(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-27
(45)【発行日】2024-10-07
(54)【発明の名称】重量センサを備えた文書スタッカ
(51)【国際特許分類】
B65H 43/06 20060101AFI20240930BHJP
B65H 31/26 20060101ALI20240930BHJP
【FI】
B65H43/06
B65H31/26
(21)【出願番号】P 2021571743
(86)(22)【出願日】2020-06-03
(86)【国際出願番号】 EP2020065306
(87)【国際公開番号】W WO2020245167
(87)【国際公開日】2020-12-10
【審査請求日】2023-05-09
(32)【優先日】2019-06-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(73)【特許権者】
【識別番号】521126988
【氏名又は名称】プロクマティック・インターナショナル・エービー
【氏名又は名称原語表記】PLOCKMATIC INTERNATIONAL AB
【住所又は居所原語表記】Telefonvaegen 30,126 26 Haegersten,Sweden
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100219542
【氏名又は名称】大宅 郁治
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】ティルマン、アンデルス
【審査官】畔津 圭介
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-067394(JP,A)
【文献】特開2009-215068(JP,A)
【文献】特開2005-075609(JP,A)
【文献】特開2008-265990(JP,A)
【文献】特開2010-222091(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 43/06
B65H 31/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
文書処理装置(3)から文書(2)を受け取るための文書スタッカ(1)であって、
文書支持体(4)と、
フレーム(5)と
を備え、
前記文書支持体(4)は、前記文書支持体(4)が、
非水平な所定の移動経路(7)に沿って前記フレーム(5)に対して線形に移動可能であるように構成された線形案内手段によって前記フレーム(5)に取り付けられており、
前記文書スタッカ(1)は、前記移動経路(7)に沿った前記フレーム(5)と前記文書支持体(4)との間の相対移動に抗することと、前記文書支持体(4)によってロードセル(14)にかかる荷重を表す出力信号を発することとを行うように構成されたロードセル(14)を更に備える、
文書スタッカ(1)。
【請求項2】
前記線形案内手段は、前記所定の移動経路(7)が、垂直から0~15度の範囲内で延在するか、垂直から0~5度の範囲内で延在するか、又は垂直に延在するように構成される、請求項1に記載の文書スタッカ(1)。
【請求項3】
前記線形案内手段は、レール部分(9)と、前記所定の移動経路(7)に沿った移動のために前記レール部分(9)を案内するように構成された対応する軸受システムとを備え、前記レール部分(9)
は前記文書支持体(4)に取り付けられ、前記軸受システムは
前記フレーム(5)に取り付けられているか、又は、前記レール部分(9)は前記フレーム(5)に取り付けられ、前記軸受システムは前記文書支持体(4)に取り付けられている、請求項1又は2に記載の文書スタッカ(1)。
【請求項4】
前記軸受システムは、前記レール部分(9)が間に延在する複数の対向するホイール(10)を備え、前記複数のホイール(10)は、前記所定の移動経路(7)の少なくとも一部に沿って離間されている、請求項3に記載の文書スタッカ(1)。
【請求項5】
前記複数のホイール(10)は、前記レール部分(9)が間に延在する少なくとも一対のホイール(10)を備え、前記一対のホイール(10)は、前記レール部分(9)の両側で互いに対向している、請求項4に記載の文書スタッカ(1)。
【請求項6】
前記文書支持体(4)は、前記文書スタッカ(1)の入力部(12)から延在するエンドレスベルト(11)を備える、請求項1から5のいずれか一項に記載の文書スタッカ(1)。
【請求項7】
前記文書スタッカ(1)は、前記文書スタッカの外側端部に設けられたエンドストップ(13)を備える、請求項1から6のいずれか一項に記載の文書スタッカ(1)。
【請求項8】
前記エンドストップ(13)は、前記文書支持体(4)に取り付けられている、請求項7に記載の文書スタッカ(1)。
【請求項9】
前記エンドストップ(13)は、前記文書支持体(4)に対して斜めに延在して、文書(2)が前記エンドストップ(13)を通過して供給されることを防止する、請求項7又は8に記載の文書スタッカ(1)。
【請求項10】
請求項7又は8に記載の文書スタッカ(1)であって、
前記ロードセル(14)の前記出力信号を受信し、前記文書支持体(4)にかかる重量を示す荷重値を導出することと、
前記荷重値を、満杯になる前に前記文書支持体(4)が担持することができる文書(2)の最大荷重を示す容量値と比較することと、
荷重パラメータが前記容量値の所定の割合を超えると、容量信号を発することと
を行うように構成されたコントローラを備える、文書スタッカ(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プリンタやブックレットメーカなどの文書処理装置に関する。特に、本開示は、処理後に文書処理装置から文書を受け取り、受け取った文書を一時的に格納するスタッカの改善に関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタなどの文書処理装置は、複数のシートを処理して、それらを書籍又は小冊子などのより価値のある製品に変える。典型的には、複数のシートは、まず印刷され、次いでステープル留め及び/又は接着によって接合される。複数のシートを折り畳んでブックレットにすることも一般的な処理ステップであり、オプションでブックレットの裏面を四角く折り畳むことができる。ブックレットの準備ができた後、複数の文書/ブックレットを保持するように構成された文書スタッカ上に供給される。文書スタッカは、格納容量が限られており、定期的に空にしなければならない。いくつかの文書スタッカは、受け取ったブックレットの数をカウントするためのカウント機構と、スタッカが満杯であるか、又はその最大格納容量の所定のレベルに達したことを示す容量信号を発するように構成されたコントローラとを有する。従って、前述の文書処理装置(複数可)は、文書スタッカの容量信号を傾聴し、それに応じて、文書スタッカが満杯になる前に適切な方法でシートの処理を減速又は停止することによって、その動作を制御し得る。
【0003】
更なる処理及び/又は検査のためにオペレータはいつでも文書スタッカからいくらかの文書を抜き取ることができるため、スタッカの残容量が増えるという追加の課題があることが判明している。このような文書スタッカからの文書の手動による取り出しでは、文書スタッカの残容量を評価することが困難であり、文書スタッカに供給された文書の数をカウントするだけでは、オペレータが文書スタッカから文書を取り出したり、文書スタッカに文書を加えたりすると、残容量を正確にカウントすることができない。
【0004】
また、プリンタのようないくつかの文書処理装置は、高速で動作し、シートの処理の前及び後に起動及びスピンダウンのためにある程度の時間を必要とする。従って、残容量を正確に評価し、いつ文書スタッカが満杯になるかを予測することができること、それによって、文書処理装置が適時にスピンダウンする、すなわち文書の処理を減速して停止するように制御されるのに十分早くに容量信号を文書処理装置に提供することができることが有利である。
【0005】
また、残容量の評価を誤ると、文書スタッカは、実際には残容量があるのにスタッカが満杯になることを示す容量信号を発してしまい、それにより、まだ必要ではなくても、前述の文書処理装置の停止又はスピンダウンを引き起こす可能性がある。これにより、生産効率が低下する。
【0006】
従って、本発明の目的は、文書スタッカの残りの格納容量の改善された評価を可能にする改善された文書スタッカを提供することである。
特開2010-222091号公報は、画像形成装置およびプログラムを開示します。
米国特許出願公開第2009/146369号明細書は、シート積載装置、シート処理装置及び画像形成装置を開示します。
特開2000-103567号公報は、用紙処理装置を開示します。
特開2008-265990号公報は、用紙排出装置及び画像形成装置を開示します。
米国特許出願公開第2012/217697号明細書は、シート取扱いシステム用のシート積重ね装置を開示します。
【発明の概要】
【0007】
これら及び他の目的は、本発明の第1の態様による文書スタッカによって達成される。第1の態様による文書スタッカは、請求項1において定義されており、実施形態は、従属請求項2~10に記載されている。文書スタッカは、文書支持体とフレームとを備える。文書支持体は、文書支持体が、水平面に対して傾斜した、すなわち非水平な所定の移動経路に沿ってフレームに対して線形に移動可能であるように構成された線形案内手段によってフレームに取り付けられている。また、文書スタッカは、上記所定の経路に沿ったフレームと文書支持体との間の相対移動に抗することと、文書支持体によってロードセルにかかる荷重を表す出力信号を発することとを行うように構成されたロードセルを備える。
【0008】
使用時、文書支持体は、文書処理装置から文書を受け取り、それらを文書支持体上に次々に格納する。文書支持体が満杯である場合、文書処理装置による文書の処理を停止しなければならない。時折、オペレータが文書支持体から文書を手動で抜き取るため、文書処理装置から受け取った文書の単純なカウントでは、文書支持体上の残容量を決定するために使用することができなくなる。文書スタッカの積載量が文書スタッカの最大積載量に近づくと、文書スタッカへの文書の供給を減速又は停止するために、残容量を考慮して文書処理装置の動作が制御され得るように、文書支持体の残容量を知ることは有利である。文書支持体に積まれる文書の質量中心は、文書支持体上に文書が供給されるか又は文書支持体から文書が取り除かれると変化するため、文書支持体にかかる荷重を測定することは困難である。非水平の線形案内手段を使用して文書支持体をフレーム上に懸架することによって、単一のロードセルを使用して、現在文書支持体にかかっている荷重の質量中心とは無関係に、文書支持体にかかる重量を測定することができる。これは、文書支持体の残容量を把握するためのロバストで安価な解決策を提供する。
【0009】
線形案内手段は、所定の移動経路が、垂直から0~15度の範囲内で延在するか、垂直から0~5度の範囲内で延在するか、又は垂直に延在するように構成され得る。移動経路をそのように方向付けることによって、文書スタッカ及びその内容物の重量は、重力による文書支持体の移動を引き起こすことができる。この移動は、ロードセルによって軽減され、ロードセルは、かかる力を感知することができる。
【0010】
線形案内手段は、レール部分と、所定の移動経路に沿った移動のためにレール部分を案内するように構成された対応する軸受システムとを備え得、上記レール部分及び上記軸受システムはそれぞれ、文書支持体及びフレームのそれぞれ1つに取り付けられている。
【0011】
軸受システムは、レール部分が間に延在する複数の対向するホイールを備え得、上記複数のホイールは、所定の経路の少なくとも一部に沿って離間されている。
【0012】
複数のホイールは、レール部分が間に延在する少なくとも一対のホイールを備え得、上記一対のホイールは、レール部分の両側で互いに対向している。
【0013】
文書支持体は、文書スタッカの入力部から延在するエンドレスベルトを備え得る。エンドレスベルトを使用することで、文書支持体によって担持された文書を移動させることができ、より多くの文書を文書処理装置から文書スタッカに容易に供給できるようになる。
【0014】
文書スタッカは、文書スタッカの外側端部に設けられたエンドストップを備え得る。エンドストップは、文書が文書支持体から落下するのを防止する。エンドレスベルトと共に、エンドストップは、エンドレスベルトが文書を相対的にスライドさせることを可能にし、それによって文書支持体によって担持される文書の圧縮のために文書をまとめる。
【0015】
エンドストップは、文書支持体に取り付けられ得る。また、エンドストップは、文書がエンドストップを通過して供給されることを防止するように構成され得る。
【0016】
文書スタッカは、以下を行うように構成されたコントローラを備え得る:
ロードセルの出力信号を受信し、文書支持体にかかる重量を示す荷重値を導出すること、
この荷重値を、満杯になる前に文書支持体が担持することができる文書の最大荷重を示す容量値と比較すること、及び
荷重パラメータが容量値の所定の割合を超えると、容量信号を発すること。
【0017】
使用時、文書スタッカは、ますます多くの文書を受け取り、文書支持体によって担持される重量が増加する。ロードセルは、増加した重量に反応し、文書支持体の最大許容荷重との比較に使用される荷重値を計算するために使用される信号を発する。しかしながら、文書支持体の最大許容荷重は、文書支持体上に積まれる文書の寸法及び重量によって変化する。例えば、大きいサイズで軽量の文書は、高い荷重を発生させることなく、文書支持体全体を埋めることとなる。従って、容量値を用いることで、関連ユースケースに応じたカスタム設定が可能となる。この設定は、固定であってもよいし、外部装置からの入力信号により動的に設定されてもよいし、ユーザインタフェースを使用してオペレータにより設定されてもよい。荷重値が容量値の所定の割合を超えると、文書スタッカは、文書スタッカが満杯になりそうであるか又は満杯であることをオペレータ及び/又は文書スタッカに供給する文書処理装置に示す容量信号を発し、それによって文書処理装置がその動作を適合させること、かつ/又は文書スタッカへの文書の供給を停止することを可能にする。この信号はまた、文書スタッカを空にする時間であることをオペレータに示す。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1~2は、第1の実施形態による文書スタッカを示す。
【
図2】
図2は、文書処理装置から見た文書スタッカの正面図を示す。
【表1】
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、文書スタッカ1の第1の実施形態について図面を参照して説明する。図面は概略的であり、縮尺通りに描かれていないことは留意されるべきである。
【0020】
図1に示すように、文書スタッカ1は、文書処理装置3によって処理された文書2を受け取って格納するために、文書処理装置3の後に配置されている。この例では、文書処理装置3は、ブックレット折畳み装置であるが、代替的に、ブックレット及び本などの文書2を出力することができるプリンタ又は他の任意の適切なタイプの文書処理装置であり得る。
【0021】
文書スタッカ1は、入力部12を備え、入力部12において、文書スタッカ1は、ブックレット折畳み装置3から文書2を受け取る。文書スタッカ1が受け取った文書2は、入力部12から、エンドレスベルト11を備える文書支持体4上に強制的に排出される。他の実施形態では、エンドレスベルト11は代替的に省略され得、テーブルなどの何らかの他の支持構造が代わりに使用され得る。
【0022】
エンドレスベルト11は、入力部12から受け取った文書2を文書支持体4の他端に向かって移動させる。
【0023】
文書支持体4は、水平であるエンドレスベルト11に対して下方に傾斜した外側部分6を含む。他の実施形態では、外側部分は省略され得るか、又は水平などの他の向きにされ得る。外側部分6の下方への傾斜は、
図1に示すように、受け取った文書2が外側部分に沿って重力によって移動するのを助ける。
【0024】
文書2が文書支持体4の外側部分6を越えて及び外れて供給されることを防止するために、文書スタッカ1は、エンドストップ13を備える。エンドストップ13は、この実施形態では、文書支持体4の外側部分6に取り付けられているが、他の実施形態では、文書スタッカ1の何らかの他の部分に取り付けられてもよい。エンドストップ13は、文書2がエンドストップ13を越えてスライドすることができないように、外側部分6に対して垂直に延在する。他の実施形態では、エンドストップがその通常の使用位置で、文書2がエンドストップ13を越えて移動するのを防ぐことができる限り、垂直以外の角度を選択することができる。
【0025】
文書支持体4は、文書支持体4が、水平面8に対して傾斜した所定の移動経路7に沿ってフレーム5に対して線形に移動可能であるように構成された線形案内手段9,10によってフレーム5に取り付けられている。「傾斜した」という用語は、完全な垂直を含むある程度の垂直範囲を与える全ての方向、すなわち非水平を備えるものとして理解されるべきである。従って、交換して使用可能な「傾斜した」以外の別の表現は、「非水平」である。文書スタッカ1は、上記移動経路7に沿ったフレーム5と文書支持体4との間の相対移動に抗することと、文書支持体4によってロードセル14にかかる荷重を表す出力信号を発することとを行うように構成されたロードセル14を更に備える。「相対移動に抗する」という用語は、様々な読み取り値を出力することができるようにロードセル14がわずかに変形することを可能にするものとして理解されるべきである。従って、可動の文書支持体4は、ロードセル14に向かって移動し、ロードセル14を押圧し、ロードセル14は、例えば、文書スタッカ1のフレーム5に取り付けられているか、又は文書スタッカ1が置かれる床に直接当接するように構成されている任意の適切な手段によって支持され得る。
【0026】
線形案内手段は、所定の移動経路7が垂直に延在するように構成されるが、他の実施形態では、代替的に、垂直から0~15度、例えば垂直まで0~5度の範囲内で延在することができる。
【0027】
線形案内手段は、
図1及び
図2に示すように、文書支持体4の左右の垂直に延在する管の形態で設けられたレール部分9を備える。レール部分9は、表面を提供し、その表面に沿って、線形案内手段の対応する軸受システムは、上記所定の移動経路7に沿った移動するようにレール部分9を案内する。従って、軸受システムは、床(床は図示せず)上に立つフレーム5に取り付けられている。他の実施形態では、軸受システムは、代わりに、文書支持体4に取り付けられる/含まれることができ、レール部分9は、それに応じてフレーム5に取り付けられる/含まれることができる。
【0028】
この実施形態では、軸受システムは、レール部分9が間に延在する複数の対向するホイール10を備え、上記複数のホイール10は、所定の移動経路7の一部に沿って離間している。
図1に示すように、複数のホイール10は、レール部分9が間に延在する少なくとも一対のホイール10を備え、上記一対のホイール10は、レール部分9の両側で互いに対向している。他の実施形態では、ホイール10は、代替的に、別様に、例えば、対向するホイールが、所定の移動経路7に沿って分配されるが同じ垂直レベルにはないように配置され得る。また、ホイールの代わりに回転軸受又は任意の他の適切なタイプの軸受を使用することができることは理解されるべきである。
【0029】
文書スタッカ1は、ロードセル14の出力信号を受信し、文書支持体4にかかる重量を示す荷重値を導出するように構成されたコントローラを備える。コントローラはまた、荷重値を、満杯になる前に文書支持体4が担持することができる文書2の最大荷重を示す容量値と比較するように構成される。更に、コントローラは、荷重パラメータが容量値の所定の割合80%を超えると、容量信号を発するように構成されているが、この割合は、代替的に、前述の文書処理装置3のスピンダウン時間及び処理速度などの状況に応じて、容量値の70%、80%、90%、又は100%などの任意の適切な割合であってもよい。文書支持体4によって担持される文書2を計量することによって、文書支持体4から取り除かれた文書2を考慮して、文書2の正確な計算が可能になる。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1] 文書処理装置(3)から文書(2)を受け取るための文書スタッカ(1)であって、
文書支持体(4)と、
フレーム(5)と
を備え、
前記文書支持体(4)は、前記文書支持体(4)が、水平面(8)に対して傾斜した所定の移動経路(7)に沿って前記フレーム(5)に対して線形に移動可能であるように構成された線形案内手段によって前記フレーム(5)に取り付けられており、
前記文書スタッカ(1)は、前記移動経路(7)に沿った前記フレーム(5)と前記文書支持体(4)との間の相対移動に抗することと、前記文書支持体(4)によってロードセル(14)にかかる荷重を表す出力信号を発することとを行うように構成されたロードセル(14)を更に備える、
文書スタッカ(1)。
[2] 前記線形案内手段は、前記所定の移動経路(7)が、垂直から0~15度の範囲内で延在するか、垂直から0~5度の範囲内で延在するか、又は垂直に延在するように構成される、[1]に記載の文書スタッカ(1)。
[3] 前記線形案内手段は、レール部分(9)と、前記所定の移動経路(7)に沿った移動のために前記レール部分(9)を案内するように構成された対応する軸受システムとを備え、前記レール部分(9)及び前記軸受システムはそれぞれ、前記文書支持体(4)及び前記フレーム(5)のそれぞれ1つに取り付けられている、[1]又は[2]に記載の文書スタッカ(1)。
[4] 前記軸受システムは、前記レール部分(9)が間に延在する複数の対向するホイール(10)を備え、前記複数のホイール(10)は、前記所定の移動経路(7)の少なくとも一部に沿って離間されている、[3]に記載の文書スタッカ(1)。
[5] 前記複数のホイール(10)は、前記レール部分(9)が間に延在する少なくとも一対のホイール(10)を備え、前記一対のホイール(10)は、前記レール部分(9)の両側で互いに対向している、[4]に記載の文書スタッカ(1)。
[6] 前記文書支持体(4)は、前記文書スタッカ(1)の入力部(12)から延在するエンドレスベルト(11)を備える、[1]から[5]のいずれか一項に記載の文書スタッカ(1)。
[7] 前記文書スタッカ(1)は、前記文書スタッカの外側端部に設けられたエンドストップ(13)を備える、[1]から[6]のいずれか一項に記載の文書スタッカ(1)。
[8] 前記エンドストップ(13)は、前記文書支持体(4)に取り付けられている、[7]に記載の文書スタッカ(1)。
[9] 前記エンドストップ(13)は、前記文書支持体(4)に対して斜めに延在して、文書(2)が前記エンドストップ(13)を通過して供給されることを防止する、[7]又は[8]に記載の文書スタッカ(1)。
[10] [7]又は[8]に記載の文書スタッカ(1)であって、
前記ロードセル(14)の前記出力信号を受信し、前記文書支持体(4)にかかる重量を示す荷重値を導出することと、
前記荷重値を、満杯になる前に前記文書支持体(4)が担持することができる文書(2)の最大荷重を示す容量値と比較することと、
荷重パラメータが前記容量値の所定の割合を超えると、容量信号を発することと
を行うように構成されたコントローラを備える、文書スタッカ(1)。