(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-27
(45)【発行日】2024-10-07
(54)【発明の名称】マイクロミキサ
(51)【国際特許分類】
B01J 19/00 20060101AFI20240930BHJP
B81B 1/00 20060101ALI20240930BHJP
B81C 1/00 20060101ALI20240930BHJP
G01N 37/00 20060101ALI20240930BHJP
【FI】
B01J19/00 321
B81B1/00
B81C1/00
G01N37/00 101
(21)【出願番号】P 2021064483
(22)【出願日】2021-04-05
【審査請求日】2023-11-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000106760
【氏名又は名称】CKD株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000001993
【氏名又は名称】株式会社島津製作所
(73)【特許権者】
【識別番号】591159251
【氏名又は名称】信和化工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121821
【氏名又は名称】山田 強
(74)【代理人】
【識別番号】100125575
【氏名又は名称】松田 洋
(72)【発明者】
【氏名】新田 慎一
(72)【発明者】
【氏名】板藤 寛
(72)【発明者】
【氏名】大▲崎▼ 光祥
(72)【発明者】
【氏名】軍司 昌秀
(72)【発明者】
【氏名】小林 宏資
(72)【発明者】
【氏名】奥村 勝弥
【審査官】隅川 佳星
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-113968(JP,A)
【文献】特開2004-167607(JP,A)
【文献】特開2006-102681(JP,A)
【文献】特開2006-255583(JP,A)
【文献】特開2007-50340(JP,A)
【文献】特開2007-155441(JP,A)
【文献】特開2008-93498(JP,A)
【文献】特開2008-290038(JP,A)
【文献】特開2009-18311(JP,A)
【文献】特開2010-162428(JP,A)
【文献】特開2013-136040(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2017-109864(KR,A)
【文献】中国特許出願公開第110534436(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01F 21/00 - 25/90
B01J 10/00 - 19/32
B81B 1/00 - 7/04
B81C 1/00 - 99/00
G01N 35/00 - 37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表側面に非貫通溝により第1流路及び前記第1流路を分割した複数の第1分割流路が形成され、裏側面に非貫通溝により第1合流流路が形成され、前記複数の第1分割流路と前記第1合流流路とを連通させる第1連通流路が形成された第1流路プレートと、
前記第1流路プレートの前記表側面を覆う第1蓋プレートと、
表側面に非貫通溝により第2合流流路が形成され、裏側面に非貫通溝により第2流路及び前記第2流路を分割した複数の第2分割流路が形成され、前記複数の第2分割流路と前記第2合流流路とを連通させる第2連通流路が形成され、前記第1合流流路と前記第2合流流路とが対面して連通するように配置された第2流路プレートと、
前記第2流路プレートの前記裏側面を覆う第2蓋プレートと、
を備えるマイクロミキサ。
【請求項2】
前記複数の第1分割流路は、前記第1流路を分割した複数の第1段流路と、前記第1段流路を分割した複数の第2段流路とを含み、
前記第1連通流路は、前記複数の第1分割流路における前記複数の第2段流路と前記第1合流流路とを連通させ、
前記複数の第2分割流路は、前記第2流路を分割した複数の第1段流路と、前記第1段流路を分割した複数の第2段流路とを含み、
前記第2連通流路は、前記複数の第2分割流路における前記複数の第2段流路と前記第2合流流路とを連通させる、請求項1に記載のマイクロミキサ。
【請求項3】
前記第1合流流路は、前記非貫通溝が形成されていない部分である第1合流残部を複数含み、
前記第2合流流路は、前記非貫通溝が形成されていない部分である第2合流残部を複数含み、
複数の前記第1合流残部と複数の前記第2合流残部とが接合されている、請求項1又は2に記載のマイクロミキサ。
【請求項4】
前記第1流路は、前記非貫通溝が形成されていない部分である第1分割残部を複数含み、
複数の前記第1分割残部は、前記第1蓋プレートに接合され、
前記第2流路は、前記非貫通溝が形成されていない部分である第2分割残部を複数含み、
複数の前記第2分割残部は、前記第2蓋プレートに接合されている、請求項1~3のいずれか1項に記載のマイクロミキサ。
【請求項5】
前記表側面に垂直な方向への投影において、複数の前記第1分割残部と複数の前記第2分割残部とが重なるように、前記第2流路プレートが配置されている、請求項4に記載のマイクロミキサ。
【請求項6】
前記第1流路プレートの外縁部には、前記第1流路の深さ又は前記第1分割流路の深さと等しい深さの溝である第1分割溝が形成され、
前記第1流路プレートの外縁部には、前記第1合流流路の深さと等しい深さであり、且つ前記第1分割溝の深さと異なる深さの溝である第1合流溝が形成されている、請求項1~5のいずれか1項に記載のマイクロミキサ。
【請求項7】
前記第2流路プレートの外縁部には、前記第2合流流路の深さと等しい深さの溝である第2合流溝が形成され、
前記第2流路プレートの外縁部には、前記第2流路の深さ又は前記第2分割流路の深さと等しい深さであり、且つ前記第2合流溝の深さと異なる深さの溝である第2分割溝が形成されている、請求項1~6のいずれか1項に記載のマイクロミキサ。
【請求項8】
前記第2流路プレートの外縁部には、前記第2合流流路の深さと等しい深さの溝である第2合流溝が形成され、
前記第2流路プレートの外縁部には、前記第2流路の深さ又は前記第2分割流路の深さと等しい深さであり、且つ前記第2合流溝の深さと異なる深さの溝である第2分割溝が形成され、
前記第1蓋プレートには、第1蓋貫通孔又は第1蓋流路が形成され、
前記第1蓋プレートの外縁部には、前記第1蓋貫通孔の深さ又は前記第1蓋流路の深さと等しい深さの溝である第1蓋溝が形成され、
前記第2蓋プレートには、第2蓋貫通孔又は第2蓋流路が形成され、
前記第2蓋プレートの外縁部には、前記第2蓋貫通孔の深さ又は前記第2蓋流路の深さと等しい深さの溝である第2蓋溝が形成され、
前記表側面に垂直な方向への投影において、前記第1蓋溝の位置と、前記第1分割溝の位置と、前記第1合流溝の位置と、前記第2合流溝の位置と、前記第2分割溝の位置と、前記第2蓋溝の位置と、がずれている、請求項6に記載のマイクロミキサ。
【請求項9】
前記表側面に垂直な方向への投影において、前記第1分割流路と前記第2分割流路とが交互に配置されている、請求項1~8のいずれか1項に記載のマイクロミキサ。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか1項に記載のマイクロミキサを製造する方法であって、
前記第1流路プレートに、前記第1流路、前記第1分割流路、及び前記第1合流流路を、エッチングにより同時に形成する第1工程と、
前記第2流路プレートに、前記第2流路、前記第2分割流路、及び前記第2合流流路を、エッチングにより同時に形成する第2工程と、
を含む、マイクロミキサの製造方法。
【請求項11】
請求項3に記載のマイクロミキサを製造する方法であって、
前記第1流路プレートに、前記第1流路、前記第1分割流路、及び前記第1合流流路を、エッチングにより同時に形成するとともに、前記第1合流流路を形成すると同時に前記第1合流流路において前記エッチングを行わない部分として、複数の前記第1合流残部を形成する第1工程と、
前記第2流路プレートに、前記第2流路、前記第2分割流路、及び前記第2合流流路を、エッチングにより同時に形成するとともに、前記第2合流流路を形成すると同時に前記第2合流流路において前記エッチングを行わない部分として、複数の前記第2合流残部を形成する第2工程と、
を含む、マイクロミキサの製造方法。
【請求項12】
請求項4に記載のマイクロミキサを製造する方法であって、
前記第1流路プレートに、前記第1流路、前記第1分割流路、及び前記第1合流流路を、エッチングにより同時に形成するとともに、前記第1流路を形成すると同時に前記第1流路において前記エッチングを行わない部分として、複数の前記第1分割残部を形成する第1工程と、
前記第2流路プレートに、前記第2流路、前記第2分割流路、及び前記第2合流流路を、エッチングにより同時に形成するとともに、前記第2流路を形成すると同時に前記第2流路において前記エッチングを行わない部分として、複数の前記第2分割残部を形成する第2工程と、
を含む、マイクロミキサの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレートに流路を形成したマイクロミキサに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プレートを貫通する貫通溝により流体の導入流路が形成された2枚の導入プレートと、2枚の導入プレートの間に配置され、導入流路から受け入れた流体を混合する混合流路が貫通溝により形成された混合プレートと、2枚の導入プレートの導入流路をそれぞれ覆う2枚の蓋プレートと、を備えるマイクロミキサがある(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、流体の混合を促進するためには、導入流路を分割して各導入流路を細くすることが望ましい。しかし、特許文献1に記載のマイクロミキサの導入プレートでは、導入流路同士の間部分の周囲が導入流路(貫通溝)により切断されているため、各導入流路、及び導入流路同士の間部分を細くすると、導入流路同士の間部分の強度を確保することが困難となる。また、マイクロミキサの構成を簡潔にする上では、より少ない枚数のプレートで流路を形成することが望ましい。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その主たる目的は、プレートにおいて各流路、及び流路同士の間部分を細くしても流路同士の間部分の強度を確保することができ、且つより少ない枚数のプレートで流路を形成することのできるマイクロミキサを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための第1の手段は、マイクロミキサであって、
表側面に非貫通溝により第1流路及び前記第1流路を分割した複数の第1分割流路が形成され、裏側面に非貫通溝により第1合流流路が形成され、前記複数の第1分割流路と前記第1合流流路とを連通させる第1連通流路が形成された第1流路プレートと、
前記第1流路プレートの前記表側面を覆う第1蓋プレートと、
表側面に非貫通溝により第2合流流路が形成され、裏側面に非貫通溝により第2流路及び前記第2流路を分割した複数の第2分割流路が形成され、前記複数の第2分割流路と前記第2合流流路とを連通させる第2連通流路が形成され、前記第1合流流路と前記第2合流流路とが対面して連通するように配置された第2流路プレートと、
前記第2流路プレートの前記裏側面を覆う第2蓋プレートと、
を備える。
【0007】
上記構成によれば、第1流路プレートの表側面に、非貫通溝(プレートを貫通しない溝)により、第1流路と、第1流路を分割した複数の第1分割流路とが形成されている。第1蓋プレートは、第1流路プレートの表側面、すなわち第1流路及び第1分割流路を覆っており、第1流路及び第1分割流路を区画している。
【0008】
ここで、複数の第1分割流路は非貫通溝により形成されているため、第1分割流路同士の間部分の周囲は第1分割流路により切断されていない。したがって、各第1分割流路、及び第1分割流路同士の間部分を細くしても、第1分割流路同士の間部分の強度を確保することができる。
【0009】
第1流路プレートの裏側面に、非貫通溝により第1合流流路が形成されている。第1流路プレートには、複数の第1分割流路と第1合流流路とを連通させる第1連通流路が形成されている。このため、第1流路に第1流体を流すことにより、第1流体を、複数の第1分割流路へ分流させた後、第1連通流路を介して第1合流流路へ合流させることができる。
【0010】
同様に、各第2分割流路を細くしても、第2分割流路同士の間部分の強度を確保することができる。また、第2流路に第2流体を流すことにより、第2流体を、複数の第2分割流路へ分流させた後、第2連通流路を介して第2合流流路へ合流させることができる。そして、第2流路プレートは、第1合流流路と第2合流流路とが対面して連通するように配置されている。このため、複数の第1分割流路から第1合流流路へ合流する第1流体と、複数の第2分割流路から第2合流流路へ合流する第2流体とを、互いに連通する第1合流流路及び第2合流流路で混合することができ、第1流体と第2流体との混合を促進することができる。
【0011】
さらに、第1合流流路は第1流路プレートの裏側面に形成され、第2合流流路は第2流路プレートの表側面に形成されている。このため、合流流路を形成するためのプレート(例えば特許文献1の混合プレート)を、第1流路プレート及び第2流路プレートと別に用意する必要がない。したがって、より少ない枚数のプレートでマイクロミキサの流路を形成することができる。
【0012】
第2の手段では、前記複数の第1分割流路は、前記第1流路を分割した複数の第1段流路と、前記第1段流路を分割した複数の第2段流路とを含み、前記第1連通流路は、前記複数の第1分割流路における前記複数の第2段流路と前記第1合流流路とを連通させ、前記複数の第2分割流路は、前記第2流路を分割した複数の第1段流路と、前記第1段流路を分割した複数の第2段流路とを含み、前記第2連通流路は、前記複数の第2分割流路における前記複数の第2段流路と前記第2合流流路とを連通させる。
【0013】
上記構成によれば、第1流路プレートにおいて複数の第1分割流路は、第1流路を分割した複数の第1段流路と、第1段流路を分割した複数の第2段流路とを含んでいる。このため、第1流路が長く続く構成における第1流路内の第1流体の流量分布と比較して、第1段流路内の第1流体の流量分布を小さくすることができる。したがって、複数の第2段流路をそれぞれ流れる第1流体の流量に、差が生じることを抑制することができる。同様に、第2流路プレートにおいて、複数の第2段流路をそれぞれ流れる第2流体の流量に、差が生じることを抑制することができる。
【0014】
そして、第1連通流路は、複数の第1分割流路における複数の第2段流路と第1合流流路とを連通させる。第2連通流路は、複数の第2分割流路における複数の第2段流路と第2合流流路とを連通させる。したがって、第1流路プレートにおいて複数の第2段流路から第1合流流路へ合流する第1流体と、第2流路プレートにおいて複数の第2段流路から第2合流流路へ合流する第2流体とを、より均等に混合することができ、第1流体と第2流体との混合をさらに促進することができる。
【0015】
第3の手段では、前記第1合流流路は、前記非貫通溝が形成されていない部分である第1合流残部を複数含み、前記第2合流流路は、前記非貫通溝が形成されていない部分である第2合流残部を複数含み、複数の前記第1合流残部と複数の前記第2合流残部とが接合されている。
【0016】
上記構成によれば、第1合流流路は、非貫通溝が形成されていない部分である第1合流残部を複数含んでいる。このため、第1合流流路を流れる流体の流れ方向を、複数の第1合流残部により変化させることができ、ひいては第1流体と第2流体との混合をさらに促進することができる。同様に、第2合流流路を流れる流体の流れ方向を、複数の第2合流残部により変化させることができ、ひいては第1流体と第2流体との混合をさらに促進することができる。
【0017】
さらに、複数の第1合流残部と複数の第2合流残部とが接合されているため、マイクロミキサの強度を向上させることができる。したがって、表側面に垂直な方向からマイクロミキサに圧力が作用したとしても、第1合流流路及び第2合流流路の形状を維持し易くなる。また、第1合流流路及び第2合流流路の内部の流体によりマイクロミキサに高圧が作用したとしても、複数の第1合流残部と複数の第2合流残部との接合、及び複数の第1合流残部及び複数の第2合流残部を設けたことによる第1合流流路及び第2合流流路の受圧面積の減少により、マイクロミキサを高耐圧にすることができる。
【0018】
第4の手段では、前記第1流路は、前記非貫通溝が形成されていない部分である第1分割残部を複数含み、複数の前記第1分割残部は、前記第1蓋プレートに接合され、前記第2流路は、前記非貫通溝が形成されていない部分である第2分割残部を複数含み、複数の前記第2分割残部は、前記第2蓋プレートに接合されている。
【0019】
上記構成によれば、第1流路は、非貫通溝が形成されていない部分である第1分割残部を複数含んでいる。このため、第1流路を流れる流体の流れ方向を、複数の第1分割残部により変化させることができる。したがって、第1分割流路から第1合流流路へ合流する第1流体の流れを複雑にすることができ、ひいては第1流体と第2流体との混合をさらに促進することができる。同様に、第2分割流路から第2合流流路へ合流する第2流体の流れを複雑にすることができ、ひいては第1流体と第2流体との混合をさらに促進することができる。
【0020】
加えて、複数の第1分割残部は、第1蓋プレートに接合されているため、マイクロミキサの強度を向上させることができる。したがって、表側面に垂直な方向からマイクロミキサに圧力が作用したとしても、第1流路の形状を維持し易くなる。同様に、表側面に垂直な方向からマイクロミキサに圧力が作用したとしても、第2流路の形状を維持し易くなる。また、第1流路及び第2流路の内部の流体によりマイクロミキサに高圧が作用したとしても、複数の第1分割残部と第1蓋プレートとの接合、及び複数の第1分割残部を設けたことによる第1流路の受圧面積の減少により、マイクロミキサを高耐圧にすることができる。同様に、複数の第2分割残部と第2蓋プレートとの接合、及び複数の第2分割残部を設けたことによる第2流路の受圧面積の減少により、マイクロミキサを高耐圧にすることができる。
【0021】
第5の手段では、前記表側面に垂直な方向への投影において、複数の前記第1分割残部と複数の前記第2分割残部とが重なるように、前記第2流路プレートが配置されている。こうした構成によれば、表側面に垂直な方向からマイクロミキサに圧力が作用したとしても、複数の第1分割残部と複数の第2分割残部とが互いに間接的に支持することができる。したがって、表側面に垂直な方向の圧力がマイクロミキサに作用したとしても、第1流路及び第2流路の形状を維持し易くなるとともに、マイクロミキサを高耐圧にすることができる。
【0022】
第6の手段では、前記第1流路プレートの外縁部には、前記第1流路の深さ又は前記第1分割流路の深さと等しい深さの溝である第1分割溝が形成され、前記第1流路プレートの外縁部には、前記第1合流流路の深さと等しい深さであり、且つ前記第1分割溝の深さと異なる深さの溝である第1合流溝が形成されている。
【0023】
第1蓋プレート、第1流路プレート、第2流路プレート、及び第2蓋プレートを重ねてマイクロミキサを組み立てた状態では、各プレートの流路の深さや各プレートの表裏の正誤を確認することが困難である。
【0024】
この点、上記構成によれば、第1流路プレートの外縁部には、第1流路の深さ又は第1分割流路の深さと等しい深さの溝である第1分割溝が形成されている。このため、マイクロミキサを組み立てた状態であっても、第1分割溝を確認することができ、第1分割溝の深さを確認することにより、第1流路の深さ又は第1分割流路の深さを確認することができる。同様に、マイクロミキサを組み立てた状態であっても、第1合流溝を確認することができ、第1合流溝の深さを確認することにより、第1合流流路の深さを確認することができる。
【0025】
さらに、第1分割溝の深さと第1合流溝の深さとが異なるため、第1流路プレートの表裏を誤って組み立てた場合は、第1流路プレートの表裏と第1分割溝の深さと第1合流溝の深さとの関係から、誤って組み立てたことを把握することができる。
【0026】
第7の手段では、前記第2流路プレートの外縁部には、前記第2合流流路の深さと等しい深さの溝である第2合流溝が形成され、前記第2流路プレートの外縁部には、前記第2流路の深さ又は前記第2分割流路の深さと等しい深さであり、且つ前記第2合流溝の深さと異なる深さの溝である第2分割溝が形成されている。
【0027】
上記構成によれば、第6の手段と同様に、マイクロミキサを組み立てた状態であっても、第2合流溝を確認することができ、第2合流溝の深さを確認することにより、第2合流流路の深さを確認することができる。また、マイクロミキサを組み立てた状態であっても、第2分割溝を確認することができ、第2分割溝の深さを確認することにより、第2流路の深さ又は第2分割流路の深さを確認することができる。
【0028】
さらに、第2合流溝の深さと第2分割溝の深さとが異なるため、第2流路プレートの表裏を誤って組み立てた場合は、第2流路プレートの表裏と第2合流溝の深さと第2分割溝の深さとの関係から、誤って組み立てたことを把握することができる。
【0029】
第8の手段では、
前記第2流路プレートの外縁部には、前記第2合流流路の深さと等しい深さの溝である第2合流溝が形成され、
前記第2流路プレートの外縁部には、前記第2流路の深さ又は前記第2分割流路の深さと等しい深さであり、且つ前記第2合流溝の深さと異なる深さの溝である第2分割溝が形成され、
前記第1蓋プレートには、第1蓋貫通孔又は第1蓋流路が形成され、
前記第1蓋プレートの外縁部には、前記第1蓋貫通孔の深さ又は前記第1蓋流路の深さと等しい深さの溝である第1蓋溝が形成され、
前記第2蓋プレートには、第2蓋貫通孔又は第2蓋流路が形成され、
前記第2蓋プレートの外縁部には、前記第2蓋貫通孔の深さ又は前記第2蓋流路の深さと等しい深さの溝である第2蓋溝が形成され、
前記表側面に垂直な方向への投影において、前記第1蓋溝の位置と、前記第1分割溝の位置と、前記第1合流溝の位置と、前記第2合流溝の位置と、前記第2分割溝の位置と、前記第2蓋溝の位置と、がずれている。
【0030】
上記構成によれば、各プレートの外縁部には、各プレートに形成された各貫通孔又は各流路に対応する各溝が形成されている。そして、表側面に垂直な方向への投影において、各溝の位置が互いにずれている。このため、表側面に垂直な方向への投影において、異なる種類のプレートで互いの位置が一致する溝がある場合は、プレートの種類や、プレートの表裏、プレートの左右を誤って組み立てたことを把握することができる。
【0031】
第9の手段では、前記表側面に垂直な方向への投影において、前記第1分割流路と前記第2分割流路とが交互に配置されている。こうした構成によれば、複数の第1分割流路と複数の第2分割流路とから、互いに連通する第1合流流路及び第2合流流路へ、第1流体及び第2流体を交互に流入させることができるため、第1流体と第2流体との混合をさらに促進することができる。
【0032】
第10の手段は、第1~第9のいずれか1手段に記載のマイクロミキサを製造する方法であって、
前記第1流路プレートに、前記第1流路、前記第1分割流路、及び前記第1合流流路を、エッチングにより同時に形成する第1工程と、
前記第2流路プレートに、前記第2流路、前記第2分割流路、及び前記第2合流流路を、エッチングにより同時に形成する第2工程と、
を含む。
【0033】
上記第1工程によれば、第1流路プレートに、第1流路、複数の第1分割流路、及び第1合流流路をエッチングにより同時に形成する。このため、複数の第1分割流路と第1合流流路とを別々の工程で形成する場合と比較して、複数の第1分割流路と第1合流流路との位置合わせを高精度で行うことができる。したがって、第1分割流路をより細くすることが可能となる。同様に、第2分割流路をより細くすることが可能となる。
【0034】
第11の手段は、第3の手段に記載のマイクロミキサを製造する方法であって、
前記第1流路プレートに、前記第1流路、前記第1分割流路、及び前記第1合流流路を、エッチングにより同時に形成するとともに、前記第1合流流路を形成すると同時に前記第1合流流路において前記エッチングを行わない部分として、複数の前記第1合流残部を形成する第1工程と、
前記第2流路プレートに、前記第2流路、前記第2分割流路、及び前記第2合流流路を、エッチングにより同時に形成するとともに、前記第2合流流路を形成すると同時に前記第2合流流路において前記エッチングを行わない部分として、複数の前記第2合流残部を形成する第2工程と、
を含む。
【0035】
上記第1工程によれば、第1流路プレートに、第1流路、複数の第1分割流路、及び第1合流流路をエッチングにより同時に形成するとともに、第1合流流路を形成すると同時に第1合流流路においてエッチングを行わない部分として、複数の第1合流残部を形成する。したがって、第1合流流路を形成する工程と別に、複数の第1合流残部を形成する工程を行う必要がない。同様に、第2合流流路を形成する工程と別に、複数の第2合流残部を形成する工程を行う必要がない。
【0036】
なお、第1合流流路が貫通溝により形成されている場合は、島状の第1合流残部を形成することができない。これに対して、第1合流流路が非貫通溝により形成されているため、島状の第1合流残部を形成することもできる。同様に、第2合流流路が非貫通溝により形成されているため、島状の第2合流残部を形成することもできる。
【0037】
第12の手段は、第4の手段に記載のマイクロミキサを製造する方法であって、
前記第1流路プレートに、前記第1流路、前記第1分割流路、及び前記第1合流流路を、エッチングにより同時に形成するとともに、前記第1流路を形成すると同時に前記第1流路において前記エッチングを行わない部分として、複数の前記第1分割残部を形成する第1工程と、
前記第2流路プレートに、前記第2流路、前記第2分割流路、及び前記第2合流流路を、エッチングにより同時に形成するとともに、前記第2流路を形成すると同時に前記第2流路において前記エッチングを行わない部分として、複数の前記第2分割残部を形成する第2工程と、
を含む。
【0038】
上記第1工程によれば、第1流路プレートに、第1流路、複数の第1分割流路、及び第1合流流路をエッチングにより同時に形成するとともに、第1流路を形成すると同時に第1流路においてエッチングを行わない部分として、複数の第1分割残部を形成する。したがって、第1流路を形成する工程と別に、複数の第1分割残部を形成する工程を行う必要がない。同様に、第2流路を形成する工程と別に、複数の第2分割残部を形成する工程を行う必要がない。
【0039】
なお、第1流路が貫通溝により形成されている場合は、島状の第1分割残部を形成することができない。これに対して、第1流路が非貫通溝により形成されているため、島状の第1分割残部を形成することもできる。同様に、第2流路が非貫通溝により形成されているため、島状の第2分割残部を形成することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【
図5】第1流路及び第1分割流路を示す拡大斜視図。
【
図7】第1分割流路、第1連通流路、第1合流流路、及び第2合流流路を示す断面斜視図。
【
図8】第2分割流路、第2連通流路、第1合流流路、及び第2合流流路を示す断面斜視図。
【
図11】貫通孔プレートの貫通孔、及び中継流路プレートの貫通孔を示す断面斜視図。
【
図12】貫通孔プレートと第1流入配管との溶接部を示す断面斜視図。
【
図14】貫通孔プレートの他の変更例を示す斜視図。
【
図15】貫通孔プレートの他の変更例を示す斜視図。
【
図16】貫通孔プレート及び中継プレートの変更例を示す断面斜視図。
【
図17】マイクロミキサの変更例の分解上方斜視図。
【
図18】マイクロミキサの変更例の分解下方斜視図。
【
図19】マイクロミキサの他の変更例の分解上方斜視図。
【
図20】マイクロミキサの他の変更例の分解下方斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下、プレートに流路を形成したマイクロミキサに具現化した一実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、マイクロミキサ100を斜め上方から視た分解上方斜視図である。
図2は、マイクロミキサ100を斜め下方から視た分解下方斜視図である。
図1,2に示すように、マイクロミキサ100は、上から順に貫通孔プレート10A,10B、中継流路プレート20、第1流入流路プレート30、第1流路プレート40、第2流路プレート60、第2流入流路プレート80、支持プレート90A,90B,90Cを備え、さらに第1流入配管95A、第2流入配管95B、及び流出配管98等を備えている。
【0042】
プレート10A,10B,20,30,40,60,80,90A,90B,90Cは、例えばステンレス鋼により、矩形板状に形成されている。プレート10A,10B,20,30,40,60,80,90A,90B,90Cの長手方向の長さ(横幅)、及び短手方向の長さ(縦幅)は、互いに等しくなっている。第1流路プレート40及び第2流路プレート60の厚さは、0.05[mm]である。その他のプレートの厚さは、0.15[mm]、すなわち第1流路プレート40及び第2流路プレート60の厚さの3倍の厚さである。プレート10A,10B,20,30,40,60,80,90A,90B,90Cはいずれも、任意の規格や素材メーカの仕様等により定められた汎用的なステンレス鋼の圧延材(板材)から形成されている。
【0043】
貫通孔プレート10A,10Bは、同一のプレートである。貫通孔プレート10A,10Bには、第1流入配管95Aを挿入可能な貫通孔11A、第2流入配管95Bを挿入可能な貫通孔11B、及び流出配管98を挿入可能な貫通孔13が形成されている。第1流入配管95A,第2流入配管95B,流出配管98は、例えばステンレス鋼により、円筒状に形成されている。貫通孔プレート10A,10Bには、ボルト孔14~17が形成されている。なお、ボルト孔14,15を、位置決め用の孔に変更してもよい。以下、その他のプレートにおけるボルト孔14,15に対応するボルト孔も同様である。
【0044】
貫通孔11A,11Bは、貫通孔プレート10A,10Bの長手方向の第1端(一端)寄りの位置に形成されている。貫通孔13は、貫通孔プレート10A,10Bの長手方向における第1端と反対側の第2端(他端)寄りの位置に形成されている。貫通孔11A,11B,13の断面形状は円形である。第1流入配管95A,第2流入配管95B,流出配管98の断面外形(断面形状)は円形である。貫通孔11A,11B,13の内径は、それぞれ第1流入配管95A,第2流入配管95B,流出配管98の外径よりも若干大きくなっている。第1流入配管95A,第2流入配管95B,流出配管98の外径は、同一でもよいし、異なっていてもよい。第1流入配管95A,第2流入配管95B,流出配管98の流路(配管流路)の断面積は、同一でもよいし、異なっていてもよい。
【0045】
中継流路プレート20には、貫通孔21A,21B,23(中継流路)が形成されている。貫通孔21A,21Bは、中継流路プレート20(貫通孔プレート10A,10B)の表側面(
図1,2における上面)に垂直な方向への投影において、それぞれ貫通孔11A,11B,13の中心に一致する位置(貫通孔11A,11B,13に対応する位置)に形成されている。貫通孔21A,21B,23の断面形状は円形である。貫通孔21A,21B,23の内径は、それぞれ第1流入配管95A,第2流入配管95B,流出配管98の外径よりも小さく、それぞれ第1流入配管95A,第2流入配管95B,流出配管98の内径と等しい。第1流入配管95A,第2流入配管95B,流出配管98の内径は、同一でもよいし、異なっていてもよい。中継流路プレート20には、上記ボルト孔14~17に対応する位置にボルト孔24~27が形成されている。
【0046】
第1流入流路プレート30には、貫通孔31A,31B,33(中継流路)、及び非貫通溝32(第1流入流路、流路)が形成されている。貫通孔31A,31Bは、第1流入流路プレート30(貫通孔プレート10A,10B)の表側面に垂直な方向への投影において、それぞれ貫通孔11A,11B,13の中心に一致する位置(貫通孔11A,11B,13に対応する位置)に形成されている。すなわち、貫通孔プレート10A,10Bは、第1流入流路プレート30に重ねて配置され、非貫通溝32(第1流入流路、流路)に対向する位置に貫通孔11Aが形成されている。これにより、第1流入配管95Aの流路(配管流路)が、貫通孔21A,31A(中継流路)を通じて非貫通溝32に接続されている。貫通孔31A,31B,33の断面形状は円形である。貫通孔31A,31B,33の内径は、それぞれ第1流入配管95A,第2流入配管95B,流出配管98の外径よりも小さく、それぞれ第1流入配管95A,第2流入配管95B,流出配管98の内径と等しい。
【0047】
非貫通溝32(
図2参照)は、第1流入流路プレート30の裏側面(
図1,2における下面)に形成されており、第1流入流路プレート30を貫通しない溝である。非貫通溝32は、貫通孔31Aに連通しており、貫通孔31Bの方向へ第1流入流路プレート30の短手方向の中央まで延びている。非貫通溝32の幅は貫通孔31Aの内径よりも大きく、非貫通溝32の深さは貫通孔31Aの内径よりも小さく、非貫通溝32の断面積は貫通孔31Aの断面積と略等しくなっている。第1流入流路プレート30には、上記ボルト孔14~17に対応する位置にボルト孔34~37が形成されている。
【0048】
第1流路プレート40(流路プレート)には、貫通孔41A,41B,43(中継流路)、第1流路51、第1分割流路53,55、及び第1合流流路57が形成されている。貫通孔41A,41Bは、第1流路プレート40(貫通孔プレート10A,10B)の表側面に垂直な方向への投影において、それぞれ貫通孔11A,11B,13の中心に一致する位置(貫通孔11A,11B,13に対応する位置)に形成されている。貫通孔41A,41B,43の断面形状は円形である。貫通孔41A,41B,43の内径は、それぞれ第1流入配管95A,第2流入配管95B,流出配管98の外径よりも小さく、それぞれ第1流入配管95A,第2流入配管95B,流出配管98の内径と等しい。
【0049】
第1流路51、第1分割流路53,55は、第1流路プレート40の表側面に非貫通溝(プレートを貫通しない溝)により形成されている。第1流路プレート40の長手方向において第1流路51の貫通孔41A,41B側(貫通孔43と反対側)の端部は、第1流入流路プレート30の非貫通溝32(
図2参照)に連通している。第1合流流路57(
図2参照)は、第1流路プレート40の裏側面に非貫通溝により形成されている。第1流路51、第1分割流路53,55、及び第1合流流路57の詳細については後述する。第1流路プレート40には、上記ボルト孔14~17に対応する位置にボルト孔44~47が形成されている。
【0050】
なお、貫通孔プレート10A,10B、中継流路プレート20、及び第1流入流路プレート30は、第1流路プレート40の表側面を覆う第1蓋プレートに相当する。
【0051】
第2流路プレート60(流路プレート)には、貫通孔61A,61B,63(中継流路)、第2流路71、第2分割流路73,75、及び第2合流流路77が形成されている。貫通孔61A,61Bは、第2流路プレート60(貫通孔プレート10A,10B)の表側面に垂直な方向への投影において、それぞれ貫通孔11A,11B,13の中心に一致する位置(貫通孔11A,11B,13に対応する位置)に形成されている。貫通孔61A,61B,63の断面形状は円形である。貫通孔61A,61B,63の内径は、それぞれ第1流入配管95A,第2流入配管95B,流出配管98の外径よりも小さく、それぞれ第1流入配管95A,第2流入配管95B,流出配管98の内径と等しい。
【0052】
第2流路71、第2分割流路73,75(
図2参照)は、第2流路プレート60の裏側面に非貫通溝(プレートを貫通しない溝)により形成されている。第2合流流路77(
図1参照)は、第2流路プレート60の表側面に非貫通溝により形成されている。第2流路71、第2分割流路73,75、及び第2合流流路77の詳細については後述する。第2流路プレート60には、上記ボルト孔14~17に対応する位置にボルト孔64~67が形成されている。なお、第2流路プレート60は、第1流路プレート40と同一のプレートであり、第1流路プレート40と表裏が逆に配置されている。
【0053】
第2流入流路プレート80には、非貫通溝82(第2流入流路、流路)が形成されている。非貫通溝82は、第2流入流路プレート80の表側面に形成されており、第2流入流路プレート80を貫通しない溝である。非貫通溝82は、第2流路プレート60の貫通孔61Bに連通しており、貫通孔61Aの方向へ第2流入流路プレート80の短手方向の中央まで延びている。すなわち、貫通孔プレート10A,10Bは、第2流入流路プレート80に重ねて配置され、非貫通溝82(第2流入流路、流路)に対向する位置に貫通孔11Bが形成されている。これにより、第2流入配管95Bの流路(配管流路)が、貫通孔21B,31B,41B,61B(中継流路)を通じて非貫通溝82に接続されている。そして、非貫通溝82は、第2流路プレート60の第2流路71に連通している。すなわち、第2流路プレート60の長手方向において第2流路71の貫通孔61A,61B側(貫通孔63と反対側)の端部は、第2流入流路プレート80の非貫通溝82に連通している。非貫通溝82の幅は貫通孔61Bの内径よりも大きく、非貫通溝82の深さは貫通孔61Bの内径よりも小さく、非貫通溝82の断面積は貫通孔61Bの断面積と略等しくなっている。第2流入流路プレート80には、上記ボルト孔14~17に対応する位置にボルト孔84~87が形成されている。
【0054】
支持プレート90A,90B,90Cは、同一のプレートである。支持プレート90A,90B,90Cには、上記ボルト孔14~17に対応する位置にボルト孔94~97が形成されている。
【0055】
なお、第2流入流路プレート80、及び支持プレート90A,90B,90Cは、第2流路プレート60の裏側面を覆う第2蓋プレートに相当する。
【0056】
これらのプレート10A,10B,20,30,40,60,80,90A,90B,90Cを積層して、隣接するプレート同士を拡散接合(接合)することにより、マイクロミキサ100が製造される。拡散接合に際しては、プレート10A,10B,20,30,40,60,80,90A,90B,90Cが、所定温度に加熱された状態において所定圧力で加圧される。また、貫通孔プレート10A,10Bの貫通孔11A,11B,13に、それぞれ第1流入配管95A,第2流入配管95B,流出配管98が挿入され、貫通孔プレート10A(第1流入流路プレート30及び第2流入流路プレート80から最も離れた貫通孔プレート)に、第1流入配管95A,第2流入配管95B,流出配管98が溶接される。このとき、貫通孔プレート10B及び中継流路プレート20まで、第1流入配管95A,第2流入配管95B,流出配管98が溶接される。
【0057】
次に、
図3~10を参照して、第1流路プレート40について詳細に説明する。なお、第2流路プレート60は、第1流路プレート40と同一のプレートであり、第1流路プレート40を表裏逆に配置したものであるため、説明を省略する。
【0058】
図3は第1流路プレート40の表側面を示す上面図であり、
図4は第1流路プレート40の裏側面を示す下面図である。
【0059】
第1流路プレート40の表側面の略右半分(貫通孔41A,41B側の略半分)には、右側(貫通孔41A,41B側)から順に第1流路51、第1分割流路53、第1分割流路55が形成されている。第1流路51、第1分割流路53,55(流路)は、非貫通溝により形成されている。第1流路51、第1分割流路53,55の深さは等しい。第1流路51は、2つ(複数)の第1分割流路53(第1段流路)に分割(分岐)されている。第1分割流路53は、多数(複数)の第1分割流路55(第2段流路)に分割(分岐)されている。第1流路51の出口における断面積と、2つの第1分割流路53の出口における断面積の合計と、多数の第1分割流路55の出口における断面積の合計とは、略等しい(第1流入配管95Aの流路の面積の1~3倍である)。第1分割流路55(第2段流路)における第1分割流路53と反対側の端部は、第1連通流路56(
図7参照)により上記第1合流流路57に連通させられている。
【0060】
第1流路プレート40の裏側面の略左半分(ボルト孔46,47側の略半分)には、第1合流流路57が形成されている。第1合流流路57は、非貫通溝により形成されている。第1合流流路57の深さは、第1流路51、第1分割流路53,55の深さの半分(略半分)である。第1合流流路57の入口における断面積は、多数の第1分割流路55の出口における断面積の合計と、略等しい(第1流入配管95Aの流路の面積の1~3倍である)。第1流路プレート40の短手方向(縦幅方向)における第1合流流路57の幅は、ボルト孔46,47に近付くほど(貫通孔41A,41Bから離れるほど)、多数の第1分割流路55全体を含む幅から貫通孔43の内径まで徐々に狭くなっている。
【0061】
図5は、第1流路51及び第1分割流路53,55を示す拡大斜視図である。同図に示すように、第1流路51は、複数のボス51aを含んでいる。複数のボス51a(第1分割残部)は、第1流路51において非貫通溝が形成されていない部分である。複数のボス51aは、円板状(円柱状、島状)に形成されている。第1分割流路53は、複数のボス53aを含んでいる。複数のボス53aは、第1分割流路53において非貫通溝が形成されていない部分である。複数のボス53aは、円板状(円柱状、島状)に形成されている。
【0062】
図6は、第1合流流路57を示す拡大斜視図である。同図に示すように、第1合流流路57は、複数のボス57aを含んでいる。複数のボス57a(第1合流残部)は、第1合流流路57において非貫通溝が形成されていない部分である。複数のボス57aは、円板状(円柱状、島状)に形成されている。第1合流流路57における第1流路51側(貫通孔43と反対側)の端部は、第1連通流路56により第1分割流路55に連通させられている。
【0063】
第2流路プレート60は、第1流路プレート40と同一のプレートである。このため、第2流路プレート60は、第1流路51、第1分割流路53、第1分割流路55、第1合流流路57とそれぞれ等しい第2流路71、第2分割流路73(第1段流路)、第2分割流路75(第2段流路)、第2合流流路77を備えている。第2流路プレート60は、複数のボス51a、複数のボス53a、複数のボス57aとそれぞれ等しい複数のボス71a(第2分割残部)、複数のボス73a、複数のボス77a(第2合流残部)を備えている。第2流路プレート60は、第1合流流路57と第2合流流路77とが対面して連通するように配置されている。このとき、表側面に垂直な方向への投影において、複数のボス51aと複数のボス71aとが重なり、複数のボス53aと複数のボス73aとが重なるように、第2流路プレート60が配置されている。
【0064】
そして、第1流路プレート40の複数のボス57aと第2流路プレート60の複数のボス77aとが拡散接合(接合)されている。また、複数のボス51a及び複数のボス53aは、第1流入流路プレート30に拡散接合(接合)されている。複数のボス71a及び複数のボス73aは、第2流入流路プレート80に拡散接合(接合)されている。
【0065】
図7は、第1分割流路55、第1連通流路56、第1合流流路57、及び第2合流流路77を示す断面斜視図である。同図は、第1分割流路55を、第1流路プレート40の短手方向の中央で切断した断面を示している。上記第2分割流路75は、第1流路プレート40(第2流路プレート60)の短手方向において、隣り合う第1分割流路55と第1分割流路55との間に配置されている。すなわち、第1流路プレート40の短手方向(表側面に垂直な方向への投影)において、第1分割流路55と第2分割流路75とは交互に配置されている。第1連通流路56は、第1分割流路55と第1合流流路57とを連通させている。第1流路プレート40の第1合流流路57と第2流路プレート60の第2合流流路77とが、対面して連通している。
【0066】
図8は、第2分割流路75、第2連通流路76、第1合流流路57、及び第2合流流路77を示す断面斜視図である。同図は、第2分割流路75を、第1流路プレート40の短手方向の中央で切断した断面を示している。第1分割流路55は、第2流路プレート60(第1流路プレート40)の短手方向において、隣り合う第2分割流路75と第2分割流路75との間に配置されている。すなわち、第2流路プレート60の短手方向において、第1分割流路55と第2分割流路75とは交互に配置されている。第2連通流路76は、第2分割流路75と第2合流流路77とを連通させている。第1流路プレート40の第1合流流路57と第2流路プレート60の第2合流流路77とが、対面して連通している。
【0067】
図3に示すように、第1流路プレート40の表側面の外縁部には、第1流路51,第1分割流路53,55の深さと等しい深さの非貫通溝(溝)である第1分割溝58A,58Bが形成されている。第1分割溝58Aは第1流路プレート40の短手方向の一端に形成され、第1分割溝58Bは第1流路プレート40の短手方向の他端に形成されている。すなわち、第1分割溝58A,58Bは、第1流路プレート40の上下にそれぞれ第1流入流路プレート30,第2流路プレート60を接合した後においても、側方から視認可能になっている。第1流路プレート40の長手方向において、第1分割溝58Aの位置と第1分割溝58Bの位置とは、ずれている。
図9は、第1分割溝58Aを示す拡大斜視図である。さらに、第1流路プレート40と第2流路プレート60とは、同一のプレートを表裏が逆になるように配置される。そこで、第1分割溝58Aと第1分割溝58Bとを形成することにより、一方の側方からでも第1分割溝58A又は第1分割溝58Bを視認することができ、検査の効率を向上させることができる。
【0068】
図4に示すように、第1流路プレート40の裏側面の外縁部には、第1合流流路57の深さと等しい深さの非貫通溝(溝)である第1合流溝59A,59Bが形成されている。第1合流溝59A,59Bの深さは、第1分割溝58A,58Bの深さの半分(略半分)である。すなわち、第1合流溝59A,59Bの深さは、第1分割溝58A,58Bの深さと異なっている。第1合流溝59Aは第1流路プレート40の短手方向の一端に形成され、第1合流溝59Bは第1流路プレート40の短手方向の他端に形成されている。すなわち、第1合流溝59A,59Bは、第1流路プレート40の上下にそれぞれ第1流入流路プレート30,第2流路プレート60を接合した後においても、側方から視認可能になっている。第1流路プレート40の長手方向において、第1分割溝58Aの位置と第1分割溝58Bの位置と第1合流溝59Aの位置と第1合流溝59Bの位置とは、ずれている。
図10は、第1合流溝59Aを示す拡大斜視図である。
【0069】
第2流路プレート60には、第1分割溝58A,58B、第1合流溝59A,59Bとそれぞれ等しい第2分割溝78A,78B、第2合流溝79A,79Bが形成されている。第2分割溝78A,78Bは、第2流路プレート60の上下にそれぞれ第1流路プレート40,第2流入流路プレート80を接合した後においても、側方から視認可能になっている。第2合流溝79A,79Bは、第2流路プレート60の上下にそれぞれ第1流路プレート40,第2流入流路プレート80を接合した後においても、側方から視認可能になっている。さらに、一方の側方からでも第2分割溝78A(79A)又は第2分割溝78B(79B)を視認することができ、検査の効率を向上させることができる。
【0070】
また、貫通孔プレート10A,10B、中継流路プレート20、及び第1流入流路プレート30には、それぞれ貫通孔11A,11B(第1蓋貫通孔)、貫通孔21A,21B(第1蓋貫通孔)、非貫通溝32(第1蓋流路)が形成されている。貫通孔プレート10A,10B、中継流路プレート20、及び第1流入流路プレート30の外縁部には、それぞれ貫通孔11A,11B、貫通孔21A,21B、非貫通溝32の深さと等しい深さの溝である第1蓋溝が形成されている。
【0071】
同様に、第2流入流路プレート80、支持プレート90A,90B,90Cには、それぞれ非貫通溝82(第2蓋流路)、ボルト孔94~97(第2蓋貫通孔)が形成されている。第2流入流路プレート80、支持プレート90A,90B,90Cの外縁部には、それぞれ非貫通溝82、ボルト孔94~97の深さと等しい深さの溝である第2蓋溝が形成されている。
【0072】
そして、表側面に垂直な方向への投影において、第1蓋溝の位置と、第1分割溝58A,58Bの位置と、第1合流溝59A,59Bの位置と、第2合流溝79A,79Bの位置と、第2分割溝78A,78Bの位置と、第2蓋溝の位置と、がずれている。
【0073】
次に、マイクロミキサ100の製造方法について説明する。
【0074】
各プレートの各貫通孔及び各溝は、ウエットエッチング(エッチング)により形成する。各プレートのエッチングにおいては、各プレートに形成する全ての貫通孔及び溝を同時に形成する。このため、例えば第1流路プレート40の表側面に形成される第1流路51、第1分割流路53,55、第1分割溝58A,58Bの深さは全て等しくなる。
【0075】
また、第1流路プレート40の表側面に第1流路51、第1分割流路53,55、第1分割溝58A,58Bを形成すると同時に、第1流路プレート40の裏側面に第1合流流路57、第1合流溝59A,59Bを形成する。この際に、第1流路プレート40の表側面をエッチングする速度を、第1流路プレート40の裏側面をエッチングする速度の2倍(略2倍)に調節する。
【0076】
同様に、第2流路プレート60の表側面に第2合流流路77、第2合流溝79A,79Bを形成すると同時に、第2流路プレート60の裏側面に第2流路71、第2分割流路73,75、第2分割溝78A,78Bを形成する。この際に、第2流路プレート60の裏側面をエッチングする速度を、第2流路プレート60の面側面をエッチングする速度の2倍(略2倍)に調節する。
【0077】
ここで、第1合流流路57を形成すると同時に第1合流流路57においてエッチングを行わない部分として、複数のボス57aを形成する。また、第1流路51を形成すると同時に第1流路51においてエッチングを行わない部分として、複数のボス51aを形成する。第1分割流路53を形成すると同時に第1分割流路53においてエッチングを行わない部分として、複数のボス53aを形成する。
【0078】
同様に、第2合流流路77を形成すると同時に第2合流流路77においてエッチングを行わない部分として、複数のボス77aを形成する。また、第2流路71を形成すると同時に第2流路71においてエッチングを行わない部分として、複数のボス71aを形成する。第2分割流路73を形成すると同時に第2分割流路73においてエッチングを行わない部分として、複数のボス73aを形成する。
【0079】
その後、プレート10A,10B,20,30,40,60,80,90A,90B,90Cを積層し、各プレートのボルト孔にボルトを挿入してナットにより締結する。加圧機によりこれらのプレートを加圧した状態で、これらのプレートに熱を加えてプレート同士を拡散接合する。ここで、これらのプレートはステンレス鋼の圧延材で形成されているため、表面の平滑性を確保することができ、拡散接合を円滑に行うことができる。
【0080】
作業者あるいはロボット等の生産機械が、貫通孔プレート10Aに第1流入配管95Aを溶接する手順は以下の通りである。なお、貫通孔プレート10Aに第2流入配管95B及び流出配管98を溶接する手順も同様である。
【0081】
図11は、貫通孔プレート10A,10Bの貫通孔11A、及び中継流路プレート20の貫通孔21Aを示す断面斜視図である。貫通孔プレート10A,10Bの各貫通孔11Aに第1流入配管95Aを挿入する。ここで、中継流路プレート20の貫通孔21Aの内径は、第1流入配管95Aの外径よりも小さく、第1流入配管95Aの流路95bの内径と同一である。このため、第1流入配管95Aを、中継流路プレート20における貫通孔21Aの周囲部分に当接させることができる。
【0082】
図12は、貫通孔プレート10A,10Bと第1流入配管95Aとの溶接部Wを示す断面斜視図である。作業者あるいはロボット等の生産機械は、
図11に示したように貫通孔プレート10A,10Bの各貫通孔11Aに第1流入配管95Aを挿入した後に、レーザ溶接により貫通孔プレート10Aに第1流入配管95Aを溶接する。詳しくは、貫通孔プレート10Aの表側面において、貫通孔11Aと第1流入配管95Aとの境界部分にレーザを照射する。そして、レーザの照射位置を貫通孔11Aの周方向に相対的に回転させる。これにより、貫通孔プレート10Aと第1流入配管95Aとが溶融し、溶接部Wが形成される。
【0083】
図1に示すように、上記構成を備えるマイクロミキサ100では、第1流入配管95Aから第1流体が流入し、第2流入配管95Bから第2流体が流入する。このとき、第1流体及び第2流体には100[MPa]以上の圧力が加圧される場合がある。例えば、第1流体は第1薬液(液体)であり、第2流体は第1薬液とは異なる第2薬液(液体)である。
【0084】
第1流体は、順に貫通孔21A,31A、非貫通溝32、第1流路51、第1分割流路53,55、第1連通流路56を通って、第1合流流路57へ流入する。第2流体は、順に貫通孔21B,31B,41B,61B、非貫通溝82、第2流路71、第2分割流路73,75、第2連通流路76を通って、第2合流流路77へ流入する。そして、第1合流流路57と第2合流流路77とが連通しており、第1流体と第2流体とが交互に第1合流流路57及び第2合流流路77へ流入して混合される。第1流体及び第2流体は、徐々に幅が狭くなる第1合流流路57及び第2合流流路77を流れてさらに混合される。混合された第1流体及び第2流体は、順に貫通孔63,43,33,23を通って、流出配管98から流出する。
【0085】
以上詳述した本実施形態は、以下の利点を有する。
【0086】
・複数の第1分割流路53,55は非貫通溝により形成されているため、第1分割流路53,55同士の間部分の周囲は第1分割流路53,55により切断されていない。したがって、各第1分割流路53,55、及び第1分割流路53,55同士の間部分を細くしても、第1分割流路53,55同士の間部分の強度を確保することができる。
【0087】
・第1流路プレート40の裏側面に、非貫通溝により第1合流流路57が形成されている。第1流路プレート40には、複数の第1分割流路53,55と第1合流流路57とを連通させる第1連通流路56が形成されている。このため、第1流路51に第1流体を流すことにより、第1流体を、複数の第1分割流路53,55へ分流させた後、第1連通流路56を介して第1合流流路57へ合流させることができる。
【0088】
・同様に、各第2分割流路73,75を細くしても、第2分割流路73,75同士の間部分の強度を確保することができる。また、第2流路71に第2流体を流すことにより、第2流体を、複数の第2分割流路73,75へ分流させた後、第2連通流路76を介して第2合流流路77へ合流させることができる。そして、第2流路プレート60は、第1合流流路57と第2合流流路77とが対面して連通するように配置されている。このため、複数の第1分割流路55から第1合流流路57へ合流する第1流体と、複数の第2分割流路75から第2合流流路77へ合流する第2流体とを、互いに連通する第1合流流路57及び第2合流流路77で混合することができ、第1流体と第2流体との混合を促進することができる。
【0089】
・第1合流流路57は第1流路プレート40の裏側面に形成され、第2合流流路77は第2流路プレート60の表側面に形成されている。このため、合流流路を形成するためのプレート(例えば特許文献1の混合プレート)を、第1流路プレート40及び第2流路プレート60と別に用意する必要がない。したがって、より少ない枚数のプレートでマイクロミキサ100の流路を形成することができる。
【0090】
・第1流路プレート40において複数の第1分割流路53,55は、第1流路51を分割した複数の第1分割流路53と、第1分割流路53を分割した複数の第1分割流路55とを含んでいる。このため、第1流路51が長く続く構成における第1流路51内の第1流体の流量分布と比較して、第1分割流路53内の第1流体の流量分布を小さくすることができる。したがって、複数の第1分割流路55をそれぞれ流れる第1流体の流量に、差が生じることを抑制することができる。同様に、第2流路プレート60において、複数の第2分割流路75をそれぞれ流れる第2流体の流量に、差が生じることを抑制することができる。
【0091】
・第1連通流路56は、複数の第1分割流路53,55における複数の第1分割流路55(第2段流路)と第1合流流路57とを連通させる。第2連通流路76は、複数の第2分割流路73,75における複数の第2分割流路75(第2段流路)と第2合流流路77とを連通させる。したがって、第1流路プレート40において複数の第1分割流路55から第1合流流路57へ合流する第1流体と、第2流路プレート60において複数の第2分割流路75から第2合流流路77へ合流する第2流体とを、より均等に混合することができ、第1流体と第2流体との混合をさらに促進することができる。その結果、マイクロミキサ100を小型且つ低容量にすることができ、液体クロマトグラフィーに適用した場合に、第1流体と第2流体との混合率を変化させる際の応答性を向上させることができる。
【0092】
・第1合流流路57は、非貫通溝が形成されていない部分であるボス57aを複数含んでいる。このため、第1合流流路57を流れる流体の流れ方向を、複数のボス57aにより変化させることができ、ひいては第1流体と第2流体との混合をさらに促進することができる。同様に、第2合流流路77を流れる流体の流れ方向を、複数のボス77aにより変化させることができ、ひいては第1流体と第2流体との混合をさらに促進することができる。
【0093】
・複数のボス57aと複数のボス77aとが接合されているため、マイクロミキサ100の強度を向上させることができる。したがって、表側面に垂直な方向からマイクロミキサ100に圧力が作用したとしても、第1合流流路57及び第2合流流路77の形状を維持し易くなる。さらに、マイクロミキサ100を高耐圧にすることができ、第1流体及び第2流体を100[MPa]以上の圧力で加圧した場合であっても、マイクロミキサ100が損傷することを抑制することができる。また、第1合流流路57及び第2合流流路77の内部の流体によりマイクロミキサ100に高圧が作用したとしても、複数のボス57aと複数のボス77aとの接合、及び複数のボス57a及び複数のボス77aを設けたことによる第1合流流路57及び第2合流流路77の受圧面積の減少により、マイクロミキサ100を高耐圧にすることができる。
【0094】
・第1流路51は、非貫通溝が形成されていない部分であるボス51aを複数含んでいる。このため、第1流路51を流れる流体の流れ方向を、複数のボス51aにより変化させることができる。したがって、第1分割流路55から第1合流流路57へ合流する第1流体の流れを複雑にすることができ、ひいては第1流体と第2流体との混合をさらに促進することができる。同様に、第2分割流路75から第2合流流路77へ合流する第2流体の流れを複雑にすることができ、ひいては第1流体と第2流体との混合をさらに促進することができる。
【0095】
・複数のボス51aは、第1流入流路プレート30に接合されているため、マイクロミキサ100の強度を向上させることができる。したがって、表側面に垂直な方向からマイクロミキサ100に圧力が作用したとしても、第1流路51の形状を維持し易くなる。同様に、表側面に垂直な方向からマイクロミキサ100に圧力が作用したとしても、第2流路71の形状を維持し易くなる。また、第1流路51及び第2流路71の内部の流体によりマイクロミキサ100に高圧が作用したとしても、複数のボス51aと第1流入流路プレート30との接合、及び複数のボス51aを設けたことによる第1流路51の受圧面積の減少により、マイクロミキサ100を高耐圧にすることができる。同様に、複数のボス71aと第2流入流路プレート80との接合、及び複数のボス71aを設けたことによる第2流路71の受圧面積の減少により、マイクロミキサ100を高耐圧にすることができる。
【0096】
・表側面に垂直な方向への投影において、複数のボス51aと複数のボス71aとが重なるように、第2流路プレート60が配置されている。こうした構成によれば、表側面に垂直な方向からマイクロミキサ100に圧力が作用したとしても、複数のボス51aと複数のボス71aとが互いに間接的に支持することができる。したがって、表側面に垂直な方向の圧力がマイクロミキサ100に作用したとしても、第1流路51及び第2流路71の形状を維持し易くなるとともに、マイクロミキサ100を高耐圧にすることができる。さらに、拡散接合において、圧力が分散することを抑制することができ、接合強度を向上させることができる。
【0097】
・第1流入流路プレート30、第1流路プレート40、第2流路プレート60、及び第2流入流路プレート80を重ねてマイクロミキサ100を組み立てた状態では、各プレート30,40,60,80の流路の深さや各プレート30,40,60,80の表裏の正誤を確認することが困難である。この点、第1流路プレート40の外縁部には、第1流路51及び第1分割流路53,55の深さと等しい深さの溝である第1分割溝58A,58Bが形成されている。このため、マイクロミキサ100を組み立てた状態であっても、第1分割溝58A,58Bを確認することができ、第1分割溝58A,58Bの深さを確認することにより、第1流路51の深さ及び第1分割流路53,55の深さを確認することができる。同様に、マイクロミキサ100を組み立てた状態であっても、第1合流溝59A,59Bを確認することができ、第1合流溝59A,59Bの深さを確認することにより、第1合流流路57の深さを確認することができる。
【0098】
・第1分割溝58A,58Bの深さと第1合流溝59A,59Bの深さとが異なるため、第1流路プレート40の表裏を誤って組み立てた場合は、第1流路プレート40の表裏と第1分割溝58A,58Bの深さと第1合流溝59A,59Bの深さとの関係から、誤って組み立てたことを把握することができる。
【0099】
・マイクロミキサ100を組み立てた状態であっても、第2合流溝79A,79Bを確認することができ、第2合流溝79A,79Bの深さを確認することにより、第2合流流路77の深さを確認することができる。また、マイクロミキサ100を組み立てた状態であっても、第2分割溝78A,78Bを確認することができ、第2分割溝78A,78Bの深さを確認することにより、第2流路71の深さ及び第2分割流路73,75の深さを確認することができる。
【0100】
・第2合流溝79A,79Bの深さと第2分割溝78A,78Bの深さとが異なるため、第2流路プレート60の表裏を誤って組み立てた場合は、第2流路プレート60の表裏と第2合流溝79A,79Bの深さと第2分割溝78A,78Bの深さとの関係から、誤って組み立てたことを把握することができる。
【0101】
・各プレートの外縁部には、各プレートに形成された各貫通孔又は各流路に対応する各溝が形成されている。そして、表側面に垂直な方向への投影において、各溝の位置が互いにずれている。このため、表側面に垂直な方向への投影において、異なる種類のプレートで互いの位置が一致する溝がある場合は、プレートの種類や、プレートの表裏、プレートの左右を誤って組み立てたことを把握することができる。
【0102】
・表側面に垂直な方向への投影において、第1分割流路55と第2分割流路75とが交互に配置されている。こうした構成によれば、複数の第1分割流路55と複数の第2分割流路75とから、互いに連通する第1合流流路57及び第2合流流路77へ、第1流体及び第2流体を交互に流入させることができるため、第1流体と第2流体との混合をさらに促進することができる。
【0103】
・第1流路プレート40に、第1流路51、複数の第1分割流路53,55、及び第1合流流路57をエッチングにより同時に形成する。このため、複数の第1分割流路53,55と第1合流流路57とを別々の工程で形成する場合と比較して、複数の第1分割流路53,55と第1合流流路57との位置合わせを高精度で行うことができる。したがって、第1分割流路53,55をより細くすることが可能となる。同様に、第2分割流路73,75をより細くすることが可能となる。
【0104】
・第1流路プレート40に、第1流路51、複数の第1分割流路53,55、及び第1合流流路57をエッチングにより同時に形成するとともに、第1合流流路57を形成すると同時に第1合流流路57においてエッチングを行わない部分として、複数のボス57aを形成する。したがって、第1合流流路57を形成する工程と別に、複数のボス57aを形成する工程を行う必要がない。同様に、第2合流流路77を形成する工程と別に、複数のボス77aを形成する工程を行う必要がない。
【0105】
・第1合流流路57が貫通溝により形成されている場合は、島状のボス57aを形成することができない。これに対して、第1合流流路57が非貫通溝により形成されているため、島状のボス57aを形成することができる。同様に、第2合流流路77が非貫通溝により形成されているため、島状のボス77aを形成することができる。
【0106】
・第1流路プレート40に、第1流路51、複数の第1分割流路53,55、及び第1合流流路57をエッチングにより同時に形成するとともに、第1流路51を形成すると同時に第1流路51においてエッチングを行わない部分として、複数のボス51aを形成する。したがって、第1流路51を形成する工程と別に、複数のボス51aを形成する工程を行う必要がない。同様に、第2流路71を形成する工程と別に、複数のボス71aを形成する工程を行う必要がない。
【0107】
・第1流路51が貫通溝により形成されている場合は、島状のボス51aを形成することができない。これに対して、第1流路51が非貫通溝により形成されているため、島状のボス51aを形成することができる。同様に、第2流路71が非貫通溝により形成されているため、島状のボス71aを形成することができる。
【0108】
・複数の貫通孔プレート10A,10Bには、非貫通溝32に対向する位置に貫通孔11Aが形成されている。第1流入配管95Aの内部には流路95bが形成され、流路95bが非貫通溝32に接続されている。第1流入配管95Aは、複数の貫通孔プレート10A,10Bの貫通孔11Aに挿入されている。このため、規格や仕様に従った汎用的な薄い板材により貫通孔プレート10A,10Bを形成し、貫通孔プレート10A,10Bの枚数を調節することにより、第1流入配管95Aを挿入する貫通孔の深さを調節することができる。したがって、第1流入配管95Aを挿入する貫通孔の深さを調節し易くなる。
【0109】
・第1流入配管95Aが、第1流入流路プレート30(第1流路プレート40)から最も離れた貫通孔プレート10A(以下、「最外貫通孔プレート10A」という)に溶接されている。このため、複数の貫通孔プレート10A,10Bの貫通孔11Aに第1流入配管95Aを挿入した後に、挿入方向から第1流入配管95Aを貫通孔プレート10Aに容易に溶接することができる。
【0110】
・中継流路プレート20は、第1流路プレート40と貫通孔プレート10A,10Bとの間に配置されている。そして、中継流路プレート20には、非貫通溝32と第1流入配管95Aの流路95bとを連通させる貫通孔21Aが形成されている。このため、非貫通溝32と第1流入配管95Aの流路95bとの間で、貫通孔21Aを介して第1流体を流すことができる。
【0111】
・挿入工程では、複数の貫通孔プレート10A,10Bの貫通孔11Aに、第1流入配管95Aを挿入する。そして、溶接工程では、第1流入流路プレート30から最も離れた貫通孔プレート10Aに、第1流入配管95Aを溶接する。したがって、複数の貫通孔プレート10A,10Bの貫通孔11Aに第1流入配管95Aを挿入した後に、挿入方向から第1流入配管95Aを貫通孔プレート10Aに容易に溶接することができる。このとき、貫通孔プレート10B及び中継流路プレート20まで、第1流入配管95Aを溶接することができる。
【0112】
・形成工程では、貫通孔プレート10A,10Bに、貫通孔11Aをエッチングにより形成する。こうした工程によれば、一般に、貫通孔11Aを機械加工で形成する場合と比較して、加工費用を低下させることができる。
【0113】
なお、上記実施形態を、以下のように変更して実施することもできる。上記実施形態と同一の部分については、同一の符号を付すことにより説明を省略する。
【0114】
・表側面に垂直な方向への投影において、第1蓋溝、第1分割溝58A,58B、第1合流溝59A,59B、第2分割溝78A,78B、第2合流溝79A,79B、及び第2蓋溝の少なくとも2つの位置が同じであってもよい。また、第1蓋溝、第1分割溝58A,58B、第1合流溝59A,59B、第2分割溝78A,78B、第2合流溝79A,79B、及び第2蓋溝の少なくとも1つを省略してもよい。
【0115】
・表側面に垂直な方向への投影において、ボス51aの位置とボス71aの位置とがずれていてもよく、ボス53aの位置とボス73aの位置とがずれていてもよい。また、ボス51a,53a,71a,73aの少なくとも1種類を省略することもできる。
【0116】
・表側面に垂直な方向への投影において、ボス57aの位置とボス77aの位置とがずれていてもよい。また、ボス57a,77aの少なくとも1種類を省略することもできる。
【0117】
・第1流路プレート40において、第1分割流路53を省略し、第1流路51から第1分割流路55へ分割(分岐)することもできる。同様に、第2流路プレート60において、第2分割流路73を省略し、第2流路71から第2分割流路75へ分割(分岐)することもできる。また、第1流路51から3段以上の第1分割流路へ分割(分岐)することもできる。同様に、第2流路71から3段以上の第2分割流路へ分割(分岐)することもできる。
【0118】
・プレート10A,10B,20,30,40,60,80,90A,90B,90Cは、金属製の配管を溶接可能な材料であればよく、銅、アルミ、ニッケルめっきを施した銅等、ステンレス鋼以外の金属により形成することもできる。プレート10A,10B,20,30,40,60,80,90A,90B,90Cを、銅で形成した場合は、熱伝導率を向上させることができる。
【0119】
・第1流入配管95Aの肉厚が薄いほど、溶接に際して熱を加える範囲を狭くする必要がある。その場合、熱を加える位置を所望の位置に高精度で合わせる必要があり、溶接の難易度が高くなる。この点、
図13に示すように、マイクロミキサ100は、3枚の貫通孔プレートを備えている。各貫通孔プレートには、各貫通孔11Aが形成されている。各貫通孔プレートにおいて、各貫通孔11Aの周囲には、3つ(複数であるn個)の円弧状の貫通溝12A(溝)が形成されている。貫通溝12Aの円弧の中心角は、120°(360°/n)よりも所定角度小さくなっている。貫通溝12A同士に間には、貫通溝12Aが形成されていない部分であるブリッジ12C(接続部)が形成されている。そして、溶接後には、各貫通孔プレートにおいて、溶接部の周囲には、3つの円弧状の貫通溝12Aが形成されることとなる。
【0120】
上記構成によれば、貫通孔プレート10A,10Bと第1流入配管95A、第2流入配管95B、流出配管98との溶接の際に、熱を加えた位置の周囲に熱が拡散することを、貫通孔プレート10A,10Bの溝により抑制することができる。したがって、貫通孔プレート10A,10Bと第1流入配管95A、第2流入配管95B、流出配管98との溶接部W分を溶融させ易くなり、溶接の難易度を下げることができる。
【0121】
複数の貫通孔プレート10A,10Bにおいて、溶接部Wの周囲に複数の貫通溝12Aが形成されている場合は、溶接部Wの周囲が貫通溝12Aにより切断されることが問題となる。この点、複数の貫通孔プレート10A,10Bにおいて、溶接部Wの周囲に複数の貫通溝12Aが形成され、複数の貫通溝12A同士の間に、貫通溝12Aが形成されていない部分であるブリッジ12Cを備えている。こうした構成によれば、溶接部Wの全周囲が貫通溝12Aにより切断されることを、貫通孔プレート10A,10Bにおいて貫通溝が形成されていない部分であるブリッジ12Cを備えることにより避けることができる。
【0122】
ここで、貫通孔及び貫通溝の形成は以下の手順で行う。すなわち、貫通孔プレート10A,10Bに、貫通孔11A及び貫通溝12Aを、エッチングにより同時に形成する。このため、貫通孔11Aと貫通溝12Aとを別々の工程で形成する場合と比較して、貫通孔11Aと貫通溝12Aとの位置合わせを高精度で行うことができる。したがって、より細い第1流入配管95A、第2流入配管95B、流出配管98を採用することが可能となる。さらに、貫通孔プレート10A,10Bに、貫通孔11A及び貫通溝12Aを、エッチングにより同時に形成するとともに、貫通溝12Aを形成すると同時に貫通孔プレート10A,10Bにおいてエッチングを行わない部分として、ブリッジ12Cを形成する。したがって、貫通孔11A及び貫通溝12Aを形成する工程と別に、ブリッジ12Cを形成する工程を行う必要がない。
【0123】
なお、貫通孔プレート10A,10Bを貫通する貫通溝に代えて、貫通孔プレート10A,10Bを貫通しない非貫通溝を形成することもできる。
【0124】
・貫通孔プレート10A,10Bと第1流入配管95Aとの溶接の際に、貫通溝12Aでは熱の拡散が抑制され、ブリッジ12Cでは熱が拡散し易い。このため、溶接部Wにおいて、貫通溝12Aに近い部分とブリッジ12Cに近い部分とで溶融度合に差が生じるおそれがある。
【0125】
図14に示すように、貫通孔11Aが延びる方向への投影において、複数の貫通孔プレート10A,10Bのブリッジ12Cの位置が互いにずれている。こうした構成によれば、貫通孔11Aの周方向において、貫通溝12Aの位置とブリッジ12Cの位置とが偏ることを抑制することができる。したがって、貫通孔11Aの周方向において、溶接部Wの溶融度合に差が生じることを抑制することができる。
【0126】
・
図15に示すように、マイクロミキサ100は、上記中継流路プレート20に代えて、貫通孔プレート10Cを備えることもできる。また、貫通孔プレート10A~10Cにおいて、貫通孔11Aの周囲、すなわち溶接部の周囲に、略円環状の貫通溝12Bを形成することもできる。
【0127】
・
図16に示すように、中継流路プレート20において、貫通孔21Aの周囲、すなわち溶接部に対向する部分の周囲に、略円環状の貫通溝12Bを形成することもできる。こうした構成によれば、貫通孔プレート10Aと第1流入配管95Aとの溶接の際に、熱を加えた位置の周囲に熱が拡散することを、中継流路プレート20の貫通溝12Bにより抑制することができる。したがって、貫通孔プレート10Aと第1流入配管95Aとの溶接部分を溶融させ易くなり、溶接の難易度を下げることができる。
【0128】
・
図17,18に示すように、
図1のマイクロミキサ100において、貫通孔プレート10B、支持プレート90B,90Cを省略することもできる。こうした構成によれば、マイクロミキサ100に必要なプレートの枚数を減少させることができる。
【0129】
・第1流路プレート40において、第1流路51及び第1分割流路53,55と、第1合流流路57とを別工程で形成することもできる。同様に、第2流路プレート60において、第2流路71及び第2分割流路73,75と、第2合流流路77とを別工程で形成することもできる。
【0130】
・貫通孔プレートにおいて、貫通孔11Aと貫通溝12A,12Bとを別工程で形成することもできる。
【0131】
・
図19,20に示すように、上記第1流路プレート40の機能を、第1流路プレート40A及び第1流路プレート40Bにより実現することもできる。また、上記第2流路プレート60の機能を第2流路プレート60A及び第2流路プレート60Bにより実現することもできる。
【0132】
すなわち、第1流路プレート40Aの表側面に第1流路51、第1分割流路53,55を形成し、第1流路プレート40Bの裏側面に第1合流流路57を形成する。そして、第1流路プレート40Aに形成した第1連通流路56、及び第1流路プレート40Bに形成した第1連通流路56により、第1分割流路55と第1合流流路57とを連通させる。同様に、第2流路プレート60Aの表側面に第2合流流路77を形成し、第2流路プレート60Bの裏側面に第2流路71、第2分割流路73,75を形成する。そして、第2流路プレート60Aに形成した第2連通流路76、及び第2流路プレート60Bに形成した第2連通流路76により、第2分割流路75と第2合流流路77とを連通させる。こうした構成によっても、上記実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0133】
・表側面に垂直な方向への投影において、第1分割流路55と第2分割流路75とが交互に配置されている構成に代えて、第1分割流路55と第2分割流路75とが重なる構成を採用することもできる。すなわち、第1分割流路55と第2分割流路75とを対向させて、第1分割流路55から第1合流流路57へ流入する第1流体と第2分割流路75から第2合流流路77へ流入する第2流体とを、正面から衝突させることもできる。
【0134】
・各プレートに貫通孔及び溝を形成する方法として、エッチングに代えて、切削加工やプレス加工を採用することもできる。
【0135】
・第1流入配管95A、第2流入配管95B、及び流出配管98の外形形状、及び流路の断面形状は、円形に限らず任意に変更することができる。第2流入配管95Bを、マイクロミキサ100の裏側面(下面)に設けることもできる。その場合、非貫通溝32,82を省略して、表側面に垂直な方向への投影において、第1流入配管95Aと第2流入配管95Bとが重なるように配置することもできる。
【0136】
・各プレートの外形形状は、矩形に限らず、任意に変更することができる。
【0137】
・貫通孔プレート10Aに第1流入配管95Aを溶接(融接)することに代えて、貫通孔プレート10Aに第1流入配管95Aをろう付け(ろう接)することもできる。
【0138】
・マイクロミキサ100により混合する流体は、液体に限らず、気体であってもよい。
【0139】
・貫通孔プレート10Aに第1流入配管95Aを溶接又はろう付けする構造は、マイクロミキサ100に限らず、その他の流体制御装置に適用することができる。
【符号の説明】
【0140】
10A…貫通孔プレート、10B…貫通孔プレート、10C…貫通孔プレート、11A…貫通孔、11B…貫通孔、12A…貫通溝(溝)、12B…貫通溝(溝)、12C…ブリッジ(接続部)、13…貫通孔、20…中継流路プレート、21A…貫通孔(中継流路)、21B…貫通孔(中継流路)、23…貫通孔、30…第1流入流路プレート、31A…貫通孔、31B…貫通孔、32…非貫通溝(流路)、33…貫通孔、40…第1流路プレート、41A…貫通孔、41B…貫通孔、43…貫通孔、51…第1流路、53…第1分割流路(第1段流路)、55…第1分割流路(第2段流路)、56…第1連通流路、57…第1合流流路、60…第2流路プレート、60A…第2流路プレート、60B…第2流路プレート、61A…貫通孔、61B…貫通孔、63…貫通孔、71…第2流路、73…第2分割流路(第1段流路)、75…第2分割流路(第2段流路)、76…第2連通流路、77…第2合流流路、80…第2流入流路プレート、82…非貫通溝(流路)、90A…支持プレート、90B…支持プレート、90C…支持プレート、95A…第1流入配管(配管)、95B…第2流入配管(配管)、98…流出配管(配管)、100…マイクロミキサ。