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  • 特許-メカニカルシールの密封カバー要素 図1
  • 特許-メカニカルシールの密封カバー要素 図2
  • 特許-メカニカルシールの密封カバー要素 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-27
(45)【発行日】2024-10-07
(54)【発明の名称】メカニカルシールの密封カバー要素
(51)【国際特許分類】
   F16J 15/34 20060101AFI20240930BHJP
   F16J 15/38 20060101ALI20240930BHJP
【FI】
F16J15/34 Z
F16J15/38
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021559794
(86)(22)【出願日】2020-04-09
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-25
(86)【国際出願番号】 US2020027432
(87)【国際公開番号】W WO2020210466
(87)【国際公開日】2020-10-15
【審査請求日】2023-03-31
(31)【優先権主張番号】62/832,204
(32)【優先日】2019-04-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512115807
【氏名又は名称】エー. ダブリュー. チェスタートン カンパニー
【氏名又は名称原語表記】A.W. CHESTERTON COMPANY
【住所又は居所原語表記】860 Salem Street, Groveland, MA 01834 (US).
(74)【代理人】
【識別番号】100136630
【弁理士】
【氏名又は名称】水野 祐啓
(74)【代理人】
【識別番号】100201514
【弁理士】
【氏名又は名称】玉井 悦
(72)【発明者】
【氏名】フィクナー, ヨーゼフ
(72)【発明者】
【氏名】アル-ダーラ, ピエール,アウニ アルフォン
【審査官】山田 康孝
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第206889680(CN,U)
【文献】欧州特許出願公開第00528029(EP,A1)
【文献】特開平11-230366(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16J 15/34
F16J 15/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャフトの周りに取り付けられるメカニカルシールであって、
ホルダ組立品であり、
内側表面及び対向する外側表面を備えた本体であって、その内部に形成されると共に前記内側表面と前記外側表面との間に延在する1つ又は複数の留め具受け開口部であって、留め具を取り付けるようサイズ決め且つ構成されされた1つ又は複数の留め具受け開口部とを備えた本体と、
前記外側表面に形成された第1及び第2溝であって、前記第1溝は、前記留め具受け開口部の一方の側に形成され、前記第2溝は、前記留め具受け開口部の他方の側に形成されている第1及び第2溝とを含む、ホルダ組立品と、
前記ホルダ組立品に結合された回転シールリングと、
前記回転シールリングに隣接して配置された固定シールリングと、
第1脚部と、対向する第2脚部と、当該第1脚部と第2脚部との間に配置されると共に当該第1及び第2脚部に結合された中間部とを備えた本体を備えた密封カバー要素とを含み、
前記密封カバー要素の前記第1脚部は、前記第1溝内に取り付けられるようサイズ決め且つ構成されており、前記密封カバー要素の前記第2脚部は、前記第2溝内に取り付けられるようサイズ決め且つ構成されており、前記密封カバー要素の前記中間部は、前記留め具受け開口部を覆う、シャフトの周りに取り付けられるメカニカルシール。
【請求項2】
前記密封カバー要素の前記中間部は上面及び対向する底面を備え、前記第1及び第2脚部は、それぞれ上面及び対向する底面を備え、
前記中間部の前記上面は、前記第1及び第2脚部の前記上面から半径方向に離間されている、請求項1に記載のメカニカルシール。
【請求項3】
前記第1及び第2脚部の前記底面は、前記中間部の前記底面から半径方向に離間されている、請求項2に記載のメカニカルシール。
【請求項4】
前記密封カバー要素はエラストマー材料から形成されている、請求項1に記載に記載のメカニカルシール。
【請求項5】
前記密封カバー要素は環状の形状を備えている、請求項1に記載に記載のメカニカルシール。
【請求項6】
前記ホルダ組立品の前記内側表面は、第1密封要素を取り付けるための第1密封溝と、第2密封要素を取り付けるための軸方向に離間した第2密封溝とを含む、請求項1に記載のメカニカルシール。
【請求項7】
前記第1密封溝は、前記留め具受け開口部の一方の側に形成され、前記第2密封溝は、前記留め具受け開口部の他方の側に形成されている、請求項6に記載のメカニカルシール。
【請求項8】
動作時には、前記第1密封要素は、前記シャフトに接触するように配置されており、前記第2密封要素は、前記回転シールリングに接触するように配置されている、請求項7に記載のメカニカルシール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本特許出願は、引用してその内容を本明細書に援用する、「メカニカルシールのエラストマーリング用のカバー」と題した2019年4月10日付けの米国特許仮出願第62/832,204号の優先権を主張する。
【背景技術】
【0002】
従来のメカニカルシールでは、一般的に、メカニカルシールのホルダ部分が、例えばポンプなどの市販機器のインペラーとシャフトとの間に締め付けなどによって固定され、シールの隙間(crevices)の数を減少させる。これにより、ポンプからのプロセス流体の不要な漏れを減少させる効果がある。しかし、この固定方法では、現場要員がこの固定機構を導入することによってメカニカルシールの設計に変更を加える必要がある。これにより、メカニカルシールの全体的な密封保全性が損なわれることがある
【発明の概要】
【0003】
本発明は、ホルダ組立品に形成された留め具受け開口部の上に重なる又は覆うように構成され、よって流体密シールを形成する密封カバー要素を用いるメカニカルシールに関する。前記密封カバー要素110は、前記密封カバー要素を前記ホルダ組立品に固定するために、前記留め具受け開口部の両側に配置された溝内に取り付けられる脚部を備えている。
【0004】
一側面では、本発明は、シャフトの周りに取り付けられるメカニカルシールであって、ホルダ組立品と、前記ホルダ組立品に結合された回転シールリングと、前記回転シールリングに隣接して配置された固定シールリングとを備えたメカニカルシールを含む。前記ホルダ組立品は、内側表面及び対向する外側表面を備える本体と、前記内側表面と前記外側表面との間に延在し、留め具を取り付けるようサイズ決め且つ構成された1つ又は複数の留め具受け開口部とを備えている。前記ホルダ組立品は、前記外側表面に形成された第1及び第2溝も含み、前記第1溝は、前記留め具受け開口部の一方の側に形成され、前記第2溝は、前記留め具受け開口部の他方の側に形成されている。
【0005】
前記メカニカルシールは、第1脚部と、対向する第2脚部と、当該第1脚部と第2脚部との間に配置されると共にこれら第1及び第2脚部に結合された中間部とを備えた本体を備えた密封カバー要素をさらに含む。前記密封カバー要素の前記第1脚部は、前記第1溝内に取り付けられるようサイズ決め且つ構成されており、前記密封カバー要素の前記第2脚部は、前記第2溝内に取り付けられるようサイズ決め且つ構成されており、前記密封カバー要素の前記中間部は、前記留め具受け開口部を覆う。
【0006】
一側面では、前記密封カバー要素の前記中間部は、上面及び対向する底面を備え、前記第1及び第2脚部は、それぞれ上面及び対向する底面を備えている。前記中間部の前記上面は、前記第1及び第2脚部の前記上面から半径方向に離間されている。また、前記第1及び第2脚部の前記底面は、前記中間部の前記底面から半径方向に離間されている。前記密封カバー要素は、エラストマー材料から形成されており、環状の形状を備えている。
【0007】
別の実施形態によれば、前記ホルダ組立品の前記内側表面は、第1密封要素を取り付けるための第1密封溝と、第2密封要素を取り付けるための軸方向に離間した第2密封溝とを含む。前記第1密封溝は、前記留め具受け開口部の一方の側に形成され、前記第2密封溝は、前記留め具受け開口部の他方の側に形成されている。このように、動作時には、前記第1密封要素は、前記シャフトに接触するように配置されており、前記第2密封要素は、前記固定シールリングに接触するように配置されている。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明の上記及びその他の特徴及び利点は、次の詳細な説明とともに添付の図面を参照すればより完全に理解されるはずであり、図面の中の類似した参照記号は、これら複数の図面を通して類似の部材を示す。これら図面は本発明の原理を表すもので、縮尺は一定ではないが、相対的寸法を示す。
図1図1は、本発明の教示による、密封カバー要素を用いて止めねじ開口部をシールするメカニカルシールの部分断面図である。
図2図2は、本発明の教示によるメカニカルシールのホルダ要素の部分断面図である。
図3図3は、本発明の教示による図1の密封カバー要素の部分断面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明は、メカニカルシールのホルダ組立品内に形成された止めねじ開口部の密封(sealing)を実現する密封カバー要素を提供する。図示した実施形態に関連して本発明を下記のように説明する。当業者であれば、本発明は、多数の異なる応用例及び実施形態で実現可能であり、本明細書に記載した特定の実施形態に特に限定されないことは理解するはずである。
【0010】
ここでいう「シャフト」という用語は、機械システムにおいてシールを取り付け可能な任意適切な装置を指すことを意図しており、シャフト、ロッド、及び他の既知の装置を含む。
【0011】
ここでいう「軸方向の」及び「軸方向に」という用語は、任意のシャフトの軸に概ね平行な方向を指す。ここでいう「半径方向の」及び「半径方向に」という用語は、任意のシャフトの軸に概ね直角な方向を指す。「流体」及び「複数の流体」という用語は、液体、気体、及びそれらの組み合わせを指す。
【0012】
ここでいう「軸方向内側」という用語は、固定装置の部分及び/又はメカニカルシールの構成要素であって、このメカニカルシールを使用する固定装置(例えば、機械システム)の近接に配置された部分及び/又は構成要素を指す。よって、この用語は、メカニカルシールの構成要素であって、固定装置上に若しくはその内部に取り付けられたメカニカルシール、又はその装置の内部深くに若しくは最も近い位置に(中央寄りに(inboard))配置されたメカニカルシールの構成要素を指す。反対に、ここでいう「軸方向外側」という用語は、固定装置及びメカニカルシールの部分であって、メカニカルシールから遠位の(外側寄りの(outboard))部分を指す。
【0013】
ここでいう「半径方向内側」という用語は、メカニカルシール又は関連付けられた構成要素の部分であって、任意のシャフトに近接した部分を指す。反対に、ここでいう「半径方向外側」という用語は、メカニカルシール又は関連付けられた構成要素の部分であって、そのシャフトから遠位の部分を指す。
【0014】
ここでいう「固定装置」及び/又は「静止表面」という用語は、グランドを備えたシールが固定されるシャフト又はロッドを収容する任意適切な固定構造体を含むことを意図する。通常の技能を備えた当業者であれば、グランド組立品が、メカニカルシールの一部又は固定装置の一部を形成できることも理解するはずである。
【0015】
ここでいう「プロセス媒体」及び/又は「プロセス流体」という用語は、一般に、固定装置を介して移送されている媒体又は流体を指す。ポンプの応用例では、例えば、プロセス媒体は、ポンプハウジングを介してポンピングされている流体である。
【0016】
ここでいう「グランド」という用語は、固定装置へのメメカニカルシールの固定を可能にし、容易にし、補助する任意の適切な構造体であって、同時に1つ又は複数のシール構成要素を少なくとも部分的に取り囲む、又は収容する構造体を含むことを意図している。必要に応じて、グランドはメカニカルシールへの流体アクセスを提供することもできる。
【0017】
ここでいう「メカニカルシール」という用語は、シングルシール、分割シール、タンデムシール、二重シール、同心シール、ガスシール、螺旋シール、ソリッドシール、分割シール、並びに他の既知のシールタイプ及び構成を含む様々なタイプのメカニカルシールを含むことを意図している。
【0018】
図1-3に示すように、本発明のメカニカルシール10は、環状のホルダ組立品20と、環状の回転シールリング90と、環状の固定シールリング100と、付加的な環状の密封要素とを備えており、これらのすべてがシャフト12の周りに配置されている。ホルダ組立品20は、本発明の技術分野で知られているように、典型的には、固定装置に固定される環状グランド(図示せず)内に配置される。回転シールリング90は、固定シールリング100のシール面102と密封接触して配置されるように構成されたシール面92を有している。また、メカニカルシール10は、回転シールリング90の背面側又は後方部分と、ホルダ組立品20の内側半径方向段差面との間に取り付けられるスプリング84などの1つ又は複数の付勢要素を含んでおり、回転シールリング90の後方部分に付勢力を与える。
【0019】
図示したホルダ組立品20は、内側表面24及び外側表面26を備えた本体22を含む。内側表面24には、ピン又は止めねじ30などの留め具(fastener)を取り付けるための内側止めねじ開口部28が形成されている。ピン又は止めねじ30は、回転シールリング90をホルダ組立品20に結合するのに役立つ。内側表面24には、密封要素80を取り付けるためにサイズ決め且つ構成された最内側密封溝32が形成されている。密封要素80は、ホルダ組立品20の軸方向で最内側部と、シャフト12との間に流体密シールを実現する。内側表面24は、密封要素82を取り付けるための軸方向で最外側密封溝34も含んでいる。密封要素82は、ホルダ組立品20と回転シールリング90の半径方向外側表面との間にシールを提供する。追加の密封要素88を、固定シールリング100の上側部分の周りで密封を実現するために採用してもよい。
【0020】
また、ホルダ組立品20の本体22は、その外側表面26と内側表面24との間に形成される留め具受け開口部36を含む。具体的には、留め具受け開口部38は、ホルダ組立品20の内側表面と外側表面との間を完全に延在している。留め具受け開口部36は、止めねじ38などの留め具を取り付けるためのサイズ決め且つ構成されている。本体22の外側表面26は、留め具受け開口部36の両側に配置され、したがって外側表面26に沿って軸方向に離間された一対の密封要素溝40及び50をさらに備えている。溝40及び50は、留め具受け開口部36に比較的隣接して配置されることが好ましい。これら溝は、環状の密封カバー要素110の一部を取り付けるようサイズ決め且つ構成されている。一実施形態によれば、ホルダ組立品20には複数の留め具受け開口部36を形成することができる。止めねじ38は、メカニカルシール10を1つ又は複数の選択された場所に位置決めして取り付け、ホルダ組立品20をシャフト12に機械的に結合するのに役立つ。密封カバー要素110は、プロセス流体が止めねじ38を超えて開口部36介して漏れるのを最小限に抑える、又は防止するのに役立つ。
【0021】
図1-2に示すように、溝40は、溝底又は床面42と、一対の対向する溝側壁44A、44Bとを含む。同様に、溝50は、溝床面52と、一対の対向する側壁54A、54Bとを含む。溝40、50の側壁は、概して直線状(すなわち、概して垂直又は半径方向に延びる)になるように構成してもよいし、又は、ホルダ組立品20の長手軸に対して角度をつけてもよい。溝40、50は、サイズ及び形状が同一であってもよいし、異なる構成であってもよい。
【0022】
図3に示すように、密封カバー要素110は、中間部114によって互いに結合されている一対の対向する脚部116、118を有する本体112を具備している。脚部116、118は、密封カバー要素110の対向する端部に形成されている。中間部114は、脚部116、118の上面122から軸方向及び半径方向(例えば、水平方向及び垂直方向)の両方に離間された上面120を有する。同様に、中間部114の底面126は、脚部分116、118の底面128から、軸方向及び半径方向の両方(例えば、水平方向及び半径方向の両方)に離間されている。また、脚部116、188のそれぞれは、側壁を含む。例えば、脚部116は対向する側壁132A、132Bを含み、脚部118は対向する側壁134A、134Bを含む。これら対向する側壁は、底面128と接して、比較的直線的(例えば、90度の角度)の、又は丸みを帯び又は湾曲した角部や縁部を形成する。脚部118、118は、溝内に収まったときに脚部が摩擦又は機械ばめ(mechanical fit)を形成するように、溝40、50の寸法よりもわずかに大きい寸法を有することができる。さらに、中間部114は、溝40と50との間の軸方向距離に対応する長さを備えている。密封カバー要素110は、任意の適切な弾性材料製とすることができ、エラストマー材料から形成することができる。
【0023】
動作にあたっては、本発明のメカニカルシール10を組み立て、その後、固定装置(図示せず)に取り付ければよい。組立時には、回転シールリング90は、ピン又は止めねじ30によってホルダ組立品20に結合される。そして、ホルダ組立品20は、固定装置のシャフト12に沿って軸方向に位置決めされ、止めねじ38を用いてそれに対して締め付けられる。止めねじ38を通過する漏れを回避するために、密封カバー要素110が、止めねじ38及び対応する留め具受け開口部36の上に配置され、これにより流体密シールを形成する。シャフトがより高速で回転する際に、密封カバー要素110が誤って外れたり、メカニカルシール10から振り落とされたりするのを防ぐために、密封カバー要素110を止めねじ38の上に張り渡すことができる。具体的には、脚部116は溝50内に取り付けられ、脚部118は溝40内に取り付けられている。脚部116、118が溝40、50内に取り付け又は押圧されると、密封カバー要素110の中間部114は、溝40、50の間に跨るか又は延在することになり、留め具受け開口部36及びそこに取り付けられた止めねじ38を覆う。すなわち、脚部116の底面128は、溝50の床面52に接触し、脚部116の側壁132A、132Bは、溝50の側壁54A、54Bにそれぞれ接触している。同様に、脚部118の底面128は、溝40の床面42に接触し、脚部118の側壁134A、134Bは、溝40の側壁44A、44Bにそれぞれ接触している。密封カバー要素110のこの取り付け又は嵌め込みの仕組みは、流体が止めねじ開口部36のねじ穴及び関連する止めねじ38を通過したり、それらを超えて漏れたりするのを防ぐのに役立つ。密封カバー要素110の脚部116、188は、溝40、50内に取り付けられたときに軸方向に圧搾され、止めねじからの漏れが発生する可能性をなくし、したがって、実質的に流体密で隙間のない設計を達成することができる。
【0024】
さらに、ホルダ組立品20は、図示されているように、密封カバー要素110が、その本体22の外側表面26ではなく、内側表面24に取り付けられるように構成することができる。この実施形態では、溝40、50は、留め具受け開口部36の両側で内側表面24に形成される。溝40、50は、密封カバー要素110の脚部116、188が溝に軸方向に押し込まれるように構成することができる。溝40、50の側壁は、概して直線状(すなわち、概して垂直又は半径方向に延びる)になるように構成されるか、又は、このホルダの長手軸に対して角度をつけてもよい。
【0025】
密封カバー要素110の設計及び構成に基づけば、密封カバー要素は、メカニカルシール10及び関連する固定装置の空間的制約要件を満たすことができる。さらに、密封カバー要素110と他の密封要素を組み合わせることで、隙間のない環境の形成に貢献する。これは、ミクロバクテリウムの成長が許されない用途には不可欠である。
【0026】
従って、本発明は、これまでの記載から明らかとなった目的に含まれる、上述した目的を有効に達成することが分かるはずである。本発明の範囲を逸脱することなく上記の構成に対して一定の変更を施すことが可能であるから、この説明に含まれ又は添付の図面に示された全ての事項は、例示的なものとして解釈すべきであり、限定的な意味で解釈すべきではないことが意図されている。
【0027】
さらに、次の特許請求の範囲は、ここに説明された本発明のすべての一般的特徴及び具体的特徴を網羅するものであり、また本発明の範囲に関するすべての言明をも網羅するものと理解すべきである。
図1
図2
図3