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特許75626022芯ツイストシールドケーブル及びワイヤーハーネス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-27
(45)【発行日】2024-10-07
(54)【発明の名称】2芯ツイストシールドケーブル及びワイヤーハーネス
(51)【国際特許分類】
   H01B 11/06 20060101AFI20240930BHJP
   H01B 7/00 20060101ALI20240930BHJP
【FI】
H01B11/06
H01B7/00 301
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2022098652
(22)【出願日】2022-06-20
(65)【公開番号】P2024000098
(43)【公開日】2024-01-05
【審査請求日】2023-10-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100145908
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 信雄
(74)【代理人】
【識別番号】100136711
【弁理士】
【氏名又は名称】益頭 正一
(72)【発明者】
【氏名】清水 敏晴
(72)【発明者】
【氏名】大村 剛之
【審査官】神田 太郎
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2022/138900(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/058437(WO,A1)
【文献】特開2011-142070(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01B 11/06
H01B 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
導体及び前記導体を被覆した絶縁体を有し、撚り合わされた2本の絶縁電線と、
前記2本の絶縁電線上に螺旋状に且つ一部が重なり合うように重ね巻きされたフィルムと、
前記フィルム上に螺旋状に且つ一部が重なり合うように重ね巻きされた金属箔シールドと、
前記金属箔シールドの外周に設けられた金属編組と、
前記金属編組の外周に設けられたシースと、を備え、
前記フィルムと前記金属箔シールドとは、別体で構成され
前記フィルムは、厚みが6μm以上12μm以下である
ことを特徴とする2芯ツイストシールドケーブル。
【請求項2】
請求項に記載の2芯ツイストシールドケーブルと、
前記2芯ツイストシールドケーブルに隣接する他部材と、
を備えることを特徴とするワイヤーハーネス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2芯ツイストシールドケーブル及びワイヤーハーネスに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、差動信号を印加した際の漏洩減衰量の特性を良好にすることを目的とした2芯の高速デジタル信号伝送用のシールドケーブルである2芯ツイストシールドケーブルが提案されている(特許文献1参照)。この2芯ツイストシールドケーブルは、2本の絶縁電線を撚り合わせて構成した対撚線と、対撚線の周囲に設けられる金属箔シールドと、金属箔シールド上の金属編組と、金属編組上に設けられるシースとを備えている。このような2芯ツイストシールドケーブルは、伝送する信号の周波数が高く、表皮効果やリターン電流を考慮すると、表面が平滑な金属箔シールドを有することが有効となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017―183178号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載の2芯ツイストシールドケーブルは、2本の絶縁電線に対して金属箔シールドを巻き付けた場合に、2本の絶縁電線の隙間においてシワが生じてしまい易く、絶縁電線に対する金属箔シールドの位置が不安定となって伝送特性が悪化し易くなってしまうものであった。
【0005】
本発明はこのような従来の課題を解決するためになされたものであり、その発明の目的とするところは、伝送特性の悪化を抑制することが可能な2芯ツイストシールドケーブル及びワイヤーハーネスを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る2芯ツイストシールドケーブルは、導体及び前記導体を被覆した絶縁体を有し、撚り合わせた2本の絶縁電線と、前記2本の絶縁電線上に螺旋状に且つ一部が重なり合うように重ね巻きされたフィルムと、前記フィルム上に螺旋状に且つ一部が重なり合うように重ね巻きされた金属箔シールドと、前記金属箔シールドの外周に設けられた金属編組と、前記金属編組の外周に設けられたシースと、を備え、前記フィルムと前記金属箔シールドとは、別体で構成され、前記フィルムは、厚みが6μm以上12μm以下である
【0007】
また、本発明に係るワイヤーハーネスは、上記に記載の2芯ツイストシールドケーブルと、前記2芯ツイストシールドケーブルに隣接する他部材と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、伝送特性の悪化を抑制することが可能な2芯ツイストシールドケーブル及びワイヤーハーネスを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態に係る2芯ツイストシールドケーブルを含むワイヤーハーネスの斜視図である。
図2図1に示した2芯ツイストシールドケーブルを示す斜視図である。
図3図1に示した2芯ツイストシールドケーブルを示す断面図である。
図4】実施例1~4及び比較例1,2に係る2芯ツイストシールドケーブルを示す図表である。
図5】実施例1,3,4及び比較例2に係る2芯ツイストシールドケーブルのLCTLを示すグラフである。
図6】実施例1,3,4及び比較例2に係る2芯ツイストシールドケーブルの挿入損失を示すグラフである。
図7】実施例1~4に係る2芯ツイストシールドケーブルの曲げ時におけるイメージを示す断面図であり、(a)は実施例1~3に係る2芯ツイストシールドケーブルの曲げ時におけるイメージを示し、(b)は実施例4に係る2芯ツイストシールドケーブルの曲げ時におけるイメージを示している。
図8】2芯ツイストシールドケーブルの曲げ時における特性インピーダンスを示すグラフである。
図9】2芯ツイストシールドケーブルの曲げ時における特性インピーダンスを示す図表である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を好適な実施形態に沿って説明する。なお、本発明は以下に示す実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。また、以下に示す実施形態においては、一部構成の図示や説明を省略している箇所があるが、省略された技術の詳細については、以下に説明する内容と矛盾が発生しない範囲内において、適宜公知又は周知の技術が適用されていることはいうまでもない。
【0011】
図1は、本発明の実施形態に係る2芯ツイストシールドケーブルを含むワイヤーハーネスの斜視図である。図1に示すように、ワイヤーハーネスWHは、2芯ツイストシールドケーブル1と、他のケーブル(他部材)100とを備えて構成されている。
【0012】
他のケーブル100は、例えば電力線等の太物電線や他の信号線等の細物電線であって、導体101と、導体101の周囲を覆う絶縁体102とを備えている。なお、2芯ツイストシールドケーブル1と他のケーブル100とは、樹脂テープRTによってテープ巻きされたり、コルゲートチューブ(図示せず)や端子(図示せず)やコネクタ等が取り付けられたりする。
【0013】
図2は、図1に示した2芯ツイストシールドケーブル1を示す斜視図であり、図3は、図1に示した2芯ツイストシールドケーブル1を示す断面図である。図2及び図3に示すように、2芯ツイストシールドケーブル1は、2本の絶縁電線10と、フィルム20と、金属箔シールド30と、金属編組40と、シース50とを備えている。
【0014】
絶縁電線10は、導体11と導体11上の絶縁体12とを備え、互いに螺旋状となるように撚られて構成されている。導体11は、例えば軟銅線、銀メッキ軟銅線、錫メッキ軟銅線、及び錫メッキ銅合金線等が用いられる。なお、本実施形態において導体11は2本以上(具体的には7本)の素線が撚られた撚線によって構成されているが、特にこれに限らず、1本の単線によって構成されていてもよい。さらに、導体11の断面積については、0.22sq以下を想定しているが、特にこれに限られるものではない。
【0015】
絶縁体12は、導体11上に被覆される部材であって、例えばPE(polyethylene)やPP(polypropylene)等が用いられている。この絶縁体12は、誘電率が3.0以下となっている。
【0016】
フィルム20は、例えば非導電性の樹脂フィルムであってPET(polyethylene terephthalate)樹脂により構成されている。このフィルム20は、2本の絶縁電線10上に螺旋状に且つ一部が重なり合うように重ね巻きされている。
【0017】
金属箔シールド30は、フィルム層と、フィルム層と金属層とを一体に接着する粘着層と、金属層との3層構造となっている。この金属箔シールド30は、フィルム20上に螺旋状に且つ一部が重なり合うように重ね巻きされている。なお、上記フィルム20は、金属箔シールド30の一部として構成されているわけでなく、別体として構成されている。
【0018】
金属箔シールド30のフィルム層は、非導電性の樹脂フィルムであって例えばPET樹脂により構成されている。金属層は、導電性金属の層であって、銅又はアルミニウム等の金属によって構成されている。なお、金属層は、シールド性能を確保する観点から、銅によって構成されている場合、厚みが8μm以上であることが好ましく、アルミニウムによって構成されている場合、厚みが10μm以上であることが好ましい。なお、金属箔シールド30は、金属層が外側となるように2本の絶縁電線10に重ね巻きされる。
【0019】
金属編組40は、例えば軟銅線、銀メッキ軟銅線、錫メッキ軟銅線、及び錫メッキ銅合金線等の金属線が複数本の束にされ、この束が編み込まれることによって形成されるものである。なお、金属線は、繊維上に金属メッキが施されたメッキ繊維であってもよい。さらに、金属編組40は、複数の金属線に対して一括してメッキを施して扁平状の束としたものが編み込まれていてもよい。
【0020】
シース50は、金属編組40の外周を被覆する絶縁体である。このシース50は、金属編組40の外周側に充填状態とされている。すなわち、シース50は、内部に空隙を有するチューブ構成のものではなく、いわゆる中実状態で設けられるものである。このようなシース50は、絶縁電線10、フィルム20、金属箔シールド30及び金属編組40からなる構成物に対して中実押出することで、これらの周囲に設けられる。シース50は、例えばPE、PP及びPVC(polyvinyl chloride)から構成される。なお、シース50は、中実状態に限らず、チューブ状に構成されて内側の金属編組40に対して一部空隙を有した状態で配置されていてもよいし、空隙に別途何らかの介在物が設けられてもよい。
【0021】
次に、本実施形態に係る2芯ツイストシールドケーブル1の実施例及び比較例を説明する。図4は、実施例1~4及び比較例1,2に係る2芯ツイストシールドケーブルを示す図表である。実施例1~4及び比較例1,2に係る2芯ツイストシールドケーブルにおいて導体は、7本の軟銅素線を撚り合わせた撚線であって断面積が0.13sqであり外径が0.48mmであった。また、絶縁体は、厚さ0.37mmのポリオレフィンによって構成されており、上記導体に被覆された結果、外径が1.22mmであった。
【0022】
また、外部遮蔽1は、金属層の厚みが10μmとされフィルム層の厚みが6μmとされた金属箔シールドによって構成されており、2本の絶縁電線に対して重ね巻きにより設けられた。外部遮蔽2は金属線によって構成された編組シールドによって構成された。また、シースはポリオレフィンによって構成された。以上の構成により、実施例1~4及び比較例1,2に係る2芯ツイストシールドケーブルは、仕上外径が3.8mmであった。
【0023】
また、抑え巻き部材となるフィルムについてはPET樹脂を採用し、比較例1で厚さ4μmとし、実施例1で厚さ6μmとし、実施例2で厚さ12μmとし、実施例3で厚さ20μmとし、実施例4で厚さ25μmとした。抑え巻き部材については重ね巻きした。比較例2については抑え巻き部材となるフィルムを用いなかった。
【0024】
なお、実際に比較例1についてはフィルムが薄過ぎたことにより破れてしまったため、フィルムを有した2芯ツイストシールドケーブルとして製造することができなかった。
【0025】
図5は、実施例1,3,4及び比較例2に係る2芯ツイストシールドケーブルのLCTL(Longitudinal Conversion Transfer Loss)を示すグラフである。図5に示すように、実施例1,3については、周波数0.01GHz以上0.5GHz以下の全域において規格値を満たす結果となった。また、実施例4については一部の周波数域において規格値を満たしていないが、残りの多くの周波数域で規格値を満たしており、送受信する信号の周波数帯によって使用可能であることがわかった。これに対して、比較例2については、0.05GHz弱から約0.4GHz弱の範囲において規格値を満たさない結果となった。これは、比較例2に係る2芯ツイストシールドケーブルがフィルムを有さず、金属箔シールドの位置が不安定であったためである。また、実施例2については図示を省略しているが、実施例1と実施例3との中間的な結果となることが確認された。
【0026】
図6は、実施例1,3,4及び比較例2に係る2芯ツイストシールドケーブルの挿入損失を示すグラフである。図6に示すように、挿入損失に関しては、実施例1,3,4及び比較例2の全てについて規格値を満たすこととなった。図示を省略した実施例2についても上記と同様に、実施例1と実施例3との中間的な結果となった。
【0027】
さらに、図示を省略するが、実施例1~4及び比較例2に係る2芯ツイストシールドケーブルは、特性インピーダンス及び反射損失についても規格値を満たした。よって、実施例1~4に係る2芯ツイストシールドケーブルは、比較例2に係る2芯ツイストシールドケーブルと比較して、LCTLにおいて勝っており伝送特性が良好であることがわかった。さらに、フィルムの厚みを6μm以上20μm以下とした実施例1~3に係る2芯ツイストシールドケーブルは、フィルムの厚みを25μmとした実施例4に係る2芯ツイストシールドケーブルと比較して、LCTLにおいて勝っており伝送特性がより良好であることがわかった。
【0028】
加えて、実施例1~3に係る2芯ツイストシールドケーブルは、ケーブル曲げ時における特性インピーダンスについても、実施例4に係る2芯ツイストシールドケーブルよりも優れていることがわかった。
【0029】
図7は、実施例1~4に係る2芯ツイストシールドケーブルの曲げ時におけるイメージを示す断面図であり、(a)は実施例1~3に係る2芯ツイストシールドケーブルの曲げ時におけるイメージを示し、(b)は実施例4に係る2芯ツイストシールドケーブルの曲げ時におけるイメージを示している。
【0030】
図7(a)に示す2芯ツイストシールドケーブルは、フィルムが20μm以下となっている。このため、フィルムが比較的薄く、2本の絶縁電線に対して楕円率の値が低い状態で巻き付けられることとなる。このような2芯ツイストシールドケーブルが楕円短軸方向に曲げられた場合、2芯ツイストシールドケーブルが扁平化して、金属箔シールドと2本の絶縁電線との距離がD1だけ近くなってしまう。
【0031】
一方、図7(b)に示す2芯ツイストシールドケーブルは、フィルムが25μmとなっている。このため、フィルムが比較的厚く、2本の絶縁電線に対して楕円率の値が高い状態で巻き付けられることとなる。このような2芯ツイストシールドケーブルが楕円短軸方向に曲げられた場合、2芯ツイストシールドケーブルが扁平化して、金属箔シールドと2本の絶縁電線との距離がD2(>D1)だけ近くなってしまう。
【0032】
このように、フィルムが厚い2芯ツイストシールドケーブルについては、曲げ時において金属箔シールドと2本の絶縁電線との距離の変化が大きくなってしまい、伝送特性の悪化を招き易くなる。
【0033】
図8は、2芯ツイストシールドケーブルの曲げ時における特性インピーダンスを示すグラフである。図8において破線は規格値を示している。図8に示すように、曲げ部が存在する場合には、金属箔シールドと2本の絶縁電線との距離が変化することから、時刻9nsに示すように特性インピーダンス規格値(95Ω)付近まで低下してしまう。ここで、図8に示す例では特性インピーダンスが規格値外とはなっていないが、金属箔シールドと2本の絶縁電線との距離の変化量が大きくなると、特性インピーダンスは規格値外となり得る。
【0034】
図9は、2芯ツイストシールドケーブルの曲げ時における特性インピーダンスを示す図表である。まず、図9に示す図表において、初期は、真っ直ぐの状態の2芯ツイストシールドケーブルについてサンプル数を5つとして特性インピーダンスを測定した結果を示している。同様に、曲げ後(180度自己径)は、ケーブル外径を直径とした180度曲げを行ったときの特性インピーダンスをサンプル数を5つとして測定した結果を示している。低下幅については、これらの差分を示している。なお、括弧は最小値と最大値とを示し、括弧外の数値は中央値を示している。また、180度自己径の曲げは、車両搭載上の最悪条件を想定している。
【0035】
図9に示すように、実施例1~3については、低下幅は約6Ω程度であり曲げ後においても規格値である95Ωを下回ることがない。これに対して、実施例4については、低下幅が9.8Ωに達してしまい曲げ後においても規格値である95Ωを下回ってしまう。よって、ケーブル曲げ時における特性インピーダンスに関し、実施例1~3に係る2芯ツイストシールドケーブルは、実施例4に係る2芯ツイストシールドケーブルよりも優れていることがわかった。
【0036】
このようにして、本実施形態に係る2芯ツイストシールドケーブル1によれば、2本の絶縁電線10上に螺旋状に重ね巻きされたフィルム20と、フィルム20上に螺旋状に重ね巻きされた金属箔シールド30とを備え、フィルム20と金属箔シールド30とは、別体にて構成されている。このように、別体となるフィルム20と金属箔シールド30とがそれぞれ螺旋状に重ね巻きされているため、螺旋状の重ね巻きという特性上、2本の絶縁電線10の間S(図3参照)においてもシワが発生し難く巻き付けることができる。加えて、金属箔シールド30は、内側にフィルム20が存在した状態で巻き付けられることから、フィルム20によって2本の絶縁電線10の間Sが埋められた状態で巻き付けられることとなる。よって、金属箔シールド30にはより一層シワの発生が抑制され、2本の絶縁電線10に対する金属箔シールド30の位置を安定させ易くすることができる。従って、伝送特性の悪化を抑制することが可能な2芯ツイストシールドケーブル1を提供することができる。
【0037】
また、フィルム20は厚みが6μm以上20μm以下であるため、2芯ツイストシールドケーブル1の製造時における破れを防止し易くなると共に、規格値(2022年6月時点)を満たし易くすることができる。
【0038】
また、本実施形態に係るワイヤーハーネスWHによれば、伝送特性の悪化を抑制することが可能なワイヤーハーネスWHを提供することができる。
【0039】
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、変更を加えてもよいし、周知及び公知の技術を組み合わせてもよい。
【0040】
例えば、上記実施形態において2芯ツイストシールドケーブル1において金属箔シールド30は金属層が外側に向くように配置されるが、これに限らず、内側に向くようになっていてもよい。
【0041】
また、本実施形態に係る2芯ツイストシールドケーブル1は金属編組40がシールドコネクタに取り付けられることを想定しているが、取付対象はシールドコネクタでなくともよい。
【符号の説明】
【0042】
1 :2芯ツイストシールドケーブル
10 :絶縁電線
11 :導体
12 :絶縁体
20 :フィルム
30 :金属箔シールド
40 :金属編組
50 :シース
100 :他のケーブル(他部材)
WH :ワイヤーハーネス
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9