(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-27
(45)【発行日】2024-10-07
(54)【発明の名称】表示パネル及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
H10K 50/844 20230101AFI20240930BHJP
H10K 59/122 20230101ALI20240930BHJP
H10K 59/35 20230101ALI20240930BHJP
H10K 59/124 20230101ALI20240930BHJP
H10K 50/17 20230101ALI20240930BHJP
H10K 50/16 20230101ALI20240930BHJP
H10K 71/20 20230101ALI20240930BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20240930BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20240930BHJP
【FI】
H10K50/844
H10K59/122
H10K59/35
H10K59/124
H10K50/17
H10K50/16
H10K71/20
G09F9/30 349Z
G09F9/30 338
G09F9/00 338
G09F9/30 365
(21)【出願番号】P 2022500693
(86)(22)【出願日】2021-12-30
(86)【国際出願番号】 CN2021143021
(87)【国際公開番号】W WO2023123197
(87)【国際公開日】2023-07-06
【審査請求日】2022-03-07
(31)【優先権主張番号】202111621633.0
(32)【優先日】2021-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】519182202
【氏名又は名称】深▲セン▼市▲華▼星光▲電▼半▲導▼体▲顕▼示技▲術▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】弁理士法人後藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】曹 蔚然
(72)【発明者】
【氏名】李 雲霞
【審査官】桂城 厚
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2021/0066417(US,A1)
【文献】特開2017-079160(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第110867465(CN,A)
【文献】特開2006-004781(JP,A)
【文献】国際公開第2020/202293(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H10K 50/00-99/00
H05B 33/00-33/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
第1貫通孔が貫通されるように前記基板に設けられる画素定義層と、
前記第1貫通孔に設けられる発光層と、を含み、
前記発光層と前記画素定義層との間には、仕切層が設けら
れ、
前記仕切層は、金属層を含
み、
表示パネルは、表示領域と、前記表示領域を取り囲む非表示領域が設けられ、
前記仕切層は、前記金属層の前記表示領域から離れる端部に位置するように前記金属層の前記基板から離れる一面に設けられる絶縁の酸化層をさらに含み、
前記表示パネルは、上電極と、電子機能層と、をさらに含み、
前記電子機能層は、前記発光層及び前記金属層に設けられ、
前記上電極は、前記表示領域から離れる端部が前記酸化層に接続されるように前記電子機能層及び前記酸化層に設けられる
、
表示パネル。
【請求項2】
前記酸化層の材料は、前記金属層の材料の金属酸化物であり、
前記金属層と前記酸化層とは、一体成形される、
請求項
1に記載の表示パネル。
【請求項3】
前記仕切層は、前記画素定義層を被覆し、かつ前記第1貫通孔を充填する、
請求項
1に記載の表示パネル。
【請求項4】
前記仕切層には、隣接する前記発光層の間に位置し、前記仕切層を貫通する第1
孔部が形成さ
れ、
前記第1孔部が、前記仕切層を貫通することによりパッシベーション層を露出させ、前記画素の1周にわたって前記仕切層を分断する、
請求項
3に記載の表示パネル。
【請求項5】
前記基板に設けられるトランジスタ層と、前記トランジスタ層に設けられ、前記画素定義層が設けられる平坦層と、自己修復層と、をさらに含み、表示領域と、前記表示領域を取り囲む非表示領域が設けられ、
前記画素定義層には、前記表示領域及び前記非表示領域のうちの少なくとも1つに位置し、前記第1貫通孔と間隔を空けて形成され、前記第1
孔部と連通し、前記画素定義層及び前記平坦層を貫通することにより、前記トランジスタ層を露出させる第2貫通孔がさらに設けられ、
前記仕切層は、前記第2貫通孔に延在して前記トランジスタ層と接触し、
前記自己修復層は、前記第2貫通孔に延在して前記トランジスタ層と接触するように前記仕切層に設けら
れ、
前記自己修復層が、ジシクロペンタジエン(DCPD)自己修復剤系高分子材料を含む、
請求項
4に記載の表示パネル。
【請求項6】
前記仕切層は、前記第1貫通孔の側壁を被覆する、
請求項1に記載の表示パネル。
【請求項7】
前記基板に設けられ、前記画素定義層が設けられるトランジスタ層と、
前記トランジスタ層内又は前記仕切層に設けられる自己修復層と、をさらに含む、
請求項1に記載の表示パネル。
【請求項8】
前記自己修復層は、
ジシクロペンタジエン(DCPD)自己修復剤系高分子材料を含む、
請求項7に記載の表示パネル。
【請求項9】
前記自己修復層は、脂肪族アミン、メルカプタン、三フッ化ホウ素、ポリチオール-ペンタエリスリトールテトラメルカプトプロピオネート、ベンジルジメチルアミン、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)及び金属ルテニウム基(Grubbs)のうちの一つ又は複数の組み合わせを含む硬化剤をさらに含む、
請求項
8に記載の表示パネル。
【請求項10】
前記自己修復層の前記基板から離れる表面は、疎水性表面である、
請求項
8に記載の表示パネル。
【請求項11】
自己修復材料を100質量部とした場合に、疎水性材料が1~5質量部である、
請求項
10に記載の表示パネル。
【請求項12】
トランジスタ層及び自己修復層をさらに含み、
前記トランジスタ層及び前記自己修復層は、順に前記基板に積層して設けられる、
請求項1に記載の表示パネル。
【請求項13】
トランジスタ層及び自己修復層をさらに含み、
前記トランジスタ層、前記自己修復層及び前記画素定義層は、順に前記基板に積層して設けられる、
請求項1に記載の表示パネル。
【請求項14】
基板を提供するステップと、
第1貫通孔が貫通されるように形成される画素定義層を前記基板に形成するステップと、
仕切層を前記第1貫通孔の側壁に位置させるように前記画素定義層に形成するステップと、
発光層を前記第1貫通孔に設け、仕切層を、前記発光層と前記画素定義層との間に位置させるステップと、を含
み、
表示パネルは、表示領域と、前記表示領域を取り囲む非表示領域が設けられ、
前記仕切層を前記第1貫通孔の側壁に位置させるように前記画素定義層に形成するステップは、
前記画素定義層に金属を設け、前記金属に対してパターン化処理を行うことにより、前記第1貫通孔の側壁に位置する前記仕切層の金属層を形成するステップと、
前記金属層の前記表示領域から離れる一側に位置する前記金属層の端部であって、前記基板から離れる前記金属層の端部の表面に対して、酸化処理を行うことにより、絶縁の酸化層を形成するステップと、を含み、
前記第1貫通孔内に前記発光層を設けるステップを実行した後、前記発光層及び前記画素定義層に電子機能層を設けるステップと、
上電極を、前記上電極の端部が前記上電極の前記表示領域から離れる一側に位置し、前記酸化層に接続されるように前記電子機能層及び前記酸化層に設けるステップと、を含む
、
表示パネルの製造方法。
【請求項15】
前記酸化層の材料は、前記金属層の材料の金属酸化物である、
請求項
14に記載の表示パネルの製造方法。
【請求項16】
前記仕切層を前記第1貫通孔の側壁に位置させるように前記画素定義層に形成するステップは、
前記画素定義層に金属を設け、前記金属に対してパターン化処理を行うことにより、前記第1貫通孔の側壁に位置する前記仕切層の金属層を形成するステップと、
絶縁の酸化層を前記金属層に設けるステップと、を含み、
前記金属層の材料は、アルミニウム、マグネシウム、亜鉛、ニッケル、鉛、銀、銅及び鉄のうちの一つ又は複数の組み合わせを含み、
前記酸化層の材料は、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化ニッケル、二酸化スズ、酸化鉛、酸化鉄、酸化銀及び酸化銅のうちの一つ又は複数の組み合わせを含む、
請求項
14に記載の表示パネルの製造方法。
【請求項17】
前記仕切層を前記画素定義層に形成するステップを実行した後、
自己修復層を前記仕切層に形成するステップをさらに含む、
請求項
14に記載の表示パネルの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、表示の技術分野に関し、具体的には、表示パネル及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、画素定義層(Bank)は、一般的に、一定の温度又は圧力などの環境要因の作用下で水及び酸素などのガスを放出する有機材料である。
図1に示すように、従来の装置構造において、発光層は、一般的にbankと直接的に接触し、bankから放出された水及び酸素などのガスは、発光層に直接的に入ることができ、発光材料と反応した後、発光層が故障になるという問題を招くので、画素の収縮を引き起こす。画素の収縮の主な表現は、画素の周辺が暗くなり、深刻な場合に、画面の色ずれ、暗点などの欠陥が発生することであり、製品の歩留まり及び耐用年数に影響を与える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本願の実施例は、従来技術において画素定義層における水及び酸素などのガスが発光層に入るため、発光層が故障になるという問題を解決する表示パネル及びその製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本願によれば、
基板と、
第1貫通孔が貫通されるように前記基板に設けられる画素定義層と、
前記第1貫通孔に設けられる発光層と、を含み、前記発光層と前記画素定義層との間に仕切層が設けられる表示パネルが提供される。
【0005】
好ましくは、本願の他の実施例において、前記仕切層は、金属層を含む。
【0006】
好ましくは、本願の他の実施例において、前記表示パネルは、表示領域と、前記表示領域を取り囲む非表示領域が設けられ、前記仕切層は、前記金属層の前記表示領域から離れる端部に位置するように前記金属層の前記基板から離れる一面に設けられる絶縁の酸化層をさらに含み、前記表示パネルは、上電極と、電子機能層と、をさらに含み、前記電子機能層は、前記発光層及び前記金属層に設けられ、前記上電極は、前記表示領域から離れる端部が前記酸化層に接続されるように前記電子機能層及び前記酸化層に設けられる。
【0007】
好ましくは、本願の他の実施例において、前記酸化層の材料は、前記金属層の材料の金属酸化物であり、前記金属層と前記酸化層とは、一体成形される。
【0008】
好ましくは、本願の他の実施例において、前記仕切層は、前記画素定義層を被覆し、かつ前記第1貫通孔を充填する。
【0009】
好ましくは、本願の他の実施例において、前記仕切層には、隣接する前記発光層の間に位置し、前記仕切層を貫通する第1ビアホールが形成される。
【0010】
好ましくは、本願の他の実施例において、前記基板に設けられるトランジスタ層と、前記トランジスタ層に設けられ、前記画素定義層が設けられる平坦層と、自己修復層と、をさらに含み、表示領域と、前記表示領域を取り囲む非表示領域が設けられ、前記画素定義層には、前記表示領域及び前記非表示領域のうちの少なくとも1つに位置し、前記第1貫通孔と間隔を空けて形成され、前記第1ビアホールと連通し、前記画素定義層及び前記平坦層を貫通することにより、前記トランジスタ層を露出させる第2貫通孔がさらに設けられ、前記仕切層は、前記第2貫通孔に延在して前記トランジスタ層と接触し、前記自己修復層は、前記第2貫通孔に延在して前記トランジスタ層と接触するように前記仕切層に設けられる。
【0011】
好ましくは、本願の他の実施例において、前記仕切層は、前記第1貫通孔の側壁を被覆する。
【0012】
好ましくは、本願の他の実施例において、前記基板に設けられ、前記画素定義層が設けられるトランジスタ層と、前記トランジスタ層内又は前記仕切層に設けられる自己修復層と、をさらに含む。
【0013】
好ましくは、本願の他の実施例において、前記自己修復層は、マイクロカプセル自己修復高分子材料、中空繊維自己修復高分子材料、ナノ粒子自己修復高分子材料及びマイクロチューブ自己修復高分子材料のうちの一つ又は複数の組み合わせを含む自己修復材料を含む。
【0014】
好ましくは、本願の他の実施例において、前記自己修復層は、脂肪族アミン、メルカプタン、三フッ化ホウ素、ポリチオール-ペンタエリスリトールテトラメルカプトプロピオネート、ベンジルジメチルアミン、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)及び金属ルテニウム基(Grubbs)のうちの一つ又は複数の組み合わせを含む硬化剤をさらに含む。
【0015】
好ましくは、本願の他の実施例において、前記自己修復層の前記基板から離れる表面は、疎水性表面である。
【0016】
好ましくは、本願の他の実施例において、前記疎水性表面の材料は、前記自己修復材料との質量比が1~5%:1である疎水性材料である。
【0017】
好ましくは、本願の他の実施例において、トランジスタ層及び自己修復層をさらに含み、前記トランジスタ層及び前記自己修復層は、順に前記基板に積層して設けられる。
【0018】
好ましくは、本願の他の実施例において、トランジスタ層及び自己修復層をさらに含み、前記トランジスタ層、前記自己修復層及び前記画素定義層は、順に前記基板に積層して設けられる。
【0019】
それに対応して、本願によれば、
基板を提供するステップと、
第1貫通孔が貫通されることにより前記基板を露出させるように形成される画素定義層を前記基板に形成するステップと、
仕切層を前記第1貫通孔の側壁に位置させるように前記画素定義層に形成するステップと、
発光層を前記第1貫通孔に設け、仕切層を、前記発光層と前記画素定義層との間に位置させるステップと、を含む、表示パネルの製造方法が提供される。
【0020】
好ましくは、本願の他の実施例において、前記表示パネルは、表示領域と、前記表示領域を取り囲む非表示領域が設けられ、前記仕切層を前記画素定義層に形成するステップは、
前記画素定義層に金属を設け、前記金属に対してパターン化処理を行うことにより、前記第1貫通孔の側壁に位置する前記仕切層の金属層を形成するステップと、
前記金属層の前記表示領域から離れる一側に位置する前記金属層の端部であって、前記基板から離れる前記金属層の端部の表面に対して、酸化処理を行うことにより、絶縁の酸化層を形成し、前記金属層の端部の上表面に絶縁の酸化層を形成するステップと、を含み、
前記第1貫通孔に前記発光層を設けるステップを実行した後、
前記発光層及び前記画素定義層に電子機能層を設けるステップと、
上電極を、前記上電極の端部が前記上電極の前記表示領域から離れる一側に位置し、前記酸化層に接続されるように前記電子機能層及び前記酸化層に設けるステップと、を含む。
【0021】
好ましくは、本願の他の実施例において、前記酸化層の材料は、前記金属層の材料の金属酸化物である。
【0022】
好ましくは、本願の他の実施例において、前記仕切層を前記第1貫通孔の側壁に位置させるように前記画素定義層に形成するステップは、
前記画素定義層に金属を設け、前記金属に対してパターン化処理を行うことにより、前記第1貫通孔の側壁に位置する前記仕切層の金属層を形成するステップと、
絶縁の酸化層を前記金属層に設けるステップと、を含み、
前記金属層の材料は、アルミニウム、マグネシウム、亜鉛、ニッケル、鉛、銀、銅及び鉄のうちの一つ又は複数の組み合わせを含み、前記酸化層の材料は、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化ニッケル、二酸化スズ、酸化鉛、酸化鉄、酸化銀及び酸化銅のうちの一つ又は複数の組み合わせを含む。
【0023】
好ましくは、本願の他の実施例において、前記仕切層を前記画素定義層に形成するステップを実行した後、
自己修復層を前記仕切層に形成するステップをさらに含む。
【発明の効果】
【0024】
本願は、表示パネル及びその製造方法を開示し、表示パネルは、基板と、第1貫通孔が貫通されるように基板に設けられる画素定義層と、第1貫通孔に設けられる発光層と、を含み、発光層と画素定義層との間に仕切層が設けられる。本願によれば、発光層と画素定義層との間に仕切層が設けられ、画素定義層における水及び酸素が発光層に入ることを回避し、さらに発光層が故障になることを回避することにより、画素の周辺が暗くなるか又は画素が収縮するという問題を回避し、表示パネルの性能を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
本願の実施例の技術手段をより明確に説明するために、以下、実施例の説明に必要な図面を簡単に説明し、明らかに、以下に説明される図面は、本願のいくつかの実施例に過ぎず、当業者であれば、創造的な労働をしない前提で、これらの図面に基づいて他の図面を得ることができる。
【0026】
【
図1】従来技術に係る表示パネルにおける発光層の電子顕微鏡概略図である。
【
図2】本願の実施例に係る表示パネルの平面概略図である。
【
図3】
図2に示される表示パネルのA-B線に沿った断面概略図である。
【
図4】本願の実施例に係る自己修復層が膜層のクラックを修復する原理概略図である。
【
図5】本願の実施例に係る表示パネルの製造方法のフローチャートである。
【
図6】本願の実施例に係る表示パネルの製造方法のステップ概略図である。
【
図7】本願の実施例に係る表示パネルの製造方法のステップ概略図である。
【
図8】本願の実施例に係る表示パネルの製造方法のステップ概略図である。
【
図9】本願の実施例に係る表示パネルの製造方法のステップ概略図である。
【
図10】本願の実施例に係る表示パネルの製造方法のステップ概略図である。
【
図11】本願の実施例に係る表示パネルの製造方法のステップ概略図である。
【
図12】本願の実施例に係る表示パネルの製造方法のステップ概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本願の実施例における図面を参照しながら、本願の実施例における技術手段を明確かつ完全的に説明し、明らかに、説明される実施例は、本願の実施例の一部に過ぎず、全ての実施例ではない。本願における実施例に基づいて、当業者が創造的な労働をしない前提で得られる全ての他の実施例は、いずれも本願の保護範囲に属するものである。また、ここで記述される具体的な実施形態は、本願を説明して解釈するためのものに過ぎず、本願を限定するものではないことを理解されたい。本願において、逆に説明しない場合、使用される「上」、「下」などの方位詞は、一般的には、装置の実際使用又は動作状態での上と下を意味し、具体的には図面における図の方向であり、「内」及び「外」は、装置の輪郭に関するものである。本願において、「反応」は、化学反応であってもよいし、物理反応であってもよい。
【0028】
本願の実施例によれば、表示パネル及びその製造方法が提供される。表示パネルは、基板、画素定義層、発光層及び仕切層を含む。画素定義層は、第1貫通孔が貫通されるように前記基板に設けられ、発光層は、第1貫通孔に設けられ、発光層と画素定義層との間には、仕切層が設けられる。
【0029】
本願において、発光層と画素定義層との間に仕切層と設けることにより、画素定義層における水及び酸素などのガスが発光層に入ることを回避することができ、さらに発光層が水及び酸素の侵食により故障になることを防止することにより、画素が収縮するという問題の発生を回避し、表示パネルの性能を向上させる。
【0030】
以下、それぞれ詳細に説明する。
【0031】
図2及び
図3に示すように、本願は、表示パネル10を提供する。表示パネル10は、順に積層して設けられる基板100、トランジスタ層200、平坦層300、下電極400、画素定義層500、仕切層600、発光層700、自己修復層800、電子機能層900、上電極1000及び封止層1100を含む。表示パネル10は、表示領域11と、表示領域11を取り囲む非表示領域12が設けられる。
【0032】
トランジスタ層200の数は複数である。各トランジスタ層200は、基板100に間隔を空けて設けられる。具体的には、各トランジスタ層200は、いずれも遮光層210、緩衝層220、活性層230、絶縁層240、ゲート250、層間誘電体層260、接続部270、ソース280、ドレイン290及びパッシベーション層299を含む。遮光層210は、前記基板100に設けられる。遮光層210は、間隔を空けて設けられる遮光部210aと金属部210bを含む。遮光層210は、外部光線を遮断して、光線の活性層230への影響を回避し、さらにトランジスタの性能を向上させる。金属部210bは、コンデンサの第1極板の一部である。緩衝層220は、遮光層210及び基板100を被覆する。活性層230は、緩衝層220に設けられる。活性層230は、互いに間隔を空けて設けられる活性部230aと導通部230bを含む。活性部230aは、遮光部210aの上方に位置する。導通部230bは、金属部210bの上方に位置し、活性部230aは、半導体部と、半導体部の両側に設けられる導体部と、を含む。導通部230bは、コンデンサの第2極板である。絶縁層240は、活性部230aに設けられ、半導体部上に位置する。ゲート250は、絶縁層240に設けられる。層間誘電体層260は、活性層230、絶縁層240及びゲート250を被覆する。ソース280、ドレイン290及び接続部270は、同層かつ間隔を空けて層間誘電体層260に設けられ、接続部270は、導通部230bの上方に位置し、接続孔に延在して金属部210bに接続される。ソース280は、他の接続孔に延在して一方の導体部に接続される。ドレイン290は、さらに他の接続孔に延在して他方の導体部に接続される。接続部270は、蓄積コンデンサの第1極板の一部である。パッシベーション層299は、緩衝層220、接続部270、ソース280及びドレイン290を被覆する。
【0033】
本願において、金属部210b及び接続部270は、コンデンサの第1極板を構成することにより、第1極板と第2極板との重なり面積を増大させ、蓄積コンデンサの容量値を向上させ、表示パネル10の性能を向上させる。
【0034】
平坦層300は、パッシベーション層299に設けられる。平坦層300に接続孔が設けられ、平坦層300の接続孔は、平坦層300及びパッシベーション層299を貫通することにより、ドレイン290を露出させる。
【0035】
下電極400は、平坦層300に設けられ、平坦層300の接続孔に延在してドレイン290に接続され、好ましくは、下電極400は、陽極であってもよい。
【0036】
画素定義層500は、下電極400及び平坦層300に設けられる。画素定義層500に第1貫通孔501及び第2貫通孔502が設けられる。第1貫通孔501は、画素定義層500を貫通することにより、下電極400を露出させる。第2貫通孔502は、画素定義層500及び平坦層300を貫通することにより、パッシベーション層299を露出させる。
【0037】
本願において、画素定義層500には、第2貫通孔502が設けられる。本願において、画素定義層500に第2貫通孔502を設けることにより、使用過程又は製造過程において発生する応力を緩衝することができ、さらに表示パネル10における膜層が破断するという問題を回避し、表示パネル10の性能を向上させる。
【0038】
仕切層600は、発光層700と画素定義層500との間に設けられる。具体的には、仕切層600は、第1貫通孔501の側壁を被覆する。好ましくは、仕切層600は、金属層610を含む。金属層610は、画素定義層500と発光層700との間に設けられる。好ましくは、仕切層600は、他の材料、例えば、水及び酸素などのガスを遮断する能力を有する無機材料を用いてもよい。
【0039】
本願において、画素定義層500と発光層700との間に金属で仕切層600の金属層610を形成することにより、仕切層600は、画素定義層500における水及び酸素などのガスが発光層700に入ることを阻止することができる。また、仕切層600の金属層610が金属で形成されるため、金属層610は、反射作用を有し、出射された光線が周囲に発散することを回避し、表示パネル10の発光率を向上させ、さらに表示パネル10の表示効果を向上させる。
【0040】
一実施例において、仕切層600は、画素定義層500を被覆し、第1貫通孔501を充填し、この場合に、後述の発光層700は、金属層610に設けられ、すなわち、後述の発光層700は、金属層610と直接的に接触する。
【0041】
一実施例において、仕切層600が画素定義層500を被覆し、第1貫通孔501を充填する場合、仕切層600に第1ビアホール601が形成される。第1ビアホール601は、仕切層600を貫通することによりパッシベーション層299を露出させ、第2貫通孔502と貫通する。
【0042】
本願において、仕切層600が画素定義層500を被覆し、第1貫通孔501を充填する場合、仕切層600に第1ビアホール601を形成することにより、仕切層600が切断され、間隔を空けて設けられる複数の間隔部が形成される。すなわち、間隔を空けて設けられる複数の金属部が形成されて、金属層610と下電極400との接触による隣接する下電極400の間の導通を回避することにより、短絡現象の発生を回避する。また、あるサブ画素が水及び酸素などのガスのため故障になった後、分離部が間隔を空けて設けられるため、水及び酸素などのガスが仕切層を通過して他のサブ画素に影響を与えることがなく、他のサブ画素が正常に動作することを保証し、表示パネル10の性能を向上させる。
【0043】
一実施例において、仕切層600が画素定義層500を被覆し、第1貫通孔501を充填する場合、仕切層600にさらに第2ビアホール602が形成され、第2ビアホール602は、仕切層600を貫通することにより、下電極400を露出させる。すなわち、第2ビアホール602は、金属層610を貫通し、第1貫通孔501と貫通する。
【0044】
本願において、仕切層600が画素定義層500を被覆し、第1貫通孔501を充填する場合、第1貫通孔501と貫通する第2ビアホール602をさらに仕切層600に形成することにより、後述の発光層700は、第1貫通孔501及び第2ビアホール602に設けられ、下電極400と接続される。すなわち、発光層700は下電極400と直接的に接触することができることにより、後述の発光層700及び下電極400と金属層610との間のエネルギーレベルがマッチングし、正孔注入を行いやすく、表示パネル10の発光効率を向上させるとともに、マイクロキャビティ効果の影響を回避する。
【0045】
一実施例において、金属層610の材料は、酸化しやすい金属である。
【0046】
説明すべきものとして、酸化しやすい金属は、空気中で酸化反応が発生しやすい金属を指す。
【0047】
一実施例において、金属層610の材料は、アルミニウム、マグネシウム、亜鉛、ニッケル、鉛、銀、銅及び鉄のうちの一つ又は複数の組み合わせを含む。
【0048】
一実施例において、金属層610の厚さHは、50~800ナノメートルである。
【0049】
酸化層620は、金属層610の基板100から離れる一面に設けられ、金属層610の表示領域11から離れる端部Cに位置し、金属層610の端部Cは、金属層610の発光層700から離れる一側に位置する。
【0050】
本願において、金属層610の基板100から離れる一面に酸化層620を設けて、後述の電子機能層900が下電極400を完全に被覆しない場合に、後述の上電極1000と金属層610との接続を引き起こすことを回避することにより、短絡問題の発生を回避し、表示パネル10の性能を保証する。また、酸化層620が金属層610の表示領域11から離れる端部Cのみに設けられることにより、コストを低減することができる。
【0051】
一実施例において、金属層610の基板100から離れる一面にいずれも酸化層620が設けられ、ここでの仕切層600は、金属層610及び酸化層620を指す。第1ビアホール601は、酸化層620及び金属層610を貫通することによりパッシベーション層299を露出させ、第2貫通孔502と導通し、第2ビアホール602は、第1貫通孔501と貫通する。これにより、金属層610は、間隔を空けて設けられる複数の金属部を形成し、酸化層620は、間隔を空けて設けられる複数の酸化部を形成する。
【0052】
本願において、金属層610の基板100から離れる一面にいずれも酸化層620を設け、すなわち金属層610の表面全体に酸化層620を設けて、表示パネル10の製造プロセスを簡略化するとともに、金属層610と後述の上電極1000との接触を回避することにより、表示パネル10の性能を保証する。
【0053】
一実施例において、酸化層620の材料は、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化ニッケル、二酸化スズ、酸化鉛、酸化鉄、酸化銀及び酸化銅のうちの一つ又は複数の組み合わせを含む。
【0054】
一実施例において、酸化層620の材料は、金属層610の材料の金属酸化物であり、酸化層620の材料は、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化ニッケル、二酸化スズ、酸化鉛、酸化鉄、酸化銀及び酸化銅のうちの一つ又は複数の組み合わせを含む。例を挙げて説明すると、金属層の材料は、アルミニウムであり、酸化層の材料は、酸化アルミニウムであり、或いは、金属層の材料は、鉛であり、酸化層の材料は、酸化鉛であり、或いは、金属層の材料は、銀であり、酸化層の材料は、酸化銀である。
【0055】
本願において、酸化層620の材料が金属層610の材料の金属酸化物であるため、金属層610及び酸化層620を製造する場合、金属層610及び酸化層620を一体成形することができ、仕切層600の製造プロセスを簡略化し、仕切層600を迅速に製造することに役立つとともに、製造コストを低減する。
【0056】
一実施例において、酸化層620の厚さhは、10~20ナノメートルである。
【0057】
発光層700が第1貫通孔501及び第2ビアホール602に設けられて、下電極400に接続され、すなわち発光層700が下電極400に直接的に接触することにより、発光層700及び下電極400と金属層610との間のエネルギー段差が低減されるため、発光層700に正孔注入を行いやすく、表示パネル10の発光効率を向上させるとともに、マイクロキャビティ効果の影響を回避する。
【0058】
自己修復層800は、仕切層600に設けられ、第2貫通孔502に延在してトランジスタ層200と接触する。具体的には、金属層610の基板100から離れる一面にいずれも酸化層620が設けられる場合、自己修復層800は、酸化層620に設けられ、第1ビアホール601及び第2貫通孔502に延在してパッシベーション層299と接触し、第1貫通孔501を取り囲んで設けられて、間隔を空けて設けられる複数の自己修復部を形成する。
【0059】
本願において、自己修復層800は、仕切層600に設けられ、第1ビアホール601及び第2貫通孔502内に延在してパッシベーション層299と接触することにより、表示パネル10の製造及び使用過程において発生したクラックを自動的に修復することができ、膜層が破断するという問題を回避する。また、第2貫通孔502及び第1ビアホール601を形成することにより、使用過程又は製造過程において発生した応力を緩衝することができ、表示パネル10におけるフ膜層が破断するという問題を回避し、表示パネル10の性能を向上させる。
【0060】
一実施例において、自己修復層800は、修復剤を含む。修復剤は、自己修復材料である。修復剤は、外因性自己修復高分子材料及び内因性自己修復高分子材料のうちの一つ又は複数の組み合わせを含む。具体的には、外因性自己修復高分子材料は、マイクロカプセル自己修復高分子材料、中空繊維自己修復高分子材料、ナノ粒子自己修復高分子材料、マイクロチューブ自己修復高分子材料、カーボンナノチューブ自己修復高分子材料のうちの一つ又は複数の組み合わせを含む。マイクロカプセル自己修復高分子材料は、ジシクロペンタジエン(DCPD)自己修復剤系高分子材料及びエポキシ樹脂自己修復剤系高分子材料のうちの一つ又は複数の組み合わせを含む。修復剤は、低粘度液体であり、破断面との優れた湿潤性を有するため、粒子に包まれ得る。
【0061】
一実施例において、自己修復層800の材料は、硬化剤をさらに含む。硬化剤は、室温硬化剤である。硬化剤は、脂肪族アミン、メルカプタン、三フッ化ホウ素、ポリチオール-ペンタエリスリトールテトラメルカプトプロピオネート、ベンジルジメチルアミン、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)及び金属ルテニウム基(Grubbs)のうちの一つ又は複数の組み合わせを含む。硬化剤は、自己修復剤が入れられた粒子に包まれてもよく、又は自己修復剤が入れられた粒子に置かれなくてもよい。説明すべきものとして、硬化剤は、膜層と反応しない。
【0062】
図4に示すように、修復原理は以下のとおりである。膜層のクラックが拡張することにより、修復剤が入れられた粒子は破裂し、粒子中の修復剤は毛管作用でクラックに流れ、硬化剤の作用で修復剤は重合反応して、クラックを修復する。
【0063】
例を挙げて説明すると、ジシクロペンタジエン(DCPD)自己修復剤系高分子材料は、ジシクロペンタジエン(DCPD)及び金属ルテニウム基(Grubbs)触媒であり、DCPDは、Grubbs触媒と開環メタセシス重合反応を発生させて、クラックを修復する作用を果たし、自己修復を実現することができる。
【0064】
一実施例において、自己修復層800の基板100から離れる表面は、疎水性表面である。疎水性表面の材料は、疎水性材料である。疎水性材料は、フッ素を含む化合物を含む。本願において、自己修復層800に疎水性材料が添加され、表示パネル10の使用又は製造過程において、疎水性材料が自己修復層800の表面に浮上して疎水性表面を形成するため、自己修復層800の表面に疎水性作用を有する疎水性表面が形成されることにより、発光層700を製造する過程において、隣接する発光層700の間に混色現象が発生することを回避することができ、表示パネル10の性能を向上させる。
【0065】
一実施例において、疎水性材料と自己修復材料の質量比は、1~5%:1である。この範囲内に制御すると、自己修復層800の疎水効果を向上させることができ、表示パネル10の性能を向上させる。
【0066】
他の実施例において、自己修復層800は、トランジスタ層200内に、基板100とトランジスタ層200との間に、トランジスタ層200と画素定義層500との間に設けられる。
【0067】
他の実施例において、自己修復層800は、さらに、トランジスタ層200内に、基板100とトランジスタ層200との間に、トランジスタ層200と画素定義層500との間に、又は、画素定義層500と仕切層600との間に設けられる。
【0068】
本願において、自己修復層800は、さらに、トランジスタ層200内に、基板100とトランジスタ層200との間に、トランジスタ層200と画素定義層500との間に設けられることにより、自己修復層800に隣接する膜層以外の膜層のクラックをさらに修復することができ、表示パネル10の折り曲げ性能をさらに向上させる。
【0069】
電子機能層900は、発光層700及び金属層610に設けられ、上電極1000は、電子機能層900及び酸化層620に設けられ、上電極1000の表示領域11から離れる端部Cは、酸化層620に接続される。具体的には、電子機能層900は、酸化層620、発光層700及び自己修復層800を被覆する電子輸送層と、電子輸送層に設けられる電子注入層と、を含み、上電極1000は、電子注入層及び酸化層620に設けられる。上電極1000は、陰極であってもよい。
【0070】
封止層1100は、上電極1000に設けられる。
【0071】
説明すべきものとして、必要に応じて、表示パネル10における基板100、トランジスタ層200、平坦層300、下電極400、自己修復層800、電子機能層900、上電極1000及び封止層1100を除去してもよい。
【0072】
本願に係る表示パネル10において、発光層700と画素定義層500との間に仕切層600を設けることにより、画素定義層500における水及び酸素などのガスが発光層700に入ることを回避し、さらに発光層700が故障になることを回避することにより、画素が収縮するという問題の発生を回避し、表示パネル10の性能を向上させる。また、表示パネル10に自己修復層800を設けることにより、自己修復層800は、表示パネル10の使用又は製造過程において発生したクラックを修復することができ、表示パネル10の折り曲げ性能を向上させ、表示パネル10の性能を向上させる。
【0073】
本願に係る表示パネルの製造方法は、B11~B14を含む。
【0074】
B11では、基板を提供する。
【0075】
B12では、第1貫通孔が貫通されることにより基板を露出させるように形成される画素定義層を基板に形成する。
【0076】
B13では、仕切層を第1貫通孔の側壁に位置させるように画素定義層に形成する。
【0077】
B14では、発光層を第1貫通孔に設け、仕切層を発光層と画素定義層との間に位置させる。
【0078】
本願において、発光層と画素定義層との間に仕切層を設けることにより、画素定義層における水及び酸素などのガスが発光層に入ることを回避することができ、さらに発光層が故障になることを回避することにより、画素が収縮するという問題の発生を回避し、表示パネルの性能を向上させる。
【0079】
具体的に以下のとおり説明する。
【0080】
図5及び
図6~
図12に示すように、本願は、表示パネルの製造方法をさらに提供する。
【0081】
B11では、基板を提供する。
【0082】
一実施例において、B11を実行した後に、さらに以下を含む。
【0083】
図6に示すように、基板100に複数のトランジスタ層200を形成し、各トランジスタ層200をいずれも基板100に離間させる。各トランジスタ層200は、いずれも遮光層210、緩衝層220、活性層230、絶縁層240、ゲート250、層間誘電体層260、接続部270、ソース280、ドレイン290及びパッシベーション層299を含む。遮光層210は、前記基板100に設けられる。遮光層210は、互いに間隔を空けて設けられる遮光部210aと金属部210bを含む。遮光層210は、外部光線を遮断し、光線の活性層230への影響を回避し、さらにトランジスタの性能を向上させる。金属部210bは、コンデンサの第1極板の一部である。緩衝層220は、遮光層210及び基板100を被覆する。活性層230は、緩衝層220に設けられる。活性層230は、互いに間隔を空けて設けられる活性部230aと導通部230bを含む。活性部230aは、遮光部210aの上方に位置する。導通部230bは、金属部210bの上方に位置し、活性部230aは、半導体部と、半導体部の両側に設けられる導体部と、を含む。導通部230bは、コンデンサの第2極板である。絶縁層240は、活性層230に設けられ、半導体部上に位置する。ゲート250は、絶縁層240に設けられる。層間誘電体層260は、活性層230、絶縁層240及びゲート250を被覆する。ソース280、ドレイン290及び接続部270は、同層かつ間隔を空けて層間誘電体層260に設けられ、接続部270は、導通部230bの上方に位置し、接続孔に延在して金属部210bに接続される。ソース280は、他の接続孔に延在して一方の導体部に接続される。ドレイン290は、さらに他の接続孔に延在して他方の導体部に接続される。接続部270は、蓄積コンデンサの第1極板の一部である。パッシベーション層299は、緩衝層220、接続部270、ソース280及びドレイン290を被覆する。
【0084】
一実施例において、基板100にトランジスタ層200を形成するステップを実行した後、
パッシベーション層299に平坦層300を形成するステップをさらに含む。平坦層300に接続孔が設けられ、接続孔は、平坦層300及びパッシベーション層299を貫通することにより、ドレイン290を露出させる。
【0085】
一実施例において、パッシベーション層299に平坦層300を形成するステップを実行した後、
下電極400を平坦層300に形成し、平坦層300の接続孔に延在させてドレイン290に接続するステップをさらに含む。
【0086】
B12では、第一貫通孔が貫通されるように形成される画素定義層を基板に形成する。
【0087】
また
図6に示すように、具体的には、平坦層300及び下電極400に画素定義層500を形成し、画素定義層500に対してハーフエッチング処理を行うことにより、画素定義層500にプレハブ孔203及び第2貫通孔502を形成する。プレハブ孔203は、画素定義層500を貫通することにより下電極400を露出させ、下電極400上に位置し、下電極400上に位置する画素定義層500を残す。第2貫通孔502は、画素定義層500及び平坦層300を貫通することにより、パッシベーション層299を露出させる。
【0088】
本願において、下電極400上に位置する画素定義層500を残すことにより、その後にエッチングする場合に下電極400を損傷することを回避して、表示パネル10の性能を保証することができる。
【0089】
B13では、仕切層を第1貫通孔の側壁に位置させるように画素定義層に形成する。
【0090】
図7及び
図8に示すように、具体的には、下電極400、パッシベーション層299及び画素定義層500にマグネトロンスパッタリング又は蒸着の方式で一層の金属を堆積し、金属に対してパターン化処理を行って仕切層600の金属層610を形成する。金属層610は、第2貫通孔502に延在してパッシベーション層299と接触する。
【0091】
次に、エッチングなどの方式で下電極400上及び平坦層300上に位置する仕切層600の金属層610を除去し、プレハブ孔203から第1貫通孔501及び第2ビアホール602を形成し、下電極400を露出させる。次に、金属層610の上表面にプラズマ方式で金属層610を処理し、金属層610の上表面にいずれも絶縁の酸化層620を形成し、すなわち金属層610の上表面に対していずれも酸化処理を行う。第1ビアホール601及び第2ビアホール602が仕切層600に形成され、ここでの仕切層600は、金属層610及び酸化層620を指す。第1ビアホール601は、酸化層620及び金属層610を貫通することによりパッシベーション層299を露出させ、第2貫通孔502と導通し、第2ビアホール602は、第1貫通孔501と貫通する。これにより、金属層610は、間隔を空けて設けられる複数の金属部を形成し、酸化層620は、間隔を空けて設けられる複数の酸化部を形成する。
【0092】
一実施例において、第1貫通孔501の側壁に位置する仕切層600以外の仕切層600を除去してもよく、すなわち第1貫通孔501の側壁に位置する仕切層600のみを残し、仕切層600の原料を節約することができる。
【0093】
一実施例において、金属層610の材料は、酸化しやすい金属である。
【0094】
一実施例において、金属層610の材料は、アルミニウム、マグネシウム、亜鉛、ニッケル、鉛、銀、銅及び鉄のうちの一つ又は複数の組み合わせを含む。
【0095】
一実施例において、金属層610の厚さHは、50~800ナノメートルである。
【0096】
一実施例において、酸化層620の材料は、金属層610の材料の金属酸化物であり、酸化層620の材料は、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化ニッケル、二酸化スズ、酸化鉛、酸化鉄、酸化銀及び酸化銅のうちの一つ又は複数の組み合わせを含む。例を挙げて説明すると、金属層の材料は、アルミニウムであり、酸化層の材料は、酸化アルミニウムであり、或いは、金属層の材料は、鉛であり、酸化層の材料は、酸化鉛であり、或いは、金属層の材料は、銀であり、酸化層の材料は、酸化銀である。
【0097】
他の実施例において、酸化層620を形成する方式は、金属層610に一層の絶縁の酸化層620を直接的に設けることをさらに含み、すなわち酸化層620は、金属層610を酸化することにより形成されるものではない。例を挙げて説明すると、金属層の材料は、鉛であり、酸化層の材料は、酸化アルミニウムであり、或いは、金属層の材料は、アルミニウムであり、酸化層の材料は、酸化鉛であり、或いは、金属層の材料は鉄であり、酸化層の材料は酸化銀である。
【0098】
実施例において、B13を実行した後に、さらに以下を含む。
【0099】
図9に示すように、自己修復層800を酸化層620に形成し、第1ビアホール601及び第2貫通孔502に延在させてパッシベーション層299と接触させる。具体的には、自己修復層800は、酸化層620に設けられ、第1ビアホール601及び第2貫通孔502に延在してパッシベーション層299と接触し、第1貫通孔501を取り囲んで設けられて、間隔を空けて設けられる複数の自己修復部を形成する。
【0100】
一実施例において、自己修復層800の材料は、修復剤を含む。修復剤は、外因性自己修復高分子材料及び内因性自己修復高分子材料のうちの一つ又は複数の組み合わせを含む。具体的には、外因性自己修復高分子材料は、マイクロカプセル自己修復高分子材料、中空繊維自己修復高分子材料、ナノ粒子自己修復高分子材料、マイクロチューブ自己修復高分子材料、カーボンナノチューブ自己修復高分子材料のうちの一つ又は複数の組み合わせを含む。マイクロカプセル自己修復高分子材料は、ジシクロペンタジエン(DCPD)自己修復剤系高分子材料及びエポキシ樹脂自己修復剤系高分子材料のうちの一つ又は複数の組み合わせを含む。修復剤は、低粘度液体であり、破断面との優れた湿潤性を有するため、粒子に包まれ得る。
【0101】
一実施例において、自己修復層800の材料は、硬化剤をさらに含む。硬化剤は、室温硬化剤である。硬化剤は、脂肪族アミン、メルカプタン、三フッ化ホウ素、ポリチオール-ペンタエリスリトールテトラメルカプトプロピオネート、ベンジルジメチルアミン、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)及び金属ルテニウム基(Grubbs)のうちの一つ又は複数の組み合わせを含む。硬化剤は、自己修復剤が入れられた粒子に包まれてもよく、又は自己修復剤が入れられた粒子に置かれなくてもよい。説明すべきものとして、硬化剤は、膜層と反応しない。
【0102】
B14では、第1貫通孔に発光層を設け、仕切層を発光層と画素定義層との間に位置させる。
【0103】
図10に示すように、具体的には、発光層700を下電極400及び仕切層600と接触させるように第1貫通孔501に設ける。
【0104】
一実施例において、B14を実行した後に、さらに以下を含む。
【0105】
図11及び
図12に示すように、酸化層620、発光層700及び自己修復層800に電子機能層900の電子輸送層を形成し、次に、電子輸送層に電子機能層900の電子注入層を形成し、その後に、電子注入層に上電極1000を形成し、その後に、上電極1000に封止層1100を形成する。
【0106】
一実施例において、上電極1000の発光層700から離れる端部Cは、酸化層620に接続される。
【0107】
本願に係る表示パネル10及びその製造方法において、発光層700と画素定義層500との間に仕切層600を設けることにより、画素定義層500における水及び酸素などのガスが発光層700に入ることを回避し、さらに発光層700が故障になることを回避することにより、画素の周辺が収縮するという問題を回避し、表示パネル10の性能を向上させる。また、表示パネル10に自己修復層800を設けることにより、自己修復層800は、表示パネル10の使用又は製造過程において発生したクラックを修復することができ、表示パネル10の折り曲げ性能を向上させ、表示パネル10の性能を向上させる。
【0108】
以上、本願の実施例に係る表示パネル及びその製造方法について詳細に説明した。本明細書において具体例を用いて本願の原理及び実施形態を解説したが、以上の実施例の説明は、本願の方法及びその主旨の理解を容易にするためのものに過ぎず、当業者であれば、本願の思想をもとにして、具体的な実施形態及び応用の範囲に対して変更を加えることができるだろう。以上をまとめると、本明細書の内容は、本願を制限するものと理解されるべきでない。