(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-27
(45)【発行日】2024-10-07
(54)【発明の名称】組織採取中の生検試料の可視化を可能にする装置
(51)【国際特許分類】
A61B 10/02 20060101AFI20240930BHJP
【FI】
A61B10/02 110J
A61B10/02 300D
A61B10/02 110K
(21)【出願番号】P 2022187210
(22)【出願日】2022-11-24
(62)【分割の表示】P 2021023338の分割
【原出願日】2017-12-01
【審査請求日】2022-11-24
(32)【優先日】2016-12-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】511148271
【氏名又は名称】デビコー・メディカル・プロダクツ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Devicor Medical Products, Inc.
【住所又は居所原語表記】5th Floor, 300 E Business Way, Cincinnati, OH 45241, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100101890
【氏名又は名称】押野 宏
(74)【代理人】
【識別番号】100098268
【氏名又は名称】永田 豊
(72)【発明者】
【氏名】ノック・アンドリュー・ポール
(72)【発明者】
【氏名】ラインバック・ジェシカ・ピー
【審査官】喜々津 徳胤
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-516652(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0231585(US,A1)
【文献】特表2012-504015(JP,A)
【文献】特表2003-534037(JP,A)
【文献】特開平01-204647(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 10/00 - 10/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)
外側ハウジングを含む、本体と、
(b)前記本体から遠位に延在する針と、
(c)前記針に対して長手方向に平行移動が可能で回転可能な中空管状カッターと、
(d)前記本体に連結された組織試料ホルダと、
(e)前記中空管状カッターの遠位端と前記組織試料ホルダとの間に配置されたゲートアセンブリであって、前記ゲートアセンブリは試料検査部材を含み、前記ゲートアセンブリは、検査のために組織試料を、前記組織試料が前記中空管状カッターから前記組織試料ホルダに移送される前に、前記試料検査部材内に停止させるように構成されている、ゲートアセンブリと、
(f)前記試料検査部材内における前記組織試料の存在
及び病態を検出するように構成されたセンサであって、前記試料検査部材の
内腔と
連通するインピーダンスセンサを含む、センサと、
(g)前記インピーダンスセンサからの信号に基づき前記組織試料の
前記病態を識別するように構成された、コントローラと、
を備える生検装置。
【請求項2】
前記試料検査部材は前記ゲートアセンブリにより停止された前記組織試料の
、目視検査
及び前記インピーダンスセンサによる病原体検出ができるように構成されている、請求項1に記載の生検装置。
【請求項3】
前記コントローラと
連通する真空源をさらに備え、前記真空源は前記組織試料ホルダに真空を適用するように構成されており、前記センサは前記コントローラと通信しており、前記コントローラは、前記センサにより前記組織試料の存在を検出することに応じて、前記真空源により前記組織試料ホルダに供給された真空を減らすように構成されている、請求項2に記載の生検装置。
【請求項4】
前記ゲートアセンブリは、ゲートシールを有するゲートを含み、前記試料検査部材及び前記ゲートシールはともに、前記ゲートシールを、前記組織試料を停止させる閉位置から、前記組織試料ホルダに適用される真空により前記組織試料を前記組織試料ホルダに向かって移動させることを可能にする開位置に移行させるために、前記本体に対して移動するように操作可能である、請求項2に記載の生検装置。
【請求項5】
前記ゲートアセンブリは、ゲートシールを有するゲートを含み、前記ゲートシールは複数の真空開口を有し、前記試料検査部材は複数の真空経路を画定し、前記ゲートシールは、前記ゲートシールの前記真空開口が前記試料検査部材の前記複数の真空経路と流体連通するように、前記試料検査部材に対して配置される、請求項2に記載の生検装置。
【請求項6】
前記組織試料が前記ゲートシールに隣接するときに、前記試料検査部材の前記真空経路は、前記ゲートシールの前記真空開口とともに、前記ゲートシールを通る流体の流れを促進するように構成されている、請求項5に記載の生検装置。
【請求項7】
前記ゲートシールは可撓性である、請求項5に記載の生検装置。
【請求項8】
前記中空管状カッターの動きを駆動するように操作可能なカッター作動アセンブリをさらに備え、前記カッター作動アセンブリはカッター駆動部材を含み、前記ゲートアセンブリはゲートシールを有するゲートを含み、前記カッター駆動部材の少なくとも一部分は前記ゲートシールを前記試料検査部材に固定するように構成されている、請求項2に記載の生検装置。
【請求項9】
前記試料検査部材は管腔を含み、前記カッター駆動部材は管腔を含み、前記試料検査部材及び前記カッター駆動部材の前記管腔はともに、前記中空管状カッターと前記組織試料ホルダとの間に延在する流体管路の一部分を画定する、請求項8に記載の生検装置。
【請求項10】
前記ゲートアセンブリはゲートを含み、前記ゲートはゲートシールを有し、前記ゲートシールは開放構成と閉鎖構成との間で移行するように構成されており、前記ゲートシールは複数の開口を含み、前記複数の開口の各々の開口は、前記ゲートシールが前記開放構成及び前記閉鎖構成のいずれにあるときも、前記ゲートシールを通る流体の連通を可能にするように構成されている、請求項1に記載の生検装置。
【請求項11】
前記生検装置は、前記組織試料ホルダから遠位に延在する移送管を更に含み、前記ゲートアセンブリは、ゲートシールを有するゲートを含み、前記移送管は、真空下で前記ゲートシールが前記移送管に対して移動する際に、前記組織試料を停止させる閉位置から、前記組織試料の前記組織試料ホルダへ向けての移動を可能にする開位置に、前記ゲートシールを移行させるように構成されている、請求項1に記載の生検装置。
【請求項12】
前記センサは光に基づくセンサを含み、前記光に基づくセンサは前記組織試料の1つ又は2つ以上の特性を検出するように構成されている、請求項1に記載の生検装置。
【請求項13】
前記ゲートアセンブリは、ゲートシールを有するゲートを含み、前記ゲートシールは、前記中空管状カッターの遠位平行移動に応じて前記ゲートシールを閉位置に移行させるように、前記本体に対して移動するように構成されており、前記ゲートシールは、前記中空管状カッターの近位平行移動に応じて開位置に移行するように、前記本体に対して移動するようにさらに構成されている、請求項1に記載の生検装置。
【請求項14】
前記ゲートアセンブリは、ゲートシールを有するゲートを含み、前記ゲートシールは試料開口部を含み、前記試料開口部を閉位置と開位置との間で移行させるように、前記本体に対して移動するように構成されている、請求項1に記載の生検装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権
本出願は、2016年12月2日に出願された「Apparatus to Allow Biopsy Sample Visualization During Tissue Removal」と題する米国仮特許出願第62/429,379号に対する優先権を主張し、この米国仮特許出願に開示されている全内容を、参照によって本明細書に援用するものである。
【背景技術】
【0002】
生検とは、がんまたは他の障の徴候を対象にした組織の検査を可能にするために、患者から組織試料を採取することである。組織試料は、様々な試料収集装置の使用を伴う多数の医療処置を用いて、様々な方法で採取することができる。例えば、生検は、開放的な処置(切開創の作成後に外科的に組織を切除すること)である場合や、経皮的処置(例えば、細針吸引、コア針生検、または真空補助生検による)である場合がある。組織試料が収集された後、組織試料は、適切な試験(組織学的なものなど)を実施するように設けられた研究室(例えば、病理学研究室、生物医学研究室など)で分析され得る。
【0003】
単なる例示的な生検装置及び生検システム構成要素が、1996年6月18日に発行された「Method and Apparatus for Automated Biopsy and Collection of Soft Tissue」と題する米国特許第5,526,822号、1999年7月27日に発行された「Apparatus for Automated Biopsy and Collection of Soft Tissue」と題する米国特許第5,928,164号、2000年7月11日に発行された「Control Apparatus for an Automated Surgical Biopsy Device」と題する米国特許第6,086,544号、2000年12月19日に発行された「Fluid Collection Apparatus for a Surgical Device」と題する米国特許第6,162,187号、2002年8月13日に発行された「Method for Using a Surgical Biopsy System with Remote Control for Selecting an Operational Mode」と題する米国特許第6,432,065号、2004年6月22日に発行された「Surgical Biopsy System with Remote Control for Selecting an Operational Mode」と題する米国特許第6,752,768号、2008年10月8日に発行された「Remote Thumbwheel for a Surgical Biopsy Device」と題する米国特許第7,442,171号、2010年12月1日に発行された「Clutch and Valving System for Tetherless Biopsy Device」と題する米国特許第7,854,706号、2011年3月29日に発行された「Surgical Biopsy System with Remote Control for Selecting an Operational Mode」と題する米国特許第7,914,464号、2011年5月10日に発行された「Vacuum Timing Algorithm for Biopsy Device」と題する米国特許第7,938,786号、2012年2月21日に発行された「Biopsy Sample Storage」と題する米国特許第8,118,755号、2012年6月26日に発行された「Tetherless Biopsy Device with Reusable Portion」と題する米国特許第8,206,316号、2012年8月14日に発行された「Biopsy Device with Rotatable Tissue Sample Holder」と題する米国特許第8,241,226号、2014年7月1日に発行された「Handheld Biopsy Device with Needle Firing」と題する米国特許第8,764,680号、2014年8月12日に発行された「Needle Assembly and Blade Assembly for Biopsy Device」と題する米国特許第8,801,742号、2015年1月20日に発行された「Access Chamber and Markers for Biopsy Device」と題する米国特許第8,938,285号、2014年10月14日に発行された「Biopsy Device with Motorized Needle Firing」と題する米国特許第8,858,465号、2016年5月3日に発行された「Biopsy Device Tissue Sample Holder with Bulk Chamber and Pathology Chamber」と題する米国特許第9,326,755号、及び2016年5月24日に発行された「Presentation of Biopsy Sample by Biopsy Device」と題する米国特許第9,345,457号に開示されている。上記の米国特許のそれぞれの開示内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0004】
更なる例示的な周知の生検装置及び生検システム構成要素が、2006年4月6日に公開され、現在は放棄されている「Biopsy Apparatus and Method」と題する米国特許公開第2006/0074345号、2009年5月21日に公開され、現在は放棄されている「Graphical User Interface For Biopsy System Control Module」と題する米国特許公開第2009/0131821号、2010年6月24日に公開された「Biopsy Device with Central Thumbwheel」と題する米国特許公開第2010/0160819号、及び2013年12月5日に公開され、現在は放棄されている「Control for Biopsy Device」と題する米国特許公開第2013/0324882号に開示されている。上記の米国特許出願公開、米国非仮特許出願、及び米国仮特許出願のそれぞれの開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0005】
生検試料を採取し、処理する目的で、いくつかのシステムや方法が作製され、使用されているが、本発明者より前に、添付の特許請求の範囲に記載されている発明を作製し、または使用している者はいなかったと考えられる。
【0006】
本明細書は、本技術を特定して指摘し明確に請求する請求項で完結しているが、本技術は、いくつかの例の以下の説明を、添付図面と併せ読むことにより、より良好に理解されると考えられる。図面では、類似の参照番号が同一の要素を特定する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図2】
図1の生検装置の組織試料取得アセンブリの斜視図である。
【
図3】
図2の組織取得アセンブリの針の分解斜視図である。
【
図4】
図2の4-4線に沿った断面である、
図3の針の横断面図である。
【
図5】
図2の試料取得アセンブリのカッター作動アセンブリの斜視図である。
【
図6】
図5のカッター作動アセンブリの分解斜視図である。
【
図7】
図2の試料取得アセンブリのゲートアセンブリの斜視図である。
【
図8】
図7のゲートアセンブリの分解斜視図である。
【
図9】
図8の9-9線に沿った断面である、
図7のゲートアセンブリの試料検査部材の斜視断面図である。
【
図10】
図8の10-10線に沿った断面である、
図5のカッター作動アセンブリのカッター駆動部材の斜視断面図である。
【
図11】ゲートアセンブリが閉位置にある状態での、
図7の11-11線に沿った断面である、
図7のゲートアセンブリの断面図である。
【
図12】カッターが遠位位置にあり、側方開口部が閉鎖構成にある状態での、
図2の4-4線に沿った断面である、
図3の針の別の横断面図である。
【
図13】カッター作動アセンブリが遠位位置にあり、ゲートアセンブリが閉位置にある状態での、
図2の試料取得アセンブリの別の斜視図である。
【
図14】カッターが中間位置にある状態での、
図2の4-4線に沿った断面である、
図3の針の更に別の横断面図である。
【
図15】カッター作動アセンブリが中間位置にある状態での、
図2の試料取得アセンブリの更に別の斜視図である。
【
図16】カッターが近位位置にあり、側方開口部が開放構成にある状態での、
図2の4-4線に沿った断面である、
図3の針の更に別の横断面図である。
【
図17】カッター作動アセンブリが近位位置にあり、ゲートアセンブリが開位置にある状態での、
図2の試料取得アセンブリの更に別の斜視図である。
【
図18】ゲートアセンブリが開位置にある状態での、
図7の11-11線に沿った断面である、
図7のゲートアセンブリの別の横断面図である。
【
図21】
図20のプローブのカッター作動アセンブリの斜視分解図である。
【
図22】
図21のカッター作動アセンブリの並進部材の斜視図である。
【
図23】
図21のカッター作動アセンブリの駆動歯車の斜視図である。
【
図25】
図21のカッター作動アセンブリの部分斜視図である。
【
図26】Aは、カッター作動アセンブリが近位位置にある状態での、
図21のカッター作動アセンブリの斜視図である。Bは、カッター作動アセンブリが遠位位置にある状態での、
図21のカッター作動アセンブリの別の斜視図である。
【
図27】Aは、カッター作動アセンブリが近位位置にある状態での、
図20のプローブの別の斜視切開図である。Bは、カッター作動アセンブリが遠位位置にある状態での、
図20のプローブの更に別の斜視切開図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図面は決して限定することを意図したものではなく、本技術の様々な実施形態が、必ずしも図面に描かれていないものを含め、様々な他の方法で実施し得ることが企図されている。本明細書に組み込まれ、その一部を構成する添付の図面は、本技術のいくつかの態様を例示し、その記述と共に本技術の原理を説明するのに役立つ。ただし、本技術は、提示される厳密な構成に限定されないものと解される。
【0009】
本技術のある特定の例の以下の記述は、その範囲を限定するために利用されるべきではない。本技術の他の例、特徴、態様、実施形態、及び有利な点は、例証として、本技術を実施するに当たって企図される最良のモードの1つである以下の記述から、当業者に明らかになるであろう。以下の記載から分かるように、本明細書に記載されている技術は、その技術から一切逸脱することなく、他の様々な自明の態様が可能である。したがって、図面及び記述は、例示的な性質のものとみなされるべきであり、限定的なものではない。
【0010】
I.例示的な生検装置
図1は、いくつかの例では真空制御モジュール(図示せず)を含む乳房生検システムで使用することができる例示的な生検装置(10)を示す。本例の生検装置(10)は、プローブ(100)及びホルスタ(200)を備える。針(110)がプローブ(100)から遠位に延在し、針(100)は、患者の組織に挿入されて組織試料を採取する。このような組織試料は、以下に更に詳細に説明するように、プローブ(100)の近位端の組織試料ホルダ(300)に蓄積される。
【0011】
本例のホルスタ(200)は、プローブ(100)内の様々な構成要素を作動させるために、プローブ(100)に選択的に取り付け可能である。本構成では、ホルスタ(200)は再利用可能な構成要素であり、プローブ(100)及び組織試料ホルダ(300)は使い捨てである。本明細書での「ホルスタ」という用語の使用は、プローブ(100)のいずれかの部分が、ホルスタ(200)のいずれかの部分に挿入される必要があると解釈されるべきではないことが理解されるべきである。例えば本例では、ホルスタ(200)は、プローブ(100)をホルスタ(200)に解放可能なように固定するために、プローブ(100)によって受けられる1組のプロング(図示せず)または他の保持機構を含む。プローブ(100)はまた、プロングを外すために内方に押圧することができる1組の弾性タブ(図示せず)または他の適切な解放機構を含み、その結果、ユーザは、両方のタブを同時に押し下げ、次にプローブ(100)を後方にかつホルスタ(200)から離れる方向に引っ張って、プローブ(100)をホルスタ(200)から分離することができる。当然ながら、プローブ(100)とホルスタ(200)との取り外し可能な連結を実現するために、他の様々なタイプの構造、構成要素、機構など(例えば、バヨネットマウント、ラッチ、クランプ、クリップ、スナップフィットなど)を使用してもよい。更に、いくつかの生検装置(10)では、プローブ(100)及びホルスタ(200)は、単一構造または一体構造であってもよく、したがってこの2つの構成要素を分離することができない。単なる例示として、プローブ(100)及びホルスタ(200)が分離可能な構成要素として提供される形式においては、プローブ(100)が使い捨て構成要素として提供されてもよく、一方ホルスタ(200)が再使用可能な構成要素として提供されてもよい。プローブ(100)とホルスタ(200)との間の更に他の適切な構造的関係及び機能的関係が、本明細書の教示を考慮したうえで、当業者には明らかであろう。
【0012】
生検装置(10)のいくつかの変形形態は、プローブ(100)及び/またはホルスタ(200)内に、プローブ(100)がホルスタ(200)と連結されるときにこれを検出するように構成された1つまたは複数のセンサ(図示せず)を含み得る。更に、そのようなセンサまたは他の機構は、ある特定のタイプのプローブ(100)及びホルスタ(200)のみが、互いに連結されることを可能にするように構成されてもよい。加えて、または代替として、そのようなセンサは、適切なプローブ(100)及びホルスタ(200)が互いに連結されるまで、プローブ(100)及び/またはホルスタ(200)の1つまたは複数の機能を無効にするように構成されてもよい。単なる説明のための一例では、プローブ(100)は、プローブ(100)がホルスタ(200)と連結されたときに、ホルスタ(200)内のホール効果センサ(図示せず)または他の種類のセンサによって検出される磁石(図示せず)を含む。更に別の単なる説明のための例として、プローブ(100)とホルスタ(200)との連結は、導電性表面間または電極間の物理的接触を使用して、RFID技術を使用して、及び/または本明細書の教示を考慮したうえで当業者には明らかであろう他の数多くの方法で、検出してもよい。当然ながら、そのようなセンサ及び機構は、必要に応じて変更または省略してもよい。
【0013】
本例の生検装置(10)は、手持ち使用のために構成され、超音波ガイド下で使用される。当然ながら、生検装置(10)は、その代わりに、定位ガイド下、MRIガイド下、PEMガイド下、BSGIガイド下、または別様に使用されてもよい。生検装置(10)は、使用者が片手で生検装置(10)を操作できるように、所定の大きさに作られ、構成され得ることも理解されるべきである。具体的には、使用者は、全て片手を使うだけで、生検装置(10)を把持し、針(110)を患者の乳房に挿入し、患者の乳房内から1つまたは複数の組織試料を収集することができる。あるいは、使用者は、複数の手で、及び/または何らかの望ましい補助を伴って、生検装置(10)を把持してもよい。更に他の例では、生検装置(10)は、手持ち操作せずに、テーブルまたは他の固定具に固定されるように構成してもよい。
【0014】
状況によっては、生検装置(10)が手持ち式であるか固定具に取り付けられているかにかかわらず、ユーザは、患者の乳房への針(110)の1回の挿入で複数の組織試料を取得することができる。そのような組織試料は、組織試料ホルダ(300)に蓄積され、後で分析のために組織試料ホルダ(300)から回収され得る。本明細書で説明されている例は、患者の乳房からの生検試料の取得に言及することが多いが、生検装置(10)は、他の様々な目的のための他の様々な処置において、及び患者の解剖学的構造の他の様々な部分(例えば、前立腺、甲状腺など)において、使用され得ることが理解されるべきである。生検装置(10)の様々な例示的な構成要素、機能、構成、及び操作性が、以下では更に詳細に説明される。しかし、他の適切な構成要素、機能、構成、及び操作性が、本明細書の教示を考慮したうえで当業者には明らかであろう。
【0015】
本例のホルスタ(200)は、ホルスタ(200)の内部構成要素を少なくとも部分的に取り囲むように構成された外側ハウジング(210)を含む。図示していないが、本例のホルスタ(200)は、プローブの様々な構成要素を駆動するように構成されている1つまたは複数のモータ及び/または他のアクチュエータを含むことが理解されるべきである。力または動きをプローブ(100)に伝達するために、ホルスタ(200)は、1つまたは複数の歯車を含み得る。例えば、いくつかの例では、1つまたは複数の歯車は、少なくとも部分的に外側ハウジング(210)の開口を通って延在している。外側ハウジング(210)の開口は、プローブ(100)に付属した対応する開口と整列して、それによって1つまたは複数のホルスタ(200)の歯車が、1つまたは複数の対応するプローブ(100)の歯車と噛み合うことを可能にするように構成され得る。
【0016】
図示していないが、ホルスタ(200)はまた、ホルスタ(200)を制御モジュールまたは別の制御機構に連結するように構成されている様々なケーブルを含み得ることが理解されるべきである。好適なケーブルとしては、電気ケーブル、回転駆動ケーブル、空気圧ケーブル、またはこれらのいくつかの組合せがあり得る。したがって、いくつかの例では、ホルスタ(200)内の内部構成要素は、電力(電気ケーブル)、回転力(回転駆動ケーブル)、及び/または空気圧力(空気圧ケーブル)によって動力が供給され得ることを理解されるべきである。あるいは、いくつかの例では、ケーブルは完全に除かれ、ホルスタ(200)はモータで電池駆動され得、真空ポンプは完全にホルスタ(200)内に収容される。
【0017】
上記のように、本例のホルスタ(200)は再利用可能部分として構成され、一方プローブ(100)は使い捨て部分として構成されている。いくつかの状況では、生検処置の間中に、再利用可能な構成要素の無菌性を維持することが望まれ得る。したがって、場合によっては、ホルスタ(200)の機能性を維持しながらも、ホルスタ(200)の無菌性を維持するために、ある特定の機構と関連付けてホルスタ(200)を使用することが望ましい場合がある。ホルスタ(200)の無菌性を維持するための単なる例示的な機構及び方法が、本願と同日に出願された「Functional Cover for Biopsy Device」と題する米国特許第(代理人整理番号LEI20010-SO-US.0642284)号に示され、説明されており、この米国特許の開示内容は、参照によって本明細書に援用される。
【0018】
本例のプローブ(100)は、患者の組織に挿入されて組織試料を採取する、プローブ(100)から遠位に延在する針(110)を含む。このような組織試料は、プローブ(100)の近位端にある組織試料ホルダ(300)に蓄積される。いくつかの例では、真空制御モジュール(図示せず)が、プローブ(100)への真空、食塩水、大気、及び排出を選択的に提供するよう機能するバルブアセンブリ(図示せず)及びチューブ(図示せず)を介して、プローブ(100)と連結される。単なる例示として、本例のバルブアセンブリの内部構成要素は、開示が参照により本明細書に組み込まれる、2013年8月22日に公開された「Biopsy Device Valve Assembly」と題する米国特許公開第2013/0218047号に記載されるように構成及び配置されてもよい。
【0019】
ホルスタ(200)について先に述べたように、ホルスタ(200)が動力を供給するか、または別の方法でプローブ(100)を作動させることができるように、プローブ(100)はホルスタ(200)に選択的に連結可能である。具体的には、プローブ(100)は、ホルスタ(200)を受けるように構成されたホルスタ受け部分(104)を含む外側ハウジング(102)を含む。いくつかの例では、ホルスタ受け部分(104)は、ホルスタ(200)の対応する開口と整列するように構成されている開口を含む。1つまたは複数の駆動歯車(540)が、外側ハウジング(102)の開口を通して露出し、プローブ(100)のカッター作動機構を駆動する働きをする。プローブ(100)とホルスタ(200)とが互いに連結されると、プローブ(100)の1つまたは複数の駆動歯車(540)は、ホルスタ(200)の1つまたは複数の歯車と噛み合う。したがって、ホルスタ(200)は、プローブ(100)及びホルスタ(200)の歯車を介して、機械的動力を提供するかまたは別の方法でプローブ(100)内の構成要素の運動を駆動することができる。
【0020】
プローブ(100)の外側ハウジング(102)は更に、外側ハウジング(102)の遠位端に隣接して、外側ハウジング(102)の外側に遠位に配置された試料窓(140)を画定する。いくつかの例では、試料が針(110)によって収集されるときに、操作者が試料を見て確認することが望ましい場合がある。例えば、以下に更に詳細に説明するように、本例では組織試料ホルダ(300)は、組織試料を一括構成で収集するように構成される。組織試料収集のこの構成は、組織試料容量を増大することができるが、複数の組織試料が共通の空間内に混合されるため、個々の組織試料を視覚化する能力は低下し得る。したがって、試料窓(140)は、個々の組織試料が針(110)を介して収集されるときに、操作者が個々の組織試料を視覚化することを可能にするように構成される。以下に更に詳細に説明するように、切断された組織試料を組織試料ホルダ(300)に輸送する前に、操作者が、試料窓(140)により、切断された組織試料を目視検査することが可能となる。
【0021】
本例の針(110)は、穿孔先端(112)を有するカニューレ(113)と、先端(112)の近位に位置する側方開口部(114)とを備える。組織穿孔先端(112)は、大きな力を必要とせず、先端(112)を挿入する前に開口を組織に予め形成する必要なしに、組織に刺し通し、貫入するように構成される。あるいは、必要に応じて、先端(112)は、とがっていなくてもよい(例えば、丸みを帯びた、平らな、等)。単なる例示として、先端(112)は、開示が参照により本明細書に組み込まれる、2011年6月1日に出願された「Needle Assembly and Blade Assembly for Biopsy Device」と題する米国特許第8,801,742号の教示のうちのいずれかに従って構成されてもよい。別の単なる説明のための例として、先端(112)は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2013年6月6日に公開され、2016年11月8日に米国特許第9,486,186号として発行されることになる、「Biopsy Device with Slide-In Probe」と題する米国特許公開第2013/0144188号の教示の少なくともいくつかに従って構成されてもよい。先端(112)に使用され得る他の好適な構成は、本明細書の教示を考慮したうえで当業者には明らかであろう。
【0022】
側方開口部(114)は、装置(10)の動作中に脱出した組織を収容するような大きさである。鋭い遠位縁端(132)を有する中空管状カッター(130)が、針(110)内に配置されている。カッター(130)は、針(110)に対して側方開口部(114)を通り越して回転及び並進して、側方開口部(114)を通って突き出ている組織から組織試料を切断するよう機能する。例えば、カッター(130)を、伸長位置から後退位置へと移動させることができ、それによって側方開口部(114)を「開」いて、組織がそこを通って突き出ることを可能にし、次に、後退位置から伸長位置に戻して、突出した組織を切断する。
【0023】
いくつかの例では、針(110)を回転させて、側方開口部(114)を針(110)の長手方向軸の周りの複数の所望の角度位置に向けることが望まれる場合がある。本例では、針(110)を、プローブ(100)またはホルスタ(200)に配置したモータによって回転させることができる。他の例では、針(110)は、プローブ(100)上のサムホイールか、または針(110)上に直接覆いかぶせた針ハブによって、手動で回転可能である。いずれにしても、本明細書に記載の他の構成要素と同様に、針(110)を様々な方法で変更、修正、置換、または補足することができることも理解されるべきである。そして、針(110)が、様々な代替の機構、構成要素、構成、及び機能性を有し得ることも理解されるべきである。例えば、針(110)を、開示が参照により本明細書に組み込まれる、2016年5月24日に発行された米国特許第9,345,457号の教示に従って、及び/または本明細書に引用される他の任意の参考文献の教示に従って作成してもよい。
【0024】
組織試料ホルダ(300)は、プローブ(100)の近位端に選択的に連結可能である。本例では、組織試料ホルダ(300)は、様々な組織試料収集構成で複数の組織試料を収容するように構成されている。ほんの一例として、好適な組織収集構成には、一括組織試料収集構成及び/または個別試料収集構成が含まれ得る。一括試料収集構成では、取得された組織試料は、1つまたは複数の組織試料収集チャンバ内で混合される。対照的に、個別試料収集構成では、組織試料は、個別の試料区画に隔離される。組織試料ホルダ(300)は、一括試料収集または個別試料収集向けに専用に構成され得る例もあれば、更に、両方の組織試料収集構成が単一の組織試料ホルダ(300)内で組み合わされ得る例もあることが理解されるべきである。組織試料ホルダの単なる例示的な構成が、2016年10月28日に出願された「Tissue Sample Holder with Bulk Tissue Collection Feature」と題する国際特許出願第PCT/US2016/059411号、及び本願と同日に出願された「Multi-Chamber Tissue Sample Cup for Biopsy Device」と題する米国特許第(代理人整理番号LEI20007-SO-US.0642286)号に示され、説明されている。これらの開示内容は、参照によって本明細書に援用される。
【0025】
II.例示的な組織取得アセンブリ
図2に最も分かりやすく示すように、プローブ(100)は、組織取得アセンブリ(400)を更に含む。図に示すように、組織取得アセンブリ(400)は、針(110)、カッター(130)、カッター作動アセンブリ(500)、及びゲートアセンブリ(600)を備える。上記のように、針(110)は、カニューレ(113)及び組織穿孔先端(112)を備える。本例のカニューレ(113)は、その内部に内腔を画定し、カニューレ(113)が、カニューレ(113)の内腔内に同軸にカッター(130)を受け入れる構成となるようにして、略円形の断面形状を備える。組織穿孔先端(112)は、カニューレ(113)の遠位端に固定されている。本例では、組織穿孔先端(112)は、組織穿孔先端(112)の尖端を共に画定する複数の切子面を形成するように研削された中実の均質な材料片である。本例の組織穿孔先端(112)は、単一パーツとして示されているが、他の例では組織穿孔先端(112)は、複数パーツのアセンブリを備えることが理解されるべきである。組織穿孔先端(112)の単なる例示的な代替の構成が、2014年8月12日に発行された「Needle Assembly and Blade Assembly for Biopsy Device」と題する米国特許第8,801,742号に示され、説明されており、この米国特許の開示内容は、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0026】
図3及び
図4から最も良く分かるように、針(110)は、カニューレ(113)の遠位端に固定されたマニホールド(116)を更に含む。マニホールド(116)は、概して、流体をカニューレ(113)の内腔に向かわせるように構成される。マニホールド(116)は、ポート(118)と、ポート(118)と連通する内腔(120)とを含む。図示していないが、管または弁のアセンブリをポート(118)に接続して、流体を内腔(120)に流通させることができることを理解されるべきである。内腔(120)は、マニホールド(116)を通って、カッター(130)の内腔と連通するように延在する。したがって、カニューレ(113)の内腔に流体を流通させるために、流体がポート(118)に向けられて内腔(120)に導かれ得ることを理解されるべきである。使用の際には、任意の好適な流体をマニホールド(116)に連通させてもよい。例えば、いくつかの例では、マニホールド(116)が、カニューレ(113)の内腔に大気を供給するために使用される。そのような例では、組織試料の両側に圧力差を設けることによって、カッター(130)を通過させる組織試料の輸送を促進するには、大気が望ましい場合がある。更に、いくつかの例では、マニホールド(116)が、生検手順を補助するために、真空及び/または生理食塩水を供給するように使用される。
【0027】
カッター作動アセンブリ(500)を、
図5及び
図6に、更に詳細に示す。図に示すように、カッター作動アセンブリは、カッター駆動部材(502)、並進部材(530)、駆動歯車(540)、及び移送管(560)を備える。カッター駆動部材(502)は、ゲート部(504)及び駆動部(520)を備える。以下に更に詳細に説明するように、ゲート部(504)の少なくとも一部分は、概して、ゲートアセンブリ(600)の少なくとも一部分に連結して、カッター駆動部材(502)の回転運動及び並進運動をゲートアセンブリ(600)に伝達するように構成される。同様に以下に更に詳細に説明するように、ゲートアセンブリ(600)の少なくとも一部分は、ゲートアセンブリ(600)の回転運動及び並進運動をカッター(130)に伝達するように、カッター(130)に連結される。したがって、ゲート部(504)の少なくとも一部分とゲートアセンブリ(600)の少なくとも一部分との間の連結を介して、カッター駆動部材(502)の回転及び並進が、カッター(130)の対応する回転及び並進をもたらすことが理解されるべきである。
【0028】
カッター駆動部材(502)の駆動部(520)は、ネジ付き部(522)と、ネジ付き部(522)を通ってカッター駆動部材(502)に沿って軸方向に延在する軸方向溝(528)とを備える。ネジ付き部(522)は、遠位非ピッチ帯(524)と近位非ピッチ帯(526)との間に配置されている。以下に更に詳細に説明するように、ネジ付き部(522)は、概して、並進部材(530)と係合して、カッター駆動部材(502)を平行移動させるように構成されている。同様に、軸方向溝(528)が駆動歯車(540)と係合して、カッター駆動部材(502)を回転させるように構成されている。同様に以下に更に詳細に説明するように、各非ピッチ帯(524、526)は、カッター駆動部材(502)が平行移動することなく、カッター駆動部材(502)が回転することを可能にするように構成されている。
【0029】
図6に最も分かりやすく示すように、並進部材(530)は、円筒体(532)を備える。円筒体(532)は、これを通って軸方向に延在する穴(534)を画定して、概して中空である。穴(534)の内側には、カッター駆動部材(502)のネジ付き部(522)と係合するように構成されている複数のネジ山(536)が含まれる。以下に更に詳細に説明するように、並進部材(530)のネジ山(536)とカッター駆動部材(502)のネジ付き部(522)との間の係合は、概して、カッター駆動部材(502)の回転に応じてカッター駆動部材(502)の平行移動を生じさせるように構成されている。
【0030】
並進部材(530)は、本体(532)から下方に延在するキー機構(538)を更に備える。キー機構(538)は、プローブ(100)の外側ハウジング(102)の少なくとも一部分における範囲内に受け入れられるように構成されている。この構成は、並進部材(530)をプローブ(100)に対して軸方向に固定し、かつ回転可能に固定する。したがって、キー機構(538)は、並進部材(530)のための機械的接地として働くことが理解されるべきである。以下に更に詳細に説明するように、この構成により、並進部材(530)が、カッター駆動部材(502)の回転時に、プローブ(100)に対するカッター駆動部材(502)の平行移動を駆動できるようになる。
【0031】
駆動歯車(540)は、カッター駆動部材(502)の外径周りに合うように構成されている円筒体(502)を備える。駆動歯車(540)の円筒体(542)は、これを通って軸方向に延在する穴(544)を画定して、概して中空である。穴(544)の内側には、穴(544)の中心に向かって半径方向内向きに延在する一対のキー(546)が含まれる。以下に更に詳細に説明するように、各キー(546)は、カッター駆動部材(502)の軸方向溝(528)と係合するように構成されている。図示していないが、カッター駆動部材(502)は、両方のキー(546)が、対応する軸方向溝(528)内に受け入れられるように、カッター駆動部材(502)の反対側に、もう1つの実質的に同じ軸方向溝(528)を含むことが理解されるべきである。当然のことながら、この構成は、駆動歯車(540)の回転に応じて、駆動歯車(540)が、カッター駆動部材(502)を回転させるようにする。
【0032】
駆動歯車(540)は、円筒体(542)の外面から外側に延在する複数の歯(548)を更に備える。歯(548)は、ホルスタ(200)内の歯車(図示せず)の対応する歯(図示せず)と係合するように構成されている。図示していないが、駆動歯車(540)の少なくとも一部分が、プローブ(100)の外側ハウジング(102)の開口を通って延在して、駆動歯車(540)とホルスタ(200)の対応する歯車との間の係合を可能にすることが理解されるべきである。以下に更に詳細に説明するように、ホルスタ(200)の歯車を介した駆動歯車(540)の回転が、全体として、カッター駆動部材(502)の回転を生じさせるように構成される。当然のことながら、カッター駆動部材(502)のこの回転は、並進部材(530)を介したカッター駆動部材(502)の同時平行移動を更にもたらす。
【0033】
移送管(560)が、カッター駆動部材(502)から組織試料ホルダ(300)へと延在して、カッター駆動部材(502)から組織試料ホルダ(300)へ組織試料を伝えることを可能にする。内腔(562)が移送管(560)内に画定されている。対応する内腔(503)が、カッター駆動部材(502)を通って延在する。したがって、移送管(560)の内腔(562)とカッター駆動部材(502)の内腔(503)とは、組織試料が組織試料ホルダ(300)に向かってカッター駆動部材(502)及び移送管(560)を流れる連続的な経路を共に画定することが理解されるべきである。以下に更に詳細に説明するように、組織試料は、概して、カッター(130)を通ってゲートアセンブリ(600)に流れ込み、次いでカッター駆動部材(502)及び移送管(560)を通過してから、最終的に組織試料ホルダ(300)内に蓄積される。したがって、移送管(560)の内腔(562)とカッター駆動部材(502)の内腔(503)との両方は、カッター(130)の内部と流体連通していることが理解されるべきである。
【0034】
ゲートアセンブリ(600)を、
図7~
図11に更に詳細に示す。以下に更に詳細に説明するように、ゲートアセンブリ(600)は、概して、プローブ(100)の試料窓(140)を通して目視検査するために、組織試料の進行を一時的に停止するように構成されている。ゲートアセンブリ(600)は、試料検査部材(602)と、継ぎ輪(620)と、試料検査部材(602)とカッター作動アセンブリ(500)のカッター駆動部材(502)との間に配置されたゲートシール(630)とを備える。試料検査部材(602)は、検査部(604)または検査窓とゲート部(610)とを備える。検査部は、概して、内腔(606)が試料検査部材(602)を通って軸方向に延在した細長い管として構成される。本例の試料検査部材(602)は、実質的に透明な材料で構成される。したがって、内腔(606)の内部は、検査部(604)を通して目視可能であることが理解されるべきである。以下に更に詳細に説明するように、この透明な構成は、試料検査部材(602)の検査部(604)内に組織試料が収容され、一時的に保管されるときに、操作者が、組織試料を目視検査できるようにする。
【0035】
図7に見られるように、試料検査部材(602)の検査部(604)には、センサ(605)が備わっている。センサ(605)は、インピーダンスに基づくセンサ、光に基づくセンサ、ドップラ効果センサ、及び/またはその他の、様々なセンサを備え得る。図示していないが、センサ(605)は、生検装置(10)の制御モジュールまたは他の制御機構(例えばホルスタ(200)に組み込まれた回路)と通信できることが理解されるべきである。本例ではセンサ(605)は、概して、試料検査部材(602)内に収容される組織試料の存在を検出するために、内腔(606)と連通している。いくつかの例では、センサ(605)は、インピーダンスに基づく検出機構を介して、病原体などの組織試料のある特定の特性を検出するように、更に構成されてもよい。いずれにしても、試料検査部材(602)内で組織試料の存在が検出される際に、センサ(605)からのデータを用いて、生検装置(10)の動作状態を変更することができる。例えば、ある例では、生検装置(10)内に設置されるか、または生検装置(10)に付属する制御回路が、試料検査部材(602)の中を通る真空の流れを停止または減少させることができる。
【0036】
本例のセンサ(605)は、検査部(604)に付属しているものとして示しているが、他の例ではセンサ(605)を、生検装置(10)の他の構成要素に付属させてもよいことが理解されるべきである。例えば、本明細書に記載されているように、検査部(604)は、概して、動作中に様々な段階で回転する。したがって、センサ(605)の検査部(604)への組込みには、センサ(605)を生検装置(10)の制御モジュールまたは他の制御機構に連結することに伴って、いくつかの問題が生じる可能性がある。それゆえに、他の例では、センサ(605)を、ある特定の静止要素に組み込むことが望ましい場合がある。いくつかの例では、この構成は、センサ(605)をプローブ(100)の外側ハウジング(102)に組み込むことによって構築してもよい。このような構成においては、検査部(604)に対して様々な位置にセンサ(605)を設置することができる。例えば、ある例ではセンサ(605)は、試料窓(140)内で検査部(604)の近傍に配置されてもよい。他の例では、センサ(605)は、検査部(604)の遠位側であるが、外側ハウジング(102)とカニューレ(113)及び針(110)との間の接合部分の近位側である外側ハウジング(102)の内部に配置されてもよい。当然ながら、本明細書の教示に鑑みて当業者には明らかなように、センサ(605)の配置に関係する様々な他の例を使用してもよい。
【0037】
図7から、また分かるように、試料検査部材(602)の検査部(604)には、更に、アクセス窓(608)が備わっている。アクセス窓(608)は、概して、試料検査部材(602)の内部にアクセスできるように構成されている。例えば、アクセス窓(608)は、検査部材(602)の内部に選択的にアクセスできるように構成されている開き戸または他の装置を含んでもよい。状況によっては、このことは、操作者が、試料検査部材(602)から組織試料を取り出すのに好ましい場合がある。例えば、一部の操作者は、組織試料の病態を示唆し得る何らかの触覚フィードバックを得るために、組織試料の感触を調べ、または触診することを望み得る。したがって、一部の操作者は、試料検査部材(602)を通して試料を単に目視検査するのではなく、試料検査部材(602)から組織試料を取り出すことを望む場合がある。本例の検査部(604)は、アクセス窓(608)を含むように示しているが、他の例ではアクセス窓(608)は、他の構成要素上に配置されてもよく、または複数の構成要素に付属させてもよい。あるいは、他の例では、アクセス窓(608)を完全に省いてもよい。
【0038】
図9に最も分かりやすく示すように、試料検査部材(602)のゲート部(610)は、外側円筒壁(612)及びテーパ壁(616)を備える。外側円筒壁(612)は、概して中空であり、検査部(604)の直径に比べて概して大きな直径を備える。したがって、検査部(604)の内腔(606)がゲート部(610)に進入するにつれて、内腔(606)の直径は、円筒壁(612)の拡大された直径に対応して大きくなる。
【0039】
円筒壁(612)の外側は、ネジ山(614)を備える。ネジ山(614)は、円筒壁(612)の外面から外側に延在する。以下に更に詳細に説明するように、ネジ山(614)は、概して、継ぎ輪(620)の少なくとも一部分と係合して、試料検査部材(602)を継ぎ輪(620)に固定するように構成されている。
【0040】
円筒壁(612)は、円筒壁(612)の近位端に配置された少なくとも1つの位置決め機構(613)を更に備える。位置決め機構(613)は、カッター駆動部材(502)の少なくとも一部分を受け入れるように構成されている。以下に更に詳細に説明するように、位置決め機構(613)内にカッター駆動部材(502)の少なくとも一部分を受け入れることにより、試料検査部材(602)に対してカッター駆動部材(502)が回転運動しないよう固定する。したがって、使用中、カッター駆動部材(502)は、試料検査部材(602)に回転運動を伝達するように構成されていることが理解されるべきである。これは次に、カッター(130)に回転運動を伝達する。
【0041】
円筒壁(612)の拡大された直径のために、検査部(604)と円筒壁(612)との間にはテーパ壁(616)が配置される。したがって、テーパ壁(616)は、検査部(604)から円筒壁(612)への直径の移行に対応するように、略円錐台状の内形及び外形を形づくる。
【0042】
テーパ壁(616)の内部は、複数の真空経路(618)及び内側フランジ(619)を画定する。以下に更に詳細に説明するように、真空経路(618)は、概して、組織試料がゲートシール(630)に隣接した状態でも、真空がゲートシール(630)を通過できるように構成されている。この構成は、ゲートシール(630)の両側に圧力差が生じるのを防ぐ。内側フランジ(619)は、ゲートシール(630)の少なくとも一部分を受け入れるように構成されている。以下に更に詳細に説明するように、ゲートシール(630)は、内側フランジ(619)とカッター駆動部材(502)の少なくとも一部分との間の圧縮により、定位置に保持される。
【0043】
図8に最も分かりやすく示すように、継ぎ輪(620)は、本体(622)を貫いて軸方向に穴(626)が延在したリング状本体(622)を備える。穴(626)の内側に、複数のネジ山(628)及び環(629)が備わっている。ネジ山(628)は、試料検査部材(602)の対応するネジ山(614)と係合して、試料検査部材(602)を継ぎ輪(620)に固定するように構成される。同様に、また以下に更に詳細に説明するように、環(629)は、カッター駆動機構(502)の少なくとも一部分と係合して、カッター駆動機構(502)を継ぎ輪(620)に軸方向に固定するように構成される。
【0044】
本体(622)の外側には、本体(622)の外面に凹設された複数のグリップ機構(624)が備わっている。グリップ機構(624)は、概して、継ぎ輪(620)上の操作者の握りと係合するように構成される。以下に更に詳細に説明するように、状況次第で、試料検査部材(602)に対して手動で継ぎ輪(620)を回転させることが望ましい場合がある。したがって、グリップ機構(624)は、操作者が、継ぎ輪(620)を試料検査部材(602)に対して回転させる能力を増強する。グリップ機構(624)を細長い溝の列として示しているが、本明細書の教示に鑑みて当業者には明らかなように、他の例では、他のいかなるグリップ機構を使用してもよいことが理解されるべきである。
【0045】
ゲートシール(630)は、
図8に最も分かりやすく示される。図に示すように、ゲートシール(630)は、略コイン形状の部片を備える。ゲートシール(630)は、概して、組織試料がゲートシール(630)を通り越して進行するのを選択的に阻止するために、選択的に開閉するように構成されている。したがって、ゲートシール(630)は、概して、目視検査のために試料検査部材(602)内に所与の組織試料を保持するように機能することが理解されるべきである。ゲートシール(630)は、複数の真空開口(632)とゲートスリット(634)とを備える。真空開口(632)は、組織試料がゲートシール(630)に対して隣接して配置される場合でも、概して妨げられることなく、真空がゲートシール(630)を通り抜けることが可能になるように構成されている。図示していないが、いくつかの例ではゲートシール(630)は、ゲートシール(630)と隣接組織試料との間にある程度の間隔を保つために、突起や他の構造的特徴を含む場合もあることが理解されるべきである。
【0046】
ゲートスリット(634)は、ある真空開口(632)から、ゲートシール(630)の反対側の別の真空開口(632)まで、ゲートシール(630)を貫いて延在しているスリットを備える。スリット(634)は、
図8では本質的に線として表されているが、ゲートシール(630)は、閉位置(
図8に示す位置)から開位置に移行するために、概して、ゲートスリット(634)のところで分離可能であることが理解されるべきである。ゲートスリット(634)の開閉を可能にするために、ゲートシールは、概して、ゴム、シリコン、ラテックスなどの可撓性エラストマ材料で構成される。ゲートシール(630)は性質上、概して可撓性を有するが、ゲートシール(630)はまた、
図8に示す閉位置へ向けてゲートシール(630)を弾性的に付勢するために、ある程度の限定的な剛性を有することが理解されるべきである。
【0047】
上記のように、カッター駆動部材(502)は、ゲート部(504)を含む。ゲート部(504)は、
図10に最も分かりやすく示される。以下に更に詳細に説明するように、カッター駆動部材(502)のゲート部(504)は、概して、カッター駆動部材(502)と試料検査部材(602)との間の位置にゲートシール(630)を保持するために、試料検査部材(602)の内側フランジ(619)に隣接するように構成されている。ゲート部(504)の外装には、保持溝(506)、近位フランジ(507)、及び位置決め突起(508)が備わっている。保持溝(506)は、カッター駆動部材(502)と試料検査部材(602)との間の接合部を実質的に密封するために、Oリングまたは他の密封機構を収容するように構成される。近位フランジ(507)は、カッター駆動部材(502)のゲート部(504)と駆動部(520)との外径間の差によって形成される。以下に更に詳細に説明するように、近位フランジ(507)が継ぎ輪(620)の環(629)と係合するように構成されて、継ぎ輪(620)が、カッター駆動部材(502)を試料検査部材(602)に固定できるようにする。同様に、位置決め突起(508)が、試料検査部材(602)の位置決め機構(613)内に収容されるように構成されて、試料検査部材(602)を、カッター駆動部材(502)に対して回転しないよう固定する。
【0048】
カッター駆動部材(502)のゲート部(504)の内部には、複数の停止部材(512)の間に配置された複数の真空経路(510)が備わっている。真空経路(510)及び停止部材(512)の両方は、カッター駆動部材(502)の内腔(503)の周りに角度を付けて配置されている。真空経路(510)は、試料検査部材(602)のゲート部(610)内の対応する真空経路(618)と整列するように構成されている。以下に更に詳細に説明するように、ゲートシール(630)がカッター駆動部材(502)のゲート部(504)と試料検査部材(602)のゲート部(610)との間に配置されるとき、それぞれの真空経路(510、618)により、真空がゲートシール(630)の真空開口(632)を通って流れることが可能となる。この構成により、組織試料がゲートシール(630)に隣接して配置されている場合でも、ゲートシール(630)を通り抜ける真空の流れが可能となる。
【0049】
停止部材(512)は、概して、ゲート部(504)の共有遠位面(514)を画定する。以下に更に詳細に説明するように、この共有遠位面(514)は、ゲートシール(630)が、カッター駆動部材(502)のゲート部(504)に向けて近位側に開くのを防ぐように構成される。代わりに、同様に以下に更に詳細に説明するように、ゲートシール(630)は、試料検査部材(602)のゲート部(610)に向けて開くように構成される。
【0050】
停止部材(512)はまた、カッター作動アセンブリ(500)の移送管(560)の外径に概ね対応する内径を画定する。上記のように、移送管(560)は、概して、カッター駆動部材(502)がプローブ(100)内で回転及び並進するときに静止し続ける。これにより、移送管(560)は、停止部材(512)によって画定された共有遠位面(514)を通り抜けるように構成される。以下に更に詳細に説明するように、この構成は、移送管(560)が、ゲートシール(630)を上述の開位置に移行させることを可能にする。
【0051】
図11は、試料検査部材(602)に、継ぎ輪(620)によって連結されたカッター駆動部材(502)を示す。図に示すように、カッター駆動部材(502)及び試料検査部材(602)の両ゲート部(504、610)の外面の少なくとも一部分を、それぞれ継ぎ輪(620)が囲んでいる。カッター駆動部材(502)のゲート部(504)は、試料検査部材(602)の外側円筒壁(612)内に配置されており、カッター駆動部材(502)の位置決め突起(508)が、試料検査部材(602)の位置決め機構(613)内に配置される。
【0052】
継ぎ輪(620)の環(629)は、カッター駆動部材(502)の近位フランジ(507)と係合する。それに対応して、試料検査部材(602)のネジ山(614)は、継ぎ輪(620)のネジ山(628)と係合する。ネジ山(614)をネジ山(628)と完全に係合させると、継ぎ輪(620)の環(629)は、カッター駆動部材(502)のゲート部(504)を試料検査部材(602)のゲート部(610)の方に引き寄せる。これにより、カッター駆動部材(502)が
図11に示す位置に保持される。
【0053】
上記のように、試料検査部材(602)がカッター駆動部材(502)に連結されるとき、ゲートシール(630)は、試料検査部材(602)の内側フランジ(619)とカッター駆動部材(502)の共有遠位面との間に配置される。この位置においては、カッター駆動部材(502)の真空経路(510)と試料検査部材(602)の真空経路(618)とが、ゲートシール(630)の真空開口(632)と整列している。したがって、
図11に示す構成では、真空が、カッター駆動部材(502)の内腔(503)からゲートシール(630)の真空開口(632)を通り、試料検査部材(602)の真空経路(618)を経て、試料検査部材(602)の内腔(606)に自由に通過できることが理解されるべきである。上記のように、この構成は、ゲートシール(630)の両側に圧力差が生じるのを防ぐ。
【0054】
図12~
図18は、プローブ(100)の試料窓(140)を通して組織試料を観察するためのカッター作動アセンブリ(500)及びゲートアセンブリ(600)の例示的な使用法を示す。最初に生検装置(10)が、カッター(130)を、側方開口部(114)が
図12に示す閉鎖した構成になるような遠位位置まで、側方開口部(114)に対して前進させた状態で開始する。側方開口部(114)が閉鎖構成にある状態で、操作者は、患者の胸部に針(110)を挿入することができる。針(110)の挿入を、超音波、定位X線、またはMRIなどの上記の画像ガイド下用モダリティのいずれか1つまたは複数の下で行うことができる。
【0055】
図13に最も分かりやすく示すように、カッター(130)が遠位位置に配置されるとき、カッター作動アセンブリ(500)は対応する遠位位置にある。カッター作動アセンブリ(500)が遠位位置にあるとき、カッター駆動部材(502)は、並進部材(530)、駆動歯車(540)、及び移送管(560)に対して遠位に配置される。当然のことながら、カッター駆動部材(502)が軸方向に動かされてカッター(130)を並進させるとき、並進部材(530)、駆動歯車(540)、及び移送管(560)は全て、固定された軸方向位置に留まる。したがって、カッター(130)が針(110)の側方開口部(114)に対して平行に動かされるとき、並進部材(530)、駆動歯車(540)、及び移送管(560)は、
図13に示す位置に留まることが理解されるべきである。
【0056】
操作者によって所望通りに針(110)が患者の体内に配置されると、操作者は、試料採取シーケンスを開始することができる。本例では、生検装置(10)は、試料採取シーケンスを開始するためのボタン、フットペダル、及び/または他の機構によって、操作者の入力を受け取るように構成されている。操作者によって試料採取シーケンスが開始されると、ホルスタ(200)は、
図15に示すように駆動歯車(540)を反時計方向に回転させ始める。駆動歯車(540)のキー(546)が、カッター駆動部材(502)の軸方向溝(528)と係合して、カッター駆動部材(502)を反時計方向に回転させ始める。カッター駆動部材(502)が回転するとき、カッター駆動部材(502)のネジ付き部(522)が並進部材(530)のネジ山(536)と係合する。並進部材(530)は、プローブ(100)内で回転可能に軸方向に固定されているので、並進部材(530)は、カッター駆動部材(502)の反時計回りの回転に応答して、ネジ付き部(522)と並進部材(530)のネジ山(536)との間の係合を介して、カッター駆動部材(502)の基部方向の軸方向並進をもたらす。
【0057】
次に、カッター駆動部材(502)の軸方向並進及び軸回転が、継ぎ輪(620)を介した試料検査部材(602)とカッター駆動部材(502)との間の連結によって、ゲートアセンブリ(600)に伝達される。カッター(130)は試料検査部材(602)に固着されているので、試料検査部材(602)に伝達された回転運動及び並進運動がまた、カッター(130)に伝達される。したがって、カッター駆動部材(502)が、駆動歯車(540)及び並進部材(530)を介して並進し、回転するとき、
図14に示すようにカッター(130)が、それに対応して回転し、並進する。
【0058】
カッター駆動部材(502)を介したカッター(130)の回転運動及び並進運動は、カッター(130)が
図16に示す近位位置に配置されるまで続く。カッター(130)が近位位置にあるとき、カッター駆動部材(502)は、それに対応して
図17に示す近位位置にある。カッター駆動部材(502)が近位位置にあるとき、並進部材(530)及び駆動歯車(540)がカッター駆動部材(502)のネジ付き部(522)に対して近位に配置されるように、カッター駆動部材(502)がプローブ(100)内に配置される。この段階で、ホルスタ(200)は、駆動歯車(540)の回転を停止させ、それに対応してカッター駆動部材(502)の回転及び並進を停止させる。
【0059】
カッター駆動部材(502)が
図17に示す近位位置にあるとき、ゲートアセンブリ(600)は、対応する開位置にある。上記のように、カッター駆動アセンブリ(500)の移送管(560)は、概して、カッター駆動部材(502)に対して静止し続ける。
図18に最も分かりやすく示すように、この構成は、移送管(560)が、ゲートシール(630)を貫通して、試料検査部材(602)の内腔(606)にまで進入するという結果をもたらす。移送管(560)はゲートシール(630)を貫通するので、移送管(560)がゲートスリット(634)と係合して、移送管(560)の外面周りにゲートスリット(634)を開くことが理解されるべきである。したがって、カッター駆動部材(502)が近位位置にあるとき、ゲートシール(630)は開位置にある。更に、カッター駆動部材(502)が近位位置にあるとき、側方開口部(114)が開位置にあるように、カッター(130)が近位位置に配置される。したがって、ゲートシール(630)と側方開口部(114)との間には、側方開口部(114)が開位置にあるとき、ゲートシール(630)が、それに対応して開位置にあるような関係があることを理解されるべきである。同様に、側方開口部(114)が閉位置にあるとき、ゲートシール(630)は、それに対応して、
図11に示す閉位置にある。
【0060】
側方開口部(114)が開位置になった時点で、組織が側方開口部(114)内に脱出し得るように、針(110)が構成されている。側方開口部(114)内に組織を脱出させるために、真空がカッター(130)に適用される。本例では、組織試料ホルダ(300)を介してカッター(130)に真空が供給される。具体的には、組織試料ホルダ(300)に真空が伝えられ、これは移送管(560)を通って、試料検査部材(602)の内腔(606)内、及びカッター(130)内に伝えられる。次いで真空が、側方開口部(114)を通して組織を引っ張る。いくつかの例では、組織の脱出を促進するために、真空はまた、マニホールド(116)を介して、カニューレ(113)の内腔(120)に適用される。当然、マニホールド(116)を介してカニューレ(113)の内腔(120)に適用される真空は、完全に任意選択であり、いくつかの例では真空は、もっぱらカッター(130)を通して供給される。
【0061】
組織が側方開口部(114)内に脱出すると、カッター(130)を遠位側に駆動することによって、カッター(130)の鋭い遠位縁端(132)により、組織試料を切断することができる。カッター(130)を遠位側に駆動するために、ホルスタ(200)は、駆動歯車(540)を時計回り方向に回転させて、
図12~
図17に関して上に述べたのと同じであるが、方向が逆のシーケンスを開始する。カッター(130)がカッター駆動部材(502)によって遠位側に駆動されるとき、カッター駆動部材(502)及び試料検査部材(602)が両方ともに遠位側に移動し、その結果、移送管(560)がゲートシール(630)との係合を解く。これにより、ゲートシール(630)は、
図11に示す閉位置に戻る。
【0062】
カッター(130)の遠位の並進運動によって組織試料が切断されると、切断された組織試料は次に、カッター(130)を通って試料検査部材(602)内へと、近位側に輸送され得る。具体的には、真空が組織試料ホルダ(300)に適用され、真空は移送管(560)を通って、カッター駆動部材(502)の内腔(503)に流れ込む。次いで真空が、カッター駆動部材(502)を通り、ゲートシール(630)の真空開口(632)を介した、カッター駆動部材(502)及び試料検査部材(602)の真空経路(510、618)を経由して、試料検査部材(602)の内腔(606)内に流れ込む。最終的に真空が、試料検査部材(602)の内腔(606)からカッター(130)に流入して、切断された組織試料を、カッター(130)を通して試料検査部材(602)内に輸送する。
【0063】
切断された組織試料が試料検査部材(602)内に輸送されると、閉位置にあるゲートシール(630)により、切断された組織試料が更に移動しないようにする。切断された組織試料が試料検査部材(602)内に配置されると、操作者は、プローブ(100)の試料窓(140)を通して見える試料検査部材(602)が透明であるため、切断された組織試料を肉眼で目視検査することができる。場合によっては、切断された組織試料を360°観察するために、操作者が継ぎ輪(620)を利用して、試料検査部材(602)を手動で回転させることもできる。
【0064】
操作者が、試料窓(140)及び試料検査部材(602)を介して目視検査を完了させると、切断された組織試料が組織試料ホルダ(300)に輸送され得る。具体的には、カッター(130)、試料検査部材(602)、及びカッター駆動部材(502)を、
図16~
図18に示す近位位置に戻すことによって、切断された組織試料を組織試料ホルダ(300)に輸送することができる。上記のように、これは、ゲートシール(630)が開位置にあるように、試料検査部材(602)及びカッター駆動部材(502)を、移送管(560)に対して並進させて、ゲートシール(630)のゲートスリット(634)を通過して移送管(560)内に配置させる。ゲートシール(630)が開位置にある状態で、切断された組織試料は、ゲートシール(630)を通って移送管(560)内、及び組織試料ホルダ(300)内へ、自由に輸送することができる。この段階では、側方開口部(114)が開位置にあるように、カッター(130)はまた、近位位置に配置される。したがって、切断された組織試料の組織試料ホルダ(300)への輸送はまた、別の組織試料ホルダの受け入れに向けて針(110)を準備する。
【0065】
切断された組織試料を組織試料ホルダ(300)内に収容した状態で、操作者は、切断された組織試料に関して上に述べたプロセスを使用して、1つまたは複数の追加の試料を収集しながら次に進むことができる。任意の適切な数の組織試料を収集した後に、操作者は、患者から針(110)を取り外し、任意選択で生検部位をマーキングし、患者の開口部を封止することによって処置を終了させてもよい。生検処置の間に収集された幾つもの組織試料が、最終的に組織試料ホルダ(300)から取り出され、何らかの所望の組織試料分析手順にかけられ得る。
【0066】
III.例示的な代替のカッター作動アセンブリを有する生検装置
図19は、本明細書に明示的に記載されている相違点を除けば、上述の生検装置(10)と全く同様に構成され、かつ動作可能な例示的な代替の生検装置(700)を示す。生検装置(700)は、プローブ(701)から遠位に延在するカッター(730)、側方開口部(714)、及び針(710)を備える。カッター(730)、側方開口部(714)、針(710)、及びプローブ(701)は、それぞれ、上に述べたカッター(130)、側方開口部(114)、針(110)、及びプローブ(100)と実質的に同じように機能することが理解されるべきである。生検装置(700)は、以下に別段の説明がある場合を除き、上記のホルスタ(200)と全く同じように構成され、かつ動作可能なホルスタ(770)を更に備える。ホルスタ(770)は、プローブ(701)に連結するように構成されている。以下に更に詳細に説明するように、ホルスタ(770)のハウジング内に封入され、プローブ(701)の構成要素に動力及び/または運動を与えるよう互いに機能するモータ歯車(780)及びモータ(790)を、ホルスタ(770)は備えている。図示していないが、カッター(730)によって切り取られた組織試料を収容するために、上記の組織試料ホルダ(300)と同様の組織試料ホルダを、プローブ(701)の近位端に連結できることが理解されるべきである。
【0067】
図19に更に見られるように、プローブ(701)は、針(710)の近位端に隣接した、近位に配置された試料窓(740)を画定する。上述の生検装置(10)の試料窓(140)と同様に、試料窓(740)は、組織試料が針(710)によって収集されるときに、操作者が個々の組織試料を見ることができるようにし、それによって操作者が、切断された組織試料の組織試料ホルダ(300)への輸送前に、切断された組織試料を目視検査することができるように構成されている。
【0068】
生検装置(700)は、
図20に見られるように、プローブ(701)内に封入された例示的なカッター作動アセンブリ(800)を更に含む。カッター作動アセンブリ(800)は、カッター駆動部材(802)、並進部材(830)、及び駆動歯車(840)を備える。上記のカッター駆動部材(502)と同様に、カッター駆動部材(802)は、ゲート部(804)及び駆動部(820)を含む。以下に更に詳細に説明するように、ゲート部(804)の少なくとも一部分は、ゲートアセンブリ(900)の少なくとも一部分に連結して、カッター駆動部材(802)の回転運動及び並進運動をゲートアセンブリ(900)に伝達するように構成される。同様に以下に更に詳細に説明するように、ゲートアセンブリ(900)の少なくとも一部分は、カッター(730)に連結される。したがって、ゲート部(804)の少なくとも一部分とゲートアセンブリ(900)の少なくとも一部分との間の連結を介して、カッター駆動部材(802)の回転及び並進が、カッター(730)の対応する回転及び並進をもたらすことが理解されるべきである。
【0069】
図21に最も分かりやすく示すように、カッター駆動部材(802)の駆動部(820)は、ネジ付き部(822)と、ネジ付き部(822)を通ってカッター駆動部材(802)に沿って軸方向に延在する一対の軸方向溝(828)とを備える。ネジ付き部(822)は、遠位非ピッチ帯(824)と近位非ピッチ帯(826)との間に配置されている。以下に更に詳細に説明するように、ネジ付き部(822)は、概して、並進部材(830)と係合して、カッター駆動部材(802)を平行移動させるように構成されている。同様に、軸方向溝(828)が駆動歯車(840)と係合して、カッター駆動部材(802)を回転させるように構成されている。以下に更に詳細に説明するように、各非ピッチ帯(824、826)は、カッター駆動部材(802)が平行移動することなく、カッター駆動部材(802)が回転することを可能にするように構成されている。
【0070】
並進部材(830)は、下記のような円筒形本体(832)を備える。この円筒形本体(832)は、概して中空であり、本体(832)を通って軸方向に延在する穴(834)を画定している。穴(834)の内側には、カッター駆動部材(802)のネジ付き部(822)と係合するように構成されているネジ切り部(836)が含まれる。以下に更に詳細に説明するように、並進部材(830)のネジ切り部(836)とカッター駆動部材(802)のネジ付き部(822)との間の係合は、概して、カッター駆動部材(802)の回転に応じてカッター駆動部材(802)の平行移動を生じさせるように構成されている。本例では、ネジ切り部(836)は、単一のネジ山を有していることのみで特徴付けできるように、ネジ切り部(836)が、一巻きのネジ切り加工のみを含むものとして示している。状況によっては、この構成は、射出成形に基づく製造作業を用いて、並進部材(830)をより容易に製造するのに望ましい場合がある。しかし、他の例では、ネジ切り部(836)は、並進部材(830)の軸方向長さの全体または一部に沿って延在する複数のネジ山を含み得ることが理解されるべきである。
【0071】
並進部材(830)は、
図22に最も分かりやすく示すように、本体(832)から上方及び下方に延在する一対のキー機構(838)を更に備える。キー機構(838)は、プローブ(701)の少なくとも一部分の中に受け入れられ、それによって並進部材(830)を、プローブ(701)に対して軸方向に固定し、かつ回転可能に固定するように構成されている。キー機構(838)は、並進部材(830)のための機械的接地として働くことが理解されるべきである。以下に更に詳細に説明するように、この構成により、並進部材(830)が、カッター駆動部材(802)の回転時に、プローブ(701)に対するカッター駆動部材(802)の平行移動を駆動できるようになる。
【0072】
駆動歯車(840)は、カッター駆動部材(802)の外径周りに合うように構成されている円筒体(842)を備える。駆動歯車(840)の円筒体(842)は、これを通って軸方向に延在する穴(844)を画定して、概して中空である。穴(844)の内側には、穴(844)の中心に向かって半径方向内向きに延在する一対のキー(846)が含まれる。以下に更に詳細に説明するように、各キー(846)は、カッター駆動部材(802)の軸方向溝(828)と係合するように構成されている。
図25に最も分かりやすく示すように、カッター駆動部材(802)は、駆動歯車(840)の両方のキー(846)が、対応する軸方向溝(828)内に受け入れられるように、カッター駆動部材(802)の反対側に、もう1つの実質的に同じ軸方向溝(828)を含むことが理解されるべきである。当然のことながら、この構成は、駆動歯車(840)の回転に応じて、駆動歯車(840)が、カッター駆動部材(802)を回転させるようにする。
【0073】
駆動歯車(840)は、円筒体(842)の外面から外側に延在する複数の歯(848)を更に備える。以下に更に詳細に説明するように、歯(848)は、ホルスタ(770)内に封入されたモータ歯車(780)の対応する歯(786)と係合するように構成されている。図示していないが、駆動歯車(840)の少なくとも一部分が、プローブ(701)の外側ハウジングの開口を通って延在して、駆動歯車(840)とホルスタ(770)の対応するモータ歯車(780)との間の係合を可能にすることが理解されるべきである。以下に更に詳細に説明するように、駆動歯車(840)の回転が、ホルスタ(770)のモータ歯車(780)の回転を介してもたらされ、それによって、全体として、カッター駆動部材(802)の回転を生じさせる。当然のことながら、カッター駆動部材(802)のこの回転は、並進部材(830)を介したカッター駆動部材(802)の同時平行移動を更にもたらす。
【0074】
ホルスタ(770)のモータ(790)は、プローブ(701)の様々な構成要素、特に上述のカッター作動アセンブリ(800)の構成要素を駆動するように構成されている。モータ(790)は、ホルスタ(770)のハウジング内に完全に封入されている。モータ(790)の動力をプローブ(701)に伝達するために、ホルスタ(770)は、
図20に示すように、モータ(790)に動作可能に連結されたモータ歯車(780)を含む。モータ歯車(780)は、モータ(790)から近位に延在する回転係合機構(792)の周りに合うように構成された円筒体(782)を備えている。具体的には、モータ歯車(780)の円筒体(782)は、これを通って軸方向に延在する穴(784)を画定して、概して中空である。穴(784)の内側は、穴(784)がその中に回転係合構造(792)をしっかりと受け入れる構成となるように、モータ(790)の回転係合構造(792)の輪郭に対応するよう寸法決めされ、成形されている。回転係合機構(792)は、モータ(790)の作動に応じて、モータ(790)に対して回転するよう機能する。この例では、回転係合機構(792)がモータ歯車(780)の穴(784)に連結された状態で、モータ(790)が、回転係合機構(792)の回転によって、モータ歯車(780)の回転を引き起こすよう機能する。
【0075】
モータ歯車(780)は、
図21に最も分かりやすく示すように、円筒体(782)の外面から外側に延在する複数の歯(786)を更に含む。モータ歯車(780)は、ホルスタ(770)のハウジング内に部分的に封入され、プローブ(701)内に少なくとも一部分が進入し、それによって駆動歯車(840)と係合する。具体的には、
図20に見られるように、モータ歯車(780)は、ホルスタ(770)がプローブ(701)に連結されたときに、プローブ(701)内の駆動歯車(840)の位置と整列する長手方向位置において、ホルスタ(770)内に配置される。この例では、
図24に更に見られるように、モータ歯車(780)の歯(786)が、プローブ(701)内に進入して、駆動歯車(840)の歯(848)と噛み合い、したがって、モータ(790)によって動力を与えられたモータ歯車(780)の回転が、駆動歯車(840)の対応する回転を引き起こす。上述の駆動歯車(540)と同様に、駆動歯車(840)の回転は、プローブ(701)内のカッター作動アセンブリ(800)を駆動する働きをする。
【0076】
図示していないが、カッター作動アセンブリ(800)は、上記と同様に移送管を更に備え得ることが理解されるべきである。この場合、移送管は、カッター駆動部材(802)から組織試料ホルダ(300)へと延在して、カッター駆動部材(802)から組織試料ホルダ(300)へ組織試料を伝えることを可能にする。上述の移送管(560)と同様に、カッター駆動部材(802)の対応する内腔と連通するように、移送管内に内腔が画定され得る。したがって、移送管の内腔とカッター駆動部材(802)の内腔とは、組織試料が組織試料ホルダ(300)に向かってカッター駆動部材(802)及び移送管を流れる連続的な経路を共に画定することが理解されるべきである。以下に更に詳細に説明するように、組織試料は、概して、カッター(730)を通ってゲートアセンブリ(900)に流れ込み、次いでカッター駆動部材(802)及び移送管を通過してから、最終的に組織試料ホルダ(300)内に蓄積される。したがって、移送管の内腔とカッター駆動部材(802)の内腔との両方は、カッター(730)の内部と流体連通していることが理解されるべきである。
【0077】
本例のゲートアセンブリ(900)は、ゲートアセンブリ(900)が、カッター作動アセンブリ(500)のカッター駆動部材(502)ではなく、カッター駆動部材(802)に対して遠位に配置されているのを除き、上述のゲートアセンブリ(600)と全く同様に構成され、かつ動作可能である。つまり、ゲートアセンブリ(900)が、カッター作動アセンブリ(800)のうちのカッター駆動部材(802)の少なくとも一部分を受け入れ、それによってゲートアセンブリ(900)に対してカッター駆動部材(802)が回転運動しないよう固定する構成となっているのを除けば、ゲートアセンブリ(900)は、上述のゲートアセンブリ(600)と実質的に同様に機能することが理解されるべきである。
図20に見られるように、ゲートアセンブリ(600)と同様に、ゲートアセンブリ(900)は、概して、プローブ(701)の試料窓(740)を通して目視検査するために、組織試料の進行を一時的に停止するように構成されている。ゲートアセンブリ(900)は、試料検査部材(902)と、継ぎ輪(920)と、試料検査部材(902)とカッター作動アセンブリ(800)のカッター駆動部材(802)との間に配置されたゲートシール(図示せず)とを備える。試料検査部材(902)、継ぎ輪(920)、及びゲートシールは、それぞれ上述の試料検査部材(602)、継ぎ輪(620)、及びゲートシール(630)と同様に構成され、かつ動作可能であることが理解されるべきである。したがって、使用中、カッター駆動部材(802)は、ゲートアセンブリ(900)の試料検査部材(902)に回転運動を伝達するように構成され、ゲートアセンブリ(900)は回転運動をカッター(730)に伝達する。
【0078】
図26~
図27は、カッター作動アセンブリ(800)及びゲートアセンブリ(900)の例示的な使用法を示す。最初に生検装置(700)が、カッター(730)を、側方開口部(714)が
図27Bに示す閉鎖した構成になるような遠位位置まで、側方開口部(714)に対して前進させた状態で開始する。側方開口部(714)が閉鎖構成にある状態で、操作者は、患者の胸部に針(710)を挿入することができる。針(710)の挿入を、超音波、定位X線、またはMRIなどの上記の画像ガイド下用モダリティのいずれか1つまたは複数の下で行うことができる。
【0079】
図26Bに最も分かりやすく示すように、カッター(730)が遠位位置に配置されるとき、カッター作動アセンブリ(800)は対応する遠位位置にある。カッター作動アセンブリ(800)が遠位位置にあるとき、カッター駆動部材(802)は、並進部材(830)及び駆動歯車(840)に対して遠位に配置される。当然のことながら、カッター駆動部材(802)が軸方向に動かされてカッター(730)を並進させるとき、並進部材(830)及び駆動歯車(840)は全て、固定された軸方向位置に留まる。したがって、カッター(730)が針(710)の側方開口部(714)に対して平行に動かされるとき、並進部材(830)及び駆動歯車(840)は、
図26Bに示す位置に留まることが理解されるべきである。
【0080】
操作者によって所望通りに針(710)が患者の体内に配置されると、操作者は、試料採取シーケンスを開始することができる。本例では、生検装置(700)は、試料採取シーケンスを開始するためのボタン、フットペダル、及び/または他の機構によって、操作者の入力を受け取るように構成されている。操作者によって試料採取シーケンスが開始されると、モータ(790)が作動して、回転係合機構(792)を時計回り方向に回転させる。この例では、モータ歯車(780)が回転係合機構(792)に連結されているので、モータ歯車(780)は同様に時計回りに回転する。モータ歯車(780)の歯(786)が駆動歯車(840)の歯(848)に噛み合っているので、モータ歯車(780)の回転は、
図26Bに見られるように、駆動歯車(840)を逆の反時計回り方向に同時に回転させる。駆動歯車(840)のキー(846)が、カッター駆動部材(802)の軸方向溝(828)と係合して、カッター駆動部材(802)を反時計方向に回転させ始める。カッター駆動部材(802)が回転するとき、カッター駆動部材(802)のネジ付き部(822)が並進部材(830)のネジ切り部(836)と係合する。並進部材(830)は、キー機構(838)をプローブ(701)に固定することによって、プローブ(701)内で回転可能に軸方向に固定されているので、並進部材(830)は、カッター駆動部材(802)の反時計回りの回転に応答して、ネジ付き部(822)と並進部材(830)のネジ切り部(836)との間の係合を介して、カッター駆動部材(802)の基部方向の軸方向並進をもたらす。
【0081】
次に、カッター駆動部材(802)の軸方向並進及び軸回転が、試料検査部材(902)とカッター駆動部材(802)との間の連結によって、ゲートアセンブリ(900)に伝達される。カッター(730)は試料検査部材(902)に固着されているので、試料検査部材(902)に伝達された回転運動及び並進運動がまた、カッター(730)に伝達される。したがって、カッター駆動部材(802)が、駆動歯車(840)及び並進部材(830)を介して並進し、回転するとき、
図27Aに見られるようにカッター(730)が、それに対応して回転し、近位に並進する。
【0082】
カッター駆動部材(802)を介したカッター(730)の回転運動及び並進運動は、カッター(730)が側方開口部(714)に対して近位位置に配置されるまで続く。カッター(730)が近位位置にあるとき、カッター駆動部材(802)は、それに対応して
図26Aに示すように近位位置にある。カッター駆動部材(802)が近位位置にあるとき、並進部材(830)及び駆動歯車(840)がカッター駆動部材(802)のネジ付き部(822)に対して遠位に配置されるように、カッター駆動部材(802)がプローブ(701)内に配置される。この段階で、ホルスタ(770)は、駆動歯車(840)の回転を停止させ、それに対応してカッター駆動部材(802)の回転及び並進を停止させる。
【0083】
カッター駆動部材(802)が近位位置にあるとき、ゲートアセンブリ(900)は、対応する開位置にある。カッター作動アセンブリ(800)の移送管は、概して、カッター駆動部材(802)に対して静止し続け、したがって、この構成により移送管が試料検査部材(902)の内腔内に進入することになる。この例では、移送管がゲートアセンブリ(900)のゲートスリット(図示せず)と係合して、移送管の外面周りにゲートスリットを開くことが理解されるべきである。したがって、カッター駆動部材(802)が近位位置にあるとき、ゲートアセンブリ(900)は開位置にある。更に、カッター駆動部材(802)が近位位置にあるとき、
図27Aに見られるように、側方開口部(114)が開位置にあるように、カッター(730)が近位位置に配置される。したがって、ゲートアセンブリ(900)と側方開口部(814)との間には、側方開口部(814)が開位置にあるとき、ゲートアセンブリ(900)が、それに対応して開位置にあるような関係があることを理解されるべきである。同様に、側方開口部(714)が閉位置にあるとき、ゲートアセンブリ(900)は、それに対応して、
図27Bに示す閉位置にある。
【0084】
側方開口部(714)が開位置になった時点で、組織が側方開口部(714)内に脱出し得るように、針(710)が構成されている。側方開口部(714)内に組織を脱出させるために、生検装置(10)に関して上に述べたのと同様に、真空がカッター(730)に適用される。組織が側方開口部(714)内に脱出すると、カッター(730)を遠位側に駆動することによって、カッター(730)により、組織試料を切断することができる。カッター(730)を遠位側に駆動するために、モータ(790)は、
図26Bに見られるようにモータ歯車(780)を反時計回りに回転させる。この場合、モータ歯車(780)の歯(786)と駆動歯車(840)の歯(848)との噛み合い係合が、駆動歯車(840)を時計回り方向に回転させて、上記と同じであるが、方向が逆のシーケンスを開始する。カッター(730)がカッター駆動部材(802)によって遠位側に駆動されるとき、
図27Bに見られるように、カッター駆動部材(802)及び試料検査部材(902)は両方ともに、組織試料がカッター(730)によって切断されるまで遠位に移動する。
【0085】
カッター(730)の遠位の並進運動によって組織試料が切断されると、切断された組織試料は次に、カッター(730)を通って試料検査部材(902)内へと、近位側に輸送され得る。具体的には、真空が組織試料ホルダ(300)に適用され、真空は、カッター駆動部材(802)内に流入し、カッター駆動部材(802)を通って、試料検査部材(902)の内腔(図示せず)に流れ込む。真空は、試料検査部材(902)からカッター(730)に流入して、切断された組織試料を、カッター(730)を通して試料検査部材(902)内に輸送する。
【0086】
切断された組織試料が試料検査部材(902)内に輸送されると、ゲートアセンブリ(900)が閉位置にあるときには、切断された組織試料は、それ以上移動するのを防止される。切断された組織試料が試料検査部材(902)内に配置されると、操作者は、プローブ(701)の試料窓(740)を通して見える試料検査部材(902)が透明であるため、切断された組織試料を肉眼で目視検査することができる。場合によっては、ゲートアセンブリ(900)は、360°の観察の間に試料検査部材(902)を選択的に回転させ、それによって操作者に、切断された組織試料を目視検査する機会を増加させるように構成された継ぎ輪(図示せず)を含み得る。
【0087】
操作者が、試料窓(740)及び試料検査部材(902)を介して目視検査を完了させると、切断された組織試料が組織試料ホルダ(300)に輸送され得る。具体的には、カッター(730)、試料検査部材(902)、及びカッター駆動部材(802)を、
図26A及び
図27Aに示す近位位置に戻すことによって、切断された組織試料を組織試料ホルダ(300)に輸送することができる。上記のように、これは、試料検査部材(902)及びカッター駆動部材(802)を並進させて、ゲートアセンブリ(900)が開位置にあるように、カッター作動アセンブリ(800)の移送管(図示せず)を位置付ける。ゲートアセンブリ(900)が開位置にある状態で、切断された組織試料は、ゲートアセンブリ(900)を通って移送管内、及び組織試料ホルダ(300)内へ、自由に輸送することができる。この段階では、側方開口部(714)が開位置にあるように、カッター(730)はまた、近位位置に配置される。したがって、切断された組織試料の組織試料ホルダ(300)への輸送はまた、別の組織試料ホルダの受け入れに向けて針(710)を準備する。
【0088】
切断された組織試料を組織試料ホルダ(300)内に収容した状態で、操作者は、切断された組織試料に関して上に述べたプロセスを使用して、1つまたは複数の追加の試料を収集しながら次に進むことができる。任意の適切な数の組織試料を収集した後に、操作者は、患者から針(710)を取り外し、任意選択で生検部位をマーキングし、患者の開口部を封止することによって処置を終了させてもよい。生検処置の間に収集された幾つもの組織試料が、最終的に組織試料ホルダ(300)から取り出され、何らかの所望の組織試料分析手順にかけられ得る。
【0089】
IV.例示的な組合せ
以下の例は、本明細書の教示を組み合わせ、または適用することができる非網羅的な様々な方法に関する。以下の例は、本願において、または本願の後の出願において、いつでも提示され得る、いかなる請求の範囲も限定することを意図するものではないことが理解されるべきである。権利の放棄は意図されていない。以下の例は、単に例示を目的としたものに過ぎない。本明細書の様々な教示は、他の数多くの方法で構成され、適用され得ることが企図されている。また、いくつかの変形形態は、以下の例で言及される特定の特徴を省いてもよいことが企図されている。したがって、後に発明者によって、または発明者の利益の承継人によって、明確にそのように別段の指示がない限りは、以下で言及される態様または特徴のどれもが決定的に重要な意味を持つものであるとみなされるべきではない。本出願、または本出願に関連する後続の提出物に、以下に述べるもの以外の追加の特徴が含まれた請求項が提示される場合にも、これらの追加の特徴が、特許性に関わる何らかの理由で追加されたものと推定されるべきではない。
【0090】
例1
本体と、前記本体から遠位に延在する針と、前記針に対して長手方向に平行移動が可能なカッターであって、前記カッターがカッター内腔を画定する、前記カッターと、前記本体に対して近位に連結された組織試料ホルダであって、前記カッターの前記カッター内腔が、前記カッターと前記組織試料ホルダとの間に延在する流体管の少なくとも一部分を画定する、前記組織試料ホルダと、試料停止アセンブリであって、前記試料停止アセンブリが、前記カッターと前記組織試料ホルダとの間で、前記流体管内の組織試料の移動を選択的に停止させるように構成されている、前記試料停止アセンブリとを備える生検装置。
【0091】
例2
前記試料停止アセンブリが、試料検査部材とゲートシールとを含む、例1に記載の生検装置。
【0092】
例3
前記試料検査部材の少なくとも一部分が、前記試料検査部材を通して組織試料の目視検査を可能にするために透明である、例2に記載の生検装置。
【0093】
例4
前記試料検査部材及び前記ゲートシールが両方ともに、前記ゲートシールを閉位置から開位置に移行させるように、前記本体に対して移動可能である、例2または例3に記載の生検装置。
【0094】
例5
前記ゲートシールが複数の真空開口を含み、前記試料検査部材が複数の真空経路を含み、前記ゲートシールの前記真空開口が前記試料検査部材の前記真空経路と流体連通するように、前記ゲートシールが前記試料検査部材に対して配置されている、例2~4のいずれか1つまたは複数に記載の生検装置。
【0095】
例6
前記試料検査部材の前記真空経路が、前記ゲートシールの前記真空開口と共に、組織試料が前記ゲートシールに隣接しているときに前記ゲートシールを通る流体の流れを促進するように構成されている、例5に記載の生検装置。
【0096】
例7
前記ゲートシールが可撓性を有する、例2~6のいずれか1つまたは複数に記載の生検装置。
【0097】
例8
カッター作動アセンブリを更に含み、前記カッター作動アセンブリが、前記カッターの移動を駆動するよう機能する、例2~7のいずれか1つまたは複数に記載の生検装置。
【0098】
例9
前記カッター作動アセンブリがカッター駆動部材を含み、前記カッター駆動部材の少なくとも一部分が、前記ゲートシールを、前記ゲートアセンブリの前記試料検査部材に固定するように構成されている、例8に記載の生検装置。
【0099】
例10
前記試料検査部材が内腔を含み、前記カッター駆動部材が内腔を含み、前記試料検査部材の前記内腔と前記カッター駆動部材の前記内腔とが両方ともに、前記カッターと前記組織試料ホルダとの間に延在する前記流体管の一部分を画定する、請求項9に記載の生検装置。
【0100】
例11
前記ゲートシールが、開放構成と閉鎖構成との間を移行するように構成され、前記ゲートシールが複数の開口を含み、前記複数の開口の各開口が、前記ゲートシールが前記開放構成及び前記閉鎖構成のいずれにあるときも、前記ゲートシールを通る流体の連通を可能にするように構成されている、例2~10のいずれか1つまたは複数に記載の生検装置。
【0101】
例12
前記試料停止アセンブリが試料検査部材を含み、前記試料検査部材が、前記試料検査部材内の組織試料の存在を検出するためのセンサを含む、例1~11のいずれか1つまたは複数に記載の生検装置。
【0102】
例13
前記センサがコントローラと通信し、前記コントローラが、前記センサによる組織試料の存在の検出に応答して、前記組織試料ホルダに供給される真空を減らすように構成されている、例12に記載の生検装置。
【0103】
例14
前記センサがインピーダンスセンサを含み、前記コントローラが、前記インピーダンスセンサからの信号に基づいて、組織試料の特性を識別するように構成されている、例13に記載の生検装置。
【0104】
例15
前記試料検査部材がアクセス窓を含み、前記アクセス窓が、前記試料検査部材からの組織試料の採取を可能にするために、開放構成と閉鎖構成との間を移動するように構成されている、例12に記載の生検装置。
【0105】
例16
本体と、前記本体から遠位に延在する針と、前記針に対して長手方向に平行移動が可能なカッターであって、前記カッターがカッター内腔を画定する、前記カッターと、前記本体に対して近位に連結された組織試料ホルダであって、前記カッターの前記カッター内腔が、前記カッターと前記組織試料ホルダとの間に延在する流体管の少なくとも一部分を画定する、前記組織試料ホルダと、カッター作動アセンブリであって、前記カッター作動アセンブリが、前記カッターと連絡しているカッター駆動体と、並進部材と、駆動歯車とを含み、前記カッター駆動体が、複数のネジ山を有するネジ付き部を含み、前記ネジ山が、前記ネジ付き部に沿って横方向に延在する溝によって中断され、前記並進部材が、前記ネジ付き部と係合して、前記カッター駆動体を介して前記カッターを並進させるように構成され、前記駆動歯車が、前記溝と係合して、前記カッター駆動体を介して前記カッターを回転させるように構成されている、前記カッター作動アセンブリとを備える生検装置。
【0106】
例17
前記並進部材が、穴を画定する本体を含み、前記本体が、前記穴の内向きに延在するネジ切り部を更に画定し、前記ネジ切り部が、前記カッター駆動体の前記ネジ山と噛み合うように構成されている、例16に記載の生検装置。
【0107】
例18
前記並進部材の前記本体によって画定された前記ネジ切り部が、前記穴の内側周りの一巻きによって画定された単一のネジ山を含む、例17に記載の生検装置。
【0108】
例19
前記並進部材の前記本体によって画定された前記ネジ切り部が、複数のネジ山を含む、例17に記載の生検装置。
【0109】
例20
前記並進部材が前記本体に対して定位置に固定されるように、前記並進部材が、前記本体の少なくとも一部分と係合するように構成された少なくとも1つのキーを含む、例16~19のいずれか1つまたは複数に記載の生検装置。
【0110】
例21
前記カッター駆動体が、組織停止アセンブリを作動させるように構成され、前記組織停止アセンブリがシールを含み、前記カッター駆動体が、同時に前記カッターを移動させながら前記シールを移動させるように構成されている、例16~20のいずれか1つまたは複数に記載の生検装置。
【0111】
例22
前記カッター駆動体が、前記シールを移送管に対して移動させて、前記シールを開位置と閉位置との間で移行させるように構成されている、例21に記載の生検装置。
【0112】
例23
前記カッター駆動体が内腔を画定し、前記カッター駆動体の前記内腔は、前記移送管が前記カッター駆動体の前記内腔内で摺動自在であるように、前記移送管を受け入れる構成となっている、例22に記載の生検装置。
【0113】
例24
前記駆動歯車が、前記カッター駆動体を受け入れるように構成された穴を画定し、前記駆動歯車が少なくとも1つの突起を含み、前記突起が、前記カッター駆動体の前記溝と係合して、前記駆動歯車の回転を前記カッター駆動体に伝達するように構成されている、例16~23のいずれか1つまたは複数に記載の生検装置。
【0114】
例25
前記カッター駆動体が2つの溝を画定し、前記駆動歯車が、前記駆動歯車の各溝に対応する2つの突起を含む、例24に記載の生検装置。
【0115】
例26
ホルスタと、プローブであって、前記プローブからから遠位に延在する針と、前記針によって画定された側方開口部に対して長手方向に平行移動可能なカッターとを含み、前記カッターがカッター内腔を画定する、前記プローブと、前記プローブに付随する組織試料ホルダと、前記カッターと前記組織試料ホルダとの間に延在する導管を少なくとも部分的に画定する移送管と、試料停止アセンブリであって、前記試料停止アセンブリが、前記導管内に配置された組織試料の基部方向への動きを停止するように構成されたシールを含み、前記シールが、開放構成と閉鎖構成との間で移行するように、前記移送管に対して移動可能である、前記試料停止アセンブリとを備える生検装置。
【0116】
例27
前記試料停止アセンブリが試料検査部材を含み、前記試料検査部材が、前記試料検査部材内の組織試料の存在を検出するためのセンサを含む、例26に記載の生検装置。
【0117】
例28
前記センサがコントローラと通信し、前記コントローラが、前記センサによる組織試料の存在の検出に応答して、前記組織試料ホルダに供給される真空を減らすように構成されている、例27に記載の生検装置。
【0118】
例29
前記センサがインピーダンスセンサを含み、前記コントローラが、前記インピーダンスセンサからの信号に基づいて、組織試料の特性を識別するように構成されている、例28に記載の生検装置。
【0119】
例30
前記試料検査部材がアクセス窓を含み、前記アクセス窓が、前記試料検査部材からの組織試料の採取を可能にするために、開放構成と閉鎖構成との間を移動するように構成されている、例27~29のいずれか1つまたは複数に記載の生検装置。
【0120】
例31
前記試料停止アセンブリの前記シールが複数の開口を含み、前記シールが前記開放構成及び前記閉鎖構成のいずれにあるときも、前記開口が前記シールを通して流体を連通させるように構成されている、例26~30のいずれか1つまたは複数に記載の生検装置。
【0121】
例32
前記試料停止アセンブリの前記シールが溝穴を更に含み、前記シールを前記開放構成に移行させるために、前記移送管が、前記溝穴を貫通するように構成されている、例31に記載の生検装置。
【0122】
例33
前記シールの前記移送管に対する移動時に、前記移送管が、前記シールの前記溝穴を貫通するように構成されている、例32に記載の生検装置。
【0123】
例34
前記カッターが、近位位置と遠位位置との間を並進するように構成され、前記カッターが、前記近位位置と前記遠位位置との間を並進するとき、前記シールが、前記カッターと共に並進するように構成されている、例26~33のいずれか1つまたは複数に記載の生検装置。
【0124】
例35
前記カッターが前記近位位置にあるときに、前記シールが前記開放構成にあるように構成され、前記カッターが前記遠位位置にあるときに、前記シールが前記閉鎖構成になるように構成されている、例34に記載の生検装置。
【0125】
例36
生検装置を用いて組織試料を採取する方法であって、前記生検装置のカッターを通して、第1の組織試料を前記生検装置の試料観察部に輸送すること、前記試料観察部に、前記第1の組織試料を停止させること、前記第1の組織試料が前記観察部内に配置されている間に、前記第1の組織試料を検査すること、前記第1の組織試料を前記試料観察部から組織試料ホルダへ輸送すること、及び前記カッターを通して、第2の組織試料を前記試料観察部に輸送することを含む前記方法。
【0126】
例37
前記第1の組織試料を検査する前記ステップが、前記第1の組織試料の目視検査を含む、例36に記載の方法。
【0127】
例38
前記第1の組織試料を触診によって検査するために、前記第1の組織試料を前記試料観察部から取り出すことを更に含む、例36~37のいずれか1つまたは複数に記載の方法。
【0128】
例39
前記カッターを前記生検装置の針に対して近位に後退させて、前記試料観察部に隣接して配置されたシールを開くことを更に含む、例36~38のいずれか1つまたは複数に記載の方法。
【0129】
例40
前記カッターを前記針に対して遠位に前進させて、前記シールを閉じることを更に含む、例39に記載の方法。
【0130】
例41
本体と、前記本体から遠位に延在する針と、前記針に対して長手方向に平行移動が可能なカッターであって、前記カッターがカッター内腔を画定する、前記カッターと、前記本体に連結された組織試料ホルダであって、前記カッターの前記カッター内腔が、前記カッターと前記組織試料ホルダとの間に延在する流体管の少なくとも一部分を画定する、前記組織試料ホルダと、前記カッターの遠位端と前記組織試料ホルダとの間に配置された試料停止アセンブリであって、前記試料停止アセンブリが、前記流体管内で輸送されている組織試料を検査のために選択的に停止させ、前記停止させた組織試料の前記組織試料ホルダへ向けての移動を可能にするように構成されている、前記試料停止アセンブリとを備える生検装置。
【0131】
例42
前記試料停止アセンブリが、前記停止させた組織試料の目視検査を可能にする透明な試料検査窓を含む、例41に記載の生検装置。
【0132】
例43
前記試料検査窓及び前記ゲートシールが両方ともに、前記組織試料を停止させる閉位置から、前記停止させた組織試料の前記組織試料ホルダへ向けての移動を可能にする開位置に、前記ゲートシールを移行させるように、前記本体に対して移動できる、例42に記載の生検装置。
【0133】
例44
前記ゲートシールが複数の真空開口を含み、前記試料検査窓が複数の真空経路を含み、前記ゲートシールの前記真空開口が前記試料検査窓の前記真空経路と流体連通するように、前記ゲートシールが前記試料検査窓に対して配置されている、例42に記載の生検装置。
【0134】
例45
前記試料検査窓の前記真空経路が、前記ゲートシールの前記真空開口と共に、組織試料が前記ゲートシールに隣接しているときに前記ゲートシールを通る流体の流れを促進するように構成されている、例44に記載の生検装置。
【0135】
例46
前記ゲートシールが可撓性を有する、例42~45のいずれか1つまたは複数に記載の生検装置。
【0136】
例47
カッター作動アセンブリを更に含み、前記カッター作動アセンブリが、前記カッターの移動を駆動するよう機能する、例42~46のいずれか1つまたは複数に記載の生検装置。
【0137】
例48
前記カッター作動アセンブリがカッター駆動部材を含み、前記カッター駆動部材の少なくとも一部分が、前記ゲートシールを、前記ゲートアセンブリの前記試料検査窓に固定するように構成されている、例47に記載の生検装置。
【0138】
例49
前記試料検査窓が内腔を含み、前記カッター駆動部材が内腔を含み、前記試料検査部材の前記内腔と前記カッター駆動部材の前記内腔とが両方ともに、前記カッターと前記組織試料ホルダとの間に延在する前記流体管の一部分を画定する、例48に記載の生検装置。
【0139】
例50
前記ゲートシールが、開放構成と閉鎖構成との間を移行するように構成され、前記ゲートシールが複数の開口を含み、前記複数の開口の各開口が、前記ゲートシールが前記開放構成及び前記閉鎖構成のいずれにあるときも、前記ゲートシールを通る流体の連通を可能にするように構成されている、例42~49のいずれか1つまたは複数に記載の生検装置。
【0140】
例51
前記生検装置が、前記組織試料ホルダから遠位に延在する輸送管を更に含み、前記輸送管が、前記流体管の少なくとも一部分を画定し、前記輸送管が、前記ゲートシールの前記輸送管に対する移動時に、前記組織試料を停止させる閉位置から、前記停止させた組織試料の前記組織試料ホルダへ向けての移動を可能にする開位置に、前記ゲートシールを移行させるように構成されている、例42~50のいずれか1つまたは複数に記載の生検装置。
【0141】
例52
前記試料停止アセンブリにセンサが付随し、前記センサが、前記試料停止アセンブリの少なくとも一部分の範囲内で、前記停止させた組織試料の存在を検出するように構成されている、例41に記載の生検装置。
【0142】
例53
前記センサがコントローラと通信し、前記コントローラが、前記センサによる組織試料の存在の検出に応答して、前記組織試料ホルダに供給される真空を減らすように構成されている、例52に記載の生検装置。
【0143】
例54
前記センサが、前記試料停止アセンブリの少なくとも一部分に組み込まれている、例52~53のいずれか1つまたは複数に記載の生検装置。
【0144】
例55
前記センサが、前記本体に組み込まれている、例52~53のいずれか1つまたは複数に記載の生検装置。
【0145】
V.結論
参照によって本明細書に、その全体または一部が組み込まれると言及されるいかなる特許、刊行物、または他の開示資料は、組み込まれる資料も、本開示に記載される既存の定義、声明、または他の開示資料と矛盾しない限りにおいてのみ、本明細書に組み込まれることが理解されるべきである。したがって、必要な限りにおいて、本明細書に明示的に記載されている開示の内容が、参照により本明細書に組み込まれる矛盾する資料に対して優先される。参照によって本明細書に組み込まれると言及されているが、本明細書に記載されている既存の定義、声明、または他の開示資料と矛盾するいかなる資料またはその一部分も、その組み込まれた資料と既存の開示資料との間に矛盾が生じない範囲内でのみ組み込まれる。
【0146】
単なる例示として、本明細書に記載の実施形態では、手術前に処理が施されてもよい。まず、新品または使用済みの器具を調達し、必要に応じて洗浄を行う場合がある。次いで、器具を滅菌してもよい。ある滅菌技法においては、器具は、プラスチックバッグやTYVEKバッグといった密閉容器中に置かれる。次に、容器及び器具は、ガンマ線、X線、または高エネルギー電子などの、容器を透過することができる放射線の場に置かれてもよい。放射線により、器具上の細菌と容器内の細菌とは除菌され得る。次に、滅菌した器具は、滅菌容器内に格納されてもよい。密封された容器は、医療施設内で開封されるまで、器具を無菌状態に保つことができる。装置は、ベータ線もしくはガンマ線、エチレンオキシド、または蒸気を含むがこれらに限定されない、当技術分野で知られている他のいかなる技法をも用いて滅菌することもできる。
【0147】
本明細書で開示される装置の実施形態は、少なくとも1回の使用の後に、再使用のために再調整することができる。再調整には、装置の分解と、その後に続く特定の部品の洗浄または交換と、それに続く再組立てとのステップの任意の組合せが含まれ得る。特に、本明細書で開示される装置の実施形態は、分解することができ、任意の数の特定の装置部品または装置パーツを、任意の組合せで選択的に交換または除去することができる。特定のパーツの洗浄及び/または交換を行い次第、本装置の実施形態は、再調整施設で、または外科処置の直前に外科チームによって、次の使用のために再組み立てすることができる。当業者であれば、装置の再調整が、分解、洗浄/交換、及び再組立てのために、様々な技法を利用し得ることが理解されるであろう。そのような技法の使用、及び結果として再調整された装置は、全て本願の範囲内にある。
【0148】
本発明の様々な実施形態が示され、説明されたが、本明細書に記載の方法及びシステムの更なる改変が、本発明の範囲から逸脱することなく、当業者による適切な変更によって達成され得る。そのような可能性のある変更のいくつかは言及されており、その他は当業者には明白であろう。例えば、上述の例、実施形態、幾何学的特徴、材料、寸法、比率、ステップなどは、例示的なものであって必須ではない。したがって、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲の観点から検討されるべきであり、明細書及び図面に示され、説明された構造及び動作の詳細に限定されないことが理解される。
【0149】
〔実施の態様〕
(1) (a)本体と、
(b)前記本体から遠位に延在する針と、
(c)前記針に対して長手方向に平行移動が可能なカッターであって、前記カッターがカッター内腔を画定する、前記カッターと、
(d)前記本体に連結された組織試料ホルダであって、前記カッターの前記カッター内腔が、前記カッターと前記組織試料ホルダとの間に延在する流体管の少なくとも一部分を画定する、前記組織試料ホルダと、
(e)前記カッターの遠位端と前記組織試料ホルダとの間に配置された試料停止アセンブリであって、前記試料停止アセンブリが、前記流体管内で輸送されている組織試料を検査のために選択的に停止させ、前記停止させた組織試料の前記組織試料ホルダへ向けての移動を可能にするように構成されている、前記試料停止アセンブリと
を備える生検装置。
(2) 前記試料停止アセンブリが、前記停止させた組織試料の目視検査を可能にする透明な試料検査窓を含む、実施態様1に記載の生検装置。
(3) 前記試料検査窓及び前記ゲートシールが両方ともに、前記組織試料を停止させる閉位置から、前記停止させた組織試料の前記組織試料ホルダへ向けての移動を可能にする開位置に、前記ゲートシールを移行させるように、前記本体に対して移動できる、実施態様2に記載の生検装置。
(4) 前記ゲートシールが複数の真空開口を含み、前記試料検査窓が複数の真空経路を含み、前記ゲートシールの前記真空開口が前記試料検査窓の前記真空経路と流体連通するように、前記ゲートシールが前記試料検査窓に対して配置されている、実施態様2に記載の生検装置。
(5) 前記試料検査窓の前記真空経路が、前記ゲートシールの前記真空開口と共に、組織試料が前記ゲートシールに隣接しているときに前記ゲートシールを通る流体の流れを促進するように構成されている、実施態様4に記載の生検装置。
【0150】
(6) 前記ゲートシールが可撓性を有する、実施態様2に記載の生検装置。
(7) カッター作動アセンブリを更に含み、前記カッター作動アセンブリが、前記カッターの移動を駆動するよう機能する、実施態様2に記載の生検装置。
(8) 前記カッター作動アセンブリがカッター駆動部材を含み、前記カッター駆動部材の少なくとも一部分が、前記ゲートシールを、前記ゲートアセンブリの前記試料検査窓に固定するように構成されている、実施態様7に記載の生検装置。
(9) 前記試料検査窓が内腔を含み、前記カッター駆動部材が内腔を含み、前記試料検査部材の前記内腔と前記カッター駆動部材の前記内腔とが両方ともに、前記カッターと前記組織試料ホルダとの間に延在する前記流体管の一部分を画定する、実施態様8に記載の生検装置。
(10) 前記ゲートシールが、開放構成と閉鎖構成との間を移行するように構成され、前記ゲートシールが複数の開口を含み、前記複数の開口の各開口が、前記ゲートシールが前記開放構成及び前記閉鎖構成のいずれにあるときも、前記ゲートシールを通る流体の連通を可能にするように構成されている、実施態様2に記載の生検装置。
【0151】
(11) 前記生検装置が、前記組織試料ホルダから遠位に延在する輸送管を更に含み、前記輸送管が、前記流体管の少なくとも一部分を画定し、前記輸送管が、前記ゲートシールの前記輸送管に対する移動時に、前記組織試料を停止させる閉位置から、前記停止させた組織試料の前記組織試料ホルダへ向けての移動を可能にする開位置に、前記ゲートシールを移行させるように構成されている、実施態様2に記載の生検装置。
(12) 前記試料停止アセンブリが試料検査部材を含み、前記試料検査部材が、前記試料検査部材内の組織試料の存在を検出するためのセンサを含む、実施態様1に記載の生検装置。
(13) 前記センサがコントローラと通信し、前記コントローラが、前記センサによる組織試料の存在の検出に応答して、前記組織試料ホルダに供給される真空を減らすように構成されている、実施態様12に記載の生検装置。
(14) 前記センサがインピーダンスセンサを含み、前記コントローラが、前記インピーダンスセンサからの信号に基づいて、組織試料の特性を識別するように構成されている、実施態様13に記載の生検装置。
(15) 前記試料検査部材がアクセス窓を含み、前記アクセス窓が、前記試料検査部材からの組織試料の採取を可能にするために、開放構成と閉鎖構成との間を移動するように構成されている、実施態様12に記載の生検装置。
【0152】
(16) (a)本体と、
(b)前記本体から遠位に延在する針と、
(c)前記針に対して長手方向に平行移動が可能なカッターであって、前記カッターがカッター内腔を画定する、前記カッターと、
(d)前記本体に対して近位に連結された組織試料ホルダであって、前記カッターの前記カッター内腔が、前記カッターと前記組織試料ホルダとの間に延在する流体管の少なくとも一部分を画定する、前記組織試料ホルダと、
(e)カッター作動アセンブリであって、前記カッター作動アセンブリが、前記カッターと連絡しているカッター駆動体と、並進部材と、駆動歯車とを含み、前記カッター駆動体が、複数のネジ山を有するネジ付き部を含み、前記ネジ山が、前記ネジ付き部に沿って横方向に延在する溝によって中断され、前記並進部材が、前記ネジ付き部と係合して、前記カッター駆動体を介して前記カッターを並進させるように構成され、前記駆動歯車が、前記溝と係合して、前記カッター駆動体を介して前記カッターを回転させるように構成されている、前記カッター作動アセンブリと
を備える生検装置。
(17) 前記並進部材が、穴を画定する本体を含み、前記本体が、前記穴の内向きに延在するネジ切り部を更に画定し、前記ネジ切り部が、前記カッター駆動体の前記ネジ山と噛み合うように構成されている、実施態様16に記載の生検装置。
(18) 前記並進部材の前記本体によって画定された前記ネジ切り部が、前記穴の内側周りの一巻きによって画定された単一のネジ山を含む、実施態様17に記載の生検装置。
(19) 前記カッター駆動体が、組織停止アセンブリを作動させるように構成され、前記組織停止アセンブリがシールを含み、前記カッター駆動体が、同時に前記カッターを移動させながら前記シールを移動させるように構成されている、実施態様16に記載の生検装置。
(20) 生検装置を用いて組織試料を採取する方法であって、
(a)前記生検装置のカッターを通して、第1の組織試料を前記生検装置の試料観察部に輸送すること、
(b)前記試料観察部に、前記第1の組織試料を停止させること、
(c)前記第1の組織試料が前記観察部内に配置されている間に、前記第1の組織試料を検査すること、
(d)前記第1の組織試料を前記試料観察部から組織試料ホルダへ輸送すること、及び
(e)前記カッターを通して、第2の組織試料を前記試料観察部に輸送すること
を含む前記方法。