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<図1>
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-27
(45)【発行日】2024-10-07
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/16 20060101AFI20240930BHJP
   G03G 15/01 20060101ALI20240930BHJP
   B65H 5/38 20060101ALI20240930BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20240930BHJP
【FI】
G03G21/16 104
G03G21/16 195
G03G15/01 N
B65H5/38
H04N1/00 567Q
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2022066981
(22)【出願日】2022-04-14
(65)【公開番号】P2023157217
(43)【公開日】2023-10-26
【審査請求日】2023-03-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003133
【氏名又は名称】弁理士法人近島国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】市川 敏之
(72)【発明者】
【氏名】関川 明人
【審査官】牧島 元
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-176805(JP,A)
【文献】特開2001-209217(JP,A)
【文献】特開2013-054324(JP,A)
【文献】特開2021-134055(JP,A)
【文献】特開2014-223979(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/16
G03G 15/01
B65H 5/38
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートに画像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部により画像が形成されたシートを搬送する搬送部と、
シートの第1面に接する第1ガイド面、及び前記第1ガイド面に開口された開口部を有する第1ガイドと、シートの前記第1面とは反対の第2面に接する第2ガイド面を有する第2ガイドと、を有し、前記搬送部により搬送されるシートを案内するガイド部と、
前記開口部により前記第1ガイド面に対して露出するように配置される透光部を有し、前記透光部を介してシートの画像を読取可能となるように前記第1ガイドに配置される読取ユニットと、
前記第1ガイドの開口部に向けてシートを押圧可能に配置される回転体と、前記回転体を支持する支持軸と、前記支持軸の一端部を軸方向に移動不能に支持する一端支持部と、前記軸方向の他端部に配置された挿入部と、を有し、前記第2ガイドに配置される回転体ユニットと、
前記第2ガイドを装置本体の外部に露出する開状態と、前記第2ガイドを閉塞する閉状態と、に開閉可能な開閉部材と、を備え、
前記第2ガイドは、前記挿入部を前記軸方向に挿入可能な被挿入部と、前記一端支持部を固定可能な被固定部と、を有し、かつ、回動軸を支点として前記第1ガイドに対して、前記第1ガイドとシートの搬送路を形成する閉位置と、前記搬送路を開放する開位置と、に回動可能に配置され、
前記回転体ユニットは、前記被挿入部に前記挿入部が挿入され、かつ前記被固定部に前記一端支持部が固定されることで、前記第2ガイドに取付けられ、
前記回動軸は、前記支持軸の軸方向と交差する方向に向けて配置され、かつ、前記閉状態である前記開閉部材に対して遠い側の端部に配置され、
前記支持軸の他端部は、前記閉状態である前記開閉部材に対して前記支持軸の一端部よりも遠い側に配置されている、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記第2ガイドは、前記第1ガイドに対して下方に配置され、
前記回転体ユニットは、前記第2ガイドの下方に取付けられている、
ことを特徴とする請求項に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第2ガイドは、前記挿入部が前記被挿入部に対向する対向位置から前記挿入部が前記被挿入部に挿入される挿入位置まで、前記回転体ユニットを案内する案内部を有する、
ことを特徴とする請求項に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記対向位置は、前記回転体ユニットを前記案内部に前記軸方向と交差する方向に対して当接させた位置である、
ことを特徴とする請求項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記第2ガイドは、前記開位置にある状態において、前記第1ガイドの側から前記対向位置にある前記回転体ユニットを視認可能にする貫通孔を有する、
ことを特徴とする請求項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記貫通孔は、前記回転体ユニットが前記第2ガイドに取付けられた状態で、前記回転体の一部を前記第2ガイド面よりも突出可能にする、
ことを特徴とする請求項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記一端支持部は、前記被固定部にネジにより固定され、
前記ネジは、前記軸方向において、前記開閉部材に近い側から遠い側に向けて螺合される、
ことを特徴とする請求項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記回転体ユニットは、
前記支持軸と平行に配置され、一端部が前記一端支持部に回転自在にかつ前記軸方向に移動不能に支持され、他端部が前記挿入部を有する揺動中心軸と、
前記揺動中心軸の一端部に連結され、かつ前記支持軸の一端部を回転自在に支持する一端連結部と、
前記揺動中心軸の他端部に連結され、かつ前記支持軸の他端部を回転自在に支持する他端連結部と、を有し、
前記一端連結部及び前記他端連結部が前記揺動中心軸を支点として揺動することで、前記支持軸及び前記回転体を揺動させて、前記回転体を前記第1ガイドの開口部に対して接離させる、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記支持軸を揺動する駆動力を出力する揺動力出力部を備え、
前記回転体ユニットは、前記一端支持部に配置され、前記揺動力出力部からの駆動力を前記揺動中心軸に伝達する揺動力伝達機構を有する、
ことを特徴とする請求項に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記揺動力出力部は、駆動力を出力する出力軸を有し、
前記出力軸の回転位置を検出する回転位置検出部を備える、
ことを特徴とする請求項に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記支持軸を駆動する駆動回転を出力する回転出力部を備え、
前記回転体ユニットは、前記一端支持部に配置され、前記回転出力部からの駆動回転を前記支持軸に伝達する回転伝達機構を有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項12】
シートに画像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部により画像が形成されたシートを搬送する搬送部と、
シートの第1面に接する第1ガイド面、及び前記第1ガイド面に開口された開口部を有する第1ガイドと、シートの前記第1面とは反対の第2面に接する第2ガイド面を有する第2ガイドと、を有し、前記搬送部により搬送されるシートを案内するガイド部と、
前記第2ガイドを装置本体の外部に露出する開状態と、前記第2ガイドを閉塞する閉状態と、に開閉可能な開閉部材と、を備え、
前記第1ガイドは、
前記開口部により前記第1ガイド面に対して露出するように配置される透光部、前記透光部を介してシートの画像を読取可能な読取ユニットを、取付け可能な読取ユニット取付部と、を有し、
前記第2ガイドは、
被挿入部と、
被固定部と、
前記第1ガイドの開口部に向けてシートを押圧可能に配置される回転体と、前記回転体を支持する支持軸と、前記支持軸の一端部を軸方向に移動不能に支持する一端支持部と、前記軸方向の他端部に配置された挿入部と、を有する回転体ユニットを、前記被挿入部に前記挿入部を挿入し、かつ前記被固定部に前記一端支持部を固定することで取付け可能な回転体ユニット取付部と、を有
かつ、回動軸を支点として前記第1ガイドに対して、前記第1ガイドとシートの搬送路を形成する閉位置と、前記搬送路を開放する開位置と、に回動可能に配置され、
前記回動軸は、前記支持軸の軸方向と交差する方向に向けて配置され、かつ、前記閉状態である前記開閉部材に対して遠い側の端部に配置され、
前記支持軸の他端部は、前記閉状態である前記開閉部材に対して前記支持軸の一端部よりも遠い側に配置されている、
ことを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートに画像を形成する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、画像形成装置でシートに画像を形成した後、そのシートの画像情報を画像読取装置で読取り、次に画像形成装置で画像を形成する際の画像の調整(特に色味調整)を行う画像形成システムが提案されている(特許文献1参照)。この特許文献1のものでは、シートに形成されたパッチ像をカラーセンサによって検出してプロファイルを作成し、そのプロファイルに基づき色味調整を行っている。
【0003】
このような色味調整では、カラーセンサの検出精度を高精度に維持する必要がある。カラーセンサの検出精度を高精度に維持するためには、画像が形成されたシートとセンサとの距離(ピント位置)のばらつきを低減することが重要である。そのため、カラーセンサのピント位置を搬送ガイドの面に沿った位置に設定し、シートをローラにより搬送ガイドのガイド面に押圧してピント位置に位置決めしようとするものが提案されている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2013-54324号公報
【文献】特開2014-131205号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記のようなカラーセンサ等を備えると画像形成装置の価格が高くなるため、上記のような色味調整を必要とするユーザの画像形成装置のみにカラーセンサ等を取付けたいという要望がある。しかしながら、上記のようにシートをカラーセンサのピント位置に押圧するローラを備えていない画像形成装置に、後からローラを取付ける作業は困難であるという問題があった。
【0006】
そこで本発明は、回転体ユニットを簡単に取付けることが可能な画像形成装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、シートに画像を形成する画像形成部と、前記画像形成部により画像が形成されたシートを搬送する搬送部と、シートの第1面に接する第1ガイド面、及び前記第1ガイド面に開口された開口部を有する第1ガイドと、シートの前記第1面とは反対の第2面に接する第2ガイド面を有する第2ガイドと、を有し、前記搬送部により搬送されるシートを案内するガイド部と、前記開口部により前記第1ガイド面に対して露出するように配置される透光部を有し、前記透光部を介してシートの画像を読取可能となるように前記第1ガイドに配置される読取ユニットと、前記第1ガイドの開口部に向けてシートを押圧可能に配置される回転体と、前記回転体を支持する支持軸と、前記支持軸の一端部を軸方向に移動不能に支持する一端支持部と、前記軸方向の他端部に配置された挿入部と、を有し、前記第2ガイドに配置される回転体ユニットと、前記第2ガイドを装置本体の外部に露出する開状態と、前記第2ガイドを閉塞する閉状態と、に開閉可能な開閉部材と、を備え、前記第2ガイドは、前記挿入部を前記軸方向に挿入可能な被挿入部と、前記一端支持部を固定可能な被固定部と、を有し、かつ、回動軸を支点として前記第1ガイドに対して、前記第1ガイドとシートの搬送路を形成する閉位置と、前記搬送路を開放する開位置と、に回動可能に配置され、前記回転体ユニットは、前記被挿入部に前記挿入部が挿入され、かつ前記被固定部に前記一端支持部が固定されることで、前記第2ガイドに取付けられ、前記回動軸は、前記支持軸の軸方向と交差する方向に向けて配置され、かつ、前記閉状態である前記開閉部材に対して遠い側の端部に配置され、前記支持軸の他端部は、前記閉状態である前記開閉部材に対して前記支持軸の一端部よりも遠い側に配置されている、ことを特徴とする画像形成装置である。
【0008】
本発明の一態様は、シートに画像を形成する画像形成部と、前記画像形成部により画像が形成されたシートを搬送する搬送部と、シートの第1面に接する第1ガイド面、及び前記第1ガイド面に開口された開口部を有する第1ガイドと、シートの前記第1面とは反対の第2面に接する第2ガイド面を有する第2ガイドと、を有し、前記搬送部により搬送されるシートを案内するガイド部と、前記第2ガイドを装置本体の外部に露出する開状態と、前記第2ガイドを閉塞する閉状態と、に開閉可能な開閉部材と、を備え、前記第1ガイドは、前記開口部により前記第1ガイド面に対して露出するように配置される透光部、前記透光部を介してシートの画像を読取可能な読取ユニットを、取付け可能な読取ユニット取付部と、を有し、前記第2ガイドは、被挿入部と、被固定部と、前記第1ガイドの開口部に向けてシートを押圧可能に配置される回転体と、前記回転体を支持する支持軸と、前記支持軸の一端部を軸方向に移動不能に支持する一端支持部と、前記軸方向の他端部に配置された挿入部と、を有する回転体ユニットを、前記被挿入部に前記挿入部を挿入し、かつ前記被固定部に前記一端支持部を固定することで取付け可能な回転体ユニット取付部と、を有し、かつ、回動軸を支点として前記第1ガイドに対して、前記第1ガイドとシートの搬送路を形成する閉位置と、前記搬送路を開放する開位置と、に回動可能に配置され、前記回動軸は、前記支持軸の軸方向と交差する方向に向けて配置され、かつ、前記閉状態である前記開閉部材に対して遠い側の端部に配置され、前記支持軸の他端部は、前記閉状態である前記開閉部材に対して前記支持軸の一端部よりも遠い側に配置されていることを特徴とする画像形成装置である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によると、回転体ユニットを簡単に取付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本実施の形態に係る画像形成装置の概略図。
図2】カラーセンサの構造を示す模式図。
図3】画像形成装置の制御構成を示すブロック図。
図4】ICCプロファイルを説明する図。
図5】カラーマネージメント環境を示す概略図。
図6】(a)は本実施の形態に係る対向ローラが離間された状態におけるカラーセンサと対向ローラとを示す断面図。(b)は本実施の形態に係る対向ローラが押圧された状態におけるカラーセンサと対向ローラとを示す断面図及びその拡大図。
図7】対向ローラユニットを示す斜視図。
図8】(a)対向ローラユニットにおける手前側揺動アームを示す斜視図。(b)対向ローラユニットにおける奥側側揺動アームを示す斜視図。
図9】(a)は対向ローラが離間された状態における奥側揺動アーム及び対向ローラを示す断面図。(b)は対向ローラが押圧された状態における奥側揺動アーム及び対向ローラを示す断面図。
図10】(a)は対向ローラが離間された状態における離間カム機構を示す断面図。(b)は対向ローラが押圧された状態における離間カム機構を示す断面図。
図11】離間カム機構を示す斜視図。
図12】離間カム機構と対向ローラ駆動部とを示す斜視図。
図13】第1搬送ガイドと第2搬送ガイドとを手前側かつ下方側から視た状態で示す斜視図。
図14】(a)は対向ローラユニットの取付け前の状態を示す模式断面図。(b)は対向ローラユニットの取付け中の状態を示す模式断面図。(c)は対向ローラユニットの取付け後の状態を示す模式断面図。
図15】測色処理を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本実施の形態に係る画像形成装置について、図面を参照しながら説明する。以下の実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、本技術の適用範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0012】
[画像形成装置の概略構成]
図1は、本実施の形態に係る画像形成装置100を示す概略図である。なお、本実施の形態では、画像形成装置として、電子写真方式のレーザービームプリンタである画像形成装置100を例に説明をするが、これに限らず、画像形成装置は、インクジェット式のプリンタや、昇華型のプリンタであってもよい。
【0013】
画像形成装置100の装置本体101には、シートに画像を形成する画像形成エンジン102と、画像形成装置100の動作を制御する制御部であるプリンタコントローラ103(図3参照)を収容する制御ボード収納部(不図示)と、が搭載されている。画像形成部としての画像形成エンジン102は、画像形成プロセスにより記録材に画像を形成する光学処理機構10及び定着処理機構20を含む。また、画像形成エンジン102は、記録材として用いられる矩形状のシート1の給送及び搬送を行う給送処理機構30及び搬送部としての搬送処理機構40を含む。記録材としては、普通紙や厚紙等の紙、コート紙やエンボス紙等の表面処理が施された紙、プラスチックフィルム、布等のシートが使用可能である。
【0014】
また、装置本体101には、詳しくは後述するように測色ユニット500が配置されたガイド部170の第2ガイド170B(図6(a)参照)の前方に開閉部材としての開閉ドア101Aが配置されている。開閉ドア101Aは、装置本体101の外部に露出させる開状態と、閉塞する閉状態と、に開閉可能に構成されている。なお、画像形成装置100における前方とは、後述の操作部180の表面が向く方向であり、本明細書中において、開閉ドア101Aが近い側である前方側を手前側、その反対で開閉ドア101Aが遠い側である後方側を奥側ともいう。
【0015】
光学処理機構10は、イエロー・マゼンタ・シアン・ブラックの各色のトナー像を形成するステーション120,121,122,123と、中間転写ベルト106とを備えている。各ステーション120~123では、ドラム状の感光体である感光ドラム105の表面を一次帯電器111が帯電させる。レーザスキャナ部107は、画像データに基づいて生成されレーザスキャナ部107に送信される指令信号に基づいて感光ドラム105の露光処理を行う。レーザスキャナ部107は、不図示の半導体レーザから放射されるレーザ光をオン、オフに駆動するレーザドライバを有する。レーザスキャナ部107は、半導体レーザからのレーザ光を回転多面鏡により主走査方向(シートの幅方向)に振り分けつつ反射ミラー109を介して感光ドラム105に導く。これにより、感光ドラム105の表面には、画像データに対応する静電潜像が形成される。
【0016】
現像器112は、トナーを含む現像剤を内部に収容し、帯電したトナー粒子を感光ドラム105に供給する。表面電位分布に応じてトナー粒子がドラム表面に付着することにより、感光ドラム105に担持された静電潜像はトナー像として可視化される。感光ドラム105に担持されたトナー像は、トナーの正規帯電極性とは逆極性の電圧が印加される中間転写ベルト106に転写(一次転写)される。カラー画像を形成する場合、4つのステーション120~123によって形成されたトナー像が中間転写ベルト106の上で互いに重なるように多重転写されることで、ベルト上にフルカラーのトナー像が形成される。
【0017】
一方、給送処理機構30は、画像形成装置100の装置本体101に対して引出可能に挿入されたシート収納庫113から二次転写部150の転写ローラ114へ向けて1枚ずつシート1を給送する。中間転写体である中間転写ベルト106に担持されたトナー像は、転写ローラ114によってシート1に転写(二次転写)される。
【0018】
中間転写ベルト106の周りには、画像形成を行う際の印字開始位置を決めるための画像形成開始位置検出センサ115、シート1の給送タイミングを図るための給送タイミングセンサ116、及び濃度センサ117が配置されている。濃度センサ117は、中間転写ベルト106に担持されたテスト用のパッチ画像の濃度を測定する。プリンタコントローラ103は、濃度センサ117の検知結果に基づいて光学処理機構10の動作条件(例えば、一次帯電器111の帯電目標電位や現像器112のバイアス電圧の設定)を調整する。
【0019】
本実施の形態の定着処理機構20は、定着器160によって構成されている。定着器160は、シート1に熱を加えるための定着ローラ161、シート1を定着ローラ161に圧接させるための加圧ローラ162を含む。定着ローラ161は中空ローラであり、内部にヒータを有する。定着器160は、回転体対である定着ローラ161及び加圧ローラ162によってシート1を挟持して搬送しながら、シート上のトナー像に熱及び圧力を加える。これによりトナー粒子が溶融し、その後固着することで、シート1に画像が定着する。
【0020】
定着器160を通過したシート1は、搬送路131から第1切替フラッパ132によって排出前搬送路142を介して排出搬送路139又は反転前搬送路133のいずれかに案内される。反転前搬送路133に搬入されたシート1は、第2切替フラッパ134を通過して反転用搬送路138に案内される。反転用搬送路138に搬入されたシート1は、反転センサ137によってシート1の位置が検出されつつ、反転搬送部としての第1反転ローラ171及び/又は第2反転ローラ172により退避路141に向けて案内される。
【0021】
両面印刷の場合、表面に画像が形成されたシート1は、反転センサ137の検出に基づき、その後端が第3切替フラッパ136を通過するまで退避路141に搬入される。そして、第2反転ローラ172が行うスイッチバック動作によってシート搬送方向の下流端(先端)と上流端(後端)とが入れ替えられる。第2反転ローラ172によって先後端を入れ替えられた状態で、第3切替フラッパ136によって第3搬送路としての再搬送路140を介して再び二次転写部150へ向けて案内され、表面とは反対の裏面に画像を形成される。なお、この再搬送路140には、後述する測色ユニット500を配置することが可能となっており、測色ユニット500によって上記搬送処理機構40により搬送されるシートの画像を読取り可能に構成される。
【0022】
そして、片面印刷の画像形成が終了したシート1又は両面印刷における裏面の画像形成が終了したシート1は、排出前搬送路142を介して排出搬送路139に案内される。排出搬送路139に搬送されたシート1は、排出部としての排出ローラ139aによって画像形成装置100の外部に設けられた排出トレイ700の上に排出される。
【0023】
一方、定着器160を通過したシート1を反転して排出する場合、表面に画像が形成されたシート1は、反転前搬送路133に案内される。その後、反転センサ137の検出に基づき、その後端が第2切替フラッパ134を通過するまで反転後搬送路135及び退避路141に搬入される。そして、第1反転ローラ171が行うスイッチバック動作によってシート搬送方向の下流端(先端)と上流端(後端)とが入れ替えられる。第1反転ローラ171によって先後端を入れ替えられたシート1は、第2切替フラッパ134によって、反転後搬送路135と排出搬送路139とを繋ぐ第2搬送路としての反転後搬送路135に案内され、続けて排出搬送路139へ向けて案内される。そして、このように表裏が反転された後に排出搬送路139に搬送されたシート1も、排出ローラ139aによって画像形成装置100の外部に設けられた排出トレイ700の上に表裏が反転された状態で排出される。つまり上記反転後搬送路135は、両面印刷を行わず、反転したシート1を排出する場合の排出専用の搬送路ともいえる。
【0024】
[カラーセンサの構成]
次に、測色ユニット500における読取ユニットとしてのカラーセンサ200の配置と構造について図1及び図2を用いて説明する。図2はカラーセンサの構造を示す模式図である。上述した再搬送路140に沿って、再搬送路140を搬送される反転されたシート1の表面の画像を読取る測色ユニット500が配置されている。測色ユニット500には、シート1の画像を読取る読取部としてのカラーセンサ200が備えられている。
【0025】
図2に示すようにカラーセンサ200には、シート1上にテスト画像として形成された多数のカラーパッチからなるパッチ画像1Pに光を照射する白色LED201と、パッチ画像1Pから反射した光を波長ごとに分光する回折格子202とが備えられている。また、カラーセンサ200には、白色LED201から照射された光をシート1上のパッチ画像1Pに集光し、またパッチ画像1Pから反射した光を回折格子に集光する透光部としてのレンズ206が内蔵されている。即ち、レンズ206を介してシート1のパッチ画像1Pを読取可能となるように構成されている。また、カラーセンサ200には、回折格子202により波長ごとに分解された光を検出するn画素から成るCMOSセンサであるラインセンサ203(203-1~203-n)が備えられている。そして、カラーセンサ200には、ラインセンサ203により検出された各画素の光強度値から各種演算を行う演算部204と、各種データを保存するメモリ205と、が内蔵されている。なお、測色ユニット500にはA/D変換部が備えられており、デジタル信号にて図3のプリンタコントローラ103に測色結果を伝達する。
【0026】
なお、上記ラインセンサ203の1~nの画素情報は分光波長と同じ関係になる。最終的に380~780nmの10nm毎の分解能を有する検出結果を出力するため、n=41個以上であることが望ましい。そして、波長と画素番号との関係をそろえるため、調整範囲等を意識し、48画素や64画素が妥当である。あるいは、画素数を少なくし、不足の波長は補間演算で算出する簡易構成も考えられる。そのような簡易構成をとっても構わないが、検知精度は低下する。
【0027】
[画像形成装置の制御構成]
ついで、画像形成装置100の制御について図3乃至図5を用いて説明する。図3は画像形成装置の制御構成を示す図、図4はICCプロファイルを説明する図、図5はカラーマネージメント環境を示す概略図である。ホストコンピュータ300及び画像形成装置100は、例えばUSB2.0High-SpeedやLANなどの通信線によって接続される。
【0028】
画像形成装置100において、プリンタコントローラ103はプリンタ全体の動作を制御する。また、プリンタコントローラ103は、ホストコンピュータ300との入出力を司るI/F部308と、上記操作部180と、上記カラーセンサ200と、エンジン制御部312とに接続されている。また、プリンタコントローラ103は、不図示のCPUやRAMと共に、制御プログラムや制御データが内蔵されているROM320を有している。ROM320の各制御プログラムは、画像オブジェクトをビットマップ画像に展開するRIP(Raster Image Processor)処理部314を構成する。また、ROM320の各制御プログラムは、後述する多次色の色変換処理を行う色処理部315、単色の階調補正を実行する階調補正テーブル生成部316、多次色の補正結果を反映させる多次色テーブル生成部317、最大濃度条件決定部318を構成する。
【0029】
エンジン制御部312は、プリンタコントローラ103からの指令信号等に基づいて、画像形成エンジン102に上述の画像形成プロセスを行わせてシートに画像を形成させる。例えば、エンジン制御部312は、定着後センサ153、及び反転センサ137の検知信号を入力する。そして、エンジン制御部312は、それら検知信号に基づいて、シートを搬送するローラを駆動する搬送モータ311、第1切替フラッパ132、第2切替フラッパ134、及び第3切替フラッパ136の動作を制御する。
【0030】
画像形成装置100には、ユーザインタフェースとなる操作部180が設けられている(図1参照)。操作部180は、ユーザに対して情報を表示する表示手段としてのディスプレイを備えている。また、操作部180は、ユーザが画像形成装置100に対して指令やデータを入力可能な入力手段として、例えば、テンキー及び印刷実行ボタン等の物理キーや、ディスプレイのタッチパネル機能を備えている。操作部180の操作により、ユーザは、あるシート収納庫113(図1参照)にセットされているシートの名称、坪量及び表面処理の有無等のシート属性を表す情報をプリンタコントローラ103に入力することができる。
【0031】
[画像形成の色味調整について]
続いて、カラーセンサ200によりシート1のパッチ画像1Pを測色した際における、画像形成の色味調整について詳細に説明する。即ち、本実施の形態における画像形成装置100における、カラープロファイルを作成し、そのカラープロファイルを用いて画像を出力するための制御の流れを説明する。カラープロファイルの作成処理は、プリンタコントローラ103にて行なわれる。まず、プロファイル作成の指示は、操作部180を介してプロファイル作成部301に入力される。プロファイル作成部301はISO12642のテストフォームのCMYK(Cyan Magenta Yellow Black)カラーチャートを、プロファイルを介さずに出力するよう画像形成エンジン102に送信する。同時に、カラーセンサ制御部302に測色指示を送る。
【0032】
画像形成装置100で帯電、露光、現像、転写、定着といったプロセスによって、シート1にはISO12642のテストフォームがパッチ画像1Pとして転写・定着され、測色ユニット500のカラーセンサ200によって測色される。測色された928パッチの分光反射率データは、プリンタコントローラ103に入力され、Lab演算部303を介してL*a*b*データに変換される。そして、L*a*b*データはカラーセンサ用入力ICCプロファイル格納部304に色味設定テーブルとして格納され、プロファイル作成部301に入力される。なお、L*a*b*ではなく、機器に依存しない色空間信号であるCIE1931XYZ表色系へ変換してもよい。
【0033】
さらに、プロファイル作成部301は、出力させたCMYK信号と入力されたL*a*b*データとの関係により、出力ICCプロファイルを作成し、ICC出力プロファイル格納部305に格納されている出力ICCプロファイルと入れ替る更新を行う。
【0034】
ISO12642のテストフォームは、一般的な複写機が出力可能な色再現域を網羅するCMYK色信号パッチを含んでおり、それぞれの色信号値と測色したL*a*b*値との関係から色変換表を作成する。つまりCMYK→Labの変換表(A2Bxタグ)が作成される。この変換表をもとにして、逆変換表(B2Axタグ)が作成される。
【0035】
ICCプロファイルは、図4に示すような構造となっており、ヘッダー、タグとそのデータからなる。タグには上記色変換テーブルはもちろん、白色点(Wtpt)やプロファイル内部で定義されているL*a*b*値によって表現されるある色が、そのハードコピーの再現可能な再現範囲の内側か外側かを記述する(gamt)タグなども記述される。
【0036】
なお、プロファイル作成命令が外部機器等のI/F308からの入力であれば、発信した外部機器で作成された出力ICCプロファイルをアップロードさせ、ICCプロファイルに対応したアプリケーションでの色変換をユーザが行うようにしてもよい。
【0037】
通常のカラー出力における色変換においては、スキャナ部などの外部I/F308を介して入力されたRGB信号値やJapanColorなどの標準印刷CMYK信号値を想定して入力された画像信号が、入力ICCプロファイル格納部307に送られる。入力ICCプロファイル格納部307において、外部I/F308から入力された画像信号に応じて、RGB→L*a*b*あるいはCMYK→L*a*b*変換が行われる。入力ICCプロファイルは、入力信号のガンマをコントロールする1次元LUT(ルックアップテーブル)、ダイレクトマッピングといわれる多次色LUT、生成された変換データのガンマをコントロールする1次元LUTで構成されている。これらのテーブルを用いてデバイスに依存した色空間からデバイスに依存しないL*a*b*データに変換される。
【0038】
L*a*b*色度座標に変換された画像信号は、CMM(カラーマネージメントモジュール)306に入力される。そして、入力機器としてのスキャナ部など外部I/F308の読取色空間と、出力機器としての画像形成装置100の出力色再現範囲のミスマッチをマッピングするGUMAT変換を行う。さらに、入力時の光源種と出力物を観察するときの光源種ミスマッチ(色温度設定のミスマッチとも言う)を調整する色変換や黒文字判定等も行う。これにより、L*a*b*データは、L′*a′*b′*データへ変換され、ICC出力プロファイル格納部305に入力される。前述のように作成したプロファイルは、ICC出力プロファイル格納部305に格納されており、新たに作成したICCプロファイルによって色変換され、出力機器に依存したCMYK信号へと変換され、出力される。
【0039】
なお、ブロック構成上、CMM306と入力ICCプロファイル格納部307とICC出力プロファイル格納部305とを分けた構成を説明した。しかしながら、図5に示すように、CMMはカラーマネージメントを司るモジュールのことであり、入力プロファイルと出力プロファイルとを使って色変換を行っているモジュールである。
【0040】
最大濃度条件決定部318、階調補正テーブル生成部316、多次色の補正結果を反映させた多次色テーブル生成部317は、画像形成時に使用される、ICCプロファイル、γLUT、Vcont情報を管理更新する。即ち、色処理部315や多次色テーブル生成部317などにより各テーブルを変更(反映)させることで所望の色の出力を可能にすることができる。
【0041】
[測色処理]
ついで、カラーセンサ200によりシート1のパッチ画像1Pを測色する場合の測色処理について図15を用いて説明する。図15は測色処理を示すフローチャートである。なお、この測色処理は、例えばプリンタコントローラ103によって所定の時間や所定の印刷枚数ごとに定期的に自動で実行されたり、或いはユーザによる手動の指令によって実行されたりする。
【0042】
例えばプリンタコントローラ103によって測色ジョブが投入されると、図15に示す測色処理が開始される(S1)。すると、測色のため、画像形成エンジン102によってカラーパッチであるパッチ画像1Pが作像され、サンプル紙としてのシート1の給送が開始される(S2)。その後、サンプル紙としてのシート1にパッチ画像1Pが転写・定着されることでカラーパッチの画像形成が行われる。また、カラーセンサ200が配置されたエリアである再搬送路140の所定位置(搬送方向においてカラーセンサよりも所定距離上流の位置)には不図示のセンサが配置されている。シート1が搬送されて、その不図示のセンサにより検出され、当該エリアにサンプル紙が突入するまで待機する(S3のNo)。
【0043】
カラーセンサ200が配置されたエリアにサンプル紙が突入したことが不図示のセンサにより検出される(S3のYes)。すると、プリンタコントローラ103によって、詳しくは後述するように対向ローラ601がカラーセンサ200のレンズ206に向けて移動され、対向ローラ601は第1ガイド170Aに押圧される押圧位置に移動される(図6(b)参照)(S4)。
【0044】
続いて、サンプル紙のカラーパッチをカラーセンサ200により流し読みを行い、カラーセンサ200による測色を行う(S5)。測色の終了後、サンプル紙は、画像形成装置100の外にある排出トレイ700に排出される(S6)。また、対向ローラ601を第1ガイド170Aから離間させた離間位置に移動させ(図6(a)参照)(S7)、以上で測色処理を終了する(S8)。
【0045】
なお、本測色処理では1枚のサンプル紙のカラーパッチを読み取って測色するものを説明しているが、これに限らず、複数枚のサンプル紙を読み込むものでもよい。その場、測色ジョブの間は対向ローラ601を第1ガイド170Aに当接させたままでもよいし、1枚毎に押圧と離間とを繰り返すようにしてもよい。
【0046】
[ガイド部、カラーセンサ、及び対向ローラの配置]
ついで、再搬送路140を形成するガイド部170、測色ユニット500におけるカラーセンサ200及び回転体としての対向ローラ601の配置について図6を用いて説明する。図6(a)は本実施の形態に係る対向ローラが離間された状態におけるカラーセンサと対向ローラとを示す断面図である。図6(b)は本実施の形態に係る対向ローラが押圧された状態におけるカラーセンサと対向ローラとを示す断面図及びその拡大図である。
【0047】
図6(a)に示すように、上述した再搬送路140は、ガイド部170によって形成されており、ガイド部170は、上方に配置された第1ガイド170Aと、その下方に配置された第2ガイド170Bとにより構成されている。即ち、再搬送路140は、第1ガイド170Aの下面であり、シート1の第1面に接する第1ガイド面170aと、第2ガイド170Bの上面であり、シート1の第1面と反対の第2面に接する第2ガイド面170bと、の間に形成されている。
【0048】
一方、測色ユニット500は、2つのカラーセンサ200と、2つの対向ローラ601を有する対向ローラユニット600(図7参照)と、により構成されている。このうちカラーセンサ200が第1ガイド170Aに配置され、対向ローラユニット600が第2ガイド170Bに配置されている。
【0049】
図6(b)に示すように、第1ガイド170Aは、第1ガイド面170aに開口された開口部170cを有している。この開口部170cは、対向ローラ601の対向ローラ軸601a(図7参照)の軸方向において手前側と奥側との2か所に配置され、それぞれが対向ローラ601に対向するように配置されている。それぞれの開口部170cからは、再搬送路140に対してカラーセンサ200のレンズ206が第1ガイド面170aに対して露出するように配置されている。これにより、カラーセンサ200は再搬送路140を搬送されるシート1のカラーパッチを読み取ることが可能となる。また、カラーセンサ200のラインセンサ203に対するピント位置(距離)Zは、レンズ206の表面から第1ガイド面170aまでの間に位置し、例えば開口部170cの内部にある。
【0050】
そして、詳しくは後述する対向ローラユニット600(図7参照)は第2ガイド170Bに着脱自在に配置されており、その対向ローラ601は、カラーセンサ200のレンズ206に対向して配置されている。そして、対向ローラ601は、図6(a)に示す第1ガイド170Aの第1ガイド面170a(開口部170c)から離間した位置と、図6(b)に示す第1ガイド面170a(開口部170c)に当接して押圧されている位置と、に移動可能に構成されている。この対向ローラ601は例えばスポンジ材等の材料で構成されているため、通常印刷ジョブでは摩耗を防ぐために、図6(a)に示すように離間した位置に待機する。また、測色処理においてシート1(サンプル紙)をカラーセンサ200の読取り位置で搬送する際には、図6(b)に示すように対向ローラ601を押圧した位置に移動する(図15のS4参照)。このように対向ローラ601によって、開口部170cに対してシート1(サンプル紙)の表面を、カラーセンサ200のピント位置Zになるよう規制することができる。
【0051】
[対向ローラユニットの構成]
ついで、回転体ユニットとしての対向ローラユニット600の構成について図7図8図9図10図11、及び図12を用いて説明する。図7は対向ローラユニットを示す斜視図である。また、図8(a)対向ローラユニットにおける手前側揺動アームを示す斜視図、図8(b)対向ローラユニットにおける奥側側揺動アームを示す斜視図である。また、図9(a)は対向ローラが離間された状態における奥側揺動アーム及び対向ローラを示す断面図、図9(b)は対向ローラが押圧された状態における奥側揺動アーム及び対向ローラを示す断面図である。
【0052】
対向ローラユニット600は、図7に示すように、大まかに、2つの対向ローラ601を支持する支持軸としての対向ローラ軸601aと、揺動中心軸604と、を有している。さらに、対向ローラユニット600は、一端連結部としての手前側揺動アーム603Fと、他端転結部としての奥側揺動アーム603Rと、挿入部605と、一端支持部としての固定部609と、を有している。また、固定部609には、回転伝達機構640と、揺動力伝達機構652と、が備えられている。なお、固定部609は、詳しくは後述するように第2ガイド170Bに軸方向に移動不能となるように固定される。
【0053】
図7及び図8(a)に示すように、手前側揺動アーム603Fは、対向ローラ軸601aと揺動中心軸604とにおける矢印X2で示す軸方向一方側である手前側の端部(一端部)で、それらを回転自在にかつ軸方向移動不能に支持して連結している。また同様に、図7及び図8(b)に示すように、奥側揺動アーム603Rは、対向ローラ軸601aと揺動中心軸604とにおける矢印X1で示す軸方向他方側である奥側の端部(他端部)で、それらを回転自在にかつ軸方向移動不能に支持して連結している。手前側揺動アーム603Fは、揺動中心軸604から径方向に伸びた不図示のピンによって相対回転不能に係合され、同様に、奥側揺動アーム603Rも、揺動中心軸604から径方向に伸びた不図示のピンによって相対回転不能に係合されている。つまり、手前側揺動アーム603F及び奥側揺動アーム603Rは、揺動中心軸604に対して一体的に固定されている。
【0054】
また、揺動中心軸604は、図8(b)に示すように、軸受で構成された軸受部606によって固定部609に回転自在に支持されている。これにより、対向ローラ軸601aと揺動中心軸604とは固定部609に軸方向に移動不能にかつ回転可能に支持されている。即ち、揺動中心軸604は、固定部609に対して回転可能に構成され、手前側揺動アーム603F及び奥側揺動アーム603Rによって対向ローラ軸601aを、揺動中心軸604を中心として揺動させること可能となっている。従って、図9(a)に示すように、対向ローラ601を第1ガイド170Aから離間させた状態から、図9(b)に示すように、対向ローラ601を第1ガイド170Aに押圧させた状態に、対向ローラ軸601aを揺動させることが可能である。図9(b)に示すように、対向ローラ601を第1ガイド170Aに押圧させる際、手前側揺動アーム603Fに形成された当接部603aが第1ガイド170Aに当接する。これにより、対向ローラ601を第1ガイド170Aに押圧する位置が位置決めされ、スポンジ剤等である対向ローラ601の潰れ方が安定し、シート1をカラーセンサ200のピント位置Zに安定的に位置させることができる。
【0055】
図8(a)に示すように、奥側揺動アーム603Rにあって、揺動中心軸604と同軸上における奥側の先端部分には、挿入部としての軸受で構成された挿入部605が備えられている。この挿入部605は、軸受の外輪部605Aの外周が円筒状の円筒部605Aaとして形成されており、さらに円筒部605Aaの奥側にはテーパ状に形成されたテーパ部605Abを有している。この挿入部605は、詳しくは後述する対向ローラユニット600を第2ガイド170Bに取付ける際、第2ガイド170Bに形成された被挿入部としての被挿入孔627a(図13参照)に挿入可能に構成されている。挿入部605のテーパ部605Abは、被挿入孔627aに対する挿入時において被挿入孔627aに挿入部605を案内するガイド形状となっている。
【0056】
図7及び図12に示すように、固定部609は、詳しくは後述するように第2ガイド170Bに固定されることで、揺動中心軸604の前方側の端部を、挿入部605を介して回転自在にかつ軸方向に移動不能に支持する。固定部609は、第1支持板609Aと、それに固着された第2支持板609Bとを有している。第1支持板609Aは、揺動中心軸604及び対向ローラ軸601aの軸方向に対して直交する支持板部609Aaと、その支持板部609Aaに対して屈曲されて第2支持板609Bとの間を繋ぐ底板部609Abとを有している。これら第1支持板609Aと第2支持板609Bとの間に、対向ローラ軸601aを回転させる回転を伝達する回転伝達機構640と、揺動中心軸604を回転させる駆動力を伝達する揺動力伝達機構652とを有している。また、支持板部609Aaと第2支持板609Bとが固着された部分には、詳しくは後述するネジ629が貫通されるネジ孔609aが軸方向に(手前奥方向に)形成されている。
【0057】
回転伝達機構640は、順に噛合してギヤ列を構成する搬送駆動ギヤ610、アイドラギヤ611、段付きのアイドラギヤ612を有している。搬送駆動ギヤ610は、対向ローラ軸601aの手前側の端部に固定されて配置されている。アイドラギヤ611は、軸受部606の手前側にあって揺動中心軸604と同軸上に、該揺動中心軸604に対して相対回転自在となるように配置されている。アイドラギヤ612は、第1支持板609Aと第2支持板609Bとの間に支持されたアイドラギヤ軸612aに回転自在に配置されている。
【0058】
上記アイドラギヤ612には、図12に示すように、画像形成装置100の不図示のフレームに対して固定され、不図示のモータからの回転を伝達して回転伝達機構640に出力する回転出力部660が駆動連結される。即ち、回転出力部660は不図示のモータに駆動連結された駆動軸661と、その駆動軸661の奥側の端部に固定された出力ギヤ662とを有しており、出力ギヤ662がアイドラギヤ612に噛合している。これにより、不図示のモータによって対向ローラ軸601aが回転駆動される。
【0059】
図7及び図12に示すように、揺動力伝達機構652は、加圧レバー607と、加圧バネ608とを有している。加圧レバー607は、上記アイドラギヤ611の手前側において揺動中心軸604に対して固定されており、その加圧レバー607と上記第1支持板609Aの底板部609Abとの間には加圧バネ608が縮設されている。この加圧バネ608は、加圧レバー607を介して揺動中心軸604を回転方向に押圧し、対向ローラ601を第1ガイド170Aに押圧するように付勢する。
【0060】
ここで、図10を用いて対向ローラ601を第1ガイド170Aに押圧させる位置と第1ガイド170Aから離間させる位置とに移動させるためのローラ離間カム613について説明する。図10は(a)は対向ローラが離間された状態における離間カム機構を示す断面図、図10(b)は対向ローラが押圧された状態における離間カム機構を示す断面図である。
【0061】
ローラ離間カム613は、第1ガイド170Aの手前側の加圧レバー607に接離可能に配置されており、出力軸としてのローラ離間カム軸613aの奥側の端部に固定されて、ローラ離間カム軸613aを中心に回転する。即ち、詳しくは後述するようにローラ離間カム軸613aに伝達されて出力される駆動力によってローラ離間カム613が回転し、これにより対向ローラ601を揺動する。
【0062】
対向ローラ601を第1ガイド170Aから離間した位置に移動させる場合は、ローラ離間カム613の回転位置として図10(a)に示す位置となる。すると、カムの上死点が加圧レバー607の凸部607aを押圧して加圧バネ608を圧縮することで対向ローラ601を第1ガイド170Aから離間する。また、対向ローラ601を第1ガイド170Aに押圧させる位置に移動させる場合は、ローラ離間カム613の回転位置として図10(b)に示す位置となり、ローラ離間カム613は加圧レバー607の凸部607aから離間した位置となる。このため、加圧バネ608の付勢力により加圧レバー607が押圧されて回動し、揺動中心軸604を回転させて、手前側揺動アーム603F及び奥側揺動アーム603Rを介して対向ローラ軸601aを第1ガイド170Aに向けて移動する。これにより、対向ローラ601が第1ガイド170Aに対して押圧される。
【0063】
以上のように、ローラ離間カム613の回転位置を制御することで、手前側揺動アーム603F及び奥側揺動アーム603Rが揺動中心軸604を支点として揺動する。これにより、対向ローラ軸601a及び対向ローラ601を揺動させて、対向ローラ601を第1ガイド170Aの開口部170cに対して接離させることができる。
【0064】
次に、ローラ離間カム613を回転駆動させるカム駆動機構650について図11及び図12を用いて説明する。図11は離間カム機構を示す斜視図である。そして、図12は離間カム機構と対向ローラ駆動部とを示す斜視図である
【0065】
図11及び図12に示すように、カム駆動機構650は、不図示のモータからローラ離間カム613を回転駆動させる駆動力を伝達する機構であり、つまり対向ローラ601を揺動させる駆動力を伝達する揺動力出力部である。また、カム駆動機構650には、ローラ離間カム613の回転方向の位置を検出し、つまり対向ローラ601の揺動方向の位置を検出する回転位置検出部としてのカム位置検出部651を有している。このカム駆動機構650は、画像形成装置100の不図示のフレームに固定されて備えられているものであるが、後述するように対向ローラユニット600(測色ユニット500)を取付けるときに取付けてもよいし、予め取付けられていてもよい。
【0066】
詳細には、カム駆動機構650において、出力軸としてのローラ離間カム軸613aは軸受部618及び軸受部616により画像形成装置100の不図示のフレームに対して回転自在に支持されている。ローラ離間カム軸613aの奥側の端部にはローラ離間カム613が固定されており、ローラ離間カム軸613aの手前側の端部には、カム位置検出部651のフラグ部615が固定されている。フラグ部615が回動する位置には、該フラグ部615の位置を検知する検出センサ614が配置されている。この検出センサ614は、例えば光センサ等から構成され、フラグ部615が遮光する位置又は遮光しない位置であることを検出し、その検出信号をプリンタコントローラ103に出力する。これにより、プリンタコントローラ103はローラ離間カム613の位置を判定する。
【0067】
一方、ワンウェイクラッチギヤ軸619aの奥側の端部には、ワンウェイクラッチの外輪部に形成されたワンウェイクラッチギヤ619が配設されている。また、ワンウェイクラッチギヤ軸619aの手前側の端部にはギヤ620が固定されている。このワンウェイクラッチギヤ軸619aは軸受部621及び軸受部622によって回転自在に支持されている。ローラ離間カム軸613aに設置されているギヤ623と、ワンウェイクラッチギヤ軸619aに設置されているギヤ620との間には、それらを駆動連結する2つのアイドラギヤ624がそれぞれ2つのアイドラギヤ軸624aに回転自在に支持されている。
【0068】
ワンウェイクラッチギヤ軸619aのワンウェイクラッチギヤ619は、不図示のモータに駆動連結された駆動入力ギヤに噛合されている。ワンウェイクラッチギヤ619は、その内部のワンウェイクラッチによって、シート搬送方向の駆動方向とは逆方向(矢印A)の回転駆動のみを出力軸としてのローラ離間カム軸613aに対して伝達する。また、ローラ離間カム軸613a及びローラ離間カム613を回転駆動した際に、所定のブレーキ力を発生させるためのトルクリミッタ617がローラ離間カム軸613a上に配置されている。トルクリミッタ617の外輪部は、軸受部616と接続され、内輪部はローラ離間カム軸613aに固定されている。このトルクリミッタ617により、ローラ離間カム軸613aに駆動力が伝達されていない状態でも、ローラ離間カム613の位置を保持することができる。
【0069】
[ガイド部の構成]
ついて、再搬送路140に配置されたガイド部170の構成について図13を用いて説明する。図13は第1搬送ガイドと第2搬送ガイドとを手前側かつ下方側から視た状態で示す斜視図である。図13に示すように、ガイド部170は、上方(図14参照)に配置される第1ガイド170Aと、それよりも下方に配置され、奥側を支点として第1ガイド170Aに対して開閉可能な第2ガイド170Bと、を有している。
【0070】
詳細には、第1ガイド170Aの奥側には、支板625が固定されている。その支板625には、上記対向ローラユニット600の対向ローラ軸601aの軸方向(X1-X2方向)と交差する方向(Y1-Y2方向)に向けて配置された回動軸625aが固定されている。また、第2ガイド170Bは、第2ガイド面170b(図6(a)参照)を表面に備える平面部630を有しており、その平面部630の第2ガイド面170bとは反対の裏面に、手前から奥側に亘って配置されるステイ626が4本設置されている。そのステイ626の奥側(開閉ドア101Aから遠い側)には回動軸625aに係合する係合孔626aが形成されており、つまり第2ガイド170Bは回動軸625aを支点として回動可能に構成されている。換言すると、第2ガイド170Bは、第1ガイド170Aに対して、第1ガイド170Aと再搬送路140を形成する閉位置と、再搬送路140を手間側に向けて開放する開位置と、に回動可能に配置されている。第2ガイド170Bは、開位置に回動されて再搬送路140を開放することで、ジャム等を生じた場合にシートを除去することが可能となっている。
【0071】
第2ガイド170Bの奥側には、第2ガイド面170bに対して直交するように、つまり対向ローラユニット600が取付けらえた際に揺動中心軸604と、その面が直交するように平面部630から屈曲された奥側板部627が形成されている。この奥側板部627には絞り形状で被挿入孔627aが形成されており、この被挿入孔627aは、上述した奥側揺動アーム603Rの挿入部605を挿入することが可能な被挿入部となっている。また、同様に手前側においても、対向ローラユニット600が取付けられた際に揺動中心軸604及び対向ローラ軸601aと、その面が直交するように平面部630から屈曲された被固定部としての手前側板部628が形成されている。手前側板部628には、ネジ孔628aが形成されており、詳しくは後述するネジ629(図14(c)参照)が螺合されることにより、上記対向ローラユニット600の固定部609が固定可能となっている。従って、対向ローラユニット600が取付けられた際は、対向ローラ軸601aの固定部609の側の一端部が開閉ドア101Aに近い側で、対向ローラ軸601aの挿入部605の側の他端部が一端部よりも開閉ドア101Aに対して遠い側に配置される。このように第2ガイド170Bは、被挿入部としての被挿入孔627aと被固定部としての手前側板部628を有することで、対向ローラユニット600が取付可能な回転体ユニット取付部としての取付部600Sを構成している。
【0072】
また、第2ガイド170Bの平面部630には、第2ガイド面170bに対して貫通形成されて開口する2つの貫通孔602が形成されている。これら貫通孔602は、詳しくは後述するように対向ローラユニット600を取付ける際に対向ローラユニット600の一部を第2ガイド面170bの側から視て露出させ、つまり対向ローラユニット600を視認可能にする。また、これら貫通孔602は、対向ローラユニット600が取付けられた後、対向ローラ601の少なくとも一部が第2ガイド面170bの側から視て露出され、対向ローラ601を第2ガイド170Bから第1ガイド170Aに向けて突出可能にする。さらに、第2ガイド170Bの平面部630には、対向ローラユニット600が取付けらえた際に揺動中心軸604及び対向ローラ軸601aと、その面が平行になるように平面部630から屈曲された案内部としてのガイド部631が形成されている。このガイド部631は、対向ローラユニット600を取付ける際に、揺動中心軸604に当接可能に構成され、対向ローラユニット600の軸方向のスライド移動を案内する。
【0073】
[対向ローラユニットの取付け工程]
続いて、対向ローラユニット600を画像形成装置100に取付ける際の取付け工程について図14を用いて説明する。図14(a)は対向ローラユニットの取付け前の状態を示す模式断面図、図14(b)は対向ローラユニットの取付け中の状態を示す模式断面図、図14(c)は対向ローラユニットの取付け後の状態を示す模式断面図である。なお、対向ローラユニット600を取付ける際は、画像形成装置100にカラーセンサ200の搭載が要求された場合であり、カラーセンサ200も同時に取付けられ、つまり測色ユニット500の全体を取付けるものである。しかしながら、本実施の形態では、カラーセンサ200は、第2ガイド170Bよりも上方にある第1ガイド170Aの上方に取付けられるものであり、対向ローラユニット600よりも取付け易いため、その説明を省略する。また、カラーセンサ200の取付けは、対向ローラユニット600を取付ける前でも後でも構わず、さらに、対向ローラユニット600を取付けられる前に予め備えられている場合を除外するものでもない。また、対向ローラユニット600を画像形成装置100に取付ける際は、例えばサービスマン等の作業者が取付けを行うものである。
【0074】
図14(a)に示すように、対向ローラユニット600を第2ガイド170Bに取付ける際、まず作業者は開閉ドア101A(図1参照)を開いて開状態にし、ガイド部170を露出させる。さらに、不図示のロックを解除し、第2ガイド170Bを、奥側の回動軸625aを支点として下方側に回動させて開き、再搬送路140を開放する。
【0075】
ついで、貫通孔602を介して対向ローラユニット600を視認しつつ、図14(b)に示すように、対向ローラユニット600の一部である揺動中心軸604を軸方向に交差する方向に対して当接され、つまりガイド部631の表面に突き当てる。これにより、対向ローラユニット600は第2ガイド面170bとは反対側の下方から第2ガイド170Bに当接された位置となる。この位置が、対向ローラユニット600において、第2ガイド170Bにおける奥側板部627の被挿入孔627aに奥側揺動アーム603Rの挿入部605が対向する対向位置となる。
【0076】
この対向位置にある状態から、ガイド部631に対して揺動中心軸604をスライド移動させることで、第2ガイド170Bにおける奥側板部627の被挿入孔627aに奥側揺動アーム603Rの挿入部605を挿入する。これにより、対向ローラユニット600は挿入部605が被挿入孔627aに挿入された挿入位置となる。この挿入位置において対向ローラユニット600の奥側(挿入部605)は、軸方向に対して移動可能ではあるが、それ以外の方向に対して規制されて位置決めされた状態となる。また、この挿入時には、貫通孔602を介して対向ローラユニット600が視認できるので、対向ローラユニット600の第2ガイド170Bに対する位置合わせを容易にすることができる。また、ガイド部631が揺動中心軸604を軸方向に案内するため、被挿入孔627aに対する挿入部605の挿入時における位置合わせを容易にすることができる。
【0077】
そして、第2ガイド170Bにおける被挿入孔627aに挿入部605を挿入した状態で、図14(c)に示すように、手前側板部628のネジ孔628aと対向ローラユニット600の固定部609のネジ孔609aとをネジ629を螺合して固定する。この際、第2ガイド170Bは第1ガイド170Aに対して閉じた状態でネジ629を螺合してもよい。これにより、対向ローラユニット600の手前側(固定部609)は、軸方向(手前奥方向)を含め移動不能に固定され、つまり対向ローラユニット600の全体が第2ガイド170Bに対して移動不能に固定される。また、このネジ629は、開閉ドア101A(図1参照)を開いた状態で手前側から(開閉ドア101Aに近い側から遠い側に向けて)螺合することができるので、作業者が容易に固定部609を第2ガイド170Bに固定することができる。また、対向ローラユニット600の奥側は、被挿入孔627aに挿入部605を挿入するだけで、ネジ等で固定する作業が不要であるため、例えば作業者が第2ガイド170Bの奥側に手を入れて作業することが不要となる。以上のように、本実施の形態では、対向ローラユニット600を画像形成装置100に簡単に取付けることを可能とすることができる。
【0078】
[他の実施の形態]
なお、以上説明した本実施の形態においては、第1ガイドに対して第2ガイドが回動して開閉するものを説明した。しかしながら、これに限らず、第2ガイドが平行に移動して第1ガイドから離間するもの、第2ガイドの回動方向が対向ローラ軸の軸方向を支点として回動するものでも構わない。さらには、第1ガイドが第2ガイドに対して移動するものなど、搬送路を開放できる構成であれば、どのような構成であってもよい。
【0079】
また、本実施の形態においては、対向ローラユニット600が取付けられる第2ガイド170Bが第1ガイド170Aの下方に配置されるものを説明した。しかしながら、これに限らず、第1ガイドが下方で、第2ガイドが上方であっても構わない。この場合、第2ガイドが奥側を支点として第1ガイドに対して回動して開くものでもよく、このようなものでも貫通孔を介して第2ガイド面の側から取付ける前の対向ローラユニット600を視認可能とすることができる。
【0080】
また、本実施の形態においては、第2ガイドに形成された貫通孔602を介して取付ける前の対向ローラユニット600を視認可能とし、さらに、取付け後は、その貫通孔602から対向ローラ601を突出可能にするものを説明した。しかしながら、これに限らず、これらの貫通孔を別々に形成してもよい。特に取付ける前の対向ローラユニット600を視認可能とする貫通孔は、小さい孔を多数設けてメッシュ状にすることも考えられる。
【0081】
また、本実施の形態においては、固定部609を第2ガイド170Bの手前側板部628にネジ629によって固定するものを説明した。しかしながら、これに限らず、例えばロック機構を設けて固定するもの、カシメ等で圧着するもの等、どのような固定方法を用いても構わない。
【0082】
また、本実施の形態においては、対向ローラユニット600に対して、カム駆動機構650と回転出力部660とがそれぞれ別構成であるものを説明した。しかしながら、これに限らず、これらの何れか1つ或いはすべてを対向ローラユニット600に備えているものでも構わない。また、カム駆動機構650と回転出力部660とは、画像形成装置100に対向ローラユニット600を取付ける際に同時に取付けるものでもよいし、画像形成装置100に装備されているものでもよい。
【0083】
[本実施の形態まとめ]
[構成1]
シートに画像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部により画像が形成されたシートを搬送する搬送部と、
シートの第1面に接する第1ガイド面、及び前記第1ガイド面に開口された開口部を有する第1ガイドと、シートの前記第1面とは反対の第2面に接する第2ガイド面を有する第2ガイドと、を有し、前記搬送部により搬送されるシートを案内するガイド部と、
前記開口部により前記第1ガイド面に対して露出するように配置される透光部を有し、前記透光部を介してシートの画像を読取可能となるように前記第1ガイドに配置される読取ユニットと、
前記第1ガイドの開口部に向けてシートを押圧可能に配置される回転体と、前記回転体を支持する支持軸と、前記支持軸の一端部を軸方向に移動不能に支持する一端支持部と、前記軸方向の他端部に配置された挿入部と、を有し、前記第2ガイドに配置される回転体ユニットと、
前記第2ガイドを装置本体の外部に露出する開状態と、前記第2ガイドを閉塞する閉状態と、に開閉可能な開閉部材と、を備え、
前記第2ガイドは、前記挿入部を前記軸方向に挿入可能な被挿入部と、前記一端支持部を固定可能な被固定部と、を有し、かつ、回動軸を支点として前記第1ガイドに対して、前記第1ガイドとシートの搬送路を形成する閉位置と、前記搬送路を開放する開位置と、に回動可能に配置され、
前記回転体ユニットは、前記被挿入部に前記挿入部が挿入され、かつ前記被固定部に前記一端支持部が固定されることで、前記第2ガイドに取付けられ、
前記回動軸は、前記支持軸の軸方向と交差する方向に向けて配置され、かつ、前記閉状態である前記開閉部材に対して遠い側の端部に配置され、
前記支持軸の他端部は、前記閉状態である前記開閉部材に対して前記支持軸の一端部よりも遠い側に配置されている、
ことを特徴とする画像形成装置。
[構成
前記第2ガイドは、前記第1ガイドに対して下方に配置され、
前記回転体ユニットは、前記第2ガイドの下方に取付けられている、
ことを特徴とする[構成1]に記載の画像形成装置。
[構成
前記第2ガイドは、前記挿入部が前記被挿入部に対向する対向位置から前記挿入部が前記被挿入部に挿入される挿入位置まで、前記回転体ユニットを案内する案内部を有する、
ことを特徴とする[構成1]又は[構成2]に記載の画像形成装置。
[構成
前記対向位置は、前記回転体ユニットを前記案内部に前記軸方向と交差する方向に対して当接させた位置である、
ことを特徴とする[構成]に記載の画像形成装置。
[構成
前記第2ガイドは、前記開位置にある状態において、前記第1ガイドの側から前記対向位置にある前記回転体ユニットを視認可能にする貫通孔を有する、
ことを特徴とする[構成]に記載の画像形成装置。
[構成
前記貫通孔は、前記回転体ユニットが前記第2ガイドに取付けられた状態で、前記回転体の一部を前記第2ガイド面よりも突出可能にする、
ことを特徴とする[構成]に記載の画像形成装置。
[構成
前記一端支持部は、前記被固定部にネジにより固定され、
前記ネジは、前記軸方向において、前記開閉部材に近い側から遠い側に向けて螺合される、
ことを特徴とする[構成乃至[構成6]の何れか1つに記載の画像形成装置。
[構成
前記回転体ユニットは、
前記支持軸と平行に配置され、一端部が前記一端支持部に回転自在にかつ前記軸方向に移動不能に支持され、他端部が前記挿入部を有する揺動中心軸と、
前記揺動中心軸の一端部に連結され、かつ前記支持軸の一端部を回転自在に支持する一端連結部と、
前記揺動中心軸の他端部に連結され、かつ前記支持軸の他端部を回転自在に支持する他端連結部と、を有し、
前記一端連結部及び前記他端連結部が前記揺動中心軸を支点として揺動することで、前記支持軸及び前記回転体を揺動させて、前記回転体を前記第1ガイドの開口部に対して接離させる、
ことを特徴とする[構成1]乃至[構成]の何れか1つに記載の画像形成装置。
[構成
前記支持軸を揺動する駆動力を出力する揺動力出力部を備え、
前記回転体ユニットは、前記一端支持部に配置され、前記揺動力出力部からの駆動力を前記揺動中心軸に伝達する揺動力伝達機構を有する、
ことを特徴とする[構成]に記載の画像形成装置。
[構成10
前記揺動力出力部は、駆動力を出力する出力軸を有し、
前記出力軸の回転位置を検出する回転位置検出部を備える、
ことを特徴とする[構成]に記載の画像形成装置。
[構成11
前記支持軸を駆動する駆動回転を出力する回転出力部を備え、
前記回転体ユニットは、前記一端支持部に配置され、前記回転出力部からの駆動回転を前記支持軸に伝達する回転伝達機構を有する、
ことを特徴とする[構成1]乃至[構成10]の何れか1つに記載の画像形成装置。
[構成12
シートに画像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部により画像が形成されたシートを搬送する搬送部と、
シートの第1面に接する第1ガイド面、及び前記第1ガイド面に開口された開口部を有する第1ガイドと、シートの前記第1面とは反対の第2面に接する第2ガイド面を有する第2ガイドと、を有し、前記搬送部により搬送されるシートを案内するガイド部と、
前記第2ガイドを装置本体の外部に露出する開状態と、前記第2ガイドを閉塞する閉状態と、に開閉可能な開閉部材と、を備え、
前記第1ガイドは、
前記開口部により前記第1ガイド面に対して露出するように配置される透光部、前記透光部を介してシートの画像を読取可能な読取ユニットを、取付け可能な読取ユニット取付部と、を有し、
前記第2ガイドは、
被挿入部と、
被固定部と、
前記第1ガイドの開口部に向けてシートを押圧可能に配置される回転体と、前記回転体を支持する支持軸と、前記支持軸の一端部を軸方向に移動不能に支持する一端支持部と、前記軸方向の他端部に配置された挿入部と、を有する回転体ユニットを、前記被挿入部に前記挿入部を挿入し、かつ前記被固定部に前記一端支持部を固定することで取付け可能な回転体ユニット取付部と、を有
かつ、回動軸を支点として前記第1ガイドに対して、前記第1ガイドとシートの搬送路を形成する閉位置と、前記搬送路を開放する開位置と、に回動可能に配置され、
前記回動軸は、前記支持軸の軸方向と交差する方向に向けて配置され、かつ、前記閉状態である前記開閉部材に対して遠い側の端部に配置され、
前記支持軸の他端部は、前記閉状態である前記開閉部材に対して前記支持軸の一端部よりも遠い側に配置されている、
ことを特徴とする画像形成装置。
【符号の説明】
【0084】
1…シート/40…搬送処理機構(搬送部)/100…画像形成装置/101…装置本体/101A…開閉ドア(開閉部材)/102…画像形成エンジン(画像形成部)/170a…第1ガイド面/170c…開口部/170A…第1ガイド/170b…第2ガイド面/170B…第2ガイド/170…ガイド部/200…カラーセンサ(読取ユニット)/206…レンズ(透光部)/600…対向ローラユニット(回転体ユニット)/600S…取付部(回転体ユニット取付部)/601…対向ローラ(回転体)/601a…対向ローラ軸(支持軸)/602…貫通孔/603F…手前側揺動アーム(一端連結部)/603R…奥側揺動アーム(他端連結部)/604…揺動中心軸/605…挿入部/609…固定部(一端支持部)/613a…ローラ離間カム軸(出力軸)/625a…回動軸/626a…係合孔/627a…被挿入孔(被挿入部)/628…手前側板部(被固定部)/629…ネジ/631…ガイド部(案内部)/640…回転伝達機構/650…カム駆動機構(揺動力出力部)/652…揺動力伝達機構/651…カム位置検出部(回転位置検出部)/660…回転出力部
図1
図2
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