートリッジから排出される前にそこに収容された1つ以上の個々の試薬リザーバー間のカートトリッジ内で循環することを可能にする、試薬カートリッジが提供される。いくつかのそのようなカートリッジは、カートリッジ・ハウジングによって規定される内部プレナム容積(又はボリューム;volume)内に、少なくとも部分的に配置された試薬リザーバーの中央に配置された集団(又は一まとめ、又は一塊、又はまとまり、又は塊、又は集合的、又は集団;cluster)だけでなく、試薬リザーバーの集団の外側に配置されたカートリッジ・ハウジングを通る入口及び出口を有し得る。そのような入口及び出口は、対応するフロー通路(又は流れ通路、又はフロー経路、又は流れ導管;flow passage)によって内部プレナム容積と流体接続され得る。ある場合には、集団の外側に配置されたより大きな二次試薬リザーバーがあり得て、フロー通路がそのような二次試薬リザーバーの間に配置され得る。冷却ガスの入口/出口と試薬リザーバーの集団との間のこのようなオフセット取り付けが、集団内の入口に近い場所に配置されている一部の試薬リザーバーの目標温度制御が可能になり、一方で感度の低い試薬を有する他の試薬リザーバーが入口から離れた集団内の位置に配置され得て、従って温度制御の程度は低くなる。
【0006】
上記の特徴に加えて、分析ユニット内の温度制御システムはまた、分析カートリッジの強化された低電力温度制御を提供する様々な特徴を特徴とし得る。例えば、システムは、カートリッジの流体出口ポート及び流体入口ポートとそれぞれ嵌合する入口/出口を有する再循環プレナムを特徴とし得る。ファン又は他の流体ポンプにより、流体が再循環プレナムの入口から再循環プレナムを通って再循環プレナムの出口に流れ得る。周囲プレナムは、温度制御システムに提供もし得る。周囲プレナムはまた、入口及び出口だけでなく、周囲プレナムの入口から周囲プレナムの出口に流体を流すファン又は他の流体ポンプを有し得る。熱電ヒートポンプは、再循環プレナムと周囲プレナムの間に介在(又は差し込み、又は挿入;interpose)し得て、熱電ヒートポンプの反対側にあり熱伝導性で接触しているラジエーター構造は、熱が再循環プレナムから周囲のプレナムに、又はその逆に送り出され得るように、再循環プレナムと周囲プレナムに突出し得る。ある実施形態、例えば、再循環プレナムが冷却に使用され得るもの等において、再循環プレナムは、周囲プレナム内に嵌め込まれ(又は入れら、又は入れ子になり;nestled)得て、例えば、それらは、再循環プレナムの露出した冷却表面を減らし、温度制御システムの結露を減らすために、一方で同時に、2つのプレナム間の熱交換のためのより大きな高温/低温表面積を提供する、「U」の断面を有する周囲プレナム内に嵌め込まれた「U」の断面を有する再循環プレナムである。
【0007】
図面の簡単な説明に続く上記の議論及びさらなる議論だけでなく、図面自体は、以下の実施形態を含むがこれらに限定されない、本明細書で議論される概念の議論及び実施例を提供する。
【0008】
ある実施形態では、試薬カートリッジを有して成るシステムが提供され得る。試薬カートリッジは、内部プレナム容積を規定し、分析機器によって受容されるように設計されたカートリッジ・ハウジングを有して成り得る。試薬カートリッジはまた、少なくとも部分的に、内部プレナム容積内に置かれた試薬リザーバー第1セットを有して成り得る。そのような実施形態において、試薬リザーバー第1セットの各試薬リザーバーは、側壁によって、部分的に規定され得て、対応する試薬を含んで成り得て、及び試薬リザーバー第1セットの第1試薬リザーバーは、第1試薬リザーバーと第2試薬リザーバーとの、対応する側壁間に流体フロー通路を形成するために、試薬リザーバー第1セットの第2試薬リザーバーから離隔され得る。試薬カートリッジはまた、カートリッジ・ハウジングを通り、カートリッジ・ハウジングの内部プレナム容積と流体連通している流体入口も有して成り得て、試薬カートリッジが分析機器によって受容された際、流体入口は、分析機器の温度制御システムの流体供給ポートを内部プレナム容積と流体接続する。試薬カートリッジはまた、カートリッジ・ハウジングを通り、カートリッジ・ハウジングの内部プレナム容積と流体連通している流体出口を有して成り得て、試薬カートリッジが分析機器によって受容された際、流体出口は、分析機器の温度制御システムの流体戻りポートを内部プレナム容積と流体接続する。そのような実施形態において、カートリッジの流体入口は、第1試薬リザーバー内の試薬が第1温度であり、第2試薬リザーバー内の試薬が第1温度とは異なる第2温度であるように、所定の温度で分析機器の温度制御システムから流体を受容するように設計され得る。
【0009】
システムのあるそのような実施形態において、第1試薬リザーバーは、トリス(ヒドロキシプロピル)ホスフィン、エタノールアミン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、トリス(ヒドロキシメチル)ホスフィン、又はトリス(ヒドロキシメチル)ホスフィン、酢酸、及びEDTA(エチレンジアミン四酢酸)の混合物等の1つ以上の試薬を有して成り得る。
【0010】
システムのある実施形態では、流体入口から試薬リザーバー第1セットの第1試薬リザーバーまでのカートリッジ・ハウジング内の最短フローパスは、流体入口から試薬リザーバー第1セットの第2試薬リザーバーまでのカートリッジ・ハウジング内の最短フローパスよりも短く成り得る。
【0011】
ある実施形態では、流体入口は、試薬リザーバー第1セットの最小の囲い(又は囲み;enclosing)周囲の外側に位置づけられ得る。
【0012】
システムのある実施形態では、試薬リザーバー第1セットは、1つ以上の同心円(concentric circle)に沿って配置され得て、流体入口は、1つ以上の同心円の外側に設けられ得る。
【0013】
システムのある実施形態では、試薬リザーバー第1セットは、カートリッジ・ハウジング内に設けられたロータリー・バルブ(又は回転弁;rotary valve)の周りに集団で配置され得て、試薬リザーバーの側第1セット内の試薬リザーバーの側壁間に複数の流体フロー通路があり得て、及び複数の流体フロー通路は、ロータリー・バルブの周りに1つ以上の流体フローパスを提供し得る。
【0014】
システムのある実施形態では、システムは、流体入口と内部プレナム容積との間に、流体接続し、及び流体的に介在される入口通路をさらに有して成り得る。そのような実施形態では、システムはまた、流体出口と内部プレナム容積との間に、流体接続し、及び流体的に介在された出口通路も有して成り得る。そのようなシステムでは、入口通路、出口通路、及び第1試薬リザーバーは、試薬リザーバー第1セットにおける試薬リザーバーの平均中心点を中心とする基準円(又は参照円;reference circle)の共通象限(又は四分円、又は四分儀、又は90°の円弧;quadrant)内に少なくとも部分的に全て設けられ得る。
【0015】
システムのある実施形態では、試薬カートリッジは、流体入口と内部プレナム容積との間に、流体接続し、流体的に介在させた入口通路をさらに有して成り得る。そのようなシステムの試薬カートリッジはまた、流体出口と内部プレナム容積との間に、流体接続し、流体的に介在させた出口通路を有して成り得る。そのようなシステムでは、入口通路は、試薬リザーバー第1セット内の試薬リザーバーの平均中心点を中心とする基準円の第1象限内に少なくとも部分的に設けられ得て、出口通路は、基準円の第2象限内に少なくとも部分的に設けられ得て、及び第1象限と第2象限は、平均中心点を中心として互いに180°位相が異なる(又はずれている;out of phase)か、又は互いに実質的に反対であり得る。
【0016】
システムのある実施形態では、試薬リザーバー第2セットを有して成り得る。いくつかのそのようなシステムでは、試薬リザーバー第2セットの各試薬リザーバーは、対応する側壁によって部分的に規定され得て、試薬リザーバー第2セットの各試薬リザーバーは、対応する試薬を含んで成り得る。試薬リザーバー第2セットにおける試薬リザーバー第1サブセット内の試薬リザーバーの2つは、それらのそれぞれの側壁間に入口通路を形成するために互いに離隔され得て、入口通路は、流体入口と内部プレナム容積との間を流体接続し、流体的に介在され得る。そのようなシステムのいくつかのさらなる実施形態において、試薬リザーバー第2セットにおける試薬リザーバー第2サブセット内の2つの試薬リザーバーは、それらのそれぞれの側壁間に出口通路を形成するために互いに離隔され得る。流体出口は、流体出口と内部プレナム容積との間を流体接続し得て、流体的に介在され得て、第1サブセットと第2サブセットは同一であり得ない。いくつかのさらにさらなる実施形態では、試薬リザーバー第2セットの試薬リザーバーは、内部プレナム容積の外周の周りに配置され得て、試薬リザーバー第2セットの試薬リザーバーの少なくともいくつかの側壁の一部分は、少なくとも内部プレナム容積の外周を部分的に規定し得る。
【0017】
ある実施形態では、システムは、温度制御システムを有して成り得る分析機器をさらに有して成り得る。温度制御システムは、プレナム入口及びプレナム出口を有する再循環プレナム、再循環プレナムのプレナム入口と再循環プレナムのプレナム出口との間に流体的に介在され、作動時に、再循環プレナムのプレナム入口から再循環プレナムのプレナム出口に向かって、再循環プレナム内の流体を促す(又は進ませる、又は送出;urge)ようになっている第1流体ポンプ、各熱電ヒートポンプが再循環プレナム内に配置された対応する第1ラジエーター構造と熱伝導接触している1つ以上の熱電ヒートポンプを有して成り得る。そのようなシステムでは、再循環プレナムのプレナム入口は、流体戻りポートと流体接続され得て、再循環プレナムのプレナム出口は、流体供給ポートと流体接続され得る。システムのいくつかのそのような実施形態において、温度制御システムは、プレナム入口及びプレナム出口を有する周囲プレナムだけでなく、周囲プレナムのプレナム入口とプレナム出口との間に流体的に介在され、作動時に、周囲プレナムのプレナム入口から周囲プレナムのプレナム出口に向かって周囲プレナム内の流体を促すようになっている第2流体ポンプをさらに有して成り得る。そのようなシステムでは、各熱電ヒートポンプはまた、周囲プレナム内に配置された対応する第2ラジエーター構造と熱伝導接触し得る。システムのいくつかのさらにさらなる実施形態では、再循環プレナムの少なくとも一部分の再循環プレナムの断面は、周囲プレナムの少なくとも対応する部分の周囲プレナムの対応する断面内に嵌め込みになり得る。
【0018】
ある実施形態では、複数の液体試薬を含む試薬カートリッジを受容するようになっているカートリッジ容器を有して成る分析機器が提供され得る。分析機器はまた、プレナム入口及びプレナム出口を有する再循環プレナム、プレナム入口及びプレナム出口を有する周囲プレナム、再循環プレナムのプレナム入口と再循環プレナムのプレナム出口との間に流体的に介在され、作動時に、再循環プレナムのプレナム入口から再循環プレナムのプレナム出口に向かって再循環プレナム内の流体を促すようになっている第1流体ポンプ、周囲プレナムのプレナム入口と周囲プレナムのプレナム出口との間に流体的に介在され、作動時に、周囲プレナムのプレナム入口から周囲プレナムのプレナム出口に向かって周囲プレナム内の流体を促すようになっている、第2流体ポンプ、各熱電ヒートポンプが再循環プレナム内に位置づけられた対応する第1ラジエーター構造と熱伝導接触している1つ以上の熱電ヒートポンプ、液体供給ポート、及び液体戻りポートを有して成る温度制御システムを有して成り得る。このような分析機器では、再循環プレナムのプレナム入口は流体戻りポートに流体接続され得て、再循環プレナムのプレナム出口は流体供給ポートに流体接続され得る。
【0019】
いくつかのそのような実施形態では、再循環プレナムの少なくとも一部分の再循環プレナムの断面は、周囲プレナムの少なくとも対応する一部分の周囲プレナムの対応する断面内に嵌め込まれ得る。
【0020】
分析機器のある実施形態では、分析機器は、順に、内部プレナム容積を規定し分析機器のカートリッジ容器によって受容されるようになっているカートリッジ・ハウジングを有して成り得る試薬カートリッジをさらに有して成り得る。試薬カートリッジはまた、カートリッジ・ハウジングの内部プレナム容積内に少なくとも部分的に配置された試薬リザーバー第1セットを有し成り得る。そのような実施形態において、試薬リザーバー第1セットの各試薬リザーバーは、部分的に側壁によって規定され得て、対応する試薬を有して成り得て、及び試薬リザーバー第1セットの第1試薬リザーバーは、第1試薬リザーバーと第2試薬リザーバーとの、対応する側壁間に流体フロー通路を形成するために、試薬リザーバー第1セットの第2試薬リザーバーから離隔され得る。そのような試薬カートリッジはまた、カートリッジ・ハウジングを通り、カートリッジ・ハウジングの内部プレナム容積と流体連通している流体入口、流体供給ポートを内部プレナム容積と流体接続する流体入口、及びカートリッジ・ハウジングを通り、カートリッジ・ハウジングの内部プレナム容積と流体連通している流体出口、流体戻りポートを内部プレナム容積と流体接続する流体出口、を有して成り得る。そのような試薬カートリッジでは、カートリッジの流体入口は、第1試薬リザーバー内の試薬が第1温度であり、第2試薬リザーバー内の試薬が第1温度とは異なる第2温度であるように、分析機器の温度制御システムが所定の温度で流体を受容するように設計され得る。
【0021】
ある実施形態では、以下を含む方法が供され得る。(a)内部プレナム容積を規定するカートリッジ・ハウジング、カートリッジ・ハウジングを通る流体入口、カートリッジを通る流体出口、及びカートリッジ・ハウジングの内部プレナム容積内に少なくとも部分的に位置づけられた試薬リザーバー第1セットを有する試薬カートリッジを供すること。そのような実施において、試薬リザーバー第1セットの各試薬リザーバーは、部分的に側壁によって規定され得て、対応する試薬を含み、及び試薬リザーバー第1セットの第1試薬リザーバーは、第1試薬リザーバーと第2試薬リザーバーとの、対応する側壁間に流体フロー通路を形成するために試薬リザーバー第1セットの第2試薬リザーバーから離間され得る。この方法はまた、以下を含み得る。(b)試薬カートリッジを分析機器に挿入すること、(c)分析機器の温度制御システムの流体供給ポートをカートリッジ・ハウジングの流体入口に接続すること、(d)分析機器の温度制御システムの流体戻りポートをカートリッジ・ハウジングの流体出口に接続すること、及び(e)流体供給ポートから流体入口へ、流体入口からカートリッジ内の内部プレナム容積へ、内部プレナム容積から流体出口へ、及び流体出口から流体戻りポートへ、第1所定の温度の流体を流して、第1試薬リザーバー内の試薬を第1温度とし、第2試薬リザーバー内の試薬を第1温度とは異なる第2温度するために温度制御システムを作動させる。
【0022】
この方法のある実施形態では、流体入口から2つ以上の試薬リザーバー第1セットの第1試薬リザーバーまでのカートリッジ・ハウジング内における最短フローパスは、流体入口から2つ以上の試薬リザーバー第1セットの第2試薬リザーバーまでのカートリッジ・ハウジング内における最短フローパスよりも短く、及び(e)の工程の実施によって、流体入口から第1試薬リザーバー及び第2試薬リザーバーの両方までそれぞれ、第1試薬リザーバー及び第2試薬リザーバーまでのそれぞれの最短フローパスに沿って、流体を流し得る。
【0023】
この方法のある実施において、第1所定の温度は、約0℃~約20℃以内であり得て、及び第1試薬リザーバーに含まれる試薬は、トリス(ヒドロキシプロピル)ホスフィン、エタノールアミン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、トリス(ヒドロキシメチル)ホスフィン、並びにトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、酢酸、及びEDTA(エチレンジアミン四酢酸)の混合物から成る群から選択される1つ以上を含んで成り得る。
【図面の簡単な説明】
【0024】
本明細書に開示される様々な実施形態は、限定ではなく例として、添付の図面に図示され、同様の参照番号は、同様の要素を言及する。
【0025】
図1は、例示的な分析機器及びその取り外し可能なカートリッジを示す。
【0026】
図2は、図1の例示的な取り外し可能なカートリッジ、ならびに分析機器用の温度制御システムを示す。
【0027】
図3は、分析機器用の例示的な取り外し可能なカートリッジの分解図を示す。
【0028】
図4は、図3からの例示的な取り外し可能なカートリッジの上面断面図を示す。
【0029】
図5は、図4からの例示的な取り外し可能なカートリッジの断面のより詳細な図を示す。
【0030】
図6Aから6Dは、温度制御可能なカートリッジの試薬リザーバーの様々な追加の配置を示す。
【0031】
図7は、分析機器用の例示的な温度制御システムを示す。
【0032】
図8は、部分的に分解した形態の図7の例示的な温度制御システムを示す。
【0033】
図9は、図7の例示的な温度制御システムの断面を示す。
【0034】
図10Aから10Dは、様々な例示的な温度制御システム用の様々な追加のプレナム構成を示す。
【0035】
図11は、図7の温度制御システムの断面図を示す。
【0036】
図12及び13は、湿度制御ポートを特徴とする図7の一部分の図を示す。
【0037】
図14は、温度制御システムの別の例を示す。
【0038】
図15は、図14の例示的な温度制御システムの部分分解図を示す。
【0039】
図16は、図14の例示的な温度制御システムの断面図を示す。
【0040】
図17は、図14の例示的な温度制御システムの別の断面図を示す。
【0041】
図18は、図14の例示的な温度制御システムのさらに別の断面図を示す。
【0042】
図19は、図14の例示的な温度制御システムの追加の断面図を示す。
【0043】
上記の図は、本開示の範囲内にある実施形態の単なる代表的な例であり、本開示は、図に示されている実施形態のみに限定されないものとして理解されるべきである。 他の実施形態は当業者には明らかであり、また本開示の範囲内であると見なされる。
【発明を実施するための形態】
【0044】
図1は、例示的な分析機器及びその取り外し可能なカートリッジを示す。図1では、分析機器102が提供され、容器、スロット、又は試薬カートリッジ104を受容するようになっている他のインターフェース103を有して成り、それらは以下に説明する試薬カートリッジと同様であり得る。
【0045】
上記で述べたように、図1に示されるような分析機器は、カートリッジが分析機器に取り付けられ(又は設置され;install)ている間、カートリッジの温度制御を提供するために、取り外し可能なカートリッジ(本明細書では「試薬カートリッジ」とも称される)で、つなぎ合わせ(又は相互作用し、又は結合し、又は連動し;interface)得る温度制御システムを含み得る。図2は、図1の取り外し可能なカートリッジの例と、分析機器の温度制御システムを示している。分析機器202の残りの部分は示されていないが、カートリッジ204が分析機器202に挿入された後にそのようなアイテム(又は品目、又は物品;item)が入る相対的な位置で、温度制御システム250及びカートリッジ204が、双方示されている。
【0046】
図2には示されていないが、分析機器202内の1つ以上のガイド又は他のデバイスは、カートリッジ204が完全に挿入又は取り付けられた後、カートリッジ204を温度制御システム250に対して所定の位置に配置させることができる。
分析機器202は、スロット、容器、又はカートリッジを受容するようになっている他のインターフェースを有して成り得て、それが適切に方向付けられていることを確認し、及びカートリッジ206を用いて分析操作が分析機器202によって実行され得るように所定の位置に固定するように成り得る。そのような配置は、ガス供給ダクト256及びガス戻りダクト258によって、それぞれ、温度制御システム250と流体接続され得る、カートリッジ204上のガス入口及びガス出口(図2には示されていない)を、それぞれ、ガス供給ポート252及びガス戻りポート254に対して位置合わせさせることができる。カートリッジ204に流入及び流出するガスの漏れの可能性を低減するために、ガス供給ポート252及びガス戻りポート254は、ある実施形態では、可撓性ベローズ260、又はカートリッジ204が可撓性ベローズ260と接触させられるとカートリッジ204のカートリッジ・ハウジング206に対して弾性圧縮し得る他のタイプの適合シールを装備し得る。例えば、ある実施形態では、カートリッジ204が、例えば、装填機構又は他の動作を介して、カートリッジ204を分析機器202に取り付ける間に、(図の向きに対して)垂直上方に移動し、可撓性ベローズ260との接触が起こり得る。さらに他の実施形態では、ベローズ260をカートリッジ・ハウジング206に接触するか又は接触しないようにするために、カートリッジ204が分析機器202に完全に挿入された後、可撓性ベローズ260は作動機構(図示せず)によってわずかに下降又は上昇され得て、可動インターフェース262によって支持され得る。
【0047】
温度制御システム250の動作中に、温度制御ガス(本明細書では、ハイフンがない形態で「温度制御ガス」とも単に称される)が、温度制御システム250からガス供給ダクト256を介してガス供給ポート252に、及びカートリッジ204に流れ得る。カートリッジ204からの排気ガスは、ガス戻りポート254を通り、ガス戻りダクト258を介して、温度制御システム250に戻され得る。温度制御ガスは空気であり得るが、必要に応じて、例えば、窒素、アルゴン等の代替の温度制御ガスが使用され得る。温度制御システム250は、例えば、加熱及び/又は冷却を通じて、温度制御ガスの温度を制御して、所定の温度の温度制御ガスをカートリッジ204に提供するようになっている。
【0048】
本議論は、ガスである温度制御流体を利用する温度制御システム及び温度制御可能カートリッジに主に焦点を合わせているが、本明細書で論じられる概念は、温度制御流体が液体、例えば水であるシステムでも使用でき得ることが理解されよう。液体を利用するシステムでは、温度制御流体がたどるフローパスが全て、温度制御流体の漏れが発生しないように十分に密封されていることを確認することが好ましい場合がある。ただし、特に温度制御流体が空気であり、別個の供給源を必要とせず(周囲環境から利用可能である場合)、漏れが発生した場合のユーザーへの安全上のリスクがない場合、ガスである温度制御流体を使用するシステムでは、ある程度の漏れが許容され得る。本開示において、「温度制御流体」及び「温度制御ガス」という句は、相対的に同じ意味で(又は言い換え可能に;interchangeably)使用され得るが、液体を使用する温度制御システムにおいて、「温度制御ガス」又は「温度制御流体」は、代わりに「温度制御液」に置き換えられ得ることが理解されよう。
【0049】
図2では明らかではないが、カートリッジ204は、それぞれが異なる試薬を含む多くの試薬リザーバーを収容し得て、そのうちの1つ以上を分析機器による分析中に使用させられ得る。そのようなカートリッジ204の例示的な内部構造は、分析機器のための例示的な取り外し可能なカートリッジの分解図を示す図3で見られ得る。
【0050】
図3において、図2のカートリッジ204のカートリッジ・ハウジング206は、上部206Aが下部206Bから取り外された状態で示されている。図示の通り、上部206Aは、ガス入口220及びガス出口222を有して成る。ガス入口220及びガス出口122は、この場合、カートリッジ・ハウジング206の外壁に形成された開口部(openings)又は空隙(又は穴、又は開き口;aperture)である。他の実施形態では、そのような開口部又は空隙は、カートリッジ・ハウジング206、例えば、接続器具(又は付属品、又はフィッティング;fitting)に設置され得る別個の構成要素によって提供され得る。カートリッジ内に複数のガス入口及び/又は複数のガス出口があり得ることも理解されよう。例えば、単一の供給源から温度制御ガスを全て受容するか、又は温度制御ガスをカートリッジから外へ放出するように設計され、及び図示されたガス入口220又は図示されたガス出口222として同じ容量で同時に機能する小さな開口部の集団があり得るが、そのような各小さな開口部は、必要に応じて、ガス入口220又はガス出口222と個別に考えることができる。他の実施形態では、異なる場所、例えば、単一のガス入口又はガス出口として集合的に機能する小さな開口部の集団の一部ではない、に配置された複数のガス入口220及び/又は複数のガス出口222があり得る。そのような実施形態において、そのようなガス入口又はガス出口は、試薬カートリッジに、又は試薬カートリッジから温度制御ガスを導入又は除去するための代替経路を提供し得る。そのようなガス入口/出口がどのように提供されるかに関係なく、ガス入口220及びガス出口222は、カートリッジ・ハウジング206を通り、温度制御流体がカートリッジ204の内部プレナム容積に導入及び除去され得るメカニズムを提供し得る。すなわち、ガス入口220及びガス出口222は、カートリッジ・ハウジング内の内部プレナム容積と流体連通しているか、又は流体接続され得る。
【0051】
流体連通は、この句が本明細書で使用される場合、2つ以上の容積が1つ以上の通路、オリフィス、又は流体がそれらの間を流れ得ることができるような他の特徴によって接続されている状態を指す。一般的に、このフレーズは、周囲環境への暴露だけでなく、流体連通を提供する何らかの形の構造があることを意味すると理解されるべきである。例えば、直立位置に並べて配置された2つの蓋無しバケットは、「流体連通」状態にあるとは見なされない(ただし、ガス等の流体は、一方のバケットから他方のバケットに拡散する可能性がある)。一方、ホースの端を同じ2つの蓋無しバケット(又は蓋無しのバケツ;open-topped buckets)のそれぞれに配置すると、バケット間にフロー通路を提供する構造があるため、バケットは互いに「流体連通」しているように見なされる。
【0052】
流体接続する(fluidically connecting)又は流体接続(fluidic connection)は、本明細書で使用される句として、接続を行うことを指す。又は事実上、流れである接続、すなわち、「電気接続」が電気システム内の電流の流れをサポートすることができる接続を説明するために使用され得るのと同様に、「流体接続」は流体システム内の流体の流れをサポートすることができる接続を説明するために使用され得る。2つの構成要素は、どちらも直接的に接続されることができる、すなわち、流体が一方の構成要素から他方に到達するために、流体が流れる2つの構成要素の間に他の構成要素がない、又は間接的にどちらも間接的に接続されることができる、すなわち、一つ以上の中間構成要素が2つの構成要素の間に流体的に介在される、ことが理解される。流体接続は、気密であり得て、すなわち、流体の顕著な漏れを許容しない場合があるが、本質的に非気密性であり得る。例えば、ベローズ260は、ハウジング206に対して概して堅いシールを形成し得るが、それでも、そのような界面からの温度制御ガスの漏れがあり得る。一般的に、ある構成要素の開口部から流出する流体の少なくとも50%以上が別の構成要素の対応する開口部又は領域に入るように構成要素が配置される場合、2つの構成要素間の流体接続が存在すると見なされ得る。したがって、例えば、分析ユニット内の温度制御システムから流れる温度制御ガスがカートリッジのガス入口に大部分流れるようにするために、分析機器に挿入されたカートリッジは、ガス入口及び温度制御システムと流体接続されていると見なされる。ただし、カートリッジがシステムから取り外されると、流体接続が切断され、理論上、温度制御システムから排出される温度制御ガスの一部が最終的には屋外に拡散し、カートリッジのガス入口に到達する可能性があるという事実にも関わらず、存在しなくなったと見なされる。しかしながら、そのような場合、そのような温度制御ガスのごく一部のみがカートリッジに入り、流体接続が存在するとは見なされない。
【0053】
この例では、カートリッジ・ハウジング206の底部206Bは、分析中に分析機器によって使用され得る試薬をそれぞれが含み得る複数のリザーバーを有して成る。この例では、約25のそのような試薬リザーバーがあり、議論の目的で、本明細書では第1試薬リザーバー210又は第2試薬リザーバー212と称され得る。この開示はまた、異なるセットの試薬リザーバー、例えば、第1試薬リザーバー第1セット(例えば、第1試薬リザーバーのいくつか又は全て)、及び試薬リザーバー第2セット(例えば、第2試薬リザーバーのいくつか又は全て)等が称され得る。様々なカートリッジの実施形態は、試薬リザーバーの異なる数及び配置を特徴とし得ること、及びそのような代替の変形もまた、本開示の範囲内であると見なされることが理解されよう。
【0054】
カートリッジ204は、複数のフローチャネルを含むマイクロ流体プレート(図示せず)を有して成り得て、そのそれぞれは、試薬リザーバーの1つと流体接続され得る。試薬がマイクロ流体プレートのチャネルを通って選択的に流れることを可能にするために、ロータリー・バルブ236等の1つ以上の弁がカートリッジ204に有して成り得る。そのようなロータリー・バルブ236は、例えば、分析機器202によって提供される回転入力によって回転させられ得て、異なる試薬リザーバーが、異なる時間にマイクロ流体プレート内の1つ以上の試薬フロー通路と流体連通し得る、回転可能部分を有するようになっている。
【0055】
この例では、カートリッジ204内の試薬リザーバーは、フロア(又は床;floor)(マイクロ流体プレート等)から立ち上がり、第1試薬リザーバー210の場合では、第1試薬リザーバー210の側壁214の上端に接着又は結合され得るホイルシール234によってキャップ(又は覆われ;capped)されている1つ以上の側壁214によってそれぞれ規定される。第2試薬リザーバー212の場合、それに取り付けられた追加のホイルシール234を有するリザーバーキャップ240が、それらの第2試薬リザーバー212の側壁214の上端に接着又は結合され得る。ホイルシール234は、試薬リザーバーをシール(又は密閉、又は封止;seal)し、内部に含まれる試薬の漏出を防ぐために提供され得る。カートリッジ204が分析機器202に取り付けられている場合、分析機器202は、穿刺(又は穴開け;puncture)ディスク238を作動させ得る。穿刺ディスク238は、特定のリザーバーをシールするホイルシール上に、それぞれ配置される複数の突起を有し得て、それにより、穿刺ディスク238が試薬リザーバーに向かって作動されると、突起はホイルシール234を穿刺し、それにより試薬が試薬リザーバーから引き抜かれる(又は引き出される;withdrawn)(試薬リザーバーの通気を可能にするために、シールに穴が開けられていない場合、圧力効果のために分析機器202が試薬を試薬リザーバーから引き抜くことができない場合がある)。ある実施形態では、カートリッジ204を補充(又は再充填、又は詰め替え;refill)又はリサイクル(又は再生利用、又は循環、又は再利用;recycle)するために、新しい試薬が第1試薬リザーバー210及び第2試薬リザーバー212に追加され得るように、カートリッジ・ハウジング206及び/又はリザーバーキャップ240の上部206A及びホイルシール234は交換可能に又は取り外し可能であり得る。例えば、ある実施形態では、その通常の意図された使用中に、カートリッジ204は、リサイクル可能又は補充可能である。より具体的には、ハウジング206の上部206Aがユーザーによってカートリッジ204から手動で分離又は除去され得るように、ハウジング206の上部206Aは、ハウジング206の下部206B及び/又は他の部分に取り外し可能に結合され得る。これにより、リザーバーキャップ240及びハウジング206の下部206B内に収容された要素の他の配置又は設計を露出させることができ、これらの設計構成及び配置をユーザーに可視化し、アクセス可能にする。ある実施形態では、上部206Aが取り外されると、複数のフローチャネルが見える。これらの実施形態の長所により、カートリッジ204のリザーバー210及びリザーバー212は補充され得て、それにより、カートリッジ204は、その通常の意図された使用の一部として、その商業的寿命中のある時点で補充及び/又はリサイクルされ得る。他の実施形態は、試薬リザーバーの他の配置又は設計を特徴とし得ることが理解され、本開示は、示された特定の実施形態のみに限定されない。例えば、一部の実施形態では、リザーバーの上部にホイルシールを使用し得ない。
【0056】
この例では、第1試薬リザーバー210は、カートリッジ204の中心近くで、第1試薬リザーバー210の集団の周辺の周りに配置される第2試薬リザーバー212とともに一体に集団化される。この例では、第2試薬サーバーのいくつかが、互いに間隔を置いて配置されて、その結果、通路が第2試薬サーバーの間に規定される。例えば、第2試薬リザーバー212のうちの2つの側壁214は互いに離隔され得て、ガス入口220を内部プレナム容積と流体接続する入口通路230、又は第1試薬リザーバー210を取り囲む又は部分的に取り囲む空間、を形成する。換言すると、入口通路230は、ガス入口220と内部プレナム容積208との間に流体的に介在され得る。同様に、第2試薬リザーバー212の2つの側壁214は、互いに離隔され得て、ガス出口222を内部プレナム容積208と流体接続する出口通路232、又は第1試薬リザーバー210を取り囲む空間を形成する。すなわち、出口通路232は、ガス出口222と内部プレナム容積との間に流体的に介在され得る。この特定の例では、第2試薬リザーバー212の1つの側壁214の部分は、入口通路230及び出口通路232の両方の部分を規定するが、他の実施形態では、入口通路230および出口通路232は、完全に異なるセットの第2試薬リザーバー212によって定義され得る。さらに他の実施形態では、入口通路と出口通路の一方又は両方は、使用される場合、試薬リザーバーの側壁から独立している構造によって提供され得る。例えば、試薬リザーバーを規定する役目を果たしていない側壁が、入口通路及び/又は出口通路を規定するために、提供され得る。
【0057】
本明細書で使用される句として、流体的に介在(又は挿入;interpose)は、第1構成要素から第2構成要素に流れる流体が、概して、第2構成要素に到達する前に第3の構成要素を通って流れる状態を指す。第3の構成要素は、第1構成要素と第2構成要素との間に流体的に介在されていると説明されるであろう。例えば、炉はダクトによって加熱レジスターに接続され得る。炉からの加熱された空気が概して加熱レジスターに到達する前にダクトを通って流れるため、ダクトは、炉と加熱レジスターとの間に流体的に介在されていると説明される。流体としてガスを使用するシステムでは、流体がこれら2つの構成要素の間に流体的に介在された構成要素を通過せずに、ある構成要素から別の構成要素に流れることを可能にするいくつかのリークパス又は他のフローパスが存在する場合があるが、これらの2つの構成要素間を流れる流体の大部分が、2つの構成要素の後者に到達する前に3番目の構成要素を通過する場合でも、その3番目の構成要素は2つの構成要素間に「流体的に介在」していると見なされる。さらに、他の2つの構成要素の間に流体的に介在された構成要素は、その構成要素が他の2つの構成要素の間に物理的に位置することを必ずしも意味しないことが理解されたい。例えば、構成要素A,B,及びCは、物理的にこの順序で一列に配置され、Bは物理的にAとCの間に配置され得る。しかしながら、ホースはAをCに接続し、次にCをBに接続して、Cが流体的にAとBとの間に介在されるようにする。
【0058】
理解を深めるために、図4は、図3からの例示的な取り外し可能カートリッジの上面断面図を示す。図5は、図4からの例示的な取り外し可能カートリッジのスライス断面のより詳細な図を示す(カートリッジの残りは示されている)。図4及び5に示すように、各第1試薬リザーバー210及び各第2試薬リザーバー212は、試薬216を有して成り得る。試薬216のうちの1つ以上は、固体、例えば、又は、使用前に液体で再構成され得る粉末化又は粉砕試薬、又は一部の実施形態では気体であり得るが、試薬216は、液体試薬であり得る。本明細書で使用されるような、「試薬」という用語は、
分析操作、ならびに他の操作(洗浄又は洗浄操作等)中にカートリッジを通って輸送され得る物質を指す。このような試薬には、蛍光標識、染料、洗浄液、緩衝液等が含まれ得る。ほとんどの試薬は、相互に、又は分析中のサンプルと何らかの方法で化学的に反応する可能性があるが、一部の試薬は、概して他の試薬、例えば、乾燥試薬を液体の形に溶解するために使用され得る洗浄液又は再構成液と非反応性であり得る。上記の通り、これらの試薬のいくつかは、他の試薬よりも温度に敏感である可能性があり得る。例えば、有機ホスフィン又は有機アミン、例えば、トリス(ヒドロキシプロピル)ホスフィン(THP又はTHMとも呼ばれる)、エタノールアミン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(TRISとも呼ばれる)、トリス(ヒドロキシメチル)ホスフィンを有して成る試薬、及び/又はTAE(トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、酢酸、及びEDTA(エチレンジアミン四酢酸)から成る混合物)は、試薬の安定性と寿命を促進するために、より低い温度に冷却する必要があり得る。これは、例えば24時間から48時間等の長期間にわたって多少の連続的な動作している可能性がある分析機器で特に重要な場合があり得る。例えば、一部の実施形態では、使用される試薬の一部を摂氏0度(°C)から20°Cの間の温度に冷却する必要があり得る。
【0059】
図4及び5において、試薬リザーバーの側壁214は、対角線のクロスハッチングで示され(例については、右の凡例を参照)、リザーバー内に含まれる試薬216は、ドットシェーディングで示されている。上記のように、第1試薬リザーバー210は、内部プレナム容積208内に配置され得る。図5に示すように、第1試薬リザーバー210は、複数の流体フロー通路218を規定するそれらのそれぞれの側壁214との間にギャップが存在するように配置され得る。流体フロー通路218は、内部プレナム容積208内に配置し得て、ガス入口220及びガス出口222と流体接続して、それによって、温度制御流体、例えば、ガス入口220を介してカートリッジ204にガスが、カートリッジを出る前に、例えば、ガス出口222又は他の出口経路を介して、第1試薬リザーバー210の少なくともいくつかの間の流体フロー通路218を通って流れる。
【0060】
図5には、4つの象限に分割され、示されている第1試薬リザーバー210の平均中心点を中心とする基準円242も図示されている。明確にするために、平均中心点は、16個の第1試薬リザーバーの平均XY座標、すなわち、それらの第1試薬リザーバー210の全てのX座標及び全てのY座標を平均した結果として生じる座標対を指す。平均的な目的のため、各第1試薬リザーバー210のXY座標は、各第1試薬リザーバー210の中心又は重心(又は図心;centroid)で評価し得る。図の通り、入口通路230及び出口通路232は両方とも、基準円242の同じ象限内に位置する。他の実施形態では、後に記載するが、入口通路230及び出口通路232は、そのような基準円の異なる、隣接していない象限に配置され得る。
【0061】
ある実施形態では、特定温度の温度制御流体がガス入口220を通って内部プレナム容積208に流れる際、第1試薬リザーバー210のうちの少なくとも2つが異なる量の熱除去又は熱付加、したがって異なる量の冷却又は加熱をそれぞれ経験するように、第1試薬リザーバー21が配置され得る。加熱又は冷却におけるそのような変動は、例えば、そのような第1試薬リザーバー210を内部プレナム容積208内に配置することによって引き起こされ得て、その結果、ガス入口220からそのような第1試薬リザーバー210の少なくとも2つのそれぞれへの、ハウジング206内の最短のフローパスが異なる長さとなる。次いで、内部プレナム容積208を通って流れる温度制御流体は、内部プレナム容積208を通って流れる際に、それが通過する第1試薬リザーバー210の側壁214に出入りする熱流を経験し、温度制御流体が流れる際に冷却又は加熱すること引き起こす可能性がある。従って、第1試薬リザーバー210の側壁214と温度制御流体との間の温度勾配を低減し、第1試薬リザーバー210への又は第1試薬リザーバー210からの熱流の速度を低下させる。ガス入口220から別の第1試薬リザーバーへの最短フローパスよりも短い、ガス入口220への最短フローパスを有する第1試薬リザーバー210は、(温度制御ガスが温度制御システム250によって加熱されているかどうかに応じて)ガス入口220へのより長い最短フローパスを有する第1試薬リザーバー210より多くの加熱又は冷却を経験し得る。冷却又は加熱効率の低下を活用することにより、そのようなカートリッジ204は、単一の供給源、例えば、温度制御システム250から温度制御流体を受容しながら、カートリッジ内の異なる温度で異なる試薬を保持することを可能にし得る。
【0062】
この例では、入口通路230を含む基準円242の象限内の第1試薬リザーバーは、例えば、基準円の反対側の基準円242の象限に位置する、すなわち、入口通路230を含む象限と180°位相がずれている、第1試薬リザーバー210よりもガス入口220へのより短い最短フローパスを有する(破線の輪郭で示される;ガス出口222も破線で示される)。
【0063】
図示のカートリッジの例では、第1試薬リザーバー210のそれぞれは、概して、内部プレナム容積208内で自立している。例えば、第1試薬リザーバー210の側壁214は、隣接して配置された第1試薬リザーバー210(又は他のリザーバー)と共有されず、及び各第1試薬リザーバー210とそれに直接隣接する全ての第1試薬リザーバー210との間に流体フロー通路218が存在する。しかしながら、他の実施形態では、2つ以上の第1試薬リザーバー210は、1つ以上の側壁を共通に共有することができる。
【0064】
示される特定の例では、第1試薬リザーバー210は、概して、ロータリー・バルブ236の1つを中心とする2つの同心円228に沿って配置され、これは、そのようなロータリー・バルブ236を特徴とするカートリッジに特によく適した配置であり得る。明確にするために、「円に沿って配置される」とは、概して、そのように配置された各アイテムのそのような部分が円上にあるか、又は円と交差するように配置されることを意味する(「目に見える」円である必要はなく、例えば基準円であり得ることは理解されよう)。例えば、同心円228の中心にあるロータリー・バルブ236は、第1試薬リザーバー210の床を形成するマイクロ流体プレート内のフローパスによって、第1試薬リザーバー210のそれぞれに流体接続され得る。そのようなフローパスは、第1試薬リザーバー210の対応する排出穴(又は排気穴、又は排水穴;drain hole)に向かって外向きに放射し得る。示される配置は、ロータリー・バルブ236の周りに集団化された同様のサイズの第1試薬リザーバー210の非常にコンパクトなレイアウトを可能にすると同時に、温度制御流体を様々な第1試薬リザーバーに分配するために、多数の流体フロー通路218を可能にする。それにより、そのロータリー・バルブ236の周りの温度制御流体の流れを促進する。示される配置において、ガス入口220からさらに離れた第1試薬リザーバー210より、ガス入口220から内部プレナム容積208に、温度制御流体が圧送される際、ガス入口220及び入口通路230に最も近い第1試薬リザーバー210はより多くの加熱又は冷却を経験し得る。したがって、他の試薬216と比較してより高い又はより低い温度に維持する必要がある試薬216は、より厳しくない温度要件を有し得る試薬216よりもガス入口220に近い第1試薬リザーバー210に貯蔵され得る。複数の第1試薬リザーバーが1つ以上の円に沿って配置されるある実施形態では、図5に示すように、ガス入口及び/又はガス出口は、そのような円の最大のものの外側に配置され得る。しかしながら、他の実施形態では、ガス入口又はガス出口は、1つ以上の円のうちの1つ内に少なくとも部分的に配置され得る。
【0065】
図示の例はまた、内部プレナム容積208の周りに配置された複数の第2試薬リザーバー212を特徴とする。この場合、第2試薬リザーバー212のいくつかの側壁214、例えば、円228と同心である側壁214の弧状部分は、実際には、内部プレナム容積208の一部を部分的に規定するが、他の実施形態は、そうでなければ内部プレナム容積208を規定し得る。換言すれば、第2試薬リザーバーは、内部プレナム容積の外周の周りに配置され得て、その側壁214の部分は、実際には、少なくとも部分的に、内部プレナム容積208のその外周を規定し得る。
【0066】
図5に示され、前述のように、ある実施形態では、温度制御流体がそれぞれ内部プレナム容積208に、及びそこから送られることを可能にする入口通路230及び出口通路232が提供され得る。図5の例に示されるように、入口通路230及び出口通路232は両方とも、2つの隣接する第2試薬リザーバー212の側壁の部分によって規定される(この例では、第2試薬リザーバー212の1つは、入口通路230及び出口通路232との間に挟まれ、従って、第2試薬リザーバー212の側壁の部分は、入口通路230及び出口通路232の両方を部分的に規定するが、他のある実施形態では、入口通路230及び出口通路232は、それらが、少なくとも部分的に、完全に異なる第2試薬リザーバー212の側壁によって規定されるように配置されている)。第2試薬リザーバー212が特定の温度感受性を有し得る試薬216を含んで成る場合、そのような第2試薬リザーバー212は、ある実施形態では、温度制御流体が内部プレナム容積208に入り第1試薬リザーバー210に到達する前に、そのような第2試薬リザーバー212により温度制御流体が通過するように、入口通路230に直接隣接して配置され得る。そのような配置を通して、すなわち、そのような第2試薬リザーバー212の側壁214の部分を、第1カートリッジ204に導入された温度制御流体に曝露することによって、温度制御流体が通り過ぎ周りを流れる残りの試薬リザーバーと熱を交換する際に、温度制御流体がカートリッジ204を通って流れ続けて冷却又は加熱する際に、そのような温度制御流体が有する温度と比較して、そのような第2試薬リザーバー212によって流れる際、温度制御流体は最高(加熱に使用される場合)又は最低(冷却に使用される場合)の温度を有する。これは、より大きな温度差として、そのような第2試薬リザーバー212のより正確な加熱又は冷却を可能にし得て、したがって、そのような第2試薬リザーバー212と温度制御流体との間の熱流は、第1試薬リザーバーを同程度の熱流に付することなしに可能となり得る。これは、そのような第2試薬リザーバー212が、第1試薬リザーバー210内のものと比較してより高い又はより低い温度に保たれるべき試薬を収容すること、及び/又はそのような第2試薬リザーバー212が第1試薬リザーバー210よりも大量の試薬を含むことを可能にし得る。
【0067】
ある実施形態では、入口通路及び/又は出口通路がない場合があることが理解されよう。例えば、ガス入口220及び/又はガス出口222は、単に内部プレナム容積内の位置で終端し得て、したがって、そのようなガス入口220及び/又はガス出口222と内部プレナム容積との間の直接流体接続を提供し得る。いくつかのそのような実施形態(及び、さらに言えば、入口通路及び/又は出口通路を有する実施形態)において、ガス入口220及び/又はガス出口222は、必要に応じて、第1試薬リザーバー210の最小の囲み周囲の外側に位置する場所に配置され得る。本明細書で使用されるフレーズとして、1つ以上のアイテム(2つ以上の第1試薬リザーバー210等)の最小の囲み周囲は、アイテムを取り囲み、エッジの全長(周囲)が最小である多角形又は他の形状を指す。1つ以上のアイテム内の全てのアイテムは、完全に最小の囲みの周囲にあるが、最も外側のアイテムは、最小の囲みの周囲と一致するエッジを持っている場合があり、すなわち最小の周囲に触れる場合があり、一部のアイテムは完全に最小の囲みの周囲にある場合があり、最小の周囲にもまったく触れない場合もある。
【0068】
図6Aから6Dは、温度制御可能なカートリッジの試薬リザーバーの様々な追加の例示的な配置を示す。図6Aには、それぞれが1つ以上の側壁614によって規定され、それぞれが試薬616を含んで成る6つの第1試薬リザーバー610が示されている。この例では、いくつかの共通の側壁614を共有する3つの第1試薬リザーバー610(図6Aの上部のもの)があるだけでなく、図4及び5のものと同様の自立型の3つの第1試薬リザーバー610(図6Aの下のもの)がある。他の実施形態では、下部の3つの第1試薬リザーバー610は、一番上の第1試薬リザーバー610と同様の方法、又はその逆で構築され得る。一般的に、様々な第1試薬リザーバー610の間に(又は、ある実施形態では、様々な第1試薬リザーバー610と他の構造、例えば、内部プレナム容積608を規定する構造との間に)少なくとも1つの流体フロー通路を有することが望ましい。図6Bに見られるように、複数の第1試薬リザーバー610間の複数の流体フロー通路は、温度制御流体への第1試薬リザーバー610の曝露の増加を可能にし、したがってより良い加熱及び/又は冷却効果を可能にし得る。
【0069】
第1試薬リザーバー610は、内部プレナム容積608内に配置し得て、これは、次に、入口通路630及び出口通路632に流体接続することができ、これは、次に、ガス入口とガス出口(図には示されていないが、図3に関して上記で説明したものと同様である)に、それぞれ、流体接続することができる。温度制御ガスが入口通路630から内部プレナム容積608に導入される際、温度制御ガスは、様々な第1試薬リザーバー610間の流体フロー通路を流れ得るだけでなく、第1試薬リザーバー610と、例えば、内部プレナム容積608の境界を規定する構造等の他の構造との間に規定された追加の流体フロー通路を通って流れ得る。この例では、温度制御ガスの多くは、最も右端の第1試薬リザーバー610に到達する機会の前に、出口通路632によって内部プレナム容積608から引き出され得て、それにより、入口通路630及び出口通路632に最も近い左端の第1試薬リザーバー610と対向するような第1試薬リザーバー610に対する温度制御効果を低減する。したがって、温度制御液に最も晒される。この例では、入口通路630及び出口通路632は両方とも、図5の入口通路230及び出口通路232と同様に、基準円642の共通象限内に少なくとも部分的に配置されている。
【0070】
図6Aの例はまた、代表的な最小の囲み周囲626の描写を含み、これは、概して、2つ以上の第1試薬リザーバーを完全に囲むことができる最小の多角形又は他の形状の周囲である。この例では、最小の囲み周囲626は、内部プレナム容積608内の第1試薬リザーバー610の全て囲んでおり、ならびに(入口通路630及び出口通路632の近くに配置されるガス入口及びガス出口)は、最小の囲み周囲626の外側に位置する(例えば、カートリッジの基面に垂直な、第1試薬リザーバー610間の流体フロー通路を通る流体流れ方向にほぼ垂直な方向で見た場合)。
【0071】
図6Bは、出口通路632が、入口通路630が配置されている場所とは対向する第1試薬リザーバー610の側に配置されていることを除いて、図6Aと同様の配置例を示す。例えば、入口通路630及び出口通路632は互いに180°位相がずれている基準円642の2つの異なる象限内に少なくとも部分的に配置され、それにより、温度制御流体は、概して、全ての第1試薬リザーバー610(温度制御流体の一部は、右端の2つの第1試薬リザーバー610を通過することはない図6Aの配置とは対照的に、)を流れる。
図6Bに示される配置では、左端の第1試薬リザーバー610は、右端の第1試薬リザーバー610よりも多くの加熱又は冷却(第1試薬リザーバー610の温度に対する温度制御流体の温度に依存して)を経験する。この温度勾配は、図6Aの配置よりも目立たない場合がある(又は明確ではない;less pronounced)。
【0072】
図6Cは、長方形の配置ではなく、ほぼ六角形の配置で配置された7つの第1試薬リザーバー610があることを除いて、図6Aと同様の別の例示的な配置を示す。この例では、入口通路630及び出口通路632は両方とも、概して、第1試薬リザーバー610の同じ側に配置され、例えば、入口通路630及び出口通路632は、両方とも、少なくとも部分的に、共通象限内に配置される。基準円642は、右端の第1試薬リザーバー610よりも左端の第1試薬リザーバー610の優先的な冷却又は加熱をもたらし得る。この場合も、ガス入口及びガス出口(図示せず)は、図6Cの第1試薬リザーバー610の最小の囲み周囲626の外側に配置され得る。
【0073】
図6Dは、出口通路632が、入口通路630が配置されている場所とは対向する第1試薬リザーバー610の側配置されていることを除いて、図6Cと同様の別の例示的な配置を示す。例えば、入口通路630及び出口通路632はそれぞれ、互いに180°位相がずれている基準円642の2つの異なる象限内に少なくとも部分的に配置され、それにより、温度制御流体は、概して、全ての第1試薬リザーバー610(温度制御流体の一部は、右端の第1試薬リザーバーを通過して流れることはない図6Cの配置とは対照的に)を流れ過ぎる。図6Dに示される配置では、左端の第1試薬リザーバー610は、右端の第1試薬リザーバー610よりも多くの加熱又は冷却(第1試薬リザーバー610の温度に対する温度制御流体の温度に依存して)を経験する。この温度勾配は、図6Aの配置よりも目立たない場合がある。
【0074】
上記の議論は、概して、ガス入口及びガス出口が、カートリッジ用の全ての第1試薬リザーバーの最小の囲み周囲の外側に位置する実施形態に焦点を合わせているが、他の実施形態は、所定のカートリッジ内の第1試薬リザーバーのいくつかのみの最小の囲み周囲の外側に位置するが、依然カートリッジ内の第1試薬リザーバーの可変な加熱および/又は冷却をもたらす場所にある、ガス入口およびガス出口を特徴とし得ることが理解される。例えば、ある実施形態では、ガス入口は、所与のカートリッジ内の全ての第1試薬リザーバーの最小の囲み周囲内に配置され得るが、それらの第1試薬リザーバーのサブセットの最小の封入周囲の外側に、例えば図6Cに関して、2つの最上部の第1試薬リザーバー610の間の、12時の位置で、及び示されている7つの第1試薬リザーバー610の最小の囲み境界内に、配置され得る。このような場所は、5つの下部の第1試薬リザーバー610によって規定された異なる最小の囲み周囲の外側にある。
【0075】
上記の議論の焦点は、本明細書で論じられるカートリッジの特徴、例えば、試薬リザーバーの構造的配置、ならびに試薬カートリッジのガス入口及びガス出口に主に焦点が当てられてきたが、そのようなカートリッジは、そこに含まれる試薬の温度制御を提供するための温度制御流体の供給源への接続に依存する。以下の議論は、そのような温度制御流体を本明細書で議論されるカートリッジに提供するために使用され得るタイプの温度制御システムの様々な例に関する。
【0076】
図7は、分析機器のための例示的な温度制御システムを示す。この例では、図示されている温度制御システム250は、図2と同じ温度制御システムであるが、他のタイプの温度制御システムが、本明細書で論じられるカートリッジでも使用できることが理解されるであろう。
【0077】
温度制御システム250は、2つの概して別個のプレナム、すなわち、ガス供給ポート252及びガス戻りポート254と流体接続され得る再循環プレナム264、ならびに例えば周囲環境又ははるかに大きい、例えば、カートリッジ204内の試薬リザーバーから抽出されるか又は試薬リザーバーに供給される加熱(heat)用のヒートシンク及び熱源として使用される及び機能し得る、温度制御流体の体積よりも数桁大きい、流体の容積、と流体接続され得る周囲プレナム274を有して成り得る。
【0078】
再循環プレナム264は、概して、温度制御流体を再循環プレナム264のプレナム入口266から再循環プレナム264のプレナム出口268に輸送する1つ以上のダクトからなり得る。再循環プレナム264を通る温度制御流体の流れを容易にするため、温度制御システム250はまた、この例では、再循環プレナム264のプレナム入口266を通してガスを吸い込み、次いで再循環プレナムの大部分を形成するダクトを通してガスを推進する、又は促す、インペラ、又はブロワーファンである。例えば、第1流体ポンプ270は、再循環プレナム264のプレナム入口266と再循環プレナムのプレナム出口268との間に流体的に介在され得る。他の実施形態では、必要に応じて、他の形態の流体ポンプ、例えば、プロペラベースのポンプ、容積式ポンプ、蠕動ポンプ等を代わりに使用することができる。
【0079】
周囲プレナム274のためのプレナム入口(図示していないが、この例では、再循環プレナム264のプレナム入口266から温度制御システム250と対向する側に位置する開口部)があり得る。周囲プレナム274のプレナム入口は、例えば、第2流体ポンプ280の吸気口であり得て、これは、例えば、別のインペラ又はブロワーファンであり得る。第2流体ポンプ280は、周囲流体、例えば、周囲空気が、周囲プレナム274のプレナム入口から、周囲プレナム274を通って、次いで、周囲プレナムのプレナム出口278を通って送り出されるように成り得る。第1流体ポンプ270と同様に、第2流体ポンプ280は、対応して、周囲プレナム274のプレナム入口276と周囲プレナムのプレナム出口278との間に流体的に介在され得る。
【0080】
図示されたもの等のある実施形態では、再循環プレナム264及び周囲プレナム274は、それらの少なくとも一部について、共通の壁を共有するか、あるいは、熱電ヒートポンプ284の主要な対向面がそれぞれ再循環プレナム264又は周囲プレナムのいずれかに面するように、再循環プレナム264と周囲プレナム274との間に挿入され得るように、概して平面である熱電ヒートポンプ284が十分に近接した表面を有するように配置され得る。これにより、熱電ヒートポンプ284は、一方のプレナムから他方のプレナムに熱を送り出すことができる。温度制御システム250内の温度は、1つ以上のセンサー、例えば、温度センサー286、及び所望の程度の再循環プレナム264を循環する温度制御流体の加熱又は冷却を達成するために、熱電ヒートポンプ284の適切な動作を容易にするコントローラーによって使用される、温度センサー286のデータを使用して監視され得る。
【0081】
図示の例では、再循環プレナム264は、第1流体ポンプ270の下流の3つの別個のダクト又はダクト領域に分離する。これらの3つのダクト又はダクト領域は、温度制御流体の流れ方向にほぼ垂直であり、U字形として描写され得る熱電ヒートポンプ284の近くにおいて、平面における断面を有する。この例の周囲プレナム274は、同じ領域及び平面において、同様であるが、より大きな、概してU字形の断面を示す。これにより、再循環プレナム264のダクトを、熱電ヒートポンプ284が2組のダクトの間に挟まれた状態で、周囲プレナム274のダクト内に嵌め込むことができる。これは、図8によく示されている。
【0082】
図8は、部分的に分解された形態の図7の例示的な温度制御システムを示している。図8に見られるように、温度制御システム250は、3つの主要なサブアセンブリに分離されている。右端のサブアセンブリは、第1流体ポンプ270及び第2流体ポンプ280、ならびに再循環プレナム264及び周囲プレナム274のためのプレナム入口を有して成る。中央のサブアセンブリは、前段落で説明した断面を形成するように配置された様々なダクト及び熱電ヒートポンプ284(左側のこのサブアセンブリの露出した端から見える)を有して成る。左端のサブアセンブリには、再循環プレナム264及び周囲プレナム274のプレナム出口を有して成る。
【0083】
図8では、温度制御ユニットがアクティブである際の再循環プレナムを通る再循環流体、すなわち温度制御流体の流れは、濃い色の矢印を使用して示されている。周囲プレナム274を通る周囲流体、例えば空気の流れは、明るい影付きの矢印で示されている。図示のように、温度制御流体と周囲流体の両方の流れは、使用されるダクト配置によって3つの部分に分割され、温度制御流体は、フローパスの内側に嵌め込まれたフローパスに拘束(又は制約、又は抑制、又は束縛;constrain)され、その後に、熱電ヒートポンプ284が占める領域内の周囲流体が続く。カートリッジの試薬を冷却するために冷却された温度制御流体を循環させるために使用される温度制御システムでは、そのような配置は、再循環プレナム264の露出された外表面積の量を減少させ、したがって露出された「冷却」表面積の量を減少させるため、有益であり得る。これは、その露出した外面に集まる可能性があり、分析機器への起こり得る湿気による損傷を防ぐために処分する必要がある、温度制御システム250を取り巻く周囲環境からの結露の量の減少につながる可能性がある。これは、そのような例示的な温度制御システム250を特徴とする分析ユニットが、周囲湿度が高い環境で操作される場合に特に有益であり得る。そのような配置はまた、ダクトがより直線的に配置されるシステム、例えば、単一ラインに沿って配置される再循環プレナム及び周囲プレナムのための単一又は複数のダクトと比較して、非常にコンパクトな温度制御システム250を可能にする。
【0084】
図9は、図7の例示的な温度制御システムの断面図を示している。図9では、再循環プレナム264及び周囲プレナム274のダクトのU字形の配置が、より明確に明らかであり、そのようなダクトの間に介在され、そのようなダクトの共通の壁を形成する熱電ヒートポンプ284である。図示のように、各熱電ヒートポンプ284は、再循環プレナム264ダクトと対応する周囲プレナム274ダクトとの間に挟まれている。熱電ヒートポンプ284を選択的に制御することにより、代わりに温度制御流体の加熱が望まれる場合、温度制御流体を冷却するために、又はその逆のために、再循環プレナム内の温度制御流体から周囲プレナム274を通って流れる周囲流体へと熱を流すことができる。温度制御流体又は周囲流体と熱電ヒートポンプ284との間の熱伝達を容易にするために、各熱電ヒートポンプ284は、1つ以上のラジエーター構造、例えば、それらが収まる容積の表面積に対して(例えば、描写されたラジエーター構造は、それらが収まるダクトの容積の表面積の10倍を超える露出表面積を有することができる)相対的な露出表面積が大きく、周囲流体と熱電ヒートポンプ284との間の熱伝達を促進するための、銅、アルミニウム、又はそれらの合金等の高い熱伝導率を有する材料で構築された構造と熱伝導接触していてもよい。図9では、第1ラジエーター構造272は、再循環プレナム264内に位置づけられ、及び再循環プレナム264に面する熱電ヒートポンプ284の側面と熱伝導性に接触し得る。第2ラジエーター構造282は、周囲プレナム274内にあり、周囲プレナム274に面する熱電ヒートポンプ284の側面と熱伝導接触し得る。図示のように、この例のラジエーター構造は、アコーディオン折り畳み(accordion-folded)、ベローズ折り畳み(bellows-folded)、再帰的折り畳み(recursively fold)、又はラジエーター構造の一方の側に沿うシート折り畳みに沿って熱電ヒートポンプ284に接触するプリーツ状の材料の薄板を有して成る。ある実施形態では、熱伝導性グリース又は接着剤等のインターフェース材料を、ラジエーター構造と熱電ヒートポンプ284との間に挟んで、このインターフェースに亘る熱輸送を強化することができる。他の実施形態では、そのようなラジエーター構造は、例えば、はんだ付け、ろう付け、又は熱伝導性接着剤を介して、そのようなプリーツ構造と結合された薄い外板を有し得る。次いで、外皮は、熱電ヒートポンプ284と熱伝導接触するように配置され得る。
【0085】
図10Aから10Dは、様々な例示的な温度制御システムのための様々な追加のプレナム構成を示している。再循環プレナム264及び周囲プレナム274の他の配置もまた、例えば、図#JAAから10Dに示されるように、望ましい結露防止性能及び/又はよりコンパクトな包装体積を提供し得ることが理解されるであろう。図10Aから10Dは、例えば、ラジエーター構造の近くの再循環プレナム264及び周囲プレナム274の様々な代替配置を示す簡略化された断面図である。
【0086】
図10Aは、例えば、周囲プレナム1074が連続的な「U」形状を形成し、その中に嵌め込まれた再循環プレナム1064が「O」形状を形成する、すなわち、図9の例の場合のように、その中に中空又はウェルを有さない配置を示す。これは、再循環プレナム1064の外部に露出された領域をさらに減少させ、したがって、温度制御システムが冷却に使用される場合、外面に結露が形成される可能性をさらに減少させ得る。図示のように、熱電ヒートポンプ1084は、図9の配置と同様に、再循環プレナム1064と周囲プレナム1074との間に配置することができる(これらの図にはラジエーター構造は示されていないが、同様に図9で実施された方法と同様の方法である)。
【0087】
図10Bは、周囲プレナム1074がO字型であり、概して再循環プレナム1064の周りに完全に延在し、したがって再循環プレナム1064の潜在的に露出した外面をさらに低減することを除いて、図10Aと同様の配置を示す。したがって、結露が発生する可能性がさらに低くなる。この例の熱電ヒートポンプ1084は、再循環プレナム1064の4つの側面全てに隣接しており、図10Aに示す例よりもさらに多くの熱伝達能力を提供する。
【0088】
図10Cは、図10Aのものと同様であるが、周囲プレナム1074が複数のダクトに分割されている実施形態を示している。この配置は、図9に示されるものと非常に類似している。図10Dは、再循環プレナム1064が環状の側面を有し得て、例えば、中空空間を取り囲むダクトを有し得て、周囲プレナム274が、それぞれが再循環プレナム1064の異なる側に隣接している複数のダクトに分割され得る例を示す。
【0089】
他の実施形態は、再循環プレナム1064及び周囲プレナム1074の異なる断面形状を特徴とし得ることが理解され、本開示は、図に示される変形のみに限定されるべきではない。
【0090】
図11は、図7の温度制御システムの断面図を示している。図11は、温度制御システム250内の流体の流れ、ならびに以前に議論されていないいくつかの特徴に関して追加の明確さを提供し得る。図示のように、再循環プレナム264及び周囲プレナム274は、ある実施形態では、熱電ヒートポンプ284に隣接するか又はその近くの領域で一体になり、共通の壁を共有し得、一方、熱電ヒートポンプ284は、同時に、その共有された共通の壁の一部を提供し得る。ある実施形態では、再循環プレナム264及び周囲プレナム274を形成するダクトは、そのようなプレナムが共通の壁を共有する熱電ヒートポンプ284を有して成る小さな領域のみが存在するように配置され得る。周囲プレナム274及び再循環プレナム264の残りの部分は、2つのプレナム間で共有されていない壁によって規定され得る。これは、熱が高温プレナムから低温プレナムに流れる可能性を低減し、これは概して、熱電ヒートポンプ284の動作を妨げるように働く。
【0091】
図11には、周囲プレナム入口276、再循環プレナム入口266及び再循環プレナム出口268にある温度センサー286、及び再循環プレナム入口266の間にあるほぼ円錐形の拡張ノズルの二重壁部分292も図示している。温度制御流体が再循環プレナム入口266から引き出される際、結果として生じる体積の膨張は、温度の突然の低下を引き起こし得る。この領域で二重壁を使用することにより(例えば、二重壁を使用する場合、この領域の全周、又は任意でその一部のみに広がる可能性がある)、このノズル領域の外側で結露が発生する可能性が減少する。図11に見られる別の特徴は、複数の第1排出穴294を有して成る湿度制御ポートである。この特徴は、湿度制御ポートを特徴とする図7の一部の図を示す図12及び13でより詳細に説明される。
【0092】
本明細書に記載される、温度制御システム及び関連するカートリッジは、概して温度制御流体を再循環させるように構成され得る。カートリッジ内の第1試薬リザーバーを液体温度制御流体にさらすことが望ましくない実施形態では、例えば、カートリッジが容易に漏れを止められない場合や、液体温度制御流体が試薬リザーバーを例えば、存在する可能性のある通気孔を通して、汚染する可能性があるため、液体のものの代わりに気体の温度制御流体を利用し得る。そのような実施形態において、温度制御システム250の外面での結露を防止又は低減することが望ましいだけでなく、再循環プレナム264内の結露を防止又は低減することも望ましい場合がある。そのような結露は使用中にカートリッジ204に集まり、汚染又はカートリッジから分析機器への漏れなどの他の問題が存在し得るようになる。多くの実施形態において、例えば、ハウジングを通る機械的インターフェース、使用される構築技術(例えば、気密ではないスナップ式ハウジング)及びその他の考慮事項のために、カートリッジを通る温度制御流体フローパスを完全に密封することは実行可能で成り得ない。その結果、使用中に、空気等の温度制御流体の一部がカートリッジ及び/又は温度制御システムから漏れ得る。
逆に、使用中にも周囲の空気がカートリッジと温度制御システムに漏れ得る。したがって、カートリッジ及び温度制御システム内の温度制御流体の湿度を制御することは困難であり得る。温度制御流体が最初に清浄な乾燥空気として提供されたとしても、例えば時間の経過とともに、より多くの空気と周囲空気のような湿度をもたらされるものが組み込まれる。図11に湿度制御ポートが部分的に見える(第1排出穴294は、再循環プレナム264内の湿度制御ポートの位置を示す)。
【0093】
図12及び13に示すように、湿度制御ポートは、再循環プレナム264の壁の1つに提供され得る。一般的に、湿度制御ポートは「床」面、つまり重力によって水分が集まる面に配置することが望ましい。温度制御ポートを横切って流れる温度制御流体が概して温度制御システムの他の場所よりも低い温度になるように、熱電ヒートポンプ284の「下流」に湿度制御ポートを配置することが望ましい場合もある(それにより、温度制御流体内の水分が湿度制御ポートの近くの再循環プレナム264の表面に凝縮する機会が増加する)。同じ領域を通過して流れる周囲の流体の温度が上昇し、その結果、そのような水分が急速に蒸発する(この説明は、カートリッジの冷却に使用される温度制御システムに関連するが、概して加熱目的に使用されるシステムには関連しないことが理解される)。
【0094】
湿度制御ポートは、例えば、2つのパネル、プレート、又は他の同様の表面がそれぞれ、それを通過する1つ以上の排出穴を有し得る構造を特徴とし得る。例えば、再循環プレナム264の一部を規定する、あるプレートは、複数の第1排出穴294を有し得て、周囲プレナム274の一部を規定する別のプレートは、その中に複数の第2排出穴を有し得る。2つのプレートは、第1排出穴294及び第2排出穴296が、プレートに垂直な方向に沿って見た際に互いに重なり合わないように配置し得る。したがって、2つのプレートを通る気体又は液体の流れは、最初に第1排出穴294を通って流れ、次に2つのプレートの間に挟まれた容積内で横方向に流れ、次に第2排出穴296から出ることができる。冷却に使用される温度制御システムでは、周囲プレナム274の第2排出穴296を通過して流れる周囲空気は、温度が上昇し、したがって、存在する水分の蒸発を促進し得る。次に、蒸発した水分を含む周囲空気は、周囲プレナム274から流出した後、周囲環境に戻し得る。
【0095】
このような湿度制御ポートはまた、2つのプレートの間に挟まれたウィッキング(又は毛細管、又は吸い上げ)材料298の層を有して成り得て、それにより、2つのプレートをウィッキング材料298の厚さだけ離隔して配置し、第1排出穴からのフローパスを提供する。ウィッキング材料298は、例えば、ポリプロピレン等の繊維状材料、例えば、熱的に結合されたポリプロピレン繊維のシートを使用することができる。ウィッキング材料の厚さは、比較的薄く、例えば、ミリメートル程度のオーダーであり得るので、それによって提供されるフローパスは、第1排出穴を通る温度制御流体の流れを妨げるように、比較的高い流れ抵抗を有する。一般的に、湿度ポートに集まる液体は、第1排出穴294を通ってウィッキング材料298に排出され、毛細管現象によって第2排出穴296に吸い上げられ、次いでより暖かい周囲空気の流れによって第2排出穴から蒸発する。そのような配置は、温度制御流体から過剰な水分を効率的に除去することを提供する。
【0096】
図14から19は、分析機器のための別の例示的な温度制御システムを示す。この例では、図示されている温度制御システム1450は、図2の温度制御システムとは異なるが、温度制御システム1450は、多くの点で同様の機能を提供し得ることが理解されるであろう。
【0097】
図14は、ガス供給ダクト1456及びガス戻りダクト1458を備えた温度制御システム1450を示しており、これらは、例えば、カートリッジを通して冷却空気を循環させるために分析機器のカートリッジと流体接続され得る。
【0098】
図11は、温度制御システム1450の部分分解図を示している。図11に示すように、温度制御システム1450は、4つの主要なサブアセンブリに分離されている。左端のサブアセンブリは、第1流体ポンプ1470及び第2流体ポンプ1480、ならびに再循環プレナム1464及び周囲プレナム1474(第1プレナム入口1466等)のためのプレナム入口を有して成る。周囲プレナム1474のプレナム入口は、単に第2流体ポンプ1480の上部の開いた穴であり得る。左中央のサブアセンブリは、周囲プレナムの2つの部分の間に挟まれた再循環プレナムの一部の断面スタックを形成するように配置された様々なダクトを有して成り得る。右中央のサブアセンブリは、熱電ヒートポンプ1484、第1ラジエーター構造1472、及び第2ラジエーター構造1482を有して成る。右端のサブアセンブリは、再循環プレナム1464及び周囲プレナム1474、例えば、再循環プレナム出口1468及び周囲プレナム出口1478のためのプレナム出口を有して成る。温度制御システム1450と同様に、温度制御システム1450の性能の様々な態様を監視するために、様々な温度センサー1486を有して成り得る。
【0099】
図16は、温度制御システム1450の等角部分断面図を示す。図16では、第2流体ポンプ1480からの空気は、周囲プレナム1474に向けられ得て、そこで、熱電ヒートポンプ1484と熱伝導接触している可能性がある第2ラジエーター構造1482を通って流れる前に、例えば、2つの概して平行な流体に分割され得る。次に、周囲空気は、周囲プレナム出口1478から流出する前に、周囲プレナム1474の残りの部分を通って流れ得る。
【0100】
同時に、再循環空気又は他の温度制御流体は、第1流体ポンプ1470によって再循環プレナム1464を通って流れ、例えば、再循環プレナム入口1466を通って、再循環プレナム1464を通って、第1ラジエーター構造1472(図示されていな)を通って、そして再循環プレナム出口1468を経由して温度制御システム1450から出て、温度制御システム1450に引き込まれる。
【0101】
図17に示されるように、周囲空気が周囲プレナム1474を通って流れている間、空気(又は他のガス又はガス混合物)は、第1流体ポンプ1470によって再循環プレナム1464を通って流れることができる。これにより、流体を第1ラジエーター構造1472を通って流すことができ、それにより、熱電ヒートポンプ1484は、再循環温度制御流体から第2ラジエーター構造1482を介して周囲ガスに熱を伝達することができる。
【0102】
図18及び19は、温度制御システムの同様の図を示しているが、再循環及び周囲ガス流の両方を同時に示す異なる断面図を示している。
【0103】
図14から19の温度制御システムは、温度制御システム1450によって提供されるプレナム構成が単純な周囲再循環周囲スタックとは幾分異なる。例えば、再循環プレナムは、周囲プレナムの2つの部分の間に挟まれている。図示の実施形態では、熱電ヒートポンプ1484は、概して全て同一平面上にあり、すなわち、図10A及び10Bに示されているように「スパン」ヒートポンプに直交するように配置された他の熱電ヒートポンプ間にまたがる熱電ヒートポンプがないようになっている。そのような配置は、より簡単な組み立てを可能にしながら、熱が再循環プレナムの反対側から同時にポンプで送られることを可能にする。
【0104】
例として、図7から9及び11から13又は図14から19の温度制御システムが冷却状況で使用される場合、熱電ヒートポンプ284又は1484は、再循環プレナム264又は1464内にある温度制御流体、例えば空気から熱をポンプで送り、温度制御流体が第1ラジエーター構造272又は1472を通って流れる際に、温度制御流体を例えば~2℃の温度に冷却するように動作する。同時に、熱電ヒートポンプ284又は1484は、その熱を第2ラジエーター構造282又は1482に向けることができ、それにより、周囲プレナム274又は1484を通って流れる周囲空気をはるかに高い温度、例えば40℃から50℃に加熱する。そのような性能により、そのような温度制御システム250は、長期間、例えば24~48時間の連続使用で、最大30℃及び100%の相対湿度の周囲環境で動作する場合でさえ、例えば20℃未満に試薬カートリッジ内の様々な試薬を保つために使用され得る試薬カートリッジ204に冷却空気を提供することができる。例としてのみ、図7~9及び11~13に示すものと同様の1つの実施形態では、使用された熱電ヒートポンプには、伝熱面積がそれぞれ約1200平方mmで、最大熱ポンプ速度がそれぞれ約22Wの3つの熱電ヒートポンプを有して成り、最大毎分2.3立方メートルの周囲流体流量で、最大毎分0.2立方メートルの温度制御流体の流体流量をサポートするために使用された。
【0105】
上記の概念は、「オールインワン」カートリッジである、すなわち、分析機器で使用される唯一の消耗カートリッジである試薬カートリッジの使用を容易にし得ることも理解されよう。そのようなオールインワン試薬カートリッジは、そのような分析に必要な全ての試薬を含んで成るだけでなく、図示されるように、バルブハードウェア(ロータリー・バルブ236等)及び1つ以上のマイクロ流体フロー構造、例えば、フローレーン又は反応領域を有して成るマイクロ流体プレートも有して成り得る。本明細書に開示されるようなカートリッジ内冷却(又は加熱)システムを備えたオールインワン試薬カートリッジを使用することにより、通過しなければならない流体フローパスとして、はるかに少量の試薬を使用で得る。(したがって、その作動流体の量)は、別個の試薬カートリッジを使用するシステムよりもはるかに小さいであろう。本明細書に記載の実施形態は、試薬カートリッジを含むシステムであり得る。カートリッジ・ハウジングは、内部プレナム容積を規定し、分析機器によって受容され、試薬リザーバー第1セットは、カートリッジ・ハウジングの内部プレナム容積内に、少なくとも部分的に位置づけられ、試薬リザーバー第1セットの各試薬リザーバーは、部分的に側壁によって規定され得て、対応する試薬を有して成り得て、及び試薬リザーバー第1セットの第1試薬リザーバーは、第1試薬リザーバーと第2試薬リザーバーの対応する側壁との間に流体フロー通路を形成するために、試薬リザーバー第1セットの第2試薬リザーバーから離隔される。試薬カートリッジはまた、カートリッジ・ハウジングを通り、カートリッジ・ハウジングの内部プレナム容積と流体連通している流体入口もさらに有して成り、試薬カートリッジが分析機器によって受容された際、流体入口は、分析機器の温度制御システムの流体供給ポートを内部プレナム容積と流体接続する。試薬カートリッジはまた、カートリッジ・ハウジングを通り、カートリッジ・ハウジングの内部プレナム容積と流体連通している流体出口を有して成り、試薬カートリッジが分析機器によって受容された際、流体出口は、分析機器の温度制御システムの流体戻りポートを内部プレナム容積と流体接続し、カートリッジの流体入口は、第1試薬リザーバー内の試薬が第1温度にあり、第2試薬リザーバー内の試薬が第1温度とは異なる第2温度にあるように、分析機器の温度制御システムから所定の温度で流体を受容するようになっている。
【0106】
本明細書に記載のシステムのある実施形態において、第1試薬リザーバーは、トリス(ヒドロキシプロピル)ホスフィン、エタノールアミン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、トリス(ヒドロキシメチル)ホスフィン、又はトリス(ヒドロキシメチル)ホスフィン、酢酸、及びEDTA(エチレンジアミン四酢酸)の混合物等の1つ以上の試薬を含んで成る。
【0107】
本明細書に記載のシステムのある実施形態において、流体入口から試薬リザーバー第1セットの第1試薬リザーバーまでのカートリッジ・ハウジング内の最短フローパスは、流体入口から試薬リザーバー第1セットの第2試薬リザーバーまでのカートリッジ・ハウジング内の最短フローパスよりも短い。
【0108】
本明細書に記載のシステムのある実施形態では、流体入口は試薬リザーバー第1セットの最小の囲み周囲の外側に位置づけられる。
【0109】
本明細書に記載のシステムのある実施形態では、試薬リザーバー第1セットは、1つ以上の同心円に沿って配置され、流体入口は、1つ以上の同心円の外側に配置される。
【0110】
本明細書に記載のシステムのある実施形態では、試薬リザーバー第1セットは、カートリッジ・ハウジング内に位置づけられたロータリー・バルブの周りに集団で配置されて、試薬リザーバーの側第1セット内の試薬リザーバーの側壁間に複数の流体フロー通路があり、及び複数の流体フロー通路は、ロータリー・バルブの周りに1つ以上の流体フローパスを提供する。
【0111】
本明細書に記載のシステムのある実施形態では、試薬カートリッジは、流体入口と内部プレナム容積との間に、流体接続し、及び流体的に介在される入口通路をさらに有して成る。
試薬カートリッジはまた、流体出口と内部プレナム容積との間に、流体接続し、及び流体的に介在される出口通路も有して成る。入口通路、出口通路、及び第1試薬リザーバーは、試薬リザーバー第1セットにおける試薬リザーバーの平均中心点を中心とする基準円の共通象限内に少なくとも部分的に全て配置される。
【0112】
本明細書に記載のシステムのある実施形態では、システムは、流体入口と内部プレナム容積との間に、流体接続し、流体的に介在される入口通路をさらに有して成る。そのようなシステムはまた、流体出口と内部プレナム容積との間に、流体接続し、流体的に介在される出口通路を有して成る。そのようなシステムでは、入口通路は、試薬リザーバー第1セット内の試薬リザーバーの平均中心点を中心とする基準円の第1象限内に少なくとも部分的に位置づけられ、出口通路は、基準円の第2象限内に少なくとも部分的に位置づけられ、及び第1象限と第2象限は、平均中心点に中心として互いに180°位相が異なるか、又は互いに実質的に反対である。
【0113】
本明細書に記載のシステムのある実施形態において、システムは、薬リザーバー第2セットが有して成り、試薬リザーバー第2セットの各試薬リザーバーは、対応する側壁によって部分的に規定され、試薬リザーバー第2セットの各試薬リザーバーは、対応する試薬を含んで成る。試薬リザーバー第2セットにおける試薬リザーバー第1サブセット内の試薬リザーバーの2つは、それらの側壁のそれぞれの間に入口通路を形成するために互いに離隔され、入口通路は、流体入口と内部プレナム容積との間を流体接続し、流体的に介在される。
【0114】
本明細書に記載のシステムのある実施形態では、試薬リザーバー第2セットにおける試薬リザーバー第2サブセット内の2つの試薬リザーバーは、それらの側壁のそれぞれの間に出口通路を形成するために互いに離隔され、流体出口は、流体出口と内部プレナム容積との間を流体接続し、流体的に介在され、第1サブセットと第2サブセットは同一でない。
【0115】
本明細書に記載のシステムのある実施形態において、試薬リザーバー第2セットの試薬リザーバーは、内部プレナム容積の外周の周りに配置されて、試薬リザーバー第2セットの試薬リザーバーの少なくともいくつかの側壁の一部分は、少なくとも内部プレナム容積の外周を部分的に規定する。
【0116】
本明細書に記載のシステムのある実施形態では、システムは、温度制御システムを有して成る分析機器をさらに有して成る。温度制御システムは、プレナム入口及びプレナム出口を有する再循環プレナム、再循環プレナムのプレナム入口と再循環プレナムのプレナム出口との間に流体的に介在され、作動時に、再循環プレナムのプレナム入口から再循環プレナムのプレナム出口に向かって、再循環プレナム内の流体を促すようになっている第1流体ポンプ、各熱電ヒートポンプが再循環プレナム内に配置された対応する第1ラジエーター構造と熱伝導接触している1つ以上の熱電ヒートポンプを有して成る。再循環プレナムのプレナム入口は、流体戻りポートと流体接続され、再循環プレナムのプレナム出口は、流体供給ポートと流体接続される。
【0117】
本明細書に記載のシステムのある実施形態では、温度制御システムは、プレナム入口及びプレナム出口を有する周囲プレナムだけでなく、周囲プレナムのプレナム入口とプレナム出口との間に流体的に介在され、作動時に、周囲プレナムのプレナム入口から周囲プレナムのプレナム出口に向かって周囲プレナム内の流体を促すようになっている第2流体ポンプをさらに有して成る。各熱電ヒートポンプはまた、周囲プレナム内に配置された対応する第2ラジエーター構造と熱伝導接触する。
【0118】
本明細書に記載のシステムのある実施形態では、再循環プレナムの少なくとも一部分の再循環プレナムの断面は、周囲プレナムの少なくとも対応する部分の周囲プレナムの対応する断面内に嵌め込まれる。
【0119】
本明細書に記載の別の実施形態は、複数の液体試薬を含む試薬カートリッジを受容するようになっているカートリッジ容器を有して成る分析機器が提供される。温度制御システムはまた、プレナム入口及びプレナム出口を有する再循環プレナム 、プレナム入口及びプレナム出口を有する周囲プレナム、再循環プレナムのプレナム入口と再循環プレナムのプレナム出口との間に流体的に介在され、作動時に、再循環プレナムのプレナム入口から再循環プレナムのプレナム出口に向かって再循環プレナム内の流体を促すようになっている第1流体ポンプ、周囲プレナムのプレナム入口と周囲プレナムのプレナム出口との間に流体的に介在され、作動時に、周囲プレナムのプレナム入口から周囲プレナムのプレナム出口に向かって周囲プレナム内の流体を促すようになっている、第2流体ポンプ、各熱電ヒートポンプが再循環プレナム内に位置づけられた対応する第1ラジエーター構造と熱伝導接触している1つ以上の熱電ヒートポンプ、液体供給ポート、及び液体戻りポートを有して成る温度制御システムを有して成り、再循環プレナムのプレナム入口は流体戻りポートに流体接続され得て、再循環プレナムのプレナム出口は流体供給ポートに流体接続される。
【0120】
本明細書に記載の分析機器のある実施形態では、再循環プレナムの少なくとも一部分の再循環プレナムの断面は、周囲プレナムの少なくとも対応する一部分の周囲プレナムの対応する断面内に嵌め込まれる。
【0121】
本明細書に記載の分析機器のある実施形態において、分析機器は試薬カートリッジをさらに有して成り、試薬カートリッジは内部プレナム容器を規定するカートリッジ・ハウジングを有して成り、カートリッジ・ハウジングは分析機器のカートリッジ容器によって受容され、試薬カートリッジはまた、カートリッジ・ハウジングの内部プレナム容積内に少なくとも部分的に配置された試薬リザーバー第1セットを有し成る。試薬リザーバー第1セットの各試薬リザーバーは、部分的に側壁によって規定され、対応する試薬を有して成り、及び試薬リザーバー第1セットの第1試薬リザーバーは、第1試薬リザーバーと第2試薬リザーバーとの、対応する側壁間に流体フロー通路を形成するために、試薬リザーバー第1セットの第2試薬リザーバーから離隔される。そのような試薬カートリッジはまた、
カートリッジ・ハウジングを通り、カートリッジ・ハウジングの内部プレナム容積と流体連通している流体入口、流体供給ポートを内部プレナム容積と流体接続する流体入口、及びカートリッジ・ハウジングを通り、カートリッジ・ハウジングの内部プレナム容積と流体連通している流体出口、流体戻りポートを内部プレナム容積と流体接続する流体出口、を有して成る。そのような試薬カートリッジでは、カートリッジの流体入口は、第1試薬リザーバー内の試薬が第1温度であり、第2試薬リザーバー内の試薬が第1温度とは異なる第2温度であるように、分析機器の温度制御システムが所定の温度で流体を受容するように設計される。
【0122】
本明細書に記載の別の実施形態は、以下を含む方法が供される。(a)内部プレナム容積を規定するカートリッジ・ハウジング、カートリッジ・ハウジングを通る流体入口、カートリッジを通る流体出口、及びカートリッジ・ハウジングの内部プレナム容積内に少なくとも部分的に位置づけられた試薬リザーバー第1セットを有する試薬カートリッジを供すること。そのような実施において、試薬リザーバー第1セットの各試薬リザーバーは、部分的に側壁によって規定され、対応する試薬を含み、及び試薬リザーバー第1セットの第1試薬リザーバーは、第1試薬リザーバーと第2試薬リザーバーとの、対応する側壁間に流体フロー通路を形成するために試薬リザーバー第1セットの第2試薬リザーバーから離間される。この方法はまた、以下を含み。(b)試薬カートリッジを分析機器に挿入すること、(c)分析機器の温度制御システムの流体供給ポートをカートリッジ・ハウジングの流体入口に接続すること、(d)分析機器の温度制御システムの流体戻りポートをカートリッジ・ハウジングの流体出口に接続すること、及び(e)流体供給ポートから流体入口へ、流体入口からカートリッジ内の内部プレナム容積へ、内部プレナム容積から流体出口へ、及び流体出口から流体戻りポートへ、第1所定の温度の流体を流して、第1試薬リザーバー内の試薬を第1温度とし、第2試薬リザーバー内の試薬を第1温度とは異なる第2温度するために温度制御システムを作動させる。
【0123】
本明細書に記載の方法のある実施形態において、流体入口から2つ以上の試薬リザーバー第1セットの第1試薬リザーバーまでのカートリッジ・ハウジング内における最短フローパスは、流体入口から2つ以上の試薬リザーバー第1セットの第2試薬リザーバーまでのカートリッジ・ハウジング内における最短フローパスよりも短く、及び(e)の工程の実施によって、流体入口から第1試薬リザーバー及び第2試薬リザーバーの両方までそれぞれ、第1試薬リザーバー及び第2試薬リザーバーまでのそれぞれの最短フローパスに沿って、流体を流す。
【0124】
本明細書に記載の方法のある実施において、第1所定の温度は、約0℃~約20℃以内であり、及び第1試薬リザーバーに含まれる試薬は、トリス(ヒドロキシプロピル)ホスフィン、エタノールアミン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、トリス(ヒドロキシメチル)ホスフィン、並びにトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、酢酸、及びEDTA(エチレンジアミン四酢酸)の混合物から成る群から選択される1つ以上を含んで成る。
【0125】
本開示及び特許請求の範囲における序数標識、例えば、(a)、(b)、(c)…等の使用は、そのような順序又はシーケンスが明示的に示されている範囲を除き、特定の順序又はシーケンスを伝達しないものとして理解されるべきである。例えば、(i)、(ii)、及び(iii)のラベルが付いた3つのステップがある場合、特に明記されていない限り、これらのステップは任意の順序で(又は、禁忌でない場合は同時に)実行できることを理解されたい。例えば、ステップ(ii)にステップ(i)で作成された要素の処理が含まれる場合、ステップ(ii)はステップ(i)の後のある時点で発生していると見なすことができる。同様に、ステップ(i)がステップ(ii)で作成された要素の処理を含む場合、その逆を理解する必要がある。
【0126】
「から(to)」の使用、例えば、「カートリッジのガス入口は、温度制御システムからガスを受容することである」の使用は、「なっている」等の言語に置き換えることができることも理解されたい。例えば、「カートリッジのガス入口は、温度制御システムからガスを受容するようになっている」等である。
【0127】
「約」、「ほぼ」、「実質的に」、「名目」等の用語は、量又は同様の定量化可能な特性に関して使用される場合、特に明記されていない限り、指定された値の±10%以内の値を含むと理解されるべきである。
【0128】
本明細書で使用される場合、「1つ以上の<アイテム>の各<アイテム>について」、「1つ以上の<アイテム>の各<アイテム>」等の句は、本明細書で使用される場合、単一アイテムグループと複数アイテムグループの両方を含むと理解する必要がある。つまり、「各…」というフレーズは、プログラミング言語で使用され、アイテムの母集団ふぁ参照されるものの各アイテムを参照するという意味で使用される。例えば、参照されるアイテムの母集団が単一のアイテムである場合、「each」はその単一のアイテムのみを参照する(「each」の辞書規定では、「2つ以上のうちの各々の1つ」を指す用語が頻繁に規定されているにもかかわらず)これらの項目が少なくとも2つ必要であることを意味するものではない。
【0129】
前述の概念の全ての組み合わせ(そのような概念が相互に矛盾しないという条件で)は、本明細書に開示される本発明の主題の一部であると考えられることを理解されたい。特に、本開示の終わりに現れるクレームされた主題の全ての組み合わせは、本明細書に開示された本発明の主題の一部であると考えられる。参照により組み込まれる任意の開示にも現れる可能性のある、本明細書で明示的に使用される用語は、本明細書で開示される特定の概念と最も一致する意味を与えられるべきであることも理解されたい。
【0130】
本明細書の概念は図に関して説明されてきたが、本開示の精神から逸脱することなく、当業者によって多くの修正及び変更を行うことができることが理解されよう。
図1
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