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特許7562677生体検出装置、生体検出方法、及び、プログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-27
(45)【発行日】2024-10-07
(54)【発明の名称】生体検出装置、生体検出方法、及び、プログラム
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/0245 20060101AFI20240930BHJP
   A61B 5/11 20060101ALI20240930BHJP
【FI】
A61B5/0245 100A
A61B5/11 110
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2022543969
(86)(22)【出願日】2021-08-18
(86)【国際出願番号】 JP2021030151
(87)【国際公開番号】W WO2022039188
(87)【国際公開日】2022-02-24
【審査請求日】2022-11-04
(31)【優先権主張番号】P 2020140401
(32)【優先日】2020-08-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】521369068
【氏名又は名称】データソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】大槻 知明
(72)【発明者】
【氏名】山本 幸平
【審査官】▲高▼ 芳徳
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-127398(JP,A)
【文献】特開2010-142456(JP,A)
【文献】国際公開第2019/165207(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2009/0062654(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2020/0093459(US,A1)
【文献】山本 幸平 他,スペクトログラムに基づく非接触型心拍検出法の精度改善,2019年電子情報通信学会総合大会講演論文集 通信2,2019年03月05日,p.363
【文献】茂木 瑛梨子 他,ビタビアルゴリズムを用いた平均R-R間隔の推定に基づくドップラーレーダによる心拍検出,電子情報通信学会技術研究報告,2016年01月21日,Vol.115, No.437 (ASN2015-91),p.69-74
【文献】茂木 瑛梨子 他,ビタビアルゴリズムを用いたドップラーレーダによる心拍検出におけるメトリックの検討,電子情報通信学会技術研究報告,2016年07月13日,Vol.116, No.149 (ASN2016-41),p.85-89
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/02 - 5/03
A61B 5/06 - 5/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
心拍を含む信号を取得する信号取得部と、
前記信号を周波数分析してスペクトログラムを生成する分析部と、
前記スペクトログラムが示す前記信号の周波数成分のうち、前記心拍に対応する周波数成分である心拍周波数成分のエネルギーを積分して積分値を計算する積分値計算部と、
前記積分値における極大値であるピークを特定するピーク特定部と、
前記ピークのうち、第1ピークと、前記第1ピークより後の時間に発生する第2ピークとを組み合わせて複数のピークセットを生成するピークセット生成部と、
前記複数のピークセットから、最尤推定法で心拍を示すピークである確からしさが最も高い系列を選択する選択部と
を含む生体検出装置であって、
前記最尤推定法が、ビタビアルゴリズムであり、
前記選択部が、前記第1ピークと前記第2ピークの間の心拍を示すピークである確からしさを示すブランチメトリックを計算して前記系列を選択し、
前記第1ピークと前記第2ピークで定まる前記心拍の間隔である第1心拍間隔と、前記第1心拍間隔の次の心拍間隔である第2心拍間隔を計算する心拍間隔計算部と、
前記第1心拍間隔と前記第2心拍間隔の差を計算する差分計算部と、
を更に含み、
前記選択部が、前記差を2乗した値を合計した累積値が最小となる前記系列を選択し、
前記スペクトログラムを所定時間単位で分割したセグメントデータを生成する分割部と、
前記セグメントデータを教師データにして学習した学習モデルに基づいて、前記セグメントデータが前記心拍を示すデータである確率値を出力する出力部と、
を更に含み、
前記第1心拍間隔及び前記第2心拍間隔を構成するピークの前記確率値である第1確率値、第2確率値、及び、第3確率値を計算し、
前記差に基づいて、心拍を示すピークである確からしさを示すパラメータを計算し、
前記パラメータ、前記第1確率値、前記第2確率値、及び、前記第3確率値を乗じて計算する評価値に基づいて前記系列を選択する、
生体検出装置。
【請求項2】
前記スペクトログラムを所定時間単位に分割したセグメントデータを生成し、前記セグメントデータを時間及び周波数の正負で分割して複数の領域を生成し、前記複数の領域を、それぞれ、複数の行列とし、前記複数の行列同士を反転し、かつ、加算及び/又は積算することにより、前記セグメントデータに含まれる対称となる部分を強調する、請求項1に記載の生体検出装置。
【請求項3】
前記信号取得部は、ドップラーレーダによって前記信号を取得する、請求項1又は2に記載の生体検出装置。
【請求項4】
生体検出装置が行う生体検出方法であって、
生体検出装置が、心拍を含む信号を取得することと、
生体検出装置が、前記信号を周波数分析してスペクトログラムを生成することと、
生体検出装置が、前記スペクトログラムが示す前記信号の周波数成分のうち、前記心拍に対応する周波数成分である心拍周波数成分のエネルギーを積分して積分値を計算することと、
生体検出装置が、前記積分値における極大値であるピークを特定することと、
生体検出装置が、前記ピークのうち、第1ピークと、前記第1ピークより後の時間に発生する第2ピークとを組み合わせて複数のピークセットを生成することと、
生体検出装置が、前記複数のピークセットから、最尤推定法で心拍を示すピークである確からしさが最も高い系列を選択することと、
を含む生体検出方法あって、
前記最尤推定法が、ビタビアルゴリズムであり、
前記選択することにおいて、前記第1ピークと前記第2ピークの間の心拍を示すピークである確からしさを示すブランチメトリックを計算して前記系列を選択し、
前記第1ピークと前記第2ピークで定まる前記心拍の間隔である第1心拍間隔と、前記第1心拍間隔の次の心拍間隔である第2心拍間隔を計算することと、
前記第1心拍間隔と前記第2心拍間隔の差を計算することと、
を更に含み、
前記選択することにおいて、前記差を2乗した値を合計した累積値が最小となる前記系列を選択し、
前記スペクトログラムを所定時間単位で分割したセグメントデータを生成することと、
前記セグメントデータを教師データにして学習した学習モデルに基づいて、前記セグメントデータが前記心拍を示すデータである確率値を出力することと、
を更に含み、
前記第1心拍間隔及び前記第2心拍間隔を構成するピークの前記確率値である第1確率値、第2確率値、及び、第3確率値を計算し、
前記差に基づいて、心拍を示すピークである確からしさを示すパラメータを計算し、
前記パラメータ、前記第1確率値、前記第2確率値、及び、前記第3確率値を乗じて計算する評価値に基づいて前記系列を選択する、
生体検出方法。
【請求項5】
請求項4に記載の生体検出方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体検出装置、生体検出方法、及び、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ウェアラブル機器で心拍数等の生体情報を計測して、生体情報に異常があるとユーザへ通知を行う技術が知られている(例えば、非特許文献1等)。
【0003】
また、見守りシステムにおいて、まず、老人等の被観察者に、ナースコールボタン、人感センサ、ドップラーセンサ、心拍計、呼吸計測機、サーモカメラ、血圧計、体温計、照度計、温度計、又は、湿度計等の観察機器を接続させる。このようにして、見守りシステムは、被観察者の観察情報を取得する。そして、見守りシステムは、観察情報に基づいて緊急発報条件に合致するか否かを判断して緊急事態であると緊急発報を行う。このようなバイタル系センサを用いる見守りシステムが知られている(例えば、特許文献1等)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【文献】"心拍数。その意味とApple Watch(登録商標)での表示方法"、[online]、2020年01月21日、[令和2年3月2日検索]、インターネット〈URL:https://support.apple.com/ja-jp/HT204666〉
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2017-151755号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、従来の技術では、心拍を精度良く計測するのが難しいことに鑑みて、心拍を精度良く計測することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
生体検出装置は、心拍を含む信号を取得する信号取得部と、
前記信号を周波数分析してスペクトログラムを生成する分析部と、
前記スペクトログラムが示す前記信号の周波数成分のうち、前記心拍に対応する周波数成分である心拍周波数成分のエネルギーを積分して積分値を計算する積分値計算部と、
前記積分値における極大値であるピークを特定するピーク特定部と、
前記ピークのうち、第1ピークと、前記第1ピークより後の時間に発生する第2ピークとを組み合わせてピークセットを生成するピークセット生成部と、
前記ピークセットから、最尤推定法で確からしさが最も高い系列を選択する選択部と
を含むことを要件とする。
【発明の効果】
【0008】
開示の技術によれば、心拍を精度良く計測できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1実施形態の全体構成例を示す図である。
図2】ドップラーレーダの例を示す図である。
図3】生体検出装置の例を示す図である。
図4】第1実施形態の全体処理例を示す図である。
図5】第1信号の例を示す図である。
図6】スペクトログラムの例を示す図である。
図7】積分値の計算結果例を示す図である。
図8】ピークの特定例を示す図である。
図9】最尤推定法による選択の例を示す図である。
図10】心拍間隔の例を示す図である。
図11】隣接するRRIの差のヒストグラムの例を示す図である。
図12】第1実施形態の機能構成例を示す図である。
図13】セグメントデータの生成例を示す図である。
図14】学習済みモデルによる確率値の出力例を示す図である。
図15】第2実施形態の実験結果を示す図である。
図16】第2実施形態の機能構成例を示す図である。
図17】第3実施形態における心拍間隔及び確率値の例を示す図である。
図18】第3実施形態の第1実験結果を示す図である。
図19】第3実施形態の第2実験結果を示す図である。
図20】第4実施形態におけるスペクトログラム及びセグメントデータの例を示す図である。
図21】第4実施形態の第1実験結果を示す図である。
図22】第4実施形態の第2実験結果を示す図である。
図23】第4実施形態の第3実験結果を示す図である。
図24】第4実施形態の心拍間隔を計算した第1実験結果を示す図である。
図25】第4実施形態の心拍間隔を計算した第2実験結果を示す図である。
図26】第4実施形態の心拍間隔を計算した第3実験結果を示す図である。
図27】ドップラーレーダで計測するIQデータの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、発明を実施するための最適かつ最小限な形態について、図面を参照して説明する。なお、図面において、同一の符号を付す場合には、同様の構成であることを示し、重複する説明を省略する。また、図示する具体例は、例示であり、図示する以外の構成が更に含まれる構成であってもよい。
【0011】
<第1実施形態>
例えば、生体検出システム1は、以下のような全体構成のシステムである。
【0012】
<全体構成例>
図1は、第1実施形態の全体構成例を示す図である。例えば、生体検出システム1は、PC(Personal Computer、以下「PC10」という。)、ドップラーレーダ12及びフィルタ13等を有する構成である。なお、生体検出システム1は、図示するように、アンプ11等を有する構成が望ましい。以下、図示する全体構成を例に説明する。
【0013】
PC10は、情報処理装置であって、生体検出装置の例である。また、PC10は、アンプ11等の周辺機器とネットワーク又はケーブル等を介して接続する。なお、アンプ11及びフィルタ13等は、PC10が有する構成でもよい。また、アンプ11及びフィルタ13等は、装置でなく、ソフトウェアによる構成、又は、ハードウェアとソフトウェアの両方による構成でもよい。以下、図示するような生体検出システム1の例で説明する。
【0014】
ドップラーレーダ12は、計測装置の例である。
【0015】
この例では、PC10は、アンプ11に接続される。また、アンプ11は、フィルタ13に接続される。さらに、フィルタ13は、ドップラーレーダ12に接続される。そして、PC10は、アンプ11及びフィルタ13を介して、ドップラーレーダ12から計測データを取得する。すなわち、計測データは、心拍及び呼吸等の生体の動作を示す信号のデータである。次に、PC10は、取得される計測データに基づいて被験者2の心拍、呼吸及び体の動き等の体動を解析し、心拍数等の人体の動きを計測する。
【0016】
ドップラーレーダ12は、例えば、以下のような原理で心拍及び呼吸等の動作を示す信号(以下「生体信号」という。)を取得する。
【0017】
<ドップラーレーダの例>
図2は、ドップラーレーダの例を示す図である。例えば、ドップラーレーダ12は、図2に示すような構成の装置である。具体的には、ドップラーレーダ12は、ソース(Source)12Sと、発信器12Txと、受信器12Rxと、ミキサー(Mixer)12Mとを有する。また、ドップラーレーダ12は、受信器12Rxが受信するデータのノイズを減らす等の処理を行うLNA(Low Noise Amplifier)等の調整器12LNAを有する。
【0018】
ソース12Sは、発信器12Txが発信する発信波の信号を生成する発信源である。
【0019】
発信器12Txは、被験者2に対して発信波を発信する。なお、発信波の信号は、時間「t」に係る関数Tx(t)で示せ、例えば、下記(1)式のように示せる。
【0020】
【数1】
上記(1)式では、「ω」は、発信波の角周波数である。
【0021】
そして、被験者2、すなわち、発信された信号の反射面は、時間「t」において、x(t)の変位である場合とする。この例では、反射面は、被験者2の胸壁となる。そして、変位x(t)は、例えば、下記(2)式のように示せる。
【0022】
【数2】
上記(2)式では、「m」は、変位の振幅を示す定数である。また、上記(2)式では、「ω」は、被験者2の動きによってシフトする角速度である。なお、上記(1)式と同様の変数は同じ変数である。
【0023】
受信器12Rxは、発信器12Txによって発信されて被験者2で反射した反射波を受信する。また、反射波の信号は、時間tに係る関数Rx(t)で示せ、例えば、下記(3)式のように示せる。
【0024】
【数3】
上記(3)式では、「d」は、被験者2と、ドップラーレーダ12との距離である。また、「λ」は、信号の波長である。以下、同様に記載する。
【0025】
ドップラーレーダ12は、発信波の信号を示す関数Tx(t)(上記(1)式である。)と、受信波の信号を示す関数R(t)(上記(3)式である。)とをミキシングして、ドップラー信号を生成する。なお、ドップラー信号は、時間tに係る関数B(t)で示すと、下記(4)式のように示せる。
【0026】
【数4】
そして、ドップラー信号の角周波数を「ω」とすると、ドップラー信号の角周波数ωは、下記(5)式のように示せる。
【0027】
【数5】
また、上記(4)式及び上記(5)式における位相「θ」は、下記(6)式のように示せる。
【0028】
【数6】
上記(6)式では、「θ」は、被験者2の胸壁、すなわち、反射面における位相変位である。
【0029】
次に、ドップラーレーダ12は、発信した発信波の信号と、受信した受信波の信号とを比較した結果、すなわち、上記の式による計算結果に基づいて、被験者2の位置及び速度等が出力される。
【0030】
例えば、受信波から、Iデータ(同相データ)及びQデータ(直交位相データ)が生成できる。そして、Iデータ及びQデータにより、被験者2の胸壁が移動した距離が検出できる。また、Iデータ及びQデータが示す位相に基づいて、被験者2の胸壁が前後のどちらに動いたかが検出できる。したがって、心拍に由来する胸壁の移動が、送信波及び受信波の周波数変化を利用して、心拍等の指標を検出できる。
【0031】
<生体検出装置のハードウェア構成例>
図3は、生体検出装置の例を示す図である。例えば、PC10は、CPU(Central Processing Unit、以下「CPU10H1」という。)と、記憶装置10H2と、入力装置10H3と、出力装置10H4と、入力I/F(Interface)(以下「入力I/F10H5」という。)とを有する。なお、PC10が有する各ハードウェアは、バス(Bus)(以下「バス10H6」という。)で接続され、各ハードウェアの間では、バス10H6を介して、データ等が相互に送受信される。
【0032】
CPU10H1は、PC10が有するハードウェアを制御する制御装置及び各種処理を実現するための演算を行う演算装置である。
【0033】
記憶装置10H2は、例えば、主記憶装置及び補助記憶装置等である。具体的には、主記憶装置は、例えば、メモリ等である。また、補助記憶装置は、例えば、ハードディスク等である。そして、記憶装置10H2は、PC10が用いる中間データを含むデータ及び各種処理及び制御に用いるプログラム等を記憶する。
【0034】
入力装置10H3は、ユーザの操作によって、計算に必要なパラメータ及び命令をPC10に入力するための装置である。具体的には、入力装置10H3は、例えば、キーボード、マウス及びドライバ等である。
【0035】
出力装置10H4は、PC10による各種処理結果及び計算結果をユーザ等に出力するための装置である。具体的には、出力装置10H4は、例えば、ディスプレイ等である。
【0036】
入力I/F10H5は、計測装置等の外部装置と接続し、データ等を送受信するためのインタフェースである。例えば、入力I/F10H5は、コネクタ又はアンテナ等である。すなわち、入力I/F10H5は、ネットワーク、無線又はケーブル等を介して、外部装置とデータを送受信する。
【0037】
なお、ハードウェア構成は、図示する構成に限られない。例えば、PC10は、処理を並列、分散又は冗長して行うため、更に演算装置又は記憶装置等を有してもよい。また、PC10は、演算、制御及び記憶を並列、分散又は冗長して行うため、他の装置とネットワーク又はケーブルを介して接続される情報処理システムでもよい。すなわち、1以上の情報処理装置を有する情報処理システムによって、本発明は実現されてもよい。
【0038】
このようにして、PC10は、ドップラーレーダ12等の計測装置によって生体の動作を示す生体信号を取得する。なお、生体信号は、リアルタイムで随時取得されてもよいし、ある期間分の生体信号をドップラーレーダ等の装置が記憶して、その後、PC10がまとめて取得してもよい。また、取得は、記録媒体等を用いてもよい。さらに、PC10は、ドップラーレーダ12等の計測装置を有し、PC10がドップラーレーダ12等の計測装置で計測して生体信号を生成して、生体信号を取得する構成でもよい。
【0039】
<全体処理例>
図4は、全体処理例を示す図である。例えば、以下に説明する全体処理は、所定時間ごとに繰り返して実行される。
【0040】
(信号の取得例)
ステップS101では、PC10は、生体を対象としてドップラーレーダ等によって計測して生成される信号であって、心拍成分を含む計測結果を示す信号(以下、単に「信号」という。)を取得する。例えば、信号は、以下のような信号である。
【0041】
図5は、第1信号の例を示す図である。図では、横軸が計測した時点を示す時間である。一方で、縦軸がドップラーレーダの計測結果に基づいて推定される電力である。
【0042】
(ローパスフィルタ処理の例)
ステップS102では、PC10は、信号に対して心拍が一般的に取る周波数成分より高い周波数成分を減衰させるローパスフィルタ処理を行う。このような前処理が信号に対して行われてもよい。
【0043】
具体的には、PC10は、信号に対して、心拍の周波数成分より高い周波数成分を減衰させるフィルタ処理を行う。例えば、PC10は、デジタルフィルタ等で、心拍の周波数成分より高い周波数をカットオフ周波数としたフィルタリングを行う。
【0044】
例えば、成人の男性であれば、1分間に50回乃至180回程度の心拍数であるため、心拍の周波数成分、すなわち、心拍の周波数成分は、0.8Hz乃至3Hz程度の周波数成分が主である。
【0045】
そこで、ローパスフィルタ処理は、例えば、0Hz乃至3Hzより高い周波数成分を減衰させるように設定されるのが望ましい。このような設定であると、PC10は、ローパスフィルタ処理によって、呼吸及び心拍を示す周波数成分を減衰させずに、ノイズとなる周波数成分を減衰させることができる。
【0046】
このように、PC10は、心拍が含まれる周波数帯域を減衰させず、心拍の周波数成分より高い周波数成分を減衰させるようにローパスフィルタ処理等の前処理を行うのが望ましい。
【0047】
なお、ローパスフィルタ処理の対象とする周波数帯域は、生体の年齢、性別、及び、状態等を考慮して設定されてもよい。例えば、激しい運動の後、又は、興奮しているといった状態であると、心拍数は、安静な状態より高い周波数となる。そのため、心拍の周波数は、両方とも安静な状態よりも高い周波数となる。一方で、安静な状態であると、心拍の周波数は、低い周波数となる。
【0048】
そこで、例えば、状態等に合わせて、ローパスフィルタ処理の対象とする周波数帯域が動的に変更される、又は、ローパスフィルタ処理の対象とする周波数帯域が絞られてもよい。
【0049】
具体的には、激しい運動の後の状態といった心拍の周波数が高い周波数帯域にあると考えられる状態では、3.5Hzより高い周波数成分を減衰させるローパスフィルタ処理が行われる。一方で、安静な状態等といった心拍の周波数が低い周波数帯域にあると考えられる状態では、1.4Hzより高い周波数成分を減衰させるローパスフィルタ処理が行われる。
【0050】
このように、状態等が入力できる、又は、状態等を考慮した値が設定されて、ローパスフィルタ処理が行われてもよい。
【0051】
例えば、3Hzに設定されるローパスフィルタ処理であると、PC10は、1分間に心拍が180回程度となるような激しい運動の後に発生する心拍の周波数成分を減衰させず、かつ、ノイズの周波数成分を減衰できる。ゆえに、生体が運動した後ではない状態であると分かっているような場合には、ローパスフィルタ処理は、1Hz程度に低い値が設定されてもよい。
【0052】
信号は、このような前処理が行われた信号であってもよい。
【0053】
(周波数分析によるスペクトログラムの生成例)
ステップS103では、PC10は、信号を周波数分析してスペクトログラムを生成する。例えば、周波数分析は、FFT(高速フーリエ変換、Fast Fourier Transform)等で実現する。このようにして、PC10は、周波数帯域ごとのエネルギーを示すスペクトルを算出する。また、PC10は、正規化を行って、スペクトログラムを生成してもよい。
【0054】
例えば、以下のようにスペクトログラムが生成される。
【0055】
図6は、スペクトログラムの例を示す図である。以下、被験者2が着座であって、静止している状態の計測結果を例に説明する。
【0056】
スペクトログラムには、心拍に対応する周波数成分(図では、「心拍周波数成分FR1」で示す。)が含まれる。また、心拍周波数成分FR1には、正の周波数領域に属する成分(図では、正周波数成分FR2」で示す。)と、負の周波数領域に属する成分(図では、負周波数成分FR3」で示す。)とが含まれる。
【0057】
具体的には、正周波数成分FR2は、周波数(図では縦軸で示す。)が「0」以上の周波数成分である。一方で、負周波数成分FR3は、周波数が「0」未満の周波数成分である。
【0058】
また、正周波数成分FR2は、心臓の拡張に起因する周波数成分である。そして、正周波数成分FR2は、8Hz乃至30Hzの周波数が中心となるスペクトルである。一方で、負周波数成分FR3は、心臓の収縮に起因する周波数成分である。そして、負周波数成分FR3は、‐8Hz乃至‐30Hzの周波数が中心となるスペクトルである。
【0059】
(積分値の計算例)
ステップS104では、PC10は、積分値を計算する。具体的には、積分値は、スペクトログラムが示す周波数成分のうち、心拍周波数成分FR1のパワー(図では、パワーの強弱を濃淡で示す。)を積分(離散的には、加算となる。)して計算される。以下、エネルギーがパワーである例で説明する。すなわち、エネルギーは、ドップラーレーダにおいて、電磁波のエネルギーをアンテナで導線に誘導した上で、PC10によって、導線上の電圧(又は、電流である。)の変化から計算される。このように、エネルギーは、各時刻及び各周波数のそれぞれのエネルギーを示す値であればよく、取得方法及び計算方法は問わない。
【0060】
図6に示すスペクトログラムの例では、積分値は、例えば、以下のように計算される。
【0061】
図7は、積分値の計算結果例を示す図である。具体的には、積分値は、心拍周波数成分FR1、すなわち、8Hz乃至30Hz、及び、‐8Hz乃至‐30Hzに生じるスペクトルを積分して計算される。
【0062】
(ピークの特定例)
ステップS105では、PC10は、ピークを特定する。例えば、ピークは、積分値における極大値である。したがって、ピークは、積分値を微分し、微分した値が「0」となる点等で特定される。なお、ピークは、極大値を用いる方法に限られず、他の手法で特定されてもよい。例えば、ピークは、以下のように特定される。
【0063】
図8は、ピークの特定例を示す図である。例えば、ピークは、図における「Pn」(n=1、2、3・・・)に示す点である。なお、「n」は、時間における発生順を示す番号であり、検出されるピークに対して時間順にナンバリングした値である。以下、図8に示すように、「P」乃至「P19」の19個のピーク候補が検出された場合を例に説明する。
【0064】
(ピークセットの生成例)
ステップS106では、PC10は、ピークセットを生成する。
【0065】
ピークセットとは、ピークの組み合わせである。以下、ピークセットを構成するピークのうち、一方のピークを「第1ピーク」という。そして、第1ピークとピークセットを構成する2つのピークのうち、第1ピークより後の時間に発生するピークを「第2ピーク」という。
【0066】
以下、図8における「P」を第1ピークとする例で、第1ピークと対になる第2ピークを選び、ピークセットを生成する例を説明する。
【0067】
第2ピークは、第1ピークが発生した時間(以下「第1ピーク発生時間T1」という。)を基準に、心拍が取り得る時間(以下「第2ピーク発生時間T2」という。)以内に含まれるピークである。具体的には、第1ピーク発生時間T1から第2ピーク発生時間T2までの時間(以下「ピーク検出時間T12」という。)は、2秒程度である場合が多い。ただし、ピーク検出時間T12は個人差等がある。そこで、個人差等を考慮して、ピーク検出時間T12は、2.5秒程度が設定されるのが望ましい。なお、ピーク検出時間T12は、事前に設定される。また、ピーク検出時間T12は、生体の状態等を考慮して設定されてもよい。
【0068】
すなわち、「P」が発生してから2.5秒以内に発生したピークが第2ピークとして特定される。具体的には、図8に示す例は、第1ピーク発生時間T1から第2ピーク発生時間T2までの2.5秒以内に「P」乃至「P」が発生している例である。ゆえに、第1ピーク「P」に対して、第2ピークは、「P」乃至「P」の3つが特定される。
【0069】
そして、「P」を第1ピークとし、かつ、「P」乃至「P」を第2ピークとした3つのピークセットが生成される。このように、ピーク検出時間T12に複数のピークが特定される場合には、それぞれの第2ピークと、第1ピークとを対にして、複数のピークセットが生成される。
【0070】
また、PC10は、次のピークセットを同様に生成する。例えば、「P」を第1ピークとしたピークセットがすべて生成された場合には、「P」の次に発生した「P」を第1ピークとし、同様に第2ピークを特定する。このようにして、特定されたすべてのピークに対して、ピークセットが生成される。
【0071】
(最尤推定法による選択例)
ステップS107では、PC10は、最尤推定法により、ピークセットから最尤推定法で最も確からしさの高い系列を選択する。なお、最尤推定法は、ビタビアルゴリズムが望ましい。ただし、最尤推定法は、ビタビアルゴリズム以外の方法でもよく、確からしさが計算できる方法であればよい。例えば、全探索を行う方法でもよい。なお、ビタビアルゴリズムを用いると、効率良く心拍を検出できる。以下、ビタビアルゴリズムを用いる例で説明する。
【0072】
図9は、最尤推定法による選択の例を示す図である。以下、「P」を第1ピークとする3つのピークセットを例に説明する。以下、ステップS106によって、「P」を第1ピークとし、かつ、「P」乃至「P」を第2ピークとした3つのピークセットである第1ピークセットPKS1乃至第3ピークセットPKS3が生成される例で説明する。
【0073】
第1ピークセットPKS1は、第1ピーク「P」及び第2ピーク「P」の組み合わせのピークセットである。
【0074】
第2ピークセットPKS2は、第1ピーク「P」及び第2ピーク「P」の組み合わせのピークセットである。
【0075】
第3ピークセットPKS3は、第1ピーク「P」及び第2ピーク「P」の組み合わせのピークセットである。
【0076】
また、図では、ピークセットを構成する第1ピークと第2ピークの間の確からしさ(以下「ピーク間値」という。)をピークとピークを結ぶ線で示す。以下、ピーク間値をビタビアルゴリズムにおける「ブランチメトリック」とする例で説明する。なお、ピーク間値は、確からしさを示す計算結果であればよい。ピーク間値の計算方法は後述する。
【0077】
以下、「P」及び「P」のブランチメトリックを「第12ブランチメトリックBM12」という。同様に、「P」及び「P」のブランチメトリックを「第13ブランチメトリックBM13」、「P」及び「P」のブランチメトリックを「第14ブランチメトリックBM14」という。また、ブランチメトリックは、第3ピークセットPKS3以降(図では、「P」乃至「P」より右側に記載するピークを用いるピークセットである。)についても同様に、「第23ブランチメトリックBM23」、「第24ブランチメトリックBM24」、「第25ブランチメトリックBM25」、「第34ブランチメトリックBM34」・・・のように計算される。
【0078】
ビタビアルゴリズムより、PC10は、ピークセットの組み合わせのうち、最も確からしさの高い系列を選択する。具体的には、図9に示す例は、ビタビアルゴリズムで系列SECが選択された場合の例である。
【0079】
また、それぞれの区間ごとのブランチメトリックを累積した値(以下、「累積値」という。)が計算される。以下、累積値をビタビアルゴリズムにおける「パスメトリック」とする例で説明する。図示するように、時系列によって、「第1区間SEC1」、「第2区間SEC2」・・・のように区間が分かれる。そして、区間ごと、1つずつブランチメトリックが選択されて、ブランチメトリックを繋げると、パスメトリックが選択できる。
【0080】
すなわち、確からしさが最も高い系列SECは、パスメトリックが最小又は最大(それぞれの確からしさを計算する方法による。)となる系列である。
【0081】
この例では、まず、第12ブランチメトリックBM12、第13ブランチメトリックBM13、及び、第14ブランチメトリックBM14のうち、第12ブランチメトリックBM12が最も確からしさが高いと判断された例である。
【0082】
次に、第12ブランチメトリックBM12が選択された場合には、「P」を第1ピークとし、かつ、「P」乃至「P」を第2ピークとしたピークセットについて同様に、ブランチメトリックが選択される。この例では、第24ブランチメトリックBM24が最も確からしさが高いと判断されたとする。
【0083】
このように、「P19」までブランチメトリック、すなわち、ピークセットを選んでいくと、「P」乃至「P19」のピークを結ぶ1つの系列SECが選択される。このように、系列SECが選択されると、心拍を示すピークの組み合わせを抽出できる。すなわち、系列SECは、特定されるピークのうち、心拍を示すピークを抽出した結果を示す。このような系列SECが選べると、心拍を精度良く計測できる。
【0084】
(心拍間隔によるピーク間値の計算例)
以下、心拍間隔をRRI(R-R interval、R-R間隔)とする例で説明する。
【0085】
心拍を示す信号には、心臓が収縮又は拡張により、心臓内に起こる電気によって「P」、「Q」、「R」、「S」、及び、「T」と呼ばれる信号の山(極大となる点に相当する。)又は谷(極小となる点に相当する。)が含まれる。そして、RRIは、「R」等のピークとなる時点から次の「R」となる時点までの間隔である。すなわち、心拍間隔は、心拍における1拍の時間を示す値である。したがって、心拍間隔は、RRI以外の値であってもよい。以下、RRIを例に説明する。ただし、心拍において「R」が他の山又は谷よりはっきりしている場合が多いため、RRIを用いると精度良く心拍が計測できる。
【0086】
RRIは、ピークとピークの間隔を示す。すなわち、RRIは、基準とするピークと、次のピークとを特定し、ピーク間の時間を計測して求まる。
【0087】
以下、「R」が「第1時点TR1」、「第2時点TR2」、「第3時点TR3」・・・の順に発生するピークに相当する場合を例に説明する。
【0088】
図10は、心拍間隔の例を示す図である。例えば、図示するように、「第1時点TR1」、「第2時点TR2」、「第3時点TR3」・・・というそれぞれの時点でピークが発生する場合には、第1時点TR1から第2時点TR2までの間隔がRRI(以下「第12RRI112」という。)となる。一方、第12RRI112の次のRRI、すなわち、第2時点TR2から第3時点TR3までの間隔がRRI(以下「第23RRI123」という。)となる。
【0089】
以下、第12RRI112を第1心拍間隔の例とし、かつ、第23RRI123を第2心拍間隔の例として説明する。また、第12RRI112及び第23RRI123のように、時間軸において前後するRRIの関係を「隣接する」と表現する場合がある。
【0090】
ブランチメトリックは、正の値及び負の値となる場合を考慮して隣接するRRIの差を2乗して計算する。具体的には、下記(10)式に、下記(8)式及び下記(11)式を代入する。このように計算すると、下記(12)式の計算結果が得られる。そして、下記(12)式が示すように、計算結果、すなわち、下記(12)式には、RRIの差の2乗が残る。したがって、このようにして得られるRRIの差の2乗をブランチメトリックに採用する。
【0091】
隣接するRRI、すなわち、第12RRI112及び第23RRI123の差は、心拍のピークによるものであれば、平均値が「0」の正規分布(「ガウス分布」ともいう。)に従って発生する。ゆえに、隣接するRRIの差をグラフにすると、例えば、以下のような傾向となる。
【0092】
図11は、隣接するRRIの差のヒストグラムの例を示す図である。具体的には、第12RRI112及び第23RRI123等のように隣接するRRIの差は、平均値を「0」(図における横軸の「0」である。)とし、正規分布の関係となる。すなわち、2つのRRIの差が正規分布の関係であると、心拍を示すピークが検出されている可能性が高い。
【0093】
なお、正規分布は、人又は状態によって、分散の傾向又は偏りがある。すなわち、人又は状態ごとに、正規分布に尖度、歪度又はこの両方が設定されてもよい。
【0094】
したがって、隣接するRRIの差を「S」とすると、下記(7)式及び下記(8)式が成り立つ。なお、下記(7)式及び下記(8)式において「i」は、ピークに対して時間順につけられる登場順を示すピーク番号である。
【0095】
【数7】
【0096】
【数8】
そして、それぞれの隣接するRRIの差、すなわち、ピークセットごとにRRIの差を計算する。このようにして計算される隣接するRRIの差のセット(以下単に「セット」という。)を「X」とする。すなわち、セット「X」は、下記(9)式に示すように、隣接するRRIの差の集合である。なお、下記(9)式における「M」は、ピークセットの数で定まる隣接するRRIの差の通し番号である。
【0097】
【数9】
ステップS107では、上記(9)式において、最も確からしい隣接するRRIの差「S」の組み合わせとなるセットが系列として選択される。このように、選択される「X」を選択系列セット「X」とすると、下記(10)式のように計算した選択系列セット「X」によって、ステップS107で系列が選択される。
【0098】
【数10】
また、上記(10)式における関数「P(X)」は、下記(11)式に示す関数である。
【0099】
【数11】
上記(7)式、上記(8)式、及び、上記(10)式により、下記(12)式のような関係が成り立つ。
【0100】
【数12】
上記(12)式が示すように、選択系列セット「X」は、隣接するRRIの差を2乗した値で定まる。ゆえに、ブランチメトリックに隣接するRRIの差を2乗した値を用いて合計が最小となる系列を選択すると、最も確からしさが高い系列を選択できる。
【0101】
なお、確からしさは、ハミング距離等でも計算できる。ただし、隣接するRRIの差に基づいて計算する方法は、確からしさを計算する上で置き換え等がなく計算できる。
【0102】
(指標の計算を行う例)
ステップS108では、PC10は、選択した系列に基づいて指標を計算してもよい。
【0103】
例えば、指標は、対象とする生体の生体情報を示す値である。具体的には、指標は、生体信号を解析して計算される値であって、脈拍数、心拍数、呼吸数、血圧、PTT(pulse transit time)、収縮期血圧(systolic blood pressure)、RRI、QRS間隔、QT間隔、又は、これらの組み合わせ等である。なお、指標は、これ以外の生体情報でもよい。
【0104】
<機能構成例>
図12は、第1実施形態の機能構成例を示す図である。例えば、PC10は、信号取得部10F1、分析部10F2、積分値計算部10F3、ピーク特定部10F4、ピークセット生成部10F5、及び、選択部10F6を含む機能構成である。
【0105】
信号取得部10F1は、心拍を含む信号を取得する信号取得手順を行う。例えば、信号取得部10F1は、ドップラーレーダ12、又は、入力I/F10H5等で実現する。
【0106】
分析部10F2は、信号を周波数分析してスペクトログラムを生成する周波数分析手順を行う。例えば、分析部10F2は、CPU10H1等で実現する。
【0107】
積分値計算部10F3は、分析部10F2が生成するスペクトログラムが示す周波数成分のうち、心拍に対応する周波数成分である心拍周波数成分のエネルギーを積分して積分値を計算する積分値計算手順を行う。例えば、積分値計算部10F3は、CPU10H1等で実現する。
【0108】
ピーク特定部10F4は、積分値におけるピークを特定するピーク特定手順を行う。例えば、ピーク特定部10F4は、CPU10H1等で実現する。
【0109】
ピークセット生成部10F5は、ピーク特定部10F4が特定するピークのうち、第1ピークと第2ピークとを組み合わせてピークセットを生成するピークセット生成手順を行う。例えば、ピークセット生成部10F5は、CPU10H1等で実現する。
【0110】
選択部10F6は、ピークセット生成部10F5が生成するピークセットから、最尤推定法で確からしさが最も高い系列を選択する選択手順を行う。例えば、選択部10F6は、CPU10H1等で実現する。
【0111】
例えば、選択部10F6は、心拍間隔計算部10F61、及び、差分計算部10F62を含む構成である。
【0112】
心拍間隔計算部10F61は、第1心拍間隔、及び、第2心拍間隔等の心拍間隔を計算する。
【0113】
差分計算部10F62は、心拍間隔計算部10F61が計算する心拍間隔のうち、隣接する心拍間隔の差を計算する。
【0114】
そして、差分計算部10F62が計算する差分を2乗した値等がピーク間値に用いられる最尤推定法が行われる。
【0115】
<第2実施形態>
第2実施形態は、第1実施形態と比較すると、確からしさの計算方法が異なる。以下、第1実施形態と異なる点を中心に説明し、第1実施形態と重複する説明を省略する。
【0116】
スペクトログラムは、例えば、第1実施形態に示す方法で生成される。以下、第1実施形態に示す方法でスペクトログラムが生成された場合を例に説明する。
【0117】
第2実施形態では、確からしさを計算する上で、スペクトログラムを以下のように分割してセグメントデータを生成する。
【0118】
図13は、セグメントデータの生成例を示す図である。以下、図13に示すようなスペクトログラムSPEが生成された場合を例に説明する。そして、スペクトログラムSPEを所定時間単位(図では、横軸方向に等間隔となる。)に分割すると、複数のセグメントデータSGが生成できる。
【0119】
このように生成されるセグメントデータSGを事前に学習した学習済みモデルに入力して、それぞれのセグメントデータSGが心拍を示すデータである確率値を以下のように出力する。
【0120】
図14は、学習済みモデルによる確率値の出力例を示す図である。例えば、学習済みモデルMDLは、例えば、CNN(Convolution Neural Network、畳み込みニューラルネットワーク)等といったネットワーク構造である。なお、学習済みモデルMDLは、他の機械学習によって実現されてもよい。
【0121】
例えば、学習済みモデルMDLは、セグメントデータSGと、心拍を示すか否かを判断した結果とをセットにした教師データによって機械学習を行うことで生成される。すなわち、学習済みモデルMDLは、教師ありの方式で生成される学習モデル等である。このような構成であると、例えば、以下のように心拍を示すデータである確率値を精度良く判断できる。
【0122】
図15は、第2実施形態の実験結果を示す図である。図では、実験で出力された確率値を横軸に示す。縦軸は回数を示す。そして、「True peak due heartbeat」は、実際に心拍を計測したスペクトログラムから生成されたセグメントデータに対する実験結果を示す。図示するように、「True peak due heartbeat」に対して、高い値の確率値(図では、「1」に近い値である。)が出力できた。
【0123】
一方で、「False peak due heartbeat」は、心拍でないスペクトログラムから生成されたセグメントデータに対する実験結果を示す。図示するように、「False peak due heartbeat」に対して、低い値の確率値(図では、「0」に近い値である。)が出力できた。
【0124】
このように、学習済みモデルを用いると、セグメントデータの入力に対して、心拍を示すデータである確率値を精度良く出力できる。ゆえに、ブランチメトリック等に確率値を用いて合計が最大となる系列を選択すると、最も確からしさが高い系列を選択できる。
【0125】
<機能構成例>
図16は、第2実施形態の機能構成例を示す図である。例えば、PC10は、第1実施形態と比較すると、信号取得部10F1及び分析部10F2を含む構成は同一である。
【0126】
一方で、第2実施形態では、PC10は、分割部10F7及び出力部10F8を含む機能構成となる点が異なる。
【0127】
分割部10F7は、スペクトログラムを所定時間単位で分割したセグメントデータを生成する。
【0128】
出力部10F8は、学習済みモデルMDLにより、セグメントデータが心拍を示すデータである確率値を出力する。
【0129】
そして、出力部10F8が出力する確率値を第1実施形態におけるピーク間値に用いると、選択部10F6は、最尤推定法で確からしさが最も高い系列を選択して心拍を精度良く計測できる。例えば、第1実施形態と同様に、積分値計算部10F3、ピーク特定部10F4、及び、ピークセット生成部10F5等を有する構成によってピークセットを生成する。
【0130】
また、学習済みモデルMDLは、セグメントデータSGと、心拍を示すか否かの正解データHBとをセットにした教師データDTを用いて、学習モデルMDLBを学習させて生成する。なお、学習モデルMDLBの学習は、他の装置で行われてもよいし、PC10が行ってよい。又は、学習モデルMDLBの学習は、他の装置で行われた後、追加してPC10が行ってもよい。
【0131】
<第3実施形態>
第3実施形態は、第1実施形態に示す方法で計算されるブランチメトリックと、第2実施形態に示す方法で計算されるブランチメトリックとを組み合わせる実施形態である。
【0132】
具体的には、第3実施形態では、下記(13)式のように、ブランチメトリック「P'(S)」(以下「評価値」という。)を計算する。
【0133】
【数13】
上記(13)式における「P(S)」は、第1実施形態に示す方法、すなわち、隣接する心拍間隔の差に基づいて計算される確からしさ(以下「パラメータ」という。)である。また、上記(13)式における「P(T)」(以下「第1確率値」という。)、「P(Ti+1)」(以下「第2確率値」という。)、及び、「P(Ti+2)」(以下「第3確率値」という。)は、第2実施形態に示す方法、すなわち、学習済みモデルが出力する3つのピークに対するそれぞれの確率値の計算結果である。
【0134】
上記(13)式に示す計算では、パラメータ「P(S)」は、第1確率値「P(T)」のピーク、及び、第2確率値「P(Ti+1)」のピークによって構成される第1心拍間隔と、第2確率値「P(Ti+1)」のピーク、及び、第3確率値「P(Ti+2)」のピークによる第2心拍間隔との差に基づいて計算される。
【0135】
そして、上記(13)式に示す計算では、第2実施形態に示す方法により、2つの心拍間隔を構成する3つのピークの確からしさを計算して、第1確率値「P(T)」、第2確率値「P(Ti+1)」、及び、第3確率値「P(Ti+2)」とする。
【0136】
したがって、評価値「P'(S)」は、パラメータ「P(S)」、第1確率値「P(T)」、第2確率値「P(Ti+1)」、及び、第3確率値「P(Ti+2)」を乗算して計算される。
【0137】
上記(13)式における各項は、以下のように示せる。
【0138】
図17は、第3実施形態における心拍間隔及び確率値の例を示す図である。例えば、「i」、「i+1」、「i+2」、・・・の順にピークが発生する。この例では、時点「T」及び時点「Ti+1」に発生するピークを第1ピーク及び第2ピークとした第1心拍間隔「RRI」となる。そして、第1心拍間隔「RRI」に隣接する第2心拍間隔「RRIi+1」は、時点「Ti+1」及び時点「Ti+2」に発生するピークを第1ピーク及び第2ピークとして計算される。
【0139】
このように計算すると、上記(9)式に示す、隣接するRRIの差のセットから、最も確からしい系列である選択系列セット「X」が選択される。このような選択は、下記(14)式のように示せる。
【0140】
【数14】
なお、上記(14)式における「M」は、推定する心拍間隔の数を示す。このように、ピークの確からしさ、及び、隣接する心拍間隔の差による確からしさを総じて評価すると、精度良く心拍を計測できる。
【0141】
<実験結果>
第3実施形態に示す方法で選択した系列の精度を実験した結果を以下に示す。
【0142】
図18は、第3実施形態の第1実験結果を示す図である。
【0143】
図19は、第3実施形態の第2実験結果を示す図である。
【0144】
図18図19では、被験者が異なる。そして、図18図19は、真値として心電計(electrocardiograph、以下「ECG」という。)の計測結果(図における「Actual RRI by ECG」が心電計による計測結果を示す。)を示す。また、図18図19では、比較例として、単純なピーク検出を行ってRRIを計算した結果(図における「RRI by simple peak detection」が示す。)を示す。一方で、図における「RRI by proposed peak detection」が第3実施形態に示す方法によってRRIを計算した結果である。
【0145】
比較は、下記(15)式に示すRMSE(Root Mean Square Error、二乗平均平方根誤差)で行った。
【0146】
【数15】
上記(15)式で計算されるRMSEの値は、小さい値であるほど、ECGに近い計測ができていることを示す評価指標である。そして、比較例は、RMSEの値が「144[ms]」及び「185[ms]」であったのに対して、第3実施形態に示す方法は、RMSEの値が「70[ms]」及び「85[ms]」であった。このように、第3実施形態に示す方法で計測すると、心拍を精度良く計測できる。
【0147】
また、評価値の計算は、下記(16)式のように、重み付けを行って計算してもよい。
【0148】
【数16】
上記(16)式における「α」は「重み係数」である。なお、他の変数は、上記(13)式と同様である。上記(16)式は、上記(13)式と比較すると、パラメータ「P(S)」に重み係数「α」を乗じ、かつ、第1確率値等の確率値に、重み係数「α」を「1」から減算した値である「1-α」を乗じている点が異なる。
【0149】
なお、重み係数「α」は、例えば、事前に設定される。上記(16)式のように、心拍間隔に基づくパラメータと、ピークの確率値のどちらに重きを置くかを重み係数「α」で設定できてもよい。例えば、心拍間隔に基づくパラメータと、ピークの確率値のどちらが重要かは、被験者の状態等によって変化する場合がある。このような変化があっても、上記(16)式のように重み係数が設定できると、精度良く心拍が計測できる。
【0150】
<第4実施形態>
第4実施形態では、セグメントデータSGにおけるスペクトルの対称性を考慮する。以下、第1実施形態及び第2実施形態と異なる点を中心に説明し、重複する説明を省略する。例えば、スペクトログラムSPEから、第2実施形態に示す方法で以下のようなセグメントデータSGが生成される例で説明する。
【0151】
図20は、第4実施形態におけるスペクトログラム及びセグメントデータの例を示す図である。具体的には、図20(A)に示すようなスペクトログラムSPEにおいて、スペクトログラムSPEを分割して図20(B)に示すようなセグメントデータSGが生成されるとする。なお、セグメントデータSGは、ウィンドウを時間に沿って(図では右方向となる。)ずらし、それぞれのウィンドウごとに生成される。
【0152】
次に、図20(B)に示すに、セグメントデータSGを時間(図では、横軸の長さである。)が等分、かつ、周波数を正負で分けて(図では、0Hzで区切ることである。)4つの領域を生成する。以下、領域を「第1領域E1」、「第2領域E2」、「第3領域E3」、及び、「第4領域E4」という。
【0153】
第1領域E1乃至第4領域のパワーを要素とする行列を「第1行列Q」乃至「第4行列Q」とすると、時系列信号「s」を下記(17)式のように計算して得る。
【0154】
【数17】
上記(17)式において、「.+」は要素同士の加算を示す。また、「.×」は要素同士の積算を示す。さらに、「fliplr」は、行列の列方向を反転する操作を示す。第1領域E1乃至第4領域を行列と見做す場合には、第1行列Q乃至第4行列Qの行は、数が一致する。同様に、第1行列Q乃至第4行列Qの列は、数が一致する。したがって、「fliplr」に行と列を反転すると、第1行列Qと第3行列Qを加算した結果と、第2行列Qと第4行列Qを加算した結果を反転したものが積算できる。
【0155】
心拍を含む場合には、領域は対称性がある。具体的には、セグメントデータSGは、心拍を含む場合には、図20(B)において、原点P0を中心に対称の分布となる。
【0156】
このように、セグメントデータSGにおける周波数成分のパワーに対称性があると、上記(17)式の計算では、2つの行列を加算及び積算するため、パワーが生じている点は、大きな値となり、強調される。なお、加算又は積算のどちらか一方だけでも強調は可能である。一方で、対称性がない部分は小さな値となる。すなわち、心拍に起因しない部分は減衰できる。このように、対称性がある部分を強調すると、精度良く心拍を計測できる。
【0157】
例えば、上記(17)式の計算を行うと、セグメントデータSGに含まれる対称となる部分を強調できる。具体的には、セグメントデータSGを時間及び周波数の絶対値で分割し、領域を生成する。このように生成される領域を行列とし、行列同士を、反転、加算及び積算すると、対称性のある周波数成分のパワーは強調される。
【0158】
<実験結果>
上記(17)式で計算する時系列信号「s」に対して、ウィンドウサイズを「10秒」、ステップサイズを「1秒」とするSTFT(Short Time Fourier Transform)を適用してスペクトログラムを算出した実験結果を以下に示す。また、それぞれのスペクトログラム上のパワーを周波数ごとに合算した結果を併せて以下に示す。
【0159】
図21は、第4実施形態の第1実験結果を示す図である。
【0160】
図22は、第4実施形態の第2実験結果を示す図である。
【0161】
図23は、第4実施形態の第3実験結果を示す図である。
【0162】
図21乃至図23では、被験者が異なる。そして、各図における(A)は、スペクトログラムの算出結果を示す。また、各図における(B)は、積分値を計算した結果を示す。
【0163】
各実験において、ECGによる計測結果を真値として計測した。
【0164】
第1実験では、真値は、0.79Hzであった。
【0165】
第2実験では、真値は、0.75Hzであった。
【0166】
第3実験では、真値は、1.28Hzであった。
【0167】
それぞれの(B)が示す結果では、いずれも真値の付近で最も積分値が大きな値となり、真値に近い精度良い計測ができた実験結果である。
【0168】
また、第4実施形態を用いた方法により、RRIを計算する実験を行った。
【0169】
図24は、第4実施形態の心拍間隔を計算した第1実験結果を示す図である。
【0170】
図25は、第4実施形態の心拍間隔を計算した第2実験結果を示す図である。
【0171】
図26は、第4実施形態の心拍間隔を計算した第3実験結果を示す図である。
【0172】
図24乃至図26では、真値としてECGの計測結果を示す。図における「Actual RRI by ECG」である。
【0173】
図における「RRI by Viterbi with refinement」に示すように、RMSEが「70ms」、「53ms」、及び、「51ms」となり、他の計測結果より精度良く心拍を計測できた。
【0174】
<ドップラーレーダで計測するIQデータの例>
図27は、ドップラーレーダで計測するIQデータの例を示す図である。例えば、ドップラーレーダ12は、図示するような信号を出力する。そして、arctan(Q/I)を計算すると、生体信号となる。
【0175】
ドップラーレーダ12は、動く対象物に電波を照射することで反射波の周波数が変化するドップラー効果に基づいて対象物の動きを計測できる。このように、非接触に被験者の動きを計測できる構成が望ましい。
【0176】
<変形例>
なお、生体は、人に限られず、動物等でもよい。
【0177】
学習済みモデルは、AIにおけるソフトウェアの一部として利用される。したがって、学習済みモデルは、プログラムである。そのため、学習済みモデルは、例えば、記録媒体又はネットワーク等を介して、頒布又は実行されてもよい。
【0178】
学習済みモデルは、例えば、CNN(Convolution Neural Network、畳み込みニューラルネットワーク)、又は、RNN(Recurrent Neural Network、回帰型ニューラルネットワーク)等といったネットワーク構造を含む。また、学習済みモデルは、ネットワーク等を介して利用できるクラウド等で実現されてもよい。
【0179】
このように、機能構成のうち、「学習処理」用の構成と「実行処理」用の構成は、両方を含む構成でなくともよい。例えば、「学習処理」を行う段階では、「実行処理」用の構成を含まない構成でもよい。同様に、「実行処理」を行う段階では、「学習処理」用の構成を含まない構成でもよい。このように、「学習」及び「実行」の段階に分けて、行う処理とは異なる構成を除いた構成にできてもよい。なお、「学習処理」又は「学習処理」の後等に、ネットワーク構造における様々な設定は、ユーザによって調整されてもよい。
【0180】
<その他の実施形態>
例えば、送信器、受信器、又は、情報処理装置は、複数の装置であってもよい。すなわち、処理及び制御は、仮想化、並行、分散又は冗長して行われてもよい。一方で、送信器、受信器及び情報処理装置は、ハードウェアが一体又は装置を兼用してもよい。
【0181】
なお、本発明に係る各処理の全部又は一部は、アセンブラ等の低水準言語又はオブジェクト指向言語等の高水準言語で記述され、コンピュータに生体検出方法を実行させるためのプログラムによって実現されてもよい。すなわち、プログラムは、情報処理装置、又は、生体検出システム等のコンピュータに各処理を実行させるためのコンピュータプログラムである。
【0182】
したがって、プログラムに基づいて各処理が実行されると、コンピュータが有する演算装置及び制御装置は、各処理を実行するため、プログラムに基づいて演算及び制御を行う。また、コンピュータが有する記憶装置は、各処理を実行するため、プログラムに基づいて、処理に用いられるデータを記憶する。
【0183】
また、プログラムは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録されて頒布することができる。なお、記録媒体は、磁気テープ、フラッシュメモリ、光ディスク、光磁気ディスク又は磁気ディスク等のメディアである。さらに、プログラムは、電気通信回線を通じて頒布することができる。
【0184】
以上、好ましい実施の形態等について詳説したが、上述した実施の形態等に制限されることはなく、特許請求の範囲に記載された範囲を逸脱することなく、上述した実施の形態等に種々の変形及び置換を加えることができる。
【0185】
また、本国際出願は、2020年8月21日に出願された日本国特許出願2020-140401に基づく優先権を主張するものであり、日本国特許出願2020-140401の全内容を本国際出願に援用する。
【符号の説明】
【0186】
1 生体検出システム
2 被験者
10F1 信号取得部
10F2 分析部
10F3 積分値計算部
10F4 ピーク特定部
10F5 ピークセット生成部
10F6 選択部
10F61 心拍間隔計算部
10F62 差分計算部
10F7 分割部
10F8 出力部
11 アンプ
12 ドップラーレーダ
12LNA 調整器
12Rx 受信器
12S ソース
12Tx 発信器
13 フィルタ
BM12 第12ブランチメトリック
BM13 第13ブランチメトリック
BM14 第14ブランチメトリック
BM23 第23ブランチメトリック
BM24 第24ブランチメトリック
BM25 第25ブランチメトリック
BM34 第34ブランチメトリック
DT 教師データ
E1 第1領域
E2 第2領域
E3 第3領域
E4 第4領域
FR1 心拍周波数成分
FR2 正周波数成分
FR3 負周波数成分
HB 正解データ
MDL 学習済みモデル
MDLB 学習モデル
P0 原点
PKS1 第1ピークセット
PKS2 第2ピークセット
PKS3 第3ピークセット
Q1 第1行列
Q2 第2行列
Q3 第3行列
Q4 第4行列
SEC 系列
SEC1 第1区間
SEC2 第2区間
SG セグメントデータ
SPE スペクトログラム
T1 第1ピーク発生時間
T2 第2ピーク発生時間
T12 ピーク検出時間
TR1 第1時点
TR2 第2時点
TR3 第3時点
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
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図15
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図18
図19
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図23
図24
図25
図26
図27