(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-27
(45)【発行日】2024-10-07
(54)【発明の名称】通信装置、その制御方法、印刷装置、その制御方法、プログラム及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
B41J 29/38 20060101AFI20240930BHJP
B41J 29/00 20060101ALI20240930BHJP
H04L 27/26 20060101ALI20240930BHJP
【FI】
B41J29/38 401
B41J29/00 E
H04L27/26 110
(21)【出願番号】P 2022031122
(22)【出願日】2022-03-01
【審査請求日】2023-04-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100223941
【氏名又は名称】高橋 佳子
(74)【代理人】
【識別番号】100159695
【氏名又は名称】中辻 七朗
(74)【代理人】
【識別番号】100172476
【氏名又は名称】冨田 一史
(74)【代理人】
【識別番号】100126974
【氏名又は名称】大朋 靖尚
(72)【発明者】
【氏名】槌谷 啓吾
【審査官】佐藤 孝幸
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2021/002802(WO,A1)
【文献】特表2023-531770(JP,A)
【文献】特表2017-539179(JP,A)
【文献】特表2019-527961(JP,A)
【文献】特開2019-193143(JP,A)
【文献】特開2022-011085(JP,A)
【文献】国際公開第2021/029555(WO,A1)
【文献】特表2022-539490(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2021/0307064(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 29/38
B41J 29/00
H04L 27/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信装置であって、
前記通信装置の外部の外部アクセスポイントを介して無線通信を実行する第1モードと、前記通信装置の外部の外部アクセスポイントを介さずに無線通信を実行する第2モードとの少なくとも一方を有効化する通信制御手段と、
少なくとも前記第2モードが有効化されている際に前記第2モードの無線通信において利用される通信チャネルを決定する親局として前記通信装置が動作する場合、キャリアセンスを実行することを示す情報が含まれるIEEE802.11規格に準拠したトリガーフレームであって、前記親局に接続されている子局の装置から当該通信装置にデータを送信するための情報を含むトリガーフレームを
、当該通信装置から前記子局の装置に対して送信する送信手段と、
を有することを特徴とする通信装置。
【請求項2】
前記トリガーフレームは、IEEE802.11axのTrigger frameであることを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記トリガーフレームは、前記子局の装置に割り当てられるResource Unitおよび周波数帯域の広さを特定する情報を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の通信装置。
【請求項4】
前記トリガーフレームは、OFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)を用いた当該通信装置への無線リソースの割当に関する情報を含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項5】
前記トリガーフレームは、前記キャリアセンスを実行することを示す情報と、前記子局の装置から当該通信装置にデータを送信する際に用いるリソースユニットを特定する情報として、1または複数のリソースユニットの割り当てに関する情報とを含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項6】
前記トリガーフレームにおいて指定されるリソースユニットが割り当てられる装置の最大数は、前記第2モードの無線通信において並行して維持可能な子局の装置の最大数と同じであることを特徴とする請求項5に記載の通信装置。
【請求項7】
前記親局として動作する前記通信装置は、所定台数以下の子局の装置との前記第2モードによる無線接続を並行して維持することを特徴とする請求項6に記載の通信装置。
【請求項8】
前記通信制御手段は、前記第1モードと前記第2モードとの双方を有効化することが可能であり、
前記第1モードの無線通信と前記第2モードの無線通信は同じの通信チャネルを用いて実行されることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項9】
前記通信制御手段は、前記第1モードと前記第2モードとの双方を有効化することが可能であり、
前記第1モードの無線通信と前記第2モードの無線通信は異なる通信チャネルを用いて実行されることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項10】
前記通信装置は、2.4GHz、5GHzおよび6GHzから選択された周波数帯域を用いて無線通信を実行することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項11】
前記送信手段は、前記第1モードと前記第2モードの双方が有効化されている際に、前記第2モードの前記親局として前記通信装置が動作する場合、キャリアセンスを実行することを示す情報が含まれるIEEE802.11規格に準拠したトリガーフレームであって、前記親局に接続されている子局の装置から当該通信装置にデータを送信するための情報を含むトリガーフレームを前記子局の装置に対して送信することを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項12】
前記第1モードと前記第2モードとの双方が有効化されている最中に前記通信装置の外部の外部アクセスポイントからキャリアセンスの実行に関する情報を含むIEEE802.11規格に準拠したトリガーフレームであって、ULデータの送信のための第1トリガーフレームを受信する受信手段と、
前記外部アクセスポイントから受信した前記第1トリガーフレームにキャリアセンスを実行することを示す情報が含まれる場合、キャリアセンスを実行してからデータを送信する第2の送信手段と、
をさらに有することを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項13】
原稿をスキャンすることでスキャンデータを取得する読取手段を更に有し、
前記第2の送信手段は、前記キャリアセンスを実行し、センシングされたエネルギーが閾値未満であると判定した場合、前記第1トリガーフレームによって前記通信装置に割り当てられた1または複数のリソースユニットを用いて前記スキャンデータを送信することを特徴とする請求項12に記載の通信装置。
【請求項14】
前記第1トリガーフレームは、IEEE802.11axのTrigger frameであることを特徴とする請求項
12または
13に記載の通信装置。
【請求項15】
前記第1トリガーフレームは、当該通信装置に割り当てられるResource Unitおよび周波数帯域の広さを特定する情報を含むことを特徴とする請求項
12乃至
14のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項16】
前記第1トリガーフレームは、OFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)を用いた当該通信装置への無線リソースの割当に関する情報を含むことを特徴とする請求項
12乃至
15のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項17】
前記子局の装置から受信した印刷データに基づいて用紙に対して印刷処理を実行する印刷処理手段をさらに有することを特徴とする請求項1乃至
16のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項18】
印刷装置であって、
無線通信を実行するように制御する通信制御手段と、
外部アクセスポイントを介さない無線通信において利用される通信チャネルを決定する親局として前記印刷装置が動作する場合、キャリアセンスを実行することを示す情報が含まれるIEEE802.11規格に準拠したトリガーフレームであって、前記親局に接続されている子局の装置から当該
印刷装置にデータを送信するための情報を含むトリガーフレームを
、当該印刷装置から前記子局の装置に対して送信する送信手段と、
を有することを特徴とする印刷装置。
【請求項19】
通信装置の制御方法であって、
前記通信装置の外部の外部アクセスポイントを介して無線通信を実行する第1モードと、前記通信装置の外部の外部アクセスポイントを介さずに無線通信を実行する第2モードとの少なくとも一方を有効化する通信制御ステップと、
少なくとも前記第2モードが有効化されている際に前記第2モードの無線通信において利用される通信チャネルを決定する親局として前記通信装置が動作する場合、キャリアセンスを実行することを示す情報が含まれるIEEE802.11規格に準拠したトリガーフレームであって、前記親局に接続されている子局の装置から当該通信装置にデータを送信するための情報を含むトリガーフレームを
、当該通信装置から前記子局の装置に対して送信する送信ステップと、
を有することを特徴とする通信装置の制御方法。
【請求項20】
少なくとも1つのコンピュータを、請求項1乃至17のいずれか1項に記載された通信装置の各手段として機能させるためのプログラム。
【請求項21】
少なくとも1つのコンピュータを、請求項1乃至17のいずれか1項に記載された通信装置の各手段として機能させるためのプログラムを記憶したコンピュータが読み取り可能な記憶媒体。
【請求項22】
印刷装置の制御方法であって、
無線通信を実行するように制御する通信制御ステップと、
外部アクセスポイントを介さない無線通信において利用される通信チャネルを決定する親局として前記印刷装置が動作する場合、キャリアセンスを実行することを示す情報が含まれるIEEE802.11規格に準拠したトリガーフレームであって、前記親局に接続されている子局の装置から当該
印刷装置にデータを送信するための情報を含むトリガーフレームを
、当該印刷装置から前記子局の装置に対して送信する送信ステップと、
を有することを特徴とする印刷装置の制御方法。
【請求項23】
少なくとも1つのコンピュータを、請求項18に記載された印刷装置の各手段として機能させるためのプログラム。
【請求項24】
少なくとも1つのコンピュータを、請求項18に記載された印刷装置の各手段として機能させるためのプログラムを記憶したコンピュータが読み取り可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信装置、その制御方法、印刷装置、その制御方法、プログラム及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置がアクセスポイントを介してインフラストラクチャモードによる無線通信と、アドホックモードによる無線通信を並行して実行可能である技術が特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、無線通信は様々なケースで使用されており、利便性の高い無線通信の提供が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、
通信装置であって、
前記通信装置の外部の外部アクセスポイントを介して無線通信を実行する第1モードと、前記通信装置の外部の外部アクセスポイントを介さずに無線通信を実行する第2モードとの少なくとも一方を有効化する通信制御手段と、
少なくとも前記第2モードが有効化されている際に前記第2モードの無線通信において利用される通信チャネルを決定する親局として前記通信装置が動作する場合、キャリアセンスを実行することを示す情報が含まれるIEEE802.11規格に準拠したトリガーフレームであって、前記親局に接続されている子局の装置から当該通信装置にデータを送信するための情報を含むトリガーフレームを、当該通信装置から前記子局の装置に対して送信する送信手段と、
を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、より効率的な無線通信技術を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本実施形態におけるシステム構成の一例を示す図である。
【
図2】(A)携帯端末のハードウェア構成の一例を示す図である。(B)画像形成装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図3】アクセスポイントの機能構成の一例を示す図である。
【
図4】本実施形態における通信処理の一例を示す図である。
【
図8】本実施形態における通信処理の一例を示す図である。
【
図9】画像形成装置において実行されるフローチャートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、本実施形態は一例に過ぎず、構成要素、処理ステップ、表示画面等の具体的な例は、特段の記載の無い限り、本発明の範囲をそれらに限定することを意図していないことに留意されたい。
【0009】
(システム構成)
図1に、本実施形態に係るシステムの構成例を示す。本システムは、一例において、複数の通信装置が相互に無線で通信可能な無線通信システムである。
図1の例では、アクセスポイント131、MFP151、携帯端末101を含む。なお、携帯端末101は、携帯端末101の一例であり、ノートパソコンまたはスマートフォンである。
【0010】
MFP151は、印刷機能、読取機能(スキャナ)、FAX機能等を有している。また、本実施形態のMFP151は、101と無線通信可能な通信機能を有する。また、本実施形態では一例としてMFP151が用いられる場合について説明するが、これに限られない。例えば、MFP151の代わりに、ファクシミリ装置、スキャナ装置、プロジェクタ、シングルファンクションの印刷装置が用いられてもよい。MFPは、Multi Function Peripheral(多機能周辺機器)の略語である。なお、本実施形態では、印刷機能を備える装置を画像形成装置と呼ぶこともある。
【0011】
アクセスポイント131は、携帯端末101及びMFP151とは別(外部)に設けられ、無線LAN(WLAN)の基地局装置として動作する。なお、アクセスポイント131は、外部のアクセスポイント131または外部の無線基地局(または外部の親局)と記載されることもある。WLANの通信機能を有するMFP151は、アクセスポイント131を介してWLANのインフラストラクチャモードでの通信を行うことができる。なお、以下では、アクセスポイントを「AP」と呼ぶ場合がある。また、インフラストラクチャモードを「無線インフラモード」、「インフラモード」と呼ぶ場合がある。
【0012】
インフラストラクチャモードとは、MFP151が、ネットワークを形成する外部装置(例えば、アクセスポイント131)を介して、他の装置と通信する形態である。インフラストラクチャモードで動作するMFP151によって確立される外部アクセスポイントとの接続を、インフラストラクチャ接続(以後、インフラ接続)という。本実施形態では、インフラ接続において、MFP151が子局として動作し、外部アクセスポイントが親局として動作する。なお本実施形態において親局とは、親局が属するネットワークにおいて使用される通信チャネルを決定する装置であり、子局とは、子局が属するネットワークにおいて使用される通信チャネルを決定せず、親局が決定した通信チャネルを用いる装置である。
【0013】
アクセスポイント131は、自装置への接続を許可した(認証済みの)通信装置と無線通信を行い、その通信装置と、他の通信装置との無線通信を中継する。また、アクセスポイント131は、例えば有線通信ネットワークに接続され、その有線通信ネットワークに接続されている通信装置と、アクセスポイント131に無線接続している他の通信装置との通信を中継しうる。
【0014】
携帯端末101とMFP151は、各々が有するWLAN通信機能を用いて、外部のアクセスポイント131を介した無線インフラモードや、外部のアクセスポイント131を介さないピア・ツー・ピアモードで無線通信を行いうる。なお、以下では、ピア・ツー・ピアを「P2P」と呼ぶ。または、外部のアクセスポイント131を介さない通信をダイレクト無線通信と呼ぶこともある。P2Pモードでは、Wi-Fi Direct(登録商標)やソフトAPモード等を含む。以下ではWi-Fi Direct(登録商標)をWFDと呼ぶ場合がある。P2Pモードは、IEEE802.11シリーズに準拠した通信ともいえる。
【0015】
P2Pモードとは、MFP151が、ネットワークを形成する外部装置を介さず、携帯端末101等の他の装置と直接的に通信する形態である。本実施形態では、P2Pモードには、MFP151がアクセスポイントとして動作するAPモードが含まれるものとする。APモード時にMFP151内で有効化されるアクセスポイントの接続情報(SSIDやパスワード)は、ユーザが任意に設定可能であるものとする。なおP2Pモードには、例えば、MFP151がWi-Fi Direct(WFD)によって通信するためのWFDモードが含まれていても良い。なお、複数のWFD対応機器のうちいずれが親局として動作するかは、例えば、Group Owner Negotiationというシーケンスに従って決定される。なお、Group Owner Negotiationが実行されずに、親局が決定されても良い。WFD対応機器であり且つ親局の役割を果たす装置を特に、Group Ownerという。P2Pモードで動作するMFP151によって確立される他の装置との直接的な接続を、ダイレクト接続という。本実施形態では、ダイレクト接続において、MFP151が親局として動作し、他の装置(携帯端末101等)が子局として動作する。
【0016】
次に、本実施形態の携帯端末と、本実施形態の携帯端末と通信可能な通信装置の構成について
図2を参照して説明する。また、本実施形態では以下の構成を例に記載するが、本実施形態は通信装置と通信を行うことが可能な装置に関して適用可能なものであり、特にこの図のとおりに機能を限定するものではない。
【0017】
携帯端末101は、入力インタフェース102、CPU103、ROM104、RAM105、外部記憶装置106、出力インタフェース107、表示部108、キーボード109、通信部110、近距離無線通信部111、ネットワークインタフェース112、USBインタフェース113等を有する。CPU103、ROM104、RAM105等によって、携帯端末101のコンピュータが形成される。
【0018】
入力インタフェース102は、キーボード109等の操作部が操作されることにより、ユーザからのデータ入力や動作指示を受け付けるためのインタフェースである。なお、操作部は、物理キーボードや物理ボタン等であっても良いし、表示部108に表示されるソフトキーボードやソフトボタン等であっても良い。すなわち、入力インタフェース102は、表示部108を介してユーザからの入力(操作)を受け付けても良い。
【0019】
CPU103は、システム制御部であり、携帯端末101の全体を制御する。ROM104は、CPU103が実行する制御プログラムやデータテーブル、組み込みオペレーティングシステム(以下、OSという。)プログラム等の固定データを格納する。本実施形態では、ROM104に格納されている各制御プログラムは、ROM104に格納されている組み込みOSの管理下で、スケジューリングやタスクスイッチ、割り込み処理等のソフトウエア実行制御を行う。
【0020】
RAM105は、バックアップ電源を必要とするSRAM(Static Random Access Memory)等で構成される。なお、RAM105は、図示しないデータバックアップ用の1次電池によってデータが保持されているため、プログラム制御変数等の重要なデータを揮発させずに格納することができる。また、携帯端末101の設定情報や携帯端末101の管理データ等を格納するメモリエリアもRAM105に設けられている。また、RAM105は、CPU103の主メモリとワークメモリとしても用いられる。
【0021】
外部記憶装置106は、例えば、印刷装置115が解釈可能な印刷情報を生成する印刷情報生成プログラム等を保存している。出力インタフェース107は、表示部108がデータの表示や携帯端末101の状態の通知を行うための制御を行うインタフェースである。
【0022】
表示部108は、LED(発光ダイオード)やLCD(液晶ディスプレイ)などから構成され、データの表示や携帯端末101の状態の通知を行う。通信部110は、MFP151やアクセスポイント(AP)131等の装置と接続して、データ通信を実行するための構成である。例えば、通信部110は、MFP151内のアクセスポイント(不図示)に接続可能である。通信部110とMFP151内のアクセスポイントが接続することで、携帯端末101とMFP151はP2P通信が可能となる。なお、通信部110は無線通信でMFP151とダイレクトに通信しても良いし、携帯端末101やMFP151の外部に存在するAP131部装置を介して通信しても良い。なお、外部装置とは、携帯端末101の外部及びMFP151の外部に存在する外部アクセスポイント(アクセスポイント131等)や、アクセスポイント以外で通信を中継可能な装置を含む。本実施形態では、通信部110が用いる無線通信方式は、IEEE802.11シリーズに準拠する通信規格であるWi-Fi(WirelessFidelity)(登録商標)であるものとする。また、アクセスポイント131としては、例えば、無線LANルーター等の機器などが挙げられる。
【0023】
近距離無線通信部111は、MFP151等の装置と近距離で無線接続して、データ通信を実行するための構成であり、通信部110とは異なる通信方式によって通信を行う。近距離無線通信部111は、例えば、MFP151内の近距離無線通信部157と接続可能である。通信方式としては、例えば、Near Field Communication(NFC)、Bluetooth(登録商標) Classic、Bluetooth Low Energy(BLE)、Wi-Fi Aware等が挙げられる。
【0024】
ネットワークインタフェース112は、無線経由の通信および有線LANケーブルを経由した通信処理を制御する接続I/Fである。
【0025】
USBインタフェース113はUSBケーブルを経由したUSB接続を制御する接続I/Fである。具体的にはUSBインタフェース113は、MFP151や、外部アクセスポイント131等の装置とUSBによって接続して、データ通信を実行するためのインタフェースである。
【0026】
つづいてMFP151について説明する。MFP151は、ROM152、RAM153、CPU154、プリントエンジン155、通信部156、近距離無線通信部157、入力インタフェース158、操作部159、出力インタフェース160、表示部161、ネットワークインタフェース162、USBインタフェース163等を有する。ROM152、RAM153、CPU154等によって、MFP151のコンピュータが形成される。
【0027】
通信部156は、各インタフェースを用いた通信処理を制御する。例えば、MFP151は、通信部156を用いて通信を行うためのモードとして、インフラストラクチャモード及びP2P(Peer to Peer)モードで動作可能である。
【0028】
具体的には、通信部156は、MFP151内部のアクセスポイントとして動作可能である。例えばユーザが、該内部のアクセスポイントを有効化することを指示することで、MFP151がアクセスポイントとして動作することになる。本実施形態では、通信部156が用いる無線通信方式は、IEEE802.11シリーズに準拠する通信規格であるものとする。また以下の説明において、Wi-Fi(WirelessFidelity)(登録商標)(Wi-Fi通信)とは、IEEE802.11シリーズに準拠する通信規格である。また、通信部156は、アクセスポイントとして機能するハードウェアを備えていてもよいし、アクセスポイントとして機能させるためのソフトウエアにより、アクセスポイントとして動作してもよい。なお、通信部156は親局として動作する場合、通信部156は、所定台数以下(例えば3第以下)の子局の装置とのP2P無線接続を並行して維持できる。なお、通信部156は、2.4GHz、5GHzおよび6GHzから選択された周波数帯域を用いて無線通信を実行できる。
【0029】
近距離無線通信部157は、携帯端末101等の装置と近距離で無線接続するための構成であり、例えば、携帯端末101内の近距離無線通信部111と接続可能である。通信方式としては、例えば、NFC、Bluetooth Classic、BLE、Wi-Fi Aware等が挙げられる。
【0030】
RAM153は、バックアップ電源を必要とするSRAM等で構成される。なお、RAM153は、図示しないデータバックアップ用の1次電池によってデータが保持されているため、プログラム制御変数等の重要なデータを揮発させずに格納することができる。また、MFP151の設定情報やMFP151の管理データ等を格納するメモリエリアもRAM153に設けられている。また、RAM153は、CPU154の主メモリとワークメモリとしても用いられ、携帯端末101等から受信した印刷情報を一旦保存するための受信バッファや各種の情報を保存する。
【0031】
ROM152は、CPU154が実行する制御プログラムやデータテーブル、OSプログラム等の固定データを格納する。本実施形態では、ROM152に格納されている各制御プログラムは、ROM152に格納されている組み込みOSの管理下で、スケジューリングやタスクスイッチ、割り込み処理等のソフトウエア実行制御を行う。
【0032】
CPU154は、システム制御部であり、MFP151の全体を制御する。
【0033】
プリントエンジン155は、RAM153に保存された情報や携帯端末101等から受信した印刷ジョブに基づき、インク等の記録剤を用紙等の記録媒体上に付加することで記録媒体上に画像を形成する印刷処理を実行し、印刷結果を出力する。なお一般に、携帯端末101等から送信される印刷ジョブのデータ量は大きいため、印刷ジョブの通信には、高速通信が可能な通信方式を用いることが求められる。そのため、MFP151は、近距離無線通信部157よりも高速な通信が可能な通信部156を介して、印刷ジョブを受信する。なお、インクを用いた印刷は一例であり、トナーを用いた電子写真方式により印刷を実行しても良い。また、インクについては、カートリッジを装着するカートリッジタイプのMFPでも良いし、MFPのインクタンクにインクボトルからインクを補充するタイプのMFPでも良い。
【0034】
なお、MFP151には、外付けHDDやSDカード等のメモリがオプション機器として装着されてもよく、MFP151に保存される情報は、当該メモリに保存されても良い。
【0035】
入力インタフェース158は、物理ボタン等の操作部159が操作されることにより、ユーザからのデータ入力や動作指示を受け付けるためのインタフェースである。なお、操作部は、表示部161に表示されるソフトキーボードやソフトボタン等であっても良い。すなわち、入力インタフェース158は、表示部161を介してユーザからの入力を受け付けても良い。
【0036】
出力インタフェース160は、表示部161がデータの表示やMFP151の状態の通知を行うための制御を行うインタフェースである。
【0037】
表示部161は、LED(発光ダイオード)やLCD(液晶ディスプレイ)などから構成され、データの表示やMFP151の状態の通知を行う。
【0038】
USBインタフェース163は、USBケーブルを経由したUSB接続を制御するインタフェースである。具体的にはUSBインタフェース163は、MFP151や、外部アクセスポイント等の装置とUSBによって接続して、データ通信を実行するためのインタフェースである。
【0039】
図3は、AP131の機能構成例を示すブロック図である。AP131は、その機能構成として、例えば、無線LAN制御部301、Trigger frame制御部302、受信フレーム解析部303、UI制御部304、記憶部305、及び帯域振分部306を有する。
【0040】
無線LAN制御部301は、他の無線LAN通信装置との間で無線信号の送受信を行うための制御を実行する。無線LAN制御部301は、例えば、無線LAN用のベースバンド回路やRF回路及びアンテナを制御するためのプログラムによって実現されうる。無線LAN制御部301は、IEEE802.11規格シリーズに従って、無線LANの通信制御を実行し、IEEE802.11規格シリーズに準拠したSTAとの間で無線通信を実行する。
【0041】
Trigger frame制御部302は、無線LAN制御部301を介して、認証に成功したSTAに対してTrigger frameを送信するための制御を行う。STAは、Trigger frameを受信すると、そのフレームへの応答として、上りリンク(UL)フレームを送信する。AP131は、無線LAN制御部301を介してULフレームを受信すると、受信フレーム解析部303において、受信したULフレームの内容の解釈を行う。例えば、受信したULフレームがACの情報を含んでいる場合、受信フレーム解析部303は、そのACの情報を解析によって取得し、そのULフレームの送信元のSTAが、どのACの送信対象データを有しているかを把握する。
【0042】
帯域振分部306は、受信フレーム解析部303において取得した情報に基づいて、各STAのデータ送信のために割り当てるべき周波数帯域の広さと周波数帯域の中心周波数、及び、周波数帯域を割り当てる時間を決定する。すなわち、帯域振分部306は、各STAに対して、どのタイミングでどの周波数範囲の無線リソースを割り当てるかを決定する。Trigger frame制御部302は、各STAに対して、Trigger frame(トリガーフレーム)を介して、帯域振分部306が決定した振り分けを示す情報を通知し、その振り分けに従ってULフレームを送信させる。
【0043】
UI制御部304は、AP131の不図示のユーザによるAP131に対する操作を受け付けるためのタッチパネル又はボタン等の、ユーザインタフェースに関するハードウェアを制御するプログラム等によって実現される。なお、UI制御部304は、例えば、画像等の表示、又は音声出力等の、情報をユーザに提示するための機能をも有しうる。記憶部305は、AP131が動作するプログラムおよびデータを保存するROMとRAM等によって構成されうる記憶機能である。
【0044】
ここでIEEE801.11axでは、周波数帯域を従来の20MHzより小さいサイズで割り当て可能とすることにより、多数の端末が無線リソースを同時に使用可能とする。このような無線リソースの割り当ては、OFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)を用いて行われる。IEEE802.11axでは、例えば20MHzの帯域幅を、周波数軸上で互いに重なり合わない26本のサブキャリア(tone)を有する9個のブロックに分割して、ブロック単位で端末への無線リソースの割り当てが行われる。この割り当て単位のブロックをResource Unit(RU)と呼び、RUの大きさは、周波数帯域幅と無線リソースの割り当てを受ける端末の数に応じて定めることができる。なお、RUの大きさは、toneの数を単位として表現され、例えば、26、52、106、242、484、996、2×996を利用可能であるが、20MHz帯域幅では、これらのうち、242以下の値を利用可能である。1つの端末に対して20MHzの帯域幅の全てを割り当てる場合は、最大で242toneを割り当てることができる。一方、例えば20MHzの帯域幅を9つの端末が同時に使用する場合、それらの端末に対して26toneが割り当てられる。このように、周波数帯域を最小の割り当て単位である26toneごとに分割することによって、20MHzの帯域幅を使用して、同時に9個の端末が通信を行うことができる。同様に、40MHz、80MHz、及び160MHz幅の周波数帯域が使用される場合には、それぞれ、最大18、37、及び74個の端末が同時に通信を行うことができるようになる。
【0045】
続いて、まず、ULでのマルチユーザ(MU)通信の基本的な流れについて
図4を用いて説明する。まず、AP131は、Trigger frame制御部302によって、Buffer Status Report Request(BSR Request)を送信する(S401)。このとき送信されるフレームの構成例を
図5に示す。
図5には、501から508の情報が含まれる。なお、以下では、本実施形態での説明に関係しないフィールドについては説明を省略する。なお、本実施形態ではAP131、MFP151および携帯端末101はIEEE801.11axに基づく通信を実行可能である。
【0046】
図4に戻り、各STAは、Buffer status report(BSP)を送信する(S402)。S402において各STAは、送信すべきデータの有無をAPに通知する。
【0047】
AP131は、各STAからのBSPを受信すると、その情報に基づいて、ULデータの送信を促すTrigger frameを送信する(S403)。このとき送信されるフレームも、例えば、
図5のフォーマットを有する。
図5において、Frame Contorolフィールド501は、例えば、IEEE802.11axのTrigger frameであることを示す値が入るフィールドである。ここで
図5のCommon Info505のデータ構成例を
図6に示す。
図6には、601から609の情報が含まれる。Trigger Typeサブフィールド601には「0」が格納される。また、UL Lengthサブフィールド602には全STA共通の通信期間に対応する値が格納され、この値によって、各STAが送信できるデータ量が示される。Trigger Typeサブフィールド601の値が「0」の場合、
図5のフレームには、User Infoフィールド506-1~506-Kが追加される。
図7を参照してUser Infoフィールド506-1~506-Kの詳細を説明する。なお、
図7には、701から709の情報が含まれる。AIDサブフィールド701によってSTAが特定され、RU Allocationサブフィールド702によって示されるインデックス値によって、そのSTAに割り当てられるRUおよびtoneサイズが特定される。なお、toneサイズとは、各STAに割り当てることのできる周波数帯域の広さを示す値である。
【0048】
APは、Trigger frameを送信するために通信チャネルを予約する。そしてAPは、予約できた通信チャネルを周波数領域において複数のリソースユニットに分割し、各リソースユニットを端末に割り当てる。
【0049】
図6に説明を戻す。604はCS(Carrier Sense) Requiredであり、長さは1ビットである。CS604にはキャリアセンスの実行要否を示す情報が格納されている。そのためCS604にキャリアセンスの実行要を示す情報が含まれる場合、Trigger frameを受信した通信装置はキャリアセンスを実行する。一方、CS604にキャリアセンスの実行否を示す情報が含まれる場合、Trigger frameを受信した通信装置はキャリアセンスを実行しない。
【0050】
各STAは、Trigger frameを受信すると、Trigger frameのUL Lengthサブフィールド512によって定まるデータ量の範囲内で、ULのData frameを送信する(S404)。この際、CS604にキャリアセンスの実行要を示す情報が含まれる場合、STAは、キャリアセンスを実行してからS404を実行する。AP131は、各STAからPPDUを受信すると、受信確認としてMulti Block Ack(Multi BA)を送信する(S405)。
【0051】
続いて
図8を用いてMFP151の動作について説明する。なお、MFP151は、ユーザの指示によりインフラモードとP2Pモードの両者が有効化されているものとする。例えば、ユーザがMFP151に対してインフラモードを有効化し、かつ、WFDモードを有効化することで両者が有効化される。また、MFP151はP2P通信において親局(例えばWFDのグループオーナ)として動作している。ここでMFP151は、S403においてAP131からTrigger frameを受信しているものとする。なお、インフラ通信とP2P通信の両者が有効化されている場合、MFP151は、インフラ通信で使用される通信チャネルを参照し、同じ通信チャネルでP2P通信を実行するように親局としてネットワークを構築しても良い。また、インフラ通信とP2P通信の両者が有効化されている場合、MFP151は、インフラ通信で使用される通信チャネルを参照し、インフラ通信で使用される通信チャネルとは異なる通信チャネルでP2P通信を実行するように親局としてネットワークを構築しても良い。つまり、
図8においては、MFP151は、インフラモードとP2Pモードの両者が有効化されている最中に外部アクセスポイントからキャリアセンスの実行に関する情報を含むIEEE802.11規格に準拠したトリガーフレームをS403において受信する。
【0052】
MFP151は、自身が親局として動作しているためTrigger frameを送信する(S801)。なお、ここでMFP151は、
図5に上述したようなTrigger frameを用いて、1つの通信チャネル(例えば20MHz)を複数のリソースユニットに分割し、各リソースユニットを携帯端末101を含むSTAに割り当てる。つまり、MFP151によって送信されるTrigger frameのRU Allocation702には、リソースユニットの割り当てに関する情報が含まれる。また、MFP151により送信されるTrigger frameのCS Required604には、キャリアセンスが必要であることを示す情報が含まれる。ここでMFP151によってリソースユニットが割り当てられる子局の装置の数は、最大で並行してダイレクト接続を維持可能な数となる。例えば、通信部156は、最大3台の子局の装置とのP2P無線接続を並行して維持できる場合、リソースユニットが割り当てられる子局の装置の最大数は3となる。つまり、S801のトリガーフレームにおいて指定されるリソースユニットが割り当てられる装置の最大数は、ダイレクト接続において並行して維持可能な子局の最大数と同じである。携帯端末101は、S802においてMFP151に対してデータを送信する(S802)。ここで携帯端末はTrigger frameで割り当てられたリソースユニットを用いてデータを送信する。本実施形態では、キャリアセンスが必要であることを示す情報が設定されているため、携帯端末101は、キャリアセンスを実行してからMFP151に対してデータを送信する。なお、MFP151は、ダイレクト接続を介して消耗品(インクまたはトナー)の残量を携帯端末101に通知できる。これにより携帯端末101で動作するアプリケーションは、消耗品の残量を表示できる。MFP151のその他の状態がダイレクト接続を介して通信されても良い。その他の状態としては、例えば、用紙無し、MFP151のカバーオープン、MFP151におけるエラー(紙ジャム等)が挙げられる。
【0053】
続いてMFP151によって実行される処理についてフローチャートを用いて説明する。なお、本実施形態のフローチャートは、CPU154がフローチャートの処理に関わるプログラムをROM152から読み出して実行することで実現される。
【0054】
CPU154は、AP131から
図4のS403で上述したTrigger frameを受信し(S901)、キャリアセンスの実行要否を確認する(S902)。S902は、
図6のCS Required604の情報を参照することで実現される。S902においてキャリアセンスが不要と判定された場合、CPU154は送信対象のデータをキャリアセンスを実行せずにAP131を介して目的の装置へ送信する(S905)。
【0055】
一方、S902においてキャリアセンスが必要と判定された場合、CPU154は、キャリアセンスを実行し(S903)、AP131との通信において使用される通信チャネルにおいて発生している電波のエネルギー(電力)をセンシングする。センシングされたエネルギーが閾値以上か否かを判定する(S904)。通信チャネルにおいて発生する電波のエネルギーが閾値以上であると判定された場合、CPU154は、AP131に対してデータを送信できないと判定しS903に戻る。なお、S904においてNoと判定された場合、CPU154は、S905の処理を省略してS906に処理を進めても良い。
【0056】
一方、通信チャネルにおいて発生する電力が閾値未満であると判定された場合、CPU154は、AP131に対してデータを送信できると判定し、送信対象のデータをAP131を介して目的の装置へ送信する(S905)。例えば、MFP151が原稿を読み取ることで得られたスキャンデータ、または、MFP151のステータス情報などがS905において送信される。なお、CPU154は、RU Allocation702によってMFP151に割り当てられているリソースユニットを使って送信対象データを送信する。
【0057】
続いてCPU154は、ダイレクト通信の親局として動作するか否かを判定する(S906)。例えば、ユーザが、MFP151に対してWFDの有効化を指示し、かつ、WFDの通信相手装置とネゴシエーション処理(Intent値の比較)によりグループオーナーとして動作することが決定された場合、CPU154は、S906においてYesと判定する。また、ユーザが、MFP151に対してソフトウェアAPモードの有効化を指示した場合、CPU154は、S906においてYesと判定する。
【0058】
CPU154は、MFP151をダイレクト通信の親局として動作させる(S907)。続いてCPU154は、CSが必要であることを示す情報を含むTrigger frameを作成し(S908)、自身に接続している子局(例えば携帯端末101)に送信する(S909)。この際、MFP151は、
図6のCS Required604に対してキャリアセンスは必要であることを示す情報を設定して
図5に示すTrigger frameを送信する。また、CPU154は、RU Allocation702によってMFP151に接続されている装置(例えば携帯端末101)が使用するリソースユニットを割り当てる。この場合、携帯端末101は、キャリアセンスを実行した後、割り当てられたリソースユニットを用いてMFP151にデータを送信する。例えば、携帯端末101は、割り当てられたリソースユニットを用いてMFP151に印刷データを送信する。
【0059】
なお、
図9においてはS901からS905の後にS906からS908を実行する形態を記載したが、CPU154は、逆の順序で処理を実施しても構わない。つまり、先にS906からS908を実行した後に、S901からS905を実行しても構わない。また、S901からS905とS906からS908が並行して実行されても構わない。
【0060】
また、インフラ通信が無効化されていてダイレクト通信のみが有効化された場合、CPU154は、S906からS908のみを実行しても構わない。
【0061】
また、MFP151は、AP131から送信されたTrigger frameにおけるキャリアセンスの実行要否に合わせるようにS908を実行しても良い。つまりMFP151は、S902でCSが必要と判定した場合、CSが必要なことを示す情報を含むTrigger frameをS908で作成する。一方、つまりMFP151は、S902でCSが不要と判定した場合、CSが不要なことを示す情報を含むTrigger frameをS908で作成する。
【0062】
本実施形態によれば、MFP151は、AP131からキャリアセンスの実行が指示された場合、自身に接続している子局に対してもキャリアセンスが必要であることを示すTrigger frameを送信する。これにより携帯端末101を含む子局は、キャリアセンスを実行してから印刷データ等の送信を行うことができ、適切なデータ送信が可能となる。
【0063】
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【符号の説明】
【0064】
151 MFP