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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-27
(45)【発行日】2024-10-07
(54)【発明の名称】ドライバーモジュール
(51)【国際特許分類】
   A61B 34/30 20160101AFI20240930BHJP
【FI】
A61B34/30
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2022510960
(86)(22)【出願日】2020-09-10
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-16
(86)【国際出願番号】 GB2020052179
(87)【国際公開番号】W WO2021048548
(87)【国際公開日】2021-03-18
【審査請求日】2023-09-07
(31)【優先権主張番号】1913118.4
(32)【優先日】2019-09-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】522063697
【氏名又は名称】プレシジョン ロボティクス リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】110001656
【氏名又は名称】弁理士法人谷川国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シャング,ジャンジョン
(72)【発明者】
【氏名】ドンデス,エティエンヌ フランソワ ジョセフ
(72)【発明者】
【氏名】ヘルナディ,タマス クサバ
【審査官】槻木澤 昌司
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/194263(WO,A1)
【文献】特表2018-527056(JP,A)
【文献】特開2019-141509(JP,A)
【文献】特開2004-290677(JP,A)
【文献】特表2019-517861(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 34/30-34/37
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
腱を作動させるためのドライバーモジュールであって、ドライバーモジュールは、
スライダーを備え、前記スライダーは、ベース部、腱受け部および本体部を備え、前記腱受け部は、前記ベース部から間隔を置いて配置され、前記本体部は、前記ベース部から前記腱受け部まで延在し、
前記ドライバーモジュールは、スライダー受け部をさらに備え、前記スライダー受け部は、第1の端部および第2の端部を有し、前記スライダーが前記スライダー受け部に移動可能に取り付け可能であるように、前記スライダーの前記ベース部と係合可能であり、
前記スライダー受け部の前記第1の端部に向かって配置されたシャフト受け部をさらに備え、前記腱受け部は、前記シャフト受け部と位置を合わせされており、
前記スライダーの前記本体部は、位置合わせ部をさらに備え、前記位置合わせ部は、シャフト開口部と位置合わせして前記スライダーの前記腱受け部を配置するように適合されている、ドライバーモジュール。
【請求項2】
前記スライダーは、駆動部をさらに備え、前記駆動部は、前記ベース部が前記本体部と前記駆動部との間に配置されるように、前記ベース部から延在する請求項1に記載のドライバーモジュール。
【請求項3】
前記スライダー受け部は、前記第1の端部と前記第2の端部との間の前記スライダー受け部の長さに沿って少なくとも部分的に延在するチャネルを備え、前記チャネルは、前記スライダーの前記ベース部を受け入れるように適合され、それにより、前記ベース部は前記チャネル内でスライド可能に移動可能である、請求項1または2に記載のドライバーモジュール。
【請求項4】
軸を有し、軸方向に回転可能であるように構成された第1のローラーをさらに備え、前記第1のローラーは、前記第1のローラーの前記軸が前記スライダーの前記ベース部に垂直であり、前記スライダーの動きが前記第1のローラーの軸方向の回転を引き起こすように、前記スライダーの前記ベース部と係合可能であるように配置可能である、請求項1からのいずれかに記載のドライバーモジュール。
【請求項5】
軸を有し、軸方向に回転可能であるように構成され第2のローラーをさらに備え、前記第1および第2のローラーが互いに間隔を置いて配置され、前記第1のローラーが前記ベース部の第1の側と係合可能であり、前記第2のローラーが前記ベース部の第2の側と係合可能である、請求項に記載のドライバーモジュール。
【請求項6】
プレテンションアクチュエータをさらに備え、前記プレテンションアクチュエータは、第1の位置と第2の位置との間で移動可能であり、
前記第1の位置では、前記プレテンションアクチュエータは、前記スライダーが前記スライダー受け部の前記第2の端部に向かって配置されるように前記スライダーと係合し、
前記第2の位置では、前記プレテンションアクチュエータが前記スライダーから離され、前記ドライバーモジュールは、バイアスをさらに備え、前記プレテンションアクチュエータを前記第1の位置に向かってバイアスする、請求項1からのいずれかに記載のドライバーモジュール。
【請求項7】
前記ドライバーモジュールは、前記プレテンションアクチュエータと係合可能であり、非アクティブ化位置に移動可能な非アクティブ化デバイスをさらに備え、前記プレテンションアクチュエータは、その第2の位置に構成される、請求項に記載のドライバーモジュール。
【請求項8】
前記ドライバーモジュールは、複数のスライダーを備え、その各スライダーは、前記スライダー受け部と係合可能である、請求項1からのいずれかに記載のドライバーモジュール。
【請求項9】
前記スライダー受け部は、互いに間隔を置いて配置された複数のチャネルを備え、各チャネルは、前記スライダーの1つと係合可能である、請求項に記載のドライバーモジュール。
【請求項10】
各スライダーの前記本体部は、ヘッド部を備え、前記ヘッド部は、そのスライダーの前記ヘッド部が少なくとも1つの他の隣接するスライダーの前記ヘッド部と当接可能であるように配置された、請求項または請求項に記載のドライバーモジュール。
【請求項11】
前記ドライバーモジュールは、取り付けインターフェースおよびロック機構をさらに備え、前記取り付けインターフェースは、嵌合インターフェースと係合可能であり、前記ロック機構は、前記嵌合インターフェースと係合して、前記取り付けインターフェースをロックおよびロック解除するように適合される、請求項1から10のいずれかに記載のドライバーモジュール。
【請求項12】
前記ロック機構は、くさびを含むラッチを備え、このラッチは、前記くさびが前記取り付けインターフェース内で受け入れられる第1の位置と、前記くさびが前記取り付けインターフェースから突出する第2の位置との間で移動可能であり、前記ラッチは前記第2の位置に向かってバイアスされる、請求項11に記載のドライバーモジュール。
【請求項13】
前記ドライバーモジュールは、ギアアセンブリをさらに備え、前記ギアアセンブリは、直線方向に移動可能なギアスライダー、ギア軸を中心に回転可能なギア、および軸を中心に回転可能なギアシャフトを備え、ニアスライダーの直線運動が前記ギア軸を中心に前記ギアの回転を駆動し、それによって前記ギアシャフトがャフト軸を中心に回転するように、前記ギアスライダーは前記ギアと係合可能であり、前記ギアは前記ギアシャフトと係合可能である、請求項1から12のいずれかに記載のドライバーモジュール。
【請求項14】
手術器具であって、
請求項1からのいずれかに記載のドライバーモジュールと、
前記スライダーの前記腱受け部によって第1の端部で受け入れられる腱と、
前記腱に操作可能に接続可能な関節モジュールと、
前記ドライバーモジュールから前記関節モジュールまで延在するシャフトであって、前記腱はシャフトを通って延在する前記シャフトと、
前記腱に操作可能に接続されたエンドエフェクタと、
アクチュエータを含むモーターモジュールと、を備え、前記アクチュエータの動きが前記スライダーの動きを引き起こすように、前記アクチュエータが前記スライダーと作動可能に係合可能である、手術器具。
【請求項15】
手術器具であって、
請求項またはそれに従属する請求項のいずれかに記載のドライバーモジュールと、
複数の腱であって、前記各腱は、第1の端部で前記複数のスライダーのうちの1つの前記腱受け部によって受け入れられるように取り付けられた複数の腱と、
前記ドライバーモジュールから延在するシャフトであって、前記複数の腱がシャフトを通って延在する前記シャフトと、
前記シャフトに動作可能に結合され、その前記第2の端部で前記複数の腱のうちの1つまたは複数に取り付け可能な関節モジュールと、
前記関節モジュールに作動可能に結合され、その第2の端部で前記複数の腱のうちの1つまたは複数に取り付け可能なエンドエフェクタと、
複数のアクチュエータを含むモーターモジュールと、をさらに備え、前記各アクチュエータは、前記アクチュエータの動きが前記複数のスライダーのそれぞれの動きを提供するように、可動かつ前記複数のスライダーと係合可能である、手術器具。
【請求項16】
前記手術器具は、第1の側および第2の側を有するバリアをさらに備え、前記第1の側は前記ドライバーモジュールと係合可能であり、前記第2の側は前記モーターモジュールと係合可能である、請求項15に記載の手術器具。
【請求項17】
前記バリアは、複数のバリアスライダーを備え、それぞれの前記バリアスライダーは、第1の部分および第2の部分を備え、前記第1の部分は、前記ドライバーモジュールの前記複数のスライダーの1つと係合可能であり、前記第2の部分は、前記モーターモジュールの前記複数のアクチュエータの1つと係合可能である、請求項16に記載の手術器具。
【請求項18】
前記ドライバーモジュールは、請求項12に記載のドライバーモジュールであって、
前記嵌合インターフェースは、前記バリアの前記第1の側の一部を形成するバリアインターフェースであって、ラッチソケット備え、前記取り付けインターフェースが前記バリアインターフェースと係合しているときに前記くさびを受け取ることができ、
前記くさびは、前記取り付けインターフェースが前記バリアインターフェースと係合するとき、前記第2の位置に向けた前記ラッチの前記バイアスは、前記複数のスライダーが前記複数のバリアスライダーと係合し、前記複数の腱に張力がかかる位置に向かって前記ドライバーモジュールがバイアスされるように適合する、請求項17に記載の手術器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、腱を作動させるためのドライバーモジュール、具体的に、かつ非限定的には、複数の腱の作動を介して手術器具の関節を駆動する際に使用するためのドライバーモジュールに関する。腱は、対の第1の腱の作動は、対の第2の腱に対応するが反対の作動をもたらすように、対で拮抗的に作動し得る。本発明は、特に、腱を作動させるためのドライバーモジュール、ドライバーモジュールを含む手術器具、腱にプレテンションをかけながら、腱をドライバーモジュールに取り付ける方法、およびドライバーモジュールをモーターモジュールに取り外し可能に取り付ける方法に関する。
【背景技術】
【0002】
外科手術では、医師が体の内部に入るために切開を行う必要がある。低侵襲手術は、治癒時間、関連する痛み、および傷口から生じる感染症のリスクを減らすために、切開のサイズを制限する手術である。したがって、低侵襲手術は、患者の健康のために好ましい。しかし、切開のサイズが縮小されたため、低侵襲手術は当初、比較的単純な手順に制限されていた。
【0003】
近年、低侵襲手術として、ますます複雑な手順を実行する能力を医師に提供するために、さまざまな手術器具が開発されてきた。既知の手術器具は、機械的鉗子、把持鉗子、持針器、またはハサミなどのエンドエフェクタを含み、これは、外科的処置に必要な特定の動作の実行を可能にする。エンドエフェクタは、エンドエフェクタにいくらかの自由度を提供する手術器具の関節部分に結合され得、したがって、エンドエフェクタが外科的処置に必要な複雑な操作を実行することを可能にする。次に、関節部分を中空シャフトに結合され得、これにより、エンドエフェクタを身体の必要な部分に配置することができる。次に、シャフトは、エンドエフェクタおよび関節部分を制御する入力を提供する手術器具のドライバーモジュールに結合され得る。したがって、全体的な手術器具は、比較的複雑な手術法を実行することができる。
【0004】
既知のエンドエフェクタ、関節部分、シャフト、およびそれらの組み合わせは、それらの最大幅または直径が小さく、多くの場合1cm未満である。しかしながら、既知の手術器具のこれらの部分、特にシャフトは、かなりの長さ、しばしば15cmを超える長さにわたって延在し得る。手術器具の幅が狭く、長さが長いため、低侵襲手術として手術法を実行できる。
【0005】
上記のような既知の手術器具は、比較的複雑な手術法を低侵襲的な方法で実行することを可能にするので、外科手術に非常に有益である。
【0006】
ただし、上記のタイプの既知の手術器具には問題がある。
【0007】
既知の手術器具のエンドエフェクタおよび関節部分は、構成要素の小さなサイズに影響を及ぼさない手段による関節を必要とする。これを達成するための既知の方法は、腱の第1の端部をエンドエフェクタおよび関節部分の異なる部分に取り付けることである。次に、腱は中空シャフトを通って延在し、腱の第2の端部は、手術器具のドライバーモジュール内のある形態のアクチュエータに取り付けられる。腱の作動は、エンドエフェクタおよび関節部分の関節を提供する。
【0008】
既知のドライバーモジュールは、腱を非常に正確に作動させるために多数の可動部品を備えているため、複雑である。
【0009】
また、既知のドライバーモジュールは、高価である。必要な部品の複雑さと数量により、ドライバーモジュールの製造にかかる全体的なコストが高くなる。ドライバーモジュールは費用がかかるため、費用対効果を高めるために複数回使用する必要がある。これは、患者と接触する可能性のある手術器具の任意の部分が無菌であることが重要であるため、無菌性に関連する問題をもたらす。
【0010】
既知のドライバーモジュールには、「バックラッシュ」と呼ばれる問題がある。腱が作動すると、腱が取り付けられている手術器具の部分が、腱の作動に応答して動く。既知のドライバーモジュールでは、腱は柔軟であるため、腱の動作が停止しても、腱の作動によって提供される運動量が停止しない可能性がある。結果として、腱の作動が停止したにもかかわらず、手術器具の関連部分が動き続ける可能性がある。したがって、手術器具の関連部分は、意図されている位置とは異なる位置にある。
【0011】
バックラッシュには2つのマイナスの要素がある。1つ目は、手術器具を制御している医師は、手術器具がはっきりと見えない場合があり得、そのため、手術器具が意図した位置に正確に配置されていることが重要である。そうしなければ、患者に危害を及ぼす可能性がある。2つ目の要素は、医師が腱の新たな作動によって手術器具の関連部分を再び制御するようになると、腱の作動と関連部分の動きとの間に「遅れ」の期間があり得るということである。言い換えれば、腱の特定の作動量は、関連部分が動き始める前に実行され得る。これは、関連部分に力を加える前に、腱を再度引っ張る必要があるためである。この場合も、これにより、手術器具が、制御する医師が予期したものとは異なる動作をし、患者に危害を加え得る手術器具の意図しない動きが生じる可能性がある。
【0012】
本発明の第1の態様によると、腱を作動させるためのドライバーモジュールが提供され、ドライバーモジュールは、
スライダーを備え、スライダーは、ベース部、腱受け部および本体部を備え、腱受け部は、ベース部から間隔を置いて配置され、本体部は、ベース部から腱受け部まで延在し、
ドライバーモジュールは、スライダー受け部をさらに備え、スライダー受け部は、第1の端部および第2の端部を有し、スライダーがスライダー受け部に移動可能に取り付け可能であるように、スライダーのベース部と係合可能であり、
前記スライダー受け部の前記第1の端部に向かって配置されたシャフト受け部をさらに備え、前記腱受け部は、前記シャフト受け部と位置を合わせされており、
前記スライダーの前記本体部は、位置合わせ部をさらに備え、前記位置合わせ部は、シャフト開口部と位置合わせして前記スライダーの前記腱受け部を配置するように適合されている
【0013】
本発明により、腱は、スライダーの動きによって作動させ得る。スライダー受け部と係合可能なスライダーのベース部は、本体部により腱受け部から間隔を置いて配置されているので、腱受け部を、スライダーで制御する腱と位置を合わせ得る。同時に、ベース部は、スライダーの移動を可能にするためにスライダー受け部と係合するように適切に配置され得る。
【0014】
これは、ドライバーモジュールが、手術器具を操作するために腱が延在するシャフトを含む手術器具の一部を形成する場合に有利であり得る。本発明のそのような実施形態では、腱は、腱をそらす必要なく、スライダーの腱受け部によって容易に受けられ得る。これにより、腱を適切に方向付けるためにプーリーなどの追加構成要素が不要になる。
【0015】
そのような実施形態では、腱受け部は、シャフトに沿って延在し、シャフト受け部を出る腱の端部を受け入れ得る。腱の端部は、圧着、接着剤、またははんだなどの任意の適切な手段によって、腱受け部にさらに固定され得る。例えば、本発明のいくつかの実施形態では、腱受け部は、それ自体、腱受け部内の所定の位置に腱受けの端部を保持するために、腱の周りに圧着され得る。
【0017】
本発明のそのような実施形態では、シャフトに沿って延在する腱は、大幅にそらされる必要なく、シャフトを出て、腱受け部によって受けられ得る。
【0019】
本発明のそのような実施形態では、スライダーのベース部は、シャフト開口部と位置合わせされていない位置でスライダー受け部と係合可能であり得る。したがって、位置合わせ部は、ベース部から、少なくとも部分的に、スライダー受け部とシャフト開口部との間の空間を横切って延在して、腱受け部とシャフト開口部との位置合わせを提供し得る。
【0020】
本発明の実施形態では、スライダーは、ベース部が本体部と駆動部との間に配置されるように、ベース部から延在する駆動部を備える。
【0021】
本発明のそのような実施形態では、スライダーの駆動部は、本体部から離れて、およびスライダーのベース部から離れて延在し得る。そのような配置は、スライダーの駆動部がスライダーの腱受け部と干渉しないので、ドライブモジュールのより効率的な設計につながり得る。
【0022】
本発明の実施形態では、スライダー受け部は、第1の端部と第2の端部との間のスライダー受け部の長さに沿って少なくとも部分的に延在するチャネルを備え、チャネルは、スライダーのベース部を受け入れるように適合され、それにより、ベース部はチャネル内でスライド可能に移動可能である。
【0023】
本発明の他の実施形態では、チャネルは、例えば、湾曲していてもよいが、本発明の実施形態では、チャネルは直線である。
【0024】
本発明の実施形態では、チャネルは、ベース部がチャネル内でスライド可能に移動可能であるように、スライダーのベース部を受け入れるように適合される。言い換えれば、スライダーの動きはチャネルの寸法によって制約され、一般に直線運動であるが、上で説明したように、動きは湾曲した軌道に従うこともできる。
【0025】
本発明の実施形態では、チャネルは、実質的に、スライダー受け部の第1の端部からスライダー受け部の第2の端部まで延在し得る。しかしながら、本発明の他の実施形態では、チャネルは、スライダー受け部の長さに部分的に沿って延在する。
【0026】
ドライバーモジュールは、軸を有し、軸方向に回転可能であるように構成された第1のローラーをさらに備え得、第1のローラーは、第1のローラーの軸がスライダーのベース部に垂直であり、スライダーの動きが第1のローラーの軸方向の回転を引き起こすように、スライダーのベース部と係合可能であるように配置可能である。
【0027】
本発明のそのような実施形態では、第1のローラーは、スライダーがスライダー受け部に沿って移動するときにスライダーを支持する。これは、スライダーの移動中の摩擦を最小限に抑えるのに役立つ。
【0028】
ドライバーモジュールは、軸を有し、軸方向に回転可能であるように構成された第2のローラーをさらに備え得、第1および第2のローラーが互いに間隔を置いて配置され、第1のローラーがベース部の第1の側と係合可能であり、第2のローラーがベース部の第2の側と係合可能である。
【0029】
本発明のそのような実施形態では、スライダーは、スライダー受け部内での移動中に、第1の端部および第2の端部で支持される。
【0030】
これにより、追加のサポートが提供され、スライダーの移動中の摩擦がさらに減少する。
【0031】
本発明の実施形態では、ドライバーモジュールは、プレテンションアクチュエータをさらに備え、プレテンションアクチュエータは、第1の位置と第2の位置との間で移動可能であり、第1の位置では、プレテンションアクチュエータは、スライダーがスライダー受け部の第2の端部に向かって配置されるようにスライダーと係合し、第2の位置では、プレテンションアクチュエータがスライダーから離され、ドライバーモジュールは、バイアスをさらに備え、プレテンションアクチュエータを第1の位置に向かってバイアスする。
【0032】
そのような実施形態では、プレテンションアクチュエータが第1の位置にある状態で、スライダーは、シャフト受け部から離れ、スライダー受け部の第2の端部に向かって移動する。したがって、プレテンションアクチュエータが、スライダーをシャフト受け部および関連するシャフトから離れて移動する方向にバイアスされるときに、腱(シャフトに沿って伸び、シャフトを出て、スライダーの腱受け部によって受けられる)は、スライダーによって張力がかけられた状態に保たれ得る。これは、腱内の張力を維持することが腱を良好な状態に保つのに役立つため、手術器具が使用されていないときに有利である。
【0033】
あるいは、プレテンションアクチュエータが第2の位置にあるとき、スライダーはスライダー受けチャネルを自由に上下に動かすことができ、これは、手術器具が使用されているときに、スライダーが腱の作動に悪影響を及ぼす動きに対する抵抗を受けないので、有利である。
【0034】
本発明の実施形態では、ドライバーモジュールは、プレテンションアクチュエータと係合可能であり、非アクティブ化位置に移動可能な非アクティブ化デバイスをさらに備え、プレテンションアクチュエータは、その第2の位置に構成される。
【0035】
そのような実施形態では、ドライバーモジュールが使用される場合、非アクティブ化デバイスは、その非アクティブ化位置に移動され得、したがって、プレテンションアクチュエータをその第2の位置に構成して、スライダーの自由な移動を可能にする。非アクティブ化デバイスのその非アクティブ化位置への移動は、手術器具を使用する準備としてドライバーモジュールがバリアと係合しているときに本質的に達成され得る。
【0036】
本発明の実施形態では、ドライバーモジュールは、複数のスライダーを備え、その各スライダーは、スライダー受け部と係合可能である。
【0037】
本発明のそのような実施形態では、スライダー受け部は、互いに間隔を置いて配置された複数のチャネルを備え、そのチャネルのそれぞれは、スライダーの1つと係合可能である。
【0038】
本発明のそのような実施形態では、各スライダーは、複数のチャネルのうちの1つと係合可能である。
【0039】
本発明により、複数のスライダーを動かすことによって、複数の腱を作動させ得る。さらに、複数の腱は、一対の腱が互いに拮抗的に作用するように、互いに結合された一対の腱を含み得る。言い換えれば、腱のペアの一方が一方向に引っ張られた場合、腱のペアのもう一方は結果的に反対方向に引っ張られる。
【0040】
したがって、いくつかの実施形態では、一対の拮抗する腱のそれぞれを、複数のスライダーのそれぞれの1つに取り付けられ得る。スライダーの第1は、第1の方向に作動され得、それにより、それぞれの腱を第1の方向に引っ張ることができる。次に、これにより、対になった腱が第1の方向とは反対の第2の方向に移動し、それにより、それに取り付けられた第2のスライダーが第2の方向に引っ張られる。したがって、複数のスライダーの対は、腱の拮抗する対を作動させることによって、互いに拮抗的に作用し得る。
【0041】
本発明の実施形態では、各チャネルは、単一のスライダーのみに関連付けられる。これは、複数のスライダーを含む本発明の実施形態では、各スライダーがそれ自体のチャネル内で移動可能であることを意味する。
【0042】
本発明の他の実施形態では、チャネルは湾曲していてもよいが、チャネルは直線であり得る。
【0043】
本発明のそのような実施形態では、各スライダーは、位置合わせ部を含む本体部を含み得、位置合わせ部は、シャフト開口部と位置を合わせるように、それぞれのスライダーの腱受け部を配置するように適合される。したがって、複数の腱がドライバーモジュールのシャフトに沿って延在し得、腱がシャフトの軸から大幅にそらされる必要なく、各腱はシャフトを出て、それぞれの腱受け部によって受け取られ得る。
【0044】
これは、シャフト開口部から出る腱をそれぞれの腱受け部に到達させるための適切にルーティングするために、プーリーなどの追加の構成要素を使用する必要がないことを意味する。
【0045】
本発明の実施形態では、各スライダーの本体部は、ヘッド部を備え、ヘッド部は、そのスライダーのヘッド部が少なくとも1つの他の隣接するスライダーのヘッド部と当接可能であるように配置可能である。
【0046】
本発明のそのような実施形態では、各スライダーの腱受け部は、隣接するスライダーに当接、または近接しているので、シャフト開口部から出る腱は、その腱受け部に到達するために、腱がそらされる必要なく、それぞれの腱受け部によって容易に受けられ得る。さらに、各スライダーがそれに隣接する他のスライダーを支持するように、スライダーは互いに寄りかかり得る。これにより、使用中の単一のスライダーに作用する力の影響を減らし、曲げや破損に対するスライダーの耐久性を向上させ得る。
【0047】
本発明の実施形態では、ドライバーモジュールは、取り付けインターフェースおよびロック機構をさらに備え得、取り付けインターフェースは、嵌合インターフェースと係合可能であり、ロック機構は、嵌合インターフェースと係合して、取り付けインターフェースをロックおよびロック解除するように適合される。
【0048】
本発明のそのような実施形態では、嵌合インターフェースは、ドライバーモジュールのスライダーを作動させるためのモーターモジュールの一部を形成する嵌合インターフェース、またはドライバーモジュールとモーターモジュールとの間に無菌バリアを提供するためのバリアであり得る。
【0049】
本発明の実施形態では、ロック機構は、くさびを含むラッチを備え、このラッチは、くさびが取り付けインターフェース内に受け入れられる第1の位置と、くさびが取り付けインターフェースから突出する第2の位置との間で移動可能であり、ラッチは第2の位置に向かってバイアスされている。
【0050】
本発明のそのような実施形態では、取り付けインターフェースが嵌合インターフェースと係合する場合、くさびは、例えば、バリアまたはモーターモジュールの一部を形成するラッチソケットと係合可能であり得る。くさびをラッチソケットと係合させると、取り付けインターフェースが嵌合インターフェースと係合するようにロックされ、それによって、例えば、ドライバーモジュールがバリアまたはモーターモジュールと係合するようにロックされる。
【0051】
本発明の実施形態では、ドライブモジュールは、ギアアセンブリをさらに備え、ギアアセンブリは、直線方向に移動可能なギアスライダー、ギア軸を中心に回転可能なギア、およびシャフト軸を中心に回転可能なギアシャフトを備え、リニアスライダーの直線運動がギア軸を中心にギアの回転を駆動し、それによってギアシャフトがシャフト軸を中心に回転するように、ギアスライダーはギアと係合可能であり、ギアはギアシャフトと係合可能である。
【0052】
本発明のそのような実施形態では、ギアシャフトは、手術器具のシャフトに取り付け可能であるか、またはその一部を形成し得る。したがって、ギアアセンブリを使用して、モーターモジュールの一部を形成するアクチュエータの直線運動を、例えば、手術器具のシャフトの回転運動に変換し得る。
【0053】
本発明の第2の態様によれば、単一のスライダーを含む本発明の実施形態に係るドライバーモジュールを含む手術器具が提供され、第1の端部でスライダーの腱受け部によって受けられ得る腱と、
腱に操作可能に接続可能な関節モジュールと、
ドライバーモジュールから関節モジュールまで延在するシャフトであって、腱はシャフトを通って延在するシャフトと、
腱に操作可能に接続されたエンドエフェクタと、
アクチュエータを含むモーターモジュールと、を備え、アクチュエータは、アクチュエータの動きがスライダーの動きを引き起こすように、アクチュエータが可動であり、スライダーと作動可能と係合可能である。
【0054】
本発明のさらなる態様によれば、本発明の実施形態に係るドライバーモジュールを含む手術器具が提供され、複数のスライダーを備え、各腱は、第1の端部で複数のスライダーのうちの1つの腱受け部によって受け入れられる複数の腱と、
ドライバーモジュールから延在するシャフトであって、複数の腱がシャフトを通って延在するシャフトと、
シャフトに動作可能に結合され、その第2の端部で1つまたは複数の腱に取り付け可能な関節モジュールと、
関節モジュールに作動可能に結合され、その第2の端部で1つまたは複数の腱に取り付け可能なエンドエフェクタと、
複数のアクチュエータを含むモーターモジュールと、をさらに備え、各アクチュエータは、アクチュエータの動きが複数のスライダーのうちの1つの動きを提供するように、可動かつ複数のスライダーと係合可能である。
【0055】
本発明の実施形態では、手術器具は、第1の側および第2の側を有するバリアをさらに備え、第1の側はドライバーモジュールと係合可能であり、第2の側はモーターモジュールと係合可能である。
【0056】
そのような実施形態では、使用するためにバリアが手術器具に提供される前に、バリアはすべての側面に沿って消毒される。ただし、使用中、第2の側は非無菌のモーターモジュールと係合するため、バリアの第2の側は非無菌になるが、第1の側は、バリアによって保護され、非無菌の構成要素と接触しないため、無菌のままである。これは、高価であり得るモーターモジュールを、使用するたびに殺菌消毒する必要がないことを意味する。モーターモジュールは、殺菌消毒中に損傷する可能性のあるさまざまな電気部品を含み得るため、これは有用であり得る。
【0057】
本発明の実施形態では、バリアは、複数のバリアスライダーを備え、それぞれのバリアスライダーは、第1の部分および第2の部分を備え、第1の部分は、ドライバーモジュールの複数のスライダーの1つと係合可能であり、第2の部分は、モーターモジュールの複数のアクチュエータの1つと係合可能である。
【0058】
そのような実施形態では、使用するためにバリアが手術器具に提供される前に、複数のバリアスライダーのすべての部分は消毒される。使用中、各バリアスライダーの第2の部分は、非無菌のモーターモジュールの複数のアクチュエータの1つと係合した後、非無菌になり得る。ただし、第1の部分はバリアによって保護されているため、無菌のままである。これもまた、モーターモジュールは使用のたびに殺菌消毒する必要がないことを意味する。モーターモジュールは、殺菌消毒中に損傷する可能性のあるさまざまな電気部品を含み得るため、これは有用であり得る。
【0059】
本発明の実施形態では、嵌合インターフェースは、バリアの第1の側の一部を形成するバリアインターフェースであって、ラッチソケットを備え、取り付けインターフェースがバリアインターフェースと係合するときにくさびを受けることができ、くさびは、取り付けインターフェースがバリアインターフェースと係合するとき、第2の位置に向けたラッチのバイアスは、複数のスライダーが複数のバリアスライダーと係合し、複数の腱に張力がかかる位置に向かってドライバーモジュールがバイアスされるように適合する。
【0060】
本発明のそのような実施形態では、くさびは、例えば、それが第2の位置(バイアスされている)に向かって移動するときに、複数のスライダーがそれぞれのバリアスライダーに接触するまで、取り付けインターフェースをバリアインターフェース上で移動させるように、例えば、テーパー形状で適合させ得る。これにより、各スライダーに取り付けられた腱に張力がかかり、手術器具のバックラッシュを減少し得る。したがって、くさびは、取り付けインターフェースとバリアインターフェースとの最適な係合をするように適合させられ得る。
【0061】
ここで、本発明は、以下の添付図面を参照して、例示としてのみ説明される。
【図面の簡単な説明】
【0062】
図1】本発明の第1の態様の実施形態に係る、ベース部と腱受け部および本体部とを含むスライダーの図である。
【0063】
図2】本発明の第1の態様の別の実施形態に係る、図1に示すものと同様のスライダーおよびスライダー受け部を含むドライバーモジュールの図である。
【0064】
図3】本発明の第1の態様のさらなる実施形態に係る、ドライバーモジュールの図であり、この実施形態は、第1のローラーおよび第2のローラーを含む。
【0065】
図4】本発明の第1の態様のさらなる実施形態に係る、複数のスライダーを含むドライバーモジュールの図である。
【0066】
図5】本発明の第1の態様のさらなる実施形態に係る、シャフト受け部、ロック機構、およびギア機構を含むドライバーモジュールの図である。
【0067】
図6図5に示すギア機構の図であり、ここではドライバーモジュールから取り外されている。
【0068】
図7】本発明の第1の態様のさらなる実施形態に係る、プレテンションアクチュエータを含むドライバーモジュールの断面斜視図である。
【0069】
図8図7に示すドライバーモジュールの図であり、ここでは第1の位置にあるプレテンションアクチュエータを示す。
【0070】
図9図7に示すドライバーモジュールの図であり、ここでは第2の位置にあるプレテンションアクチュエータを示す。
【0071】
図10】本発明の第1の態様のさらなる実施形態に係る、図5に示すものと同様のロック機構を含むドライバーモジュールの図である。本発明の第2の態様の実施形態に係るバリアも示される。
【0072】
図11図10に示すドライバーモジュールの図であり、ロック機構の内部要素を示す。
【0073】
図12図10にも示すバリアと係合している、図10に示すドライバーモジュールの断面図である。
【0074】
図13】本発明の第1の態様のさらなる実施形態に係る、プルリングを含むドライバーモジュールの図である。
【0075】
図14】本発明の第2の態様のさらなる実施形態に係る、バリアの図である。
【0076】
図15図11に示すバリアの図であり、ここではバリアスライダーを示す。
【0077】
図16】本発明の第2の態様の実施形態に係る、図6に示すドライバーモジュール、シャフト、関節モジュール、およびエンドエフェクタを含む手術器具の図である。
【0078】
図17】本発明の第2の態様のさらなる実施形態に係る、ドライバーモジュール、シャフト、バリア、およびモーターモジュールを含む手術器具の図である。
【発明を実施するための形態】
【0079】
最初に図1を参照すると、本発明の第1の態様の実施形態に係るスライダーは、通常、参照番号4で表記される。スライダー4は、ベース部10と、ベース部10から間隔を置いて配置された腱受け部20とを備える。ベース部10は、第1の端部11、第2の端部12、第1の側部15および第2の側部16を備える。
【0080】
スライダーは、ベース部10から腱受け部20まで延在する本体部22と、駆動部30とをさらに備える。ベース部10は、本体部22と駆動部30との間に配置されている。本体部22は、位置合わせ部24およびヘッド部26を備える。
【0081】
ここで図2を参照すると、本発明の第1の態様の別の実施形態に係るドライバーモジュールは、通常、参照番号2によって定義される。ドライバーモジュール2は、スライダー104、およびスライダー受け部6を備える。スライダー104は、図1に示すスライダー4と類似しており、それと交換可能である。スライダー104のすべての特徴は、スライダー4の類似または同一の特徴に対応し、したがって、参照を容易にするために、スライダー4に使用される参照番号は、スライダー104にも適用可能である。
【0082】
スライダー受け部6は、第1の端部7および第2の端部8を備える。スライダー受け部6は、スライダー104がスライダー受け部6に移動可能に取り付け可能であるように、スライダー104のベース部10と係合可能である。
【0083】
ドライバーモジュール2は、スライダー受け部6を備えるガイドトレイ40をさらに備える。スライダー受け部6は、それぞれがスライダー受け部の長さに沿って延在する複数のチャネル42を備える。しかしながら、本発明の本実施形態では、スライダー4と係合するために1つのチャネル42のみが必要とされる。チャネル42は、チャネル42に沿って移動可能であるように、スライダー104のベース部10を受け入れるように適合されている。本発明のいくつかの実施形態では、スライダー受け部6は、単一のチャネル42のみを含み得る。本発明の他の実施形態では、チャネル42は異なる軌道をたどり得るが、本発明の本実施形態では、チャネル42は直線である。
【0084】
ここで図3を参照すると、本発明の第1の態様のさらなる実施形態に係るドライバーモジュールは、通常、参照番号102によって定義される。ドライバーモジュール102は、スライダー104、およびスライダー受け部106を備える。スライダー受け部106は、第1の端部107および第2の端部108を備える。スライダー受け部106は、スライダー104がスライダー受け部6に移動可能に取り付け可能であるように、スライダー104のベース部10と係合可能である。
【0085】
ドライバーモジュール102は、ガイドトレイ140をさらに備え、ガイドトレイ140は、スライダー受け部106を備える。スライダー受け部106は、図2に示す本発明の実施形態と同様に、複数のチャネル142を備える。
【0086】
ドライバーモジュール102は、互いに間隔を置いて配置された第1のローラー146および第2のローラー148をさらに備える。第1のローラー146および第2のローラー148の両方は、スライダー4のベース部10と係合可能である。第1のローラーは、ベース部10の第1の側15からスライダー104と係合し、第1の端部11に近づくように配置されている。第2のローラーは、ベース部10の第2の側16からスライダー104と係合し、第2の端部12に近づくように配置されている。
【0087】
第1のローラー146および第2のローラー148のそれぞれの位置は、使用中、スライダー104がスライダー受け部106内と係合したままであることを意味する。第1および第2のローラー146、148は、それぞれの軸の周りで回転可能であり、スライダー104がスライダー受け部106の第1の端部107に向かっておよび離れて移動するのを容易にする。
【0088】
言い換えれば、スライダー104の直線運動は、第1および第2のローラー146、148の回転運動に変換される。スライダーの直線運動が、スライダー104と任意の接触面との間に滑り摩擦を引き起こし得る場合、本発明の本実施形態では、スライダーが使用中に示す接触圧力の少なくとも一部は、スライダー104から第1および第2のローラー146、148に伝達される。第1および第2のローラー146、148は、それぞれの軸の周りを回転するときに最小の摩擦を経験するように構成され得る。したがって、使用時に、スライダー104が第1の端部107に向かって、または離れて移動するとき、移動は、最小の摩擦で第1および第2のローラー146、148によって容易になる。
【0089】
ここで図4を参照すると、本発明の第1の態様の別の実施形態に係るドライバーモジュールは、通常、参照番号202によって定義される。ドライバーモジュール202は、複数のスライダー4およびスライダー受け部206を備える。スライダー受け部206は、各スライダー4がスライダー受け部206に移動可能に取り付け可能であるように、複数のスライダー4のそれぞれのベース部10と係合可能である。
【0090】
ドライバーモジュール202は、ガイドトレイ240をさらに備え、ガイドトレイ240は、スライダー受け部206を備える。スライダー受け部206は、ガイドトレイ240を横切って等間隔に配置された複数の直線チャネル242を備える。複数の直線チャネル242のそれぞれは、各スライダー4のベース部10が対応する直線チャネル242に沿って移動可能であるように、対応するスライダー4のベース部10を受け入れるように適合されている。
【0091】
複数のスライダー4のそれぞれの位置合わせ部24は、各スライダー4の腱受け部20を互いに密接に位置合わせするように適合されている。これを達成するために、各スライダー4の位置合わせ部24は、スライダー4が係合可能である対応するチャネル242の位置に応じて構成される。結果として、第1のスライダー4aは、第2のスライダー4bの位置合わせ部24bとは異なるサイズおよび/または形状を有する位置合わせ部24aを有する。複数のスライダー4のそれぞれにわたって、位置合わせ部24の形状にばらつきがある。本発明の実施形態では、位置合わせ部24の形状は、それらの長さ、角度、配向、またはそれらの任意の組み合わせの変化のため異なり得る。本発明の他の実施形態では、位置合わせ部24の形状は、実質的に異なる形状のために異なり得る。本発明の他の実施形態では、位置合わせ部24の形状は異なり得ない。
【0092】
各スライダー4の位置合わせ部24は、各スライダーのヘッド部26が、複数のスライダーのうちの少なくとも1つの隣接するスライダー4のヘッド部26に近接して、または当接して配置されるようにさらに適合される。
【0093】
図4に示される実施形態では、隣接するヘッド部26は互いに当接している。各スライダー4のヘッド部26は、複数のスライダー205の少なくとも1つの隣接するスライダー4のヘッド部26とスライド可能に当接するように適合されている。したがって、スライダー4は、少なくとも1つの隣接するスライダーに当接しながら、互いにすれ違うことができる。ヘッド部26が互いに当接することにより、スライダー4に他のスライダー4からの支持が提供される。この支持体は、複数の直線チャネル244の方向に実質的に垂直であり、複数のスライダー205のそれぞれのベース部10に垂直である。この方向の支持体の提供は、複数のスライダー205のそれぞれの駆動部30の作動中に伝達され得る力に応じて、スライダー4がねじれたり曲がったりすることから保護する。
【0094】
ここで図5を参照すると、本発明の第1の態様の別の実施形態に係るドライバーモジュールは、通常、参照番号302によって定義される。ドライバーモジュール302は、図4に示すドライバーモジュール202のすべての特徴を備え、さらに、複数の腱301、シャフト303、シャフト受け部313、取り付けインターフェース350、ロック機構352、およびギアアセンブリ370を備える。
【0095】
ギアアセンブリは、ギアシャフト378を備える。シャフト受け部313は、ギアシャフト378がシャフト受け部313に回転可能に取り付けられるように、ギアシャフト378を受け入れるように適合される。次に、ギアシャフトは、シャフト303がギアシャフト378に回転不可能に取り付けられるように、シャフト303を受け入れるように適合される。
【0096】
腱301は、シャフト303、ギアシャフト378、およびシャフト受け部313を通って延在する。腱301のそれぞれは、対応する腱受け部20によって第1の端部で受け入れられる。
【0097】
複数のスライダー4のそれぞれの位置合わせ部24は、図4に関して上記で説明したように、スライダー4の腱受け部20を互いに密接に位置合わせするように適合されている。この実施形態では、これはまた、腱受け部20がシャフト受け部と密接に軸方向に整列する結果となる。結果として、シャフト303を通って延在する腱301は、それらがシャフト受け部313から対応する腱受け部20に向かって延在するとき、ほぼ整列したままである。
【0098】
複数の腱301を、シャフト303と実質的に整列させて維持することにより、腱受け部に到達するためにプーリーまたは他の手段を使用して腱301をそらす必要がなくなる。次に、これにより、ドライバーモジュール302に必要な部品の数が減り、複数の腱301の摩耗の可能性も減る。
【0099】
取り付けインターフェース350は、バリアと係合可能であり、バリアは、次に、モーターモジュールと係合可能である。ロック機構352は、取り付けインターフェース350をバリアとの係合時と係合から外れたときのそれぞれで、ロックおよびロック解除するように適合されている。
【0100】
ここで図6を参照すると、図5に示すギアアセンブリがより詳細に示される。ギアアセンブリは、ギアスライダー372およびギア374を備える。ギアスライダー372は直線方向に移動可能であり、ギア374はその中心軸を中心に回転可能であり、ギアシャフト378は、図5に示すシャフト303と共有するその中心軸を中心に回転可能である。ギアスライダー372は、ギア374と係合可能であり、次に、ギア374は、ギアシャフト378と係合可能である。リニアスライダー372の直線運動は、その軸の周りのギア374の回転を駆動し、次に、その軸の周りのギアシャフト378の回転を駆動する。図5に示すシャフト303がギアシャフト378に回転不可能に取り付けられる場合、ギアスライダー372の直線運動は、ギアシャフト378のその軸の周りの回転を駆動し、次にシャフト303を回転させる。
【0101】
ここで図7を参照すると、本発明の第1の態様の別の実施形態に係るドライバーモジュールは、通常、参照番号402によって定義される。複数のスライダー404、プレテンションアクチュエータ460、および離脱装置464を備えるドライバーモジュール402の断面図が示される。プレテンションアクチュエータは、バイアス要素461およびクロスプレート462を備える。離脱装置464は、離脱装置が回転可能であるレバーピン466を備える。レバーピンはガイドトレイに取り付けられ得、それによって離脱装置をドライバーモジュール402に固定する。(ここでは、ガイドトレイは図示されないが、図2、3、4、および5に示すガイドトレイ40、140、および240と同等であると見なし得る。)
【0102】
ここで図8を参照すると、ドライバーモジュール402の断面が示される。プレテンションアクチュエータ460は、クロスプレート462を介して複数のスライダー404と係合する第1の位置に示される。
【0103】
本発明の本実施形態では、バイアス要素461は、ばねの形をとる。バイアス要素は、プレテンションアクチュエータを、スライダー受け部(図示せず)の第2の端部8に向かってバイアスする。スライダー受け部6の第2の端部8に向かって移動する際に、プレテンションアクチュエータ460は、複数のスライダー404と接触し、係合する。プレテンションアクチュエータ460は、スライダー受け部の第2の端部8に向かって移動し続け、そうすることで、複数のスライダー404の同じ方向への移動を提供する。これは、複数の腱が完全に張力をかけられ、複数のスライダー5がそれ以上動かなくなるまで続く。(ここでは、複数の腱は図示されないが、図5に示す複数のスライダー301と同等であると見なし得る。)したがって、プレテンションアクチュエータ460は、複数の腱の張力を維持するために提供され、これは、複数の腱401を良好な状態に保つのに役立つ。
【0104】
ここで図9を参照すると、図8と同様に、ドライバーモジュール402の断面が示される。プレテンションアクチュエータ460は、クロスプレート462が複数のスライダー404から離される第2の位置に示される。
【0105】
プレテンション装置460は、レバーピン466の周りで離脱装置464を回転させて、図8に示す位置から図9に示す位置に移行することによって、第2の位置に移動させ得る。離脱装置464の回転は、この実施形態では、ばねの圧縮を引き起こすことによって、バイアス要素461に対して作用する。第2の位置にあるとき、プレテンション装置460、具体的にはクロスプレート462は、複数のスライダー404から離される。これは、複数のスライダーに、スライダー受け部の第1の端部7または第2の端部8のいずれかに向かって、それぞれのスライダーチャネル(図示せず)内を自由に移動する能力を提供する。本発明の本実施形態では、複数のスライダー404は、プレテンションアクチュエータ460が離されたとき、いずれかの方向に4mm移動することができる。
【0106】
使用中、ドライバーモジュール402は、取り付けインターフェース450を介してバリアと係合している。図8に示す位置にある離脱装置464は、取り付けインターフェース450の表面から突出し、それにより、ドライバーモジュール402がバリアと係合されると、離脱装置464は、図9に示す位置に向かってレバーピン466の周りを回転させる。離脱装置464のこの回転は、バイアス要素461のバイアスに反して、プレテンションアクチュエータ460を第1の位置から第2の位置に移動させる。
【0107】
これは、ドライバーモジュール402がバリアと係合し、使用の準備ができている場合、スライダー404が、バイアス要素461によってそれらに対して圧力が加えられることなく自由に動くことにより、離脱装置464は、プレテンションアクチュエータ460を複数のスライダー404から自動的に離す。
【0108】
ここで図10を参照すると、本発明の第2の態様の実施形態に係る手術器具は、通常、参照番号500によって定義される。手術器具は、ドライバーモジュール502、シャフト503、およびバリア580を備える。
【0109】
ドライバーモジュール502は、外部ケーシング590、シャフト受け部513、取り付けインターフェース550、ロック機構552、およびグリップ559を備え、バリア580は、バリアインターフェース581を備える。ドライバーモジュール502は、取り付けインターフェース550がバリアのバリアインターフェース581と係合する準備ができることにより、配置される。バリアインターフェース581は、取り付けインターフェース550が係合され得る嵌合インターフェースの一例である。取り付けインターフェース550は、任意の適切な嵌合インターフェースと係合され得、別の例は、ドライバーモジュール502のスライダーを作動させるためのモーターモジュールの一部を形成する嵌合インターフェースである。
【0110】
バリアインターフェース581は、バリアインターフェース581の長さに沿って延在する一対のバリア溝582を備え、取り付けインターフェース550は、取り付けインターフェース550の長さに沿って延在し、バリア溝582によって受け入れられる一対の取り付けリッジ551を備える。使用中、取り付けインターフェース550は、取り付けリッジ551がバリア溝582によって完全に受け入れられるように、グリップ559を把持し、取り付けインターフェース550をバリアインターフェース581と接触させて単にスライドさせることによって、バリアインターフェース581と係合し得る。
【0111】
シャフト503は、シャフト受け部513と係合している。
【0112】
ここで図11を参照すると、図10に示すドライバーモジュール502は、ロック機構552の内部要素を明らかにするために、外部ケーシング590および取り付けインターフェース550が取り外された状態で示される。
【0113】
本発明の本実施形態では、ロック機構552は、一対のラッチ554、一対のばね557、およびリリースハンドル558を備える。一対のラッチ554は、互いに間隔を置いて配置され、リリースハンドル558から垂直に、互いに平行に延在する。各ラッチ554は、近位端にピストン555を備え、遠位端にくさび556を備える。さらに、各ラッチ554は、その近位端でリリースハンドル558に結合され、ピストン555は、ばね557のそれぞれの1つによって囲まれる円筒形の棒として成型されるリリースハンドル558から延在する。くさび556は、ラッチ554の遠位端に向かって先細になるくさび形のピストン555からさらに延在する。
【0114】
ここで図12を参照すると、図10に示すドライバーモジュール502およびバリア580の断面図が提供され、ここで、ドライバーモジュール502はバリア580と係合している。ここでは、単一のラッチ554とそれぞれのねじ557のみが表示されるが、第2のラッチとねじはまだ存在している。したがって、以下の図12に示すラッチ554およびばね557の説明は、示されていないラッチ554およびばね557にも当てはまる。
【0115】
ラッチ554およびそれぞれのばね557は、取り付けインターフェース550に入っている。ばね557の第1の端部はラッチ554に取り付けられ、第2の端部は取り付けインターフェース550に取り付けられる。取り付けインターフェースに対するラッチ554の近位端の方向への移動は、ラッチ554のくさび556が、ばね557によって、取り付けインターフェース550から突き出る方向にバイアスされるように、ばね557を圧縮させる。
【0116】
ドライバーモジュール502をバリア580と係合させるとき、取り付けインターフェース550は、取り付けリッジ551が上記のようにバリア溝582によって受け入れられるように、バリアインターフェース581上をスライドする。しかしながら、くさび556は、取り付けインターフェース550がバリアインターフェース581上をスライドするときに、取り付けインターフェースから突出し、バリアインターフェース581の前縁583に当接する。したがって、取り付けリッジ551のバリア溝への完全な受け入れが妨げられる。
【0117】
くさび556および前縁583は、前縁583およびくさび556の当接面が互いに相補的な角度になるように適合されている。一旦くさび556が前縁583と当接すると、バリアインターフェース581に対する取り付けインターフェースのさらなる直線スライド運動により、ラッチは、スライド運動に垂直で、ばね557のバイアスに逆らって、その近位端の方向に押し込まれる。
【0118】
図12に示すように、バリアは、くさび556を受け入れるように適合されたラッチソケット584を備える。したがって、取り付けインターフェース550がバリアインターフェース581上をさらにスライドして、くさび556の先端が前縁583を通過すると、圧縮されたばね557のバイアスにより、くさび556が移動し、それにより、くさび556は、取り付けインターフェース550から再び突出し、それにより、ラッチソケット584内に延在する。ラッチソケット584の壁は、ばね557によって生成されるバイアスのためにくさび556がラッチソケット584内に延在するときに、取り付けインターフェース550がバリアインターフェース581上にさらに押し込まれるように適合されている。取り付けインターフェース550は、複数のスライダー404のそれぞれがそれぞれのバリアスライダーに接触するまで(図15に関してさらに詳細に参照される)、このようにバリアインターフェース581上をスライドし続け得る。
【0119】
上記のように、ドライバーモジュール502がバリア580と係合するように移動すること、および特にスライダー404がバリアスライダーと係合するように移動することにより、腱の引張力がばね557による力と釣り合うまで、スライダー404に取り付けられた(腱受け部20を介して)腱が伸び得る。結果として生じる腱の引張力は、手術器具500(特に、図16に示される関節モジュール704などの関節モジュール)の堅牢性を高め、使用中の手術器具500のバックラッシュを低減し得る。くさび556、およびばね557の強度は、外力がドライバーモジュール502をバリア580から押し出そうとするときにくさび556が外れるリスクを防止しながら、腱に最適な張力を達成するように設計され得る。
【0120】
ドライバーモジュール502をバリア580から離すために、リリースハンドル558をドライバーモジュール502から引き離し得、それにより、ラッチ554の対をそれらのそれぞれのばね557のバイアスに逆らって動かし、各くさび556をそれぞれのラッチソケット584から引き抜く。次に、ドライバーモジュール502は、バリア580から、それが最初と係合された方向とは逆の方向にスライドして離れ得る。
【0121】
ここで図13を参照すると、本発明の第1の態様の別の実施形態に係るドライバーモジュール602は、ロック機構552とは異なるロック機構652を備えることを除いて、図10から12に示すドライバーモジュール502と同様である。第1に、ロック機構652は、リリースハンドル558ではなくリリースブリッジ658を備える。さらに、ロック機構652は、固定されたグリップ559ではなく、可動のプルリング670を備える。プルリング670から、リリースブリッジ658の下で外部ケーシング(図13では透明である)内に延在するのは、プルリング670から離れるにつれて厚みが増すブリッジアクチュエータ672である。ブリッジアクチュエータは、リリースブリッジ658と係合可能であり、ブリッジアクチュエータ672の位置に応じて、リリースブリッジ658をドライバーモジュール602の残りの部分に対して移動させ得る傾斜面674を備える。(複数のスライダー404およびシャフト503などのドライバーモジュール602の他の特徴は、図10から12に示すドライバーモジュール502と同一である。)
【0122】
使用中、リリースハンドル558を引っ張ってラッチ554を引っ込める代わりに(図11および12に示す)、ユーザは、プルリング670をドライバーモジュール602から引き離して、ブリッジアクチュエータ672をプルリング670と同じ方向に動かし得る。これにより、傾斜面674は、リリースブリッジ658を押し付け、さらに、リリースブリッジ658をブリッジアクチュエータ672上にスライドさせ、それにより、リリースブリッジ658をドライバーモジュール602から持ち上げることができる。リリースブリッジ658が上昇すると、ラッチ554は、例えば、ドライバーモジュール602内に引っ込められ、ドライバーモジュール602は、バリア(図10および12に示すバリア580など)から離され得る。
【0123】
プルリング670およびブリッジアクチュエータ672は、シャフト503および取り付けインターフェース550と平行に移動可能であり得る。したがって、ユーザは、ドライバーモジュール502を別の方向に引っ張っている間にリリースハンドル558を一方向に引っ張る必要がなく、有利には、ドライバーモジュール602をバリア580から一方向に一回の動きで離すことができる。
【0124】
ここで図14を参照すると、本発明の第2の態様の別の実施形態に係るバリアは、通常、参照番号80によって定義される。バリアは、第1の側82および第2の側83を備える。第2の側面は、モーターモジュールなどの非無菌アイテムと係合しカバーするように構成されている。第1の側は、図10に示すドライバーモジュール502などの無菌アイテムと係合し、それらを非無菌アイテムから保護するように構成され、したがって、それらの無菌を維持する。したがって、バリア80は、非無菌アイテムと、本発明の第1の態様によるドライバーモジュールなどの無菌アイテムとの間に物理的バリアを形成して、無菌アイテムが無菌されたままであることを保証するために提供される。
【0125】
ここで図15を参照すると、図12に示されるバリア80の拡大図が提供される。バリア80はさらに、複数のバリアスライダー86を備え、複数のバリアスライダー86のそれぞれは、第1の部分88および第2の部分89を備える。各第1の部分88は、それぞれ図5、3および11に示すドライバーモジュール302、102、502によって提供され得る複数のスライダー4、104、404のうちの対応する1つと係合可能である。各第2の部分89は、モーターモジュールによって提供される複数のアクチュエータのうちの1つと係合可能である。
【0126】
ここで図16を参照すると、本発明の第2の態様の実施形態に係る手術器具は、通常、参照番号700によって定義される。手術器具700は、図10および13に示すドライバーモジュール502、602およびシャフト503、603と同様であり、それらと交換可能なドライバーモジュール702およびシャフト703を備える。手術器具700は、関節モジュール704およびエンドエフェクタ705をさらに備える。関節モジュール704はシャフト703に結合され、それによってシャフト703はドライバーモジュール702と関節モジュール704との間に配置される。エンドエフェクタ705は、関節モジュール704に結合され、それによって、関節モジュール704はシャフト703とエンドエフェクタ705との間に配置される。
【0127】
ここで図17を参照すると、本発明の第2の態様のさらなる実施形態に係る手術器具は、通常、参照番号800によって定義される。手術器具は、図10および15に示すものと同様の一対のドライバーモジュール802a、802bおよびシャフト803a、803bを備える。手術器具800は、図14および15に示すものと同様の一対のモーターモジュール807a、807bおよびバリア880をさらに備え、これは、第1の側882および第2の側883を備える。ドライバーモジュール802a、802bの対は両方ともバリア880の第1の側882と係合され、モーターモジュールの対は両方ともバリア880の第2の側883と係合される。
【0128】
図17には、手術器具800と一緒に使用し得る内視鏡808も示される。
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