(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-27
(45)【発行日】2024-10-07
(54)【発明の名称】位置管理装置、位置管理方法、位置管理プログラム、及び位置管理システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/0631 20230101AFI20240930BHJP
G06Q 10/105 20230101ALI20240930BHJP
【FI】
G06Q10/0631
G06Q10/105
(21)【出願番号】P 2022146189
(22)【出願日】2022-09-14
(62)【分割の表示】P 2018220757の分割
【原出願日】2018-11-26
【審査請求日】2022-10-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000139780
【氏名又は名称】株式会社イトーキ
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】西野 哲生
【審査官】久宗 義明
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-032294(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0146351(US,A1)
【文献】特開2011-170725(JP,A)
【文献】特開2009-037555(JP,A)
【文献】特開2018-002476(JP,A)
【文献】特開2016-206016(JP,A)
【文献】特開2018-081637(JP,A)
【文献】礒田 佳徳, 山田 直治, 石黒 浩,オフィス環境での無線LANを利用した屋内プレゼンスシステム,電子情報通信学会論文誌 D,日本,社団法人電子情報通信学会,2010年10月01日,第J93-D巻 第10号,1903~1913ページ,ISSN 1880-4535
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
企業の従業員を含むユーザの位置を管理する位置管理装置であって、
1又は複数のエリアを含む施設において活動する前記ユーザの携帯端末から前記携帯端末の位置を特定するための特定情報であって、前記1又は複数のエリアごとに配置された1又は複数の情報発信装置の識別情報を含む前記特定情報を取得する取得部と、
取得した前記特定情報に基づいて、前記ユーザが前記1又は複数のエリアのうち特定のエリアに滞在していることを特定する特定部と、
前記特定部の特定結果に基づいて、前記ユーザが前記特定のエリアに滞在していることを示すアイコン画像を含む画面を出力するための出力情報を生成する生成部と、を備え、
前記生成部は、検索対象である前記ユーザに関する情報が
特定の文字入力欄に任意に文字入力される場合、入力された当該情報に基づいて、前記特定のエリアに検索対象である前記ユーザが滞在していることを示すアイコン画像を含む画面を出力するための出力情報
であって、検索対象である前記ユーザの前記アイコン画像が他のアイコン画像よりも強調表示されるための前記出力情報を生成する、位置管理装置。
【請求項2】
前記施設は、前記1又は複数のエリアを含む1又は複数のフロアから構成され、
前記画面は、前記施設に含まれる前記1又は複数のフロアのそれぞれが識別可能に出力され、かつ、前記1又は複数のフロアのうち特定のフロアにおける前記特定のエリアに前記ユーザが滞在していることを示すアイコン画像を含む、
請求項1に記載の位置管理装置。
【請求項3】
前記識別情報と、前記1又は複数の情報発信装置の配置位置情報と、が関連付けられた管理情報を参照可能にさらに構成され、
前記取得部は、前記1又は複数の情報発信装置の識別情報を含む発信情報を受信する前記携帯端末から前記携帯端末が受信した前記発信情報に対応する前記識別情報を取得し、
前記特定部は、取得した前記識別情報と前記管理情報とに基づいて、前記ユーザが前記特定のエリアに滞在していることを特定する、
請求項1又は2に記載の位置管理装置。
【請求項4】
企業の従業員を含むユーザの位置を管理するコンピュータが実行する位置管理方法であって、
1又は複数のエリアを含む施設において活動する前記ユーザの携帯端末から、前記携帯端末の位置を特定するための特定情報であって、前記1又は複数のエリアごとに配置された1又は複数の情報発信装置の識別情報を含む前記特定情報を取得するステップと、
取得した前記特定情報に基づいて、前記ユーザが前記1又は複数のエリアのうち特定のエリアに滞在していることを特定するステップと、
前記特定
するステップの特定結果に基づいて、前記ユーザが前記特定のエリアに滞在していることを示すアイコン画像を含む画面を出力するための出力情報を生成するステップと、を含み、
前記生成するステップは、検索対象である前記ユーザに関する情報が
特定の文字入力欄に任意に文字入力される場合、入力された当該情報に基づいて、前記特定のエリアに検索対象である前記ユーザが滞在していることを示すアイコン画像を含む画面を出力するための出力情報
であって、検索対象である前記ユーザの前記アイコン画像が他のアイコン画像よりも強調表示されるための前記出力情報を生成する、位置管理方法。
【請求項5】
企業の従業員を含むユーザの位置を管理するコンピュータが実行する位置管理プログラムであって、
前記コンピュータを、
1又は複数のエリアを含む施設において活動する前記ユーザの携帯端末から、前記携帯端末の位置を特定するための特定情報であって、前記1又は複数のエリアごとに配置された1又は複数の情報発信装置の識別情報を含む前記特定情報を取得する取得部と、
取得した前記特定情報に基づいて、前記ユーザが前記1又は複数のエリアのうち特定のエリアに滞在していることを特定する特定部と、
前記特定部の特定結果に基づいて、前記ユーザが前記特定のエリアに滞在していることを示すアイコン画像を含む画面を出力するための出力情報を生成する生成部と、
として機能させ、
前記生成部は、検索対象である前記ユーザに関する情報が
特定の文字入力欄に任意に文字入力される場合、入力された当該情報に基づいて、前記特定のエリアに検索対象である前記ユーザが滞在していることを示すアイコン画像を含む画面を出力するための出力情報
であって、検索対象である前記ユーザの前記アイコン画像が他のアイコン画像よりも強調表示されるための前記出力情報を生成する、位置管理プログラム。
【請求項6】
請求項1~3のいずれか一項に記載の前記位置管理装置と通信可能であり、前記画面を出力するユーザ端末をさらに備える、
位置管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザの活動を管理する活動管理装置、活動管理方法及びプログラムに関す
る。
【背景技術】
【0002】
従来、企業内の従業員がどのような行動状態(勤務状況)にあるのかを自動的に管理す
る行動管理技術が知られている。
【0003】
これに関し、特許文献1には、無線端末を有する従業員の行動を管理し、従業員の所定
時間の行動内容を含む行動管理情報を作成する情報処理装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、特許文献1記載の情報処理装置においては、従業員の業務内容を従業者が所在
したエリアごとに特定し管理することができる。しかしながら、上記情報処理装置におい
ては、従業者の活動を自動的に管理するのみである。このような従来の情報処理装置を使
用する限り、各従業員は自身の現在の活動内容を把握することは可能であるが、各従業員
が、現在の活動内容を、より理想的な活動内容となるように再構築することを促すことが
できなかった。
【0006】
そこで、本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、ユーザが、より理想
的な活動内容となるように、現在の活動内容を再構築することを促すことを可能にする活
動管理技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る活動管理装置は、ユーザの活動を管理する活動管理装置であって
、1又は複数のエリアごとに配置された1又は複数の設備を示す設備情報を記録する設備
情報データベースと、1又は複数の設備ごとに予め定義されたユーザが実施する活動内容
を示す活動内容情報を記録する活動内容情報データベースと、ユーザの位置を示すユーザ
位置情報を取得する情報取得部と、ユーザ位置情報と、設備情報と、活動内容情報とに基
づいて、ユーザが所定エリアごとに実施した活動内容を特定する活動内容特定部と、所定
期間におけるユーザの特定された活動内容の配分と、予め設定された、ユーザの所定期間
における活動内容の配分の目標値とを比較する比較部と、を備える。
【0008】
本発明の一態様に係る活動管理方法は、ユーザの活動を管理するコンピュータが実行す
る活動管理方法であって、コンピュータは、1又は複数のエリアごとに配置された1又は
複数の設備を示す設備情報を記録する設備情報データベースと、1又は複数の設備ごとに
予め定義されたユーザが実施する活動内容を示す活動内容情報を記録する活動内容情報デ
ータベースと、を参照可能に構成され、ユーザの位置を示すユーザ位置情報を取得するス
テップと、ユーザ位置情報と、設備情報と、活動内容情報とに基づいて、ユーザが所定エ
リアごとに実施した活動内容を特定するステップと、所定期間におけるユーザの特定され
た活動内容の配分と、予め設定された、ユーザの所定期間における活動内容の配分の目標
値とを比較するステップと、を含む。
【0009】
本発明の一態様に係るプログラムは、ユーザの活動を管理するコンピュータにおいて実
行されるプログラムであって、コンピュータを、1又は複数のエリアごとに配置された1
又は複数の設備を示す設備情報を記録する設備情報データベースと、1又は複数の設備ご
とに予め定義されたユーザが実施する活動内容を示す活動内容情報を記録する活動内容情
報データベースと、を参照可能に機能させ、ユーザの位置を示すユーザ位置情報を取得す
る情報取得部と、ユーザ位置情報と、設備情報と、活動内容情報とに基づいて、ユーザが
所定エリアごとに実施した活動内容を特定する活動内容特定部と、所定期間におけるユー
ザの特定された活動内容の配分と、予め設定された、ユーザの所定期間における活動内容
の配分の目標値とを比較する比較部と、して機能させる。
【0010】
なお、本発明において、「部」、「装置」とは、単に物理的手段を意味するものではな
く、その「部」、「装置」」が有する機能をソフトウェアによって実現する場合も含む。
また、1つの「部」、「装置」が有する機能が2つ以上の物理的手段や装置により実現さ
れても、2つ以上の「部」、「装置」の機能が1つの物理的手段や装置により実現されて
もよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明の上記態様によれば、ユーザが、より理想的な活動内容となるように、現在の活
動内容を再構築することを促すことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の実施形態に係る活動管理システムの概略構成図である。
【
図2】本発明の実施形態に係るユーザ端末の出力部における画面の一例を示す図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る活動管理サーバ及びユーザ端末の概略構成図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る活動管理サーバの機能的構成の一例を示す概略構成図である。
【
図5】本発明の実施形態に係る設備情報の一例を示す図である。
【
図6】本発明の実施形態に係る設備情報の一例を示す図である。
【
図7】本発明の実施形態に係る1又は複数のエリアごとに1又は複数の設備が配置されている状況を示す図である。
【
図8】本発明の実施形態に係るユーザ情報及び目標値の一例を示す概念図である。
【
図9】本発明の実施形態に係る活動管理処理の一例を示すフローチャートである。
【
図10】本発明の実施形態に係る活動管理処理における活動内容比較結果の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。ただし、以下に説明する実施形
態は、あくまでも例示であり、以下に明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図
はない。即ち、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変形(各実施例を組み合わせ
る等)して実施することができる。また、以下の図面の記載において、同一又は類似の部
分には同一又は類似の符号を付して表している。図面は模式的なものであり、必ずしも実
際の寸法や比率等とは一致しない。図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異な
る部分が含まれていることがある。
【0014】
図1は、本実施形態に係る活動管理システム100の全体構成を示すブロック図である
。
図1に示すように、活動管理システム100は、例示的に、例えば、企業内の従業員等
を含むユーザの活動を管理する活動管理サーバ1(活動管理装置)と、n台(nは、1以
上の任意の整数値)のユーザ端末3と、ネットワークNとを含んで構成される。
【0015】
活動管理システム100は、いわゆるクライアント・サーバシステムである。活動管理
システム100は、クライアントであるn台のプレイヤ端末3と、活動管理サーバ1とが
ネットワークNを介して相互に通信を行うことにより実現される。なお、ネットワークN
は、例えば、インターネット、携帯電話網といったネットワーク、LAN(Local
Area Network)、あるいはこれらを組み合わせたネットワークにより実現さ
れる。
【0016】
活動管理サーバ1は、例えば、1つ又は複数のサーバ装置により実現される。また、ユ
ーザ端末3は、例えば、スマートフォンや、ゲーム機や、パーソナルコンピュータにより
実現される。なお、図中には、n台のユーザ端末3として、ユーザ端末3a及びユーザ端
末3nを図示している。ただし、以下の説明において、これらn台のユーザ端末3を区別
することなく説明する場合には、符号を一部省略して、単に「ユーザ端末3」と呼ぶ。
【0017】
ここで、本実施形態に係る活動管理システム100の概要について説明する。活動管理
システム100は、GPS(Global Positioning System)等
の位置取得手段を用いて、ユーザの現在の位置を取得することにより、ユーザの活動内容
(労働者の労働状況等)を測定し管理する。活動管理システム100は、測定したユーザ
の活動内容をユーザ端末3で表示することができる。
【0018】
図2は、本発明の実施形態に係るユーザ端末3の出力部34における画面の一例を示す
図である。
図2に示すように、ユーザ端末3の出力部34においては、例えば、各ユーザ
(例えばMr.A等)が施設内の各フロアFのどこに(どのエリア)に滞在しているかを
示すアイコン画像ICを含む画面を出力する。また、あるユーザが画面内の入力欄EFに
特定のユーザ(例えばMs.D)を入力して検索を実行すると、出力部34は、画面内で
Ms.Dがいる位置に配置されたアイコン画像ICを他のアイコン画像よりも強調して表
示することが可能である。
【0019】
活動管理システム100においては、上記に加えて、取得したユーザの現在の活動内容
と、ユーザの現在の活動内容と、ユーザ自身又はユーザの管理者(上司等)が設定した理
想的な(目標とすべき)活動内容(ユーザに期待される労働状況等)と、を比較する。活
動内容の比較処理は、任意のタイミングで行ってもよいし、所定の期間ごとに実行しても
よい。活動管理システム100は、ユーザに対して、活動内容の比較結果を通知等するこ
とによって、ユーザは、自身の現在の活動内容と、理想的な活動内容との乖離を把握する
ことができる。そして、例えば、協働作業を積極的に行うように要請されているユーザに
は、個人の作業時間を大幅に削減し、協働作業の時間を多くとるように促す通知をして、
自己の活動内容の再構築を促す。このように活動管理システム100は、ユーザが、より
理想的な活動内容となるように、現在の活動内容を再構築することを促すことを可能にす
る。以下では、活動管理システム100の具体的な構成について説明する。
【0020】
図3は、本発明の実施形態に係る活動管理サーバ1のハードウェアの構成と、ユーザ端
末3のハードウェアの構成とを示すブロック図である。なお、図中では、活動管理サーバ
1のハードウェアに対応する符号には括弧を付すことなく記載し、ユーザ端末3のハード
ウェアに対応する符号には括弧を付して記載する。
【0021】
活動管理サーバ1は、例示的に、CPU(Central Processing U
nit)11と、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Rando
m Access Memory)等からなるメモリ12と、入力部13と、出力部14
と、記録部15と、通信部16と、バス17と、を備えている。
【0022】
CPU11は、メモリ12に記録されているプログラム、又は、記録部15からメモリ
12にロードされたプログラムにしたがって各種の処理を実行する。
【0023】
メモリ12には、CPU11が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜
記憶される。CPU11及びメモリ12は、バス17を介して相互に接続されている。ま
た、このバス17には、入力部13と、出力部14と、記録部15と、通信部16と、が
接続されている。
【0024】
入力部13は、活動管理サーバ1の管理者等の指示操作に応じて各種情報を入力する。
入力部13は、例えば、各種ボタン、タッチパネルあるいはマイク等で構成される。なお
、入力部13は、活動管理サーバ1の他の各部を収容する本体とは独立した、キーボード
やマウス等の入力装置により実現してもよい。
【0025】
出力部14は、画像データや音声データを出力する。出力部14は、例えば、ディスプ
レイやスピーカ等で構成される。出力部14が出力した画像データや音声データは、ディ
スプレイやスピーカ等から、画像や音楽としてプレイヤが認識可能に出力される。
【0026】
記録部15は、各種データを記憶する。記録部15は、例えば、DRAM(Dynam
ic Random Access Memory)等の半導体メモリで構成される。
【0027】
通信部16は、他の装置との間で行う通信を実現する。例えば、通信部16は、ネット
ワークNを介して、ユーザ端末3との間で相互に通信を行う。
【0028】
なお、活動管理サーバ1には、不図示であるがドライブを必要に応じて適宜設けられる
。ドライブには、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク等から構成される
リムーバブルメディアが適宜装着されてもよい。ドライブによってリムーバブルメディア
から読み出されたプログラムや、画像データ等の各種のデータは、必要に応じて記録部1
5にインストールされる。
【0029】
ユーザ端末3のハードウェアの構成について説明をする。ユーザ端末3は、
図3に示す
ように、例示的に、CPU31と、メモリ32と、入力部33と、出力部34と、記録部
35と、通信部36と、バス37と、を備えている。これら各部は、上述の活動管理サー
バ1が備える、符号のみが異なる同名の各部と同等の機能を有している。
【0030】
図4は、本発明の実施形態に係る活動管理サーバ1の機能的構成の一例を示すブロック
図である。活動管理サーバ1は、例示的に、ユーザの活動を管理するための処理を実行す
る情報処理部111と、ユーザの活動を管理するために必要な各種情報を記録するデータ
ベース群と、を備えて構成される。なお、
図4の例においては、データベース群は、
図3
に示す記録部15に含まれる。
【0031】
データベース群は、例示的に、1又は複数のエリアごとに配置された1又は複数の設備
を示す設備情報を記録する設備情報データベース(DB)51と、1又は複数の設備ごと
に予め定義されたユーザが実施する活動内容を示す活動内容情報を記録する活動内容情報
DB53と、ユーザと当該ユーザの職種又は役職とを関連づけて記録するユーザ情報DB
55と、職種又は役職ごとに予め設定されている、活動内容の配分の目標値を記録する目
標値DB57と、を備える。なお、
図4の例においては、各DBのすべては、活動管理サ
ーバ1に含まれているが、この実施形態には限られない。例えば、各DBの少なくとも一
つのDBは、活動管理サーバ1以外の他のサーバ装置等に配置されてもよい。活動管理サ
ーバ1は、当該他のサーバ装置等に配置されているDBについては、当該DBに格納され
ているデータを参照可能に構成されている。
【0032】
図5から
図7を参照して「設備情報」及び「活動内容情報」を説明する。
図5は、本発
明の実施形態に係る設備情報の一例を示す図である。
図6は、本発明の実施形態に係る設
備情報の一例を示す図である。ここで、「設備」とは、人が内部に入って利用する建築物
等(例えば、施設)内の所定エリアに配置されている1つ又は複数の機器等を含む。
図5
(A)に示すように、例えば、「設備」はテーブルおよびチェア等を含んで構成される、
個人で使用するための個室を含む。また、
図5(B)に示すように、「設備」は、1つ又
は複数のテーブルおよびチェア等を所定のパーティションで囲むことで構成される、個人
で使用するための所定の空間を含む。さらに、
図6(A)に示すように、「設備」は、1
つのテーブルおよび複数のチェア等を含んで構成される、複数人が協働して使用するため
の個室を含む。さらにまた、
図6(B)に示すように、「設備」は、比較的大きな1つの
テーブルおよび多数のチェア等を含んで構成される、複数人が協働して使用するための所
定の空間を含む。
【0033】
なお「設備」は、例えば、テーブル、チェア、テレビやディスプレイモニター等の表示
装置、照明装置、空調制御装置、又は、音声出力装置等の個々の機器を含んでもよい。「
設備」は、例えば、接着ないしねじ止めなどで簡単には取り外せないように固定されても
よいし、少なくとも部分的に交換したり修理したりできるように構成されてもよい。
【0034】
図7は、本発明の実施形態に係る1又は複数のエリアごとに1又は複数の設備が配置さ
れている状況を示す図である。
図7に示すように、フロアFのエリアE1には、例えば、
図5(A)及び(B)に示す、個人で使用するための個室又は所定の空間を含む設備が配
置され、エリアE3及びE5には、
図6(A)及び(B)に示す、複数人が協働して使用
するための個室又は所定の空間を含む設備が配置される。このように、設備情報DB51
においては、1又は複数のエリアごとに配置された1又は複数の設備を示す設備情報を記
録している。なお、
図7では、単一のフロアが例示されているが、これに限られない。設
備情報DB51においては、複数のフロアごとに、1又は複数のエリアごとに配置された
1又は複数の設備を示す設備情報を記録してもよい。
【0035】
「活動内容」は、一のユーザが実施する活動内容、又は、複数のユーザが協働して実施
する活動内容を含む。「一のユーザが実施する活動内容」は、例えば、ユーザが、個人で
業務に関して検討すること、個人でメール及び資料を作成すること、他の人と対話するこ
と、個人で作業スペースを整理整頓すること、休憩すること等の複数の活動内容を含む。
「複数のユーザが協働して実施する活動内容」は、例えば、複数のユーザが打ち合わせに
おいて業務内容を検討すること、業務の進捗に関して確認し、情報を共有すること等の複
数の活動内容を含む。また、「活動内容」には、遠隔地にいるユーザ同士が協働して取り
組みものを含んでもよい。
【0036】
例えば、「一のユーザが実施する活動内容」は、
図7に示すエリアE1に予め関連づけ
られている。つまり、「一のユーザが実施する活動内容」は、エリアE1に配置されてい
る、個人で使用するための1又は複数の設備ごとに予め定義されている。また、「複数の
ユーザが協働して実施する活動内容」は、
図7に示すエリアE3及びE5に予め関連づけ
られている。つまり、「複数のユーザが協働して実施する活動内容」は、エリアE3及び
E5に配置されている、複数人が協働して使用するための1又は複数の設備ごとに予め定
義されている。このように、活動内容情報DB53においては、1又は複数の設備ごとに
予め定義されたユーザが実施する活動内容を示す活動内容情報が記録されている。なお、
「活動内容」と「設備」との関連付けに関して、本実施例では、「活動内容」として、「
一のユーザが実施する活動内容」と「複数のユーザが協働して実施する活動内容」とを設
定するようにしているが、比較・分析を行いたい「活動内容」を適宜設定し、その「活動
内容」と、「活動内容」に適した、又は設備提供者(企業など)が推奨・指定する「設備
」とを関連付けるようにしてもよい。こうすることにより、企業内の従業員等を含むユー
ザの活動をよりフレキシブルに比較・分析することが可能である。一例として、「一のユ
ーザが実施する活動内容」をさらに細分化し、例えば、集中作業であれば、作業用の大き
いモニターなどが用意された空間を設備として設定し、また、電話などで他の人と対話す
る作業であれば、遮音性の高い空間を設備として設定し、さらに、休憩をとる場合には、
リラックスし易い空間を設備として設定するなどしてもよい。他方で、「複数のユーザが
協働して実施する活動内容」をさらに細分化し、例えば、アイデア出し等の複数人の協働
作業の場合は、ホワイトボードなどを用意した空間を設備として設定し、また、TV会議
やWeb会議等の複数人の協働作業の場合は、TV会議システムやWeb会議システムが
用意されている空間を設備として設定するなどしてもよい。
【0037】
次に、
図8を参照して、「ユーザ情報」及び「目標値」を説明する。
図8(A)は、本
発明の実施形態に係るユーザ情報の一例を示す概念図である。
図8(B)は、本発明の実
施形態に係る目標値の一例を示す概念図である。
図8(A)に示すように、ユーザ情報は
、ユーザ情報DB55において、ユーザの名称等を含む識別情報と、ユーザの職種(例え
ば、営業等)とが関連づけられて記録されている。また、ユーザ情報は、ユーザの名称等
を含む識別情報と、ユーザの役職(不図示)とが関連づけられて記録されてもよい。役職
とは、例えば、企業における会長、社長、部長、課長、係長、及び主任等を含む。
【0038】
図8(B)に示すように、目標値は、目標値DB57において、ユーザの職種又は役職
と、活動内容の配分の目標値と、が関連づけられて記録されている。目標値の配分は、目
標値の割合が把握できればよく、例えば、「XX」%という指標で設定されてもよいし、
活動時間で設定されてもよいし、活動時間から算出する金額(例えば、作業時間1時間あ
たりZ万円として実際の活動時間にZ万円を乗じて算出される金額)で設定されてもよい
。なお、
図8(B)の例では、目標値は、「個人活動」及び「協働活動」の2つの分類の
みで記載されているがこれに限られない。上記したとおり、「個人活動」には、例えば、
ユーザが、個人で業務に関して検討すること、個人でメール及び資料を作成すること、他
の人と対話すること、個人で作業スペースを整理整頓すること、休憩すること等の複数の
活動内容を含まれるので、「個人活動」は、複数に細分化され分類されてもよい。また、
「協働活動」にも、上記したとおり、例えば、複数のユーザが打ち合わせにおいて業務内
容を検討すること、業務の進捗に関して確認し、情報を共有すること等の複数の活動内容
を含まれるので、「協働活動」も、複数に細分化され分類されてもよい。なお、目標値は
、目標値DB57において、ユーザの識別情報と関連づけられて記録されてもよい。
【0039】
図4に戻り、情報処理部111は、機能的に、ユーザの位置を示すユーザ位置情報を取
得する情報取得部113と、ユーザ位置情報と、設備情報と、活動内容情報とに基づいて
、ユーザが所定エリアごとに実施した活動内容を特定する活動内容特定部115と、所定
期間におけるユーザの特定された活動内容の配分と、予め設定された、ユーザの所定期間
における活動内容の配分の目標値とを比較する比較部117と、比較結果を通知する通知
部119と、を備える。上記各機能の詳細については、後述する。
【0040】
なお、情報処理部111は、例えば、
図3に示すメモリ12や記録部15に格納されて
いるプログラムをCPU11が実行したりすることにより実現することができる。
【0041】
<活動管理処理>
図9及び
図10を参照して本発明の実施形態に係る活動管理処理の一例を説明する。図
9は、本発明の実施形態に係る活動管理処理の一例を示すフローチャートである。まず前
提として、
図1に示す活動管理システム100においては、本活動管理処理を実行するた
めに、設備情報データベース(DB)51と、活動内容情報DB53と、ユーザ情報DB
55と、目標値DB57と、を少なくとも参照可能に構成されている。
【0042】
(ステップS1)
図4に示す活動管理サーバ1の情報取得部113は、ユーザの位置を示すユーザ位置情
報を取得する。例えば、情報取得部113は、ユーザ端末3に搭載されているGPS機能
を用いてユーザ端末3(ユーザ)の位置情報を取得する。また、ユーザの位置情報の取得
の精度を高めるために、ユーザ端末3に搭載された地磁気センサ(コンパス等)を併用し
てもよい。なお、情報取得部113は、ユーザの位置情報として、ユーザが滞在するエリ
アを特定してもよい。また、位置情報取得手法は上記手法に限られず、以下の手法も採り
得る。
【0043】
例えば、ユーザ端末3に搭載されているBeacon受信機能(通信部16)を用いて
、ユーザの位置を特定する。具体的には、各エリアに配置されたビーコン送信装置から送
信される、ビーコン送信装置を識別するためのビーコン送信装置識別情報を含むビーコン
をユーザ端末3が受信する。ユーザ端末3は、ビーコンを受信すると、受信したビーコン
に含まれるビーコン送信装置識別情報を抽出し、活動管理サーバ1に送信する。
図3に示
す活動管理サーバ1の記録部15は、ビーコン送信装置識別情報と、ビーコン送信装置の
配置位置情報と、が予め関連付けられたビーコン情報テーブルを記録している。情報取得
部113は、取得したビーコン送信装置識別情報に基づいて、当該ビーコン情報テーブル
を参照することにより、ビーコン送信装置の配置位置、つまり、ユーザの位置情報を特定
する。
【0044】
なお、情報取得部113は、ユーザが現在滞在している位置をユーザ端末3に直接入力
することにより、ユーザの位置情報を特定してもよい。
【0045】
(ステップS3)
図4に示す活動内容特定部115は、ユーザ位置情報と、設備情報と、活動内容情報と
に基づいて、ユーザが所定エリアごとに実施した活動内容を特定する。例えば、情報取得
部113は、任意のタイミングで、又は、定期的にユーザの位置情報を1回又は2回以上
にわたり取得し、記録部15に記録している。活動内容特定部115は、情報取得部11
3が1回又は2回以上にわたり取得したユーザ位置情報に基づいて、設備情報DB51及
び活動内容情報DB53に格納されている設備情報及び活動内容情報(
図5から
図7を参
照)を参照することにより、ユーザが滞在したエリアごとに実施した活動内容を特定する
。
【0046】
(ステップS5)
比較部117は、所定期間(例えば、1日)におけるユーザの特定された活動内容の配
分と、予め設定された、ユーザの所定期間における活動内容の配分の目標値とを比較する
。所定期間は、数時間単位、数分単位であってもよく、また、複数日にわたる期間(週単
位や月単位等)であってもよい。
【0047】
図10は、本発明の実施形態に係る活動管理処理における活動内容比較結果の一例を示
す図である。
図10に示すように、通知部119は、比較部117の比較結果に基づいて
、ユーザに対して、当該ユーザの所定期間における活動内容の目標とする配分に関する情
報を通知してもよい。例えば、通知部119は、ユーザの現状の活動内容の割合(配分)
の情報を通知するとともに、例えば、協働作業を積極的に行うように要請されているユー
ザには、個人の活動時間を大幅に削減し、協働活動の時間を多くとるように促す通知をし
て、自己の活動内容の再構築を促す。
【0048】
なお、比較部117は、例えば、
図8(A)に示す職種又は役職ごとに、所定期間にお
けるユーザの特定された活動内容の配分と、予め設定された、ユーザの所定期間における
活動内容の配分の目標値とを比較してもよい。
【0049】
この構成によれば、職種又は役職ごとに、所定期間におけるユーザの特定された活動内
容の配分と、予め設定された、ユーザの所定期間における活動内容の配分の目標値との比
較結果(乖離)が把握できるので、特定の職種のユーザの活動内容の傾向、又は、特定の
役職のユーザの活動内容の傾向を測定することができる。
【0050】
以上説明した実施形態によれば、取得したユーザの現在の活動内容と、ユーザの現在の
活動内容と、理想的な活動内容と、を比較する。活動管理システム100は、ユーザに対
して、活動内容の比較結果を通知等することによって、ユーザは、自身の現在の活動内容
と、理想的な活動内容との乖離を把握することができる。このように活動管理システム1
00は、ユーザが、より理想的な活動内容となるように、現在の活動内容を再構築するこ
とを促すことを可能にする。
【0051】
(他の実施形態)
上記各実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解
釈するものではない。本発明はその趣旨を逸脱することなく、変更/改良(例えば、各実
施形態を組み合わせること、各実施形態の一部の構成を省略すること)され得るとともに
、本発明にはその等価物も含まれる。
【0052】
図4に示す情報取得部113は、GPS、地磁気センサ等の各種センサを併用してユー
ザの位置検出精度を高めることにより、例えば、会議室で一緒に会議をしている複数のユ
ーザの人数を正確に測定し、また、各ユーザを正確に把握するように構成されてもよい。
この構成によれば、ある会議において会議室にいたユーザの人数が適正であったかどうか
の確認をとることができる。例えば、定員20名の会議室で30名の会同が開催された場
合は、人数が適切ではなかったと判断することができる。なお、活動管理システム100
として「設備」の稼働率などを蓄積させる設備稼働率情報データベースを構成し、「設備
」の稼働率の情報から「活動内容」に適した、又は推奨・指定する「設備」の過不足など
の設備過不足情報を抽出するようにしてもよい。こうすることにより、ユーザが、より理
想的な活動内容となるように、設備側の再構築を促すことを可能になる。
【0053】
図4に示す活動内容特定部115は、ユーザの生体情報(例えば、体温、脈拍、血圧、
呼吸数等)、ユーザの行動情報(例えば、特定のユーザが他のユーザとコミュニケーショ
ンをした回数や合計時間等)、及び、環境情報(例えば、室温、湿度、照度、音圧、二酸
化炭素濃度、会議室の利用状況等)をさらに取得して、ユーザの活動内容をより正確に測
定してもよい。
【0054】
上記実施形態においては、
図4に示す比較部117は、あるユーザ自身の実際の活動内
容と理想的な活動内容とを比較しているが、これに限られない。例えば、比較部117は
、複数人で構成されたグループ内のあるユーザと他のユーザとの活動内容を比較してもよ
い。なお、理想的な活動内容は、例えば、優秀なユーザの活動内容の配分等を教師データ
として含んでもよい。
【0055】
上述の実施形態で活動管理サーバ1が実行している処理の少なくとも一部を、代わりに
ユーザ端末3に実装されている活動管理アプリケーションが実行するようにしてもよい。
例えば、活動管理サーバ1が備える、
図4に示す情報取得部113と、活動内容特定部1
15と、比較部117と、通知部119は、ユーザ端末3が実行してもよい。
【符号の説明】
【0056】
1…活動管理サーバ、3…ユーザ端末、11(31)…CPU、12(32)…メモリ、
13(33)…入力部、14(34)…出力部、15(35)…記録部、16(36)…
通信部、17(37)…バス、設備情報データベース…51、活動内容情報データベース
…53、ユーザ情報データベース…55、目標値データベース…57、111…情報処理
部、113…情報取得部、115…活動内容特定部、117…比較部、119…通知部