(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-27
(45)【発行日】2024-10-07
(54)【発明の名称】先端部上に蒸着された特徴を有するカテーテル
(51)【国際特許分類】
A61B 18/14 20060101AFI20240930BHJP
【FI】
A61B18/14
(21)【出願番号】P 2022527139
(86)(22)【出願日】2020-11-11
(86)【国際出願番号】 US2020070769
(87)【国際公開番号】W WO2021097481
(87)【国際公開日】2021-05-20
【審査請求日】2023-09-20
(32)【優先日】2019-11-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-10-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511099630
【氏名又は名称】バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Biosense Webster (Israel), Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】トビー・ダスティン・アール
(72)【発明者】
【氏名】バン・ニーキルク・ピーター・イー
(72)【発明者】
【氏名】フエンテス-オルテガ・セサル
(72)【発明者】
【氏名】バス・シュバユ
【審査官】立花 啓
(56)【参考文献】
【文献】独国特許出願公開第102014101348(DE,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0351652(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0350564(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 18/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科用器具を製造する方法であって、前記外科用器具が、
シースを含むカテーテルと、前記
シースから遠位に延在するエンドエフェクタと、を含み、
前記エンドエフェクタが、ドーム先端部及び円筒状本体を備えるように構成されたシリンダ状のニチノール部材を含み、前記方法が、
前記シリンダ状のニチノール部材の前記ドーム先端部又は前記円筒状本体の上に積層された第1の非導電性平面材料の上に第1の電気導電性材料の第1の三次元構造
体をエッチング又は蒸着することによって、少なくとも1つの電極
又は熱電対を前記外科用器具の前記
エンドエフェクタ
の前記シリンダ状のニチノール部材上に形成すること
であって、前記シリンダ状のニチノール部材の外面又は内面が前記第1の非導電性平面材料の一方の表面に直接接触し、前記第1の非導電性平面材料の他方の表面が前記第1の電気導電性材料の前記第1の三次元構造体の表面に直接接触する、ことと、
ニチノールの薄膜の上に積層された第2の非導電性平面材料の上に第2の電気導電性材料の第2の三次元構造体をエッチング又は蒸着することによって、センサに使用される少なくとも1つの電極又はコイルを前記外科用器具の前記シース上に形成することであって、前記ニチノールの薄膜の一方の表面が前記シースの外面又は内面に直接接触し、前記ニチノールの薄膜の他方の表面が前記第2の非導電性平面材料の一方の表面に直接接触し、前記第2の非導電性平面材料の他方の表面が前記第2の電気導電性材料の前記第2の三次元構造体の表面に直接接触する、ことと、を含む、方法。
【請求項2】
前記シリンダ状のニチノール部材の前記外面が前記第1の非導電性平面材料の前記一方の表面に直接接触する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記シリンダ状のニチノール部材の前記内面が前記第1の非導電性平面材料の前記一方の表面に直接接触する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ニチノールの薄膜の前記一方の表面が前記シースの前記外面に直接接触する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ニチノールの薄膜の前記一方の表面が前記シースの前記内面に直接接触する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記
少なくとも1つの電極
又は熱電対を
前記外科用器具の前記エンドエフェクタの前記シリンダ状のニチノール部材上に形成する
ことは、
前記少なくとも1つの電極を
前記外科用器具の前記エンドエフェクタの前記シリンダ状のニチノール部材上に形成することを
含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記少なくとも1つの電極が、感知電極、アブレーション電極、及び参照電極からなる群から選択される、請求項
6に記載の方法。
【請求項8】
前記少なくとも1つの電極
又は熱電対を
前記外科用器具の前記エンドエフェクタの前記シリンダ状のニチノール部材上に形成する
ことは、
少なくとも1つの
前記熱電対を
前記外科用器具の前記エンドエフェクタの前記シリンダ状のニチノール部材上に形成することを
含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記センサが、少なくとも1つの位置センサ
又は少なくとも1つの力センサ
である、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記センサが、少なくとも1つの位置センサであり、
前記センサに使用される前記少なくとも1つの電極又はコイルを前記外科用器具の前記シース上に形成することが、
前記位置センサに使用される少なくとも1つの前記コイルを前記外科用器具の前記シース上に形成することを含み、
前記コイルは、前記外科用器具の外部の磁場発生器によって生成された交流電磁場の存在に応答して電気信号を生成するように構成されている、請求項
1に記載の方法。
【請求項11】
前記センサが、少なくとも1つの力センサである、請求項
1に記載の方法。
【請求項12】
前記少なくとも1つの力センサが、ロゼット歪みゲージを更に備え、
前記ニチノールの薄膜の上に積層された前記第2の非導電性平面材料の上に前記第2の電気導電性材料の前記第2の三次元構造体をエッチング又は蒸着することが、
前記ロゼット歪みゲージを
前記外科用器具の前記シース上に形成することを更に含む、請求項
11に記載の方法。
【請求項13】
前記第1及び第2の電気導電性材料の少なくとも一方は磁性材料
である、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記
ニチノールの薄膜を加熱処理して
形状セットすることを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記シリンダ状のニチノール部材の前記ドーム先端部又は前記円筒状本体の上に積層された前記第1の非導電性平面材料の上に前記第1の電気導電性材料の前記第1の三次元構造体をエッチング又は蒸着することによって形成された構造体、または前記ニチノールの薄膜の上に積層された前記第2の非導電性平面材料の上に前記第2の電気導電性材料の前記第2の三次元構造体をエッチング又は蒸着することによって形成された構造体のシーム又は接合部をレーザー溶接
することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記少なくとも1つの電極又は熱電対を前記外科用器具の前記エンドエフェクタの前記シリンダ状のニチノール部材上に形成することが、
少なくとも1つのマッピング電極を前記外科用器具の前記エンドエフェクタの前記シリンダ状のニチノール部材上に形成することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記少なくとも1つのマッピング電極から近位に延びるタブを形成し、前記タブを介して前記少なくとも1つのマッピング電極と電気的に通信するように構成された回路を有する回路ディスクを提供することをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
心房細動などの心不整脈は、心臓組織の領域が電気信号を異常に伝導するときに発生する。不整脈を治療するための処置には、そのような信号の伝導経路を外科的に破壊することが含まれる。エネルギー(例えば、高周波(radiofrequency、RF)エネルギー)を印加することによって心臓組織を選択的に切除することにより、心臓のある部分から別の部分への望ましくない電気信号の伝播を停止又は修正することが可能であり得る。アブレーションプロセスは、組織を横切る異常な電気信号の伝達を効果的に遮断する電気絶縁性病変又は瘢痕組織を形成することにより、望ましくない電気経路に対する障壁を提供することができる。
【0002】
心房細動などの心不整脈は、心臓組織の領域が電気信号を異常に伝導するときに発生する。不整脈を治療するための処置には、そのような信号の伝導経路を外科的に破壊することが含まれる。エネルギー(例えば、高周波(RF)エネルギー)を印加することによって心臓組織を選択的に切除することにより、心臓のある部分から別の部分への望ましくない電気信号の伝播を停止又は修正することが可能であり得る。アブレーションプロセスは、組織を横切る異常な電気信号の伝達を効果的に遮断する電気絶縁性病変又は瘢痕組織を形成することにより、望ましくない電気経路に対する障壁を提供することができる。
【0003】
一部の処置では、1つ以上のRF電極を有するカテーテルを使用して、心臓血管系内にアブレーションを提供することができる。カテーテルを主要な静脈又は動脈(例えば、大腿動脈)に挿入し、次に前進させて、心臓内又は心臓に隣接する心臓血管構造(例えば、肺静脈)内に電極を位置決めすることができる。1つ以上の電極を、心臓組織又は他の血管組織と接触させて配置し、次いでRFエネルギーで作動させることによって、接触した組織をアブレーションすることができる。場合によっては、電極は双極であってもよい。いくつかの他の場合において、患者と接触している接地パッド又は患者と接触している他の参照電極と組み合わせて単極電極を使用してもよい。潅注を使用することにより、アブレーションカテーテルのアブレーション構成要素から熱を引き込み、アブレーション部位付近の血液凝固の形成を防止することができる。
【0004】
アブレーションカテーテルの例は、米国特許出願公開第2013/0030426号、発明の名称「Integrated Ablation System using Catheter with Multiple Irrigation Lumens」、2013年1月31日公開(その開示は参照により本明細書に組み込まれる);その開示が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第2017/0312022号、発明の名称「Irrigated Balloon Catheter with Flexible Circuit Electrode Assembly」、2017年11月2日公開(その開示は参照により本明細書に組み込まれる);その開示が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第2018/0071017号、発明の名称「Ablation Catheter with a Flexible Printed Circuit Board」、2018年3月15日公開(その開示は参照により本明細書に組み込まれる);その開示が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第2018/0056038号、発明の名称「Catheter with Bipole Electrode Spacer and Related Methods」、2018年3月1日公開(その開示は参照により本明細書に組み込まれる);米国特許第10,130,422号、発明の名称「Catheter with Soft Distal Tip for Mapping and Ablating Tubular Region」、2018年11月20日発行(その開示は参照により本明細書に組み込まれる);米国特許第8,956,353号、発明の名称「Electrode Irrigation Using Micro-Jets」(2015年2月17日発行、その開示は参照により本明細書に組み込まれる);並びに米国特許第9,801,585号、発明の名称「Electrocardiogram Noise Reduction」、2017年10月31日発行(その開示は参照により本明細書に組み込まれる)に開示されている。
【0005】
一部のカテーテルアブレーション処置は、アブレーションの標的とすべき組織領域を特定するために、電気生理学(electrophysiology、EP)マッピングを用いた後に実施され得る。このようなEPマッピングは、カテーテル(例えば、アブレーションを実施するために使用されるのと同じカテーテル又は専用のマッピングカテーテル)上の感知電極の使用を含んでもよい。このような感知電極は、導電性心内膜組織から発する電気信号を監視して、不整脈の原因となる異常な導電性組織部位の位置を特定することができる。EPマッピングシステムの例は、米国特許第5,738,096号、発明の名称「Cardiac Electromechanics」、1998年4月14日発行(その開示は参照により本明細書に組み込まれる)に記載されている。EPマッピングカテーテルの例は、米国特許第9,907,480号、発明の名称「Catheter Spine Assembly with Closely-Spaced Bipole Microelectrodes」、2018年3月6日発行(その開示は参照により本明細書に組み込まれる);米国特許第10,130,422号、発明の名称「Catheter with Soft Distal Tip for Mapping and Ablating Tubular Region」、2018年11月20日発行(その開示は参照により本明細書に組み込まれる);及び米国特許出願公開第2018/0056038号、発明の名称「Catheter with Bipole Electrode Spacer and Related Methods」、2018年3月1日公開(その開示は参照により本明細書に組み込まれる)に開示されている。
【0006】
アブレーションカテーテルを使用するとき、アブレーションカテーテルの1つ以上の電極が標的組織に十分に接触することを確実にすることが望ましい場合がある。例えば、組織を不必要に損傷させる傾向がある程度の力を印加することがないようにしながら、RFアブレーションエネルギーを組織に効果的に印加するのに十分な力で、1つ以上の電極が標的組織に接触することを確実にすることが望ましい場合がある。その目的の達成のために、アブレーションカテーテルの1つ以上の電極と標的組織との間の十分な接触を検出するために、1つ以上の力センサ又は圧力センサを含むことが望ましい場合がある。
【0007】
力検知又はEPマッピングを使用することに加えて、いくつかのカテーテルアブレーション処置は、画像誘導手術(image guided surgery、IGS)システムを使用して実行されてもよい。IGSシステムにより、医師は、患者内の解剖学的構造の画像に関連して、患者内のカテーテルの位置をリアルタイムで視覚的に追跡することができる。一部のシステムは、Biosense Webster,Inc.(Irvine,California)によるCARTO3(登録商標)システムを含めて、EPマッピング機能とIGS機能の組み合わせを提供することができる。IGSシステムと共に使用するように構成されたカテーテルの例は、米国特許第9,480,416号、発明の名称「Signal Transmission Using Catheter Braid Wires」(2016年11月1日発行、開示内容は参照により本明細書に援用されている)、及び本明細書に引用される様々な他の参照文献に開示されている。
【0008】
いくつかのカテーテルシステム及び方法が実施され、利用されてきたが、本発明者らよりも以前に、本明細書に記載、例示及び特許請求される本発明を実施又は利用したものは存在しないと考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
以下の図面及び詳細な説明は、単に例示的であることを意図しており、本発明者らによって企図される本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
【
図1】カテーテルアセンブリのカテーテルを患者に挿入する医療処置の概略図である。
【
図2】追加の構成要素が概略的な形態で示される、
図1のカテーテルアセンブリの斜視図を示す。
【
図3】追加の構成要素が概略的な形態で示される、
図1のカテーテルの遠位部分の斜視図を示す。
【
図4】内部構成要素を明らかにするために外側シースが省略されている、
図1のカテーテルの遠位部分の斜視図である。
【
図5】
図1のカテーテルの遠位部分の分解斜視図を示す。
【
図6】カテーテルが細長い可撓性シースを含み、エンドエフェクタが、追加の構成要素が概略形態で示される遠位先端部材を含む、
図1のカテーテルへの代替的なカテーテルの遠位部分の概略斜視図を示す。
【
図7】
図6のカテーテルの遠位部分の概略分解斜視図を示す。
【
図8】力センサが、細長い可撓性シースの外面上に配設されている、
図6の線8-8にわたって取られた
図6のカテーテルの細長い可撓性シースの概略断面図を示す。
【
図8A】
図8の細長い可撓性シースと同様であるが、力センサが、細長い可撓性シースの内面上に配設されている、例示的で代替的な細長い可撓性シースの概略断面図を示す。
【
図9】微小電極及び熱電対が、遠位先端部材の外面上に配設されている、
図6の線9-9にわたって取られた
図6の円筒状本体の概略断面図を示す。
【
図9A】
図6の線9-9にわたって取られた
図6の円筒状本体と同様であるが、微小電極及び熱電対が、遠位先端部材の内面上に配設されている、例示的で代替的な円筒状本体の概略断面図を示す。
【
図10】
図6のカテーテル又はエンドエフェクタのエッチング又は蒸着を利用する例示的な構造の概略側面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の特定の実施例の以下の説明は、本発明の範囲を限定するために使用されるべきではない。図面は、必ずしも縮尺どおりとは限らず、選択された実施形態を示しており、本発明の範囲を限定することを意図していない。詳細な説明は、限定ではなく例として本発明の原理を示す。本発明の他の実施例、特徴、態様、実施形態、及び利点は、本発明を実施するために想到される最良の形態の1つを実例として示す以下の説明文より、当業者には明らかとなろう。認識されるように、本発明は、全て本発明から逸脱することなく、他の異なる態様又は同等の態様が可能である。したがって、図面及び説明は、限定的なものではなく、本質的に例示的なものと見なされるべきである。
【0011】
本明細書に記載の教示、表現、変形例、実施例などのうちのいずれか1つ以上は、本明細書に記載の他の教示、表現、変形例、実施例などのうちのいずれか1つ以上と組み合わせることができる。したがって、以下に記載されている教示、表現、変形例、実施例などは、互いに単独で考慮されるべきではない。本明細書の教示を組み合わせることができる様々な好適な方法は、本明細書の教示に鑑みて当業者には容易に明らかであろう。このような修正例及び変形例は、特許請求の範囲に含まれることが意図される。
【0012】
本明細書で使用される場合、任意の数値又は範囲に対する「約」又は「ほぼ」という用語は、構成要素の一部又は集合が本明細書に記載される意図された目的のために機能することを可能にする好適な寸法公差を示すものである。より具体的には、「約」又は「およそ」は、列挙された値の±10%の値の範囲を指し得、例えば「約90%」は、81%~99%の値の範囲を指し得る。更に、本明細書で使用される場合、「患者」、「宿主」、「ユーザ」、及び「被験者」という用語は、任意のヒト又は動物被験体を指し、ヒト患者における本発明の使用が好ましい実施形態を表すが、システム又は方法をヒトの使用に限定することを意図するものではない。
【0013】
I.例示的なアブレーションカテーテルシステムの概要
図1は、上に言及した、心臓アブレーションを行うために使用され得る心臓アブレーションカテーテルシステムの例示的な医療処置及び関連する構成要素を示す。具体的には、
図1は、カテーテルアセンブリ(100)のハンドル(110)を把持する医師(physician、PH)を示し、患者(patient、PA)の心臓(heart、H)内又はその近くの組織をアブレーションするために、患者(PA)内に配設されたカテーテルアセンブリ(100)のカテーテル(120)のエンドエフェクタ(140)を有する(
図2~
図3に示されているが、
図1には示されていない)。
図2に示すように、カテーテルアセンブリ(100)は、ハンドル(110)と、ハンドル(110)から遠位に延在するカテーテル(120)と、カテーテル(120)の遠位端に位置するエンドエフェクタ(140)と、ハンドル(110)に関連付けられた偏向駆動アセンブリ(200)と、を含む。
【0014】
以下でより詳細に説明するように、エンドエフェクタ(140)は、RFエネルギーを標的組織部位に送達し、EPマッピング機能を提供し、エンドエフェクタ(140)に付与された外力を追跡し、エンドエフェクタ(140)の位置を追跡し、灌注流体を分散させるように構成された様々な構成要素を含む。以下で更に詳細に説明するように、偏向駆動アセンブリ(200)は、エンドエフェクタ(140)及びカテーテル(120)の遠位部分をカテーテル(120)の近位部分によって画定される中央長手方向軸(L-L)(
図3~
図5)から離れる方向に偏向させるように構成されている。
【0015】
図3に示すように、カテーテル(120)は、細長い可撓性シース(122)を含み、エンドエフェクタ(140)が、細長い可撓性シース(122)の遠位端に配設されている。細長い可撓性シース(122)内に収容されるエンドエフェクタ(140)及び様々な構成要素について、以下でより詳細に説明する。カテーテルアセンブリ(100)は、ケーブル(30)を介して誘導駆動システム(10)に連結されている。カテーテルアセンブリ(100)はまた、流体導管(40)を介して流体源(42)とも連結されている。一組の磁場発生器(20)は、患者(PA)の下に位置付けられ、別のケーブル(22)を介して誘導駆動システム(10)と連結されている。磁場発生器(20)は、単に任意選択である。
【0016】
本実施例の誘導駆動システム(10)は、コンソール(12)と、ディスプレイ(18)と、を含む。コンソール(12)は、第1のドライバモジュール(14)及び第2のドライバモジュール(16)を含む。第1のドライバモジュール(14)は、ケーブル(30)を介してカテーテルアセンブリ(100)に連結されている。いくつかの変形形態では、第1のドライバモジュール(14)は、以下でより詳細に説明するように、エンドエフェクタ(140)の微小電極(138)を介して取得されたEPマッピング信号を受信するように動作可能である。コンソール(12)は、そのようなEPマッピング信号を処理し、それによって、当該技術分野において公知のEPマッピングを提供するプロセッサ(図示せず)を含む。
【0017】
本実施例の第1のドライバモジュール(14)は、以下でより詳細に説明するように、エンドエフェクタ(140)の遠位先端部材(142)にRF電力を供給し、それによって組織をアブレーションするように更に動作可能である。第2のドライバモジュール(16)は、ケーブル(22)を介して磁場発生器(20)に連結されている。第2のドライバモジュール(16)は、磁場発生器(20)を作動させて、患者(PA)の心臓(H)の周囲に交流磁場を発生させるように動作可能である。例えば、磁場発生器(20)は、心臓(H)を含む所定の作業体積内に交流磁場を発生させるコイルを含んでもよい。
【0018】
第1のドライバモジュール(14)はまた、エンドエフェクタ(140)内の位置センサアセンブリ(150)からの位置指示信号を受信するように動作可能である。そのような変形形態では、コンソール(12)のプロセッサはまた、位置センサアセンブリ(150)からの位置指示信号を処理し、それによって、患者(PA)内のエンドエフェクタ(140)の位置を決定するように動作可能である。以下でより詳細に説明するように、位置センサアセンブリ(150)は、患者(PA)内のエンドエフェクタ(140)の位置及び向きを示す信号を生成するように動作可能な、それぞれのパネル(151)上に一対のコイルを含む。コイルは、磁場発生器(20)によって生成された交流電磁場の存在に応答して電気信号を生成するように構成されている。エンドエフェクタ(140)に関連するリアルタイムの位置データを生成するために使用され得る他の構成要素及び技術は、無線三角測量、音響追跡、光学追跡、慣性追跡などを含み得る。代替的に、エンドエフェクタ(140)は、位置センサアセンブリ(150)を欠いてもよい。
【0019】
ディスプレイ(18)は、コンソール(12)のプロセッサに連結されており、患者の解剖学的構造の画像をレンダリングするように動作可能である。このような画像は、手術前又は手術中に得られた一組の画像(例えば、CT又はMRIスキャン、3Dマップなど)に基づくことができる。ディスプレイ(18)を通して提供される患者の解剖学的構造の図はまた、エンドエフェクタ(140)の位置センサアセンブリ(150)からの信号に基づいて動的に変化してもよい。例えば、カテーテル(120)のエンドエフェクタ(140)が患者(PA)内で移動するにつれて、位置センサアセンブリ(150)からの対応する位置データが、コンソール(12)のプロセッサに、ディスプレイ(18)内の患者の解剖学的構造の図をリアルタイムで更新させ、エンドエフェクタ(140)が患者(PA)内で移動するにつれて、エンドエフェクタ(140)の周囲の患者の解剖学的構造の領域を示してもよい。更に、コンソール(12)のプロセッサは、エンドエフェクタ(140)による電気生理学的(electrophysiological、EP)マッピングによって検出されるように、又は他の方法で検出される(例えば、専用のEPマッピングカテーテルなどを使用する)ように、異常な導電性組織部位の場所を示すようディスプレイ(18)を駆動してもよい。単に一例として、コンソール(12)のプロセッサは、例えば、照らされたドット、十字線、又は異常な導電性組織部位の視覚的表示のいくつかの他の形式を重ね合わせることなどによって、異常な導電性組織部位の位置を患者の解剖学的構造の画像上に重ね合わせるようにディスプレイ(18)を駆動することができる。
【0020】
コンソール(12)のプロセッサはまた、例えば、照らされたドット、十字線、エンドエフェクタ(140)のグラフィック表現、又は視覚的表示のいくつかの他の形態を重ね合わせることなどによって、エンドエフェクタ(140)の現在の位置を患者の解剖学的構造の画像上に重ね合わせるようにディスプレイ(18)を駆動することができる。このような重ね合わされた視覚的表示はまた、医師が患者(PA)内でエンドエフェクタ(140)を移動させると、リアルタイムでディスプレイ(18)上の患者の解剖学的構造の画像内で移動することができ、それによって、エンドエフェクタ(140)が患者(PA)内で移動すると、患者(PA)内のエンドエフェクタ(140)の位置に関するリアルタイムの視覚的フィードバックを操作者に提供する。したがって、ディスプレイ(18)を介して提供される画像は、エンドエフェクタ(140)を観察するいかなる光学機器(すなわち、カメラ)を必ずしも有することなく、患者(PA)内のエンドエフェクタ(140)の位置を追跡するビデオを効果的に提供することができる。同じ図で、ディスプレイ(18)は、EPマッピングによって検出された異常な導電性組織部位の場所を、同時に視覚的に示すことができる。したがって、医師(PH)は、ディスプレイ(18)を見て、マッピングされた異常な導電性組織部位に関して、また患者(PA)内の隣接する解剖学的構造の画像に関して、エンドエフェクタ(140)のリアルタイムの位置を観察することができる。
【0021】
本例の流体源(42)は、生理食塩水又は一部の他の好適な灌注流体を収容するバッグを含む。導管(40)は、流体源(42)からカテーテルアセンブリ(100)に流体を選択的に駆動するように動作可能なポンプ(44)に更に連結された可撓性チューブを含む。以下でより詳細に説明するように、このような灌注流体は、エンドエフェクタ(140)の遠位先端部材(142)の開口部(158)を通して排出されてもよい。そのような灌注は、本明細書の教示に鑑みて当業者には明らかであるような任意の好適な方式で提供されてもよい。
【0022】
II.カテーテルアセンブリの例示的なエンドエフェクタ
上述したように、エンドエフェクタ(140)は、RFエネルギーを標的組織部位に送達し、EPマッピング機能を提供し、エンドエフェクタ(140)に付与された外力を追跡し、患者(PA)内のエンドエフェクタ(140)の位置を追跡し、灌注流体を分散させるように構成された様々な構成要素を含む。
図3~
図5は、エンドエフェクタ(140)の例示的な構成要素、及びカテーテル(120)の遠位部分の他の構成要素をより詳細に示す。エンドエフェクタ(140)は、遠位先端部材(142)と、遠位先端基部(144)と、遠位回路ディスク(146)と、力センサアセンブリ(148)と、位置センサアセンブリ(150)と、遠位スペーサスタック(152)と、一対の近位スペーサ(154)と、を含む。遠位先端部材(142)、遠位先端基部(144)、遠位回路ディスク(146)、力センサアセンブリ(148)、位置センサアセンブリ(150)、遠位スペーサスタック(152)、及び近位スペーサ(154)は、互いに同軸上に整列され、これらの構成要素(144~154)が積層回路を画定するように長手方向に積層される。一対のプッシュプルケーブル(160、170)及び灌注チューブ(180)は、カテーテル(120)の長さに沿って延び、エンドエフェクタ(140)に到達する。前述の構成要素のそれぞれについて以下でより詳細に説明する。可撓性シース(122)は、遠位先端部材(142)を除いて、前述の構成要素の全てを取り囲む。
【0023】
図4~
図5に示されるように、本実施例の遠位先端部材(142)は、ドーム先端部を有する円筒状本体(156)を含む。円筒状本体(156)及びドーム先端部は、金属などの導電性材料で形成されてもよい。複数の開口部(158)は、円筒状本体(156)を通って形成され、遠位先端部材(142)の中空内部と連通している。したがって、開口部(158)は、灌注流体が遠位先端部材(142)の内部から円筒状本体(156)を通って連通されることを可能にする。円筒状本体(156)及びドーム先端部はまた、組織にRF電気エネルギーを印加し、それによって組織をアブレーションするように動作可能である。このようなRF電気エネルギーは、ケーブル(30)を介して、第1のドライバモジュール(14)から最近位のスペーサ(154)に伝達されてもよい。遠位先端部材(142)はまた、温度感知能力を提供するように構成された1つ以上の熱電対を含んでもよい。
【0024】
図3~
図4に示されるように、本実施例の遠位先端部材(142)はまた、円筒状本体(156)に取り付けられた1つ以上のEPマッピング微小電極(138)を含む。EPマッピング微小電極(138)は、EPマッピング微小電極(138)と接触する組織から電位をピックアップするように構成されている。したがって、EPマッピング微小電極(138)を使用して、心臓血管解剖学的構造(例えば、肺静脈など)内の組織内の異常な電気的活動の場所を決定することができる。EPマッピング微小電極(138)によってピックアップされた信号は、力センサアセンブリ(148)の近位にある層内のビア又は他の構造体を通じて通信されてもよく、最終的にはケーブル(30)を介してコンソール(12)の第1のドライバモジュール(14)に到達する。第1のドライバモジュール(14)は、EPマッピング信号を処理し、本明細書に引用される様々な参考文献の教示に従って、異常な電気的活動の場所を示す対応するフィードバックを医師(PH)に提供することができる。
【0025】
円筒状本体(156)が、組織アブレーションのためのRF電気エネルギーを提供する導電性材料で形成される変形形態では、円筒状本体(156)とEPマッピング微小電極(138)との間に電気的絶縁材料を介在させて、それによって、EPマッピング微小電極(138)を円筒状本体(156)から電気的に絶縁することができる。EPマッピング微小電極(138)は、本明細書に引用される様々な特許参考文献の教示に従って構築され、動作可能であってもよい。1つのEPマッピング微小電極(138)のみが示されているが、遠位先端部材(142)は、2つ以上のEPマッピング微小電極(138)を含んでもよい。あるいは、遠位先端部材(142)は、EPマッピング微小電極(138)を完全に欠いてもよい。
【0026】
遠位先端基部(144)は、遠位先端部材(142)の中空内部への灌注流体の連通のための経路を提供するように構成された中央開口部を画定する。遠位先端基部(144)は、遠位先端部材(142)の近位縁が当接し得る環状肩部を形成する。遠位先端部材(142)はまた、遠位先端部材(142)の近位に延在するタブを受容するように構成された横方向ノッチを画定する。
図3~
図4に示されるように、遠位回路ディスク(146)は、遠位先端基部(144)の近位に位置付けられる。遠位回路ディスク(146)は、遠位先端部材(142)の近位に延在するタブを介して遠位先端部材(142)にRF電気エネルギーを伝達するように動作可能な回路を含む。1つ以上のEPマッピング電極(138)が含まれる変形形態では、遠位回路ディスク(146)はまた、EPマッピング電極(138)からEPマッピング信号を通信するように動作可能な回路を含んでもよい。
【0027】
いくつかの変形形態では、遠位回路ディスク(146)は、1つ以上の送信コイルを更に含む。そのような送信コイルは、信号(例えば、微小電極(138)からのEPマッピング信号)の、遠位回路ディスク(146)の近位にある1つ以上の相補的コイルへの無線通信を提供することができる。加えて、又は代替的に、そのような送信コイルは、遠位回路ディスク(146)の遠位先端部材(142)の近位にある1つ以上の相補的コイルからRF電気エネルギーの無線通信を提供してもよい。コイルが遠位回路ディスク(146)及び力センサアセンブリ(148)の近位にある1つ以上の他の層にコイルが組み込まれる変形形態では、そのようなコイルは、したがって、力センサアセンブリ(148)にわたって長手方向に通過するワイヤ、ビア、又は他の導電性構造体を必要とせずに、力センサアセンブリ(148)にわたる電気信号の無線通信を可能にし得る。
【0028】
いくつかの変形形態では、遠位回路ディスク(146)は、遠位先端部(142)に印加された接触力を決定するために、力センサアセンブリ(148)に印加されている歪みを検出するために、位置センサアセンブリ(150)の受信コイル(receiving、RX)と対になっている少なくとも1つの送信コイル(transmission、TX)を含む。遠位回路ディスク(146)のいくつかの他の変形形態は、TXコイルを単純に省略してもよい。
【0029】
力センサアセンブリ(148)は、遠位回路ディスク(146)の近位に位置付けられ、遠位先端部材(142)に対して衝突する外力を感知するように構成されている。遠位先端部(142)が外力に遭遇すると(例えば、遠位先端(142)が組織に押し付けられるとき)、それらの外力は、遠位先端部(142)から遠位先端基部(144)、遠位回路ディスク(146)に伝達され、歪みゲージが外力の大きさ及び方向に対応する好適な信号を生成し得るように、力センサアセンブリ(148)に伝達される。力センサアセンブリ(148)からの信号は、力センサアセンブリ(148)の近位にある層内のビア又は他の構造体を通じて通信されてもよく、最終的にはケーブル(30)を介してコンソール(12)の第1のドライバモジュール(14)に到達する。第1のドライバモジュール(14)は、本明細書の教示を考慮して当業者の1人に明らかであるものとして、任意の好適な方式に従って歪み信号を処理してもよい。あくまで一例として、コンソール(12)は、遠位先端部材(142)が所定の閾値を超える力に遭遇していることを力センサアセンブリ(148)が示すときに、医師(PH)に警告するために可聴フィードバックを提供してもよく、それによって、医師(PH)が遠位先端部材(142)を有する心血管解剖学的構造を無意識に損傷することを防止する。
【0030】
位置センサアセンブリ(150)は、実質的な精度を有する三次元空間内のエンドエフェクタ(140)の位置及び向きを示す信号を生成してもよい。位置センサアセンブリ(150)は、磁場発生器(20)によって生成された交流磁場に応答して位置指示電気信号を生成するように動作可能なRXコイルをそれぞれ含む、複数のパネル(151)を含む。各RXコイルは、各RXコイルの位置及び向きが、磁場発生器(20)によって提供されるTXコイルに対して決定され得るように、外部送信機TXコイル(例えば、患者(PA)の体の外部に配置され、個別の無線周波数を放出する磁場発生器(20)によって提供される3つのTXコイル)によって放出された無線周波数信号を受信するための電気コイル又はアンテナを画定する電気トレースによって形成されてもよい。位置センサアセンブリ(150)からの信号は、歪み位置センサアセンブリ(150)の近位にある層内のビア又は他の構造体を通じて通信されてもよく、最終的にはケーブル(30)を介してコンソール(12)の第1のドライバモジュール(14)に到達する。
【0031】
位置センサアセンブリ(150)の中央環状体は、遠位先端部材(142)の中空内部への灌注流体の連通のための経路を提供するように構成された中央開口部を画定する。位置センサアセンブリの中央環状体が無線通信コイルを含む変形形態では、そのような無線通信コイルは、歪み位置センサアセンブリ(150)の近位にある層内のビア又は他の構造体と更に連結されてもよく、それによって、ケーブル(30)を介してコンソール(12)の第1のドライバモジュール(14)と電気通信するための経路を提供する。
【0032】
本実施例では、各遠位スペーサ(153)は、ディスクのような形状であり、一対の弦状切り抜きは、互いから90度だけ角度的にオフセットされている。これらの切り欠きは、位置センサアセンブリ(150)のそれぞれのパネル(151)を収容するようにサイズ決め及び構成され、それによって、パネル(151)を遠位スペーサスタック(152)とシース(122)との間に半径方向に介在させることができる。各遠位スペーサ(153)はまた、互いから180度だけ角度的にオフセットされた一対のケーブルノッチを含む。これらのケーブルノッチは、プッシュプルケーブル(160、170)のそれぞれの遠位端部分(174、164)を受容するように構成されている。各遠位スペーサ(153)は、遠位先端部材(142)の中空内部への灌注流体の連通のための経路を提供するように構成された中央開口部を更に含む。
【0033】
各近位スペーサ(154)は、ディスク状の形状であり、3つの開口部がその中を通って形成される。中央開口部は、遠位先端部材(142)の中空内部への灌注流体の連通のための経路を提供するように構成される。側面開口部は、それぞれのプッシュプルケーブル(160、170)の近位部分(162、172)を受容するようにサイズ決め及び構成される。
【0034】
上述したように、かつ
図1及び
図3に示されるように、ケーブル(30)は、カテーテルアセンブリ(100)を駆動システム(10)と連結する。
図4に示されるように、ケーブル(30)のワイヤ(32)は、カテーテル(120)の長さに沿って延在し、最近位の近位スペーサ(154)に到達する。したがって、ワイヤ(32)は、シース(122)内に収容されてもよい。ワイヤ(32)は、最近位の近位スペーサ(154)と任意の好適な方式で物理的及び電気的に連結されてもよい。
【0035】
また上述したように、カテーテルアセンブリ(100)は、流体導管(40)を介して流体源(42)からカテーテル(120)に灌注流体を連通させることを可能にし、それによって遠位先端部材(142)の開口部(158)を介して灌注流体の排出を提供するように構成されている。本実施例では、灌注流体の流体経路は、
図4~
図5に示す灌注チューブ(180)を含む。灌注チューブ(180)の近位端は、(例えば、カテーテルアセンブリ(100)のハンドル(110)において)流体導管(40)と結合される。灌注チューブ(180)は、カテーテル(120)の長さに沿って延び、エンドエフェクタ(140)に到達する。いくつかの変形形態では、灌注流体は、上述の中央開口部によって整列された中央通路を通って灌注チューブ(180)の遠位端から連通されてもよく、最終的に遠位先端基部(144)の開口部(218)を介して遠位先端部材(142)の内部に到達する。
【0036】
III.例示的で代替的なカテーテルアセンブリのカテーテル及びエンドエフェクタ
フレックス回路技術は、二次元構造を三次元構造、正確な接着剤用途、複雑なツーリング、又は1つ以上の硬化プロセスなどに変換するための複雑な製造方法などを含み得る。開口部(158)などの構造体又はアセンブリでシームレスな移行を達成するために、従来のフレックス回路技術は、特に約0.010インチ未満のスケールを使用するときに、困難であり散発性であり得る。形状セット能力を有する基板上に重ね合わされる単一の製造プロセスにおいて感知及び治療技術を一体化すると、感知及び治療技術に関連する複雑な構造体の製造可能性を大幅に単純化することができる。そのような単一の製造プロセスが望ましく、従来のフレックス回路技術を超えてもよい。
【0037】
例示的で代替的なカテーテル(310)及び例示的で代替的なエンドエフェクタ(312)を、以下で詳細に説明する。カテーテル(310)及びエンドエフェクタ(312)は、上述のカテーテル(120)及びエンドエフェクタ(140)の代替として提供されてもよい。カテーテル(310)及びエンドエフェクタ(312)は、三次元構成に到達するために別々の段階で一般にアセンブルされる従来の二次元フレックス回路よりも利点を提供することができる。例えば、従来の二次元フレックス回路のアセンブリは、一般に、多くの構成要素を利用して、カテーテル(120)を形成するために細長い可撓性シース(122)が構成要素上をスライドする前に形成されてもよい。
【0038】
A.例示的で代替的なカテーテル及びエンドエフェクタ
図6は、外科用器具(例えば、
図1~
図2に示すカテーテルアセンブリ(100))のためのカテーテル(310)の遠位部分及びエンドエフェクタ(312)の斜視図を示す。
図1~
図3を参照して前述したように、カテーテルアセンブリ(100)は、ハンドル(110)及びハンドル(110)に関連する偏向駆動アセンブリ(200)を含んでもよい。本実施例では、カテーテルアセンブリ(100)は、カテーテル(310)及びエンドエフェクタ(312)を含み、カテーテル(310)は、ハンドル(110)から遠位に延在する。
図6に示すように、カテーテル(310)は、細長い可撓性シース(314)を含む。エンドエフェクタ(312)は、カテーテル(310)の細長い可撓性シース(314)の遠位端に配設されている。
図6~
図11を参照してより詳細に説明するように、カテーテル(310)は、
図1~
図2を参照して示し説明したカテーテル(120)と略同様であり、エンドエフェクタ(312)は、エンドエフェクタ(140)と略同様であるが、以下に説明する違いがある。
図7は、カテーテル(310)が長手方向軸(L-L)を画定する、
図6のカテーテル(310)の遠位部分の分解斜視図を示す。
【0039】
図6~
図7は、エンドエフェクタ(312)の例示的な構成要素、及びカテーテル(310)の遠位部分の他の構成要素をより詳細に示す。エンドエフェクタ(312)は、遠位先端部材(142)と同様の遠位先端部材(316)、遠位先端基部(144)と同様の遠位先端基部(318)と、遠位回路ディスク(146)と同様の遠位回路ディスク(320)と、遠位スペーサ(323)を含む遠位スペーサスタック(152)と同様の遠位スペーサスタック(322)と、一対の近位スペーサ(154)と同様の一対地の近位スペーサ(324)と、を含む。図示のように、遠位先端部材(316)、遠位先端基部(318)、遠位回路ディスク(320)、遠位スペーサスタック(322)、及び近位スペーサ(324)は、互いに同軸上に整列され、これらの構成要素(316~324)が積層回路を画定するように長手方向に積層される。プッシュプルケーブル(160、170)及び灌注チューブ(180)は、カテーテル(310)の長さに沿って延在し、エンドエフェクタ(312)に到達する。
【0040】
遠位先端部材(316)は、ドーム先端部(332)を含む円筒状本体(330)を含む。円筒状本体(330)のドーム先端部(332)又は円筒状本体(330)の全体は、金属などの導電性材料で形成されてもよい。ドーム先端部(332)を有する円筒状本体(330)は、RF電気エネルギーを組織に印加して、それによって、組織をアブレーションするように動作可能である。このようなRF電気エネルギーは、ケーブル(30)を介して、第1のドライバモジュール(14)から最近位のスペーサ(324)に伝達されてもよい。複数の開口部(334)は、円筒状本体(330)を通って形成され、遠位先端部材(316)の中空内部と連通している。開口部(334)は、灌注流体が遠位先端部材(316)の内部から遠位先端部材(316)の円筒状本体(330)を通って連通されることを可能にする。
【0041】
偏向駆動アセンブリ(200)は、エンドエフェクタ(312)及びカテーテル(310)の遠位部分をカテーテル(310)の近位部分によって画定される中央長手方向軸(L-L)(
図6~
図7を参照)から離れる方向に偏向させるように構成されている。
図6に示すように、カテーテル(310)は、細長い可撓性シース(314)を含み、エンドエフェクタ(312)は、シース(314)の遠位端に配設されている。細長い可撓性シース(314)内に収容されるエンドエフェクタ(312)及び様々な構成要素について、以下でより詳細に説明する。カテーテルアセンブリ(100)は、ケーブル(30)を介して誘導駆動システム(10)に連結されている。カテーテルアセンブリ(100)はまた、流体導管(40)を介して流体源(42)とも連結されている。
【0042】
上述し、かつ
図8~
図9Aを参照して以下により詳細に説明するように、エンドエフェクタ(312)は、RFエネルギーを標的組織部位に送達すること、EPマッピング機能を提供すること、エンドエフェクタ(312)に付与された外力を追跡すること、患者(PA)内のエンドエフェクタ(312)の位置を追跡すること、灌注流体を分散させることのうちの1つ以上を行うように構成されている様々な構成要素を含む。この理由から、エンドエフェクタ(312)は、1つ以上の電極、センサ、又は熱電対(336)を含んでもよい。電極は、少なくとも1つの感知電極(例えば、EPマッピング電極(338))、少なくとも1つのアブレーション電極(339)、又は少なくとも1つの参照電極(図示せず)を含んでもよい。別に、センサは、少なくとも1つの力センサアセンブリ(326)又は少なくとも1つの位置センサアセンブリ(328)を含んでもよい。例えば、エンドエフェクタ(140)とは異なり、エンドエフェクタ(312)は、力センサアセンブリ(148)の代わりに、若しくはこれに加えて使用され得る少なくとも1つのエッチングされた若しくは蒸着された力センサアセンブリ(326)、又は位置センサアセンブリ(150)の代わりに、若しくはこれに加えて使用され得る少なくとも1つのエッチングされた若しくは蒸着された位置センサアセンブリ(328)を含んでもよい。
【0043】
図8及び
図9は、
図6の2つの断面概略図を示す。より具体的には、
図8は、力センサアセンブリ(326)及び位置センサアセンブリ(328)がカテーテル(310)の細長い可撓性シース(314)の壁(342)の外面(340)上に配設されている、
図6の線8-8にわたって取られた
図6のカテーテル(310)の細長い可撓性シース(314)の断面図を示す。
図8Aは、
図8の細長い可撓性シース(314)と同様であるが、力センサアセンブリ(326)が、カテーテル(310)の細長い可撓性シース(314)の壁(342)の内面(344)に配設されている、例示的で代替的な細長い可撓性シース(314)の断面図を示す。
【0044】
力センサアセンブリ(326)は、遠位先端部材(316)に衝突する外力を感知するように構成されている。遠位先端部材(316)が外力に遭遇すると(例えば、遠位先端材(316)が組織に押し付けられるとき)、それらの外力は遠位先端部材(316)から遠位先端基部(318)、遠位回路ディスク(320)及び力センサアセンブリ(326)に伝達され、その結果、力センサアセンブリ(326)が、外力の大きさ及び方向に対応する好適な信号を生成し得る。力センサアセンブリ(148)からの信号は、力センサアセンブリ(326)の近位にある層内のビア又は他の構造体を通じて伝達されてもよく、最終的にはケーブル(30)を介してコンソール(12)の第1のドライバモジュール(14)に到達する。
【0045】
力センサアセンブリ(326)は、複数の力センサを含み得る。例えば、力センサアセンブリ(326)は、第1、第2及び第3の力センサ(346a~c)を含み得る。
図8に示すように、第1、第2、及び第3の力センサ(346a~c)は、カテーテル(310)の細長い可撓性シース(314)の外面(340)上にエッチング又は蒸着され得る。代替的には、
図8Aに示すように、第1、第2、及び第3の力センサ(346a~c)は、カテーテル(310)の細長い可撓性シース(314)の内面(344)上にエッチング又は蒸着され得る。力センサアセンブリ(326)(例えば、第1、第2、及び第3の力センサ(346a~c))が、細長い可撓性シース(314)の外面(340)又は内面(344)上に直接エッチング又は蒸着され得ることも想定されている。力センサアセンブリ(326)の第1、第2、及び第3の力センサ(346a~c)は、細長い可撓性シース(314)の外面(340)又は内面(344)上に蒸着されたロゼット歪みゲージ(例えば、三方向ロゼット歪みゲージ)を形成してもよい。代替的には、力センサ(346a~c)は、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかであるように、任意の他の好適な形態を取ってもよい。
【0046】
位置センサアセンブリ(328)は、三次元空間における患者(PA)内のエンドエフェクタ(312)の位置及び向きを示す信号を生成するように動作可能である。位置センサアセンブリ(328)は、1つ以上の位置センサ(例えば、位置コイル)を含み得る。例えば、位置センサアセンブリ(328)は、第1、第2、及び第3の位置コイル(348a~c)を含み得る。
図8に示すように、第1、第2、及び第3の位置コイル(348a~c)は、細長い可撓性シース(314)の外面(340)上にエッチング又は蒸着され得る。代替的には、
図8Aに示すように、第1、第2、及び第3の位置コイル(348a~c)は、細長い可撓性シース(314)の内面(344)上にエッチング又は蒸着され得る。各位置コイル(348a~c)は、他の位置コイル(348a~c)の軸に直交する軸の周りに配向され得る。位置センサアセンブリ(328)(例えば、第1、第2、及び第3の位置コイル(348a~c))は、細長い可撓性シース(314)の外面(340)上に直接か、内面(344)上に直接エッチング又は蒸着され得る。位置センサアセンブリ(328)の第1、第2、及び第3の位置コイル(348a~c)は、
図4~
図5に示され説明された位置センサアセンブリ(150)の複数のパネル(151)の代わりに、又はそれに加えて使用され得る。
【0047】
力センサアセンブリ(326)は、位置センサアセンブリ(328)と一緒に形成され得るか、又はそれとは別個に形成され得る。
図8は、第1の位置コイル(348a)と組み合わせた第1の力センサ(346a)、第2の位置コイル(348b)と組み合わせた第2の力センサ(346b)、及び第3の位置コイル(348c)と組み合わせた第3の力センサ(346c)を示す。例えば、力センサアセンブリ(326)は、第1、第2、及び第3の力センサ(346a~c)がそれぞれ第1、第2、及び第3の位置コイル(348a~c)と共に単一部品として一緒に形成されるように、位置センサアセンブリ(328)と共に1つの単一構造として一緒に形成され得る。代替的には、
図8Aは、第1の位置コイル(348a)とは別個に形成された第1の力センサ(346a)、第2の位置コイル(348b)とは別個に形成された第2の力センサ(346b)、及び第3の位置コイル(348c)とは別個に形成された第3の力センサ(346c)を示す。図示していないが、第1、第2、及び第3の力センサ(346a~c)が、細長い可撓性シース(314)の外面(340)上で第1、第2、及び第3の位置コイル(348a~c)とは別個であり得ること、又は、第1、第2、及び第3の力センサ(346a~c)が、細長い可撓性シース(314)の内面(344)上で第1、第2、及び第3の位置コイル(348a~c)と組み合わされ得ることが想定されている。
【0048】
各位置コイル(348a~c)は、磁場発生器(20)によって生成された交流電磁場の存在に応答して電気信号を生成するように構成され得る。各位置コイル(348a~c)は、カテーテル(310)の細長い可撓性シース(314)上の対応するトレース又は他の電気導管と連結されてもよく、それによって、位置コイル(348a~c)によって生成された信号を、カテーテル(310)内の電気導管(図示せず)を介してコンソール(12)に戻すように伝達することを可能にし、コンソールは、その信号を処理して患者(PA)内のエンドエフェクタ(312)の位置を特定してもよい。例えば、各位置コイル(348a~c)は、各RXコイルの位置及び向きが、磁場発生器(20)によって提供されるTXコイルに対して決定され得るように、外部送信機TXコイル(例えば、患者(PA)の体の外部に位置付けられ、個別の無線周波数を放出する磁場発生器(20)によって提供される3つのTXコイル)によって放出された無線周波数信号を受信するための電気コイル又はアンテナを画定する電気トレースによって形成されてもよい。位置センサアセンブリ(328)からの信号は、歪み位置センサアセンブリ(328)の近位にある層内のビア又は他の好適な構造体を通じて通信されてもよく、最終的にはケーブル(30)を介してコンソール(12)の第1のドライバモジュール(14)に到達する。図示していないが、エンドエフェクタ(312)に関連するリアルタイムの位置データを生成するために使用され得る他の構成要素及び技術は、無線三角測量、音響追跡、光学追跡、慣性追跡などを含んでもよい。
【0049】
図9は、マッピング電極(338)(例えば、EPマッピング微小電極(138)と同様であり得る)、アブレーション電極(339)、及び熱電対(336)が、遠位先端部材(316)の円筒状本体(330)の壁(352)の外面(350)上に配置されている、
図6の線9-9にわたって取られた
図6の遠位先端部材(316)の円筒状本体(330)の断面図を示す。
図9Aは、
図6の線9-9にわたって取られた
図6の円筒状本体と同様であるが、マッピング電極(338)、アブレーション電極(339)、及び熱電対(336)が、遠位先端部材(316)の円筒状本体(330)の内面(354)上に配置されている、例示的で代替的な円筒状本体(330)の断面図を示す。熱電対(336)(概略的に示される)は、温度感知能力を提供するように構成されている。
【0050】
1つのマッピング電極のみ(338)が
図9~
図9Aに示されるが、2つ以上のマッピング電極(338)が組み込まれ得る。例えば、一対のマッピング電極(338)が利用され、集合的に単一の「センサ」と見なされてもよい。各マッピング電極(338)は、カテーテル(310)の細長い可撓性シース(314)上の対応するトレース又は他の電気導管に連結されてもよく、それによって、マッピング電極(338)によってピックアップされた信号を、カテーテル(310)内の電気導管(図示せず)を介してコンソール(12)に戻すように伝達することを可能にし、コンソールは、その信号を処理してEPマッピングを行い、それによって心臓の解剖学的構造内の異常な電気活動の位置を特定することができる。これにより、医師(PH)は、アブレーションする(例えば、RFエネルギー、冷凍アブレーションなどで)心臓組織の最も適切な領域を特定することができ、それによって、心臓組織を横切る異常な電気活動の伝達を防止するか、又は少なくとも低減することができる。このような接触は、
図9~
図9Aに示されるように、遠位先端部材(316)の円筒状本体(330)上にかなりの数のマッピング電極(338)を設けることによって更に促進され得る。マッピング電極(338)のいくつかの対が心臓組織の複数の領域で同時に心電図信号の感知を提供できるため、かなりの数のマッピング電極(338)を有することにより、エンドエフェクタ(312)は、心臓(H)の4つの全ての心腔を通して高密度EPマッピングを提供することが可能になり得る。
【0051】
少なくとも1つのアブレーション電極(339)を使用して、アブレーション電極(339)と接触している組織にRFエネルギーを印加し、それによって組織を切除することができる。各アブレーション電極(339)は、遠位先端部材(316)の円筒状本体(330)上の対応するトレース又は他の電気導管に連結されてもよく、それによって、コンソール(12)は、カテーテル(120)内の電気導管(図示せず)を介してRFエネルギーを遠位先端部材(316)の円筒状本体(330)上のトレース又は他の導管に伝達して、アブレーション電極(339)に到達させることができる。マッピング電極(338)と同様に、
図9~
図9Aに示されるようなアブレーション電極(339)の数及び位置付けは、例示的なものに過ぎない。アブレーション電極(339)には、任意の他の好適な数又は位置付けを使用してもよい。更に別のあくまでも例示的な変形例として、アブレーション電極(339)は、エンドエフェクタ(312)から省略されてもよい。一部のそのような変形例では、マッピング電極(338)は依然として、エンドエフェクタ(312)上に含まれてもよい。
【0052】
B.エッチング又は蒸着によって形成される例示的な構造
図10は、
図6の少なくとも1つの電極、少なくとも1つのセンサ、又は少なくとも1つの熱電対に好適なエッチング又は蒸着によって形成された例示的な構造(410)である。例えば、力センサアセンブリ(326)、位置センサアセンブリ(328)、熱電対(336)、マッピング電極(338)、及びアブレーション電極(339)は、構造体(410)を参照して以下に説明する方式で、カテーテル(310)の細長い可撓性シース(314)、又は遠位先端部材(316)の円筒状本体(330)のいずれか上でエッチング又は蒸着され得る。例えば、力センサ(346a~c)又は位置コイル(348a~c)は、カテーテル(310)の細長い可撓性シース(314)の壁(342)の外面(340)又は内面(344)上に蒸着されてもよく、それによって、別個の力センサ又は位置コイルを組み込むことを低減又は完全に排除する。例えば、熱電対(336)、マッピング電極(338)、又はアブレーション電極(339)は、遠位先端部材(316)の円筒状本体(330)の壁(352)の外面(350)又は内面(354)上に蒸着されてもよく、それにより、追加の構造体を低減又は完全に排除する。
【0053】
示すように、構造体(410)は、上面及び下面(414、416)を有する第1の層(412)を含み得る。第1の層(412)は、以下により詳細に説明されるように、少なくとも部分的に超弾性材料から形成される。超弾性材料は、超弾性合金を含み得る。例えば、超弾性合金は、ニチノールを含み得る。ニチノールは、薄膜(例えば、1つ以上のニチノールストリップ又は他のニチノール構造体)として提供され得る。本実施例では、第1の層(412)を形成する材料が電気的に導電性がある程度であっても、第1の層(412)は、主に、電気的又は導電性の目的を果たす代わりに、構造的目的を果たしてもよい。
【0054】
上面及び下面(420、422)を有する第2の層(418)は、第1の層(412)上に配設される。示すように、第1の層(412)の上面(414)は、第2の層(418)の下面(422)に直接接触する。第2の層(418)は、少なくとも部分的に電気的に非導電性平面材料から形成される。非導電性材料は、第1の層(412)と第3の層(424)との間に電気絶縁特性を提供する。上面及び下面(426、428)を有する第3の層(424)は、第2の層(418)の上に配設される。示すように、第2の層(418)の上面(420)は、第3の層(424)の下面(428)に直接接触する。第3の層(424)は、エッチング又は蒸着された、電気的に導電性である材料を含む。第3の層(424)が、互いに別個であるいくつかの個別のゾーンで形成される変形形態では、(第2の層(418)が第3の層(424)のゾーンを第1の層(412)から電気的に絶縁することに加えて)第2の層(418)は、第3の層(424)のこれらの別個のゾーンを互いに電気的に絶縁してもよい。単なる例として、第3の層(424)は、アブレーション又はEPマッピング、圧力センサ、又は他の好適な種類の特徴に使用されるいくつかの個別の電極を含み得る。全ての層(412、418、424)はまた、流体経路などの他の特徴も含み得る。
【0055】
単なる例として、第1の層(412)は、1つ以上のニチノールストリップ又は他のニチノール構造体を含み得る。1つ以上のニチノールストリップを基板(430)に適用してもよい。好適な基板(430)は、例えば、カテーテル(310)の細長い可撓性シース(314)、又は遠位先端部材(316)の円筒状本体(330)を含む。言い換えれば、シース(314)又は円筒状本体(330)は、
図10の基板(430)を提供することができる。基板(430)は、上面及び下面(432、434)を含む。示すように、第1の層(412)の下面(416)は、基板(430)の上面(432)に直接接触する。上面及び下面の表記は、単に例示的な目的のために使用され、第1の層(412)が、基板(430)の内面又は外面を直接接触し得ることが想定されている。マッピング及びアブレーション電極(338、339)が、遠位先端部材(316)の円筒状本体(330)の外面(350)又は内面(354)に設けられている変形形態では、ニチノールストリップ又は他の弾性部材が、細長い可撓性シース(314)又は円筒状本体(330)を形成する可撓性材料(例えば、ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトンなど)の層間に挿入され得る。代替的には、ニチノールストリップ又は他の弾性部材は、マッピング及びアブレーション電極(338、339)が存在しない細長い可撓性シース(314)又は円筒状本体(330)の領域に沿って位置付けられてもよい。第1の層(412)が、前述の例において基板(430)層に適用されているが、他の変形形態は、完全に基板(430)を省略してもよい。言い換えれば、第1の層(412)それ自体は、他の層(418、424)に対する好適な基板として機能することができる。いくつかのそのような変形形態では、第1の層(412)は、シリンダの形状、その上に折り畳まれてドーム先端部を形成するフラップを有するシリンダ、又は任意の他の好適な形状で形成されてもよい。
【0056】
更に別の単なる例示的な例として、マッピング及びアブレーション電極(338、339)及び位置コイル(348a~c)は、遠位先端部材(316)の円筒状本体(330)のニチノールの上に設けられた電気的な絶縁層上に直接適用され得る。そのような変形形態では、エンドエフェクタ(312)は、ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン、又は従来のフレックス回路基板として機能する他の可撓性材料を欠いている可能性がある。他の方法もまた、マッピング及びアブレーション電極(338、339)、導電性トレース、又はカテーテル(310)の細長い可撓性シース(314)の外面及び内面(340、344)上、若しくは遠位先端部材(316)の円筒状本体(330)の外面及び内面(350、354)を設けるために用いられてもよく、スパッタ堆積、熱堆積などを含むが、これらに限定されない。
【0057】
エンドエフェクタ(312)は、熱電対(336)のような、熱電対の任意の好適な数及び配置を含み得る。加えて、又は代替的に、エンドエフェクタ(312)は、マッピング電極(338)の任意の好適な数及び配置を含み得る。加えて、又は代替的に、エンドエフェクタ(312)は、アブレーション電極(339)のような、任意の好適な数及び配置のアブレーション電極を含み得る。加えて、又は代替的に、カテーテル(310)は、力センサ(346a~c)のような、任意の好適な数及び配置の力センサを含み得る。加えて、又は代替的に、カテーテル(310)は、位置コイル(348a~c)のような、任意の好適な数及び配置の位置センサを含み得る。カテーテル(310)及びエンドエフェクタ(312)が形成され得る他の好適な方法は、本明細書の教示を考慮すれば当業者には明らかであろう。
【0058】
C.例示的な製造方法
図11は、ステップ(512、514、516)を含み得る、外科用器具(例えば、
図1~
図2に示すカテーテルアセンブリ(100))を製造する例示的な方法(510)を示す。上述のように、カテーテルアセンブリ(100)は、カテーテル(310)及びカテーテル(310)から遠位に延在するエンドエフェクタ(312)を含む。
【0059】
ステップ(512)で、方法(510)は、三次元構造体(例えば、第3の層(424))を超弾性材料(例えば、第1の層(412))上に層状にされた非導電性材料(例えば、第2の層(418))上にエッチング又は蒸着することによって、少なくとも1つの電極、少なくとも1つのセンサ、又は少なくとも1つの熱電対(336)を形成することを含み得る。少なくとも1つの電極は、少なくとも1つの感知電極(例えば、EPマッピング電極(338))、又は少なくとも1つのアブレーション電極(339)、少なくとも1つの参照電極(図示せず)を含み得る。別に、少なくとも1つのセンサは、少なくとも1つの力センサアセンブリ(326)、又は少なくとも1つの位置センサアセンブリ(328)を含み得る。
【0060】
例えば、蒸着は、物理蒸着であり得る。物理蒸着(physical vapor deposition、PVD)(しばしば薄膜プロセスと見なされる)は、材料が固体又は液体源から原子又は分子に気化し、蒸気として真空又は低圧気体(又はプラズマ)環境を通して基板に輸送され、蒸気が凝縮する、原子蒸着プロセスである。PVD処理の主なカテゴリは、真空蒸着(蒸発)、スパッタ堆積、アーク蒸着、及びイオンめっきである。代替的には、蒸着は化学蒸着である。化学蒸着(chemical vapor deposition、CVD)は、材料のフィルムが、基板の表面上の化学物質の分解によって気相から堆積されるプロセスである。このプロセスは、一般に、熱的に駆動されるか、光支援されるか、又はプラズマ支援される。フィルムの堆積は、化学反応によって制御される。例えば、PVD又はCVD機械(518)が利用され得る。
【0061】
第1、第2、及び第3の層(412、418、424)は、診断及び治療能力の両方を有するMRI機械と互換性がある単一の構造を作成してもよい。ステップ(512)は、ドーム、バレル、ドーム及びバレルの組み合わせ、又はドーム先端部を有するバレルをエッチング又は蒸着することを含み得る。磁性材料(例えば、第3の層(424))は、非導電性材料(例えば、第2の層(418))上に蒸着されて、構造体(410)を形成してもよい。
【0062】
ステップ(514)で、方法(510)は、形成ステップの後に、構造体(410)を形状セットするために構造体(410)を加熱処理することを含み得る。例えば、加熱装置(520)が利用されてもよい。この熱処理ステップは、単に任意選択である。超弾性材料(例えば、限定されないが、ニチノール)は、構造(410)が、製造の一貫性を提供するために、1つ以上の熱処理を使用して形状セットされることを可能にする。
【0063】
ステップ(516)で、方法(510)は、閉鎖形状を形成するために、シーム又は接合構造(410)をレーザー溶接することを含み得る。例えば、溶接装置(522)が利用されてもよい。このレーザー溶接ステップは、単に任意選択である。既存の微小構造体(例えば、開口部(334))は、タッチされていなくてもよい。上述のように、開口部(334)は、灌注流体が遠位先端部材(316)の内部から遠位先端部材(316)の円筒状本体(330)を通って連通されることを可能にする。更に、トレース及びボンドパッドは、適切な層に沿って堆積されてもよく、ワイヤは、ボンドパッドに接続されて、エンドエフェクタ(312)と誘導駆動システム(10)との間の電気通信のための経路を提供する。
【0064】
IV.例示的な組み合わせ
以下の実施例は、本明細書の教示を組み合わせるか又は適用することができる、様々な非網羅的な方法に関する。以下の実施例は、本出願における又は本出願の後の書類提出における任意の時点で提示され得るいずれの特許請求の範囲の適用範囲も限定することを意図したものではないことを理解されたい。一切の権利放棄を意図するものではない。以下の実施例は、あくまでも例示的な目的で与えられるものに過ぎない。本明細書の様々な教示は、その他の多くの方法で構成及び適用さてもよいことが企図される。また、いくつかの変形例では、以下の実施例において言及されるある特定の特徴を省略してよいことも企図される。したがって、発明者らによって又は発明者らの権利承継人によって、後日そうである旨が明示的に示されない限り、以下に言及される態様又は特徴のいずれも重要なものとして見なされるべきではない。いずれかの特許請求の範囲が、本出願において、又は以下に言及される特徴以外の更なる特徴を含む本出願に関連する後の書類提出において示される場合、それらの更なる特徴は、特許性に関連するいかなる理由によっても追加されたものとして仮定されるべきではない。
【実施例1】
【0065】
外科用器具を製造する方法であって、外科用器具が、カテーテルと、カテーテルから遠位に延在するエンドエフェクタと、を含み、方法が、超弾性材料上に層状にされた非導電性材料上に三次元構造をエッチング又は蒸着することによって、少なくとも1つの電極、センサ、又は熱電対を外科用器具のカテーテル又はエンドエフェクタ上に形成することを含む、方法。
【実施例2】
【0066】
非導電性材料が、平面状である、実施例1に記載の方法。
【実施例3】
【0067】
超弾性材料が、超弾性合金を含む、実施例1~2のいずれか1つ以上に記載の方法。
【実施例4】
【0068】
超弾性合金が、ニチノールを含む、実施例3に記載の方法。
【実施例5】
【0069】
ニチノールが、薄膜の形態である、実施例4に記載の方法。
【実施例6】
【0070】
カテーテル又はエンドエフェクタ上に少なくとも1つの電極、センサ、又は熱電対を形成する工程は、エッチング又は蒸着によって少なくとも1つの電極を形成することを更に含む、実施例1に記載の方法。
【実施例7】
【0071】
少なくとも1つの電極が、感知電極、アブレーション電極、及び参照電極からなる群から選択される、実施例6に記載の方法。
【実施例8】
【0072】
カテーテル又はエンドエフェクタ上に少なくとも1つの電極、センサ、又は熱電対を形成する工程は、エッチング又は蒸着によって少なくとも1つの熱電対を形成することを更に含む、実施例1~7のいずれか1つ以上に記載の方法。
【実施例9】
【0073】
形成する工程は、診断能力及び治療能力の両方を有する単一の構造を作成することを更に含む、実施例1~8のいずれか1つ以上に記載の方法。
【実施例10】
【0074】
カテーテル又はエンドエフェクタ上に少なくとも1つの電極、センサ、又は熱電対を形成する工程は、エッチング又は蒸着によって少なくとも1つのセンサを形成することを更に含む、実施例1~9のいずれか1つ以上に記載の方法。
【実施例11】
【0075】
センサが、少なくとも1つの位置センサアセンブリ又は少なくとも1つの力センサアセンブリである、実施例1~10のいずれか1つ以上に記載の方法。
【実施例12】
【0076】
カテーテルが、内面及び外面を有し、エンドエフェクタが、内面及び外面を有し、位置センサアセンブリが、少なくとも1つの位置コイルを含み、形成する工程が、少なくとも1つの位置コイルを、カテーテルの内面、エンドエフェクタの内面、カテーテルの外面、又はエンドエフェクタの外面のうちの少なくとも1つ上にエッチング又は蒸着することを更に含む、実施例11に記載の方法。
【実施例13】
【0077】
位置センサアセンブリが、少なくとも1つの位置コイルを含み、形成する工程が、少なくとも1つの位置コイルを、カテーテルの内面又はエンドエフェクタの内面上にエッチング又は蒸着することを更に含む、実施例11に記載の方法。
【実施例14】
【0078】
位置センサアセンブリが、少なくとも1つの位置コイルを含み、形成する工程が、少なくとも1つの位置コイルを、カテーテルの外面又はエンドエフェクタの外面上にエッチング又は蒸着することを更に含む、実施例11に記載の方法。
【実施例15】
【0079】
少なくとも1つの力センサが、第1の力センサを含み、形成する工程が、第1の力センサを、カテーテルの内面又はエンドエフェクタの内面上にエッチング又は蒸着することを更に含む、実施例11に記載の方法。
【実施例16】
【0080】
少なくとも1つの力センサが、第2の力センサを更に備え、形成する工程が、第2の力センサを、カテーテルの内面又はエンドエフェクタの内面上にエッチング又は蒸着することを更に含む、実施例15に記載の方法。
【実施例17】
【0081】
少なくとも1つの力センサが、第3の力センサを更に備え、形成する工程が、第2の力センサを、カテーテルの内面又はエンドエフェクタの内面上にエッチング又は蒸着することを更に含む、実施例16に記載の方法。
【実施例18】
【0082】
少なくとも1つの力センサが、第1の力センサを含み、形成する工程が、第1の力センサを、カテーテル又はエンドエフェクタの外面上にエッチング又は蒸着することを更に含む、実施例11に記載の方法。
【実施例19】
【0083】
少なくとも1つの力センサが、第2の力センサを更に備え、形成する工程が、第2の力センサを、カテーテル又はエンドエフェクタの外面上にエッチング又は蒸着することを更に含む、実施例18に記載の方法。
【実施例20】
【0084】
少なくとも1つの力センサが、第3の力センサを更に備え、形成する工程が、第2の力センサを、カテーテル又はエンドエフェクタの外面上にエッチング又は蒸着することを更に含む、実施例19に記載の方法。
【実施例21】
【0085】
少なくとも1つの力センサが、ロゼット歪みゲージを更に備え、力センサを蒸着することが、ロゼット歪みゲージをカテーテル又はエンドエフェクタ上に蒸着することを更に含む、実施例11~20のいずれか1つ以上に記載の方法。
【実施例22】
【0086】
ロゼット歪みゲージが、三方向ロゼット歪みゲージであり、ロゼット歪みゲージを蒸着することが、三方向ロゼット歪みゲージを、カテーテル又はエンドエフェクタ上に蒸着することを更に含み、実施例21に記載の方法。
【実施例23】
【0087】
蒸着することが、物理蒸着することである、実施例1~22のいずれか1つ以上に記載の方法。
【実施例24】
【0088】
蒸着することが、化学蒸着することである、実施例1~22のいずれか1つ以上に記載の方法。
【実施例25】
【0089】
磁性材料を非導電性材料上に蒸着して、三次元構造を形成することを更に含む、実施例1~24のいずれか1つ以上に記載の方法。
【実施例26】
【0090】
形成する工程の後に、三次元構造を加熱処理して、三次元構造を形状セットすることを更に含む、実施例1~25のいずれか1つ以上に記載の方法。
【実施例27】
【0091】
形成する工程が、ドーム、バレル、又は2つの組み合わせ、又はドーム先端部を有するバレルをエッチング又は蒸着することを更に含む、実施例1~26のいずれか1つ以上に記載の方法。
【実施例28】
【0092】
シーム又は接合部をレーザー溶接して、閉鎖形状を形成することを更に含む、実施例1~27のいずれか1つ以上に記載の方法。
【実施例29】
【0093】
外科用器具を製造する方法であって、外科用器具が、カテーテルと、カテーテルから遠位に延在するエンドエフェクタと、を含み、方法が、薄膜構造上に層状にされた非導電性材料上に構造をエッチング又は蒸着して、単一の構造を作成することによって、少なくとも1つの感知電極、アブレーション電極、熱電対、参照電極又はセンサを外科用器具のカテーテル又はエンドエフェクタ上に形成することを含む、方法。
【実施例30】
【0094】
形成する工程の後に、構造を加熱処理して、構造を形状セットすることを更に含む、実施例29に記載の方法。
【実施例31】
【0095】
形成する工程が、ドーム、バレル、又は2つの組み合わせ、又はドーム先端部を有するバレルをエッチング又は蒸着することを更に含む、実施例29~30のいずれか1つ以上に記載の方法。
【実施例32】
【0096】
シーム又は接合部をレーザー溶接して、閉鎖形状を形成することを更に含む、実施例29~31のいずれか1つ以上に記載の方法。
【実施例33】
【0097】
外科用器具であって、(a)ハンドルと、(b)ハンドルから遠位に延在するカテーテルであって、カテーテルの近位部分が長手方向軸を画定する、カテーテルと、(c)カテーテルから遠位に延在するエンドエフェクタであって、(i)超弾性材料を含む第1の層と、(ii)超弾性材料に接触する非導電性材料を含む第2の層と、(iii)非導電性材料と接触する第3の層と、を備える少なくとも1つの感知電極、アブレーション電極、参照電極、力センサアセンブリ、位置センサアセンブリ、又は熱電対を少なくとも含むエンドエフェクタと、を備える外科用器具。
【実施例34】
【0098】
カテーテルが、内面及び外面を有し、エンドエフェクタが、内面及び外面を有し、少なくとも1つの感知電極、アブレーション電極、参照電極、力センサアセンブリ、位置センサアセンブリ、又は熱電対が、カテーテルの内面、エンドエフェクタの内面、カテーテルの外面又はエンドエフェクタの外面のうちの少なくとも1つ上に配設されている、実施例33に記載の外科用器具。
【実施例35】
【0099】
カテーテルが、内面及び外面を有し、エンドエフェクタが、内面及び外面を有し、少なくとも1つの感知電極、アブレーション電極、参照電極、力センサアセンブリ、位置センサアセンブリ、又は熱電対が、カテーテルの内面又はエンドエフェクタの内面上に配設されている、実施例33に記載の外科用器具。
【実施例36】
【0100】
カテーテルが、内面及び外面を有し、エンドエフェクタが、内面及び外面を有し、少なくとも1つの感知電極、アブレーション電極、参照電極、力センサアセンブリ、位置センサアセンブリ、又は熱電対が、カテーテルの外面又はエンドエフェクタの外面上に配設されている、実施例33に記載の外科用器具。
【実施例37】
【0101】
非導電性材料が、ポリイミド及びポリエーテルエーテルケトンからなる群から選択される、実施例33~36のいずれか1つ以上に記載の外科用器具。
【実施例38】
【0102】
非導電性材料が、平面状である、実施例33~37のいずれか1つ以上に記載の外科用器具。
【実施例39】
【0103】
超弾性材料が、超弾性合金を含む、実施例33~38のいずれか1つ以上に記載の外科用器具。
【実施例40】
【0104】
超弾性合金が、ニチノールである、実施例39に記載の外科用器具。
【実施例41】
【0105】
超弾性材料が、形状記憶材料を含む、実施例39に記載の外科用器具。
【実施例42】
【0106】
形状記憶材料が、温度感受性材料を含み、その結果、温度感受性材料が、温度の変化に応答して第1の形状から第2の形状に移行するように構成されている、実施例41に記載の外科用器具。
【実施例43】
【0107】
位置センサを更に含み、位置センサは、三次元空間におけるカテーテルの少なくとも一部分又はエンドエフェクタの少なくとも一部分のうちの一方又は両方の位置を示す信号を生成するように動作可能である、実施例33~42のいずれか1つ以上に記載の外科用器具。
【実施例44】
【0108】
位置センサアセンブリが、カテーテルの一部分上に位置する、実施例33~43のいずれか1つ以上に記載の外科用器具。
【実施例45】
【0109】
カテーテルが、細長い可撓性シースを更に含み、位置センサアセンブリが、カテーテルの細長い可撓性シースの内面又は外面上に位置する、実施例33~44のいずれか1つ以上に記載の外科用器具。
【0110】
V.その他
本明細書に記載される器具のいずれも、処置前及び/又は処置後に洗浄及び滅菌することができる。1つの滅菌技術では、装置をプラスチック製又はTYVEK製のバックなど、閉鎖及び封止された容器に入れる。次に、容器及び装置を、ガンマ線、X線、又は高エネルギー電子線などの、容器を透過し得る放射線場に置いてもよい。放射線は、装置上及び容器内の細菌を死滅させ得る。次に、滅菌された装置を、後の使用のために、滅菌容器内に保管してもよい。デバイスはまた、限定されないが、ベータ線又はガンマ線、エチレンオキシド、過酸化水素、過酢酸、及びプラズマ又は水蒸気を伴う又は伴わない気相滅菌を含む当技術分野で公知の任意の他の技術を用いて滅菌されてもよい。
【0111】
本明細書に記載の実施例のいずれも、上述のものに加えて又はそれらの代わりに、様々な他の特徴部を含み得ることを理解されたい。単に一例として、本明細書に記載の実施例のいずれも、参照により本明細書に組み込まれている様々な参考文献のいずれかに開示されている様々な特徴部のうちの1つ以上を含むことができる。
【0112】
本明細書に記載の教示、表現、実施形態、実施例などのうちのいずれか1つ以上を、本明細書に記載の他の教示、表現、実施形態、実施例などのうちのいずれか1つ以上と組み合わせることができる点が理解されるべきである。したがって、上記の教示、表現、実施形態、実施例などは、互いに対して独立して考慮されるべきではない。本明細書の教示を組み合わせることができる様々な好適な方法は、本明細書の教示に鑑みて当業者には容易に明らかであろう。このような修正例及び変形例は、特許請求の範囲に含まれることが意図される。
【0113】
本明細書に参照により組み込まれると言及されるあらゆる特許、公報、又はその他の開示内容は、全体的に又は部分的に、組み込まれる内容が現行の定義、見解、又は本開示に記載されるその他の開示内容とあくまで矛盾しない範囲でのみ本明細書に組み込まれることを理解されたい。それ自体、また必要な範囲で、本明細書に明瞭に記載される開示内容は、参照により本明細書に組み込まれるあらゆる矛盾する記載に優先するものとする。参照により本明細書に組み込まれると言及されているが、現行の定義、見解、又は本明細書に記載される他の開示内容と矛盾する任意の内容、又はそれらの部分は、組み込まれた内容と現行の開示内容との間に矛盾が生じない範囲においてのみ、組み込まれるものとする。
【0114】
本発明の様々なバージョンについて図示し説明してきたが、本明細書に記載の方法及びシステムの更なる適合は、本発明の範囲から逸脱することなく、当業者による適切な修正によって達成することができる。このような可能な修正のうちのいくつかについて述べたが、その他の修正が当業者には明らかとなるであろう。例えば、上述の実施例、変形例、幾何学的形状、材料、寸法、比率、ステップなどは例示的なものであり、必須ではない。したがって、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲の観点から考慮されるべきものであり、本明細書及び図面に示され記載された構造及び動作の細部に限定されないものとして理解される。
【0115】
〔実施の態様〕
(1) 外科用器具を製造する方法であって、前記外科用器具が、カテーテルと、前記カテーテルから遠位に延在するエンドエフェクタと、を含み、前記方法が、
超弾性材料上に層状にされた非導電性材料上に三次元構造をエッチング又は蒸着することによって、少なくとも1つの電極、センサ、又は熱電対を前記外科用器具の前記カテーテル又は前記エンドエフェクタ上に形成することを含む、方法。
(2) 前記非導電性材料が、平面状である、実施態様1に記載の方法。
(3) 前記超弾性材料が、超弾性合金を含む、実施態様1に記載の方法。
(4) 前記超弾性合金が、ニチノールを含む、実施態様3に記載の方法。
(5) 前記カテーテル又は前記エンドエフェクタ上に少なくとも1つの電極、センサ、又は熱電対を形成する工程は、エッチング又は蒸着によって少なくとも1つの電極を形成することを更に含む、実施態様1に記載の方法。
【0116】
(6) 前記少なくとも1つの電極が、感知電極、アブレーション電極、及び参照電極からなる群から選択される、実施態様5に記載の方法。
(7) 前記カテーテル又は前記エンドエフェクタ上に少なくとも1つの電極、センサ、又は熱電対を形成する工程は、エッチング又は蒸着によって少なくとも1つの熱電対を形成することを更に含む、実施態様1に記載の方法。
(8) 前記カテーテル又は前記エンドエフェクタ上に少なくとも1つの電極、センサ、又は熱電対を形成する工程は、エッチング又は蒸着によって少なくとも1つのセンサを形成することを更に含む、実施態様1に記載の方法。
(9) 前記センサが、少なくとも1つの位置センサアセンブリ又は少なくとも1つの力センサアセンブリである、実施態様1に記載の方法。
(10) 前記カテーテルが、内面及び外面を有し、前記エンドエフェクタが、内面及び外面を有し、前記位置センサアセンブリが、少なくとも1つの位置コイルを含み、前記形成する工程が、前記少なくとも1つの位置コイルを、前記カテーテルの前記内面上、前記エンドエフェクタの前記内面上、前記カテーテルの前記外面上、又は前記エンドエフェクタの前記外面上のうちの少なくとも1つにエッチング又は蒸着することを更に含む、実施態様9に記載の方法。
【0117】
(11) 前記少なくとも1つの力センサが、第1の力センサを含み、前記形成する工程が、前記第1の力センサを、前記カテーテルの内面上又は前記エンドエフェクタの内面上にエッチング又は蒸着することを更に含む、実施態様9に記載の方法。
(12) 前記少なくとも1つの力センサが、ロゼット歪みゲージを更に備え、前記力センサを蒸着することが、前記ロゼット歪みゲージを前記カテーテル又は前記エンドエフェクタ上に蒸着することを更に含む、実施態様9に記載の方法。
(13) 磁性材料を前記非導電性材料上に蒸着して、前記三次元構造を形成することを更に含む、実施態様1に記載の方法。
(14) 前記形成する工程の後に、前記三次元構造を加熱処理して、前記三次元構造を形状セットすることを更に含む、実施態様1に記載の方法。
(15) シーム又は接合部をレーザー溶接して、閉鎖形状を形成することを更に含む、実施態様1に記載の方法。
【0118】
(16) 外科用器具を製造する方法であって、前記外科用器具が、カテーテルと、前記カテーテルから遠位に延在するエンドエフェクタと、を含み、前記方法が、
薄膜構造上に層状にされた非導電性材料上に構造をエッチング又は蒸着して、単一の構造を作成することによって、少なくとも1つの感知電極、アブレーション電極、熱電対、参照電極又はセンサを前記外科用器具の前記カテーテル上又は前記エンドエフェクタ上に形成することを含む、方法。
(17) 前記形成する工程の後に、前記構造を加熱処理して、前記構造を形状セットすることを更に含む、実施態様16に記載の方法。
(18) 前記形成する工程が、ドーム、バレル、又は前記2つの組み合わせ、又はドーム先端部を有するバレルをエッチング又は蒸着することを更に含む、実施態様16に記載の方法。
(19) 外科用器具であって、
(a)ハンドルと、
(b)前記ハンドルから遠位に延在するカテーテルであって、前記カテーテルの近位部分が長手方向軸を画定する、カテーテルと、
(c)前記カテーテルから遠位に延在するエンドエフェクタであって、
(i)超弾性材料を含む第1の層と、
(ii)前記超弾性材料に接触する非導電性材料を含む第2の層と、
(iii)前記非導電性材料と接触する第3の層と、を備える少なくとも1つの感知電極、アブレーション電極、参照電極、力センサアセンブリ、位置センサアセンブリ、又は熱電対を少なくとも含むエンドエフェクタと、を備える外科用器具。
(20) 前記カテーテルが、内面及び外面を有し、前記エンドエフェクタが、内面及び外面を有し、前記少なくとも1つの感知電極、アブレーション電極、参照電極、力センサアセンブリ、位置センサアセンブリ、又は熱電対が、前記カテーテルの前記内面、前記エンドエフェクタの前記内面、前記カテーテルの前記外面又は前記エンドエフェクタの前記外面のうちの少なくとも1つに配設されている、実施態様19に記載の外科用器具。