(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-27
(45)【発行日】2024-10-07
(54)【発明の名称】化学的および機械的手段を用いるターゲットを定めた雑草防除
(51)【国際特許分類】
A01M 7/00 20060101AFI20240930BHJP
A01M 21/02 20060101ALI20240930BHJP
【FI】
A01M7/00 D
A01M21/02
(21)【出願番号】P 2021557780
(86)(22)【出願日】2020-03-27
(86)【国際出願番号】 EP2020058646
(87)【国際公開番号】W WO2020201046
(87)【国際公開日】2020-10-08
【審査請求日】2023-03-24
(32)【優先日】2019-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】521381967
【氏名又は名称】ベーアーエスエフ・アグロ・トレードマークス・ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100133086
【氏名又は名称】堀江 健太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100163522
【氏名又は名称】黒田 晋平
(72)【発明者】
【氏名】オレ・ヤンセン
(72)【発明者】
【氏名】ミルワエス・ワハブザダ
(72)【発明者】
【氏名】ハリー・ストレック
【審査官】吉田 英一
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/001893(WO,A1)
【文献】欧州特許出願公開第03425572(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01M 7/00
A01M 21/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
栽培農地における雑草管理のための方法であって、
-
農地スケールで前記栽培農地に1次雑草防除技法を適用された後の前記栽培農地(10)の画像データを収集するステップ(S10)と、
- 前記収集された画像データの中の雑草の発生を示す項目(12a、12b、12c)を認識するステップ(S20)と、
- 前記認識された項目に基づいて、前記栽培農地における雑草圧
の分布を示す雑草圧マップを生成するステップ(S30)
であって、前記雑草圧は、所与のエリアにおける作物と前記雑草の両方の植被率に寄与する前記雑草のパーセンテージである、ステップ(S30)と、
- 1つまたは複数のターゲットエリアの前記雑草圧が所定のしきい値
を上回る場合、前記生成された雑草圧マップにおいて雑草管理のための前記1つまたは複数のターゲットエリア(14a、14b、14c)を決定し、前記1つまたは複数の決定されたターゲットエリアを示す処理制御信号を出力するステップ(S40)であって、前記処理制御信号は送信されると、
局所スケールで少なくとも1つの2次雑草防除技法を前記1つまたは複数の決定されたターゲットエリアに適用するために、少なくとも1つの雑草処理デバイスの起動を生じさせ、前記少なくとも1つの2次雑草防除技法は前記1次雑草防除技法とは異なる、ステップ(S40)と
を含む、方法。
【請求項2】
- 前記処理制御信号に基づいて、前記1つまたは複数の決定されたターゲットエリアに、前記少なくとも1つの雑草処理デバイスを用いて、少なくとも1つの2次雑草防除技法を適用するステップ(S50)
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記1次雑草防除技法は、第1の有効成分を用いた化学的雑草防除技法であり、
前記少なくとも1つの2次雑草防除技法は、第2の有効成分用いた化学的雑草防除技法、および/または機械的雑草防除技法を含む、
請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
1つまたは複数のターゲットエリアの前記決定は、
- 前記1つまたは複数のターゲットエリアの地理情報を決定するステップ(S41)
を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
1つまたは複数のターゲットエリアの前記決定は、
- 雑草管理のために前記1つまたは複数
のターゲットエリアの単一または複数の雑草を認識するステップ(S42)と、
- 前記単一または複数の認識された雑草の雑草タイプおよび/または雑草密度を決定するステップ(S43)と
を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
1つまたは複数のターゲットエリアの前記決定は、
- 前記収集された画像データに基づいて前記栽培農地における単一または複数の作物の列および/または密度を識別するステップ(S44)、
- 前記栽培農地の履歴情報に基づいて、少なくとも1つの抵抗性のある雑草を有する
1つもしくは複数のターゲットエリアを識別するステップ(S45)、ならびに/または
- 前記栽培農地の履歴情報に基づいて、作物保護製品の使用が推奨されない、
1つもしくは複数のターゲットエリアを識別し、前記
1つもしくは複数の前記識別されたターゲットエリアでの機械的雑草防除技法の適用を推奨するステップ(S46)
を含む、
請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
雑草
管理のための1つまたは複数のターゲットエリアの前記決定は、決定された各ターゲットエリアに対して、それぞれの2次雑草防除技法を決定するステップ(S47)をさらに含み、
前記処理制御信号は、各ターゲットエリアに対する前記それぞれの決定された2次雑草防除技法を示し、送信されると、決定された各ターゲットエリアに対して、前記それぞれの決定された2次雑草防除技法を適用するために、少なくとも1つの雑草処理デバイスの起動を生じさせる、
請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
少なくとも1つの2次雑草防除技法の前記適用は、決定された各ターゲットエリアに対して、前記処理制御信号に基づいて前記それぞれの決定された2次雑草防除技法を適用するステップ(S51)を含む、
請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
i) 前記生成された雑草圧マップ、
ii)前記
1つまたは複数のターゲットエリアの前記決定された地理情報、
iii) 前記
1つまたは複数のターゲットエリアの前記決定された雑草タイプおよび/または前記決定された雑草密度、
iv) 前記栽培農地の前記単一または複数の作物の前記識別された列および/または前記識別された密度、
v) 少なくとも1つの抵抗性のある雑草を有する前記識別された
1つまたは前記識別された複数のターゲットエリア、
vi) 機械的雑草防除技法を適用される前記識別された1つまたは複数のターゲットエリア
のうちの少なくとも1つを含む
- 農地レコードを生成するステップ(S60)
をさらに含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
栽培農地における雑草管理のための意思決定支援システム(100)であって、
- データインターフェース(110)と、
- 画像認識ユニット(120)と、
- 雑草圧マッピングユニット(130)と、
- 決定ユニット(140)と、
- 制御ユニット(150)と、
- 処理制御インターフェース(160)と
を含み、
前記データインターフェースは、農地スケールで前記栽培農地に1次雑草防除技法を適用された後の前記栽培農地の画像データを受け取るよう構成され、
前記画像認識ユニットは、前記データインターフェースから受け取った前記栽培農地の
前記画像データの中の雑草の発生を示す項目を認識するように構成され、
前記雑草圧マッピングユニットは、前記認識された項目に基づいて、前記栽培農地における雑草圧
の分布を示す雑草圧マップを生成
し、前記雑草圧は、所与のエリアにおける作物と前記雑草の両方の植被率に寄与する前記雑草のパーセンテージを示す、ように構成され、
前記決定ユニットは、前記1つまたは複数のターゲットエリアの前記雑草圧が所定のしきい値
を上回る場合、前記生成された雑草圧マップにおいて雑草管理のための1つまたは複数のターゲットエリアを決定するように構成され、
前記制御ユニットは、前記1つまたは複数の決定されたターゲットエリアを示す処理制御信号を生成することと、前記処理制御信号を前記処理制御インターフェースに出力することとを行うように構成され、前記処理制御信号は送信されると、
局所スケールで少なくとも1つの2次雑草防除技法を前記1つまたは複数の決定されたターゲットエリアに適用するために少なくとも1つの雑草処理デバイスの起動を生じさせ
、前記少なくとも1つの2次雑草防除技法は前記1次雑草防除技法とは異なる、
意思決定支援システム。
【請求項11】
前記決定ユニットは、決定された各ターゲットエリアに対して、それぞれの2次雑草防除技法を決定するように構成され、
前記処理制御信号は、各ターゲットエリアに対する前記それぞれの決定された2次雑草防除技法を示し、送信されると、決定された各ターゲットエリアに対して、前記それぞれの決定された2次雑草防除技法を適用するために、少なくとも1つの雑草処理デバイスの起動を生じさせる、
請求項10に記載の意思決定支援システム。
【請求項12】
栽培農地における雑草処理のための雑草処理デバイス(200、200a、200b、200c)であって、
- 処理制御インターフェース(260)と、
- 1つまたは複数の処理ユニット(61、62、63、64)を有する処理装置(60)と
を含み、
前記雑草処理デバイスの前記処理制御インターフェースは
、意思決定支援システムの処理制御インターフェースに接続可能であり、雑草処理のための1つまたは複数のターゲットエリアを示す処理制御信号を受け取るように構成され、
前記雑草処理デバイスは、前記受け取った処理制御信号に基づいて前記1つまたは複数のターゲットエリアに2次雑草防除技法を適用するために、前記処理装置の処理ユニットの各々を起動するように構成される、
雑草処理デバイス。
【請求項13】
前記処理制御信号は、各ターゲットエリアのそれぞれの2次雑草防除技法を示し、
前記雑草処理デバイスは、前記示された2次雑草防除技法が前記雑草処理デバイスのそれに適合するターゲットエリアに前記2次雑草防除技法を適用するように構成される、
請求項12に記載の雑草処理デバイス。
【請求項14】
前記雑草処理デバイスは、
- 前記1つまたは複数のターゲットエリア(20)に機械的雑草防除技法を適用するために、
制御ユニットによって操縦されるように構成された機械的雑草処理デバイスと、
- 前記1つまたは複数のターゲットエリアに第2の作物保護製品を適用するように構成された化学的雑草処理デバイスと
から選択される少なくとも1つである、
請求項12または13に記載の雑草処理デバイス。
【請求項15】
栽培農地における雑草管理のためのシステム(300)であって、
- センサーキャリア(50)と、
- 請求項10または11に記載の意思決定支援システムと、
- 請求項12から14のいずれか一項に記載の少なくとも1つの雑草処理デバイスと
を含み、
前記センサーキャリアは、
前記栽培農地に前記1次雑草防除技法を適用された後の前記栽培農地の画像データを収集するように構成され、
前記意思決定支援システムは、雑草防除のための1つまたは複数のエリアを決定し
、決定された各ターゲットエリアに対して、前記収集された画像データに基づいてそれぞれの2次雑草防除技法を決定することと、少なくとも1つの2次雑草防除技法を前記1つまたは複数のターゲットエリアに適用するために前記少なくとも1つの雑草処理デバイスを制御することとを行うように構成される、
システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に雑草管理に関し、より詳細には栽培農地における雑草管理のための方法に関する。本発明はさらに、栽培農地における意思決定支援システム、栽培農地における雑草処理のための処理デバイス、および栽培農地における雑草管理のためのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
営利農場は、選択性または非選択性除草剤を使用する化学的防除をしばしば採用する。しかしながら、ターゲットが特定の防除戦略を回避するように順応するとき、抵抗性が生じる可能性があるので、雑草管理は次第に行き詰まってくる。たとえば、除草剤抵抗性は遺伝による場合があり、除草剤処理に耐える雑草が選ばれることにより発生する場合がある。選択を繰り返されて、抵抗性のある雑草が、個体群を支配するまで繁殖する場合がある。抵抗性は、作用を受けた別の農地および農場の農場出入り口に近いことによって影響を受けている可能性があるので、雑草管理が適切に行われない場合、あらゆる農地で抵抗性が生じる可能性がある。除草剤戦略は、製品の有効性を最大にするために、推奨される割合、ノズルの選択、水分量、および散布時期に注意を払うことによって、これらの除草剤に抵抗性が生じないことを確保するように最適化され得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
栽培農地における雑草管理を改善する必要があり得る。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の目的は、独立請求項の主題によって解決される。本発明のさらなる実施形態および利点は、従属請求項に組み込まれる。説明する実施形態は、栽培農地における雑草管理のための方法、栽培農地における意思決定支援システム、栽培農地における雑草処理のための処理デバイス、および栽培農地における雑草管理のためのシステムに同様に関係する。
【0005】
本発明の第1の態様は、栽培農地における雑草管理のための方法に関する。この方法は、1次雑草防除技法を適用された後の栽培農地の画像データを収集するステップと、収集された画像データの中の雑草の発生を示す項目を認識するステップと、認識された項目に基づいて栽培農地における雑草圧(weed pressure)を示す雑草圧マップを生成するステップと、1つまたは複数のターゲットエリアの雑草圧が所定のしきい値に広がる場合、生成された雑草圧マップにおいて雑草管理のための1つまたは複数のターゲットエリアを決定するステップと、1つまたは複数の決定されたターゲットエリアを示す処理制御信号を出力するステップであって、処理制御信号は、送信されると、1つまたは複数の決定されたターゲットエリアに少なくとも1つの2次雑草防除技法を適用するために少なくとも1つの雑草処理デバイスの起動を生じさせ、少なくとも1つの2次雑草防除技法は1次雑草防除技法とは異なる、出力するステップとを含む。
【0006】
言い換えれば、1次雑草防除技法は、農地スケールで栽培農地に適用される。栽培農地の雑草タイプの大半が比較的低コストで根絶され得るように、1次雑草防除技法は、安価かつ/または非選択性であってもよい。しかしながら、いくつかの状況では、1次雑草防除技法は、すべての雑草種を根絶することができるとは限らない。たとえば、1次雑草防除技法に抵抗性がある雑草のあるエリアが存在する場合がある。たとえば、1次雑草防除技法が除草剤を使用する場合、除草剤抵抗性の雑草を有するエリアが存在する可能性がある。したがって、農地スケールで適用される1次雑草防除技法に加えて、2次雑草防除技法は、有利には、追加の、異なる処理を必要とするエリアをターゲットとする局所スケールで農地に適用されてもよい。農地スケールの1次雑草防除技法と局所レベルの2次雑草防除技法の組合せにより、栽培農地における効率的かつ効果的な雑草管理が可能になり得る。
【0007】
本発明の一実施形態によれば、方法は、処理制御信号に基づいて、1つまたは複数の決定されたターゲットエリアに対して、少なくとも1つの雑草処理デバイスを用いて、少なくとも1つの2次雑草防除技法を適用するステップをさらに含む。
【0008】
たとえば、処理制御信号は、ターゲットエリアの地理情報を示してもよい。地理情報は、これらのターゲットエリアにのみ雑草防除を適用するように、GPS誘導の地上ロボットまたは空中噴霧機の誘導を行うために使用され得る。
【0009】
本発明の一実施形態によれば、1次雑草防除技法は、第1の有効成分を用いた化学的雑草防除技法である。少なくとも1つの2次雑草防除技法は、第2の有効成分を用いた化学的雑草防除技法、および/または機械的雑草防除技法を含む。
【0010】
第1の有効成分は、第2の有効成分よりも安価であってもよい。第1の有効成分は非選択性であってもよいが、第2の有効成分は特定の雑草種に対して選択性があってもよい。機械的雑草防除技法は、たとえばターゲットエリアが除草剤抵抗性の雑草を含むときに使用されてもよい。言い換えれば、ターゲットエリアの雑草をよりよく根絶するためのいくつかの異なる方法を含む統合された手順が採用されてもよい。
【0011】
本発明の一実施形態によれば、1つまたは複数のターゲットエリアの決定は、1つまたは複数のターゲットエリアの地理情報を決定するステップを含む。
【0012】
たとえば、センサーにより、あらゆる画像がGPS座標でタグ付けされるのが可能になり得る。GPS座標は、これらのターゲットエリアにのみ雑草防除を適用するように、GPS誘導の地上ロボットまたは空中噴霧機の誘導を行うために使用されてもよい。
【0013】
本発明の一実施形態によれば、1つまたは複数のターゲットエリアの決定は、雑草管理のための1つまたは複数の決定されたターゲットエリアの単一または複数の雑草を認識するステップと、単一または複数の認識された雑草の雑草タイプおよび/または雑草密度を決定するステップとを含む。
【0014】
自動化された機械ベースの決定または認識プロセスは、特定のタイプの雑草に使用されてもよく、画像データから始まり、画像データを前処理し、デジタル画像からメタデータを導き出し、画像データの確率に基づく分析のために、たとえばニューラルネットワークベースの分類器によってそこで使用し、最終的に1つまたは複数のタイプの雑草に対する認識である。雑草のスペクトルシグネチャ、熱シグネチャ、および/またはテクスチャ特定が、画像データのタイプに応じて、雑草および作物を区別するために使用されてもよい。これは、特定の雑草および/または強度(intensity)に対して適切な2次雑草防除技法を選ぶことを可能にし得る。
【0015】
本発明の一実施形態によれば、1つまたは複数のターゲットエリアの決定は、収集された画像データに基づいて栽培農地の1つまたは複数の作物の列および/または密度を識別するステップを含む。
【0016】
たとえば、スペクトル画像または熱画像が、雑草および作物のスペクトルシグネチャを区別すること、および栽培農地の作物の列を識別することを行うために使用されてもよい。これは、有利には、雑草処理のためのターゲットエリアのより優れた識別を可能にし得る。
【0017】
本発明の一実施形態によれば、1つまたは複数のターゲットエリアの決定は、栽培農地の履歴情報に基づいて少なくとも1つの抵抗性のある雑草を有する単一または複数のターゲットエリアを識別するステップを含む。
【0018】
前のシーズンの雑草侵入マップが、これらのターゲットエリアを決定するために使用されてもよい。これらのターゲットエリアが除草剤抵抗性の雑草を含むので、2次雑草防除技法は、より優れた雑草防除のために、機械的雑草防除技法などの他の雑草防除技法であってもよい。
【0019】
本発明の一実施形態によれば、雑草管理のための1つまたは複数のターゲットエリアの決定は、栽培農地の履歴情報に基づいて、作物保護製品の使用が推奨されない単一または複数のターゲットエリアを識別し、単一または複数の識別されたターゲットエリアでの機械的雑草防除技法の適用を推奨するステップをさらに含んでもよい。
【0020】
たとえば、作物保護製品の使用が効果的ではないまたは好ましくないエリアに関する情報を提供する、前のシーズンの雑草侵入マップが使用されてもよい。これらのエリアでは、より優れた雑草管理のために、機械的雑草防除技法が適用され得る。
【0021】
本発明の一実施形態によれば、雑草管理のための1つまたは複数のターゲットエリアの決定は、決定された各ターゲットエリアに対して、それぞれの2次雑草防除技法を決定することをさらに含んでもよい。処理制御信号は、各ターゲットエリアに対するそれぞれの決定された2次雑草防除技法を示し、送信されると、決定された各ターゲットエリアに対して、それぞれの決定された2次雑草防除技法を適用するために、少なくとも1つの雑草処理デバイスの起動を生じさせる。
【0022】
それぞれの2次雑草防除技法は、i)生成された雑草圧マップ、ii)あらかじめ定義されたしきい値を上回る雑草圧を有する単一または複数のターゲットエリアの決定された地理情報、iii)単一または複数のターゲットエリアの決定された雑草タイプおよび/または決定された雑草密度、iv)栽培農地の単一または複数の作物の識別された列および/または識別された密度、v)少なくとも1つの抵抗性のある雑草を有する識別された単一または識別された複数のターゲットエリア、vi)機械的雑草防除技法を適用されるべき識別された1つまたは複数のターゲットエリアのうちの少なくとも1つに基づいて決定され得る。これは、有利には、雑草種、強度、および/または栽培農地の履歴情報に応じた適切な雑草防除技法の選択、ならびに雑草が影響を受けやすい適切な雑草防除技法を適用することを可能にする。
【0023】
本発明の一実施形態によれば、少なくとも1つの2次雑草防除技法の適用は、決定された各ターゲットエリアに対して、処理制御信号に基づいてそれぞれの決定された2次雑草防除技法を適用することを含む。
【0024】
2次雑草防除技法およびターゲットエリアは、設定情報として提供されてもよく、設定情報は、雑草処理デバイスの活動を調整するためにそれぞれの雑草処理デバイスにロードされてもよい。
【0025】
本発明の一実施形態によれば、方法は、農地レコードを生成するステップをさらに含む。農地レコードは、i)生成された雑草圧マップ、ii)あらかじめ定義されたしきい値を上回る雑草圧を有する単一または複数のターゲットエリアの決定された地理情報、iii)単一または複数のターゲットエリアの決定された雑草タイプおよび/または決定された雑草密度、iv)栽培農地の単一または複数の作物の識別された列および/または識別された密度、v)少なくとも1つの抵抗性のある雑草を有する識別された単一または識別された複数のターゲットエリア、vi)機械的雑草防除技法を適用されるべき識別された1つまたは複数のターゲットエリアのうちの少なくとも1つを含む。
【0026】
農地レポートは、オンラインまたはオフライン精密農業に使用され得る。農地レポートは、栽培農地における雑草種の発生および拡大の詳細情報を提供し得る。さらに、前のシーズンの農地レコードもまた、雑草侵入が発生しやすいエリアの詳細情報を提供し得る。
【0027】
本発明の第2の態様は、雑草管理のための意思決定支援システムに関する。意思決定支援システムは、データインターフェースと、画像認識ユニットと、雑草圧マッピングユニットと、決定ユニットと、制御ユニットと、処理制御インターフェースとを含む。画像認識ユニットは、データインターフェースから受け取った栽培農地の画像データの中の雑草の発生を示す項目を認識するように構成される。雑草圧マッピングユニットは、認識された項目に基づいて、栽培農地における雑草圧を示す雑草圧マップを生成するように構成される。決定ユニットは、1つまたは複数のターゲットエリアの雑草圧が所定のしきい値に広がる場合、生成された雑草圧マップにおいて雑草管理のための1つまたは複数のターゲットエリアを決定するように構成される。制御ユニットは、1つまたは複数の決定されたターゲットエリアを示す処理制御信号を生成することと、処理制御信号を処理制御インターフェースに出力することとを行うように構成され、処理制御信号は送信されると、少なくとも1つの2次雑草防除技法を1つまたは複数の決定されたターゲットエリアに適用するために少なくとも1つの雑草処理デバイスの起動を生じさせる。
【0028】
言い換えれば、意思決定支援システムが、栽培農地の収集された画像データ、たとえばスペクトルデータまたは熱データに基づいて、栽培農地における雑草種の発生を検出し、それの拡大をマッピングするために使用されてもよい。生成された雑草マップは、農業従事者が雑草防除スケジュール、たとえば、除草剤散布スケジュール、および汎用雑草防除プログラムを準備することと、それに応じて雑草処理デバイスの活動を調整することとを行うための確固とした基準を提供し得る。以下で説明するように、意思決定支援システムはまた、雑草を識別すること、異なるタイプの雑草を見分けること、および/または除草剤要求値を計算することとを行うように構成されてもよい。
【0029】
本発明の一実施形態によれば、決定ユニットは、決定された各ターゲットエリアに対して、それぞれの2次雑草防除技法を決定するように構成される。処理制御信号は、各ターゲットエリアに対するそれぞれの決定された2次雑草防除技法を示し、送信されると、決定された各ターゲットエリアに対して、それぞれの決定された2次雑草防除技法を適用するために、少なくとも1つの雑草処理デバイスの起動を生じさせる。
【0030】
言い換えれば、意思決定支援システムは、複数の処理デバイスを制御してもよく、各処理デバイスがそれぞれの雑草防除技法および/またはそれぞれの除草剤の影響を受けやすい雑草がはびこっているターゲット地点にのみ雑草防除を適用するために、それぞれの雑草防除技法および/またはそれぞれの除草剤を提供される。そのような努力は、除草剤要求値を低減し、雑草防除効率を上げ得る。これはまた、用水路および地下水が除草剤で汚染されるのを緩和し得る。
【0031】
本発明の第3の態様は、栽培農地における雑草処理のための雑草処理デバイスに関する。雑草処理デバイスは、処理制御インターフェースと、1つまたは複数の処理ユニットを有する処理装置とを含む。雑草処理デバイスの処理制御インターフェースは、上記および下記の意思決定支援システムの処理制御に接続可能であり、雑草処理のための1つまたは複数のターゲットエリアを示す処理制御信号を受け取るように構成される。雑草処理デバイスは、受け取った処理制御信号に基づいて1つまたは複数のターゲットエリアに2次雑草防除技法を適用するために、処理装置の処理ユニットの各々を起動するように構成される。
【0032】
雑草処理デバイスは、化学的雑草防除手順を適用するために、可変レート散布機を備えた地上ロボット、空中噴霧機、または他の可変レート除草剤散布機を含んでもよい。雑草処理デバイスは、雑草を除去する、痛める、枯らす、または雑草に好ましくない生長状態を作るための物理的手段を備えた地上ロボットを含んでもよい。雑草がはびこっているおよび/または雑草侵入が発生しやすい地点にのみ適切な雑草防除技法を適用するために、様々なタイプのロボットおよび噴霧機を誘導するのに地理情報が使用されてもよい。
【0033】
本発明の一実施形態によれば、処理制御信号は、各ターゲットエリアのそれぞれの2次雑草防除技法を示している。雑草処理デバイスは、示された2次雑草防除技法が雑草処理デバイスのそれに適合するターゲットエリアに2次雑草防除技法を適用するように構成される。
【0034】
言い換えれば、雑草防除方法は、各エリアでの雑草のより優れた雑草防除のために、ターゲットエリアごとに異なり得る。
【0035】
本発明の一実施形態によれば、雑草処理デバイスは、機械的雑草防除技法を1つまたは複数のターゲットエリアに適用するために制御ユニットによって操縦されるように構成された機械的雑草処理デバイス、および第2の作物保護製品を1つまたは複数のターゲットエリアに適用するように構成された化学的雑草処理デバイスから選択される少なくとも1つである。
【0036】
これは、有利には、少なくとも2つの異なる方法を含む統合された手順を採用することによる栽培農地における雑草防除を可能にし得る。これは、除草剤が推奨されない、したがって機械的雑草防除技法がより適切である状況に有益である可能性がある。
【0037】
本発明の第4の態様は、栽培農地における雑草管理のためのシステムに関する。このシステムは、センサーキャリアと、上記および下記の意思決定支援システムと、上記および下記の少なくとも1つの雑草処理デバイスとを含む。センサーキャリアは、1次雑草防除技法を適用された後の栽培農地の画像データを収集するように構成される。意思決定支援システムは、雑草管理のための1つまたは複数のエリア、および好ましくは決定された各ターゲットエリアに対して、収集された画像データに基づくそれぞれの2次雑草防除技法を決定することと、少なくとも1つの2次雑草防除技法を1つまたは複数のターゲットエリアに適用するために少なくとも1つの雑草処理デバイスを制御することとを行うように構成される。
【0038】
システムは、有利には、ミッション計画、栽培農地の画像の取得、スペクトル画像処理、雑草の位置特定、侵入の強度の記録、およびそれらのマッピングから、場合によっては前のシーズンと組み合わせた今シーズンの雑草侵入マップに基づく、精密な雑草防除技法を実践することに及ぶ、雑草防除を可能にし得る。
【0039】
本発明の例示的な実施形態について、添付の図面を参照しながら以下で説明する。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【
図1】本開示の例示的な実施形態による方法の概略図である。
【
図2】本開示の例示的な実施形態による意思決定支援システムの概略図である。
【
図3】本開示の例示的な実施形態による雑草処理デバイスの概略図である。
【
図4】本開示の例示的な実施形態による栽培農地の概略図である。
【
図5】本開示の例示的な実施形態による雑草処理のためのシステムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
この説明のコンテキストでは、以下の約束、用語、および/または表現が使用され得る。
【0042】
本明細書で使用する「画像データ」という用語は、視覚、赤外線(IR)、近赤外線(NIR)、マルチスペクトルおよび/または熱のセンサーまたはカメラで取り込まれた画像データを示し得る。センサーまたはカメラの波長範囲は、特定の雑草タイプをよりよく判断するように選択され得る。たとえば、除草剤グリホサートの効果を判断するために、カラー赤外(CIR)、熱赤外(TIR)、可視NIR(VNIR)帯域幅画像用の機能を有するカメラが採用されることがある。画像データは、地上、衛星、またはドローンプラットフォームを使用して収集されてもよい。
【0043】
本明細書で使用する「雑草の発生を示す項目」という用語は、雑草のスペクトルシグネチャ、すなわち作物とは異なる、画像データ中の雑草の特定のスペクトル応答を示し得る。画像データは、視覚センサー、IRセンサー、NIRセンサー、マルチスペクトルセンサーで取り込まれ得る。雑草の発生を示す項目は、熱センサーで取り込まれた画像データ中の作物とは異なる雑草の熱応答を示す場合もある。雑草の発生を示す項目は、作物とは異なる雑草の色またはテクスチャ特定を示す場合もある。テクスチャ特定は、葉脈、葉の切片の特徴的な形状、特異的パターニングおよび色分布、葉の上の表面および葉の縁の微細毛に関係してもよい。
【0044】
本明細書で使用する「雑草」という用語は、どんな環境にもすぐに順応することができるいずれかの種の不要な植物を示し得る。したがって、雑草という表現はまた、成熟した種子の果実を収穫するという意味で有用である作物または栽培植物もしくは実用植物の間の植物に関係し得る。雑草は、作物の生育のプロセスを妨害し、農耕地の収穫を減らす可能性がある。
【0045】
本明細書で使用する「雑草圧」(WP)という用語は、所与のエリアにおける作物と雑草の両方の植被率(total cover)に寄与する雑草のパーセンテージの推定を示し得る。雑草圧値は、雑草がまったくない場合の0と、作物がまったくない場合の100の間に定められ得る。デジタル画像の専門家の評価を簡単にするために、雑草圧の4つのカテゴリーが考案されてもよい。雑草圧の区間境界(interval bound)は、以下の通りであってもよい: WP1(0~10)、WP2(11~20)、WP3(21~35)、およびWP4(35より大きい)。
【0046】
本明細書で使用する「雑草圧マップ」という用語は、栽培農地における雑草圧分布を示し得る。たとえば、栽培農地は、同じサイズの正方形または長方形の矩形配列の形式の複数のグリッドに分割されてもよい。雑草圧は、栽培農地の雑草圧マップを生成するために各グリッドの数値を求められてもよい。
【0047】
本明細書で使用する「1次雑草防除技法」という用語は、農地スケールで雑草を管理するために適用される雑草防除技法を示し得る。たとえば、1次雑草防除技法は、雑草防除コストがより低い雑草防除技法であってもよい。さらなる例として、1次雑草防除技法は、大部分の雑草、すなわちイネ科植物(grass)、カヤツリグサ科植物(sedge)、および広葉植物(broadleaf)を防除するために単一の除草剤が使用されるなど、非選択性の雑草防除技法であってもよい。
【0048】
本明細書で使用する「2次雑草防除技法」という用語は、農地の局所スケールで雑草を管理するために適用される雑草防除技法を示し得る。2次雑草防除技法は、雑草防除コストがより高い雑草防除技法であってもよい。2次雑草防除技法は、特定の雑草タイプに対する選択性の雑草防除技法であってもよい。
【0049】
本明細書で使用する「雑草防除技法」という用語は、機械的方法、化学的方法、および生物学的方法に大きくグループ分けされ得る。雑草防除技法は、地理的位置、従っている作付体系、現在の作物種、追跡する雑草種、およびそれらの強度に関係するいくつかの要素、ならびに経済的考慮に応じて変わる。化学的防除は、雑草群落(weed flora)に基づいて選択性または非選択性の除草剤を使用する場合がある。機械的雑草防除は、不要な植物の成長を抑制するいずれかの物理的活動である。
【0050】
本明細書で使用する「雑草処理デバイス」という用語は、化学的雑草処理デバイスを示し得る。たとえば、可変レート散布機を備えた地上ロボット、空中噴霧機、または他の可変レート除草剤散布機である。雑草処理デバイスは、物理的/機械的雑草処理デバイス、たとえば、雑草を除去する、痛める、枯らす、または雑草に好ましくない生長状態を作るための物理的方法を使用する地上ロボットを示し得る。雑草処理デバイスは、設定情報によって調整されてもよい。以下で詳細に説明するように、設定は、意思決定支援システム、たとえばサービスプロバイダのリモートサーバによって生成されてもよい。生成された設定情報は、雑草処理デバイスが雑草処理を行うことができるように、雑草処理デバイスにロードされてもよい。
【0051】
本明細書で使用する「意思決定支援システム」という用語は、プラットフォームにかかわらず、提案される方法に関係するプログラムコードを実行するのに適しているコンピューティングデバイスまたはコンピューティングシステムを示し得る。たとえば、意思決定支援システムは、提案される方法および/または関係する意思決定支援システムの実装に適しているプロセッサを備えたスマートフォンまたは他のモバイルデバイスであってもよい。さらなる例として、意思決定支援システムはまた、コンピュータシステムであってもよい。意思決定支援システムはまた、たとえば栽培農地の農業従事者による栽培農地の雑草管理を容易にするためのウェブサービスを提供するリモートサーバであってもよい。リモートサーバは、多くの異なる栽培農地を管理するために複数のユーザにサービスを提供するようにより強力な計算能力を有してもよい。リモートサーバは、(たとえばユーザ名およびパスワードを提供することによって)ユーザが認証できるインターフェースと、ユーザの雑草処理デバイスの設定情報を作成、変更、および削除するためのインターフェースとを含んでもよい。設定情報は、画像データを解析することによって意思決定システムによって生成されてもよい。たとえば、設定情報は、ターゲットエリアの地理情報、雑草防除を適用するための開始時間、適用される有効成分などを含んでもよい。設定情報は、雑草処理デバイスが雑草処理を行うことができるように、雑草処理デバイスにロードされてもよい。また、意思決定支援システムの画像認識ユニット、雑草圧マッピングユニット、決定ユニット、および制御ユニットは別個のデバイスであってもよいことに留意されたい。たとえば、制御ユニットは、雑草処理デバイスを制御するための表示を有するスマートフォンであってもよいが、画像認識ユニット、雑草圧マッピングユニット、決定ユニットはコンピュータで実装される。
【0052】
図1は、栽培農地における雑草管理のための方法の一実施形態のブロック図を示す。ステップS10において、1次雑草防除技法を適用された後に、栽培農地の画像データが収集され得る。1次雑草防除技法は、たとえば、雑草防除コストがより低い雑草防除技法および/または非選択性の雑草防除技法であってもよい。画像データは、地上、衛星、またはドローンプラットフォームを使用して収集されてもよい。画像データを収集するために、地上ロボット、衛星、またはドローンは、視覚センサー、IRセンサー、NIRセンサー、および/または熱センサーを取り付けられてもよい。これらのセンサーは、栽培農地のスペクトルデータおよび/または熱データを提供し得る。画像データは、さらなる解析のために、たとえばネットワークを介して自動的に意思決定支援システムに送信されてもよい。画像データはまた、さらなる解析のために、ユーザによってたとえばネットワークを介して意思決定支援システムにアップロードされてもよい。
【0053】
ステップS20において、雑草の発生を示す項目が、収集された画像データの中で認識され得る。たとえば、雑草と作物は異なるスペクトル応答を有するので、スペクトル画像が、土壌表面、列間の雑草、および列内の作物の間の区別を可能にし得る。
【0054】
ステップS30において、栽培農地における雑草圧を示す雑草圧マップが、認識された項目に基づいて用意される。たとえば、栽培農地は、同じサイズの正方形または長方形の矩形配列の形式の複数のグリッドに分割されてもよい。雑草圧は、栽培農地の雑草圧マップを生成するために各グリッドの数値を求められてもよい。
【0055】
ステップS40において、1つまたは複数のターゲットエリアの雑草圧が所定のしきい値に広がる場合、雑草管理のための1つまたは複数のターゲットエリアが、生成された雑草圧マップにおいて決定される。1つまたは複数の決定されたターゲットエリアを示す処理制御信号が出力され、送信されると、1つまたは複数の決定されたターゲットエリアに少なくとも1つの2次雑草防除技法を適用するために、少なくとも1つの雑草処理デバイスの起動を生じさせ、少なくとも1つの2次雑草防除技法は、1次雑草防除技法とは異なる。たとえば、雑草圧値は、雑草がまったくない場合の0と、作物がまったくない場合の100の間に定められ得る。ターゲットエリアを識別するために、雑草圧の4つのカテゴリーが考案されてもよい。雑草圧の区間境界は、以下の通りであってもよい: WP1(0~10)、WP2(11~20)、WP3(21~35)、およびWP4(35より大きい)。たとえば雑草圧がWP4に入るエリアが、ターゲットエリアとして決定されてもよい。
【0056】
オプションのステップS50において、少なくとも1つの2次雑草防除技法は、処理制御信号に基づき少なくとも1つの雑草処理デバイスを用いて1つまたは複数のターゲットエリアに適用される。少なくとも1つの2次雑草防除技法は、1次雑草防除技法とは異なる。2次雑草防除技法は、たとえば、雑草群落に基づいて高価なまたは選択性の除草剤を使用する化学的防除技法を含み得る。2次雑草防除技法は、代替または追加として、機械的雑草防除技法を含み得る。言い換えれば、2次雑草防除技法は、局所スケールで雑草を根絶するために、機械的手順と化学的手順の組合せなど、いくつかの異なる方法を含む場合がある統合された手順を採用し得る。
【0057】
言い換えれば、1次雑草防除技法を用いた農地スケールでの雑草管理は、たとえば、1次雑草防除技法に抵抗性があるが、2次雑草防除技法の影響を受けやすい雑草をターゲットとする、少なくとも1つの2次雑草防除技法を用いた局所スケールでの雑草管理と組み合わされる。1次雑草防除技法は2次雑草防除技法よりも安価であってもよいので、これは雑草防除にかかるコストの削減に役立ち得る。さらに、2次雑草防除技法は、1次雑草防除技法に抵抗性がある雑草により効果があるように選択されてもよく、1次雑草防除技法の無効問題がない。
【0058】
1次および2次雑草防除技法は、地理的位置、従っている作付体系、現在の作物種、雑草種およびそれらの強度など、いくつかの要素、ならびに経済的考慮に基づいて選択されてもよい。雑草は、それらのスペクトルシグネチャを使用して識別され得る。多くの場合、エリアまたは作付体系に共通している雑草のスペクトルシグネチャは入手可能である。これは、スペクトルシグネチャと、さらには所与のエリアでの作物と雑草の両方の植被率、すなわち雑草圧に寄与する雑草のパーセンテージの判断を使用して、雑草と作物との区別を可能にし得る。
【0059】
たとえば、1次雑草防除技法は、第1の有効成分を用いた化学的雑草防除技法である。少なくとも1つの2次雑草防除技法は、第2の有効成分を用いた化学的雑草防除技法、および/または機械的雑草防除技法を含んでもよい。第1の有効成分は、第2の有効成分よりも安価であってもよい。代替または追加として、第1の有効成分は非選択性であってもよいが、第2の有効成分は、第1の有効成分に抵抗性がある雑草に対して選択性があってもよい。
【0060】
場合によっては、雑草管理のための1つまたは複数のターゲットエリアの決定は、1つまたは複数のターゲットエリアの地理情報を決定するステップS41をさらに含んでもよい。地理情報は、処理デバイス、たとえば可変レート散布機を備えた地上ロボット、空中噴霧機、および/または他の可変レート除草剤散布機もしくは機械的方法の精密誘導のために、全地球測位システム(GPS)を使用してもよい。
【0061】
場合によっては、1つまたは複数のターゲットエリアの決定は、雑草管理のための1つまたは複数の識別されたターゲットエリアの単一または複数の雑草を識別するステップS42と、単一または複数の認識された雑草の雑草タイプおよび/または強度を決定するステップS43とをさらに含んでもよい。特定のスペクトル反射パターンを有するターゲット雑草種が、マルチスペクトル画像によってピックアップされ得る。雑草は、セグメンテーションを使用するオブジェクトベース画像解析(OBIA)を使用して識別され、マッピングされてもよい。オブジェクト(雑草/作物)のスペクトルとの位置関係、近接関係、および階層関係などの雑草特徴(trait)が、使用されてもよい。様々な雑草種のスペクトルシグネチャのライブラリまたはデータバンクが、異なるタイプの雑草を見分けるのに使用されてもよい。これは、機械学習技法を使用することによって行われてもよい。機械学習アルゴリズムは、タスクを行うように明示的にプログラムされることなく予測または決定を行うために、「トレーニングデータ」として知られる複数の雑草のサンプルデータ(たとえば、スペクトルデータ、または画像データ)の数理モデルを構築する。これは、有利には、異なるタイプの雑草があるターゲットエリアに対して、サイト固有の雑草管理および適切な2次雑草防除技法の選択を可能にし得る。
【0062】
場合によっては、雑草管理のための1つまたは複数のターゲットエリアの決定は、収集された画像データに基づいて栽培農地における単一または複数の作物の列および/または密度を決定するステップS44をさらに含んでもよい。作物は、特定のスペクトル反射パターンに基づいて識別されてもよい。雑草識別と同様に、オブジェクト(雑草/作物)のスペクトルとの位置関係、近接関係、および階層関係などの作物特徴が、使用されてもよい。機械学習アルゴリズムもまた使用されてもよい。これは、有利には、抵抗性のある雑草がはびこっている場所のより優れた識別を可能にする。
【0063】
場合によっては、雑草管理のための1つまたは複数のターゲットエリアの決定は、栽培農地の履歴情報に基づいて少なくとも1つの抵抗性のある雑草を有する単一または複数のターゲットエリアを識別するステップS45をさらに含んでもよい。たとえば、農業従事者が、前のシーズンの雑草侵入マップを利用することによって精密な技法を実践してもよい。
【0064】
作物に影響を及ぼす雑草圧は持続的である。一般に、すぐ前の栽培で雑草が存在していた場合、次の栽培で雑草が存在する可能性が高い。この雑草圧の位置はわかっており、たとえば数インチ以内で地理位置情報を特定する(geo-locate)ことができる。抵抗性のある雑草を含むこれらの圧は、次の出現を検出するためにいつ、どこを注視すべきかを識別され、監視され得る。履歴データは、すぐ前の栽培、ハーベストバーンダウン(Harvest Burndown)の前および間、または秋および春の適用シーケンスに生成された雑草マップを含んでもよい。これは、有利には、雑草侵入が発生しやすい位置にのみ2次雑草防除技法の適用を可能にし得る。たとえば、除草剤が、土壌への発芽前噴霧として、またはある深さで組み入れられる、すなわち土壌注入として、栽培農地に適用されてもよい。
【0065】
場合によっては、雑草管理のための1つまたは複数のターゲットエリアの決定は、栽培農地の履歴情報に基づいて、作物保護製品の使用が推奨されない、単一または複数のターゲットエリアを識別するステップS46をさらに含んでもよい。機械的雑草防除技法の適用は、履歴データがすぐ前の栽培、ハーベストバーンダウンの前および間、または秋および春の適用シーケンスに生成された雑草マップを含み得る単一または複数の識別されたターゲットエリアにおいて推奨される。農業従事者はまた、化学的防除の使用が効果的ではないまたは効果が少ないことを示すエリアを有する前のシーズンの雑草侵入マップを利用してもよい。したがって、今シーズンにおいて農業従事者は、これらのエリアのより優れた雑草管理のために機械的防除技法を使用することができる。
【0066】
場合によっては、雑草管理のための1つまたは複数のターゲットエリアの決定は、決定された各ターゲットエリアに対して、それぞれの2次雑草防除技法を決定するステップS47をさらに含んでもよい。処理制御信号は、各ターゲットエリアに対するそれぞれの決定された2次雑草防除技法を示し、送信されると、決定されたターゲットエリアに対して、それぞれの決定された2次雑草防除技法を適用するために、少なくとも1つの雑草処理デバイスの起動を生じさせる。少なくとも1つの2次雑草防除技法の適用は、決定された各ターゲットエリアに対して、それぞれの決定された2次雑草防除技法を適用するステップS51を含む。2次雑草防除技法は、栽培農地、たとえば前のシーズンの雑草マップに基づいて機械的防除技法が推奨されるエリアの履歴情報に基づいて決定されてもよい。たとえば、2次雑草防除技法は、決定された雑草タイプおよび/または強度に基づいて決定されてもよい。これは有利には、各ターゲットエリアに対して、どちらの雑草防除技法が適用されるべきか、たとえば化学的か、それとも機械的かを決定することを可能にし得る。これはまた、どの種類の除草剤が使用されるべきかを決定することを可能にし得る。これは有利には、局所スケールで改善された雑草防除を提供し得る。
【0067】
場合によっては、方法は、i)生成された雑草圧マップ、ii)あらかじめ定義されたしきい値を上回る雑草圧を有する単一または複数のターゲットエリアの決定された地理情報、iii)単一または複数のターゲットエリアの決定された雑草タイプおよび/または決定された雑草密度、iv)栽培農地の単一または複数の作物の識別された列および/または識別された密度、v)少なくとも1つの抵抗性のある雑草を有する識別された単一または識別された複数のターゲットエリア、vi)機械的雑草防除技法を適用されるべき識別された1つまたは複数のターゲットエリアのうちの少なくとも1つを含む農地レコードを生成するステップS60をさらに含んでもよい。農地レポートは、オンラインまたはオフライン精密農業に使用され得る。
【0068】
図2は、雑草処理のための意思決定支援システム100の一実施形態を概略的に示す。意思決定支援システム100は、多くの異なる栽培農地からの画像データの管理を容易にするために、たとえばインターネットを介してリモートサービスを提供するサーバであってもよい。サーバは、ユーザ(たとえば農業従事者)がそれにより画像データおよび関連する情報を管理することができるインターフェースを含んでもよい。たとえば、意思決定支援システム100は、画像データおよび関連する情報の管理を容易にするために意思決定支援システムによって供給されるウェブページを用いて、ユーザとインターフェースしてもよい。関連する情報は、たとえば、処理されるべき1つまたは複数のターゲットエリア、これらのターゲットエリアに適用されるべき2次雑草防除技法、1つまたは複数の雑草処理デバイスの設定情報を含んでもよい。1つまたは複数の雑草処理デバイスの設定情報は、限定はしないが、処理の開始時間、ターゲットエリアの地理情報、および使用される成分のタイプを含み得る。これらの情報は、1つまたは複数の雑草処理デバイスがターゲットエリアに2次雑草防除を行うことができるように、1つまたは複数の雑草処理デバイスに、たとえばネットワークを介してロードされ得る。代替として、意思決定支援システム100は、パーソナルコンピュータ(PC)など、ローカルコンピューティングデバイスであってもよい。
【0069】
以下では、意思決定支援システム100について、栽培農地10の一般的な設定を概略的に示す
図4とともに説明する。
【0070】
意思決定支援システム100は、データインターフェース110と、画像認識ユニット120と、雑草圧マッピングユニット130と、決定ユニット140と、制御ユニット150と、処理制御インターフェース160とを含む。
【0071】
データインターフェース110は、地上、衛星、またはドローンプラットフォームを使用して収集された画像データを受信するのに適しているセキュアデジタル(SD)メモリカードインターフェース、ユニバーサルシリアルバス(USB)インターフェース、ブルートゥース(登録商標)インターフェース、ワイヤレスネットワークインターフェースなどであってもよい。画像データは、雑草と作物を見分けるために、好ましくは異なるタイプの雑草を見分けるために使用できるスペクトルデータまたは熱データを含んでもよい。画像データはまた、ターゲットエリアへの雑草処理デバイスの誘導を行うために採用されるGPSデータを含んでもよい。
【0072】
画像認識ユニット120は、データインターフェース110から受け取った栽培農地10の画像データの中の雑草の発生を示す項目12a、12b、12cを認識するように構成される。たとえば、
図4は、雑草の発生を示す複数の項目12a、12b、および12cを示している。項目12a、12b、および12cは、それらが画像データの中で異なるスペクトル応答または熱応答を有し、したがって異なる処理を必要とする異なるタイプの雑草を表し得ることを示すために、異なる形状で示されている。
【0073】
雑草圧マッピングユニット130は、認識された項目に基づいて、栽培農地における雑草圧を示す雑草圧マップを生成するように構成される。たとえば、栽培農地は、同じサイズの正方形または長方形の矩形配列の形式の複数のグリッドに分割されてもよい。雑草圧は、栽培農地の雑草圧マップを生成するために各グリッドの数値を求められてもよい。
【0074】
決定ユニット140は、1つまたは複数のターゲットエリアの雑草圧が所定のしきい値に広がる場合、生成された雑草圧マップにおいて雑草管理のための1つまたは複数のターゲットエリア14a、14b、14cを決定するように構成される。たとえばグリッドにおける雑草圧値が、あらかじめ定義されたしきい値を上回る場合、決定ユニット140は、雑草の存在を示す可能性がある、1つまたは複数のターゲットエリアを決定してもよい。
【0075】
制御ユニット150は、1つまたは複数の決定されたターゲットエリアを示す処理制御信号を生成することと、処理制御信号を処理制御インターフェースに出力することとを行うように構成され、処理制御信号は送信されると、少なくとも1つの2次雑草防除技法を1つまたは複数の決定されたターゲットエリアに適用するために少なくとも1つの雑草処理デバイスの起動を生じさせる。制御ユニット150は、雑草処理デバイスの活動を調整するために栽培農地で農業従事者によって使用されるように、スマートフォンまたはモバイルデバイスであってもよい。制御ユニット150はまた、雑草処理デバイスの活動を調整するためのコンピュータ意思決定支援システムの統合部であってもよい。
【0076】
場合によっては、決定ユニット140は、決定された各ターゲットエリアに対して、それぞれの2次雑草防除技法を決定するように構成されてもよい。処理制御信号は、各ターゲットエリアに対するそれぞれの決定された2次雑草防除技法を示し、送信されると、決定されたターゲットエリアに対して、それぞれの決定された2次雑草防除技法を適用するために、少なくとも1つの雑草処理デバイスの起動を生じさせる。一例では、2次雑草防除技法は、栽培農地、たとえば、前のシーズンの雑草マップに基づいて機械的防除技法が推奨されるエリアの履歴情報に基づいて決定されてもよい。さらなる一例では、2次雑草防除技法は、雑草タイプおよび/または強度など、収集された画像データに基づく実際の情報に基づいて決定されてもよい。
【0077】
したがって、意思決定支援システムは、画像処理、雑草の位置特定、侵入の強度の記録およびそれらのマッピング、ならびに雑草処理デバイスの活動の調整を可能にし得る。
【0078】
図3は、栽培農地における雑草処理のための雑草処理デバイス200の一実施形態を概略的に示す。以下では、雑草処理デバイスについて、
図4とともに説明する。
【0079】
雑草処理デバイス200は、処理制御インターフェース260と、1つまたは複数の処理ユニット61、62、63、64を有する処理装置60とを含む。雑草処理デバイス200は、機械的雑草防除技法を1つまたは複数のターゲットエリアに適用するために制御ユニットによって操縦されるように構成された機械的雑草処理デバイス、および第2の作物保護製品を1つまたは複数のターゲットエリアに適用するように構成された化学的雑草処理デバイスから選択される少なくとも1つであってもよい。たとえば、雑草処理デバイス200は、たとえば可変レート散布機を備えた地上ロボット、空中噴霧機、または他の可変レート除草剤散布機であってもよい。処理装置は、処理ユニットとして複数のノズルを含むノズル装置であってもよい。さらなる例として、雑草処理デバイス200は、処理ユニットとして機械的手段の装置を有する物理的/機械的処理デバイスであってもよい。
【0080】
雑草処理デバイスの処理制御インターフェース260は、
図2で説明するように意思決定支援システム100の処理制御インターフェース160に接続可能である。これは、ワイヤレスで行われてもよく、したがって意思決定支援システム100を介した雑草処理デバイス200のリモート制御を可能にする。処理制御インターフェース260は、
図4に示すように雑草処理のための1つまたは複数のターゲットエリア14a、14b、14cを示す処理制御信号を受信するように構成される。
【0081】
雑草処理デバイス200は、受信した処理制御信号に基づいて1つまたは複数のターゲットエリア14a、14b、14cに2次雑草防除技法を適用するために、処理装置60の処理ユニット61、62、63、64の各々を起動するように構成される。
【0082】
場合によっては、処理制御信号は、各ターゲットエリア14a、14b、14cのそれぞれの2次雑草防除技法を示す。雑草処理デバイス200は、示された2次雑草防除技法が雑草処理デバイスのそれに適合するターゲットエリア14a、14b、14cに2次雑草防除技法を適用するように構成される。たとえば、
図4では、複数の雑草処理デバイス200a、200b、200cが、ターゲットエリア14a、14b、14cの雑草処理のために栽培農地10に配置され、各ターゲットエリアが、処理されるそれぞれのターゲットエリアの識別された2次雑草防除技法に適合する雑草防除技法を有する。たとえば、雑草処理デバイス200aは、ターゲットエリア14aに機械的雑草防除を適用するための機械的雑草処理デバイスであってもよい。雑草処理デバイス200b、200cは、ターゲットエリア14b、14cに異なる除草剤を適用する、化学的雑草処理デバイスであってもよい。したがって、各ターゲットエリアの雑草は、適切な雑草防除技法で異なるように処理され得る。
【0083】
したがって、雑草処理デバイスは、意思決定支援システムによって調整され、雑草侵入マップに基づく精密な雑草防除技法を可能にし得る。
【0084】
図5は、栽培農地における雑草処理のためのシステム300の一実施形態を概略的に示す。このシステムは、センサーキャリア50と、上記の意思決定支援システム100と、上記の少なくとも1つの雑草処理デバイスとを含む。センサーキャリア50、意思決定支援システム100、および少なくとも1つの雑草処理デバイス200は、ネットワークと関連付けられてもよい。たとえばネットワークは、インターネットであってもよい。ネットワークは、代替として他のいずれかのタイプの、いくつかのネットワークであってもよい。たとえば、ネットワークは、ワイドエリアネットワークに接続されたいくつかのローカルエリアネットワークによって実装されてもよい。ネットワークは、ワイヤードネットワーク、ワイヤレスネットワーク、ワイドエリアネットワーク、ローカルエリアネットワークなどのいずれかの組合せを含んでもよい。いくつかの実施形態では、意思決定支援システム100は、栽培農地の雑草管理を容易にするためのウェブサービスを提供するサーバであってもよい。ユーザ(たとえば農業従事者)は、ユーザの栽培農地でドローンを用いて画像データを収集してもよい。ユーザは、解析のために意思決定支援システム100に、たとえばネットワークを介して画像データをアップロードしてもよい。意思決定支援システム100は、雑草管理を行うために雑草処理デバイスを起動するためのこれらの雑草処理デバイスの設定情報を含む処理制御信号を出力してもよい。
【0085】
センサーキャリア50は、1次雑草防除技法を適用された後の栽培農地の画像データを収集するように構成される。センサーキャリア50は、たとえば、画像データを収集するための視覚センサー、IRセンサー、NIRセンサー、および/または熱センサーを取り付けられた地上ロボット、衛星、またはドローンであってもよい。
【0086】
意思決定支援システム100は、雑草防除のための1つまたは複数のエリアを決定すること、好ましくは決定された各ターゲットエリアに対して、収集された画像データに基づいてそれぞれの2次雑草防除技法を決定することと、少なくとも1つの2次雑草防除技法を1つまたは複数のターゲットエリアに適用するために少なくとも1つの雑草処理デバイス200を制御することとを行うように構成される。
【0087】
本発明の実施形態は、異なる主題に関して説明されることに留意されなければならない。詳細には、いくつかの実施形態については、方法タイプの請求項に関して説明するが、他の実施形態については、装置タイプの請求項に関して説明する。しかしながら、上記および下記の説明から、通知のない限り、主題の1つのタイプに属する特徴の任意の組合せに加えて、異なる主題に関係する特徴間の任意の組合せも本出願で開示されると考えられていると、当業者には判断されよう。しかしながら、すべての特徴は組み合わされて、特徴の単純な足し算を超える相乗効果をもたらす可能性がある。
【0088】
本発明を図示し、図面および上記の説明において詳細に説明したが、そのような図示および説明は限定的ではなく、説明的または例示的であると考えられるべきである。本発明は、開示した実施形態に限定されない。図面、開示、および従属請求項の検討から、当業者が請求項に係る発明を実践することによって、開示した実施形態に対する他の変形形態が理解され、もたらされる可能性がある。
【0089】
特許請求の範囲では、「含む」という用語は、他の要素またはステップを排除せず、「a」または「an」という不定冠詞は、複数であることを排除しない。単一のプロセッサまたは他のユニットが、特許請求の範囲に列挙されたいくつかの項目の機能を果たし得る。単にいくつかの手段が相互に異なる従属請求項に列挙されるということは、これらの手段の組合せが有利に使用できないということを意味しない。特許請求の範囲のいかなる参照符号も、範囲を限定すると解釈すべきではない。
【符号の説明】
【0090】
10 栽培農地
12a 雑草の発生を示す項目
12b 雑草の発生を示す項目
12c 雑草の発生を示す項目
14a ターゲットエリア
14b ターゲットエリア
14c ターゲットエリア
50 センサーキャリア
60 処理装置
61 処理ユニット
62 処理ユニット
63 処理ユニット
64 処理ユニット
100 意思決定支援システム
110 データインターフェース
120 画像認識ユニット
130 雑草圧マッピングユニット
140 決定ユニット
150 制御ユニット
160 処理制御インターフェース
200 雑草処理デバイス
200a 雑草処理デバイス
200b 雑草処理デバイス
200c 雑草処理デバイス
260 処理制御インターフェース
300 システム
S10 画像データを収集する
S20 項目を認識する
S30 雑草圧マップを生成する
S40 1つまたは複数のターゲットエリアを決定する
S41 地理情報を決定する
S42 単一または複数の雑草を認識する
S43 雑草タイプおよび/または雑草密度を決定する
S44 単一または複数の作物の列および/または密度を識別する
S45 抵抗性のある雑草を有する単一または複数のターゲットエリアを識別する
S46 作物保護製品の使用が推奨されない単一または複数のターゲットエリアを識別する
S47 決定された各ターゲットエリアにそれぞれの2次雑草防除技法を決定する
S50 少なくとも1つの2次雑草防除技法を適用する
S51 決定された各ターゲットエリアにそれぞれの2次雑草防除技法を適用する
S60 農地レコードを生成する