(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-27
(45)【発行日】2024-10-07
(54)【発明の名称】車載データ処理方法、装置、電子デバイス、記憶媒体、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G08G 1/00 20060101AFI20240930BHJP
G08G 1/16 20060101ALI20240930BHJP
B60W 30/06 20060101ALI20240930BHJP
B60W 50/00 20060101ALI20240930BHJP
G16Y 10/40 20200101ALI20240930BHJP
【FI】
G08G1/00 D
G08G1/16 A
B60W30/06
B60W50/00
G16Y10/40
(21)【出願番号】P 2022203005
(22)【出願日】2022-12-20
【審査請求日】2022-12-20
(31)【優先権主張番号】202111595724.1
(32)【優先日】2021-12-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】514322098
【氏名又は名称】ベイジン バイドゥ ネットコム サイエンス テクノロジー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Beijing Baidu Netcom Science Technology Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】2/F Baidu Campus, No.10, Shangdi 10th Street, Haidian District, Beijing 100085, China
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ジンガン ヤン
(72)【発明者】
【氏名】ビン フ
(72)【発明者】
【氏名】ボ ジャン
(72)【発明者】
【氏名】グイグァン ビ
(72)【発明者】
【氏名】ハンチュアン チェン
【審査官】貞光 大樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-43495(JP,A)
【文献】特開2019-145016(JP,A)
【文献】特開2020-42788(JP,A)
【文献】特開2020-62940(JP,A)
【文献】特開2006-11814(JP,A)
【文献】特開2018-181034(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第110069064(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0004249(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00 - 1/16
B60W 10/00 - 10/30
B60W 30/00 - 60/00
G16Y 10/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車載データ処理方法であって、当該車載データ処理方法は、
車両により、収集されたユーザ行動データを車載データと照合し
、前記ユーザ行動データが、前記車載データに基づいて得られた方策データと一致していない照合結果が得られた場合に、前記ユーザ行動データ及び/又は前記ユーザ行動データに関連するデータを差異データ
として決定することであって、
前記ユーザ行動データがユーザの実際の行動を表し、前記車載データが自動運転モデルの出力した方策を表し、前記差異データが
前記車載データのうちのユーザ行動に関連し且つ
前記自動運転モデルに認識されていないシーンデータを表し、
前記方策データが、前記車両を制御して自動運転を実現するためのものである、ことと、
前記車両により、サーバが前記差異データに基づいて前記自動運転モデルのモデル訓練を実行して、訓練された更新モデルを得るために、前記差異データを
サーバに報告することと、
前記車両により、データ更新操作に応じて
、ダウンロードデータパケットを
ダウンロードして、前記車載データを更新すること
であって、前記ダウンロードデータパケットが前記更新モデル及び/又は前記更新モデルに基づいて得られた更新後の車載データを含む、ことと、を含む、
車載データ処理方法。
【請求項2】
前記
車両により、収集されたユーザ行動データを車載データと照合し
、前記ユーザ行動データが、前記車載データに基づいて得られた方策データと一致していない照合結果が得られた場合に、前記ユーザ行動データ及び/又は前記ユーザ行動データに関連するデータを差異データ
として決定することは、
車両の走行状態において、前記車載データに基づい
て第1方策決定データを得ること
であって、前記第1方策決定データが、前記車両を制御して自動運転を実現するためのものである、ことと、
前記車両の走行状態において、車両周辺に障害物が存在すると認識された場合に、第1ユーザ行動データを収集すること
であって、前記第1ユーザ行動データがユーザの実際の行動を表すためのものである、ことと、
前記第1ユーザ行動データが前記第1方策決定データと
一致していない照合結果が得られた場合に、前記第1ユーザ行動データ及び/又は前記第1ユーザ行動データに関連するデータを前記差異データとして決定すること
であって、前記第1ユーザ行動データに関連するデータが現在の環境情報及び/又は運転状態情報を表すためのものである、ことと、を含む、
請求項1に記載の車載データ処理方法。
【請求項3】
前記
車両により、収集されたユーザ行動データを車載データと照合し
、前記ユーザ行動データが、前記車載データに基づいて得られた方策データと一致していない照合結果が得られた場合に、前記ユーザ行動データ及び/又は前記ユーザ行動データに関連するデータを差異データ
として決定することは、
自動駐車状態において、前記車載データに基づい
て第2方策決定データを得ること
であって、前記第2方策決定データが、前記車両を制御して自動運転を実現するためのものである、ことと、
前記自動駐車状態において、駐車スペースが存在すると認識された場合に、第2ユーザ行動データを収集すること
であって、前記第2ユーザ行動データがユーザの実際の行動を表すためのものである、ことと、
前記第2ユーザ行動データが前記第2方策決定データと
一致していない照合結果が得られた場合に、前記第2ユーザ行動データ及び/又は前記第2ユーザ行動データに関連するデータを前記差異データとして決定すること
であって、前記第2ユーザ行動データに関連するデータが現在の環境情報及び/又は運転状態情報を表すためのものである、ことと、を含む、
請求項1に記載の車載データ処理方法。
【請求項4】
前記車両により、前記差異データを
サーバに報告することは、
前記差異データのうち、ユーザ及び/又は車両の識別に用いられる情報を削除処理して
前記自動運転モデルのモデル訓練に用いられる目標データを得、前記目標データをアップロードすること、あるいは、
前記差異データのうち、ユーザ及び/又は車両の識別に用いられる情報を削除処理及び暗号化処理して
前記自動運転モデルのモデル訓練に用いられる目標データを得、前記目標データをアップロードすること、を含む、
請求項1から3までのいずれか1項に記載の車載データ処理方法。
【請求項5】
前記車載データ処理方法は、
前記差異データに基づいて
前記自動運転モデルのモデル訓練を実行して
、訓練された更新モデルを得る場合に、
前記車両によりユーザ提示情報を受信すること
であって、前記ユーザ提示情報が、ユーザによりデータ更新操作を確認することに用いられるものである、ことと、
前記ユーザ提示情報によって、
前記車載データを更新するようにデータ更新動作をトリガすることと、をさらに含む、
請求項1から3のいずれか1項に記載の車載データ処理方法。
【請求項6】
前記データ更新操作に応じて
、ダウンロードデータパケットを
ダウンロードして、前記車載データを更新することは、
前記ダウンロードデータパケットが前記更新モデルである場合に、前記更新モデルをロードして更新
後の車載データを得、前記更新
後の車載データによって前記車載データを更新すること、あるいは、
前記ダウンロードデータパケットが、前記更新モデルに基づいて得られた更新
後の車載データである場合に、前記更新
後の車載データによって前記車載データを更新することを含む、
請求項5に記載の車載データ処理方法。
【請求項7】
車載データ処理装置であって、当該車載データ処理装置は、
車両により、収集されたユーザ行動データを車載データと照合し
、前記ユーザ行動データが、前記車載データに基づいて得られた方策データと一致していない照合結果が得られた場合に、前記ユーザ行動データ及び/又は前記ユーザ行動データに関連するデータを差異データ
として決定するための照合ユニットであって、
前記ユーザ行動データがユーザの実際の行動を表し、前記車載データが自動運転モデルの出力した方策を表し、前記差異データが
前記車載データのうちのユーザ行動に関連し且つ
前記自動運転モデルに認識されていないシーンデータを表し、
前記方策データが、前記車両を制御して自動運転を実現するためのものである、照合ユニットと、
前記車両により、サーバが前記差異データに基づいて前記自動運転モデルのモデル訓練を実行して、訓練された更新モデルを得るために、前記差異データを
サーバに報告するための報告ユニットと、
前記車両により、データ更新操作に応じて
、ダウンロードデータパケットを
ダウンロードして、前記車載データを更新するためのデータ更新ユニット
であって、前記ダウンロードデータパケットが前記更新モデル及び/又は前記更新モデルに基づいて得られた更新後の車載データを含む、データ更新ユニットと、を備える、
車載データ処理装置。
【請求項8】
前記照合ユニットは、
車両の走行状態において、前記車載データに基づいて
第1方策決定データを得
ることであって、前記第1方策決定データが、前記車両を制御して自動運転を実現するためのものである、ことと、
前記車両の走行状態において、車両周辺に障害物が存在すると認識された場合に、第1ユーザ行動データを収集
することであって、前記第1ユーザ行動データがユーザの実際の行動を表すためのものである、ことと、
前記第1ユーザ行動データが前記第1方策決定データと
一致していない照合結果が得られた場合に、前記第1ユーザ行動データ及び/又は前記第1ユーザ行動データに関連するデータを前記差異データとして決定すること
であって、前記第1ユーザ行動データに関連するデータが現在の環境情報及び/又は運転状態情報を表すためのものである、ことと、に用いられる、
請求項7に記載の車載データ処理装置。
【請求項9】
前記照合ユニットは、
自動駐車状態において、前記車載データに基づい
て第2方策決定データを得
ることであって、前記第2方策決定データが、前記車両を制御して自動運転を実現するためのものである、ことと、
前記自動駐車状態において、駐車スペースが存在すると認識された場合に、第2ユーザ行動データを収集
することであって、前記第2ユーザ行動データがユーザの実際の行動を表すためのものである、ことと、
前記第2ユーザ行動データが前記第2方策決定データと
一致していない照合結果が得られた場合に、前記第2ユーザ行動データ及び/又は前記第2ユーザ行動データに関連するデータを前記差異データとして決定すること
であって、前記第2ユーザ行動データに関連するデータが現在の環境情報及び/又は運転状態情報を表すためのものである、ことと、に用いられる、
請求項7に記載の車載データ処理装置。
【請求項10】
前記報告ユニットは、
前記差異データのうち、ユーザ及び/又は車両の識別に用いられる情報を削除処理して
前記自動運転モデルのモデル訓練に用いられる目標データを得、前記目標データをアップロードすること、あるいは、
前記差異データのうち、ユーザ及び/又は車両の識別に用いられる情報を削除処理及び暗号化処理して
前記自動運転モデルのモデル訓練に用いられる目標データを得、前記目標データをアップロードすること、に用いられる、
請求項7から9までのいずれか1項に記載の車載データ処理装置。
【請求項11】
前記車載データ処理装置は、
前記差異データに基づいて
前記自動運転モデルのモデル訓練を実行して
、訓練された更新モデルを得る場合に、
前記車両によりユーザ提示情報を受信する
ことであって、前記ユーザ提示情報が、ユーザによりデータ更新操作を確認することに用いられるものである、ことと、
前記ユーザ提示情報によって、
前記車載データを更新するようにデータ更新動作をトリガする
ことと、に用いられる情報受信ユニットをさらに備える、
請求項7から9のいずれか1項に記載の車載データ処理装置。
【請求項12】
前記データ更新ユニットは、
前記ダウンロードデータパケットが前記更新モデルである場合に、前記更新モデルをロードして更新
後の車載データを得、前記更新
後の車載データによって前記車載データを更新すること、あるいは、
前記ダウンロードデータパケットが、前記更新モデルに基づいて得られた更新
後の車載データである場合に、前記更新
後の車載データによって前記車載データを更新すること、に用いられる、
請求項11に記載の車載データ処理装置。
【請求項13】
少なくとも1つのプロセッサと、
前記少なくとも1つのプロセッサと通信接続されるメモリと、を備え、
前記メモリには、前記少なくとも1つのプロセッサで実行可能な命令が記憶され、前記命令は、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、前記少なくとも1つのプロセッサに、請求項1~3のいずれか1項に記載の車載データ処理方法を実行させる、
電子デバイス。
【請求項14】
コンピュータに請求項1~3のいずれか1項に記載の車載データ処理方法を実行させる命令を記憶するための非一時的なコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項15】
コンピュータにおいて、プロセッサにより実行されると、請求項1~3のいずれか1項に記載の車載データ処理方法を実現するためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は人工知能技術の分野に関し、特にモノのインターネット、自動駐車、自動運転などの分野に関する。
【背景技術】
【0002】
技術の発展に伴い、人工知能によりソフト/ハードウェアの性能最適化処理を実現することができ、適用されうる応用シーンはさまざまであり、例えば自動駐車、自動運転などの応用シーンに関わるソフト/ハードウェアの設計に人工知能技術を用いることで、ソフト/ハードウェアの処理速度及び処理精度を高めることもできる。
【0003】
もっとも、自動運転を例として、車載データの収集には、実際のシーンのあらゆる面をカバーする必要があるが、しかし、実際の状況は、専門の収集車によって収集されたデータは全面(全体)的ではなく、コストが高いだけでなく、精度もよくない。言い換えれば、さまざまな実際のシーンの特徴を含むデータが全面的であるか否か、データが十分に正確であるか否かは、ソフト/ハードの処理速度及び処理精度に影響を及ぼし、例えば、自動運転シーンにおける走行の精度に影響を及ぼし、安全上のリスクをもたらす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、車載データ処理方法、装置、電子デバイス、記憶媒体、及びプログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の1つの態様では、車載データ処理方法を提供し、該方法は、
収集されたユーザ行動データを車載データと照合して差異データを得ることであって、前記差異データが、ユーザ行動に関連し且つ前記車載データに含まれていないシーンデータを表すためのものである、ことと、
前記差異データを報告することと、
データ更新操作に応じて、前記差異データにより得られたダウンロードデータパケットを用いて、前記車載データを更新することと、を含む。
【0006】
本開示のもう1つの様態では、車載データ処理装置を提供し、該装置は、
収集されたユーザ行動データを車載データと照合して差異データを得るための照合ユニットであって、前記差異データが、ユーザ行動に関連し且つ前記車載データに含まれていないシーンデータを表すためのものである、照合ユニットと、
前記差異データを報告するための報告ユニットと、
データ更新操作に応じて、前記差異データにより得られたダウンロードデータパケットを用いて、前記車載データを更新するためのデータ更新ユニットと、を備える。
【0007】
本開示のもう1つの様態では、電子デバイスを提供し、該デバイスは、
少なくとも1つのプロセッサと、
少なくとも1つのプロセッサに通信接続されるメモリと、を備え、
メモリには、少なくとも1つのプロセッサにより実行可能な命令が記憶されており、
命令は、少なくとも1つのプロセッサにより実行されると、本開示の任意の実施例の方法を実行させることを特徴とする。
【0008】
本開示のもう1つの様態では、コンピュータ命令を記憶した非一時的なコンピュータ可読記憶媒体を提供し、該コンピュータ命令は、本開示の任意の実施例の方法をコンピュータに実行させる。
【0009】
本開示のもう1つの様態では、プログラムを提供し、該プログラムは、プロセッサにより実行されると、本開示の任意の実施例の方法を実現する。
【0010】
本開示によれば、収集されたユーザ行動データを車載データと照合して、ユーザ行動に関連し且つ前記車載データに含まれていないシーンデータを表すための差異データを得、データ更新操作に応じて、前記差異データにより得られたダウンロードデータパケットを用いて、前記車載データを更新することと、を含む。本開示を採用することで、自動運転シーンにおける走行の精度を高めることができる。
【0011】
ここに記載された内容は、本開示の実施例のキーポイント又は重要な特徴を記述することを意図せず、また、本開示の範囲を制限することにも用いられないことを理解すべきである。本開示の他の特徴については、下記の明細書を通して理解を促すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
添付図面は、本方案をより良く理解するためのものであり、本開示を限定するものではない。
【
図1】本開示の1つの実施例における車両とクラウドとの通信の応用シーンの概略図である。
【
図2】本開示の1つの実施例における車載データ処理方法のフローチャート概略図である。
【
図3】本開示の1つの実施例における応用例において、車載データ処理のフレームワークの概略図である。
【
図4】本開示の1つの実施例における車載データ処理装置の構成を示す概略図である。
【
図5】本開示の1つの実施例における車載データ処理方法の電子デバイスのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下では、本開示の例示的な実施例を、理解を容易にするために本開示の実施例の様々な詳細を含む添付の図面に関連して説明するが、これらは単に例示的なものであると考えるべきである。したがって、当業者は、本開示の範囲及び精神を逸脱することなく、本明細書に記載された実施例に様々な変更及び修正を加えることができることを認識すべきである。同様に、以下の説明では、周知の機能及び構成については、明確化及び簡明化のために説明を省略する。
【0014】
本明細書における用語「及び/又は」は、関連オブジェクトを記述する一種の関連関係にすぎず、3つの関係が存在し得ることを意味し、例えば、「A及び/又はB」とは、Aが単独で存在すること、AとBが同時に存在すること、Bが単独で存在することという3つの状況を表すことができる。ここでの用語「少なくとも1つ」は、複数のうちの任意の1つ又は複数のうちの少なくとも2つの任意の組み合わせを意味し、例えば、「A、B、Cのうちの少なくとも1つを含む」とは、A、B、及びCからなるセットから選択された任意の1つ又は複数の要素を含むことを意味してもよい。本明細書における用語「第1」、「第2」という用語は、複数の類似した技術用語を指し、それらを区別することを意味し、順序を限定する意味ではなく、あるいは、2つのみを限定する意味ではない。例えば、第1特徴と第2特徴とは、2種類/2つの特徴があることを意味し、第1特徴は1つ又は複数であってもよく、第2特徴も1つ又は複数であってもよい。
【0015】
さらに、本開示をより良く説明するために、以下の具体的な実施形態において、多くの具体的な詳細が示される。当業者は、特定の詳細がなくても本開示は同様に実施することができることを理解すべきである。いくつかの例では、本開示の主旨を明確にするために、当業者によく知られている方法、手段、要素、及び回路については、詳細に説明されていない。
【0016】
図1は、本開示の1つの実施例における車両とクラウドとの通信の応用シーンの概略図であり、バックグラウンドサーバ100と、複数の車両(例えば、車両107~車両108)と、バックグラウンドサーバと複数の車両との間で通信するための「クラウド」106とを含む。該バックグラウンドサーバ側は分散クラスタシステムを用いることができ、複数の車両によって報告された差異データに基づいてモデル訓練を行うために利用され得る該分散クラスタシステムを例示的に説明する。
図1に示すように、該分散クラスタシステムには、複数のノード(例えば、サーバクラスタ101、サーバ102、サーバクラスタ103、サーバ104、サーバ105)が含まれ、複数のノードの間では1つ又は複数のモデル訓練タスクを共同で実行することができる。選択可能に、該分散クラスタシステムにおける複数のノードは、同じ訓練方法に基づいて該モデル訓練タスクを実行することができ、異なる訓練方法に基づいて該モデル訓練タスクを実行することもできる。選択可能に、モデル訓練が完了するたびに、複数のノードの間でデータ交換(データ同期など)を行うことができる。
【0017】
本開示の実施例では、車載データ処理方法が提供され、
図2は、本開示の1つの実施例における車載データ処理方法のフローチャート概略図であり、該方法は、車載データ処理装置に応用でき、例えば、該装置は、シングルマシン、マルチマシン、またはクラスタシステムにおいて、端末、サーバ、または他の処理装置に展開(デプロイ)し実行される場合に、車載データ処理などの処理を実現し得る。ここで、端末は、ユーザ機器(UE、USER Equipment)、モバイル機器、パーソナルデジタルアシスタント(PDA、Personal Digital Assistant)、ハンドヘルド機器、計算機器、車載機器、ウェアラブル機器などであることができる。いくつかの可能な実施形態では、該方法は、プロセッサがメモリに記憶されたコンピュータ可読命令を呼び出すことによって実現されることができる。
図2に示すように、以下を含む。
【0018】
S201で、車両が、収集されたユーザ行動データを車載データと照合して差異データを得、ここで、該差異データが、ユーザ行動に関連し且つ該車載データに含まれていないシーンデータを表すためのものである。
【0019】
S202、車両が、該差異データをバックグラウンドサーバに報告する。
【0020】
S203、車両が、データ更新操作に応じて、該差異データにより得られたダウンロードデータパケットを用いて、該車載データを更新する。
【0021】
S201~S203の一例では、該車両は、自動運転車両又は他のインテリジェント運転機能を備えた車両を含む、所有者が運転する車両とすることができ、該所有者が運転する車両は、任意の車両モード(例えば、車両の走行状態または自動駐車状態等のモード)において、上述した自動収集方法によってユーザ行動データを収集することができる。該車両は、収集された該ユーザ行動データと車載データ(例えば、自動運転モデルを用いて得られたモデル出力データ)とを照合することにより、該差異データ(該差異データは、ユーザ行動に関連し且つ該モデル出力データに含まれていないシーンデータを表すために用いられる)を得ることができる。車両は、該差異データをバックグラウンドサーバに報告し、該バックグラウンドサーバは、該差異データを訓練サンプルデータとして(あるいは、既存の訓練サンプルデータベースを整備するために該差異データを用いて)自動運転モデルのモデル訓練を行い、訓練後に更新モデルを得ることができる。更新モデルを得た後に、データ更新動作をトリガすることができ、該車両は、該データ更新操作に応じて、バックグラウンドサーバからダウンロードデータパケット(例えば、訓練後に得られた該更新モデル、又は該更新モデルに基づいて直接得られた更新データ)を得、該ダウンロードデータパケットを用いて車載データを更新することができる。
【0022】
本開示によれば、収集されたユーザ行動データと車載データを照合して、差異データを得、該差異データが、ユーザ行動に関連し且つ前記車載データに含まれていないシーンデータを表すことができるので、該差異データをバックグラウンドサーバに報告すると、該バックグラウンドサーバは該差異データに基づいて自動運転モデルのモデル訓練を行うことができ、訓練後に更新モデルを得ることができる。データ更新操作に応答した後、該差異データにより得られたダウンロードデータパケットを、該バックグラウンドサーバからダウンロードすることにより、車載データの更新を容易にし、更新モデルがこれまでの自動運転モデルのシーンデータよりも全面的であるため、性能が向上し、これにより、自動運転シーンにおける走行の精度を高めることができ、安全上のリスクも回避するができる。
【0023】
一実施形態では、収集されたユーザ行動データと車載データとを照合して差異データを得ることは、車両の走行状態において、該車載データ(例えば、自動運転モデルを用いて得られたモデル出力データ)に基づいて方策決定を行い、第1方策決定データ(例えば、第1方策決定に基づいて得られた第1方策決定データ)を得ることと、該車両の走行状態において、車両周辺に障害物が存在すると認識された場合に、第1ユーザ行動データ(例えば、本実施形態における第1方策決定とは異なる第2方策決定に基づいて得られた第1ユーザ行動データ)を収集することと、照合により、該第1ユーザ行動データが該第1方策データとマッチしない場合に、該第1ユーザ行動データ、及び/又は、該第1ユーザ行動データに関連するデータ(例えば、現在の環境情報及び/又は運転状態情報など)を差異データとして決定することと、を含む。本実施形態によれば、該自動運転モデルを用いて障害物(車両が走行している道路上に突然侵入してきた人や物が存在するか、車両が走行している道路の現在の車線から別の車線に車線変更しようとしている際他の車両が存在するかなど)を認識できない場合に、実際のユーザ行動データ(すなわち、該自動運転モデルの方策決定とは異なる方策決定によって得られた第1ユーザ行動データ)を自動的に収集することができ、データを収集するための専用の収集車を配備する必要はない。その結果、コストが削減され、さらに、実際のユーザ行動データ、及び/又は、該実際のユーザ行動データに関連するデータを上記の差異データとして決定し、後続的に該自動運転モデルをより良く整備することができ、該自動運転モデルを整備して得られた更新モデルを車両に展開(デプロイ)すれば、自動運転シーンにおける走行の精度を高めることができ、安全上のリスクも回避するができる。
【0024】
一実施形態では、収集されたユーザ行動データを、該車載データ(例えば、自動運転モデルを用いて得られたモデル出力データ)と照合して差異データを得ることは、自動駐車状態において、該車載データに基づいて方策決定を行い、第2方策決定データ(例えば、第2方策決定に基づいて得られた第2方策決定データ)を得ることと、該自動駐車状態において、駐車スペースが存在すると認識された場合に、第2ユーザ行動データ(例えば、本実施形態における第2方策決定とは異なる第3方策決定に基づいて得られた第2ユーザ行動データ)を収集することと、照合により、該第2ユーザ行動データが第2方策決定データとマッチしない場合に、該第2ユーザ行動データ、及び/又は、該第2ユーザ行動データに関連するデータ(例えば、現在の環境情報及び/又は運転状態情報など)を差異データとして決定することと、を含む。本実施形態によれば、該自動運転モデルを使って駐車スペースを認識できない場合(駐車場に駐車スペースが存在すれば、ユーザが自動駐車できるが、該自動運転モデルを用いて駐車スペースを認識できず、自動駐車できないという方策決定を与えている場合)に、実際のユーザ行動データ(すなわち、該自動運転モデルの方策決定とは異なる方策決定によって得られた第2ユーザ行動データ)を自動的に収集することができ、データを収集するための専用の収集車を配備する必要はない。その結果、コストが削減され、さらに、実際のユーザ行動データ、及び/又は、実際のユーザ行動データに関連するデータを上記の差異データとして決定し、その後、該自動運転モデルをより良く整備することができ、該自動運転モデルを整備して得られた更新モデルを車両に展開(デプロイ)すれば、自動運転シーンにおける走行の精度を高めることができ、安全上のリスクも回避することができる。
【0025】
一実施形態では、差異データを報告することは、該差異データのうち、ユーザ及び/又は車両の識別に用いられる情報を削除処理して目標データを得、該目標データをアップロードする方法、あるいは、該差異データのうち、ユーザ及び/又は車両の識別に用いられる情報を削除処理及び暗号化処理して目標データを得、該目標データをアップロードする他の方法を含む。本実施形態によれば、ユーザの個人情報及び/又は車両情報のセキュリティを考慮し、まず該差異データに対して前処理(削除処理、暗号化処理など)してからアップロードすることで、情報伝送の安全性を高め、ユーザのプライバシーを保護することができる。
【0026】
一実施形態では、該車載データ処理方法は、差異データに基づいてモデル訓練を実行して更新モデルを得る場合に、ユーザ提示情報を受信し、該ユーザ提示情報によってデータ更新動作をトリガすることをさらに含む。本実施形態によれば、該ユーザ提示情報により、ユーザ(例えば自動運転車両の所有者)にデータ更新を提示することができ、ユーザにデータ更新が発生したことをいち早く知らせることができ、データ更新の遅延を減らし、自動運転シーンにおける走行の精度を高め、安全上のリスクも回避することができる。
【0027】
一実施形態では、データ更新操作に応答して、差異データにより得られたダウンロードデータパケットを用いて車載データを更新することは、該ダウンロードデータパケットが該更新モデルである場合に、該更新モデルをロードして更新データを得、該更新データによって車載データを更新する方法、あるいは、該ダウンロードデータパケットが、該更新データに基づいて得られた更新データである場合に、該更新データによって車載データを更新する他の方法を含む。本実施形態によれば、ダウンロードデータパケットがさまざまであり、更新モデルであってもよく、更新モデルに基づいて得られる更新データであってもよいので、ユーザのニーズに応じて異なるサービスをカスタマイズすることができる。
【0028】
以下、上述した本開示の実施例による車載データ処理方法を例示的に説明する。
【0029】
自動運転モデルの訓練に用いられるサンプルデータを収集するため、異なるユーザのニーズに応じて、専用の収集車を配備して特定のシーンデータを収集することができ、それには、例えば雨・雪の天気、高速・地下駐車場などの異なるタイプの場所、自動車・三輪車・自転車・歩行者・バケツなどがあり、その後、人工的にサンプルデータのラベリングを行い、ターゲットを絞ったモデル識別訓練を行う。専用の収集車を配備するのはコストが高く、コストによって制限される。実際には、収集車によって収集されたサンプルデータが人々の生活における全てのシーンのユーザのニーズを満たす、またカバーすることができないため、訓練によって得られた自動運転モデルはデータ収集と人手によるレーベリング(ラベリング)の規模に制限され、多様なシーンが欠落し、限りなく現実のシーンに近づくことができない。データ収集コストが高く、データが全面的でなく正確性も十分でないため、自動運転アルゴリズムモデルの精度と再現率を大きく制限している。自動運転シーンにおいて、自動運転モデルの精度と再現率を高めるために、低コストによるデータ収集を実現する必要があり、かつデータはユーザのニーズを満たして多様なシーンに適応する必要がある。
【0030】
図3は、本開示の1つの実施例における応用例において、車載データ処理のフレームワークの概略図である。
図3に示すように、ユーザ(即ち自動運転車両の所有者)が人工知能技術により自動運転を実現する過程において、バックグラウンドサーバは自動運転シミュレーションシステムを起動することができ、該運転シミュレーションシステムが、自動運転車両に展開(デプロイ)することができる。ユーザの行動が該自動運転シミュレーションシステムの方策決定と一致しない場合、自動データ収集→クラウドへの返送→自動データスクリーニング・マイニング→自動機械学習レーベリング(後続のデータレーベリングを実現するために自動データ送信及び自動データレーベリングを含む)→人工チェック(選択可能であり、図示せず)→モデルの自動訓練→モデルの自動評価→人工評価(選択可能であり、図示せず)→モデルを車両に配布することを行うことにより、大規模な一般的なシーンの自動収集とモデル訓練を極めて低コストで実現し、自動運転モデルを限りなく現実世界のシーンに近づけることができ、主に以下の内容を含む。
【0031】
1、車両の所有者が乗車して自動運転車両を起動すると、自動運転シミュレーションシステム(該システムには自動運転モデルが配備(デプロイ)されている)が自動的に起動する。
【0032】
2、車両の所有者が人工的に車両を運転し、一つのケースでは、車両の所有者は直進中に道路脇に突然侵入してきたサッカーボールに遭遇し、しかし該自動運転モデルの方策決定の設定は直進であり、かつ、この障害物(サッカーボール)を認識できていないため、自動運転モデルは依然として、車速を維持して直進し続けると出力している。この時、車両の所有者は緊急ブレーキを行う。車両の所有者の実際の行為と自動運転モデルの出力した方策決定とが大きく異なり、自動運転システムはこれを差異データとしてキャッチする。もう一つのケースでは、車両の所有者は高速道路を直進し、該自動運転シミュレーションシステムの指示に従って左側に車線変更してウインカーを点灯すると、ユーザがバックミラーから自車両の左後方に1台の後続車が急加速しているのを見えたため、この時点で左に車線変更することはできないが、該自動運転モデルの方策決定が左側に車線変更するように設定されており、この障害物(後続車)を認識できていないため、自動運転モデルは依然として、左に車線を変更すると出力している。この時、車両の所有者がウィンカーを出して右折し、車両の所有者の実際の行為と自動運転モデルの出力した方策決定とが大きく異なり、自動運転システムはこれを差異データとしてキャッチする。もう一つのケースでは、車両の所有者は駐車しようとして、駐車場に入って駐車スペースを探しており、自車両の右側に駐車スペースが存在するが、該自動運転モデルの方策決定が自動駐車ができないように設定されており、かつ該駐車スペースを認識できていないため、自動運転モデルは依然として、自動駐車ができないと出力する。この時、車両の所有者が直接該駐車スペースに自主的に駐車し、車両の所有者の実際の行為と自動運転モデルの出力した方策決定とが大きく異なり、自動運転システムはこれを差異データとしてキャッチする。
【0033】
3、自動運転システムは、ステップ2のようなケースが発生したときの環境情報、運転状態などのデータに対して敏感な情報を自動的に減らし(すなわち、個人情報セキュリティと車両情報セキュリティを考慮して、個人情報セキュリティや車両情報セキュリティなどに関わる情報を削除し、ユーザに関連するシーンデータのみを残す必要がある)、自動暗号化(ユーザに関連するシーンデータのみを残し、暗号化する)した後、車載ネットワークを通じて自動運転クラウド訓練プラットフォームに自動的に返送する必要がある。
【0034】
4、自動運転クラウド訓練プラットフォームは自動的に返送データをスクリーニング(返送されるデータ量が大きいことを考慮すると、例えば、モデル訓練の性能向上に関係のない且つコアでない重要データのような、いくつかの無効なデータが含まれる)並びにマイニングした後、返送データにおけるコアな重要データ(例えば、異なるシーンのデータ、分類データ、前方広角データなどの多視点のデータなど)を抽出し、該コアな重要データを通じてより完全的にモデル訓練し、該コアな重要データをデータレーベリングプラットフォームに自動的に配布することができる。
【0035】
5、データレーベリングプラットフォームはディープラーニングを強化する方法を用いて、まずデータに対して自動化のレーベリングを行い、さらに人手による迅速なチェックを行うことで、人手によるレーベリングの効率を高める。
【0036】
6、クラウド上の大規模AI訓練プラットフォームクラスターを用いて、データに対して全自動化の反復訓練を行い、訓練により複数回反復した後の自動運転モデル(すなわち自動運転モデルを完備させた後に得られた更新モデル)を得る。
【0037】
7、該自動運転モデルに対して自動的に大規模なシーンライブラリデータをロードし、自動化のモデル評価を行い、モデルの精度と再現率指標とを評価することでモデル性能の向上状況を評価する。
【0038】
8、自動運転モデルの精度と再現率の指標が著しく向上した場合、より大規模な実際の車両における一般化テスト検証を経て、OTA遠隔アップグレードシステムにリリースされ、該OTA遠隔アップグレードシステムを介して、ダウンロードパッケージ(上述の実施形態に係る更新モデル及び更新データなど)を車両側の自動運転システムにダウンロードすることができ、その後、車両は提示情報を受信し、データ更新操作をトリガし、その後、ステップ9を実行する。
【0039】
9、車両はクラウドに更新バージョンのモデルがあることを検知すると、ユーザに提示し、ユーザが確認した後に自動的にダウンロードして車両に展開(デプロイ)・更新し、自動運転能力を向上させる。
【0040】
本応用例によれば、道路を走行する膨大な量の車両を活用して、ユーザの行動と自動運転シミュレーションシステムとの差異を利用し、対象を絞ったモデル訓練データを自動的に収集し、極めて低コストかつ幾何レベルの速度で、自動運転モデルの汎化能力を急速に高めることで、自動運転シーンにおける走行の精度を高め、安全上のリスクも回避する。
【0041】
本開示の実施例では、車載データ処理装置が提供され、
図4は本開示の1つの実施例における車載データ処理装置の構成を示す概略図である、
図4に示すように、車載データ処理装置400は、収集されたユーザ行動データを車載データと照合して差異データを得るための照合ユニット401と、前記差異データを報告するための報告ユニット402と、データ更新操作に応じて、前記差異データにより得られたダウンロードデータパケットを用いて、前記車載データを更新するためのデータ更新ユニット403と、を備え、ここで、前記差異データが、ユーザ行動に関連し且つ前記車載データに含まれていないシーンデータを表すためのものである。
【0042】
一実施形態では、前記照合ユニットは、車両の走行状態において、前記車載データに基づいて方策決定を行い、第1方策決定データを得、前記車両の走行状態において、車両周辺に障害物が存在すると認識された場合に、第1ユーザ行動データを収集し、照合により、前記第1ユーザ行動データが前記第1方策決定データとマッチしない場合に、前記第1ユーザ行動データ及び/又は前記第1ユーザ行動データに関連するデータを前記差異データとして決定することに用いられる。
【0043】
一実施形態において、前記照合ユニットは、自動駐車状態において、前記車載データに基づいて方策決定を行い、第2方策決定データを得、前記自動駐車状態において、駐車スペースが存在すると認識された場合に、第2ユーザ行動データを収集し、照合により、前記第2ユーザ行動データが前記第2方策決定データとマッチしない場合に、前記第2ユーザ行動データ及び/又は前記第2ユーザ行動データに関連するデータを前記差異データとして決定することに用いられる。
【0044】
一実施形態では、前記報告ユニットは、前記差異データのうち、ユーザ及び/又は車両の識別に用いられる情報を削除処理して目標データを得、前記目標データをアップロードすること、あるいは、前記差異データのうち、ユーザ及び/又は車両の識別に用いられる情報を削除処理及び暗号化処理して目標データを得、前記目標データをアップロードすること、に用いられる。
【0045】
一実施形態では、前記車載データ処理装置は、前記差異データに基づいてモデル訓練を実行して更新モデルを得る場合に、ユーザ提示情報を受信し、前記ユーザ提示情報によって、前記データ更新動作をトリガするための情報受信ユニットをさらに備える。
【0046】
一実施形態では、前記データ更新ユニットは、前記ダウンロードデータパケットが前記更新モデルである場合に、前記更新モデルをロードして更新データを得、前記更新データによって前記車載データを更新すること、あるいは、前記ダウンロードデータパケットが、前記更新モデルに基づいて得られた更新データである場合に、前記更新データによって前記車載データを更新すること、に用いられる。
【0047】
本開示の技術案において、関連するユーザの個人情報の取得、保存及び応用等は、いずれも関連法律法規の規定に合致しており、公序良俗に反するものではない。
【0048】
本開示の実施例では、本開示はまた、電子デバイス、可読記憶媒体、及びコンピュータプログラム製品を提供する。
【0049】
図5は、本開示の実施例を実現するための電子デバイス500のブロック図である。電子デバイスは、各形式のデジタルコンピュータを指し、例えば、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、ワークステーション、パーソナルデジタルアシスタント、サーバ、ブレードサーバ、大型コンピュータ、及びその他の適合するコンピュータが挙げられる。電子デバイスは、各形式の移動装置を更に指し、例えば、パーソナルデジタルアシスタント、セルラー電話、インテリジェントフォン、ウェアラブルデバイス、及びその他の類似のコンピュータ装置が挙げられる。本開示に記載されているコンポーネント、それらの接続関係、及び機能は例示的なものに過ぎず、本開示に記載・特定されているものの実現を限定するわけではない。
【0050】
図5に示すように、デバイス500は、リードオンリーメモリ(ROM)502に記憶されたコンピュータプログラム命令、又は記憶ユニット508からランダムアクセスメモリ(RAM)503にローディングされたコンピュータプログラム命令に基づいて、各種の適切な動作と処理を実行できる計算ユニット501を含む。RAM503には、デバイス500の動作に必要な各種のプログラム及びデータを更に記憶することができる。計算ユニット501と、ROM502と、RAM503とは、バス504を介して互いに接続されている。入力/出力(I/O)インターフェース505もバス504に接続されている。
【0051】
デバイス500における複数のコンポーネントは、I/Oインターフェース505に接続されており、その複数のコンポーネントは、キーボードやマウス等の入力ユニット506と、種々なディスプレイやスピーカ等の出力ユニット508と、磁気ディスクや光学ディスク等の記憶ユニット508と、ネットワークカード、モデム、無線通信トランシーバー等の通信ユニット509と、を備える。通信ユニット509は、デバイス500がインターネットのようなコンピュータネット及び/又は種々なキャリアネットワークを介して他の機器と情報/データを交換することを許可する。
【0052】
計算ユニット501は、処理及び計算能力を有する様々な汎用及び/又は専用の処理コンポーネントであってもよい。計算ユニット501のいくつかの例としては、中央処理装置(CPU)、グラフィックス処理ユニット(GPU)、様々な専用の人工知能(AI)計算チップ、様々な機械学習モデルアルゴリズムを実行する計算ユニット、デジタル信号プロセッサ(DSP)、及び任意の適切なプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を備えるが、これらに限定されない。計算ユニット501は、上述で説明された各方法及び処理、例えば車載データ処理方法を実行する。例えば、いくつかの実施例では、車載データ処理方法を、記憶ユニット508のような機械読み取り可能な媒体に有形的に含まれるコンピュータソフトウエアプログラムとして実現することができる。一部の実施例では、コンピュータプログラムの一部又は全ては、ROM502及び/又は通信ユニット509を介して、デバイス500にロード及び/又はインストールすることができる。コンピュータプログラムがRAM503にロードされて計算ユニット501によって実行される場合に、前述した車載データ処理方法の1つ又は複数のステップを実行することができる。追加可能に、他の実施例では、計算ユニット501は、他の任意の適当な方式(例えば、ファームウェア)により車載データ処理方法を実行するように構成することができる。
【0053】
ここで記載されているシステム又は技術の各種の実施形態は、デジタル電子回路システム、集積回路システム、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、特定用途向け標準品(ASSP)、システムオンチップ(SOC)、コンプレックスプログラマブルロジックデバイス(CPLD)、コンピュータのハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、及び/又はこれらの組み合わせによって実現することができる。これらの各実施形態は、少なくとも1つのプログラマブルプロセッサを含むプログラマブルシステムにて実行及び/又は解釈される1つ又は複数のコンピュータプログラムにより実行することを含み得、該プログラマブルプロセッサは、ストレージシステム、少なくとも1つの入力デバイス、及び少なくとも1つの出力デバイスからデータ及び命令を受け取り、データ及び命令を該ストレージシステム、該少なくとも1つの入力デバイス、及び該少なくとも1つの出力デバイスに転送することができる専用又は汎用のプログラマブルプロセッサであってもよい。
【0054】
本開示の方法を実行するためのプログラムコードは、1つ又は複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで作成することができる。これらのプログラムコードは、汎用コンピュータ、専用コンピュータ又は他のプログラミングデータ処理装置のプロセッサ又はコントローラに提供されることにより、プログラムコードがプロセッサ又はコントローラによって実行される場合に、フローチャート及び/又はブロック図に規定された機能/動作を実行することができる。プログラムコードは、完全にマシンで実行されてもよいし、部分的にマシンで実行されてもよいし、独立したソフトパッケージとして部分的にマシンで実行されるとともに部分的にリモートマシンで実行されてもよし、又は完全にリモートマシン又はサーバで実行されてもよい。
【0055】
本開示の説明において、機械読み取り可能な媒体は、有形な媒体であってもよく、命令実行システム、装置又は機器によって、又は命令実行システム、装置又は機器と合わせて用いられるプログラムを含み、又は記憶する。機械読み取り可能な媒体は、機械読み取り可能な信号媒体又は機械読み取り可能な記憶媒体であってもよい。機械読み取り可能な媒体は、電子、磁気、光学、電磁、赤外線、又は半導体システム、装置、又はデバイス、又は前述した内容の任意の適切な組み合わせを含むことができるがこれらに限定されない。機械読み取り可能な記憶媒体のさらなる具体例として、1つ又は複数の配線による電気的接続、ポータブルコンピュータディスクカートリッジ、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(RMO)、消去可能なプログラマブルリードオンリーメモリ(EPRMO又はフラッシュメモリ)、光ファイバー、ポータブルコンパクトディスクリードオンリーメモリ(CD-RMO)、光学記憶装置、磁気記憶装置、又は前述した内容の任意の組み合わせを含む。
【0056】
ユーザとのインタラクションを提供するために、コンピュータでここで記載されているシステム及び技術を実施することができ、該コンピュータは、ユーザに情報を表示するための表示装置(例えば、CRT(陰極線管)又はLCD(液晶ディスプレイ)モニター等)、ユーザが入力をコンピュータに提供するためのキーボード及びポインティングデバイス(例えば、マウス又はトラックボール等)を備えるができる。ユーザとのインタラクションを提供するために、他の種類の装置を使用することもでき、例えば、ユーザに提供するフィードバックは、いかなる形式のセンサーフィードバック(例えば、視覚フィードバック、聴覚フィードバック、又は触覚フィードバック等)であってもよく、また、いかなる形式(例えば、音響入力、音声入力、触覚入力等)によって、ユーザからの入力を受付取るができる。
【0057】
ここに記載されているシステムと技術を、バックグラウンド部品に含まれる計算システム(例えば、データサーバとして)、又はミドルウェア部品を含む計算システム(例えば、アプリケーションサーバ)、又はフロント部品を含む計算システム(例えば、GUI又はネットワークブラウザを有するユーザコンピュータが挙げられ、ユーザがGUI又は該ネットワークブラウザによって、ここに記載されているシステムと技術の実施形態とインタラクションすることができる)、又はこのようなバックグラウンド部品、ミドルウェア部品、又はフロント部品のいかなる組合した計算システムで実施することができる。如何なる形式又はメディアのデジタルデータ通信(例えば、通信ネットワーク)を介して、システムの部品を互いに接続することができる。通信ネットワークの例は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)及びインターネットを含む。
【0058】
コンピュータシステムは、クライアントとサーバを含み得る。通常、クライアントとサーバは、互いに離れており、通信ネットワークを介してインタラクションを行うことが一般的である。対応するコンピュータで動作することで、クライアント-サーバの関係を有するコンピュータプログラムによってクライアントとサーバの関係を生み出す。
【0059】
上記の様々な態様のフローを使用して、ステップを新たにソート、追加、又は削除することが可能であることを理解すべきである。例えば、本開示で記載された各ステップは、並列に実行しても良いし、順次に実行しても良いし、異なる順序で実行しても良い。本開示で開示された技術案が所望する結果を実現することができる限り、本開示ではこれに限定されない。
【0060】
上記具体的な実施形態は、本開示の保護範囲に対する限定を構成するものではない。当業者は、設計事項やその他の要因によって、様々な修正、組み合わせ、サブ組み合わせ、及び代替が可能であることを理解するべきである。本開示の要旨及び原理原則内における変更、均等な置換及び改善等は、いずれも本開示の保護範囲に含まれるべきである。