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特許7562560ガラスセラミック材料を検出するためのシステム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-27
(45)【発行日】2024-10-07
(54)【発明の名称】ガラスセラミック材料を検出するためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/85 20060101AFI20240930BHJP
   G01N 21/88 20060101ALI20240930BHJP
【FI】
G01N21/85 Z
G01N21/88 H
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2021562023
(86)(22)【出願日】2020-04-09
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-29
(86)【国際出願番号】 EP2020060229
(87)【国際公開番号】W WO2020212263
(87)【国際公開日】2020-10-22
【審査請求日】2023-03-28
(31)【優先権主張番号】1904246
(32)【優先日】2019-04-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】502425053
【氏名又は名称】サン-ゴバン イゾベール
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100208225
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 修二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100217179
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 智史
(72)【発明者】
【氏名】ユーグ シュンヌビエール
(72)【発明者】
【氏名】エゼドディーヌ ウルジェミ
【審査官】小野寺 麻美子
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-083153(JP,A)
【文献】特開平11-138109(JP,A)
【文献】特表2008-519755(JP,A)
【文献】特開2005-181075(JP,A)
【文献】特開昭63-165791(JP,A)
【文献】BONIFAZI,G.,Classical imaging and digital imaging spectrophotometric techniques in cullets (glass fragments) sorting,PROCEEDINGS OF SPIE,2004年,Volume 5608,pp.264-277
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/00 - G01N 21/01
G01N 21/17 - G01N 21/61
G01N 21/84 - G01N 21/958
G06T 1/00 - G06T 1/40
G06T 3/00 - G06T 7/90
G06V 10/00 - G06V 20/90
G06V 30/418
G06V 40/16
G06V 40/20
B07C 1/00 - B07C 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カレット(2)の中からガラスセラミック型の材料を検出するための自動化されたシステム(1)であって、それぞれが同じ放射区域(11)に放射するように配向された少なくとも1つの白色光源(3)及び少なくとも1つの単色紫外光源(4)、前記少なくとも1つの白色光源(3)及び少なくとも1つの単色紫外光源(4)によって同時に放射された光線にさらされた前記カレット(2)を含む前記放射区域(11)のイメージを取得するように構成されたイメージ取得装置(5)、並びに前記イメージ取得装置(5)によって取得された前記イメージを処理するように構成されたイメージ処理装置(6)を備え、前記イメージ処理装置(6)が、他の種類のガラスの中からのガラスセラミック材料の検出を提供するように構成された比色分析イメージ処理モジュール(7、17)を備え、前記比色分析イメージ処理モジュール(7、17)が、HSVモデルによる比色分析イメージ処理モジュール(17)を備えることを特徴とする、検出システム(1)。
【請求項2】
前記比色分析イメージ処理モジュール(7、17)が、前記HSVモデルのうちデータHのみを考慮することによって、前記イメージ取得装置(5)によって取得された前記イメージを処理する、請求項1に記載の検出システム(1)。
【請求項3】
前記放射区域(11)が、前記2種類の光源によって同時に照らされる反射表面(10)に配置されたカレット(2)を含み、前記2種類の光源の光線が、前記反射表面(10)の、前記光源と同じ側に配置された前記イメージ取得装置(5)によって受け取られる、請求項1に記載の検出システム(1)。
【請求項4】
前記単色紫外光源(4)からの照射が、365nmを中心としたバンドパスフィルター(15)を通過する、請求項1~のいずれか1項に記載の検出システム(1)。
【請求項5】
前記少なくとも1つの白色光源(3)によって放射された光波が、前記イメージ取得装置(5)によって受け取られる前に、交差した偏光器(16)及び分析器(18)の装置によって処理される、請求項1~のいずれか1項に記載の検出システム(1)。
【請求項6】
前記カレット(2)に、前記光源の前記放射区域(11)を通過させることが意図されたコンベヤ(8)を備える、請求項1~のいずれか1項に記載の検出システム(1)。
【請求項7】
前記カレット(2)の移動の間に、前記カレット(2)の種々の破片の位置を決定するように構成された計算モジュールを備える、請求項1~のいずれか1項に記載の検出システム(1)。
【請求項8】
前記イメージ処理装置(6)が、RGBモデルによる比色分析イメージ処理モジュール(7)をさらに備える、請求項1~のいずれか1項に記載の検出システム(1)。
【請求項9】
ガラス繊維、中空ガラス又は板ガラスを製造するための設備であって、少なくとも1つのガラス炉と成形ステーションとを備え、前記設備において、カレットが前記ガラス炉に注がれて、前記成形ステーションを供給することが意図された溶融ガラスが得られ、前記設備が、請求項1~のいずれか1項に記載の自動化された検出のためのシステムを備え、前記自動化された検出システムが、前記ガラス炉に向かう前記カレットの経路に位置する、設備。
【請求項10】
請求項1~のいずれか1項に記載の、カレット(2)の中からガラスセラミック型の材料を比色分析で検出するための自動化されたシステム(1)を実行するための方法であって、
少なくとも1つの白色光源(3)及び少なくとも1つの単色紫外光源(4)によって、カレット(2)を同時に照らす工程、
イメージ取得装置(5)によって、反射された光線(14)を取得する工程、
他の種類のガラスの中からガラスセラミック材料を識別することを可能とする、前記イメージ取得装置(5)によって取得されたイメージを、比色分析イメージ処理モジュール(7、17)によって比色分析処理する工程
を含み、前記比色分析イメージ処理モジュール(7、17)が、HSVモデルによる比色分析イメージ処理モジュール(17)を備えることを特徴とする、検出方法。
【請求項11】
前記HSVモデルによる比色分析イメージ処理モジュール(17)による前記比色分析処理が、S=1かつV=0.5で、50°~70°のHのHSVデータで閾値処理される、請求項10に記載の検出方法。
【請求項12】
前記HSVモデルによる比色分析処理によってガラスセラミック材料の破片であると認識されたカレット(2)の破片の、前記イメージ取得装置(5)によって取得された前記画像が、これらの同じ破片の画像の、RGBモデルによる比色分析イメージ処理モジュール(7)による第二の比色分析処理の後に、青色/赤色の比を計算することによって再検査される、請求項10又は11に記載の検出方法。
【請求項13】
前記HSVモデルによる比色分析処理によってガラスセラミック材料の破片であると認識されたカレット(2)の破片が、RGBモデルによる比色分析処理の後に、前記青色/赤色の比の計算値が0.5より大きい場合に、ガラスセラミック材料の破片であると確認される、請求項12に記載の検出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガラスの破片、又はカレットのサンプルの中から、ガラスセラミック型の材料を検出するための自動化されたシステムに関する。本発明は、ガラスベースの製品を製造する産業の分野に属する。
【背景技術】
【0002】
ガラスの破片、又はカレットのサンプルは、種々のガラス製品を製造するために使用される。例えば、絶縁体の分野において、主としてカラットから得られるガラス繊維が、一般に使用される。カレットは、ボトル及び他のガラス容器の製造においても使用される場合がある。
【0003】
繊維ガラスの製造は、最初に、ガラスを溶融させるのに十分な温度に、すなわち約1500℃の温度に、ガラス炉においてカレットを加熱することを有する方法によって行われる。次いで、溶融ガラスは、繊維化プレート型の遠心装置に導かれ、繊維が作り出され、繊維は、コンベヤへの繊維の経路においてサイズ調整され、次いでコンベヤ上で乾燥、硬化及び成形される。
【0004】
ユーザーの分類のエラーに起因して、カレットは、ガラスだけではなく、ガラスセラミック材料を含む他の材料をさらに含有する場合がある。ガラスの特性とは異なる特性を有するこれらのガラスセラミック材料は、機械を損傷させること及び/又は製品における欠陥を引き起こすことによって、カレットベースの製品の製造方法において、重大な問題を引き起こす場合がある。
【0005】
例えば、上に提示されるガラス繊維の製造において、約1700°の融点を有するガラスセラミック材料は、ガラスが1500°で溶融されるガラス炉において、溶融されない。ガラス繊維を得るために、炉を出る溶融材料が、繊維化プレート型の内部遠心装置に導入されるとき、溶融ガラス中に含有されるガラスセラミック材料の断片は、特には直径が1mm未満である場合がある、繊維化プレートの穴を塞ぐ。その場合、全体の製造ラインを停止しなければならない。
【0006】
カレットをベースとしてボトル及び容器を製造するとき、カレット中に存在するガラスセラミック材料の断片は、得られる製品に対して局所的な脆さ、及び/又は美観の問題を引き起こす場合がある。
【0007】
前述のことから、カレットからガラスセラミック材料を除去するための任意の操作の前に、全ての断片の中で、ガラスセラミック材料を正確に識別することができるように、カレットの分析のための要求が存在する。
【0008】
カレットを分類するために、様々な方法が知られていて、それらの方法のそれぞれは、1つ又は複数の欠点を有する。
【0009】
1つの先行技術は、分光法によるカレットの分析を行うことにある。しかし、分光分析を行うために要求される設備は高価であり、かつ扱いにくい。さらに、この種類の分析は、透明なガラスセラミック材料を検出することができない。
【0010】
別の先行技術は、紫外光源及び可視範囲の光源でカレットを照射して、次いでシェーディングの方法によって、2つの得られたイメージの間の対応を分析することにある。言い換えれば、1つのカメラが、可視光によって照らされたカレットのイメージが暗いか又は明るいかを、すなわち、カレットが可視光を通過させたか否かを分析し、別のカメラが、紫外光によって照らされたカレットのイメージが暗いか又は明るいかを、すなわち、カレットがこれらの紫外光線を遮ったか否かを分析する。これらの試験のそれぞれの結果に応じて、装置は、分析されたカレットの種類を分類することを可能とする。この方法は、ガラスセラミック材料について特に適しているわけではなく、色付けされた及び/又は汚れたガラスの破片をガラスセラミック材料であるとみなす場合があることに注意すべきである。加えて、この方法は、高価であるか、及び/又は扱いにくいことが明らかな場合がある複数のイメージ取得装置を必要とする。
【0011】
X線検出方法も存在するが、これらの方法は、常に存在する照射のリスクのために、かなりの安全対策をとる必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、製造コストを限定的なものとし、かつ他人の健康を危険にさらすことのない特定手法で、カレット中のガラスセラミック材料の存在に起因するこれらの問題を解決することを可能とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、カレットの中からガラスセラミック型の材料を検出するための自動化されたシステムからなり、システムは、それぞれが同じ放射区域に放射するように配向された少なくとも1つの白色光源、少なくとも1つの単色紫外光源を備え、システムは、放射区域のイメージを取得するように構成されたイメージ取得装置、及びイメージ取得装置によって取得されたイメージのそれぞれを処理するように構成されたイメージ処理装置をさらに備え、イメージ処理装置は、他の種類のガラスの中からのガラスセラミック材料の検出を提供するように構成された比色分析イメージ処理モジュールを備える。
【0014】
ガラスセラミック材料を検出するために、2つの光源が使用される。単色紫外光源は、約365nmの波長で紫外光線を発する少なくとも1つの発光ダイオード(LED)である。ガラスセラミック材料は、紫外光線を遮る特性を有するが、一方で、他の種類のガラスの大部分は、これらの紫外光線を通過させ、従って、紫外光線は、それらの構造を通過する。より具体的には、355nm~365nmの波長の範囲について、ガラスセラミック材料は、紫外光線の多くを遮る特性を有する。この特性の違いは、ガラスセラミック材料中の金属酸化物、特に二酸化チタンTiO2の存在によって説明され、それは、紫外光線を吸収する特性を有する。従って、ガラスセラミック材料と他の種類のガラスとの間の、紫外範囲における光学特性の違いは、ガラスセラミック材料の特定検出のための決定因子である。
【0015】
白色光源は多色性であり、すなわち、単色紫外光源とは異なり、白色光源は複数の波長を結合した光照射を発する。白色光は、約400~800nmの波長範囲を有する可視範囲で発される。白色光は、ガラスセラミック材料を含む全ての種類の透明なガラスを通過する。
【0016】
光源は、同じ放射区域に光の照射を発するように配向されている。光の照射の組み合わせは、カレットの中で、他の種類のガラスからガラスセラミック材料を光学的に区別することを可能とする。
【0017】
有利には、イメージ取得装置は、デジタルイメージングにおいて一般に使用されるCCD型のカメラである。下で説明されるように、イメージ取得装置は、光源からの光線をキャプチャする。
【0018】
イメージ処理装置は、イメージ取得装置によって得られたショットを処理するアルゴリズムである。イメージ処理装置は、比色分析イメージ処理モジュールを備える。用語「比色分析処理」は、番号付け又は符号付けされたデータで、取得されたイメージに表れる色の色合いの対応を得ることを可能とする全ての種類の処理モジュールをいう。
【0019】
本発明の1つの特徴によれば、比色分析イメージ処理モジュールは、3データの比色分析モデルのうち1つのデータのみを考慮することによって、イメージ取得装置によって取得されたイメージを処理する。比色分析モデルのうち、多くは、色の色合いを、所定の色スペクトルの色のそれぞれが規定されることを可能とする3つのデータに変換することを有する。本発明の特性は、3つのデータのうち1つのデータから色の色合いを検出する能力を有することである。従って、本発明によって行われる分析は、例えば、あり得る連鎖検出の場合に、より良い性能を確実にする。
【0020】
本発明の1つの特徴によれば、比色分析イメージ処理モジュールは、HSVモデルによる比色分析イメージ処理モジュールであり、HSVモデルのうちデータHのみを考慮することによって、イメージ取得装置によって取得されたイメージを処理する。
【0021】
HSV色空間(フランス語ではTSV)は、色相(Hue)、彩度(Saturation)、明度(Value)を意味する頭字語である。これらの3つの用語のそれぞれのデータは、可視範囲における色の任意の色合いを規定することを可能とする。
【0022】
「色相」は、円によって表すことができ、0~360°のデータ範囲によって規定される表現である。以下の表に従って、それぞれの角度は色相を表す。
【表1】
【0023】
「彩度」は0~1であり、色の量の観念を反映している表現である。0に近い彩度は、より薄い傾向があり、一方で、1に近い彩度は、より飽和色となる。
【0024】
「明度」もまた0~1であり、輝き又は輝度の観念を反映している表現である。0に等しい明度を有する任意のデータは、黒色に関連している。明度が1に近いほど、関連する色は明るくなる。
【0025】
全ての異なるHSVデータは、回転の円錐によって表すことができ、その中で、可視の色の全ての色合いは、HSV表現に変換することができ、この回転の円錐の領域上の点に全てが対応する。色相は円錐の円周であり、彩度は円錐の半径であり、明度は円錐の高さである。
【0026】
HSVモデルによる比色分析イメージ処理モジュールは、HSVモデルのうち1つのデータのみを、より具体的にはこのHSVモデルのうちデータHのみを考慮することによって、イメージ取得装置によって取得されたイメージを処理する。先に記載されたように、HSVモデルは3つのデータの組に対応する。しかしながら、発明者らは、種々の試験によって、本検出システムによるカレットの分析の間に、色相Hのみが注目すべきデータであることを示した。このことは、検出システムが、HSVモデルのうち色相Hについてのデータのみを計算するように、従って3つのデータに代えて1つのデータのみを計算するように構成されることを可能とし、従って実行の速さを上昇させ、従ってシステムの効率を上昇させる。
【0027】
本発明の1つの特徴によれば、放射区域は反射表面を備え、カレットは反射表面上に配置され、それは2つの種類の光源によって同時に照らされる。同時に発された光線は、反射表面の、光源と同じ側に配置されたイメージ取得装置によって受け取られる。
【0028】
カレットが光源の放射区域に位置するときに、光源は、それらの照射をカレットに同時に投射する。従って、カレットは、紫外光線及び白色光線によって照らされる。この同時の照射は、検出システムが、他の種類のガラスからガラスセラミック材料を区別することを可能とする。
【0029】
光源がそれらの照射を同時に投射するとき、カレットは、光源の放射区域と、イメージ取得装置のキャプチャ平面との両方にある。反射表面は、これらの光線をイメージ取得装置に向けるように、光源によって発された、反射表面が受け取る光線を反射する。この配置は、光源及びイメージ取得装置を反射表面の同じ側に配置することを可能とし、従ってシステムの機械的な容積を限定的なものにする。
【0030】
本発明の1つの特徴によれば、単色紫外光源からの照射は、365nmの波長を中心としたバンドパスフィルターを通過する。従って、このバンドパスフィルターは、365nmに等しい値の波長を有する光の照射のみを通過させる。理論的には、単色紫外光源は365nmにおいてのみ拡散するが、続いて取得されるイメージの処理を曲解させ得る偽の紫外光線を発する場合がある。純粋に単色の光の照射を確実にするために、低バンドフィルターは、単色紫外光源に起因し、かつ365nmの値を有しないこれらの偽の光線を排除することを可能とする。より一般的には、365nmの波長を中心としたバンドパスフィルターはまた、UV源が、ある波長範囲で発され、かつ基本的な単色光源でない場合に、単色の照射を確実にする。
【0031】
本発明の1つの特徴によれば、少なくとも1つの白色光源によって発される光波は、イメージ取得装置によって受け取られる前に、交差した偏光器及び分析器の組立品によって処理される。
【0032】
白色光源があまりに高い明るさを有する場合、イメージ取得装置は、偽の「ノイズ」を伴ってキャプチャを行う。この「ノイズ」は、あまりに明るい特定の反射が、それらの輝度に起因するカレットの破片の幾らかを分かり難くする危険があるために、取得されたイメージを分析するのが困難となるような強度の光の反射に対応する。
【0033】
この「ノイズ」の問題を克服するために、偏光器及び分析器の装置が、システムに設けられる。偏光器は白色光源の前に配置され、一方で、分析器はイメージ取得装置のレンズの前に配置される。
【0034】
本発明の1つの特徴によれば、検出システムは、光源の放射区域を通ってカレットを通過させることが意図されたコンベヤを備える。
【0035】
カレットを静的に分析することができるが、カレットが光源の放射区域及びイメージ取得装置のキャプチャ平面を通過するにつれてカレットが順に分析されるように、反射マットを有する、あるいはそれらの反射表面上でそれぞれスクロールするカレットを有するシステム中のコンベヤを備える実施態様を実行することもあり得る。この目的のために、光源及びイメージ取得装置は、放出区域とキャプチャ平面とがコンベヤの経路に符合するように、配置されなければならない。この実施態様は、ガラスセラミック材料の検出を、カレットベースの製品を製造するプロセスに組み込むことを可能とし、このことは、ガラスセラミック材料がガラスセラミック材料であると検出される場合に、ガラスセラミック材料の除去を促進することができる。
【0036】
本発明の1つの特徴によれば、システムは、カレットの移動の間に、カレットの種々の破片の位置を決定するように構成された計算モジュールを備える。言い換えれば、カレットの自動化された移動を含む実施態様が実行される場合、検出システムは、放射区域及びキャプチャ平面の下流への移動の間に、カレットの種々の破片の位置をリアルタイムで与えることができる計算モジュールを備える。この計算モジュールは、カレットが移動するときに、それぞれの破片が追跡され、それとして認識されるように、特にカレットのスクロールの速さを考慮に入れる。従って、この計算モジュールは、放射区域において、それぞれの瞬間tにおける、ガラスセラミック材料の破片であると検出されたカレットの破片の位置を記録するために、及びコンベヤ上のカレットの移動の速さを考慮に入れることによって、瞬間t+Δtにおける、下流のそれらの位置を推測するために使用されて、特にはシステムの外部のガラスセラミックの破片を除去するための装置にその情報を送って、その装置が、正しい場所で、正しい時間に作動されて、カレットの1つ又は複数の所望の破片を排出する。
【0037】
本発明の1つの特徴によれば、及び上で説明されたものに対して相補的な手法において、比色分析処理装置は、RGBモデルによる比色分析イメージ処理モジュールをさらに備えることができる。RGBモデルは、HSVモデルとは異なる、色の定義のモデルである。HSVモデルと同様に、RGBモデルは、可視範囲において色の色合いのそれぞれを規定する、明度の3つのデータに基づいている。それぞれの色は、この色を規定するのに使用される3つの原色の、すなわち赤R、緑G及び青Bのそれぞれの明度によって規定される。RGBの明度のそれぞれは、0~255である。
【0038】
このRGBモデルによる比色分析イメージ処理モジュールは、検出システムに含まれて、HSVモデルの比色分析イメージ処理モジュールの結果を検証し、システムのより良い検出の正確さを確実にすることができる。
【0039】
本発明の1つの特徴によれば、RGBモデルの比色分析イメージ処理モジュールは、イメージ取得装置によって取得された全体のイメージをRGBデータに変換することができる。しかし、有利には、システムは、RGBモデルによる比色分析イメージ処理モジュールが、HSVモデルによる比色分析イメージ処理モジュールによるイメージの分析の後に、ガラスセラミック材料であると検出された破片に対応する取得されたイメージのピクセルのみをRGBデータに変換するように構成されることができる。従って、さらなるRGBモデルによる比色分析処理の期間は限定的である。
【0040】
本発明はまた、ガラス繊維、中空ガラス又は板ガラスを製造するための設備であって、少なくとも1つのガラス炉と成形ステーションとを備え、その中で、カレットがガラス炉に注がれて、成形ステーションを供給することが意図された溶融ガラスが得られ、設備が、上で説明された自動化された検出のためのシステムを備え、自動化された検出システムが、ガラス炉に向かうカレットの経路上に位置する設備に関する。
【0041】
本発明はまた、カレットの中から、ガラスセラミック型の材料を比色分析で検出するための自動化されたシステムを実行するための方法であって、以下の工程を含むことを特徴とする方法に関する。
少なくとも1つの白色光源及び少なくとも1つの単色紫外光源によって、カレットを同時に照らす工程。
イメージ取得装置によって、反射された光線を取得する工程。
他の種類のガラスの中からガラスセラミック材料を識別することを可能とする、イメージ取得装置によって取得されたイメージを、比色分析イメージ処理モジュールによって比色分析処理する工程。
【0042】
本発明の1つの特徴によれば、比色分析処理は、分析されるイメージのピクセル又はピクセルの群ごとに、単一のデータを決定することによって、次いでデータの、ある範囲との比較によって行われる。
【0043】
処理の正確さは、カレットのサイズ及び/又は要求に応じて変えることができる。従って、イメージ処理は、より良好な正確さを確実にするために、イメージ取得装置によってキャプチャされたイメージのそれぞれのピクセルについて行うことができる。
【0044】
ピクセルは、デジタルイメージの質を定義するのに使用される基本的な単位である。言い換えれば、それはイメージの正確な点に対応する。イメージ取得装置のピクセルの数は、選択されて検出システムに組み込まれるイメージ取得装置の解像度に依存する。
【0045】
処理はまた、より正確ではないが、より速い処理の速さでピクセルの組を処理するために、ピクセルの群ごとに行うことができる。分析モードのうち1つ又は他方の使用は、因子に、例えば、反射表面に堆積されたカレットにおける、カレットの破片のサイズ、破片の数、又は互いの上部への破片の積み重なりのリスクに依存する。
【0046】
本発明の1つの特徴によれば、比色分析処理はHSVモデルによる比色分析処理であり、S=1かつV=0.5で、50°~70°のHSV色相データH付近で閾値処理される。
【0047】
HSVモデルによる比色分析処理は、カレットの破片を、ガラスセラミックの破片として識別することを可能とする。光源が作動されてカレットの表面にそれらの照射を向けた後、イメージ取得装置によって、反射された光がキャプチャされ、この同じイメージは、HSVモデルによる比色分析処理を受け、処理されたイメージは分析され、カレットの破片は特定の色を呈するか、又は呈さない場合もある。実際には、検出システムの照明条件に応じて、ガラスセラミックの破片は、キャプチャされ、HSVモデルによって処理されたイメージにおいて特定の色を呈し、このことは、ガラスセラミックの破片をカレットの残りから区別する。理論的には、カレットに対する検出システムの使用の間に、ガラスセラミック材料は、それに固有の色を表す。
【0048】
比色分析処理の閾値処理は、2つの種類の光源によって同時に発された光線にさらされたときに、ガラスセラミックによって反射された色に基づく。その組成中の金属酸化物の存在に起因して、ガラスセラミック材料は、それが受ける紫外光線のうち幾らかを吸収する。これらの金属酸化物は紫外光線を吸収し、対応する結晶は青色光を散乱させ;これが、検出システムによってカレットが分析されるときに、ガラスセラミック材料が、理論的には黄色を表すガラスの唯一の種類であり、従ってこの閾値が選択される理由である。比色分析処理の後、計算モジュールは、色相Hが50°~70°である任意のピクセル又はピクセルの群をガラスセラミック材料と識別するように構成することができる。
【0049】
本発明の1つの特徴によれば、HSVモデルによる比色分析処理によってガラスセラミック材料であると識別されたカレットの破片の、イメージ取得装置によって取得された画像は、これらの同じ破片の画像の、RGBモデルによる比色分析イメージ処理モジュールによる第二の比色分析処理の後に、青色/赤色の比を計算することによって再検査される。
【0050】
言い換えれば、あるデータH付近を閾値とした、HSVモデルによる、イメージ処理装置によるイメージの分析の後に、理論的には、ガラスセラミック材料のみが、閾値データに近い色を表す。しかし、HSVモデルによるイメージ処理は、イメージ処理の間に偽陽性をもたらす場合がある。偽陽性は、ガラスの色が、HSVモデルによる処理の間に使用される閾値データの色に類似しているときに表れる場合があり、又は破片における特定の種類のガラスからのダストの存在に起因する場合がある。これらの偽陽性は、ガラスセラミック材料ではなく;それらは、ガラスベースの製品を製造するために使用することができ、従ってカレットから排除される必要はない。検出の正確さを改善し、これらの偽陽性を識別するために、ガラスセラミックの破片のデジタル表現に合うことが分かったピクセル又はピクセルの群のHSVデータは、RGBデータに変換される。この第二のイメージ処理は、偽陽性を排除することを意図している。
【0051】
ある変形の実施態様によれば、RGBモデルに基づく比色分析によるさらなるイメージ処理を、HSVモデルに基づく比色分析によるイメージ処理とは独立して、行うことができる。この変形において、RGBモデルに基づく処理は、前もって処理されていない、イメージ取得装置によって取得されたイメージに対して行われる。
【0052】
ガラスセラミック材料に対応する可能性があると識別されたピクセル又はピクセルの群の全てがRGBデータに変換された後、比B/Rが、これらの変換されたデータのそれぞれについて計算される。以降、比B/Rは、取得されたイメージにおいて、又はガラスセラミック材料の破片であるとみなされたカレットの破片において分かる青成分の明度と赤成分の明度との比に対応する。従って、青成分と赤成分との比は、ガラスセラミック材料と偽陽性とを区別する。従って、この比の計算は、全ての偽陽性が排除されること、及びガラスセラミック材料に対応すると検出された破片のみが保持されることを確実にする。
【0053】
本発明の1つの特徴によれば、HSVモデルによる比色分析処理によってガラスセラミック材料の破片であると識別されたカレットの破片は、RGBモデルによる比色分析処理の後に、青色/赤色の比の計算値が0.5より大きい場合に、ガラスセラミック材料の破片であると確認される。
【0054】
ガラスセラミック材料は、ガラスの中で、HSVイメージ処理によって陽性と検出される場合があり、かつ0.5より大きい比B/Rを有する唯一のガラスである。しかし、一般に偽陽性とみなされる他のガラス、例えばワイン又はシャンパンのボトルのために使用されるガラスの破片は、0.07~0.23の比B/Rを有する。通常の種類のガラスは1のB/R比を有するが、この種類のガラスは、HSVモデルによるイメージ処理の間に、ガラスセラミック材料と検出されることはできない。
【0055】
本発明の他の特徴及び利点は、例示の目的のために、かつ添付の模式図に関して限定されずに与えられる、以下の説明と、複数の例示的な実施態様との両方から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
図1】本発明の1つの実施態様による検出システムの模式図である。
図2】通常のガラスの破片に対する、及びガラスセラミック材料の破片に対するシステムの光源の照射の挙動の模式図である。
図3】検出システムを実行する方法の模式図である。
図4】受け取られた光の波長の関数としての、異なる種類のガラスの光の透過の割合を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0057】
図1は、本発明による検出システム1を表している。このシステム1は、白色光源3に対応する第一の種類と、単色紫外光源4に対応する第二の種類とを含む2つの種類の光源を備える。1つ又は複数の白色光源3と、1つ又は複数の単色紫外光源4とは、光源を支持し、かつ電気エネルギーを供給するための手段を備える構造体13に取り付けられる。イメージ取得装置5は、構造体13の上に突き出ている。例示されている例において、イメージ取得装置5は、取り付け手段36によって支持されているが、構造体13に直接的に一体化されていてもよい。
【0058】
白色光源3によって発された光線は、光の強度を限定して、迷光反射を回避するために、偏光器16によって直接的にフィルタリングされ、光線は、次いで処理することができる。単色紫外型光源4によって発された光線は、純粋に単色紫外照射を得るために、365nmを中心としたバンドパスフィルター15によって、順にフィルタリングされる。図示された例において、光源及びフィルターの配置は、均一な全体の照明を得るために、構造体13の反対側に、同じ位置にある。
【0059】
白色光源3及び単色紫外光源4は、放射区域11の方向に、光線12を発する。放射区域11は、イメージ取得装置5のキャプチャ平面に一致する。白色光源3及び単色紫外光源4によって発された光線12は、カレット2が配置される反射表面10に投影される。
【0060】
図示されている例において、反射表面10は、方向9に移動するコンベヤ8に配置されている。図2に示されるように、白色光源3によって、及び単色紫外光源4によって発された光線は、それらが、カレット2が配置される放射区域に到達するとき、変化する場合がある挙動を有する。
【0061】
光線14は、表面10によって、イメージ取得装置5の方向に反射される。これらの光線14は、偏光器16に対して交差した分析器18によってフィルタリングされる。偏光器16と分析器18とが共同してあることは、白色光源3によって発された光線に起因する、イメージの処理を解釈しづらくする迷光反射を限定することが意図されている。イメージ取得装置5は、反射表面10によって反射される光線14によって、カレット2のイメージをキャプチャする。
【0062】
イメージが取得された後、そのイメージは、イメージ取得装置5に電気的に接続されたイメージ処理装置6によって処理される。イメージ処理装置6は、イメージのピクセルをピクセルごとに、又はピクセルの組ごとに分析して、これらのピクセルをHSVデータに変換するように構成された、HSVモデルによる比色分析イメージ処理モジュール17を備える。HSVモデルによる比色分析イメージ処理モジュール17は、それぞれのピクセル又はピクセルの組について、固定された彩度Sデータ及び明度Vデータについて、色相データHが決定されるように構成されている。ここで、これらの固定されたデータは、S=1及びV=0.5に等しい。
【0063】
次いで、それぞれの決定された色相データHは、少なくとも1つの閾値のデータと比較される。例えば、色相データHは、50°の最小の閾値及び70°の最大の閾値と比較される。言い換えれば、ピクセル又はピクセルの組が、S=1かつV=0.5で、50°≦H≦70°に等しいHSVデータを有する場合、このピクセル又はピクセルの組は、ガラスセラミック材料の破片の部分であると識別される。この情報は、システムのユーザーが主導で介在して、カレットからガラスセラミックの破片を除去することができるようにシステムのユーザーに、又は認識されたガラスセラミックの破片が、目標とする方式で排出されることを可能とする自動化された装置に伝えられる。
【0064】
代わりに、さらなる比色分析処理を実行することができる。HSVモデルの比色分析イメージ処理モジュール17によってガラスセラミックの破片であるとみなされた破片のHSVデータは、次いで、イメージ処理装置6に含まれるRGBモデルの比色分析イメージ処理モジュール7によってRGBデータに変換され、RGBモデルの比色分析イメージ処理モジュール7は、HSVモデルの比色分析イメージ処理モジュール17によって行われる処理に起因する起こり得る偽陽性を検出して、検出システム1の正確さを改善するために、回収されたRGBデータの青色/赤色の比B/Rを計算する。その実施態様によれば、RGBモデルの比色分析処理モジュール7は、イメージ取得装置5によって取得された全体のイメージを変換することもできる。さらには、イメージは、RGBモデルの比色分析処理モジュール7に、直接伝送される。
【0065】
図2は、2つの異なる種類のガラスに対する、光源からの光の照射の模式図である。模式的な単純化のために、それぞれの光源からの2つの光線のみが示されているが、実際には、光源は、多数の方向に、例えば90°の放射角度に、放射している。さらに、これもまた図を単純化するために、ガラスの破片に対する光線の屈折現象は示されていない。
【0066】
図2は、白色光源3及び単色紫外光源4を示していて、それぞれの光源は、それらの各々の光の照射を発している。白色光源3は、実線で示される白色光線26を発していて、単色紫外光源4は、点線で示される365nmの波長を有する紫外光線25を発している。2つの光線は、反射表面10に配置されたカレットが存在する放射区域11で交わる。ここでは、通常のガラスの破片23及びガラスセラミックの破片24が、カレット中に存在する。
【0067】
通常のガラスの破片23は、全ての種類の光線を通過させる。従って、白色光線26及び紫外光線25は、通常のガラスの破片23の構造を通過し、反射表面10によって反射され、再び通常のガラスの破片23の構造を、イメージ取得装置5に向かって通過する。
【0068】
ガラスセラミックの破片24は、通常のガラスの破片23とは異なる光学特性を示す。図4を参照してより詳細に説明されるように、ガラスセラミック材料は、紫外光線の多くを吸収する特性を有する。従って、紫外光線25は、全てがガラスセラミックの破片24の構造を通過するわけではなく、大部分が吸収される。一般に、365nmの波長を有する紫外光線は、その軌道がガラスセラミック材料の破片を通過する場合、イメージ取得装置5の方向に、ほとんど反射しない。通常のガラスの破片23についてと同様に、白色光線26は、ガラスセラミックの破片24を通過し、イメージ取得装置5の方向に反射される。
【0069】
理論的には、イメージ取得装置5は、白色光源3からの全ての白色光線26と、1つ又は複数のガラスセラミックの破片24によって多く吸収された紫外光線25を除いた単色紫外光源4からの紫外光線25とを受け取る。この2つの照明、及びガラスセラミック材料による紫外光線の部分的な削減は、ガラスセラミック材料が、カレットの残部とは異なり、黄色の色相を呈するため、取得されたイメージに対する可能な比色分析をもたらす。
【0070】
図3は、検出システムを実行する方法の模式図である。
【0071】
所与の速さでコンベヤをスクロールする工程27は、1つ又は複数のカレットの、それらの反射表面への、又は直接的にコンベヤの反射マットへの移動を含む。
【0072】
コンベヤのスクロール27は、カレットを放射区域に配置する工程29をもたらす。同時に、放射区域に存在するカレットを照らすために、光源からの光の照射を発する工程28が開始される。放射区域にカレットを配置する工程29と、光源からの光の照射を発する工程28との結合は、イメージ取得装置によってイメージを取得する工程30につながる。
【0073】
イメージがキャプチャされた後、キャプチャされたイメージは、順に、HSVモデルによってイメージを比色分析処理する少なくとも1つのサブステップからなる、イメージを処理する工程32を受ける。HSVモデルによってイメージを比色分析処理するためのサブステップ33は、イメージを取得する工程30の間に取得されたイメージを、ピクセルごとに、又はピクセルの群ごとに、規定されたデータS及びVについて50°≦H≦70°であるように、50°と70°との間のHの閾値を、このイメージに適用することによって、分析する。この閾値に該当するピクセル又はピクセルの群がない場合、検出システムを実行するための方法は終了し、コンベヤ上をスクロールする新たなカレットを用いて、新たなサイクルを再び始める。
【0074】
1つ若しくは複数のピクセル、又は1つ若しくは複数のピクセルの群が、このHの閾値処理に該当する場合、理論的には、これらのピクセル又はピクセルの群に対応するカレットの破片は、ガラスセラミックの破片と識別される。従って、情報が、後に説明されるカレット監視計算工程31に伝送されるか、又はRGBモデルによるイメージの比色分析処理のサブステップ34を介して、偽陽性の検査が行われる。このために、複数の段階が互いをフォローする。すなわち、まず、取得されたイメージはRGBモデルによって処理され;これは、イメージ全体か、HSVモデルのデータHの閾値処理に該当するピクセルのみかのいずれかであってよい。これらのピクセルのそれぞれについて、赤明度R及び青明度Bが回収され、その2つの明度は0~255である。次いで、RGBモデルによる比色分析イメージ処理モジュールは、比B/Rを計算し、この比を閾値に対して比較する。B/Rの閾値は、0.5超に設定される。言い換えれば、1つ若しくは複数のピクセル又は1つ若しくは複数のピクセルの群の比B/Rが0.5の閾値より大きい場合、該当する破片は、ガラスセラミックの破片であると確認される。この同じ比が、0.5の閾値より小さい場合、該当する破片は偽陽性であり、ガラスセラミックの破片ではないと識別される。
【0075】
次いで、この情報の全ては、追跡計算工程31に伝送される。追跡計算工程31の間に、対象の破片、すなわち、HSVモデルによってイメージを比色分析処理するサブステップ33に従ってガラスセラミックの破片であると認識され、RGBモデルによってイメージを比色分析処理するサブステップ34の間にガラスセラミックの破片であると確認された破片が、そのような破片がシステム中に存在する場合、ターゲットされる。これらの破片は、コンベヤの速さに応じて、カレットの移動の速さを考慮に入れることによって、ターゲット及び追跡される。その破片は、時間tにおいて知られている位置から、システムが、時間t+Δtにおけるそれらの位置を正確に決定することができるという点で、ターゲットされると理解される。
【0076】
追跡計算工程31の間に、これらの破片がターゲットされると、次いで、ガラスセラミックの破片を排除する工程35が次にきて、それらは検出システムの外部にあるため、図では点線で示されている。ガラスセラミックの破片を排除する工程35は、コンベヤに沿って、検出システムの下流に存在するブロワ装置によって行うことができる。追跡計算工程31のおかげで、計算モジュールから位置情報を受け取ったブロワ装置は、ガラスセラミックの破片が位置する位置で、及び適したときに作動される。そうして、ガラスセラミックの破片はカレットから排出される。
【0077】
図4は、発される光の波長の関数としての、異なる種類のガラスを通る光の透過の割合を示すグラフである。4つの異なる種類のガラスに対応する4つの曲線が:通常の、すなわち最も一般的なガラスに対応する曲線19、ガラスセラミック材料に対応する曲線20、一般的にワインボトルを製造するのに使用されるボトルガラスに対応する曲線21、及び一般的にシャンパンボトルを製造するのに使用されるシャンパンガラスに対応する曲線22が、このグラフ上に見られる。グラフの横座標について、400nmより小さい領域は紫外範囲に対応していて、一方で、400nmより大きい領域は可視範囲に対応している。
【0078】
通常のガラスの曲線19及びガラスセラミック材料の曲線20は、類似の挙動、すなわち、85~90%の透過のレベルに到達するまでの、光の透過の割合の強い増加に対応する曲線を有する。これらの2つの曲線の間の主要な違いは、通常のガラスの曲線19は、ガラスセラミック材料の曲線20の急な増加よりも短い波長において、鋭く増加することにある。従って、通常のガラスは、紫外光線において、ガラスセラミック材料の透過率よりも、かなり高い透過率を有する。この違いは、365nmの波長を有する単色紫外光源の使用の根拠となるものである。なぜならば、この値において、通常のガラスの光の透過の割合は80%より高く(図4の点P1)、一方で、ガラスセラミック材料の光の透過の割合は20%より低い(図4の点P2)からである。従って、イメージ取得装置は、365nmの紫外光線と、全体の可視スペクトルの白色光線(例えば550nm)とを、それらが通常のガラスの破片を通過する場合にはキャプチャするが、ガラスセラミックの破片に当たった紫外光線の全てをキャプチャするわけではない。なぜなら、これらは、ガラスセラミック材料によって、多くが吸収されるからである。検出システムの照明条件は、ガラスセラミック材料が、その光学特性を通じて、選択されるHSV閾値のデータ、すなわち50°≦H≦70°に対応する黄色に色付けされた色相を呈するような条件である。ガラスセラミック材料に対応する色の色合いは、複数の因子に、特に光源に、又はイメージ取得装置の種類に依存する。
【0079】
先に説明されたように、この黄色の色は、ガラスセラミック材料の組成中の金属酸化物の存在によって説明される。
【0080】
他の2つの曲線、すなわちボトルガラスの曲線21及びシャンパンガラスの曲線22もまた、互いに対して類似の挙動を有する。これらは、2つの種類のガラスであって、それぞれの曲線が可変であり、かつかろうじて50%の光の透過を超過しない(図4の点P3)光波を伝える2つの種類のガラスである。紫外光に関して、ボトルガラス及びシャンパンガラスは、特には単色紫外光源の照射波長に対応する365nmで、ガラスセラミック材料の光の透過の割合に類似した光の透過の割合を有する。従って、ボトルガラス及びシャンパンガラスは、ガラスセラミック材料と同じように、単色紫外光源によって発された紫外光線を吸収する。さらに、この2つの種類のガラスが光を最もよく透過させる波長の値は、約550~570nmである。可視スペクトルにおいて、この波長の範囲は、黄緑色に対応する。
【0081】
まとめると、ボトルガラス及びシャンパンガラスは、実質的に、ガラスセラミック材料と同じUV吸収特性を有し、それらの最も良い光の透過の割合は、イメージ取得装置によって取得されたイメージが、HSVモデルによる比色分析イメージ処理モジュールによって処理されるときに、ガラスセラミック材料の閾値の色相に非常に類似した色相である黄緑色に対応している。従って、ボトルガラス及びシャンパンガラスは偽陽性となりやすい2つの種類のガラスであり、すなわち、それらは、HSVモデルによる比色分析イメージ処理モジュールによる分析の間に、それらがガラスセラミック材料の破片でないときに、ガラスセラミック材料の破片であると検出されやすい。RGBモデルの比色分析イメージ処理モジュールの存在の利点は、ボトルガラス及びシャンパンガラスの比B/Rが0.5より小さく、それらがガラスセラミック材料の破片であることを否定することができる場合に、十分に明らかとなる。
【0082】
先の記載を読むことで、本発明が、カレット中のガラスセラミック材料を検出するための自動化されたシステムを提供することが理解される。本発明は、ここで説明及び例示された手段及び構成に限定される必要はなく、任意の均等な手段又は構成に、並びにこのような手段を使用する任意の技術的な組み合わせに拡張される。特に、照明条件が、ガラスセラミック材料の黄色の配色を含む実施態様が説明されるとき、黄色以外の色を検出するように、説明された閾値の値とは異なるように、比色分析処理モジュールに関連する計算モジュールにおいて実行される閾値について規定することができる。なぜなら、本発明によれば、HSVモデルからの1つのデータのみが値の範囲と比較されて、説明されるように、製造ラインにおいて実行することができる速い検出を可能とするからである。
【0083】
本発明によれば、考慮されるHSVモデルのデータは、照明条件に依存し、かつイメージ取得手段の質に依存する場合もある閾値と比較される。従って、使用されるカメラの質に依存して、ガラスセラミック材料について識別される色は、例えば、肉眼に対して黄色であるが、上で説明されたものに従えば、緑色になる傾向がある場合がある。HSVモデルの閾値を調節するために、カメラの校正が必要となる場合がある。本発明によれば、適した照明の下で、例えばブロードなスペクトルの白色光源及び365nmをターゲットとした波長を有する紫外照射源の下で、ガラスセラミック材料は、それに固有の色相、具体的には黄色を呈することによって反応し、このことは、イメージ取得手段及び比色分析処理モジュールによって、他のガラスサンプルの中からこのガラスセラミック材料を検出することを可能とする、と理解されるべきである。
本発明の実施形態としては、以下の実施形態を挙げることができる。
(付記1)
カレット(2)の中からガラスセラミック型の材料を検出するための自動化されたシステム(1)であって、それぞれが同じ放射区域(11)に放射するように配向された少なくとも1つの白色光源(3)及び少なくとも1つの単色紫外光源(4)、前記放射区域(11)のイメージを取得するように構成されたイメージ取得装置(5)、並びに前記イメージ取得装置(5)によって取得された前記イメージのそれぞれを処理するように構成されたイメージ処理装置(6)を備え、前記イメージ処理装置(6)が、他の種類のガラスの中からのガラスセラミック材料の検出を提供するように構成された比色分析イメージ処理モジュール(7、17)を備えることを特徴とする、検出システム(1)。
(付記2)
前記比色分析イメージ処理モジュール(7、17)が、3データの比色分析処理モデルのうち1つのデータのみを考慮することによって、前記イメージ取得装置(5)によって取得された前記イメージを処理する、付記1に記載の検出システム(1)。
(付記3)
前記比色分析イメージ処理モジュール(7、17)が、HSVモデルによる比色分析イメージ処理モジュール(17)を備え、前記HSVモデルのうちデータHのみを考慮することによって、前記イメージ取得装置(5)によって取得された前記イメージを処理する、付記2に記載の検出システム(1)。
(付記4)
前記放射区域(11)が、前記2種類の光源によって同時に照らされる反射表面(10)に配置されたカレット(2)を含み、前記2種類の光源の光線が、前記反射表面(10)の、前記光源と同じ側に配置された前記イメージ取得装置(5)によって受け取られる、付記1~3のいずれか1項に記載の検出システム(1)。
(付記5)
前記単色紫外光源(4)からの照射が、365nmを中心としたバンドパスフィルター(15)を通過する、付記1~4のいずれか1項に記載の検出システム(1)。
(付記6)
前記少なくとも1つの白色光源(3)によって放射された光波が、前記イメージ取得装置(5)によって受け取られる前に、交差した偏光器(16)及び分析器(18)の装置によって処理される、付記1~5のいずれか1項に記載の検出システム(1)。
(付記7)
前記カレット(2)に、前記光源の前記放射区域(11)を通過させることが意図されたコンベヤ(8)を備える、付記1~6のいずれか1項に記載の検出システム(1)。
(付記8)
前記カレット(2)の移動の間に、前記カレット(2)の種々の破片の位置を決定するように構成された計算モジュールを備える、付記1~7のいずれか1項に記載の検出システム(1)。
(付記9)
前記比色分析処理装置(6)が、RGBモデルによる比色分析イメージ処理モジュール(7)をさらに備える、付記1~8のいずれか1項に記載の検出システム(1)。
(付記10)
ガラス繊維、中空ガラス又は板ガラスを製造するための設備であって、少なくとも1つのガラス炉と成形ステーションとを備え、前記設備において、カレットが前記ガラス炉に注がれて、前記成形ステーションを供給することが意図された溶融ガラスが得られ、前記設備が、付記1~9のいずれか1項に記載の自動化された検出のためのシステムを備え、前記自動化された検出システムが、前記ガラス炉に向かう前記カレットの経路に位置する、設備。
(付記11)
付記1~9のいずれか1項に記載の、カレット(2)の中からガラスセラミック型の材料を比色分析で検出するための自動化されたシステム(1)を実行するための方法であって、
少なくとも1つの白色光源(3)及び少なくとも1つの単色紫外光源(4)によって、カレット(2)を同時に照らす工程、
イメージ取得装置(5)によって、反射された光線(14)を取得する工程、
他の種類のガラスの中からガラスセラミック材料を識別することを可能とする、前記イメージ取得装置(5)によって取得されたイメージを、比色分析イメージ処理モジュール(7、17)によって比色分析処理する工程
を含むことを特徴とする、検出方法。
(付記12)
前記比色分析処理が、分析されるイメージのピクセル又はピクセルの群ごとに、単一のデータを決定することによって、次いでデータの、ある範囲との比較によって行われる、付記11に記載の検出方法。
(付記13)
前記比色分析処理が、HSVモデルによる比色分析処理であり、S=1かつV=0.5で、50°~70°のHのHSVデータ付近で閾値処理される、付記11又は12に記載の検出方法。
(付記14)
前記HSVモデルによる比色分析処理によってガラスセラミック材料の破片であると認識されたカレット(2)の破片の、前記イメージ取得装置(5)によって取得された前記画像が、これらの同じ破片の画像の、前記RGBモデルによる比色分析イメージ処理モジュール(7)による第二の比色分析処理の後に、青色/赤色の比を計算することによって再検査される、付記11~13のいずれか1項に記載の検出方法。
(付記15)
前記HSVモデルによる比色分析処理によってガラスセラミック材料の破片であると認識されたカレット(2)の破片が、RGBモデルによる比色分析処理の後に、前記青色/赤色の比の計算値が0.5より大きい場合に、ガラスセラミック材料の破片であると確認される、付記14に記載の検出方法。
図1
図2
図3
図4