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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-27
(45)【発行日】2024-10-07
(54)【発明の名称】解剖学的標的の組成同定のための技術
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/00 20060101AFI20240930BHJP
   G01N 21/27 20060101ALI20240930BHJP
   A61B 1/045 20060101ALI20240930BHJP
【FI】
A61B1/00 500
G01N21/27 A
A61B1/045 632
A61B1/00 630
【請求項の数】 18
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022052677
(22)【出願日】2022-03-29
(65)【公開番号】P2022159109
(43)【公開日】2022-10-17
【審査請求日】2022-03-29
(31)【優先権主張番号】63/200,887
(32)【優先日】2021-04-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】500498763
【氏名又は名称】ジャイラス エーシーエムアイ インク ディー/ビー/エー オリンパス サージカル テクノロジーズ アメリカ
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ウラジミール ポレハエフ
【審査官】渡戸 正義
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2021/026145(WO,A1)
【文献】特表2016-510235(JP,A)
【文献】特開2005-131129(JP,A)
【文献】特開2005-006768(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0149057(US,A1)
【文献】特開2020-192007(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 1/00 - 1/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
組成同定システムを較正するための方法であって、
参照標的から光センサで光を受け取ること、
ある波長範囲にわたる光の第1のスペクトル応答を決定すること、
前記第1のスペクトル応答の第1の波長に対応する第1のスペクトル強度が第1の閾値を下回っているかどうかを決定すること、
前記第1の波長に対する前記光センサの露光時間および前記第1の波長に対する前記光センサのゲインの両方を、前記第1のスペクトル応答の前記第1の波長に対応する前記第1のスペクトル強度が前記第1の閾値を下回ると決定することに応答して増加させることで、較正された第1の露光時間および較正された第1のゲインを提供すること、を含み、
前記参照標的は、反射率が高く無損失の参照標的である、
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記第1のスペクトル応答の第2の波長に対応する第2のスペクトル強度が第2の閾値を超えているかどうかを決定すること、
前記第2の波長に対する前記光センサのゲインを、前記第1のスペクトル応答の前記第2の波長に対応する前記第2のスペクトル強度が前記第2の閾値を超えると決定することに応答して減少させること、を更に含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第2の波長に対する前記光センサの露光時間を、前記第1のスペクトル応答の前記第2の波長に対応する前記第2のスペクトル強度が前記第2の閾値を超えると決定することに応答して減少させること、を更に含む、
請求項に記載の方法。
【請求項4】
前記波長範囲が波長400nm~700nmの可視スペクトルを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
参照標的から光センサで光を受け取ることが、参照標的から反射された光を受け取ることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
参照標的から光センサで光を受け取ることが、医療用スコープを介して前記光を搬送することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
ある波長範囲にわたる光を感知して、前記光のスペクトル情報を提供するように構成された光センサと、
コントローラであって、前記光センサから前記スペクトル情報を受信し、較正モードにおいて、
前記スペクトル情報の第1の波長に対応する第1のスペクトル強度が第1の閾値を下回るかどうかを決定し、
前記第1の波長に対する前記光センサの露光時間および前記第1の波長に対する前記光センサのゲインの両方を、前記スペクトル情報の前記第1の波長に対応する前記第1のスペクトル強度が前記第1の閾値を下回るとの決定に応答して増加させて、第1の修正された露光時間および第1の修正されたゲインを提供する、
ように構成されたコントローラと、を含み、
前記光センサは、参照標的から前記光を受け取り、
前記参照標的は、反射率が高く無損失の参照標的である、
ことを特徴とする組成同定システム。
【請求項8】
前記コントローラが、
前記スペクトル情報の第2の波長に対応する第2のスペクトル強度が第2の閾値を超えているかどうかを決定し、
前記第2の波長に対する前記光センサのゲインを、前記スペクトル情報の前記第2の波長に対応する前記第2のスペクトル強度が前記第2の閾値を超えるとの決定に応答して減少させる、ように構成される、
請求項に記載の組成同定システム。
【請求項9】
前記コントローラが、前記第2の波長に対する前記光センサの露光時間を、前記スペクトル情報の前記第2の波長に対応する前記第2のスペクトル強度が前記第2の閾値を超えるとの決定に応答して減少させるように構成される、請求項に記載の組成同定システム。
【請求項10】
前記波長範囲が波長400nm~700nmの可視スペクトルを含む、請求項に記載の組成同定システム。
【請求項11】
前記光を前記光センサに搬送するように構成された医療用スコープを含む、請求項に記載の組成同定システム。
【請求項12】
前記医療用スコープは内視鏡である、請求項11に記載の組成同定システム。
【請求項13】
前記医療用スコープは尿管鏡である、請求項11に記載の組成同定システム。
【請求項14】
前記光センサが第2の標的から光を受け取るように構成され、
前記コントローラは、
ある波長範囲にわたる前記光の第2のスペクトル応答を前記第1の修正された露光時間を使用して決定し、
前記第2のスペクトル応答を使用して前記第2の標的の組成を同定する、ように構成される、
請求項に記載の組成同定システム。
【請求項15】
命令を含む少なくとも1つの非一時的な機械可読媒体であって、命令が処理回路によって実行されると、前記処理回路に動作を実行させ、前記動作には、
反射率が高く無損失の参照標的から光センサで光を感知すること、
ある波長範囲にわたる前記光の第1のスペクトル応答を決定すること、
前記第1のスペクトル応答の第1の波長に対応する第1のスペクトル強度が第1の閾値を下回っているかどうかを決定すること、
前記第1の波長に対する前記光センサの露光時間および前記第1の波長に対する前記光センサのゲインの両方を、前記第1のスペクトル応答の前記第1の波長に対応する前記第1のスペクトル強度が前記第1の閾値を下回ると決定することに応答して増加させて、第1の修正された露光時間および修正された第1のゲインを提供すること、が含まれる、
ことを特徴とする少なくとも1つの非一時的な機械可読媒体。
【請求項16】
前記動作が、
前記第1のスペクトル応答の第2の波長に対応する第2のスペクトル強度が第2の閾値を超えているかどうかを決定すること、
前記第2の波長に対する前記光センサのゲインを、前記第1のスペクトル応答の前記第2の波長に対応する前記第2のスペクトル強度が前記第2の閾値を超えると決定することに応答して減少させること、を更に含む、
請求項15に記載の少なくとも1つの非一時的な機械可読媒体。
【請求項17】
前記動作が、
前記第2の波長に対する前記光センサの露光時間を、前記第1のスペクトル応答の前記第2の波長に対応する前記第2のスペクトル強度が前記第2の閾値を超えると決定することに応答して減少させること、を更に含む、
請求項16に記載の少なくとも1つの非一時的な機械可読媒体。
【請求項18】
前記動作が、
光センサで第2の標的から光を受け取ること、
ある波長範囲にわたる前記光の第2のスペクトル応答を、前記第1の修正された露光時間を使用して決定すること、
前記第2のスペクトル応答を用いて前記第2の標的の組成を同定すること、を更に含む、
請求項15に記載の少なくとも1つの非一時的な機械可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2021年4月1日に出願された米国仮特許出願第63/200,887号の優先権の利益を主張するものであり、その内容はその全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、標的同定、特に光学的組成検出システムを最適化するための技術に関する。
【背景技術】
【0003】
医療用スコープは、ユーザが患者の隠れた領域を検査することを可能にする。患者の特定の内部領域を視診するためのスコープは、内視鏡及び腹腔鏡などであり、まず1800年代初期に開発され、体内の検査に使用されている。典型的な医療用スコープは、光学又は電子画像化システムを含む遠位端部と、画像を観察するためのツール及びデバイスを操作する制御を備えた近位端部と、端部を接続する中実又は管状の細長いシャフトからなる。一部の医療用スコープは、医師がツール又は処置を中空チャネルに通し、例えば組織を切除し、又は対象物を回収することを可能にする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】US9470579B2
【文献】BR112020019367A2
【文献】特開2005-006768号公報
【文献】特開2005-131129号公報
【文献】特表2016-510235号公報
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
組成同定システムの光センサシステムを較正するための技術が提供される。一例では、方法は、参照標的から光センサシステムの光センサで光を受け取り、ある波長範囲にわたる光の第1のスペクトル応答を決定し、スペクトル応答の第1の波長に対応する第1のスペクトル強度が第1の閾値に違反しているかどうかを決定することを含み、第1の波長に対する光センサの露光時間又はゲインを調整して違反を正し、範囲内の複数の波長に対して繰り返す、ことができる。一旦較正されると、光学システムは、標的、例えば内視鏡検査、腹腔鏡検査、又は尿管鏡検査処置中の医療処置中に遭遇する解剖学的標的の組成を、特にそのような標的が広いスペクトルの照明源で照明される場合に、より効率的に同定し得る。
【0006】
このセクションは、本特許出願の主題の概要を提供することを意図する。本発明の排他的又は網羅的な説明を提供することを意図するものではない。詳細な説明は、本特許出願に関する更なる情報を提供するために含有される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本主題による例示的な組成同定システムを概略的に示す図である。
図2】例示的な組成同定システムの光学システムによって生成されたスペクトルプロットを概略的に示す。
図3】広い波長範囲にわたる反射光の集光及び分析を可能にするため、組成同定システムの例示的な光センサシステム用のパラメータのプログラミングを図的に示す。
図4】本主題に従って構成された光学システムから生成された平坦で白色の参照標的のスペクトル情報の例示的なプロットを概略的に示す。
図5】本主題に従って組成同定システムを較正するための例示的な方法を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
画像システムは、解剖学的標的の視覚的確認を可能にし得る。より洗練された画像システムは、解剖学的標的から反射された照明光のスペクトル応答を検出することを可能にし得る。このようなスペクトル情報は、解剖学的標的の組成を同定するために使用でき、特定の処置の有効性を支援し得る。しかし、適切な時間に自動的に組成同定が可能な画像又は光学システムは、参照情報の広範なライブラリが必要になる場合があり、それは照明光、光学系、及び画像化又は光センサの効果がそれぞれ、結果として生じるスペクトル情報に影響を与える可能性があるためである。
【0009】
医療用スコープは、患者の解剖学的標的のビューを提供し得る。そのような医療用スコープは、限定するものではないが、内視鏡、腹腔鏡、又は変型、ならびに診断及び治療処置に使用される別のタイプのスコープを含み得る。医療用スコープ処置の間、医師はスコープの端部の位置を制御して、解剖学的標的を観察し得る。診断的又は治療的のいずれであっても、解剖学的標的の組成は、多くの処置の効率と有効性に利益をもたらし得る追加情報を提供できる。スペクトル分析は、解剖学的標的の組成を検出する1つの方法である。そのような方法は、標的を光で照らし、標的によって反射された光を、光センサを用いて取り込むことを含む。光センサは、反射光のスペクトル情報を提供し、次に、標的に関するスペクトル情報、例えば反射光のどの波長が標的の組成によって影響を受けるかを提供し得る。一般に、組成の決定の効率と精度は、より広いスペクトルの照明光を用いて改善され得る。
【0010】
標的の組成を、反射光から導出されたスペクトル情報から同定する精度は、多くの要因に依存する可能性があり、限定するものではないが、標的を照らす光のスペクトル幅と強度、光を標的へ、また標的からの光をガイドする光学系、及び光センサの構成が挙げられる。したがって、標的の組成を自動的に同定しようとする従来のシステムでは、参照情報の膨大なライブラリが必要になる可能性があり、なぜならシステムの各構成要素(照明源、光学系、光センサなど)が、任意の1つの標的に対してシステムによって生成されるスペクトル情報の解釈に影響を与える可能性があるためである。本主題は、広域スペクトル照明源及び光学系を使用して、解剖学的標的の組成に関する広域スペクトルのスペクトル情報を提供するための技術を提供する。この技術は、光センサシステムの動作条件を調整して、照明源のスペクトルと光学系の効果を参照標的に基づき正規化する。したがって、処置標的から反射された照明を受け取ることで、正規化されたスペクトルと処置標的の反射照明から導出されたスペクトル情報との間のスペクトル差は、処置標的の組成に関する広いスペクトル情報を提供する。その結果、この技術は、多くの構成要素、及びそれら構成要素の組み合わせのスペクトル効果を正規化することを可能にし得て、その結果、スペクトル情報のより小さな参照ライブラリを使用して、適切な時間及び正確な標的の組成の同定を、内視鏡又は腹腔鏡アブレーション処置などの処置中に行い得る。
【0011】
図1は、本主題による例示的な組成同定システム100を概略的に示す。組成同定システム100は、照明源101、光学系102,103,104,105,106、及び光センサシステム110を含み得る。特定の例では、照明源101は、複数の照明源及びコントローラを含み得る。いくつかの例では、照明源101は、広い波長範囲(I(λmin,λmax))を有する光を提供し得る。いくつかの例では、広い波長範囲は、可視光スペクトル(例えば、約400ナノメートル(nm)の波長~約700nmの波長)に及び得る。いくつかの例では、照明源101からの光の波長範囲は更に、可視波長の範囲に加えて、赤外線波長又は紫外線波長を含み得る。照明源101からの光の広いスペクトルは、標的108の組成について、例えばレーザ照明源又は他の狭い波長の照明源から放出される狭いスペクトルの光のいくつかのビームよりも、より多くのスペクトル情報を提供し得る。
【0012】
光学系102,103,104,105,106は、照明源101の光を標的108にガイドし、同様に標的108から反射された光を光センサシステム110にガイドし、分離し得る。特定の例では、光学系は、集束レンズを含む1つ以上のレンズ102,103,104、及び照合レンズ(collation lenses)を含み得る。光学系はまた、ミラー、ビームスプリッタ106、光ファイバ、光ケーブルなどを含み得る。いくつかの例では、光学系は、医療用スコープ105の光路、例えば内視鏡又は腹腔鏡の光路を含み得る。光学系の1つ以上の構成要素は、光学部品によって伝導又はガイドされる光のスペクトルに影響を与える可能性がある。各光学部品のスペクトル効果は、波長の関数(A(λ))として表され得て、ここで、「i」は光学部品を特定する。このようなスペクトル効果は通常、所与の波長の減衰を表すが、本主題はそのように限定されない。特定の例では、本技術は、照明光101又は光学系102~106のいずれかのスペクトル効果を補正するのを支援し得る。
【0013】
光センサシステム110は、光センサ112及びコントローラ114を含み得る。光センサ112は、標的から反射された光を受け取ることができる。光ンサは、感光性素子のアレイを含み得て、それはピクセルと呼ばれてもよく、又は光センサの視野内にピクセルを定義する。コントローラ114は、光センサ112の素子のゲイン(k)及び露光時間(τexp)を制御することができ、光センサ112から信号を受信でき、標的108の組成の分析のための反射光のスペクトル情報を提供し得る。コントローラは、多くの異なる形態をとることができ、限定するものではないが、例えば光センサの一部である、光センサから分離されている、ネットワーク上に存在する、クラウドコンピューティングリソースとして存在する、又はそれらの組み合わせが挙げられる。較正の場合、標的は白色標準であり得て、光センサで受信した信号(S)は次のように表され得る。
【数1】
【0014】
図2は、例示的な組成同定システムの光学システムによって生成されたスペクトルプロットを概略的に示す。スペクトルプロットは、参照標的、例えば例示的な組成同定システムの照明源によって照らされた平坦で白色の参照標的から反射された光を表し得る。縦軸はスペクトル強度の値を提示し、横軸は照明源の波長(λmin,λmax)の間及びその近くの波長を提示する。スペクトルプロットは、光学システムが、例示的な組成同定システムの1つ以上の光学系、又は例示的な組成同定システムの照明源で構成されていないことを示す。例えば、第1の閾値(IMAX)を超える特定の波長の強度飽和と、第2の閾値(IMIN)を下回る特定の波長の非常に低い強度は、光学システムが最適に構成されていないことの指標となる。更に、飽和及び非常に低い強度に関連する波長は、補正されない限り、一般に、標的の組成の同定を補助することにおいて殆ど価値がない。したがって、補正されていないスペクトル情報220では、わずか数帯域の波長情報のみが標的の組成を同定する際に使用可能となる。図2のスペクトルプロットを生成するために使用される標的は、平坦で白色の参照であるため、使用可能なスペクトル帯域は解剖学的標的を同定しようとする際に減少されると予測され、それは標的が平坦でもなく、参照標的のように同じ白の色合いでもない可能性が高く、特定の波長を散乱及び吸収して、それらの波長の反射照明の強度を低下させ得るためである。
【0015】
図3は、広い波長範囲にわたる反射光の集光及び分析を可能にするための、組成同定システムの例示的な光センサシステムのパラメータのプログラミングを図的に示す。縦軸は、ゲイン(k)と露光時間(τexp)の積を表す係数値である。横軸は波長(λ)である。各波長の係数値(k×τexp)は、光センサの特定の素子のゲイン(k)又は露光時間(τexp)を調整するように設計され、その結果、参照標的に応答するシステムによって提供されるスペクトル情報は正規化される。較正の間、光センサを飽和させる補正されていない波長の強度は、その波長のゲイン(k)を下げること、及び/又は露光時間(τexp)を減らすことによって補正され得る。更に、較正の間、光センサの最小閾値(IMIN)を下回る波長の補正されていない強度は、その波長のゲイン(k)を上げること、及び/又は露光時間(τexp)を増やすことによって補正され得る。図示の例では、グラフで表された係数値(k×τexp)は、システムが平坦で白色の参照標的を照らして、そこから反射された光を取り込むときに、図2のシステムの平坦化されたスペクトル応答を提供するように設計される。平坦化された応答は、対象となり得て、その結果、波長範囲にわたる各波長強度が有効強度の狭い範囲内、例えばIMAXとIMINとの間に留まる。特定の例では、平坦化された応答は、対象となり得て、波長範囲にわたる各波長強度が、光センサの最大有効強度(例えば、IMAX)と最小有効強度(例えば、IMIN)との間の中間点を中心とする狭い強度の範囲内に留まる。特定の例では、狭い強度の範囲は、光センサの有効範囲の50パーセント未満、光センサの有効範囲の40%未満、光センサの有効範囲の30%未満、光センサの有効範囲の20%未満、光センサの有効範囲の10%未満、光センサの有効範囲の5%未満、光センサの有効範囲の2%未満、又は光センサの有効範囲の1%未満を表す可能性がある。
【0016】
特定の例では、ゲインと露光時間の修正は、白色の参照標的から反射された光のスペクトル強度が上限閾値強度の約半分(例えば、Imax/2)である場合に較正されるように決定され得る。図4は、本主題に従って構成された光学システムから生成された平坦な白色の参照標的のスペクトル情報の例示的なプロットを概略的に示す。縦軸は信号強度の値を提示し、横軸は照明源の波長又はその近くの波長を提示する。
【0017】
システムが調整され、比較的平坦なスペクトル応答を、反射率が高く実質的に無損失の参照標的(例えば、平坦で白色の参照標的)から反射された光の波長範囲にわたって提供し得るようになった後、システムは、その全スペクトルを使用して、例えば、内視鏡又は腹腔鏡の処置中に遭遇する解剖学的標的の組成特性を同定することを可能にし得る。照明源の光の全スペクトルを使用する能力は、組織のより正確な同定を、従来の方法を使用して行われるような照明光スペクトルの一部分のみを使用するよりも可能にし得る。
【0018】
図5は、本主題に従って組成同定システムを較正するための例示的な方法を概略的に示す。501で、組成同定システムの光センサは、参照標的からの光、例えば平坦で白色の参照標的からの反射光を受け取り得る。503で、組成同定システムのコントローラは、ある波長範囲にわたる光の第1のスペクトル応答を、光センサからの信号に基づいて決定し得る。505で、コントローラは、スペクトル応答の第1の波長に対応する第1のスペクトル強度が第1の閾値を下回っているかどうかを決定し得る。507で、コントローラは、スペクトル応答の第1の波長に対応する第1のスペクトル強度が第1の閾値を下回ると決定することに応答して、第1の波長に対する光センサの露光時間を増加させ得る。露光量を増やすことで、対応する光の波長に対してより多くのスペクトル強度を提供でき、実際の標的の組成を同定するのに役立つ追加情報を追加し得る。
【0019】
いくつかの例では、コントローラは、スペクトル応答の第1の波長に対応する第1のスペクトル強度が第1の閾値を下回ると決定することに応答して、第1の波長に対する光センサのゲインを増加させ得る。いくつかの例では、コントローラは、スペクトル応答の第1の波長に対応する第1のスペクトル強度が第1の閾値を下回ると決定することに応答して、第1の波長に対する光センサの露光時間及びゲインを増加させ得る。いくつかの例では、照明源からの光がある波長で微かすぎる場合、又は光学系がその波長でエネルギーを著しく吸収する場合、コントローラはその波長を無視し得る。
【0020】
特定の例では、コントローラが、スペクトル応答の第2の波長に対応する第2のスペクトル強度が第2の閾値を超えると決定した場合、コントローラは、第2の波長に対する光センサのゲインを下げることができる。ゲインを下げることで、対応する光の波長のスペクトル強度を下げることができ、その結果、光センサは飽和されず、実際の標的の組成を同定するのに役立つ追加情報を加え得る。特定の例では、コントローラが、スペクトル応答の第2の波長に対応する第2のスペクトル強度が第2の閾値を超えると決定した場合、コントローラは、第2の波長に対する光センサの露光時間を減らすことができる。特定の例では、コントローラが、スペクトル応答の第2の波長に対応する第2のスペクトル強度が第2の閾値を超えると決定した場合、コントローラは、第2の波長に対する光センサのゲイン及び露光期間を減少させることができる。
【0021】
完全な較正は、波長範囲全体で複数の波長に対して上記の手順を繰り返すことを含み得る。光センサを介して利用可能な波長の全スペクトルを較正すると、組成同定システムは、解剖学的標的から反射された光のスペクトル情報を生成するために使用され得て、補正されたゲイン及び露光時間で生成されたスペクトル強度情報を使用して、解剖学的標的の組成を同定し得る。いくつかの例では、較正されたコントローラ及び光センサで生成された解剖学的標的のスペクトル情報を、コントローラによって既知の物質のスペクトル情報と比較し、解剖学的標的の組成を特定し得る。スペクトル情報は、照明源と光学系のスペクトル効果を最小限に抑えるベースライン構成に基づくため、既知の物質についてのスペクトル情報のライブラリは著しく減少され得る。また、ライブラリの比較が少ないほど、より適切な時間で組成同定を得ることができる。
【0022】
したがって、光学システム用に較正されている任意の特定の波長について、光センサシステム(例えば、分光計)の露光時間及び/又はゲインは、所望のレベルよりも低いスペクトル強度を生じる光学システムの光学的歪みを考慮して増加され得る。また、光学システム用に較正されている任意の特定の波長について、光センサシステムの露光時間及び/又はゲインは、所望のレベルを超えるスペクトル強度を生じる光学システムの光学的歪みを考慮して減少され得る。このようにして、較正中(例えば、入射光が、反射性で殆ど損失のない較正標的に当たる状態)の光センサシステムの露光時間とゲインのいずれか又は両方は、特定の波長での低強度の光信号を補正するために上方に調整され、そして、特定の波長での高強度の光信号を補正するために下方に調整され、最終的に光センサシステム(例えば、分光計)を較正し得る。光源波長の範囲にわたるこれらの上方又は下方のゲイン及び/又は露出調整により、較正後の光信号は、分光計又は他の光センサシステムで、それらの較正後の信号の精度に悪影響を与えるような大きな歪みなしに認識され得る。
【0023】
いくつかの例では、本明細書に記載された組成同定システムは、光源、光学部品、尿管鏡又は他の内視鏡、反射性較正標的、及びコントローラで動作し得る分光計を含み得る。組成同定システムの分光計は調整され得る。分光計が調整された後、組成同定システムを較正すると、ほとんど平坦な波形を作成し得る。組成同定システムが較正された後、構造的には同じに見えるが、腎結石(又は他の解剖学的標的)を伴う第2の状態を通常の医療砕石術中に使用すると、較正/平坦化された曲線上にスペクトル分析が配置された一例を示すことができ、これは、処置中に組成同定システムが反射光の鮮明な画像を生成できることを示し、それは分光計が、同じ光源、同じ光学部品、内視鏡を通る同じファイバなどによる歪みに応じて調整されているためである。言い換えると、システムは第1の状態となり得て、その際にシステム及び/又はシステムオペレータは、分光計のゲインと露出を、すべての光源、すべての光学部品、及びスコープのファイバ歪みを考慮して調整し得る。次に、システムは、医療処置が実際に行われている第2の状態となり得る。第2の状態では、結果として得られるスペクトル応答は、第1の状態で1つ以上の調整が行われたことで、明確に確認され得る(また結石/組織をより正確に同定し得る)。
【0024】
(付記及び実施例)
実施例1は、組成同定システムを較正するための方法であり、この方法は、参照標的から光センサで光を受け取り、ある波長範囲にわたる光の第1のスペクトル応答を決定し、第1のスペクトル応答の第1の波長に対応する第1のスペクトル強度が第1の閾値を下回っているかどうかを決定し、第1の波長に対する光センサの露光時間を、第1のスペクトル応答の第1の波長に対応する第1のスペクトル強度が第1の閾値を下回ると決定することに応答して増加させることで、較正された第1の露光時間を提供することを含む。
【0025】
実施例2は、実施例1の方法であり、第1の波長に対する光センサのゲインを、第1のスペクトル応答の第1の波長に対応する第1のスペクトル強度が第1の閾値を下回ると決定することに応答して増加させること、を任意選択で更に含む。
【0026】
実施例3は、実施例1~2のいずれか1つの方法であり、第1のスペクトル応答の第2の波長に対応する第2のスペクトル強度が第2の閾値を超えているかどうかを決定し、第2の波長に対する光センサのゲインを、第1のスペクトル応答の第2の波長に対応する第2のスペクトル強度が第2の閾値を超えると決定することに応答して減少させること、を任意選択で更に含む。
【0027】
実施例4は、実施例1~2のいずれか1つの方法であり、第2の波長に対する光センサの露光時間を、第1のスペクトル応答の第2の波長に対応する第2のスペクトル強度が第2の閾値を超えると決定することに応答して減少させること、を任意選択で更に含む。
【0028】
実施例5は、実施例1~4のいずれか1つの方法であり、波長範囲が波長400nm~700nmの可視スペクトルを含む、ように任意選択で更に構成される。
【0029】
実施例6は、実施例1~5のいずれか1つの方法であり、参照標的から光センサで光を受け取ることが、参照標的から反射された光を受け取ることを含む、ように任意選択で更に構成される。
【0030】
実施例7は、実施例1~6のいずれか1つの方法であり、参照標的から光センサで光を受け取ることが、医療用スコープを介して光を搬送することを含む、ように任意選択で更に構成される。
【0031】
実施例8は、実施例1~7のいずれか1つの方法であり、第2の標的から光センサで光を受け取り、ある波長範囲にわたる光の第2のスペクトル応答を、較正された第1の露光時間を使用して決定し、第2のスペクトル応答を使用して第2の標的の組成を同定すること、を任意選択で更に含む。
【0032】
実施例9は、組成同定システムであり、ある波長範囲にわたる光を感知して、光のスペクトル情報を提供するように構成された光センサと、光センサからスペクトル情報を受信し、較正モードにおいて、スペクトル情報の第1の波長に対応する第1のスペクトル強度が第1の閾値を下回るかどうかを決定し、そして第1の波長に対する光センサの露光時間を、スペクトル情報の第1の波長に対応する第1のスペクトル強度が第1の閾値を下回るとの決定に応答して増加させて、第1の修正された露光時間を提供するように構成されたコントローラと、を含む。
【0033】
実施例10は、実施例9の組成同定システムであり、コントローラが、第1の波長に対する光センサのゲインを、スペクトル情報の第1の波長に対応する第1のスペクトル強度が第1の閾値を下回るとの決定に応答して増加させるように構成される、ように任意選択で構成される。
【0034】
実施例11は、実施例9~10のいずれか1つの組成同定システムであり、コントローラが、スペクトル情報の第2の波長に対応する第2のスペクトル強度が第2の閾値を超えているかどうかを決定し、第2の波長に対する光センサのゲインを、スペクトル情報の第2の波長に対応する第2のスペクトル強度が第2の閾値を超えるとの決定に応答して減少させるように構成される、ように任意選択で構成される。
【0035】
実施例12は、実施例9~11のいずれか1つの組成同定システムであり、コントローラが、第2の波長に対する光センサの露光時間を、スペクトル情報の第2の波長に対応する第2のスペクトル強度が第2の閾値を超えるとの決定に応答して減少させるように構成される、ように任意選択で構成される。
【0036】
実施例13は、実施例9~12のいずれか1つの組成同定システムであり、波長範囲が波長400nm~700nmの可視スペクトルを含むように任意選択で構成される。
【0037】
実施例14は、実施例9~13のいずれか1つの組成同定システムであり、光を光センサに搬送するように構成された医療用スコープを任意選択で更に含む。
【0038】
実施例15は、実施例9~14のいずれか1つの組成同定システムであり、医療用スコープが内視鏡であるように任意選択で構成される。
【0039】
実施例16は、実施例9~15のいずれか1つの組成同定システムであり、医療用スコープが尿管鏡であるように任意選択で構成される。
【0040】
実施例17は、実施例9~16のいずれか1つの組成同定システムであり、光センサが第2の標的から光を受け取るように構成され、コントローラは、ある波長範囲にわたる光の第2のスペクトル応答を第1の修正された露光時間を使用して決定し、そして、第2のスペクトル応答を使用して第2の標的の組成を同定するように構成される、ように任意選択で構成される。
【0041】
実施例18は、命令を含む少なくとも1つの非一時的な機械可読媒体であり、命令が処理回路によって実行されると、処理回路に動作を実行させ、動作には、参照標的から光センサで光を感知し、ある波長範囲にわたる光の第1のスペクトル応答を決定し、第1のスペクトル応答の第1の波長に対応する第1のスペクトル強度が第1の閾値を下回っているかどうかを決定し、第1の波長に対する光センサの露光時間を、第1のスペクトル応答の第1の波長に対応する第1のスペクトル強度が第1の閾値を下回ると決定することに応答して増加させて、第1の修正された露光時間を提供し、較正された第1の露光時間を提供することが含まれる。
【0042】
実施例19は、実施例18の少なくとも1つの非一時的な機械可読媒体であり、動作が、第1の波長に対する光センサのゲインを、スペクトル応答の第1の波長に対応する第1のスペクトル強度が第1の閾値を下回ると決定することに応答して増加させることを更に含む、ように任意選択で更に構成される。
【0043】
実施例20は、実施例18~19のいずれか1つのうちの少なくとも1つの非一時的な機械可読媒体であり、動作が、第1のスペクトル応答の第2の波長に対応する第2のスペクトル強度が第2の閾値を超えているかどうかを決定し、第2の波長に対する光センサのゲインを、第1のスペクトル応答の第2の波長に対応する第2のスペクトル強度が第2の閾値を超えると決定することに応答して減少させることを更に含む、ように任意選択で更に構成される。
【0044】
実施例21は、実施例18~20のいずれか1つのうちの少なくとも1つの非一時的な機械可読媒体であり、動作が、第2の波長に対する光センサの露光時間を、スペクトル応答の第2の波長に対応する第2のスペクトル強度が第2の閾値を超えると決定することに応答して減少させることを更に含む、ように任意選択で更に構成される。
【0045】
実施例22は、実施例18~21のいずれか1つのうちの少なくとも1つの非一時的な機械可読媒体であり、動作が、光センサで第2の標的から光を受け取り、ある波長範囲にわたる光の第2のスペクトル応答を、第1の修正された露光時間を使用して決定し、第2の標的の組成を第2のスペクトル応答を用いて同定することを更に含む、ように任意選択で更に構成される。
【0046】
実施例23は、組成同定システムを動作する方法であり、この方法は、照明源からの光であって、可視スペクトルの大部分に及ぶ波長範囲を有する光を用いて参照標的を照明し、参照標的から反射された光を組成同定システムの光センサで受け取り、光センサの複数のゲインと露光時間を調整して、波長範囲に対して標的スペクトル強度に関する平坦化された参照スペクトル応答を提供して、較正された光センサを提供し、第1の標的を照明源からの光で照明し、第1の標的から反射された光を較正された光センサで受け取り、第1の標的の組成を表す第1のスペクトル強度曲線を提供し、第1のスペクトル強度曲線を1つ以上の参照スペクトル強度曲線と比較して、第1の標的の組成を同定することを含む。
【0047】
実施例24は、参照標的を表す第1の信号及び参照材料を表す第2の信号を生成するように構成された光センサと、コントローラとを含む装置であり、コントローラは、第1の信号を受信し、第1の信号に基づいて波長範囲にわたり光センサのゲインと露出を調整して、第1の調整されたゲインと露出を提供し、第1の信号のスペクトル応答を平坦化し、第2の信号を受信し、光センサのゲインと露出を更に調整して、第2の調整されたゲインと露出を提供し、第2の信号の周波数応答を参照材料に対するモデル周波数応答に一致させるように構成される。
【0048】
実施例25は、実施例24の装置であり、光センサが、第2の材料を表す第3の信号を、第2の調整されたゲインと露出を使用して生成するように構成され、コントローラが、第3の信号を受信し、第2の材料の少なくとも一部分を、第3の信号の周波数応答に基づいて同定するように構成される、ように任意選択で更に構成される。
【0049】
実施例26は、実施例24~25のいずれか1つの装置であり、参照標的及び参照材料を照明するように構成された照明源を任意選択で更に含む。
【0050】
実施例27は、実施例24~26のいずれか1つの装置であり、照明源が400nm~700nmの波長を有する光を提供するように構成された広域スペクトル照明源である、ように任意選択で更に構成される。
【0051】
実施例28は、実施例24~27のいずれか1つの装置であり、照明源の光を参照標的及び参照材料にガイドするように構成された第1の光学系を任意選択で更に含む。
【0052】
実施例29は、実施例24~28のいずれか1つの装置であり、参照標的及び参照材料からの反射光を光センサにガイドするように構成された第2の光学系を任意選択で更に含む。
【0053】
実施例30は、命令を含む少なくとも1つの機械可読媒体であり、命令が処理回路によって実行されると、処理回路に実施例1~29のいずれかを実施するための動作を実行させる。
【0054】
実施例31は、実施例1~29のいずれかを実施するための手段を含む装置である。
【0055】
実施例32は、実施例1~29のいずれかを実装するためのシステムである。
【0056】
実施例33は、実施例1~29のいずれかを実装するための方法である。
【0057】
上記の詳細な説明は、添付の図面への参照を含み、添付の図面は詳細な説明の一部を成す。図面は、例示として、本発明が実施され得る特定の実施形態を示す。これらの実施形態もまた、本明細書において「実施例」として参照される。そのような例は、示されているか又は記載されているものに加えて、要素を含み得る。しかし、また、本発明者は、示されているか又は記載されているそれらの要素のみが供給される例を検討する。更に、また、本発明者は、示されているか又は記載されているそれらの要素(又はそれらの1つ以上の態様)の任意の組み合わせ又は置換を、特定の例(又はそれらの1つ以上の態様)か、あるいは本明細書に示されているか又は記載されている別の例(又はそれらの1つ以上の態様)のどちらか一方に関して使用する例を検討する。
【0058】
本文献と参照により組み込まれている文献との間に一貫性のない使用がある場合は、本文献の使用を優先する。
【0059】
本文献では、「a」又は「an」という用語は、任意の別の例、又は「少なくとも1つ」若しくは「1つ以上」の使用と無関係に、特許文献において一般的であるように、1つ又は2つ以上を含むように用いられる。本文献では、用語「又は(or)」は、包括的なものを指すように、又は別段の指示がない限り、「A又はB」が「AであるがBでない」、「BであるがAでない」、及び「A及びB」を含むように用いられる。本文献では、「含んでいる(including)」及び「in which」という用語は、「含んでいる(comprising)」及び「wherein」というそれぞれの用語の平易な英語の同意義のものとして用いられる。また、「含んでいる(including)」及び「含んでいる(comprising)」という用語はオープンエンドであり、すなわちそのような用語の後に列挙されているものに加えて要素を含むシステム、デバイス、物品、組成、製剤、又は工程が、依然として議論された主題の範囲内に入ると見なされる。更に、下記の特許請求の範囲では、「第1の」、「第2の」、及び「第3の」などという用語は単にラベルとして現れ、それらの対象物に数的な要件を課することは意図されていない。
【0060】
上記説明は例示的であることが意図され、制限的であることは意図されていない。例えば、前述の例(又はその1つ以上の態様)は、互いに組み合わせて使用され得る。別の実施形態は、上記説明の検討により、当業者などによって使用され得る。要約は37 C.F.R §1.72(b)に従うように提供され、読者が技術的開示の本質を迅速に確認することを可能にする。要約は、それが特許請求の範囲又は意味を解釈するか又は制限するのに使用されないという理解の下に提示される。また、上記の発明を実施するための形態では、様々な特徴がグループ化されて、本開示を能率化し得る。これは、特許請求されていない開示された特徴が任意の請求項に不可欠であるよう意図していると見なされるべきではない。むしろ、発明の主題は、特定の開示される実施形態の全特徴より少ない特徴にある場合がある。以下の態様は、本明細書によって、発明を実施するための形態に、例又は実施形態として組み込まれ、各態様は別個の実施形態として自立しており、そのような実施形態は、様々な組み合わせ又は順列において互いに組み合わせられ得ると考えられる。
図1
図2
図3
図4
図5